JP5762245B2 - 光硬化性ナノインプリント用組成物、該組成物を用いたパターンの形成方法、及び該組成物の硬化体を有するナノインプリント用レプリカ金型 - Google Patents
光硬化性ナノインプリント用組成物、該組成物を用いたパターンの形成方法、及び該組成物の硬化体を有するナノインプリント用レプリカ金型 Download PDFInfo
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Description
(A)下記式(1)
で示される有機珪素化合物、及び
下記式(2)
R3は、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数3〜10のシクロアルキレン基又は炭素数3〜10のポリメチレン基であり、
R4は、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数3〜4のシクロアルキル基、又は炭素数6〜12のアリール基であり、
R5は、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数3〜4のシクロアルキル基であり、
lは1〜3の整数であり、mは0〜2の整数であり、kは1〜3の整数であり、
l+m+kは4であり、
R2、R3、R4およびR5がそれぞれ複数存在する場合には、その複数のR2、R3、R4およびR5は、同種又は異種の基であってよい。)
で示される(メタ)アクリル基含有珪素化合物及び
後述する式(3)で示される金属アルコキシドを含む混合物を、該混合物における全アルコキシ基のモル数に対して、0.1倍モル以上1.0倍モル未満の量の水で加水分解した部分加水分解物、
(B)(メタ)アクリル基を有する重合性単量体、並びに
(C)光重合開始剤
を含有する光硬化性ナノインプリント用組成物である。
なお、本発明において、(メタ)アクリル基とは、メタクリル基又はアクリル基を意味する。
また、本発明の光硬化性ナノインプリント用組成物は、分散性がよいため、不溶な不純物が混入した場合でも、濾過による精製が容易であり、生産性の高いものとなる。また、該組成物から形成された塗膜は、比較的低い圧力で金型を押し当てた場合でも、パターンの転写が容易にできる。加えて、該塗膜を硬化させて得られる硬化膜(パターン)は、基板との密着性に優れ、また、酸素ガスに対するエッチング耐性に優れたものである。
さらに、後述する金属アルコキシドを配合した光硬化性ナノインプリント用組成物は、フッ素系ガスに対するエッチング耐性も向上したものとなる。
本発明において、部分加水分解物(A)は、前記式(1)で示される有機珪素化合物、前記式(2)で示される(メタ)アクリル基含有珪素化合物、及び必要に応じて配合される金属アルコキシドを含む混合物を、該混合物における全アルコキシ基のモル数に対して、0.1倍モル以上1.0倍モル未満の量の水で加水分解したものをいう。また、完全加水分解物とは、上記混合物における全アルコキシ基のモル数に対して1.0倍モル以上の水で加水分解したものをいう。
本発明においては、下記式(1)
(式中、R1は、同種又は異種の炭素数1〜4のアルキル基であり、nは、1〜10の整数である。)
で示される有機珪素化合物(以下、単に「有機珪素化合物」ともいう)を使用する。この有機珪素化合物を使用することにより、酸素ガスによるエッチング耐性を向上させることができる。
本発明においては、下記式(2)
(式中、R2は、水素原子又はメチル基であり、
R3は、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数3〜10のシクロアルキレン基又は炭素数3〜10のポリメチレン基であり、
R4は、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数3〜4のシクロアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基であり、
R5は、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数3〜4のシクロアルキル基であり、
lは1〜3の整数であり、mは0〜2の整数であり、kは1〜3の整数であり、l+m+kは4であり、
R2、R3、R4およびR5がそれぞれ複数存在する場合には、複数のR2、R3、R4およびR5は、同種又は異種の基であってよい。)
で示される(メタ)アクリル基含有珪素化合物(以下、単に「(メタ)アクリル基含有珪素化合物」ともいう)を使用する。この(メタ)アクリル基含有珪素化合物を使用することにより、酸素ガスによるエッチング耐性を向上することができ、分散性のよい光硬化性ナノインプリント用組成物が得られ、濾過による精製が容易となり生産性が良好となる。また、光硬化により得られる硬化膜の微細な構造において、無機成分と有機成分とが比較的均質な状態で分散したものとなる(無機成分が極端に凝集したような分散状態とはならない。)。その結果、均一な転写パターン、及び均一な残膜を形成することができ、エッチング耐性のバラツキが小さくなるものと推定される。
R3は、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数3〜10のシクロアルキレン基又は炭素数3〜10のポリメチレン基である。具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、sec−ブチレン基、tert−ブチレン基、2,2−ジメチルプロピレン基、2−メチルブチレン基、2−メチル−2−ブチレン基、3−メチルブチレン基、3−メチル−2−ブチレン基、ペンチレン基、2−ペンチレン基、3−ペンチレン基、3−ジメチル−2−ブチレン基、3,3−ジメチルブチレン基、3,3−ジメチル−2−ブチレン基、2−エチルブチレン基、ヘキシレン基、2−ヘキシレン基、3−ヘキシレン基、2−メチルペンチレン基、2−メチル−2−ペンチレン基、2−メチル−3−ペンチレン基、3−メチルペンチレン基、3−メチル−2−ペンチレン基、3−メチル−3−ペンチレン基、4−メチルペンチレン基、4−メチル−2−ペンチレン基、2,2−ジメチル−3−ペンチレン基、2,3−ジメチル−3−ペンチレン基、2,4−ジメチル−3−ペンチレン基、4,4−ジメチル−2−ペンチレン基、3−エチル−3−ペンチレン基、ヘプチレン基、2−ヘプチレン基、3−ヘプチレン基、2−メチル−2−ヘキシレン基、2−メチル−3−ヘキシレン基、5−メチルヘキシレン基、5−メチル−2−ヘキシレン基、2−エチルヘキシレン基、6−メチル−2−ヘプチレン基、4−メチル−3−ヘプチレン基、オクチレン基、2−オクチレン基、3−オクチレン基、2−プロピルペンチレン基、2,4,4−トリメチルペンチレン基等のアルキレン基;シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロプロピルメチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロオクチレン基等のシクロアルキレン基;トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基等のポリメチレン基が挙げられる。
これらの中でも、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基等の炭素数1〜4のアルキレン基又は炭素数3〜4のポリメチレン基が好ましい。
この−OR5からなるアルコキシ基は、加水分解時にR5由来のアルコールを生成するが、本発明の光硬化性ナノインプリント用組成物は、このアルコールを含んでいてもよい。そのため、他成分と容易に混合できるアルコールとなること、及び基板上に塗膜を形成した後、容易に除去できるアルコールとなることを考慮すると、具体的には、R5は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましい。
本発明において、部分加水分解物(A)を構成する有機珪素化合物と(メタ)アクリル基含有珪素化合物は、以下の配合量とすることが好ましい。つまり、部分加水分解物(A)は、下記に詳述する重合性単量体(B)100質量部に対して、有機珪素化合物を10〜250質量部、及び(メタ)アクリル基含有珪素化合物を3〜300質量部含む混合物を加水分解したものであることが好ましい。加水分解に使用する水の量は、上記混合物の全アルコキシ基のモル数に対して、0.1倍モル以上1.0倍モル未満である。
本発明においては、さらに、下記式(3)
R6は、同種又は異種の炭素数1〜10のアルキル基である。)
で示される金属アルコキシド(以下、単に「金属アルコキシド」ともいう)を含むことができる。本発明の光硬化性ナノインプリント用組成物は、特に、酸素ガスに対するエッチング耐性の優れた硬化膜を形成することができるが、この金属アルコキシドを含有させることにより、さらに、フッ素系ガスに対するエッチング耐性も向上させることができる。そして、金属アルコキシドの使用量に併せて、フッ素系ガスのエッチング速度を調整することもできる。
また、R6は、適度な加水分解速度という点から炭素数2〜4のアルキル基がより好ましい。この−OR6からなるアルコキシ基も、上記の有機珪素化合物等と同じく、加水分解時にR6由来のアルコールを生成するが、本発明の光硬化性ナノインプリント用組成物は、このアルコールを含んでいてもよい。そのため、−OR6が他成分と容易に混合できるアルコールとなること、及び基板上に塗膜を形成した後、容易に除去できるアルコールとなることを考慮すると、具体的には、R6は、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましい。
(金属アルコキシドの配合量)
本発明において、金属アルコキシドの配合量は、フッ素系ガスのエッチング耐性を考慮すると、下記に詳述する重合性単量体(B)100質量部に対して、1〜50重量部であることが好ましく、3〜40質量部であることがより好ましく、5〜30質量部であることがさらに好ましく、10〜30質量部であることが最も好ましい。
本発明において、加水分解に用いる水の量は、有機珪素化合物、(メタ)アクリル基含有珪素化合物及び必要に応じて配合される金属アルコキシドの混合物中の全アルコキシド基のモル数に対して、0.1倍モル以上1.0倍モル未満の量でなければならない。なお、全アルコキシ基のモル数とは、上記混合物中に含まれる各化合物の使用モル数と各化合物1分子中に存在するアルコキシ基の数との積を各化合物毎に算出し、それらを合計したものである。
上記の方法に従い、部分加水分解物(A)を準備することができる。本発明の光硬化性ナノインプリント用組成物は、加水分解時に副生するアルコール及び加水分解に使用した水を含むこともできる。さらには、加水分解を容易に進めるために使用した希釈溶媒を含むこともできる。
本発明において、(メタ)アクリル基を有する重合性単量体(B)(本明細書において単に「重合性単量体(B)」ともいう)には、特に制限されるものではなく、光重合に使用される公知の重合性単量体を使用することができる。この重合性単量体(B)は、前記式(2)で示される(メタ)アクリル基含有珪素化合物を含まない。そして、好ましい化合物としては、(メタ)アクリル基を有し、分子中に珪素原子を含まない重合性単量体が挙げられる。これら重合性単量体(B)は、1分子中に1つの(メタ)アクリル基を有する単官能重合性単量体であってもよいし、1分子中に2つ以上の(メタ)アクリル基を有する多官能重合性単量体であってもよい。さらには、これら単官能重合性単量体及び多官能重合性単量体を組み合わせて使用することもできる。
R7、R8、R9及びR10は、それぞれ独立に、水素原子、またはメチル基であり、
a、及びbは、それぞれ、0以上の整数であり、
ただし、a+bの平均値は2〜25である)
で示されるポリオレフィングリコールジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
本発明において、光重合開始剤(C)は特に制限されるものではなく、重合性単量体(B)を光重合できるものであれば、いかなる光重合開始剤も使用できる。
本発明の光硬化性ナノインプリント用組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲でその他の成分を配合することができる。
本発明の光硬化性ナノインプリント用組成物を用いたパターン形成方法について説明する。
本発明の光硬化性ナノインプリント用組成物は、形成される硬化膜が優れたエッチング耐性を示す。そのため、該硬化膜より形成されるパターンは、酸素ガス、フッ素系ガス等によるエッチング耐性が非常に良好となり、ナノスケールの凹凸構造を有する基材を製造する際に好適に用いることができる。なお、フッ素系ガスとしては、反応性イオンエッチングに用いられる公知のガスを使用することができる。具体的には、六フッ化硫黄、フルオロメタン、ジフルオロメタン、トリフルオロメタン、テトラフルオロメタンを挙げることができる。
上記方法によりドライエッチングすることにより基材にパターンを形成できるが、本発明の光硬化性ナノインプリント用組成物は、優れた性能を有するため、その他の用途にも使用できる。例えば、該光硬化性ナノインプリント用組成物よりなる硬化膜は、無機成分の分散状態がよいため、優れた硬度を有する。そのため、基材上に硬化膜よりなるパターンが形成された積層体は、ナノインプリント用のレプリカ金型として使用することもできる。
以下の実施例、比較例で得られた光硬化性ナノインプリント用組成物を0.2μmφ穴径のシリンジフィルター及び10mlシリンジにて、手で10mlをろ過した際、20sec以内にろ過できたものを○、1min以内にろ過できたものを△、途中で目詰まりしてろ過できなかったものを×とした。
シリコンウエハ(P型、片鏡面、酸化膜なし)上に光硬化性ナノインプリント用組成物による光硬化膜を作製し、ニチバン(株)製15mm幅セロハンテープ405を用い、指圧にて3往復密着させたのち剥離して、
硬化膜が全く剥がれなかったもの :5
剥離面積が10%未満のもの :4
剥離面積が10%以上50%未満のもの :3
剥離面積が50%以上100%未満のもの:2
剥離面積が100%(全面剥離)のもの :1
として評価した。
走査型電子顕微鏡(SEM)観察により、光硬化性ナノインプリント用組成物を用いてシリコンウエハ基板(基材)上に形成したパターンの形状転写性を評価した。転写性の評価は、計15本の幅80nmラインが80nmの間隔で形成されたパターン(以下、80nmライン/スペースともいう)が全て転写できているものを「○」とし、一部にパターン形状の不良が見られるものを△とし、全てのパターンが転写できていないものを「×」として評価した。
シリコンウエハ(P型、片鏡面、酸化膜なし)上に、実施例、比較例で作製した光硬化性ナノインプリント用組成物による光硬化膜を作製し、反応性イオンエッチング装置を用いて、以下の条件にて酸素ガス、CHF3ガスによるドライエッチングを行った。ドライエッチング時間と光硬化膜の塗膜減少量の関係から、ドライエッチング速度(nm/min)を算出した。
ドライエッチング条件
酸素ガス :ガスフロー50sccm、RFパワー100W、制御圧力5.0Pa
CHF3ガス :ガスフロー50sccm、RFパワー100W、制御圧力2.0Pa
(部分加水分解物(A)の製造)
エタノール13.6g、(メタ)アクリル基含有珪素化合物としてトリメトキシシリルプロピルアクリレート3.0g、有機珪素化合物としてエチルシリケート40(コルコール(株)製 テトラエトキシシランの平均5量体物)6.8gとを混合し、この混合物を攪拌混合しながら、エタノール4.25g/水0.85g/2N−HCl 0.16gの2N−HCl/エタノール混合水溶液を室温下、徐々に滴下した。さらに、エタノール1g/水0.32gのエタノール水溶液を徐々に滴下し、室温下1時間攪拌し、有機珪素化合物、及び(メタ)アクリル基含有珪素化合物の混合物からなる部分加水分解物(A)を得た。
(メタ)アクリル基を有する重合性単量体(B)として、ポリエチレングリコールジアクリレート(新中村化学工業(株)製、NKエステル A−200)2.5g、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(新中村化学工業(株)製、NKエステル A−BPE−10)7.5g、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート(新中村化学工業(株)製、NKエステル AMP-10G)5.0g、ヒドロキシエチル化o−フェニルフェノールアクリレート(新中村化学工業(株)製、NKエステル A−LEN−10)5.0g、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(新中村化学工業(株)製、NKエステル A−DCP)5.0gを使用した。
得られた光硬化性ナノインプリント用組成物を表面離型処理した石英板の間に挟み、光硬化させて、硬化膜を作製した。得られた硬化膜をエポキシ樹脂で包埋し、ウルトラミクロトームで、断面出しを行った。電界放射型透過電子顕微鏡(FE−TEM)にて断面の観察を行い、その写真を図1に示した。均一な構造であった。
得られた光硬化性ナノインプリント用組成物を、1−メトキシ−2−プロパノールにて25重量%となるよう希釈した。希釈した光硬化性ナノインプリント用組成物を、シリコンウエハ(P型、片鏡面、酸化膜なし)上に、2000rpm、30秒間でスピンコートし、120℃において1分間乾燥して、光硬化性ナノインプリント用組成物の塗膜がコーティングされたシリコンウエハを得た。この塗膜を下記のパターン形成と同じ条件(光硬化条件)で硬化させ、得られた硬化膜とシリコンウエハとの密着性を上記条件で評価した。結果を表2に示した。
80nmライン/スペースの石英モールド(NTT-ATナノファブリケーション(株)製、80L RESO)を用い、ナノインプリント装置(三明電子産業(株)製、ImpFlex Essntial)において、上記のようにして得られた光硬化性ナノインプリント用組成物の塗膜を有するシリコンウエハに、圧力0.5MPaをかけLED365nm光源から光を10秒間照射して、光ナノインプリントを行った。用いた石英モールドは、あらかじめフッ素系表面処理(ダイキン工業(株)製、オプツールDSX)で離型処理を施した。光ナノインプリント後の転写形状をSEMにて観察し、表2に転写性の評価結果を示した。
反応性イオンエッチング装置を用いて、酸素ガス、CHF3ガスによるドライエッチングを行い、エッチング時間と光硬化膜の塗膜減少量の関係から、各々のガスのドライエッチング速度を算出した。その結果を表3に示した。
(部分加水分解物(A)の製造)
エタノール13.6g、(メタ)アクリル基含有珪素化合物としてトリメトキシシリルプロピルアクリレート3.0g、有機珪素化合物としてエチルシリケート40(コルコール(株)製 テトラエトキシシランの平均5量体物)6.8g、85質量%ジルコニウムブトキシド(テトラブチルジルコニウムアルコキシド)の1−ブタノール溶液 1.7gとを混合し、この混合物を攪拌混合しながら、エタノール4.25g/水0.85g/2N−HCl 0.16gの2N−HCl/エタノール混合水溶液を室温下、徐々に滴下した。さらに、エタノール1g/水0.46gのエタノール水溶液を徐々に滴下し、室温下1時間攪拌し、有機珪素化合物と(メタ)アクリル基含有珪素化合物及び金属アルコキシドからなる部分加水分解物(A)を得た。
実施例1で使用したのと同じ種類、同量の(B)、(C)、及び重合禁止剤とを混合した後、同じ量の混合物(4.0g)に前記部分加水分解物(A)14.2gを添加後、室温で15分間攪拌混合し、光硬化性ナノインプリント用組成物を得た。この光硬化性ナノインプリント用組成物の配合割合と粘度を表1に示した。
実施例1と同様にして、断面のFE−TEM観察を行った。その写真を図2に示した。nmオーダーの小さく均一な構造であった。
実施例1と同様にして、光硬化性ナノインプリント用組成物の塗膜がコーティングされたシリコンウエハを得た。また、得られた硬化膜の密着性を表2に示した。
実施例1と同様にして、光ナノインプリントし、SEM観察を行った。表2に転写性の評価結果を示した。
実施例1と同様にして、ドライエッチング速度を算出した。その結果を表3に示した。
実施例2において、各成分の添加量を表1の通りに変更した以外は実施例2と同様の操作を行い、部分加水分解物(A)を得た。次いで、部分加水分解物(A)24gを添加したこと以外は実施例1と同様にして光硬化性ナノインプリント用組成物を製造し、その結果を表1に示した。
実施例2と同様の方法で部分加水分解物(A)を得た。次いで、部分加水分解物(A)7.1gを添加したこと以外は実施例1と同様にして光硬化性ナノインプリント用組成物を製造し、その結果を表1に示した。
実施例1において、水の添加量を表1に示した通りに変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、部分加水分解物(A)を得た。次いで、部分加水分解物(A)14.2gを添加したこと以外は実施例1と同様にして光硬化性ナノインプリント用組成物を製造し、その結果を表1に示した。
実施例1において、水の添加量を表1に示した通りに変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、部分加水分解物(A)を得た。次いで、部分加水分解物(A)14.2gを添加したこと以外は実施例1と同様にして光硬化性ナノインプリント用組成物を製造し、その結果を表1に示した。
実施例2において、エチルシリケート40の代わりにテトラエトキシシランを9.4gとし、水の添加量を表1に示した通りに変更した以外は実施例2と同様の操作を行い、部分加水分解物(A)を得た。次いで、部分加水分解物(A)15.6gを添加したこと以外は実施例1と同様にして光硬化性ナノインプリント用組成物を製造し、その結果を表1に示した。
実施例2において、トリメトキシシリルプロピルアクリレートの代わりにトリメトキシシリルプロピルメタクリレートを3.2gとし、水の添加量を表1に示した通りに変更した以外は実施例2と同様の操作を行い、部分加水分解物(A)を得た。次いで、部分加水分解物(A)14.2gを添加したこと以外は実施例1と同様にして光硬化性ナノインプリント用組成物を製造し、その結果を表1に示した。
実施例2と同様にして光硬化性ナノインプリント用組成物の塗膜がコーティングされたシリコンウエハを得、光ナノインプリントを行った。パターンが形成された硬化膜がコートされたシリコンウエハ(積層体)をナノインプリント用レプリカ金型とするため、パターンを中心にして20mm×20mmの大きさにカットした。次いで、離型処理を施すための前処理として、加湿条件下でパターン表面の加水分解処理を行った。該加水分解処理は、上記のカットしたシリコンウエハ(積層体)をオーブンに入れ、このオーブン中に水の入った容器を存在させて、該積層体と水とが直接接触しないようにし、オーブンの蓋をして70℃で1時間加熱を行うことにより実施した。その後、処理した積層体のパターン面をフッ素系表面処理剤(ダイキン工業(株)製、オプツールDSX)接触させて離型処理を施し、レプリカ金型を作製した。
実施例1で製造した(B)、(C)、及び重合禁止剤からなる混合物2.0gに、表面処理オルガノシリカゾル(日産化学工業(株)MEK−AC−2101、平均粒子径10〜15nm、固形分30質量%)を1.98g添加後、室温で15分間攪拌混合し、光硬化性ナノインプリント用組成物とした。この光硬化性ナノインプリント用組成物の配合割合と粘度を表1に示した。
比較例1で使用したのと同じ種類、同量の(B)、(C)、及び重合禁止剤とを混合した後、同じ量の混合物(2.0g)に、表面処理オルガノシリカゾル(日産化学工業(株)MEK−AC−2101、平均粒子径10〜15nm、固形分30質量%)1.98gと表面処理有機分散ジルコニアゾル(日産化学工業(株)OZ−S30K−AC、粒子径9nm、固形分20.5質量%)0.29gを添加後、室温で15分間攪拌し、光硬化性ナノインプリント用組成物を得た。この光硬化性ナノインプリント用組成物の配合割合と粘度を表1に示した。
実施例1において、水の添加量を表1に示した通りに変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、完全加水分解物(A)を得た。次いで、完全加水分解物(A)14.2gを添加したこと以外は実施例1と同様にして光硬化性ナノインプリント用組成物を製造し、その結果を表1に示した。
実施例1において、部分加水分解物(A)を使用しなかったこと以外は同様の操作を行い、光硬化性ナノインプリント用組成物とした。この光硬化性ナノインプリント用組成物の配合割合と粘度を表1に示した。また実施例1と同様にして、光硬化性ナノインプリント用組成物の塗布・パターンの形成を行い、表2に硬化膜の密着性・転写性の評価結果を示した。実施例1と同様にして、ドライエッチング速度を算出した。その結果を表3に示した。
実施例1において、(メタ)アクリル基含有珪素化合物を配合せず、水の量の添加量を変更した表1に示した通りに変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、部分加水分解物(A)を得た。次いで、部分加水分解物(A)10.0gを添加したこと以外は実施例1と同様にして光硬化性ナノインプリント用組成物を製造し、その結果を表1に示した。
エタノール13.6g、2−ヒドロキシエチルアクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステルHOA)3.0g、テトラエトキシシラン9.4gとを混合し、次いで、エタノール4.25g/水0.87g/2N−HCl 0.16gの2N−HCl/エタノール混合水溶液を室温下、徐々に滴下・攪拌した。さらに、エタノール1g/水0.61gのエタノール水溶液を徐々に滴下し、室温下1Hr攪拌し、部分加水分解物(A’)を得た。次いで、部分加水分解物(A’)12.9gを添加したこと以外は実施例1と同様にして光硬化性ナノインプリント用組成物を製造し、その結果を表1に示した。
Claims (5)
- (A)下記式(1)
(式中、
R1は、同種又は異種の炭素数1〜4のアルキル基であり、nは、1〜10の整数である。)
で示される有機珪素化合物、及び
下記式(2)
R2は、水素原子又はメチル基であり、
R3は、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数3〜10のシクロアルキレン基又は炭素数3〜10のポリメチレン基であり、
R4は、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数3〜4のシクロアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基であり、
R5は、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数3〜4のシクロアルキル基であり、
lは1〜3の整数であり、mは0〜2の整数であり、kは1〜3の整数であり、
l+m+kは4であり、
R2、R3、R4およびR5がそれぞれ複数存在する場合には、その複数のR2、R3、R4およびR5は、同種又は異種の基であってよい。)
で示される(メタ)アクリル基含有珪素化合物、及び
下記式(3)
Mは、ジルコニウム、又はチタニウムであり、
R 6 は、同種又は異種の炭素数1〜10のアルキル基である。)
で示される金属アルコキシドを含む混合物を、該混合物における全アルコキシ基のモル数に対して、0.1倍モル以上1.0倍モル未満の量の水で加水分解した部分加水分解物、
(B)(メタ)アクリル基を有する重合性単量体、並びに
(C)光重合開始剤
を含有する光硬化性ナノインプリント用組成物。 - (メタ)アクリル基を有する重合性単量体(B)100質量部に対して、有機珪素化合物10〜250質量部、(メタ)アクリル基含有珪素化合物3〜300質量部及び金属アルコキシド1〜50質量部含む混合物を、該混合物における全アルコキシ基のモル数に対して、0.1倍モル以上1.0倍モル未満の量の水で加水分解した部分加水分解物(A)、並びに光重合開始剤(C)1〜10質量部、を含むことを特徴とする請求項1に記載の光硬化性ナノインプリント用組成物。
- 有機珪素化合物、及び(メタ)アクリル基含有珪素化合物との合計100質量部に対して、金属アルコキシドを0.2〜100質量部含むことを特徴とする請求項1に記載の光硬化性ナノインプリント用組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の光硬化性ナノインプリント用組成物を基板上に塗布し、該組成物からなる塗膜を形成する工程、
パターンが形成された金型のパターン形成面と前記塗膜とを接触させ、その状態で光を照射して塗膜を硬化させる工程、
前記金型を、硬化した塗膜から分離して、前記金型のパターン形成面に形成されているパターンに対応するパターンを基板上に形成する工程
を含むことを特徴とするパターンの形成方法。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の光硬化性ナノインプリント用組成物の硬化体を有するナノインプリント用レプリカ金型。
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