JP4157642B2 - シート仕分け装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷機や複写機等の画像形成装置に付設して設けられ又は一体に形成されるシート仕分け装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のシート仕分け装置では、印刷機等の画像形成装置から排出される画像形成済みのシートを、例えば搬送経路の下流に設けられた単一のシート排出手段によりビンユニットの複数のビンに分配し、後述する整合手段によりビン内でのバラツキを整えた後取り出すようになっている。整合手段による整合後、綴じ処理等の処理を行うものも知られている。
シートの分配時は、回転しながら上下に移動するビン開閉カム(リードカム)によって各ビンのシート進入口が次々に拡大されてシートが収容されるようになっている。最終ビンにシートが収容されると、ビン開閉カムはホームポジションに回転しながら戻る。
【0003】
ビンユニットは、複数のトレイを上下方向に重ね合わせ状態に設けることにより構成され、トレイの数だけのビン(トレイを底面とするシート収容空間)が形成される。
ビンユニットの上記積層構成により、複数のシートを各ビンに分配するためには、画像形成装置からのシートの排出毎にシート排出手段とビンユニットの指定ビンとを対応させる必要がある。その対応方式としては、大別して、シート排出手段を位置固定してビンユニットを上下方向に移動させるビン移動方式と、ビンユニットを位置固定してシート排出手段を上下方向に移動させるデフレクタ移動方式とがある。
【0004】
ビンへ収容されたシートの整合は、図20に示すように、一般に一つのジョガーフェンス800とエンドフェンス802によってなされる。ジョガーフェンス800はシート進入方向と略直交するシート幅方向に移動可能に設けられ、例えばその1方向(矢印N方向)からシート進入方向に平行な基準面804へ向けてシート806を押圧し、シート806の押圧側と反対側を基準面804に突き当てることにより整合を行なう。
エンドフェンス802は、シート進入方向に移動可能に設けられ、ビン収容時のシート進入方向の所定以上のシート806の移動を制限するとともに、収容後はシート進入方向と反対側へ向けてシート806を押圧し、シート幅方向に平行なビン基準面808に突き当てることにより整合を行なう。
【0005】
整合時、ジョガーフェンス800は、ホームポジションP0からシート進入時の待機位置P1に移動し、シート806の進入後、シート806の規定サイズ位置P3まで移動する。ホームポジションP0から待機位置P1までの移動速度V1と、待機位置P1から規定サイズ位置P3までの移動速度V3は同じに設定されている。
エンドフェンス802においても同様で、整合時、ホームポジションp0からシート進入時の待機位置p1に移動し、シート806の進入後、シート806の規定サイズ位置p3まで移動する。ホームポジションP0から待機位置p1までの移動速度v1と、待機位置p1から規定サイズ位置p3までの移動速度v3は同じに設定されている。
【0006】
ジョガーフェンス800、エンドフェンス802による整合動作は、最終ビンへのシート分配後になされ、整合動作完了後、ビン開閉カムをホームポジションに戻すようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ジョガーフェンス800、エンドフェンス802の移動速度が比較的高速に設定されている場合、シート揃え時間は速くなるが、薄紙又は腰の弱いシートでは、図20に示すように、シートが位置ずれしている場合、ジョガーフェンス800又はエンドフェンス802の片側のみによって局部的に押圧されるため、折れや傷が発生し、良好な揃え性が得られないという問題があった。
一方、ジョガーフェンス800、エンドフェンス802の移動速度が比較的低速に設定されている場合には、揃え性は良好となるものの、整合時間が長くなるという問題があった。
また、ビン開閉カムを用いる構成では、折角整合されたシートがビン開閉カムのホームポジション復帰時の回転振動で乱れるという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、シートの種類に拘らず、またビン開閉カムを有する構成であっても良好な揃え速度と揃え性を得ることができるシート仕分け装置の提供を、その目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明では、画像形成装置から受け取った画像形成済みのシートを収容するビンが複数重ね合わせ状態に設けられたビンユニットと、上記ビンに収容されたシート又はシート束を基準面に押圧してバラツキを整える整合手段と、この整合手段を制御する制御手段を有するシート仕分け装置において、上記制御手段は、上記整合手段の移動速度を、ホームポジションからシート進入時の待機位置までの移動速度V1と、待機位置からシート規定サイズ位置の近傍までの移動速度V2と、シート規定サイズ位置の近傍からシート規定サイズ位置までの移動速度V3との3段階に分け、上記制御手段は、V1=V3≫V2の関係を満たすように制御する、という構成を採っている。
【0010】
請求項2記載の発明では、画像形成装置から受け取った画像形成済みのシートを収容するビンが複数重ね合わせ状態に設けられたビンユニットと、上記ビンに収容されたシート又はシート束を基準面に押圧してバラツキを整える整合手段と、この整合手段を制御する制御手段を有するシート仕分け装置において、上記制御手段は、上記整合手段の移動速度を、ホームポジションからシート進入時の待機位置までの移動速度V1と、待機位置からシート規定サイズ位置の近傍までの移動速度V2と、シート規定サイズ位置の近傍からシート規定サイズ位置までの移動速度V3との3段階に分け、上記制御手段は、V3>V1≫V2の関係を満たすように制御する、という構成を採っている。
【0011】
請求項3記載の発明では、請求項1又は2記載のシート仕分け装置において、回転しながら上下に移動して指定されたビンのシート進入口を拡大させるビン開閉カムを有し、上記制御手段は、最終ビンへのシート分配が完了した後、上記整合手段の整合動作の最終段階で上記ビン開閉カムのそのホームポジションへの復帰を開始させる、という構成を採っている。
【0012】
請求項4記載の発明では、請求項1又は2記載のシート仕分け装置において、回転しながら上下に移動して指定されたビンのシート進入口を拡大させるビン開閉カムを有し、上記制御手段は、最終ビンへのシート分配が完了した後、上記整合手段の整合完了と同時かまたはそれよりも前に上記ビン開閉カムのそのホームポジションへの復帰を完了させる、という構成を採っている。
【0013】
請求項5記載の発明では、請求項4記載のシート仕分け装置において、上記制御手段は、シートの種類やサイズに応じて上記ビン開閉カムのホームポジションへの復帰開始時期を異ならせる、という構成を採っている。
【0018】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図に基づいて説明する。
まず、図1に基づいて本発明の一実施例に係るシート仕分け装置の全体構成を概略的に説明する。
本実施例におけるシート仕分け装置2は、画像形成装置としての孔版印刷機4に付設されている。孔版印刷機4は、例えば特開平7−309520号公報に開示される公知の印刷構成を有するもので、ここではその構成及び説明を省略する。
【0019】
シート仕分け装置2は、下部フレーム6と上部フレーム8とから全体の枠組みが構成されており、下部フレーム6には、孔版印刷機4から搬送手段4aによって排出される画像形成済みのシートSを受け取る搬送手段10と、水平搬送手段12と、偏向部材14と、非仕分けモード時に使用される、昇降可能で大量排紙可能な排紙トレイ手段16等が備えられている。搬送手段10は、水平搬送手段12と排紙トレイ手段16とへ選択的にシートSを案内する搬送路切り換え機能を有している(後述)。シート仕分け装置2の各動作は、制御手段102によって制御される。
【0020】
上部フレーム8には、複数のトレイ18が上下方向に重ね合わせ状態に設けられて形成されたビンユニット20(本実施例ではビン数20)と、偏向部材14により搬送方向を切り換えられたシートSを略垂直方向に搬送する垂直搬送手段22と、この垂直搬送手段22によって搬送されてくるシートSを指定されたビンへ排出するシート排出手段24と、後述する整合手段で整合されたシート束をグリップしてシート搬送方向に移動させるグリップ手段26と、グリップ手段26により移動させられたシート束に綴じ処理を行うシート処理手段としてのステイプラー28等が備えられている。
【0021】
シート排出手段24は、指定されたビンのシート進入口を拡大するビン開閉カム30と、ビン開閉カム30を回転駆動するカム駆動手段(後述)と、垂直搬送手段22の搬送面からシートSを掬い上げて拡開されたビンへ導く偏向爪32と、この偏向爪32を駆動する偏向爪切り換え手段(後述)等を有しており、上下方向に昇降可能に設けられている。
孔版印刷機4の搬送手段4a、搬送手段10、水平搬送手段12、垂直搬送手段22はいずれも、ファンの吸引力でシートSを搬送ベルト上に密着させて搬送する吸着搬送構成を有している。これらの構成についても後で詳細に説明する。
【0022】
図2に示すように、ビンの底面を形成するトレイ18は、シート進入方向後端に固定された非開放型の後端揃え面18aを一体に有しており、シート積載面18bには、積載されたシートSをシート進入方向と略直交するシート幅方向から押圧してバラツキを修正する横方向整合手段34の移動用穴18c,18dと、主にシート進入方向の移動を制限するエンドフェンス36の移動用穴18eが形成されている。移動用穴18eは、シートSのサイズに応じて移動する場合又は縦方向の整合を行う場合の縦移動用穴18fと、この縦移動用穴18fに連設され、グリップ手段26でシート束を移動させるときにエンドフェンス36が退避する退避用穴18gとからなる略L字形に形成されている。
図2では図示しないが、各トレイ18の後端部両側には、ビン開閉カム30の螺旋状のカム溝30aに係合する軸部材としてのトラニオン38(図1)が固定されている。トレイ18の先端部は、図1に示すように、上部フレーム8に固定された支持片40に湾曲凸部18hを介して点接触又は線接触状態に支持されており、ビン開閉時における摩擦が小さいヒンジ機能が得られるようになっている。
【0023】
次に、図2に基づいて、グリップ手段26とステイプラー28をビンユニット20の任意のビンBに対応させるべく同時昇降させる昇降機構及びこれを駆動する駆動源等について説明する。なお、以下に示す軸やプーリ等は上部フレーム8に適宜に支持されており、これについての説明は省略する。
ビンユニット20の3隅に対応して3つの垂直ベルト42,44,46が配置されている。ビンBのシート進入方向後端側の一方に位置する垂直ベルト42は、プーリ48,50間に掛け渡されており、シート進入方向先端側の一方に位置する垂直ベルト44は、プーリ52と、水平に延びる駆動軸54の一端に固定されたプーリ56間に掛け渡されている。駆動軸54の他端にはプーリ58が固定されており、このプーリ58とプーリ60間に垂直ベルト46が掛け渡されている。垂直ベルト42の下方に位置するプーリ50と同軸上に固定されたプーリ62と、垂直ベルト44の下方に位置するプーリ56と同軸上に固定されたプーリ64間には水平ベルト66が掛け渡されており、駆動軸54の回転が垂直ベルト42に伝達されるようになっている。
【0024】
駆動軸54の延長端にはギヤ68が固定されており、このギヤ68は駆動源としてのステッピングモータ70の回転軸に固定されたギヤ72に噛み合っている。従って、ステッピングモータ70が回転すると、3つの垂直ベルト42,44,46が同時に同一方向に回転移動する。
グリップ手段26は、垂直ベルト42と44間に配置された水平軸74に摺動自在に取り付けられており、シートSの進入方向及びその反対方向に移動できるようになっている。水平軸74の一端は垂直ベルト42に沿って設けられた垂直軸76に摺動自在に設けられた円筒状のスライダ78に取り付けられており、スライダ78は垂直ベルト42に結合されている。水平軸74の他端は、垂直ベルト44に結合されて上下移動可能な二股ジョイント80に取り付けられている。
【0025】
水平軸74と同時に昇降できるように、ステッピングモータ82と、プーリ84は設けられており、ステッピングモータ82の回転軸に固定されたプーリ86とプーリ84間には水平軸74に沿う水平ベルト88が掛け渡されている。グリップ手段26は水平ベルト88に結合されており、これによりグリップ手段26はステッピングモータ82を駆動源として、その昇降動作とは独立してシートSの進入方向及びその反対方向への水平移動ができるようになっている。
【0026】
ステイプラー28は、垂直ベルト44と46間に配置された水平軸90に摺動自在に取り付けられており、シートSの進入方向と略直交するシート幅方向に水平移動できるようになっている。水平軸90の一端は垂直ベルト44に結合された二股ジョイント80に取り付けられており、他端は垂直ベルト46に結合されたジョイント92に取り付けられている。従って、グリップ手段26とステイプラー28はステッピングモータ70の回転により同時に昇降する。
本実施例によれば、単一の駆動源(ステッピングモータ70)でグリップ手段26とステイプラー28を同時に昇降させることができるので、低コスト及び簡易な構成で昇降機構を実現できる。
【0027】
水平軸90と同時に昇降できるように、ステッピングモータ94と、プーリ96は設けられており、ステッピングモータ94の回転軸に固定されたプーリ98とプーリ96間には水平軸90に沿う水平ベルト100が掛け渡されている。ステイプラー28は水平ベルト100に連結されており、これによりステイプラー28はステッピングモータ94を駆動源として、その昇降動作とは独立してシートSの進入方向と略直交するシート幅方向への水平移動ができるようになっている。
【0028】
次に、図3に基づいて、シート仕分け装置2の動作を制御する制御手段102について説明する。
なお、制御手段102は、CPU、I/Oインターフェース、RAM、ROM等を含めたマイクロコンピュータを意味する。
制御手段102は、グリップ手段26とステイプラー28を同時昇降させる駆動源であるステッピングモータ70、グリップ手段26の水平移動駆動源としてのステッピングモータ82、ステイプラー28の水平移動駆動源としてのステッピングモータ94等を制御する。また、シート仕分け装置2に設けられた操作パネル104や孔版印刷機4の制御手段106との間で信号の授受を行う。
上記操作パネル104はシート仕分け装置2に一体に設ける必要はなく、孔版印刷機4に設けてもよく、孔版印刷機4の操作パネルと兼用してもよい。また、上記制御手段102も孔版印刷機4の制御手段と兼用してもよい。
【0029】
次に、各ビンBに収容されたシートSのバラツキを修正する整合手段としてのエンドフェンス36や整合手段としての横方向整合手段34等について説明する。
図4に示すように、ビンユニット20のシート進入方向先端側には、ビンユニット20の周囲をシート進入方向と略直交するシート幅方向に取り囲む枠体125が設けられており、枠体125はシート進入方向及びその反対方向に移動可能となっている。枠体125は、上部横枠126、下部横枠128、右側縦枠130、左側縦枠132を有しており、シートSの進入方向の移動を制限する突き当て面としてのエンドフェンス36は、上部横枠126と下部横枠128間に支持されている。位置的基準について説明すると、右側は装置の手前側、左側は装置の奥側である(以下、同じ。)
制御手段102は、孔版印刷機4からシートSのサイズ情報を受けると、枠体125を移動させ、エンドフェンス36をシートSのサイズに対応した位置に位置させる。
【0030】
本実施例では、ビンユニット20に収容され又は処理が終了したシートSは、ビンユニット20の右側面から手前側(矢印N方向)へ引き出されて取り出される。右側面のシート進入方向後端側には、基準面としての基準フェンス134が設けられている。
基準フェンス134は、上部フレーム8に支持片136,137を介して回転自在に支持された垂直軸138に基端を固定されており、垂直軸138に固定されたギヤ140とこれに噛み合うウォームギヤ142及びステッピングモータ144等からなる駆動構成145によって回動される。グリップ手段26が小サイズのシートSをグリップするときはグリップ手段26と基準フェンス134が干渉するため、この場合には実線で示す整合位置から外方に回動されて二点鎖線で示す退避位置に位置付けられる。
【0031】
枠体125の右側縦枠130の内面(破線ハッチングで表示)は、基準面としての移動基準フェンス130aであり、この移動基準フェンス130aと整合位置にある基準フェンス134とは面一となるように設定されている。従って、横方向整合手段34(図2)による矢印N方向への押圧動作において、シートSのシート進入方向における後端側は基準フェンス134で揃えられ、先端側は移動基準フェンス130aで揃えられる。シートSの縦方向(シート進入方向)の整合は、トレイ18の基準面としての後端揃え面18aに対するエンドフェンス36の押圧動作によってなされる。
【0032】
移動基準フェンス130aの幅w(図7)は、グリップ手段26が小サイズのシートSの略中央部をグリップしてステイプラー28へ向けて移動させた際、グリップ手段26と移動基準フェンス130aが干渉しない大きさ(幅)に設定されており、また、シートSの取り出し性、枠体125の円滑な移動を得るための簡易・軽量構成等を考慮して最小限に設定されている。シートSが小サイズの場合には基準フェンス134と移動基準フェンス130a間の距離が短くなるので、相互の補いによって右側面全体を覆う基準フェンスを設けた場合と同等の整合機能を得ることができるが、大サイズで特に腰の弱い場合には離れすぎて相互補いの効果が得られず、移動基準フェンス130aが整合基準面としての機能を発揮できなくなる虞がある。この懸念を解消するために、補助基準面手段146(図4)が設けられている。
【0033】
補助基準面手段146は、右側縦枠130に回転自在に支持された垂直軸148と、この垂直軸148の上端部に基端を固定された上部水平アーム150と、垂直軸148の下端に基端を固定された下部水平アーム154と、上部水平アーム150の自由端と下部水平アーム154の自由端間に略垂直に支持された基準バー156を有している。補助基準面手段146は、グリップ手段26がステイプラー28側に移動する場合や、シートSを取り出す場合には実線で示す整合位置から二点鎖線で示す退避位置に前述した基準フェンス134と同様に、垂直軸148に固定されたギヤ151とこれに噛み合うウォームギヤ152及びステッピングモータ153等からなる駆動構成155によって回動される。なお、ステイプラー28とグリップ手段26を有しないシート仕分け装置では、この補助基準面手段146は手動で回動するようにしてもよい。
基準バー156は、その整合位置では、右側縦枠130に対する上部水平アーム150と下部水平アーム154の摩擦係合等の構成によって固定的に位置決めされ、その内方側面は移動基準フェンス130aと面一となる。
かかる構成によって、グリップ手段26の移動時に干渉することなく、且つ枠体125の大型・重量化を来すことなく、また、シートSの取り出し性を低減させることなく大サイズのシートSの整合を高精度に行うことができる。
【0034】
図5に示すように、上部フレーム8の中央部の上下には、シート進入方向に延びる水平軸158,160が設けられており、これらにはそれぞれ円筒状のスライダ162,164が摺動自在に設けられている。上方のスライダ162は枠体125の上部横枠126に連結されている。上方の水平軸158に沿って、プーリ166、167間に掛け渡された水平ベルト168が設けられており、この水平ベルト168も枠体125の上部横枠126にスライダ162を介して連結されている。水平ベルト168に略直交する状態に、プーリ167と同軸に固定されたプーリ169とプーリ170間に掛け渡された水平ベルト172が設けられている。プーリ170は、ベルト174を介して枠体125の移動駆動源としてのステッピングモータ176により回転駆動される。
【0035】
一方、下方のスライダ164は枠体125の下部横枠128に連結されている。下方の水平軸160に沿って、プーリ178、179間に掛け渡された水平ベルト180が設けられており、この水平ベルト180も枠体125の下部横枠128にスライダ164を介して連結されている。水平ベルト180と略直交する状態に、プーリ179と同軸に固定されたプーリ181とプーリ182間に掛け渡された水平ベルト184が設けられている。上方の水平ベルト172のプーリ169,170とこれに対応する下方の水平ベルト184のプーリ181,182はそれぞれ同軸に固定されている。
従って、上記上方ベルト構成と下方ベルト構成はステッピングモータ176の回転により同時に駆動され、枠体125はシート進入方向又はその反対方向に移動する。
【0036】
図6に示すように、枠体125の上部横枠126の左半部内にはシート進入方向と略直交するシート幅方向に延びる水平軸186が設けられており、この水平軸186にはエンドフェンス36の上端に一体に形成されたスライダ部36aが摺動自在に嵌合されている。また、水平軸186に沿って水平ベルト188が設けられており、スライダ部36aは水平ベルト188に結合され、水平ベルト188はプーリ190と、ステッピングモータ192の回転軸に固定されたプーリ194間に掛け渡されている。図示しないが下部横枠128においても同様な構成となっている。かかる構成により、エンドフェンス36のシート進入方向と略直交するシート幅方向の退避移動が可能となっている。なお、図5及び図6では上部横枠126と下部横枠128の略半分しか表示していない。また、スライダ162と水平ベルト168は上述したように結合されているが、図6では見やすくするために水平方向に離した状態に表示している。
【0037】
図5に示すように、横方向整合手段34は、垂直方向に延びるジョガーフェンス196と、ジョガーフェンス196の上下端から水平に延びるアーム198,200と、アーム198,200の自由端間にジョガーフェンス196と略平行に支持された大サイズ対応の補助ジョガーバー202等から構成されている。
ジョガーフェンス196の上端は、シート進入方向と略直交するシート幅方向に延びる水平軸204に摺動自在に設けられた円筒状のスライダ206に結合されており、上方のアーム198の基端部はスライダ206に一体に設けられた軸208に回動自在に支持されている。水平軸204に沿って水平ベルト210が設けられており、スライダ206は水平ベルト210に結合され、この水平ベルト210はプーリ212とプーリ214間に掛け渡されている。プーリ214は、ベルト216を介して横方向整合手段34の駆動源としてのステッピングモータ218により回転駆動される。
【0038】
一方、ジョガーフェンス196の下端は、シート進入方向と略直交するシート幅方向に延びる水平軸220に摺動自在に設けられた円筒状のスライダ222に連結されており、下方のアーム200の基端部はスライダ222に一体に設けられた軸224に回動自在に支持されている。水平軸220に沿って水平ベルト226が設けられており、スライダ222は水平ベルト226に結合され、この水平ベルト226はプーリ228とプーリ230間に掛け渡されている。上方の水平ベルト210のプーリ212,214とこれに対応する下方の水平ベルト226のプーリ228,230はそれぞれ同軸に固定されている。従って、ステッピングモータ218の回転により、ジョガーフェンス196及び補助ジョガーバー202が上下同時に駆動されてシート進入方向と略直交するシート幅方向に往復移動可能となっている。
【0039】
図7に示すように、補助ジョガーバー202を支持するアーム198(200)は、捩じりコイルバネ232(234)によってビンBの内方へ回動するように付勢されており、スライダ206(222)に一体に形成された支持部材236(238)によって補助ジョガーバー202とジョガーフェンス196が面一となるように制限されている。なお、捩じりコイルバネ232(234)は上方又は下方のいずれか一方に設けてもよい。
【0040】
シートSが小サイズの場合には、ジョガーフェンス196のみにより横方向の整合がなされる。補助ジョガーバー202の移動用穴18dのビン内方への入り込み長さは、エンドフェンス36との干渉を回避するためにジョガーフェンス196の移動用穴18cより短く設定されている。小サイズのシートSを整合すべく制御手段102によりステッピングモータ218が駆動されて横方向整合手段34がビン内方へ向けて移動させられると、二点鎖線で示すように、補助ジョガーバー202はエンドフェンス36の移動用穴18fに達する手前で移動用穴18dの内方端に当接してそれ以上の移動を制限される。
ジョガーフェンス196は、アーム198(200)が捩じりコイルバネ232(234)の付勢力に抗して回動するため移動を許容され、小サイズのシート束の側部を押圧する。押圧されたシート束の反対側は、基準フェンス134、基準バー156、移動基準フェンス130aによって揃えられる。ジョガーフェンス196の移動用穴18cの内方端は、小サイズのシートSの領域内に入り込むように形成されており、ジョガーフェンス196のいわゆるオーバーランによる確実な揃えができるようになっている。
【0041】
シートSが大サイズの場合には、ジョガーフェンス196と補助ジョガーバー202とによってシート束の側部を押圧する。実質的には、幅Hの広さの押圧面となるので、大サイズのシート束でもトレイ18との摩擦による回動モーメントを生じさせることなく、すなわちバラケを生じることなく基準フェンス側に移動させることができる。
本実施例における横方向整合手段34によれば、小サイズと大サイズに個別に対応した整合手段を設ける必要がなく、且つ、駆動源を一つにできるため、構成の簡易化及び消費電力の低減を図ることができる。
補助ジョガーバー202の移動用穴18dの内方端は、大サイズのシートSの領域内に入り込むように形成されており、オーバーランによる確実な揃えができるようになっている。
押圧されたシート束の反対側は、基準フェンス134、基準バー156、移動基準フェンス130aによって揃えられる。この場合、基準フェンス134と移動基準フェンス130aの間の距離が大きくなるので、腰の弱いシートSでは基準面不足となって揃え不良が発生する可能性があるが、基準バー156が存在するため、移動基準フェンス130aの基準面幅wは実質的にw1に拡げられた状態となり、上記不具合を抑制することができる。
【0042】
制御手段102は、孔版印刷機4からシートSのサイズ信号を受けると、これに対応した枠体125のホームポジションMからの移動距離をROMから抽出し、これに基づいてステッピングモータ176を駆動して枠体125を移動させ、エンドフェンス36をサイズに対応した位置に位置付ける。この状態でエンドフェンス36はシートSのシート進入方向の移動を制限する突き当て面として機能するが、シートSがビン内に所定枚数収容された後は、縦方向の整合手段として機能する。
【0043】
すなわち、制御手段102はビン内への排出完了の信号を受けると、枠体125をシート進入方向と反対方向に移動させる。これによりシート束のシート進入方向先端はエンドフェンス36でトレイ18の後端揃え面18aに向けて押圧され、縦方向の整合がなされる。
縦、横の整合動作が完了すると、制御手段102はステッピングモータ176を駆動して枠体125をホームポジションM(p0)に戻し、さらにステッピングモータ192を駆動してエンドフェンス36をシート進入方向と略直交するシート幅方向に退避させる。すなわち、グリップ手段26によるシート束移動領域からエンドフェンス36を退避させる。
【0044】
エンドフェンス36の上記動作に伴って、ステッピングモータ70,82(図2)が駆動されてグリップ手段26が所定のグリップ位置に位置付けられ、シート束の側部がグリップされる。この場合、シートSが小サイズの場合には、制御手段102はグリップ手段26の移動に先立って、ステッピングモータ144(図4)を駆動して基準フェンス134を外方に退避させる。同様に、ステッピングモータ153(図4)を駆動して基準バー156を外方に退避させる。グリップ手段26がシート束をグリップした状態でステイプラー28へ向けて移動すると、横方向整合手段34はホームポジションに戻される。
【0045】
次に、横方向整合手段34及びエンドフェンス36の移動速度等について説明する。
本実施例では、図8に示すように、横方向整合手段34の移動速度、すなわちジョガーフェンス196の移動速度を、ホームポジションP0からシート進入時の待機位置P1までの移動速度V1と、待機位置P1からシート規定サイズ位置の近傍P2までの移動速度V2と、シート規定サイズ位置の近傍P2からシート規定サイズ位置P3までの移動速度V3との3段階に分けている。
制御手段102は、V1=V3≫V2の関係を満たすように制御する。押圧初期の移動速度(V2)が遅いので、局部的な押圧による折れや傷の発生を抑制することができる。移動速度V2である程度シートSに平行度が出た段階で移動速度を速くする(移動速度V3)。シート規定サイズ位置の近傍P2からシート規定サイズ位置P3までの距離Kは、高速で整合を行なってもシートSを傷付けず、揃えも良好な距離であり、実験的に得たものである。本実施例では約10mmとしている。
【0046】
シートSにある程度平行度が出た段階では局部的な押圧状態とはならず、また、シート束の剛性が高くなるため、移動速度を速くしても折れや傷の発生の心配がほとんどなくなる。エンドフェンス36の制御(V1,V2,V3,P0,P1,P2,P3,Kは、v1,v2,v3,p0,p1,p2,p3,kに相当、以下同じ。)においても同様である。
【0047】
上記の移動速度の制御では、移動速度V1を従来と同レベルとした場合、移動速度V2の過程を設ける分、整合時間が若干長くなるが、この遅れを相殺するために、V3>V1≫V2の関係を満たすように制御することもできる。すなわち、移動速度V2で遅れた分移動速度V3を速くする。
この制御方式とすれば、全体の整合動作の時間に変化はないので、良好な揃え速度(整合処理速度)と揃え性を得ることができる。エンドフェンス36の制御においても同様である。
【0048】
次に、横方向整合手段34、エンドフェンス36の整合動作と、ビン開閉カム30のホームポジションへの復帰タイミングとの関係について説明する。
図9に示すように、最終ビンへのシート分配完了後、横方向整合手段34の整合動作が開始されるが、本実施例では、整合動作の最終段階である、ジョガーフェンス196がシート規定サイズ位置の近傍P2に達した時に、制御手段102はビン開閉カム30を駆動するモータ(後述)をオンしてビン開閉カム30をホームポジションに戻すようにしている(タイミング1)。整合動作の最終段階では全てのシートがジョガーフェンス196の押圧作用を受けているので、ビン開閉カム30の回転振動によるシートの乱れは生じにくい。エンドフェンス36の制御においても同様である。
【0049】
ジョガーフェンス196がシート規定サイズ位置P3に達した時に、制御手段102はビン開閉カム30を駆動するモータ(後述)をオンしてビン開閉カム30をホームポジションに戻すようにしてもよい(タイミング2)。エンドフェンス36の制御においても同様である。
また、ジョガーフェンス196がシート規定サイズ位置P3に達すると同時にビン開閉カム30のホームポジションへの復帰が完了するように、ビン開閉カム30のホームポジションへの復帰開始を設定してもよい(タイミング3)。
【0050】
また、ジョガーフェンス196がシート規定サイズ位置P3に達する前にビン開閉カム30のホームポジションへの復帰が完了するように、ビン開閉カム30のホームポジションへの復帰開始を設定してもよい(タイミング4)。
このように、整合動作内でビン開閉カム30のホームポジションへの復帰が完了するようにすれば、ビン開閉カム30の回転振動によるシートの乱れは生じない。エンドフェンス36の制御においても同様である。
タイミング1〜4の制御において、上述のジョガーフェンス196の移動速度を3段階に分けた各制御をそれぞれ加味した制御とすることもできる。エンドフェンス36の制御においても同様である。
【0051】
薄いシートや腰の弱いシートでは、振動を与えてトレイ18との接触摩擦を減じながら整合した方が折れや傷が発生しにくい。かかる観点から、シートの種類やサイズに応じてビン開閉カム30のホームポジションへの復帰開始時期を異ならせるようにし、ビン開閉カム30の回転振動を整合動作に利用することもできる。
例えば、薄いシートや腰の弱いシートの場合には、制御手段102は、ジョガーフェンス196が待機位置P1に達した直後にビン開閉カム30を駆動するモータ(後述)をオンしてビン開閉カム30をホームポジションに戻す。厚いシートや腰の強いシートの場合には、例えば上記タイミング3で戻す。
制御手段102のROMには、実験等によって得られたシートの種類やサイズと最適な復帰開始時期との関係データが予め記憶され、制御手段102はシートの種類やサイズの情報に基づいて、最適なホームポジションへの復帰開始時期を抽出し、ビン開閉カム30を駆動する駆動モータ(後述)を制御する。エンドフェンス36の制御においても同様である。
本制御においても上述のジョガーフェンス196の移動速度を3段階に分けた各制御をそれぞれ加味した制御とすることもできる。エンドフェンス36の制御においても同様である。
【0052】
上記各実施例では、横方向整合手段34の移動全体を整合動作として捉えたが、待機位置P1から規定サイズ位置近傍P2までの移動を、初期の乱れを矯正しながらシートを基準面に向けて移動速度V2で移動させる寄せ動作(図10で実線で表示)とし、規定サイズ位置近傍P2から規定サイズ位置P3までの移動を、シートを寄せ動作より大きい移動速度V3で基準面に突き当てて最終的な整列を行うジョガー動作(図10で破線で表示)として分けることもできる。
この場合、図10に示すように、移動速度V3で1回突き当てるだけのジョガー動作としてもよく(パターン1、上記各実施例に相当)、周期の短い複数の突き当て動作からなるようにしてもよい(パターン2)。
【0053】
また、規定サイズ位置近傍P2とP4(オーバーラン位置)との間でジョガー動作を行なってもよい(パターン3)。パターン3におけるP2〜P4までのジョガー動作において、その振幅を小さくするように制御してもよい。オーバーラン量xは例えば積載枚数が3枚以下の場合にはゼロ、4枚以上の場合には2〜3mmである。ジョガー動作の最後は、必ず規定サイズ位置P3になり、その停止させる方向は、例えばパターン2のように押圧する方向と、例えばパターン3のように逃げる方向とがある。エンドフェンス36の制御においても同様である。なお、本実施例では、横方向整合手段34の待機位置P1はシートのシート幅方向の端部より約20mm離れた位置に設定されている。エンドフェンス36の待機位置p1は、シートのバウンドを考慮し、シート進入方向の規定サイズ位置p3より約70mm離れた位置に設定されている。
【0054】
次に、孔版印刷機4から受け取ったシートSを搬送する構成等について説明する。
搬送路切り換え機能を有する搬送手段10は、図1及び図11に示すように、下部フレーム6内の一対の側板250,250に支持された箱状のベース252と、ベース252内に軸支された駆動プーリ254、従動プーリ255と、これらのプーリ間にその一部がベース252上面に露出するように掛け渡された複数の搬送ベルト256と、ベース252の下面に取り付けられた吸引ファン257等を有している。搬送手段10は、駆動プーリ254の回転軸を支点として上下方向に回動可能に支持されている。
搬送ベルト256には多数の貫通孔hが形成されており、孔版印刷機4から受け取ったシートSは、吸引ファン257の吸引作用により搬送ベルト256上に密着した状態で搬送される。
【0055】
ベース252のシート出口側下部には、搬送手段10の位置を水平搬送手段12に対向させる仕分け位置sp1(図1で実線で示す位置)と、排紙トレイ手段16に対向させる非仕分け位置sp2(同二点鎖線で示す位置)とに選択的に切り換える切り換え駆動手段258が設けられている。
切り換え駆動手段258は、ベース252の下部に設けられたブラケット260と、ブラケット260に回転自在に支持された軸261と、この軸261の両端に固定されたピニオン262,262と、側板250,250に形成された、ピニオン262,262が噛み合うラック部263,263と、軸261の中央部に固定されたウォームホイール264と、このウォームホイール264に噛み合うウォームギヤ265と、ウォームギヤ265を駆動するモータ266(図13参照)を有している。
一対のラック部263,263は、駆動プーリ254の回転軸を支点とした軸261の変位軌跡に対応して扇形状に形成されている。
【0056】
搬送手段10の仕分け位置sp1及び非仕分け位置p2への揺動は、制御手段102によって制御される。制御手段102は、孔版印刷機4からモード信号を受けると、これに基づいてモータ266を駆動する。図1に示すように、仕分け位置sp1を検知するポジションセンサ267と、非仕分け位置sp2を検知するポジションセンサ268が設けられており、制御手段102はこれらのセンサの検知信号に基づいてモータ266の駆動、回転方向を制御する。
【0057】
水平搬送手段12は、図1、図12に示すように、箱状のベース270と、ベース270内に軸支された駆動プーリ272、従動プーリ273と、これらのプーリ間にその一部がベース270上面に露出するように掛け渡された複数の搬送ベルト274と、ベース270の下面に取り付けられた吸引ファン275等を有している。ベース270のシート進入口側には、搬送手段10により搬送される
【0062】
図16に示すように、昇降枠310にはビン開閉カム30を回転駆動するカム駆動手段320が設けられている。
昇降枠310の右側部310aにおけるカム駆動手段320の構成は、ビン開閉カム30の上側にカム軸322を介して一体に結合されるカムプーリ324と、右側部310aに支持される駆動モータ314と、駆動モータ314の回転軸に固定された駆動プーリ326と、カムプーリ324と駆動プーリ326間に掛け渡された駆動ベルト328と、駆動プーリ326と同軸に固定された駆動ギヤ340(傘歯車)と、この駆動ギヤに噛み合う従動ギヤ342(傘歯車)と、従動ギヤ342の回転軸としての連結軸344を有している。
昇降枠310の左側部310bにおけるカム駆動手段320の構成も駆動モータ314を除いて同様である。符号345は軸受部を示している。
【0063】
ビン開閉カム30の螺旋状のカム溝30aは、図17に示すように、段付きローラ状のトラニオン38の小径部が摺動自在に係合できるように形成されている。本実施例では、ビン開閉カム30の1回転で1つのトラニオン38はビン開閉カム30の上端縁と下端縁の距離だけ上下に移動するように設定されている。昇降枠310の左側部310bにおいても同様の構成となっている。
昇降枠310の右側部310aの駆動モータ314が回転すると、ビン開閉カム30が回転するが、ギヤ列を介して連結軸344が回転するため、同時に左側部310bのビン開閉カム30も回転する。
【0064】
図17では、下から3番目のビンB3へシートSを排出するための動作を示しており、ビンB3のトラニオン38がビン開閉カム30によって下方へ案内されつつある状態を示している。支持フレーム309のガイド溝309bの下端にはビンB1のトラニオン38が当接し、その上にビンB2のトラニオン38が当接しているので、ビン開閉カム30の回転が終了すると、ビンB2のトラニオン38の上にビンB3のトラニオン38が当接するため、昇降枠310はトラニオン38の1個の高さ分上昇する。
これによって指定されたビンB3のシート進入口が拡開される。
【0065】
昇降枠310には、ビン開閉カム30と共にシート排出手段24を構成する偏向爪32と偏向爪切り換え手段346が支持されている。
偏向爪32は、爪先32bの部分に搬送ベルト296が入り込む切欠部32cがシート幅方向に複数形成されており(図14参照)、全体として櫛歯状に形成されている。各爪先32bは偏向爪32の偏向位置q1において搬送ベルト296間に入り込む(図19、図15参照)。
偏向爪切り換え手段346は、図18及び図19に示すように、上述の連結軸344と、この連結軸344に固定された爪揺動カム348と、爪揺動カム348を挟む状態に連結軸344に嵌挿されたH字形状の爪揺動レバー350と、爪揺動レバー350の下端と偏向爪32との間に配されたストローク調整スプリング352と、このストローク調整スプリング352の下端に結合された爪軸354を有している。
【0066】
偏向爪32の係止部32aと昇降枠310の連結部310cとの間にはスプリング356が設けられており、スプリング356によって偏向爪32は常時垂直搬送手段22の搬送面から離れるように付勢され、連結部310cのストッパ358に当接して退避位置q2に保持される。
爪揺動レバー350は一対のレバー片350a,350bと、これらを結合する結合片350cとからなり、レバー片350a,350bの上部には長穴360が、下部には溝362が形成されている。
ビン開閉カム30の回転がなされると、連結軸344が回転し、これと同期して爪揺動カム348が回転する。爪揺動カム348が回転すると、爪揺動レバー350等によって偏向爪32が押圧され、偏向爪32は垂直搬送手段22からシートSを掬い上げる偏向位置q1に位置する。この場合、垂直搬送手段22のガイド板295に対する偏向爪32の接触圧の変動はストローク調整スプリング352によって吸収されるので、耐久性を得ることができる。符号364は、シートセンサを示す。
【0067】
【発明の効果】
本発明によれば、シートの折れや傷の発生を抑制でき、良好な揃え性を得ることができる。
また、最終速度はその前の段階より大きくするようにしたので、途中で遅くした分を取り戻すことができ、全体として良好な揃え速度を得ることができる。
また、ビン開閉カムの回転振動によるシート乱れを抑制することができる。
また、ビン開閉カムの回転振動を利用して整合能力を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るシート仕分け装置の概要正面図である。
【図2】グリップ手段とシート処理手段としてのステイプラーの昇降機構を示す斜視図である。
【図3】制御ブロック図である。
【図4】縦方向と横方向の整合基準面を示す概要斜視図である。
【図5】エンドフェンスと横方向整合手段の駆動機構を示す概要斜視図である。
【図6】エンドフェンスの退避駆動機構を示す概要斜視図である。
【図7】エンドフェンスと横方向整合手段による整合動作を示す概要平面図である。
【図8】エンドフェンスと横方向整合手段の整合動作と移動速度との関係を示す概要平面図である。
【図9】ビン開閉カムのホームポジションへの復帰開始時期を示すタイムチャートである。
【図10】整合動作のパターンを示す図である。
【図11】搬送手段の斜視図である。
【図12】水平搬送手段の斜視図である。
【図13】垂直搬送手段周辺の概要断面図である。
【図14】垂直搬送手段の概要側面図である。
【図15】シート排出手段と垂直搬送手段との関係を示す概要正面図である。
【図16】カム駆動手段の概要側面図で、ビン開閉カムを正規の位置からずらした状態の図ある。
【図17】カム駆動手段の概要要部側面図である。
【図18】偏向爪切り換え手段の斜視図である。
【図19】偏向爪切り換え手段の断面図である。
【図20】従来の整合動作を示す概要平面図である。
【符号の説明】
4 画像形成装置としての孔版印刷機
20 ビンユニット
34 整合手段としての横方向整合手段
36 整合手段としてのエンドフェンス
102 制御手段
B ビン
S 画像形成済みのシート
Claims (5)
- 画像形成装置から受け取った画像形成済みのシートを収容するビンが複数重ね合わせ状態に設けられたビンユニットと、上記ビンに収容されたシート又はシート束を基準面に押圧してバラツキを整える整合手段と、この整合手段を制御する制御手段を有するシート仕分け装置において、
上記制御手段は、上記整合手段の移動速度を、ホームポジションからシート進入時の待機位置までの移動速度V1と、待機位置からシート規定サイズ位置の近傍までの移動速度V2と、シート規定サイズ位置の近傍からシート規定サイズ位置までの移動速度V3との3段階に分け、上記制御手段は、V1=V3≫V2の関係を満たすように制御することを特徴とするシート仕分け装置。 - 画像形成装置から受け取った画像形成済みのシートを収容するビンが複数重ね合わせ状態に設けられたビンユニットと、上記ビンに収容されたシート又はシート束を基準面に押圧してバラツキを整える整合手段と、この整合手段を制御する制御手段を有するシート仕分け装置において、
上記制御手段は、上記整合手段の移動速度を、ホームポジションからシート進入時の待機位置までの移動速度V1と、待機位置からシート規定サイズ位置の近傍までの移動速度V2と、シート規定サイズ位置の近傍からシート規定サイズ位置までの移動速度V3との3段階に分け、上記制御手段は、V3>V1≫V2の関係を満たすように制御することを特徴とするシート仕分け装置。 - 請求項1又は2記載のシート仕分け装置において、
回転しながら上下に移動して指定されたビンのシート進入口を拡大させるビン開閉カムを有し、上記制御手段は、最終ビンへのシート分配が完了した後、上記整合手段の整合動作の最終段階で上記ビン開閉カムのそのホームポジションへの復帰を開始させることを特徴とするシート仕分け装置。 - 請求項1又は2記載のシート仕分け装置において、
回転しながら上下に移動して指定されたビンのシート進入口を拡大させるビン開閉カムを有し、上記制御手段は、最終ビンへのシート分配が完了した後、上記整合手段の整合完了と同時かまたはそれよりも前に上記ビン開閉カムのそのホームポジションへの復帰を完了させることを特徴とするシート仕分け装置。 - 請求項4記載のシート仕分け装置において、
上記制御手段は、シートの種類やサイズに応じて上記ビン開閉カムのホームポジションへの復帰開始時期を異ならせることを特徴とするシート仕分け装置。
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