JP4156065B2 - 金属帯用連続還元性雰囲気焼鈍装置および方法 - Google Patents

金属帯用連続還元性雰囲気焼鈍装置および方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属素材の製造段階などで、金属帯を還元性雰囲気下で連続的に焼鈍する金属帯用連続還元性雰囲気焼鈍装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、冷間圧延を行った鉄などの金属帯は、一般に焼鈍処理が施されて次の工程に移る。金属帯がステンレス鋼などで素材表面の金属光沢が重要視される場合には、BAとも略称される光輝焼鈍が行われる。ステンレス鋼などの金属帯を連続的に還元性雰囲気下で焼鈍することに関連する先行技術として、本件出願人は特開昭61−250117(特公平5−14773)や特開昭62−290830などによる開示を行っている。
【0003】
図4は、特公平5−14773の第1図で示される金属ストリップ用縦型連続焼鈍装置の構成を示す。金属帯である金属ストリップ1は上向きに供給され、トップロール2で通板方向が下向きに反転され、その後に焼鈍炉3に入って加熱され、さらに複数の冷却装置4によって冷却される。冷却装置4では、金属ストリップ1に還元性雰囲気ガスを吹付けて冷却し、吹付けられた金属ストリップ1から熱を奪って加温された雰囲気ガスは、高温送風機5によって回収され、上向きに供給されて金属ストリップ1の予熱装置6に供給される。予熱装置6は、供給される雰囲気ガスを金属ストリップ1に吹付けて、金属ストリップ1を予熱するとともに雰囲気ガスを冷却する。予熱に使用された雰囲気ガスは、低温送風機7で回収され、複数の冷却装置4のうちで、焼鈍炉3に近い上流側に配置される冷却装置4’に雰囲気ガスを戻す。このように雰囲気ガスは、冷却装置4’と予熱装置6との間で循環して使用されるとともに、下流側の冷却装置4では直接回収され、冷却器8で冷却され、送風機9で冷却装置4に戻される循環も行う。低温送風機7から冷却装置4’に戻される雰囲気ガスも、冷却器10で冷却される。金属ストリップ1は、入側シュート11の入口に設けられる入口シール12で周囲の大気が侵入しないようにシールされて供給され、冷却された後、出口シール13で大気が侵入しないようにシールされた状態で外部に取出される。
【0004】
特公平5−14773では、冷却装置4’と予熱装置6との間で雰囲気ガスを循環させ、予熱することによって金属ストリップ1を焼鈍炉3で焼鈍する際に要する加熱用エネルギの削減と時間の短縮とを図り、金属ストリップ1を予熱する際に雰囲気ガスが冷却されることによって、冷却器10で必要となる冷却量を減少させることができるという省エネルギ効果を得ることができる。また加熱や冷却に要する時間が短縮されるので、金属ストリップ1の通板速度を増加させて生産効率を向上させたり、装置の高さを低くして設備費用を低減させたりすることも可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図4に示すような金属ストリップ用縦型連続焼鈍装置では、金属ストリップ1の板厚が比較的厚い厚ゲージ通板時には所望の効果が得られるけれども、比較的板厚が薄い薄ゲージ通板時には、冷却装置4’で冷却された雰囲気ガスを吹付けることによって、薄ゲージの金属ストリップ1が急冷され、しわが発生してしまう問題が生じる。このため、薄ゲージ材を通板する場合には、しわ防止のためにヒータなどによって加熱した雰囲気ガスを吹付けて緩冷却を行うようにしている。
【0006】
緩冷却を行う場合、金属ストリップ1を予熱する予熱装置6への雰囲気ガスの循環系は閉じることになる。金属ストリップ1として、薄ゲージ材の次に厚ゲージ材を通板する際には、再び予熱装置6を使用するため、雰囲気ガスの循環系の使用を再開する。閉じている状態の循環系内には雰囲気ガスが滞留しており、予熱を再開する際には、循環系内に滞留されていた雰囲気ガスが金属ストリップ1の表面に吹付けられることになる。1箇所に滞留している雰囲気ガスは、徐々に水分を吸収していくので、この滞留していた雰囲気ガスを金属ストリップ1に吹付けると、水分が金属ストリップ1の表面に付着して着色が発生するテンパカラーと呼ばれる現象が生じやすい。このため、薄ゲージ材から厚ゲージ材へ金属ストリップ1を切換えると、歩留まりが低下したり、あるいは歩留まり低下を免れるために、予熱を徐々に立上げるようにしてその間は通板ができないので、生産効率を低下させなければならない問題がある。
【0007】
本発明の目的は、予熱を行わない薄ゲージ材から予熱を行う厚ゲージ材に切換えても、金属帯の着色が生じることがない金属帯用連続還元性雰囲気焼鈍装置および方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、金属帯を上向きに通板させる入側シュートに還元性の雰囲気ガスを吹付けて予熱するための予熱帯を備え、入側シュートの頂部で反転されて下向きに通板される金属帯に対して、焼鈍処理用の加熱を行う加熱帯、および焼鈍された金属帯に還元性の雰囲気ガスを吹付けて冷却する冷却帯を備える金属帯用連続還元性雰囲気焼鈍装置において、
冷却帯と予熱帯との間に形成され、冷却帯から金属帯の冷却に使用された雰囲気ガスを回収して予熱帯に供給する高温側経路と、予熱帯から金属帯の予熱に使用された雰囲気ガスを回収して冷却帯に供給する低温側経路とを備え、雰囲気ガスを循環させる循環経路と、
前記高温側経路の途中と前記低温側経路の途中とに接続され、前記高温側経路と前記低温側経路との間で雰囲気ガスを循環させ、かつリファイニング装置を備える連結経路と、
冷却帯から金属帯の冷却に使用された雰囲気ガスを回収し、昇温させて冷却帯に戻すための昇温経路と、
冷却帯の温度が金属帯の厚みに適応するように、前記循環経路を使用する状態と、前記連結経路および昇温経路を使用する状態とを金属帯の厚みに応じて切換えて使用する切換弁群とを含むことを特徴とする金属帯用連続還元性雰囲気焼鈍装置である。
【0009】
本発明に従えば、入側シュートには、上向きに通板させる金属帯に還元性の雰囲気ガスを吹付けて予熱するための予熱帯が備えられる。入側シュートの頂部で反転されて下向きに通板される金属帯に対しては、焼鈍処理を行う加熱帯と、焼鈍された金属帯に還元性の雰囲気ガスを吹付けて冷却する冷却帯とが備えられる。冷却帯と予熱帯との間には雰囲気ガスの循環経路が形成され、循環経路は、冷却帯から金属帯の冷却に使用された雰囲気ガスを回収して予熱帯に供給する高温側経路と、予熱帯から金属帯の予熱に使用された雰囲気ガスを回収して冷却帯に供給する低温側経路とを備える。高温側経路の途中と低温側経路の途中とには連結経路が接続され、連結経路は、前記高温側経路と前記低温側経路との間で雰囲気ガスを循環させる。昇温経路は冷却帯から金属帯の冷却に使用された雰囲気ガスを回収し、昇温させて冷却帯に戻す。切換弁群は、金属帯の厚みに応じて循環経路を使用する状態と昇温経路および連結経路を使用する状態とを切換え、冷却帯の温度を金属帯の厚みに適した温度にする。たとえば、厚ゲージ通板時には、昇温経路を停止させ、予熱帯と冷却帯との間で循環経路を使用して雰囲気ガスを循環させるので、予熱と冷却とを効率よく行い、省エネルギ効果を得ることができる。薄ゲージ通板時には、予熱帯による予熱を停止し、冷却帯から回収した雰囲気ガスを昇温経路によって昇温させて冷却帯に戻すので、焼鈍後の金属帯を急激に冷却することなく、緩冷却することができ、しわの発生を防ぐことができる。また薄ゲージ通板時に循環経路内の雰囲気ガスは、冷却帯および予熱帯を除いて、連結経路に設けられている水分を吸収するためのリファイニング装置に循環させて吸着した水分を大気中に放散させるので、水分の吸収を防ぐことができる。このように薄ゲージ通板時でも循環している雰囲気ガスを、厚ゲージ通板に切換える際に予熱帯に供給して金属帯の表面に吹付けて予熱するので、金属帯の表面の着色を防止し、薄ゲージ通板から厚ゲージ通板まで迅速に切換えることができる。
【0010】
また本発明で、前記切換弁群は、
高温側経路および低温側経路に設けられる予熱用切換弁と、
連結経路の各入口近傍に設けられる連結用切換弁とからなることを特徴とする。
【0011】
本発明に従えば、金属帯用連続還元性雰囲気焼鈍装置は、循環経路として、冷却帯から予熱帯に向かう高温側経路と、予熱帯から冷却帯に向かう低温側経路とを含み、さらに高温側経路の途中と低温側経路の途中とを連結して、高温側経路と低温側経路との間で雰囲気ガスを循環させる循環系を形成する連結経路とが含まれる。切換弁群には、冷却帯および予熱帯に設けられる予熱用切換弁と、連結経路の各入口近傍に設けられる連結用切換弁とが含まれるので、厚ゲージ通板時には高温側経路および低温側経路を用いて冷却帯と予熱帯との間で雰囲気ガスの循環が行われる。薄ゲージ通板時には、高温側経路および低温側経路が連結用管路に連結され、雰囲気ガスの循環が冷却帯および予熱帯を切離した状態で行われる。薄ゲージ材が通板する際には、高温側経路および低温側経路内の雰囲気ガスは、連結経路に設けられている水分を吸着するリファイニング装置に循環されて、吸着した水分が大気に放散された状態で切換えられるので、薄ゲージ材から厚ゲージ材に切換えられる際には、予熱帯で金属帯の表面に雰囲気ガスが吹付けられても着色が生じる事態を防ぐことができる。
【0012】
さらに本発明は、還元性雰囲気内で、金属帯を上向きに通板させながら供給し、通板方向を頂部で反転させ、下向きに通板される金属帯を加熱して焼鈍し、還元性の雰囲気ガスを吹付けて冷却する金属帯用連続還元性雰囲気焼鈍方法において、
金属帯の通板方向が上向きの部分と下向きの部分との間に、還元性雰囲気ガスを循環させる循環経路を形成し、
前記循環経路の途中の一部と他の一部とを連通し、水分を吸着するリファイニング装置を備える連結経路を形成しておき、
金属帯が厚い厚ゲージ通板時には、前記循環経路を利用して、焼鈍後の金属帯を冷却した雰囲気ガスを回収し、上向きに通板される金属帯に吹付けて予熱するとともに、金属帯を予熱した雰囲気ガスを回収し、下向きに通板される焼鈍後の金属帯に吹付けて冷却するように循環させ、
金属帯が薄い薄ゲージ通板時には、焼鈍後の金属帯を冷却した雰囲気ガスを回収し、昇温させて金属帯の冷却に吹付けるように循環させるとともに、上向きに通板される金属帯に対する吹付けを行わずに雰囲気ガスを前記連結経路内で循環させることを特徴とする金属帯用連続還元性雰囲気焼鈍方法である。
【0013】
本発明に従えば、還元性雰囲気内で下向きに通板される金属帯を加熱して焼鈍し、還元性の雰囲気ガスを吹付けて冷却して焼鈍を行う際に、金属帯が厚い厚ゲージ通板時には金属帯の通板方向が上向きの部分と下向きの部分との間に形成される循環経路を利用して、焼鈍後の金属帯を冷却した雰囲気ガスを上向きに通板される金属帯に吹付けて予熱し、予熱に使用された雰囲気ガスを下向きに通板される焼鈍後の金属帯に吹付けて冷却するように循環させる。焼鈍後の金属帯を冷却して得られる熱を予熱に利用し、予熱によって金属帯側から冷却される雰囲気ガスを用いて焼鈍後の金属帯の冷却を行うので、予熱および冷却でのエネルギ効率を高めることができる。薄ゲージ通板時には予熱を停止し、冷却に使用した雰囲気ガスを昇温させて金属帯に吹付けて冷却するように循環させるので、焼鈍後の金属帯の急冷を避ける緩冷却を行い、しわの発生を防ぐことができる。また薄ゲージ通板時に循環経路内の雰囲気ガスは連結経路内で循環させるので、薄ゲージ材の通板から厚ゲージ材の通板に切換えられる際には、連結経路内で循環されてい雰囲気ガスを予熱に使用することができる。雰囲気ガスは薄ゲージ通板時にも滞留することがないので水分の吸収はなく、金属帯の着色を防止することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態としての連続焼鈍装置20の概略的な動作状態を示す。図1(a)は金属帯21が所定の厚みより厚い厚ゲージ通板時の状態を示し、図1(b)は金属帯の厚みが薄い薄ゲージ通板時の状態を示す。金属帯21は、たとえばステンレス鋼や高ニッケル鉄合金であり、薄ゲージと厚ゲージとの境界の厚みはたとえば0.2〜0.3mmである。このような金属帯21を還元性雰囲気に保つため、雰囲気ガス循環系22は、たとえば水素75%〜100%で残部が窒素であるような雰囲気ガスを連続焼鈍装置20内に循環させる。雰囲気ガス循環系22には、雰囲気ガス中の水分を吸着し、大気に放散させるリファイニング装置が設けられる。薄ゲージ通板時には、焼鈍後の金属帯21を冷却するために吹付ける雰囲気ガスをヒータ23で昇温させ、雰囲気ガスの温度を高めて金属帯21を緩冷却するようにしている。冷却帯24では、金属帯21を薄ゲージ通板時には緩冷却し、厚ゲージ通板時には温度を下げた雰囲気ガスを吹付けて急速に冷却する。冷却帯24に吹付けられた雰囲気ガスは、高温送風機25によって吸引され、厚ゲージ通板時には予熱帯26に供給される。供給された雰囲気ガスは予熱帯26で金属帯21の表面に吹付けられ、低温送風機27で回収されクーラ28を介して冷却帯24に戻される。クーラ28では、雰囲気ガスを冷却し、冷却帯24で金属帯21の表面に吹付け、金属帯21を急速に冷却することができるようにしている。このように厚ゲージ通板時は、高温送風機25から予熱帯26に向けての高温側経路29と、予熱帯26からクーラ28を介して冷却帯24に雰囲気ガスを導くための低温側経路30とを用い、雰囲気ガスの循環を行っている。
【0015】
高温送風機25の吐出側と高温側経路29との間には第1の予熱用切換弁31が設けられる。高温側経路29と予熱帯26との間には第2の予熱用切換弁32が設けられる。予熱帯26と低温側経路30との間には第3の予熱用切換弁33が設けられる。低温側経路30と冷却帯24との間には第4の予熱用切換弁34が設けられる。第1の予熱用切換弁31と高温送風機25の吐出側との接続部分とヒータ23との間には、緩冷却経路35が設けられる。第1および第2の予熱用切換弁31,32と高温側経路29との接続部分と雰囲気ガス循環系22との間には、第1および第2の連結経路36,37がそれぞれ設けられる。第4の予熱用切換弁34とクーラ28および低温側経路30との接続部分と、雰囲気ガス循環系22との間には、第3の連結経路38が設けられる。第3予熱用切換弁33と低温送風機27および低温側経路30との接続部分と、雰囲気ガス循環系22との間には、第4の連結経路39が設けられる。高温側送風機25の吐出側とヒータ23との間には緩冷却用切換弁40が設けられる。第1および第2予熱用切換弁31,32と高温側経路29との接続部と第1および第2の連結経路36,37との間には、該接続部寄りの入口近傍に、第1および第2連結用切換弁41,42がそれぞれ設けられる。第3予熱用切換弁33と低温側送風機27および低温側経路30との接続部と、第4連結経路39との間には第4の連結用切換弁44が設けられる。クーラ28の出側と第3予熱用切換弁33との連結部と、第3連結経路38との間には、第3の連結用切換弁43が設けられる。第3および第4の連結用切換弁43,44も、接続部寄りの入口近傍に設けられる。
【0016】
図1(a)は、金属帯21が厚板ゲージの場合に、第1〜第4の予熱用切換弁31〜34が開いて、斜線を施して示す緩冷却用切換弁40および第1〜第4の連結用切換弁41〜44が閉じている状態を示す。金属帯21は、予熱帯26中を上向きに走行し、冷却帯24中は下向きに走行する。冷却帯24中では、焼鈍後の金属帯21を冷却するために、クーラ28で冷却した雰囲気ガスを第4の予熱用切換弁34を介して吹付ける。冷却に使用された雰囲気ガスは、高温送風機25によって吸引され、第1の予熱用切換弁31から高温側経路29および第2の予熱用切換弁32を介して予熱帯26に供給され、金属帯21を予熱する。金属帯21と熱交換して冷却された雰囲気ガスは、第3の予熱用切換弁33を介して低温用送風機27で吸引され、クーラ28でさらに冷却された後、第4の予熱用切換弁34を介して冷却帯24に供給される。厚ゲージ通板時にはこのように雰囲気ガスが冷却帯24、高温側経路29、予熱帯26および低温側経路30を介して循環して使用される。
【0017】
図1(b)に示す薄ゲージの金属帯21の通板時には、斜線を施して示す第1〜第4の予熱用切換弁31〜34は閉じ、緩冷却用切換弁40と第1〜第4の連結用切換弁41〜44が開く。この結果冷却帯24では、冷却に使用した雰囲気ガスは高温送風機25によって吸引された後、緩冷却用切換弁40およびヒータ23を含む緩冷却経路35を介して循環して使用される。高温側経路29および低温側経路30は、第1および第2連結用切換弁41,42と第1および第2連結経路36,37ならびに第3および第4連結用切換弁43,44と第3および第4連結経路38,39をそれぞれ介して雰囲気ガス循環系22との間で循環経路を形成し、雰囲気ガスを雰囲気ガス循環系22に設けられるリファイニング装置に循環させて、吸着した水分を大気に放散させ、滞留が生じないようにしておく。予熱帯26での金属帯21の予熱は行わないけれども、金属帯21は薄ゲージ材であるので、焼鈍炉では所定の温度まで迅速に昇温させることができる。焼鈍後に冷却帯24で、ヒータ23で昇温させた雰囲気ガスを吹付けて冷却するので、緩冷却を行い、しわなどの発生を防ぐことができる。金属帯21の厚みが厚ゲージ材に切換わるときには、図1(a)に示すような状態で、予熱帯26で金属帯21の表面に吹付ける予熱ガスは薄ゲージ通板時にも雰囲気ガス循環系22に設けられ、水分を吸着するリファイニング装置に循環させて、吸着した水分を大気に放散させているので、水分の吸収がなく、着色を防止することができる。
【0018】
図2は、本実施形態の連続焼鈍装置20の全体的な構成を簡略化して示す。竪型炉体50には、入側シュート51に供給される金属帯21の移動方向を上向きから下向きに換えるため、頂部にトップロール52が設けられる。トップロール52は、金属帯21の表面に傷などを付けないようにするため、耐熱ゴム材料などで形成される。トップロール52によって下向きに移動方向が換えられた金属帯21は、焼鈍炉53で所定の焼鈍温度まで加熱され、冷却装置54,54′で冷却される。冷却は、金属帯21が連続焼鈍装置20に続く下流の送板ロール等が焼損しない温度まで行う必要がある。上流側の冷却装置54′内に、図1に示す冷却帯24が設けられ、高温送風機25が雰囲気ガス取出口55から雰囲気ガスを吸引し、入側シュート51に設けられる予熱装置56に供給する。予熱装置56は、図1に示す予熱帯26を備え、予熱に使用された雰囲気ガスは雰囲気ガス取出口57から低温送風機27によって吸引され、冷却装置54′に供給される。連続焼鈍装置20内での、金属帯21の通板速度や各切換弁などの制御は、制御装置60によって行われる。竪型炉体50に設けられる入側シュート51と、焼鈍炉53および冷却装置54,54′を備える出側シュート61とには、入口シール62および出口シール63がそれぞれ設けられ、金属帯21の取込みおよび送出しを行いながら、竪型炉体50内の還元性雰囲気を保つようにしている。雰囲気ガス供給装置58からは、竪型炉体50内の雰囲気ガスの圧力が大気圧よりもわずかに高くなるように雰囲気ガスを供給し、入口シール62および出口シール63から大気が竪型炉体50内に侵入しないようにしている。
【0019】
図3は、図1の実施形態の連続焼鈍炉20を用いて、金属帯21の連続焼鈍を行う際の、各切換弁の制御の手順を示す。ステップa1では、停止状態にある連続焼鈍装置20に金属帯21を通板させて焼鈍処理を行うための制御を開始する。ステップa2では、焼鈍炉53の温度などを所定の温度まで上昇させ、連結用切換弁41〜44を開き、ガスを置換して金属帯21の通板が可能な状態に準備する。ステップa3では、通板する金属帯21が薄ゲージ材であるか否かを判断する。この判断は、生産工程を管理するシステムからデータとして送られる金属帯21の厚みデータに基づいて行ってもよく、また実際の金属帯21の厚みを実測して行うようにしてもよい。ステップa3で、薄ゲージ材であると判断されるときには、ステップa4で、第1〜第4の予熱用切換弁31〜34を閉じ、緩冷却用切換弁40および第1〜第4の連結用切換弁41〜44を開く。ステップa3で、薄ゲージ材ではないと判断されるときには、ステップa5で緩冷却用切換弁40および第1〜第4の連結用切換弁41〜44を閉じ、第1〜第4の予熱用切換弁31〜34を開く。1つの主要の金属帯21に対する処理が終了すると、ステップa6で、連続焼鈍装置20による金属帯21の処理を継続するか否かを判断する。継続すると判断されるときには、ステップa3に戻る。このときに、それまで薄ゲージ材の通板で処理を行っていて、厚ゲージ材に切換えるときには、薄ゲージ材通板時にも高温側経路29および低温側経路30内の雰囲気ガスは循環しているので、厚ゲージ材に切換えて予熱装置56で予熱を行うようにしても、金属帯21の表面に着色などが生じる恐れはない。ステップa6で、金属帯21の処理を継続しないと判断されるときには、各切換弁はステップa4と同様の状態とし、ヒータ23はオフにする。連結用切換弁41〜44は開けるが、ガスは流さないで、連続焼鈍装置20による処理を停止する制御を行って、ステップa7で手順を停止する。
【0020】
本実施形態によれば、金属帯21として厚ゲージ材であっても薄ゲージ材であっても同一の連続焼鈍装置20で連続的に処理し、厚ゲージ材を予熱する際の着色や、薄ゲージ材を冷却する際のしわ寄りなどの品質低下を防止し、効率よく生産を行うことができる。
【0021】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば切換弁群による切換えで、たとえば、厚ゲージ通板時には冷却帯と予熱帯との間で雰囲気ガスが循環し、省エネルギ効果を得ることができる。薄ゲージ通板時には、昇温経路を通して昇温された雰囲気ガスが冷却帯で金属帯に吹付けられ、緩冷却を行ってしわの発生を防ぐことができる。この際に循環経路内の雰囲気ガスは、水分を吸着するリファイニング装置に循環させ吸着された水分を大気に放散しているので、薄ゲージ材から厚ゲージ材に切換えられて、循環経路内の雰囲気ガスが予熱帯によって金属帯の表面に吹付けられても、金属帯の表面が着色することを防ぐことができ、迅速な切換えを可能として生産効率を向上させることができる。
【0022】
また本発明によれば、冷却帯と予熱帯との間に高温側経路および低温側経路を設けて循環経路を形成し、厚ゲージ通板時には予熱用切換弁が開いて熱エネルギの有効利用を図ることができる。薄ゲージ通板時には、高温用経路および低温用経路内の雰囲気ガスに対して連結切換弁が開いて連結経路に接続され、1箇所に留まることなく循環されるので水分の吸収を防ぎ、厚ゲージ通板時の状態に切換えられても金属帯の表面に着色を生じさせないようにすることができる。
【0023】
さらに本発明によれば、厚ゲージ通板時には焼鈍後の金属帯に雰囲気ガスを吹付けて冷却し、金属帯と熱交換して温度が上昇した雰囲気ガスを回収して焼鈍前の金属帯に吹付けて予熱するので、省エネルギ効果を得ることができると同時に、金属帯の昇温時間と冷却時間を短縮し生産性を向上させることができる。薄ゲージ通板時には、焼鈍後の金属帯を冷却する雰囲気ガスは昇温しておくので、金属帯を急冷せずにしわなどの発生を防ぐことができる。厚ゲージ通板時に冷却した後で予熱するように循環させる高温側経路内の雰囲気ガスは、薄ゲージ通板時にも連結経路内で循環われているので、リファイニング装置で雰囲気ガス中の水分を除去することができ、薄ゲージから厚ゲージに切換えて予熱を再開するときの水分による金属帯の着色を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の連続焼鈍装置20の冷却帯24および予熱帯26についての概略的な構成を示す水平断面図である。
【図2】図1の冷却帯24および予熱帯26を備える連続焼鈍装置20の全体構成を簡略化して示す鉛直断面図である。
【図3】図1の実施形態の連続焼鈍装置20の操業手順を示すフローチャートである。
【図4】先行技術の連続焼鈍装置の概略的な構成を示す鉛直断面図である。
【符号の説明】
20 連続焼鈍装置
21 金属帯
22 雰囲気ガス循環系
23 ヒータ
24 冷却帯
25 高温送風機
26 予熱帯
27 低温送風機
28 クーラ
29 高温側経路
30 低温側経路
31〜34 予熱用切換弁
40 緩冷却用切換弁
41〜44 連結用切換弁
50 竪型炉体
51 入側シュート
52 トップロール
53 焼鈍炉
54,54′ 冷却装置
56 予熱装置
58 雰囲気ガス供給装置
60 制御装置

Claims (3)

  1. 金属帯を上向きに通板させる入側シュートに還元性の雰囲気ガスを吹付けて予熱するための予熱帯を備え、入側シュートの頂部で反転されて下向きに通板される金属帯に対して、焼鈍処理用の加熱を行う加熱帯、および焼鈍された金属帯に還元性の雰囲気ガスを吹付けて冷却する冷却帯を備える金属帯用連続還元性雰囲気焼鈍装置において、
    冷却帯と予熱帯との間に形成され、冷却帯から金属帯の冷却に使用された雰囲気ガスを回収して予熱帯に供給する高温側経路と、予熱帯から金属帯の予熱に使用された雰囲気ガスを回収して冷却帯に供給する低温側経路とを備え、雰囲気ガスを循環させる循環経路と、
    前記高温側経路の途中と前記低温側経路の途中とに接続され、前記高温側経路と前記低温側経路との間で雰囲気ガスを循環させ、かつリファイニング装置を備える連結経路と、
    冷却帯から金属帯の冷却に使用された雰囲気ガスを回収し、昇温させて冷却帯に戻すための昇温経路と、
    冷却帯の温度が金属帯の厚みに適応するように、前記循環経路を使用する状態と、前記連結経路および昇温経路を使用する状態とを金属帯の厚みに応じて切換えて使用する切換弁群とを含むことを特徴とする金属帯用連続還元性雰囲気焼鈍装置。
  2. 記切換弁群は、
    高温側経路および低温側経路に設けられる予熱用切換弁と、
    連結経路の各入口近傍に設けられる連結用切換弁とからなることを特徴とする請求項1記載の金属帯用連続還元性雰囲気焼鈍装置。
  3. 還元性雰囲気内で、金属帯を上向きに通板させながら供給し、通板方向を頂部で反転させ、下向きに通板される金属帯を加熱して焼鈍し、還元性の雰囲気ガスを吹付けて冷却する金属帯用連続還元性雰囲気焼鈍方法において、
    金属帯の通板方向が上向きの部分と下向きの部分との間に、還元性雰囲気ガスを循環させる循環経路を形成し、
    前記循環経路の途中の一部と他の一部とを連通し、水分を吸着するリファイニング装置を備える連結経路を形成しておき、
    金属帯が厚い厚ゲージ通板時には、前記循環経路を利用して、焼鈍後の金属帯を冷却した雰囲気ガスを回収し、上向きに通板される金属帯に吹付けて予熱するとともに、金属帯を予熱した雰囲気ガスを回収し、下向きに通板される焼鈍後の金属帯に吹付けて冷却するように循環させ、
    金属帯が薄い薄ゲージ通板時には、焼鈍後の金属帯を冷却した雰囲気ガスを回収し、昇温させて金属帯の冷却に吹付けるように循環させるとともに、上向きに通板される金属帯に対する吹付けを行わずに雰囲気ガスを前記連結経路内で循環させることを特徴とする金属帯用連続還元性雰囲気焼鈍方法。
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