JP4152196B2 - 平面多導体の接続方法、該接続方法で接続される部分を含む電気電子部品、該接続方法で接続される平面多導体、および、平面多導体の接続システム - Google Patents

平面多導体の接続方法、該接続方法で接続される部分を含む電気電子部品、該接続方法で接続される平面多導体、および、平面多導体の接続システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の導体を略平らな部材に整列配置して成る平面多導体の接続方法、その方法で接続される部分を含む電気電子機器、その方法で接続される平面多導体、および、接続システムに関する。
なお、平面多導体にはプリント基板一般(リジッド基板、フレキシブル基板)や成形体表面に回路を直接設けたもの等がある。
【0002】
【従来の技術】
電気電子部品の内部で複数の導体を部材に整列配置した平面多導体を他の平面多導体と接続することが行われている。例えば、各種電子部品を実装した基板を他の基板と接続する場合には、一方と他方の基板にそれぞれ平面多導体を形成し、これらにフレキシブルな平面多導体の2つの端部のそれぞれを重ね合わせて接続することが行われている。
【0003】
このような平面多導体の接続には、半田付け、異方性導電接着剤(以下、ACFという)、押圧接続、コネクタによる接続等が考えられる。しかしながら、年々、導体の幅と間隔が細くなり、最近では数十μmの幅の導体を数十μmの間隔で配置することも珍しくない。このように細かくなってくると、押圧接続、コネクタによる接続は到底利用できず、半田付けやACFでおこなわれることが多い。
【0004】
ところが、半田付けの方法は、基板に電子部品を取り付ける実装工程での温度に耐えられないという問題がある。というのは、実装工程では各種電子部品の取り付けのために半田付け作業がおこなわれ、その結果、導体が取り付けられている基板やバッキングフィルム等は260℃程度まで上昇せしめられるからである。そこで、最も温度が高くなる実装作業を先におこない、その後に、接続作業をおこなうことがおこなわれてきた。そのために、基板等には接続作業のために部品の実装されていない領域を確保しておくことが必要となり、その結果、実装密度が低下していた。
【0005】
またACFによる方法は、もともと樹脂内の導電性粒子で導通を得るものであるので、抵抗が多く、細くなると、充分な量の導電性粒子が確保されなくなり安定した導通が得られなかったり抵抗が大きくなるという問題がある。
【0006】
そこで、特許文献1(特開昭62−184788号公報)に記載されているように、対向する導体を圧着により絶縁性の接着剤を貫通させて接続させる方法が開発されている。しかし、この方法では導通は導体間の金属結合はなく衝撃、湿度等により導通が変化する可能性がある。
また、特許文献2(国際公開WO0220686号公報)には、表面、および、裏面を有するシート状の導電層と導電層の表面上に設けられた接着層とを有し、導電層には表面方向に隆起させた突起部が形成されており、接着層が熱硬化樹脂で成り、接着層が被着体に加熱圧着されると導電層の突起部が接着層を貫通して被着体と接触する熱硬化型導電性接着シート、および、それを用いた接続構造、および、接続方法が記載されている。しかしながら、同公報には、具体的な接続の条件の記載がなく、接続の最適化がなされていない。
【0007】
【特許文献1】
特開昭62−184788号公報
【特許文献2】
国際公開WO0220686号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題に鑑み、細密化された平面多導体を確実に接続できる接続方法を提供することを目的とする。
また、上記の接続方法に関連して、この接続方法で接続される電気電子機器、平面多導体、および、接続システムを提供することも本発明の目的である。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明によれば、回路基板における一対の、複数の導体を略平らな部材に整列配置して成る平面多導体の、対応する導体を、重ね合わせにより、接続する方法であって、
一対の平面多導体の、少なくとも一方の、重ね合わせ領域にある導体の上に、導体よりも低い温度で溶融する低融点金属を付着し、
低融点金属を付着した導体に型を用いて複数の凹所を形成し、
一対の平面多導体の、少なくとも一方の、導体を含む重ね合わせ領域に熱硬化性接着剤を付着し、
対応する導体を位置合せしてから重ね合わせ領域を加熱圧着し、複数の凹所が形成された導体の溶融した低融点金属で対応する導体をブリッジ結合するとともに導体以外の重ね合わせ領域を前記熱硬化性接着剤で接合することを特徴とする方法が提供される。
このような方法では、一対の平面多導体の重ね合わせ領域において、導体同士は金属結合で接合され、そのまわりは熱硬化性接着剤で接合されるので、非常に強固な接続が実現できる。
なお、重ね合わせ領域とは、例えば、図13に示されているように、一対の平面多導体が重ねられる領域を意味する。
【0010】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、接着剤は、常温で粘着性を有さず、低融点金属の融点より低い温度で微少時間加熱して粘着性を発揮し、低融点金属の融点まで加熱されても発泡しない熱硬化性の接着剤とされる。
ここで、常温とは、概ね10〜30℃の温度をいい、粘着性を有さないとは、接着剤に触れても接着剤が着かない、粘つきのない状態をいう。
【0011】
請求項3の発明では、請求項2の発明において、低融点金属の融点より低い第1の加熱温度で微少時間加熱して接着剤に粘着性を発揮せしめながら第1の加圧力で一対の平面多導体の少なくとも一方を他方に軽く押し当てる第1加熱圧着と、第1の加熱温度より高い第2の加熱温度まで加熱し一対の平面多導体の少なくとも一方を他方に第2の加圧力で強く押し当てる第2加熱圧着とを含む、加熱圧着が行われる。
ここで、第1の加熱温度は約80〜150℃であり、微少時間とは例えば1〜10秒程度であり、第1の加圧力の大きさは、概ね、数十〜数百kPaであり、第2の加熱温度は約100〜350℃であり、第2の加圧力の大きさは、概ね、数十〜数千kPaである。
請求項4の発明では、請求項2の発明において、エポキシ系接着剤に25−90重量部の10μm以下の径の有機物粒子を加えて発泡を抑制し、請求項5の発明では、カプロラクトン変性のエポキシ系接着剤を混合して常温で粘着性を有さないが微少時間の加熱により粘着性を発揮せしめるようにされている。
また、請求項6に発明では接着剤はフラックス成分を含むようにされる。
【0013】
請求項の発明によれば、請求項1〜6の何れか一に記載の方法で接続される部分を含む電気電子機器が提供される。
【0014】
請求項8の発明によれば、請求項1〜6の何れか一に記載の方法で接続される平面多導体が提供される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
複数の導体を略平らな部材に整列配置して成る平面多導体には色々なものがある。例えば、電子部品を実装する硬質の基板に直接に導体を整列配置したリジッド平面多導体や、可撓性のフィルムに導体を整列配置したフレキシブル平面多導体等がある。フレキシブル平面多導体には、所謂フレキシブル基板を含む。
以下においては、リジッド平面多導体とフレキシブル平面多導体を接続する場合を例にとって説明する。
【0016】
図1の最上段に示されているのはフレキシブル平面多導体10とリジッド平面多導体20であって、フレキシブル平面多導体10は可撓性の樹脂製フィルム11の上に銅合金製の複数の導体12を所定間隔で整列配置して形成され、リジッド平面多導体20は硬質の樹脂製基板21の上に複数の銅合金製の導体22を所定間隔で整列配置して形成されている。上記の導体12、22の配置は、例えば、フォトリソグラフィ法等でおこなわれる。
導体12、22の高さは5〜250μm、導体12と導体22の幅は等しくされ数十μm、間隔も数十μmとされている。なお、図は適宜誇張して示してある。
【0017】
フレキシブル平面多導体10とリジッド平面多導体20は図1の中段に示されている低融点金属のメッキ槽30に浸漬され、導体12と導体22の表面にはそれぞれ低融点金属のメッキ層13、23が付着される。メッキ層13、23の厚さは約20μmである。
図1の下段に示されているのは、低融点金属のメッキ層13、23が付着されたフレキシブル平面多導体10とリジッド平面多導体20である。
なお、上記では所謂どぶ付けメッキ法を用いる例を示したが、その他のメッキ法、例えば、電解メッキ法、無電解メッキ法を用いることもできる。
【0018】
低融点金属としては、例えば、以下の合金が使用される。
錫−鉛系合金(融点:約183〜320℃)
鉛−錫−アンチモン系合金(融点:約185℃)
錫−アンチモン系合金(融点:約235℃)
錫−鉛−ビスマス系合金(融点:約135〜180℃)
ビスマス−錫系合金(融点:約138℃)
錫−銅系合金(融点:約230℃)
錫−鉛−銅系合金(融点:約183℃)
錫−インジウム系合金(融点:約110℃)
錫−銀系合金(融点:約221℃)
錫−鉛−銀系合金(融点:約178〜309℃)
鉛−銀系合金(融点:約304℃)
金−錫系合金(融点:約280〜370℃)
錫−銀−銅系合金(融点:約200〜380℃)
錫−亜鉛系合金(融点:約198℃)
【0019】
次に、低融点金属が付着されたフレキシブル平面多導体10の導体12に凹凸14が形成される。これは後段において実施されるフレキシブル平面多導体10の導体12とリジッド平面多導体20の導体22の接合を確実なものにするためのものである。図2はこのフレキシブル平面多導体10への凹凸14の形成を説明する図であって、図1の下段の状態にされたフレキシブル平面多導体10が半円柱状の突起41が並んだ型40に押し付けられる。図3は上記のようにして凹凸14が形成されたフレキシブル平面多導体10を示す図である。
【0020】
ここで凹凸14の寸法について図4を参照して説明する。
凹凸14の凹部の幅Rは導体高さH×(0.5〜10)であって、H=20μmとすると10〜200μm、
凹凸14の凹部の深さDは導体高さH×(0.2〜0.8)であって、H=20μmとすると5〜100μm、
凹凸14の凹部の間の間隔Lは導体高さH×(0.5〜10)であって、H=20μmとすると10〜200μm、となる。
なお、図2、3、4では低融点金属のメッキ層13は省略してある。
【0021】
そして、上記のような低融点金属が付着された導体が領域内に含まれる重ね合わせ領域の重ね合わせ面に接着剤を付着する。 この本発明における接着剤には色々な特性が要求されるので、以下、その要求される特性について考察する。
まず、フレキシブル平面多導体10とリジッド平面多導体20の対応する導体が重なるように位置合わせがおこなわれる。この時に接着剤が粘着性を有していると誤った位置合わせをした場合の修正のために両者を分離させる手間がかかる。したがって、位置合わせをおこなう環境、すなわち常温においては粘着性がないことが必要である。
【0022】
次に、位置合せされたフレキシブル平面多導体10とリジッド平面多導体20の位置がずれないように仮接着する必要がある。そこで、短時間の加熱で粘着性が発現される特性を有することが要求される。
【0023】
ついで、加熱圧着がおこなわれ、加熱しながら、フレキシブル平面多導体10とリジッド平面多導体20の一方が他方に押し付けられ、低融点金属を溶融して金属接合が形成される。したがって、加熱によって気泡が発生すると、金属接合の妨害や破壊されたり、高湿度下で水分が気泡内に再凝集することによるショートの発生、金属部の酸化などが発生する可能性がある。したがって、加熱されても気泡を発生しないことが求められる。
【0024】
一方、加熱圧着の初期状態、すなわち、低融点金属が溶融しない温度状態においては、基板21あるいはフィルム11から突起している導体が接着剤の層内を進行可能で、溶融する前に導体どうしを接触せしめることが必要である。すなわち、この状態では、低融点金属は接着剤よりも大きな硬度を有していなければならない。この条件がみたされないと金属接続が実現できない。
【0025】
本発明では、エポキシ樹脂をベースとした接着剤に25−90重量部の有機物粒子を加えることで発泡性の抑制と貫通性を備える樹脂を得ることができた。
このような樹脂は塑性流動性を示す。すなわち、降伏応力を超える応力が作用すると流動するが、降伏応力以下の外力に対しては弾性変形する。このような性質を有する樹脂は比較的高い圧力で導体の突起を押し当てた場合、樹脂が流動して導体の貫通を可能ならしめるが、比較的低い圧力で気体の圧力が作用した場合は樹脂が流動して気泡は殆ど発生しない。
【0026】
エポキシ樹脂は、ビスフェノールAタイプ、ビスフェノールFタイプ、フェノールノボラックタイプ、クレゾールノボラックタイプのエポキシ樹脂、または、脂肪族エポキシ樹脂である。
また、添加される有機粒子は、アクリル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、スチレン−ブタジエン−アクリル系樹脂、メラミン樹脂、メラミン−イソシアヌレート付加物、ポリイミド、シリコーン樹脂、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリベンゾイミダゾール、ポリアリレート、液晶ポリマー、オレフィン系樹脂、エチレン−アクリル共重合体などの粒子が使用され、そのサイズは、10μm以下、好ましくは5μm以下とされる。
また、好ましくは、エポキシ樹脂と有機粒子との相溶性を高めるために、官能反応基が混入される。
【0027】
そして、前述した、仮接着性を満たすために、接着剤はカプロラクトン変性エポキシ樹脂が追加される。
また、さらに、ロジンベースや、その他の、有機酸系のフラックス剤を添加してもよい。このようなフラックス剤を添加することで回路表面が酸化されている場合でも容易に接続することができる。
【0028】
図5は上記のような接着剤を得るために各種材料を混合するところを模式的に示したものである。図5において参照番号90で示されるのは接着剤調製手段としてのミキサーであって、ミキサー90はモータ91で駆動される。
上述のようにして得た接着剤がフレキシブル平面多導体10の表面に付着されるが、接着剤はドライフィルムにして熱ラミネートしてもよいし、液状のまま塗布してもよい。また、接着剤の付着範囲は導体のある範囲に限定する必要はなく、その周囲に及んでも何等問題はない。
【0029】
図6はドライフィルムにした接着剤を80〜120℃で熱ラミネートしたフレキシブル平面多導体10を示す図であって、(A)は導体12の軸方向から見た図であり、(B)は導体12の軸線に直角な方向から見た図である。参照符号15で示されるのが接着剤層である。接着剤15の厚さは、導体の高さの0.2〜2.5倍とされ、約5〜200μm、好ましくは10〜50μm、より好ましくは10〜20μmとされる。
図7はドライフィルムにした接着剤をフレキシブル平面多導体10に熱ラミネートするローララミネータ50を示す図であり、一対のローラ51を有し、図示しない加熱装置を含んでいる。
【0030】
接着剤が付着されたフレキシブル平面多導体10は図8に示されるように顕微鏡60を使用して位置合わせがおこなわれる。この実施の形態ではフレキシブル平面多導体10は図9に示されるように接着剤層15を下にして、リジッド平面多導体20の上に移動せしめられ、フレキシブル平面多導体10の導体12とリジッド平面多導体20の導体22が、それぞれ、対応するもの同士が同じ場所にくるように位置合せされる。この位置合わせは常温下でおこなわれるが接着剤は常温では粘着性を有さない性質を有しているのでベトつくことがなくスムースにおこなうことができる。
【0031】
位置合わせがおわったらば、例えば、図10に示すようなコテ70で120℃×1秒程度の微加熱をおこなう。すると、接着剤は粘着性を発揮し、位置合せされたフレキシブル平面多導体10とリジッド平面多導体20は仮接着され相互移動はおきない。
【0032】
上記のように仮接着されたフレキシブル平面多導体10とリジッド平面多導体20はより本格的な圧着(本圧着)がされる。図11は本圧着された状態を説明する図であって、ボンダ80により加熱圧着がされる。その結果、フレキシブル平面多導体10とリジッド平面多導体20の低融点金属は溶融して金属結合を形成し、フレキシブル平面多導体10の導体11とリジッド平面多導体20の導体21が強く接合される。そして、接着剤が隙間をうめる。加熱条件は導体にメッキされた低融点金属の溶融温度に左右されるが、概ね(100〜350℃)×(0.1〜30秒)である。また、加圧力は2×102〜10×102kPa程度である。
そして、ポストキュア(あと硬化処理)が低融点金属の溶融温度以下の温度で約2時間ほどおこなわれる。
【0033】
ここで、リペア、すなわち、位置ずれ等の失敗品ができた場合等の修復方法について説明する。
このような場合は、硬化した接着剤を有機溶剤で膨潤させたのちに加熱することによって接続を解除することができる。溶剤としてはTHF(テトラヒドロフラン)、酢酸エステル、ケトン、アルコール等を使用することができる。
【0034】
以下、フレキシブル平面多導体とリジッド平面多導体の接続の具体例とその性能試験結果について説明するである。
【0035】
リジッド平面多導体はFR−4(0.4mm)で、導体数は50本(導体幅100μm、間隔100μm)であって、導体表面に錫/銀/銅=95.8/3.5/0.7の低融点合金が付着されている。
【0036】
フレキシブル平面多導体はデュポン製のBase film(カプトン)で、導体数は50本(導体幅100μm、間隔100μm)であって、導体表面に無電解の錫メッキがされている。
そして、フレキシブル平面多導体の導体上に金型プレス(ピッチ200μm、高さ30μmの線状突起を有する)を加圧力1トンで、線状突起と導体を直交させて加圧して凹凸を形成した。
【0037】
接着剤は、
フェノキシ樹脂(30): YP50S、東都化成製、数平均分子量11,800、
エポキシ樹脂(34): DERTM332、ダウ・ケミカル日本製、エポキシ当量174、
ポリカプロラクトン変性エポキシ樹脂(30): プラクセルTMG402、ダイセル化学工業製、
官能基を有するアクリル粒子(80): EXL2314、KUREHA PARALOIDTM EXL、呉羽化学工業製、
ジシアンジアミド(2.9): CG−NA、PTIジャパン製
メラミン/イソシアヌル酸付加物(20): MC−600、日産化学工業製を、メチルアルコール(40)とテトラヒドロフラン(550)から成る溶剤で溶かして、室温で攪拌して生成した。
なお、括弧内の数値は混合比率を示すための値で重量部で表わしてある。
【0038】
生成した接着剤を、シリコン処理したPETフィルム上にコーティングし、100℃のオーブン中で30分乾燥し、厚さ20μmのフィルムを得、それを上記の凹凸完成後のフィルム上平面多導体の上に置き100℃で加熱しながらラミネートした。
【0039】
図12に示すのは上記の接着剤の120℃におけるせん断力とせん断速度の関係を示す図であって、通常のニュートン粘性の場合は、せん断力とせん断速度の関係は原点を通る直線であるが、図示されるように、この接着剤はせん断速度が0(ゼロ)の場合でも約4000MPaのせん断応力を有しており、この値が塑性流動の降伏応力と見なすことができる。
【0040】
そして、リジッド平面多導体とフレキシブル平面多導体を位置合せした後に、約100℃/約1秒で仮接着した後に、日本アビオニクス製の型式TCW−215/NA−66のボンダで、150℃/9秒+270℃/9秒で加熱して本接着をおこない、150℃/2時間のポストキュア(あと硬化処理)をおこなった。
【0041】
上記のように接続した部分をカットして電子顕微鏡で観察したところ、気泡の存在はみとめられなかった。
また、リジッド平面多導体とフレキシブル平面多導体のすべての対応する導体どうしが1Ω以下の抵抗で接続されていることが確認された。
さらに、各種環境試験後も接続抵抗には殆ど変化がなく、良好に接続されていることが確認された。
【0042】
以下に示すのはその結果である。
(1)ヒートサイクル試験:
[−55℃/30分+25℃/1分+85℃/30分]×200サイクル
試験前の抵抗: 0.602Ω
試験後の抵抗: 0.605Ω
【0043】
(2)湿−熱エージング試験:
85℃/85%RH ×168時間
試験前の抵抗: 0.636Ω
試験後の抵抗: 0.636Ω
【0044】
(3)耐熱試験:
25℃−280℃を30℃/分で加熱・冷却を3サイクル
試験前の抵抗: 0.464Ω
試験後の抵抗: 0.474Ω
【0045】
図13は、携帯電話100の内部において、2つのリジッド平面多導体20を1つのフレキシブル平面多導体10で連結している様子を示す図である。
【0046】
【発明の効果】
請求項1の発明は、回路基板における一対の、複数の導体を略平らな部材に整列配置して成る平面多導体の、対応する導体を、重ね合わせにより、接続する方法であるが、
一対の平面多導体の、少なくとも一方の、重ね合わせ領域にある導体の上に、導体よりも低い温度で溶融する低融点金属を付着し、低融点金属を付着した導体に型を用いて複数の凹所を形成し、一対の平面多導体の、少なくとも一方の、導体を含む重ね合わせ領域に熱硬化性接着剤を付着し、対応する導体を位置合せしてから重ね合わせ領域を加熱圧着し、複数の凹所が形成された導体の溶融した低融点金属で対応する導体をブリッジ結合するとともに導体以外の重ね合わせ領域を前記熱硬化性接着剤で接合することを特徴としている。
したがって、一対の平面多導体の重ね合わせ領域において、導体同士は金属結合で接合され、そのまわりは熱硬化性接着剤で接合されるので、非常に強固な接続が実現できる。
【0047】
請求項3の発明のように、接着剤が、常温で粘着性を有さず、低融点金属の融点より低い温度で微少時間加熱して粘着性を発揮し、低融点金属の融点まで加熱されても発泡しない熱硬化性の接着剤とされ、低融点金属の融点より低い第1の加熱温度で微少時間加熱して接着剤に粘着性を発揮せしめながら第1の加圧力で一対の平面多導体の少なくとも一方を他方に軽く押し当てる第1加熱圧着と、第1の加熱温度より高い第2の加熱温度まで加熱し、第1の加圧力よりも大きい第2の加圧力で一対の平面多導体の少なくとも一方を他方に強く押し当てる第2加熱圧着とを含む、加熱圧着が行えば、常温での位置合せが粘着性のない状態で実行でき、かつ、第1加熱圧着で仮接着できるので、途中工程までの作り貯めができ効率よく作業できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】フレキシブル平面多導体とリジッド平面多導体の導体におこなわれる低融点金属のメッキを説明する図である。
【図2】型でフレキシブル平面多導体の導体に凹凸を形成するのを説明する図である。
【図3】型で凹凸が形成されたフレキシブル平面多導体の導体を説明する図である。
【図4】導体に形成される凹凸の寸法を説明するための図である。
【図5】接着剤の調製を説明する図である。
【図6】接着剤をラミネート付着したフレキシブル平面多導体を示す図であって、(A)は導体の軸方向から見た図であり、(B)は導体の軸に直角な方向から見た図である。
【図7】ローララミネータを示す図である。
【図8】顕微鏡による位置合わせを説明する図である。
【図9】フレキシブル平面多導体とリジッド平面多導体を位置合せした状態を示す図である。
【図10】仮接着に使用するコテを示す図である。
【図11】本接着を説明する図である。
【図12】本発明の実施の形態における接着剤のせん断速度とせん断応力の関係を示す図である。
【図13】携帯電話の内部において本発明により2つのリジッド平面多導体を1つのフレキシブル平面多導体を介して結合している様子を示す図である。
【符号の説明】
10…フレキシブル平面多導体
11…フィルム
12…導体
13…低融点金属のメッキ層
14…凹凸
15…接着剤層
20…リジッド平面多導体
21…基板
22…導体
23…低融点金属のメッキ層
30…メッキ槽
40…型
50…ローララミネータ
60…顕微鏡
70…コテ
80…ボンダ
90…ミキサ
100…携帯電話

Claims (9)

  1. 回路基板における、一対の、複数の導体を略平らな部材に整列配置して成る平面多導体の、対応する導体を、重ね合わせにより、接続する方法であって、
    一対の平面多導体の、少なくとも一方の、重ね合わせ領域にある導体の上に、導体よりも低い温度で溶融する低融点金属を付着し、
    低融点金属を付着した導体に型を用いて複数の凹所を形成し、
    一対の平面多導体の、少なくとも一方の、導体を含む重ね合わせ領域に熱硬化性接着剤を付着し、
    対応する導体を位置合せしてから重ね合わせ領域を加熱圧着し、複数の凹所が形成された導体の溶融した低融点金属で対応する導体をブリッジ結合するとともに導体以外の重ね合わせ領域を前記熱硬化性接着剤で接合することを特徴とする方法。
  2. 接着剤は、常温で粘着性を有さず、低融点金属の融点より低い温度で微少時間加熱して粘着性を発揮し、低融点金属の融点まで加熱されても発泡しない熱硬化性の接着剤である、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 加熱圧着は、低融点金属の融点より低い第1の加熱温度で微少時間加熱して接着剤に粘着性を発揮せしめながら第1の加圧力で一対の平面多導体の少なくとも一方を他方に軽く押し当てる第1加熱圧着と、
    第1の加熱温度より高い第2の加熱温度まで加熱し、一対の平面多導体の少なくとも一方を他方に第2の加圧力で強く押し当てる第2加熱圧着とを含む、ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. 接着剤がエポキシ系接着剤に25−90重量部の10μm以下の径の有機物粒子を加えて発泡を抑制している、ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
  5. 接着剤がカプロラクトン変性のエポキシ系接着剤を混合して微少時間の加熱で接着剤に粘着性を発揮せしめる、ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
  6. 接着剤がフラックス成分を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一に記載の方法。
  7. 重ね合わせの前に一対の平面多導体の一方を凹凸化することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一に記載の方法。
  8. 請求項1〜6の何れか一に記載の方法で接続される部分を含む電気電子機器。
  9. 請求項1〜6の何れか一に記載の方法で接続される平面多導体。
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