JP4152033B2 - フィルム貼付装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、金属缶、ボトル、瓶等の被貼付体に接着性フィルムを貼り付けるフィルム貼付方法及びフィルム貼付装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
アルミ缶やスチール缶等の金属缶の胴部外周面にフィルムを貼り付けるフィルム貼付装置としては、図9に示すようなラベリング装置がある。このラベリング装置70は、合成樹脂フィルムからなる長尺帯状のラベル形成基材Mを所定長に切断することでラベルLを形成すると共に受渡位置αまで搬送するロータリカッタ71a及び切断搬送ロール71bからなる切断搬送手段71と、この切断搬送手段71によって受渡位置αまで搬送されたラベルLを、受渡位置αにおいて受け取り、外周面に吸引保持した状態でラベルLの貼付位置βまで搬送する貼付ドラム72と、缶供給位置γにおいて供給される金属缶Cを嵌挿した状態で、缶供給位置γから貼付位置βを通過して缶排出位置δまで金属缶Cを搬送するマンドレル73とを備えており、金属缶Cは、缶供給位置γから貼付位置βへの搬送途中で加熱されることにより、ラベルLに使用されている感熱接着剤の活性化温度以上の所定の貼付温度にまで昇温され、貼付位置βにおいて、昇温された金属缶Cを貼付ドラム72の外周面に吸引保持されたラベルLに接触させることによりラベルLを金属缶Cの胴部外周面に貼り付けるようになっている。
【0003】
前記マンドレル73は、同図に示すように、基本的には円軌道を循環移動するが、貼付位置βでは、図示しないカム機構によって、貼付ドラム72の外周面に沿うように案内され、嵌挿された金属缶Cを貼付ドラム72の外周面に吸引保持されたラベルLに押し付けた状態で所定の距離だけ移動させることで、ラベルLを金属缶Cの胴部外周面に貼り付けるようになっている。
【0004】
また、前記貼付ドラム72は、ラベルLを吸引保持する外周面がゴム等の弾性部材によって覆われており、金属缶Cが嵌挿されたマンドレル73が弾性部材に押し付けられた際に、その弾性部材が圧縮されることによってマンドレル73の移動経路が確保されると共に、圧縮された弾性部材の復元力(弾性力)によって所定の押付力が確保されるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このように貼付ドラム72の外周面を覆っている弾性部材の弾性力によって、金属缶Cに対するラベルLの押付力を確保するようなラベリング装置70では、弾性部材が金属缶C(マンドレル73)によって繰り返し押し付けられることで、摩耗や変形を起こしたり、初期の弾性力を維持することができなくなって、金属缶Cに対するラベルLの押付力が次第に低下し、金属缶Cに貼り付けられるラベルLに十分な接着強度を確保することができなくなるといった問題がある。
【0006】
特に、薄肉フィルムに熱硬化型の感熱接着剤を塗布したラベルを金属缶の胴部外周面に貼り付けるラベリング装置では、ラベルを金属缶に強固に接着させるために、金属缶を高温(例えば、80〜150℃)に加熱した状態で高い圧力でラベルに押し付ける必要があるので、貼付ドラムの外周面を覆っている弾性部材がダメージを受けやすく、上述したような問題が頻繁に発生することになる。
【0007】
そこで、この発明の課題は、貼付ドラムの外周面を覆っている弾性部材が金属缶等の被貼付体に繰り返し押し付けられることによって、摩耗や変形を起こしたり、初期の弾性力を維持することができなくなったような場合でも、十分な接着強度を保持した状態で被貼付体にフィルムを確実に貼り付けることのできるフィルム貼付装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段及びその効果】
上記の課題を解決するため、この発明は、接着性フィルムを、その接着面が外側を向くように、外周面に吸引保持した状態で貼付位置まで搬送する貼付ドラムと、前記貼付位置を通るように、被貼付体を移送する移送手段とを備え、前記移送手段は、前記被貼付体を揺動させる揺動機構と、前記貼付位置において、前記被貼付体を、前記貼付ドラムの外周面に沿わせるように案内する、前記揺動機構の揺動アームに取り付けられたカムフォロア及びそのカムフォロアが嵌り込むカム溝からなるカム機構と、前記貼付位置において、前記被貼付体が前記貼付ドラムの外周面に強制的に押し付けられるように、前記揺動アームを付勢する付勢手段とを有し、前記貼付位置において、前記被貼付体を前記貼付ドラムの外周面に吸引保持された前記接着性フィルムの接着面に押し当てながら、前記貼付ドラムの外周面に沿うように所定の距離だけ移動させることによって、前記被貼付体に前記接着性フィルムを貼り付けるようにしたことを特徴とするフィルム貼付装置を提供するものである。
【0009】
以上のように構成されたフィルム貼付装置では、貼付位置において、被貼付体が貼付ドラムの外周面側に付勢されるので、貼付ドラムの外周面がゴム等の弾性部材によって覆われており、その弾性部材が摩耗や変形を起こしたり、初期の弾性力を維持することができなくなったような場合でも、被貼付体が貼付ドラムの外周面に吸引保持されたフィルムの接着面に確実に押し付けられ、常に所定の接着強度でフィルムを被貼付体に貼り付けることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。図1に示すフィルム貼付装置の一態様であるラベリング装置1は、所定長さの感熱接着性ラベル(以下、ラベルという。)が連続的に繋がった長尺帯状のラベル形成基材Mを切断位置P1において順次切断することによって所定長さのラベルを形成しながら、そのラベルを、所定のラベル貼着位置P4に搬送されてくる、被貼付体としてのアルミニウム缶(以下、アルミ缶という。)Cの胴部外周面に巻き付けるようにして順次貼り付けていくものであり、前記ラベルは、厚さ9〜25μm程度の薄肉で腰のないポリエチレンテレフタレートフィルムに印刷を施し、熱硬化型樹脂からなる感熱接着剤を塗布したものである。
【0013】
このラベリング装置1は、図1、図2及び図5に示すように、ロール状に巻回された長尺のラベル形成基材Mを切断位置P1に連続的に供給する一対の送給ローラ10と、この送給ローラ10によって供給されるラベル形成基材Mを第1受渡位置P2に搬送しながら、切断位置P1において所定のカットピッチで順次切断することによってラベルLを形成する切断搬送手段20と、ラベル貼付位置P4においてアルミ缶Cの胴部外周面にラベルLを貼り付けるラベル貼付手段40と、前記切断搬送手段20によってラベル形成基材Mから切断されたラベルLを第1受渡位置P2において受け取って第2受渡位置P3においてラベル貼付手段40に引き渡す受渡ドラム30と、前記ラベル貼付手段40にアルミ缶Cを供給する缶供給手段50と、前記ラベル貼付手段40によってラベルLが貼り付けられたアルミ缶Cを排出する缶排出手段60とから構成されている。
【0014】
前記切断搬送手段20は、図2に示すように、外周面に切断刃21aが取り付けられたロータリカッタ21と、送給ローラ10によって供給されるラベル形成基材Mを外周面に吸引保持して第1受渡位置P2まで搬送すると共にロータリカッタ21との協働作用によってラベル形成基材Mを所定長に順次切断する切断搬送ロール22とから構成されている。
【0015】
前記切断搬送ロール22は、同図に示すように、図示しない駆動手段によって回転駆動されるロール本体23と、このロール本体23が摺動可能に接触する固定部とから構成されており、前記ロール本体23の外周面には、その周方向に一定間隔で複数の貫通孔23aが形成されていると共に、固定部には、ロール本体23との接触面に、切断位置P1から第1受渡位置P2の手前までの間で前記貫通孔23aに連通する、図示しない吸引手段に接続された吸引溝24aと、第1受渡位置P2で前記貫通孔23aに連通する、図示しない吐出手段に接続された吐出溝24bとが形成されている。
【0016】
従って、切断位置P1に供給されるラベル形成基材Mは、吸引溝24aの吸引作用によって、回転(自転)するロール本体23の外周面に吸引保持された状態で第1受渡位置P2まで搬送される。ラベル形成基材Mが第1受渡位置P2に到達すると、貫通孔23aは吸引溝24aとの連通が遮断された後に吐出溝24bに連通されるので、吸引が一旦解除された後に、吐出溝24bの吐出作用によって、ロール本体23の外周面から空気が吐出され、ロール本体23の外周面に吸引保持されていたラベル形成基材Mがロール本体23から離反して後述する受渡ドラム30の外周面に強制的に押し当てられ、受渡ドラム30の外周面に吸引保持される。
【0017】
このようにしてラベル形成基材Mの先端部分が受渡ドラム30に引き渡された後に、ロータリカッタ21と切断搬送ロール22とによってラベル形成基材Mが切断されることでラベルLが形成され、形成されたラベルLが受渡ドラム30に引き渡される。
【0018】
前記受渡ドラム30は、図2に示すように、外周面が第1受渡位置P2において切断搬送ロール22の外周面に近接すると共に第2受渡位置P3において前記ラベル貼付手段40の貼付ドラム41の外周面に近接するように設置されており、切断搬送ロール22より大きな周速で切断搬送ロール22とは逆方向に回転(自転)するようになっている。
【0019】
この受渡ドラム30は、図示しない駆動手段によって回転駆動されるドラム本体31と、このドラム本体31が摺動可能に接触する固定部33とから構成されており、前記ドラム本体31の外周面には、テフロンコーティング等を施すことにより良好な滑り性を確保している。
【0020】
ラベル形成基材Mの先端部分が第1受渡位置P2において受渡ドラム30に引き渡された後、ラベル形成基材Mが切断されるまでの間は、切断搬送ロール22より周速の大きい受渡ドラム30によってラベル形成基材Mが引っ張られるが、この受渡ドラム30は、上述したように、その外周面が良好な滑り性を備えているため、受渡ドラム30の外周面に吸引保持されたラベル形成基材Mがその外周面上を容易に滑ることができる。従って、ラベル形成基材Mが受渡ドラム30に引き渡された後切断されるまでの間に、ラベル形成基材Mに過大なテンションがかかることがなく、形成されたラベルLにテンション皺が発生することもない。
【0021】
前記ドラム本体31には、その外周面に開放される多数の貫通孔32が外周面の周方向及び幅方向に一定間隔で整列するように形成されており、幅方向の各孔列を構成する複数の貫通孔32が相互に連通された状態で、前記固定部33との接触面に開放されている。
【0022】
前記貫通孔32は、図3に示すように、第1受渡位置P2において引き渡されるラベル形成基材M(ラベルL)の先端部分と接触する位置に対応するように形成された吸引吐出孔32aと、それ以外の位置に形成された吸引孔32bとから構成されており、前記吸引吐出孔32aは、ドラム本体31の径方向に対してドラム本体31の移動方向前方側(ラベルLの移動方向前方側)に30度傾斜した状態で形成されていると共に、前記吸引孔32bはドラム本体31の径方向に沿うように形成されている。
【0023】
前記固定部33には、ドラム本体31との接触面に、第1受渡位置P2から第2受渡位置P3の手前までの間で前記吸引吐出孔32a及び吸引孔32bに連通する吸引溝33aと、第2受渡位置P3で吸引吐出孔32aにのみ連通する吐出溝33bとが形成されており、この吸引溝33a及び吐出溝33bはそれぞれ図示しない吸引手段及び吐出手段に接続されている。
【0024】
従って、第1受渡位置P2において切断搬送手段20から引き渡されたラベルLは、吸引溝33aの吸引作用によってドラム本体31の外周面に吸引保持された状態で第2受渡位置P3まで搬送されるが、第2受渡位置P3では吸引が一旦解除され、上述したように、吸引吐出孔32aが吐出溝33bに連通することで、吸引吐出孔32aを介してドラム本体31の外周面から空気が吐出される。これによって、ドラム本体31の外周面に吸引保持されていたラベルLの先端部が外周面から離反して強制的に貼付ドラムの外周面に押し当てられることになる。
【0025】
吸引吐出孔32aは、上述したように、ドラム本体31の移動方向前方側に30度傾いた状態で形成されているので、第2受渡位置P3において吐出される空気は、図4に示すように、ラベルLの移動方向前方側に向かって吐出されることになる。従って、同図に示すように、ラベルLに吹き付けられた空気がラベルLの移動方向後方側に回り込みにくくなり、受け渡そうとするラベルLが薄肉で腰のないラベルであっても、受け渡しの際にラベルLの先端部が弛んだ状態とならず、受渡ドラム30の外周面と貼付ドラム41の外周面とを結ぶ直線上を通過するようにラベルLの受け渡しが行われる。これによって、ラベルLが貼付ドラム41の所定位置に確実に受け渡されると共に受け渡されたラベルLの先端部が部分的に浮き上がった状態で吸引保持されることもない。
【0026】
なお、このラベリング装置1では、吸引吐出孔32aの形成角度(空気の吐出角度)を受渡ドラム30の径方向に対して30度に設定してあるが、その形成角度(空気の吐出角度)は20〜60度、より好ましくは30〜45度の範囲内で適宜設定すればよい。形成角度が20度より小さいとたるみ防止効果が発揮されず、形成角度が60度より大きいとラベルLを貼付ドラム41に円滑に引き渡すことができないからである。
【0027】
また、このラベリング装置1では、ラベルLの先端部分についてのみ空気を吹き付けるようにしているが、ラベルLの先端から後端までの全長にわたって空気を吹き付けるようにすることも可能である。但し、その場合は、ラベルLの先端部分に対応する貫通孔32だけではなく、全ての貫通孔32を受渡ドラム30の径方向に対してラベルLの移動方向の前方側に傾けておくことが望ましい。
【0028】
前記ラベル貼付手段40は、図1及び図5に示すように、第2受渡位置P3において受け渡されたラベルLを外周面に吸引保持して貼付位置P4まで搬送する貼付ドラム41と、この貼付ドラム41による搬送途中でラベルLを予備的に加熱するために貼付ドラム41を加熱する輻射熱ヒータ(近赤外線ヒータ)42と、缶供給位置P5において前記缶供給手段50によって供給されたアルミ缶Cを、貼付位置P4を通過するように缶排出位置P6まで搬送する多数のマンドレル43と、各マンドレル43に対応してそれぞれ設けられた輻射熱ヒータ(遠赤外線ヒータ)44と、缶供給位置P5から貼付位置P4までの間に固定設置された輻射熱ヒータ(遠赤外線ヒータ)45と、貼付位置P4においてアルミ缶Cに貼り付けられたラベルLを再加圧するガイド部材46とから構成されている。
【0029】
前記貼付ドラム41は、上述した受渡ドラム30と同様に、図示しない駆動手段によって回転駆動されるドラム本体41a(図2参照)と、このドラム本体41aが摺動可能に接触する固定部(図示せず)とから構成されており、前記ドラム本体41aの外周面はゴム等の弾性部材によって覆われている。
【0030】
また、ドラム本体41aは、上述した受渡ドラム30と同様に、その外周面に開放される多数の吸引孔41bが外周面の周方向及び幅方向に一定間隔で整列するように形成されており(図2参照)、幅方向の各孔列を構成する複数の吸引孔41bが相互に連通した状態で、前記固定部との接触面に開放されている。
【0031】
前記固定部は、ドラム本体41aとの接触面に、第2受渡位置P3から貼付位置P4までの間で前記吸引孔41bに連通する吸引溝(図示せず)が形成されており、この吸引溝は図示しない吸引手段に接続されている。従って、第2受渡位置P3において受渡ドラム30から受け渡されたラベルLは、ドラム本体41aの外周面に吸引保持された状態で貼付位置P4まで搬送される。
【0032】
前記マンドレル43は、図5に示すように、図示しない駆動手段の回転駆動力によって、缶供給位置P5、貼付位置P4及び缶排出位置P6を通るような円軌道を自転しながら移動するようになっており、缶供給位置P5において嵌挿されたアルミ缶Cを貼付位置P4まで搬送し、貼付位置P4において、自転しているアルミ缶Cを貼付ドラム41の外周面に吸引保持されたラベルLに押し当てながら貼付ドラム41の外周面に沿って所定の距離だけ移動させることで、アルミ缶Cの胴部外周面にラベルLを貼り付けた後、アルミ缶Cを前記缶排出位置P6まで搬送するようになっている。
【0033】
前記マンドレル43は、図6及び図7(a)に示すように、図示しない駆動手段によって回転駆動される回転体に設けられた複数の支持部47に、それぞれ揺動機構48を介して取り付けられている。この揺動機構48は、支持部47に固定された支持アーム48aと、この支持アーム48aにベアリング48bを介して回転自在に支持された回転軸48cと、この回転軸48cに周り止めされた状態で固定された連結アーム48dと、この連結アーム48dにベアリング48eを介して回転自在に支持された支持軸48fとから構成されており、この支持軸48fの一端側にマンドレル43が取り付けられている。また、支持軸48fには、外周に配設された駆動ベルト48hに接触させることで支持軸48f(マンドレル43)を自転させるためのローラ48gが取り付けられている。
【0034】
前記回転体の外側には、図6に示すように、その外周を取り囲むように環状部材49aが配設されており、この環状部材49aには、図8に示すように、貼付位置P4において、貼付ドラム41の外周面に沿うように湾曲するカム溝49bが形成されている。また、回転軸48cには、図6及び図7(b)に示すように、揺動アーム49cが周り止めされた状態で取り付けられており、この揺動アーム49cの先端部には、カム溝49bに嵌り込むカムフォロア49dが取り付けられている。
【0035】
従って、貼付位置P4においては、図8に示すように、カム溝49bによってカムフォロア49dが案内されることで揺動アーム49cが揺動し、この揺動アーム49cが固定されている回転軸48cが回転する。これによって、回転軸48cに固定されている連結アーム48dが揺動アーム49cと同方向に揺動し、連結アーム48dに支持されている支持軸48fに取り付けられたマンドレル43が貼付ドラム41の外周面に沿って移動することになる。
【0036】
また、図7(b)に示すように、揺動アーム49cには、付勢手段としてのコイルばね49eの一端が支持されていると共に、前記支持アーム48aには、コイルばね49eの他端が当接する受け部材49fが固定されており、コイルばね49eによって揺動アーム49cが付勢されることで、マンドレル43がその回転軌道の外側(貼付位置P4においては、貼付ドラム41の外周面側)に常時付勢されるようになっている。
【0037】
また、マンドレル43が貼付ドラム41の外周面に沿って移動する貼付位置P4においては、前記カム溝49bの幅が外側(貼付ドラム41側)に僅かに広がっており、貼付ドラム41の外周面側にクリアランスが設けられた状態となっている。従って、貼付位置P4では、上述したように、カム溝49bによってカムフォロア49dが貼付ドラム41の外周面に沿うように案内されるのであるが、厳密に言えば、上述したコイルばね49eの付勢力によってマンドレル43の外周面(アルミ缶Cの外周面)が貼付ドラム41の外周面(ラベルLの接着面)に強制的に押し付けられた状態で移動することになり、カムフォロア49dはカム溝49bに対して遊んだ状態となっている。
【0038】
このように、貼付位置P4において、マンドレル43に嵌挿されたアルミ缶Cが、貼付ドラム41の外周面に吸引保持されたラベルLの接着面に押し付けられた状態で自転しながら移動することで、ラベルLがアルミ缶Cに貼り付けられる。
【0039】
前記輻射熱ヒータ44は、図5及び図6に示すように、マンドレル43の回転軌道の内側において、その加熱面が各マンドレル43の外周面とそれぞれ対向するように、各マンドレル43が支持されている支持部47にそれぞれ支持されており、各マンドレル43と共に缶供給位置P5、貼付位置P4及び缶排出位置P6を通るような円軌道を移動するようになっている。
【0040】
前記輻射熱ヒータ45は、缶供給位置P5から貼付位置P4の間で、その加熱面がマンドレル43の外周面と対向するように、マンドレル43の移動経路に沿ってその外側に固定設置されており、マンドレル43に嵌挿されたアルミ缶Cをマンドレル43の移動経路の外側から加熱するようになっている。
【0041】
従って、アルミ缶Cがマンドレル43に嵌挿されていない缶排出位置P6から缶供給位置P5までの間は、輻射熱ヒータ44によってマンドレル43が加熱されることでマンドレル43が昇温され、缶供給位置P5において、昇温されたマンドレル43にアルミ缶Cが嵌挿されることで、マンドレル43の熱がアルミ缶Cに伝達され、アルミ缶Cが昇温される。
【0042】
次に、アルミ缶Cがマンドレル43に嵌挿された状態で缶供給位置P5から貼付位置P4まで搬送される間は、アルミ缶Cが輻射熱ヒータ44、45によって2方向から直接加熱されることでさらに昇温され、所定の貼付温度にまで昇温された状態でアルミ缶Cが貼付位置P4に供給される。
【0043】
そして、貼付位置P4においてマンドレル43に嵌挿されたアルミ缶CにラベルLが貼り付けられた後缶排出位置P6まで搬送される間は、輻射熱ヒータ44によってアルミ缶Cに貼り付けられたラベルLが直接加熱される。
【0044】
なお、缶供給位置P5から缶排出位置P6までの間は、マンドレル43自体が自転しているので、アルミ缶Cやアルミ缶Cに貼り付けられたラベルLが輻射熱ヒータ44、45によって部分的に加熱されることはなく、アルミ缶C及びラベルLは常に均一に加熱される。
【0045】
前記ガイド部材46は、貼付位置P4と缶排出位置P6との間におけるマンドレル43の回転軌道に沿ってその外側に配設されるゴム等の弾性部材によって形成された加圧板46aと、この加圧板46aを加熱する加熱ヒータ46bとから構成されており、貼付位置P4においてラベルLが貼り付けられたアルミ缶Cは、缶排出位置P6に到るまでの間に、昇温された前記加圧板46aに押し付けられた状態で自転しながら移動することで、アルミ缶Cに対するラベルLの再加圧が行われる。なお、貼付位置P4から缶排出位置P6までの間は、上述したように、マンドレル43と共に移動する輻射熱ヒータ44によってラベルLが継続的に加熱された状態となっている。
【0046】
このように、貼付位置P4においてアルミ缶Cに貼り付けられたラベルLをガイド部材46によって再加圧するようにしておくと、貼付位置P4においてラベルLがアルミ缶Cに対して完全に接着されなかった場合でも、その後の再加圧によってラベルLをアルミ缶Cに強固に接着することができる。また、ラベルLの貼付後にガイド部材46によってラベルLを再加圧することで、薄肉で腰のないラベルLが軟化することに伴う表面の波打ち状態の発生を有効に阻止することができると共にアルミ缶Cを加熱するマンドレル43自体の温度を下げることが可能となる。
【0047】
前記缶供給手段50は、図1に示すように、多数のアルミ缶Cを連続的に送り出す供給シュート51と、この供給シュート51によって送り出されたアルミ缶Cを所定のタイミングで缶供給位置P5に供給するスターホイール52とから構成されており、この缶供給手段50によって缶供給位置P5に供給されたアルミ缶Cは、図示しない嵌挿機構によってマンドレル43に嵌挿される。
【0048】
前記缶排出手段60は、図1に示すように、貼付位置P4においてラベルLが貼り付けられたアルミ缶Cを、缶排出位置P6において所定のタイミングで受け取るスターホイール61と、このスターホイール61によって受け取ったアルミ缶Cを排出する排出シュート62とから構成されており、マンドレル43によって缶排出位置P6に搬送されてきたアルミ缶Cは、図示しない抜取機構によってマンドレル43から抜き取られた後、缶排出手段60によって排出される。
【0049】
以上のように、このラベリング装置1では、貼付位置P4において、コイルばね49eの付勢力によって、マンドレル43が貼付ドラム41の外周面に強制的に押し付けられるような構成を採用しているので、貼付ドラム41の外周面を覆っている弾性部材が摩耗や変形を起こしたり、初期の弾性力を維持することができなくなった場合でも、マンドレル43に嵌挿されたアルミ缶Cの胴部外周面を、貼付ドラム41の外周面に吸引保持されたラベルLに所定の押付力で確実に押し付けることができ、常に所定の接着強度を保持した状態でラベルLをアルミ缶Cに貼り付けることができる。
【0050】
なお、この実施形態では、カム機構によってマンドレル43の移動経路を設定しているが、上述したように、貼付位置P4では、カムフォロア49dがカム溝49bに対して遊んだ状態となっているので、必ずしもカム機構を設ける必要はない。但し、カム機構を用いてマンドレル43の移動経路を予め設定しておくことにより、マンドレル43を常に所定の姿勢で貼付位置P4に侵入させることができると共に、マンドレル43(アルミ缶C)が貼付ドラム41の外周面に当接する際の衝撃力を小さくすることができるので、装置自体の振動等を最小限に抑えることができるという効果がある。
【0051】
また、この実施形態では、貼付ドラム43の外周面をゴム等の弾性部材によって覆っているが、上述したように、貼付位置P4において、コイルばね49e等の付勢手段を用いてマンドレル43(アルミ缶C)を貼付ドラム41の外周面に強制的に押し付けるようにしておくと、必ずしも貼付ドラム41の外周面をゴム等の弾性部材によって覆う必要はない。
【0052】
また、この実施形態では、薄肉で腰のないフィルムによって形成されたラベルLを貼り付ける場合について説明したが、使用するラベルLは通常の厚み(50〜60μm程度)のものであってもよく、また、その材質もポリエチレンテレフタレートフィルム以外にポリプロピレンフィルム等、種々の材質のものを使用することが可能である。
【0053】
また、この実施形態では、ラベルLをアルミ缶Cに貼り付ける場合について説明したが、被貼付体はスチール缶等の種々の金属缶であってもよく、また、本発明のフィルム貼付装置は、金属缶以外のボトル、瓶等の容器の他、種々の物品に対するフィルムの貼り付けについて適用することが可能である。但し、被貼付体がマンドレルに嵌挿できないものや直接加熱することができないようなものである場合は、被貼付体の搬送機構や加熱機構等を変更しなければならないことはいうまでもない。
【0054】
また、本発明は、安定した状態でラベルを金属缶に強固に接着することができるという点で、上述した実施形態のような薄肉フィルムに熱硬化型樹脂からなる感熱接着剤を塗布したラベルLをアルミ缶C等の金属缶に貼着するラベリング装置に特に効果的であるが、こういったラベリング装置に限定されるものではなく、ラベル以外の単なるフィルムを被貼付体に貼り付ける種々のフィルム貼付装置に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかるラベリング装置(フィルム貼付装置)の一実施形態を示す正面図である。
【図2】同上のラベリング装置における切断搬送手段及び受渡ドラムを示す概略構成図である。
【図3】同上のラベリング装置における受渡ドラムを示す部分拡大図である。
【図4】同上のラベリング装置における受渡ドラムから貼付ドラムへのラベルの受渡状態を概念的に示す図である。
【図5】同上のラベリング装置における貼付手段を示す正面図である。
【図6】同上のラベリング装置におけるマンドレルの揺動機構及びカム機構を示す概略断面図である。
【図7】(a)は同上の揺動機構を示す概略構成図、(b)は同上のカム機構を示す概略構成図である。
【図8】同上のラベリング装置におけるカム機構及びマンドレルの動きを示す作用図である。
【図9】従来例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 ラベリング装置
10 送給ローラ
20 切断搬送手段
30 受渡ドラム
40 貼付手段
41 貼付ドラム
43 マンドレル
44、45 輻射熱ヒータ
46 ガイド部材
48 揺動機構
49b カム溝
49d カムフォロア
50 缶供給手段
60 缶排出手段
M ラベル形成基材
L 感熱接着性ラベル
P4 貼付位置
Claims (1)
- 接着性フィルムを、その接着面が外側を向くように、外周面に吸引保持した状態で貼付位置まで搬送する貼付ドラムと、
前記貼付位置を通るように、被貼付体を移送する移送手段と
を備え、
前記移送手段は、
前記被貼付体を揺動させる揺動機構と、
前記貼付位置において、前記被貼付体を、前記貼付ドラムの外周面に沿わせるように案内する、前記揺動機構の揺動アームに取り付けられたカムフォロア及びそのカムフォロアが嵌り込むカム溝からなるカム機構と、
前記貼付位置において、前記被貼付体が前記貼付ドラムの外周面に強制的に押し付けられるように、前記揺動アームを付勢する付勢手段と
を有し、
前記貼付位置において、前記被貼付体を前記貼付ドラムの外周面に吸引保持された前記接着性フィルムの接着面に押し当てながら、前記貼付ドラムの外周面に沿うように所定の距離だけ移動させることによって、前記被貼付体に前記接着性フィルムを貼り付けるようにしたことを特徴とするフィルム貼付装置。
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