JP4155176B2 - 銀鉛含有物からの銀回収方法 - Google Patents

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Description

本発明は、銀鉛含有滓、特に銅電解スライムを湿式塩化処理して得た銀鉛含有滓から銀を効率良く鉛と分離して回収する方法に関する。また、好ましくは、銀を回収すると共に金、セレン等を回収する処理方法に関する。
従来、銅製錬における銅電解工程では、電解液に不溶な不純物が残渣として副生する。この銅電解スライムには白金、セレン、テルル、鉛、金、銀、銅などがかなりの量含まれており、これらの金属を分離回収する方法がこれまで多数提案されている。これらの金属の性質は様々であるため、全ての金属種を単一の方法で同時に分離回収することは困難であるので、個々の金属ごとに、あるいは同時に2種の金属をそれぞれ分離して回収する方法が従来から試みられている。これらの方法を組み合わせた連続処理するシステムが知られている。
例えば、銀を塩化物として含有する銅電解スライム中間処理物について、これを水酸化アルカリまたは炭酸アルカリの水溶液と反応させ、固液分離して得た残渣をさらに硝酸溶液と反応させて、残渣中の鉛を硝酸鉛として溶出させる一方、銀を残渣中に残し、これを固液分離して鉛と銀を分離する銀の濃縮法が知られている(特許文献1)。この処理方法は、銀の濃縮効果が従来の方法より高いが、アルカリを過剰に添加する必要があり、また反応温度が室温を超えると鉛と共に銀が溶出するため鉛と銀の分離が困難になるなどの問題がある。
また、銅電解スライムを焙焼して貴金属、ビスマス、鉛を含有する焙焼澱物を回収し、この焙焼澱物に所定量の鉄を加えて溶融し、高アンチモンスラグと貴鉛とを生成させ、この貴鉛を分銀工程で処理する方法が知られている(特許文献2)。しかし、この方法は鉛と銀の分離性が良いものの、熔錬工程で銀塊を製造するときに金が混入するため、銀の電解回収工程と金の電解回収工程が必要になるなどの問題がある。また、本処理方法は乾式処理であるため銀や金以外の貴金属について湿式方法との組み合わせが難しい。
さらに、銅電解スライムの塩化浸出澱物から銀を回収する方法として、この澱物を水でリパルプして鉄粉を加え、銀と鉛を同時に還元して塩素を除くことによってメタリックの銀と鉛を沈澱させ、この混合物を酸化炉で溶融し、鉛を酸化してスラグ化する一方、メタルの粗銀を分離回収する方法が知られている(特許文献3)。しかし、この回収方法は、鉄粉によって銀と鉛を同時に還元して両者をメタル化するものであり、銀の他に鉛を還元する量の鉄粉を必要とし、鉛含有量が多い場合には次工程の酸化溶練においてスラグ量が増し、後処理の負担が大きい。また、銀と鉛の分離性が必ずしも良くないため銀のロスが多く、澱物に含まれる鉛分が高い場合には適用し難いと云う問題がある。
特公昭60−59975号公報 特開平4−236731号公報 特開2001−316736号公報
本発明者等は、従来の処理方法における上記問題を解決したものであり、銅電解スライム等から銀と鉛を効率良く分離し、高品位の銀を効率良く回収する方法を提供する。さらに好ましくは銀と共に金およびセレン等を回収する処理方法を提供する。
すなわち、本発明は以下の構成からなる銀の回収方法等に関する。
(1)銀鉛塩化物を含有する原料を希硫酸でスラリー化し、これに鉄粉を添加して塩化銀を還元し、メタリックの銀を析出させる工程(鉄粉による銀還元工程)、このスラリーにさらに硫酸を添加して塩化鉛を硫酸鉛に転化して沈澱化し、メタリックの銀と硫酸鉛を含む混合物を回収する工程(硫酸鉛化工程)、この混合物を乾式熔錬し、銀を含むメタルと硫酸鉛を含むスラグとを形成させ、メタルとスラグを分離する工程(熔錬工程)、回収したメタルをソーダスラグと共に酸化精製して粗銀を得る工程(酸化精製工程)を有することを特徴とする銀鉛含有物からの銀の回収方法
(2)銀鉛塩化物を含有する原料が銅電解スライムを塩化浸出して固液分離した澱物である上記(1)の銀回収方法。
(3)メタリックの銀と硫酸鉛の混合物に炭酸ソーダを加えて乾式熔錬する上記(1)または(2)に記載する銀回収方法。
(4)炭酸ソーダを上記混合物の鉛含有量に対して0.3〜1.5モル倍添加し、1100℃〜1300℃の温度で乾式熔錬を行う上記(3)の銀回収方法。
(5)乾式熔錬によって得たメタルに苛性ソーダと炭酸ソーダを添加して酸化精製を行う上記(1)〜(4)の何れかに記載する銀回収方法。
(6)苛性ソーダと硝酸ソーダをメタル量に対しておのおの1〜50wt%、0.4〜20wt%添加し、1000℃〜1200℃の温度で酸化精製を行う上記(1)〜(5)の何れかに記載する銀回収方法。
(7)回収した粗銀を電解精製して高純度銀を得る工程を含む上記(1)〜(6)の何れかに記載する銀回収方法。
(8)酸化精製工程で回収した粗銀を電解精製した電気銀を高周波誘導加熱によって溶融した後に鋳込んで銀インゴットを製造する工程を含む上記(1)〜(7)の何れかに記載する銀回収方法。
(9)銀鉛塩化物含有澱物について上記(1)〜(8)の何れかの銀回収処理を行う一方、塩化浸出液について溶媒抽出によって金を選択的に抽出する工程と、金抽出後の溶媒を希塩酸で洗浄する工程と、溶媒中の金を還元して回収する工程を含む処理方法。
(10)上記(9)の金回収工程の後に、回収した金を高周波誘導加熱によって溶融し、これを鋳込んで金インゴットを製造する工程を含む処理方法。
(11)上記(9)または(10)の処理方法において、金の抽出残液を加熱して溶媒を蒸留除去した後に、この抽出残液に亜硫酸ガスを導入してセレンないしテルルおよび白金族を還元する工程と、還元析出したセレンを蒸留して高純度セレンを得る工程を含む処理方法。
(12)上記(11)の高純度セレンを回収する工程の後に、回収した高純度セレンを溶融状態で水中に滴下してショット状の金属セレンを得る工程を含む処理方法。
〔発明の具体的な説明〕
以下、本発明の銀回収方法を具体的に説明する。なお、%は特に示さない限りwt%である。
本発明の処理方法の概略を図1に示す。図示するように、本発明の銀回収方法は、銀鉛塩化物を含有する原料を希硫酸でスラリー化し、これに鉄粉を添加して塩化銀を還元し、メタリックの銀を析出させる工程(鉄粉による銀還元工程)、このスラリーにさらに硫酸を添加して塩化鉛を硫酸鉛に転化して沈澱化し、メタリックの銀と硫酸鉛を含む混合物を回収する工程(硫酸鉛化工程)、この混合物を乾式熔錬し、銀を含むメタルと硫酸鉛を含むスラグとを形成させ、メタルとスラグを分離する工程(熔錬工程)、回収したメタルをソーダスラグと共に酸化精製して粗銀を得る工程(酸化精製工程)を含むことを特徴とする銀鉛含有物からの銀の回収方法である。
銀鉛塩化物含有原料
本発明の銀と鉛の塩化物を含有する原料としては銅電解や銀電解の電解スライム等を用いることができる。先に述べたように一般に銅電解や銀電解においては電解液に不溶な成分が蓄積して電解スライムとなる。例えば、銅電解スライムには白金、セレン、テルル、鉛、金、銀、銅を多く含んでいる。この銅電解スライムを塩化浸出処理して金を液中に抽出する。塩化浸出処理は塩酸溶液中で電解スライムに塩素ガスや過酸化水素を添加することによって行われる。この時、スライム中の銀、鉛は不溶性の塩化銀、塩化鉛となり浸出澱物中に残る。
鉄粉による塩化銀還元工程
上記塩化浸出澱物に希硫酸を加えてリパルプする。希硫酸の添加量はスラリーがpH1〜3の弱酸性になる程度の量であれば良い。希硫酸でリパルプすることによって硫酸酸性のスラリーになる。このスラリーに鉄粉を添加して塩化銀を還元する。スラリー中の塩化銀は鉄粉によって還元されてメタリックの銀が析出する。このように硫酸酸性のスラリーにすることによって鉄粉を添加したときにスラリー中の塩化銀が選択的に還元されてメタリックの銀が沈澱し、一方、鉛は還元されずに一部は塩化鉛として残り、他は硫酸鉛になって沈澱する。鉄粉の使用量はスラリー中の銀含有量に対して反応当量の1〜2倍が適量である。鉄粉による塩化銀の還元によってスラリー温度が上昇するが、必要に応じて加熱し、60℃〜90℃の温度で鉄粉による還元を行うと良い。
硫酸鉛化工程
銀を析出沈澱させたスラリーにさらに硫酸を添加して塩化鉛を硫酸鉛に転じて沈澱させる。硫酸の添加量はスラリー中の鉛含有量に対して反応当量の1.5〜5倍程度であれば良い。これを固液分離してメタリックの銀と硫酸鉛を含む混合物を回収する。なお、この鉄還元工程および硫酸鉛化工程を経ることにより、原料中に含まれていた塩素分が液中に取り除かれるので、後段の乾式熔錬工程を行い易くなる。
乾式熔錬工程
メタリックの銀と硫酸鉛を含む混合物を乾式熔錬し、銀を含むメタルと硫酸鉛を含むスラグとを形成させ、メタルとスラグを分離する。この熔錬は大気雰囲気下で行えば良い。この場合、フラックスとして炭酸ソーダを適量添加することによって流動性の良いスラグを形成することができる。炭酸ソーダの添加量は混合物中の鉛含有量に対して0.3〜1.5モル倍が適当である。熔錬温度はスラグの流動性を考慮すると1100℃〜1300℃が適当である。この乾式熔錬によって硫酸鉛の大部分はスラグ相を形成する。また銀は溶融してメタル相を形成する。このメタルとスラグを分離してメタルを回収する。なお、この熔錬は硫酸鉛を酸化鉛にする積極的な酸化熔錬ではないのでメタル中に酸素や空気を吹く込む必要はなく、また還元熔錬でもないのでコークス粉などを投入する必要もない。
ソーダスラグによる酸化精製工程
上記乾式熔錬で得たメタルをソーダスラグと共に酸化熔錬してメタル中の不純物を除去する。ソーダスラグの材料としては苛性ソーダと硝酸ソーダを用い、このスラグの酸化力を利用してメタル中の鉛およびその他の不純物を酸化し、これらをスラグ中に吸収してメタルから除去する。苛性ソーダと硝酸ソーダの添加量はメタル量に対しておのおの1〜50wt%、0.4〜20wt%が適量である。熔錬温度は1000℃〜1200℃が良い。この酸化熔錬によるメタルの精製によって、次工程の電解精製に適する不純物レベルの粗銀を得ることができる。
酸化熔錬による精製の際に生成するスラグには少量の銀が取り込まれるが、乾式熔錬工程において大部分の硫酸鉛がスラグ化されて既に除去されており、酸化熔錬工程ではスラグ自体の量が少ないので銀の損失量も少なく、従来の方法よりも銀の損失量を大幅に低減することができる。なお、本発明の乾式熔錬および酸化熔錬はおのおの乾式炉および酸化炉を用いて行っても良く、あるいは電気炉を用いて乾式熔錬を行い、次いで炉内を酸化状態に保って酸化熔錬を行っても良い。また、乾式熔錬および酸化熔錬から得られるスラグには鉛が多く含まれているので、これを鉛製錬原料として用いることができる。
以上のように、本発明の方法は、塩化浸出澱物の硫酸スラリー化、鉄粉による銀の選択的な還元、鉛の硫酸鉛化、乾式熔錬の各処理工程を通じて銀と鉛の分離を進めた後に酸化熔錬を行うので、酸化熔錬における鉛処理の負担が大幅に低減される。因みに、スラリー中の銀還元の際に鉛を同時に還元して金属銀と金属鉛を含む混合物にし、これをそのまま酸化熔錬する方法では、酸化熔錬における鉛のスラグ量が多いため、メタルの銀がスラグに取り込まれる量が多く、銀の損失量が大幅に増える。また酸化熔錬の際に酸化鉛の揮発量が多くなり、煙灰処理の負担が増すなどの問題がある。従って、特に銀含有量よりも鉛含有量が多い原料については銀と鉛を同時に還元する方法は適さない。一方、本発明の方法は酸化熔錬に先立って鉛分をできるだけ除去するので、このような問題がなく、銀よりも鉛の含有量が多い原料についても好適に処理することができる。
電解精製工程等
上記酸化熔錬を経て回収した粗銀をアノードに鋳造して電解精製を行うことにより純度99.99%水準の高純度電気銀を得ることができる。電解条件等は限定されない。なお粗銀を電解精製して得た電気銀を溶融鋳造し、銀インゴットを製造する場合、高周波誘導加熱を利用すれば短時間に溶融することができる。
本発明の処理方法は銀鉛塩化物含有原料として銅電解や銀電解の電解スライムなどを塩化浸出して固液分離した澱物を用いることができ、この澱物から効率よく銀を回収することができる。一方、塩化浸出液には金が含まれているので、この浸出液からDBC等を用いた溶媒抽出によって金を選択的に抽出し、この溶媒中の金を還元して回収することができる。本発明の処理方法は、銀鉛塩化物含有澱物について上記銀回収処理を行う一方、溶媒抽出による金の選択的な抽出工程と、金抽出後の溶媒を希塩酸で洗浄する工程と、溶媒中の金を還元して回収する工程を含むことができる。なお、回収した金を溶融鋳造し、金インゴットを製造する場合、高周波誘導加熱を利用すれば短時間に金を溶融することができる。
さらに、上記金抽出残液にはセレンテルルおよび白金族元素が含まれているので、これを加熱して溶媒を蒸留除去した後に、この抽出残液に亜硫酸ガスを導入してセレンないしテルルおよび白金族を還元する。さらに還元析出したセレンを蒸留して高純度セレンを得ることができる。本発明の処理方法はこれらの工程を含むことができる。なお、回収した高純度セレンを溶融状態で水中に滴下してショット状にすることによって、取扱性の良い高純度セレン粒を得ることができる。
また、白金族を含むセレン蒸留残渣をアルカリ溶融し、水浸出してセレンを含む浸出液と白金族を含む残物とに分離し、また白金族を含むテルル滓をアルカリ浸出してテルルを含む浸出液と白金族を含む残物に分離する。これらの残物に含まれる白金族は酸化剤の存在下で塩酸を加えて溶解することができ、この白金族含有溶液から白金族を回収することができる。
本発明の銀回収方法は、電解スライムの塩化浸出澱物等について、これを硫酸酸性スラリーにした後に、塩化銀を還元してメタリックの銀を脱塩析出させる一方、塩化鉛を硫酸鉛に転じて沈澱化し、この混合物を乾式熔錬して硫酸鉛をスラグ化することによってメタル相に含まれる銀と鉛の分離を進め、さらにメタルをソーダスラグと共に酸化精製してメタル中に残存する鉛およびその他の不純物をスラグに追い出して粗銀を回収する方法であり、各工程を通じて銀と鉛の分離を進めながら粗銀を回収する方法である。従って、鉛含有量の多い塩化浸出澱物についても鉛含有量が少ない粗銀を回収することができ、しかも銀のロスが少なく効率よく銀を回収することができる。
本発明の銀回収方法によれば、銅電解スライムの塩化浸出澱物などから、鉛の品位にかかわらず、銀を効率よく鉛から分離して回収することができる。また、本発明の方法は原料に含まれる鉛を硫酸鉛としてスラグオフするので、原料中の鉛品位が高くても銀と鉛の分離性が良く、また鉛を還元せずに熔錬するので空気吹き込みなどの酸化炉操業が不要であり、ソーダスラグによる酸化精製によって高品位の粗銀を得ることができる。
以下、本発明を実施例によって具体的に示し、また比較例を示す。下記実施例に示すように、本発明の銀回収方法によれば、粗銀の回収量が多く、しかも粗銀の鉛含有率は0.12%(実施例1)、0.09%(実施例2)であり、格段に鉛含有量が低い。また、スラグ中に取り込まれる銀の損失量が少ない。一方、硫酸鉛化工程および乾式熔錬を行わない比較例では酸化熔錬後に回収した粗銀の回収率が低く、しかも粗銀の鉛含有率は0.82%と高く、またスラグ中に含まれる銀の損失量が多い。
銅電解スライムを脱銅処理後、塩化浸出して得られた銀鉛塩化物含有澱物(Ag14.6%、Pb52.0%)800gに希硫酸(濃度0.1N)を2L加えてリパルプし、pH1.2の硫酸酸性スラリーにした。このスラリーを攪拌しながら鉄粉を45g添加し、80℃に保ちつつ1時間反応させた。このスラリーに引続き50%硫酸を570mL加え、80℃に保ちつつ1時間攪拌して反応させた。この反応生成物を固液分離し、固形物815gを回収した。固形物の分析値はAg:14.2%、Pb:50.8%、Cl:0.93%であった。この固形物を炭酸ソーダ76gと共に電気炉に入れ、1150℃にて1時間保持して溶錬を行った。この生成物からスラグを分離してメタル115gを得た。このメタルの鉛含有量は1.2%であった。さらに、このメタルを電気炉中で1050℃にて苛性ソーダ12gと硝酸ソーダ5gを添加して酸化精製を行った。得られたメタルの粗銀は112gであり、鉛含有量は0.12%であった。一方、スラグに含まれる銀の合計損失量は3.4%であった。
実施例1と同様の銀鉛塩化物含有澱物(Ag24.2%、Pb40.8%)800gに希硫酸(濃度0.1N)を2L加えてリパルプし、pH1.2の硫酸酸性スラリーにした。このスラリーを攪拌しながら鉄粉を50g添加し、80℃に保ちつつ1時間反応させた。このスラリーに更に50%硫酸を460mL加え、80℃に保ちつつ1時間攪拌して反応させた。この反応生成物を固液分離し、固形物780gを回収した。固形物の分析値はAg:24.6%、Pb:41.8%、Cl:0.84%であった。この固形物を炭酸ソーダ60gと共に電気炉に入れ、1150℃にて1時間保持して熔錬を行い、生成物からスラグを分離してメタル190gを得た。このメタルの鉛含有量は1.8%であった。更にこのメタルを電気炉中で1050℃にて苛性ソーダ20gと硝酸ソーダ8gを添加して酸化精製を行った。得られたメタルの粗銀は184gであり、鉛含有量は0.09%であった。一方、スラグに含まれる銀の合計損失量は4.2%であった。
比較例
実施例1と同一の銀鉛塩化物含有澱物800gを水でリパルプし、希塩酸を少量添加してスラリーのpHを1.5にして鉄粉を180g添加し、80℃で2時間攪拌して反応させた。反応後のスラリーを固液分離して固形物を620g回収した。この固形物の分析値はAg:18.9%、Pb:67.1%、Cl:1.13%であり、銀と鉛は何れもメタリッタの形態になっていた。この固形物を電気炉に入れ、1050℃で80%酸素富化空気を吹込んで酸化熔錬を行ったところ、85gの粗銀と358gのスラグが得られた。メタル中の鉛含有量は0.82%であり、スラグに含まれる銀の含有損失量は25.4%であった。
本発明の銀回収方法の概略を示す工程図

Claims (12)

  1. 銀鉛塩化物を含有する原料を希硫酸でスラリー化し、これに鉄粉を添加して塩化銀を還元し、メタリックの銀を析出させる工程(鉄粉による銀還元工程)、このスラリーにさらに硫酸を添加して塩化鉛を硫酸鉛に転化して沈澱化し、メタリックの銀と硫酸鉛を含む混合物を回収する工程(硫酸鉛化工程)、この混合物を乾式熔錬し、銀を含むメタルと硫酸鉛を含むスラグとを形成させ、メタルとスラグを分離する工程(熔錬工程)、回収したメタルをソーダスラグと共に酸化精製して粗銀を得る工程(酸化精製工程)を有することを特徴とする銀鉛含有物からの銀の回収方法
  2. 銀鉛塩化物を含有する原料が銅電解スライムを塩化浸出して固液分離した澱物である請求項1の銀回収方法。
  3. メタリックの銀と硫酸鉛の混合物に炭酸ソーダを加えて乾式熔錬する請求項1または2に記載する銀回収方法。
  4. 炭酸ソーダを上記混合物の鉛含有量に対して0.3〜1.5モル倍添加し、1100℃〜1300℃の温度で乾式熔錬を行う請求項3の銀回収方法。
  5. 乾式熔錬によって得たメタルに苛性ソーダと炭酸ソーダを添加して酸化精製を行う請求項1〜4の何れかに記載する銀回収方法。
  6. 苛性ソーダと硝酸ソーダをメタル量に対しておのおの1〜50wt%、0.4〜20wt%添加し、1000℃〜1200℃の温度で酸化精製を行う請求項1〜5の何れかに記載する銀回収方法。
  7. 回収した粗銀を電解精製して高純度銀を得る工程を含む請求項1〜6の何れかに記載する銀回収方法。
  8. 酸化精製工程で回収した粗銀を電解精製した電気銀を高周波誘導加熱によって溶融した後に鋳込んで銀インゴットを製造する工程を含む請求項1〜7の何れかに記載する銀回収方法。
  9. 銀鉛塩化物含有澱物について請求項1〜8の何れかの銀回収処理を行う一方、塩化浸出液について溶媒抽出によって金を選択的に抽出する工程と、金抽出後の溶媒を希塩酸で洗浄する工程と、溶媒中の金を還元して回収する工程を含む処理方法。
  10. 請求項9の金回収工程の後に、回収した金を高周波誘導加熱によって溶融し、これを鋳込んで金インゴットを製造する工程を含む処理方法。
  11. 請求項9または10の処理方法において、金の抽出残液を加熱して溶媒を蒸留除去した後に、この抽出残液に亜硫酸ガスを導入してセレンないしテルルおよび白金族を還元する工程と、還元析出したセレンを蒸留して高純度セレンを得る工程を含む処理方法。
  12. 請求項11の高純度セレンを回収する工程の後に、回収した高純度セレンを溶融状態で水中に滴下してショット状の金属セレンを得る工程を含む処理方法。

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