JP5762245B2 - 光硬化性ナノインプリント用組成物、該組成物を用いたパターンの形成方法、及び該組成物の硬化体を有するナノインプリント用レプリカ金型 - Google Patents

光硬化性ナノインプリント用組成物、該組成物を用いたパターンの形成方法、及び該組成物の硬化体を有するナノインプリント用レプリカ金型 Download PDF

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Description

本発明は、新規な光硬化性ナノインプリント用組成物に関し、さらに、前記光硬化性ナノインプリント用組成物を用いて基板上にパターンを形成する新規なパターン形成方法にも関する。また、本発明は、該組成物の硬化体からなる新規なナノインプリント用レプリカ金型に関する。
近年、半導体集積回路は、より微細化され、高精度なものが要求されているが、このような微細な高精度の半導体集積回路は、一般的に、インプリント技術によって製造されている。
インプリント技術とは、基板上に形成したいパターンに対応するパターンの凹凸を有する金型を、基板表面に形成された塗膜上に型押しすることにより、所望のパターンを該基板表面に転写する技術であり、この技術を使用することによって、ナノオーダーの微細なパターンを形成することができる。インプリント技術の中でも、特に、数百〜数ナノメートル(nm)の超微細なパターンを形成する技術はナノインプリント技術と呼ばれている。
このインプリント技術について、その方法は、基板表面に形成する塗膜材の特性により2種類に大別される。その1つは、パターンが転写される塗膜材を加熱して塑性変形させた後、金型を押し付け、冷却して、塗膜材を硬化させることによって、パターンを転写する方法である。また、他の1つは、金型又は基板の少なくとも一方が光透過性であるものを使用し、基板上に液状の光硬化性組成物を塗布して塗膜を形成し、金型を押し付けて塗膜と接触させ、ついで、金型又は基板を介して光を照射して該塗膜材を硬化させることによって、パターンを転写する方法である。これらの中でも、光照射によりパターンを転写する光インプリントの方法は、高精度のパターンを形成できるものであるため、ナノインプリント技術において広く利用されるようになっており、該方法に好適に用いられる光硬化性組成物の開発が進められている。
ナノインプリント技術においては、基材表面と塗膜を硬化させて得られるパターンとの密着性、及び該パターンと金型との離型性が重要になる。金型からの離型性については、金型表面にフッ素系処理剤で表面処理を施しで離型性を付与したり、光硬化性組成物と金型の界面にペンタフルオロプロパンガス等のフッ素系ガスを介在させてインプリントする技術が一般的に知られている。一方、基材との密着性は、基材表面を処理したり、光硬化性組成物の組成によって改善が試みられている。基板との密着性と金型からの離型性は、相反する特性であるが、生産性を高めるためにより一層の改善が望まれている。
また、ナノインプリント技術は、金型にてパターンを転写した塗膜材(以下、硬化膜ともいう)を表面に有する基板に、硬化膜のパターンに基づくパターンを形成するものである。基板にパターンを形成するには、酸素ガス、フッ素系ガス等により、硬化膜の肉薄部分及びその部分に接する基板のドライエッチングを行う。このようなドライエッチング処理では、基板を保護する肉厚の硬化膜もエッチングされることから、基板と硬化膜とのエッチング速度比が重要となる。そのため、種々のパターンニングを行う上で、上記ガスにエッチングされ難い光硬化性組成物の開発が数多くなされている。(以下、この特性をエッチング耐性ともいう)。
このエッチング耐性を改良するために、加水分解性の有機珪素化合物を含有する光硬化性組成物が提案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。具体的には、無機酸化物微粒子、加水分解性有機ケイ素化合物を配合した光硬化性組成物が開示されている(特許文献1参照)。また、加水分解性珪素化合物を加水分解性基のモル数以上の水により加水分解した加水分解物を含む光硬化性組成物が開示されている(特許文献2、3参照)。さらには、水酸基、及び重合性基を有する化合物と加水分解性珪素化合物とを反応させた化合物を使用した光硬化性組成物が開示されている(特許文献4参照)。これら光硬化性組成物を使用すれば、エッチング耐性の向上した硬化膜を形成することができる。
しかしながら、本発明者等の検討によると、これら光硬化性組成物においても、以下の点で改善の余地があることが判明した。
例えば、特許文献1に記載の光硬化性組成物においては、無機酸化物微粒子を使用しているため、光硬化性組成物中の不溶な不純物を除去する際、該不純物を濾過により除去することが困難となり、生産性が低下するといった点で改善の余地があった。また、無機酸化物微粒子を使用しているためと考えられるが、硬化した塗膜材(硬化膜)中に分散不良のような痕跡が残り易く、より微細なパターンを形成する場合において改善の余地があった。
また、特許文献2、及び3に記載の光硬化性組成物においては、水を多量に使用していることが原因であると推定されるが、比較的高い圧力で金型を塗膜に押し当ててパターンを形成しなければならない場合があった。高い圧力で金型を押し当てると、金型自体が破損し易く、大型のナノインプリントには不向きであるため、上記光硬化性組成物は、この点で改善の余地があった。
さらに、特許文献4に記載された光硬化性組成物は、水の量を低減した組成が示されている。前記の通り、特許文献4に記載された光硬化性組成物においては、水酸基とアルコキシ基との平衡反応を利用して合成した重合性基を有する有機珪素化合物を使用しているが、水酸基とアルコキシ基との反応部分が再度、加水分解され易いと推定される。そのため、重合性単量体の重合体(主として有機成分)中の有機珪素化合物の加水分解物(主として無機成分)の分散状態が悪くなることが原因だと考えられるが、濾過性が低下する場合があり、また、パターンの転写性がよくない場合があり、改善の余地があった。
特表2005−527110号公報 特開2007−72374号公報 特開2007−73078号公報 特開2009−283760号公報
したがって、本発明の目的は、エッチング耐性に優れ、分散性のよい組成物で生産性に優れた光硬化性ナノインプリント用組成物を提供することにある。また、比較的低い圧力で金型を押し当てた場合でも、パターンの転写が容易にでき、該パターンの基材との密着性がよい光硬化性ナノインプリント用組成物を提供することにある。さらに、パターン転写後の硬化した塗膜を有するナノインプリント用レプリカ金型を提供することにある。
本発明者等は上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、特定の構造を有する有機珪素化合物、(メタ)アクリル基含有珪素化合物を特定の量の水で加水分解した部分加水分解物を配合した光硬化性組成物が、優れた効果を発揮する塗膜材となることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(A)下記式(1)
(式中、Rは、同種又は異種の炭素数1〜4のアルキル基であり、nは、1〜10の整数である。)
で示される有機珪素化合物、及び
下記式(2)
(式中、Rは、水素原子又はメチル基であり、
は、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数3〜10のシクロアルキレン基又は炭素数3〜10のポリメチレン基であり、
は、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数3〜4のシクロアルキル基、又は炭素数6〜12のアリール基であり、
は、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数3〜4のシクロアルキル基であり、
lは1〜3の整数であり、mは0〜2の整数であり、kは1〜3の整数であり、
l+m+kは4であり、
、R、RおよびRがそれぞれ複数存在する場合には、その複数のR、R、RおよびRは、同種又は異種の基であってよい。)
で示される(メタ)アクリル基含有珪素化合物及び
後述する式(3)で示される金属アルコキシドを含む混合物を、該混合物における全アルコキシ基のモル数に対して、0.1倍モル以上1.0倍モル未満の量の水で加水分解した部分加水分解物、
(B)(メタ)アクリル基を有する重合性単量体、並びに
(C)光重合開始剤
を含有する光硬化性ナノインプリント用組成物である。
なお、本発明において、(メタ)アクリル基とは、メタクリル基又はアクリル基を意味する。

本発明の光硬化性ナノインプリント用組成物は、ラインの幅及び間隔が5nm以上100μm以下であるパターン、更には、5nm以上500nm以下である微細なパターンを良好に形成することができる。勿論、本発明の光硬化性ナノインプリント用組成物を、100μmを超えるパターンの形成にも使用できることは言うまでもない。
また、本発明の光硬化性ナノインプリント用組成物は、分散性がよいため、不溶な不純物が混入した場合でも、濾過による精製が容易であり、生産性の高いものとなる。また、該組成物から形成された塗膜は、比較的低い圧力で金型を押し当てた場合でも、パターンの転写が容易にできる。加えて、該塗膜を硬化させて得られる硬化膜(パターン)は、基板との密着性に優れ、また、酸素ガスに対するエッチング耐性に優れたものである。
しかも、パターン転写後の硬化膜は、例えばシランカップリング剤との反応も容易に行うことができるため、その表面を容易に改質できる。例えば、該硬化膜からなるパターンを有する基板は、フッ素を含有するシランカップリング剤で表面処理することにより、他物質との離型性を高めることができる。そのため、このようなシランカップリング剤で処理した基板は、ナノインプリント用レプリカ金型として使用することもできる。
さらに、後述する金属アルコキシドを配合した光硬化性ナノインプリント用組成物は、フッ素系ガスに対するエッチング耐性も向上したものとなる。
実施例1で使用した本発明の光硬化性ナノインプリント用組成物を光硬化させた硬化膜の微細構造を示す電界放射型透過電子顕微鏡写真である。 実施例2で使用した本発明の光硬化性ナノインプリント用組成物を光硬化させた硬化膜の微細構造を示す電界放射型透過電子顕微鏡写真である。 比較例1で使用した光硬化性ナノインプリント用組成物を光硬化させた硬化膜の微細構造を示す電界放射型透過電子顕微鏡写真である。 比較例2で使用した光硬化性ナノインプリント用組成物を光硬化させた硬化膜の微細構造を示す電界放射型透過電子顕微鏡写真である。 比較例5で使用した光硬化性ナノインプリント用組成物を光硬化させた硬化膜の微細構造を示す電界放射型透過電子顕微鏡写真である。
(部分加水分解物(A))
本発明において、部分加水分解物(A)は、前記式(1)で示される有機珪素化合物、前記式(2)で示される(メタ)アクリル基含有珪素化合物、及び必要に応じて配合される金属アルコキシドを含む混合物を、該混合物における全アルコキシ基のモル数に対して、0.1倍モル以上1.0倍モル未満の量の水で加水分解したものをいう。また、完全加水分解物とは、上記混合物における全アルコキシ基のモル数に対して1.0倍モル以上の水で加水分解したものをいう。
(有機珪素化合物)
本発明においては、下記式(1)

(式中、Rは、同種又は異種の炭素数1〜4のアルキル基であり、nは、1〜10の整数である。)
で示される有機珪素化合物(以下、単に「有機珪素化合物」ともいう)を使用する。この有機珪素化合物を使用することにより、酸素ガスによるエッチング耐性を向上させることができる。
前記式(1)において、Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基が挙げられ、中でも、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基が好ましい。この−ORで示されるアルコキシ基は、加水分解時にR由来のアルコールを生成するが、本発明の光硬化性ナノインプリント用組成物は、このアルコールを含んでいてもよい。そのため、他成分と容易に混合できるアルコールとなること、及び基板上に塗膜を形成した後、容易に除去できるアルコールとなることを考慮すると、具体的には、Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましい。
また、該有機珪素化合物は、前記式(1)において、nが1〜10の整数を満足するものであれば、単一の化合物であってもよいし、nの値が異なる複数の有機珪素化合物の混合物であってもよい。単一の化合物を使用する場合、nの値は、より比較的低い圧力でのパターンの転写や、100nm以下などの微細パターンの転写を勘案すると、2以上10以下が好ましく、さらには3以上7以下であることが好ましい。また、複数の有機珪素化合物の混合物を使用する場合、nの平均値は、1.1以上10以下となることが好ましい。さらには、より比較的低い圧力でのパターンの転写や、100nm以下などの微細パターンの転写を勘案すると、nの平均値は2以上10以下がより好ましく、3以上7以下がさらに好ましい。
これら有機珪素化合物を具体的に例示すれば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、及びそれらの重縮合物が挙げられる。中でも、塗膜を形成した後、容易に除去できるアルコールであることや、反応性等の理由から、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、及びそれらの重縮合物が好ましく、特に、nの値、又はnの平均値が3以上7以下となるテトラメトキシシラン、又はテトラエトキシシランの重縮合物が好ましい。
((メタ)アクリル基含有珪素化合物)
本発明においては、下記式(2)

(式中、Rは、水素原子又はメチル基であり、
は、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数3〜10のシクロアルキレン基又は炭素数3〜10のポリメチレン基であり、
は、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数3〜4のシクロアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基であり、
は、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数3〜4のシクロアルキル基であり、
lは1〜3の整数であり、mは0〜2の整数であり、kは1〜3の整数であり、l+m+kは4であり、
、R、RおよびRがそれぞれ複数存在する場合には、複数のR、R、RおよびRは、同種又は異種の基であってよい。)
で示される(メタ)アクリル基含有珪素化合物(以下、単に「(メタ)アクリル基含有珪素化合物」ともいう)を使用する。この(メタ)アクリル基含有珪素化合物を使用することにより、酸素ガスによるエッチング耐性を向上することができ、分散性のよい光硬化性ナノインプリント用組成物が得られ、濾過による精製が容易となり生産性が良好となる。また、光硬化により得られる硬化膜の微細な構造において、無機成分と有機成分とが比較的均質な状態で分散したものとなる(無機成分が極端に凝集したような分散状態とはならない。)。その結果、均一な転写パターン、及び均一な残膜を形成することができ、エッチング耐性のバラツキが小さくなるものと推定される。
前記式(2)において、Rは水素原子あるいはメチル基である。これらの中でも水素原子のほうが、光硬化性ナノインプリント用組成物を硬化させる際の光硬化速度が速いので好ましい。
は、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数3〜10のシクロアルキレン基又は炭素数3〜10のポリメチレン基である。具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、sec−ブチレン基、tert−ブチレン基、2,2−ジメチルプロピレン基、2−メチルブチレン基、2−メチル−2−ブチレン基、3−メチルブチレン基、3−メチル−2−ブチレン基、ペンチレン基、2−ペンチレン基、3−ペンチレン基、3−ジメチル−2−ブチレン基、3,3−ジメチルブチレン基、3,3−ジメチル−2−ブチレン基、2−エチルブチレン基、ヘキシレン基、2−ヘキシレン基、3−ヘキシレン基、2−メチルペンチレン基、2−メチル−2−ペンチレン基、2−メチル−3−ペンチレン基、3−メチルペンチレン基、3−メチル−2−ペンチレン基、3−メチル−3−ペンチレン基、4−メチルペンチレン基、4−メチル−2−ペンチレン基、2,2−ジメチル−3−ペンチレン基、2,3−ジメチル−3−ペンチレン基、2,4−ジメチル−3−ペンチレン基、4,4−ジメチル−2−ペンチレン基、3−エチル−3−ペンチレン基、ヘプチレン基、2−ヘプチレン基、3−ヘプチレン基、2−メチル−2−ヘキシレン基、2−メチル−3−ヘキシレン基、5−メチルヘキシレン基、5−メチル−2−ヘキシレン基、2−エチルヘキシレン基、6−メチル−2−ヘプチレン基、4−メチル−3−ヘプチレン基、オクチレン基、2−オクチレン基、3−オクチレン基、2−プロピルペンチレン基、2,4,4−トリメチルペンチレン基等のアルキレン基;シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロプロピルメチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロオクチレン基等のシクロアルキレン基;トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基等のポリメチレン基が挙げられる。
これらの中でも、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基等の炭素数1〜4のアルキレン基又は炭素数3〜4のポリメチレン基が好ましい。
は、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数3〜4のシクロアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基である。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロプロピルメチル基等のシクロアルキル基;フェニル基、ベンジル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、o−メチルナフチル基等のアリール基を挙げることができる。中でも、メチル基、エチル基が好ましい。
は、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数3〜4のシクロアルキル基である。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロプロピルメチル基等のシクロアルキル基が挙げられる。
この−ORからなるアルコキシ基は、加水分解時にR由来のアルコールを生成するが、本発明の光硬化性ナノインプリント用組成物は、このアルコールを含んでいてもよい。そのため、他成分と容易に混合できるアルコールとなること、及び基板上に塗膜を形成した後、容易に除去できるアルコールとなることを考慮すると、具体的には、Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましい。
また、lは1が好ましく、mは0〜2が好ましく、kは1〜3が好ましい。ただし、l、m、及びnの合計、すなわち、l+m+nは4である。
このような(メタ)アクリル基含有珪素化合物を具体的に例示すれば、トリメトキシシリルメチレン(メタ)アクリレート、トリメトキシシリルジメチレン(メタ)アクリレート、トリメトキシシリルトリメチレン(メタ)アクリレート、トリエトキシシリルメチレン(メタ)アクリレート、トリエトキシシリルジメチレン(メタ)アクリレート、トリエトキシシリルトリメチレン(メタ)アクリレート、トリプロポキシシリルメチレン(メタ)アクリレート、トリプロポキシシリルエチレン(メタ)アクリレート、トリプロポキシシリルトリメチレン(メタ)アクリレート、トリブトキシシリルメチレン(メタ)アクリレート、トリブトキシシリルジメチレン(メタ)アクリレート、トリブトキシシリルトリメチレン(メタ)アクリレート、トリイソプロポキシシリルメチレン(メタ)アクリレート、トリイソプロポキシシリルジメチレン(メタ)アクリレート、トリイソプロポキシシリルトリメチレン(メタ)アクリレート、ジメトキシメチルシリルメチレン(メタ)アクリレート、ジメトキシメチルシリルジメチレン(メタ)アクリレート、ジメトキシメチルシリルトリメチレン(メタ)アクリレート、ジエトキシメチルシリルメチレン(メタ)アクリレート、ジエトキシメチルシリルジメチレン(メタ)アクリレート、ジエトキシメチルシリルトリメチレン(メタ)アクリレート、ジメトキシエチルシリルメチレン(メタ)アクリレート、ジメトキシエチルシリルジメチレン(メタ)アクリレート、ジメトキシエチルシリルトリメチレン(メタ)アクリレート、ジエトキシエチルシリルメチレン(メタ)アクリレート、ジエトキシエチルシリルジメチレン(メタ)アクリレート、ジエトキシエチルシリルトリメチレン(メタ)アクリレート、メトキシジメチルシリルメチレン(メタ)アクリレート、メトキシジメチルシリルジメチレン(メタ)アクリレート、メトキシジメチルシリルトリメチレン(メタ)アクリレート、エトキシジメチルシリルメチレン(メタ)アクリレート、エトキシジメチルシリルジメチレン(メタ)アクリレート、エトキシジメチルシリルトリメチレン(メタ)アクリレート、メトキシジエチルシリルメチレン(メタ)アクリレート、メトキシジエチルシリルジメチレン(メタ)アクリレート、メトキシジエチルシリルトリメチレン(メタ)アクリレート、エトキシジエチルシリルメチレン(メタ)アクリレート、エトキシジエチルシリルジメチレン(メタ)アクリレート、エトキシジエチルシリルトリメチレン(メタ)アクリレート等が挙げられる。中でも、トリメトキシシリルトリメチレン(メタ)アクリレート、トリエトキシシリルトリメチレン(メタ)アクリレートが好ましい。
(配合量)
本発明において、部分加水分解物(A)を構成する有機珪素化合物と(メタ)アクリル基含有珪素化合物は、以下の配合量とすることが好ましい。つまり、部分加水分解物(A)は、下記に詳述する重合性単量体(B)100質量部に対して、有機珪素化合物を10〜250質量部、及び(メタ)アクリル基含有珪素化合物を3〜300質量部含む混合物を加水分解したものであることが好ましい。加水分解に使用する水の量は、上記混合物の全アルコキシ基のモル数に対して、0.1倍モル以上1.0倍モル未満である。
有機珪素化合物と(メタ)アクリル基含有珪素化合物との配合量が前記範囲を満足することにより、部分加水分解物の分散性の良い光硬化性ナノインプリント用組成物となり、濾過による精製が容易で生産性を向上することができる。また、比較的低圧でのナノインプリントが可能となるため、使用するモールドの寿命を長くすることもできる。部分加水分解物の分散性や比較的低圧でのナノインプリントを考慮すると、下記に詳述する重合性単量体(B)100質量部に対して、有機珪素化合物の使用量は、30〜200質量部であることがより好ましく、(メタ)アクリル基含有珪素化合物の使用量は、10〜250質量部であることがより好ましい。さらには、有機珪素化合物の使用量は、30〜150質量部であることが好ましく、(メタ)アクリル基含有珪素化合物の使用量は、10〜200質量部であることが好ましく、特に、有機珪素化合物の使用量は、35〜130質量部であることが好ましく、(メタ)アクリル基含有珪素化合物の使用量は、15〜180質量部であることが好ましい。
上記の配合量は、酸化物換算量で表示すれば以下のとおりとなる。下記に詳述する重合性単量体(B)100質量部に対して、有機珪素化合物は珪素酸化物換算質量で3〜100質量部、(メタ)アクリル基含有珪素化合物は珪素酸化物換算質量で1〜80質量部である。なお、上記酸化物換算重量は、含有する珪素分子が全て酸化物であると仮定して算出した量を意味し、配合量から換算した値である。
(その他の加水分解成分(金属アルコキシド))
本発明においては、さらに、下記式(3)
(式中、Mは、ジルコニウム、又はチタニウムであり、
は、同種又は異種の炭素数1〜10のアルキル基である。)
で示される金属アルコキシド(以下、単に「金属アルコキシド」ともいう)を含むことができる。本発明の光硬化性ナノインプリント用組成物は、特に、酸素ガスに対するエッチング耐性の優れた硬化膜を形成することができるが、この金属アルコキシドを含有させることにより、さらに、フッ素系ガスに対するエッチング耐性も向上させることができる。そして、金属アルコキシドの使用量に併せて、フッ素系ガスのエッチング速度を調整することもできる。
前記式(3)において、Mは、よりエッチング耐性を高めるためにはジルコニウムであることが好ましい。
また、Rは、適度な加水分解速度という点から炭素数2〜4のアルキル基がより好ましい。この−ORからなるアルコキシ基も、上記の有機珪素化合物等と同じく、加水分解時にR由来のアルコールを生成するが、本発明の光硬化性ナノインプリント用組成物は、このアルコールを含んでいてもよい。そのため、−ORが他成分と容易に混合できるアルコールとなること、及び基板上に塗膜を形成した後、容易に除去できるアルコールとなることを考慮すると、具体的には、Rは、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましい。
好適な金属アルコキシドを例示すれば、テトラメチルチタニウムアルコキシド、テトラエチルチタニウムアルコキシド、テトライソプロピルチタニウムアルコキシド、テトラプロピルチタニウムアルコキシド、テトライソブチルチタニウムアルコキシド、テトラブチルチタニウムアルコキシド、テトラペンチルジルコニウムアルコキシド、テトラヘプチルチタニウムアルコキシド、テトラヘキシルチタニウムアルコキシド、テトラヘプチルチタニウムアルコキシド、テトラオクチルチタニウムアルコキシド、テトラノニルチタニウムアルコキシド、テトラデシルチタニウムアルコキシド;テトラメチルジルコニウムアルコキシド、テトラエチルジルコニウムアルコキシド、テトライソプロピルジルコニウムアルコキシド、テトラプロピルジルコニウムアルコキシド、テトライソブチルジルコニウムアルコキシド、テトラブチルジルコニウムアルコキシド、テトラペンチルジルコニウムアルコキシド、テトラヘキシルジルコニウムアルコキシド、テトラヘプチルジルコニウムアルコキシド、テトラオクチルジルコニウムアルコキシド、テトラノニルジルコニウムアルコキシド、テトラデシルジルコニウムアルコキシドが挙げられる。その中でも、テトラエチルジルコニウムアルコキシド、テトライソプロピルジルコニウムアルコキシド、テトラプロピルジルコニウムアルコキシド、テトライソブチルジルコニウムアルコキシド、テトラブチルジルコニウムアルコキシドが好ましい。
(金属アルコキシドの配合量)
本発明において、金属アルコキシドの配合量は、フッ素系ガスのエッチング耐性を考慮すると、下記に詳述する重合性単量体(B)100質量部に対して、1〜50重量部であることが好ましく、3〜40質量部であることがより好ましく、5〜30質量部であることがさらに好ましく、10〜30質量部であることが最も好ましい。
また、金属アルコキシドの配合量は、(メタ)アクリル基含有珪素化合物、及び有機珪素化合物との合計100質量部に対して、0.2〜100質量部であることが好ましい。金属アルコキシドの使用量を前記範囲とすることにより、フッ素系ガスによるエッチング耐性が特に改善される。そのため、金属アルコキシドの使用量は、より好ましくは2〜50質量部であり、さらに好ましくは5〜30質量部である。
上記の配合量は、酸化物換算量で表示すれば以下のとおりとなる。下記に詳述する重合性単量体(B)100質量部に対して、金属アルコキシドは金属酸化物換算質量で1〜15質量部である。なお、上記酸化物換算重量は、含有する金属分子が全て酸化物であると仮定して算出した量を意味し、配合量から換算した値である。
(部分加水分解物(A)の製造方法:加水分解に使用する水、及びその量)
本発明において、加水分解に用いる水の量は、有機珪素化合物、(メタ)アクリル基含有珪素化合物及び必要に応じて配合される金属アルコキシドの混合物中の全アルコキシド基のモル数に対して、0.1倍モル以上1.0倍モル未満の量でなければならない。なお、全アルコキシ基のモル数とは、上記混合物中に含まれる各化合物の使用モル数と各化合物1分子中に存在するアルコキシ基の数との積を各化合物毎に算出し、それらを合計したものである。
水の量が、0.1倍モル未満の場合には、上記混合物の縮合が不十分となり、塗膜を形成する際に濡れ性が悪くハジキが発生し易くなるため好ましくない。一方、1.0倍モル以上となる場合には、比較的低い圧力でパターン形成ができなくなり、モールドの破損等の要因となるため好ましくない。縮合の程度や比較的低圧力でのパターン形成を考慮すると、水の量は、上記混合物の全アルコキシド基のモル数に対して、好ましくは0.2倍モル以上0.9倍モル以下、さらに0.3倍モル以上0.8倍モル以下であることが好ましい。
本発明において、加水分解反応を促進するために、加水分解時に水と共に酸を併用してもよい。使用する酸としては、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、ポリリン酸等の無機酸、有機リン酸、蟻酸、酢酸、無水酢酸、クロロ酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、クエン酸、グルコン酸、コハク酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、リンゴ酸、イタコン酸、シュウ酸、ムチン酸、尿酸、バルビツル酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸、酸性陽イオン交換樹脂が挙げられる。酸を使用する場合には、特に制限されるものではないが、その使用量は、全アルコキシ基のモル数に対して、水素イオンが0.0001倍モル以上0.01倍モル以下となる量とすることが好ましい。また、この酸はそのまま使用することもできるが、酸水溶液、又は水に分散させた状態のものを使用することが好ましい。この場合、0.1〜6Nの濃度のものを使用することが好ましい。この場合、使用した水は、上記水の使用量に含まれるものとする。
本発明において、加水分解は、5℃以上35℃以下の温度にて実施すればよい。この際、加水分解を容易に進行させるため、希釈溶媒を使用することもできる。希釈溶媒としては、炭素数1〜4のアルコールが好ましく、特に、エタノールを使用することが好ましい。希釈溶媒の使用量は、前記混合物100質量部に対して、50〜400質量部であることが好ましい。
(部分加水分解物(A)の使用方法、物性)
上記の方法に従い、部分加水分解物(A)を準備することができる。本発明の光硬化性ナノインプリント用組成物は、加水分解時に副生するアルコール及び加水分解に使用した水を含むこともできる。さらには、加水分解を容易に進めるために使用した希釈溶媒を含むこともできる。
得られる部分加水分解物(A)は、他成分との混合のし易さ、光硬化性ナノインプリント用組成物の生産性等を考慮すると、25℃における粘度が0.1〜50mPa・secであることが好ましい。なお、この粘度の値は、音叉式粘度計:AND VIBRO VISCOMETER SV-1Aにより測定した値であり、副生したアルコール、使用した水、及び希釈のために使用した希釈溶媒を含む状態のものを測定した際の値である。
また、部分加水分解物(A)は、製造後、直に、他の成分と混合して光硬化性ナノインプリント用組成物とすることが好ましい。ただし、そうすることができない場合には、製造後、経時変化させないため、0〜15℃以下の温度で保存しておくことが好ましい。この場合も、部分加水分解物(A)の粘度は、前記範囲を満足していることが好ましい。
次に、上記方法で得られた部分加水分解物(A)と併用して使用する(メタ)アクリル基を有する重合性単量体(B)について説明する。
((メタ)アクリル基を有する重合性単量体(B))
本発明において、(メタ)アクリル基を有する重合性単量体(B)(本明細書において単に「重合性単量体(B)」ともいう)には、特に制限されるものではなく、光重合に使用される公知の重合性単量体を使用することができる。この重合性単量体(B)は、前記式(2)で示される(メタ)アクリル基含有珪素化合物を含まない。そして、好ましい化合物としては、(メタ)アクリル基を有し、分子中に珪素原子を含まない重合性単量体が挙げられる。これら重合性単量体(B)は、1分子中に1つの(メタ)アクリル基を有する単官能重合性単量体であってもよいし、1分子中に2つ以上の(メタ)アクリル基を有する多官能重合性単量体であってもよい。さらには、これら単官能重合性単量体及び多官能重合性単量体を組み合わせて使用することもできる。
重合性単量体(B)の例を具体的に例示すれば、1分子中に1つの(メタ)アクリル基を有する単官能重合性単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、長鎖アルキル(メタ)アクリレート、n−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコール(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール変性(メタ)アクリレート、エトキシエチレングリコール変性(メタ)アクリレート、プロポキシエチレングリコール変性(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール変性(メタ)アクリレート、エトキシプロピレングリコール変性(メタ)アクリレート、プロポキシプロピレングリコール変性(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンタン(メタ)アクリレート誘導体、アクリロイルモルホリン等の脂肪族アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシメチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチレングリコール変性(メタ)アクリレート、フェノキシプロピレングリコール変性(メタ)アクリレート、ヒドロキシフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロフェノキシキシエチレングリコール変性(メタ)アクリレート、ヒドロキシフェノキシプロピレングリコール変性(メタ)アクリレート、アルキルフェノールエチレングリコール変性(メタ)アクリレート、アルキルフェノールプロピレングリコール変性(メタ)アクリレート、エトキシ化o−フェニルフェノール(メタ)アクリレート等の芳香環を有する(メタ)アクリレート等が挙げられる。
1分子中に2つ以上の(メタ)アクリル基を有する多官能重合性単量体(2官能重合性単量体)としては、例えば、分子内にアルキレンオキサイド結合を有する単量体が好ましく、具体的には、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、下記式(4)
(式中、
、R、R及びR10は、それぞれ独立に、水素原子、またはメチル基であり、
a、及びbは、それぞれ、0以上の整数であり、
ただし、a+bの平均値は2〜25である)
で示されるポリオレフィングリコールジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
なお、上記式(4)で示されるポリオレフィングリコールジ(メタ)アクリレートは、通常、分子量の異なる分子の混合物で得られる。そのため、a+bの値は平均値となる。本発明の効果がより発揮されるためには、a+bの平均値は2〜15であることが好ましく、特に、2〜10であることが好ましい。
また、その他の2官能重合性単量体としては、エトキシ化ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジメタクリロキシプロパン、ジオキサングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ブチルエチルプロパンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート等の脂肪族ジ(メタ)アクリレート;エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート等の芳香環を有するジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
さらに、該多官能重合性単量体において、1分子中に3つ以上の(メタ)アクリレート基を有する重合性単量体としては、エトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリアクリレートが挙げられる。
本発明において、これら重合性単量体は、使用する用途、形成するパターンの形状に応じて、複数種類のものを組み合わせて使用することができる。
中でも、ナノインプリント技術に使用する場合には、基板密着性、エッチング耐性、塗膜均一性、低粘度化等の点から、芳香環を有する(メタ)アクリレートを、前記式(4)で示されるポリオレフィングリコールジ(メタ)アクリレートと組み合わせて使用することが好ましい。さらに、芳香環を有する(メタ)アクリレートは、芳香環を有する(メタ)アクリレート、芳香環を有するジ(メタ)アクリレート、又はこれらの混合物を使用することが好ましい。
次に、光重合開始剤(C)について説明する。
(光重合開始剤(C))
本発明において、光重合開始剤(C)は特に制限されるものではなく、重合性単量体(B)を光重合できるものであれば、いかなる光重合開始剤も使用できる。
光重合開始剤としては、具体的に、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モリフォリン−4−イル−フェニル)ブタン−1−オン等のアセトフェノン誘導体;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジメトキシベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジクロロベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィン酸メチルエステル、2−メチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ピバロイルフェニルホスフィン酸イソプロピルエステル、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−プロピルフェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−1−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,5,6−トリメチルベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド誘導体;1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)等のO−アシルオキシム誘導体;ジアセチル、アセチルベンゾイル、ベンジル、2,3−ペンタジオン、2,3−オクタジオン、4,4’−ジメトキシベンジル、4,4’−オキシベンジル、カンファーキノン、9,10−フェナンスレンキノン、アセナフテンキノン等のα−ジケトン;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル;2,4−ジエトキシチオキサンソン、2−クロロチオキサンソン、メチルチオキサンソン等のチオキサンソン誘導体;ベンゾフェノン、p,p’−ジメチルアミノベンゾフェノン、p,p’−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体;ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム等のチタノセン誘導体が好適に使用される。
これら光重合開始剤は、1種あるいは2種以上を混合して使用される。
また、α−ジケトンを用いる場合には、第3級アミン化合物と組み合わせて用いることが好ましい。α−ジケトンと組み合わせて用いることのできる第3級アミン化合物としては、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジ−n−ブチルアニリン、N,N−ジベンジルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジエチル−p−トルイジン、N,N−ジメチル−m−トルイジン、p−ブロモ−N,N−ジメチルアニリン、m−クロロ−N,N−ジメチルアニリン、p−ジメチルアミノベンズアルデヒド、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸アミルエステル、N,N−ジメチルアンスラニリックアシッドメチルエステル、N,N−ジヒドロキシエチルアニリン、N,N−ジヒドロキシエチル−p−トルイジン、p−ジメチルアミノフェネチルアルコール、p−ジメチルアミノスチルベン、N,N−ジメチル-3,5−キシリジン、4−ジメチルアミノピリジン、N,N−ジメチル−α−ナフチルアミン、N,N−ジメチル−β−ナフチルアミン、トリブチルアミン、トリプロピルアミン、トリエチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N,N−ジメチルヘキシルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミン、N,N−ジメチルステアリルアミン、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、2,2’−(n−ブチルイミノ)ジエタノール等が挙げられる。
本発明においては、アセトフェノン誘導体、アシルホスフィンオキサイド誘導体、O−アシルオキシム誘導体、α−ジケトンを使用することが好ましい。
本発明において、上記光重合開始剤の使用量は、前記重合性単量体(B)100質量部に対して、1〜10質量部であることが好ましい。
(その他の添加成分 光硬化性ナノインプリント用組成物の調製方法)
本発明の光硬化性ナノインプリント用組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲でその他の成分を配合することができる。
本発明の光硬化性ナノインプリント用組成物の使用に当たり、前記光硬化性ナノインプリント用組成物を基板上に塗布して使用するが、この場合、光硬化性ナノインプリント用組成物を溶媒で希釈して使用することもできる。また、本発明の光硬化性ナノインプリント用組成物を安定化させる目的、又は、その他の目的で溶媒を配合することもできる。使用される溶媒としては、本発明の光硬化性ナノインプリント用組成物が溶解する溶媒であれば、何ら制限なく使用でき、例えば、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、トルエン、クロロホルム、酢酸エチルエステル、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、シクロヘキサノン、エチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチル−3−メトキシプロピオネート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチルラクテート、エチル−3−エトキシプロピオネート、ブチルアセテート、2−ヘプタノン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、ポリエチレングリコール、水、アルコールを挙げることができる。なお、水、アルコールは、新たに配合することもできるし、部分加水分解物(A)を製造した際に使用した水、副生したアルコールであってもよい。また、部分加水分解物(A)を製造する際に希釈溶媒として使用した溶媒が、上記溶媒に含まれてもよい。
溶媒を使用する場合、使用量は特に制限されず、目的の塗膜の厚みに応じて、適宜選択される。中でも、溶媒及び光硬化性ナノインプリント用組成物の合計量を100質量%とすると、該溶媒の濃度が10〜99質量%となる範囲とすることが好ましい。
本発明の光硬化性ナノインプリント用組成物には、その他の公知の添加剤を配合することができる。具体的には、界面活性剤、重合禁止剤、反応性希釈剤等を配合することができる。また、塗膜の均一性の点から界面活性剤を、また、保存中に重合しないように安定化させるために重合禁止剤を配合することもできる。
界面活性剤を配合する場合には、重合性単量体(B)100質量部に対して、0.0001〜0.1質量部、好ましくは、0.0005〜0.01質量量部の割合で配合することができる。
界面活性剤としては、フッ素含有界面活性剤、シリコーン含有界面活性剤、脂肪族系界面活性剤を使用できる。中でも、シリコンウエハ等の基板へ塗布される際に、はじきを生ずることなく、組成物を均一に塗布し易い点から、脂肪族系界面活性剤を使用することがより好ましい。界面活性剤の例としては、デシル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等の高級アルコール硫酸エステルの金属塩類、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム等の脂肪族カルボン酸金属塩類、ラウリルアルコールとエチレンオキサイドとの付加物を硫酸化したラウリルエーテル硫酸エステルナトリウム等の高級アルキルエーテル硫酸エステルの金属塩類、スルホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸ジエステル類、高級アルコールエチレンオキサイド付加物のリン酸エステル塩類等のアニオン性活性剤;ドデシルアンモニウムクロリド等のアルキルアミン塩類及びトリメチルドデシルアンモニウムブロミド等の4級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤;ドデシルジメチルアミンオキシド等のアルキルジメチルアミンオキシド類、ドデシルカルボキシベタイン等のアルキルカルボキシベタイン類、ドデシルスルホベタイン等のアルキルスルホベタイン類、ラウラミドプロピルアミンオキシド等のアミドアミノ酸塩等の両性イオン界面活性剤;ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル類、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテル類、脂肪酸ポリオキシエチレンラウリルエステル等の脂肪酸ポリオキシエチレンエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンラウリルエステル等のポリオキシエチレンソルビタンエステル類等の非イオン性界面活性剤等を挙げることができる。界面活性剤は、それぞれ単独で使用できるだけでなく、必要に応じて、複数の種類を組み合わせて併用することもできる。
重合禁止剤を配合する場合には、重合性単量体(B)100質量部に対して、0.01〜1.0質量部、好ましくは、0.1〜0.5質量部の割合で配合することができる。
重合禁止剤の例としては、公知のものを挙げることができ、例えば、最も代表的なものは、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ハイドロキノン、ブチルヒドロキシトルエン等を挙げることができる。
反応性希釈剤としては、N−ビニルピロリドン等の公知のものを挙げることができる。
反応性希釈剤の添加量は特に制限されず、金型からのパターンの形成に影響を及ぼさない範囲で適宜選択され、重合性単量体(B)100質量部に対して、通常、1〜50質量部の範囲から適宜選択される。その中でも、光硬化性ナノインプリント用組成物の低粘度化、パターンの機械的強度等を勘案すると、5〜30質量部であることが好ましい。
また、他の添加成分として、パイパーブランチポリマーのような球状微粒子を添加することもできる。この場合、直径は1〜10nm、分子量10,000〜100,000の球状ハイパーブランチポリマーを配合することが好ましい。配合量は、重合性単量体(B)100質量部に対して0.1〜10質量部の量であることが好ましい。
本発明の光硬化性ナノインプリント用組成物は、部分加水分解物(A)、重合性単量体(B)、光重合開始剤(C)、及び必要に応じて配合するその他の添加成分を混合することによって調製される。これら成分の添加順序は特に制限されるものではない。次に、この光硬化性ナノインプリント用組成物を使用して、基板上にパターンを形成する方法について説明する。
(光硬化性インプリン用組成物を用いたパターンの形成法)
本発明の光硬化性ナノインプリント用組成物を用いたパターン形成方法について説明する。
先ず、上記方法に従って調製した光硬化性ナノインプリント用組成物を、基材上に公知の方法に従って塗布することにより、塗膜を形成する。
該基材としては、特にその形態、材質は制限されるものではなく、基板、シート、フィルム状のものが使用できる。具体的には、シリコンウエハ、石英、ガラス、サファイア、各種金属材料、アルミナ・窒化アルミニウム・炭化珪素・窒化珪素等のセラミックス、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、シクロオレフィン樹脂フィルムのような公知の基板、シート、フィルムを使用することができる。なお、これら基材は、本発明の光硬化性ナノインプリント用組成物よりなる硬化膜との密着性をより改善するために、表面処理を施すこともできる。
これら基材上に、スピンコート法、ディッピング法、ディスペンス法、インクジェット法、ロールtoロール法のような公知の方法により、本発明の光硬化性ナノインプリント用組成物を塗布することによって、塗膜を形成すればよい。塗膜の厚みは、特に制限されるものではなく、目的とする用途に応じて適宜決定すればよいが、通常0.1〜5μmであり、本発明の光硬化性ナノインプリント用組成物は、0.01〜0.1μmの厚みの塗膜の形成にも好適に適用できる。
薄く塗布するためは、本発明の光硬化性ナノインプリント用組成物を有機溶媒にて希釈して塗布することも可能であり、その場合は、用いる有機溶媒の沸点、揮発性に応じて、乾燥工程を適宜組み込むことによって、パターンを形成することもできる。
次に、所望のパターンが形成されている金型のパターン形成面を、前記塗膜と接触させる。この際、金型は、光照射を介して、塗布された組成物を硬化させることにより硬化膜を形成できるように、透明な材質、例えば、石英や透明な樹脂フィルムで形成されていることが好ましい。本発明の光硬化性ナノインプリント用組成物は、金型を押し付ける際に比較的低圧でパターンを転写することができる。この際の圧力は、特に制限されるものではないが、0.01MPa〜1MPaの圧力でパターンを転写できる。なお、当然のことながら、上記圧力の上限値以上の圧力でもパターンの転写は可能である。
その後、金型のパターン形成面と塗膜とを接触させた状態のまま、光を照射して、塗膜を硬化させる。照射する光は、波長が500nm以下で、光の照射時間は、0.1〜300秒の範囲から選択される。塗膜の厚み等にもよるが、通常、1〜60秒である。
光重合時の雰囲気として、大気下でも重合可能であるが、光重合反応を促進する上で、酸素阻害の少ない雰囲気下での光重合が好ましい。例えば、窒素ガス雰囲気下、不活性ガス雰囲気下、フッ素系ガス雰囲気下、真空雰囲気下等が好ましい。
光硬化後、硬化した塗膜から金型を分離することにより、基板上に硬化した塗膜(硬化膜)によりパターンが形成された積層体が得られる。
(基板へのパターン形成:硬化膜によりパターンを形成した積層体のエッチング)
本発明の光硬化性ナノインプリント用組成物は、形成される硬化膜が優れたエッチング耐性を示す。そのため、該硬化膜より形成されるパターンは、酸素ガス、フッ素系ガス等によるエッチング耐性が非常に良好となり、ナノスケールの凹凸構造を有する基材を製造する際に好適に用いることができる。なお、フッ素系ガスとしては、反応性イオンエッチングに用いられる公知のガスを使用することができる。具体的には、六フッ化硫黄、フルオロメタン、ジフルオロメタン、トリフルオロメタン、テトラフルオロメタンを挙げることができる。
金型にてパターンを転写した硬化膜を表面に有する基板に、硬化膜のパターンに基づくパターンを形成する方法としては、先ず、硬化膜の肉薄部分(残膜)をドライエッチングにより除去し、基板表面を出す。さらに、残膜を除去した部分の基板のドライエッチングを行ったり、金属を蒸着したりする。一方、硬化膜の肉厚部分により覆われた基板はマスクされてドライエッチングされない。最後に硬化膜の肉厚部分を除去することにより、基板をドライエッチング加工することができる。
(硬化膜によりパターンを形成した積層体の使用(レプリカ金型として使用))
上記方法によりドライエッチングすることにより基材にパターンを形成できるが、本発明の光硬化性ナノインプリント用組成物は、優れた性能を有するため、その他の用途にも使用できる。例えば、該光硬化性ナノインプリント用組成物よりなる硬化膜は、無機成分の分散状態がよいため、優れた硬度を有する。そのため、基材上に硬化膜よりなるパターンが形成された積層体は、ナノインプリント用のレプリカ金型として使用することもできる。
このナノインプリント用レプリカ金型として使用する場合には、上記積層体の表面に、フッ素を含有するシランカップリング剤を反応させることが好ましい。該シランカップリング剤を反応させることにより、積層体表面と他物質との離型性を向上させることができる。該硬化膜には、アルコキシ基が残存していると考えられ、化学的に該シランカップリング剤と結合できるものと考えられる。そのため、該シランカップリング剤を反応させて得られる積層体は、より一層、離型性の優れたものとなる。
該シランカップリング剤は、離型性を向上できるフッ素原子を含有するシランカップリング剤であれば、公知のものを使用できる。具体的には、トリハロゲン化有機シラン分子やトリアルコキシ有機シラン分子のアルキル鎖の水素の一部ないし全部をフッ素に置換したものが挙げられる。
該シランカップリング剤と該積層体との反応は、特に制限されるものではないが、加湿条件下で行うことが好ましい。具体的には、相対湿度40〜100%の条件下で反応させることが好ましい。上記湿度下でシランカップリング剤と積層体とを接触させることにより、両者を反応させることができる。反応させる際の温度は、特に制限されるものではないが、40〜80℃であることが好ましい。また、接触させる方法は、液状のシランカップリング剤においては、パターンが形成された面を液に浸漬させたり、ディップコート、スピンコート、スプレートート等、公知の方法にて表面に塗布すればよい。反応させる際の時間は、温度と相対湿度により適宜選択することができる。
このような方法により該シランカップリング剤と反応させた積層体は、ハイドロフルオロエーテル等のフッ素系溶剤により洗浄した後、乾燥すればよい。得られた積層体は、離型性能の優れたものとなり、ナノインプリント用レプリカ金型として使用できる。
以下、本発明を実施例及び比較例を掲げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(ろ過性の評価)
以下の実施例、比較例で得られた光硬化性ナノインプリント用組成物を0.2μmφ穴径のシリンジフィルター及び10mlシリンジにて、手で10mlをろ過した際、20sec以内にろ過できたものを○、1min以内にろ過できたものを△、途中で目詰まりしてろ過できなかったものを×とした。
(硬化膜と基板密着性)
シリコンウエハ(P型、片鏡面、酸化膜なし)上に光硬化性ナノインプリント用組成物による光硬化膜を作製し、ニチバン(株)製15mm幅セロハンテープ405を用い、指圧にて3往復密着させたのち剥離して、
硬化膜が全く剥がれなかったもの :5
剥離面積が10%未満のもの :4
剥離面積が10%以上50%未満のもの :3
剥離面積が50%以上100%未満のもの:2
剥離面積が100%(全面剥離)のもの :1
として評価した。
(転写性の評価)
走査型電子顕微鏡(SEM)観察により、光硬化性ナノインプリント用組成物を用いてシリコンウエハ基板(基材)上に形成したパターンの形状転写性を評価した。転写性の評価は、計15本の幅80nmラインが80nmの間隔で形成されたパターン(以下、80nmライン/スペースともいう)が全て転写できているものを「○」とし、一部にパターン形状の不良が見られるものを△とし、全てのパターンが転写できていないものを「×」として評価した。
(エッチング耐性の評価)
シリコンウエハ(P型、片鏡面、酸化膜なし)上に、実施例、比較例で作製した光硬化性ナノインプリント用組成物による光硬化膜を作製し、反応性イオンエッチング装置を用いて、以下の条件にて酸素ガス、CHFガスによるドライエッチングを行った。ドライエッチング時間と光硬化膜の塗膜減少量の関係から、ドライエッチング速度(nm/min)を算出した。
ドライエッチング条件
酸素ガス :ガスフロー50sccm、RFパワー100W、制御圧力5.0Pa
CHFガス :ガスフロー50sccm、RFパワー100W、制御圧力2.0Pa
実施例1
(部分加水分解物(A)の製造)
エタノール13.6g、(メタ)アクリル基含有珪素化合物としてトリメトキシシリルプロピルアクリレート3.0g、有機珪素化合物としてエチルシリケート40(コルコール(株)製 テトラエトキシシランの平均5量体物)6.8gとを混合し、この混合物を攪拌混合しながら、エタノール4.25g/水0.85g/2N−HCl 0.16gの2N−HCl/エタノール混合水溶液を室温下、徐々に滴下した。さらに、エタノール1g/水0.32gのエタノール水溶液を徐々に滴下し、室温下1時間攪拌し、有機珪素化合物、及び(メタ)アクリル基含有珪素化合物の混合物からなる部分加水分解物(A)を得た。
(光硬化性ナノインプリント用組成物の製造)
(メタ)アクリル基を有する重合性単量体(B)として、ポリエチレングリコールジアクリレート(新中村化学工業(株)製、NKエステル A−200)2.5g、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(新中村化学工業(株)製、NKエステル A−BPE−10)7.5g、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート(新中村化学工業(株)製、NKエステル AMP-10G)5.0g、ヒドロキシエチル化o−フェニルフェノールアクリレート(新中村化学工業(株)製、NKエステル A−LEN−10)5.0g、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(新中村化学工業(株)製、NKエステル A−DCP)5.0gを使用した。
光重合開始剤(C)として、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチル−ベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン(BASFジャパン(株)製、IRGACURE(登録商標)379 EG)1.0gを使用した。
重合禁止剤として、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.0375g、ブチルヒドロキシトルエン0.005gを使用した。
上記(B)と(C)と重合禁止剤とを均一に混合し、その混合物を4.0g分取した。該混合物4.0gに、得られた部分加水分解物(A)13.4gを添加し、室温で15分間攪拌することにより光硬化性ナノインプリント用組成物を得た。この光硬化性ナノインプリント用組成物の配合割合と粘度を表1に示した。
(FE−TEMによる分散性の確認)
得られた光硬化性ナノインプリント用組成物を表面離型処理した石英板の間に挟み、光硬化させて、硬化膜を作製した。得られた硬化膜をエポキシ樹脂で包埋し、ウルトラミクロトームで、断面出しを行った。電界放射型透過電子顕微鏡(FE−TEM)にて断面の観察を行い、その写真を図1に示した。均一な構造であった。
(光硬化性ナノインプリント用組成物の塗布)
得られた光硬化性ナノインプリント用組成物を、1−メトキシ−2−プロパノールにて25重量%となるよう希釈した。希釈した光硬化性ナノインプリント用組成物を、シリコンウエハ(P型、片鏡面、酸化膜なし)上に、2000rpm、30秒間でスピンコートし、120℃において1分間乾燥して、光硬化性ナノインプリント用組成物の塗膜がコーティングされたシリコンウエハを得た。この塗膜を下記のパターン形成と同じ条件(光硬化条件)で硬化させ、得られた硬化膜とシリコンウエハとの密着性を上記条件で評価した。結果を表2に示した。
(パターンの形成:積層体の製造)
80nmライン/スペースの石英モールド(NTT-ATナノファブリケーション(株)製、80L RESO)を用い、ナノインプリント装置(三明電子産業(株)製、ImpFlex Essntial)において、上記のようにして得られた光硬化性ナノインプリント用組成物の塗膜を有するシリコンウエハに、圧力0.5MPaをかけLED365nm光源から光を10秒間照射して、光ナノインプリントを行った。用いた石英モールドは、あらかじめフッ素系表面処理(ダイキン工業(株)製、オプツールDSX)で離型処理を施した。光ナノインプリント後の転写形状をSEMにて観察し、表2に転写性の評価結果を示した。
(ドライエッチング耐性の評価)
反応性イオンエッチング装置を用いて、酸素ガス、CHFガスによるドライエッチングを行い、エッチング時間と光硬化膜の塗膜減少量の関係から、各々のガスのドライエッチング速度を算出した。その結果を表3に示した。
実施例2
(部分加水分解物(A)の製造)
エタノール13.6g、(メタ)アクリル基含有珪素化合物としてトリメトキシシリルプロピルアクリレート3.0g、有機珪素化合物としてエチルシリケート40(コルコール(株)製 テトラエトキシシランの平均5量体物)6.8g、85質量%ジルコニウムブトキシド(テトラブチルジルコニウムアルコキシド)の1−ブタノール溶液 1.7gとを混合し、この混合物を攪拌混合しながら、エタノール4.25g/水0.85g/2N−HCl 0.16gの2N−HCl/エタノール混合水溶液を室温下、徐々に滴下した。さらに、エタノール1g/水0.46gのエタノール水溶液を徐々に滴下し、室温下1時間攪拌し、有機珪素化合物と(メタ)アクリル基含有珪素化合物及び金属アルコキシドからなる部分加水分解物(A)を得た。
(光硬化性ナノインプリント用組成物の製造)
実施例1で使用したのと同じ種類、同量の(B)、(C)、及び重合禁止剤とを混合した後、同じ量の混合物(4.0g)に前記部分加水分解物(A)14.2gを添加後、室温で15分間攪拌混合し、光硬化性ナノインプリント用組成物を得た。この光硬化性ナノインプリント用組成物の配合割合と粘度を表1に示した。
(FE−TEMによる分散性の確認)
実施例1と同様にして、断面のFE−TEM観察を行った。その写真を図2に示した。nmオーダーの小さく均一な構造であった。
(光硬化性ナノインプリント用組成物の塗布)
実施例1と同様にして、光硬化性ナノインプリント用組成物の塗膜がコーティングされたシリコンウエハを得た。また、得られた硬化膜の密着性を表2に示した。
(パターンの形成:積層体の製造)
実施例1と同様にして、光ナノインプリントし、SEM観察を行った。表2に転写性の評価結果を示した。
(ドライエチング耐性の評価)
実施例1と同様にして、ドライエッチング速度を算出した。その結果を表3に示した。
実施例3
実施例2において、各成分の添加量を表1の通りに変更した以外は実施例2と同様の操作を行い、部分加水分解物(A)を得た。次いで、部分加水分解物(A)24gを添加したこと以外は実施例1と同様にして光硬化性ナノインプリント用組成物を製造し、その結果を表1に示した。
また、実施例1と同様にして、光硬化性ナノインプリント用組成物の塗布・パターンの形成を行い、表2に硬化膜の密着性・転写性の評価結果を示した。さらに、実施例1と同様にして、ドライエッチング速度を算出した。その結果を表3に示した。
実施例4
実施例2と同様の方法で部分加水分解物(A)を得た。次いで、部分加水分解物(A)7.1gを添加したこと以外は実施例1と同様にして光硬化性ナノインプリント用組成物を製造し、その結果を表1に示した。
また、実施例1と同様にして、光硬化性ナノインプリント用組成物の塗布・パターンの形成を行い、表2に硬化膜の密着性・転写性の評価結果を示した。さらに、実施例1と同様にして、ドライエッチング速度を算出した。その結果を表3に示した。
実施例5
実施例1において、水の添加量を表1に示した通りに変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、部分加水分解物(A)を得た。次いで、部分加水分解物(A)14.2gを添加したこと以外は実施例1と同様にして光硬化性ナノインプリント用組成物を製造し、その結果を表1に示した。
また、実施例1と同様にして、光硬化性ナノインプリント用組成物の塗布・パターンの形成を行い、表2に硬化膜の密着性・転写性の評価結果を示した。さらに、実施例1と同様にして、ドライエッチング速度を算出した。その結果を表3に示した。
実施例6
実施例1において、水の添加量を表1に示した通りに変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、部分加水分解物(A)を得た。次いで、部分加水分解物(A)14.2gを添加したこと以外は実施例1と同様にして光硬化性ナノインプリント用組成物を製造し、その結果を表1に示した。
また、実施例1と同様にして、光硬化性ナノインプリント用組成物の塗布・パターンの形成を行い、表2に硬化膜の密着性・転写性の評価結果を示した。さらに、実施例1と同様にして、ドライエッチング速度を算出した。その結果を表3に示した。
実施例7
実施例2において、エチルシリケート40の代わりにテトラエトキシシランを9.4gとし、水の添加量を表1に示した通りに変更した以外は実施例2と同様の操作を行い、部分加水分解物(A)を得た。次いで、部分加水分解物(A)15.6gを添加したこと以外は実施例1と同様にして光硬化性ナノインプリント用組成物を製造し、その結果を表1に示した。
また、実施例1と同様にして、光硬化性ナノインプリント用組成物の塗布・パターンの形成を行い、表2に硬化膜の密着性・転写性の評価結果を示した。さらに、実施例1と同様にして、ドライエッチング速度を算出した。その結果を表3に示した。
実施例8
実施例2において、トリメトキシシリルプロピルアクリレートの代わりにトリメトキシシリルプロピルメタクリレートを3.2gとし、水の添加量を表1に示した通りに変更した以外は実施例2と同様の操作を行い、部分加水分解物(A)を得た。次いで、部分加水分解物(A)14.2gを添加したこと以外は実施例1と同様にして光硬化性ナノインプリント用組成物を製造し、その結果を表1に示した。
また、実施例1と同様にして、光硬化性ナノインプリント用組成物の塗布・パターンの形成を行い、表2に硬化膜の密着性・転写性の評価結果を示した。さらに、実施例1と同様にして、ドライエッチング速度を算出した。その結果を表3に示した。
実施例9
実施例2と同様にして光硬化性ナノインプリント用組成物の塗膜がコーティングされたシリコンウエハを得、光ナノインプリントを行った。パターンが形成された硬化膜がコートされたシリコンウエハ(積層体)をナノインプリント用レプリカ金型とするため、パターンを中心にして20mm×20mmの大きさにカットした。次いで、離型処理を施すための前処理として、加湿条件下でパターン表面の加水分解処理を行った。該加水分解処理は、上記のカットしたシリコンウエハ(積層体)をオーブンに入れ、このオーブン中に水の入った容器を存在させて、該積層体と水とが直接接触しないようにし、オーブンの蓋をして70℃で1時間加熱を行うことにより実施した。その後、処理した積層体のパターン面をフッ素系表面処理剤(ダイキン工業(株)製、オプツールDSX)接触させて離型処理を施し、レプリカ金型を作製した。
フッ素処理した転写パターン面に、実施例1で製造した(B)と(C)と重合禁止剤からなる混合物を滴下し、石英板で挟んだ後、ナノインプリント装置(エンジニアリング・システム(株)製EUN-4200)において、圧力0.3MPaをかけLED 375nm光源で石英板側から、光を60秒間照射し、光ナノインプリントを行った。石英板を剥離後、得られたパターン面のSEM観察を行い、使用したモールドと同じパターンに転写できていることを確認した。
比較例1
実施例1で製造した(B)、(C)、及び重合禁止剤からなる混合物2.0gに、表面処理オルガノシリカゾル(日産化学工業(株)MEK−AC−2101、平均粒子径10〜15nm、固形分30質量%)を1.98g添加後、室温で15分間攪拌混合し、光硬化性ナノインプリント用組成物とした。この光硬化性ナノインプリント用組成物の配合割合と粘度を表1に示した。
実施例1と同様にして、断面のFE−TEM観察を行った。その写真を図3に示した。数10nmの円形構造が見られた。また、実施例1と同様にして、光硬化性ナノインプリント用組成物の塗布・パターンの形成を行い、表2に硬化膜の密着性・転写性の評価結果を示した。
比較例2
比較例1で使用したのと同じ種類、同量の(B)、(C)、及び重合禁止剤とを混合した後、同じ量の混合物(2.0g)に、表面処理オルガノシリカゾル(日産化学工業(株)MEK−AC−2101、平均粒子径10〜15nm、固形分30質量%)1.98gと表面処理有機分散ジルコニアゾル(日産化学工業(株)OZ−S30K−AC、粒子径9nm、固形分20.5質量%)0.29gを添加後、室温で15分間攪拌し、光硬化性ナノインプリント用組成物を得た。この光硬化性ナノインプリント用組成物の配合割合と粘度を表1に示した。
実施例1と同様にして、断面のFE−TEM観察を行った。その写真を図4に示した。数10nmの円形構造が見られた。また、実施例1と同様にして、光硬化性ナノインプリント用組成物の塗布・パターンの形成を行い、表2に硬化膜の密着性・転写性の評価結果を示した。
比較例3
実施例1において、水の添加量を表1に示した通りに変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、完全加水分解物(A)を得た。次いで、完全加水分解物(A)14.2gを添加したこと以外は実施例1と同様にして光硬化性ナノインプリント用組成物を製造し、その結果を表1に示した。
また、実施例1と同様にして、光硬化性ナノインプリント用組成物の塗布・パターンの形成を行い、表2に硬化膜の密着性・転写性の評価結果を示した。塗膜が固いためかパターンの転写が完全に出来ていなかった。
比較例4
実施例1において、部分加水分解物(A)を使用しなかったこと以外は同様の操作を行い、光硬化性ナノインプリント用組成物とした。この光硬化性ナノインプリント用組成物の配合割合と粘度を表1に示した。また実施例1と同様にして、光硬化性ナノインプリント用組成物の塗布・パターンの形成を行い、表2に硬化膜の密着性・転写性の評価結果を示した。実施例1と同様にして、ドライエッチング速度を算出した。その結果を表3に示した。
比較例5
実施例1において、(メタ)アクリル基含有珪素化合物を配合せず、水の量の添加量を変更した表1に示した通りに変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、部分加水分解物(A)を得た。次いで、部分加水分解物(A)10.0gを添加したこと以外は実施例1と同様にして光硬化性ナノインプリント用組成物を製造し、その結果を表1に示した。
実施例1と同様にして、断面のFE−TEM観察を行った。その写真を図5に示した。数10nmの円形構造が見られた。また、実施例1と同様にして、光硬化性ナノインプリント用組成物の塗布・パターンの形成を行い、表2に硬化膜の密着性・転写性の評価結果を示した。塗膜が固いためかパターンの転写が完全に出来ていなかった。
比較例6
エタノール13.6g、2−ヒドロキシエチルアクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステルHOA)3.0g、テトラエトキシシラン9.4gとを混合し、次いで、エタノール4.25g/水0.87g/2N−HCl 0.16gの2N−HCl/エタノール混合水溶液を室温下、徐々に滴下・攪拌した。さらに、エタノール1g/水0.61gのエタノール水溶液を徐々に滴下し、室温下1Hr攪拌し、部分加水分解物(A’)を得た。次いで、部分加水分解物(A’)12.9gを添加したこと以外は実施例1と同様にして光硬化性ナノインプリント用組成物を製造し、その結果を表1に示した。
また、実施例1と同様にして、光硬化性ナノインプリント用組成物の塗布・パターンの形成を行い、表2に硬化膜の密着性・転写性の評価結果を示した。

Claims (5)

  1. (A)下記式(1)

    (式中、
    は、同種又は異種の炭素数1〜4のアルキル基であり、nは、1〜10の整数である。)
    で示される有機珪素化合物、及び
    下記式(2)
    (式中、
    は、水素原子又はメチル基であり、
    は、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数3〜10のシクロアルキレン基又は炭素数3〜10のポリメチレン基であり、
    は、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数3〜4のシクロアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基であり、
    は、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数3〜4のシクロアルキル基であり、
    lは1〜3の整数であり、mは0〜2の整数であり、kは1〜3の整数であり、
    l+m+kは4であり、
    、R、RおよびRがそれぞれ複数存在する場合には、その複数のR、R、RおよびRは、同種又は異種の基であってよい。)
    で示される(メタ)アクリル基含有珪素化合物、及び
    下記式(3)
    (式中、
    Mは、ジルコニウム、又はチタニウムであり、
    は、同種又は異種の炭素数1〜10のアルキル基である。)
    で示される金属アルコキシドを含む混合物を、該混合物における全アルコキシ基のモル数に対して、0.1倍モル以上1.0倍モル未満の量の水で加水分解した部分加水分解物、
    (B)(メタ)アクリル基を有する重合性単量体、並びに
    (C)光重合開始剤
    を含有する光硬化性ナノインプリント用組成物。
  2. (メタ)アクリル基を有する重合性単量体(B)100質量部に対して、有機珪素化合物10〜250質量部、(メタ)アクリル基含有珪素化合物3〜300質量部及び金属アルコキシド1〜50質量部含む混合物を、該混合物における全アルコキシ基のモル数に対して、0.1倍モル以上1.0倍モル未満の量の水で加水分解した部分加水分解物(A)、並びに光重合開始剤(C)1〜10質量部、を含むことを特徴とする請求項に記載の光硬化性ナノインプリント用組成物。
  3. 有機珪素化合物、及び(メタ)アクリル基含有珪素化合物との合計100質量部に対して、金属アルコキシドを0.2〜100質量部含むことを特徴とする請求項1に記載の光硬化性ナノインプリント用組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の光硬化性ナノインプリント用組成物を基板上に塗布し、該組成物からなる塗膜を形成する工程、
    パターンが形成された金型のパターン形成面と前記塗膜とを接触させ、その状態で光を照射して塗膜を硬化させる工程、
    前記金型を、硬化した塗膜から分離して、前記金型のパターン形成面に形成されているパターンに対応するパターンを基板上に形成する工程
    を含むことを特徴とするパターンの形成方法。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の光硬化性ナノインプリント用組成物の硬化体を有するナノインプリント用レプリカ金型。
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