JP4157428B2 - 難燃繊維複合体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は加工性改良剤により溶融紡糸が可能となったハロゲン含有繊維および該繊維と天然繊維または化学繊維を複合した難燃繊維複合体に関する。さらに詳しくは、分子量分布を制御した低分子量(メタ)アクリロニトリル系重合体を配合する事で湿式紡糸法のみが適用されていたハロゲン含有繊維を溶融紡糸可能にせしめ、他の繊維のもつ風合や吸湿性などの優れた特性を有し、かつ難燃性を有する難燃繊維複合体に関する。
【0002】
【従来の技術】
アクリル系合成繊維のうちハロゲン化ビニルを比較的多く含むいわゆるモダクリル合成繊維が、アクリルの風合を保ちつつ、難燃性の点においてアクリル繊維よりはるかに優れていることはよく知られている。モダクリル合成繊維とは一般的に繊維を構成する合成高分子において、重合されたアクリロニトリル単位が35%〜85%であるものと米国連邦取引委員会によって規定されているが、当業者間においてはハロゲン化ビニル系モノマーを共重合成分として含むものと広く認識されており、以下本文で述べるモダクリルとは(メタ)アクリロニトリルおよびハロゲン化ビニル系モノマーからなる共重合体を指す。すなわち、モダクリル合成繊維にはハロゲン化ビニルが比較的多く共重合されているため繊維自体が難燃性であり、その特性を生かしてカーテン、カーペットなどのインテリア製品に広く利用されている。
【0003】
しかしながら、紡糸方法の点ではモダクリル合成繊維は可塑化温度と分解温度が近いため、湿式紡糸が必須であった。近年、環境問題への対応は社会的急務であり、大量の有機溶剤を用いる湿式紡糸工程で生ずる環境負荷の低減が求められている。また、ランニングコストおよび設備投資の削減が競争力向上には不可欠であり、モダクリル合成繊維の溶融紡糸化が望まれている。
【0004】
前記のような問題を解決するために、特表2003−507503号公報には、オレフィン性不飽和モノマーをモダクリル繊維中にマルチポリマー(多成分系共重合体)として導入する方法が提案されており、モダクリル樹脂の重合制御にて溶融押出可能としているが、繊維としての特性は具体的に提示されておらず、溶融紡糸法により優れたモダクリル繊維がえられているとは言い難い。
【0005】
【特許文献1】
特表2003−507503
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、これまで湿式紡糸のみ可能であったハロゲン含有繊維において、(メタ)アクリロニトリル系重合体を加工性改良剤として使用することで、可塑化温度を低下せしめ、延伸性等の加工性および難燃性等の諸物性に優れたまま、溶融紡糸を可能とせしめた難燃繊維複合体を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、ハロゲン含有繊維に特定の(メタ)アクリロニトリル系重合体を添加することにより、従来知られた湿式紡糸法による繊維に比べて延伸性等の加工性を維持したまま、溶融紡糸が可能となる組成物がえられることを見出し、以下に示す本発明を完成した。
すなわち本発明の難燃繊維は、ハロゲン原子を17〜86重量%含む重合体(a)100重量部と、加工性改良剤として(メタ)アクリロニトリル10〜90重量%およびこれと共重合可能なビニル系単量体から選ばれた少なくとも1種のビニル系単量体(b1)10〜90重量%よりなる(メタ)アクリロニトリル系重合体(b)1〜50重量部を含み、溶融紡糸によりられる繊維であり、前記(メタ)アクリロニトリル系重合体(b)が、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)測定で得られる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比で表される分子量分布(Mw/Mn)が1.6以下であることを特徴とする
本発明においては、前記ハロゲン原子を17〜86重量%含む重合体(a)が、アクリロニトリル30〜70重量%、ハロゲン含有ビニル系単量体70〜30重量%およびこれらと共重合可能なビニル系単量体(a1)0〜10重量%よりなる共重合体であることが好ましい。
本発明においては、前記共重合可能なビニル系単量体(a1)の少なくとも1種がスルホン酸基含有ビニル系単量体であることが好ましい。
本発明においては、前記(メタ)アクリロニトリル系重合体(b)において、(メタ)アクリロニトリルと共重合可能なビニル系単量体(b1)が芳香族ビニル系単量体(b2)を含み、前記(メタ)アクリロニトリル系重合体(b)が(メタ)アクリロニトリル10〜90重量%、芳香族ビニル系単量体(b2)90〜10重量%およびこれらと共重合可能なビニル系単量体(b3)0〜60重量%よりなる共重合体であることが好ましい。
本発明においては、前記(メタ)アクリロニトリル系重合体(b)が、可逆的付加脱離連鎖移動重合によりられたポリマーであることが好ましい。
本発明においては、前記(メタ)アクリロニトリル系重合体(b)において、一分子中に少なくとも一つのチオカルボニルチオ構造を有する分子鎖が50%以上存在することが好ましい。
本発明においては、前記(メタ)アクリロニトリル系重合体(b)が、一分子中に少なくとも一つのチオカルボニルチオ構造を有する分子鎖が70%以上存在することが好ましい。
本発明においては、前記繊維(A)を溶融紡糸により製造する際、可塑剤および安定剤を配合することが好ましい。
本発明の難燃繊維複合体は、前記のいずれかの難燃繊維100重量部に対して、天然繊維および化学繊維よりなる群から選ばれた少なくとも1種の繊維0〜600重量部を複合したことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の特徴は、特定の(メタ)アクリロニトリル系重合体(b)をハロゲン原子含有繊維の加工性改良剤として用いることにある。該加工性改良剤を用いることにより、ハロゲン原子含有繊維が本来有する、優れた物理的、化学的特性および延伸性等の加工性を損なうことなく、溶融紡糸させることができるという効果を、顕著に発現させることができる。
【0009】
本発明に用いるハロゲン原子を17〜86%含む重合体(a)としては、たとえばハロゲン含有単量体の重合体、ハロゲン含有単量体を含有する単量体の共重合体、ハロゲン原子を含有しない単量体からの重合体にハロゲン含有化合物を添加した重合体、後加工によりハロゲン原子を導入した重合体、これら重合体の混合物またはこれら重合体もしくはこれら重合体の混合物とハロゲン原子を含有しない単量体からの重合体との混合物などがあげられる。これらのうちではハロゲン含有単量体の単独重合体や共重合体が好ましい。
【0010】
このような重合体の具体例としては、たとえば塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、臭化ビニリデンなどのハロゲン含有単量体の単独重合体または2種以上の共重合体、アクリロニトリル−塩化ビニリデン、アクリロニトリル−塩化ビニル、アクリロニトリル−塩化ビニル−塩化ビニリデン、アクリロニトリル-臭化ビニル、アクリロニトリル−塩化ビニリデン−臭化ビニル、アクリロニトリル−塩化ビニル−臭化ビニルなどハロゲン含有ビニル系単量体とアクリロニトリルとの共重合体、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、臭化ビニリデンなどのハロゲン含有ビニル系単量体の1種以上とアクリロニトリルおよびこれらと共重合可能なビニル系単量体との共重合体、アクリロニトリル単独重合体にハロゲン含有化合物(たとえばデカブロモジフェニルオキサイドなど)を添加した重合体、ハロゲン含有ポリエステル、ポリ塩化ビニルなどとポリビニルアルコールやポリアクリロニトリルとの混合物などがあげられるが、これらに限定されるものではない。また前記単独重合体や共重合体を適宜混合して使用してもよい。これらのうちではアクリロニトリルを共重合したモダクリル重合体が好ましい。
【0011】
前記共重合可能なビニル系単量体(a1)としては、繊維としての特性を改良するためのたとえばアクリル酸やそのエステル、メタクリル酸やそのエステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸ビニルなどのビニル系単量体が1種または2種以上用いられうる。また共重合可能なビニル系単量体(a1)の少なくとも1種がスルホン酸基含有ビニル系単量体のばあいには、染色性が向上するので好ましい。そのスルホン酸基含有ビニル系単量体としては、ビニルスルホン酸やその塩、メタクリルスルホン酸やその塩、スチレンスルホン酸やその塩などがあげられる。
【0012】
前記ハロゲン原子を17〜86%含む重合体(a)がアクリロニトリル30〜70%、ハロゲン含有ビニル系単量体70〜30%およびこれらと共重合可能なビニル系単量体(a1)0〜10%からなる重合体のばあいには、えられる繊維が所望の難燃性を有しつつアクリル繊維の風合を有するため好ましい。
【0013】
なお、前記ハロゲン原子を17〜86%含む重合体(a)中のハロゲン含量が17%未満では、繊維を難燃化することが困難となり、また86%をこえると、製造された繊維の物性(強度、伸度、耐熱性など)、染色性、風合などの性能が充分でなくなり、いずれも好ましくない。
【0014】
本発明で使用される加工性改良剤(b)は、前記ハロゲン原子含有重合体の可塑化温度を低減させる目的で用いられる成分であり、(メタ)アクリロニトリルおよび共重合可能なビニル系単量体を含む単量体混合物(b1)を重合してえられる(共)重合体であり、可塑化温度低減効果からは該(共)重合体のゲル透過クロマトグラフィー(GPC)測定による重量平均分子量(Mw)20万未満が好ましく、より好ましくは15万以下、更に好ましくは10万以下である。重量平均分子量(Mw)が20万以上になると可塑化温度低減効果がえられない。
【0015】
前記単量体混合物中の各成分の割合は、(メタ)アクリロニトリル10〜90%、えられる可塑化温度低減効果が良好な点から好ましくは10〜80%、さらに好ましくは15〜75%、(メタ)アクリロニトリルを除く共重合可能なビニル系単量体(b1)から選ばれる単量体10〜90%、ハロゲン原子含有重合体への相容性から好ましくは20〜90%、さらに好ましくは25〜85%である。紡糸時の一次および二次延伸性が良好な点から(メタ)アクリロニトリルを除く共重合可能なビニル系単量体(b1)として、芳香族ビニル系単量体(b2)を10〜90%含むことが好ましく、(メタ)アクリロニトリルおよび芳香族ビニル系単量体と共重合可能なその他ビニル系単量体(b3)は0〜60%であることが好ましい。
【0016】
芳香族ビニル系単量体(b2)としては、たとえばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等があげられ、入手性、価格、および物性向上の観点から好ましくはスチレン、α−メチルスチレンなどがあげられる。
【0017】
共重合可能なその他ビニル系単量体(b3)としては、たとえばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルなどのアクリル酸アルキル単量体;メタクリル酸メチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシルなどのメタクリル酸アルキル単量体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸等の極性基含有ビニル系単量体;塩化ビニリデンなどのハロゲン含有不飽和化合物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどの共役ジエン化合物などが挙げられ、これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。入手性、価格、および物性向上の観点から好ましくはメタクリル酸メチル、メタクリル酸n−ブチルなどがあげられる。
【0018】
前記単量体混合物中の(メタ)アクリロニトリルの割合が10%未満の場合、すなわち、前記(メタ)アクリロニトリルを除くビニル系単量体の割合が90%をこえると、ハロゲン原子含有重合体への相容性が低下し、可塑化温度低減効果が低下する傾向が生じる。
【0019】
また本発明で使用される加工性改良剤(b)は、可塑化温度低減効果が良好なことからゲル透過クロマトグラフィー(GPC)測定でえられる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比で表される分子量分布(Mw/Mn)が1.6以下であることが好ましい。
【0020】
本発明の加工性改良剤(b)は一般に知られている各種重合により合成できる。その重合法としては、可塑化温度低減効果から分子量を制御するリビング重合が好ましく、(メタ)アクリロニトリルの制御に優れる点でさらに好ましくは、チオカルボニルチオ構造を有する化合物の存在下で行うラジカル重合法(可逆的付加脱離連鎖移動重合法)が挙げられる。このようなラジカル重合に関しては、Macromolecules1998年31巻16号5559〜5562ページ、Macromolecules1999年32巻6号2071〜2074ページ、Polym.Prepr.1999年40巻2号342〜343ページ、Polym.Prepr.1999年40巻2号397〜398ページ、Polym.Prepr.1999年40巻2号899〜900ページ、Polym.Prepr.1999年40巻2号1080〜1081ページ、Macromolecules1999年32巻21号6977〜6980ページ、Macromolecules2000年33巻2号243〜245ページ、Macromol.Symp.2000年150巻33〜38ページなどに記載されている。本発明において使用する、チオカルボニルチオ構造を有する化合物としては、上記文献記載の化合物を用いることができる。
【0021】
チオカルボニルチオ構造を有する化合物の存在下、単量体をラジカル重合することにより、重合体中にチオカルボニルチオ構造が導入される。本発明における難燃繊維複合体の場合、この重合体中に導入されたチオカルボニルチオ構造が、加工性改良剤である重合体(b)自身とハロゲン原子含有重合体(a)との相容性および、安定剤や滑剤等添加物のハロゲン原子含有重合体(a)中における相容性を向上させ、(溶融紡糸時における引き取り性や二次延伸性等)加工性向上およびハロゲン原子含有重合体それ自身が有する(難燃性等)諸物性維持に寄与する。したがって本発明の難燃繊維複合体に於ける加工性向上および諸物性維持の点で、一分子中に少なくとも一つのチオカルボニルチオ構造を有する分子鎖が50%以上存在することが好ましく、一分子中に少なくとも一つのチオカルボニルチオ構造を有する分子鎖が70%以上存在することがより好ましい。ここで言う割合は、重合体分子の数(モル数)を基準としている。
【0022】
本発明において使用する、チオカルボニルチオ構造を有する化合物の具体例としては、一般式(1)
【0023】
【化1】
Figure 0004157428
(式中、Meはメチル基、Etはエチル基、Phはフェニル基を示す。)で示される化合物などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0024】
チオカルボニルチオ構造を有する化合物のうち、えられる重合体の分子量、および分子量分布を精密に制御できる点で、適用する重合条件における連鎖移動定数が0.1以上の化合物を使用することが好ましい。連鎖移動定数については上記文献、および上記文献中に引用されている文献に記載されている。本発明で使用する、チオカルボニルチオ構造を有する化合物としては、より分子量分布の小さい重合体をえ、溶融紡糸時における引き取り性等の加工性が良好な繊維をえられる点で、連鎖移動定数が1以上であることが好ましく、10以上であることがより好ましい。
【0025】
このようなチオカルボニルチオ構造を有する化合物の存在下にラジカル重合を行う場合、特に重合方法に制限はなく、従来公知の溶液重合、乳化重合、懸濁重合、塊状重合などを適用可能であり、これらの重合反応系にチオカルボニル構造を有する化合物を添加するだけでよい。重合の実施形態についても特に制限はなく、回分法、連続法、逐次添加法など従来公知の方法を広く適用可能である。チオカルボニルチオ構造を有する化合物の添加量については特に限定されないが、モノマーとのモル比を調節することにより重合体の重合度、数平均分子量を制御可能である。たとえば重合度1000の重合体を合成する場合には、ジチオカルボニルチオ構造を有する化合物の含有量がモノマーに対して1000分の1当量となるように該化合物を添加する。チオカルボニルチオ構造を有する化合物の添加時期については特に制限はなく、重合開始前に反応容器に仕込んでおいてもよく、重合開始と共に反応容器内に導入してもよく、あるいは重合途中で反応容器内に導入してもよい。種々の添加法のうち、分子量分布の小さい重合体をえられる点で、重合開始前に反応容器に仕込んでおく方法や重合開始と共に反応容器内に導入する方法が好ましく、重合開始前に反応容器に仕込んでおく方法がより好ましい。
【0026】
本発明で用いられる加工性改良剤(b)は、通常の重合法によりえられるが、たとえば以下の方法でえることができる。
【0027】
まず(メタ)アクリロニトリルおよびこれと共重合可能なビニル系単量体として芳香族ビニル系単量体を含む単量体混合物を適当な媒体および重合開始剤などの存在下で重合させ、単量体混合物の重合体溶液をえる。ついで、必要に応じて単量体を順次添加して重合を行う。このように各々の単量体混合物を逐次重合させることにより、単量体混合物の重合体に対して、必要に応じて多段のブロックを形成した多段ブロック重合体をうることができる。
【0028】
本発明で用いられる加工性改良剤(b)の添加量は、前記ハロゲン原子含有重合体(a)100部に対して、1〜50部、好ましくは4〜45部、さらに好ましくは10〜40部である。加工性改良剤の添加量が1部未満の場合、加工性改良剤を添加する効果が充分えられなくなり溶融紡糸が出来ず、50部をこえると延伸性のようなモダクリル繊維の優れた特性が損なわれる。
【0029】
本発明におけるハロゲン原子含有繊維(A)と天然繊維および化学繊維よりなる群から選ばれた少なくとも1種の繊維(B)との使用割合は、最終製品に要求される難燃性、視感、風合、吸湿性、耐洗濯性、耐久性などの性能により決定されるものである。なお、ハロゲン原子含有繊維の種類およびその構成割合、混合する他の繊維の種類および組み合わせなどにより前記使用割合が決められる。
【0030】
前記ハロゲン原子含有繊維100重量部に対して、混合する他の繊維が600部をこえるばあいには、難燃繊維複合体の難燃性が不足し、好ましくない。
【0031】
本発明の難燃繊維複合体が所望の難燃性を有し、しかも混合する天然繊維や化学繊維の特徴をはっきりとださせるためには、ハロゲン原子含有繊維100重量部に対して、混合する天然繊維や化学繊維が15〜500重量部であることがより好ましい。さらに好ましくはハロゲン原子含有繊維100重量部に対して、混合する天然繊維や化学繊維が15〜400重量部であることが混合する天然繊維や化学繊維の特徴を明確にしめした上で、難燃繊維複合体が所望の難燃性をしめす。
【0032】
前記天然繊維の具体例としては、たとえば綿、麻などの植物繊維や、羊毛、らくだ毛、山羊毛、絹などの動物繊維など、また化学繊維の具体例としては、たとえばビスコースレーヨン繊維、キュプラ繊維などの再生繊維、アセテート繊維などの半合成繊維、あるいはナイロン繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維などの合成繊維などがあげられるが、これらに限定されるものではない。これらのうちでは、天然繊維、再生繊維と複合したばあいに顕著に難燃性を向上させうる。これらの天然繊維や化学繊維は単独でハロゲン原子含有繊維と複合してもよく、2種以上で複合してもよい。
【0033】
難燃繊維複合体を製造する方法としては、ハロゲン難燃剤含有繊維と他の繊維を単繊維の状態で混綿したり、混紡したりしてもよく、それらの糸またはそれぞれの糸を交撚してもよく、あるいは前記糸の一部または全部の糸を長繊維にして交撚してもよく、それぞれの糸を製造したのち交織してもよく、紡績のときに固まりにしてスラブやネップにしたり、巻きつけたりしてもよい。
【0034】
なお、本発明における難燃繊維複合体には、長繊維、短繊維のごときいわゆる繊維のみならず、糸、織物、編物、不織布などのごとき繊維製品も含まれる。
【0035】
本発明の難燃繊維複合体の難燃性が優れていることは、可燃性の天然繊維や化学繊維が複合体中に局在しているほど、すなわち混紡より交撚、交織のものほど、実用的に高度な難燃性をうることが難しいにもかかわらず、本発明の難燃繊維複合体が交撚、交織のばあいにもその効果が顕著であることからも明らかである。
【0036】
本発明の難燃複合繊維体においては、成形時の加工性を向上させる目的で可塑剤を添加することができる。このような可塑剤としては、たとえば、ジメチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート等が用いられる。
【0037】
本発明の難燃複合繊維体においては、溶融紡糸時の熱安定性向上を目的として熱安定剤、熱安定化助剤等を添加することができる。このような熱安定剤としては、たとえば、ジブチル錫メルカプト、ジオクチル錫メルカプト、ジメチル錫メルカプト、ジブチル錫マレート、ジブチル錫マレートポリマー、ジオクチル錫マレート、ジオクチル錫マレートポリマー、ジブチル錫ラウレート、ジブチル錫ラウレートポリマー等の有機錫系安定剤;ステアリン酸鉛、二塩基性亜燐酸鉛、三塩基性硫酸鉛等の鉛系安定剤;カルシウム−亜鉛系安定剤;バリウム−亜鉛系安定剤;バリウム−カドミウム系安定剤などが挙げられる。これらは単独で使用されても、2種以上が併用されてもよい。また、熱安定化助剤としては、たとえば、エポキシ化大豆油、リン酸エステル等が挙げられ、これらは単独で使用されても、2種以上が併用されてもよい。
【0038】
本発明の難燃繊維複合体には、必要に応じて帯電防止剤、熱着色防止剤、耐光性向上剤、白度向上剤、失透性防止剤、着色剤および難燃剤などの添加剤を単独または2種以上を組み合わせて添加してもよい。
【0039】
このようにしてえられる本発明の難燃繊維複合体は、所望の実用的な難燃性を有し、しかも混合する他の繊維の視感、風合、吸湿性、耐洗濯性、耐久性などが良好であるという特性を有している。
【0040】
本発明の難燃繊維複合体をさらに具体的に説明するために、以下に実施例および比較例を示すが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0041】
【実施例】
以下の実施例では特にことわりのない限り「部」は重量部、「%」は重量%を表す。
【0042】
なお、実施例および比較例で用いた評価方法を以下にまとめて示す。
【0043】
本実施例に示す数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、および分子量分布(Mw/Mn)は以下に示すゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)分析装置及び方法で測定した。システム:Waters社製GPCシステム(製品名510)、カラム:昭和電工(株)製Shodex K−806およびK−805(ポリスチレンゲル)、移動相:クロロホルム。数平均分子量等はポリスチレン換算で求めた。
【0044】
重合転化率は次式により算出した。
重合転化率(%)={重合体生成量/単量体仕込み量}×100
チオカルボニルチオ構造の同定にはVARIAN製NMR(Gemini−300)を用い、重水素化溶媒としてDMF−d8(重ジメチルホルムアミド)を用いた試料溶液を作製して測定した。
【0045】
チオカルボニル構造を有する分子鎖の含有率は以下の方法で算出した。まず試料中の全硫黄含有量を元素分析(酸素フラスコ燃焼法を利用;吸収液として過酸化水素水を使用し、イオンクロマトグラフィにより測定;ダイオネクス製DX−500 GP40,ED40)により定量した。次にえられた硫黄濃度から上記GPCによりえられた各試料の数平均分子量を元にチオカルボニルチオ構造含有率を算出した。
【0046】
紡糸性:湿式又は溶融紡糸工程において、糸切れなく引取可能か否かを目視判定により、○、△、×の3段階で評価した。
【0047】
延伸性:延伸性評価には延伸工程の代用として、延伸工程前にえられた押出ストランドを用い、JIS K 7113に準じて引張試験にて測定した。測定温度は100℃、引張速度は200mm/分とした。その伸びとしては250%以上を良、250%未満を不良とするが、押出時のメルトフラクチャーが激しいと延伸前にストランド間で融着することがあり、加工性としては目視によるメルトフラクチャー観察と引張試験による伸び評価の総合判定とし、○、△、×の3段階で評価した。
【0048】
(製造例1)
((メタ)アクリロニトリル系重合体(1)の合成)アクリロニトリル(AN)100部およびスチレン(ST)100部からなる単量体混合物にトルエンを加え、単量体濃度がそれぞれ25%となる単量体溶液を調整する。その単量体溶液を撹拌機付き反応器に仕込み、2−(2−フェニルプロピル)ジチオベンゾエート0.5部および2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)0.1部を加え、完全に溶解させた。前記反応器内にチッ素を流通させることにより空間部および溶液中の酸素を除去したのち、撹拌しながら内容物を80℃に昇温した。12時間撹拌を続け、重合を実質的に完結させた。重合転化率は99.5%であった。えられた混合溶液を大量のメタノールに加え、重合体を再沈殿させたのちに、濾過し、えられた重合体を50℃に設定した真空乾燥機で減圧下15時間乾燥させて粉末状の(メタ)アクリロニトリル系重合体(1)をえた。
【0049】
えられた重合体のGPC測定の結果、Mn=80,000、Mw/Mn=1.23であり、1H NMR測定から、末端にチオカルボニル基を有するポリアクリロニトリル−スチレン ランダム共重合体であることを確認した。チオカルボニルチオ構造含有量は84.7%であった。
【0050】
(実施例1)
アクリロニトリル49.0%および塩化ビニル51.0%よりなる共重合体100部に、加工性改良剤として上記(メタ)アクリロニトリル系重合体(1)5部を加え、可塑剤としてジメチルフタレートを20部および安定剤としてジオクチル錫メルカプトを3部配合した。えられた樹脂をヘンシェルミキサーにて撹拌した。この樹脂を溶融紡糸装置の40mm単軸押出機に投入し溶融混練した後、紡糸温度150℃にて、孔径が1.0mmφ、孔数200の紡糸口金より定量的に1時間あたり5キログラムの速度で吐出し、押出ストランドをえた。押出後5倍に熱延伸し、ハロゲン原子含有繊維(1)をえた。えられたハロゲン原子含有繊維(1)に油剤を付与し、捲縮、切断したのち紡績して綿番手10/1の紡績糸をえた。
【0051】
さらに製織、仕上げなどの工程を経て織布(難燃繊維複合体)(1)をえた。
【0052】
延伸工程前、紡糸工程にてえられた押出ストランドを用いて延伸性評価を行った。
【0053】
結果を表1に示す。なお、表中PMMAは市販のポリメチルメタクリレート樹脂を示す。
【0054】
(実施例2および3)
上記実施例1で用いたアクリロニトリル49.0%および塩化ビニル51.0%よりなるハロゲン原子含有共重合体100部に対して、前記(メタ)アクリロニトリル系重合体(1)を表1に示した所定部数配合し、実施例1と同様に可塑剤および安定剤を加え、溶融紡糸およびストランドの延伸処理を行いハロゲン原子含有繊維(2)および(3)をえた。えられたハロゲン原子含有繊維(2)および(3)を用いて実施例1と同様にして紡績糸をえ、さらに製織、仕上げなどの工程を経て織布(難燃繊維複合体)(2)および(3)をえた。延伸工程前、紡糸工程にてえられた押出ストランドを用いて実施例1と同様に延伸性評価を行った。
【0055】
結果を表1に示す。
【0056】
(実施例4)
塩化ビニリデン重合体100部に、加工性改良剤として上記(メタ)アクリロニトリル系重合体(1)40部を加え、実施例1と同様に可塑剤および安定剤を加え、溶融紡糸およびストランドの延伸処理を行いハロゲン原子含有繊維(4)をえた。えられた押出ストランドを用いて実施例1と同様に延伸性評価を行った。えられたハロゲン原子含有繊維(4)を用いて実施例1と同様にして紡績糸をえ、さらに製織、仕上げなどの工程を経て織布(難燃繊維複合体)(4)をえた。延伸工程前、紡糸工程にてえられた押出ストランドを用いて実施例1と同様に延伸性評価を行った。
【0057】
結果を表1に示す。
【0058】
(比較例1)
前記実施例1で用いたアクリロニトリル49.0%および塩化ビニル51.0%よりなるハロゲン原子含有共重合体100部に、実施例1と同様に可塑剤および安定剤を加え、溶融押出を試みたが、延伸性評価を行える実用的強度を有する押出ストランドおよび紡績糸、織布はえられなかった。
【0059】
結果を表1に示す。
【0060】
(比較例2)
臭化ビニリデン重合体100部に、加工性改良剤として上記(メタ)アクリロニトリル系重合体(1)40部を加え、実施例1と同様に可塑剤および安定剤を加え、溶融押出を試みたが、延伸性評価を行える実用的強度を有する押出ストランドおよび紡績糸、織布はえられなかった。
【0061】
結果を表1に示す。
【0062】
(比較例3)
アクリロニトリル56.0%およびフッ化ビニル44.0%よりなる共重合体100部に、加工性改良剤として上記(メタ)アクリロニトリル系重合体(1)40部を加え、実施例1と同様に可塑剤および安定剤を加え、溶融押出を試みたが、延伸性評価を行える実用的強度を有する押出ストランドおよび紡績糸、織布はえられなかった。
【0063】
結果を表1に示す。
【0064】
(比較例4および5)
前記実施例1で用いたアクリロニトリル49.0%および塩化ビニル51.0%よりなるハロゲン原子含有共重合体100部に対して、前記(メタ)アクリロニトリル系重合体(1)を表1に示した所定部数配合し、実施例1と同様に可塑剤および安定剤を加え、溶融紡糸後、延伸工程を実施したが、実用的強度を有するハロゲン原子含有繊維は何れの場合もえられなかった。延伸工程前、紡糸工程にてえられた押出ストランドを用いて実施例1と同様に延伸性評価を行った。
【0065】
結果を表1に示す。
【0066】
(比較例6)
前記実施例1で用いたアクリロニトリル49.0%および塩化ビニル51.0%よりなるハロゲン原子含有共重合体100部に対して、加工性改良剤としてGPC測定によるMn=112000、Mw/Mn=1.81、メチルアクリレート7%含有である住友化学製ポリメチルメタクリレート樹脂を40部配合し、実施例1と同様に可塑剤および安定剤を加え、溶融紡糸およびストランドの延伸処理を行いハロゲン原子含有繊維(5)をえた。えられたハロゲン原子含有繊維(5)を用いて実施例1と同様にして紡績糸をえ、さらに製織、仕上げなどの工程を経て織布(難燃繊維複合体)(5)をえた。延伸工程前、紡糸工程にてえられた押出ストランドを用いて実施例1と同様に延伸性評価を行った。
【0067】
結果を表1に示す。
【0068】
(比較例7)
前記実施例1で用いたアクリロニトリル49.0%および塩化ビニル51.0%よりなるハロゲン原子含有共重合体をアセトンに樹脂濃度が27.0%になるように溶解した。えられた樹脂溶液の一部をアセトンで3倍に希釈して、紡糸原液を調製した。
【0069】
えられた紡糸原液をノズル孔径0.08mmおよび孔数300ホールのノズルを用い、30%アセトン水溶液中へ押出し、水洗したのち120℃で乾燥し、ついで3倍に熱延伸して、さらに140℃で5分間熱処理を行うことにより、ハロゲン原子含有繊維(6)をえた。えられた押出ストランドを用いて実施例1と同様に延伸性評価を行った。えられたハロゲン原子含有繊維(6)を用いて実施例1と同様にして紡績糸をえ、さらに製織、仕上げなどの工程を経て織布(難燃繊維複合体)(6)をえた。
【0070】
結果を表1に示す。
【0071】
表1の結果により、実施例1〜4で示したようにハロゲン原子含有重合体のハロゲン原子含有量および(メタ)アクリロニトリル系重合体の添加量が本発明の範囲内である場合には、溶融紡糸が可能であり、えられたハロゲン原子含有繊維(1)〜(4)は良好な延伸性を示した。一方、比較例1で示した(メタ)アクリロニトリル系重合体を添加しない系では溶融紡糸が不可能であり、比較例2および3で示したハロゲン原子含有量が本発明の範囲外にある場合も同様に溶融紡糸が不可能であり、比較例4および5で示したように(メタ)アクリロニトリル系重合体の添加量が本発明の範囲外である場合には、延伸性が低下することがわかる。同様に比較例6で示した加工性改良剤として(メタ)アクリロニトリル非含有重合体を用いた場合は、押出ストランドのメルトフラクチャーが大きく、延伸時の加工性も低下していた。
【0072】
【表1】
Figure 0004157428
(製造例2)
((メタ)アクリロニトリル系重合体(2)の合成)撹拌機付き反応器にメチルメタクリレート(MMA)100部、2−(2−フェニルプロピル)ジチオベンゾエート0.5部および2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)0.1部からなる単量体混合物を仕込み、該単量体混合物にトルエンを加え、単量体濃度が25%となるよう調整した。前記反応器内にチッ素を流通させることにより空間部および溶液中の酸素を除去したのち、撹拌しながら内容物を60℃に昇温した。8時間撹拌を続けた後に未完の状態で重合を停止させた。重合転化率は20%であった。えられた混合溶液を大量のメタノールに加え、重合体を再沈殿させたのちに、重合体を単離し、50℃に設定した真空乾燥機で減圧下15時間乾燥させて重合体をえた。
【0073】
撹拌機付き反応器にえられた重合体を50部、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)0.1部を仕込み、別途アクリロニトリル(AN)100部およびスチレン(ST)100部からなる単量体混合物にトルエンを加え、単量体濃度がそれぞれ25%となるよう調整した単量体溶液を加え、完全に溶解させた。前記反応器内にチッ素を流通させることにより空間部および溶液中の酸素を除去したのち、撹拌しながら内容物を80℃に昇温した。12時間撹拌を続け、重合を実質的に完結させた。重合転化率は99%であった。えられた混合溶液を大量のメタノールに加え、重合体を再沈殿させたのちに、濾過し、えられた重合体を50℃に設定した真空乾燥機で減圧下15時間乾燥させて粉末状の(メタ)アクリロニトリル系重合体(2)をえた。
【0074】
えられた重合体のGPC測定の結果、Mn=60,000、Mw/Mn=1.48であり、1H NMR測定から、末端にチオカルボニル基を有するポリメチルメタクリレート−(ランダム アクリロニトリル/スチレン)ブロック共重合体であることを確認した。チオカルボニルチオ構造含有量は78.2%であった。
【0075】
(実施例5)
前記実施例1で用いたアクリロニトリル49.0%および塩化ビニル51.0%よりなるハロゲン原子含有共重合体100部に、加工性改良剤として上記(メタ)アクリロニトリル系重合体(2)40部を加え、可塑剤としてジメチルフタレートを20部および安定剤としてジオクチル錫メルカプトを3部配合した。えられた樹脂をヘンシェルミキサーにて撹拌した。この樹脂を溶融紡糸装置の40mm単軸押出機に投入し溶融混練した後、紡糸温度150℃にて、孔径が1.0mmφ、孔数200の紡糸口金より定量的に1時間あたり5キログラムの速度で吐出し、押出ストランドをえた。押出後3倍に熱延伸し、ハロゲン原子含有繊維(7)をえた。えられたハロゲン原子含有繊維(7)を用いて実施例1と同様にして紡績糸をえ、さらに製織、仕上げなどの工程を経て織布(難燃繊維複合体)(7)をえた。延伸工程前、紡糸工程にてえられた押出ストランドを用いて実施例1と同様に延伸性評価を行った。
【0076】
結果を表2に示す。なお、表中PASは市販のポリアクリロニトリル−スチレン ランダム共重合体樹脂を示す。
【0077】
(製造例3)
((メタ)アクリロニトリル系重合体(3)の合成)アクリロニトリル(AN)100部およびスチレン(ST)100部からなる単量体混合物にトルエンを加え、単量体濃度がそれぞれ25%となる単量体溶液を調整する。その単量体溶液を撹拌機付き反応器に仕込み、2−(2−フェニルプロピル)ジチオベンゾエート0.5部および2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)0.1部を加え、完全に溶解させた。前記反応器内にチッ素を流通させることにより空間部および溶液中の酸素を除去したのち、撹拌しながら内容物を60℃に昇温した。8時間撹拌を続けた後、未完の状態で重合を停止させた。重合転化率は50%であった。えられた混合溶液を大量のメタノールに加え、重合体を再沈殿させたのちに、重合体を単離し、50℃に設定した真空乾燥機で減圧下15時間乾燥させて重合体をえた。
【0078】
撹拌機付き反応器にえられた重合体を100部、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)0.1部を仕込み、n−ブチルアクリレート(BA)50部を加え、更にトルエンを加え、単量体濃度が25%となるよう調整し、完全に溶解させた。前記反応器内にチッ素を流通させることにより空間部および溶液中の酸素を除去したのち、撹拌しながら内容物を80℃に昇温した。12時間撹拌を続け、重合を実質的に完結させた。重合転化率は96%であった。えられた混合溶液を大量のメタノールに加え、重合体を再沈殿させたのちに、濾過し、えられた重合体を50℃に設定した真空乾燥機で減圧下15時間乾燥させて粉末状の(メタ)アクリロニトリル系重合体(3)をえた。
【0079】
えられた重合体のGPC測定の結果、Mn=56,000、Mw/Mn=1.56であり、1H NMR測定から、末端にチオカルボニル基を有するポリ(ランダム アクリロニトリル/スチレン)−ブチルアクリレート ブロック共重合体であることを確認した。チオカルボニルチオ構造含有量は67.3%であった。
【0080】
(実施例6)
加工性改良剤として前記(メタ)アクリロニトリル系重合体(3)を用いること以外は実質実施例5と同様の配合、手法にてハロゲン原子含有繊維(8)をえた。えられた押出ストランドを用いて実施例5と同様に延伸性評価を行った。えられたハロゲン原子含有繊維(8)を用いて実施例5と同様にして紡績糸をえ、さらに製織、仕上げなどの工程を経て織布(難燃繊維複合体)(8)をえた。
【0081】
結果を表2に示す。
【0082】
(実施例7、参考例
加工性改良剤としてアクリロニトリル含量23%、GPC測定によるMn=67000、Mw/Mn=1.77である市販の東洋スチレン製ポリアクリロニトリル−スチレン ランダム共重合体AS−Qを用いること以外は実質実施例5と同様の配合、手法にてハロゲン原子含有繊維(9)をえた。えられた押出ストランドを用いて実施例5と同様に延伸性評価を行った。えられたハロゲン原子含有繊維(9)を用いて実施例5と同様にして紡績糸を製造し、さらに製織、仕上げなどの工程を経て織布(難燃繊維複合体)(9)をえた。
【0083】
結果を表2に示す。
【0084】
(製造例4)
((メタ)アクリロニトリル系重合体(4)の合成)アクリロニトリル(AN)100部およびスチレン(ST)5部からなる単量体混合物にトルエンを加え、単量体濃度が25%となる単量体溶液を調整する。その単量体溶液を撹拌機付き反応器に仕込み、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)0.5部を加え、完全に溶解させた。前記反応器内にチッ素を流通させることにより空間部および溶液中の酸素を除去したのち、撹拌しながら内容物を60℃に昇温した。10時間撹拌を続け、重合を実質的に完結させた。重合転化率は98%であった。えられた混合溶液を大量のメタノールに加え、重合体を再沈殿させたのちに、濾過し、えられた重合体を50℃に設定した真空乾燥機で減圧下15時間乾燥させて粉末状の(メタ)アクリロニトリル系重合体(4)をえた。
【0085】
えられた重合体のGPC測定の結果、Mn=98,000、Mw/Mn=1.78であり、1H NMR測定から、ポリアクリロニトリル−スチレン ランダム共重合体であることを確認した。
【0086】
(比較例8)
アクリロニトリル95%およびスチレン5%よりなる上記(メタ)アクリロニトリル系重合体(4)を加工性改良剤として用いること以外は実質実施例5と同様の配合、手法にて溶融紡糸後、延伸工程を実施したが、実用的強度を有するハロゲン原子含有繊維はえられなかった。延伸工程前、紡糸工程にてえられた押出ストランドを用いて実施例5と同様に延伸性評価を行った。
【0087】
結果を表2に示す。
【0088】
(製造例5)
((メタ)アクリロニトリル系重合体(5)の合成)スチレン(ST)100部およびアクリロニトリル(AN)5部からなる単量体混合物にトルエンを加え、単量体濃度が25%となる単量体溶液を調整する。その単量体溶液を撹拌機付き反応器に仕込み、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)0.5部を加え、完全に溶解させた。前記反応器内にチッ素を流通させることにより空間部および溶液中の酸素を除去したのち、撹拌しながら内容物を60℃に昇温した。10時間撹拌を続け、重合を実質的に完結させた。重合転化率は99%であった。えられた混合溶液を大量のメタノールに加え、重合体を再沈殿させたのちに、濾過し、えられた重合体を50℃に設定した真空乾燥機で減圧下15時間乾燥させて粉末状の(メタ)アクリロニトリル系重合体(5)をえた。
【0089】
えられた重合体のGPC測定の結果、Mn=136,000、Mw/Mn=1.84であり、1H NMR測定から、ポリアクリロニトリル−スチレン ランダム共重合体であることを確認した。
【0090】
(比較例9)
アクリロニトリル5%およびスチレン95%よりなる上記(メタ)アクリロニトリル系重合体(5)を加工性改良剤として用いること以外は実質実施例5と同様の配合、手法にて溶融紡糸後、延伸工程を実施したが、実用的強度を有するハロゲン原子含有繊維はえられなかった。延伸工程前、紡糸工程にてえられた押出ストランドを用いて実施例5と同様に延伸性評価を行った。
【0091】
結果を表2に示す。
【0092】
(製造例6)
((メタ)アクリロニトリル系重合体(6)の合成)メチルメタクリレート(MMA)100部、スチレン(ST)12部およびアクリロニトリル(AN)6部からなる単量体混合物にトルエンを加え、単量体濃度が25%となる単量体溶液を調整する。その単量体溶液を撹拌機付き反応器に仕込み、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)0.5部を加え、完全に溶解させた。前記反応器内にチッ素を流通させることにより空間部および溶液中の酸素を除去したのち、撹拌しながら内容物を60℃に昇温した。10時間撹拌を続け、重合を実質的に完結させた。重合転化率は74%であった。えられた混合溶液を大量のメタノールに加え、重合体を再沈殿させたのちに、濾過し、えられた重合体を50℃に設定した真空乾燥機で減圧下15時間乾燥させて粉末状の(メタ)アクリロニトリル系重合体(6)をえた。
【0093】
えられた重合体のGPC測定の結果、Mn=48,000、Mw/Mn=1.64であり、1H NMR測定から、ポリアクリロニトリル−スチレン−メチルメタクリレート ランダム共重合体であることを確認した。
【0094】
(比較例10)
アクリロニトリル5%、スチレン10%およびメチルメタクリレート85%よりなる上記(メタ)アクリロニトリル系重合体(6)を加工性改良剤として用いること以外は実質実施例5と同様の配合、手法にてハロゲン原子含有繊維(10)をえた。えられた押出ストランドを用いて実施例5と同様に延伸性評価を行った。えられたハロゲン原子含有繊維(10)を用いて実施例1と同様にして紡績糸をえ、さらに製織、仕上げなどの工程を経て織布(難燃繊維複合体)(10)をえた。
【0095】
結果を表2に示す。
【0096】
それらの結果を表2に示す。
【0097】
表2の結果により、実施例3および5〜7で示したように(メタ)アクリロニトリル系重合体の組成比が本発明の範囲内である場合には、溶融紡糸が可能であり、えられたハロゲン原子含有繊維(3)および(7)〜(9)は良好な延伸性を示した。一方、比較例6および8〜10で示したように(メタ)アクリロニトリル系重合体の組成比が本発明の範囲外である場合には、溶融紡糸は可能であったものの、押出ストランドのメルトフラクチャーが大きく、延伸性が低下することがわかる。
【0098】
【表2】
Figure 0004157428
(実施例8)
実施例3でえられたハロゲン原子含有繊維(3)からなる紡績糸と木綿を用い、製織、仕上げなどの工程を経て織布(難燃繊維複合体)(15)をえた。えられた織布中における繊維の混合割合を表3に示した。
【0099】
えられた織布の残燼時間(秒)およびLOI値を下記方法にしたがって測定した。また、残燼時間測定時の残燼時間以外の評価項目(残炎時間、炭化面積など)、LOI値、燃焼状態(炎の大きさが小さくて燃え拡がらないか)、燃焼後のサンプルの状態(炭の硬さが硬くなっており燃え拡がらないか)を含めて総合的に難燃性に優れたものを、優、良、不良の3段階で評価した。
【0100】
結果を表3に示す。
【0101】
(残燼時間)JIS L 1091A−1法に準じて測定したときの最大残燼時間(秒)によって評価した。残燼時間は小さいほど、難燃性が高い。
【0102】
(LOI値)難燃繊維と易燃繊維との複合体のばあいには、複合体の組成に応じて混綿して測定される。
【0103】
所定の割合で混綿した綿を2g取り、これを8等分して約6cmのコヨリを8本作って酸素指数試験器のホルダーに直立させ、この試料が5cm燃え続けるのに必要な最少酸素濃度を測定し、これをLOI値とした。なお、一般に繊維の難燃性は織物の状態で測定、評価されているが、織物では糸の撚数、太さ、打込本数などにより燃焼性に差を生じ、繊維複合体自体の実用的な燃焼性を正しく評価しえないため、コヨリを用いたLOI値を難燃性評価の値として記載した。LOI値が大きいほど燃えにくく、難燃性が高い。
【0104】
(実施例9および比較例11、12)
上記実施例8と同様にしてハロゲン原子含有繊維(3)からえられた紡績糸に対して、木綿を用いて織布(16)〜(18)をえた。えられた織布中における繊維の混合割合を表3に示した。えられた織布の残燼時間(秒)およびLOI値を測定した。
【0105】
それらの結果を表3に示す。
【0106】
表3の結果により、実施例3、8および9で示したようにハロゲン原子含有繊維と木綿の混合割合が本発明の範囲内である場合には、比較例11で示したようにハロゲン原子含有繊維と木綿の混合割合が本発明の範囲外である場合に比較して残燼時間およびLOI値に優れ、実用的な難燃性に優れていることがわかる。また比較例12は燃焼試験において全焼してしまうなど、難燃性の総合評価で劣る。
【0107】
【表3】
Figure 0004157428
【0108】
【発明の効果】
本発明の(メタ)アクリロニトリル系重合体を加工性改良剤として添加したハロゲン原子含有重合体組成物は、従来なしえなかった溶融紡糸を可能とする。

Claims (9)

  1. ハロゲン原子を17〜86重量%含む重合体(a)100重量部と、
    加工性改良剤として(メタ)アクリロニトリル10〜90重量%およびこれと共重合可能なビニル系単量体から選ばれた少なくとも1種のビニル系単量体(b1)10〜90重量%よりなる(メタ)アクリロニトリル系重合体(b)1〜50重量部を含み、溶融紡糸によりられる繊維であり、
    前記(メタ)アクリロニトリル系重合体(b)が、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)測定で得られる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比で表される分子量分布(Mw/Mn)が1.6以下であることを特徴とする難燃繊維
  2. 前記ハロゲン原子を17〜86重量%含む重合体(a)が、アクリロニトリル30〜70重量%、ハロゲン含有ビニル系単量体70〜30重量%およびこれらと共重合可能なビニル系単量体(a1)0〜10重量%よりなる共重合体である請求項1記載の難燃繊維。
  3. 前記共重合可能なビニル系単量体(a1)の少なくとも1種がスルホン酸基含有ビニル系単量体である請求項2記載の難燃繊維
  4. 前記(メタ)アクリロニトリル系重合体(b)において、(メタ)アクリロニトリルと共重合可能なビニル系単量体(b1)が芳香族ビニル系単量体(b2)を含み、前記(メタ)アクリロニトリル系重合体(b)が(メタ)アクリロニトリル10〜90重量%、芳香族ビニル系単量体(b2)90〜10重量%およびこれらと共重合可能なビニル系単量体(b3)0〜60重量%よりなる共重合体である請求項1〜3のいずれかに記載の難燃繊維
  5. 前記(メタ)アクリロニトリル系重合体(b)が、可逆的付加脱離連鎖移動重合によりられたポリマーである請求項1〜のいずれかに記載の難燃繊維
  6. 前記(メタ)アクリロニトリル系重合体(b)において、一分子中に少なくとも一つのチオカルボニルチオ構造を有する分子鎖が50%以上存在する請求項1〜のいずれかに記載の難燃繊維
  7. 前記(メタ)アクリロニトリル系重合体(b)が、一分子中に少なくとも一つのチオカルボニルチオ構造を有する分子鎖が70%以上存在する請求項1〜のいずれかに記載の難燃繊維
  8. 前記難燃繊維を溶融紡糸により製造する際、可塑剤および安定剤を配合する請求項1〜のいずれかに記載の難燃繊維
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の難燃繊維100重量部に対して、
    天然繊維および化学繊維よりなる群から選ばれた少なくとも1種の繊維0〜600重量部を複合したことを特徴とする難燃繊維複合体。
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