JP4150653B2 - イオン交換型光導波路素子およびその製造方法 - Google Patents

イオン交換型光導波路素子およびその製造方法 Download PDF

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この発明は、光通信等で使用される光デバイスであってガラス基板にイオン交換法により光導波路を形成したイオン交換型光導波路素子およびその製造方法に関し、とくに、光進行方向に導波路径が徐々に変化してモードフィールド径が拡大した光導波路を有する光導波回路に適用して有効なものに関する。
光通信等で使用される光デバイスは能動タイプと受動タイプに分けることができる。能動タイプとしては、たとえば発光素子や受光素子などの光電変換素子がある。受動タイプとしては、光アイソーレータ、光サーキュレータ、光合/分波器、光スイッチ、光アッテネータなどがある。一般に、光デバイスでは受動タイプの役割比重が大きい。光通信技術の発展および普及のためには、その受動タイプの光デバイス、とくに光導波回路(光回路)のさらなる小型化、低価格化、および集積化が望まれている。
この要求に応えるため、光回路を基板内に作成した集積型の光導波路デバイスが開発・製品化されている。光導波路デバイスは、光ファイバなどの他の光デバイスに結合(光結合)されて使用される場合が多い。また、集積型の光導波路デバイスでは、基板内の光導波路に介在する溝(あるいはスリット)を形成し、この溝に光フィルタ等の光デバイスを挿入してハイブリッド型(埋め込み型)のデバイスを構成することがよく行われる。
光導波路デバイスは最終的に光ファイバと結合した状態で使用されることが多い。この結合を低損失で行わせるため、光ファイバとの結合部分では、使用する光波長帯でのモードフィールド径を、結合相手である光ファイバのそれと同一にすることが行われる。たとえば、シングルモードの光ファイバでの光波長1.55μmでのモードフィールド径は通常9から10μmである。この光ファイバと結合をなす光導波路デバイスは、その光ファイバとの結合部分にてモードフィールド径が10μm程度になるように設計されている。
また、光導波路デバイス内にフィルタや非相反部を入れたアイソレータ機能を挿入する、いわゆるハイブリッド(埋め込み)型の光デバイスでは、基板内の光導波路にスリットを介在させる加工が必要となる。この場合、スリットの幅が小さいと、挿入できる機能の種類が制限されてしまう。しかし、スリット幅を大きくすると回折損失が増加してしまう。
回折損失については、特許文献1にて、光導波路をなすコア部を局所的に炭酸ガスレーザ光で加熱溶融して扁平状に変形させ、これによりモードフィールド径を拡大して回折損失を低減させることが開示されている。この特許文献1の開示技術はリッジ型の光導波路に適用されている。リッジ型の光導波路は、シリコンや石英などの基板上にクラッド層を成膜して、このクラッド層上にコア層を成膜した後、そのコア層をフォトリゾグラフィおよびRIE(反応性イオンエッチング)の技術を用いてパターニングすることにより形成される。
一方、ガラス基板にイオン交換により形成される光導波路すなわちイオン交換型光導波路は、リッジ型に比べて製法が簡単で低コストに形成できる。さらに、そのイオン交換をNa(ナトリウム)イオンとAg(銀)イオン間で行わせることにより、複屈折を大幅に低減した光導波路を形成することができる。したがって、イオン交換型光導波路デバイスは、リッジ型等の他タイプの光導波路デバイスに比べて、低価格化および高性能化に適している。
このイオン交換型光導波路について、特許文献2には、モードフィールド径を局所的に拡大した光導波路およびその製造方法が開示されている。また、特許文献3には、熱処理によってモードフィールド径を拡大することが開示されている。
特許文献2に開示のイオン交換型光導波路は、ガラス基板中のNaイオンをK(カリウム)イオンにイオン交換することにより形成されたものであって、そのイオン交換を行った基板表面にはスパッタリングによるガラス薄膜が形成される。これに部分的な熱処理を行い、イオン交換したイオンを熱拡散させることにより、光導波路を形成するKイオンをスパッリング成膜したガラス薄膜へ拡散させて、フィールドモード径の拡大をはかる。
特開平7−253516 特開昭60−191208 特開平7−234381
上記特許文献2に開示されているのは、Na−Kのイオン交換により形成された光導波路のモードフィールド径を拡散させる技術であって、NaイオンとAgイオンとのイオン交換技術により形成される光導波路には、そのままでは有効に適用できない。また、光デバイスにおいてとくに要求の強い低価格化には適していないことが判明した。
すなわち、従来技術において、Na−Agのイオン交換で作成した光導波路の場合、ガラス薄膜の作成中にAgがコロイド化して損失の原因となることが報告されている。つまり、ガラス薄膜への拡散によるモードフィールド径の拡大は、Na−Agのイオン交換で作成された光導波路には必ずしも有効に適用できない。また、ガラス薄膜の作成には特別に高価な真空設備を必要とし、工程も複雑となるため、低コスト化には適さない。
特許文献3には、湿式電解イオン交換法で作成した光導波路のモードフィールド径が熱により拡大させられることが開示されている。しかし、そのモードフィールド径がどのような形態で拡大されるかについては、とくに開示されていない。
この発明は以上のような技術背景下でなされたものであり、その主な目的は、ガラス基板にイオン交換法により形成される光導波路を用いたイオン交換型光導波路デバイスにおいて、低コストに作成するのに適した構成であるとともに、光の進行方向に導波路径を変化させてモードフィールド径を大きく、かつ再現性良く変化させることができる光導波路デバイスおよびその製造方法を提供することにある。
さらに、上記に加えて、光導波路を形成するためのイオンとしてAgイオンを用いたイオン交換型光導波路デバイスに適用としてとくに有効な技術を提供することを目的とする。
本発明は、ガラス基板内にイオン交換により光導波路が形成されてなるイオン交換型光導波路素子であって、
1価のNaイオンを含むとともに当該NaイオンがAgイオンに置換されてなる光導波路が形成された第1のガラス基板と、この第1のガラス基板における前記光導波路の形成側面で当該光導波路の経路方向の一部に熱圧着されて当該第1のガラス基板と光学的に接合された第2のガラス基板とを有し、
前記光導波路は、第1のガラス基板が加熱温度下でAgイオンを含む溶融塩中に選択的に浸漬されることで表面のNaイオンが光導波路の経路に沿ってAgイオンに置換された後、当該基板の厚さ方向に電界が印加されることで前記置換部分が基板内に埋め込まれてなり、
前記第1のガラス基板と第2のガラス基板とが光学的に接合されている部分は、第1のガラス基板にて置換されている前記Agイオンが前記熱圧着によって第2のガラス基板側までイオン拡散され、前記光導波路の経路の一部が両ガラス基板にまたがる拡大光導波路部に形成され、
当該拡大光導波路部は、使用する光波長帯でのモードフィールド径が20μm以上であるイオン交換型光導波路素子としている。
上記イオン交換型光導波路素子において、前記第1のガラス基板に形成された前記光導波路が使用する光波長帯にてシングルモードの光導波路を形成していればより好ましい。
本発明は、光導波路素子の製造方法にも及んでおり、当該製造方法は、1価のNaイオンを含む第1のガラス基板を加熱温度下でAgイオンを含む溶融塩中に選択的に浸漬して表面のNaイオンを光導波路となる経路に沿ってAgイオンに置換する第1ステップと、
第1ステップに次いで、前記第1のガラス基板の厚さ方向に電界を印加することで前記Agイオンに置換した部分を基板内に埋め込んで光導波路を形成する第2ステップと、
第1のガラス基板における前記光導波路の形成側面で当該光導波路の経路方向の一部に第2のガラス基板を熱圧着して前記第1のガラス基板と前記第2のガラス基板を光学的に接合するとともに、前記光導波路の前記Agイオンを第2のガラス基板側までイオン拡散させることで、当該光導波路の経路の一部を、両ガラス基板にまたがるとともに光波長帯でのモードフィールド径が20μm以上となる拡大光導波路部に形成する第3ステップと
を含んでいる。
ガラス基板にイオン交換法により形成される光導波路を用いたイオン交換型光導波路デバイスにおいて、低コストに作成するのに適した構成であるとともに、光の進行方向に導波路径を変化させてモードフィールド径を大きく、かつ再現性良く変化させることができる光導波路デバイスを提供することができる。また、本発明は、光導波路を形成するためのイオンとしてAgイオンを用いたイオン交換型光導波路デバイスに適用としてさらに有効である。
図1は本発明の実施形態を工程段階別に模式化して示す。同図において、(a)は、イオン交換法により光導波路21が形成された第1のガラス基板11の平面パターンを示す。(b)〜(d)はそれぞれ(a)のA矢視部分の側断面と横断面を模式的に示す。(e)(f)はハイブリッド型光導波路デイバスの構成例、(g)(h)は光ファイバ等の他の光デバイスと結合(光結合)させるための構成例をそれぞれ模式的に示す。
(a)(b)は第1のガラス基板11を示すが、このガラス基板11には次のような工程により光導波路21が形成されている。
まず、ガラス基板に所定のパターンをなすイオン交換制御膜を形成する。ガラス基板は1価のNaイオン(アルカリイオン)を含む多成分ガラスを用いる。このガラス基板の表面にフォトリゾグラフィ技術を用いて所定パターンのイオン交換制御膜を形成する。つまり、フォトレジスト・パターニングによる成膜を行う。イオン交換制御膜はたとえばTi(チタン)膜からなるイオン透過防止膜であって、ガラス基板を溶融塩中に浸漬したときに、その溶融塩中のイオンがガラス中に浸透するのを選択的に阻止する。
次に、所定パターンのイオン交換制御膜が形成されたガラス基板をAgイオンを含む溶融塩中に浸漬して1段階目のイオン交換処理を行う。このイオン交換は所定の加熱温度(250℃〜350℃)下で行う。このイオン交換処理により、ガラス基板表面部のNaイオンが局部的にAgイオンに交換される。この局部的なイオン交換は上記イオン交換制御膜のパターンにしたがって行われる。
この後、イオン交換制御膜(Ti膜)を除去して2段階目のイオン交換処理を行う。このイオン交換も所定の加熱温度(250℃〜350℃)下で行う。この2段階目のイオン交換処理では、ガラス基板の厚み方向に電界を印加することにより、そのガラス基板の表面部に形成されたAgイオン交換部分をガラス基板中に移動させる。つまり、Agイオン交換部分をガラス基板中に埋め込む。このようにしてガラス基板中に埋め込まれたAgイオン交換部分は、その周囲の非イオン交換部分すなわちNaイオン部分よりも光屈折率が選択的に高いことにより、光導波路を形成する。
なお、ガラス基板には1価のKイオンあるいはLiイオンを含む多成分ガラスも使用可能である。また、光導波路はNaとAgのイオン交換以外にも、たとえば、KとTlのイオン交換によっても形成することができる。
以上のような工程により、所定の光回路パターン(たとえばM−Z干渉計)をなす光導波路21がガラス基板11に埋込形成される。この段階では、光導波路21の各部におけるAgイオンの拡散径および拡散濃度は互いに同じで、それぞれにシングルモードの光導波路を形成する。この光導波路は、使用する光波長1.55μmにて約10μmのモードフィールド径を有する。
(c)は、上記第1のガラス基板11の光導波路形成側面上に第2のガラス基板12を光学的に接合させた状態を示す。(d)は、第1のガラス基板11側の光導波路形成イオン(Agイオン)が第2のガラス基板12側までイオン拡散されることにより、両ガラス基板11,12にまたがる拡大光導波路21aが形成された状態を示す。
図示の実施形態では、第1のガラス基板11に形成されたイオン交換光導波路21の一部のみが第2のガラス基板12側にイオン拡散されて両ガラス基板11,12にまたがる拡大光導波路21aを形成している。他の部分の光導波路21は、使用する光波長帯にてシングルモードの光導波路を形成している。また、第1と第2の両ガラス基板11,12にまたがって形成された拡大光導波路21aの部分は、使用する光波長帯でのモードフィールド径が20μm以上に拡大されている。
(c)(d)において、第2のガラス基板12は、第1のガラス基板11と同じ組成のものが使用されている。両基板11,12は表面同士が合わさった状態で貼り合わせられる。その貼り合わせ面は、貼り合わせ面の清浄度を高めるために、有機溶剤による超音波洗浄、紫外線照射、オゾン照射などによる有機物除去等を施すことが望ましい。
第1と第2のガラス基板11,12を互いに貼り合わせた状態で一定の圧力が加わるように治具等で挟み、275℃で43時間の熱処理を行う。この熱処理において、部分的に熱を加える場合は、部分加熱器で押さえながら加熱を行う。これにより、加熱されていない部分は、第1のガラス基板11に形成された当初の光導波形状を維持する。加熱された個所は、Agイオンが熱拡散により第2のガラス基板12側にまで拡散させられる。
この際に、第1のガラス基板11と第2のガラス基板12との界面では、原子サイズ単位での相互拡散が生じて、あたかも接合したかのようになる。これにより、光学的な接合が形成されるとともに、光導波路径が拡大してモードフィールド径を拡大させることができる。
なお、光導波路形成のためのイオン交換処理を施していないガラス基板同士を貼り合わせて加圧および熱処理を加えた場合は、ある程度の接合は生じるが界面が存在し、光学的な接合は生じない。光学的な接合とは光散乱を生じない接合である。上記ガラス基板11,12の場合は、少なくとも光導波路を熱拡散させた部分にて光学的接合が形成される。
(e)は、ハイブリッド型光導波路デバイスを形成するために、(a)〜(d)の工程の後、フィールドモード径が拡大された光導波路21aの光進行路を横断する溝(スリット)31を形成した状態を示す。(f)は、その溝31に光フィルタ等の埋め込み用光デバイス41を挿入してハイプリッド型光導波路デバイスを形成した状態を示す。埋め込み用光デバイス41としては、フィルタ、ファラデー素子、偏光素子などを使用することができる。光導波路21aと光デバイス41との光結合は、その結合部分でのモードフィールド径が拡大されていることにより、その結合部にレンズを使用しなくても、低損失で光結合を行わせることができる。
また、(g)(h)は、光ファイバ等の外付け用光デバイス42と結合(光結合)させるために、フィールドモード径が拡大された光導波路21aをデバイスの端面に出した状態を示す。拡大光導波路21aの部分が端面となるように切断・研磨することにより、レンズ不要の導波路コリメータを作製することができる。
図2は、第1と第2のガラス基板11,12を互いに貼り合わせた状態で加圧・加熱するために使用する治具50の構成例を示す。同図に示す治具50は、一対の金属製加圧/加熱板51,52と、この加圧/加熱板51,52と上記ガラス基板11,12の間に介在するガラス製の介挿板53,54を備えている。このような治具50を用いることにより、高価な真空装置などを用いることなく簡単かつ低コストに、光導波路のモードフィールド径を2枚のガラス基板11,12にまたがって拡大させることができる。
第1のガラス基板11として、アルミノポロシリケート系ガラス基板(10mol%NaO−2mol%Al−10mol%B−Si)を使用する。このガラス基板にはアルカリイオンとしてNaイオンのみが含まれている。このガラス基板上に、所定の光導波路パターンの開口を有するTiのイオン交換制御膜(イオン交換阻止マスク)を形成する。この後、AgNOとNaNOよりなる溶融塩(AgNOの濃度10mol%)中に280℃で120分間浸漬することにより、ガラス基板のNaイオンをAgイオンでイオン交換する。この第1のイオン交換により、ガラス基板の表面に屈折率増加部分を形成した。
この後、ガラス基板表面のイオン交換制御膜をエッチングにより除去する。この後、NaNO溶融塩中に280℃で2時間浸漬するとともに、150V/mmの電界を印加しながら120分間のイオン交換を行う。この第2のイオン交換により、ガラス基板表面に形成された屈折率増加部分を基板内部に埋め込み、埋め込み型の光導波路21を形成した。このときの光導波路の光波長1.55μmでのモードフィールド径は10μmであった。
次に、上記光導波路21を形成した第1のガラス基板11の表面側に、この第1のガラス基板と同成分の第2のガラス基板12を載せる。そして、2枚のガラス基板11,12を図2に示した治具50で挟んだ状態で加熱した。加熱温度は275℃とし、43時間加熱を行った。この結果、加熱部分の光導波路21aでは、モードフィールド径が50μmに拡大していることが確認された。
図3は、上記熱処理の前と後のNFP(ニア・フィールドパターン)を示す。(a)は熱処理前のNFPを示し、(b)は熱処理後のNFPを示す。NFPは光波長1.55μmで測定した。同図に示すように、NFPは熱処理後に大きく拡大している。
図4は、上記熱処理により拡大した光導波路21a断面の後方散乱電子像(BSE像)を示す。同図によれば、Agイオンは第1のガラス基板11から第2のガラス基板12へ両基板の接合境界面を超えて拡散している状態がわかる。
ここで、第1のガラス基板11と第2のガラス基板12を同一組成としたのは、拡大光導波路21aの拡散分布を真円に近づけるためである。両ガラス基板11,12の組成を同じにすることにより、Agの拡散速度を同じにすることができ、これにより、拡散分布を楕円から真円に近づけることができる。
しかし、拡散速度を同じにするためには、第1と第2の両ガラス基板11,12が必ずしも同じ組成でなくてもよく、たとえば両ガラス基板がアルカリイオンを含んでいれば、同様の効果が得られる。一方、第2のガラス基板12の組成を操作することでAgの拡散速度を制御すれば、楕円など真円以外の所望の拡散形状を作成することが可能である。また、第2のガラス基板12にもあらかじめイオン交換による光導波路を形成しておけば、さらに多様な形態の拡大導波路が作成でき、たとえば二次元での拡大光導波路アレイも可能となる。
光学的接合の効果を確認するため、温度サイクルによる界面剥がれの試験を行った。試験は、1℃/分の勾配による−40℃〜85℃の温度変化と10分間の温度維持を42回繰り返すという温度サイクル条件で行った。
実施例1のプロセスにて作成した拡大光導波路21aを有する第1のサンプル(本発明)と、第1と第2のどちらのガラス基板もイオン交換による光導波路を形成しなかった第2のサンプル(比較例)とをそれぞれ10個ずつ作製した。
両サンプルをそれぞれ上記条件にて試験したところ、第2のサンプル(比較例)では10個とも剥離が観察されたが、第1のサンプル(本発明)では剥離が1個も観察されなかった(剥離ゼロ)。
以上、本発明をその代表的な実施形態に基づいて説明したが、本発明は上述した以外にも種々の態様が可能である。たとえば、イオン交換による光導波路を第1と第2のガラス基板の両方にそれぞれ形成する態様も可能であり、さらに、第1と第2の両ガラス基板にそれぞれに光回路を形成する態様も可能である。また、フィールドモード径を拡大させるための加熱は、炭酸ガスレーザなどを用いてもよい。
ガラス基板にイオン交換法により形成される光導波路を用いたイオン交換型光導波路デバイスにおいて、低コストに作成するのに適した構成であるとともに、光の進行方向に導波路径を変化させてモードフィールド径を大きく、かつ再現性良く変化させることができる光導波路デバイスを提供することができる。また、本発明は、光導波路を形成するためのイオンとしてAgイオンを用いたイオン交換型光導波路デバイスに適用としてさらに有効である。
本発明によるイオン交換型光導波路デバイスの実施形態を工程段階別に模式化して示す平面図および断面図である。 本発明の実施に使用して好適な治具の構成例を示す要部断面図である。 加熱処理の前と後におけるニア・モードフィールド径(NFP)の状態を示す図である。 熱処理により拡大した光導波路断面の後方散乱電子像(BSE像)を示す図である。
符号の説明
11 第1のガラス基板
12 第2のガラス基板
21 光導波路
21a 拡大光導波路
41,42 光デバイス
50 治具

Claims (3)

  1. ガラス基板内にイオン交換により光導波路が形成されてなるイオン交換型光導波路素子であって、
    1価のNaイオンを含むとともに当該NaイオンがAgイオンに置換されてなる光導波路が形成された第1のガラス基板と、この第1のガラス基板における前記光導波路の形成側面で当該光導波路の経路方向の一部に熱圧着されて当該第1のガラス基板と光学的に接合された第2のガラス基板とを有し、
    前記光導波路は、第1のガラス基板が加熱温度下でAgイオンを含む溶融塩中に選択的に浸漬されることで表面のNaイオンが光導波路の経路に沿ってAgイオンに置換された後、当該基板の厚さ方向に電界が印加されることで前記置換部分が基板内に埋め込まれてなり、
    前記第1のガラス基板と第2のガラス基板とが光学的に接合されている部分は、第1のガラス基板にて置換されている前記Agイオンが前記熱圧着によって第2のガラス基板側までイオン拡散され、前記光導波路の経路の一部が両ガラス基板にまたがる拡大光導波路部に形成され、
    当該拡大光導波路部は、使用する光波長帯でのモードフィールド径が20μm以上である
    ことを特徴とするイオン交換型光導波路素子。
  2. 請求項1において、前記第1のガラス基板に形成された前記光導波路は、使用する光波長帯ではシングルモードの光導波路であることを特徴とするイオン交換型光導波路素子。
  3. イオン交換型光導波路素子の製造方法であって、
    1価のNaイオンを含む第1のガラス基板を加熱温度下でAgイオンを含む溶融塩中に選択的に浸漬して表面のNaイオンを光導波路となる経路に沿ってAgイオンに置換する第1ステップと、
    第1ステップに次いで、前記第1のガラス基板の厚さ方向に電界を印加することで前記Agイオンに置換した部分を基板内に埋め込んで光導波路を形成する第2ステップと、
    第1のガラス基板における前記光導波路の形成側面で当該光導波路の経路方向の一部に第2のガラス基板を熱圧着して前記第1のガラス基板と前記第2のガラス基板を光学的に接合するとともに、前記光導波路の前記Agイオンを第2のガラス基板側までイオン拡散させることで、当該光導波路の経路の一部を、両ガラス基板にまたがるとともに光波長帯でのモードフィールド径が20μm以上となる拡大光導波路部に形成する第3ステップと
    を含むことを特徴とするイオン交換型光導波路素子の製造方法。
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