JP4156262B2 - 化粧材及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、化粧材に関し、更に詳しくは、水性マジックインキ、油性マジックインキ、醤油、ソース、コーヒー等の汚染物質の拭き取り性の要求される用途に使用されるに有用な化粧材及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、高圧メラミン化粧板(特公昭26−4540号公報)、低圧メラミン化粧板(特公昭37−6143号公報)、DAP化粧板、ポリエステル化粧板等の熱硬化性化粧板が知られている。
【0003】
これらの熱硬化性化粧板は、耐衝撃性や耐汚染性、鉛筆硬度等において、優れた特性を持っているが、実生活において、居住空間である家の床、壁、テーブル等で使用する場合、水性マジックインキ、油性マジックインキ、醤油、ソース、コーヒー等の生活用品の汚染物質を布やティッシュペーパー等の乾拭きで落とせるような機能も求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記熱硬化性化粧板は、高硬度からフレキシブル化粧板に至るまで、色々なタイプの化粧板が存在するが、いずれのタイプの熱硬化性化粧板も、水性マジックインキ、油性マジックインキ、醤油、ソース、コーヒー等の生活用品の汚染物質が付いた場合、布やティッシュペーパー等の乾拭きで拭き取り難いという問題点があるものである。
【0005】
本発明の目的は、水性マジックインキ、油性マジックインキ、醤油、ソース、コーヒー等の生活用品による汚染物質の拭き取り性が良好な化粧材及びその製造方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記問題を解決すべく鋭意検討した結果、メラミン樹脂を含浸して硬化させてなる化粧層上に、撥液性硬質樹脂層を形成してなり、該撥液性硬質樹脂層は、電離放射線硬化性樹脂の架橋硬化物中に、メラミン樹脂及び撥水性材料を含有して成る事を特徴とする化粧材が有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
本発明は、メラミン樹脂を含浸して硬化させてなる化粧層上に、撥液性硬質樹脂層を形成してなり、該撥液性硬質樹脂層は、電離放射線硬化性樹脂の架橋硬化物中に、メラミン樹脂及び撥水性材料を含有して成る事を特徴とする化粧材に関するものである。
また、前記撥液性硬質樹脂層中の前記撥水性材料が、シリコーン樹脂及び/又はフッ素樹脂である化粧材である。また、前記撥液性硬質樹脂層が、メラミン樹脂未硬化物10〜50重量部中に、シリコーン樹脂及び/又はフッ素樹脂1〜5重量部と、電離放射線硬化性樹脂としてウレタンアクリレートプレポリマー、ポリエステルアクリレート及び/又はエポキシアクリレート50〜85重量部とを含有する塗料にて形成されたものである化粧材である。
また、本発明の化粧材の製造方法は、メラミン樹脂未硬化物を含浸させてなるオーバーレイ紙上に、電離放射線硬化性樹脂中にメラミン樹脂未硬化物及び撥水性材料を含有してなる撥液性硬質樹脂を塗布し、電離放射線を照射することにより、撥液性硬質樹脂層を形成することで、該撥液性硬質樹脂層を形成したオーバーレイ紙を予め用意し、次いで、フェノール樹脂未硬化物を含浸させてなるコア紙上に、メラミン樹脂未硬化物を含浸させてなる化粧紙を重ね、該化粧紙上に、予め用意した前記オーバーレイ紙を該撥液性硬質樹脂層非形成面側で重ね、これら積層物を熱プレス機の熱盤間に挿入して、圧力80〜120kg/cm 2 、熱盤温度150〜200℃、30分〜2時間、プレス成形することを特徴とする化粧材の製造方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、上記の本発明について、発明の実施の形態について説明する。
【0009】
最初に、上記の本発明の化粧材の製造方法について、説明する。
まず、化粧層上に、撥液性硬質樹脂を塗布(塗工)し、電離放射線を照射することにより、撥液性硬質樹脂層を形成する。このようにしてできた積層物を熱プレス機の熱盤間に挿入して、圧力80〜120kg/cm2、熱盤温度150〜200°C、30分〜2時間プレス成形を行い、本発明の化粧材を製造するものである。
【0010】
上記化粧層としては、米坪量100g/m2のチタン紙に、必要に応じて、絵柄印刷を施したものに、メラミン樹脂未硬化物を含浸させて成る化粧紙を必須として成る。通常、該化粧紙上には、メラミン樹脂未硬化物を含浸させて成る透明紙(米坪量30〜100g/m2)から成るオーバーレイ紙を、又該化粧紙裏面には、フェノール樹脂未硬化物を含浸させて成るコアー紙を積層する。
【0011】
上記化粧層上に、撥液性硬質樹脂を塗布(塗工)する場合、グラビアコーター、ロールコーター(サイズプレス、ゲートロールコーター等)、バーコーター、エアナイフコーター、ブレードコーター等の塗工機を使用できる。塗工量は、乾燥後の重量として、通常0.1〜100g/m2、好ましくは、0.5〜60g/m2である。乾燥は、熱風加熱等によって行われる。この乾燥温度は、ドライヤーの種類によって種々変化するがドライヤー内部の温度は、通常50〜200℃、好ましくは70〜150℃である。これらの塗工機で、撥液性硬質樹脂を塗布した場合、膜厚は、塗工機によって異なるが、通常0.1〜100μmであり、好ましくは、0.5〜60μmである。
【0012】
上記撥液性硬質樹脂は、電離放射線硬化性樹脂中に、メラミン樹脂未硬化物及び撥水性材料、必要に応じて溶剤(樹脂に対して、10〜40質量%)を添加して、混合、攪拌して成るものである。
【0013】
上記電離放射線硬化性樹脂は、具体的には、分子中に重合性不飽和結合または、エポキシ基を有するプレポリマー、オリゴマー、及び/又はモノマーを適宜混合した、電離放射線により硬化可能な組成物が用いられる。尚、ここで電離放射線とは、電磁波または荷電粒子線のうち分子を重合、或いは、架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、通常紫外線または電子線が用いられる。
【0014】
上記プレポリマー、オリゴマーの例としては、不飽和ジカルボン酸と多価アルコールの縮合物等の不飽和ポリエステル類、ポリエステルメタクリレート、ポリエーテルメタクリレート、ポリオールメタクリレート、メラミンメタクリレート等のメタクリレート類、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリオールアクリレート、メラミンアクリレート等のアクリレート、カチオン重合型エポキシ化合物等が挙げられる。
【0015】
ウレタンアクリレートとしては、例えば、ポリエーテルジオールとジイソシアネートとを反応させて得られるポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0016】
上記のポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレートに使用されるジイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等が挙げられる。上記のポリエーテルジオールとしては、分子量が500〜3000のポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール等が挙げられる。
【0017】
以下、ウレタンアクリレートの製造例を示す。滴下ロート、温度計、還流冷却管及び攪拌棒を備えたガラス製反応容器中に、分子量1000のポリテトラメラレングリコール1000部と、イソホロンジイソシアネート444部とを仕込み、120℃で3時間反応させた後、80℃以下に冷却し、2−ヒドロキシエチルアクリレートを232重量部加え、80℃でイソシアネート基が消失するまで反応させて、ウレタンアクリレートが得られた。
【0018】
電離放射線硬化性樹脂に用いるモノマーの例としては、スチレン、αメチルスチレン等のスチレン系モノマー、アクリル酸メチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸ブトキシエチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸メトキシブチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸エトキシメチル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ラウリル等のメタクリル酸エステル類、アクリル酸−2−(N、N−ジエチルアミノ)エチル、メメタクリル酸−2−(N、N−ジメチルアミノ)エチル、アクリル酸−2−(N、N−ジベンジルアミノ)メチル、アクリル酸−2−(N、N−ジエチルアミノ)プロピル等の不飽和置酸の置換アミノアルコールエステル類、アクリルアミド、メタクリルアミド等の不飽和カルボン酸アミド、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート等の化合物、ジプロピレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート等の多官能性化合物、及び/又は、分子中に2個以上のチオール基を有するポリチオール化合物、例えばトリメチロールプロパントリチオグリコレート、トリメチロールプロパントリチオプロピレート、ペンタエリスリトールテトラチオグリコール等が挙げられる。
【0019】
通常、以上の化合物を必要に応じて1種もしくは2種以上を混合して用いるが、電離放射線硬化性樹脂に通常の塗工適性を付与するために、前記プレポリマーまたはポリチオールを5重量%以上、前記モノマー及びまたはポリチオールを95重量%以下とするのが好ましい。
【0020】
モノマーの選定に際しては、硬化物の可撓性が要求される場合は、塗工適性上支障のない範囲でモノマーの量を少なめにしたり、1官能または2官能アクリレートモノマーを用い、比較的低架橋密度の構造とする。また、硬化物の耐摩耗性、耐熱性、耐溶剤性等が要求される場合には、塗工適性上支障のない範囲で、モノマーの量を多めにしたり、3官能以上のアクリレートモノマーを用いることで、高架橋密度の構造とすることができる。尚、1、2官能モノマーと3官能以上のモノマーを混合し、塗工適性と硬化物の物性とを調整することもできる。
【0021】
以上のような1官能性アクリレートモノマーとしては、2−ヒドロキシアクリレート、2−ヘキシルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート等が挙げられる。又、2官能アクリレートとしてはエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート等が、また3官能以上のアクリレートとしては、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリ(テトラ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。
【0022】
更に、電離放射線硬化性樹脂には、硬化物の可撓性、表面硬度等の物性を調整するための電離放射線非硬化性樹脂を添加することができる。尚、該電離放射線非硬化性樹脂としてはウレタン系、繊維素系、ポリエステル系、アクリル系、ブチラール系、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル等の熱可塑性樹脂が用いられ、特に繊維素系、ウレタン系、ブチラール系が可撓性の点から好ましい。
【0023】
又、以上の如き組成の電離放射線硬化性樹脂を硬化させるために、紫外線又は可視光線を照射する場合には、光重合開始剤として、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミノキシムエステル、テトラメチルチウラムモノサルファイド、チオキサントン類、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、メタロセン、又、光重合促進剤(増感剤)としてn−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等を、更に混合して用いることができる。
【0024】
上記撥水性材料としては、公知の各種物質が用いられる。例えば、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ロウ(蝋)又は、これらの混合物を使用することもできる。撥水性材料の添加量は、硬質樹脂中に、1〜10質量部添加する。
【0025】
上記フッ素樹脂の例としては、フッ素樹脂モノマーの重合体、具体的には、
ポリフッ化ビニル(PVF)
ポリフッ化ビニリデン(PVdF)
ポリ塩化3フッ化エチレン(PCTFE)
ポリ4フッ化エチレン(PTFE)
などや、フッ素樹脂モノマー1個以上を含む2個以上のモノマーの共重合体、具体的には、
4フッ化エチレン・6フッ化プロピレン共重合体(FEP)
エチレン・4フッ化エチレン共重合体(ETFE)
エチレン・塩化3フッ化エチレン共重合体(ECTFE)
4フッ化エチレン・6フッ化プロピレン・フッ化ビニリデン共重合体
テトラフロロエチレン・パーフルオロアルキルエーテル共重合体(PFA)
フロロエチレン・ビニルエーテル共重合体(FEVE)
テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(EPE)
などが挙げられる。
【0026】
上記シリコーン樹脂としては、例えば、メチルトリクロルシラン、メチルトリブロムシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリt−ブトキシシラン;エチルトリクロルシラン、エチルトリブロムシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリt−ブトキシシラン;n−プロピルトリクロルシラン、n−プロピルトリブロムシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリイソプロポキシシラン、n−プロピルトリt−ブトキシシラン;n−ヘキシルトリクロルシラン、n−ヘキシルトリブロムシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリイソプロポキシシラン、n−ヘキシルトリt−ブトキシシラン;n−デシルトリクロルシラン、n−デシルトリブロムシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−デシルトリエトキシシラン、n−デシルトリイソプロポキシシラン、n−デシルトリt−ブトキシシラン;n−オクタデシルトリクロルシラン、n−オクタデシルトリブロムシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリエトキシシラン、n−オクタデシルトリイソプロポキシシラン、n−オクタデシルトリt−ブトキシシラン;フェニルトリクロルシラン、フェニルトリブロムシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリt−ブトキシシラン;ジメトキシジエトキシシラン;ジメチルジクロルシラン、ジメチルジブロムシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン;ジフェニルジクロルシラン、ジフェニルジブロムシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン;フェニルメチルジクロルシラン、フェニルメチルジブロムシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン;トリクロルヒドロシラン、トリブロムヒドロシラン、トリメトキシヒドロシラン、トリエトキシヒドロシラン、トリイソプロポキシヒドロシラン、トリt−ブトキシヒドロシラン;ビニルトリクロルシラン、ビニルトリブロムシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリt−ブトキシシラン;γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリt−ブトキシシラン;γ−メタアクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリt−ブトキシシラン;γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−アミノプロピルトリt−ブトキシシラン;γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリt−ブトキシシラン;β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン;及び、それらの部分加水分解物;及びそれらの混合物を使用することもできる。
【0027】
上記の溶剤としては、塗料、インキ等に通常使用されるものが使用でき、具体例としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸アミルなどの酢酸エステル類、メチルアルコール、エチルアルコール、nープロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、2−エチルブタノール、2−エチルヘキサノ−ルなどのアルコール類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類、水およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0028】
好ましい、本発明の化粧材の製造方法の実施態様としては、まず、メラミン樹脂未硬化物を含浸させて成るオーバーレイ紙の表層上に、メラミン樹脂未硬化物10〜50質量部中に、シリコーン樹脂及び/又はフッ素樹脂1〜5質量部とウレタンアクリレートプレポリマー、ポリエステルアクリレート及び/又はエポキシアクリレート50〜85質量部とを添加した電子線硬化型塗料を5〜30g/m2(乾燥後)塗布し、加速電圧175evの電子線を3Mrad照射し、前記電子線硬化型塗料を架橋硬化させて、撥液性硬質樹脂層を形成してなるオーバーレイを用意する。次いで、フェノール樹脂未硬化物を含浸させて成るコアー紙上に、米坪量100g/m2のチタン紙に、メラミン樹脂未硬化物を含浸させて成る化粧紙を重ね、該化粧紙上に、予め用意した前記オーバーレイの該撥液性硬質樹脂層非形成面側を載置し、これら積層物を熱プレス機の熱盤間に挿入して、圧力100kg/cm2、熱盤温度170°C、1時間プレス成形を行い、化粧材を製造する。拭き取り性を評価する為のマジック汚染試験としては、油性黒マジックを化粧材の撥液性硬質樹脂層形成面側に塗り、1分後乾いた布でこれを拭き取ることができるかどうかを試験する。
【0029】
【実施例】
次いで、実施例を挙げ、本発明を更に説明する。
【0030】
実施例1
メラミン樹脂未硬化物を含浸させて成るオーバーレイ紙の表層上に、メラミン樹脂未硬化物100質量部中に、シリコーン樹脂3質量部とウレタンアクリレートプレポリマー100質量部とを添加した電子線硬化型塗料を10g/m2(乾燥後)塗布し、加速電圧175evの電子線を3Mrad照射し、前記電子線硬化型塗料を架橋硬化させて、撥液性硬質樹脂層を形成してなるオーバーレイを用意する。次いで、フェノール樹脂未硬化物を含浸させて成るコアー紙上に、米坪量100g/m2のチタン紙に、メラミン樹脂未硬化物を含浸させて成る化粧紙を重ね、該化粧紙上に、予め用意した前記オーバーレイの該撥液性硬質樹脂層非形成面側を載置し、これら積層物を熱プレス機の熱盤間に挿入して、圧力100kg/cm2、熱盤温度170°C、1時間プレス成形を行い、化粧材を製造する。マジック汚染試験としては、油性黒マジックを化粧材の撥液性硬質樹脂層形成面側に塗り、1分後乾いた布でこれを拭き取ることができた。
【0031】
実施例2
メラミン樹脂未硬化物を含浸させて成るオーバーレイ紙の表層上に、メラミン樹脂未硬化物50質量部中に、フッ素樹脂3質量部とポリエステルアクリレート25質量部及びエポキシアクリレート25質量部とを添加した電子線硬化型塗料を10g/m2(乾燥後)塗布し、加速電圧175evの電子線を3Mrad照射し、前記電子線硬化型塗料を架橋硬化させて、撥液性硬質樹脂層を形成してなるオーバーレイを用意する。
次いで、フェノール樹脂未硬化物を含浸させて成るコアー紙上に、米坪量100g/m2のチタン紙に、メラミン樹脂未硬化物を含浸させて成る化粧紙を重ね、該化粧紙上に、予め用意した前記オーバーレイの該撥液性硬質樹脂層非形成面側を載置し、これら積層物を熱プレス機の熱盤間に挿入して、圧力100kg/cm2、熱盤温度170°C、1時間プレス成形を行い、化粧材を製造する。
マジック汚染試験としては、油性黒マジックを化粧材の撥液性硬質樹脂層形成面側に塗り、1分後乾いた布でこれを拭き取ることができた。
【0032】
比較例1
実施例1において、電子線硬化型塗料中に、シリコーン樹脂を添加しない以外は、実施例1と同じように製造する化粧材。マジック汚染試験としては、油性黒マジックを化粧材の電子線硬化型塗料を架橋硬化させてなる硬質樹脂層形成面側に塗り、1分後乾いた布でこれを拭き取ろうとしたが、拭き取ることができなかった。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、水性マジックインキ、油性マジックインキ、醤油、ソース、コーヒー等の生活用品の汚染物質を、布やティッシュペーパー等の乾拭きで、拭き取れる(拭き落とせる)ような機能を有する化粧材を提供することができる。
Claims (4)
- メラミン樹脂を含浸して硬化させてなる化粧層上に、撥液性硬質樹脂層を形成してなり、該撥液性硬質樹脂層は、電離放射線硬化性樹脂の架橋硬化物中に、メラミン樹脂及び撥水性材料を含有して成る事を特徴とする化粧材。
- 前記撥液性硬質樹脂層中の前記撥水性材料が、シリコーン樹脂及び/又はフッ素樹脂であることを特徴とする請求項1記載の化粧材。
- 前記撥液性硬質樹脂層が、メラミン樹脂未硬化物10〜50重量部中に、シリコーン樹脂及び/又はフッ素樹脂1〜5重量部と、電離放射線硬化性樹脂としてウレタンアクリレートプレポリマー、ポリエステルアクリレート及び/又はエポキシアクリレート50〜85重量部とを含有する塗料にて形成されたものであることを特徴とする請求項2記載の化粧材。
- メラミン樹脂未硬化物を含浸させてなるオーバーレイ紙上に、電離放射線硬化性樹脂中にメラミン樹脂未硬化物及び撥水性材料を含有してなる撥液性硬質樹脂を塗布し、電離放射線を照射することにより、撥液性硬質樹脂層を形成することで、該撥液性硬質樹脂層を形成したオーバーレイ紙を予め用意し、
次いで、フェノール樹脂未硬化物を含浸させてなるコア紙上に、メラミン樹脂未硬化物を含浸させてなる化粧紙を重ね、該化粧紙上に、予め用意した前記オーバーレイ紙を該撥液性硬質樹脂層非形成面側で重ね、これら積層物を熱プレス機の熱盤間に挿入して、圧力80〜120kg/cm 2 、熱盤温度150〜200℃、30分〜2時間、プレス成形することを特徴とする化粧材の製造方法。
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