JP4154238B2 - 半径方向に拡張する体内脊椎癒合インプラント - Google Patents

Description

本願は、２００１年３月２７日に出願された米国仮特許出願第６０／２７９，２０５号、及び２００１年４月４日に出願された米国仮特許出願第６０／２８１，７１４号の優先権を主張する。これらの仮特許出願に触れたことにより、これらの仮特許出願に開示された内容は本明細書中に含まれたものとする。
米国仮特許出願第６０／２７９，２０５号 米国仮特許出願第６０／２８１，７１４号 本発明は、全体として、体内脊椎インプラント、及び体内脊椎インプラントを脊椎の埋め込み空間内に挿入するための器具及び方法に関し、更に詳細には隣接した脊椎を不動化するための拡張可能な体内（隣接した椎体間の、前に円板材料によって占有されていた空間内に少なくとも部分的に配置するため）脊椎癒合インプラントに関する。

拡張可能な脊椎インプラントは高さを大きくできる性能を有し、この性能は、先ず最初にインプラントを位置決めした後に使用される。このような高さを大きくできる性能は、脊椎内で前側で、後側で又はこれらの両方で様々な程度でインプラントの前側又は後側を持ち上げるのに使用できる。更に詳細には、このようなインプラントは、上部分及び下部分の上面及び下面を有し、挿入位置では互いに対して畳まれており、展開位置では畳まれた位置よりも大きく互いから離間されている。

拡張可能な癒合インプラントは、大きくできるインプラントを患者の身体の小さい開口部を通して配置できるという利点を提供する。最初の拡張可能な脊椎癒合（椎体から椎体へのインプラントを通した骨の成長を可能にする）インプラントは、ミケルソンによって発明され、１９８８年６月２８日に出願された米国特許第５，７７６，１９９号に開示されている。同特許に触れたことにより、この特許に開示された内容は本明細書中に含まれたものとする。
米国特許第５，７７６，１９９号 拡張可能な体内脊椎癒合インプラントは、好ましくは、前側アプローチで脊椎に挿入でき、脊椎横方向プロセスに対して後側アプローチで挿入でき、脊椎中心線の両側に対をなして挿入できる。このような拡張可能なインプラントは、介在空間で脊椎前側湾曲を大きくする目的で、それらの前端で又は後端で高さを畳んだ状態から拡張状態まで増大するようになっている。拡張可能な体内脊椎癒合インプラントの設置中、外科医がインプラントを適当な器具及び方法で正確に制御でき、適当な骨成長促進材料をインプラントに入れることができ、インプラントを埋め込み空間内に挿入でき、インプラントを最終拡張状態まで展開でき、更に、所望であれば、インプラントに骨成長材料を装填できるのが望ましい。

インプラントの高さ及び幅の両方を拡張するために前端及び後端のうちの一方を周方向に拡張できる拡張可能な体内脊椎癒合インプラントも当該技術分野で周知である。このようなインプラントは、後端からインプラントの内部を通って移動して前端に至り、インプラントを拡張する拡張機構を有する。内部に通した拡張機構によって、インプラントの内部に存在する骨成長材料をインプラントの内部から押し出す。従って、このようなインプラントは、インプラントの拡張前に骨成長促進材料で効果的に予備充填できない。

インプラントの拡張前にインプラントを骨成長促進材料で予め充填できるようにするため、実質的に中空であり且つ精巧な又は実質的に空間を占有する拡張機構が実質的に設けられていないインプラントを周方向に拡張させる必要がある。拡張機構は、骨又は任意の他の適当な材料等の骨形成材料にインプラントの長さを通して圧縮荷重を加え、これをインプラントから押出す性能の邪魔とならない。インプラントから骨形成材料を押出すことにより、癒合されるべき円板空間と隣接した、隣接した椎体の大きな表面積に亘って、椎体自体に対するインプラントの接触表面領域を越えて骨形成材料の大きな容積を提供する。インプラント自体を隣接した椎体と接触した追加の癒合促進物質で取り囲むことによって癒合プロセスを高めることができる。

更に、上述の必要の全てを個々に又は組み合わせて提供する、拡張可能体内脊椎癒合インプラントで使用するための器具及び方法に対する必要が存在する。
本発明のこの他の目的及び利点を以下の説明で部分的に記載し、部分的には以下の説明から明らかであるか或いは本発明を実施することによって学習できる。本発明の目的及び利点は、特に添付の特許請求の範囲で指摘したエレメント及び組み合わせによって実現され、及び得られる。

本発明は、前側、後側、及び後−前側体内脊椎癒合に特に適した体内脊椎癒合インプラント、及びこれらのインプラントを好ましく挿入するための方法及び器具に関する。

本発明のインプラントは、一端が全体に一定の大きさを有するようになっているが、他端では、大きさを全体に周方向に増大できる。この特徴は、後腰骨体内癒合及び後−横体内脊椎癒合を行う上で特に有用であり、腰骨前湾曲を元に戻すため、椎体を前側が後側よりも大きく離間するのが望ましい。このインプラントは、好ましくは、全体に円筒形形態で、又は更に特定的には、全体に平行に癒合されるべき円板空間と隣接した両側の隣接した椎体の各々とインプラントの両面が接触するように挿入される。次いで、インプラントの両側の椎体係合面がインプラントの長さの大部分に亘って互いに対して全体に角度をなした関係にあるように、インプラントの前端を拡張させる。本発明の方法及び器具は、本発明のインプラントと関連してインプラントを設置できる。このインプラントは、その最終埋め込み形態では、拡張器リングを除いて実質的に中空であり、この拡張器リングそれ自体は、インプラントを一杯に装入し、先端された骨形成材料をそこから押出す上で邪魔にならないように、好ましくは中空である。

本発明の目的によれば、本明細書中で具体化し且つ広く説明したように、成人の脊椎の二つの隣接した椎体間の円板空間内にこの空間の高さに亘って後側アプローチで少なくとも一部を埋め込むための体内椎体癒合インプラントが提供される。インプラントは、先ず最初に円板空間に挿入するための前端及びこの前端とは反対側の後端を持つ本体を有し、この本体はその長さに沿った長さ方向中央軸線を有する。本体は、隣接した椎体のうちの一方と接触するようになった上部分、この上部分とは反対側にあり、隣接した椎体のうちの他方と接触するようになった下部分、及び上部分と下部分との間に設けられた少なくとも一つの側部分を有する。上部分、下部分、及び側部分の各々は本体の後端から延びており、互いから間隔が隔てられてその間に中空内部を形成する。この中空内部は少なくとも幾らかの骨成長促進材料をその中に保持するように形成されている。上部分及び下部分は、隣接した椎体から隣接した椎体まで、インプラントの本体を通して骨が成長できるように形成されている。上部分、下部分、及び側部分の各々は、本体の高さ及び幅の少なくとも一部を拡張できるように、少なくとも部分的に本体の長さ方向中央軸線から遠ざかる方向に移動するように形成されている。上部分、下部分、及び側部分は、本体の畳んだ高さ及び幅を可能にする互いに対して畳んだ位置、及び本体の拡張させた高さ及び幅を可能にする互いに対して拡張させた位置を有する。本体の拡張させた高さ及び幅は、本体の畳んだ高さ及び幅よりも夫々大きい。

インプラントは、更に、少なくとも部分的に中空内部内に置かれた拡張器を含む。拡張器は、本体の後端を通して挿入されて拡張器と係合するようになった器具と協働係合するように形成されており、器具は、拡張器を、本体が畳んだ位置にある場合の前端と近接した位置から、前端から遠ざかる方向で本体の後端に向かって移動し、本体を拡張位置に置く。拡張器は上部分、下部分、及び側部分と接触し、これらを本体の長さ方向中央軸線から遠ざかる方向に移動するようになっている。本体の上部分、下部分、及び側部分は、拡張器と協働係合し、拡張器を本体の長さに沿って前端と後端との間にこれらから離して所定位置に置き、インプラントが使用されているときに拡張器が位置から外れないようになっている。拡張器は、上部分、下部分、及び側部分の少なくとも一部を離した状態に保持し、本体の拡張状態の高さ及び幅を維持し、本体が拡張位置にある場合に本体が、畳まれた本体高さ及び幅まで畳まれないようになっている。

本発明の別の実施例の目的によれば、本明細書中で具体化し且つ広く説明したように、体内脊椎癒合インプラントは、成人の脊椎の二つの隣接した椎体間の円板空間の高さ内に少なくとも部分的に且つこの高さに亘って少なくとも部分的に前側アプローチで埋め込まれるようになっている。本体は、前端と近接したベース、隣接した椎体のうちの一方と接触するようになった上部分、この埋め込み縁部分とは反対側にある、別の隣接した椎体と接触するようになった下部分、及び上部分と下部分との間の少なくとも一つの側部分を有する。上部分、下部分、及び側部分の各々は本体のベースから延びており、互いに間隔が隔てられてその間に中空内部を形成する。上部分、下部分、及び側部分の各々は、本体の高さ及び少なくとも幅の一部を拡張できるように本体の長さ方向中央軸線から遠ざかる方向に少なくとも部分的に移動するように形成されている。上部分、下部分、及び側部部分は、本体の畳んだ高さ及び幅を可能にするように互いに対して畳んだ位置、及び本体の拡張した高さ及び幅を可能にするように互いに対して拡張した位置を有する。本体の拡張した高さ及び幅は、本体の畳んだ高さ及び幅よりも夫々大きい。

インプラントは、少なくとも一部が中空内部内にある拡張器を更に有する。拡張器は、本体が畳んだ位置にある場合の後端と近接した位置から、後端から遠ざかる方向で本体のベースに向かって拡張器を移動し、本体を拡張位置に置くため、本体の後端を通して挿入されるようになった器具と接触するように形成されている。拡張器は、上部分、下部分、及び側部分と接触し、これらを本体の長さ方向中央軸線から遠ざかる方向に移動するようになっている。本体の上部分、下部分、及び側部分は、拡張器と協働係合し、拡張器を前端と後端との間にこれらから離して本体の長さに沿って所定位置に置き、インプラントが使用されているときに拡張器が前記所定位置から外れないようになっている。拡張器は、上部分、下部分、及び側部分の少なくとも一部を離した状態に保持し、本体の拡張状態の高さ及び幅を維持し、本体が拡張位置にある場合に本体が、畳まれた本体高さ及び幅まで畳まれないようになっている。

本発明の別の実施例の目的によれば、本明細書中で具体化し且つ広く説明したように、上下の部分を持つ脊椎インプラント、及びこのインプラントの高さ及び幅の少なくとも一部を畳んだ位置から拡張位置まで拡張するための拡張器を、人間の脊椎の二つの隣接した椎体間の円板空間の高さ内にこの高さに亘って少なくとも部分的に挿入するための装置が提供される。本装置は、前端及び後端を持つ挿入器案内体を含む。この挿入器案内体の前端はインプラントの後端と協働係合するように形成されている。挿入器案内体は、挿入器案内体を通って後端から前端まで延びる通路を形成する中空内部を有する。本装置は、更に、拡張器をインプラントの長さの少なくとも一部に沿ってインプラントの上部分と下部分との間で移動するため、インプラントの後端を通ってインプラントの中空内部内に少なくとも部分的に挿入されるようになったポストを含む。ポストは、拡張器と協働係合するように形成された前端及びインプラントに連結され且つポストを移動するための器具と協働係合するようになった後端を有する。本装置は、更に、挿入器案内体の通路内に少なくとも部分的に挿入されるように形成された内シャフトを含む。内シャフトは前端及び後端を有する。内シャフトの前端はポストの後端と協働係合するように形成されている。内シャフトは、拡張器をインプラントの後端に向かって移動し、インプラントの高さ及び少なくとも幅の一部を拡張するようにポストを移動するようになっている。
装置。

本発明の別の実施例の目的によれば、本明細書中で具体化し且つ広く説明したように、脊椎インプラントで使用するための装置であって、脊椎インプラントは、このインプラントの高さを畳んだ位置から拡張位置まで拡張するための拡張器が設けられた装置が提供される。インプラントは、先ず最初に人間の脊椎の二つの隣接した椎体間の円板空間内に挿入するための前端、及びこの前端とは反対側の後端を有する。インプラントは、拡張器が間に位置決めされたときにこの拡張器によって互いから遠ざかる方向に移動されるようになった少なくとも上部分及び下部分を有する。本装置は、前端及びこの前端とは反対側の後端、及び長さ方向中央軸線を有する細長いシャフトを含む。本装置は、更に、シャフトの前端と近接した、少なくとも一部がインプラントの上部分と下部分との間に挿入されるように形成された拡大ヘッドを有する。この拡大ヘッドは、上部分及び下部分を移動させて離し、これらの部分間の拡張器を解放するようになっている。本装置は、更に、拡張器をインプラント内から取り外すために拡張器と協働係合するようになった拡大ヘッドから延びる突出部を含む。

本発明の別の実施例の目的によれば、本明細書中で具体化し且つ広く説明したように、脊椎インプラントであって、このインプラントの高さ及び少なくとも幅の一部を畳んだ位置から拡張位置まで拡張するための拡張器を持つ脊椎インプラントを、人間の脊椎の二つの隣接した椎体間の円板空間の高さ内に及びこの高さに亘って少なくとも部分的に挿入するための装置が提供される。インプラントは、空間によって間隔が隔てられた複数のアームを含む上部分、下部分、及び側部分を有する。本装置は、前端及びこの前端とは反対側の後端を持つ挿入器を含む。挿入器案内体の前端は間隔が隔てられた複数の部分を有し、これらの部分は、脊椎インプラントのアーム間の空間に嵌着し、挿入器をインプラントに協働係合するように形成されている。

本発明の別の実施例の目的によれば、本明細書中で具体化し且つ広く説明したように、脊椎インプラントの高さ及び少なくとも幅の一部を畳んだ位置から拡張位置まで拡張するための拡張器を持つ、脊椎インプラントを保持するための装置が提供される。インプラントは、空間によって間隔が隔てられた複数のアームを含む上部分、下部分、及び側部分を有する。本装置は、先端及び後端、及び先端から後端まで延びる通路を持つスリーブを含む。通路は、スリーブを通してインプラントへのアクセスを提供する。スリーブの前端は間隔が隔てられた複数の部分を有し、これらの部分は、脊椎インプラントのアーム間の空間に嵌着してスリーブをインプラントと協働係合するように形成されている。

本発明の別の実施例の目的によれば、本明細書中で具体化し且つ広く説明したように、脊椎インプラントで使用するための装置であって、脊椎インプラントの高さを畳んだ位置から拡張位置まで拡張するための拡張器を有する装置が提供される。インプラントは、先ず最初に人間の脊椎の二つの隣接した椎体間の円板空間内に挿入するための前端、及びこの前端とは反対側の後端を有する。インプラントは、拡張器が間に位置決めされたときにこの拡張器によって互いから遠ざかる方向に移動されるようになった少なくとも上部分及び下部分を有する。本装置は、長さ方向中央軸線、前端、及びこの前端とは反対側の後端を持つ細長いシャフトを含む。前端にはボアが設けられており且つ拡大ヘッドを有し、このヘッドには、ヘッドに対して移動自在の関係のカラーが設けられ、これによりヘッドをカラーとは独立して回転移動できる。カラー及びヘッドは、インプラントの上部分と下部分との間に少なくとも部分的に挿入されるように形成されている。カラーはインプラントの上部分及び下部分に当接してこれらの部分を遠ざかるように移動し、拡張器をその間から解放するようになっている。本装置は、更に、細長いシャフトを長さ方向中央軸線に沿ってインプラントの上部分と下部分との間で案内するため、脊椎インプラントの後端と通して少なくとも部分的に挿入されるようになったポストを含む。このポストは、インプラントと協働係合するように形成された前端及び細長いシャフトのボア内に受け入れられるようになった後端を有し、細長いシャフトのヘッドはポストを中心として回転するようになっている。

以上の概括的説明及び以下の詳細な説明は単なる例示であって、特許請求されているように本発明を限定するものではない。
本明細書中に組み込まれ且つその一部を構成する添付図面は本発明の実施例を例示し、以下の説明とともに本発明の原理を説明するのに役立つ。

[実施例]
以下の説明は単なる例示であって限定ではなく、本発明の教示の範疇に含まれるこれらの教示に従って多くの変更を考えることができる。次に、添付図面に幾つかの例が示してある本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。

図１乃至図１１は、半径方向に拡張可能なインプラント及び本発明によるインプラントの拡張に使用されるねじ山を備えたポストの好ましい実施例を示す。図１乃至図５に示すように、インプラント１００は、好ましくは、少なくとも一部が脊椎に対する後側アプローチから、椎間板の高さに亘って形成された埋め込み空間内へ及び二つの隣接した椎体間に設置されるようになった脊椎癒合インプラントである。インプラント１００は、後端１０２、先ず最初に円板空間内に挿入するための前端１０４、及び好ましくは中空内部１０３を備えた本体を有する。前端１０４は、この前端１０４を通してインプラント１００の中空内部１０３にアクセスできるように、好ましくは開放している。中空内部１０３は、好ましくは、少なくとも幾らかの骨成長促進材料をその内部に保持するように形成されている。

インプラント１００は、隣接した上下の椎体に向かって夫々差し向けられ且つこれらと接触するようになった少なくとも上下の円弧状部分１０６ａ及び１０６ｂを含み、及び好ましくは両側部１０８ａ及び１０８ｂを有する。円弧状部分１０６ａ、１０６ｂ及び側部１０８ａ、１０８ｂは、後端１０２からインプラントの長さの少なくとも一部に沿って前端１０４に向かって延びるアーム１１０を含む。これらのアーム１１０は、好ましくは、空間１１２によって離間されている。これらの空間１１２は長さ及び幅が異なっていてもよく、例えば、スリットやスロットといった形状、又はアーム１１０を離間するという所期の目的に適した任意の他の形状であってもよい。好ましくは、空間１１２により、隣接した椎体から隣接した椎体まで骨がインプラント１００の本体を通して成長できる。

図９乃至図１１に最もよく示すように、アーム１１０は、これらのアーム１１０を中空内部１０３内から押し離すための半径方向拡張器に当接し且つこれを保持するように形成された、インプラント１００の中空内部１０３に面する内面１１４を有する。好ましくは、上部分１０６ａ、下部分１０６ｂ、及び側部１０８ａ、１０８ｂのうちの少なくとも一つが、拡張器を、インプラント１００の本体の長さに沿って、後端１０２及び前端１０４の各々の間にこれらから離して配置し、インプラント１００が使用されている場合に拡張器が外れないように形成されている。少なくとも上下の円弧状部分１０６ａ、１０６ｂのアーム１１０の内面１１４は、好ましくは、拡張器１２０を受け入れるための傾斜部１１６及び座１１８を有する。各アーム１１０は、好ましくは、インプラント１００の回転中の回転トルク力に抵抗すると同時に、インプラント１００の内部から押し離すときにインプラント１００の長さ方向中央軸線から半径方向に遠ざかる方向に移動するのに十分可撓性であるような長さ、厚さ、及び材料でできている。例えば、インプラント１００の一実施例は、６本のアーム１１０を有し、これらのアームの各々が長さ方向中央軸線から半径方向に遠ざかる方向に撓み、かくして各アーム１１０はインプラント１００の任意の他のアーム１１０と異なる方向に移動する。好ましくは、各アーム１１０は十分に弾性であり、そのため各アーム１１０をインプラント１００の長さ方向中央軸線から遠ざかる方向に移動でき、所望であれば、大きな変形を伴わずにその元の配向に戻すことができる。アーム１１０についての好ましい材料の例には、とりわけ、チタニウムやステンレス鋼といった金属、プラスチック、及びカーボンファイバが含まれるが、これらの材料に限定されない。アーム１１０は、これらが埋め込まれるべき脊椎の領域の剛性について最適化された可撓性及びばね性を持つように加工される。

拡張位置では、アーム１１０は、インプラント１００の長さの少なくとも一部に沿って少なくとも部分的に凹状をなしている。アーム１１０が凹状形体をなしているため、インプラント１００と隣接した椎体と接触し且つ支持する上で望ましいばね性及びレジリエンスを提供する。

移動可能なアーム１１０をインプラントの全周に亘って設けるのが望ましいが、本発明はこれに限定されない。単なる例として、インプラントの幅の拡張を制限するために一つ又はそれ以上のアーム１１０を截頭し、即ち側部から側部まで省略してもよい。インプラント１００の好ましい実施例は少なくとも二つのアーム１１０を上下の円弧状部分１０６ａ、１０６ｂの各々に有する。これらのアーム１１０の各々は、インプラント１００の長さ方向中央軸線から遠ざかる方向で半径方向に拡張できるようになっている。インプラントを側部と側部とを向き合わせて収容するため、アーム１１０の長さが異なっていてもよい。

インプラント１００は、好ましくは、インプラント１００を円板空間内に及び人間の脊椎の隣接した椎体間に回転で挿入できるようにするための少なくとも一つの外ねじ１２２を含む。インプラントの好ましい実施例はねじ山を含むけれども、本発明はこれに限定されない。例えば、インプラント１００の外部には、埋め込み後にインプラントが埋め込み空間から抜けないようにするため、突出部、スプライン、ローレット切り、ラチェット、又は他の表面荒らし等の他の骨係合面が設けられていてもよい。

図１乃至図４に示すように、後端１０２は、好ましくは、インプラント１００を円板空間内に設置するのに使用される図１２に示すドライバー３００と協働係合するように形成されている。例えば、後端１０２は、ドライバー３００の協働係合フランジ３１０用の截頭側部１２４、及びドライバー３００の係合ピン３１２ａ及び３１２ｂの夫々用の凹所１２６ａ及び１２６ｂを含んでもよい。インプラント１００の後端１０２は、半径方向拡張器１２０と係合するためのポスト２００を受け入れるように大きさが定められた開口部１２８を有する。

ポスト２００は、後端１０２を通してインプラント１００に挿入されるように形成されている。ポスト２００は、好ましくは、少なくとも一つのねじ山２０４及びヘッド２０６を備えたシャフト２０２を有する。ヘッド２０６は、ポスト２００をインプラント１００に挿入し及び取り外すのに使用される工具と協働係合するための工具係合領域２０８を含む。この領域２０８は、六角形形状係合面を持つものとして示してあるが、領域２０８は所期の目的に適した任意の形体を備えていてもよいと考えられる。ポスト２００の先端はインプラント１００の開口部１２８を通過し、インプラント１００の内部に延びて半径方向拡張器１２０と係合する。ねじ山２０４は、半径方向拡張器１２０と協働係合し、この半径方向拡張器をインプラント１００の後端１０２に向かって移動し、アーム１１０を押し離してインプラント１００を拡張するようになっている。シャフト２０２は、開口部１２８と係合することなく開口部１２８内で移動できるように少なくとも一部が平滑であってもよい。

図６乃至図８のＡに示すように、半径方向拡張器１２０は、少なくとも一部がインプラント１００の中空内部１０３に挿入されるように形成されている。拡張器１２０は、好ましくは、インプラント１００の中空内部１０３に挿入されたとき、インプラント１００の後端１０２に向かって配向されるようになった前面１３０、及びインプラント１００の前端１０４に向かって配向されるようになった反対側の後面１３２を有する。好ましくは、半径方向拡張器１２０は、開口部１３４、案内ペグ１３６、及びアーム１１０の内面１１４に当接するようになったリム１３８を有する。半径方向拡張器１２０は、好ましくは、少なくとも一部が円筒形であり、その所期の目的に適した任意の他の形体を備えていてもよい。開口部１３４には、好ましくは、ポスト２００のねじ山２０４と協働して半径方向拡張器１２０をインプラント１００の後端１０２に向かって移動するようにねじ山が設けられている。半径方向拡張器１２０を移動するために回転螺合が好ましいけれども、本発明はこれに限定されない。例えば、ポスト２００は、半径方向拡張器１２０を引込み式フランジ又は突出部と係合させ、アーム１１０を拡張させる位置に拡張器１２０を引き込むように形成されていてもよい。好ましくは、拡張器１２０は所定の形状を備えている。

半径方向拡張器１２０の案内ペグ１３６は、ポスト２００を回転させたときに半径方向拡張器１２０が線型をなして前端１０４から遠ざかる方向にインプラント１００の後端１０２に向かって前進するように、空間１１２に嵌着するようになっている。ペグ１３６により、ポスト２００の回転中に半径方向拡張器１２０が実質的に回転しないようにする。半径方向拡張器１２０から延びる二つの案内ペグ１３６が示してあるけれども、ペグ１３６の数及び形状は、それらの所期の目的について適当であるように変化させることができる。

図８のＢは、本発明による二つの変形例を組み込んだ半径方向拡張器１２０’を示す。半径方向拡張器１２０’は、インプラント１００の高さを選択的に拡張し、インプラント１００の幅の拡張を制限し又は拡張しないようになっている。半径方向拡張器１２０’の形体により、半径方向拡張器１２０’をインプラント１００内に前進させたときに一つ又はそれ以上のアーム１１０をインプラント１００の長さ方向中央軸線から遠ざかる方向に選択的に移動させることができる。例えば、半径方向拡張器１２０’は、半径方向拡張器１２０’の減幅部分を形成するため、一つ又はそれ以上の截頭側部１３５を備えていてもよい。截頭側部１３５は、好ましくは、この截頭側部１３５と隣接したアーム１１０の内面１１４と接触しないように形成されており、好ましくは、後端１０２に向かう半径方向拡張器１２０’の前進中に例えばアーム１１０の傾斜部１１６等の内面突出部を越えるように形成されている。半径方向拡張器１２０’は、截頭側部１３５の代わりに、隣接したアーム１１０の少なくとも一部を受け入れるように形成された溝１３７を含んでもよい。その好ましい使用では、半径方向拡張器１２０’のリム１３８の少なくとも上下の部分がアーム１１０の内面１１４に当接し、截頭側部１３５又は溝１３７と隣接した任意のアーム１１０の拡張が起こらないようにインプラント１００の高さを拡張する。インプラントの拡張は、半径方向拡張器とインプラントのアームとの相互作用によって制御され、一方の側部の幅だけを又は両側部の幅を様々な量だけ拡張し、インプラントの一つの側部に一つ又はそれ以上のアームが設けられている。本発明の範囲から逸脱することなくその所期の目的を達成するため、半径方向拡張器１２０’の他の形体が可能であるということがわかる。

図９は、畳んだ状態のインプラント１００を示す。円板空間内に挿入した後、ポスト２００を回転させ、半径方向拡張器１２０をインプラント１００の内部で前端１０４と近接した位置から後端１０２に向かって移動する。ペグ１３６が空間１１２内で移動し、アーム１１０の側部と接触でき、ポスト２００の回転中の半径方向拡張器１２０の回転を制限する。

図１０は、最初にポスト２００を回転させた後にインプラント１００の内面１１４に沿って移動させた半径方向拡張器１２０のリム１３８を示し、インプラント１００の傾斜部１１６と接触したリム１３８を示す。半径方向拡張器１２０を先端１０４から遠ざかる方向に傾斜部分１１６に沿って移動することにより、アーム１１０をインプラント１００の長さ方向中央軸線から遠ざかる方向に及び隣接した椎体に向かって強制的に移動する。

図１１に示すように、ポスト２００を回転させ続けると、半径方向拡張器１２０が傾斜部１１６を越えて、インプラント１００の座１１８に進入する。座１１８への入口は、座１１８のその他の部分よりも狭幅であり、半径方向拡張器１２０が戻って外れることがないようにする。半径方向拡張器１２０は、更に、アーム１１０によって座１１８内の所定位置に保持される。座１１８の傾斜した側部は、半径方向拡張器１２０がインプラント１００の前端１０４に向かって移動しないようにする傾斜平面を形成する。半径方向拡張器１２０が座１１８に着座したとき、アーム１１０は、前端１０４から長さ方向中央軸線まで計測して、後端１０２から長さ方向中央軸線まで計測したよりも大きく押し離され、インプラント１００を拡張状態に置く。インプラント１００を拡張状態にした後、ポスト２００を逆方向に回転させることによってインプラント１００から取り外すことができ、半径方向拡張器１２０は座１１８にとどまり、インプラント１００の拡張状態の高さ及び幅を維持する。

図１２乃至図１４は、インプラント１００を円板空間に挿入するためのインプラントドライバー３００を示す。このインプラントドライバー３００は、シャフト３０２、先端３０４、及び基端３０６を有する。シャフト３０２は、好ましくは中空であり、以下に説明するように他の器具を通すことができるようになっている。先端３０４は、フランジ３１０、ピン３１２ａ、３１２ｂ、及び開口部３１４を持つインプラント係合ヘッド３０８を含む。インプラント係合ヘッド３０８は、円板空間内への挿入中にインプラントを保持し操作するため、インプラントと協働係合するように大きさ及び形状が定められている。基端３０６は、ドライバー３００を回転し且つ線型をなして前進するためのハンドル３１６を含む。基端３０６は、好ましくは、シャフト３０２を通り且つ先端３０４を通って拡張した漏斗状開口部３１８を有する。この漏斗状開口部３１８は、シャフト３０２内への骨成長促進材料の導入を容易にするため、好ましくは、図１４に示すように形成されている。漏斗状開口部３１８は、好ましくは、以下に図１６及び図１７と関連して説明するプランジャー５００等の他の器具を受け入れるように大きさ及び形状が定められている。

図１５は、ポスト２００と係合してこれを回転するための回転工具４００を示す。この回転工具４００は先端４０２及び基端４０４を有する。先端４０２は、ポスト２００の係合領域２０８と協働するようになったチップ４０６を有する。好ましい実施例では、チップ４０６は六角形形状であるが、ポスト２００と係合するのに適した任意の形状であってもよい。チップ４０６は、好ましくは、ポスト２００がインプラント１００から外れたとき、回転工具４００によりポスト２００をドライバー３００のシャフト３０２を通して引っ込めることができるように、ポスト２００の領域２０８と係合するようになっている。ポスト２００及び回転工具４００を一緒に取り外すことができるようにポスト２００の取り外しを容易にするため、チップ４０６を領域２０８と、例えば締まり嵌めによって、戻り止めによって、又は引込み可能なばねフランジによって協働係合するようになっている。基端４０４は、好ましくは、ハンドルと係合するように形成されており、ストップ４０８を有する。基端４０４は、好ましくはシャフト４１０を回転するための機械式又は手動式の装置と係合するようになっている。

図１６及び図１７は、骨成長促進材料をインプラント１００内に及び周囲円板空間内に挿入するためのプランジャー器具を示す。プランジャー５００は、好ましくは、外シャフト５０２、内ロッド５０４、及びハンドル５０６を有する。内ロッド５０４は、好ましくは、例えばＴハンドル等のハンドルと係合するように形成された基端、及び外シャフト５０２内に配置されたときに内ロッド５０４の移動を制限するためのストップ５０８を有する。使用では、プランジャー５００は、骨成長促進材料をインプラント１００内に送出するようになったドライバー３００等の器具に挿入できる。プランジャー５００及びドライバー３００は、骨成長促進材料をインプラント１００の中空内部１０３内に、及び好ましくはインプラントを取り囲む円板空間に導入するため、図１８のガード６００等のガード内に一緒に配置されていてもよい。

好ましい実施例では、骨成長促進材料を漏斗状開口部３１８を通してドライバー３００のシャフト３０２の中空内部１０３内に導入する。内ロッド５０４が挿入されたプランジャー５００をドライバー３００の内部に挿入し、骨成長促進材料をこれを通してインプラント内に押し出すことができる。プランジャー５００及び内ロッド５０４は、更に、インプラントの内側及び周囲に残る骨成長促進材料で未だ充填されていない領域内に骨成長促進材料を移動させることができる。

プランジャー５００は、好ましくは、外シャフト５０２からの内ロッド３０４の延長を制限するため、クランプ５１０及びストップ５０８を有する。ストップ５０８は、内ロッド５０４の移動を制限するようになった、例えば肩部、フランジ、又は他の突出部等の任意の形体を備えていてもよい。内ロッド５０４は中実であるのが好ましいけれども、本発明はこれに限定されない。クランプ５１０は、締め付け位置では、内ロッド５０４を、外シャフト５０２に対して固定関係に、好ましくはシャフト５０２の先端から延びないように保持する。クランプ５１０を解放したとき、内ロッド５０４を、外シャフト５０２の先端を越えて、ストップ５０８によって制限された程度まで移動させることができる。

図１８乃至図３０は、インプラント１００を挿入するための好ましい方法、及び本明細書中に開示した関連した器具を使用するための好ましい方法の様々な工程を示す。
図１８は、部分的円板除去術が既に行われたところを示す、硬膜嚢を左方に退けた、後方から見た脊椎のセグメントの斜視図である。円板貫通延長部６０２、６０４及びウィンドウ６０６を持つガード６００を、隣接した椎体間の円板空間に近づけるところを、円板貫通延長部６０２、６０４を第１位置即ち挿入位置に置いた状態で示す。

様々な種類のガードを使用して円板空間内への保護されたアクセスを提供できるということは理解されよう。これには、ミケルソンが米国特許出願第１０／０８５，７３１号及び第１０／０８５，４０６号で教示したもの、及び米国特許第５，０１５，２４７号、米国特許第５，４８４，４３７号、米国特許第６，０８０，１５５号、及び米国特許第６，２１０，４１２号に教示されたものが含まれるがこれらに限定されない。これらの特許出願及び特許に触れたことにより、これらの特許出願及び特許に開示された内容は本明細書中に含まれたものとする。

円板貫通延長部を閉鎖して挿入位置にするようにガード６００を開放位置に維持するため、打ち込みキャップ６０８がガード６００の基端に位置決めされている。この位置で、ガード６００は、隣接した椎体間の円板空間内に置くか或いはここに打ち込む準備ができる。

図１９では、円板貫通延長部が挿入位置で互いに平行な状態で、ガード６００の延長部が脊椎に一杯に挿入してある。打ち込みキャップ６０８は、ガードを開放位置に、及び円板貫通延長部を挿入位置に保持した状態で示してある。ガード６００は、第１部分６１０及び第２部分６１２の互いに対する移動に応じて円板貫通延長部６０２、６０４を移動できるように回転的に関節連結されている。回転的関節連結は、好ましくは、ヒンジ６１４を中心として行われている。ヒンジは、好ましくは、第１及び第２の部分６１０、６１２に形成されている。

図２０には、ガード６００が閉鎖位置で示してあり、円板貫通延長部は、椎体に脊柱前側湾を生じる挿入位置で示してある。ガード６００を閉鎖した後、基端の周囲に係止カラー６１６を置き、ガード６００を閉鎖位置に維持する。

図２１では、ガード６００が閉鎖位置にあり、円板貫通延長部６０２、６０４は隣接した椎体を傾ける挿入位置にある。断面で示すガード６００の先端には、ガード６００を通して挿入されたドリル７００等の骨除去装置の側面図が示してある。所期の目的に適した、バー、リーマー、ミル、鋸、トレフィン、チゼル等の、しかしこれらに限定されないこの他の骨除去装置を使用でき、これが本発明の範疇に含まれるということは理解されよう。ガード６００は、円板空間及び隣接した椎体へのガード６００の細長い開口部を介するドリル７００の保護されたアクセスを提供する。

ドリル７００は、ガード６００を通る通路よりも小さい埋め込み空間を形成するため、ガード６００のシャフトの直径よりも直径が小さい切断部分を備えていてもよいし、又はドリル７００を案内するためにガード６００に通した内スリーブを通して挿入してもよい。かくして、ガード開口部はドリル７００の切断部分の高さよりも高くてもよい。更に、このような高さのある開口部により、ドリル７００の切断部分の高さよりも高いインプラントを埋め込むことができる。

図２２に最もよく示すように、畳んだ状態のインプラント１００を隣接した椎体間の円板空間内に挿入するため、インプラント１００及びインプラントドライバー３００をガード６００に通すことができる。ガードは、全手順に亘って所定の場所に残される。インプラント１００は、ポスト２００をインプラント１００の後端１０２に通し、畳んだ状態でインプラント１００の中空内部１０３に前端１０４を通して挿入された半径方向拡張器１２０と係合させた状態で組み立てられる。半径方向拡張器１２０は、この位置では、アーム１１０の内面１１４に当接しているが、アーム１１０を押し離しておらず、インプラント１００は非拡張状態にあるインプラント１００は、好ましくは、ねじ山１２２が好ましくは隣接した椎体の骨と係合するように円板空間内に回転される。

図２３に示すように、両円弧状部分１０６ａ及び１０６ｂを隣接した椎体に向かって差し向けた状態でインプラント１００を隣接した椎体間の埋め込み空間内の所望位置に設置した後、回転工具４００を使用してこれをポスト２００と係合させて回転し、半径方向拡張器１２０を前端１０４から遠ざかる方向に後端１０２に向かってアーム１１０の内面１１４に沿って引っ張り、インプラント１００を畳んだ位置から拡張位置に移行する。

図２４に示すように、回転工具４００を回転したとき、半径方向拡張器１２０がインプラント１００の後端１０２に向かって移動し、アーム１１０を半径方向外方にインプラント１００の長さ方向中央軸線から遠ざかる方向に移動する。半径方向拡張器１２０とアーム１１０との間の相互作用は図９乃至図１１に最もよく示してある。インプラント１００を半径方向に拡張させることにより、前端１０４と近接したインプラントの高さ及び幅を後端１０２と近接したインプラントの高さ及び幅よりも大きくする。上下の円弧状部分１０６ａ、１０６ｂは、互いに対して角度関係をなして位置決めされ、インプラント１００と隣接した椎体を互いに対して角度をなした関係に置く。

図２５及び図２５のＡに示すように、インプラント１００が拡張状態になった後、回転工具４００によってポスト２００をインプラント１００から取り外す。回転工具４００は、ポスト２００の係合領域２０８と協働係合するようになっている。回転工具４００の前端はテーパしており、工具４００のチップを僅かに結着し、工具係合領域２０８と積極的に係合する。半径方向拡張器１２０は、アーム１１０を半径方向拡張状態に保持するため、インプラント１００の中空内部１０３に着座したままである。

図２６及び図２７は、インプラント１００及びこのインプラント１００を取り囲む円板空間内へ骨成長促進材料を挿入するための好ましい方法を示す。ドライバー３００は、インプラント１００の中空内部１０３にアクセスするため、その先端がインプラント１００の開口部１２８と隣接しており且つ連通した状態でガード６００に挿入された状態で示してある。骨成長促進材料をドライバー３００の漏斗状端部３１８に導入する。内ロッド５０４が引っ込め位置にあるプランジャー５００を使用し、骨成長促進材料をドライバー３００のシャフト３０２を通してインプラント１００内に押し込む。インプラント１００を少なくとも部分的に充填するのに十分な骨成長促進材料をドライバー３００に導入する。別の態様では、埋め込み空間内に挿入する前にインプラントに骨成長促進材料を予備充填してもよい。以下に説明するように、インプラントを拡張位置に移行することによってインプラント内に形成された空間を充填するために追加の骨成長材料を追加できる。

図２７に示すように、インプラントが骨成長促進材料で少なくとも部分的に充填された後、内ロッド５０４を延長位置でインプラント１００内に後端１０２の開口部１２８を通して前方に移動し、骨成長促進材料を半径方向拡張器１２０の開口部１３４を通して押し出す。半径方向拡張器１２０を越えて骨成長促進材料を分配することにより、前端１０４と近接したインプラント１００の内部を充填し、前端１０４の先の、インプラント１００によって占有されていない円板空間内に骨成長促進材料を導入する。内ロッド５０４をインプラント１００の内部から引っ込め、プランジャー５００をドライバー３００から取り外した後、追加の骨成長促進材料をドライバー３００に挿入できる。次いで、内ロッド５０４を取り外すことによって、開いたままの空間を、プランジャー５００を使用して、骨成長促進材料で充填でき、更に多くの骨成長促進材料をインプラント１００内に詰め込む。インプラント１００及び周囲円板空間を骨成長促進材料で充填した後、プランジャー５００及びドライバー３００をガード６００から取り外す。次いで、ガード６００の後端を開放し、円板貫通延長部６０２、６０４を閉鎖位置に戻し、ガード６００を円板空間から取り外し易くする。

図２８乃至図３２は、好ましい取り外し器、及び全体に後方設置用に設計されたインプラント１００又は本発明の他のインプラントを取り外すのが所望である場合に半径方向拡張器１２０をインプラント１００の座１１８から係合解除する方法を示す。図２８は、回転工具４００によって、ポスト２００の一部がインプラント１００の後端１０２から延びるように着座させた半径方向拡張器１２０に部分的にねじ込んだポスト２００を示す。図２９に示すように、この場合、ポスト２００を例えば打ち込み力等でインプラント１００の前端１０４に向かって大きく回転させることなく線型方向に前進させることができる。ポスト２００を前端１０４に向かって線型をなして前進させることにより、拡張器１２０を座１１８から外して前端１０４に向かって移動する。これにより、インプラントのアームを内方に非拡張状態まで畳むことができ、その後、インプラントを捩じるといった方法で脊椎から取り外すことができる。インプラントホルダは、インプラントを畳む前に又はその後に取り付けることができる。拡張器１２０をインプラント１００の内側から取り外した状態では、アーム１１０はもはや半径方向拡張位置に保持されず、非拡張状態に畳まれる。

図３０乃至図３２を参照すると、特定の場合、例えば機器を変更し、インプラント１００を脊椎の前側からアクセスするのが望ましい場合には、半径方向拡張器１２０をインプラント１００の前端１０４（空間の前側近くに配向された）から取り外してもよい。図３０は、半径方向拡張器１２０をインプラント１００の中空内部１０３から前端１０４を通して取り外すための取り外し装置８００を示す。この取り外し装置８００は、シャフト８０２、先端８０４、及び基端８０６を有する。先端８０４はねじ山を備えたロッド８０８、及び半径方向に拡張させた状態のインプラント１００の中空内部１０３に入れてアーム１１０を押し離す所定直径の拡径ヘッド８１０を有する。基端８０６は、好ましくは、取り外し装置８００を回転するための取り外し自在のハンドルに取り付けられるように形成されている。

取り外し装置８００のねじ山を備えたロッド８０８を半径方向拡張器１２０にねじ込むことによって取り外し装置８００をインプラント１００の前端１０４に向かって前方に移動させる。取り外し装置８００が前端１０４に向かって移動するとき、拡径ヘッド８１０がアーム１１０の内面１１４と接触し、アーム１１０を押圧して外方に移動し、インプラント１００の長さ方向中央軸線から更に遠ざける。この移動により、座１１８を拡張して座１１８への入口を外方に開放し、かくして半径方向拡張器１２０をインプラント１００の座１１８から取り外すことができる。図３２は、半径方向拡張器１２０を座１１８から取り外し、アーム１１０をそれらの初期非拡張位置に戻した取り外し装置８００を示す。次いで、所望であれば、インプラントを埋め込み場所から取り外すことができる。

本発明の方法は、更に、脊椎に対して前側アプローチにより行うことができる。図３３乃至図５６は、少なくとも部分的に前側アプローチで脊椎に挿入するためのインプラント９００並びにインプラント９００の挿入及び取り外しを行うための器具及び関連した方法の様々な実施例を示す。インプラント９００はインプラント１００と同様であり、所定の相違を以下に説明する。図３３乃至図３６に示すように、インプラント９００は、開放した後端９０２、この実施例において閉鎖状態で示す前端９０４、前端と近接したベース９０５、及びこのベース９０５から延びる短アーム９０９及び長アーム９１０を有する。図３７は、二つの向き合った短アーム９０９及び長アーム９１０を持つインプラント９００の変形例を示す。短アーム９０９は、好ましくは、図５２のＡ、図５２のＢ、及び図５３に示すように二つのインプラントを側部と側部とを向き合わせて挿入する場合にインプラント９００の少なくとも一方の側に配置される。短アーム９０９は、後端９０２の縮径部分を提供し、後端９０２は、円板空間と隣接して存在する傷つきやすい脈管構造及び神経構造と干渉する危険を最小にするため、円板空間から大きく突出しない。更に、短アーム９０９により、拡張状態の二つのインプラント９００を互いに近接して側部と側部とを向き合わせて円板空間内に配置できる。短アーム９０９及び長アーム９１０の組み合わせが好ましいけれども、本発明はこれに限定されない。例えば、外科医が適切であると判断する場合には、インプラント９００は、図３８のインプラント９００の別の変形例に示すように長さがほぼ等しいアーム９１０を備えていてもよい。

半径方向拡張器９２０とアーム９０９、９１０の内面との間の相互作用は、アーム１１０の内面と異なり、半径方向拡張器９２０を座９１８に保持し、半径方向拡張器９２０が長アーム９１０の座９１８に着座した場合に短アーム９０９を半径方向拡張状態に維持するように機能するノッチ領域９１７が短アーム９０９に設けられていることを除くと、半径方向拡張器１２０とアーム１１０との間（図９乃至図１１と関連して説明した）と同じである。

インプラント９００では、ポスト１０００が後端９０２に挿入してある。前端９０４は、好ましくは、ポスト１０００と螺合するためのねじ山を備えた開口部９２８を有する。ポスト１０００は、押す又は他の態様で半径方向拡張器９２０を後端９０２から遠ざかるように及びインプラント９００の前端９０４と近接したベース９０５に向かって移動するため、図４４に示す工具１３００と協働係合するための第１ねじ山１００４を持つシャフト１００２を有する。ポスト１０００は、図４５に示すポスト取り外し装置１４００と係合するための好ましくは六角形形状の工具係合領域１００８を持つヘッド１００６、及びインプラント９００の前端９０４のねじ山を備えた開口部９２８と協働係合するための、ヘッド１００６とは反対側の端部に設けられた図５０、５１に示す第２ねじ山１０１０を有する。

インプラントの前端と係合するためのねじ山を備えた端部を持つポストを使用する代わりに、インプラントの前端と協働係合するための引込み式フランジ又は他の突出部が前端に設けられたポストを使用してもよい。このようなポストは、図２３及び図２４を参照して説明したのと同様の方法で半径方向拡張器を回転させて所定位置に置くのに使用できる。ひとたび半径方向拡張器を着座させた後、フランジ又は他の突出部を引っ込め、次いでポストを引っ込めることができる。

図３３及び図３９乃至図４１に示すように、半径方向拡張器は図６乃至図８に示す半径方向拡張器１２０と同様である。半径方向拡張器９２０の開口部９３４には、好ましくは、ねじ山が設けられていない。ねじ山を備えた開口部は重要でない。これは、半径方向拡張器９２０の移動が以下に更に詳細に説明するように、ポスト１０００によってでなく回転工具１３００によって行われるためである。

図４２は、インプラント９００を円板空間に挿入するためのインプラントドライバー１１００を示す。このドライバー１１００はシャフト１１０２及び先端１１０４を有する。先端１１０４は、好ましくは、凹所をなした領域及びボア１１２０によって間隔が隔てられたフランジ１１１０を持つインプラント係合ヘッド１１０８を有する。このインプラント係合ヘッド１１０８は、好ましくは、円板空間内に挿入するためにインプラント９００の後端９０２と協働係合するような大きさ及び形状になっている。インプラント係合ヘッド１１０８は、好ましくは、インプラント９００の内部への挿入を容易にするため、及びフランジ１１１０を空間９１２内に配置するのを容易にするため、テーパしている。アーム９０９、９１０はフランジ１１１０間の凹所領域に嵌着する。この位置では、ドライバー１１００をインプラント９００と係合し、インプラント９００を回転させることができる。ボア１１２０は、好ましくは、ポスト１０００を受け入れるように形成されており、そのためドライバー１１００はポスト１０００が既に取り付けられたインプラント９００を挿入できる。

図４３は、インプラント９００を安定した位置に保持すると同時に一つ又はそれ以上の工具、例えば回転工具１３００をポスト１０００と係合させ、半径方向拡張器９２０を先端９０４に向かって移動するためのインプラントホルダ１２００を示す。このインプラントホルダ１２００は、先端１２０２、基端１２０４、これらの間のシャフト１２０６、及びハンドル１２０８を有する。先端１２０２は、好ましくは、アーム９０９、９１０間の空間９１２と係合するように形成された複数のフランジ１２１０を有する。シャフト１２０６は好ましくは中空であり、工具、例えば回転工具１３００を収容するような大きさになっている。フランジ１２１０は、アーム９０９、９１０間の空間９１２に嵌着してインプラント９００を保持するようになっている。回転工具１３００は、ポスト１０００を回転して半径方向拡張器９２０を移動するのに使用される。この際、インプラント９００は、ポスト１０００に作用する回転力に抗するため、ホルダ１２００によって安定した状態に保持される。

図４４は、半径方向拡張器９２０を後端９０２から遠ざかる方向に前端９０４と近接したベース９０５に向かって前進するための回転工具１３００を示す。この回転工具１３００は、先端１３０２及びシャフト１３１０を有する。先端１３０２は、ポスト１０００の第１ねじ山１００４と選択的に係合するようになったねじ山１３１４を備えたボアを有する。ボア１３１２の前端には、好ましくは、ねじ山を備えていない部分が設けられており、これにより、ねじ山と係合する前に回転工具１３００をポストヘッド１００６等のポスト１０００の一部の上に移動できる。工具１３００をポスト１０００上で回転させたとき、先端１３０２が半径方向拡張器９２０に当接し、半径方向拡張器９２０をインプラント９００内に前進させる。半径方向拡張器９２０を座９１８に着座させた後、回転工具１３００をポスト１０００と螺合した状態から外し、インプラント９００から取り外す。

図４５は、半径方向拡張器９２０をインプラント９００の座９１８に着座させた後にポスト１０００を取り外すためのポスト取り外し装置１４００を示す。このポスト取り外し装置１４００は、シャフト１４０２及び先端１４０４を有する。この先端１４０４は、ポスト係合面１４０８を持つボア１４０６を有する。ポスト係合面は好ましくは六角形形状であり、ポスト１０００の工具係合領域１００８と協働係合する。ポスト取り外し装置１４００は、インプラント９００の前端９０４の開口部９２８と螺合した状態から外すことによってインプラント９００からポスト１０００を取り外す。

図４６乃至図５１は、インプラント９００を前側アプローチから脊椎に挿入し、本明細書中に開示した関連した器具を使用するための好ましい方法の様々な工程を示す。
図４６及び図４７は、円板貫通延長部１６０２を持つガード１６００を円板空間に挿入し、ドリル７００を使用して円板空間を埋め込み用に形成する工程を示す。円板貫通延長部１６０２は、隣接した椎体を互いに対して角度をなした関係に置くため、好ましくは角度をなしているが、必ずしも角度をなしていなくてもよい。ミケルソンに付与された、内容が本明細書中に含まれたものとする米国特許第６，０８０，１５５号に教示されているように、ガードは、所期の目的に適した任意の大きさ又は形状の一つ又はそれ以上の延長部及び一つ又はそれ以上のボアを備えていてもよい。これらのボアは、部分的に重なっていてもよいが必ずしも重なっていなくてもよい。このようなガードを使用することは、好ましいけれども必要ではないということは理解されよう。ガードは、円板空間を形成する際及び埋め込み中に保護領域を提供する目的に適した任意の種類のものであってもよく、上文中で参照することにより本明細書中に組み込んだガードを含むがこのガードに限定されない。

図４８では、ドリル７００及びガード１６００が引っ込めてあり、形成した円板空間内にインプラント９００を挿入するのにドライバー１１００を使用する。この例では、ねじ山９２２が隣接した椎体の骨と嵌入係合するようにインプラント９００を回転させて挿入する。外科医の選択で、手順全体に亘ってガード１６００を所定位置に残してもよく、その場合、手順をガード１６００の中空シャフトを通して行う。更に、先ず最初にポスト１０００をインプラント９００に設置しないでインプラント９００を設置できる。しかしながら、インプラント９００を円板空間内に設置する前にポスト１０００をインプラント９００に設置するのが好ましい。

図４９に示すように、半径方向拡張器９２０をポスト１０００上に移動し、インプラントホルダ１２００を所定位置に移動する。インプラントホルダ１２００のフランジ１２１０をインプラント９００のアーム９０９、９１０と係合させた後、シャフト１２０６の内部を通して回転工具１３００を挿入し、回転工具１３００のねじ山を備えたボア１３０２をポスト１０００の第１ねじ山１００４と協働係合する。図５０に示すように、回転工具１３００及びポスト１０００を回転係合させた後、回転工具１３００を連続的に回転し、半径方向拡張器９２０を、後端９０２から遠ざかる方向に線型に押圧し、アーム９０９、９１０の内面に当接させ、これらのアーム９０９、９１０をインプラント１００及び図９乃至図１１に関して上文中に説明したようにインプラントの長さ方向中央軸線から強制的に遠ざける。

図５１に示すように、半径方向拡張器９２０が座９１８に着座し、インプラント９００を拡張状態に置いた後、ポスト取り外し装置１４００を使用してポスト１０００のヘッド１００６と係合する。ポスト取り外し装置１４００を回転し、ポスト１０００をインプラント９００のねじ山を備えた開口部９２８と係合した状態から外し、ポスト１０００を半径方向拡張器９２０の開口部９３４を通して及びインプラントの内部から引っ込めることができる。

図５２のＡ、図５２のＢ、及び図５３は、円板空間Ｄの周囲内に互いに近接して配置した半径方向に拡張させた状態の二つのインプラント９００を示す。図５２のＡ及び図５２のＢでは、図３３のインプラント９００は、好ましくは、円板空間と隣接して存在する傷つきやすい脈管構造及び神経構造と干渉する危険を最小にするために各インプラントの構造が実質的に円板空間内に保持されるように、短アーム９０９が椎体の前−外側に面するように位置決めされる。図５２のＢでは、インプラント９００は、インプラントを側部と側部とを向き合わせた配置で互いに近づけることができるように、互いに向かってトウイン（ｔｏｅｄ−ｉｎ）形体で配向される。このような配置により、大型のインプラントを使用して、円板空間を、互いに平行に位置決めされたインプラントで可能であるよりも更に良好に充填できる。

図５３では、向き合った短アーム９０９を各々有する図３７の二つのインプラント９００は、好ましくは、各インプラントの長さ方向中央軸線が図５２のＡに示す実施例よりも互いに近接するように配置される。一例では、円板空間内で短アーム９０９が互いに面するように各インプラントを位置決めすることによって近づけて配置できる。更に、後端９０２のねじ山を備えた部分９２３が減少し、隣接したインプラントのねじ山との接触を最小にするように、ねじ山９２２の大きさを後端９０２に向かって減少できる。このような配向により、一方のインプラントの長アームがこれと隣接したインプラントの長アームと交差することなく、大きく拡張できる。本明細書中に説明した全ての実施例において、短アーム及び／又は長アームの多くの構成が可能であり、全てが本発明の広い範囲内に含まれるということが明らかである。

図５４乃至図５６は、好ましい取り外し装置、及びインプラント９００を取り外すのが所望である場合に半径方向拡張器９２０をインプラント９００の座９１８から係合解除する方法を示す。図５４は、半径方向拡張器９２０をインプラント９００の中央内部９０３から後端９０２を通して取り外すための取り外し装置１５００を示す。この取り外し装置１５００は、シャフト１５０２及び先端１５０４を有する。先端１５０４は、ポスト１０００の第１ねじ山１００４と協働係合するように形成されたねじ山１５１６を備えたボア１５１４、半径方向に拡張させた状態のインプラント９００の中空内部９０３の直径よりも外径が僅かに小さいカラー１５１８、及び取り外し装置１５００がカラー１５１８に対して回転できるようにするベアリング１５２０を有する。ボア１５１４は、好ましくは、取り外し装置１５００を回転係合前にポスト１０００の一部上で移動させることができるねじ山を備えていない部分をその前端に有する。

図５５及び図５６に示すように、取り外し装置１５００のねじ山を備えたボア１５１４をポスト１０００と螺合し、取り外し装置１５００を前方にインプラント９００の後端９０４内に移動する。取り外し装置１５００が後端９０４内に移動したとき、カラー１５１８がアーム９０９、９１０と接触し、これらのアーム９０９、９１０を押圧し、インプラントの長さ方向中央軸線から遠ざかるように外方に移動する。この移動により座９１８を外方に拡張し、半径方向拡張器９２０を解放し、かくして半径方向拡張器９２０をインプラント９００から取り外すことができる。

図５６は、半径方向拡張器９２０をインプラント９００から取り外し、アーム９０９、９１０をそれらの初期位置即ち非拡張位置に戻すための器具、例えばフック１７００を示す。

本明細書中に説明したインプラントは、好ましくは、インプラントの長さ方向中央軸線に対して横方向に全体に円形断面を有する。畳んだ位置では、インプラントは、全体に円筒形の形体を備えているか或いは側部の少なくとも一部を取り外した円筒体の形状であってもよい。インプラントは、埋め込み空間内への挿入を容易にするため、後端から前端までテーパしていてもよいし、畳んだ位置で全体に截頭円錐形形体であってもよい。

別の実施例では、拡張位置では、本明細書中に説明したインプラントは、拡張位置での上部分、下部分、及び側部分の角度と適合する角度でテーパした前端又は後端を備えていてもよい。

半径方向で拡張可能な脊椎癒合インプラントは、人間の脊椎に埋め込むのに適した人工の又は天然の材料及び／又は物質を含み、このような材料及び／又は物質で形成され、処理され、コーティングされ、充填され、このような材料及び／又は物質と組み合わせて使用され、又はこのような材料及び／又は物質を収容する中空部を備えていてもよい。これらの材料及び／又は物質には、骨形成源、骨成長促進材料、骨、骨由来物質又は製品、脱塩骨母材、骨化蛋白質、骨形態形成蛋白質、ヒドロキシアパタイト、骨を形成するための遺伝子配列、及び皮質骨を含むがこれに限定されない骨のうちの任意のものが含まれる。更に、インプラントは、チタニウム及びその合金を含むがこれらに限定されない金属、手術等級のプラスチック、プラスチック複合材料、セラミックス、又は脊椎癒合インプラントとして使用するのに適した他の材料等の骨よりも強固な人工材料で形成できる。インプラントは、少なくとも一部が、骨及び／又は骨成長促進材料等の生体吸収性及び／又は骨内に再吸収性の材料を含む。本発明のインプラントは、多孔質材料で形成でき、又は隣接した椎骨のうちの一方から隣接した椎骨のうちの他方への骨の成長に内在的に寄与する材料で形成できる。このようなインプラントが前側埋め込み用である場合には、このようなインプラントの後端は、脊柱管での瘢痕組織の形成を阻害する化学物質で処理でき、コーティングでき、又は組み合わせて使用できる。本発明のインプラントは、これらのインプラントが挿入される癒合領域及びその周囲の近接した骨の電気刺激を容易にするようになっている。本発明のインプラントは、銀イオン又は他の物質で電気メッキする方法やこれらをプラズマスプレーする方法等の、しかしこれらに限定されない方法で変更でき、又はインプラントを抗菌性にする材料と組み合わせて使用できる。インプラントと隣接した椎体との間での骨の内方成長を促すため、インプラントの少なくとも一部が処理されていてもよい。本発明のインプラントは、脊椎固定ハードウェア、骨ねじ、プレート、ロッド、合成のコードでできた繋ぎケーブル、又はワイヤと組み合わせて使用できる。

本発明の様々な実施例を開示したが、これらの実施例は例として示す目的で好ましい実施例であって限定ではない。当業者に周知のこれらの技術の任意の変更が考えられ、本発明の教示の範疇に含まれるということは理解されるべきである。

脊椎内に後側挿入するための本発明の好ましい実施例による脊椎癒合インプラント、このインプラントの半径方向拡張器、及びねじ山を備えたポストの分解斜視図である。 図１の実施例の組み立てた状態での後端から見た斜視図である。 図２の実施例を後端から見た立面図である。 図２の実施例の側面図である。 図２の実施例を前端から見た正面図である。 図１のインプラントの半径方向拡張器を前端から見た立面図である。 図６の半径方向拡張器の側面図である。

図６の半径方向拡張器を後端から見た立面図である。 本発明による二つの変形例を組み込んだ半径方向拡張器を後端から見た立面図である。 インプラントを半径方向に拡張する前の図２の実施例の部分側断面図である。 インプラントを部分的に半径方向に拡張させた図２の実施例の部分側断面図である。 インプラントを半径方向に拡張させた状態の図２の実施例の部分側断面図である。 図１のインプラントを挿入するためのドライバー器具の一実施例の側面図である。 図１２のドライバー器具の先端の端面図である。 図１２のドライバー器具の漏斗状端部の基端の斜視図である。

ねじ山を備えたポストを回転させて半径方向拡張器を移動し、図１のインプラントを半径方向に拡張するのに使用される回転器具の一実施例の側面図である。 骨成長促進材料を図１のインプラント及び円板空間内に挿入するためのプランジャー器具の一実施例の側面図である。 拡張状態の図１６のプランジャー器具の側面図である。 部分的円板除去術、及び挿入位置にある円板貫通延長部が隣接した椎体間の円板空間に近づけられる拡張可能なガードを示す、硬膜嚢を左方に退けた腰椎セグメントの後側の斜視図である。 円板貫通延長部が挿入位置で互いに平行な状態で脊椎内に挿入された図１８のガードの側面図である。

隣接した椎体を傾けるための拡張位置で円板貫通延長部が示してある展開位置での図１８のガードの側面図である。 隣接した椎体を傾けるための拡張位置で円板貫通延長部が示してある展開位置での図１８のガードの側面図であり、ガードに挿入したドライバーの側面図を示すために一部が断面になっている。 図１の脊椎癒合インプラント、及び修復された円板空間の高さに亘って形成された埋め込み空間内に及び隣接した椎体内にインプラントを設置するためにガードに通した図１２のドライバー器具を示す部分断面を示す、図１８のガードの側面図である。 埋め込み空間内に挿入された非拡張状態の図１のインプラントの側面図であり、図１２のドライバー器具に通した図１５の回転器具、及び図１８のガードの両方が、ねじ山を備えたポストと係合させた状態で部分断面図で示してある。 部分断面で示すドライバー器具及びガードに通した図１５の回転器具によって埋め込み空間内で半径方向に拡張させた図１のインプラントの側面図である。

ねじ山を備えたポストを、図１のインプラントから、部分断面で示すドライバー器具及びガードを通して取り外す、図１５の回転器具の側面図である。 ドライバー器具及びねじ山を備えたポストの協働係合を示す、図２５の２５Ａ線に沿った拡大部分図である。 ガード、及び図１のインプラントの内部を骨成長促進材料で充填するのに使用される図１６のプランジャー器具が挿入してあるドライバー器具の部分側断面図である。 ガード、及び図１の骨成長促進材料を半径方向拡張器の先のインプラントによって占有されていないインプラントの前端の先の円板空間の領域内に送出するため、図１６の器具が拡張状態で挿入してあるドライバー器具の部分側断面図である。 ねじ山を備えたポストが半径方向拡張器内に部分的にねじ込んである拡張状態の、図１のインプラントの拡張状態の部分側断面図である。 インプラントを埋め込み空間から後方に抜くために半径方向拡張器を着座状態から外し、インプラントを非拡張状態に戻すため、インプラントの前端に向かって前進されている半径方向拡張器にポストが部分的にねじ込んである図１のインプラントの拡張状態の部分側断面図である。

着座している半径方向拡張器を係止解除し、前側アプローチからインプラントの前端を通して取り外し、図１のインプラントを非拡張状態に置くのに使用される取り外し装置器具の一実施例の側面図である。 インプラントを前方に拡張して拡張器を係止解除し、インプラントから取り外すことができるように拡張器を変位させる、図３０の取り外し装置器具の部分側断面図である。 図３０の取り外し装置器具によって半径方向拡張器をインプラントの前端から取り外した非拡張状態の図１に示すインプラントの部分側断面図である。 脊椎に前側から挿入するための本発明の別の好ましい実施例による脊椎癒合インプラント、半径方向拡張器、及びねじ山を備えたポストの分解斜視図である。 図３３の実施例の側面図である。 図３３の実施例の前端の立面図である。 図３３の実施例の後端の立面図である。 直径方向で向き合った二つの短アームを持つ図３３のインプラント及びねじ山を備えたポストの変形例の斜視図である。

ほぼ同じ長さのアームを持つ図３３のインプラントの変形例の斜視図である。 図３３の半径方向拡張器の後端の正面図である。 図３３の半径方向拡張器の側面図である。 図３３の半径方向拡張器の前端の立面図である。 図３３のインプラントを挿入するためのドライバー器具の一実施例の前端の部分側面図である。 図３３の半径方向拡張器をインプラントの内部を通して前進させる際に図３３のインプラントを保持するための器具の一実施例の側面図である。 半径方向拡張器をねじ山を備えたポストに沿ってインプラント内に線型をなして前進し、図３３のインプラントを半径方向に拡張するのに使用される回転器具の一実施例の部分断面概略側面図である。 ポストを図３３のインプラントから取り外すのに使用するための器具の一実施例の部分断面概略側面図である。

二つの隣接した椎体及び図３３のインプラントを受け入れるために円板空間を形成するのに使用される中空ガードを示す側面図である。 隣接した椎体を示す側面図であり、図４６のガードが部分断面で示してあり、ガードを通して挿入されたドリルが側面図で示してある。 図３３のインプラント、図４２の器具、及び円板空間の高さに亘って形成されたインプラント受け入れ空間の分解側面図であり、隣接した椎体が部分断面で示してある。 円板空間の高さに亘って形成されたインプラント受け入れ空間内に挿入された非拡張状態の図３３のインプラントの側面図であり、二つの隣接した椎体が断面で示してあり、図４３の器具の概略図がインプラントのアームと係合するように位置決めされた状態で部分断面で示してあり、部分断面で示す図４４の器具がポストと協働係合するために内部に挿入してある。 図４４の器具が図３３のポストと回転係合し、半径方向拡張器をインプラント内に移動している、図３３のインプラントの部分側断面図である。 図４５の器具を使用して図３３のポストを拡張状態のインプラントから取り外す、図３３のインプラントの部分断面側面図である。

側部と側部とを向き合わせて円板空間内に前側アプローチで設置された、後端が互いに近接しており且つ短アームが椎体の前−横に向かって配向された拡張状態の図３３の二つのインプラントを椎骨とともに示す部分断面平面図である。 側部と側部とを向き合わせて円板空間内に前側アプローチで設置された、後端が互いにトウ−イン配向で近接しており且つ短アームが椎体の前−横に向かって配向された拡張状態の図３３の二つのインプラントを椎骨とともに示す部分断面平面図である。 側部と側部とを向き合わせて円板空間内に前側アプローチで設置された、後端が互いに図５２のＡよりも近接した拡張状態の図３３の二つのインプラントを椎骨とともに示す概略部分断面平面図である。 設置された半径方向拡張器をインプラントから取り外し、図３３のインプラントを他端で非拡張状態にするのに使用される取り外し装置器具の好ましい実施例の側面図である。 図３３のインプラント及び半径方向拡張器を係止解除するのに使用される図５４の器具の部分側断面図である。 図５４の器具がインプラント内で一杯に展開されており、半径方向拡張器をインプラントから引っ込めるのにフックを使用する、図３３のインプラントの部分側断面図である。

符号の説明

１００ インプラント
１０２ 後端
１０３ 中空内部
１０４ 前端
１０６ 円弧状部分
１０８ａ、１０８ｂ 両側
１１０ アーム
１１２ 空間

Claims (19)

1. 成人の脊椎の二つの隣接した椎体間の円板空間の高さ内にこの高さに亘って後側アプローチで少なくとも一部を埋め込むための体内脊椎癒合インプラントにおいて、
   先ず最初に前記円板空間に挿入するための前端を持つ本体であって、前記本体は、前記前端とは反対側の後端、前記本体の長さに沿った中央軸線を有し、前記本体は、前記隣接した椎体のうちの一方と接触するようになった上部分、この上部分とは反対側にあり、前記隣接した椎体のうちの他方と接触するようになった下部分、及び前記上部分及び前記下部分との間に設けられた少なくとも一つの側部分を有し、前記上部分、前記下部分、及び前記側部分の各々は、長さを有して前記本体の前記後端から延びており、互いから間隔が隔てられてその間に中空内部を形成し、この中空内部は少なくとも幾らかの骨成長促進材料をその中に保持するように形成されており、前記上部分及び前記下部分は、隣接した椎体から隣接した椎体まで、前記インプラントの前記本体を通して骨が成長できるように形成されており、前記上部分、前記下部分、及び前記側部分の各々は、前記本体の高さ及び前記幅の少なくとも一部を拡張できるように、少なくとも部分的に前記本体の前記中央軸線から遠ざかる方向に移動するように形成されており、前記上部分、前記下部分、及び前記側部分は、前記本体の畳んだ高さ及び幅を許容する互いに対して畳んだ位置、及び前記本体の拡張された高さ及び幅を許容する互いに対して拡張された位置を有し、前記本体の拡張された高さ及び幅は、前記本体の畳んだ高さ及び幅よりも夫々大きい、本体、及び
   少なくとも部分的に前記中空内部内に置かれた拡張器であって、前記本体の前記後端を通して挿入されて前記拡張器と係合するようになった器具と協働係合するように形成されており、前記器具は、前記拡張器を、前記本体が畳んだ位置にある場合の前記前端と近接した位置から、前記前端から遠ざかる方向で前記本体の前記後端に向かって移動し、前記本体を前記拡張された位置に置き、前記拡張器は前記上部分、前記下部分、及び前記側部分と接触し、これらを前記本体の前記中央軸線から遠ざかる方向に移動するようになっており、前記本体の前記上部分、前記下部分、及び前記側部分は、前記拡張器と協働係合し、前記拡張器を前記本体の前記長さに沿って固定位置に置き、前記固定位置は、前記本体の前記上部分および前記下部分の長さの中央の近くにあり、前記本体の前記上部分および前記下部分および前記側部分は、前記インプラントが前記拡張された位置にあるときに前記拡張器が前記固定位置から外れないようになっており、前記拡張器は、前記上部分、前記下部分、及び前記側部分の少なくとも一部を離した状態に保持し、前記本体の拡張状態の高さ及び幅を維持し、前記本体が前記拡張された位置にある場合に前記本体が、畳まれた本体高さ及び幅まで畳まれないようになっている、拡張器を含む、インプラント。
2. 成人の脊椎の二つの隣接した椎体間の円板空間の高さ内にこの高さに亘って前側アプローチで少なくとも一部を埋め込むための体内脊椎癒合インプラントにおいて、
   先ず最初に前記円板空間に挿入するための前端を持つ本体であって、前記本体は、前記前端とは反対側の後端、前記本体の前記前端および前記後端の間の長さ、および前記本体の前記長さに沿った長さ方向中央軸線を有し、前記本体は、前記前端に近接したベース、前記隣接した椎体のうちの一方と接触するようになった上部分、この上部分とは反対側にあり、前記隣接した椎体のうちの他方と接触するようになった下部分、及び前記上部分と前記下部分との間に設けられた少なくとも一つの側部分を有し、前記上部分、前記下部分、及び前記側部分の各々は、前記本体の前記ベースから延び、かつ前記インプラントの前記後端に近接する拡張可能な端で終端しており、前記上部分、前記下部分、及び前記側部分の各々は、前記中央軸線をわたって互いから間隔が隔てられて中空内部を形成し、前記後端の周囲にそって互いから間隔が隔てられて前記各部分の間にスロットを形成し、前記インプラントは器具を受け入れるようにされ、前記器具は、前記後端に近接して前記中空内部に挿入されるように形成され、かつ前記スロットの少なくとも一つに挿入されるように形成されて、前記拡張可能な端に近接する、前記上部分、前記下部分、前記側部分の一つ又はそれ以上と協働係合し、前記中空内部は少なくとも幾らかの骨成長促進材料をその中に保持するように形成されており、前記上部分及び前記下部分は、隣接した椎体から隣接した椎体まで、前記インプラントの前記本体を通して骨が成長できるように形成されており、前記上部分、前記下部分、及び前記側部分の各々は、前記本体の高さ及び前記幅の少なくとも一部を拡張できるように、少なくとも部分的に前記本体の前記長さ方向中央軸線から遠ざかる方向に移動するように形成されており、前記上部分、前記下部分、及び前記側部分は、前記本体の畳んだ高さ及び幅を許容する互いに対して畳んだ位置、及び前記本体の拡張された高さ及び幅を許容する互いに対して拡張された位置を有し、前記本体の拡張された高さ及び幅は、前記本体の畳んだ高さ及び幅よりも夫々大きい、本体、及び
   少なくとも部分的に前記中空内部内に置かれた拡張器であって、前記本体の前記後端を通して挿入され、前記器具と接触するように形成されており、前記器具は、前記拡張器を、前記本体が畳んだ位置にある場合の前記後端と近接した位置から、前記後端から遠ざかる方向で前記本体の前記ベースに向かって移動し、前記本体を前記拡張された位置に置き、前記拡張器は前記上部分、前記下部分、及び前記側部分と接触し、これらを前記本体の長さ方向中央軸線から遠ざかる方向に移動するようになっており、前記本体の前記上部分、前記下部分、及び前記側部分は、前記拡張器と協働係合し、前記拡張器を前記本体の長さに沿って前記前端と前記後端との間にこれらから離して所定位置に置き、前記インプラントが使用されているときに前記拡張器が前記位置から外れないようになっており、前記拡張器は、前記上部分、前記下部分、及び前記側部分の少なくとも一部を離した状態に保持し、前記本体の拡張状態の高さ及び幅を維持し、前記本体が前記拡張された位置にある場合に前記本体が、畳まれた本体高さ及び幅まで畳まれないようになっている、拡張器を含む、インプラント。
3. 請求項１に記載のインプラントにおいて、前記拡張器は、前記本体の高さ及び幅を大きくするために前記拡張器を初期位置から最終位置まで移動するのに使用される工具と螺合するためのねじ山を備えた開口部を含む、インプラント。
4. 請求項２に記載のインプラントにおいて、前記拡張器は、前記本体の高さ及び幅を大きくするために前記拡張器を初期位置から最終位置まで移動するのに使用される工具と螺合するためのねじ山を備えた開口部を含む、インプラント。
5. 請求項１乃至４の何れか一項に記載のインプラントにおいて、前記拡張された位置の前記インプラントは、骨が隣接した椎体から隣接した椎体へ前記本体を通して成長できるように、前記拡張器を移動するための任意の機構による妨げが実質的にない、少なくとも一つの中空内部部分を有する、インプラント。
6. 請求項１乃至５の何れか一項に記載のインプラントにおいて、前記拡張器は、前記本体の前記側部分の一方だけと接触することによって前記本体の一方の側部の前記幅を拡張するように形成されている、インプラント。
7. 請求項１乃至６の何れか一項に記載のインプラントにおいて、前記拡張器は、前記上部分、前記下部分、及び前記側部分のうちの少なくとも一つの少なくとも一部を受け入れるように形成されている、インプラント。
8. 請求項１乃至７の何れか一項に記載のインプラントにおいて、前記上部分、前記下部分、及び前記側部分のうちの少なくとも一つが、互いから少なくとも部分的に空間によって離間された複数のアームを含み、前記空間は、開口部、スリット、及びスロットのうちの少なくとも一つである、インプラント。
9. 請求項１乃至８の何れか一項に記載のインプラントにおいて、前記上部分、前記下部分、及び前記側部分のうちの少なくとも一つが内面を有し、前記内面の少なくとも一部が、前記拡張器を受け入れてこれを前記本体の長さに沿って配置するようになった座部を形成する、インプラント。
10. 請求項１乃至９の何れか一項に記載のインプラントにおいて、前記上部分、前記下部分、及び前記側部分は、前記インプラントが畳んだ位置にある場合、全体に円筒形形状を形成する、インプラント。
11. 請求項１乃至１０の何れか一項に記載のインプラントにおいて、前記上部分、前記下部分、及び前記側部分は、前記インプラントが前記拡張された位置にある場合、全体に截頭円錐形形状を形成する、インプラント。
12. 請求項１乃至１１の何れか一項に記載のインプラントにおいて、前記上部分、前記下部分、及び前記側部分のうちの少なくとも一つが、前記本体の前記長さの少なくとも部分に沿って少なくとも部分的に凹状をなしている、インプラント。
13. 請求項１乃至１２の何れか一項に記載のインプラントにおいて、前記拡張器を前記本体の前記長さの少なくとも一部に沿って前記インプラントの前記上部分と前記下部分との間で移動するため、前記本体の前記中空内部内に少なくとも部分的に挿入されるようになったポストと組み合わされる、インプラント。
14. 請求項１乃至１３の何れか一項に記載のインプラントにおいて、隣接した椎体と係合するため、少なくとも前記上部分及び前記下部分の外側に形成された骨係合面を更に含み、この骨係合面は、ねじ山、ラチェット、スプライン、表面荒らし、及びローレット切りのうちの少なくとも一つを含む、インプラント。
15. 請求項１乃至１４の何れか一項に記載のインプラントにおいて、骨成長促進材料と組み合わされる、インプラント。
16. 請求項１５に記載のインプラントにおいて、前記骨成長促進材料は、骨、骨由来製品、脱塩骨母材、骨化蛋白質、骨形態形成蛋白質、ヒドロキシアパタイト、及び骨を形成するための遺伝子配列のうちの一つから選択される、インプラント。
17. 請求項１乃至１６の何れか一項に記載のインプラントにおいて、前記インプラントは少なくとも部分的に吸収性である、インプラント。
18. 請求項１乃至１７の何れか一項に記載のインプラントにおいて、瘢痕形成を阻害するようになった化学物質と組み合わされる、インプラント。
19. 請求項１乃至１８の何れか一項に記載のインプラントにおいて、抗菌剤と組み合わされる、インプラント。

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