JP4153390B2 - 車両用ステアリングダンパ手段 - Google Patents
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Description
ステアリングダンパ200は、液圧式減衰器であり、トップブリッジ201と車体フレーム202の前方にあるヘッド部203との間に配置し、ケーシングを構成する本体部204と蓋205を備える。ステアリングダンパ200の後部側はボルト206により車体フレーム202のヘッド部203上面に上方突出して一体に形成したボス207へ連結する。このとき、本体部204と蓋205は共締めで一体化される。
また、ステアリングナット208は、ステアリングダンパ200の回転軸であるシャフト212の下端をこのステアリングナット208の中央部に形成した穴を貫通させてステアリングナット208を介してトップブリッジ201に連結する。すなわち、シャフト212とステアリング軸211はトップブリッジ201を介して一体に回動する構造である。
なお、213はボトムブリッジ、214は燃料タンク、215は回転角度センサーである。
ステアリングダンパ手段は、ロータリーダンパと、このロータリーダンパの回転軸に一端を固定した第1トルクアーム及びこの第1トルクアームの他端にスイング自在に連結した第2トルクアームから構成されるリンク機構からなり、
このリンク機構は、前記ステアリング系部材の揺動軸であるステアリング軸及びこのステアリング軸の車体前方に設けられるメインスイッチキーシリンダーの間の領域に配置され、且つトップブリッジの上方に配置され、
車体側とステアリング系部材との一方に、第2トルクアームの先端をスイング自在に取付けるとともに、車体側とステアリング系部材との他方に、ロータリーダンパのダンパケースを取付けたことを特徴とする。
第1トルクアームと第2トルクアームとは、平面視でくの字のリンクにし、二つのトルクアームの成す角度を変化させることで、車体側とステアリング系部材の間の距離の変化を吸収させる。
請求項2に係る発明は、第2トルクアームは、ピンを介して第1トルクアームに連結され、ピンがトップブリッジに接触しないよう、トップブリッジの上面に凹部が構成されることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、ステアリング系部材に、第2トルクアームの先端を取付けるとともに、車体側に、回転軸の中心がステアリング軸の中心とほぼ同軸になるようにして、ダンパケースを取付けたことを特徴とする。
加えて、一対のトルクアームの成す角度は、距離の変化に合わせて勝手に変化するので、特別なメンテナンスは不要である。
請求項2に係る発明は、ピンがトップブリッジに接触しないよう、トップブリッジの上面に凹部が構成される。
ピンの下方にトップブリッジ凹部を設けることにより、第1ピンの下端がトップブリッジに当接しにくくなるので、ステアリングダンパを低い位置に配置できる。
請求項3に係る発明は、回転軸の中心がステアリング軸の中心とほぼ同軸になるようにして、ダンパケースを取付けた。
図1は本発明に係るステアリングダンパ手段を備えた二輪車を示す側面図であり、二輪車としての自動二輪車10は、メインフレーム11と、メインフレーム11の前端に設けたヘッドパイプ12で回転自在に支持するステアリング軸(後に詳細を記述する。)に取付けたフロントフォーク13及びハンドル14と、フロントフォーク13の下端部に取付けた前輪15と、メインフレーム11の下部に取付けたエンジン16と、このエンジン16の後部に一体的に設けた変速機17と、メインフレーム11の後部にスイングアーム18を取付け、このスイングアーム18の後端部に取付けた後輪19と、メインフレーム11の上部に取付けた燃料タンク21と、この燃料タンク21の後部に取付けたシート22と、このシート22の後部に取付けた同乗者用シート23とからなる。
また、ステアリング軸42は、トップブリッジ37との結合部の上下にナット92、93を備え、ステアリング軸42の下方部にはナット94と円すいころ軸受95を備えた構成であり、ステアリング軸42と回転軸32とが接触することの無いように配置する。ナット93とナット94の間は爪折りワッシャー96を介在させる。
なお、102はメインスイッチキーシリンダー、103はトップブリッジ凹部、104はトップブリッジ側カバー、105は本体側カバーである。
また、第1ピン34の下方にトップブリッジ凹部103を設けることにより、第1ピン34の下端がトップブリッジ37に当接しにくくなるので、ステアリングダンパ30を低い位置に配置できる。
また、固定ボルト36は、第2トルクアーム35の先端46を介してトップブリッジ37に球面軸受66を備えることにより構成した。
この図の各連結部は一例であるため、第1ピン34、固定ボルト36、第1トルクアーム33、第2トルクアーム35、球面軸受65、66を備えていれば細かい構造変更は問題無い。
したがって、背景技術のように摺動する回転軸32、第1ピン34や連結部品の寸法精度を高めなくとも、回転軸32と第2トルクアーム35の固定ボルト36との距離の変化に対応可能なステアリングダンパ手段30を提供することができる。
(a)はロータリーダンパ51が作用しない状態を示し、ロータリーダンパ51は、ステアリングダンパケース31内で可動隔壁52を入力軸56に取付け、また、オイル71を満たした油室53を備え、この油室53内を第1室54と第2室55とに隔てるとともに第1室54と第2室55とを連通路57で連通させ、この連通路57にオリフィス形成部材58を備えたものである。
オリフィス形成部材58は、内部を通過するオイルの通路を絞るオリフィス59を設けた部材である。
(a)はステアリングダンパ手段30が動作する前の状態を示し、このときの前輪(図1参照)は車両前方を向いた状態にあり、回転軸32の中心38と固定ボルト36の中心との距離をL1、第1トルクアーム33の中心線と第2トルクアーム35の中心線の成す角をθ2とする。
また、39は車体ヘッドパイプ中心であり、この車体ヘッドパイプ中心39と回転軸32の中心38との間に生じる距離がピッチエラーである。
これは、ステアリングダンパ手段30の作用で回転軸32の中心38と車体ヘッドパイプ中心39がずれるが、第1ピン34と第1トルクアーム33及び第2トルクアーム35の連結部に介在する球面軸受65(図示せず。)や、第2トルクアーム35と固定ボルト36とトップブリッジ37との連結部に介在する球面軸受66(図示せず。)の動作により、ステアリングダンパ手段30が車両の前輪(図1参照。)から作用する外力の吸収を図れたことに起因する。
また、ステアリングダンパ手段30の制御は電子制御が好ましい。
Claims (3)
- 車体側にステアリング系部材を操向可能に取付け、これらの車体側とステアリング系部材との間に、ステアリングダンパ手段を介設した車両において、
前記ステアリングダンパ手段は、ロータリーダンパと、このロータリーダンパの回転軸に一端を固定した第1トルクアーム及びこの第1トルクアームの他端にスイング自在に連結した第2トルクアームから構成されるリンク機構とからなり、
このリンク機構は、前記ステアリング系部材の揺動軸であるステアリング軸及びこのステアリング軸の車体前方に設けられるメインスイッチキーシリンダーの間の領域に配置され、且つトップブリッジの上方に配置され、
車体側とステアリング系部材との一方に、前記第2トルクアームの先端をスイング自在に取付けるとともに、車体側とステアリング系部材との他方に、ロータリーダンパのダンパケースを取付けることを特徴とする車両用ステアリングダンパ手段。 - 前記第2トルクアームは、ピンを介して前記第1トルクアームに連結され、前記ピンが前記トップブリッジに接触しないよう、前記トップブリッジの上面に凹部が構成されることを特徴とする請求項1記載の車両用ステアリングダンパ手段。
- 前記ステアリング系部材に、前記第2トルクアームの先端を取付けるとともに、前記車体側に、前記回転軸の中心が前記ステアリング軸の中心とほぼ同軸になるようにして、前記ダンパケースを取付けたことを特徴とする請求項1記載の車両用ステアリングダンパ手段。
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