JP2003207670A - 導波路集積型光デバイスおよびその製造方法 - Google Patents

導波路集積型光デバイスおよびその製造方法

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JP2003207670A
JP2003207670A JP2002006661A JP2002006661A JP2003207670A JP 2003207670 A JP2003207670 A JP 2003207670A JP 2002006661 A JP2002006661 A JP 2002006661A JP 2002006661 A JP2002006661 A JP 2002006661A JP 2003207670 A JP2003207670 A JP 2003207670A
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waveguide
groove
optical device
bulk type
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Hiromitsu Umezawa
浩光 梅澤
Shinya Yamauchi
慎也 山内
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガラス等の光学基板に形成された光導波路の
途中にその光導波路を横断する溝を形成し、その溝にバ
ルク型素子を装着してなるハイブリッド方式の導波路集
積型光デバイスにおいて、低コストかつ高歩留りが可能
な構成でもって、ガラス等の光学基板に形成された光導
波路にバルク型素子を、光学特性を損うことなく低損失
でハイブリッド集積させる。 【解決手段】 ガラス等の光学基板12に形成された光
導波路14の途中にその光導波路14を横断する溝16
を形成し、その溝16にバルク型素子22を装着すると
ともに、上記光導波路14と上記バルク型素子22の間
に介在して上記光導波路14の入出射光ビーム径(w
1)と上記バルク型素子22の入出射光ビーム径(w
2)を相互に変換する光ビーム径変換素子24を、上記
バルク型素子22とともに上記溝16に装着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は導波路集積型光デ
バイスの技術に関し、とくにガラスや半導体等の光学基
板にイオン交換等によって形成された光導波路を使用
し、この光導波路にバルク型素子と呼ばれる個別の光機
能素子を組み込んだハイブリッド方式の導波路集積型光
デバイスに適用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】光通信や光測定で使用される光デバイス
としては、ガラス等の光学基板にイオン交換等によって
光導波路を形成し、この光導波路を使って所定の光デバ
イス機能をなす平面導波型光回路いわゆるPLC(Plan
nar Lightwave Circuit)を形成するようにした導波路
集積型デバイスが提供されている。一方、光アイソレー
タや光フィルタ等の光機能素子は、上記PLCでは良好
な特性のものが得にくいため、バルク型素子と呼ばれる
単体部品として提供されることが多い。
【0003】しかし、バルク型素子は特性的にはすぐれ
ているが、単体部品であるため、実装コストが高い、高
密度実装に適さない、といった問題がある。そこで、上
記PLCにバルク型素子を組み込むことにより、コスト
性および実装密度を向上させつつ良好な光学特性を得る
ことをはかったハイブリッド方式の光デバイスが検討さ
れている。
【0004】ガラス等に形成した光導波路に光アイソレ
ータや光フィルタ等のバルク型素子をハイブリッド集積
させるには、(1)光導波路の途中に横断溝を掘ってバ
ルク型素子を入れる、(2)ガラス導波路にガーネット
導波路を介在させるとともに、そのガーネットで光アイ
ソレータや光フィルタ等のバルク型素子を構成する(た
とえば1995年、堀口正治、「電子材料」p97)、
といった技術が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
(1)の技術は、光導波路とバルク型素子間での結合損
失が大きくなってしまうという問題があった。これはバ
ルク型素子の入出光面積が光導波路のコア(導光部)径
よりも格段に大きいことによる。バルク型素子の特性を
活かすためには、ある程度以上の入出光面積を確保する
必要がある。しかし、それを確保すると、バルク型素子
と光導波路間における入出光面積の格差が拡大して結合
損失が大きくなってしまう。
【0006】そこで、たとえば特開昭6−258535
号では、光導波路の端部を加熱してコア径を拡大させる
ことにより、その光導波路の入出光面積をバルク型素子
のそれに適合させるようにしている。ガラス等の光学基
板にイオン交換等によって形成された光導波路は、加熱
によるイオン拡散によってコア径を拡大させることがで
きる。しかし、光導波路のコア径をバルク型素子の入出
光面積に適合させられるところまで拡大させるには、工
程的にかなりの無理をともない、工程が複雑で高コスト
化する一方、仕損じが増えて歩留りが低下するという問
題が生じる。
【0007】上記(2)の技術は、ガーネット光導波路
が十分な光学特性を得られず、かつ光導波路同士の位置
決め調整にきわめて高い精度が要求されて生産性が悪く
なる、という問題があった。
【0008】この発明は以上のような問題を鑑みてなさ
れたもので、低コストかつ高歩留りが可能な構成でもっ
て、ガラス等の光学基板やシリコン基板、あるいは化合
物半導体基板に形成された光導波路にバルク型素子を、
光学特性を損うことなく低損失でハイブリッド集積させ
ることができる技術を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明による解決手段
は、ガラス等の光学基板やシリコン基板、あるいは化合
物半導体基板に形成された光導波路の途中にその光導波
路を横断する溝を形成し、その溝にバルク型素子を装着
してなるハイブリッド方式の導波路集積型光デバイスに
おいて、上記光導波路と上記バルク型素子の間に介在し
て上記光導波路の入出射光ビーム径と上記バルク型素子
の入出射光ビーム径を相互に変換する光ビーム径変換素
子を、上記バルク型素子とともに上記溝に装着したこと
を特徴とする。
【0010】上記手段により、低コストかつ高歩留りが
可能な構成でもって、ガラス等の光学基板に形成された
光導波路にバルク型素子を、光学特性を損うことなく低
損失でハイブリッド集積させることができる。
【0011】上記手段は、イオン交換法により形成され
た光導波路に適用してとくに有効である。その光導波路
は、1価イオンのアルカリイオンを含む多成分ガラス基
板の表面下に埋込形成されたAgイオン交換部分によっ
て形成することができる。
【0012】上記光ビーム径変換素子は通常、上記溝内
にて、バルク型素子を両側から挟みこむ状態で配置させ
る形とする。光ビーム径変換素子は、平行平板状で光ビ
ーム径を拡大または集束する平板マイクロレンズが適し
ている。この平板マイクロレンズは、平板ガラスにイオ
ン交換法により形成することができる。
【0013】光ビーム径変換素子と光導波路の間に平行
平板状の透明部材を介在させることにより、両者間の光
学位置関係を最適状態に持っていくための補正を行うこ
とができる。透明部材には平板ガラスを用いることがで
きる。
【0014】上記溝に装着された各光学素子の間は光学
接着剤で機械的および光学的に結合されていることが特
性上望ましい。さらに、上記溝に装着された光学素子と
前記溝の側面との間も光学接着剤で機械的および光学的
に結合されていることが特性上望ましい。
【0015】また、上記溝の両側に位置する光導波路端
部でのコア径を、上記バルク型素子の入出射光ビーム径
よりも小さい範囲で、上記光ビーム径変換素子側に向け
て拡大させることにより、光学的な精度誤差に対する許
容幅を広げて、特性を低下させることなく、コスト性お
よび生産性をさらに高めることができる。
【0016】バルク型素子としては、光アイソレータあ
るいは光フィルタを使用することができる。
【0017】上述した導波路集積光デバイスの製造方法
としては、バルク型素子と光ビーム径変換素子を含む複
数の光学部品を光学接着剤で一体化して光集合部品を形
成し、この光集合部品を光導波路の横断溝に装着するこ
とにより、特性を低下させずにコスト性および生産性を
高めることができる。
【0018】さらに、上記光集合部品を微動装置で保持
しながら前記溝に装着させるとともに、その装着に際し
て、上記微動装置に保持された光集合部品を上記溝の底
面および/または側面に面同士で倣わせながら位置決め
を行うことにより、コスト性および生産性の向上ととも
に実装の精度を高めることができる。
【0019】上記溝に装着されて位置決めされた光集合
部品は光学接着剤で固定することが望ましい。また、上
記光集合部品は、UV(紫外線)硬化型光学接着剤を塗
布した光部品を組合わせた後、UV照射で露出部分の接
着剤だけ先に固化させ、その後、樹脂全体を熱硬化させ
ることにより、全体を接着剤で機械的および光学的に安
定に固定することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】図1は本発明による技術が適用さ
れた導波路集積型光デバイスの実施形態を製造工程段階
(a〜d)別に示す。同図において、まず、(a)に示
すように、本発明に係る導波路型光デバイスは、イオン
交換法による光導波路14があらかじめ形成された光学
基板12を用いて構成される。この基板12は、たとえ
ば次のようにして形成される。
【0021】すなわち、光学基板として、1価のアルカ
リイオンたとえばNaイオンを含む多成分ガラスを用い
る。このガラス基板の表面にフォトリゾグラフィ技術を
用いて、所定の光導波路パターンが開窓されたマスクを
形成する。マスクはTi膜などのイオン透過防止膜であ
って、ガラス基板を溶融塩中に浸漬したときに、その溶
融塩中のイオンがガラス中に浸透するのを選択的に阻止
する。
【0022】上記マスクが形成されたガラス基板をAg
イオンを含む溶融塩中に浸漬して1段階目のイオン交換
を行う。このイオン交換により、ガラス基板表面部のN
aイオンが局部的にAgイオンに交換される。Agイオ
ンに交換された部分は、ガラス基板素材よりも高屈折率
となる。このイオン交換は上記マスクの開窓パターンに
したがって行われる。
【0023】次に、上記マスクを除去して2段階目のイ
オン交換を行う。この2段階目のイオン交換では、ガラ
ス基板の厚さ方向に電界を印加することにより、そのガ
ラス基板の表面部に形成されたAgイオン交換部分をガ
ラス基板中に移動させる。つまり、Agイオンドープ部
分をガラス基板中に埋め込む。Agイオン部分は、周囲
のガラス基板よりも選択的に高屈折であることにより、
光導波路のコア部を形成する。このようにして、ガラス
基板の表面下に任意のパターンの平面導波型光回路いわ
ゆるPLCを形成することができる。
【0024】上記PLCが形成された光学基板12は、
(b)に示すように、バルク型素子22が実装される所
定個所にて所定幅(L1)の横断溝16を形成する。横
断溝16は光導波路14を直交してあるいは斜めに交わ
って形成される。この横断溝16は平坦な底面とその底
面から立上がる側面とを有する矩形断面の溝であるが、
このような溝はダイアモンドカッタなどを用いて簡単に
切削形成することができる。
【0025】次に、(c)に示すように、上記横断溝1
6に、バルク型素子22を含む複数の光部品からなる光
集合部品20をはめ込んで装着・実装する。光集合部品
20は、(d)に示すように、光アイソレータや光フィ
ルタなどの光機能素子をなすバルク型素子22と、この
バルク型素子22の光入射側面および光出射側面にそれ
ぞれ介在する平板マイクロレンズ24および平板ガラス
26とをあらかじめ組合わせたものであって、この組合
わせた状態で上記横断溝16に装着・実装されるととも
に、この実装状態にて、バルク型素子22側の入出射光
軸が、上記横断溝16によって遮断された光導波路14
の入出射光軸に合致するように位置決めされている。
【0026】横断溝16の一方の側の光導波路14の端
面から出射したビーム光は、平板ガラス26、平板マイ
クロレンズ24を順次通ってバルク型素子22に入射す
る。このバルク型素子22の出射光は、入射の場合とは
反対に、平板マイクロレンズ24、平板ガラス36を順
次通って横断溝16の他方の側の光導波路14の端面に
入射するようになっている。
【0027】平板マイクロレンズ24はイオン交換法に
より形成されるレンズであって、平板ガラス中に選択的
に形成された高屈折率のイオン交換領域により、一種の
集光レンズとして作用する。この平板マイクロレンズ2
4は平行平板状であって、バルク型素子22と光導波路
14の間に介在した状態で、光導波路14の入出射光ビ
ーム径(w1)とバルク型素子22の入出射光ビーム径
(w2)を相互に変換する光ビーム径変換素子として作
用する。
【0028】平板マイクロレンズ24はバルク型素子2
2を両側から挟みこむ状態で配置されている。バルク型
素子22の光入射側に介在する平板マイクロレンズ24
は、光導波路14の端面から出射される光ビームを所定
のビーム径(≒w2)に拡大してバルク型素子22に入
射させる。また、バルク型素子22の光出射側に介在す
る平板マイクロレンズ24は、パルク型素子22から出
射される光ビームを光導波路14のコア径まで縮小して
その光導波路14に入射させる。
【0029】これにより、横断溝16の両側に位置する
光導波路端部のコア径とバルク型素子22の入出光面積
との間に大きな格差があっても、その光導波路14とバ
ルク型素子22の間に、損失の少ない良好な光結合状態
を得ることができる。また、光ビーム径変換素子を形成
する平板マイクロレンズ24は、平行平板状であること
により、バルク型素子22を上記溝16内にて、所定の
姿勢に自己整合的に位置決めして安定させる一種の治具
としても作用する。これにより、バルク型素子22をそ
のすぐれた光学特性を十分に活かしながら光導波路14
にハイブリッド集積させることができるとともに、その
組み立の作業性および組み付け後の安定性をそれぞれ良
好なものとすることができる。
【0030】したがって、低コストかつ高歩留りが可能
な構成でもって、ガラス等の光学基板12に形成された
光導波路14にバルク型素子22を、光学特性を損うこ
となく低損失でハイブリッド集積させることができる。
【0031】さらに、上述した実施形態では、上記平板
マイクロレンズ24と光導波路14の間に平行平板状の
ガラス26を介在させているが、この平板ガラス26
は、平板マイクロレンズ24の焦点(光ビーム径が最小
となる点)を光導波路14の端面に正確に位置合せさせ
るための光学補正スペーサとして作用する。同時に、平
板マイクロレンズ24とバルク型素子22を上記溝16
内にて、所定の姿勢に自己整合的に位置決めして安定さ
せる一種の治具としても作用する。
【0032】図2は、バルク型素子22を含む光集合部
品20を光導波路14の横断溝16に実装する方法の実
施形態について示す。光導波路14にバルク型素子22
をハイブリッド集積させる際は、上述したように、バル
ク型素子22を平板マイクロレンズ24および平板ガラ
ス26と組合わせた光集合部品20をあらかじめ形成す
る。この光集合部品20を微動装置30を使って上記溝
16に装着・実装させれば、その実装を効率良く行わせ
ることができる。
【0033】この場合、上記微動装置30のアーム部3
4に若干の機械的位置ずれを許容する「逃げ」を持たせ
る。そして、上記光集合部品20の移動を上記微動装置
30の動作に完全に従わせるのではなく、上記溝16の
面を位置基準にしてその溝面に光集合部品20の面を倣
わせながら、その光集合部品20を移動させて上記溝1
6内に装着させる。つまり、上記溝16に装着・実装す
るための移動動作は微動装置30を使って行うが、位置
決めは上記溝16の面(底面および/または垂直面)を
基準にして行う。こうすると、微動装置30の精度に全
面的に依存しなくても、面同士の倣いによる自己整合的
に位置決めを行って、上記実装をさらに簡単かつ効率良
く正確に行わせることができる。
【0034】上記微動装置30の「逃げ」は、たとえば
図に部分的に示すように、微動装置30の固定部分とワ
ーク(部品20)を保持して移動するチャック32との
間のアーム部34に適当な弾性部材、たとえば金属製弾
性部材を介在させることによって持たせることができ
る。
【0035】図3は、本発明のさらに好ましい実施形態
を示す。光導波路14とバルク型素子22間には、平板
マイクロレンズ24による光ビーム径変換素子によって
良好な光結合状態を形成することができるが、その結合
状態をさらに良好かつ確実にするためには、同図の
(a)に示すように、基板12と平板ガラス26の間、
さらには、平板ガラス26、平板マイクロレンズ24、
バルク型素子22の間にそれぞれ光学接着剤28を介在
させる。この光学接着剤28は各素子間を接着して機械
的に固定するほかに、素子間に空気層が入り込むことに
よって生じる光伝播損失の発生を防止する。したがっ
て、接着剤28は、素子間の隙間を充填するように介在
させる。この場合、イオン交換法により形成された平板
マイクロレンズ24は、光学接着剤28と接触してもレ
ンズ作用が得ることができるので、光ビーム径変換素子
として機能することができる。
【0036】上記光学接着剤28は上記光集合部品20
の組み立て状態を固定するのに使用することができる。
また、その光集合部品20を上記溝16内に安定に固定
させるのにも使用することができる。これとともに、上
記光学接着剤28は光学的な隙間充填材として作用す
る。つまり、機械的および光学的な結合を形成すること
ができる。このことは次のような効果をもたらす。
【0037】すなわち、上記光集合部品20の長さ(L
2)を上記溝の幅(L1)よりも若干小さくして両者間
の嵌め合いに隙間余裕を持たせても、その隙間を上記光
学接着剤28で充填することにより、機械的な固定とと
もに、良好な光学結合状態を確保することができる。こ
れにより、上記隙間余裕をいくぶん大きめに持たせて、
バルク型素子22を含む光集合部品20を上記溝16に
装置・実装する際の作業性を大幅に高めることができ
る。つまり、光学特性を損なうことなく、生産性を向上
させることができる。
【0038】さらに、図3の(b)に示すように、上記
横断溝16の両側に位置する光導波路端部のコア径を加
熱により平板マイクロレンズ24側に向けて拡大させる
と、その平板マイクロレンズ24の光学的誤差(焦点位
置ずれ)に対する許容幅が広がり、これにより、各素子
の精度とくに光学的な精度誤差による光学特性の低下も
効果的に回避(吸収)できるようになって、コスト性お
よび生産性をさらに高めることができる。
【0039】イオン交換法により形成された光導波路1
4のコア径は、相対的に高屈折率をなすイオン交換領域
をヒータによる部分加熱で拡散(加熱拡散ドライブ)さ
せることにより、(b)に模式的に示すように、平板マ
イクロレンズ24に向かって連続的に拡大させることが
できる。この加熱拡散ドライブによる光導波路14のコ
ア径拡大は、光導波路14のコア径をバルク型素子22
の入出光面積に適合させられるところまで行おうとする
と、無理が生じて実現が困難であるが、上記平板マイク
ロレンズ24の光学的誤差(焦点位置誤差)を補う程度
の拡大ならば、簡単に行うことができる。このため、上
記コア径の拡大は、非拡大部における光導波路14での
導光ビーム径をw1とし、バルク型素子22の入出射光
ビーム径をw2とし、上記拡大によって広げられた光ビ
ーム径をw3とした場合に、w1<w3<w2となるよ
うに行われている。つまり、コア径はバルク型素子22
の入出射光ビーム径(w2)よりも小さい範囲(w3<
w2またはw3<<w2)で拡大させる。
【0040】以下、上述した光デバイスの具体的な実施
例を示す。図4は第1実施例の要部を示す。この実施例
では、まず、多成分ガラスからなる基板12にAgイオ
ン交換によりコア径10μmの光導波路14を形成した
(図1(a)参照)。この光導波路14の途中にダイジ
ングソーで幅4.5mmの横断溝16を設けた(図1
(b)参照)。この状態での光導波路14の伝播損失
は、横断溝にて光が広がってしまうため、30dBと大
変に大きいものであった。
【0041】バルク型素子22として、図4に示すよう
に、1mm角のくさび形ルチル単結晶板2枚41,41
の間にLPE(Liquid Phase Epitaxy)ガーネット膜4
2を挟むとともに互いに光学接着剤で貼り合わせて光ア
イソレータを形成した。
【0042】この場合、2枚のルチル単結晶板41,4
1の光軸方向は互いに45度傾いている。また、それぞ
れの表面には対接着剤用のARコートが設けられてい
る。LPEガーネット膜42は厚さ480μmで、磁石
が無くても波長1.55μmの光に対して45度のファ
ラデー回転角を持つ。その表面には対接着剤用コートが
設けられている。光学接着剤はUV硬化型の光学接着剤
を使用した。ルチルとLPE膜はともにUV光を透過さ
せないため、UV照射で露出部分の接着剤だけ先に固化
させ、その後、80℃で1時間保つことで樹脂全体を熱
硬化させた。
【0043】このようにして作製したバルク型素子(光
アイソレータ)22を、平板マイクロレンズ(日本板硝
子製PML、厚さ0.53mm、レンズ径250μm)
24および平板ガラス(厚さ1.0mm)26とともに
上記溝16に挿入して、図4に示すような導波路集積型
光デバイスを試作した。挿入に際しては、部品間の接触
境界面となる部分にそれぞれUV硬化型光学接着剤を塗
布した。挿入作業は微動装置(微動台)を使用して行な
ったが、この微動装置は、装置の固定部分とワーク(部
品)を保持するチャック部分との間に、上記光導波路1
4の長手方向とその直交方向に対しての位置ずれを吸収
する金属製弾性体が介挿されている。挿入は、その微動
装置によって保持されたワーク(部品)を上記溝16の
底面および/または垂直面に面同士で倣わせながら行な
ったが、非常に円滑かつ効率良く作業ができた。
【0044】上述のようにして作製した導波路集積型光
アイソレータは、損失1dBでアイソレーション35d
Bという良好な特性を得ることができた。
【0045】図5は第2実施例の要部を示す。この実施
例では、上記第1実施例の構成において、2枚のくさび
形ルチル単結晶板41,41のうち、光入射側に平行平
板型のルチル単結晶板43を加えたもので、これによ
り、2本に分かれた光を完全に一点で集光させるように
した。この結果、損失0.2でアイソレーション35d
Bというさらに良好な特性を得ることができた。
【0046】図6は第3実施例の要部を示す。この実施
例では、上記第2実施例の構成において、平板マイクロ
レンズ24の厚さを1mmとすることにより、そのレン
ズ面の反対面上にちょうど焦点が来るようにした。この
平板マイクロレンズ24を使用したことにより焦点距離
を調整するための平板ガラス26を省くことができ、こ
れによって溝16の幅L1を3.2mmに短縮すること
ができた。
【0047】以上、本発明をその代表的な実施形態に基
づいて説明したが、本発明は上述した以外にも種々の態
様が可能である。たとえば、バルク型素子は光アイソレ
ータや光フィルタに限定されず、それ以外の光機能素子
であってもよい。また、光ビーム径変換素子は平板マイ
クロレンズ以外の光ビーム径変換素子であってもよい。
さらに導波路は、ガラス基板上に作成したものに限定さ
れず、シリコン基板上や化学半導体基板上に作成したも
のでもよい。
【0048】
【発明の効果】本発明の効果は上述した説明からあきら
かになるが、その代表的なものとしては、たとえば、低
コストかつ高歩留りが可能な構成でもって、ガラス等の
光学基板に形成された光導波路にバルク型素子を、光学
特性を損うことなく低損失でハイブリッド集積させるこ
とができる、という効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による導波路集積型光デバイスの一実施
形態を示す図である。
【図2】上記導波路集積型光デバイスを微動装置を用い
て組み立てる場合の実施態様を示す図である。
【図3】上記導波路集積型光デバイスの一部を拡大して
示す図である。
【図4】上記導波路集積型光デバイスの第1実施例を示
す図である。
【図5】上記導波路集積型光デバイスの第2実施例を示
す図である。
【図6】上記導波路集積型光デバイスの第3実施例を示
す図である。
【符号の説明】
12 基板 14 光導波路 16 溝 20 光集合部品 22 バルク型素子 24 平板マイクロレンズ(光ビーム径変換素子) 26 平板ガラス(透明部材) 28 光学接着剤 30 微動装置 32 チャック 34 アーム 41 くさび形ルチル単結晶板 42 LPEガーネット膜 43 平行平板型のルチル単結晶板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H038 AA21 BA01 BA35 2H047 KA03 KA12 LA26 PA13 TA32 TA42 2H099 AA01 BA02 CA05 DA05

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス等の光学基板に形成された光導波
    路の途中にその光導波路を横断する溝を形成し、その溝
    にバルク型素子を装着してなるハイブリッド方式の導波
    路集積型光デバイスにおいて、上記光導波路と上記バル
    ク型素子の間に介在して上記光導波路の入出射光ビーム
    径と上記バルク型素子の入出射光ビーム径を相互に変換
    する光ビーム径変換素子を、上記バルク型素子とともに
    上記溝に装着したことを特徴とする導波路集積型光デバ
    イス。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記光導波路はイオ
    ン交換法により形成された光導波路であることを特徴と
    する導波路集積型光デバイス。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記光導波路は1価
    イオンのアルカリイオンを含む多成分ガラス基板の表面
    下に埋込形成されたAgイオン交換部分によって形成さ
    れていることを特徴とする導波路集積型光デバイス。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかにおいて、前記
    光ビーム径変換素子は、前記溝内にて、前記バルク型素
    子を両側から挟みこむ状態で配置されていることを特徴
    とする導波路集積型光デバイス。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかにおいて、前記
    光ビーム径変換素子は光ビーム径を拡大または集束する
    平行平板状のマイクロレンズであることを特徴とする導
    波路集積型光デバイス。
  6. 【請求項6】 請求項5において、前記マイクロレンズ
    は平板ガラスにイオン交換法により形成されたレンズで
    あることを特徴とする導波路集積型光デバイス。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかにおいて、前記
    光ビーム径変換素子と前記光導波路の間に平行平板状の
    透明部材を介在させたことを特徴とする導波路集積型光
    デバイス。
  8. 【請求項8】 請求項7において、前記透明部材が平板
    ガラスであることを特徴とする導波路集積型光デバイ
    ス。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかにおいて、前記
    溝に装着された各光学素子の間が光学接着剤で機械的お
    よび光学的に結合されていることを特徴とする導波路集
    積型光デバイス。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかにおいて、前
    記溝に装着された光学素子と前記溝の側面との間が光学
    接着剤で機械的および光学的に結合されていることを特
    徴とする導波路集積型光デバイス。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれかにおいて、
    前記溝の両側に位置する光導波路端部でのコア径を、前
    記バルク型素子の入出射光ビーム径よりも小さい範囲
    で、前記光ビーム径変換素子側に向けて拡大させたこと
    を特徴とする導波路集積型光デバイス。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれかにおいて、
    前記バルク型素子が光アイソレータであることを特徴と
    する導波路集積型光デバイス。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12のいずれかにおいて、
    前記バルク型素子が光フィルタであることを特徴とする
    導波路集積型光デバイス。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13のいずれかに記載した
    導波路集積型光デバイスの製造方法において、バルク型
    素子と光ビーム径変換素子を含む複数の光学部品を光学
    接着剤で一体化して光集合部品を形成し、この光集合部
    品を光導波路の横断溝に装着することを特徴とする導波
    路集積型光デバイスの製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項14において、前記光集合部品
    を微動装置で保持しながら前記溝に装着させるととも
    に、その装着に際して、上記微動装置に保持された光集
    合部品を上記溝の底面および/または側面に面同士で倣
    わせながら位置決めを行うことを特徴とする導波路集積
    型光デバイスの製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項15において、前記溝に装着さ
    れて位置決めされた光集合部品を光学接着剤で固定する
    ことを特徴とする導波路集積型光デバイスの製造方法。
  17. 【請求項17】 請求項14〜16のいずれかにおい
    て、前記光集合部品は、UV硬化型光学接着剤を塗布し
    た光部品を組合わせた後、UV照射で露出部分の接着剤
    だけ先に固化させ、その後、樹脂全体を熱硬化させるこ
    とを特徴とする導波路集積型光デバイスの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008028836A (ja) * 2006-07-24 2008-02-07 Fujitsu Ltd 超伝導フィルタデバイスおよびその作製方法
JP2008129145A (ja) * 2006-11-17 2008-06-05 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 光アイソレータ素子と光アイソレータおよびこれ等の製造方法

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