JP2018103912A - 車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】トレール長可変機構を備える車両において、トレール長が正の状態となる通常走行時における前輪の周辺構造の剛性を高くできるようにする。
【解決手段】車体10と、車体10の前方に配置されて操舵軸線Csまわりに操舵可能な前輪とを備え、車体10が、車体フレーム11と、車体フレーム11に支持されて操舵軸線Csまわりに回動する操舵回動部13とを備える車両において、前輪のトレール長を可変とするトレール長可変機構30を備え、トレール長可変機構30は、前後方向に揺動可能に操舵回動部13に対し連結されるとともに前輪を支持する揺動部41を備え、前輪が最も後方側に位置するようにトレール長が変更された状態で、揺動部41が操舵回動部13に合わさって車幅方向への揺動部41のねじれを低減するねじれ低減部102を備える。
【選択図】図6

Description

本発明は、車両に関する。
従来、車体の前方に配置されて操舵軸線まわりに操舵可能な前輪と、前輪を支持する前輪支持部材とを備え、車体が、車体フレームと、車体フレームに支持されて操舵軸線まわりに回動する操舵回動部とを備える車両において、前輪のトレール長を可変とするトレール長可変機構を備える車両が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、車両が停車時を含む低速の場合はトレール長が負の値に変更され、車両が所定の速度よりも高い速度で走行する通常走行時にはトレール長が正の値に変更される。
特開2014−172586号公報
ところで、上記従来のような車両では、トレール長可変機構が可動式であるため、トレール長可変機構を含む前輪の周辺構造の剛性が低くなり易いが、トレール長が正の状態(前輪が最も後方側に位置するようにトレール長が変更された状態)となる上記通常走行時には、前輪の周辺構造の剛性を高くすることが望まれる。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、トレール長可変機構を備える車両において、トレール長が正の状態となる通常走行時における前輪の周辺構造の剛性を高くできるようにすることを目的とする。
本発明は、車体(10,310)と、当該車体(10,310)の前方に配置されて操舵軸線(Cs)まわりに操舵可能な前輪(2)とを備え、前記車体(10,310)が、車体フレーム(11)と、当該車体フレーム(11)に支持されて前記操舵軸線(Cs)まわりに回動する操舵回動部(13,313)とを備える車両において、前記前輪(2)のトレール長(t)を可変とするトレール長可変機構(30,330)を備え、前記トレール長可変機構(30,330)は、前後方向に揺動可能に前記操舵回動部(13,313)に対し連結されるとともに前記前輪(2)を支持する揺動部(41,341)を備え、前記前輪(2)が最も後方側に位置するように前記トレール長(t)が変更された状態で、前記揺動部(41,341)が前記操舵回動部(13,313)に合わさって車幅方向への前記揺動部(41,341)のねじれを低減するねじれ低減部(102)を備えることを特徴とする。
また、上記発明において、前記ねじれ低減部(102)は、前記操舵回動部(13,313)に設けられた被嵌合部(90,390)と、前記揺動部(41,341)に設けられ、前記被嵌合部(90,390)に嵌合可能な嵌合部(100,300)とを備え、前記嵌合部(100,300)は、前記前輪(2)が最も後方側に位置するように前記トレール長(t)が変更された状態になると、前記被嵌合部(90,390)に嵌合する構成としても良い。
さらに、上記発明において、前記揺動部(41)は、前記前輪(2)を支持する左右一対のフロントフォーク(25)を左右に連結するブリッジ部材(49)を備え、前記嵌合部(100)は、前記ブリッジ部材(49)に設けられていても良い。
また、上記発明において、前記操舵回動部(13)は、前記車体フレーム(11)のヘッドパイプ(17)に軸支されるステアリングシャフト(32)と、前記ステアリングシャフト(32)の上端部に固定されるトップブリッジ(33)と、前記ステアリングシャフト(32)の下端部に固定されるボトム部材(34)とを備え、前記被嵌合部(90)は、前記ボトム部材(34)に設けられていても良い。
また、上記発明において、前記嵌合部(100)は、前記被嵌合部(90)に対して車幅方向に当接する左右一対の側壁部(100c)を備えていても良い。
また、上記発明において、前記嵌合部(100)及び前記被嵌合部(90)は、凸部と凹部との組で構成され、前記凸部の車幅方向の側面は、当該凸部がその先端(100d)側に行くほど先細る形状となるように傾斜していても良い。
また、上記発明において、前記嵌合部(100)は、後方に突出する凸部であり、前記被嵌合部(90)は、前記凸部が嵌合する凹部であっても良い。
本発明に係る車両によれば、車体が、車体フレームと、車体フレームに支持されて操舵軸線まわりに回動する操舵回動部とを備え、トレール長可変機構は、前後方向に揺動可能に操舵回動部に対し連結されるとともに前輪を支持する揺動部を備え、前輪が最も後方側に位置するようにトレール長が変更された状態で、揺動部が操舵回動部に合わさって車幅方向への揺動部のねじれを低減するねじれ低減部を備える。これにより、前輪が最も後方側に位置するようにトレール長が変更された状態で走行する通常走行時には、揺動部が操舵回動部に合わさって車幅方向への揺動部のねじれが低減されるため、走行時における揺動部の車幅方向への変形が抑制される。このため、通常走行時における前輪の周辺構造の剛性を高くできる。
また、上記発明において、ねじれ低減部は、操舵回動部に設けられた被嵌合部と、揺動部に設けられ、被嵌合部に嵌合可能な嵌合部とを備え、嵌合部は、前輪が最も後方側に位置するようにトレール長が変更された状態になると、被嵌合部に嵌合しても良い。この構成によれば、前輪が最も後方側に位置するようにトレール長が変更された状態で走行する通常走行時には、揺動部の嵌合部が操舵回動部の被嵌合部に嵌合することで、走行時における揺動部の車幅方向への変形が抑制される。このため、通常走行時における前輪の周辺構造の剛性を高くできる。
さらに、上記発明において、揺動部は、前輪を支持する左右一対のフロントフォークを左右に連結するブリッジ部材を備え、嵌合部は、ブリッジ部材に設けられていても良い。この構成によれば、フロントフォークの剛性を増加させるブリッジ部材を利用して、簡単な構造で嵌合部を設けることができる。
また、上記発明において、操舵回動部は、車体フレームのヘッドパイプに軸支されるステアリングシャフトと、ステアリングシャフトの上端部に固定されるトップブリッジと、ステアリングシャフトの下端部に固定されるボトム部材とを備え、被嵌合部は、ボトム部材に設けられても良い。この構成によれば、操舵回動部のボトム部材を利用して、簡単な構造で被嵌合部を設けることができる。
また、上記発明において、嵌合部は、被嵌合部に対して車幅方向に当接する左右一対の側壁部を備えても良い。この構成によれば、揺動部の車幅方向への変形を効果的に低減できる。
また、上記発明において、嵌合部及び被嵌合部は、凸部と凹部との組で構成され、凸部の車幅方向の側面は、凸部がその先端側に行くほど先細る形状となるように傾斜していても良い。この構成によれば、凸部の車幅方向の側面の傾斜によって、凸部が凹部に嵌合するようにガイドでき、凸部を凹部に容易に嵌合させることができる。
また、上記発明において、嵌合部は、後方に突出する凸部であり、被嵌合部は、凸部が嵌合する凹部であっても良い。この構成によれば、前輪が最も後方側に位置するようにトレール長が変更された状態では、嵌合部を被嵌合部に嵌合させることができる。
本発明の第1の実施の形態に係る車両の左側面図である。 トレール長が正の状態にある車両の左側面図である。 トレール長が負の状態にある車両の左側面図である。 前輪の操舵方向と車両の重心位置との関係を示す模式図である。 車両の前部を前方から見た正面図である。 「通常状態」における車両の前部の左側面図である。 「トレール長変更状態」における車両の前部の左側面図である。 車両の前部を右前方から見た斜視図である。 図5のIX−IX断面図である。 図5のX−X断面図である。 車両の制御に関する構成を示すブロック図である。 図6のXII−XII断面図である。 第2の実施の形態における車両の前部を模式的に示した左側面図である。 第3の実施の形態における車両の前部の左側面図である。 第4の実施の形態における車両の前部を模式的に示した左側面図である。 第4の実施の形態の変形例を示す側面図である。 第5の実施の形態における図6のXII−XII断面図である。 嵌合部及び被嵌合部の形状のバリエーションを示す模式的な図である。 嵌合部及び被嵌合部の形状のバリエーションを示す模式的な図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、説明中、前後左右および上下といった方向の記載は、特に記載がなければ車体に対する方向と同一とする。また、各図に示す符号FRは車体前方を示し、符号UPは車体上方を示し、符号LHは車体左方を示している。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る車両の左側面図である。
車両1は、車体10と、車体10の前方に配置される前輪2と、車体10の後方に配置される後輪3とを備える自動二輪車である。
車体10は、車体フレーム11と、車体フレーム11に支持される走行用のパワーユニットとしてのエンジン12と、車体フレーム11の前端部の操舵軸線Csまわりに回動する操舵回動部13と、運転者が着座するシート14と、車体フレーム11等を覆う車体カバー15とを備える。車両1は、運転者がシート14に跨るようにして乗車する鞍乗り型車両である。後輪3はエンジン12の動力で駆動される駆動輪である。なお、前輪2のホイールに前輪2の駆動用のモータを内蔵し、前輪2を駆動輪としても良い。
車体フレーム11は、その前端部に設けられて操舵回動部13を軸支するヘッドパイプ17と、ヘッドパイプ17から後下方に延びるメインフレーム18と、メインフレーム18の前部から下方に延びるダウンフレーム19と、メインフレーム18の後部から下方に延びるピボットフレーム20と、ピボットフレーム20の上部から後方に延びるシートフレーム21とを備える。
ヘッドパイプ17は、側面視で、鉛直方向に対して後傾して配置される筒状部材である。ヘッドパイプ17は、前輪2及び後輪3と同様に、車両1における車幅方向(左右方向)の中央に配置される。操舵軸線Csはヘッドパイプ17の軸線に一致する。
また、車両1は、操舵回動部13に支持されて前下方に延びるフロントフォーク25L,25R(前輪支持部材)と、ピボットフレーム20から後方へ延びて後輪3を支持するスイングアーム24とを備える。後輪3は、スイングアーム24の後端部に設けられる車軸3aに軸支される。
フロントフォーク25L,25Rは、前輪2の左右に一対で設けられ、前輪2は、フロントフォーク25L,25Rの下端部に設けられて車幅方向に延びる車軸2aに軸支される。
フロントフォーク25L,25Rは、操舵回動部13と一体に回転する。操舵回動部13の上部には、運転者が操作する操舵ハンドル26が、ハンドル支持部材29(図5)を介して取り付けられている。すなわち、運転者によって操舵ハンドル26が回転操作されると、操舵軸線Csを中心に操舵回動部13が回動し、前輪2が左右方向に操舵される。
車体カバー15は、ヘッドパイプ17の前方に位置するフロントカバー27と、ヘッドパイプ17とシート14との間の部分を覆うタンクカバー28とを有する。
ここで、図2〜図4を参照し、本実施の形態に関する基礎的な技術事項を説明する。
図2は、トレール長が正の状態にある車両1の左側面図である。図3は、トレール長が負の状態にある車両1の左側面図である。図4は、前輪2の操舵方向と車両1の重心位置との関係を示す模式図である。なお、図2及び図3では、車両1の重心位置等が図の下部に図示されている。また、図2〜図4では、車両1の前後方向が方向Xで示され、車両のロール方向(方向Xの軸の軸まわり方向)が方向Yで示されている。なお、車体前方FRは方向X上に位置し、車体左方LHは方向Y上に位置する。
図2及び図3では、車両1を直立させるとともに前輪2の操舵角を0(°)とした基準姿勢状態が図示されている。
トレール長tは、上記基準姿勢状態において、前輪2の接地点P0と操舵軸線Csの接地点P1との距離である。トレール長tは、接地点P0を基準に、前方側を正の方向、後方側を負の方向とする。前輪2の接地点P0は、車軸2aの真下に位置する。また、後輪3の接地点P3は、後輪3の車軸3aの真下に位置する。
図2では、操舵軸線Csの接地点P1が前輪2の接地点P0の前方に位置しており、トレール長tは正の値である。図3では、操舵軸線Csの接地点P1が前輪2の接地点P0の後方に位置しており、トレール長tは負の値である。
図2の状態から、操舵軸線Csに対しフロントフォーク25L,25Rをさらに後傾させると、前輪2の接地点P0が前方に移動し、図3のようにトレール長tは負の値となる。
ここで、図2に示すトレール長tが正の状態を、「通常状態」と呼ぶ。また、図3に示すトレール長tが負の状態を、「トレール長変更状態」と呼ぶ。すなわち、「通常状態」から車体10に対しフロントフォーク25L,25Rを後方側により寝かせた状態が、「トレール長変更状態」である。
図2及び図3に示すように、基準姿勢状態では、車両1の重心CGは、車両1における車幅方向の中央且つ前輪2と後輪3との間に位置する。
走行中の車両1は、前輪2が転がることによって操舵された方向(舵を切られた方向)に接地点が移動することから、重心CGに対して操舵された方向と反対向きの力が発生する。すなわち、車体が倒れる方向に操舵すると、車体を起こす向きの力が発生する。
これに対し、車両1の停止時は、図4中の左側部分に示すように、「通常状態」において前輪2が操舵される(図4では右側に操舵)と車両1の重心CGは、操舵方向と同方向(右方向)に移動する。このため、車両1が停止時に「通常状態」にある場合、車体が倒れる方向に操舵されると、より車体を倒す方向に力が発生する。これは走行中とは逆方向である。すなわち、操舵によって発生する車両1の重心CGにかかる力の方向は、車速の変化に伴って反転する。このように、「通常状態」では、重心CGにかかる力の方向が反転する車速域が存在するため、操舵によって車体の倒れを制御することが難しくなり、操舵によって車両1を自立させるように制御を実現することが困難である。
図4中の右側部分に示すように、「トレール長変更状態」において前輪2が操舵される(図4では右側に操舵)と車両1の重心CGは、操舵方向と逆方向(左方向)に移動する。すなわち、「トレール長変更状態」では、前輪2を操舵すると、この操舵の方向とは逆方向に重心CGが移動する。その結果、車体が倒れる方向に操舵すると車体を起こす向きに力Fが発生する。すなわち、「トレール長変更状態」では、操舵によって車両1の重心CGにかかる力が、車両1の停止時及び走行時で常に同一方向に発生するため、操舵による車体の倒れの制御の連続性が保たれる。このため、「トレール長変更状態」では、操舵によって車両1を自立させるように制御を実現することが「通常状態」に比して容易である。
なお、力Fに加えて、前輪2の操舵による前輪2のロール方向の接地点の移動による力を、車両1を自立させるための制御に考慮しても良い。
車両1は、前輪2のトレール長tを可変とするトレール長可変機構30をヘッドパイプ17の前方に備える。以下、トレール長可変機構30及びトレール長可変機構30の周辺部の構造について説明する。
図5は、車両1の前部を前方から見た正面図である。図6は、「通常状態」における車両1の前部の左側面図である。図7は、「トレール長変更状態」における車両1の前部の左側面図である。図8は、車両1の前部を右前方から見た斜視図である。図9は、図5のIX−IX断面図である。ここで、図5〜図9では、車体カバー15を取り外した状態が図示されている。図6及び図7では、左側のフロントフォーク25Lは不図示である。図8では、フロントフォーク25L,25Rは不図示である。
図5〜図9を参照し、操舵回動部13は、ヘッドパイプ17に挿通されて軸支されるステアリングシャフト32(図9)と、ヘッドパイプ17から上方に突出したステアリングシャフト32の上端部に固定されるトップブリッジ33と、ヘッドパイプ17から下方に突出したステアリングシャフト32の下端部に固定されるボトム部材34とを備える。
トップブリッジ33は、ヘッドパイプ17の上方で車幅方向に延びる板状部材であり、その上方に棒状の操舵ハンドル26が設けられる。ステアリングシャフト32の軸線は、操舵軸線Csに一致する。操舵回動部13は、操舵軸線Csを中心に、ステアリングシャフト32、トップブリッジ33及びボトム部材34が一体に回動する。
操舵回動部13には、ブラケット36が取り付けられている。ブラケット36は、左右のフロントフォーク25L,25Rの間且つヘッドパイプ17の前方でヘッドパイプ17に沿って上下に延びるように配置され、トップブリッジ33とボトム部材34とを繋ぐ。詳細には、ブラケット36は、その上端部がボルト36a(図7)によってトップブリッジ33の下面に固定される。また、ブラケット36は、その下端部がボルト36c(図6、図8)によってボトム部材34の前面に固定される。ブラケット36は、操舵回動部13と一体に回動する。
トレール長可変機構30は、前後方向に揺動可能に操舵回動部13に対して連結される揺動部41と、揺動部41を駆動する動力を供給する電動モータ42(駆動源)と、電動モータ42の回転を直線運動に変換して揺動部41を揺動させるボールねじ機構43(ねじ機構)とを備える。
また、トレール長可変機構30は、電動モータ42の回転を減速してボールねじ機構43に伝達する減速機45と、電動モータ42の回転を規制するロック機構46と、ボールねじ機構43を揺動部41及び操舵回動部13に連結するリンク機構47とを備える。
トレール長可変機構30の揺動部41は、車幅方向に延びてフロントフォーク25L,25Rを操舵回動部13に揺動可能に連結する揺動軸48と、左右のフロントフォーク25L,25Rを互いに連結するとともにリンク機構47に連結されるボトムブリッジ49(ブリッジ部材)とを備える。
また、フロントフォーク25L,25Rは、ボトムブリッジ49よりも上方に設けられる連結部材50によっても、車幅方向に連結されている。
フロントフォーク25L,25Rは、図6の「通常状態」では、その軸方向に延びるフォーク軸線25a(軸線)が、操舵軸線Csと略平行となる姿勢で、ヘッドパイプ17よりも前方に配置されている。
フロントフォーク25L,25Rは、ボトムブリッジ49に支持される固定チューブ25bと、固定チューブ25bに対して軸方向にストローク自在に設けられる可動チューブ25c(図1)と、フォークキャップ25dとを備える。
フロントフォーク25L,25Rは、フォーク軸線25aの方向の長さを自動で変更可能な電子制御式サスペンションである。フロントフォーク25L,25Rの長さの変更は、例えば、フロントフォーク25L,25Rに設けられたアクチュエータ25g(図11)によって、フロントフォーク25L,25R内の懸架ばねのプリロードを変更することで行われる。
固定チューブ25b及び可動チューブ25cの内部には、懸架ばねやオイル等が収容されている。フォークキャップ25dは、固定チューブ25bの上面の開口を塞ぐ。詳細には、フォークキャップ25dは、その外周部に設けられたねじ部が、固定チューブ25bの上端部の内周部に形成された雌ねじ部に締結されることで固定チューブ25bの上端部に固定される。
連結部材50は、固定チューブ25bの上端部を左右に連結し、ボトムブリッジ49は、固定チューブ25bの下部を左右に連結する。
各フォークキャップ25dは、固定チューブ25bの上端よりも上方に延出する延出部25eを備える。延出部25eには、延出部25eを車幅方向に貫通する揺動軸連結孔25fが形成されている。
操舵回動部13のトップブリッジ33は、ヘッドパイプ17よりも前方に延びる前端部に、車幅方向に延びる筒状の揺動軸支持部33aを備える。揺動軸48は、揺動軸支持部33aに挿通されることでトップブリッジ33に連結されている。
フロントフォーク25L,25Rは、揺動軸支持部33aから車幅方向に突出する揺動軸48の両端部に、各フォークキャップ25dの揺動軸連結孔25fがそれぞれ挿通されることで、揺動軸48に軸支されている。
詳細には、揺動軸48は、車両1の側面視では、操舵軸線Cs上に位置し、操舵軸線Csに重なる位置に配置されている。
すなわち、フロントフォーク25L,25Rは、その上端部に設けられる揺動軸48を介してトップブリッジ33に連結されており、操舵軸線Cs上に位置する揺動軸48を中心に前後方向に揺動可能である。
揺動部41のボトムブリッジ49は、車幅方向に延びる筒状の揺動部側リンク連結部49aを、その車幅方向の中央部の前端部に備える。揺動部側リンク連結部49aには、リンク機構47の前端部が連結される。
図6の「通常状態」からリンク機構47が作動すると、図7のようにボトムブリッジ49が前方に移動し、フロントフォーク25L,25Rは揺動軸48を中心に揺動する。リンク機構47の詳細は後述する。
本第1の実施の形態によれば、フロントフォーク25L,25Rは、前輪2と共に操舵軸線Csを中心に回動可能であるとともに、前輪2と共に揺動軸48を中心に前後に揺動可能である。
ボールねじ機構43は、ねじ軸51と、ねじ軸51上に設けられるナット部材52と、ねじ軸51を支持するハウジング53と、ねじ軸51と平行に設けられるガイド部材54とを備える。
ハウジング53は、ねじ軸51の一端部(下端部)を支持する下壁部53aと、ハウジング53の他端(上端)側を支持する上壁部53bと、下壁部53aの周縁部と上壁部53bの周縁部とを上下に繋ぐ柱状の複数の連結部53cとを備える。
下壁部53a及び上壁部53bは、ねじ軸51に直交する板状に形成されており、ねじ軸51は、下壁部53a及び上壁部53bの中央部に設けられたベアリング55,55を介して回転自在に支持されている。連結部53cは、ねじ軸51と略平行に延びている。
ガイド部材54は、下壁部53aと上壁部53bとを繋ぐ軸状に形成されており、ねじ軸51の後方に配置されている。
ナット部材52は、ねじ軸51上に設けられるナット部52aと、ガイド部材54上に設けられる移動部52bとを一体に備える。移動部52bは、後方のヘッドパイプ17側へハウジング53の外側に延びるねじ機構側リンク連結部52cを備える。
ねじ軸51の他端部51a(図9)は、上壁部53bを貫通して上方に延びており、他端部51aには、入力歯車51bが設けられている。
ボールねじ機構43は、側面視において、ねじ軸51が鉛直方向よりも後傾した姿勢となるように配置される。ねじ軸51は、操舵軸線Csよりも大きく後傾している。
ブラケット36は、操舵軸線Csよりも後傾した取付面36bを前面に備える。ボールねじ機構43は、ハウジング53の上部の後面部が取付面36bに当接して配置されており、取付面36bに後方から挿通されるボルト56によって、取付面36bに固定されている。
また、ブラケット36の下部の左右の側面には、前方へ延びる支持片57,57がそれぞれ取り付けられている。
ボールねじ機構43は、支持片57,57の前端部に車幅方向外側から挿通されて連結部53cに締結されるボルト58によって、支持片57,57に固定されている。
ボールねじ機構43は、ブラケット36を介して操舵回動部13に固定されており、前輪2の操舵方向に合わせて操舵回動部13と一体に回動する。
ボールねじ機構43は、操舵回動部13の前方に位置するとともに、図5の前面視では、左右のフロントフォーク25L,25Rの間に配置される。ねじ軸51は、操舵軸線Csと同様に、車両1における車幅方向の中央に位置するとともに、上下方向に延びる。また、ボールねじ機構43は、上下方向では、揺動軸48とボトムブリッジ49との間に配置される。
リンク機構47は、ボトム部材34から前方へ延びる第1のリンク61と、ボトムブリッジ49から後方へ延びて第1のリンク61の前部に連結される第2のリンク62と、第1のリンク61とボールねじ機構43の移動部52bとを連結する第3のリンク63とを備える。
詳細には、図8に示すように、第1のリンク61は、ボトム部材34の左右の側面部から前方に延びる左右一対のアーム部61a,61aと、アーム部61a,61aの先端部を車幅方向に連結する筒状部61bと、筒状部61bの中央部から前方に突出する連結部61cとを備える。
第1のリンク61は、車幅方向に延びる連結軸61dを介してボトム部材34に回動自在に取り付けられる。
第2のリンク62は、図8に示すように、ボトムブリッジ49の揺動部側リンク連結部49aの左右の端部からボトムブリッジ49の上方を通って後方に延びる左右一対のアーム部62a,62aと、アーム部62a,62aを車幅方向に連結するクロスメンバ62bとを備える。
第2のリンク62は、車幅方向に延びる連結軸62cを介して揺動部側リンク連結部49aに回動自在に取り付けられる。
第2のリンク62のアーム部62a,62aの先端部は、車幅方向外側から第1のリンク61の筒状部61bに重なり、この先端部及び筒状部61bに挿通される連結軸62dを介して第1のリンク61に対して回動自在に取り付けられる。
第3のリンク63は、その上端部が、車幅方向に延びる連結軸63aによって、ねじ機構側リンク連結部52cに対して回動自在に取り付けられる。また、第3のリンク63は、その下端部が、車幅方向に延びる連結軸63bによって、第1のリンク61の連結部61cに対して回動自在に取り付けられる。
図10は、図5のX−X断面図である。
図5〜図10を参照し、減速機45は、箱状の減速機ケース65と、減速機ケース65に支持されて減速機ケース65内に収容される第1の伝達軸66及び第2の伝達軸67とを備える。
減速機45は、ボールねじ機構43の上面に取り付けられている。詳細には、減速機45は、減速機ケース65の下面部がボールねじ機構43の上壁部53bに固定されている。すなわち、減速機45は、ボールねじ機構43を介してブラケット36に支持されている。
減速機ケース65は、図6等の側面視では、上壁部53bに沿って前上がりに前方に延びている。
減速機ケース65は、ボールねじ機構43の上面に固定されるねじ機構側ケース部65aと、ねじ機構側ケース部65aから前方且つ車幅方向外側へ延びるモータ側ケース部65bとを一体に備える。
第1の伝達軸66は第2の伝達軸67に噛み合っている。第1の伝達軸66及び第2の伝達軸67は、ボールねじ機構43のねじ軸51と平行に配置されており、後傾している。第2の伝達軸67は、ボールねじ機構43のねじ軸51の他端部51aに設けられた入力歯車51bに噛み合っている。他端部51a及び入力歯車51bは、ねじ機構側ケース部65a内に収容されている。
電動モータ42は、軸継手としてのカップリングユニット70を介して減速機45に取り付けられている。
カップリングユニット70は、筒状のケース71と、ケース71内に収容される駆動側カップリング部材72及び従動側カップリング部材73とを備える。
ケース71は、その上端がモータ側ケース部65bの下面に固定されており、ねじ軸51と略平行に延びている。
電動モータ42は、ロータ等が収納されたモータ本体部42aと、電動モータ42の出力軸としての回転軸42bとを備える。電動モータ42は回転軸42bの軸線42cの方向に長い柱状に形成されている。
電動モータ42は、回転軸42bがケース71内に下方から入るように配置されるとともに、モータ本体部42aがケース71の下端に固定される。すなわち、電動モータ42は、カップリングユニット70、減速機ケース65、ボールねじ機構43及びブラケット36を介して、車体10の操舵回動部13に取り付けられている。
電動モータ42は、ケース71に固定された状態では、回転軸42bの軸線42cがボールねじ機構43のねじ軸51と平行になる。また、軸線42cは、図10の側面視では、鉛直方向に対し操舵軸線Csよりも後傾した姿勢で、車両1の上下方向に指向している。
電動モータ42は、モータ側ケース部65bから下方に吊り下げられるように設けられているため、ボールねじ機構43の前側且つボールねじ機構43から側方にオフセットされた位置にある。また、電動モータ42は、図5の正面視では、左右のフロントフォーク25L,25Rの間に位置している。
駆動側カップリング部材72及び従動側カップリング部材73は、電動モータ42の回転軸42bを、減速機45のモータ側ケース部65b内に収容された入力軸75(図10)に接続する。
入力軸75は、電動モータ42の回転軸42bの軸線42cと同軸上に配置されており、回転軸42b及びねじ軸51に対し平行である。
入力軸75は、減速機45の第1の伝達軸66に噛み合っている。入力軸75は、その上端部がベアリングを介してモータ側ケース部65bの上面部76に支持され、その下端部がベアリングを介してモータ側ケース部65bの下面部77に支持される。
入力軸75の下端はモータ側ケース部65bの下方に突出しており、この下端には、従動側カップリング部材73が接続されている。
電動モータ42の回転軸42bの上端部には、駆動側カップリング部材72が接続されている。駆動側カップリング部材72は従動側カップリング部材73に接続されている。
ロック機構46は、回転軸42bの軸線42cと同軸上に設けられる電磁クラッチである。
入力軸75は、モータ側ケース部65bの上面部76の上方に位置するロック部75a(図10)を上端に備える。ロック機構46は、モータ側ケース部65bの上面部76に上方から取り付けられている。
ロック機構46は、電磁石に通電されていない状態では、その作動部が付勢部材によって付勢されて入力軸75のロック部75aに係合し、入力軸75の回転を規制する。また、ロック機構46は、電磁石に通電されている状態では、その作動部が電磁石の磁力によって上記付勢部材に抗して入力軸75のロック部75aから離れ、係合が解除される。
すなわち、ロック機構46が通電されていない状態では、入力軸75が回転不能であるため、電動モータ42も回転不能である。ロック機構46が通電されている状態では、入力軸75が回転可能であるため、電動モータ42も回転可能である。
また、車両1は、操舵回動部13を駆動して前輪2を転舵させる自動転舵機構31を備える。
自動転舵機構31は、操舵用駆動源としての操舵用モータ80と、操舵用モータ80の駆動力を操舵回動部13に伝達する駆動力伝達部材としての操舵リンク81とを備える。
操舵用モータ80は、ヘッドパイプ17の後方でメインフレーム18に支持されている。
操舵リンク81は、操舵用モータ80の出力軸80aからヘッドパイプ17の側方を通るように前方に延びて、操舵回動部13のトップブリッジ33に連結される。
図11は、車両1の制御に関する構成を示すブロック図である。
車両1は、操舵用モータ80、トレール長可変機構30の電動モータ42、ロック機構46、フロントフォーク25L,25Rのアクチュエータ25g、及び、エンジン12の動作の制御処理を実行する制御装置83を備える。
また、車両1は、制御装置83の制御処理に必要な各種状態量を検出するためのセンサとして、車体10のロール方向の傾斜角を検出する車体傾斜センサ84と、前輪2の操舵軸線Csまわりの操舵角を検出する操舵角センサ85と、トレール長tを検出するトレール長センサ86と、車両1の走行速度を検出する車速センサ87と、操舵ハンドル26のアクセルグリップの操作量を検出するアクセル操作量センサ88と、フロントフォーク25L,25Rの軸方向の長さを検出するフォーク長センサ89とを備える。
制御装置83は、CPU、RAM、ROM、及び、インターフェース回路等を備える電子回路ユニットであり、車両1に取り付けられている。上記各センサ84〜89は制御装置83に接続されており、各センサ84〜89の出力(検出信号)は、制御装置83に入力される。
制御装置83は、アクセル操作量センサ88の出力に基づいてエンジン12を駆動し、車両1を走行させる。
制御装置83によって電動モータ42が駆動されると、トレール長可変機構30の動作によってトレール長tが変更される。
詳細には、電動モータ42の回転は、電動モータ42側から順に、回転軸42b、駆動側カップリング部材72及び従動側カップリング部材73、入力軸75、減速機45の第1の伝達軸66、第2の伝達軸67、及び、入力歯車51bを介してボールねじ機構43のねじ軸51に伝達される。
電動モータ42の回転は、減速機45によって大きく減速されてねじ軸51に伝達される。
電動モータ42によってねじ軸51が回転させられると、ナット部材52は、ガイド部材54に沿ってねじ軸51上で直線運動する。
ナット部材52がねじ軸51上を移動することで、リンク機構47が変形し、リンク機構47の変形に伴って、第2のリンク62に連結されたボトムブリッジ49が前後に移動する。
ボトムブリッジ49が前後方向に移動することで、フロントフォーク25L,25Rが揺動軸48を中心に前後に揺動し、トレール長tが変更される。
図6に示す「通常状態」では、ナット部材52は、電動モータ42の駆動によって上壁部53bに当接するまで上方に移動させられている。これにより、第2のリンク62の連結軸62dが上方に引き上げられ、第2のリンク62の前端の連結軸62cが後方に移動することで、フロントフォーク25L,25Rがボトムブリッジ49を介して後方側に揺動させられている。「通常状態」は、前輪2が最も後方側に位置するようにトレール長tが変更された状態である。
また、「通常状態」では、ボトムブリッジ49の後面がボトム部材34の前面に当接することで、フロントフォーク25L,25Rの後方への揺動位置が規制されている。
さらに、「通常状態」では、制御装置83は、ロック機構46に通電しておらず、電動モータ42の回転は、ロック機構46によってロックされて規制されている。これにより、ロック機構46によってナット部材52の移動も規制されるため、ロック機構46によってフロントフォーク25L,25Rの揺動が規制される。このため、路面側からの外力等によって、フロントフォーク25L,25Rが「通常状態」から「トレール長変更状態」に変化してしまうことを防止できる。
また、ボールねじ機構43側から減速機45を介して電動モータ42側に回転が伝達される場合には、回転の増速方向となり、ボールねじ機構43側のトルクは減速機45によって減ぜられて入力軸75に伝達される。
本第1の実施の形態では、ロック機構46は、電動モータ42の回転の伝達経路において、減速機45の第1の伝達軸66よりも上流で、入力軸75上に設けられている。これにより、「通常状態」からナット部材52が下方に移動しようとする場合であっても、ボールねじ機構43から入力軸75に伝達されるトルクは小さくなる。このため、ロック機構46のロック能力の容量を小さくした場合であっても、ロック機構46によってフロントフォーク25L,25Rの揺動を規制できる。
図7に示す「トレール長変更状態」では、ナット部材52は、電動モータ42の駆動によって下壁部53aに当接するまで下方に移動させられている。これにより、第2のリンク62の連結軸62dが下方に引き下げられ、第2のリンク62の前端の連結軸62cが前方に移動することで、フロントフォーク25L,25Rがボトムブリッジ49を介して前方側に揺動させられている。
また、「トレール長変更状態」では、制御装置83は、ロック機構46に通電しておらず、電動モータ42の回転は、ロック機構46によってロックされて規制されている。これにより、ロック機構46によってナット部材52の移動も規制されるため、ロック機構46によってフロントフォーク25L,25Rの揺動を規制できる。このため、路面側からの外力等によって、フロントフォーク25L,25Rが「トレール長変更状態」から「通常状態」に変化してしまうことを防止できる。
また、本第1の実施の形態では、電動モータ42が、減速機45、ボールねじ機構43及びブラケット36を介して車体10の操舵回動部13に支持されているため、電動モータ42を操舵軸線Csの近くに配置できる。このため、操舵回動部13の操舵慣性を低減でき、前輪2を容易に操舵することができる。
また、フロントフォーク25L,25Rは、側面視でフォーク軸線25aに重なる位置に配置される揺動軸48を中心に揺動するため、フロントフォーク25L,25Rが揺動する際の慣性重量を小さくできる。このため、小さな駆動力によってフロントフォーク25L,25Rを揺動させることができるとともに、フロントフォーク25L,25Rを速く揺動させてトレール長tの変更を迅速に行うことができる。
ここで、トレール長可変機構30、自動転舵機構31及びフロントフォーク25L,25Rの動作の一例について説明する。
制御装置83は、車速センサ87により検出される車速が、所定速度(例えば、時速4キロメートル)を超えている場合、車両1を「通常状態」に維持する。「通常状態」で走行中の場合、制御装置83は、ロック機構46に通電しておらず、フロントフォーク25L,25Rの揺動はロックされている。また、「通常状態」では、制御装置83は、自動転舵機構31の操舵用モータ80の制御量を小さくする。このため、「通常状態」では、運転者が操舵ハンドル26を介して前輪2を操舵する。
制御装置83は、車速センサ87により検出される車速が、停止状態(時速0キロメートル)も含み所定速度(例えば、時速3キロメートル)以下の場合、車両1を「トレール長変更状態」に変化させる。
まず、制御装置83は、「通常状態」においてロック機構46に通電してフロントフォーク25L,25Rの揺動のロック状態を解除する。次に、制御装置83は、電動モータ42を駆動して、フロントフォーク25L,25Rを揺動軸48を中心として前方に揺動させて「トレール長変更状態」にし、ロック機構46への通電を停止して、フロントフォーク25L,25Rの揺動を規制する。
さらに、制御装置83は、「トレール長変更状態」になると、操舵用モータ80の制御量を大きくし、前輪2を操舵する。詳細には、制御装置83は、車体傾斜センサ84及び操舵角センサ85の出力に基づいて、車両1が直立状態で自立するように、すなわち、車体傾斜センサ84に基づく傾斜が0となるように、操舵用モータ80を駆動する。上述のように、「トレール長変更状態」では、前輪2を操舵すると、この操舵の方向とは逆方向に重心CGが移動することで、車両1を自立させる方向に作用する力F(図4)が発生するため、車体が倒れる方向に操舵する向きに操舵用モータ80を駆動することで、車両1を自立させておくことができる。
「トレール長変更状態」では、制御装置83の制御によって車両1が自立するため、車両1が停車状態であっても、スタンドや運転者による支え無しに、車両1は自立する。
また、制御装置83は、「トレール長変更状態」及び「通常状態」において、フォーク長センサ89の出力に基づいて、フロントフォーク25L,25Rのアクチュエータ25gを駆動して、車高の変化が小さくなるようにフロントフォーク25L,25Rの軸方向の長さを調整する。
詳細には、「通常状態」から「トレール長変更状態」に変化すると、フロントフォーク25L,25Rがより後傾することで車両1の車高が低くなる。このため、制御装置83は、「トレール長変更状態」へ変化した状態であっても「通常状態」と同様の車高を得られるようにアクチュエータ25gを駆動してフロントフォーク25L,25Rの全長を長くする。これにより、トレール長tの変更による車両1の操縦性の変化を小さくできる。
また、車両1は、操舵ハンドル26を操舵回動部13に対して操舵軸線Csまわりに相対回動可能にする操舵ハンドル回動機構を備え、この操舵ハンドル回動機構は、トップブリッジ33の上面に取り付けられている。この操舵ハンドル回動機構は、操舵ハンドル26を操舵軸線Csまわりに回動させるハンドル駆動源としてのハンドル回動用モータ543(図10等参照)を、操舵用モータ80の上方に備える。
制御装置83は、自動操舵機構31によって前輪2を操舵する際に、ハンドル回動用モータ543を駆動し、操舵回動部13に対して操舵ハンドル26を回動させる。例えば、車両1の低速走行時に、制御装置83は、自動操舵機構31による前輪2の操舵方向とは反対の方向に、前輪2の操舵角と同一の角度だけ操舵ハンドル26を回動させる。これにより、操舵ハンドル26を見かけ上静止させた状態で、前輪2だけを操舵させることができ、自動操舵機構31によって前輪2が操舵される場合であっても、操舵ハンドル26の動きが運転者に伝わることを抑制できる。
トレール長可変機構30は、フロントフォーク25L,25Rを揺動可能とするものであり、可動部を備えるため、前輪2の周辺構造の剛性に影響することが考えられる。本発明者らは、トレール長可変機構30を備えた構成では、特に前輪2の周辺構造における車幅方向の剛性を高くすることで、車両1の操縦性を向上できることを、実験や計算等によって明らかにした。
ここでは、図12等を参照して、前輪2の周辺構造の剛性を向上させる構造について説明する。
図12は、図6のXII−XII断面図である。
図6、図7、図9、図10及び図12を参照し、揺動部41のボトムブリッジ49は、操舵回動部13のボトム部材34に設けられた被嵌合部90に嵌合する嵌合部100を備える。嵌合部100及び被嵌合部90は、揺動部41が操舵回動部13に合わさって車幅方向への揺動部41のねじれを低減するねじれ低減部102を構成する。
嵌合部100は、ボトムブリッジ49の後面49bから後方に突出する凸部である。
被嵌合部90は、ボトム部材34の前面34aに設けられた凹部であり、嵌合部100が嵌合可能なように後方側に窪んでいる。被嵌合部90及び嵌合部100は、操舵軸線Csと同様に車幅の中央に設けられている。
嵌合部100は、その先端100dが後方に突出するように形成された三角形状の凸部である。詳細には、嵌合部100は、図7及び図12に示すように、後面49bから後方に延びる凸部上面100a及び凸部下面100bと、後面49bから後方に延びる左右の凸部側面100c,100c(側壁部)とを備える。
凸部上面100a及び凸部下面100bは、フォーク軸線25aに対して直交する向きで延びており、互いに平行に形成されている。
左右の凸部側面100c,100cは、嵌合部100が先端100d側に行くほど先細る形状となるように傾斜している。凸部側面100c,100cは、嵌合部100の車幅方向の外側面である。
被嵌合部90は、その底部90dに行くほど先細るように形成された三角形状の凹部である。詳細には、被嵌合部90は、図7及び図12に示すように、凹部上面90a及び凹部下面90bと、左右の凹部側面90c,90cとを備える。
凹部上面90a及び凹部下面90bは、互いに平行に形成されている。左右の凹部側面90c,90cは、被嵌合部90が底部90d側に行くほど先細る形状となるように傾斜している。
図7に示す「トレール長変更状態」では、ボトムブリッジ49はボトム部材34に対して前方に離間しており、嵌合部100は被嵌合部90に嵌合していない。
図6、図9、図10及び図12に示す「通常状態」では、ボトムブリッジ49の後面49bがボトム部材34の前面34aに当接して受けられるとともに、嵌合部100が被嵌合部90に嵌合する。
「通常状態」では、嵌合部100の凸部側面100c,100cが被嵌合部90の凹部側面90c,90cに対して車幅方向に当接するため、ボトムブリッジ49がボトム部材34に対して車幅方向に強固に位置決めされる。これにより、前輪2、フロントフォーク25L,25R及びボトムブリッジ49等を含む前輪2の周辺構造の剛性を向上できるため、「通常状態」における車両1の操縦性を向上できる。
また、「通常状態」では、嵌合部100の凸部上面100aが凹部上面90aに当接し、凸部下面100bが凹部下面90bに当接する。これにより、ボトムブリッジ49がボトム部材34に対して上下方向に強固に位置決めされるため、前輪2の周辺構造の剛性を向上させて、「通常状態」における車両1の操縦性を向上できる。
車両1は「トレール長変更状態」よりも高い速度域で「通常状態」になるため、本第1の実施の形態では、「トレール長変更状態」よりも高い剛性が必要とされる「通常状態」における剛性を効果的に向上させることができる。
また、嵌合部100が凸部側面100c,100cによって先端100d側に行くほど先細る形状に形成されているため、凸部側面100c,100cでガイドするようにして嵌合部100を被嵌合部90に容易に嵌合させることができる。
なお、嵌合部100は、少なくとも凸部側面100c,100cが凹部側面90c,90cに当接すれば良い。例えば、嵌合部100と被嵌合部90とが嵌合した状態において、凸部上面100a及び凸部下面100bが凹部上面90a及び凹部下面90bから離間した状態となるように構成し、嵌合部100が上下方向に位置決めされない構成としても良い。この場合、嵌合部100を被嵌合部90に容易に嵌合させることができるとともに、嵌合部100及び被嵌合部90の寸法精度の管理が容易になる。
また、嵌合部100と被嵌合部90とが嵌合した状態において、嵌合部100の先端100dが被嵌合部90の底部90dから離間した状態となるように構成しても良い。この場合も、寸法精度の管理が容易になる。
以上説明したように、本発明を適用した第1の実施の形態によれば、車両1は、車体10と、車体10の前方に配置されて操舵軸線Csまわりに操舵可能な前輪2とを備え、車体10が、車体フレーム11と、車体フレーム11に支持されて操舵軸線Csまわりに回動する操舵回動部13とを備え、前輪2のトレール長tを可変とするトレール長可変機構30を備え、トレール長可変機構30は、前後方向に揺動可能に設けられるとともに前輪2を支持するフロントフォーク25L,25Rを支持する揺動部41と、揺動部41を揺動させる駆動源としての電動モータ42とを備え、電動モータ42は車体10に支持されている。これにより、電動モータ42が車体10に支持されることで、電動モータ42が操舵軸線Csに近くなるため、操舵慣性を低減できる。
また、電動モータ42は車体10の操舵回動部13に支持されているため、電動モータ42が操舵軸線Csに近くなる。このため、操舵慣性を低減できる。さらに、操舵回動部13は揺動部41と一体に回動するため、操舵回動部13に支持される電動モータ42の動力を簡単な構造で揺動部41に伝達して揺動部41を揺動させることができる。
また、電動モータ42は、車両側面視において操舵回動部13の前方に配置されるとともに、その回転軸42bの軸線42cが車両1の上下方向に指向するように配置されているため、電動モータ42をコンパクトに配置でき、操舵慣性を低減できる。なお、軸線42cは車両1の上下方向に指向していれば良く、例えば、軸線42cは、略鉛直方向を指向しても良く、また、図10のように車両側面視で傾斜した姿勢で上下方向に指向していても良い。
さらに、トレール長可変機構30は、電動モータ42の回転を直線運動に変換して揺動部41を揺動させるボールねじ機構43を備え、ボールねじ機構43は、そのねじ軸51の軸線が電動モータ42の軸線42cと平行になるように配置されているため、電動モータ42及びボールねじ機構43をコンパクトに配置できる。このため、操舵慣性を低減できる。
また、トレール長可変機構30は、電動モータ42の回転を減速してボールねじ機構43に伝達する減速機45を備え、電動モータ42の回転を規制するロック機構46が、電動モータ42の回転の伝達経路において、減速機45よりも上流に設けられている。これにより、揺動部41側からボールねじ機構43及び減速機45を介して電動モータ42に伝達される回転は増速方向となるため、揺動部41側から減速機45を介して電動モータ42に伝達されるトルクは小さくなる。このため、減速機45の上流にロック機構46を設けることで、容量の小さな小型のロック機構46であっても電動モータ42の回転を規制でき、トレール長可変機構30の動作を容易に規制できる。
また、ロック機構46は、電動モータ42の軸線42cと同軸に設けられているため、コンパクトにロック機構46を設けることができる。
さらに、トレール長可変機構30は、ボールねじ機構43を揺動部41及び操舵回動部13に連結するリンク機構47を備え、操舵回動部13は、車体フレーム11のヘッドパイプ17に軸支されるステアリングシャフト32と、ステアリングシャフト32の上端部に固定されるトップブリッジ33と、ステアリングシャフト32の下端部に固定されるボトム部材34とを備え、揺動部41は、トップブリッジ33に設けられる揺動軸48を介して揺動可能に支持されるとともに、リンク機構47を介してボトム部材34に連結されている。これにより、トップブリッジ33の揺動軸48を中心に揺動可能な揺動部41を、ボトム部材34に連結されるリンク機構47を介して揺動させることができ、コンパクトな構造で揺動部41を揺動させてトレール長tを変更できる。
また、揺動部41は、左右のフロントフォーク25L,25Rを互いに連結するボトムブリッジ49を備え、リンク機構47はボトムブリッジ49に連結されている。これにより、フロントフォーク25L,25Rの剛性を増加させるボトムブリッジ49を利用して、コンパクトな構造でリンク機構47を揺動部41に連結できる。
また、ヘッドパイプ17の前方で操舵回動部13のトップブリッジ33とボトム部材34とを繋ぐブラケット36が設けられ、電動モータ42は、ブラケット36を介して車体10に支持されている。これにより、ブラケット36は、ヘッドパイプ17の前方でトップブリッジ33とボトム部材34とを繋ぐため、操舵軸線Csに近い。このため、操舵軸線Csの近くに電動モータ42を配置でき、操舵慣性を低減できる。
また、本第1の実施の形態によれば、車両1は、車体10と、車体10の前方に配置されて操舵軸線Csまわりに操舵可能な前輪2と、前輪2を支持するフロントフォーク25L,25Rとを備え、車体10が、車体フレーム11と、車体フレーム11に支持されて操舵軸線Csまわりに回動する操舵回動部13とを備え、前輪2のトレール長tを可変とするトレール長可変機構30を備え、トレール長可変機構30は、車幅方向に延びてフロントフォーク25L,25Rを操舵回動部13に揺動可能に連結する揺動軸48を備え、揺動軸48は、車両側面視で、フロントフォーク25L,25Rのフォーク軸線25aに重なる位置に配置されている。これにより、フロントフォーク25L,25Rは、フォーク軸線25aに重なる位置に配置される揺動軸48を中心に揺動するため、フロントフォーク25L,25Rを揺動させてトレール長tを変更する際の慣性重量を小さくできる。このため、トレール長可変機構30によってトレール長tを容易に変更できる。
また、揺動軸48は、フロントフォーク25L,25Rの上端部に設けられているため、フロントフォーク25L,25Rの上端部のスペースを有効利用してコンパクトに揺動軸48を設けることができる。また、揺動軸48の上方にフロントフォーク25L,25Rの揺動のためのスペースを確保しなくとも良いため、部品の配置の自由度が高い。
また、フロントフォーク25L,25Rは、フロントフォーク25L,25Rの上面を塞ぐフォークキャップ25dを備え、揺動軸48はフォークキャップ25dに設けられているため、フォークキャップ25dを利用する簡単な構造で揺動軸48を設けることができる。
さらに、操舵回動部13は、車体フレーム11のヘッドパイプ17に軸支されるステアリングシャフト32と、ステアリングシャフト32の上端部に固定されるトップブリッジ33と、ステアリングシャフト32の下端部に固定されるボトム部材34とを備え、トレール長可変機構30は、電動モータ42と、フロントフォーク25L,25R及びボトム部材34を連結するとともに電動モータ42の動力によってフロントフォーク25L,25Rを揺動させるリンク機構47とを備え、揺動軸48は、トップブリッジ33に支持されている。これにより、トップブリッジ33の揺動軸48に支持されるフロントフォーク25L,25Rを、ボトム部材34に連結されるリンク機構47を介して揺動させることができ、コンパクトな構造でフロントフォーク25L,25Rを揺動させてトレール長tを変更できる。
さらに、フロントフォーク25L,25Rは、その軸方向の長さを変更可能な電子制御式サスペンションであり、車両1は、トレール長可変機構30の動作による車高の変化に応じて、この車高の変化を小さくするように電子制御式サスペンションを駆動する制御装置83を備える。このため、トレール長可変機構30でトレール長tを変更した場合であっても、車高の変化を小さくできる。また、車両1の停止時に、電子制御式サスペンションによって車高を下げることで、運転者(ライダー)の足付き性を向上できる。
さらに、本第1の実施の形態によれば、車両1は、車体10と、車体10の前方に配置されて操舵軸線Csまわりに操舵可能な前輪2とを備え、車体10が、車体フレーム11と、車体フレーム11に支持されて操舵軸線Csまわりに回動する操舵回動部13とを備え、前輪2のトレール長tを可変とするトレール長可変機構30を備え、トレール長可変機構30は、前後方向に揺動可能に操舵回動部13に対し連結されるとともに前輪2を支持する揺動部41を備え、前輪2が最も後方側に位置するようにトレール長tが変更された状態で、揺動部41が操舵回動部13に合わさって車幅方向への揺動部41のねじれを低減するねじれ低減部102を備える。これにより、前輪2が最も後方側に位置するようにトレール長tが変更された状態で走行する通常走行時には、揺動部41が操舵回動部13に合わさって車幅方向への揺動部41のねじれが低減されるため、走行時における揺動部41の車幅方向への変形が抑制される。このため、通常走行時における前輪2の周辺構造の剛性を高くできる。
また、ねじれ低減部102は、操舵回動部13に設けられた被嵌合部90と、揺動部41に設けられ、被嵌合部90に嵌合可能な嵌合部100とを備え、嵌合部100は、前輪2が最も後方側に位置するようにトレール長tが変更された状態になると、被嵌合部90に嵌合しても良い。この構成によれば、前輪2が最も後方側に位置するようにトレール長tが変更された状態で走行する通常走行時には、揺動部41の嵌合部100が操舵回動部13の被嵌合部90に嵌合することで、走行時における揺動部41の車幅方向への変形が抑制される。このため、通常走行時における前輪2の周辺構造の剛性を高くできる。
さらに、揺動部41は、前輪2を支持する左右一対のフロントフォーク25L,25Rを左右に連結するボトムブリッジ49を備え、嵌合部100は、ボトムブリッジ49に設けられている。これにより、フロントフォーク25L,25Rの剛性を増加させるボトムブリッジ49を利用して、簡単な構造で嵌合部100を設けることができる。
また、操舵回動部13は、車体フレーム11のヘッドパイプ17に軸支されるステアリングシャフト32と、ステアリングシャフト32の上端部に固定されるトップブリッジ33と、ステアリングシャフト32の下端部に固定されるボトム部材34とを備え、被嵌合部90は、ボトム部材34に設けられている。これにより、操舵回動部13のボトム部材34を利用して、簡単な構造で被嵌合部90を設けることができる。さらに、ボトム部材34は揺動部41と一体に回動するため、簡単な構造で嵌合部100と被嵌合部90とを嵌合させることができる。
また、嵌合部100は、被嵌合部90に対して車幅方向に当接する左右一対の凸部側面100c,100cを備えるため、揺動部41の車幅方向への変形を効果的に低減できる。
また、嵌合部100及び被嵌合部90は、凸部と凹部との組で構成され、凸部の車幅方向の側面である凸部側面100c,100cは、凸部がその先端100d側に行くほど先細る形状となるように傾斜している。このため、凸部側面100c,100cの傾斜によって、凸部が凹部である被嵌合部90に嵌合するようにガイドでき、凸部を凹部に容易に嵌合させることができる。 また、嵌合部100は、後方に突出する凸部であり、被嵌合部90は、凸部が嵌合する凹部であるため、前輪2が最も後方側に位置するようにトレール長tが変更された状態では、嵌合部100を被嵌合部90に嵌合させることができる。
[第2の実施の形態]
以下、図13を参照して、本発明を適用した第2の実施の形態について説明する。この第2の実施の形態において、上記第1の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
上記第1の実施の形態では、電動モータ42及びボールねじ機構43等によってフロントフォーク25L,25Rを揺動させてトレール長tを変更する構造を説明したが、本第2の実施の形態では、フロントフォーク25L,25Rを揺動させる構造の他の例について説明する。
図13は、第2の実施の形態における車両1の前部を模式的に示した左側面図である。
車体210は、車体フレーム11と、操舵回動部213とを備える。
操舵回動部213は、ヘッドパイプ17に回動自在に支持されている。操舵回動部213は、トップブリッジ233と、ステアリングシャフト32(図9)と、ボトム部材234とを備える。操舵回動部213は、ステアリングシャフト32の軸線に一致する操舵軸線Csまわりに一体に回動する。
操舵回動部213には、トップブリッジ233とボトム部材234とをヘッドパイプ17の前方で上下に繋ぐブラケット236が取り付けられている。
トレール長可変機構230は、前後方向に揺動可能に操舵回動部213に対し連結される揺動部241と、揺動部241を揺動させる駆動源としての油圧アクチュエータ242と、ボトム部材234とフロントフォーク25L,25Rとを連結するリンク247とを備える。
フロントフォーク25L,25Rは、その上部を揺動部241に支持されて前下方に延びている。
揺動部241は、フロントフォーク25L,25Rの上端部に設けられる上側ガイド部220と、フロントフォーク25L,25R上において上側ガイド部220の下方に設けられる下側ガイド部221とを備える。
上側ガイド部220は、フロントフォーク25L,25Rの後面に設けられる上側ローラ部材220aと、ブラケット236の前面に設けられる上側ガイドレール220bとを備える。上側ガイドレール220bは上下に延びるレール部220cを備える。レール部220cは、側面視では、上端から前下がりに延びた後、略鉛直に下方に延び、その後、下端まで前下がりに延びている。
上側ローラ部材220aは、レール部220cを前後から挟む一対のローラを備える。上側ローラ部材220aは、レール部220cに沿って上下方向及び前後方向に移動する。
下側ガイド部221は、フロントフォーク25L,25Rの後面に設けられる下側ローラ部材221aと、操舵回動部213の下部の前面に設けられる下側ガイドレール221bとを備える。下側ガイドレール221bは上下に延びるレール部221cを備える。レール部221cは、側面視では、上端から前下がりに延びた後、前下がりの傾斜を緩めて前下がりに延び、その後、前下がりの傾斜を再び大きくして下端まで延びている。
下側ローラ部材221aは、レール部221cを前後から挟む一対のローラを備える。下側ローラ部材221aは、レール部221cに沿って上下方向及び前後方向に移動する。
油圧アクチュエータ242は、操舵回動部213のブラケット236の上部から前方へ延びるステー213aに支持されており、フロントフォーク25L,25Rの上方に位置する。
油圧アクチュエータ242の作動部242aは、下方に延びてフロントフォーク25L,25Rの上端部の前面に接続されている。作動部242aは上下方向にストロークする。
油圧アクチュエータ242には、例えば、車体210の油圧発生部から油圧が供給される。油圧アクチュエータ242の動作は、制御装置83によって制御される。
油圧アクチュエータ242の作動部242aが作動すると、フロントフォーク25L,25Rは、上側ローラ部材220a及び下側ローラ部材221aが、レール部220c及びレール部221cに沿って移動することで、上側ガイド部220及び下側ガイド部221の近傍を基点として、前後方向に揺動する。これにより、トレール長tが変更されるとともに、フロントフォーク25L,25Rの取り付け部が下方に移動するため、トレール長tを変更した場合であっても車高の変化を小さくすることができる。これにより、第1の実施の形態のような電子制御式サスペンションを省略することができる。
本第2の実施の形態では、油圧アクチュエータ242が車体210の操舵回動部213に支持されている。これにより、油圧アクチュエータ242が操舵軸線Csに近くなるため、操舵慣性を低減できる。
[第3の実施の形態]
以下、図14を参照して、本発明を適用した第3の実施の形態について説明する。この第3の実施の形態において、上記第1の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
上記第1の実施の形態では、フロントフォーク25L,25Rは、その上端部に設けられる揺動軸48を中心に揺動するものとして説明した。本第3の実施の形態では、揺動軸348がフロントフォーク25L,25Rの上端部の下方に設けられる構成について説明する。
図14は、第3の実施の形態における車両1の前部の左側面図である。
車体310は、車体フレーム11と、操舵回動部313とを備える。
操舵回動部313は、ヘッドパイプ17に回動自在に支持されている。操舵回動部313は、トップブリッジ333と、ステアリングシャフト32(図9)と、ボトム部材334とを備える。操舵回動部313は、ステアリングシャフト32の軸線に一致する操舵軸線Csまわりに一体に回動する。
操舵回動部313には、トップブリッジ333とボトム部材334とをヘッドパイプ17の前方で上下に繋ぐブラケット336が取り付けられている。
操舵回動部313は、ボトム部材334から前方に延びる揺動軸支持部334aを備える。
トレール長可変機構330は、前後方向に揺動可能に操舵回動部313に対して連結される揺動部341と、電動モータ42と、ボールねじ機構43と、減速機45と、ロック機構46と、ボールねじ機構43を揺動部341及び操舵回動部313に連結するリンク機構347とを備える。
本第3の実施の形態では、電動モータ42、ボールねじ機構43、減速機45及びロック機構46は、上記第1の実施の形態のものに対して上下に略逆向きに配置されている。
ボールねじ機構43は、支持片357,357を介してブラケット336に取り付けられている。すなわち、電動モータ42は、ブラケット336等を介して車体310の操舵回動部313に支持されている。
揺動部341は、車幅方向に延びてフロントフォーク25L,25Rを操舵回動部313に揺動可能に連結する揺動軸348と、左右のフロントフォーク25L,25Rの上端部に設けられてリンク機構347に連結されるリンク連結部350とを備える。
揺動軸348は、ボトム部材334の揺動軸支持部334aの前端部に支持されている。
リンク機構347は、トップブリッジ333とボールねじ機構43とを接続する第1のリンク361と、第1のリンク361を揺動部341のリンク連結部350に連結する第2のリンク362と、第1のリンク361とボールねじ機構43の移動部52bとを連結する第3のリンク63とを備える。
フロントフォーク25L,25Rは、ボトム部材334の前方に位置するボトムブリッジ349によって車幅方向に互いに連結されている。
ボトム部材334は、側面視でフォーク軸線25aに重なる位置に、揺動軸連結部349aを備える。揺動軸348は、ボトム部材334の揺動軸連結部349aに挿通されてボトム部材334に連結されている。
電動モータ42が駆動されると、リンク機構347を介して揺動部341が揺動され、リンク連結部350が揺動軸348を中心に前後に揺動する。これにより、フロントフォーク25L,25Rは、側面視でフォーク軸線25aに重なる位置にある揺動軸348を中心に前後に揺動し、トレール長tが変更される。
本第3の実施の形態では、操舵回動部313は、車体フレーム11のヘッドパイプ17に軸支されるステアリングシャフト32(図9)と、ステアリングシャフト32の上端部に固定されるトップブリッジ333と、ステアリングシャフト32の下端部に固定されるボトム部材334とを備え、揺動軸348は、側面視において、フォーク軸線25aに重なる位置で、トップブリッジ333よりもボトム部材334に近い位置に配置されている。これにより、フロントフォーク25L,25Rは、ボトム部材334に近い位置の揺動軸348を中心に揺動するため、トレール長可変機構330でトレール長tを変更した際の車高の変化を小さくできる。
また、左右一対で設けられるフロントフォーク25L,25Rを互いに連結するボトムブリッジ349が設けられ、揺動軸348は、側面視において、フォーク軸線25aに重なる位置で、ボトムブリッジ349に設けられている。これにより、フロントフォーク25L,25Rの剛性を向上させるボトムブリッジ349を利用して揺動軸348を簡単な構造で設けることができる。
また、揺動部341は、リンク連結部350から前方に突出する嵌合部300を備える。
操舵回動部313は、フロントフォーク25L,25Rよりも前方へ延びる前方延出部333aを備える。前方延出部333aは、嵌合部300の前方に位置する被嵌合部390を備える。
嵌合部300は、例えば、上記第1の実施の形態の嵌合部100と同一形状の凸部を前方に突出させたものである。また、被嵌合部390は、上記第1の実施の形態の被嵌合部90と同一形状の凹部である。
図14の「トレール長変更状態」からフロントフォーク25L,25Rの上部が揺動軸348を中心に前方へ揺動して「通常状態」になると、嵌合部300が被嵌合部390に嵌合する。これにより、「通常状態」における前輪2の周辺構造の剛性を向上できる。
[第4の実施の形態]
以下、図15を参照して、本発明を適用した第4の実施の形態について説明する。この第4の実施の形態において、上記第1の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
上記第1の実施の形態では、フロントフォーク25L,25Rは、その上端部に設けられる揺動軸48を中心に揺動するものとして説明した。本第4の実施の形態では、揺動軸348がフロントフォーク25L,25Rの上端部の下方に設けられるとともに、電動モータ42とは異なる駆動源でフロントフォーク25L,25Rを揺動させる構成について説明する。
図15は、第4の実施の形態における車両1の前部を模式的に示した左側面図である。
車体410は、車体フレーム11と、操舵回動部413とを備える。
操舵回動部413は、ヘッドパイプ17に回動自在に支持されている。操舵回動部413は、トップブリッジ433と、ステアリングシャフト32(図9)と、ボトム部材434とを備える。操舵回動部413は、ステアリングシャフト32の軸線に一致する操舵軸線Csまわりに一体に回動する。
操舵回動部413は、トップブリッジ433とボトム部材434とをヘッドパイプ17の前方で上下に繋ぐブラケット436を備える。
トレール長可変機構430は、駆動源442と、フロントフォーク25L,25Rに接続されるとともに駆動源442の駆動力によって前後に揺動する揺動部441と、車幅方向に延びてフロントフォーク25L,25Rを操舵回動部413に揺動可能に連結する揺動軸448と、フロントフォーク25L,25Rの上端部と操舵回動部413とを接続するリンク447とを備える。
駆動源442は、モータによって駆動されるねじ機構であり、上下方向に直線的に変位する。駆動源442は、ブラケット436に固定されている。
揺動部441は、フロントフォーク25L,25Rの後部に設けられるローラ部材420と、駆動源442によって上下方向に移動させられるガイドレール421とを備える。
揺動部441及び駆動源442は、ボトム部材434及び揺動軸448の上方でフロントフォーク25L,25Rの上部の後方に配置される。揺動軸448は、車両側面視で、フォーク軸線25aに重なる位置に配置されている。
ガイドレール421は、側面視では、上端から前下がりに延びた後、前下がりの傾斜を緩めて前下がりに延び、その後、前下がりの傾斜を再び大きくして下端まで延びている。
ローラ部材420は、ガイドレール421を前後から挟む一対のローラを備える。ガイドレール421は、ローラ部材420の一対のローラの間に挟まれた状態で上下方向に移動する。
制御装置83(図11)によって駆動源442が駆動されると、ガイドレール421が上下に移動し、ローラ部材420は、ガイドレール421の形状に沿って前後に揺動する。これにより、フロントフォーク25L,25Rは、揺動軸448を中心にガイドレール421と一体に前後に揺動させられ、トレール長tが変更される。
図16は、第4の実施の形態の変形例を示す側面図である。
図16に示すように、図15の駆動源442及び揺動部441に替えて、空気圧式のアクチュエータ412を駆動源として設けても良い。
アクチュエータ412は、前後方向に延びてフロントフォーク25L,25Rの上部と操舵回動部413とを連結する。アクチュエータ412には、車体410に設けられた空気圧発生源415から空気圧が供給される。
アクチュエータ412は、シリンダ412aと、シリンダ412a内に設けられるピストン412bとを備える。シリンダ412a内は、ピストン412bによって前室412cと後室412dとに仕切られている。
空気圧発生源415は、第1空気通路416によって前室412cに接続され、第2空気通路417によって後室412dに接続されている。第1空気通路416及び第2空気通路417には、制御装置83によって開閉を制御されるバルブ416a及びバルブ417aが設けられている。
後室412dに空気圧が供給されると、ピストン412bが前方に移動し、ピストン412bの作動部によってフロントフォーク25L,25Rは前方へ押される。これにより、フロントフォーク25L,25Rの上部は揺動軸448を中心に前方へ揺動し、車両1は「通常状態」になる。
前室412cに空気圧が供給されると、ピストン412bが後方に移動し、ピストン412bの作動部によってフロントフォーク25L,25Rは前方へ引かれる。これにより、フロントフォーク25L,25Rの上部は揺動軸448を中心に後方へ揺動し、車両1は「トレール長変更状態」になる。
[第5の実施の形態]
以下、図17を参照して、本発明を適用した第5の実施の形態について説明する。この第5の実施の形態において、上記第1の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
上記第1の実施の形態では、嵌合部100及び被嵌合部90が車幅の中央にそれぞれ1個設けられる構成を例に挙げて説明した。第5の実施の形態では、嵌合部及び被嵌合部の他の例を説明する。
図17は、第5の実施の形態における図6のXII−XII断面図である。
図17に示すように、嵌合部100及び被嵌合部90で一対となる凸部及び凹部を、車幅方向に複数並べて形成しても良い。
また、嵌合部100の先端100dを、ボトムブリッジ49の後面49bと平行な平坦面に形成し、嵌合部100を台形に形成しても良い。この場合、被嵌合部90の底部90dも合わせて平坦面とし、被嵌合部90を台形に形成しても良い。
また、嵌合部100を、その先端側に行くほど先細るように後方側に突出する円錐形状としても良い。この場合、被嵌合部90は、円錐状の穴に形成される。
また、ボトム部材34の被嵌合部90を前方に突出する凸部とし、ボトムブリッジ49の嵌合部100をこの凸部が嵌合する凹部としても良い。
さらに、嵌合部100をボトムブリッジ49とは別部材で構成し、嵌合部100をボトムブリッジ49に対して着脱可能に構成しても良い。この場合、例えば、ボトムブリッジ49を金属で構成し、嵌合部100を異なる材料(例えば樹脂)で構成しても良い。
同様に、被嵌合部90をボトム部材34とは別部材で構成し、被嵌合部90をボトム部材34に対して着脱可能に構成しても良い。この場合、例えば、ボトム部材34を金属で構成し、被嵌合部90を異なる材料(例えば樹脂)で構成しても良い。
図18及び図19は、嵌合部100及び被嵌合部90の形状のバリエーションを示す模式的な図である。図18及び図19は、ステアリングシャフト32の軸方向に見た図である。
図18に示すように、ボトムブリッジ49の後面49bにおける左右の端部に、嵌合部100,100を形成し、ボトム部材34の前面34aに被嵌合部90を一つ形成しても良い。図18の例では、被嵌合部90は、前面34aの車幅方向の両端部の間の広い範囲に亘って形成されている。嵌合部100,100は、各嵌合部100における車幅方向外側の凸部側面100cが、被嵌合部90の凹部側面90c,90cに嵌合する。また、図18の例では、嵌合部100,100が被嵌合部90に嵌合した状態において、先端100dと底部90dとの間には隙間が形成されているとともに、後面49bと前面34aとの間にも隙間が形成されている。
図19に示すように、ボトム部材34の前面34aの略全体を前方に突出する凸部である嵌合部150とし、ボトムブリッジ49の後面49bに、嵌合部150が嵌合する凹部である被嵌合部160を設けても良い。
嵌合部150は、嵌合部150が先端150d側に行くほど先細る形状となるように傾斜した凸部側面150c,150cを備える。
被嵌合部160は、凸部側面150c,150cが嵌合する凹部側面160c,160cを備える。嵌合部150が被嵌合部160に嵌合した状態では、嵌合部150の先端150dと被嵌合部160の底部160dとの間には隙間が形成されている。
なお、上記実施の形態は本発明を適用した一態様を示すものであって、本発明は上記第1〜第5の実施の形態に限定されるものではない。
上記第1〜第5の実施の形態では、自動二輪車を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明は、前輪または後輪を2つ備えた3輪の鞍乗り型車両、4輪以上を備えた鞍乗り型車両、及び、スクーターなどの鞍乗り型車両に適用可能である。
1 車両
2 前輪
10,310 車体
11 車体フレーム
13,313 操舵回動部
17 ヘッドパイプ
25L,25R フロントフォーク
30,330 トレール長可変機構
32 ステアリングシャフト
33 トップブリッジ
34 ボトム部材
41,341 揺動部
49 ボトムブリッジ(ブリッジ部材)
90,390 被嵌合部(凹部)
100,300 嵌合部(凸部)
100c,100c 凸部側面(側面部)
100d 先端
102 ねじれ低減部
Cs 操舵軸線
t トレール長

Claims (7)

  1. 車体(10,310)と、当該車体(10,310)の前方に配置されて操舵軸線(Cs)まわりに操舵可能な前輪(2)とを備え、前記車体(10,310)が、車体フレーム(11)と、当該車体フレーム(11)に支持されて前記操舵軸線(Cs)まわりに回動する操舵回動部(13,313)とを備える車両において、
    前記前輪(2)のトレール長(t)を可変とするトレール長可変機構(30,330)を備え、
    前記トレール長可変機構(30,330)は、前後方向に揺動可能に前記操舵回動部(13,313)に対し連結されるとともに前記前輪(2)を支持する揺動部(41,341)を備え、
    前記前輪(2)が最も後方側に位置するように前記トレール長(t)が変更された状態で、前記揺動部(41,341)が前記操舵回動部(13,313)に合わさって車幅方向への前記揺動部(41,341)のねじれを低減するねじれ低減部(102)を備えることを特徴とする車両。
  2. 前記ねじれ低減部(102)は、前記操舵回動部(13,313)に設けられた被嵌合部(90,390)と、前記揺動部(41,341)に設けられ、前記被嵌合部(90,390)に嵌合可能な嵌合部(100,300)とを備え、前記嵌合部(100,300)は、前記前輪(2)が最も後方側に位置するように前記トレール長(t)が変更された状態になると、前記被嵌合部(90,390)に嵌合することを特徴とする請求項1記載の車両。
  3. 前記揺動部(41)は、前記前輪(2)を支持する左右一対のフロントフォーク(25L,25R)を左右に連結するブリッジ部材(49)を備え、
    前記嵌合部(100)は、前記ブリッジ部材(49)に設けられていることを特徴とする請求項2記載の車両。
  4. 前記操舵回動部(13)は、前記車体フレーム(11)のヘッドパイプ(17)に軸支されるステアリングシャフト(32)と、前記ステアリングシャフト(32)の上端部に固定されるトップブリッジ(33)と、前記ステアリングシャフト(32)の下端部に固定されるボトム部材(34)とを備え、
    前記被嵌合部(90)は、前記ボトム部材(34)に設けられていることを特徴とする請求項3記載の車両。
  5. 前記嵌合部(100)は、前記被嵌合部(90)に対して車幅方向に当接する左右一対の側壁部(100c)を備えることを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の車両。
  6. 前記嵌合部(100)及び前記被嵌合部(90)は、凸部と凹部との組で構成され、前記凸部の車幅方向の側面は、当該凸部がその先端(100d)側に行くほど先細る形状となるように傾斜していることを特徴とする請求項2から5のいずれかに記載の車両。
  7. 前記嵌合部(100)は、後方に突出する凸部であり、前記被嵌合部(90)は、前記凸部が嵌合する凹部であることを特徴とする請求項2から6のいずれかに記載の車両。
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