JP4155598B2 - 抗癌剤としての縮合n−アシルインドール - Google Patents

抗癌剤としての縮合n−アシルインドール Download PDF

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Description

本発明は、通常のクラスのシクロプロピルインドール(cyclopropylindole)およびそのseco前駆体の新規なアミノ類似体に関するものであり、特に、これらの化合物を、癌の抗体指令型酵素-プロドラッグ療法(antibody-directed enzyme-prodrug therapy; ADEPT)および遺伝子指令型酵素-プロドラッグ療法(gene-directed enzyme-prodrug therapy; GDEPT)用のプロドラッグとして用いることに関する。
発明の背景
プロドラッグの使用は、癌療法において臨床上非常に有用性が高い構想である。というのは、特にプロドラッグが、腫瘍関連抗原に結合するモノクローナル抗体に連結可能な酵素の作用下にて抗腫瘍剤へ変換されるものである場合には、このようなプロドラッグをこのような酵素/モノクローナル抗体コンジュゲートと組み合わせることは非常に効力の高い臨床薬剤に該当するからである。この癌療法に対するアプローチは、多くの場合「抗体指令型酵素/プロドラッグ療法(antibody directed enzyme/prodrug therapy)」(ADEPT)と呼ばれ、WO88/07378に開示されている。
「ウイルス指令型酵素プロドラッグ療法(virus-directed enzyme prodrug therapy)」(VDEPT)と呼ばれる別の治療アプローチが、プロドラッグを使用して患者の腫瘍細胞を治療する方法として既に提案されている。腫瘍細胞は、プロドラッグを活性化し得る酵素をコードする遺伝子を保有するウイルスベクターによってターゲティングされる。この遺伝子は、組織特異的プロモーターまたはエンハンサー配列によって転写を制御することが可能である。このウイルスベクターは腫瘍細胞へ侵入して該酵素を発現し、腫瘍細胞内でプロドラッグを活性薬剤へと変換する(Huberら,Proc. Natl. Acad. Sci. USA(1991)88, 8039)。あるいは、遺伝子を送達するのにウイルスを用いない方法も使用されている。このような方法としては、リン酸カルシウム共沈、マイクロインジェクション、リポソーム、直接的なDNAの取り込み、および受容体介在型のDNA導入が挙げられる。これらについては、Morgan & French, Annu. Rev. Biochem., 1993, 62; 191に概説されている。用語「GDEPT」(遺伝子指令型酵素プロドラッグ療法)は、ウイルスを用いる送達系およびウイルスを用いない送達系の双方を含むものとして使用する。
シクロプロピルインドール化合物は、低pMの範囲にIC50を有する非常に効力の高い抗腫瘍抗生物質の一種であり、天然物CC-1065(V.L. Reynoldsら,J.Antibiot., 39, 1986, 319-314)およびデュオカルマイシン(duocarmycin)(D.L. Boger, Pure & Appl. Chem., 66, 1994, 837-844)が含まれる。これらの化合物はDNAの小溝に結合し、高度に配列選択的な方法でアデニンのN-3位をアルキル化する(D.L. Bogerら,Tetrahedron, 47, 1991, 2661-1682)。アルキル化サブユニットのモデル化合物を用いた研究より、より安定な開鎖seco前駆体がシクロプロピルインドール化合物と同じ位効力のあることが判明している。さらに、閉環はDNAのアルキル化に必須なことではなく、6-置換基(D.L. Bogerら,J. Am. Chem. Soc., 113, 1991, 3980-3983)および1-置換基(D.L. BogerおよびW. Yun, J. Am. Chem. Soc., 116, 1994, 5523-5524)の両方でアルキル化の速度をある程度電子的に制御している。
天然物の合成類似体が数多く製造されているが、その場合、酸素はカルバメートとして保護される。該カルバメートは活性のため(非特異的な酵素加水分解によって)切断しなければならないものである。これらの化合物には、カルゼレシン(carzelesin)(L.H. Liら,Cancer Res., 52, 1992, 4904-4913)およびKW-2189(E.Kobayashiら,Cancer Res., 54, 1994, 2402-2410)が含まれ、これらは、ある範囲のヒト腫瘍に対して抗癌活性を示し、臨床試験中である。これらの化合物は、それぞれ構造AおよびBを有する:
Figure 0004155598
同様の種類のさらに別の類似体はWO88/04659およびWO91/16324に開示されている。
発明の開示
一つの態様では、本発明は、式(I)で表される新規なクラスのsecoシクロプロピルインドールまたはこれらの生理学上機能的な誘導体に関するものである:
Figure 0004155598
[式中、
XはハロゲンまたはOSO2Rであり、ここでRはH、またはヒドロキシルもしくはアミノ基で任意に置換されていてもよい低級アルキル(最大炭素数4)を表し、このアミノ基は1個または2個のC1-4アルキル基によって任意に置換されていてもよく;
YはNO2、NHOH、N3、NHR、NRR、N=NR、N(O)RR、NHSO2R、N=NPhR、SRまたはSSRであり、ここでPhはベンゼン環であり、Rは先に定義した通りであるが、YがN=NRまたはSSRである場合には、Rは一般式(I)のもう一つの部分であってもよく(即ち、対称ジスルフィドまたはアゾ化合物);
Wは式(Ia、IbまたはIc)の構造から選ばれるものであり:
Figure 0004155598
(式中、Eは-N=または-CH=であり、GはO、SまたはNHであり、QはR、OR、NRR、NO2、CONHR、NHCORまたはNHCONHRのうちのいずれか3個までであるか(ここでRは先に定義した通りであるが、Qが2個もしくは3個の場合にはRは同一でも異なっていてもよい)または式(Ia、IbまたはIc)の追加の基であり、HETは5-もしくは6-員の炭素環またはN、OもしくはSから選ばれる原子を最大2個含む複素環を表す);
AおよびBは共同して縮合ベンゼンまたは2-CO2Rピロール環を表し、ここでRは先に定義した通りである]。
第二の態様では、本発明は、式(II)で表されるクラスの化合物またはこれらの生理学上機能的な誘導体に関する:
Figure 0004155598
[式中、A、B、E、G、Q、R、WおよびXは一般式(I)、(Ia)、(Ib)または(Ic)で先に記載したものを表し、JはOHまたはRであり(ここでRは先に定義した通りである)、Pはニトロレダクターゼまたはカルボキシペプチダーゼ酵素に対する基質である基であって、そのため前記酵素の一方によって基Pを除去することができ、基Pは式(IIa)、(IIb)、(IIc)または(IId)の部分から選択することが可能である:
-C(O)-(CZ2)n-Ph (IIa)
-C(O)-O-CH2-Ph (IIb)
-C(O)-NH-C(COOH)-(CH2)2-COOH (IIc)
-C(O)-O-CH2-Phe-L-C(O)-NH-C(COOH)-(CH2)2-COOH (IId)
(式中、Zの各存在は独立にHまたはMeであり、nは1または2であり、Phは部分(IIa)ではニトロ基で2位を置換されたフェニル部分および部分(IIb)ではニトロ基で2位もしくは4位を置換されたフェニル部分であり、PheはOまたはNHである基-Lが基-O-CH2に対してパラであるフェニレン(C6H4)環であり、基PhおよびPheは基R、CONHR、NHCOR、NHR、ORまたはSO2R(ここでRは先に定義した通りである)であり得る基R1によってさらに任意に置換されていてもよい)]。
一般式(I)および(II)のうちのある化合物は、2つの異なる鏡像異性体またはジアステレオマーの一方の形態で存在し得ることが認められている。このような場合には、一般式(I)および(II)は鏡像異性体またはジアステレオマーのいずれか一方の形態に該当するか、または両方の形態を含むものであると理解されるべきである。
ハロゲン基は、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード基を意味する。クロロ基が好適である。式(I)および(II)の好適な化合物には、XがClを表すものが含まれる。好適な化合物には、Wが(Ia)を表し、Eが-CH=を表し、GがNHを表し、Qが3個のOme基を表すものが含まれる。Pが式(IIb)を表す化合物も好適である。R1は望ましくはHまたはCONHRを表す(ここでRは先に定義した通りである)。CH2X置換基がS配置である化合物も好適である。
式(I)の化合物の例としては、式(III):
Figure 0004155598
(式中、X、Y、E、GおよびQは先に定義した通りである)
のものと、式(IV):
Figure 0004155598
(式中、X、Y、E、GおよびQは先に定義した通りである)
のものが挙げられる。
Pが基(IIb)である場合、ニトロ基が4-(パラ)位にあるのが好適である。
別の態様では、本発明は、式(I)および(II)の化合物を抗癌薬として用いることに関する。これらの化合物は、癌、例えば、白血病や特に固形癌(乳癌、腸癌および肺癌(小細胞肺癌を含む))の治療方法において、酸素性(oxic)および低酸素性(hypoxic)腫瘍細胞を選択的に死滅させるのに使用することができる。
さらに別の態様では、本発明は、ADEPTおよびGDEPT療法において、式(II)の化合物をニトロレダクターゼまたはカルボキシペプチダーゼ酵素(例えば、E.coliから単離される好気性(aerobic)NR2ニトロレダクターゼ)と併用することに関する。
本発明はまた、式(I)または式(II)の化合物を製剤学上許容される担体または希釈剤と共に含んでなる医薬組成物も提供する。
図面の説明
図1〜4には、以下で各々スキーム1〜4と称する本発明の化合物の合成経路を示す。
図5には、実施例で具体的に例示し、下記の表1に特性を示す本発明の化合物の一般構造を示す。
図1〜4では、図中の小文字のローマ数字は反応条件を表すが、その詳細は添付の説明および実施例に記載する。しかしながら、反応条件の概略を以下に要約する:
図1:
(i) NaHCO3(1当量)、次いで塩化4-MeOベンジル
(ii) 70%HNO3/AcOH
(iii) (Tf)2O/NEt3/CH2Cl2
(iv) CH2(COOMe)2/K2CO3/DMF
(v) CF3COOH/PhOCH3
(vi) SOCl2/DMF(1:1)/py/NaN3/CH2Cl2
(vii) トルエン/還流
(viii) BH3.DMS/THF/還流
(ix) (BOC)2O/N-メチルイミダゾール
(x) NaOMe/MeOH/THF/20℃、次いでCF3COOH
(xi) DIBAL/THF
(xii) MsCl/py、次いでLiCl/DMF
(xiii) HCl、次いでEDCI.HCl/5,6,7-TMI-2-カルボン酸
(xiv) H2/PtO2/THF
図2:
(i) HS(CH2)2SH/BF3.OEt2
(ii) NaHCO3、次いで塩化4-MeOベンジル
(iii) (CF3SO2)2O/Et3N
(iv) CH2(CO2Me)2/NaH
(v) CF3CO2H
(vi) (PhO)2PON3/Et3N
(vii) BH3.Me2S
(viii) (BOC)2O/DMAP
(ix) NaOMe
(x) DIBAL
(xi) Hg(ClO4)2
(xii) N3CH2COOMe/NaOMe
(xiii) キシレン/加熱
(xiv) Pph3/CCl4
(xv) スキーム1の工程(xiii)
(xvi) スキーム1の工程(xiv)
図3:
(i) NaHCO3、次いで塩化4-MeOベンジル
(ii) (CF3SO2)2O/Et3N
(iii) CH2(CO2Me)2/NaH
(iv) CF3CO2H
(v) (PhO)2PON3/Et3N
(vi) BH3/Me2S
(vii) (BOC)2O/DMAP
(viii) NBS/CCl4
(ix) DMSO
(x) HS(CH2)2SH/BF3.OEt2
図4:
(i) BH3/B(OMe)3
(ii) Ac2O/Et3N
(iii) Fe/AcOH
(iv) (BOC)2O
(v) 臭化アリル/NaH
(vi) K2CO3
(vii) MnO2
(viii) N3CH2CO2Me/NaHMDS
(ix) MsCl/Et3N
(x) キシレン
(xi) Bu3SnH/TEMPO
(xii) Zn/AcOH
(xiii) HNO3/MeNO2
(xiv) HCl、次いでTMI酸/EDCI
(xv) ジクロロトリフェニルホスホラン/ピリジン
(xvi) H2/PtO2/THF
(xvii) HCO2H/Ac2O/THF、次いで(32a)BH3.DMS/還流
(32c)NaBH3CN/HCHO
(32d)4-NO2PhCH2OCOCl
発明の詳細な説明
A. 式(I)の化合物の合成
AおよびBが縮合ベンゼン環を表す式(I)の化合物は、スキーム1に概略した工程で製造することができる。
スキーム1では、1-ヒドロキシナフタレン-2-カルボン酸(1)を4-メトキシベンジルエステル(2)として保護し、これをAcOH中70%HNO3で4-位をニトロ化して(3)を生成させる。次いでこれを1-トリフルオロメタンスルホネート誘導体(4)へ変換させ、直接マロン酸ジメチルアニオンで処理して1-マロニル誘導体(5)を生成させる。TFAによる4-メトキシベンジルエステル基の脱保護より酸(6)を得、これをアジ化ナトリウムおよびピリジンの存在下にてSOCl2/DMF付加物で処理することにより不安定なカルボニルアジド(7)へ変換させる。これをトルエン中で加熱するとインドロン(indolone)(8)に環化する。これをTHF中にてボラン/硫化ジメチルで還元してインドリン(indoline)(9)を生成させ、ジt-ブチルジカーボネートでN-保護して(10)を得る。このジエステル化合物をナトリウムメトキシドで脱カルボキシメチル化し、得られたモノエステル(11)をDIBALで還元してアルコール(12)とする。このアルコールを、ピリジン中にてハロゲン化アルキルスルホニル(好ましくは、スキーム1に例示したような塩化メタンスルホニル)で処理する。Xがハロゲンである式(I)の化合物を所望する場合には、この反応の後、得られたスルホネートエステルをハロゲン化リチウムまたはハロゲン化カリウムで処理する。スキーム1の例では、DMF中で塩化リチウムにより処理して塩化物(13)を得ている。HClガスで飽和したジオキサンで処理して(13)のN-BOC基を除去し、得られた遊離のアミンをEDCI-HClの存在下にて直ちに酸と反応させ、対応のアミドを得る(スキーム1の例では、5,6,7-トリメトキシインドール-2-カルボン酸と反応させて式(I)の(14a)を得ている)。基Wに対応する他の酸は容易に入手できる。例えば、式(Ia)に対応する酸の場合には、WO88/04659およびWO91/16324に開示されている合成経路を参照することができる。式(Ib)に対応する酸の場合には、文献にいくつかの合成法が記載されている(例えば、Wang, Y., Grupta, R., Huang, L., Luo, W.およびLown, J.W., Anti-Cancer Drug Design, 1996, 11, 15-34)。この実施例では、酸化白金の存在下での水素化による(14a)の還元によって、所望のアミノ化合物(15a)を生成させた。DMF中でのニトロ化合物(式(I)においてY=NO2)の水素化を制御すれば、ヒドロキシルアミン(式(I)においてY=NHOH)が得られる。ジアゾニウム化学を利用して、アミノ化合物(式(I)においてY=NH2)をアジド(式(I)においてY=N3)、硫黄誘導体(式(I)においてY=SRもしくはSSR)または対称アゾ化合物(式(I)においてY=NNR)へ変換することもできる。非対称アゾ化合物(式(I)においてY=NNPhR)は、アミン(式(I)において*Y=NH2)をニトロソ化合物ONPhRと反応させることで製造できる。このアミン(式(I)においてY=NH2)は標準的な方法(還元的アミノ化を含む)によってアルキル化させ、置換アミン(式(I)においてY=NHRまたはNRR)とすることもできる。Yが第三級アミンの場合、酸化(例えば、過酸を用いる)を利用して対応のN-オキシド(式(I)においてY=NRR(O))を生成することができる。
AおよびBが縮合ピロール環(2-メトキシカルボニル置換基を有する)を表す式(I)の化合物は、スキーム2〜4に概略した工程によって製造することができる。スキーム2では、3-カルボキシ-2-ヒドロキシ-5-ニトロベンズアルデヒド(16)[Bull. Soc. Chim, Fr., 1969, 817]を1,3-ジチアン誘導体(17)として保護する。エステル(18)としての酸の保護、トリフルオロメタンスルホネート(19)の製造、マロン酸ジメチルアニオンでの置換による(20)の生成、エステルの脱保護による酸(21)の生成は、本質的にスキーム1に記載した通りに進める。酸(21)をトリエチルアミンの存在下にてアジ化ジフェニルホスホリルで環化してインドロン(22)とし、次いでボラン/硫化ジメチルで還元してインドリン(23)とし、N-BOC誘導体(24)として保護する。これをナトリウムメトキシドで処理することにより脱カルボキシメチル化を行い、モノエステル(25)をDIBALでアルコール(26)へ還元し、1,3-ジチアン保護基を水銀(II)塩ではずす。得られたアルデヒド(27)をナトリウムメトキシドの存在下にてアジド酢酸メチルと縮合させ、生成物(28)を沸騰キシレン中で環化してピロール縮合アルコール(29)を生成させる。トリフェニルホスフィン/四塩化炭素を用いて、これを塩化物(30)へ変換させることが可能である。BOC保護基の除去、酸(スキーム2の例では、5,6,7-トリメトキシインドール-2-カルボン酸)とのカップリングによる(31)の生成、続いて酸化白金での水素化によるアニリン(32)の生成は、スキーム1に記載の手順に従う。
スキーム3には、AおよびBが縮合ピロール環(2-メトキシカルボニル置換基を有する)を表す式(I)の化合物の別の合成手順を示す。スキーム3では、2-ヒドロキシ-3-メチル-5-ニトロ安息香酸(33)[Ann., 1900, 311, 26]を4-メトキシベンジルエステル(34)として保護する。トリフルオロメタンスルホネート(35)への変換、マロン酸エステルでの置換による(36)の生成、およびエステルの脱保護による酸(37)の生成は、本質的にスキーム1に記載した通りに進める。スキーム2に記載した通り、酸(37)を環化してインドロン(38)とし、インドリン(39)へ還元し、N-BOC誘導体(40)として保護する。N-ブロモスクシンアミドで臭素化して臭化物(41)を得、これをアルデヒド(42)へ酸化した後に保護し、スキーム2の1,3-ジチアン(24)を生成させる別の経路とすることも可能である。
スキーム4には、AおよびBが縮合ピロール環(2-メトキシカルボニル置換基を有する)を表す式(I)の化合物のさらに別の合成手順を示す。スキーム4では、2-ヨード-3-ニトロ安息香酸(43)をボラン-硫化ジメチルで還元してアルコール(44)とし、酢酸エステル(45)へ変換し、次いで還元(Fe粉末/AcOH)してアミン(46)とし、NBOC誘導体(47)として保護する。これを順番に臭化アリルでN-アルキル化してN-アリル化合物(48)を生成させ、アルコール(49)へ加水分解し、これをMNO2で酸化してアルデヒド(50)を得る。(50)をナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドおよびアジド酢酸メチルで処理してアジドアルコール(51)を得、これを塩化メタンスルホニルおよびトリエチルアミンと反応させてアジドケイ皮酸エステル(52)へ変換する。(52)のキシレン溶液を還流下で加熱してインドール(53)を得る。(53)を水素化トリブチル錫およびTEMPO(2,2,6,6-テトラメチルピペリジニルオキシ)と反応させて(54)を生成させ、これをZn粉末で還元してピロロ[3,2-e]インドール(55)とし、これをCH3NO2中で濃HNO3でニトロ化して(29)を得る。HClで飽和したジオキサン中で(29)のNBOC基を除去し、スキーム1に記載した通り、得られた遊離のアミンをEDCI-HClの存在下にて直ちに酸と反応させて対応のアミドを生成させる(スキーム4に例示したケースでは、5,6,7-トリメトキシインドール-2-カルボン酸と反応させて(56)を得ている)。(56)をジクロロトリフェニルホスホランで処理して塩化物(31)を生成させ、これを水素化(THF/PtO2/H2)してアミン(32a)とする。
スキーム1〜4は各々特定の置換基を用いて例示してあるが、代わりの置換化合物を用いて式(I)の別の化合物を生成することも可能である。上述のスキーム1〜4以外にも、WO88/04659およびWO91/16324に開示されている合成経路、特にQが式(Ia)の別の基である合成経路を参照することも可能である。類似の経路を利用して本発明の化合物を製造してもよい。
B. 式(II)の化合物の合成
Pが(IIa)または(IIb)である式(II)の化合物は、YがNH2、NHOHまたはNHRである式(I)の化合物を、各々対応のカルボン酸またはアルコールから製造した(IIa)または(IIb)の反応性誘導体(例えば、酸またはクロロホルメート誘導体)と反応させることで製造できる。これらのカルボン酸およびアルコールは、公知の化学によって製造が可能であり、市販されているものもある。
Pが(IIc)である式(II)の化合物は、YがNH2、NHOHまたはNHRである式(I)の化合物を、グルタミン酸の反応性誘導体(例えば、イソシアネートまたは保護されたイソシアネート)と反応させることで製造できる。グルタミン酸のカルボキシ基は、基R(ここでRは先に定義した通りであるが、Hではない)とのエステル化によって保護することが可能である。t-ブチルエステル基が好適であり、適切な反応条件については、例えばWO88/07378およびWO91/03460を参照することができる。
C. GDEPT
C(i)−ベクター系
一般に、GDEPT療法に使用されるベクターは、適切なDNAまたはRNAベクターであればどのようなものでもよい。
適切なウイルスベクターとしては、レトロウイルスをベースとするものが挙げられる。このようなベクターは当該技術分野で広く入手可能である。Huberら(前掲)は、両栄養性レトロウイルスを肝癌細胞、乳癌細胞、結腸癌細胞または皮膚細胞の形質転換に使用することを報告している。Culverら(Science (1992) 256; 1550-1552)も、GDEPTにおけるレトロウイルスベクターの使用を記載している。このようなベクターまたはこれらから誘導されたベクターも使用することができる。他のレトロウイルスを使用して、本発明での使用に適したベクターを作製することも可能である。このようなレトロウイルスにはラウス肉腫ウイルス(RSV)が含まれる。
Englehardtら(Nature Genetics (1993) 4; 27-34)は、嚢胞性線維症膜貫通コンダクタンス産物(cystic fibrosis transmembrane conductance product; CFTR)の細胞への送達において、アデノウイルス系のベクターの使用を記載しており、このようなアデノウイルス系ベクターも使用可能である。アデノウイルスプロモーターまたは他の制御配列を利用するベクターは、本発明の系を肺の細胞へ送達するのに有利であり、そのため、肺癌を治療するのに有用である。
モロニーマウス白血病ウイルスをベースとするベクターを含む他のベクター系が公知である(Ram, Zら,Cancer Research (1993) 53; 83-88; Dalton & Treisman, Cell (1992) 68; 597-612)。これらのベクターは、β-グロビン最小プロモーター位置よりも上流にクローニングされたマウス白血病ウイルス(MLV)エンハンサーを含む。開始ATGまでのβ-グロビン5’非翻訳領域は、酵素の効率的な翻訳を指令するように供給されている。
上述のベクターで使用できる適切なプロモーターには、MLVプロモーター、CMVプロモーター、RSVプロモーターおよびアデノウイルスプロモーターが含まれる。好適なアデノウイルスプロモーターはアデノウイルス初期遺伝子プロモーターである。強力な哺乳動物プロモーターも適切である。このようなプロモーターの例は、MizushimaおよびNagata((1990), Nucl. Acids Res. 18; 5322)を参照して得られるEF-1αプロモーターである。実質的に同様の転写活性を保持するこのようなプロモーターの変異体も使用することができる。
C(ii)−ニトロレダクターゼ
Pが基(IIa)または(IIb)である式(II)の化合物およびYが基NO2またはN(O)RRである式(I)の化合物は、基PまたはY(先で定義した通り)をニトロレダクターゼで還元することによって活性化することができる。
好ましくは、酵素は細菌由来のニトロレダクターゼ等の非哺乳動物由来のニトロレダクターゼ酵素である。WO93/08288に開示されているようなE.coliニトロレダクターゼが特に好適である。この酵素は、例えば、酵素をクローニングし、その遺伝子配列を決定し、例えば位置指定突然変異誘発による配列の末端切断、置換、欠失または挿入等の方法によって遺伝子配列を改変するといった標準的な組換えDNA技術で修飾してもよい。標準的な組換えDNA技術の詳細については、“Molecular Cloning”, Sambrookら(1989, Cold Spring Harbor)を参照されたい。行われる修飾は、式(II)の保護基Pのニトロ基または式(I)においてYで表されるニトロ基もしくはアミンN-オキシド基を還元する能力が酵素に残される一方、酵素の別の特性(例えば、反応速度または選択性)が改変されるものであれば、どのようなものでもよい。
さらに、ベクターの作製に必要な操作(酵素をコードする核酸配列を様々な他のベクター配列へ連結させる)の結果、N-および/またはC-末端配列の小規模な末端切断が起こる場合がある。
C(iii)−カルボキシペプチダーゼ
Pが基(IIc)である式(II)の化合物は、カルボキシペプチダーゼで基Pを除去することによって活性化することができる。
酵素は好ましくは細菌由来のカルボキシペプチダーゼ、特にカルボキシペプチダーゼCPG2またはシュードモナス(Pseudomonas)γ-グルタミルヒドロラーゼEC3.4.22.12である(Levy CC & Goldman P J. Biol. Chem. 242; p2933 (1967))。
カルボキシペプチダーゼG2(CPG2)はWO88/07378に開示されている。天然のCPG2が好適であるが、アミノ酸を置換、欠失または挿入させる(例えば、それぞれ約1、2、3、4、5、10または20残基を置換、欠失または挿入させる)等、酵素配列に対して改変を加えることも可能である。いずれにしても、この改変は、天然の酵素と実質的に同一の速度でプロドラッグを活性薬剤へ変換させる能力を酵素が保持するようなものである。このような場合、「実質的に同一の速度」とは、望ましくは1桁の範囲であり、このましくは約50倍(例えば、約2倍弱〜2、5または10倍強)である。
特定の変更以外にも、先に定義した通り、酵素の活性が実質的に変化しない限りは、他に酵素を末端切断、置換、欠失または挿入によって改変してもよい。例えば、ベクターの作製に必要な操作(酵素をコードする核酸配列を適切なプロモーターへ連結させる)の結果、N-および/またはC-末端配列において小規模な末端切断が起こる場合もある。
D. ADEPT
ADEPTシステムに応用する場合は、腫瘍特異的マーカーに対する抗体をニトロレダクターゼまたはカルボキシペプチダーゼ酵素に連結させる。これらの酵素は上記のように修飾したものでもよい。この抗体は、モノクローナルまたはポリクローナルのいずれでもよい。本発明では、用語「抗体」は、特に明記しない限り、腫瘍標的抗原に対する結合活性を保持する全抗体のフラグメントを含むものである。このようなフラグメントには、Fv、F(ab’)およびF(ab’)2フラグメント並びに単鎖抗体が含まれる。さらに、抗体およびそのフラグメントは、例えばEP-A-239400に記載されているようなヒト化抗体であってもよい。
この抗体は、従来のハイブリドーマ技術によって産生することができ、また、修飾抗体またはフラグメントの場合には、例えば、プロモーターに機能的に連結された修飾抗体またはフラグメントをコードするDNA構築物を適切な宿主ベクター中で発現させるといった組換えDNA技術によって産生することが可能である。適切な宿主細胞としては、細菌細胞(例えば、E.coli)、酵母、昆虫細胞および哺乳動物細胞が挙げられる。このような組換え技術によって抗体を産生する場合には、前記酵素は、該酵素(上述のように任意に修飾されたもの)をコードする核酸配列を抗体またはそのフラグメントをコードする構築物の配列の3’または5’末端に連結させることによって産生することが可能である。
E. 生理学上機能的な誘導体
プロドラッグの生理学上機能的な誘導体には、塩、アミドおよびエステルが含まれる。エステルとしては、エステル基のカルボニル以外の部分が直鎖もしくは分枝鎖C1-6アルキル(メチル、n-プロピル、n-ブチルもしくはt-ブチル);またはC3-6環状アルキル(例えば、シクロヘキシル)から選ばれるカルボン酸エステルが挙げられる。塩としては、生理学上許容される塩基塩(例えば、アルカリ金属(例えばナトリウム)塩、アルカリ土類金属(例えばマグネシウム)塩、アンモニウム塩およびNR”4塩(ここでR”はC1-4アルキルである)等の適切な塩基から誘導したもの)が挙げられる。他の塩としては、塩酸塩および酢酸塩等の酸付加塩が挙げられる。アミドとしては、未置換、一置換および二置換の誘導体が挙げられる。このような誘導体は、薬剤学の技術分野で自体公知の技術によって製造することができる。
F. 本発明の用途
本発明の化合物は、人体または動物身体の治療方法に使用することができる。この様な治療には、新生物疾患を有する患者の新生物細胞の増殖を治療する方法が含まれ、この方法は、治療を必要とする患者に本発明の式(I)の化合物または本発明の式(II)の化合物をADEPTまたはGDEPT療法システムの一部として投与することを含んでなるものである。新生物疾患には、白血病および固形腫瘍(乳癌、腸癌および肺癌(小細胞肺癌を含む))が含まれる。
腫瘍の治療に関連する場合、治療には、患者に対する腫瘍の影響を軽減するのに医師がとり得る任意の手段が含まれることは明らかであろう。従って、腫瘍の完全な緩解が望ましい最終目標ではあるが、効果的な治療として、腫瘍の部分的な緩解並びに転移を含む腫瘍の増殖速度の低下を達成できる任意の手段を挙げることもできるであろう。このような手段は、生活の質を延長および/または向上させるのに有効であり、疾患の病状を軽減するのに有効であると言える。
F(i):式(I)の化合物
本発明の式(I)の化合物は、患者の新生物疾患の治療方法に使用することができ、この方法は、治療を必要とする患者に有効量の化合物(I)を投与することを含んでなるものである。この化合物は、医薬組成物の形態で投与することが可能である。
化合物の正確な用量は医師の判断に任されており、患者の症状および要求を考慮に入れて決めるが、典型的な用量は、患者一人当たり1日につき約0.1〜200mg/kg、好ましくは約10〜100mg/kgの範囲であろう。
F(ii):ADEPT療法
ADEPT用の抗体/酵素コンジュゲートは同時に投与することができるが、臨床医療では、多くの場合、酵素/薬剤コンジュゲートに腫瘍標的領域へ局在する機会を与えるため、プロドラッグの投与に先立ち(例えば、72時間前までに、または1週間前まででもよい)酵素/薬剤コンジュゲートを投与するのが好ましいことが判っている。このように操作を行うことで、プロドラッグを投与した際に、プロドラッグの細胞傷害性薬剤への変換が、酵素/薬剤コンジュゲートが局在する領域(即ち、標的腫瘍の領域)に限られるようになり、式(II)の化合物の早期放出が最小限に抑えられる。
ADEPTでは、酵素/薬剤コンジュゲートの局在化の程度(自由に循環する活性コンジュゲートに対する局在化コンジュゲートの比率)を、WO89/10140に記載のクリアランス系および/または不活化系を用いてさらに増大させることができる。これには、通常、コンジュゲートの投与後かつプロドラッグの投与前に、酵素を不活化するか、および/または血液からのコンジュゲートのクリアランスを促進するようなコンジュゲートの部分に結合し得る成分(「第二成分」)を投与することが含まれる。このような成分には、この系の酵素成分に対する抗体であって、酵素の不活化が可能なものが含まれる。
第二成分は、デキストラン、リポソーム、アルブミン、マクログロブリン、またはO型赤血球等の巨大分子に連結されてもよく、これにより、第二成分が血管内腔(vascular compartment)を去らないようにする。さらに、また、これとは別に、この第二成分には共有結合によって結合された十分な数のガラクトース残基またはラクトースもしくはマンノース等の他の糖の残基が含まれ、その結果、第二成分は血漿中でコンジュゲートに結合できるものの、肝臓にあるガラクトースまたは他の糖に対する受容体によってコンジュゲートと共に血漿から除去されるようになる。この第二成分は、腫瘍の血管外空間(ここでは、プロドラッグの投与前および投与中に、局在化したコンジュゲートが第二成分によって不活化される可能性がある)へどのような認め得る程度にも侵入することがないよう、投与および使用設計がなされなければならない。
ADEPTシステムでは、プロドラッグおよびコンジュゲートの用量は、最終的には医師の判断に任され、医師は患者の年齢、体重および症状といった要因を考慮して決定するであろう。プロドラッグおよびコンジュゲートの適切な用量は、Bagshaweら,Antibody, Immunoconjugates, and Radiopharmaceuticals (1991), 4, 915-922に記載されている。コンジュゲートの適切な用量は500〜200,000酵素単位/m2(例えば、20,000酵素単位/m2)であり、プロドラッグの適切な用量は患者一人当たり1日につき約0.1〜200mg/kg、このましくは約10〜100mg/kgである。
治療が望まれる部位においてコンジュゲートの最大濃度を確保するためには、通常、この2成分を少なくとも4時間の間隔をあけて投与するのが望ましい。厳密な治療プログラム(regime)は、ターゲティングすべき腫瘍の性質およびプロドラッグの特性を含む各種要因によって左右されるが、通常、48時間以内には治療が望まれる部位においてコンジュゲートの濃度が最適となるであろう。
ニトロレダクターゼを用いる場合には、ADEPTシステムには好ましくは該酵素の適切な補因子も含まれる。適切な補因子としては、ニコチン酸またはニコチンアミドのリボシドまたはリボチドが挙げられる。
抗体/酵素コンジュゲートは、通常ADEPT療法で使用される任意の適切な経路で投与することができる。これには、下記のG(iv)節に記載するのと同様の方法および製剤による抗体の非経口投与が含まれる。
F(iii):GDEPT療法
療法でベクターを使用する場合には、例えば、Ramら(前掲)に記載されているように、このベクターは通常ウイルス粒子にパッケージされており、この粒子が腫瘍部位へ送達される。ウイルス粒子は、抗体、抗体フラグメント(単鎖を含む)または腫瘍特異的リガンド(tumour-directed ligand)を含むように修飾してもよく、これにより腫瘍のターゲティングを強化することが可能である。あるいは、ベクターをリポソームへ封入してもよい。リポソームは特定の腫瘍へターゲティングさせることが可能である。これは、腫瘍特異的抗体(tumour-directed antibody)をリポソームに結合させることで達成することができる。ウイルス粒子をリポソームへ内包させてもよい。ウイルス粒子は、医師の判断に応じて任意の適切な手段によって腫瘍へ送達させることが可能である。好ましくは、ウイルス粒子は腫瘍細胞に選択的に感染することが可能なものである。「選択的に感染する」とは、ウイルス粒子が主に腫瘍細胞に感染し、腫瘍細胞以外の感染細胞の割合が、プロドラッグの投与による腫瘍細胞以外の細胞の損傷が治療する疾患の性質を考慮した上で許容できる程度に低くなるような割合であることを意味する。最終的には、このことは医師によって決定されるものである。
一つの適切な投与経路は、無菌溶液中のウイルス粒子を注射することである。例えばパッケージング細胞系から単離されたウイルスを、局所潅流もしくは直接腫瘍内注入、または体腔への直接注射(腔内投与)、例えば腹腔内注射によって投与することも可能である。
VDEPTに対する厳密な薬剤投与プログラムは、もちろん、臨床医各人が患者一人一人について決定する必要があり、また、プロドラッグおよびプロドラッグから放出される細胞傷害性薬剤の正確な特性によって制御すべきものであるが、全般的な指針を提供することも可能である。この種の化学療法には、通常、修飾したウイルスを非経口投与することが含まれ、多くの場合、静脈内経路による投与が最も実用的であることが判っている。
GDEPTシステムでは、送達されるウイルスまたは他のベクターの量は、酵素の細胞質濃度を上述のADEPTシステムの場合と同程度にするような量である。典型的には、このベクターを患者に投与し、次いで形質転換細胞または感染細胞(ウイルスベクターの場合)によるベクターの取り込みを、例えば標的組織の生検サンプルの回収および分析によってモニターする。このことは、ある範囲の試験用量を患者に投与し、標的細胞もしくは腫瘍の感染または形質転換の程度を測定することを含む臨床試験によって決定することが可能である。必要とされるプロドラッグの量は、ADEPTシステムの場合と同等かそれよりも多いであろう。
GDEPTシステムを用いる場合には、プロドラッグは、通常、酵素をコードするベクターの投与に続けて投与される。プロドラッグの適切な用量は、患者一人当たり1日につき約0.1〜200mg/kg、好ましくは約10〜100mg/kgである。
F(iv):薬剤またはプロドラッグの投与
式(I)の化合物または式(II)のプロドラッグは単独で投与することが可能である一方、医薬製剤とするのが好ましい。この製剤には、化合物の他に、1種以上の許容されるその担体および任意に他の治療成分が含まれる。担体は、製剤の他の成分に対して適合性があり、かつそのレシピエントに対して有害ではないという意味で「許容される」ものでなければならず、例えば、リポソームがある。適切なリポソームとしては、例えば、正に帯電した脂質(N[1-(2,3-ジオレイルオキシ)プロピル]-N,N,N-トリエチルアンモニウム(DOTMA))を含むもの、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)を含むもの、および3β[N-(n’N’-ジメチルアミノエタン)-カルバモイル]コレステロール(DC-Chol)を含むものが挙げられる。
非経口投与または筋肉内投与に適した製剤としては、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、殺菌性抗生物質、および該製剤を所定のレシピエントの血液と等張にする溶質を含んでいてもよい水性および非水性の無菌注射溶液;並びに懸濁化剤、増粘剤、および化合物を血液成分もしくは1種以上の器官へターゲティングさせるように設計されたリポソームまたは他の微粒子系を含んでいてもよい水性および非水性の無菌懸濁液が挙げられる。この製剤は、単回量または複数回量の容器(例えば、密封されたアンプルやバイアル)に入れてもよく、使用直前に注射用の無菌液状担体(例えば、水)を添加するだけでよい凍結乾燥状態で保存することも可能である。注射溶液および懸濁液は、既に記載されている種類の無菌粉末、無菌顆粒および無菌錠剤からその場で調製することも可能である。
特に上述した成分以外にも、該製剤には、この種の製剤に関連する技術分野で慣用の他の薬剤が含まれていてもよいことは理解されるべきである。可能な製剤のうち、発熱性物質を含まない水性および非水性の無菌溶液が好適である。
用量は連続的に(例えば、日に一度、週に一度または月に一度の間隔)で投与することができ、また、患者の特定の要望に応じて投与してもよい。好適な投与経路は経口送達および注射であり、典型的には、非経口、即ち筋肉内注射または腫瘍内注射である。
厳密な薬剤投与プログラムは、もちろん、臨床医各人が患者一人一人について決定する必要があり、また、式(I)の化合物の正確な特性によって制御すべきものであるが、全般的な指針を提供することも可能である。典型的な投与量の範囲は、通常、上述した範囲であり、単回量または複数回量で投与することができる。他の用量は、医師の判断に任せて患者の症状および他の要因に応じて使用すればよい。
以下、実施例を挙げて本発明を説明する。実施例は次頁以降に記載する。
実施例
以下の実施例A〜NNは、スキーム1〜4に概略を示した方法による一般式I及びIIで表される化合物の調製を示す。調製された化合物について下記表1にまとめた。2列目は図5に記載された構造に関する。
Figure 0004155598
Figure 0004155598
実施例A:1-クロロメチル-5-ニトロ-3-[5,6,7-トリメトキシインドール-2-イル)-カルボニル]-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドールの調製
(これはスキーム1の化合物(15a)である。1-ヒドロキシナフタレン-2-カルボン酸(1)の粉末化ナトリウム塩(61.3g, 0.29mmol)のDMSO(205mL)懸濁液を、塩化4-メトキシベンジル(98%, 46.7g, 0.29mmol)で処理したあと、70℃で1時間攪拌した。冷却した後、この混合物を希KHCO3水(3.5L)の中に注ぎ、得られた沈殿物を回収して水で洗浄し、乾燥した。沸騰した石油エーテル(bp60-65℃, 1,100mL)で固体を抽出し、脱色活性炭で処理して濾液を更に0℃で冷却し、粗製4-メトキシベンジル1-ヒドロキシナフタレン-2-カルボキシレート(2)を得た(59.4g, 66%)。これは更に使用するのに適している。iPr2O/石油エーテルから試料を再結晶した(mp92-93℃)。
Figure 0004155598
激しく攪拌した温かい(2)(25.4g, 0.082mmol)のAcOH(260mL)溶液を25℃まで冷却し、HNO3(70%w/w, 18.6g, 0.20mmol)のAcOH(25mL)溶液で一気に処理した。この温度を35℃まで上げ(外部から冷却して制御)、固体を分離した。30℃でさらに10分間攪拌したあと、混合物を0℃まで冷却した。この沈殿物を回収し、冷たいAcOH及びiPr2Oで洗浄し、CH2Cl2/石油エーテルから再結晶して4-メトキシベンジル 1-ヒドロキシ-4-ニトロナフタレン-2-カルボキシレート(3)を得た(17.9g, 61%)(mp163-164℃)。
Figure 0004155598
(3)(12.90g, 36.5mmol)のCH2Cl2(180mL)懸濁液をEt3N(6.58mL, 47.5mmol)で処理し、得られた溶液を0℃まで冷却して無水トリフル(triflic anhydride)(7.82mL, 43.8mmol)で処理した。この混合物を0℃で30分攪拌したあと、更にNEt3(1.00mL, 7.2mmol)、続いて無水トリフル(1.19mL, 6.7mmol)で処理した。さらに20℃で2時間攪拌したあと、混合物を水で2度洗浄し、乾燥して減圧下で濃縮した。脱色活性炭の存在下で沸騰した石油エーテル(bp90-95℃, 500mL)で残渣を抽出したあと、濾液を55℃に冷却してセライトパッドで再び濾過し、不溶性の不純物を除去した。続いてさらに冷却したあと、分離した固体を回収して石油エーテルで洗浄し、粗製4-メトキシベンジル4-ニトロ-1-トリフルオロメチルスルホニルオキシナフタレン-2-カルボキシレート(4)を得た(13.09g, 74%)。これは更に使用するのに適している。石油エーテルから再結晶した試料はmp74-75℃を有していた。
Figure 0004155598
攪拌した(4)(13.20g, 27.2mmol)及びマロン酸ジメチル(5.39g, 40.8mmol)のDMF(85mL)溶液を-5℃に冷却し、粉末化K2CO3(22.53g, 163mmol)で処理した。この混合物を2時間かけて20℃まで温め、さらに12時間20℃で攪拌したあとに、冷たい攪拌した0.5NのHCl(1,750mL)中にゆっくり注いだ。得られた固体をCH2Cl2中に溶解し、この溶液を水で2回洗浄して乾燥した(Na2SO4)あと、蒸発乾固した。CH2Cl2/iPr2O/石油エーテルから残渣を結晶化して4-メトキシベンジル1-[ジ(メトキシカルボニル)メチル]-4-ニトロナフタレン-2-カルボキシレート(5)を得た(10.66g, 84%)。これは更に使用するのに適している。MeOHから再結晶した試料はmp124-125℃を有していた。
Figure 0004155598
トリフルオロ酢酸(36ml)を(5)(9.20g, 19.7mmol)とアニソール(2.16g, 20mmol)の混合物に一気に添加し、得られた溶液を20℃で10分間攪拌したあと、冷水(800mL)で希釈した。沈殿した半固体を回収し、EtOAc中に溶解してこの溶液を水で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)あと、30℃未満の減圧下で濃縮した。iPr2Oで残渣をすりつぶして粗生成物を得て、これをEtOAc/iPr2O/石油エーテル/AcOH(一滴)から再結晶して1-[ジ(メトキシカルボニル)-メチル]-4-ニトロナフタレン-2-カルボン酸(6)を得た(6.37g, 93%)(mp153-154℃(分解))。
Figure 0004155598
攪拌した(6)(7.00g, 20.16mmol)及び粉末化NaN3(3.28g, 50.44mmol)のCH2Cl2(100mL)懸濁液をピリジン(3.99g, 50.44mmol)で処理したあと-5℃に冷却し、塩化N,N-ジメチル(クロロスルホニル)メタニミニウム(methaniminium)[SOCl2/DMF付加物](4.26g, 22.18mmol)で一気に処理した。20℃で2時間攪拌したあと、この混合物を水で2回洗浄して乾燥し(Na2SO4)、シリカゲルの短いカラムで濾過し、更にCH2Cl2(400mL)で溶出した。30℃未満の減圧下で溶媒を除去し、粗製アジ化カルボニル(7)を得て、これをすぐに乾燥トルエン(65mL)中で攪拌しながら8分間還流下にて加熱した。この混合物を0℃に冷却して生成物の沈殿を完了させ、この生成物を回収してトルエンで洗浄した。これをCH2Cl2(25mL)中に懸濁して20℃で10分間攪拌し、iPr2Oで希釈し、得られた固体を回収して1,1-ジ(メトキシカルボニル)-5-ニトロ-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール-2-オン(8)を得た(5.60g, 81%)。CH2Cl2から結晶化した試料はmp218-222℃(分解)を有していた。
Figure 0004155598
BH3.DMSのTHF溶液(濃度10Mを9.2ml、92mmol)をインドロン(indolone)(8)(17.60g, 51mmol)のTHF(150mL)溶液に加え、この混合物を15時間還流しながら攪拌した。冷却したあと、MeOH(15mL)をゆっくり添加し、続いて水(30mL)を添加したあと、この混合物を30℃未満の減圧下で濃縮してMeOHを除去した。残渣を水と共に振盪して得られた半固体を回収し、これをCH2Cl2中に溶解した。この溶液を水(×2)で洗浄し、乾燥(NaSO4)したあと、減圧下で濃縮して固体を得て、これをシリカゲルでのクロマトグラフィーにかけた。CH2Cl2/EtOAc(10:1)で溶出して粗生成物を得て、これをiPr2Oから再結晶したあとさらに長い間冷却し回収して、1,1-ジ(メトキシカルボニル)-5-ニトロ1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール(9)を得た(9.62g, 57%)(1-メトキシカルボニル-5-ニトロ-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドールが約5%混入)。iPr2Oから再結晶した試料はmp141℃を有していた。
Figure 0004155598
粗生成物(9)(9.35g, 28.3mmol)、ジ-t-ブチルジカーボネート(8.28g, 36.8mmol)及び1-メチルイミダゾール(3.02g, 36.8mmol)をTHF(100mL)へ溶解した混合物を45℃で1時間攪拌したあと、減圧下で濃縮した。残渣をCH2Cl2と0.1NのAcOHとの間で分配し、有機層を水で2回洗浄し、乾燥して(Na2SO4)減圧下で濃縮した。CH2Cl2(40mL)で残渣を攪拌したあと冷却し、濾過して3-(t-ブチルオキシカルボニル)-1-メトキシカルボニル-5-ニトロ-3H-ベンズ[e]インドールの不純物をいくらか除去した。CH2Cl2溶液を蒸発させ、残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィーにかけた。CH2Cl2/石油エーテル(1:1)で溶出して多量のインドール不純物を得て、CH2Cl2でさらに溶出して固体を得た。これをiPr2O/石油エーテルですりつぶし、3-(t-ブチルオキシカルボニル)-1,1-ジ(メトキシカルボニル)-5-ニトロ-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール(10)を得た(9.98g, 82%)。iPr2Oから再結晶した試料はmp151℃を有していた。
Figure 0004155598
NaOMe(濃度0.62MのMeOH溶液5.61mL、3.48mmol)を、攪拌した(10)(1.00g, 2.32mmol)のTHF(20mL)溶液に10℃で滴下した。20℃で15分おいた後、トリフルオロ酢酸(0.29mL, 3.8mmol)を一気に加え、この溶液の深紫色を消した。この反応物を飽和NaClで希釈し、CH2Cl2で抽出し、この抽出物を水で2回洗浄して乾燥した(Na2SO4)。CH2Cl2溶液をシリカゲルの短いカラムで濾過し、さらにCH2Cl2で溶出し、溶媒を30℃未満の減圧下で蒸発させて粗製3-(t-ブチルオキシカルボニル)-1-メトキシカルボニル-5-ニトロ-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール(11)(0.85g, 98%)を得た。これを更に精製せずに使用した。
Figure 0004155598
上記方法により得た粗製エステル(11)(0.85g, 2.28mmol)をTHF(25mL)中に溶解し、0℃でN2下にて、攪拌したDIBAL(1Mのトルエン溶液9.1mL, 9.1mmol)のTHF(30mL)溶液に20分かけて滴下した。この混合物を0℃でさらに30分間攪拌したあと、氷冷した2NのHCl(40mL)に注ぎ、EtOAcで2回抽出した。抽出物を1つにして乾燥し(Na2So4)、30℃未満の減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィーにかけた。CH2Cl2/EtOAc(4:1)で溶出し、粗生成物を得てこれをCH2Cl2/iPr2O/石油エーテルから結晶化し、3-(t-ブチルオキシカルボニル)-1-ヒドロキシメチル-5-ニトロ,1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール(12)を得た(0.48g, 61%)。iPr2O/石油エーテルから再結晶した試料はmp176℃を有していた。
Figure 0004155598
攪拌した(12)(0.42g, 1.22mmol)のピリジン(1.8mL)溶液を0℃で塩化メシル(1.13mL, 1.46mmol)で滴下処理したあと、20℃でさらに2時間攪拌した。この混合物を水で希釈し、得られた固体を回収してCH2Cl2中に溶解し、溶液を水で2回洗浄して乾燥し(Na2SO4)、30℃未満の減圧下で蒸発させた。得られた粗製メシレート及びLiCl(0.21g, 5mmol)をDMF(4mL)へ溶解した混合物を80℃で30分間攪拌したあと、冷却し、水で希釈した。沈殿した固体をCH2Cl2に溶解し、シリカゲルの短いカラムで濾過して粗生成物を得た。これをiPr2O/石油エーテルですりつぶし、3-(t-ブチルオキシカルボニル)-1-クロロメチル-5-ニトロ-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール(13)を得た(0.34g, 77%)。iPr2O/石油エーテルから再結晶した試料は、mp168-169℃を有していた。
Figure 0004155598
(13)(170mg, 0.47mmol)のHCl飽和ジオキサン(10mL)溶液を20℃で2時間攪拌したあと、30℃未満の減圧下で蒸発させた。次にEDCl-HCl(270mg, 1.41mmol)、5,6,7-トリメトキシインドール-2-カルボン酸(118mg, 0.47mmol)及びDMF(2.5mL)を加え、この混合物を20℃で2時間攪拌した。水を加えて粗生成物を沈殿させ、これをCH2Cl2/iPr2Oから2回再結晶し、1-クロロメチル-5-ニトロ-3-[5,6,7-トリメトキシインドール-2-イル)カルボニル]-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール(14a)を得た(156mg, 67%)(mp243-245℃)。
Figure 0004155598
実施例B:5-アミノ-1-(クロロメチル)-3-[(5,6,7-トリメトキシインドール-2-イル)カルボニル]-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール(15a)(スキーム1)の調製
(14a)(60mg, 0.12mmol)のTHF(15mL)溶液を、50psiで2時間PtO2(15mg)で水素化した。触媒を濾過により除去し、30℃未満の減圧下で溶液を濃縮して体積を小さくし、次にiPr2Oを添加した。得られた固体を20℃でiPr2OにてTHF溶液から沈殿により精製し、生成物(15a)を得た(53mg, 94%)(mp199-204℃)。
Figure 0004155598
実施例C:1-(クロロメチル)-5-ニトロ-3-[(5-ニトロインドール-2-イル)カルボニル]-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール(14b)の調製
(13)(280mg, 0.77mmol)のHClで飽和したジオキサン(10mL)溶液を10℃で2時間攪拌したあと、30℃未満の減圧下で蒸発乾固させた。つぎに、5-ニトロインドール-2-カルボン酸[S. M. Parmerter, J. Amer. Chem. Soc. 80, 1958, 4621-4625](167mg, 0.81mmol)、EDCI.HCl(370mg, 1.93mmol)及びDMA(3mL)を添加して混合物を20℃で2時間攪拌した。希KHCO3を添加して黄色い固体を沈殿させ、これを回収し、水でよく洗浄し、THFから再結晶して生成物(14b)を得た(282mg, 81%)(mp>300℃)。
Figure 0004155598
実施例D:5-アミノ-3-[(5-アミノインドール-2-イル)カルボニル]-1-(クロロメチル)-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール(15b)の調製
前述のジニトロ化合物(14b)(170mg, 0.38mmol)のTHF(120mL)溶液を50psiで2時間PtO2で水素化した。触媒を除去したあと、25℃未満の減圧下で溶液を濃縮して体積を小さくし、iPr2Oで希釈して生成物(15b)を得た(136mg, 92%)(mp>300℃)。
Figure 0004155598
実施例E:3-[[5-(アセチルアミノ)インドール-2-イル]カルボニル]-1-(クロロメチル)-5-ニトロ-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール(14c)の調製
実施例Cのように(13)(300mg, 0.83mmol)の脱保護を行い、5-アセチルアミノインドール-2-カルボン酸[M.A. Warpehoskiら、J. Med. Chem. 31, 1988, 590-603](181mg, 0.83mmol)およびEDCI.HCl(397mg, 2.07mmol)のDMA(3mL)溶液で処理して、生成物(14c)を得た(310mg, 79%)(mp(THF)252-253℃)。
Figure 0004155598
実施例F:3-[[5-(アセチルアミノ)インドール-2-イル]カルボニル]-5-アミノ-1-(クロロメチル)-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール(15c)の調製
(14c)(170mg, 0.37mmol)のTHF(60mL)溶液を50psiで2時間PtO2で水素化した。触媒を除去したあと、25℃未満の減圧下で溶液を濃縮して体積を小さくし、EtOAc/iPr2Oで希釈して生成物(15c)を得た(141mg, 89%)(mp>300℃)。
Figure 0004155598
実施例G:1-(クロロメチル)-3-[(5-メトキシインドール-2-イル)カルボニル]-5-ニトロ-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール(14d)の調製
実施例Cのように(13)(260mg, 0.72mmol)の脱保護を行い、5-メトキシインドール-2-カルボン酸(145mg, 0.76mmol)およびEDCI.HCl(344mg, 1.80mmol)のDMA(3mL)溶液と反応させて、生成物(14d)を得た(237mg, 76%)(mp(2×EtOAc/iPr2O)241-243℃)。
Figure 0004155598
実施例H:5-アミノ-1-(クロロメチル)-3-[(5-メトキシインドール-2-イル)カルボニル]-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール(15d)の調製
(14d)(140mg, 0.32mmol)のTHF(10mL)溶液を50psiで2時間PtO2で水素化した。触媒を除去したあと、25℃未満で溶液を濃縮して体積を小さくし、iPr2Oで希釈して生成物(15d)を得た(124mg, 95%)(mp>250-255℃)。
Figure 0004155598
実施例I:1-(クロロメチル)-3-[[5-[2-(ジメチルアミノ)-エトキシ]インドール-2-イル]カルボニル]-5-ニトロ-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール(14e)の調製
攪拌した4-[2-(ジメチルアミノ)エトキシ]アニリン[R. Paulら、J. Med. Chem. 36, 1993, 2716-2725](3.61g, 20mmol)の水溶液(34mL)および濃縮したHCl(10mL)をNaNO2(1.52g, 22mmol)の水溶液(4mL)で0℃でジアゾ化した。この冷たい溶液を、エチル2-メチルアセトアセテート(3.03g, 21mmol)、無水NaOAc(17g)、EtOH(25mL)および新しく加えた氷(20g)の、激しく攪拌した氷冷混合物に一気に加えた。20℃で1時間攪拌したあと、この混合物を0℃に冷却し、固体のNa2CO3をゆっくり加えて塩基性にし、CH2Cl2(×2)ですぐさま抽出した。有機層を1つにして水で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。脱色活性炭の存在下で熱い石油エーテル(bp60-65℃)で残渣を抽出し、透明になった溶液を蒸発させた。残った油(4.55g)を無水EtOH(6mL)中に溶解し、HCl-飽和EtOH(10mL)を加えた。25分間加熱還流したあと、溶液を濃縮し、残渣を希Na2CO3とCH2Cl2との間で分配した。有機層を水およびNaCl溶液で洗浄し、乾燥し、蒸発させた。残渣をiPr2O/ヘキサンですりつぶし、得られた固体をiPr2O/ヘキサンから再結晶して、針状のエチル5-[2-(ジメチルアミノ)エトキシ]インドール-2-カルボキシレートを得た(1.32g, 総収率24%)(mp110℃)。
Figure 0004155598
上記エステル(0.75g, 2.7mmol)、Cs2CO3(3.0g)、MeOH(6mL)および水(3mL)の混合物を2時間加熱還流したあと、蒸発乾固した。残渣を水(5mL)中に溶解し、HClで濾液をpH6.5に調節し、24時間0℃に冷却した。得られた結晶固体を回収し、氷冷した水およびMe2COで洗浄して、乾燥HCl/ジオキサン/EtOAcで処理した。得られた固体をMeOH/EtOAc/微量HClから再結晶し、無色の板状の5-[2-(ジメチルアミノ)エトキシ]インドール-2-カルボン酸塩酸塩を得た(0.69g, 89%)(mp239-240℃(分解))。
Figure 0004155598
実施例Cのように(13)(260mg, 0.72mmol)の脱保護を行い、該生成物と上記5-[2-(ジメチルアミノ)エトキシ]インドール-2-カルボン酸塩酸塩(210mg, 0.74mmol)、EDCI.HCl(345mg, 1.80mmol)およびDMA(3mL)とを反応させて粗製物質を得て、これを、iPr2O(2×)を用いて20℃でCH2Cl2溶液から沈殿により精製し、生成物(14e)を得た(237mg, 67%)(mp224-227℃)。
Figure 0004155598
実施例J:5-アミノ-1-(クロロメチル)-3-[[5-[2-(ジメチルアミノ)エトキシ]インドール-2-イル]カルボニル]-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール(15e)の調製
(14e)(125mg, 0.25mmol)のTHF(10mL)溶液を50psiで2時間PtO2で水素化した。触媒を除去したあと、25℃未満の減圧下で溶液を濃縮して体積を小さくし、iPr2Oで希釈して生成物(15e)を得た(115mg, 98%)(mp>250℃)。
Figure 0004155598
実施例K:1-(クロロメチル)-3-[[6-[2-(ジメチルアミノ)エトキシ]-5-メトキシインドール-2-イル]カルボニル]-5-ニトロ-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール(14f)の調製
バニリン(10.00g, 65.7mmol)、K2CO3(45.4g, 329mmol)、1,2-ジクロロエタン(104mL, 1.31mol)およびDMF(300mL)の混合物を65-70℃で16時間攪拌した。ジクロロエタンを蒸発させ、残ったスラリーを氷に注いだ。分離した油をEt2O(×4)およびEtOAc(×3)で抽出した。抽出物を1つにして水(×3)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4/MgSO4)、蒸発させて透明な油を得た。これをヘキサンですりつぶしたところ固化した。Et2Oから結晶化し、白い針状の4-(2-クロロエトキシ)-3-メトキシベンズアルデヒドを得た(12.04g, 85%)(mp60-61℃)。
Figure 0004155598
上記アルデヒド(4.50g, 20.97mmol)およびメチルアジドアセテート(8.20g, 71.3mmol)のMeOH(18mL)溶液を、冷却したナトリウムメトキシド(ナトリウム7.45gから,62.9mmol)のMeOH(36mL)溶液(氷/塩)に1時間かけて加えた。白いスラリーを5℃で1.5時間、つぎに-15℃で18時間放置した。氷冷水(200mL)を加え、濾過により沈殿物を除去し、水で洗浄して、CH2Cl2中に溶解した。CH2Cl2溶液を水で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、蒸発させて、微細で不安定なオフホワイトの針状のメチル(-アジド-4-(2-クロロエトキシ)-3-メトキシシンナメートを得た(5.08g, 78%)(mp115-116℃(分解))。これを更に精製せずに使用した。
Figure 0004155598
上記アジドシンナメート(5.08g, 16.3mmol)の温めたキシレン(140mL)溶液(40℃)を、沸騰したキシレン(60mL)に1時間かけて加えた。さらに15分還流したあと、蒸留によりキシレンの大部分を除去した。冷却した残渣中に形成された沈殿物を濾過により単離し、CHCl3およびヘキサンで洗浄し、MeOHから結晶化して、綿状の白い針状のメチル6-(2-クロロエトキシ)-5-メトキシインドール-2-カルボキシレートを得た(2.423g, 52%)(mp164-166℃)(昇華温度110℃)。
Figure 0004155598
蒸発させた母液を、フラッシュクロマトグラフィー(CH2Cl2)により、および1,2-ジクロロエタンついでMeOHからの結晶化により精製し、さらなる生成物を得た(0.42g, 9%)。
上記エステル(1.00g, 3.52mmol)、CsCO3(1.723g, 5.29mmol)、95%EtOH(20mL)および水(10mL)の混合物を6時間還流しながら攪拌した。水(15mL)を加え、EtOHを蒸発させた。この溶液をセライトで濾過し、2MのHClで酸性化した。形成された沈殿物を濾過により回収し、水で洗浄し、乾燥して、白い粉末状の6-(2-クロロエトキシ)-5-メトキシインドール-2-カルボン酸(0.95g, 100%)を得た。これをMeOHから白い針状として再結晶した(mp187-189℃)。
Figure 0004155598
上記酸(1.20g, 4.45mmol)、25%Me2NH水(16mL, 89mmol)、Na2CO3(1.18g, 11.1mmol)および水(80mL)の混合物を100℃で1.25時間加熱したあと、蒸発させた。残渣を0.4MのNa2CO3水(30mL)中に入れ、Et2O(×2)で抽出し、2MのHClでpH1に酸性化し、蒸発させた。熱いCH3CN(×8)で残渣を抽出し、この抽出物を濃縮した。形成された沈殿物を濾過により除去し、CH3CNおよびEt2Oで洗浄し、ハイドロスコープ状(hydroscopic)の黄褐色の固体として6[2-(ジメチルアミノ)エトキシ]-5-メトキシインドール-2-カルボン酸塩酸を得た(1.06g, 76%)(mp204-205℃(分解))。
Figure 0004155598
実施例Cのように(13)(260mg, 0.72mmol)の脱保護を行い、20℃で3時間、該生成物と6-[2-(ジメチルアミノ)エトキシ]-5-メトキシインドール-2-カルボン酸塩酸塩(230mg, 0.73mmol)、EDCI.HCl(345mg, 1.80mmol)およびDMA(3mL)と反応させて固体を得た。これを、希KHCO3で振盪し、得られたゼラチン状の固体を回収し、アルミナ-90でのクロマトグラフィーにかけた。EtOAc/MeOH(10:1)で溶出して粗生成物を得て、これをEtOAc/iPr2Oから、ついでCH2Cl2/石油エーテルから再結晶し、生成物(14f)を得た(180mg, 48%)(mp224-234℃(分解))。
Figure 0004155598
実施例L:5-アミノ-1-(クロロメチル)-3-[[6-[2-ジメチルアミノ)エトキシ]-5-メトキシインドール-2-イル]カルボニル]-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール(15f)の調製
(14f)(130mg, 0.25mmol)のTHF(20mL)溶液を55psiで2時間PtO2(30mg)で水素化した。触媒を除去し、30℃未満の減圧下で溶液を濃縮した。残渣を少量のCH2Cl2中に溶解し、石油エーテルで溶液を希釈し、不純物を沈殿させて濾過によりこれを除去し、更に石油エーテルを加えて生成物(15f)を沈殿させた(87mg, 71%)(mp130-133℃)。
Figure 0004155598
実施例M:1-(クロロメチル)-3-[[7-[2-(ジメチルアミノ)エトキシ]-5-メトキシインドール-2-イル]カルボニル]-5-ニトロ-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール(14g)の調製
5-メトキシ-3-メチル-2-ニトロフェノール[J. Atkinsonら、J. Org. Chem. 56, 1991, 1788-1800](5.00g, 27.3mmol)、2-(ジメチルアミノ)エチルクロリド塩酸塩(4.33g, 30mmol)、K2CO3(15.1g, 109mmol)、NaI(0.41g, 2.7mmol)およびブタノン(50mL)の混合物を1時間加熱還流したあと室温まで冷却した。5分間振盪した2-ジメチルアミノエチルクロリド塩酸塩(4.33g, 30mmol)、K2CO3(7.6g, 54.6mmol)およびブタノン(15mL)の混合物を加え、この混合物を1.5時間加熱還流した。この混合物を濃縮し、残ったスラリーを水で希釈し、EtOAc(×4)で抽出した。抽出物を1つにして2NのNa2CO3水(×10)で洗浄し、2NのHCl水(×5)で抽出した。抽出物を1つにしてEtOAcで洗浄し、Na2CO3で塩基性にし、EtOAc(×4)で抽出した。これらの抽出物を乾燥して(MgSO4)蒸発させ、黄色い油として2-(5-メトキシ-3-メチル-2-ニトロフェニルオキシ)-N,N-ジメチルエタンアミン(4.38g, 63%)を得た。
Figure 0004155598
酸性化および抽出により、塩基性洗浄液から出発材料を回収した(1.178g, 24%)。カリウム(0.308g, 7.87mmol)のキシレン(6mL)懸濁液を100℃に加熱し、素早く攪拌しながら冷却した。キシレンを除去し、カリウムをEt2O(×3)で洗浄して、Et2O(10mL)で被覆した。この混合物を無水EtOH(1.30mL, 22.2mmol)で処理し、カリウムが溶解するまで(3時間)還流しながら攪拌した。冷却した混合物をジエチルオキサレート(1.07mL, 7.87mmol)で処理したあと、上記ニトロトルエン(2.00g, 7.87mmol)の乾燥Et2O(5mL)溶液で処理した。115時間後、暗い赤色の沈殿物を濾過により除去し、Et2Oで洗浄した。この赤い固体(1.189g)を無水EtOH(45mL)中に溶解し、AcOH(0.78mL)で酸性化し、水素1気圧で8時間Pd/C(10%, 0.44g)で水素化した。この混合物をセライトで濾過し、濃縮し、0.2MのNa2CO3水(100mL)で希釈し、EtOAc(×4)で抽出した。抽出物を1つにして水(×2)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィー(2%Et3N/EtOAc)により精製して、透明な油として7-[2-(ジメチルアミノ)-エトキシ]-5-メトキシインドール-2-カルボキシレートを得た(0.44g, 18%)。
Figure 0004155598
酸への抽出、塩基性化およびEt2Oでの抽出によりエーテル性洗浄液から出発材料を回収した(0.77g, 39%)。
上記エステル(0.410g, 1.34mmol)、95%のEtOH(21mL)および1.0MのNaOH水(2.7mL, 2.7mmol)の混合物を1.5時間還流しながら攪拌した。EtOHを蒸発させ、2MのHCl水(5mL)を加え、溶液を蒸発させた。熱いCH3CN(×3)で残渣を抽出し、抽出物を濃縮してEt2Oで希釈した。形成された沈殿物を濾過により回収し、Et2Oで洗浄して、白い粉末状の7-[2-(ジメチルアミノ)エトキシ]-5-メトキシ-インドール-2-カルボン酸塩酸塩を得た(0.372g, 88%)(mp175-178℃)。
Figure 0004155598
上記実施例Cのように(13)(160mg, 0.44mmol)の脱保護を行い、該生成物をEDCI.HCl(211mg, 1.10mmol)、7-[2-(ジメチルアミノ)エトキシ]-5-メトキシインドール-2-カルボン酸塩酸塩(145mg, 0.46mmol)およびDMA(2mL)と20℃で3時間反応させたあと、希KHCO3を加え、固体を沈殿させた。これをCH2Cl2/iPr2Oから、ついでCH2Cl2/EtOAcから再結晶して生成物(14g)を得た(193mg, 84%)(mp230-240℃(分解))。
Figure 0004155598
実施例N:5-アミノ-1-(クロロメチル)-3-[[7-[2-(ジメチルアミノ)エトキシ]-5-メトキシインドール-2-イル]カルボニル]-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール(15g)の調製
(14g)(120mg, 0.23mmol)のTHF(45mL)溶液を55psiで1.5時間PtO2(30mg)で水素化した。触媒を除去したあと、30℃未満の減圧下で溶液を濃縮して体積を小さくし、次に石油エーテルで希釈して生成物(15g)を得た(140mg, 92%)(mp109-111℃)。
Figure 0004155598
実施例O:3-[[5-[(ベンゾフラン-2-イル)カルボキサミド]インドール-2-イル]カルボニル]-1-(クロロメチル)-5-ニトロ-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール(14h)の調製
上記実施例Cのように(13)(300mg, 0.83mmol)の脱保護を行い、該生成物を5-[(ベンゾフラン-2-イル)カルボキサミド]-インドール-2-カルボン酸[D.L.Bogerら、Bioorg. Med. Chem. 3, 1995, 1429-1453](278mg, 0.87mmol)、EDCI.HCl(397mg, 2.07mmol)およびDMA(10mL)と20℃で2時間反応させたあと、希KHCO3を加え、黄色い固体を沈殿させた。これを回収して水で洗浄し、THF/iPr2Oから、ついでEtOAcから再結晶して生成物(14h)を得た(341mg, 73%)(mp277℃(分解))。
Figure 0004155598
実施例P:5-アミノ-3-[[5-[(ベンゾフラン-2イル)カルボキサミド]インドール-2-イル]カルボニル]-1-(クロロメチル)-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール(15h)の調製
(14h)(200mg, 0.35mmol)のTHF(35mL)溶液を、50psiで2時間PtO2で水素化した。THFを加えて沈殿生成物を溶解し、触媒を除去したあと、25℃未満の減圧下で溶液を濃縮して体積を小さくし、iPr2Oで希釈して生成物(15h)を得た(187mg, 99%)(mp>300℃)。
Figure 0004155598
実施例Q:3-[(E)-4-(ブチリルアミノ)-1-メチル-2-ピロールアクリロイル]-1-(クロロメチル)-5-ニトロ-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール(14i)の調製
1-メチル-4-ニトロ-2-ピロール-カルボキシアルデヒド(carboxaldehyde)[P.Fournari. Bull. Soc. Chim. Fr., 1963, 488-491](0.24g, 1.56mmol)、メチルトリフェニルホスホリリデンアセテート(0.57g, 1.71mmol)およびベンゼン(25mL)の混合物を24時間加熱還流した。まだ温かい溶液を、乾燥フラッシュクロマトグラフィー(0-5%のEt2O/CH2Cl2)により直接精製して、明るい黄色の固体としてメチル(E)-1-メチル-4-ニトロ-2-ピロールアクリレートを得た(0.33g, 100%)(mp146-147℃)。
Figure 0004155598
あるいは、1-メチル-4-ニトロ-2-ピロールカルボキシアルデヒド(0.20g, 1.30mmol)、マロン酸(0.68g, 6.5mmol)、ピペリジン(2滴)およびピリジン(2mL)の混合物を室温で20時間、および100℃で4時間攪拌したあと、30%H2SO4水(10mL)を加えた。形成された沈殿物を濾過により除去し、水で洗浄して、微細な黄色い針状の(E)-1-メチル-4-ニトロ-2-ピロールアクリル酸を得た(0.23g, 92%)。
Figure 0004155598
上記酸(0.10g, 0.51mmol)、NaHCO3(0.10g, 0.61mmol)、MeOH(6mL)および水(2mL)の混合物を還流してジメチル硫酸(0.12mL)で処理し、1時間加熱還流し、水で希釈し、EtOAc(×3)で抽出した。抽出物を1つにして水(×2)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、蒸発させ、乾燥フラッシュクロマトグラフィー(0-5%のEt2O/CH2Cl2)により精製して、メチル(E)-1-メチル-4-ニトロ-2-ピロールアクリレートを得た(63mg, 59%)。
このニトロエステル(50mg, 0.24mmol)のMeOH水(1:12.5, 5.4mL)を還流して、鉄粉(70mg, 1.25mmol)および無水酪酸(0.40mL, 2.45mmol)で処理した。30分後、さらに無水酪酸(0.10mL, 0.61mmol)を加え、鉄粉を加えた45分後に混合物を冷却した。固体を濾過により除去し、MeOHおよび水で洗浄した。濾液を1つにして水で希釈し、EtOAc(×3)で抽出した。抽出物を1つにして水、飽和NaHCO3水および水で順番に洗浄したあと乾燥し(MgSO4)、蒸発させ、乾燥フラッシュクロマトグラフィー(0-50%のEtOAc/CH2Cl2)により精製して、クリーム色の板状のメチル(E)-4-ブチリルアミノ-1-メチル-2-ピロールアクリレートを得た(45mg, 75%)(mp109-110℃)。
Figure 0004155598
上記エステル(0.167g, 0.667mmol)および0.2MのNaOH水溶液(5.7mL, 1.13mmol)のMeOH(10mL)溶液を50分間加熱還流した。混合物を氷中で冷却し、2MのHCl水で酸性化し、氷に注いだ。形成された沈殿物を濾過により回収し、水で洗浄して、黄色い針状の(E)-4-ブチリルアミノ-1-メチル-2-ピロールアクリル酸を得た(0.133g, 85%)(mp74-76℃(分解)および165-166℃(気体発生))。
Figure 0004155598
上記実施例Cのように(13)(300mg, 0.83mmol)の脱保護を行い、ならびに(E)-4-ブチリルアミノ-1-メチル-2-ピロールアクリル酸(197mg, 0.83mmol)、EDCI.HCl(397mg, 2.07mmol)およびDMAと反応させて生成物を得、これをシリカゲルでのクロマトグラフィーにかけた。CH2Cl2/EtOAc(1:1)で溶出したあと、CH2Cl2/iPr2Oから結晶化して生成物(14i)を得た(246mg, 62%)(mp216℃)。
Figure 0004155598
実施例R:5-アミノ-1-[(E)-4-ブチリルアミノ-1-メチル-2-ピロールアクリロイル]-1-(クロロメチル)-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール(15i)の調製
(14i)(100mg, 0.21mmol)のEtOAc(10mL)溶液をEtOAcで洗浄したラネーニッケル(約100mg)で、40psiで3時間水素化した。30℃未満で濾液を蒸発乾固して残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィーにかけ、黄色い油を得て、これをEtOAc/iPr2O/石油エーテルから結晶化して生成物(15i)を得た(9mg, 10%)(mp245-250(分解))。
Figure 0004155598
実施例S:3-[[5-[(5-アセチルアミノ-1-メチルピラゾール-3-イル)カルボキサミド]-1-メチルピラゾール-3-イル]カルボニル]-1-(クロロメチル)-5-ニトロ-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール(14j)の調製
メチル5-[(5-ベンジルオキシカルボニルアミノ-1-メチルピラゾール-3-イル)カルボキサミド]-1-メチルピラゾール-3-カルボキシレート[H.H. Leeら、Anti-Cancer Drug Design, 6, 1991, 501-517]のMeOH溶液を、55psiで2時間5%Pd-Cで水素化した。少量のEtOAcから生成物を再結晶し、メチル5-[(5-アミノ-1-メチルピラゾール-3-イル)カルボキサミド]-1-メチルピラゾール-3-カルボキシレートを得た(93%)(mp167-168℃)。
Figure 0004155598
先述のアミン(0.39g, 1.40mmol)を粉末化し、AcCl(2mL)を含むTHF(20mL)中に懸濁した。混合物を30分間攪拌しながら加熱還流したあと、冷却し、iPr2Oで希釈した。得られた固体をMeOH/EtOAcから再結晶してメチル5-[(5-アセチルアミノ-1-メチルピラゾール-3イル)カルボキサミド]-1-メチルピラゾール-3-カルボキシレートを得た(0.35g, 78%)(mp215-216℃)。
Figure 0004155598
先述のエステル(0.38g, 1.19mmol)およびCs2CO3(3.26g)の混合水溶液(10mL)を2時間加熱還流したあと、濃縮し、0℃に冷却し、濃HClで酸性化した。さらに冷却したあと、粗生成物を回収し、MeOH/EtOAcから再結晶して5-[(5-アセチルアミノ-1-メチルピラゾール-3-イル)カルボキサミド]-1-メチルピラゾール-3-カルボン酸を得た(0.19g, 52%)(mp263-264℃(分解))。
Figure 0004155598
上記実施例Cのように(13)(153mg, 0.42mmol)の脱保護を行い、先述の酸(135mg, 0.44mmol)、EDCI.HCl(201mg, 1.05mmol)およびDMA(2mL)と20℃で2.5時間反応させたあと、希KHCO3を加えて固体を得て、これを回収し、水で洗浄し、乾燥した。この固体をTHF(10mL)中に溶解し、溶液をEtOAc(5mL)で希釈したあと、シリカゲルのカラムで濾過し、さらにTHF/EtOAc(2:1)で溶出した。この溶液を減圧下で濃縮して体積を小さくし、iPr2Oで希釈して粗生成物を沈殿させ、これをTHF/EtOAc/iPr2Oから2回再結晶して生成物(14j)を得た(125mg, 54%)(mp158-160℃)。
Figure 0004155598
実施例T:3-[[5-[(5-アセチルアミノ-1-メチルピラゾール-3-イル)カルボキサミド]-1-メチルピラゾール-3イル]カルボニル]-5-アミノ-1-(クロロメチル)-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール(15j)の調製
(14j)(77mg, 0.14mmol)のTHF(50mL)溶液を55psiで2.5時間PtO2で水素化した。触媒を除去したあと、25℃未満の減圧下で溶液を濃縮して体積を小さくし、iPr2Oで希釈して、不安定な固体として生成物(15j)を得た(63mg, 87%)(mp>250℃)。
Figure 0004155598
実施例U:3-[(E)-3-(アセチルアミノ)シンナモイル]-1-(クロロメチル)-5-ニトロ-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール(14k)の調製
上記実施例Cのように(13)(250mg, 0.69mmol)の脱保護を行い、該生成物をEDCI.HCl(332mg, 1.73mmol)、(E)-3-(アセチルアミノ)ケイ皮酸(148mg, 0.72mmol)およびDMA(3mL)と20℃で3時間反応させたあと、希KHCO3を加えて沈殿させた。これを回収し、温かいEtOAc(180mL)中に溶解してシリカゲルのカラムで濾過した。溶媒を濃縮したあと、iPr2Oを加えて粗生成物を沈殿させ、これをEtOAc/iPr2Oから再結晶して生成物(14k)を得た(232mg, 75%)(mp214-216℃)。
Figure 0004155598
実施例V:3-[(E)-3-(アセチルアミノ)シンナモイル]-5-アミノ-1-(クロロメチル)-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール(15k)の調製
(13)(200mg, 0.55mmol)のTHF(15mL)溶液を55psiで1.5時間PtO2で水素化した。触媒を除去して溶媒を蒸発させ、得られた固体を石油エーテルですりつぶして5-アミノ-3-(t-ブチルオキシカルボニル)-1-(クロロメチル)-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドールを得た(166mg, 90%)(mp>200℃)。
Figure 0004155598
9-フルオレニルメチルクロロホルメート(97%, 270mg, 1.01mmol)の乾燥CH2Cl2(20mL)溶液を、1-メチルイミダゾール(90mg, 1.10mmol)、ついで上記アミン(280mg, 0.84mmol)で処理した。この混合物を20℃で1.5時間攪拌したあと、さらに1-メチルイミダゾール(18mg, 0.22mmol)および9-フルオレニルメチルクロロホルメート(54mg, 0.20mmol)で処理した。この混合物をさらに3時間攪拌したあと減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィーにかけた。CH2Cl2/石油エーテル(9:1)で溶出して固体を得て、これをiPr2O/石油エーテルから再結晶して3-(t-ブチルオキシカルボニル)-1-(クロロメチル)-5-(9-フルオレニルメチルオキシカルボニルアミノ)-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドールを得た(417mg, 89%)(mp103-106℃)。
Figure 0004155598
上記5-NHFMOC化合物(94mg, 0.17mmol)のHCl-飽和ジオキサン(6mL)溶液を20℃で2時間攪拌したあと、30℃未満の減圧下で蒸発乾固した。次にEDCI.HCl(81mg, 0.42mmol)、(E)-3-(アセチルアミノ)ケイ皮酸(37mg, 0.18mmol)およびDMA(2mL)を加え、混合物を20℃で4時間攪拌した。希KHCO3を加えて黄色い固体を沈殿させ、これを回収し、乾燥し、EtOAc中に溶解した。石油エーテルを加えて不純物を沈殿させ、これを濾過により除去した。次に溶液を濃縮して体積を小さくし、iPr2Oで希釈して3-[(E)-3-(アセチルアミノ)シンナモイル]-1-(クロロメチル)-5-(9-フルオレニルメチルオキシカルボニルアミノ)-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドールを得た(47mg, 43%)(mo208-209℃)。
Figure 0004155598
上記化合物(31mg, 0.048mmol)の乾燥DMF(0.4mL)溶液を20℃でピペリジン(0.04mL)で処理した。20分後にこの混合物を水中に注ぎ、沈殿した固体を回収し、乾燥し、EtOAc中に溶解した。溶液をシリカゲルの短いカラムで濾過し、溶出物を濃縮して体積を小さくし、iPr2Oで希釈した。得られた固体をEtOAc/iPr2O/石油エーテルから再結晶して生成物(15k)を得た(17mg, 84%)(mp>250℃)。
Figure 0004155598
実施例W:1-(クロロメチル)-3-[(E)-3-メトキシシンナモイル]-5-ニトロ-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール(14l)の調製
上記実施例Cのように(13)(250mg, 0.69mmol)の脱保護を行い、該生成物をEDCI.HCl(331mg, 1.73mmol)、(E)-3-メトキシケイ皮酸(129mg, 0.72mmol)およびDMA(3mL)と20℃で3時間反応させたあと、希KHCO3を加えて固体を得た。これをCH2Cl2/iPr2Oから、ついでEtOAcから再結晶して生成物(14l)を得た(215mg, 74%)(mp200℃)。
Figure 0004155598
実施例X:5-アミノ-1-(クロロメチル)-3-[(E)-3-メトキシシンナモイル]-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール(15l)の調製
熱い(14l)(110mg, 0.26mmol)のTHF(10mL)溶液に連続してMeOH(5mL)、H2O(2mL)、AcOH(0.2mL)および鉄粉(0.5mL)を加えた。この混合物を1時間加熱還流したあと、CaO(1g)で塩基性にし、濾過し、30℃未満の減圧下で濃縮して体積を小さくし、水で希釈した。得られた沈殿物をシリカゲルでのクロマトグラフィーにかけ、CH2Cl2/EtOAc(9:1)で溶出して固体を得て、これをCH2Cl2/石油エーテルから再結晶して生成物(15l)を得た(55mg, 54%)(mp>200℃)。
Figure 0004155598
実施例Y:3-[(E)-4-(アセチルアミノ)シンナモイル]-5-アミノ-1-(クロロメチル)-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール(15m)の調製
上記実施例Cのように(13)(302mg, 0.83mmol)の脱保護を行い、減圧下で反応生成物を蒸発乾固させて固体を得て、これをピリジン(5mL)中に溶解した。攪拌した溶液を0℃で無水トリフルオロ酢酸(0.14mL, 0.99mmol)で滴下処理した。この混合物を20℃でさらに10分間攪拌したあと、水中に注ぎ、沈殿した固体をCH2Cl2中に溶解して、シリカゲルのカラムで濾過した。減圧下で溶媒を除去し、残渣をEtOAc/石油エーテルから結晶化して1-(クロロメチル)-5-ニトロ-3-トリフルオロアセチル-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドールを得た(241mg, 81%)(mp182℃)。
Figure 0004155598
上記ニトロ化合物(175mg, 0.49mmol)のベンゼン(30mL)溶液を50psiで1時間PtO2(45mg)で水素化した。触媒および溶媒を除去して固体を得て、これをiPr2O/石油エーテルから再結晶して5-アミノ-1-(クロロメチル)-3-トリフルオロアセチル-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドールを得た(143mg, 89%)(mp177℃)。
Figure 0004155598
上記5-アミノ化合物(200mg, 0.61mmol)およびジ-t-ブチルジカーボネート(266mg, 1.22mmol)をジオキサン(20mL)へ溶解した混合物をN2雰囲気下65℃で遮光しながら4時間攪拌した。さらにジ-t-ブチルジカーボネート(200mg, 0.92mmol)を加えて混合物を70℃でさらに8時間攪拌したあと、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィーにかけ、石油エーテル/CH2Cl2(1:3)で溶出して固体を得て、これをiPr2O/石油エーテルから再結晶して5-(t-ブチルオキシカルボニルアミノ)-1-(クロロメチル)-3-トリフルオロアセチル-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドールを得た(192mg, 74%)(mp185℃)。
Figure 0004155598
攪拌した上記トリフルオロアセテート(180mg, 0.42mmol)のN-メチルピロリドン(4.5mL)溶液を、20℃でCs2CO3(1.2g)の水溶液(2.7mL)で滴下処理した。この混合物を20℃でさらに45分間攪拌したあと水(35mL)で希釈し、ベンゼン(2×25mL)で抽出した。有機抽出物を1つにして水(2×)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、30℃未満の減圧下で濃縮した。残渣を連続してEDCI.HCl(201mg, 1.05mmol)、(E)-4-(アセチルアミノ)ケイ皮酸(86mg, 0.42mmol)、DMA(2mL)およびDMA.HCl(52mg, 0.42mmol)で処理した。この混合物を20℃でさらに30分間攪拌したあとKHCO3溶液で希釈した。沈殿した固体を回収し、水で洗浄し、乾燥して温かいEtOAc中に溶解した。この溶液をシリカゲルの短いカラムで濾過したあと、濃縮して体積を小さくし、iPr2O/石油エーテルで希釈して3-[(E)-4-(アセチルアミノ)シンナモイル]-5-(t-ブチルオキシカルボニルアミノ)-1-(クロロメチル)-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドールを得た(97mg, 44%)(mp200℃)。
Figure 0004155598
先述の化合物(83mg, 0.16mmol)の冷たいジオキサン(8mL)懸濁液をHClガスで飽和させ、20℃で10分間放置した。この混合物をEtOAc/石油エーテルで希釈して生成物を回収し、希KHCO3とEtOAcとの間で分配した。有機層を水で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、シリカゲルの短いカラムで濾過した。この溶液を30℃未満の減圧下で濃縮して体積を小さくしたあと石油エーテルで希釈し、生成物(15m)を得た(54mg, 81%)(mp>250℃)。
Figure 0004155598
実施例Z:5-アミノ-1-(クロロメチル-3-[(E)-4-メトキシシンナモイル]-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール(15n)の調製
攪拌した上記5-(t-ブチルオキシカルボニルアミノ)-1-(クロロメチル)-3-トリフルオロアセチル-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール(100mg, 0.23mmol)のN-メチルピロリドン(2.5mL)溶液を、Cs2CO3(650mg)の水溶液(1.5mL)で20℃で滴下処理した。この混合物を20℃でさらに45分間攪拌したあと水(20mL)で希釈してベンゼン(2×15mL)で抽出した。有機抽出物を1つにして水(2×)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、30℃未満の減圧下で濃縮した。残渣をピリジン(2mL)中に溶解し、-5℃に冷却し、塩化(E)-4-メトキシシンナモイル(46mg, 0.23mmol)、ついでDMAP(15mg)で処理した。混合物を20℃でさらに30分間攪拌したあと、KHCO3溶液で希釈した。沈殿した固体を回収し、水で洗浄し、乾燥し、シリカゲルでのクロマトグラフィーにかけた。CH2Cl2/EtOAcで溶出して粗生成物を得て、これをCH2Cl2/石油エーテルから再結晶して5-(t-ブチルオキシカルボニルアミノ)-1-(クロロメチル)-3-[(E)-4-メトキシシンナモイル]-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドールを得た(55mg, 48%)(mp185-185.5℃)。
Figure 0004155598
先述の化合物(46mg, 0.09mmol)の冷たいジオキサン(5mL)懸濁液をHClガスで飽和させ、20℃で10分間放置した。この混合物をEtOAc/石油エーテルで希釈し、生成物を回収して希KHCO3とEtOAcとの間で分配した。有機層を水で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、30℃未満の減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィーにかけた。CH2Cl2/EtOAc(2:1)で溶出して固体を得て、これをCH2Cl2/石油エーテルから再結晶して生成物(15n)を得た(26mg, 71%)(mp114-116℃)。
Figure 0004155598
実施例AA:1-[(メタンスルホニルオキシ)メチル]-5-ニトロ-3-[(5,6,7-トリメトキシインドール-2-イル)カルボニル]-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール(14o)の調製
攪拌した3-(tブチルオキシカルボニル)-1-(ヒドロキシメチル)-5-ニトロ-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール(12)(450mg, 1.31mmol)のピリジン(1.3mL)溶液を、メタンスルホニルクロリド(0.121mL, 1.57mmol)で-5℃で滴下処理し、つぎに20℃で2時間攪拌した。この混合物を水で希釈したあと冷却し、得られた固体を回収して水で洗浄し、乾燥した。この生成物をCH2Cl2中に溶解し、溶液をシリカゲルの短いカラムで濾過し、さらにCH2Cl2で溶出した。得られた生成物をiPr2O/石油エーテルですりつぶして3-(t-ブチルオキシカルボニル)-1-[(メタンスルホニルオキシ)メチル]-5-ニトロ-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドールを得た(494mg, 89%)(mp147℃(分解))。
Figure 0004155598
先述の化合物(265mg, 0.63mmol)の溶液をHClで飽和したジオキサン(12mL)中で20℃で2時間攪拌し、ついで30℃未満の減圧下で蒸発乾固した。5,6,7-トリメトキシインドール-2-カルボン酸(165mg, 0.66mmol)、EDCI.HCl(301mg, 1.57mmol)およびDMA(2.5mL)を加え、混合物を20℃で2.5時間攪拌した。希KHCO3を加えて固体を沈殿させ、これを回収し、水で良く洗浄し、シリカゲルでのクロマトグラフィーにかけた。CH2Cl2/EtOAc(4:1)で溶出して粗生成物を得て、これをEtOAc/石油エーテルから再結晶して生成物(14o)を得た(264mg, 76%)(mp213.5-214.5℃)。
Figure 0004155598
実施例BB:5-アミノ-1-[(メタンスルホニルオキシ)メチル]-3-[(5,6,7-トリメトキシインドール-2-イル)カルボニル]-1,2-ジヒドロ3H-ベンズ[e]インドール(15o)の調製
(14o)(162mg, 0.29mmol)のTHF(15mL)溶液を55psiで2時間PtO2で水素化した。触媒を除去したあと、25℃未満の減圧下で溶液を濃縮して体積を小さくし、iPr2Oで希釈して粗組成物を得た。これを20℃でEtOAc溶液から石油エーテルで沈殿させて精製し、不安定な固体として5-アミノ-1-[(メタン-スルホニルオキシ)メチル]-3-[(5,6,7-トリメトキシインドール-2-イル)カルボニル]-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール(15o)を得た(116mg, 76%)(mp>260℃)。
Figure 0004155598
実施例CC:(R)-および(S)-1-(クロロメチル)-5-ニトロ-3-[(5,6,7-トリメトキシインドール-2-イル)カルボニル]-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール(14aRおよび14aS)の調製
(R,S)-3-(t-ブチルオキシカルボニル)-1-[(メタンスルホニルオキシ)メチル]-5-ニトロ-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール(調製法については実施例AAを参照のこと)を、Diacel Chiralcel OD半分取カラム(semi-preparative column)(10(m, 2×25cm)でのHPLCにより分離した。即ち、アセトニトリル/iPrO/ヘキサン(25:37.5:37.5)に溶解した試料15mgをロードし、6.75mL/分の流速にてiPrO/ヘキサン(50:50)で流した。これにより鏡像異性体のベースライン分離(α値約1.45)が得られ、R鏡像異性体([α]D-60°;c 0.31、THF)のRTは30分であり、S鏡像異性体([α]D+61°;c 0.31、THF)のRTは42分であった。鏡像異性体の絶対配置は、R鏡像異性体のX線結晶構造により決定した。上記のようにこれらの鏡像異性体を変換させることにより、(R)-1-(クロロメチル)-3-[(5,6,7-トリメトキシインドール-2-イル)カルボニル]-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール(14aR):([α]D−55°;c 0.23, THF);および(S)-1-(クロロメチル)-3-[(5,6,7-トリメトキシインドール-2-イル)カルボニル]-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール(14aS):([α]D+54°;c 0.23, THF)を得た。
実施例DD:(R)-および(S)-5-アミノ-1-(クロロメチル)-3-[(5,6,7-トリメトキシインドール-2-イル)カルボニル]-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール(15aRおよび15aS)の調製
上記のように(14aR)および(14aS)を還元することにより、それぞれ(R)-5-アミノ-1-(クロロメチル)-3-[(5,6,7-トリメトキシインドール-2-イル)カルボニル]-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール(15aR):([α]D−10°;c 0.20, THF);および(S)-5-アミノ-1-(クロロメチル)-3-[(5,6,7-トリメトキシインドール-2-イル)カルボニル]-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール(15aS):([α]D+10°;c 0.20, THF)を得た。
実施例EE:1-(クロロメチル)-5-メチルアミノ-3-[(5,6,7-トリメトキシインドール-2-イル)カルボニル]-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール(15p)の調製
N2雰囲気下で0℃で、酢酸ギ酸無水物[ギ酸(1.25mL, 33mmol)および無水酢酸(2.5mL, 27mmol)から調製した溶液60μL]を、(15a)(206mg, 0.44mmol)のTHF(20mL)溶液に加えた。0℃で30分攪拌したあと、さらに酢酸ギ酸無水物(60μL)をこの不均一混合物に加え、0℃で2.5時間攪拌を続けた。つぎにこの混合物を非常に低い圧力下で蒸発乾固した。残渣をTHF(35mL)中に懸濁し、BH3.DMS(0.15mL, 1.5mmol)で処理したあと、45分間還流しながら攪拌した。この反応溶液を冷却し、MeOH(2mL)ついで2NのHCl(10mL)を加え、この混合物を20℃で15分間攪拌した。減圧下で揮発物を除去し、残渣をKHCO3水で振盪し、EtOAc(2×)で抽出した。抽出物を1つにして水で洗浄し、乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィーにかけ、CH2Cl2/EtOAc(5:1)で溶出し、つぎに20℃でiPr2OでEtOAc溶液から沈殿させて生成物(15p)を得た(89mg, 42%)(mp122-125℃)。
Figure 0004155598
実施例FF:1-(クロロメチル)-5-ジメチルアミノ-3-[(5,6,7-トリメトキシ-インドール-2-イル)カルボニル]-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール(15q)の調製
(15a)(181mg, 0.39mmol)およびホルムアルデヒド(約40%w/vを0.30mL、4mmol)をTHF(5mL)へ溶解した混合物を、固体NaBH3CN(63mg, 1.0mmol)で、ついで2NのHCl(0.7mL)で処理した。この混合物を20℃で2時間攪拌したあと、水で希釈し、CH2Cl2(3×)で抽出した。抽出物を1つにして水で洗浄し、乾燥し、減圧下で濃縮して、残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィーにかけた。CH2Cl2/EtOAc(4:1)で溶出してガムを得て、これをEtOAc/iPr2Oですりつぶし、得られた粗生成物を20℃でiPr2Oを用いた沈殿によりCH2Cl2溶液から精製し、生成物(15q)を得た(130mg, 68%)(mp174-175℃)。
Figure 0004155598
実施例GG:1-(クロロメチル)-5-[(4-ニトロベンジルオキシ-カルボニル)アミノ]-3-[(5,6,7-トリメトキシインドール-2-イル)カルボニル]-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール(15r)の調製
(15a)(430mg, 0.92mmol)のTHF(50mL)溶液を、固体4-ニトロベンジルクロロホルメート(298mg, 1.38mmol)で-5℃で滴下処理した。この混合物を10℃で30分間、ついで20℃で2時間攪拌したあと、iPr2O/石油エーテルで希釈した。沈殿物を回収し、20℃でCH2Cl2で抽出し、濾液を蒸発させて残渣を得て、これをシリカゲルでのクロマトグラフィーにかけた。CH2Cl2/EtOAc(9:1)で溶出し、溶出液を固体に見えるようになるまで減圧下で濃縮した。iPr2Oを加えて粗生成物の沈殿を完了させ、つぎにこれをCH2Cl2/iPr2Oから再結晶して生成物(15r)を得た(290mg, 49%)(mp191-192℃)。
Figure 0004155598
実施例HH:N-[1-(クロロメチル)-3-[(5,6,7-トリメトキシインドール-2-イル)カルボニル]-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール-5-イル]-2-メチル-2-(2-ニトロフェニル)プロパンアミド(15s)の調製
2-メチル-2-(2-ニトロフェニル)プロパン酸[Atwellら、J. Med. Chem. 37, 1994, 371-380](29mg, 0.14mmol)および微量のDMFを含むSOCl2(2mL)の攪拌した混合物を、30分間温めたあと、高真空下で蒸発乾固した。残渣を-10℃に冷却し、氷冷した(15a)(64mg, 0.14mmol)の乾燥ピリジン(0.8mL)溶液で一気に処理した。この反応混合物を20℃で4時間攪拌したあと、KHCO3水で希釈し、得られた沈殿物を回収し、シリカゲルでのクロマトグラフィーにかけた。CH2Cl2/EtOAc(9:1)で溶出し、生成物を得てこれをCH2Cl2/iPr2Oから2回再結晶し、生成物(15s)を得た(16mg, 18%)(mp139-143℃)。
Figure 0004155598
実施例II:2-(S)-[N-[1-(S,R)-(クロロメチル)-3-[(5,6,7-トリメトキシインドール-2-イル)カルボニル]-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール-5-イル]ウレイレン]ペンタンジオエート(15t)の調製
ジ-t-ブチル(S)-2-イソシアナートペンタンジオエート(0.19g, 0.66mmol)[J.S.Nowickら、J.Org. Chem., 57, 1992, 7364-7366の方法により調製]、(15a)(154mg, 0.33mmol)およびジブチル錫ジアセテート(1滴)の1,2-ジクロロエタン(20mL)溶液を20℃で攪拌した。2、5、7および9日後にさらにイソシアネート(4×0.19g)を加えた。12日後に、エタノールアミン(0.21g, 3.4mmol)を加え、さらに30分後に溶媒を蒸発させた。残渣をクロマトグラフィー(30%EtOAc-石油エーテル、ついで20%EtOAc-CHCl3)により精製し、明るい黄褐色のフィルムとしてジ-t-ブチル2-(S)-[N-[1-(S,R)-(クロロメチル)-3-[(5,6,7-トリメトキシインドール-2-イル)カルボニル]-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール-5-イル]ウレイレン]ペンタンジオエートを得た(155mg, 62%)。
Figure 0004155598
上記ジ-t-ブチルエステル(149mg, 0.20mmol)を、HClで飽和したジオキサン(8mL)中で20℃で4時間攪拌し、HPLCにより反応をモニターした。溶媒を蒸発させ、HPLC(CH3CN-ギ酸緩衝液)により残渣を分離した。二酸を含む留分を蒸発させて残渣を水で希釈し、EtOAcで抽出した。抽出物を乾燥し(Na2SO4)、蒸発させて、黄色い泡(foam)として生成物(15t)を得た(58mg, 46%)。
Figure 0004155598
実例例JJ:メチル1-(クロロメチル)-5-ニトロ-3-[(5,6,7-トリメトキシインドール-2-イル)カルボニル]-1,2-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-e]インドール-7-カルボキシレート(31)の調製(スキーム4)
ボラン-硫化ジメチル(34mL, 0.34mmol)を、2-ヨード-3-ニトロ安息酢酸(43)[P.J. Culhane, Org. Synth. Coll. Vol 1, 1967, 125-127](82.3g, 0.28mol)およびホウ酸トリメチル(64mL, 0.56mol)の乾燥THF(400mL)溶液に窒素雰囲気下で加え、この混合物を90分間還流しながら攪拌した。この溶液を冷却し、MeOHついでH2Oを加えて、この混合物を蒸発させた。NaCl水を残渣に加え、EtOAc(×3)で混合物を抽出した。この抽出物をNaCl水で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させて、次のステップで使用するのに適した黄色がかったオレンジ色の固体として粗製2-ヨード-3-ニトロベンジルアルコール(44)を得た。シリカの短いカラムで試料を濾過し、CH2Cl2で溶出し、淡い黄色の針としてPhHから再結晶した(mp91-91.5℃)。
Figure 0004155598
無水酢酸(37mL, 0.39mol)を(44)、トリエチルアミン(59mL, 0.42mol)およびDMAP(0.25g, 2mmol)のCH2Cl2(400mL)溶液に0℃で加えた。氷浴を除去し、この黄色い溶液を10分間攪拌したあと蒸発させた。残渣をEtOAc中に溶解し、HCl水溶液(2N、×2)、NaHCO3水(×2)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。得られたオレンジ色の油をMeOH-H2Oから結晶化し、淡い黄色の固体として2-ヨード-3-ニトロベンジルアセテート(45)を得た(2つのステップで75.8g, 84%)(mp64-65℃)。
Figure 0004155598
(45)(8.00g, 24.9mmol)のEtOH(100mL)およびH2O(100mL)溶液を還流してAcOH(20mL)で処理した。鉄粉(5.57g, 97mmol)をHCl(2N)で、ついでH2Oで洗浄し、この熱い溶液に加えた。この混合物を還流しながらさらに15分間激しく攪拌したあと、20°に冷却した。濃NH3(40mL)を加え、この混合物をセライトで濾過し、EtOAcで溶出した。EtOHを蒸発させ、残渣をNaCl水で希釈し、EtOAc(×2)で抽出した。抽出物を乾燥し(Na2SO4)、蒸発させ、得られた固体をMeOHから再結晶して、クリーム色の粉末として3-アミノ-2-ヨードベンジルアセテート(46)を得た(3.72g, 51%)(mp80-81℃)。母液を蒸発させ、クロマトグラフィー(30% EtOAc-石油エーテル)により残渣を精製して、さらに生成物を得た(2.93g, 40%)。
Figure 0004155598
(46)(26.9g, 92mmol)およびジ-t-ブチルジカーボネート(40.3g, 184mmol)のジオキサン(200mL)溶液を2日間還流しながら攪拌した。この溶液を蒸発させ、クロマトグラフィー(10-20% EtOAc-石油エーテル)により残渣を分離すると、出発材料(13.2g, 49%)が回収されると同時に淡い黄色の油として3-(t-ブチルオキシカルボニル)アミノ-2-ヨードベンジルアセテート(47)を得た(17.5g, 48%)。石油エーテルから白い固体として試料を結晶化した(mp62-63℃)。
Figure 0004155598
水素化ナトリウム(60%油中分散液、4.48g、113mmol)を石油エーテル(×3)で洗浄し、0℃で窒素雰囲気下でDMF(80mL)中に懸濁した。(47)(29.2g, 75mmol)および臭化アリル(19.4mL, 225mmol)のDMF(100mL)溶液を一気に加えた。5分後にこの混合物を20℃に温め、さらに1時間攪拌した。H2Oを加え、DMFを蒸発させた。H2Oで残渣を希釈し、CH2Cl2(×3)で抽出し、この抽出物を乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。これにより、次のステップで使用するのに適した無色の油として、粗製3-[N-(t-ブチルオキシカルボニル)-N-(2-プロペニル)]アミノ-2-ヨードベンジルアセテート(48)を得た。
Figure 0004155598
粗生成物(48)をMeOH(400mL)中に溶解し、K2CO3(12.4g, 90mmol)の水溶液(80mL)を加えた。この混合物を20℃で15分攪拌し、MeOHを蒸発させた。水性の残渣をEtOAc(×2)で抽出し、この抽出物を乾燥し(Na2SO4)蒸発させて、次のステップで使用するのに適した淡い黄色の油として、粗製3-[N-(t-ブチルオキシカルボニル)-N-(2-プロペニル)]アミノ-2-ヨードベンジルアルコール(49)を得た。石油エーテルから白い角柱として試料を結晶化した(mp91.5-92.5℃)。
Figure 0004155598
粗生成物(49)をEtOAc(300mL)中に溶解し、MNO2(40g, 0.46mol)を加え、この混合物を20時間還流しながら攪拌した。この混合物をセライトで濾過してEtOAcで溶出し、さらにMNO2(40g, 0.46mol)を加え、この混合物をさらに6時間還流しながら攪拌した。新しいMNO2(40g, 0.46mol)でもういちど濾過および酸化を繰り返し、さらに6時間還流したあと、TLC(25%EtOAc-石油エーテル)により酸化が完了したことを確認した。この混合物をセライトで濾過してEtOAcで溶出し、濾液を蒸発させて、淡い黄色の油として3-[N-(t-ブチルオキシ-カルボニル)-N-(2-プロペニル)]アミノ-2-ヨードベンズアルデヒド(50)を得た(3ステップで25.3g, 88%)。
Figure 0004155598
-78℃の窒素雰囲気下で、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(2MのTHF溶液38.4mL, 77mmol)を、(50)(7.43g, 19.2mmol)およびメチルアジドアセテート(11.0g, 96mmol)のTHF(80mL)溶液に45分間かけて滴下により加えた。この茶色い溶液をこの温度で1時間攪拌したあと、HCl水(2N, 43mL)を含むH2O(300mL)に注いだ。この混合物をEtOAc(×2)で抽出し、この抽出物を乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。クロマトグラフィー(10-20%, EtOAc-石油エーテル)により、出発材料(0.83g, 11%)および淡い黄色の泡(foam)状の粗製アジドアルコール(51)(6.18g, 64%)を回収した。0℃で粗生成物(51)(6.34g, 12.6mmol)をCH2Cl2(50mL)中に溶解し、トリエチルアミン(4.40mL, 32mmol)およびメタンスルホニルクロリド(1.2mL, 15mmol)を加えた。この混合物を0℃で30分間攪拌したあと、H2Oで希釈し、CH2Cl2(×2)で抽出した。この抽出物を乾燥し(Na2SO4)、蒸発させて、クロマトグラフィー(8%EtOAc-石油エーテル)により残渣を精製して、淡い黄色の油として粗製アジドシンナメート(52)を得た(5.11g, 84%)。
窒素雰囲気下で、粗生成物(52)(5.11g, 10.6mmol)のキシレン(80mL)溶液をキシレン(70nL)に40分かけて還流しながら滴下により加えた。この溶液をさらに10分間還流しながら攪拌したあと、蒸発させた。クロマトグラフィー(20%, EtOAc-石油エーテル)により、クリーム色の固体としてメチル5-[N-(t-ブチルオキシカルボニル)-N-(2-プロペニル)]アミノ-4-ヨードインドール-2-カルボキシレート(53)を得た(4.09g, 85%, ベンズアルデヒドからの総収率は46%)(mp178-179℃)(MeOH)。
Figure 0004155598
70-80℃で窒素雰囲気下、水素化トリブチル錫(13.8mL, 51mmol)のトルエン(150mL)溶液を、(53)(5.86g, 12.8mmol)およびTempo(2,2,6,6-テトラメチルピペリジニルオキシ、10.0g, 64mmol)のトルエン(400mL)溶液に3時間かけて滴下により加えた。このあいだ、Tempoの赤色は消えて淡い黄色になった。TLC分析(30%EtOAc-石油エーテル)より、ある程度の出発材料が未反応であることを確認した。さらにTempo(3.0g, 19mmol)を一気に加え、つぎに水素化トリブチル錫(3.5mL, 13mmol)のトルエン(80mL)溶液を2時間かけて滴下により加えた。この混合物を冷却して蒸発させた。クロマトグラフィー(CHCl3、ついで5-20%EtOAc-石油エーテル)によりピンク色の固体(約10g)を得て、これをMeOHから再結晶して、白い固体としてメチル3-(t-ブチルオキシカルボニル)-1-[(2,2,6,6-テトラメチルピペリジノ)オキシ]メチル-1,2-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-e]インドール-7-カルボキシレート(54)を得た(3.65g, 59%)(mp191.5-193℃)。母液を蒸発させ、クロマトグラフィー(5-20%EtOAc-石油エーテル)により精製し、つぎにMeOHから再結晶してさらに生成物を回収した(1.12g, 18%)。
Figure 0004155598
亜鉛粉末(7.39g, 113mmol)を(54)(6.86g, 14.1mmol)のTHF(150mL)溶液、HOAc(150mL)およびH2O(50mL)の混合溶液に加えた。この混合物を還流しながら40分間攪拌し、冷却し、セライトで濾過してEtOAcで溶出した。濾液を蒸発させ、H2Oで残渣を希釈し、EtOAc(×2)で抽出した。この抽出物をH2O、NaHCO3水で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。MeOHからの再結晶により、白い固体としてメチル3-(t-ブチルオキシカルボニル)-1-ヒドロキシメチル-1,2-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-e]-インドール-7-カルボキシレート(55)を得た(3.86g, 79%)(mp189.5-191℃)(分解)。母液をクロマトグラフィー(40%EtOAc-石油エーテル)により精製してさらにアルコールを得た(0.74g, 15%)。
Figure 0004155598
温かい(55)(447mg, 1.29mmol)のCH3NO2(50mL)溶液を氷浴中で冷却した。出発材料が沈殿しはじめたとき(内部温度約5℃)、濃硝酸(c.HCO3)(0.16mL, 2.6mmol)を滴下し、オレンジがかった赤色の混合物を得た。この懸濁液を0℃で40分間攪拌したあと、冷たいH2Oに注ぎ、CH2Cl2(×3)で抽出した。抽出物をNaHCO3水で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。MeOHから残渣を再結晶して、オレンジ色の粉末としてメチル3-(t-ブチルオキシカルボニル)-1-ヒドロキシメチル-5-ニトロ-1,2-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-e]インドール-7-カルボキシレート(29)を得た(229mg, 45%)(mp200℃(分解))。クロマトグラフィー(40%EtOAc-石油エーテル)により母液を精製して、さらに生成物(29)を得た(70mg, 14%)。
Figure 0004155598
(29)(1.52g, 3.87mmol)のHCl-飽和ジオキサン(120mL)溶液を100分間(TLCにより完全に反応したことを確認するまで)攪拌し、懸濁液を蒸発させた。EDCI.HCl(1.48g, 7.74mmol)および5,6,7-トリメトキシインドール-2-カルボン酸(0.97g, 3.87mmol)のDMA(12mL)溶液を加え、この混合溶液を20℃で16時間攪拌した。希NaHCO3水(100mL)を加え、沈殿した固体を濾過し、H2Oで洗浄して乾燥した。熱いMeOHですりつぶし、オレンジ色の粉末としてメチル1-ヒドロキシメチル-5-ニトロ-3-[(5,6,7-トリメトキシインドール-2-イル)カルボニル]-1,2,-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-e]インドール-7-カルボキシレート(56)を得た(1.45g, 71%)(mp239-240.5℃(分解))。
Figure 0004155598
ジクロロトリフェニルホスホラン(1.65g, 5.1mmol)を(56)(1.34g, 2.55mmol)のピリジン(75mL)溶液に加え、この溶液を20℃で攪拌した。10分後、さらにジクロロトリフェニルホスホラン(2.06g, 6.4mmol)を加え、さらに10分後にこの溶液をH2Oに注いでこの混合物を5分間攪拌した。沈殿した固体を濾過し、H2Oで洗浄し、再びCH2Cl2(400mL)中に溶解した。この溶液をセライトで濾過し、CH2Cl2で溶出し、濾液を乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。得られたオレンジ色の固体をCH2Cl2から再結晶して、オレンジ色の粉末としてメチル1-(クロロメチル)-5-ニトロ-3-[(5,6,7-トリメトキシインドール-2イル)カルボニル]-1,2-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-e]インドール-7-カルボキシレート(31)を得た(0.88g, 64%)(mp246-247.5℃)。母液をシリカで蒸発させ、クロマトグラフィー(50%EtOAc-石油エーテル)により精製してさらに生成物(31)を得た(0.50g, 36%)。
Figure 0004155598
実施例KK:メチル5-アミノ-1-(クロロメチル)-3-[(5,6,7-トリメトキシインドール-2-イル)カルボニル]-1,2-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-e]インドール-7-カルボキシレート(32a)の調製
(31)(559mg, 1.0mmol)のTHF(100mL)溶液を、50psiで30分間PtO2(0.10g, 0.44mmol)で水素化した。触媒を濾過して除き、濾液を蒸発させ、EtOAcで残渣をすりつぶして、黄色がかったオレンジ色の固体として生成物(32a)を得た(404mg, 76%)(mp190-196℃(分解))。母液を蒸発させてさらに生成物(32a)を得た(111mg, 21%)。
Figure 0004155598
実施例LL:メチル1-(クロロメチル)-5-メチルアミノ-3-[(5,6,7-トリメトキシインドール-2-イル)カルボニル]-1,2-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-e]インドール-7-カルボキシレート(32b)の調製
調製したばかりの酢酸ギ酸無水物[ギ酸(1.22mL, 32mmol)および無水酢酸(2.45mL, 26mmol)から調製した溶液40μL]を、20℃の窒素雰囲気下で、(32a)(94mg, 0.18mmol)のTHF(10mL)溶液に加えた。この溶液を2時間攪拌したあと、蒸発させた。窒素雰囲気下で残渣をTHF(8mL)中に再び溶解し、ボラン-硫化ジメチル(45μL, 0.45mmol)を加え、この黄色い溶液を30分間還流しながら攪拌した。この混合物を冷却し、MeOHおよびH2Oを加え、この混合物を蒸発させた。H2Oで残渣を希釈し、EtOAc(×2)で抽出した。この抽出物をH2Oで洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。クロマトグラフィー(50-60%EtOAc-石油エーテル)を行い、PhHから再結晶して、黄色い固体として生成物(32b)を得た(11mg, 11%)(mp201-205℃(分解))。
Figure 0004155598
実施例MM:メチル1-(クロロメチル)-5-メチルアミノ-3-[(5,6,7-トリメトキシインドール2-イル)カルボニル]-1,2-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-e]インドール-7-カルボキシレート(32c)の調製:
水素化シアノホウ素ナトリウム(sodium cyanoborohydride)(40mg, 0.6mmol)、ついでHCl水(2N, 0.4mL)を、(32a)(111mg, 0.22mmol)およびホルムアルデヒド(40%w/v水溶液を0.17mL、2.3mmol)のTHF(15mL)溶液に加え、この淡いオレンジ色の溶液を20℃で100分間攪拌した。THFを蒸発させ、H2Oで残渣を希釈し、CH2Cl2(×2)で抽出した。抽出物を乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。クロマトグラフィー(1%MeOH-CHCl3)を行った後、PhH-石油エーテルから結晶化によりクリーム色の粉末状の生成物(32c)を得た(33mg, 28%)(mp200-202℃(分解))。
Figure 0004155598
実施例NN:メチル1-(クロロメチル)-5-[(4-ニトロベンジルオキシカルボニル)-アミノ]-3-[(5,6,7-トリメトキシインドール-2-イル)カルボニル]-1,2-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-e]インドール-7-カルボキシレート(32d)の調製
4-ニトロベンジルクロロホルメート(43mg, 0.20mmol)を、(32a)(92mg, 0.18mmol)のピリジン(2mL)溶液に加え、この混合物を20℃で攪拌した。30分後、さらに4-ニトロベンジルクロロホルメート(43mg, 0.20mmol)を加え、さらに5分後に、ピリジンを蒸発させた。HCl水溶液(1N)で残渣を希釈し、EtOAc(×2)で抽出し、この抽出物を乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。得られた固体を熱いTHF中に溶解し、溶液をシリカで蒸発させた。クロマトグラフィー(60%, EtOAc-石油エーテル)にかけ、THFですりつぶしてクリーム色の固体として生成物(32d)を得た(22mg, 18%)(mp257-258.5℃)。
Figure 0004155598
以下のページは、本発明の化合物の生物活性の例を提供する。
生物活性
4種の異なる細胞系に対する細胞傷害性について本発明の化合物を試験した。これらの細胞系は全て、当該技術分野で広く入手可能なものである。AA8は野生型の齧歯類動物細胞系である。UV4は除去修復に欠陥のある突然変異型AA8細胞系であり、多くのアルキル化剤に対して過敏である。EMT6は広く使用されている齧歯類動物細胞系である。SKOVはヒトの卵巣細胞系である。
96-ウェルマイクロタイタートレー中で細胞培養アッセイを行った。本発明の化合物は連続2倍希釈により培養液へ加えた。トレー1枚につき8種類の薬剤(および8つの対照)のそれぞれの5種類の異なる濃度について2通りの培養物を用意した。薬剤は、細胞培養物へ添加する直前に水またはDMSOへ溶解した。4時間後、培養物を新鮮な培地で3回洗浄することによって薬剤を除去し、トレーをさらに3日間インキュベートした。次いで、既に記載されている通りにメチレンブルーで染色して細胞密度を測定し(Finlay, G J.ら, Anal. Biochm. 1984, 139, 272-277)、対照に対して増殖を50%抑制する薬剤濃度としてIC50を計算した。
本発明の化合物の活性を表2に示す。
Figure 0004155598
本発明の化合物を、細菌由来のニトロレダクターゼ(NR)酵素をコードする遺伝子でトランスフェクトしたヒト細胞系(表3のNR+)に対してさらに試験し、NRによる本発明の化合物の活性化について試験を行った。トランスフェクトしていない対照細胞(表3のNR-)を対照として使用した。使用した細胞は、ヒト結腸NR-(野生型)系WIDRとそのトランスフェクトされたNR+系WC14.10;並びにヒト卵巣NR-(野生型)系SKOV3とそのNR+(トランスフェクトされた)系SC3.2であった。結果を表3に示す。表3にはIC50の比も示す。このIC50比は実験間での値であり、所与のNR-値およびNR+値から計算した値とは若干異なることがある。
Figure 0004155598
表2および3の結果より、(a)Y=NH2である式(I)の新規化合物は、ある範囲の動物およびヒト腫瘍細胞系において相当な細胞傷害性を有し、(b)Y=NO2または4-ニトロベンジルカルバメートで置換された[式(II)においてP=(IIb)]式(I)の化合物の多くは、E.coliニトロレダクターゼ遺伝子を組み込みかつ対応する酵素を発現するヒト細胞系に対して相当な選択的細胞傷害性を有することが判る。

Claims (16)

  1. 式(I)の化合物
    Figure 0004155598
    [式中、
    XはハロゲンまたはOSO2Rであり、ここでRはH、またはヒドロキシルもしくはアミノ基で任意に置換されていてもよい低級アルキル(最大炭素数4)を表し、このアミノ基は1個または2個のC1-4アルキル基によって任意に置換されていてもよく;
    YはNO2、NHRまたはNRRあり、ここでPhはベンゼン環であり、Rは先に定義した通りであ
    Wは式(IaまたはIb)の構造から選ばれるものであり:
    Figure 0004155598
    (式中、Eは-CH=であり、GはNHであり、QはR、OR、NO2、CONHRまたはNHCORうちのいずれか3個までであ(ここでRは先に定義した通りであるが、Qが2個もしくは3個の場合にはRは同一でも異なっていてもよい)HETは5-もしくは6-員の炭素環またはN、OもしくはSから選ばれる原子を最大2個含む複素環を表す);
    AおよびBは共同して縮合ベンゼンまたは2-CO2Rピロール環を表し、ここでRは先に定義した通りである]。
  2. 式(II)の化合物
    Figure 0004155598
    [式中、A、B、E、G、Q、R、WおよびXは請求項1で定義した通り一般式(I)、(Ia)または(Ib)先に記載したものを表し、JはでありPは式(IIa)、(IIb)または(IIc)
    -C(O)-(CZ 2 ) n -Ph (IIa)
    -C(O)-O-CH 2 -Ph (IIb)
    -C(O)-NH-C(COOH)-(CH 2 ) 2 -COOH (IIc)
    (式中、Zの各存在は独立にHまたはMeであり、nは1または2であり、Phは部分(IIa)ではニトロ基で2位を置換されたフェニル部分および部分(IIb)ではニトロ基で2位もしくは4位を置換されたフェニル部分であり、基Phは基R、CONHR、NHCOR、NHR、ORまたはSO 2 R(ここでRは請求項1で定義した通りである)であり得る基R 1 によってさらに任意に置換されていてもよい)。
    部分から選択されるものである]。
  3. R1がHまたは基CONHRを表す、請求項に記載の化合物。
  4. XがClを表す、請求項1〜のいずれか一項に記載の化合物。
  5. Wが式(Ia)の基を表し、が3個のOMe基を表す、請求項1〜のいずれか一項に記載の化合物。
  6. 式(III)の化合物
    Figure 0004155598
    (式中、X、Y、E、GおよびQは請求項1で定義した通りである)。
  7. 式(IV)の化合物:
    Figure 0004155598
    (式中、X、Y、E、GおよびQは請求項1で定義した通りである)。
  8. 1-クロロメチル-5-ニトロ-3-[(5,6,7-トリメトキシインドール-2-イル)-カルボニル]-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール;
    1-(クロロメチル)-3-[[7-[2-(ジメチルアミノ)エトキシ]-5-メトキシインドール-2-イル]カルボニル]-5-ニトロ-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール;
    1-(クロロメチル)-3-[[6-[2-(ジメチルアミノ)エトキシ]-5-メトキシインドール-2-イル]カルボニル]-5-ニトロ-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール;
    1-(クロロメチル)-3-[(E)-3-メトキシシンナモイル]-5-ニトロ-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール;
    (R)-1-(クロロメチル)-5-ニトロ-3-[(5,6,7-トリメトキシインドール-2-イル)カルボニル]-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール;
    (S)-1-(クロロメチル)-5-ニトロ-3-[(5,6,7-トリメトキシインドール-2-イル)カルボニル]-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール;および
    メチル1-(クロロメチル)-5-ニトロ-3-[(5,6,7-トリメトキシインドール-2-イル)カルボニル]-1,2-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-e]インドール-7-カルボキシレート;
    からなる群より選ばれる化合物
  9. 5-アミノ-1-(クロロメチル)-3-[(5,6,7-トリメトキシインドール-2-イル)-カルボニル]-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール;
    1-(クロロメチル)-5-メチルアミノ-3-[(5,6,7-トリメトキシインドール-2-イル)カルボニル]-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール;
    5-アミノ-1-(クロロメチル)-3-[[7-[2-(ジメチルアミノ)エトキシ]-5-メトキシインドール-2-イル]カルボニル]-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール;
    5-アミノ-1-(クロロメチル)-3-[[6-[2-(ジメチルアミノ)エトキシ]-5-メトキシインドール-2-イル]カルボニル]-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール;
    5-アミノ-1-(クロロメチル)-3-[[7-[2-(ジメチルアミノ)エトキシ]-5-メトキシインドール-2-イル]カルボニル]-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール;
    5-アミノ-1-[(E)-4-ブチリルアミノ-1-メチル-2-ピロールアクリロイル]-1-(クロロメチル)-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール;
    5-アミノ-1-(クロロメチル)-3-[(E)-3-メトキシシンナモイル]-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール;
    (R)-5-アミノ-1-(クロロメチル)-3-[(5,6,7-トリメトキシインドール-2-イル)カルボニル]-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール;
    (S)-5-アミノ-1-(クロロメチル)-3-[(5,6,7-トリメトキシインドール-2-イル)カルボニル]-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール;
    メチル5-アミノ-1-(クロロメチル)-3-[(5,6,7-トリメトキシインドール-2-イル)カルボニル]-1,2-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-e]インドール-7-カルボキシレート;
    メチル1-(クロロメチル)-5-メチルアミノ-3-[(5,6,7-トリメトキシインドール-2-イル)カルボニル]-1,2-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-e]インドール-7-カルボキシレート;および
    メチル1-(クロロメチル)-5-ジメチルアミノ-3-[(5,6,7-トリメトキシインドール-2-イル)カルボニル]-1,2-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-e]インドール-7-カルボキシレート;
    からなる群より選ばれる化合物
  10. メチル1-(クロロメチル)-5-[(4-ニトロベンジルオキシカルボニル)アミノ]-3-[(5,6,7-トリメトキシインドール-2-イル)カルボニル]-1,2-ジヒドロ-3H-ピロロ[3,2-e]インドール-7-カルボキシレート;および
    1-(クロロメチル)-5-[(4-ニトロベンジルオキシカルボニル)アミノ]-3-[(5,6,7-トリメトキシインドール-2-イル)カルボニル]-1,2-ジヒドロ-3H-ベンズ[e]インドール;
    からなる群より選ばれる化合物
  11. (i)ニトロレダクターゼ酵素をコードし、かつ腫瘍細胞内で該酵素を発現可能なベクター;および
    (ii)請求項2、または10のいずれか一項に記載の化合物;
    を含んでなる、新生物疾患を治療するための2成分系。
  12. (i)ニトロレダクターゼ酵素に連結した腫瘍特異的抗体;および
    (ii)請求項2記載の化合物;
    を含んでなる、新生物疾患を治療するための2成分系。
  13. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物を製剤学上許容される担体または希釈剤と共に含んでなる医薬組成物。
  14. 人体または動物身体の治療方法に使用するための、請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物
  15. 人体または動物身体の治療方法に使用するための、請求項11もしくは12に記載の系。
  16. 人体または動物身体の治療方法に使用するための、請求項13に記載の組成物。
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