以下、本発明を実施するための最良の形態について、図1〜図53を参照して、本発明を図表表示制御装置の一種であるグラフ関数電卓に適用した場合の実施形態を説明する。
図1はグラフ関数電卓1の概観図である。同図のように、グラフ関数電卓1は入力された数値やグラフを表示するディスプレイ3と、数値・関数・演算操作の入力を行う操作入力キー5と、画面のスクロールや選択操作を行うカーソルキー7と、ディスプレイ3と一体的に構成されたタブレット(タッチパネル)に入力を行うポインティングデバイス9と、記憶媒体11a用のスロット11とを備える。記憶媒体11aは、関数式データや演算結果等を記憶する記憶媒体である。
操作入力キー5及びカーソルキー7は従来のグラフ関数電卓1と同様の操作入力手段である。また、操作入力キー5は、入力されたグラフ式の増減表を作成して表示させるための増減表キー5a、及び種々のグラフ学習機能を実行させるためのグラフ学習キー5bを備える。
ディスプレイ3は、操作入力キー5等の押下に応じた文字や符号、グラフ表示等、グラフ関数電卓1を使用するために必要な各種データが表示される部分であり、ドットによって文字や図形が表示される。ディスプレイ3は、LCD(Liquid Crystal Display)やELD(Electronic Luminescent Display)等の素子であって、単数または複数の素子の組み合わせによって実現される。また、ディスプレイ3にはタブレット(タッチパネル)が一体的に構成されており、ポインティングデバイス9による当接操作を検知できるようになっている。
更に、グラフ関数電卓1は記憶媒体11a用のスロット11を備える。記憶媒体11aは、関数式データや演算結果等を記憶する記憶媒体であって、例えば、メモリカード、ハードディスク等である。スロット11は、記憶媒体11aを着脱自在に装着し、記憶媒体11aに対してデータの読み書きができる装置であって、記憶媒体11aの種類に応じて適宜選択される。
図2はグラフ関数電卓1の構成を示すブロック図である。同図に示すように、グラフ関数電卓1は、CPU(Central Processing Unit)32、RAM(Random Access Memory)34、ROM(Read Only Memory)36、入力部38、位置検出回路40、タブレット42、表示駆動回路44、表示部46及び記憶媒体読取部48の各部によって構成される。
CPU32は、入力される指示に応じて所定のプログラムに基づいた処理を実行し、各機能部への指示やデータの入出力を行う。具体的には、CPU32は、入力部38から入力される操作信号に応じてROM36に格納されたプログラムを読み出し、当該プログラムに従って処理を実行する。そして、処理結果を表示するための表示制御信号を適宜表示駆動回路44に出力して、当該表示制御信号に対応した表示情報を表示部46に表示させる。
RAM34は、CPU32が実行する各種プログラムや、これらプログラムの実行に係るデータ等を一時的に保持する記憶領域である。
ROM36は、各種設定処理、各種演算処理等のグラフ関数電卓1の動作に係る各種プログラムや、グラフ関数電卓1の備える種々の機能を実現するためのプログラム等を記憶する。
入力部38は、数値や演算処理の実行指示等を入力する手段であって、ユーザによって押下されたキーの押下信号等をCPU32に出力する。尚、この入力部38は、図1に示す操作入力キー5及びカーソルキー7に相当するものである。
また、グラフ関数電卓1は、入力装置として、タブレット(タッチパネル)42を備える。このタブレット42は、表示部46の表示領域における位置を指示する入力ペン(図1に示す、ポインティングデバイス9に相当)によって、表示部46の表示領域上の指示(当接)された位置を感知して、当接している表示領域の位置に応じた信号を出力する装置である。タブレット42に接続される位置検出回路40は、タブレット42から入力される信号に基づいて、表示部46上の指示された位置座標を検出する。このタブレット42を使用すれば、表示部46の表示領域における位置を直接的に指定することができる。特に、このタブレット42上にポインティングデバイス9を当接(タッチ)させることにより、タップイン、タップアウト、ドラッグ、ドロップといった操作を実現することができる。
ここでタップイン、タップアウト、ドラッグ、ドロップとは、一般的なウィンドウシステムにおける操作と同意であって、タップインとは、ポインティングデバイス9を表示部46の表示領域上に当接させたその時の操作のことを言い、タップアウトとは、当接させた後にポインティングデバイス9を表示部46の表示領域上から離す操作のことを言う。またドラッグとは、タップインからタップアウトまでのポインティングデバイス9を表示部46の表示領域上で摺動させる操作を言い、ドロップとはドラッグした後のタップアウトの操作のことを言う。
尚、本実施形態におけるポインティングデバイス9は、入力ペンに適用したものとして説明するが、マウスやトラックボール等、画面上の任意の位置をポイントするための各種ポインティングデバイスであれば、適宜適用可能である。
表示駆動回路44は、CPU32から入力される表示信号に基づいて表示部46を制御して各種画面を表示させるものである。表示部46は、LCDやELD等で構成される。尚、この表示部46は図1に示すディスプレイ3に相当するものであり、タブレット42と一体的に形成されるものである。
記憶媒体読取部48は、例えば、メモリカード、ハードディスク等の記憶媒体48aに対してデータの読み書きを行う機能部である。尚、図1では記憶媒体読取部48と記憶媒体48aは、それぞれスロット11と記憶媒体11aに相当する。
〔実施形態1〕
先ず、本発明を適用したグラフ関数電卓1の実施形態1について説明する。
図3は、実施形態1に係るRAM34及びROM36の構成を示す図である。図3(a)によれば、RAM34は、グラフ式格納領域340を備える。グラフ式格納領域340は、ユーザによって入力されたグラフ式(関数式)を格納するための記憶領域である。
図3(b)によれば、ROM36は、サブルーチンとして増減表作表表示プログラム362と、グラフ画面表示プログラム364とを備えるグラフ描画学習プログラム360を格納する。
次に、グラフ関数電卓1のグラフ描画学習処理の動作について、図4に示すフローチャートを用いて以下に説明する。
ユーザによってグラフ式が入力されると、CPU32は、入力されたグラフ式をグラフ式格納領域340に格納する。そして、ユーザによってグラフ式を確定する指示入力(例えば、EXEキーの押下)が為されると、CPU32は、グラフ描画学習プログラム360をROM36から読み出し、RAM34に展開することでグラフ描画学習処理を開始する。
グラフ描画学習処理を開始すると、CPU32は増減表キー5aが押下されるまで待機する(ステップA1)。増減表キー5aが押下されると(ステップA1:Yes)、CPU32は増減表作表表示処理を実行する(ステップA3)。
増減表作表表示処理は、CPU32が、増減表作表表示プログラム362をROM36から読み出し、RAM34に展開することで開始される。増減表作成表示処理を開始すると、CPU32は、グラフ式から、1階微分式及び2階微分式を生成し、増減表を構成する成分のうち特徴点となる極大値、極小値及び変曲点を算出する。そして、各特徴点間での増加減傾向等を算出する。CPU32は、算出結果を表形式に構成し、数値やシンボルマーク等で表示部46に表示させる。
次いで、CPU32は、グラフ学習キー5bが押下されるまで待機する(ステップA5)。グラフ学習キー5bが押下されると(ステップA5:Yes)、CPU32はグラフ画面表示処理を実行する(ステップA7)。
グラフ画面表示処理は、CPU32が、グラフ画面表示プログラム364をROM36から読み出し、RAM34に展開することで開始される。グラフ画面表示処理を開始すると、CPU32は、図5(a)に示すグラフ画面W12のようなx軸及びy軸を配したグラフ画面を表示部46に表示させる。
そして、CPU32は、表示部46上をタップインされるまで待機する(ステップA9)。タップインされたことを検知すると(ステップA9:Yes)、CPU32は、タップ位置に対応する増減表の成分を反転表示する(ステップA11)。具体的には、タップ位置から最短距離のグラフ式上の点を算出し、算出した点が含まれる増減表の成分を反転表示する。
次いで、CPU32は、タップ位置が許容範囲か否かを判別する(ステップA13)。この許容範囲とは、グラフ式からの距離が所定の距離(例えば、5ドット)以内にある範囲である。
タップ位置が許容範囲であると判別した場合(ステップA13:Yes)、CPU32は、タップアウトされたか否かを判別し(ステップA15)、タップアウトされたと判別した場合は(ステップA15:Yes)、グラフ描画学習処理を終了する。
また、タップアウトの操作を検知していないと判別した場合は(ステップA15:No)、CPU32は、表示部46上をドラッグされるまで待機する(ステップA19)。
ドラッグされたことを検知すると(ステップA19:Yes)、CPU32は、ドラッグによるタップ位置の移動軌跡の座標を算出する(ステップA21)。そして、算出した移動軌跡の座標が許容範囲にあるか否かを判別し(ステップA23)、許容範囲である場合(ステップA23:Yes)、CPU32は、タップ位置の移動軌跡をグラフ画面上に描画して(ステップA25)、ステップA11の処理へ移行する。
ステップA13においてタップ位置は許容範囲でないと判別した場合(ステップA13:No)、または、ステップA23において移動軌跡の座標が許容範囲にないと判別した場合は(ステップA23:No)、ポインティングデバイス9が許容範囲から外れてしまった旨を表すエラーメッセージを表示部46に表示させる(ステップA17)。
図5は、具体的な操作例として、「y=x3−3x」をグラフ式として入力し、ポインティングデバイス9によって「y=x3−3x」に近似する線を入力するまでの表示画面の画面遷移の例を示す図である。
先ず、グラフ式L10「y=x3−3x」を入力し、EXEキーを押下する。そして、増減表キー5aを押下すると、入力式L10の増減表W10が表示部46の増減表画面W14に表示される。更に、グラフ学習キー5bを押下すると、表示部46にグラフ画面W12が表示される。(図5(a))(図4に示すステップA1〜A7に相当)。
そして、グラフ画面W12上にポインティングデバイス9をタップし、グラフ画面W12上をドラッグする。図5(b)において、タップしている点P10は、グラフ式L10の極大よりも左に位置する増加傾向部分に相当する点であり、CPU32によって許容範囲内であると判別され、この増加傾向に対応する矢印を反転表示M10によって識別表示する(図4に示すステップA19→A21→A23→A25→A11に相当)。
図5(c)において、タップしていた点P12は、グラフ式L10の極大よりも右に位置する減少傾向部分に相当する点であり、CPU32によって許容範囲内であると判別され、この減少傾向に対応する該当する矢印を反転表示M12によって識別表示する。
以上、実施形態1によれば、ポインティングデバイス9によってタップイン又はドラッグされた表示部46のタップ位置を検出し、タップ位置が許容範囲内であるか否かを判別する。そして、許容範囲内であると判別されれば、タップ位置に対応する増減表の成分を識別表示する。従って、ポインティングデバイス9によってタップイン又はドラッグしている点が、グラフ式の許容範囲内にあるか否かを増減表の反転表示で確認できる。
また、グラフ中の現在描いている部分に対応する増減表の反転表示を見ながらグラフの概形を描くことで、増減表とグラフの相関関係を実際に描画しながら学習できる。従って、グラフの特徴と増減表成分とを連係して学習するグラフの描画学習に好適な図表表示制御装置とすることができる。
〔実施形態2〕
次に、本発明を適用したグラフ関数電卓1の実施形態2について説明する。実施形態2におけるグラフ関数電卓1は、図3に示した実施形態1のROM36をROM36bに置き換えた構成である。尚、実施形態1において図3に示して説明したグラフ関数電卓1のROM36の構成要素の他、同一の構成要素には同一の符号を付し、また図4の特徴点プロット表示処理のステップと同一処理内容のステップには同一の符合を付してその説明を省略する。
図6は、実施形態2に係るROM36bの構成を示す図である。同図によれば、ROM36bは、実施形態2の特徴的な処理である特徴点プロット表示処理を実現するための特徴点プロット表示プログラム360bを格納する。また、特徴点プロット表示プログラム360bは、サブルーチンとして増減表作表表示プログラム362と、グラフ画面表示プログラム364と、グラフ描画表示プログラム366とを備える。
次に、グラフ関数電卓1の特徴点プロット表示処理の動作について、図7に示すフローチャートを用いて以下に説明する。
ユーザによってグラフ式が入力されると、CPU32は、入力されたグラフ式をグラフ式格納領域340に格納する。そして、ユーザによってグラフ式を確定する指示入力(例えば、EXEキーの押下)が為されると、CPU32は、特徴点プロット表示プログラム360bをROM36bから読み出し、RAM34に展開することで特徴点プロット表示処理を開始する。
CPU32は、グラフ画面表示処理を実行した後(ステップA7)、増減表W10に表示した極点及び変曲点をグラフ画面W12上にプロット表示する(ステップB8)。
その後、CPU32は、実施形態1と同様の処理を行い、ステップA15において、ポインティングデバイス9によるタップアウトを検知したと判別した場合(ステップA15:Yes)、タップアウトされた時点でのタップ位置が、グラフ画面W12上でのグラフ式のグラフの描画終了位置近傍か否かを判別する(ステップB16−1)。
描画終了位置の近傍にあると判別した場合(ステップB16−1:Yes)、CPU32は、グラフ描画表示処理を実行し(ステップB16−2)、描画終了位置の近傍でないと判別した場合は(ステップB16−1:No)、特徴点プロット表示処理を終了する。
グラフ描画表示処理は、CPU32が、グラフ描画表示プログラム366をROM36bから読み出し、RAM34に展開することで開始される。グラフ描画表示処理を開始すると、CPU32は、グラフ式格納領域340に記憶されているグラフ式のグラフをグラフ画面W12に表示させる。
図8は、具体的な操作例として、「y=x3−3x」をグラフ式として入力し、極点及び変曲点が表示されたグラフ画面にポインティングデバイス9によって「y=x3−3x」に近似する線を入力するまでの表示画面の画面遷移の例を示す図である。
先ず、ユーザが、グラフ式L10を入力し、増減表キー5aを押下すると増減表W10を表示する増減表画面W14が表示され、更にグラフ学習キー5bを押下すると、グラフ画面W12が表示部46に表示される(図8(a))(図7に示すステップA1→A3→A5→A7に相当)。
次いで、極点M20及び変曲点M22がグラフ画面W12にプロット表示される(図8(b))(図7に示すステップB8に相当)。
そして、グラフ画面W12上をタップし、実施形態1と同様にグラフ画面W12上をドラッグする(図8(c))(図7に示すステップA19→A21→A23→A25→A11に相当)。
タップアウト位置が、グラフ式L10のグラフのグラフ画面W12上での描画終了位置P20の近傍であれば、グラフ式L10のグラフG20がグラフ画面W12上に表示される(図8(d))(図7に示すステップA15→B16−1→B16−2に相当)。
以上、実施形態2によれば、グラフ画面に増減表成分である極点や変曲点をプロット表示する。このため、ユーザは、プロットされた極点や変曲点をヒントにして、グラフの概形を描くことができる。従って、グラフの特徴と増減表成分とを連係して学習するグラフの描画学習に好適な図表表示制御装置とすることができる。
また、描画したグラフの概形の終端(タップアウト位置)が、グラフ式の描画終了位置の近傍であれば、グラフ式のグラフを演算して表示させる。このため、ユーザは、グラフ式のグラフが表示されるかどうかによって、描画終了位置近傍までグラフを描画したかどうかを判断できる。また、表示されるグラフ式のグラフによって自分の描いたグラフが最終的に正しいグラフに近似していたか否かを知ることができる。
〔実施形態3〕
次に、本発明を適用したグラフ関数電卓1の実施形態3について説明する。実施形態3におけるグラフ関数電卓1は、図3に示した実施形態1のROM36をROM36cに置き換えた構成である。尚、実施形態1において図3に示して説明したグラフ関数電卓1のROM36の構成要素の他、同一の構成要素には同一の符号を付し、また図4の特徴点プロット表示処理のステップと同一処理内容のステップには同一の符合を付してその説明を省略する。
図9は、実施形態3に係るROM36cの構成を示す図である。同図によれば、ROM36cは、実施形態3の特徴的な処理である増減方向識別子表示処理を実現するための増減方向識別子表示プログラム360cを格納する。
次に、グラフ関数電卓1の増減方向識別子表示処理の動作について、図10に示すフローチャートを用いて以下に説明する。
ユーザによってグラフ式が入力されると、CPU32は、入力されたグラフ式をグラフ式格納領域340に格納する。そして、ユーザによってグラフ式を確定する指示入力(例えば、EXEキーの押下)が為されると、CPU32は、増減方向識別子表示プログラム360cをROM36cから読み出し、RAM34に展開することで増減方向識別子表示処理を開始する。
CPU32は、ポインティングデバイス9によるタップアウトを検知しなかった場合(ステップA15:No)、ポインティングデバイス9の正しい移動方向を算出する(ステップC18−1)。具体的には、ポインティングデバイス9によってタップされているタップ位置から最短距離のグラフ式上の点を算出する。そして、算出した点における接線をグラフ式から算出し、接線の傾きをポインティングデバイス9の移動方向とする。
次いで、長手方向を算出した移動方向とした、グラフ式の増減方向を表すベクトル状の記号(識別子のことであり、以下、「ベクトル記号」という。)をタップ位置に表示する(ステップC18−2)。
また、ステップA15において、タップアウトを検知した場合(ステップA15:Yes)、タップアウトされた時点でのタップ位置が、グラフ画面W12上でのグラフ式のグラフの描画終了位置近傍か否かを判別する(ステップC16−1)。
描画終了位置の近傍にあると判別した場合(ステップC16−1:Yes)、CPU32は、グラフ描画表示処理を実行し(ステップC16−2)、描画終了位置の近傍でないと判別した場合は(ステップC16−1:No)、増減方向識別子表示処理を終了する。
図11は、具体的な操作例として、「y=x3−3x」をグラフ式として入力し、ポインティングデバイス9によって「y=x3−3x」に近似する線を入力した後、ポインティングデバイス9の移動方向を表すベクトル記号が表示されるまでの表示画面の画面遷移の例を示す図である。
先ず、ユーザが、グラフ式L10を入力し、増減表キー5aを押下すると増減表W10を表示する増減表画面W14が表示され、更にグラフ学習キー5bを押下すると、グラフ画面W12が表示部46に表示される(図11(a))(図10に示すステップA1→A3→A5→A7に相当)。
ポインティングデバイス9によってグラフ画面W12上をドラッグすると、ドラッグによってタップしているタップ位置P30にポインティングデバイス9の移動方向を表すベクトル記号である矢印V30が表示される(図11(b))(図10に示すステップA15→C18−1→C18−2に相当)。
以上、実施形態3によれば、ポインティングデバイス9のタップ位置での増減傾向がグラフ式より算出され、算出された増減方向に合わせたポインティングデバイス9の移動方向を表すベクトル記号がタップ位置に表示される。このため、ユーザは、描画すべきグラフの概形が明確でない場合等、表示されるベクトル記号の進行方向に従うことで、グラフの概形を描くことができ、ベクトル記号をいわばヒントとすることができる。従って、グラフの特徴と増減表成分とを連係して学習するグラフの描画学習に好適な図表表示制御装置とすることができる。
〔実施形態4〕
次に、本発明を適用したグラフ関数電卓1の実施形態4について説明する。実施形態4におけるグラフ関数電卓1は、図3に示した実施形態1のRAM34とROM36とを、RAM34dとROM36dとに置き換えた構成である。尚、実施形態1において図3に示して説明したグラフ関数電卓1のRAM34及びROM36の構成要素の他、同一の構成要素には同一の符号を付し、また図4の特徴点プロット表示処理のステップと同一処理内容のステップには同一の符合を付してその説明を省略する。
図12(a)は、実施形態4に係るRAM34dの構成を示す図である。同図によれば、RAM34dは、グラフ式格納領域340と、経過時間格納領域342とを備える。経過時間格納領域342は、ポインティングデバイス9による表示部46のタップ位置が変化しなくなった時点からの経過時間を格納するための記憶領域である。
図12(b)は、実施形態4に係るROM36dの構成を示す図である。同図によれば、ROM36dは、実施形態4の特徴的な処理である移動方向タイムアウト表示処理を実現するための移動方向タイムアウト表示プログラム360dを格納する。
次に、グラフ関数電卓1の移動方向タイムアウト表示処理の動作について、図13に示すフローチャートを用いて以下に説明する。
ユーザによってグラフ式が入力されると、CPU32は、入力されたグラフ式をグラフ式格納領域340に格納する。そして、ユーザによってグラフ式を確定する指示入力(例えば、EXEキーの押下)が為されると、CPU32は、移動方向タイムアウト表示プログラム360dをROM36dから読み出し、RAM34に展開することで移動方向タイムアウト表示処理を開始する。
CPU32は、ポインティングデバイス9によるタップアウトを検知しなかった場合に(ステップA15:No)、経過時間の時刻カウントを開始し、経過時間を経過時間格納領域342に記憶・更新していく(ステップD18−1)。
そして、経過時間が特定の時間(例えば、10秒)に達したか否かを判別し(ステップD18−2)、経過したと判別した場合は(ステップD18−2:Yes)、CPU32は、ポインティングデバイス9の正しい移動方向を算出し(ステップD18−3)、算出した移動方向に合わせて、ベクトル記号をタップ位置に表示する(ステップD18−4)。
また、特定の時間に達していないと判別した場合は(ステップD18−2:No)、ステップA19の処理へ移行する。
ステップA15において、タップアウトが検知された場合(ステップA15:Yes)、タップアウトされた時点でのタップ位置が、グラフ画面W12上でのグラフ式のグラフの描画終了位置近傍か否かを判別する(ステップD16−1)。
描画終了位置の近傍にあると判別した場合(ステップD16−1:Yes)、CPU32は、グラフ描画表示処理を実行し(ステップD16−2)、描画終了位置の近傍でないと判別した場合は(ステップD16−1:No)、移動方向タイムアウト表示処理を終了する。
図14は、具体的な操作例として、「y=x3−3x」をグラフ式として入力し、ポインティングデバイス9によって「y=x3−3x」に近似する線を入力した後、特定時間以上ポインティングデバイス9のドラッグ操作を停止したときの表示画面の画面遷移の例を示す図である。
先ず、ユーザが、グラフ式L10を入力し、増減表キー5aを押下すると増減表W10を表示する増減表画面W14が表示され、更にグラフ学習キー5bを押下すると、グラフ画面W12が表示部46に表示される(図14(a))(図13に示すステップA1→A3→A5→A7に相当)。
ポインティングデバイス9によってグラフ画面W12上をドラッグし、タップ位置P40において、ドラッグを停止する(図14(b))。ドラッグを停止した状態が特定時間に達すると、タップ位置P40にポインティングデバイス9の移動方向を表すベクトル記号である矢印V40が表示される(図14(c))(図13に示すステップD18−1→D18−2→D18−3→D18−4に相当)。
以上、実施形態4によれば、ポインティングデバイス9によるドラッグ操作を停止し、タップしたままで特定時間が経過すると、タップ位置にグラフ式に合わせたポインティングデバイス9の移動方向が増減表成分に基づいて算出され、この移動方向を表すベクトル記号がタップ位置に表示される。このため、ユーザがグラフの概形の正しい進行方向(増減傾向)が分からずに、ポインティングデバイス9を移動できずいると、特定時間経過後にポインティングデバイス9の移動方向を表すベクトル記号が表示される。従って、ユーザは、表示されるベクトル記号をヒントにして、グラフの概形を描くことができるため、グラフの特徴と増減表成分とを連係して学習するグラフの描画学習に好適な図表表示制御装置とすることができる。
〔実施形態5〕
次に、本発明を適用したグラフ関数電卓1の実施形態5について説明する。実施形態5におけるグラフ関数電卓1は、図3に示した実施形態1のROM36をROM36eに置き換えた構成である。尚、実施形態1において図3に示して説明したグラフ関数電卓1のROM36の構成要素の他、同一の構成要素には同一の符号を付し、また図4の特徴点プロット表示処理のステップと同一処理内容のステップには同一の符合を付してその説明を省略する。
図15は、実施形態5に係るROM36eの構成を示す図である。同図によれば、ROM36eは、実施形態5の特徴的な処理である補助線表示処理を実現するための補助線表示プログラム360eを格納する。
次に、グラフ関数電卓1の補助線表示処理の動作について、図16に示すフローチャートを用いて以下に説明する。
ユーザによってグラフ式が入力されると、CPU32は、入力されたグラフ式をグラフ式格納領域340に格納する。そして、ユーザによってグラフ式を確定する指示入力(例えば、EXEキーの押下)が為されると、CPU32は、補助線表示プログラム360eをROM36eから読み出し、RAM34に展開することで補助線表示処理を開始する。
CPU32は、グラフ画面表示処理を実行した後(ステップA7)、増減表に表示している極点及び変曲点における接線式を算出する(ステップE8−1)。そして、算出した接線式から接線表示データを生成し、グラフ画面W12に表示する(ステップE8−2)。接線表示データとは、接線式を表すグラフ上の極点及び変曲点を中心とした所定の長さの線分データである。
ステップA15において、タップアウトが検知された場合(ステップA15:Yes)、タップアウトされた時点でのタップ位置が、グラフ画面W12上でのグラフ式のグラフの描画終了位置近傍か否かを判別する(ステップE16−1)。
描画終了位置の近傍にあると判別した場合(ステップE16−1:Yes)、CPU32は、グラフ描画表示処理を実行し(ステップE16−2)、描画終了位置の近傍でないと判別した場合は(ステップE16−1:No)、補助線表示処理を終了する。
図17は、具体的な操作例として、「y=x3−3x」をグラフ式として入力し、接線表示データが表示されたグラフ画面にポインティングデバイス9によって「y=x3−3x」に近似する線を入力するまでの表示画面の画面遷移の例を示す図である。
先ず、ユーザが、グラフ式L10を入力し、増減表キー5aを押下すると増減表W10を表示する増減表画面W14が表示され、更にグラフ学習キー5bを押下すると、グラフ画面W12が表示部46に表示される。(図17(a))(図16に示すステップA1→A3→A5→A7に相当)。
次いで、グラフ式L10の極点及び変曲点の座標位置に接線表示データG50が表示される(図17(b))(図16に示すステップE8−1→E8−2に相当)。
そして、ユーザは、グラフ画面W12上にポインティングデバイス9をタップし、ドラッグすると、ドラッグ操作による移動軌跡がグラフ画面W12上に表示される(図17(c))(図16に示すステップA19→A21→A23→A25→A11に相当)。
以上、実施形態5によれば、グラフ画面に増減表成分である極点及び変曲点における接線表示がなされる。このため、ユーザは、表示された接線表示データを描くべきグラフの極点及び変曲点等のヒントとして、グラフの概形を描くことができる。従って、グラフの特徴と増減表成分とを連係して学習するグラフの描画学習に好適な図表表示制御装置とすることができる。
〔実施形態6〕
次に、本発明を適用したグラフ関数電卓1の実施形態6について説明する。実施形態6におけるグラフ関数電卓1は、図2に示した実施形態1のRAM34とROM36とを、RAM34fとROM36fとに置き換えた構成である。尚、実施形態1において図3に示して説明したグラフ関数電卓1のRAM34及びROM36の構成要素の他、同一の構成要素には同一の符号を付し、また図4の特徴点プロット表示処理のステップと同一処理内容のステップには同一の符合を付してその説明を省略する。
図18(a)は、実施形態6に係るRAM34fの構成を示す図である。同図によれば、RAM34fは、グラフ式格納領域340と、リストデータ格納領域344とを備える。リストデータ格納領域344は、任意のx座標値をリスト形式に格納するための記憶領域である。
図18(b)は、実施形態6に係るROM36fの構成を示す図である。同図によれば、ROM36fは、実施形態6の特徴的な処理である座標プロット表示処理を実現するための座標プロット表示プログラム360fを格納する。
また、座標プロット表示プログラム360fは、リストデータ増減表作表表示プログラム368と、グラフ画面表示プログラム364と、グラフ描画表示プログラム366とを備える。
次に、グラフ関数電卓1のグラフ描画表示処理の動作について、図19に示すフローチャートを用いて以下に説明する。
ユーザによってグラフ式及びリストデータが入力されると、CPU32は、入力されたグラフ式及びリストデータをグラフ式格納領域340及びリストデータ格納領域344に格納する。そして、ユーザによって入力されたグラフ式及びリストデータを確定する指示入力(例えば、EXEキーの押下)が為されると、CPU32は、座標プロット表示プログラム360fをROM36fから読み出し、RAM34fに展開することで座標プロット表示処理を開始する。
CPU32は、座標プロット表示処理を開始すると、増減表キー5aが押下されるまで待機し(ステップA1)、増減表キー5aが押下されたと判別すると(ステップA1:Yes)、リストデータ増減表作表表示処理を実行する(ステップF3)。
リストデータ増減表作表表示処理は、CPU32が、リストデータ増減表作表表示プログラム368をROM36fから読み出し、RAM34fに展開することで開始される。リストデータ増減表作成表示処理を開始すると、CPU32は、リストデータ格納領域344からリストデータを読み出し、読み出したリストデータを増減表のx座標成分として追加構成し、増減表作表表示処理と同様の処理で増減表を作成して、表示部46に表示させる。
CPU32は、ユーザによってグラフ学習キー5bが押下されたと判別すると(ステップA5:Yes)、グラフ画面表示処理を実行し(ステップA7)、リストデータをグラフ画面上にプロット表示する(ステップF8)。
また、ステップA15において、タップアウトが検知された場合(ステップA15:Yes)、タップアウトされた時点でのタップ位置が、グラフ画面W12上でのグラフ式のグラフの描画終了位置近傍か否かを判別する(ステップF16−1)。
描画終了位置の近傍にあると判別した場合(ステップF16−1:Yes)、CPU32は、グラフ描画表示処理を実行し(ステップF16−2)、描画終了位置の近傍でないと判別した場合は(ステップF16−1:No)、座標プロット表示処理を終了する。
図20は、具体的な操作例として、リストデータ「−2、−1.5、−1.2・・・」と、グラフ式「y=x3−3x」とを入力した後、リストデータがプロット表示されたグラフ画面にポインティングデバイス9によって「y=x3−3x」に近似する線を入力するまでの表示画面の画面遷移の例を示す図である。
先ず、リストウィンドウW60にリストデータLD60を入力し、更にグラフ式L10を入力する。そして、増減表キー5aを押下するとリストデータLDをx座標成分として含んだ増減表W62が表示部46の増減表画面W14に表示される(図20(a))(図19に示すステップA1→F3に相当)。
そして、グラフ学習キー5bを押下すると、グラフ画面W64が表示部46に表示され(図20(b))、その後、リストデータLD60がグラフ画面W64上にプロット点P60として表示される(図20(c))。(図19に示すステップA5→A7→F8に相当)
以上、実施形態6によれば、予め入力したリストデータをx座標成分として含んだ増減表が表示され、更に、リストデータがグラフ画面上にプロット表示される。このため、ユーザは、図20(d)のように、増減表の成分に対応するプロット点をなぞるように描くことで、グラフ式に近似するグラフを描くことができる。従って、グラフの特徴と増減表成分とを連係して学習するグラフの描画学習に好適な図表表示制御装置とすることができる。
〔実施形態7〕
次に、本発明を適用したグラフ関数電卓1の実施形態7について説明する。実施形態7におけるグラフ関数電卓1は、図2に示した実施形態1のRAM34とROM36とを、図18(a)のRAM34fと図21のROM36gとに置き換えた構成である。尚、実施形態1において図3に示して説明したグラフ関数電卓1のRAM34及びROM36の構成要素の他、同一の構成要素には同一の符号を付し、また図4の特徴点プロット表示処理のステップと同一処理内容のステップには同一の符合を付してその説明を省略する。
図21は、実施形態7に係るROM36gの構成を示す図である。同図によれば、ROM36gは、実施形態7の特徴的な処理である座標プロット移動方向表示処理を実現するための座標プロット移動方向表示プログラム360gを格納する。
次に、グラフ関数電卓1の座標プロット移動方向表示処理の動作について、図22に示すフローチャートを用いて以下に説明する。
ユーザによってグラフ式と、リストデータとが入力されると、CPU32は、入力されたグラフ式とリストデータとをグラフ式格納領域340とリストデータ格納領域344とに格納する。そして、ユーザによって入力されたグラフ式とリストデータとを確定する指示入力(例えば、EXEキーの押下)が為されると、CPU32は、座標プロット移動方向表示プログラム360gをROM36gから読み出し、RAM34fに展開することで座標プロット移動方向表示処理を開始する。
先ず、CPU32は、増減表キー5aが押下されると(ステップA1:Yes)、リストデータ増減表作表表示処理を実行する(ステップG3)。そして、グラフ学習キー5bが押下されると(ステップA5:YES)、グラフ画面表示処理を実行し(ステップA7)、リストデータをプロット点としてグラフ画面W72上にプロット表示する(ステップG8)。
CPU32は、ポインティングデバイス9によって表示部46上をタップされことを検知すると(ステップA9:Yes)、タップ位置に対応する増減表の成分を反転表示する(ステップA11)。
CPU32は、タップ位置が許容範囲内であると判別すると(ステップA13:Yes)、移動方向を表す矢印が表示部46に表示中か否かを判別する(ステップG14−1)。矢印が表示中であると判別した場合は(ステップG14−1:Yes)、表示している矢印を表示部46から消去し(ステップG14−2)、表示中でないと判別した場合は(ステップG14−1:No)、ステップG14−3へ移行する。
表示中の矢印を消去した後(ステップG14−2)、または、ステップG14−1において矢印が表示されていないと判別した場合は(ステップG14−1:No)、タップ位置が表示部46に表示されているプロット点の近傍か否かを判別する(ステップG14−3)。具体的には、プロット点を中心とした所定の半径(例えば、5ドット)内にタップ位置があるか否かを判別する。
タップ位置がプロット点の近傍であると判別した場合は(ステップG14−3:Yes)、グラフの進行方向(増減傾向)の矢印データを作成し(ステップG14−4)、作成した矢印データに基づいた矢印V70をタップ位置に表示する(ステップG14−5)。具体的には、タップ位置の近傍にあるプロット点における増減表内成分の増加減傾向を表す矢印(例えば、図23(c)に示す増減表成分S70)を拡大することで矢印データを作成し、矢印V70を表示させる。
一方、タップ位置がプロット点の近傍でないと判別した場合(ステップG14−3:No)、または、ステップG14−5の処理の後、CPU32は、タップアウトが検知されたか否かを判別する(ステップA15)。タップアウトが検知された場合(ステップA15:Yes)、CPU32は、表示部46に矢印V70が表示されていれば(ステップG16−1:Yes)、矢印V70を表示部46から消去する(ステップG16−2)。矢印V70を消去した後(ステップG16−2)、または、矢印V70が表示されていないと判別した場合は(ステップG16−1:No)、ステップG16−3へ処理を移行する。
そして、CPU32は、タップアウトされた時点でのタップ位置が、グラフ画面W72上でのグラフ式のグラフの描画終了位置近傍か否かを判別する(ステップG16−3)。
描画終了位置の近傍にあると判別した場合(ステップG16−3:Yes)、CPU32は、グラフ描画表示処理を実行し(ステップG16−4)、描画終了位置の近傍でないと判別した場合は(ステップG16−3:No)、座標プロット移動方向表示処理を終了する。
図23は、具体的な操作例として、リストデータ「−2、−1、1、2」と、グラフ式「y=x3−3x」とを入力した後、グラフ画面W72に表示されたリストデータのプロット点近傍にポインティングデバイス9をタップするまでの表示画面の画面遷移の例を示す図である。
先ず、リストデータと、グラフ式L10とを入力し、増減表キー5aを押下するとリストデータをx座標成分として含んだ増減表W70が表示部46の増減表画面W74に表示される(図22に示すステップA1→G3に相当)。
そして、グラフ学習キー5bを押下すると、グラフ画面W72が表示部46に表示され(図23(a))、その後、リストデータがグラフ画面W72上にプロット点P70〜P76として表示される(図23(b))(図22に示すステップA5→A7→G8に相当)。
プロット点P70〜P76が表示されたグラフ画面W72において、プロット点P70の近傍をタップすると、プロット点P70におけるグラフの進行方向を表す矢印V70がタップ位置に表示される(図23(c))(図22に示すステップG14−3→G14−4→G14−5に相当)。
以上、実施形態7によれば、予め入力したリストデータをx座標成分として含んだ増減表が表示され、更に、リストデータがプロット点としてグラフ画面上にプロット表示される。そして、表示されたプロット点の近傍をタップすると、タップした近傍にあるプロット点における、グラフの進行方向を表す矢印V70が表示される。このため、ユーザは、描くべきグラフの概形が分からないとき等、グラフ上のプロット点をタップすることで進行方向(増減傾向)表す矢印を表示させ、この矢印をヒントにしてグラフを描くことができる。従って、グラフの特徴と増減表成分とを連係して学習するグラフの描画学習に好適な図表表示制御装置とすることができる。
〔実施形態8〕
次に、本発明を適用したグラフ関数電卓1の実施形態8について説明する。実施形態8におけるグラフ関数電卓1は、図3に示した実施形態1のRAM34とROM36とを、RAM34hとROM36hとに置き換えた構成である。尚、実施形態1において図3に示して説明したグラフ関数電卓1のRAM34及びROM36の構成要素の他、同一の構成要素には同一の符号を付し、また図4の特徴点プロット表示処理のステップと同一処理内容のステップには同一の符合を付してその説明を省略する。
図24(a)は、実施形態8に係るRAM34hの構成を示す図である。同図によれば、RAM34hは、グラフ式格納領域340と、経過時間格納領域342と、リストデータ格納領域344とを備える。
図24(b)は、実施形態8に係るROM36hの構成を示す図である。同図によれば、ROM36hは、実施形態8の特徴的な処理である座標プロットタイムアウト表示処理を実現するための座標プロットタイムアウト表示プログラム360hを格納する。
次に、グラフ関数電卓1の座標プロットタイムアウト表示処理の動作について、図25に示すフローチャートを用いて以下に説明する。
ユーザによってグラフ式と、リストデータとが入力されると、CPU32は、入力されたグラフ式とリストデータとをグラフ式格納領域340とリストデータ格納領域344とに格納する。そして、ユーザによって入力されたグラフ式とリストデータとを確定する指示入力(例えば、EXEキーの押下)が為されると、CPU32は、座標プロットタイムアウト表示プログラム360hをROM36hから読み出し、RAM34hに展開することで座標プロットタイムアウト表示処理を開始する。
先ず、CPU32は、増減表キー5aが押下されると(ステップA1:Yes)、リストデータ増減表作表表示処理を実行する(ステップH3)。そして、グラフ学習キー5bが押下されると(ステップA5:YES)、グラフ画面表示処理を実行し(ステップA7)、リストデータをグラフ画面W72上にプロット表示する(ステップH8)。
そして、ポインティングデバイス9によってタップされたタップ位置が許容範囲であると判別すると(ステップA13:Yes)、CPU32は、矢印V80が表示中であれば(ステップH14−1:Yes)、表示されている矢印V80を消去する(ステップH14−2)。
CPU32は、ポインティングデバイス9によるタップ位置が表示部46に表示されているプロット点の近傍であると判別した場合(ステップH14−3:Yes)、経過時間の時刻カウントを開始し、経過時間を経過時間格納領域342に記憶・更新していく(ステップH14−4)。
そして、経過時間が特定の時間に達したか否かを判別し(ステップH14−5)、達したと判別した場合は(ステップH14−5:Yes)、グラフの進行方向の矢印データを作成し(ステップH14−6)、作成した矢印データに基づいた矢印V80をタップ位置に表示する(ステップH14−7)。
CPU32は、タップアウトを検知すると(ステップA15:Yes)、表示部46に矢印V80が表示されていれば(ステップH16−1:Yes)、矢印V80を表示部46から消去する(ステップH16−2)。矢印V80を消去した後(ステップH16−2)、または、矢印V80が表示されていないと判別した場合は(ステップH16−1:No)、ステップH16−3へ処理を移行する。
そして、CPU32は、タップアウトされた時点でのタップ位置が、グラフ画面W72上でのグラフ式のグラフの描画終了位置近傍か否かを判別する(ステップH16−3)。
描画終了位置の近傍にあると判別した場合(ステップH16−3:Yes)、CPU32は、グラフ描画表示処理を実行し(ステップH16−4)、描画終了位置の近傍でないと判別した場合は(ステップH16−3:No)、座標プロットタイムアウト表示処理を終了する。
図23は、具体的な操作例として、リストデータ「−2、−1、1、2」と、グラフ式「y=x3−3x」とを入力した後、リストデータがプロット表示されたグラフ画面にポインティングデバイス9によってプロット点の近傍をタップするまでの表示画面の画面遷移の例を示す図である。
先ず、リストデータと、グラフ式L10とを入力し、増減表キー5aを押下するとリストデータをx座標成分として含んだ増減表W80が表示部46の増減表画面W84に表示される(図25に示すステップA1→H3に相当)。
そして、グラフ学習キー5bを押下すると、グラフ画面W82が表示部46に表示され(図26(a))、その後、リストデータがグラフ画面W82上にプロット点P80〜P86として表示される(図26(b))(図25に示すステップA5→A7→H8に相当)。
プロット点P80〜P86が表示されたグラフ画面W82において、ポインティングデバイス9をドラッグせずに、プロット点P80の近傍をタップしたままにする(図26(c))。
プロット点P80をタップしたままの状態が特定時間に達すると、プロット点P80におけるグラフの進行方向(増減傾向)を表す矢印V80がタップ位置に表示される(図26(d))(図25に示すステップH14−3→H14−4→H14−5→H14−6→H14−7に相当)。
以上、実施形態8によれば、予め入力したリストデータがプロット点としてグラフ画面W82上にプロット表示される。表示されたプロット点の近傍をタップしたままの状態が特定時間に達すると、タップした近傍にある増減表成分のプロット点における、グラフの進行方向(増減傾向)を表す矢印V80が表示される。このため、ユーザがグラフの概形の正しい進行方向(増減傾向)が分からず、プロット点の近傍でポインティングデバイス9を移動できずにいると、特定時間経過後にプロット点におけるグラフの進行方向(増減傾向)を表すベクトル記号(矢印)が表示される。ユーザは、表示されるベクトル記号をヒントにして、グラフの概形を描くことができる。従って、グラフの特徴と増減表成分とを連係して学習するグラフの描画学習に好適な図表表示制御装置とすることができる。
〔実施形態9〕
次に、本発明を適用したグラフ関数電卓1の実施形態9について説明する。実施形態9におけるグラフ関数電卓1は、図3に示した実施形態1のROM36をROM36jに置き換えた構成である。尚、実施形態1において図3に示して説明したグラフ関数電卓1のROM36の構成要素の他、同一の構成要素には同一の符号を付し、また図4の特徴点プロット表示処理のステップと同一処理内容のステップには同一の符合を付してその説明を省略する。
図27は、実施形態9に係るROM36jの構成を示す図である。同図によれば、ROM36jは、実施形態9の特徴的な処理である増減表成分判定処理を実現するための増減表成分判定プログラム360jを格納する。
また、増減表成分判定プログラム360jは、サブルーチンとして、学習モード増減表作表表示プログラム370と、グラフ画面表示プログラム364と、グラフ描画表示プログラム366とを備える。
次に、グラフ関数電卓1の増減表成分判定処理の動作について、図28に示すフローチャートを用いて以下に説明する。
ユーザによってグラフ式が入力されると、CPU32は、入力されたグラフ式をグラフ式格納領域340に格納する。そして、ユーザによって入力されたグラフ式を確定する指示入力(例えば、EXEキーの押下)が為されると、CPU32は、増減表成分判定プログラム360jをROM36jから読み出し、RAM34に展開することで増減表成分判定処理を開始する。
CPU32は、増減表成分判定処理を開始すると、増減表キー5aが押下されるまで待機し(ステップA1)、増減表キー5aが押下されると(ステップA1:Yes)、CPU32は学習モード増減表作表表示処理を実行する(ステップJ3)。
学習モード増減表作表表示処理は、CPU32が、学習モード増減表作表表示プログラム370をROM36jから読み出し、RAM34に展開することで開始される。学習モード増減表作成表示処理を開始すると、CPU32は、増減表作表表示処理と同様に増減表を作成するが、増加減傾向等を表す記号やシンボルマークは空白に代えて表示部46に表示させる。
次いで、CPU32は、グラフ学習キー5bが押下されると(ステップA5:Yes)、グラフ画面表示処理を実行することでグラフ画面W92を表示部46に表示させる(ステップA7)。次いで、グラフ描画表示処理を実行することでグラフ式のグラフをグラフ画面W92に表示させる(ステップJ9)。
そして、CPU32は、表示した増減表の空白成分がタップされるまで待機する(ステップJ11)。空白成分がタップされたことを検知すると(ステップJ11:Yes)、CPU32は、記号矢印を一覧表示する(ステップJ13)。具体的には、空白成分に表示可能な記号(例えば「+」と「−」)及び矢印(以下、「記号矢印」という。)を選択候補として一覧表示(例えば、図29(c)の記号矢印D90)する。
CPU32は、記号矢印の一覧表示から1つの記号矢印が選択されるまで待機する(ステップJ15)。記号矢印が1つ選択されたと判別すると(ステップJ15:Yes)、内部データとして記憶している空白成分に表示すべき記号矢印と、選択された記号矢印とを比較する(ステップJ17)。
そして、内部データの記号矢印と選択された記号矢印とが一致しているか否かのメッセージを表示部46に表示させ(ステップJ19)、選択された記号矢印を増減表に反映させて増減表の表示を更新させる(ステップJ21)。
CPU32は、選択された記号矢印が全て内部データの記号矢印と一致するか否かを判別する(ステップJ23)。内部データと全て一致すると判別すると(ステップJ23:Yes)、CPU32は、増減表成分判定処理を終了する。一方、一致しない記号矢印があると判別すると(ステップJ23:No)、一致しない増減表成分を不具合エリアとして反転表示等の表示形式に変更して(ステップJ25)、増減表成分判定処理を終了する。
図29は、具体的な操作例として、「y=x3−3x」をグラフ式として入力し、増減表の空白成分をポインティングデバイス9によってタップした後、記号矢印を選択するまでの表示画面の画面遷移の例を示す図である。
先ず、グラフ式L10を入力し、増減表キー5aを押下すると増加減傾向等を表す記号やシンボルマークを空白成分とした増減表W90が増減表画面W94に表示される。そして、グラフ学習キー5bを押下すると、グラフ画面W92が表示される(図29(a))(図28に示すステップA1→J3→A5→A7に相当)。
その後、グラフ画面W92には、グラフ式L10のグラフG90が表示される(図29(b))(図28に示すステップJ9に相当)。
そして、ポインティングデバイス9によって空白成分であるセルS90をタップすると、記号矢印D90が一覧表示される(図29(c))(図28に示すステップJ11→J13に相当)。表示された記号矢印D90から「+」を選択すると、セルS90に選択した「+」が反映されて表示される(図29(d))(図28に示すステップJ15→J17→J21に相当)。
以上、実施形態9によれば、増加減傾向等を表す記号やシンボルマークを空白成分に代えた増減表が表示される。この空白成分をポインティングデバイス9で選択すると、記号矢印が一覧表示される。そして、1つの記号矢印を選択すると、当該記号矢印と内部データとして記憶されている記号矢印とを比較された結果が表示される。これにより、ユーザが、表示されたグラフを見ながら増減表の記号矢印を選択するといったグラフの特徴と増減表成分とを連係した学習に好適な図表表示制御装置を実現することができる。
〔実施形態10〕
次に、本発明を適用したグラフ関数電卓1の実施形態10について説明する。実施形態10におけるグラフ関数電卓1は、図3に示した実施形態1のROM36をROM36kに置き換えた構成である。尚、実施形態1において図3に示して説明したグラフ関数電卓1のROM36の構成要素の他、同一の構成要素には同一の符号を付し、また図4の特徴点プロット表示処理のステップと同一処理内容のステップには同一の符合を付してその説明を省略する。
図30は、実施形態10に係るROM36kの構成を示す図である。同図によれば、ROM36kは、実施形態10の特徴的な処理である第1成分判定正誤表示処理を実現するための第1成分判定正誤表示プログラム360kを格納する。
次に、グラフ関数電卓1の第1成分判定正誤表示処理の動作について、図31に示すフローチャートを用いて以下に説明する。
ユーザによってグラフ式が入力されると、CPU32は、入力されたグラフ式をグラフ式格納領域340に格納する。そして、ユーザによって入力されたグラフ式を確定する指示入力(例えば、EXEキーの押下)が為されると、CPU32は、第1成分判定正誤表示プログラム360kをROM36kから読み出し、RAM34に展開することで第1成分判定正誤表示処理を開始する。
CPU32は、第1成分判定正誤表示処理を開始すると、増減表キー5aが押下されるまで待機し(ステップA1)、増減表キー5aが押下されると(ステップA1:Yes)、CPU32は学習モード増減表作表表示処理を実行する(ステップK3)。
次いで、CPU32は、グラフ学習キー5bが押下されると(ステップA5:Yes)、グラフ画面表示処理を実行することでグラフ画面W102を表示部46に表示させる(ステップA7)。次いで、グラフ描画表示処理を実行することでグラフ式のグラフをグラフ画面W102に表示させる(ステップK9)。
CPU32は、グラフ描画表示処理を実行すると(ステップK9)、矢印選択操作を検知するまで待機する(ステップK11)。矢印選択操作とは、増減表の空白成分をタップすることにより表示される記号矢印から1つの記号矢印をポインティングデバイス9によって選択する操作である。
CPU32は、矢印選択操作を検知すると(ステップK11:Yes)、内部データとして記憶している空白成分に表示すべき正しい記号矢印と、選択された記号矢印とを比較する(ステップK13)。
そして、CPU32は、内部データの記号矢印と選択された記号矢印とが一致しているか否かを判別する(ステップK15)。一致していないと判別した場合は(ステップK15:No)、空白成分に表示すべき記号矢印を適当な比率で拡大した表示データを作成する(ステップK17)。次いで、拡大した記号矢印の表示位置を算出し(ステップK19)、拡大した記号矢印をグラフ上に表示する(ステップK21)。一方、一致していると判別した場合は(ステップK15:Yes)、ステップK25へ処理を移行する。
次いで、ポインティングデバイス9によって再び矢印選択操作が為されたか否かを判別し(ステップK23)、矢印選択操作が為されていないと判別した場合は(ステップK23:No)、ユーザによって第1成分判定正誤表示処理を終了させる指示入力(例えば、EXEキーの押下)が為されたか否かを判別する(ステップK25)。
CPU32は、第1成分判定正誤表示処理を終了させる指示入力が為されたと判別した場合(ステップK25:Yes)、第1成分判定正誤表示処理を終了し、為されていないと判別した場合は(ステップK25:No)、ステップK11へ処理を移行する。
ステップK23において、矢印選択操作が為されたと判別した場合は(ステップK23:Yes)、グラフ上に表示した矢印を消去し(ステップK27)、ステップK13へ処理を移行する。
図32は、具体的な操作例として、「y=x3−3x」をグラフ式として入力し、増減表の空白成分をポインティングデバイス9によってタップした後、記号矢印を選択するまでの表示画面の画面遷移の例を示す図である。
先ず、ユーザが、増減表キー5aを押下すると、増減表W100を表示する増減表画面W104が表示され、更にグラフ学習キー5bを押下すると、グラフ画面W102が表示される(図32(a))。その後、グラフ画面W102に、グラフG100が表示される(図32(b))(図31に示すステップA1→K3→A5→A7→K9に相当)。
そして、ポインティングデバイス9によって空白成分であるセルS100をタップすると、記号矢印の候補が一覧表示される。一覧表示された記号矢印の中から1つの記号矢印D100を選択する(図32(c))(図31に示すステップK11に相当)。
図32(c)において選択された記号矢印D100は、セルS100に表示すべき記号矢印ではなかったため、正しい記号矢印V100が拡大されてグラフ画面W102上に表示される(図32(d))(図31に示すステップK15→K17〜K21に相当)。
以上、実施形態10によれば、増加減傾向等を表す記号やシンボルマークを空白成分とした増減表が表示される。そして、空白成分をポインティングデバイス9で選択すると、記号矢印の候補が一覧表示される。更に、1つの記号矢印を選択すると、正しい記号矢印であるか否か判別され、正しくないと判別された場合には、正しい記号矢印データが内部データから読み出されてグラフ画面上に表示される。これにより、ユーザは、選択した記号矢印が正しくなかったことや、正しい記号矢印はどれであるかを知ることができる。
また、グラフの側近に記号矢印が表示されることで、グラフの増減傾向の特徴を強調して表示することができる。従って、グラフの特徴と増減表成分とを連係した学習に好適な図表表示制御装置を実現することができる。
〔実施形態11〕
次に、本発明を適用したグラフ関数電卓1の実施形態11について説明する。実施形態11におけるグラフ関数電卓1は、図3に示した実施形態1のROM36をROM36mに置き換えた構成である。尚、実施形態1において図3に示して説明したグラフ関数電卓1のROM36の構成要素の他、同一の構成要素には同一の符号を付し、また図4の特徴点プロット表示処理のステップと同一処理内容のステップには同一の符合を付してその説明を省略する。
図33は、実施形態11に係るROM36mの構成を示す図である。同図によれば、ROM36mは、実施形態11の特徴的な処理である選択成分グラフ表示処理を実現するための選択成分グラフ表示プログラム360mを格納する。
次に、グラフ関数電卓1の選択成分グラフ表示処理の動作について、図34に示すフローチャートを用いて以下に説明する。
ユーザによってグラフ式が入力されると、CPU32は、入力されたグラフ式をグラフ式格納領域340に格納する。そして、ユーザによって入力されたグラフ式を確定する指示入力(例えば、EXEキーの押下)が為されると、CPU32は、選択成分グラフ表示プログラム360mをROM36mから読み出し、RAM34に展開することで選択成分グラフ表示処理を開始する。
CPU32は、選択成分グラフ表示処理を開始すると、増減表キー5aが押下されるまで待機し(ステップA1)、増減表キー5aが押下されると(ステップA1:Yes)、CPU32は学習モード増減表作表表示処理を実行する(ステップM3)。
次いで、グラフ学習キー5bが押下されると(ステップA5:Yes)、CPU32は、グラフ画面表示処理を実行することでグラフ画面W112を表示部46に表示させる(ステップA7)。次いで、グラフ描画表示処理を実行することでグラフ式のグラフをグラフ画面W112に表示させる(ステップM9)。
CPU32は、増減表の空白成分がポインティングデバイス9によってタップされたと判別すると(ステップM11:Yes)、タップされた増減表の空白成分位置を入力エリアとして確定する(ステップM13)。
そして、入力エリアに該当する式のグラフデータをグラフ式格納領域340に記憶されているグラフ式を元に作成し(ステップM15)、作成したグラフデータによって、グラフ表示エリアの表示を更新する(ステップM17)。例えば、増減表の1次微分エリアがタップされた場合は、グラフ式の1次微分式を算出し、この1次微分式をもとにグラフデータを作成し、グラフ表示エリアに表示させる。2次微分エリアがタップされた場合も同様である。
ステップM11において、増減表の空白成分がタップされると、記号矢印の候補が一覧表示され、CPU32は、当該候補から1つの記号矢印が選択されると(ステップM19:Yes)、内部データとして記憶している空白成分に表示すべき正しい記号矢印と、選択された記号矢印とを比較する(ステップM21)。
そして、内部データの正しい記号矢印と選択された記号矢印とが一致しないと判別した場合は(ステップM23:No)、一致していないことを表すメッセージを表示部46に表示させる(ステップM25)。次いで、ポインティングデバイス9によって再び矢印選択操作が為されるか否かを判別し(ステップK23)、矢印選択操作が為されていないと判別した場合は(ステップM27:No)、ユーザによって選択成分グラフ表示処理を終了させる指示入力(例えば、EXEキーの押下)が為されたか否かを判別する(ステップM29)。
CPU32は、選択成分グラフ表示処理を終了させる指示入力が為されたと判別した場合(ステップM29:Yes)、グラフ表示を更新し(ステップM31)、選択成分グラフ表示処理を終了する。指示入力が為されていないと判別した場合は(ステップM29:No)、ステップM19へ処理を移行する。
図35は、具体的な操作例として、「y=x3−3x」をグラフ式として入力し、増減表の1次微分エリアの空白成分をポインティングデバイス9によってタップした後、グラフ式の1次微分式のグラフが表示されるまでの表示画面の画面遷移の例を示す図である。
先ず、ユーザが、増減表キー5aを押下すると、増減表W110を表示する増減表画面W114が表示され、更にグラフ学習キー5bを押下すると、グラフ画面W112が表示される(図35(a))。その後、グラフ画面W112に、グラフG110が表示される(図35(b))(図34に示すステップA1→M3→A5→A7→M9に相当)。
そして、ポインティングデバイス9によって空白成分であるセルS110をタップすると(図35(c))、グラフ画面W112上にグラフ式L10の1次微分グラフG112が表示される。また、一覧表示される記号矢印より記号矢印D110「−」を選択し、増減表W110に反映させる(図35(d))(図34に示すステップM13〜M19→M21→M23に相当)。
以上、実施形態11によれば、増加減傾向等を表す記号やシンボルマークを空白成分とした増減表が表示される。また、空白成分をポインティングデバイス9によって選択すると、選択したエリアに対応する微分式のグラフがグラフ画面に表示される。これにより、ユーザは、表示された微分式のグラフの増減傾向を見ながら、増減表の空白成分の記号矢印を選択することができる。従って、グラフの特徴と増減表成分とを連係した学習に好適な図表表示制御装置を実現することができる。
〔実施形態12〕
次に、本発明を適用したグラフ関数電卓1の実施形態12について説明する。実施形態12におけるグラフ関数電卓1は、図2に示した実施形態1のROM36をROM36nに置き換えた構成である。尚、実施形態1において図3に示して説明したグラフ関数電卓1のROM36の構成要素の他、同一の構成要素には同一の符号を付し、また図4の特徴点プロット表示処理のステップと同一処理内容のステップには同一の符合を付してその説明を省略する。
図36は、実施形態12に係るROM36nの構成を示す図である。同図によれば、ROM36nは、実施形態12の特徴的な処理である第2成分判定正誤表示処理を実現するための第2成分判定正誤表示プログラム360nを格納する。
次に、グラフ関数電卓1の第2成分判定正誤表示処理の動作について、図37に示すフローチャートを用いて以下に説明する。
ユーザによってグラフ式が入力されると、CPU32は、入力されたグラフ式をグラフ式格納領域340に格納する。そして、ユーザによって入力されたグラフ式を確定する指示入力(例えば、EXEキーの押下)が為されると、CPU32は、第2成分判定正誤表示プログラム360nをROM36nら読み出し、RAM34に展開することで第2成分判定正誤表示処理を開始する。
CPU32は、第2成分判定正誤表示処理を開始すると、増減表キー5aが押下されるまで待機し(ステップA1)、増減表キー5aが押下されると(ステップA1:Yes)、CPU32は学習モード増減表作表表示処理を実行する(ステップN3)。
次いで、CPU32は、グラフ学習キー5bが押下されると(ステップA5:Yes)、グラフ画面表示処理を実行することでグラフ画面W122を表示部46に表示させる(ステップA7)。次いで、グラフ描画表示処理を実行することでグラフ式のグラフをグラフ画面W122に表示させる(ステップN9)。
CPU32は、増減表の空白成分がポインティングデバイス9によってタップされたと判別すると(ステップN11:Yes)、タップされた増減表の空白成分位置を入力エリアとして確定する(ステップN13)。
そして、入力エリアに該当する式のグラフデータをグラフ式格納領域340に記憶されているグラフ式を元に作成し(ステップN15)、作成したグラフデータによって、グラフ表示エリアの表示を更新する(ステップN17)。
CPU32は、ステップN11において空白成分のタップを検知すると、記号矢印の候補を一覧表示する。そして、当該候補の中から1つの記号矢印が選択されると(ステップN19:Yes)、内部データの記号矢印と、選択された記号矢印とを比較し(ステップN21)、一致していないと判別すると(ステップN23:No)、空白成分に表示すべき記号矢印と、空白成分に対応するグラフ式の座標とを表示用データとして作成する(ステップN25)。そして、CPU32は、作成した表示用データを基に記号矢印と座標とを表示部46に表示させることでグラフ画面を更新する(ステップN27)。
次いで、ポインティングデバイス9によって再び矢印選択操作が為されるか否かを判別し(ステップN29)、矢印選択操作が為されていないと判別した場合は(ステップN29:No)、ユーザによって第2成分判定正誤表示処理を終了させる指示入力(例えば、EXEキーの押下)が為されたか否かを判別する(ステップN31)。
CPU32は、第2成分判定正誤表示処理を終了させる指示入力が為されたと判別した場合(ステップN31:Yes)、グラフ表示を更新し(ステップN33)、第2成分判定正誤表示処理を終了する。指示入力が為されていないと判別した場合は(ステップN31:No)、ステップN19へ処理を移行する。
図38及び図39は、具体的な操作例として、「y=x3−3x」をグラフ式として入力し、増減表の1次微分エリアの空白成分をポインティングデバイス9によってタップした後、グラフ式の1次微分式のグラフと、タップした成分に対応する記号矢印及び座標とが表示されるまでの表示画面の画面遷移の例を示す図である。
先ず、ユーザが、増減表キー5aを押下すると、増減表W120を表示する増減表画面W124が表示され、更にグラフ学習キー5bを押下すると、グラフ画面W122が表示され(図38(a))、その後、グラフ画面W122に、グラフG120が表示される(図38(b))(図37に示すステップA1→N3→A5→A7→N9に相当)。
そして、ポインティングデバイス9によって空白成分であるセルS120をタップすると(図38(c))、グラフ画面W122上にグラフ式L10の1次微分グラフG122が表示される(図39(a))(図37に示すステップN11→N13〜N17に相当)。
また、一覧表示される記号矢印より記号矢印D120「+」を選択し、増減表W120に反映させる。すると、選択された記号矢印D120は、空白成分S120に表示すべき正しい記号矢印と一致しないため、グラフ画面W122上にタップした空白成分S120に対応するグラフの移動方向を表す矢印V120及び座標D122が表示される(図39(b))(図37に示すステップN19→N21→N23→N25→N27に相当)。
以上、実施形態12によれば、増加減傾向等を表す記号やシンボルマークを空白成分とした増減表が表示される。空白成分をポインティングデバイス9で選択すると、選択したエリアに対応する微分式のグラフがグラフ画面上に表示される。また、空白成分をタップすることで表示される記号矢印の候補の中から1つの記号矢印を選択した場合、選択した記号矢印が正しい記号矢印でないと判別されると、正しい記号矢印と座標とがグラフ画面上に表示される。これにより、ユーザは、表示されたグラフを元に、増減表の空白成分の記号矢印を選択指定することができ、また、選択した記号矢印が間違っていた場合は、表示される矢印や座標によって正しい記号矢印や座標を知ることができる。従って、グラフの特徴と増減表成分とを連係した学習に好適な図表表示制御装置を実現することができる。
〔実施形態13〕
次に、本発明を適用したグラフ関数電卓1の実施形態13について説明する。実施形態13におけるグラフ関数電卓1は、図3に示した実施形態1のROM36をROM36pに置き換えた構成である。尚、実施形態1において図3に示して説明したグラフ関数電卓1のROM36の構成要素の他、同一の構成要素には同一の符号を付し、また図4の特徴点プロット表示処理のステップと同一処理内容のステップには同一の符合を付してその説明を省略する。
図40は、実施形態13に係るROM36pの構成を示す図である。同図によれば、ROM36pは、実施形態13の特徴的な処理である増減表成分変更処理を実現するための増減表成分変更プログラム360pを格納する。
次に、グラフ関数電卓1の増減表成分変更処理の動作について、図41に示すフローチャートを用いて以下に説明する。
ユーザによってグラフ式が入力されると、CPU32は、入力されたグラフ式をグラフ式格納領域340に格納する。そして、ユーザによって入力されたグラフ式を確定する指示入力(例えば、EXEキーの押下)が為されると、CPU32は、増減表成分変更プログラム360pをROM36pから読み出し、RAM34に展開することで増減表成分変更処理を開始する。
CPU32は、増減表キー5aが押下されるまで待機し(ステップA1)、増減表キー5aが押下されると(ステップA1:Yes)、増減表作表表示処理を実行し(ステップA3)、その後、増減表成分をポインティングデバイス9によってタップされるまで待機する(ステップP5)。
増減表成分がタップされると(ステップP5:Yes)、CPU32は、更にタップされた増減表成分内に数値が入力されるまで待機する(ステップP7)。CPU32は、数値が入力されたと判別すると(ステップP7:Yes)、入力された数値を増減表成分に反映する(ステップP9)。
そして、増減表成分を元に、グラフ式を算出する(ステップP11)。CPU32は、グラフ式を算出可能か否かを判別し(ステップP13)、算出可能であると判別すると(ステップP13:Yes)、算出したグラフ式をグラフ式格納領域340に記憶し、グラフ描画表示処理を実行して(ステップP15)、増減表成分変更処理を終了する。
一方、グラフ式を算出できないと判別した場合は(ステップP13:No)、算出時の矛盾した増減表成分を検出し(ステップP17)、矛盾成分を有効な成分に変換する(ステップP19)。CPU32は、ステップP19における矛盾成分の有効な成分への変更が可能か否かを判別し(ステップP21)、可能であると判別すると(ステップP21:Yes)、ステップP11へ処理を移行する。また、変更が可能でないと判別すると(ステップP21:No)、増減表成分を変更できないことを表すエラー表示を表示部46に表示させ(ステップP23)、増減表成分変更処理を終了する。
図42は、具体的な操作例として、「y=x3−3x」をグラフ式として入力し、増減表内の成分をポインティングデバイス9によってタップした後、増減表成分の数値を変更し、数値の変更が反映されたグラフが表示されるまでの表示画面の画面遷移の例を示す図である。
先ず、グラフ式L10を入力し、増減表キー5aを押下すると、増減表W130が表示部46の増減表画面W134に表示される(図42(a))(図41に示すステップA1→A3に相当)。尚、図42(a)のグラフ式リスト画面W132は、グラフ関数電卓1の基本画面に相当し、所望のグラフ式を複数入力・記憶しておくための画面である。
次いで、増減表W130のセル130をポインティングデバイス9によってタップし(図42(b))、数値を変更すると(図42(c))、数値の変更が反映された増減表W138を元にグラフ式が算出され、算出されたグラフ式L130のグラフG130がグラフ画面W136に表示される(図42(d))(図41に示すステップP5→P7→P9→P11→P13→P15に相当)。
以上、実施形態13によれば、表示された増減表の成分を変更することで、当該変更が反映されたグラフが表示される。これにより、ユーザは、増減表の成分がグラフのどの部分に対応しているか、どのようなグラフの特性に関わっているか等の増減表とグラフの対応関係を知ることができる。従って、グラフの特徴と増減表成分とを連係した学習に好適な図表表示制御装置を実現することができる。
〔実施形態14〕
次に、本発明を適用したグラフ関数電卓1の実施形態14について説明する。実施形態14におけるグラフ関数電卓1は、図3に示した実施形態1のRAM34とROM36とを、RAM34qとROM36qとに置き換えた構成である。尚、実施形態1において図3に示して説明したグラフ関数電卓1のRAM34とROM36との構成要素の他、同一の構成要素には同一の符号を付し、また図4の特徴点プロット表示処理のステップと同一処理内容のステップには同一の符合を付してその説明を省略する。
図43(a)は、実施形態14に係るRAM34qの構成を示す図である。同図によれば、RAM34qは、グラフ式格納領域340と、グラフデータ格納領域346とを備える。グラフデータ格納領域346とは、グラフ式の所定範囲のグラフデータ(例えば、範囲を表す変域や、座標値の集合)を格納するための記憶領域である。
図43(b)は、実施形態14に係るROM36qの構成を示す図である。同図によれば、ROM36qは、実施形態14の特徴的な処理である残欠グラフ表示処理を実現するための残欠グラフ表示プログラム360qを格納する。
次に、グラフ関数電卓1の残欠グラフ表示処理の動作について、図44に示すフローチャートを用いて以下に説明する。
ユーザによってグラフ式が入力されると、CPU32は、入力されたグラフ式をグラフ式格納領域340に格納する。そして、ユーザによって入力されたグラフ式を確定する指示入力(例えば、EXEキーの押下)が為されると、CPU32は、残欠グラフ表示プログラム360qをROM36qから読み出し、RAM34qに展開することで残欠グラフ表示処理を開始する。
CPU32は、グラフ学習キー5bが押下されると(ステップA5:Yes)、グラフ描画表示処理を実行する(ステップQ7)。そして、残欠グラフ表示処理の特徴的な機能であるステップQ11以降の処理を実行するための指示入力(例えば、EXEキーの押下)が為されるまで待機する(ステップQ9)。
指示入力が為されたと判別すると(ステップQ9:Yes)、CPU32は、表示しているグラフの消去するグラフ部分に該当する増減表成分を任意に決定する(ステップQ11)。そして、決定した増減表成分に該当するグラフデータをグラフデータ格納領域346に記憶し(ステップQ13)、決定した増減表成分に該当するグラフ部分を非表示とするグラフ表示データを算出する(ステップQ15)。
CPU32は、図37の第2成分判定正誤表示処理と同様にステップA1〜A5の処理を行った後、算出したグラフ表示データを元に、表示部46のグラフ表示を更新し(ステップQ17)、ポインティングデバイス9によってグラフ画面上をドラッグされるまで待機する(ステップQ19)。ドラッグされたことを検知すると(ステップQ19:Yes)、CPU32は、ドラッグ操作による移動軌跡の座標の算出を行い(ステップQ21)、算出した移動軌跡の座標とグラフデータとを比較する(ステップQ23)。
算出した移動軌跡の座標とグラフデータとの比較によって、移動軌跡の座標が許容範囲内であると判別すると(ステップQ25:Yes)、CPU32は、グラフ式のグラフを表示することでグラフ画面を更新する(ステップQ29)。また、許容範囲内でないと判別すると(ステップQ25:No)、移動軌跡とグラフデータとの差異が大きいことを表すNGメッセージを表示してから(ステップQ27)、ステップQ29へ移行する。
図45及び図46は、具体的な操作例として、「y=x3−3x+1」をグラフ式として入力し、非表示部分のあるグラフをポインティングデバイス9によってドラッグした後、グラフが更新されるまでの表示画面の画面遷移の例を示す図である。
先ず、グラフ式L140を入力し、増減表キー5aを押下すると、増減表W140が表示部46の増減表画面W144に表示される。そして、グラフ学習キー5bを押下すると、グラフ式L140のグラフG140がグラフ画面W142に表示される(図45(a))(図44に示すステップA1→A3→A5→Q7に相当)。
次いで、EXEキーを押下すると、増減表W140は自動でスクロールされ(図45(b))、消去するグラフに該当する増減表成分S140が枠表示によって識別表示され、更に対応するグラフ部分G142が非表示となる(図45(c))(図44に示すステップQ9→Q11〜Q17に相当)。
ユーザは、グラフG140の未表示部分G142をドラッグすると(図46(a))、グラフ画面W142は更新され、グラフ式L140のグラフG140が再度表示される(図46(b))。(図44に示すステップQ19→Q21〜Q25→Q29に相当)
以上、実施形態14によれば、増減表に対応したグラフの一部分が非表示として表示され、この非表示部分をポインティングデバイス9によってドラッグすることにより、入力したグラフ式を表す完全なグラフが表示される。これにより、ユーザは、非表示となったグラフ部分を、対応する増減表の成分の増減傾向等を見ながら、ポインティングデバイス9によって描くことで、グラフの一部分に重点をおいたグラフの描画学習が可能となる。従って、グラフの特徴と増減表成分とを連係して学習するグラフの描画学習に好適な図表表示制御装置とすることができる。
〔実施形態15〕
次に、本発明を適用したグラフ関数電卓1の実施形態15について説明する。実施形態15におけるグラフ関数電卓1は、図3に示した実施形態1のRAM34とROM36とを、図43に示すRAM34qと図47に示すROM36rとに置き換えた構成である。尚、実施形態1において図3に示して説明したグラフ関数電卓1のRAM34とROM36との構成要素の他、同一の構成要素には同一の符号を付し、また図4の特徴点プロット表示処理のステップと同一処理内容のステップには同一の符合を付してその説明を省略する。
図47は、実施形態15に係るROM36rの構成を示す図である。同図によれば、ROM36rは、実施形態15の特徴的な処理であるグラフ練習処理を実現するためのグラフ練習プログラム360rを格納する。
次に、グラフ関数電卓1のグラフ練習処理の動作について、図48に示すフローチャートを用いて以下に説明する。
ユーザによってグラフ式が入力されると、CPU32は、入力されたグラフ式をグラフ式格納領域340に格納する。そして、ユーザによって入力されたグラフ式を確定する指示入力(例えば、EXEキーの押下)が為されると、CPU32は、グラフ練習プログラム360rをROM36rから読み出し、RAM34qに展開することでグラフ練習処理を開始する。
CPU32は、図44に示す残欠グラフ表示処理と同様にステップA1〜A3の処理を行った後、グラフ学習キー5bが押下されると(ステップA5:Yes)、グラフ描画表示処理を実行する(ステップR7)。そして、グラフ練習処理の特徴的な機能であるステップR11以降の処理を実行するための指示入力(例えば、EXEキーの押下)が為されるまで待機する(ステップR9)。
CPU32は、機能実行を指示する指示入力(例えば、EXEキーの押下)が為されると(ステップR9:Yes)、表示している増減表から任意の増減表成分を決定する(ステップR11)。そして、決定した増減表成分に該当するグラフデータをグラフデータ格納領域346に記憶し(ステップR13)、決定した増減表成分の表示を識別表示する等して更新する(ステップR15)。
CPU32は、ドラッグされたことを検知すると(ステップR17:Yes)、ドラッグ操作による移動軌跡の座標の算出を行い(ステップR19)、算出した移動軌跡の座標とグラフデータとを比較する(ステップR21)。
算出した移動軌跡の座標とグラフデータとの比較によって、移動軌跡の座標が許容範囲内であると判別すると(ステップR23:Yes)、CPU32は、グラフ式のグラフを表示することでグラフ画面を更新する(ステップR27)。また、許容範囲内でないと判別すると(ステップR23:No)、NG(No Good)メッセージを表示してから(ステップR25)、ステップR27へ移行する。
図49及び図50は、具体的な操作例として、「y=x3−3x+1」をグラフ式として入力し、増減表中の識別表示された成分に対応するグラフ部分をポインティングデバイス9によってドラッグした後、入力したグラフ式のグラフが再表示されるまでの表示画面の画面遷移の例を示す図である。
先ず、グラフ式L150を入力し、増減表キー5aを押下すると、増減表W150が表示部46の増減表画面W154に表示される。そして、グラフ学習キー5bを押下すると、グラフ式L150のグラフG150がグラフ画面W152に表示される(図49(a))(図48に示すステップA1→A3→A5→R7に相当)。
次いで、EXEキーを押下すると、増減表W150は自動的にスクロールされ(図49(b))、増減表成分S140が枠表示によって識別表示される(図49(c))(図48に示すステップR9→R11〜R15に相当)。
ポインティングデバイス9によって増減表成分S140に対応するグラフ部分をドラッグすると(図50(a))、グラフ画面W152は更新され、グラフ式L150のグラフG150が再度表示される(図50(b))(図48に示すステップR17→R19〜R23→R27に相当)。
以上、実施形態15によれば、識別表示された増減表成分に対応するグラフ部分をポインティングデバイス9によってドラッグすることにより、入力したグラフ式のグラフが再表示される。また、ドラッグした移動軌跡が、対応するグラフ部分の許容範囲外であると判別されるとエラーが表示される。これにより、ユーザは、識別表示された増減表成分に対応すると思うグラフ部分をポインティングデバイス9によってなぞることで、増減表成分に対応したグラフ部分を正しくなぞっているか否かを知ることができ、増減表成分とグラフとの対応関係を学習することができる。従って、グラフの特徴と増減表成分とを連係して学習するグラフの描画学習に好適な図表表示制御装置を実現することができる。
〔実施形態16〕
次に、本発明を適用したグラフ関数電卓1の実施形態16について説明する。実施形態16におけるグラフ関数電卓1は、図3に示した実施形態1のRAM34とROM36とを、RAM34sとROM36sとに置き換えた構成である。尚、実施形態1において図3に示して説明したグラフ関数電卓1のRAM34とROM36との構成要素の他、同一の構成要素には同一の符号を付し、また図4の特徴点プロット表示処理のステップと同一処理内容のステップには同一の符合を付してその説明を省略する。
図51(a)は、実施形態16に係るRAM34sの構成を示す図である。同図によれば、RAM34sは、グラフ式格納領域340と、x座標格納領域348とを備える。x座標格納領域とは、グラフ画面W162に描画されるグラフの先頭位置のx座標値を格納するための記憶領域である。
図51(b)は、実施形態16に係るROM36sの構成を示す図である。同図によれば、ROM36sは、実施形態16の特徴的な処理であるグラフ増減表自動表示処理を実現するためのグラフ増減表自動表示プログラム360sを格納する。
次に、グラフ関数電卓1のグラフ増減表自動表示処理の動作について、図52に示すフローチャートを用いて以下に説明する。
ユーザによってグラフ式が入力されると、CPU32は、入力されたグラフ式をグラフ式格納領域340に格納する。そして、ユーザによって入力されたグラフ式を確定する指示入力(例えば、EXEキーの押下)が為されると、CPU32は、グラフ増減表自動表示プログラム360sをROM36sから読み出し、RAM34sに展開することでグラフ増減表自動表示処理を開始する。
先ず、CPU32は、増減表キー5aが押下されると(ステップA1)、増減表作表表示処理を実行し(ステップA3)、グラフ学習キー5bが押下されるまで待機する(ステップA5)。グラフ学習キー5bが押下されると(ステップA5:Yes)、CPU32は、グラフ画面表示処理を実行して(ステップA7)、グラフ式からグラフ表示データを算出する(ステップS9)。そして、x座標格納領域348に格納されているx座標値を”1”に初期化し(ステップS11)、増減表を構成する成分のうち、最左端にある成分を表しているセルS168を枠線S168で囲むことによって識別表示する(ステップS13)。
次いで、x座標格納領域348に格納されているx座標値に対応するy座標値を算出し、x座標値及びy座標値を示すグラフ画面W162の位置にドットを描画する(ステップS15)。CPU32は、描画したドットの座標値を含む増減表成分を検出する(ステップS17)。そして、検出した増減表成分が既に識別表示の対象となっているか否かによって、増減表成分を切り替えて識別表示するか否かを判別する(ステップS19)。
検出した増減表成分が識別表示されていない場合は(ステップS19:Yes)、既に識別表示していた増減表成分を通常の表示に戻し、検出した増減表成分を識別表示することによって増減表の表示を更新する(ステップS21)。次に、x座標格納領域348に格納されているx座標値がグラフ画面W162の表示レンジの最大値であるか否かを判別することによって、グラフ式のグラフ全体が表示されたか否かを判別する(ステップS23)。表示レンジの最大値であると判別した場合は(ステップS23:Yes)、グラフ増減表自動表示処理を終了し、表示レンジが最大値でないと判別した場合は(ステップS23)、x座標格納領域348に記憶されているx座標値に”1”を加えて(ステップS25)、ステップS15の処理へ移行する。
また、ステップS19において、検出した増減表成分が識別表示されていた場合は(ステップS19:No)、ステップS23へ処理を移行する。
図53は、具体的な操作例として、「y=x3−3x+1」のグラフ式を入力した後、グラフが自動的に描画されつつ、識別表示される増減表成分が切り替わっていく表示画面の画面遷移の例を示す図である。
先ず、増減表キー5aを押下すると、増減表W160が表示され、グラフ学習キー5bを押下すると、グラフ画面W162が表示される(図53(a))(図52に示すステップA1→A3→A5→A7に相当)。
その後、グラフ式L160のグラフがグラフ画面W162のx座標の負方向から正方向に向けて延伸するように漸次描画されていく。また、これに伴い、先頭位置(図53(b)のグラフ描画位置P160、(c)のグラフ描画位置P162、(d)のグラフ描画位置P164)に対応する増減表成分の識別表示が切り替わっていく(図53(b))(図52に示すステップS9〜S19→S21に相当)。図53(b)のグラフ画面W162に表示されているグラフは、自動的に図53(c)、図53(d)というように、x座標の負方向から正方向に延伸していくように描画されていき、最終的に、グラフ式L160のグラフG160が表示される。
図53(b)では、グラフ描画位置P160とセル160とが対応しており、図53(c)では、グラフ描画位置P162とセルS162とが対応している。また、図53(d)では、グラフ描画の終端であるグラフ描画位置P164とセルS164とが対応している。
以上、実施形態16によれば、入力したグラフ式の増減表が表示された後、x軸の負方向から正方向に向けて、漸次グラフが描画されていく。また、描画位置に対応する増減表成分が順次切り替わって識別表示される。これにより、ユーザは、グラフの描画を視覚的に追っかけながら、グラフと増減表との対応関係を学習することができる。従って、グラフの特徴と増減表成分とを連係した学習の際に好適な図表表示制御装置を実現することができる。
以上、16の実施形態について、それぞれが独立した実施形態として説明したが、それぞれの実施形態を適宜組み合わせたグラフ関数電卓を実現することとしてもよい。例えば、実施形態5の補助線表示プログラム360eと実施形態6の座標プロット表示プログラム360fとを統合してROMに格納し、補助線表示処理と座標プログラム表示処理とを合わせた処理を実行するようにグラフ関数電卓を構成してもよい。具体的には、図16に示す補助線表示処理のステップE8−2の後に、図19に示す座標プロット表示処理のステップF8の処理を挿入したプログラムとすることで、グラフ画面に、グラフ式の特徴点における接線と、リストデータに対応したプロット点とを同時に表示させる。これにより、グラフ式の特徴及び概形がより明確になり、グラフ関数電卓をグラフの描画学習により効果的なものとすることができる。
また、本実施形態における図表表示制御装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは無論である。