JP3950990B2 - 流体軸受装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラジアル軸受隙間に生じる潤滑油の油膜によって回転部材を非接触支持する流体軸受装置に関する。この軸受装置は、情報機器、例えばHDD、FDD等の磁気ディスク装置、CD−ROM、CD−R/RW、DVD−ROM/RAM等の光ディスク装置、MD、MO等の光磁気ディスク装置などのスピンドルモータ、レーザビームプリンタ(LBP)のポリゴンスキャナモータ、あるいは電気機器、例えば軸流ファンなどの小型モータ用として好適である。
【0002】
【従来の技術】
上記各種モータには、高回転精度の他、高速化、低コスト化、低騒音化などが求められている。これらの要求性能を決定づける構成要素の一つに当該モータのスピンドルを支持する軸受があり、近年では、上記要求性能に優れた特性を有する流体軸受の使用が検討され、あるいは実際に使用されている。
【0003】
この種の流体軸受は、軸受隙間内の潤滑油に動圧を発生させる動圧発生手段を備えたいわゆる動圧軸受と、動圧発生手段を備えていないいわゆる真円軸受(軸受面が真円形状である軸受)とに大別される。
【0004】
例えば、HDD等のディスク装置のスピンドルモータやレーザビームプリンタ(LBP)のポリゴンスキャナモータに組込まれる流体軸受装置では、軸部材をラジアル方向に回転自在に非接触支持するラジアル軸受部と、軸部材をスラスト方向に回転自在に支持するスラスト軸受部とが設けられ、ラジアル軸受部として、軸受スリーブの内周面又は軸部材の外周面に動圧発生用の溝(動圧溝)を設けた動圧軸受が用いられる。スラスト軸受部としては、例えば、軸部材の一端面をスラストプレートによって接触支持する構造の軸受(いわゆるピボット軸受)が用いられる。通常、軸受スリーブはハウジングの内周の所定位置に固定され、また、ハウジングの内部空間に注油した潤滑油が外部に漏れるのを防止するため、ハウジングの開孔部にシール部材を配設する場合が多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記構成の流体軸受装置は、ハウジング、軸受スリーブ、軸部材、スラストプレート、及びシール部材といった部品で構成され、情報機器の益々の高性能化に伴って必要とされる高い軸受性能を確保すべく、各部品の加工精度や組立精度を高める努力がなされている。その一方で、情報機器の低価格化の傾向に伴い、この種の流体軸受装置に対するコスト低減の要求も益々厳しくなっている。
【0006】
本発明の課題は、部品点数が少なく、より一層低コストで、かつ信頼性の高い流体軸受装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、一端側に底部を有する樹脂製のハウジングと、ハウジングの内部に設けられた金属製の軸受スリーブと、軸受スリーブの内周面に挿入された軸部材と、軸受スリーブの内周面と軸部材の外周面との間に設けられ、軸受隙間に生じる潤滑油の油膜で軸部材をラジアル方向に非接触支持するラジアル軸受部と、ハウジングの底部に設けられ、軸部材の一端側端面をスラスト方向に支持するスラスト軸受部とを備え、ハウジングは軸受スリーブをインサート部品として樹脂を型成形して形成され、軸受スリーブは少なくとも内周一端側部分に面取り部を有すると共に該面取り部には、ハウジングの底部の内底面を構成する樹脂が密着し、かつ、該面取り部に、ハウジングを構成する樹脂との剥離を防止する剥離防止手段が施されている流体軸受装置を提供する。
【0008】
ハウジングを、軸受スリーブをインサート部品として樹脂を型成形(インサート成形)して形成することにより、ハウジングを金属材で形成する場合に比べて、ハウジングの製造コストを低減することができる。また、スラスト軸受部は、軸部材の一端側端面をハウジングの底部で直接支持する構造とすることができるので、従来この種の流体軸受装置に設けられていたスラストプレートを不要として、部品点数の削減を図ることができる。さらに、ハウジングに対する軸受スリーブの組立作業が不要であるので、組立コストも低減する。
【0009】
通常、軸受スリーブの内周両端側部分(角部分)には面取り部が設けられているが、特に軸受スリーブの内周一端側部分(ハウジングの底部側の角部分)の面取り部は、ハウジングと軸受スリーブとをインサート成形する際に、軸受スリーブの内周一端側部分と、軸受スリーブの内周面に装着される内型との間の隙間部に所要の空間容積を確保して、該隙間部に充填される樹脂部分が微細なバリ状になるのを防ぐ役割を併せ持っている。一方、溶融樹脂が成形型のキャビティ内で固化する際の樹脂収縮に伴い、ハウジングの底部を構成する樹脂部分に内径側に向いた内部応力が発生し、この内部応力は、軸受スリーブの内周一端側部分の面取り部から樹脂を剥離する方向に作用する。そこで、本発明では、軸受スリーブの内周一端側部分の面取り部に、ハウジングを構成する樹脂との剥離を防止する剥離防止手段を施すことにより、該面取り部から樹脂が剥離して軸受機能に好ましくない影響が生じる事態を回避し、流体軸受装置の信頼性を高めている。
【0010】
上記の剥離防止手段は、例えば、軸受スリーブを焼結金属で形成すると共に、その内周一端側部分の面取り部の開孔率を内周面の開孔率よりも大きくすることにより構成することができる。
【0011】
上記の焼結金属としては、例えば、銅、鉄、及びアルミニウムの中から選択される1種以上の金属粉末、若しくは銅被覆鉄粉などの被覆処理を施した金属粉末や合金粉末を主原料とし、必要に応じて、すず、亜鉛、鉛、黒鉛、二硫化モリブデン等の粉末又はこれらの合金粉末を混合し、成形し、焼結して得られたものを用いることができる。このような焼結金属は、内部に多数の気孔(内部組織としての気孔)を備えていると共に、これら気孔が外表面に通じて形成される多数の開孔を備えている(多孔質体)。
【0012】
焼結金属製の軸受スリーブをインサート部品としてハウジングを樹脂で型成形すると、成形型のキャビティ内に臨む軸受スリーブの表面の開孔から表層部の気孔内に溶融樹脂が侵入して固化し、一種のアンカー効果を伴って樹脂を上記表面に強固に密着させる。そして、上記面取り部の開孔率を内周面の開孔率に比較して大きくすることにより、該面取り部における上記のアンカー効果をより一層高めて、該面取り部からの樹脂の剥離を効果的に防止することができる。尚、このような開孔率の設定は、上記面取り部のみならず、樹脂が密着する軸受スリーブのその他の表面、例えば外周面や端面にも適用しても良い。
【0013】
ここで、上記の「開孔率」は、単位面積当たりに占める、各開孔の面積の総和(総面積)の比率をいい、以下の条件で測定されるものである。
[測定器具]
金属顕微鏡:Nikon ECLIPSS ME600
デジタルカメラ:Nikon DXM1200
写真撮影ソフト:Nikon ACT−1 ver.1
画像処理ソフト:イノテック製 QUICK GRAIN
[測定条件]
写真撮影:シャッタースピード0.5秒
2値化しきい値:235
【0014】
あるいは、上記の剥離防止手段は、軸受スリーブを通常の金属材(組織的な気孔を有しない金属材、あるいは、組織的な気孔を有していても、その気孔率が小さい金属材)で形成すると共に、その内周一端側部分の面取り部の面粗さを内周面の面粗さよりも大きくすることにより構成することができる。上記の金属材としては、例えば、ステンレス、銅合金、真ちゅう等を用いることができる。
【0015】
上記面取り部の面粗さを内周面の面粗さに比較して大きくすることにより、ハウジングの成形時、溶融樹脂が面粗さ内の微小凹部に侵入して固化し、一種のアンカー効果を伴って樹脂を上記面取り部の表面に強固に密着させる。これにより、該面取り部からの樹脂の剥離を効果的に防止することができる。尚、このような面粗さの設定は、上記面取り部のみならず、樹脂が密着する軸受スリーブのその他の表面、例えば外周面や端面にも適用しても良い。
【0016】
上記の剥離防止効果をより一層高めるため、上記面取り部に凹状部を設けても良い。この凹状部は、例えば、溝状、切欠き状、窪み状のものとすることができる。上記面取り部に凹状部を設けることにより、該面取り部に対する樹脂の密着面積が増大し、その結果、上記の剥離防止効果がより一層向上する。また、凹状部の形態によっては、上記に加え、凹部と樹脂との係合力が上記の剥離防止に寄与する場合もある。
【0017】
また、本発明は、上記課題を解決するため、一端側に底部を有する樹脂製のハウジングと、ハウジングの内部に設けられた金属製の軸受スリーブと、軸受スリーブの内周面に挿入された軸部材と、軸受スリーブの内周面と軸部材の外周面との間に設けられ、軸受隙間に生じる潤滑油の油膜で軸部材をラジアル方向に非接触支持するラジアル軸受部と、ハウジングの底部に設けられ、軸部材の一端側端面をスラスト方向に支持するスラスト軸受部と、ハウジングの底部に設けられ、軸受スリーブの内周一端側部分を覆う底部材とを備え、ハウジングが、軸受スリーブ及び底部材をインサート部品として樹脂を型成形して形成され、底部材はその中心部に貫通孔を有し、軸部材の一端側端面は、底部材の貫通孔に充填された樹脂によって構成される、ハウジングの底部の内底面と接触する流体軸受装置を提供する。
【0018】
ハウジングの成形時、軸受スリーブの内周一端側部分と、軸受スリーブの内周面に装着される内型との間の隙間部が底部材によって閉塞されるので、溶融樹脂は該隙間部には充填されない。従って、軸受スリーブの内周一端側部分は樹脂と接することがなく、該部分からの樹脂剥離の問題は起こらない。
【0019】
以上の構成において、軸受部は、軸受隙間内の潤滑油に動圧を発生させる動圧軸受とすることができる。また、ハウジングの内部空間に注油した潤滑油が外部に漏れるのを防止するため、ハウジングの他端側に、軸部材の外周面との間にシール空間を形成するシール部を一体に形成するのが好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0021】
図1は、この実施形態に係る流体軸受装置(流体動圧軸受装置)1を示している。この流体軸受装置1は、例えば、HDD等のディスク装置のスピンドルモータやレーザビームプリンタ(LBP)のポリゴンスキャナモータに組込まれるもので、ハウジング7と、軸受スリーブ8と、軸部材2とを構成部品して構成される。
【0022】
軸受スリーブ8の内周面8aと軸部材2の外周面2aとの間に第1ラジアル軸受部R1と第2ラジアル軸受部R2とが軸方向に離隔して設けられる。また、軸部材2の下側端面2bとハウジング7の底部7cの内底面7c1との間にスラスト軸受部Tが設けられる。尚、説明の便宜上、スラスト軸受部Tの側を下側、スラストTと反対の側を上側として説明を進める。
【0023】
軸部材2は、例えば、ステンレス鋼等の金属材で形成され、その下側端面2bは凸球状に形成される。
【0024】
軸受スリーブ8は、例えば、焼結金属からなる多孔質体、特に銅を主成分とする燒結金属の多孔質体で円筒状に形成される。この焼結金属で形成された軸受スリーブ8の内周面8aには、第1ラジアル軸受部R1と第2ラジアル軸受部R2のラジアル軸受面となる上下2つの領域が軸方向に離隔して設けられ、該2つの領域には、例えばヘリングボーン形状の動圧溝がそれぞれ形成される。尚、動圧溝の形状として、スパイラル形状や軸方向溝形状等を採用しても良い。また、軸受スリーブ8の上側端面8bには、軸受スリーブ8の上下方向を識別するためのマーキング8e(同図に示す例では円周溝)が形成されている。さらに、軸受スリーブ8の内周上端側部分には面取り部8dが形成され、内周下端側部分には面取り部8fが形成されている。
【0025】
この実施形態において、軸受スリーブ8の内周面8aの開孔率は例えば0.5〜10%、好ましくは1〜5%の範囲内の値に設定され、内周下端側部分の面取り部8fは、内周面8aの開孔率より大きく設定され、例えば3%以上、好ましくは5〜30%の範囲内の値に設定されている。上側端面8b、下側端面8c、及び外周面8gのうち少なくとも一つの表面の開孔率も、面取り部8fと同様の値にするのが好ましく、この実施形態では、これら全ての表面の開孔率を面取り部8fと同様の値に設定している。内周上端側部分の面取り部8dの開孔率は、内周面8aと同様の値に設定しても良いし、あるいは、面取り部8fと同様の値に設定しても良い。
【0026】
ハウジング7は、焼結金属からなる軸受スリーブ8をインサート部品として、樹脂を射出成形(インサート成形)して形成され、円筒状の側部7bと、側部7bの上端から内径側に一体に延びた環状のシール部7aと、側部7bの下端と一体に連続した底部7cとを備えている。シール部7aの内周面7a2は、軸部材2の外周面2aと所定のシール空間Sを介して対向する。尚、この実施形態では、シール部7aの内周面7a2と対向してシール空間Sを形成する軸部材2の外周面2aを、上方(ハウジング7の外方向)に向かって漸次縮径するテーパ形状に形成している。軸部材2の回転時、テーパ形状の外周面2aは、いわゆる遠心力シールとしても機能する。
【0027】
図2は、ハウジング7を成形するための射出成形装置を概念的に示している。この射出成形装置は、内型10と外型20とを有し、両金型のうち何れか一方(例えば内型10)を可動型、他方(例えば外型20)を固定型とする。
【0028】
内型10は、円形断面の軸部11を有する。軸部11は、軸受スリーブ8の内周面8aに嵌合される嵌合部12と、ハウジング7のシール部7aの内周面7a2を成形するシール成形部13とを有し、シール成形部13の外径寸法は嵌合部12の外形寸法よりも大きい。嵌合部12とシール成形部13との境界には、テーパ状の当接部14が形成される。この当接部14が、軸受スリーブ8の内周上端側部分に形成された面取り部8dと当接することにより、キャビティ30内における軸受スリーブ8の位置決めが行われる。
【0029】
外型20は、中空円筒状の成形部21を有するもので、内型10との同軸状態を維持しつつ、その衝合面22を内型の衝合面15と衝合させることにより、軸受スリーブ8の周囲にキャビティ30が形成される。このキャビティ30にゲート31から溶融樹脂を射出してキャビティ30に充填し、その後、樹脂が硬化したところで内型10と外型20を型開きすれば、軸受スリーブ8を樹脂でモールドしたハウジング7が得られる。
【0030】
ハウジング7と軸受スリーブ8とは、上記のインサート成形により、別段の固定工程を経ることなく、相互に固定される。図1に示すように、ハウジング7の内部において、シール部7aの内側面7a1と軸受スリーブ8の上側端面8b、側部7bの内周面7b1と軸受スリーブ8の外周面8g、底部7cの内底面7c1と軸受スリーブ8の下側端面8cおよび内周下端側部分の面取り部8fがそれぞれ密着している。尚、軸受スリーブ8の内周面8aや内周上端側部分の面取り部8dは樹脂に覆われていない。
【0031】
軸受スリーブ8が多孔質の焼結金属で形成されており、しかも、内周下端側部分の面取り部8f、上側端面8b、下側端面8c、及び外周面8gの開孔率が上記のように設定されているので、前述したアンカー効果により、ハウジング7と軸受スリーブ8とが強固に密着して、両者の安定した固定状態が得られる。とりわけ、樹脂の剥離が起こり易い面取り部8fにおいて、樹脂の強固な密着性が確保されていることにより、流体軸受装置の信頼性が従来にも増して向上する。
【0032】
この実施形態の動圧軸受装置1は、上記のインサート成形により相互に固定されたハウジング7および軸受スリーブ8に対して、軸部材2を装着することによって組立ることができる。すなわち、軸部材2を軸受スリーブ8の内周面8aに挿入して、その下側端面2bをハウジング7の内底面7c1に接触させる。そして、シール部7aで密封されたハウジング7の内部空間に潤滑油を注油する。
【0033】
軸部材2の回転時、軸受スリーブ8の内周面8aのラジアル軸受面となる領域(上下2箇所の領域)は、それぞれ、軸部材2の外周面2aとラジアル軸受隙間を介して対向する。そして、軸部材2の回転に伴い、上記ラジアル軸受隙間に潤滑油の動圧が発生し、軸部材2が上記ラジアル軸受隙間内に形成される潤滑油の油膜によってラジアル方向に回転自在に非接触支持される。これにより、軸部材2をラジアル方向に回転自在に非接触支持する第1ラジアル軸受部R1と第2ラジアル軸受部R2とが構成される。同時に、軸部材2の下側端面2bがハウジング7の内底面7c1によって接触支持される。これにより、軸部材2をスラスト方向に回転自在に支持するスラスト軸受部Tが構成される。
【0034】
図3〜図5に示す実施形態は、軸受スリーブ8の面取り部8fにおける樹脂の剥離防止効果をより一層高めるため、面取り部8fにそれぞれ凹状部を設けたものである。図3に示す実施形態では、凹状部として、面取り部8fの下側端面8cに通じた領域に円周溝8f1を設けている。また、図4に示す実施形態では、凹状部として、面取り部8fの中程領域に円周溝8f2を設けている。さらに、図5に示す実施形態では、凹状部として、下側端面8cから面取り部8fに到る半径方向溝8f3を設けている。この半径方向溝8f3は、単数でも良いし、円周方向の複数箇所に設けても良い。
【0035】
図6に示す実施形態は、ハウジング7の底部7cに金属製等の底部材9を埋設したものである。底部材9は、中心部に設けられた貫通穴9aと、外周縁から上側に一体に延びた鍔部9bとを備え、その端面は軸受スリーブ8の下側端面8cにあてがわれ、鍔部9bの内面は軸受スリーブ8の外周面8gにあてがわれる。貫通孔9aにはハウジング7を構成する樹脂が充填されており、軸部材2の下側端面2bは、貫通孔9aに充填された樹脂によって構成される内底面7c1と接触し、底部材9とは接触しない。また、底部材9の内周縁は軸受スリーブ8の内周面8aよりも僅かに内径側に延びており、それによって、軸受スリーブ8の面取り部8fが底部材9によって下側から覆われた状態になっている。
【0036】
この実施形態のハウジング7は、例えば、図2に示すような射出成形装置を用いて、軸受スリーブ8および底部材9をインサート部品として樹脂を型成形することにより形成することができる。ハウジング7の成形時、軸受スリーブ8の面取り部8fと内型10との間の隙間部が底部材9によって閉塞されるので、溶融樹脂は該隙間部には充填されない。従って、軸受スリーブ8の面取り部8fは樹脂と接することがなく、面取り部8fからの樹脂剥離の問題は起こらない。
【0037】
尚、図7の参考例に示すように、底部材9は、中心部に貫通穴を有しない形状とすることもできる。
【0038】
また、以上の実施形態では、軸受スリーブ8を焼結金属で形成しているが、同様の形態の軸受スリーブをステンレス、銅合金、真ちゅう等の金属材で形成しても良い。その場合、樹脂の剥離防止手段として、上述した気孔率の設定に代えて、面粗さの設定を行う。すなわち、軸受スリーブの内周下側部分の面取り部(面取り部8fに対応)の面粗さを内周面の面粗さよりも大きくする。例えば、軸受スリーブの内周面の面粗さをRa0.5未満として、内周下側部分の面取り部の面粗さをRa0.5以上とする。軸受スリーブの上側端面、下側端面、及び外周面のうち少なくとも一つの表面の面粗さも、内周下側部分の面取り部と同様の値にするのが好ましい。
【0039】
また、本発明は、ラジアル軸受部をいわゆる真円軸受(軸受面が真円形状である軸受)で構成した流体軸受装置にも同様に適用可能である。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、部品点数が少なく、より一層低コストで、かつ信頼性の高い流体軸受装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る流体軸受装置を示す断面図である。
【図2】 ハウジングを成形するための射出成形装置を概念的に示す断面図である。
【図3】 本発明の他の実施形態に係る軸受スリーブの面取り部の周辺を示す断面図であ
る。
【図4】 本発明の他の実施形態に係る軸受スリーブの面取り部の周辺を示す断面図であ
る。
【図5】 本発明の他の実施形態に係る軸受スリーブの面取り部の周辺を示す断面図であ
る。
【図6】 本発明の実施形態に係る流体軸受装置を示す断面図である。
【図7】 参考例の流体軸受装置を示す断面図である。
【符号の説明】
1 流体軸受装置
2 軸部材
2a 外周面
2b 下側端面
7 ハウジング
7a シール部
7c 底部
8 軸受スリーブ
8a 内周面
8f 面取り部
8f1 円周溝
8f2 円周溝
8f3 半径方向溝
9 底部材
R1 第1ラジアル軸受部
R2 第2ラジアル軸受部
T スラスト軸受部

Claims (7)

  1. 一端側に底部を有する樹脂製のハウジングと、該ハウジングの内部に設けられた金属製の軸受スリーブと、該軸受スリーブの内周面に挿入された軸部材と、前記軸受スリーブの内周面と前記軸部材の外周面との間に設けられ、軸受隙間に生じる潤滑油の油膜で前記軸部材をラジアル方向に非接触支持するラジアル軸受部と、前記ハウジングの底部に設けられ、前記軸部材の一端側端面をスラスト方向に支持するスラスト軸受部とを備え、
    前記ハウジングは、前記軸受スリーブをインサート部品として樹脂を型成形して形成され、
    前記軸受スリーブは、少なくとも内周一端側部分に面取り部を有すると共に該面取り部には、前記ハウジングの底部の内底面を構成する樹脂が密着し、かつ、該面取り部に、該面取り部に密着した樹脂の剥離を防止する剥離防止手段が施されている流体軸受装置。
  2. 前記剥離防止手段が、前記軸受スリーブを焼結金属で形成すると共に、前記面取り部の開孔率を前記内周面の開孔率よりも大きくすることにより構成されている請求項1記載の流体軸受装置。
  3. 前記剥離防止手段が、前記面取り部の面粗さを前記内周面の面粗さよりも大きくすることにより構成されている請求項1記載の流体軸受装置。
  4. 前記面取り部に凹状部が設けられている請求項1から3の何れかに記載の流体軸受装置。
  5. 一端側に底部を有する樹脂製のハウジングと、該ハウジングの内部に設けられた金属製の軸受スリーブと、該軸受スリーブの内周面に挿入された軸部材と、前記軸受スリーブの内周面と前記軸部材の外周面との間に設けられ、軸受隙間に生じる潤滑油の油膜で前記軸部材をラジアル方向に非接触支持するラジアル軸受部と、前記ハウジングの底部に設けられ、前記軸部材の一端側端面をスラスト方向に支持するスラスト軸受部と、前記ハウジングの底部に設けられ、前記軸受スリーブの内周一端側部分を覆う底部材とを備え、
    前記ハウジングが、前記軸受スリーブ及び前記底部材をインサート部品として樹脂を型成形して形成され
    前記底部材はその中心部に貫通孔を有し、前記軸部材の一端側端面は、前記底部材の貫通孔に充填された樹脂によって構成される、前記ハウジングの底部の内底面と接触する流体軸受装置。
  6. 前記ラジアル軸受部が、前記軸受隙間内の潤滑油に動圧を発生させる動圧軸受である請求項1から5の何れかに記載の流体軸受装置。
  7. 前記ハウジングが、前記軸部材の外周面との間にシール空間を形成するシール部をその他端側に有する請求項1から6の何れかに記載の流体軸受装置。
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