JP4154494B2 - チューブコンタクト及びその製造方法並びに電線接続装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、比較的小さい形状構造のチューブコンタクトを、自動製造ラインで高精度かつ多量生産することを目的としたチューブコンタクト及びその製造方法並びに電線接続装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来導電性金物と、電線とを接続するには導電性金物と、座金との間に電線(又は端子)を介装し、ねじによる締め付け固定が最も普通の構造である。
【0003】
またこのようなチューブコンタクトを導電性薄板を屈曲成形した提案もある。
【0004】
【特許文献】
特開2000−200637
【0005】
【発明により解決しようとする課題】
前記従来の導電性金物と座金とによる電線の挟着固定は、一般的ではあるが、組み付け不十分によって接続不良を生じるおそれがあった。
【0006】
また端子盤などの電線接続部へ四角筒よりなるチューブコンタクトを使用する場合においては、全体が小さい為に(高さ、長さ共に5mm程度)製造コストが大きくなる問題点があった。
【0007】
また使用材料が薄い(例えば0.7mm位)ので、ねじ締め時に変形し、十分の締付力が伝わらない為に接続不良を生じるおそれがあった。
【0008】
また出願人は前記特許文献の技術を開発し、十分の締付力を有するものであり、実用に供しているが、生産性その他において更に優れた技術を開発し、提案するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明は、導電性薄板を打抜成形した後、屈曲し、四角筒とし、端縁側重なり部を係止片で挟着固定し、四角筒の強度を増強したものである。
【0010】
即ち、この発明は、
導電性の薄板素材を用い、プレス加工と屈曲加工を用いてチューブコンタクトを製造する方法であって、
左右方向に延びる導電性の方形の薄板素材であって、一方の側の端部によって一方の端縁板、他方の側の端部によって他方の端縁板がそれぞれ形成される導電性の方形の薄板素材を、前記一方の端縁板において、前記左右方向に直交する方向に、当該一方の端縁板の一方の側縁から突出する鈎状の突出部であって、当該一方の端縁板の一方の側縁から突出する部分からなる垂下板と、当該垂下板の先端部において、当該垂下板が延びる方向に直交して前記他方の端縁板の側に向かう方向に、当該垂下板の側縁から突出する係止片とからなる鈎状の突出部が連設されているように打ち抜く工程、
前記導電性の方形の薄板素材において、屈曲加工してチューブコンタクトにした際に上壁となる部分にねじ筒を設けると共に、前記一方の端縁板及び他方の端縁板と当該上壁となる部分との間にそれぞれ存在し、前記導電性の方形の薄板素材を屈曲加工してチューブコンタクトにした際に前記上壁となる部分の両側にそれぞれ連続し、互いに対向する側壁となる部分にそれぞれ透孔を設ける工程、
前記上壁となる部分と、前記側壁となる部分との間の屈曲線に沿って屈曲させて四角筒にする工程、
前記一方の端縁板を、前記上壁となる部分に連続する前記一方の側における前記側壁となる部分との間の屈曲線に沿って屈曲させると共に、
前記他方の端縁板を、前記上壁となる部分に連続する前記他方の側における前記側壁となる部分との間の屈曲線に沿って屈曲させて、前記一方の端縁板の下側に重ね、
前記垂下板を、前記一方の端縁板との間の屈曲線に沿って屈曲させると共に、前記係止片を前記垂下板との間の屈曲線に沿って屈曲し、前記一方の端縁板と、前記係止片とにより前記他方の端縁板を挟着係止する工程
を備えていることを特徴としたチューブコンタクトの製造方法である。
【0011】
また、この発明は、前述した方法によって製造したチューブコンタクトである。
【0012】
次に装置の発明は、前述した本発明のチューブコンタクトを、端子盤の電線接続腔内に設置したことを特徴とする電線接続装置である。
【0013】
前記発明において、製品の大きさは高さ7〜8mm、正面幅6〜7mm、側面幅4mm程度であって、極めて小さい部品ではあるけれども、端子盤の伝導部品としては正確な形状と性能が要求される。
【0014】
この主製品は極小部品ではあるけれども、その形状構造は均一かつ高精度でなくてはならない上に、製造は全自動化されなければならないので、良質の量産品とすることは難しかったのである。
【0015】
例えば角筒を加工すれば、角筒は均質にできるが、螺孔の加工が難しく、薄板から製造しようとすれば、堅固な角筒を成形すること自体が難しいことになっている。
【0016】
そこでこの発明を、薄板の時に螺孔を加工し、ついで薄板を屈曲して四角筒とし、下辺を重ね合わせて補強すると共に、重ね合わせ部分を固定することにより、堅固な角筒を得たのである。
【0017】
【発明の実施の形態】
この発明は導電性の薄板を屈曲成形して筒状コンタクトを成形し、前記薄板の端縁を互いに重ねた後、端縁から突出した突出片部で前記重ね部分を挟着したチューブコンタクトである。
【0018】
この発明のチューブコンタクトは、導電性の薄板素材を方形に打ち抜くと共に、ねじ筒部及び透孔を設けて成形薄板とし、該成形薄板を屈曲してねじ筒部と部材挿通孔を有する四角筒を構成し、前記四角筒の重なり部分を、前記成形薄板の一側に連設した係止片を屈曲して重なり部を挟着固定して、構成したものである。
【0019】
従って、薄板の打ち抜き加工及び屈曲加工により順次かつ能率よく加工できるので、全自動成形ができる。
【0020】
【実施例1】
この発明のチューブコンタクトの実施例を図1、2、3について説明する。四角筒1の上壁1aにねじ筒2を設けると共に、両側壁1b、1bに透孔3、3を設ける。前記四角筒1は、端縁板1c、1dを重ね合わせ、端縁板1cの一側へ垂下板1eを垂下し、該垂下板1eへ係止片1fを連設し、前記端縁板1dの下方へ屈曲係止して、チューブコンタクト5を得たもので、図中2aはねじ筒2のねじ部である。
【0021】
前記実施例によれば、端縁板1c、1dの重なりを係止片1fで係止固定しているので、四角筒を分解することはできない。
【0022】
【実施例2】
この発明の方法の実施例を図4について説明する。導電性テープ4を方形部6の一側に鈎状の突出部6aを連設して打ち抜くと共に、方形部6へ透孔3と、バーリング加工にしてねじ筒2を設ける。ついで、屈曲線7、7に沿って夫々屈曲し、端縁板1c、1dを重ね、垂下板1eを屈曲した後、更に係止片1fを屈曲し、端縁板1cと、係止片1fにより端縁板1dを挟着係止することにより、この発明のチューブコンタクト5が完成する。
【0023】
前記のように、プレス加工と、屈曲加工により目的を達成できるので、多量生産が可能である。
【0024】
【実施例3】
この発明の電線接続装置の実施例を図5に基づいて説明する。端子盤8の電線9の接続腔部10へ、チューブコンタクト5の内側へ、電線9の裸線9aと当接する接触板11を挿入設置して、この発明の接続装置15を完成した。
【0025】
前記実施例において、締め付けねじ12を回転してチューブコンタクト5を矢示13の方向へ引き上げると、チューブコンタクト5の下板1cが前記裸線9に当接すると共に、接触板11の下面も、裸線9に当接して挟着し、この接続装置15による接続を完了した。この発明によれば、裸線9を挟着する端縁部は、二重になっているので、強度上問題を生じる余地はない。
【0026】
【発明の効果】
この発明によれば、チューブコンタクトを能率よく全自動多量生産できる効果がある。
【0027】
またプレス加工と屈曲であるから、不良品発生の余地がなく、均質製品とすることができる。
【0028】
次に接続装置は、電線押圧時に変形するおそれがなく、加圧接続できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のチューブコンタクトの実施例の斜視図。
【図2】(a)同じく正面図。
(b)同じく平面図。
【図3】(a)同じく側面図。
(b)同じく(a)中A−A断面図。
【図4】同じくこの発明の製造工程を示す流れ図。
【図5】(a)同じく接続装置の実施例の電線接続前の一部断面図。
(b)同じく電線接続後の一部断面図。
【符号の説明】
1 四角筒
2 ねじ筒
3 透孔
4 導電性テープ
5 チューブコンタクト
6 方形部
8 端子盤
9 電線
11 接続板
12 締付ねじ

Claims (3)

  1. 導電性の薄板素材を用い、プレス加工と屈曲加工を用いてチューブコンタクトを製造する方法であって、
    左右方向に延びる導電性の方形の薄板素材であって、一方の側の端部によって一方の端縁板、他方の側の端部によって他方の端縁板がそれぞれ形成される導電性の方形の薄板素材を、前記一方の端縁板において、前記左右方向に直交する方向に、当該一方の端縁板の一方の側縁から突出する鈎状の突出部であって、当該一方の端縁板の一方の側縁から突出する部分からなる垂下板と、当該垂下板の先端部において、当該垂下板が延びる方向に直交して前記他方の端縁板の側に向かう方向に、当該垂下板の側縁から突出する係止片とからなる鈎状の突出部が連設されているように打ち抜く工程、
    前記導電性の方形の薄板素材において、屈曲加工してチューブコンタクトにした際に上壁となる部分にねじ筒を設けると共に、前記一方の端縁板及び他方の端縁板と当該上壁となる部分との間にそれぞれ存在し、前記導電性の方形の薄板素材を屈曲加工してチューブコンタクトにした際に前記上壁となる部分の両側にそれぞれ連続し、互いに対向する側壁となる部分にそれぞれ透孔を設ける工程、
    前記上壁となる部分と、前記側壁となる部分との間の屈曲線に沿って屈曲させて四角筒にする工程、
    前記一方の端縁板を、前記上壁となる部分に連続する前記一方の側における前記側壁となる部分との間の屈曲線に沿って屈曲させると共に、
    前記他方の端縁板を、前記上壁となる部分に連続する前記他方の側における前記側壁となる部分との間の屈曲線に沿って屈曲させて、前記一方の端縁板の下側に重ね、
    前記垂下板を、前記一方の端縁板との間の屈曲線に沿って屈曲させると共に、前記係止片を前記垂下板との間の屈曲線に沿って屈曲し、前記一方の端縁板と、前記係止片とにより前記他方の端縁板を挟着係止する工程
    を備えていることを特徴としたチューブコンタクトの製造方法。
  2. 請求項1記載の製造方法で製造したことを特徴とするチューブコンタクト。
  3. 請求項記載のチューブコンタクトを、端子盤の電線接続腔内に設置したことを特徴とする電線接続装置。
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