JP4152472B2 - 屋根 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄骨構造の建物に用いられる屋根に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、鉄骨構造の建物は,C型鋼から成る母屋の上に野地板や断熱材を貼り、野地板の上に複数の金属板で屋根を葺いている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の、鉄骨構造の建物に用いられる屋根は、母屋の勾配が緩いと、屋根板の接合部から雨水が浸入し、たとえ、屋根板の下に防水シートを敷設してあっても、防水シートが古くなると太陽熱による疲労で破れ、雨漏りが生じる恐れがあった。特に屋根板のV字状の縁部を野地板上で互い係合させるだけの一文字葺きでは、屋根板の接合部から漏水する恐れがあった。
また、鋼材により母屋を構成した鉄骨構造では、断熱効果に劣り、結露が生じるなどの問題点があった。
本発明では、上記問題点を解決することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、所定間隔を在して並列に支持された複数の鋼材によって母屋(2)を構成し、該母屋(2)のうえに下地材を介して複数の金属製の屋根板(18)を接合配置した屋根において、前記母屋(2)間に金属板から成る雨水受けパン(4)を架設し、前記屋根板(18)の下側に浸入した雨水を、前記雨水受けパン(4)で受けるようにし、前記複数の母屋(2)間の前記各雨水受けパン(4)を、長手方向全長に亘って形成された雨水を受ける長尺状のU字状部(4a)と、該U字状部(4a)の両側部に形成された上位水平部(4b)(4c)とより構成し、前記U字状部(4a)の両側に形成された上位水平部(4b)(4c)の中、一側部の上位水平部(4b)と該一側部に隣接する雨水受けパン(4)の他側部の上位水平部(4c)とを前記母屋(2)の上面に重ねて配置して前記一側部の上位水平部(4b)と該一側部に隣接する雨水受けパン(4)の前記他側部の上位水平部(4c)とを前記母屋(2)に取り付けたものである。
また本発明は、前記雨水受けパン(4)のU字状部(4a)に、グラスウールなどの断熱材(6)を充填配置したものである。
また本発明は、前記複数の屋根板(18)の接合工法を、V字状に屈折させた縁部(18a)(18b)を互いに係合させて互いに接合する一文字葺きとしたものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を添付した図面を参照して詳細に説明する。
(2)は、C型鋼などの鋼材から成る母屋であり、複数並列に配置され建物の、鉄骨梁などに支承されている。
【0006】
各々の母屋(2)は、雨水の流れる方向に平行に配置され、所定の緩勾配を有している。(4)はステンレスなどの長尺金属板から成る雨水受けパンであり、長尺のU字状部(4a)と、このU字状部(4a)の両側部に形成された帯状の上位水平部(4b)(4c)と、一方側の上位水平部(4b)にこれに対して下向き直角に屈折形成された帯状の垂直部(4d)とから構成され、該雨水受けパン(4)は複数用意されている。
【0007】
前記U字状部(4a)の底部の横幅は、母屋(2)の対向間隔よりも若干せまく設定されている。各雨水受けパン(4)のU字状部(4a)は、母屋(2)と母屋(2)との間の空間部に配置され、各パン(4)の一側部の上位水平部(4c)は、母屋(2)の上面にビスにより固定されている。
【0008】
各雨水受けパン(4)の他側部の上位水平部(4b)は、隣接する雨水受けパン(4)の上位水平部(4c)の上から、該上位水平部(4c)が固定されている母屋(2)の上面に載置され、該上位水平部(4d)に屈折形成された垂直部(4d)は、隣接するパン(4)のU字状部(4a)の側壁部(4a’)の内壁面に合接している。
【0009】
前記雨水受けパン(4)のU字状部(4a)には、長手方向の全長にわたって、厚板状のグラスウール、あるいは発泡ウレタンフォームなどから成る断熱材(6)が充填されている。前記各雨水受けパン(4)の軒先側の端部には排水穴(8)が形成され、これらの各排水穴(8)は、パン(4)の下側に配設された排水樋(10)に連通している。
【0010】
前記雨水受けパン(4)の上には、板状の発泡ウレタンフォームから成る断熱材(12)が敷設され、その上に硬質木片セメント版から成る野地板(14)が載置されている。該野地板(14)の上面には、ゴムアスファルトルーフィングから成る防水シート(16)が敷設され、この防水シート(16)の上からカラーステンレスから成る複数の屋根板(18)が、一文字葺き工法によって、野地板(14)上に取り付け配置されている。
【0011】
前記一文字葺き工法は、図(4)に示すように、それぞれの屋根板(18)の縁部(18a)(18b)がV字状に屈折され、一対の屋根板(18)(18)の縁部(18a)(18b)が互いに係合している。図中、(20)はH型鋼から成る梁、(22)は、各母屋(2)に対して、軒先に直角に配置された母屋、(24)は樋である。
【0012】
上記した構成において、一文字葺き工法で葺かれた屋根板(18)(18)のつぎ目などから浸入した雨水は、防水シート(16)の破れた部分を伝い、更に野地板(14)の隙間及びその下の断熱材(12)の隙間を通って雨水受けパン(4)に達し、この雨水受けパン(4)に案内されて、排水樋(10)に導かれる。
【0013】
【発明の効果】
本発明は、上述の如く鉄骨の上の下地構造に、屋根板を取り付けた屋根において、雨水受けパンを設け、該雨水受けパンと屋根板とにより二重防水構造としたので、鉄骨建造物の雨漏を効果的に防止することができ、しかも、雨水受けパンに、断熱材を充填することにより屋根の断熱効果を高め、結露などを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の断面図である。
【図2】本発明の側面図である。
【図3】雨水受けパンの断面図である。
【図4】一文字葺き工法の説明図である。
【符号の説明】
2 母屋
4 雨水受けパン
4a U字状部
4b 上位水平部
4c 上位水平部
4d 垂直部
4a’ 側壁部
6 断熱材
8 排水穴
10 排水樋
12 断熱材
14 野地板
16 防水シート
18 屋根板
18a 縁部
18b 縁部
20 梁
22 母屋
24 樋
Claims (3)
- 所定間隔を在して並列に支持された複数の鋼材によって母屋(2)を構成し、該母屋(2)のうえに下地材を介して複数の金属製の屋根板(18)を接合配置した屋根において、前記母屋(2)間に金属板から成る雨水受けパン(4)を架設し、前記屋根板(18)の下側に浸入した雨水を、前記雨水受けパン(4)で受けるようにし、前記複数の母屋(2)間の前記各雨水受けパン(4)を、長手方向全長に亘って形成された雨水を受ける長尺状のU字状部(4a)と、該U字状部(4a)の両側部に形成された上位水平部(4b)(4c)とより構成し、前記U字状部(4a)の両側に形成された上位水平部(4b)(4c)の中、一側部の上位水平部(4b)と該一側部に隣接する雨水受けパン(4)の他側部の上位水平部(4c)とを前記母屋(2)の上面に重ねて配置して前記一側部の上位水平部(4b)と該一側部に隣接する雨水受けパン(4)の前記他側部の上位水平部(4c)とを前記母屋(2)に取り付けたことを特徴とする屋根。
- 前記雨水受けパン(4)のU字状部(4a)に、グラスウールなどの断熱材(6)を充填配置したことを特徴とする「請求項1」に記載の屋根。
- 前記複数の屋根板(18)の接合工法を、V字状に屈折させた縁部(18a)(18b)を互いに係合させて互いに接合する一文字葺きとしたことを特徴とする「請求項1」に記載の屋根。
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