JP4152712B2 - 流体軸受装置およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラジアル軸受隙間に生じる潤滑油の油膜によって回転部材を非接触支持する流体軸受装置に関する。この軸受装置は、情報機器、例えばHDD、FDD等の磁気ディスク装置、CD−ROM、CD−R/RW、DVD−ROM/RAM等の光ディスク装置、MD、MO等の光磁気ディスク装置などのスピンドルモータ、レーザビームプリンタ(LBP)のポリゴンスキャナモータ、あるいは電気機器、例えば軸流ファンなどの小型モータ用として好適である。
【0002】
【従来の技術】
上記各種モータには、高回転精度の他、高速化、低コスト化、低騒音化などが求められている。これらの要求性能を決定づける構成要素の一つに当該モータのスピンドルを支持する軸受があり、近年では、上記要求性能に優れた特性を有する流体軸受の使用が検討され、あるいは実際に使用されている。
【0003】
この種の流体軸受は、軸受隙間内の潤滑油に動圧を発生させる動圧発生手段を備えたいわゆる動圧軸受と、動圧発生手段を備えていないいわゆる真円軸受(軸受面が真円形状である軸受)とに大別される。
【0004】
例えば、HDD等のディスク装置のスピンドルモータやレーザビームプリンタ(LBP)のポリゴンスキャナモータに組込まれる流体軸受装置では、軸部材をラジアル方向に回転自在に非接触支持するラジアル軸受部と、軸部材をスラスト方向に回転自在に支持するスラスト軸受部とが設けられ、ラジアル軸受部として、軸受スリーブの内周面又は軸部材の外周面に動圧発生用の溝(動圧溝)を設けた動圧軸受が用いられる。スラスト軸受部としては、例えば、軸部材の一端面をスラストプレートによって接触支持する構造の軸受(いわゆるピボット軸受)が用いられる。通常、軸受スリーブはハウジングの内周の所定位置に固定され、また、ハウジングの内部空間に注油した潤滑油が外部に漏れるのを防止するため、ハウジングの開口部にシール部材を配設する場合が多い(例えば特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−191945号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記構成の流体軸受装置は、ハウジング、軸受スリーブ、軸部材、スラストプレート、及びシール部材といった多くの部品で構成され、情報機器の益々の高性能化に伴って必要とされる高い軸受性能を確保すべく、各部品の加工精度や組立精度を高める努力がなされている。その一方で、情報機器の低価格化・小型化の傾向に伴い、この種の流体軸受装置に対するコスト低減の要求も益々厳しくなっている。
【0007】
また、この種の流体軸受装置では、軸受性能の確保のために、軸受隙間の精度は厳密に管理する必要があり、この軸受隙間への異物の混入は極力排除する必要がある。
【0008】
そこで、本発明は、部品点数が少なく、低コストでかつ信頼性が高く、さらには軸受隙間への異物の混入を確実に防止することのできる流体軸受装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明にかかる流体軸受装置は、樹脂製のハウジングと、ハウジングの内部に設けられた軸受スリーブと、軸受スリーブの内周面に挿入された軸部材と、軸受スリーブの内周面と軸部材の外周面との間に設けられ、軸受隙間に生じる潤滑油の油膜で軸部材をラジアル方向で非接触支持するラジアル軸受部とを少なくとも備え、前記ハウジングが、内周面をシール空間に対向させたシール部を含めて、軸受スリーブをインサート部品とする樹脂の型成形で一体に形成され、かつこの型成形に伴って形成されたバリがハウジング表面に溶着され、シール部の内周面が溶着治具との接触部を有することを特徴とするものである。
【0010】
ハウジングを、軸受スリーブをインサート部品として樹脂の型成形(インサート成形)で形成することにより、ハウジングを金属材で形成する場合に比べて、ハウジングの製造コストを低減することができる。また、流体軸受装置に、軸部材をスラスト方向で支持するスラスト軸受部を設ける場合、スラスト軸受部は、軸部材の一端側端面をハウジングの底部で直接支持する構造とすることができる。従って、従来、この種の流体軸受装置に設けられていたスラストプレートを不要として、部品点数の削減を図ることができる。さらに、ハウジングに対する軸受スリーブの組立作業が不要であるので、組立コストも低減する。
【0011】
ところで、インサート成形後の成形品表面には、型と型の間の隙間に入り込んだ溶融樹脂が固化することによってバリが形成される。このバリを放置すると、何らかの要因でバリが脱落した際に、これが軸受スリーブの内周面に入り込んで軸受性能に重大な影響を与えるおそれがある。従って、この種のバリは、その発生防止を防止するか、あるいは脱型後に何らかの方法で除去する必要がある。
【0012】
しかしながら、インサート成形においてバリの発生を完全に防止することは難しい。従って、上記バリ対策としては、後者の方法をとらざるを得ず、具体的には例えば機械加工によってバリを削り取る方法が考えられる。しかしながら、削り取る場合には、その破片が軸受スリーブの内周面に入り込んだり、あるいは加工時の加圧力でバリ発生部周辺の寸法精度が崩れる等の不具合の発生が懸念される。
【0013】
そこで、本発明では、型成形に伴って形成されたバリを、ハウジング表面に溶着した。このようにバリを除去するのではなく、ハウジング表面に溶着することで、バリの脱落を確実に防止することができ、その一方で、機械加工のようにバリの加工に際して破片が発生することはないので、その軸受スリーブ内周への侵入を確実に防止することができる。また、熱溶着に際しては、機械加工のようにバリ発生部に高い加圧力が作用することもなく、また、仮に変形したとしても、熱溶着用の治具でその変形部分を寸法矯正することもできるので、この部分を高精度に成形することができる。以上から、バリの発生に由来する軸受性能の低下を確実に防止し、高い軸受性能を確保することができる。
【0014】
上記の溶着は、樹脂のガラス転位点以上、融点温度以下の温度で行うのが望ましい。
【0015】
ハウジングは、その一端に、軸部材の外周面との間でシール空間を形成するシール部を有するものとすることができる。このシール部は、インサート成形によってハウジングと一体形成することができる。
【0016】
図2は、シール部7aを有するハウジング7をインサート成形するための射出成形装置の一例を示すものである。図示のように、この装置は、可動型10と固定型20とを備え、一方の型、例えば可動型10は、円筒状の軸部11とその外周に嵌合した外周部16とで構成される。軸受スリーブ8の周囲のキャビティ30にゲート部31から溶融樹脂を射出してキャビティ30に充填し、樹脂が硬化したところで、先ず、可動型10の軸部11を軸受スリーブ8の内周から抜き、さらに外周部16を固定型20から離反させて型開きすれば、軸受スリーブ8を樹脂でモールドしたシール部7a付のハウジング7が得られる。
【0017】
この射出成形装置において、シール部7aの内周面7a2は、シール部7aの内周に挿入した軸部11(詳しくはシール成形部13)の外周面で成形することができる。バリは、主として型同士の摺動部位に形成されるので、型開き時に互いに摺動する、軸部11の外周面とその外周に嵌合した型(図示例では外周部16)の内周面との間の摺動部A、すなわちシール部7aの内周面7a2の軸方向延長方向にバリが形成されることとなる。この場合、図3に示すように、シール部7aの内周に溶着治具40を挿入してハウジング7の端面7dに押し付けることにより、バリ41が軟化・屈曲してハウジング7の端面7dと一体化され(溶着)(図4(a)(b)参照)、バリ41の突出部分が消滅する。従って、上述したバリの発生に由来する不具合を確実に防止することができる。
【0018】
このようにシール部を一体に有するハウジングをインサート成形する場合、例えば樹脂製バリは、シール部の内周面縁部から軸方向に突出した形態やシール部の内周面よりも外径側に形成された形態となる。特に後者の形態であれば、溶着に伴う変形でシール部の寸法精度が狂う事態を防止することができると共に、溶着時にバリが脱落して軸受スリーブ内周面に入り込む危険性を回避することができる。
【0019】
流体軸受装置の用途に応じ、ラジアル軸受部は、軸受隙間内の潤滑油の動圧作用で圧力を発生させる動圧軸受で構成することもできる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0021】
図1は、この実施形態に係る流体軸受装置(流体動圧軸受装置)1を示している。この流体軸受装置1は、例えば、HDD等のディスク装置のスピンドルモータやレーザビームプリンタ(LBP)のポリゴンスキャナモータに組込まれるもので、ハウジング7と、軸受スリーブ8と、軸部材2とを構成部品して構成される。
【0022】
軸受スリーブ8の内周面8aと軸部材2の外周面2aとの間に第1ラジアル軸受部R1と第2ラジアル軸受部R2とが軸方向に離隔して設けられる。また、軸部材2の下側端面2bとハウジング7の底部7cの内底面7c1との間にスラスト軸受部Tが設けられる。尚、説明の便宜上、スラスト軸受部Tの側を下側、スラストTと反対の側を上側として説明を進める。
【0023】
軸部材2は、例えば、ステンレス鋼等の金属材で形成され、その下側端面2bは凸球状に形成される。
【0024】
軸受スリーブ8は、焼結金属からなる多孔質体で円筒状に形成される。焼結金属としては、例えば、銅、鉄、及びアルミニウムの中から選択される1種以上の金属粉末、若しくは銅被覆鉄粉などの被覆処理を施した金属粉末や合金粉末を主原料とし、必要に応じて、すず、亜鉛、鉛、黒鉛、二硫化モリブデン等の粉末又はこれらの合金粉末を混合し、成形し、焼結して得られたものを用いることができる。このような焼結金属は、内部に多数の気孔(内部組織としての気孔)を備えていると共に、これら気孔が外表面に通じて形成される多数の開孔を備えている。この焼結金属は、潤滑油や潤滑グリースを含浸させた含油焼結金属として用いられる。なお、焼結金属に限らず、軟質金属等の他の金属材料で軸受スリーブ8を形成することも可能である。
【0025】
軸受スリーブ8の内周面8aには、第1ラジアル軸受部R1と第2ラジアル軸受部R2のラジアル軸受面となる上下2つの領域が軸方向に離隔して設けられ、該2つの領域には、動圧発生手段として、例えばヘリングボーン形状の動圧溝がそれぞれ形成される。尚、動圧発生手段として、スパイラル形状や軸方向の溝を形成したり、あるいは三円弧軸受等を採用しても良い。また、軸受スリーブ8の内周上端側部分には面取り部8dが形成され、内周下端側部分には面取り部8fが形成されている。
【0026】
ハウジング7は、後述のように、上記軸受スリーブ8をインサート部品として、66ナイロン等の樹脂を射出成形(インサート成形)して形成される。このハウジング7は、一端を開口すると共に、他端を閉じた有底筒状で、円筒状の側部7bと、側部7bの上端から内径側に一体に延びた環状のシール部7aと、側部7bの下端と一体に連続した底部7cとを備えている。シール部7aの内周面7a2は、軸部材2の外周面2aと所定のシール空間Sを介して対向する。尚、この実施形態では、シール部7aの内周面7a2と対向してシール空間Sを形成する軸部材2の外周面2aを、上方(ハウジング7の外方向)に向かって漸次縮径するテーパ形状に形成している。軸部材2の回転時、テーパ形状の外周面2aは、いわゆる遠心力シールとしても機能する。シール空間Sは、このようなテーパ状の空間とする他、軸方向で同径の円筒状に形成することもできる。
【0027】
図2は、ハウジング7をインサート成形するための射出成形装置を概念的に示している。この射出成形装置は、可動型10と固定型20とを有する。
【0028】
可動型10または固定型20の何れか一方、例えば可動型10は、円形断面の軸部11とその外周に嵌合された外周部16とを有する。軸部11は、軸受スリーブ8の内周面8aに嵌合される嵌合部12と、ハウジング7のシール部7aの内周面7a2を成形するシール成形部13とを有し、シール成形部13の外径寸法は嵌合部12の外形寸法よりも大きい。嵌合部12とシール成形部13との境界には、テーパ状の当接部14が形成される。この当接部14が、軸受スリーブ8の内周上端側部分に形成された面取り部8dと当接することにより、キャビティ30内における軸受スリーブ8の位置決めが行われる。
【0029】
固定型20は、中空円筒状の成形部21を有するもので、可動型10との同軸状態を維持しつつ、その衝合面22を可動型10の衝合面15と衝合させることにより、軸受スリーブ8の周囲にキャビティ30が形成される。このキャビティ30にゲート31から溶融樹脂を射出してキャビティ30に充填し、その後、樹脂が硬化したところで型開きを行えば、軸受スリーブ8を樹脂でモールドしたハウジング7が得られる。型開きは、例えば、先ず可動型10の軸部11を軸受スリーブ8の内周から抜き、次いで可動型10の外周部16を固定型20から離反させることにより行われる。
【0030】
ハウジング7と軸受スリーブ8とは、上記のインサート成形により、別段の固定工程を経ることなく、相互に固定される。図1に示すように、ハウジング7の内部において、シール部7aの内側面7a1と軸受スリーブ8の上側端面8b、側部7bの内周面7b1と軸受スリーブ8の外周面8g、底部7cの内底面7c1と軸受スリーブ8の下側端面8cおよび内周下端側部分の面取り部8fがそれぞれ密着している。尚、軸受スリーブ8の内周面8aや内周上端側部分の面取り部8dは樹脂に覆われていない。
【0031】
この実施形態の動圧軸受装置1は、インサート成形により相互に固定されたハウジング7および軸受スリーブ8に対して、軸部材2を装着することによって組立ることができる。すなわち、軸部材2を軸受スリーブ8の内周面8aに挿入して、その下側端面2bをハウジング7の内底面7c1に接触させる。そして、例えば真空引きの状態で、シール部7aで密封されたハウジング7の内部に潤滑油を注油し、軸受隙間等のハウジング内部空間を油で満たすと共に、軸受スリーブ8の気孔に油を含浸させる。
【0032】
軸部材2の回転時、軸受スリーブ8の内周面8aのラジアル軸受面となる領域(上下2箇所の領域)は、それぞれ、軸部材2の外周面2aとラジアル軸受隙間を介して対向する。そして、軸部材2の回転に伴い、上記ラジアル軸受隙間に潤滑油の動圧作用が発生し、軸部材2が上記ラジアル軸受隙間内に形成される潤滑油の油膜によってラジアル方向に回転自在に非接触支持される。これにより、軸部材2をラジアル方向に回転自在に非接触支持する第1ラジアル軸受部R1と第2ラジアル軸受部R2とが構成される。同時に、軸部材2の下側端面2bがハウジング7の内底面7c1によって接触支持される。これにより、軸部材2をスラスト方向に回転自在に支持するスラスト軸受部Tが構成される。
【0033】
上述のようにインサート成形の際、可動型10では、軸部11と外周部16との間で摺動が生じる。この摺動部Aには、キャビティ30への樹脂の充填に伴って溶融樹脂が入り込み、図4(a)に示すように、固化後はこの部分が軸方向に突出するバリ41となる。このバリ41は、ハウジング7の上端面7dの内周縁部Pに沿って形成される(バリ41の長さ・大きさ等は誇張して描いている)。
【0034】
このバリ41は、ハウジング7の表面(本実施形態では上端面7d)に溶着される。溶着は、図3に示すように、ハウジング7の上端開口部(図面では上下が図1と逆になっている)の内周に溶着治具40を挿入することにより行われる。溶着治具40は、ハウジング7のシール部7aの内周面7a2に嵌合する小径部40aと、これよりも大径に形成され、端面をハウジング7の上端面7dと係合させた大径部40bとを備える。この治具40を加熱してハウジング7の上端開口部に押込むことにより、同図(b)に示すようにバリ41が軟化屈曲して外径側に折り曲がった状態でハウジング7の上端面7dに溶着され(符号41’で示す)、これによりバリ41による軸方向の突出部が消滅する。
【0035】
このバリ41の溶着に際しては、機械加工のようにバリの破片が発生することはない。従って、バリやその破片の軸受スリーブ8内周(ラジアル軸受隙間)への侵入を確実に防止することができる。また、熱溶着用の治具40がバリ41の発生部P周辺、本実施形態であればハウジング7の上端面7dやシール部内周面7a2を寸法矯正するので、これらの部分の精度を高めることができる。以上から、本発明によれば、バリの発生に起因した軸受性能の低下を確実に防止し、高い軸受性能を確保することができる。
【0036】
上述のように熱溶着に際しては、溶着治具40を加熱するが、その時の溶着温度は、ハウジング7の素材樹脂のガラス転位点以上で融点以下の温度とする。ガラス転位点温度よりも小さいとバリ41を軟化させることができず、融点を超えると溶着治具40との接触部の樹脂が溶融状態となり、却って精度低下を招く。例えば、ハウジング7を66ナイロンで成形する場合、そのガラス転位点は80℃であり、融点は200℃であるから、溶着はその間の温度(80〜200℃)で行う。
【0037】
ところで、バリの溶着時における異物の軸受スリーブ8内周への侵入やシール部7aの寸法劣化を防止するためには、バリ41の発生部Pができるだけシール部内周面7a2よりも外径側に存在しているのが好ましい。図5は、これを実現するための手段の一例を示すもので、可動型10の軸部11’と外周型16’の摺動部A’が、ハウジング7のシール部内周面7a2よりも外径側に位置するように金型構造を変更したものである。具体的には、軸部11’のシール成形部13に隣接してこれよりも大径の大径部18を形成し、大径部18の端面18aをハウジング上端面7dに接触させると共に、大径部18の外周に内型10の外周部16’を嵌合したものである。この場合、大径部18の外周面と外周部16の内周面との間が摺動部A’となり、その延長線上のハウジング上端面7dにバリの発生部P’が形成される。
【0038】
以上の説明では、スラスト軸受部Tとして、軸部材2の端部を接触支持するピボット軸受を例示しているが、この軸受部Tとしては、ラジアル軸受部R1、R2と同様に、動圧溝等の動圧発生手段で軸受隙間に生じた潤滑油の動圧効果により圧力を発生させて軸部材2をスラスト方向で非接触支持する動圧軸受を使用することもできる。
【0039】
また、本発明は、ラジアル軸受部R1、R2の何れか一方または双方をいわゆる真円軸受で構成した流体軸受装置にも同様に適用可能である。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、コンパクトで部品点数が少なく、より一層低コストで、且つ信頼性の高い流体軸受装置を提供することができる。
【0041】
また、ハウジングのインサート成形に伴って形成されるバリをハウジング表面に溶着しているので、バリの破片が軸受スリーブの内周面に入り込んだり、あるいはバリ発生部の寸法精度が低下する等の不具合を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる流体軸受装置を示す断面図である。
【図2】ハウジングを射出成形するための射出成形装置を概念的に示す断面図である。
【図3】バリの溶着工程を示す断面図である。
【図4】図4(a)は溶着前のバリを概念的に示す拡大断面図、同図(b)は、溶着後の状態を概念的に示す拡大断面図である。
【図5】射出成形装置の他の実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 流体軸受装置
2 軸部材
7 ハウジング
7a シール部
7a2 内周面
7b 側部
7c 底部
8 軸受スリーブ
8a 内周面
40 熱溶着治具
41 バリ
P、P’ バリ発生部
A、A’ 摺動部
R1 第1ラジアル軸受部
R2 第2ラジアル軸受部
S シール空間
T スラスト軸受部
Claims (6)
- 樹脂製のハウジングと、ハウジングの内部に設けられた軸受スリーブと、軸受スリーブの内周面に挿入された軸部材と、軸受スリーブの内周面と軸部材の外周面との間に設けられ、軸受隙間に生じる潤滑油の油膜で軸部材をラジアル方向で非接触支持するラジアル軸受部とを少なくとも備え、
前記ハウジングが、内周面をシール空間に対向させたシール部を含めて、軸受スリーブをインサート部品とする樹脂の型成形で一体に形成され、かつこの型成形に伴って形成されたバリがハウジング表面に溶着され、シール部の内周面が溶着治具との接触部を有することを特徴とする流体軸受装置。 - 樹脂のガラス転位点以上、融点温度以下で溶着した請求項1記載の流体軸受装置。
- 樹脂製バリが、シール部の内周面縁部から軸方向に突出したものである請求項1または2記載の流体軸受装置。
- 樹脂製バリが、シール部の内周面よりも外径側に形成されるものである請求項1または2記載の流体軸受装置。
- ラジアル軸受部が、軸受隙間内の潤滑油の動圧作用で圧力を発生させる動圧軸受である請求項1〜4何れか記載の流体軸受装置。
- 樹脂製のハウジングと、ハウジングの内部に設けられた軸受スリーブと、軸受スリーブの内周面に挿入された軸部材と、軸受スリーブの内周面と軸部材の外周面との間に設けられ、軸受隙間に生じる潤滑油の油膜で軸部材をラジアル方向で非接触支持するラジアル軸受部とを少なくとも備える流体軸受装置を製造するための方法であって、
ハウジングを、内周面をシール空間に対向させたシール部を含めて、軸受スリーブをインサート部品とする樹脂の型成形で一体に形成し、型成形に伴って形成されたバリを、ハウジング表面に溶着し、シール部の内周面を溶着治具と接触させることを特徴とする流体軸受装置の製造方法。
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