JP4149330B2 - アクチノイドの分離方法 - Google Patents

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この発明は、例えば原子力発電所から発生する使用済み燃料を再処理する際に発生する高レベル放射性廃棄物中から、地層処分の対象であるアクチノイドを選択的に分離するアクチノイドの分離方法に関するものである。
使用済み燃料を再処理する際に硝酸溶液として発生する高レベル放射性廃棄物には、(1)短半減期で高い発熱量を有するセシウム・ストロンチウム元素群、(2)長半減期でα核種であるアクチノイド元素群および(3)短半減期でβ核種またはγ核種のランタノイド元素群等の核種が含まれている。
このような高レベル放射性廃棄物は、ホウケイ酸ガラス固化体として地層処分することが検討されており、そのホウケイ酸ガラス固化体は年間数百トン程度発生するものと考えられている。
ところで、高レベル放射性廃棄物のうち、本来地層処分の対象となるべき核種は、上記(2)のアクチノイド元素群だけである。すなわち、高レベル放射性廃棄物からアクチノイド元素群だけを分離し、地層処分できれば、発生するホウケイ酸ガラス固化体の総量を数十%削減することが可能となる。
従来、高レベル放射性廃棄物中のアクチノイド元素群およびランタノイド元素群を選択的に抽出し、セシウム・ストロンチウム元素群と分離するための溶媒抽出用キレート剤として、n−オクチル(フェニル)−N,N−ジイソブチルカルバモイルメチルフォスフィンオキサイド(以下、CMPOという)が開発されており、これによりセシウム・ストロンチウム元素群とアクチノイド・ランタノイド元素群との分離が可能になっている。
一方、アクチノイド元素群とランタノイド元素群とは化学的、物理的性質が非常に似ており、一般的には両者の分離は困難とされている。
このような状況の下で、アクチノイド元素群とランタノイド元素群とを含む液体からアクチノイド元素群を選択的に分離する溶剤抽出用キレート剤として、アルキルービスー1,2,4−トリアジニルピリジン(以下、R−BTPという)等が開発されている。このR−BTPを用いた場合には、硝酸イオン濃度が高い方がアクチノイド元素としてのアメリシウム(Am)に対する吸着性が増大するが、酸濃度が高いとR−BTP自体が酸に溶解する性質を有している。このため、R―BTPの使用に際しては、酸濃度を上げずに硝酸イオン濃度を上げる必要から、硝酸ナトリウムが添加されている。
Journal of NUCLEAR SCIENCE and TECHNOLOGY 37巻、1108頁〜1110頁(2000年)
しかし、従来のアクチノイドの分離方法は上述のような構成を有しているので、次のような課題があった。すなわち、R−BTPの抽出性能は十分ではなく、また抽出時に大量の硝酸ナトリウムを添加する必要があるため、抽出後に大量の硝酸ナトリウムが二次廃棄物として発生してしまうという課題があった。さらに、溶媒抽出法では、大量の有機溶媒を使用するため、廃有機溶媒を処理する後工程が必要となり、プロセスが複雑化するという課題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、二次廃棄物および廃有機溶媒を発生させることなく、アクチノイドの分離性能に優れたアクチノイドの分離方法を得ることを目的とする。
本発明者らは、上記事情に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、高レベル放射性廃棄物が溶解している硝酸溶液中で、アクチノイド元素群に対する吸着性が高く、ランタノイド元素軍に対する吸着性が低いチアカリックスアレーン化合物を吸着剤として使用できることを見出した。しかも、チアカリックスアレーン化合物でアクチノイド元素群を吸着分離する場合には、従来の分離方法で課題となっていた二次廃棄物および廃有機溶媒の発生もない点で環境的に優れかつ簡易な分離方法と位置付けられるものと確信するに至った。
この発明に係るアクチノイドの分離方法は、アクチノイド元素群およびランタノイド元素群を含む被吸着液を、チアカリックスアレーン化合物に接触させて、前記アクチノイド元素群を選択的に前記チアカリックスアレーン化合物に吸着させるように構成したものである。
この発明では、チアカリックスアレーン化合物を、無機化合物、有機化合物およびこれらの複合体から選択された担体に担持してもよい。
また、この発明では、チアカリックスアレーン化合物としてイオン交換基を有するものを用いる場合に、担体としてのイオン交換体にイオン交換して担持してもよい。
この発明によれば、アクチノイド元素群およびランタノイド元素群を含む被吸着液を、チアカリックスアレーン化合物に接触させて、アクチノイド元素群を選択的にチアカリックスアレーン化合物に吸着させるように構成したので、ランタノイド元素群からアクチノイド元素群を効率よく分離することができるという効果がある。また、この発明によれば、従来のR−BTPを用いた溶媒抽出法で課題とされた二次廃棄物および廃有機溶媒を発生させることがないという効果がある。
この発明によれば、チアカリックスアレーン化合物を、無機化合物、有機化合物およびこれらの複合体から選択された担体に担持するように構成したので、チアカリックスアレーン化合物とアクチノイド元素またはランタノイド元素との接触機会を増加させることができるという効果がある。
この発明によれば、チアカリックスアレーン化合物としてイオン交換基を有するものを用いる場合に、担体としてのイオン交換体にイオン交換して担持するように構成したので、イオン交換基を有するチアカリックスアレーン化合物を担体に容易に担持させることができ、アクチノイド元素またはランタノイド元素との接触機会を増加させることができるという効果がある。
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるアクチノイドの分離方法を説明するためのフローチャートである。なお、高レベル放射性廃棄物が硝酸溶液に溶解した状態で存在することから、この実施の形態1は、硝酸溶液中でアクチノイドの分離を実施する例として説明される。
この実施の形態1では、まず調製工程(ステップST1)において、チアカリックスアレーン化合物を担持するための担体を調製し(ステップST1A)、この調製された担体にチアカリックスアレーン化合物を担持した吸着剤を調製する(ステップST1B)。
チアカリックスアレーン化合物は、4個乃至6個のフェノール類化合物を硫黄(S)あるいはSO、SO等の硫黄化合物で架橋した構造を有するものであり、例えば化学式1で示すCAP4、化学式2で示すCAPS4−SO、化学式3で示すCAPS4−SO、化学式4で示すCAPS4−ECM、化学式5で示すCAPS4−SONa、化学式6で示すCAPS6を挙げることができるが、この発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0004149330
Figure 0004149330
Figure 0004149330
Figure 0004149330
Figure 0004149330
Figure 0004149330
チアカリックスアレーン化合物を担持するための担体は、例えばシリカ等の無機化合物、例えばポリスチレン等の有機化合物およびこれらの複合体から、チアカリックスアレーン化合物の種類等に応じて適宜選択される。このような担体に担持されることで、チアカリックスアレーン化合物は、上記担体に担持されていない場合と比べて、後述の試料液(被吸着液)中の被吸着元素としてのアクチノイド元素またはランタノイド元素との接触機会が増加する。担体としては、チアカリックスアレーン化合物を担持する表面積を増すために、細孔を有するものが好ましく、その細孔としては、チアカリックスアレーン化合物の担持量を大きくするために、内容積の大きいものが望ましい。
上記担体へのチアカリックスアレーン化合物の担持方法としては、例えば有機溶媒にチアカリックスアレーン化合物を溶解し、その溶解液に担体を浸漬した後、有機溶媒を蒸発により除去する方法が一般的であるが、この発明はこのような担持方法に限定されるものではない。特に、スルホン酸塩等のイオン交換基を有するチアカリックスアレーン化合物を用いる場合には、当該チアカリックスアレーン化合物を担体としてのイオン交換体にイオン交換して担持する方法を採用することも可能である。これにより、イオン交換基を有するチアカリックスアレーン化合物を担体に容易に担持させることができ、後述の試料液(被吸着液)中のアクチノイド元素またはランタノイド元素との接触機会を増加させることができる。
上記ステップST1と並行して、アクチノイド元素またはランタノイド元素を含む試料液(被吸着液)を調製し(ステップST2)、この調製された試料液に対してアクチノイド元素またはランタノイド元素の濃度分析を行う(ステップST4)。この実施の形態1では、高レベル放射性廃棄物溶液が硝酸溶液に溶解した状態で存在することから、高レベル放射性廃棄物溶液に代えて用いられる試料液も硝酸溶液として調製される。
ここで、チアカリックスアレーン化合物は、硝酸溶液中において、共存アニオン(硝酸イオンや塩化物イオン)の影響をほとんど受けないが、中性域の方がアクチノイド元素としてのAmに対する吸着性が高くなる性質を有している。また、ランタノイド元素としてのネオジム(Nd)やユーロピウム(Eu)に対する吸着性も中性域で増加することから、高い分配比(KdAm/KdNd,Eu)が得られかつAmに対する高い吸着性を得るためには、pH4付近が望ましい。pHが低すぎるとAmに対する吸着性が低下するため、その場合には高レベル放射性廃棄物溶液を希釈あるいは中和する必要がある。従って、試料液もpH4付近になるように調製される。また、試料液中のアクチノイド元素またはランタノイド元素の濃度は、α線用液体シンチレーションカウンターまたは高周波誘導プラズマ法で定量的に分析される。
次に、吸着工程(ステップST2)において、ステップ2で調製された試料液をステップST1Bで調製された吸着剤へ添加して(ステップST3A)、試料液をチアカリックスアレーン化合物に接触させ、吸着後の試料液と吸着剤とを分離する固液分離を行う(ステップST3B)。
上記ステップST3Aでは、吸着剤への試料液の添加をバッチ式またはカラム式で行うことが可能である。バッチ式は小規模の実験におけるアクチノイドの分離に適しており、カラム式であれば、吸着剤を充填したカラム内に試料液を連続的に供給することで、試料液中の被吸着元素としてのアクチノイド元素またはランタノイド元素に対する連続的な吸着操作が可能となり、ランタノイド元素からのアクチノイド元素の分離効率を格段に高めることが可能となる。
上記ステップST3Bにおける固液分離方法としては、例えばフィルタによる濾過を選択することが可能であるが、この発明はこの濾過方法に限定されるものではなく、一般的な固液分離手段を用いて実施することが可能である。
次に、固液分離後の試料液に対して、ステップST4と同様に、高周波誘導プラズマ法またはα線用液体シンチレーションカウンターで、アクチノイド元素またはランタノイド元素の濃度分析を行う(ステップST5)。
最後に、ステップST4で分析されたアクチノイド元素またはランタノイド元素の濃度と、ステップST5で分析されたアクチノイド元素またはランタノイド元素の濃度とを次の数式1に代入して、分配比(Kd)を算出し、チアカリックスアレーン化合物を含む吸着剤の吸着性能を評価する(ステップST6)。
Figure 0004149330
ここで、Kdは、その値が大きいほど元素の吸着量が大きいことを示している。このため、例えば分配比(KdAm/KdNd)または(KdAm/KdEu)、すなわちアクチノイド元素に対するKdが大きく、なおかつランタノイド元素に対するKdが小さい吸着剤がアクチノイドの分離に適している。ここで、アクチノイドの分離に最適な吸着剤としては、分配比(KdAm/KdNd,Eu)>100の条件を満たすチアカリックスアレーン化合物が望ましい。
以上のように、この実施の形態1によれば、処理液を、担体に担持されたチアカリックスアレーン化合物に接触させて、アクチノイド元素を選択的にチアカリックスアレーン化合物に吸着させるように構成したので、ランタノイド元素からアクチノイド元素を効率よく分離することができるという効果がある。また、この実施の形態1によれば、従来のR−BTPを用いた溶媒抽出法で課題とされた二次廃棄物および廃有機溶媒を発生させることがないという効果がある。
この実施の形態1によれば、チアカリックスアレーン化合物を、無機化合物、有機化合物およびこれらの複合体から選択された担体に担持するように構成したので、チアカリックスアレーン化合物とアクチノイド元素またはランタノイド元素との接触機会を増加させることができるという効果がある。
この実施の形態1によれば、チアカリックスアレーン化合物としてイオン交換基を有するものを用いる場合に、担体としてのイオン交換体にイオン交換して担持するように構成したので、イオン交換基を有するチアカリックスアレーン化合物を担体に容易に担持させることができ、アクチノイド元素またはランタノイド元素との接触機会を増加させることができるという効果がある。
以下、この発明を実施例および比較例により詳述する。
(1)担体の調製
比表面積5m/g、細孔容積0.9cm/gおよび平均細孔径0.5μmの多孔性球状シリカ担体190gをナス型フラスコ内に仕込み、これをロータリーエバポレータに設置した。次に、ナス型フラスコ内を窒素置換した後に、真空引きした。この間に、モノマー純度96%のm/p−ジビニルベンゼン6.4gとm/p−ホルミルスチレン36.2gを、溶媒としての1,2,3−トリクロロプロパン120.3gとm−キシレン49.6gに混合し、この混合液に重合開始剤としてのα,α´−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.62gと1,1´−アゾビス(シキロヘキサン−1−カルボニトリル)(V−40)0.41gを加えて溶解し、モノマー溶液を得た。その後に、真空引きしておいたナス型フラスコ内に上記モノマー溶液を加えて重合を開始した。このとき、ナス型フラスコ内を昇温速度0.7℃/分で60℃まで昇温させ、これを1時間保持した後、70℃まで昇温させて、これを2時間保持した。これ以降、80℃で2時間保持、90℃で13時間保持して重合を終了した。得られた担体をアセトン、水およびメタノールで洗浄した後、60℃で一昼夜真空乾燥させて溶媒を完全に除去した上で担体を調製した。
(2)吸着剤1の調製
上記(1)で得られた担体10gをナス型フラスコ内に仕込み、このナス型フラスコ内に、チアカリックスアレーン化合物として5gのCAPS4を溶解したクロロホルム100cmを投入した後、このナス型フラスコをロータリーエバポレータに設置し、減圧しながら40℃で1時間保持してクロロホルムを気化除去し、さらに40℃で一昼夜真空乾燥させて溶媒を完全に除去して、実施例に用いられる吸着剤1を調製した。
(3)吸着剤2の調製
上記(1)で得られた担体10gをナス型フラスコ内に仕込み、このナス型フラスコ内に、チアカリックスアレーン化合物として5gのCAPS4−SOを溶解したN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)100cmを投入した後、このナス型フラスコをロータリーエバポレータに設置し、減圧しながら90℃で1時間保持してDMFを気化除去し、さらに90℃で一昼夜真空乾燥させて溶媒を完全に除去して、実施例に用いられる吸着剤2を調製した。
(4)吸着剤3の調製
上記(1)で得られた担体10gをナス型フラスコ内に仕込み、このナス型フラスコ内に、5gのCMPOを溶解したジクロロエタン20cmを投入した後、このナス型フラスコをロータリーエバポレータに設置し、減圧しながら40℃で1時間保持してジクロロエタンを気化除去し、さらに40℃で一昼夜真空乾燥させて溶媒を完全に除去して、比較例に用いられる吸着剤3を調製した。
(5)吸着剤4の調製
含浸するキレート剤をn−ペンチル−BTP(C5−BTP)に代えた以外は、吸着剤3と同様の方法で吸着剤4を調製した。
(6)吸着剤1〜4の吸着性能評価試験
上記吸着剤1〜4に、Am、NdまたはEuの硝酸塩水溶液を接触させるバッチ式吸着試験(実施例1〜5および比較例1〜4)を行い、各吸着剤に関するKdを算出して吸着性能を評価し、その結果を表1に示した。
実施例1
吸着剤1と、被吸着液として硝酸Nd水溶液(pH4、1×10−4mol/L)とを用いて硝酸Nd吸着試験を次のように行った。
まず、吸着剤1を0.1g秤量し、所定のバイアル瓶に投入し、10cmの上記被吸着液を加えて、50℃の恒温槽内で所定時間(3時間)吸着させた。次に、約130回転/分で振とうし、所定の吸着時間後に、0.45μmのフィルタを用いて固液分離し、吸着前後のNd元素濃度を高周波誘導プラズマ方で定量分析し、分配比Kdを算出した。
実施例2
吸着剤1を用いた硝酸Am吸着試験を、硝酸Am水溶液(pH4、0.168×10−9mol/L)を被吸着液として用いた以外は、実施例1と同様に行った。但し、吸着前後のAm元素濃度はα線用液体シンチレーションカウンターで定量分析し、分配比Kdを算出した。
実施例3
吸着剤2を用いた以外は、実施例1と同様に行った。
実施例4
吸着剤2を用いた硝酸Eu吸着試験を、硝酸Eu水溶液(pH4、1×10−4mol/L)を被吸着液として用いた以外は、実施例1と同様に行った。
実施例5
吸着剤2を用いた以外は、実施例2と同様に行った。
比較例1
吸着剤3を用いた硝酸Nd吸着試験を、硝酸濃度を1mol/Lに調整した硝酸Nd水溶液(1×10−4mol/L)を被吸着液として用いた以外は、実施例1と同様に行った。
比較例2
吸着剤3を用いた硝酸Am吸着試験を、硝酸濃度を1mol/Lに調整した硝酸Am水溶液(0.168×10−9mol/L)を被吸着液として用いた以外は、実施例2と同様に行った。
比較例3
吸着剤4を用いた硝酸Eu吸着試験を、硝酸濃度を1mol/Lに、硝酸ナトリウム濃度を3mol/Lにそれぞれ調整した硝酸Eu水溶液(1×10−3mol/L)を被吸着液として用いた以外は、実施例1と同様に行った。
比較例4
吸着剤4を用いた硝酸Am吸着試験を、硝酸濃度を1mol/Lに、硝酸ナトリウム濃度を3mol/Lにそれぞれ調整した硝酸Am水溶液(0.168×10−9mol/L)を被吸着液として用いた以外は、実施例1と同様に行った。
Figure 0004149330
表1から明らかなように、実施例1と実施例2から吸着剤1の分配比(KdAm/KdNd)が50であり、実施例3と実施例4と実施例5から吸着剤2の分配比(KdAm/KdNd,Eu)が500であることが分かる。一方、比較例1と比較例2から吸着剤3の分配比(KdAm/KdNd)が1.54であり、比較例3と比較例4から吸着剤4の分配比(KdAm/KdEu)が5.36であることが分かる。このような知見から、チアカリックスアレーン化合物を含む吸着剤の分配比は、従来の吸着剤の分配比に比べて格段に高い値を示すことが理解される。
なお、吸着性能評価試験では、アクチノイド元素およびランタノイド元素のうち、一方の元素のみを含む単独系の試料液を被吸着液として用いたが、この単独系での吸着性能評価は双方の元素を含む混合系の試料液を用いた場合とほぼ同様であると推定される。
この発明の実施の形態1によるアクチノイドの分離方法を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
ST1 吸着剤調製工程
ST1A 担体の調製
ST1B 吸着剤の調製
ST2 試料液の調製
ST3 吸着工程
ST3A 吸着剤への添加
ST3B 固液分離
ST4 元素濃度分析
ST5 元素濃度分析
ST6 吸着性評価

Claims (3)

  1. アクチノイド元素群およびランタノイド元素群を含む被吸着液を、チアカリックスアレーン化合物に接触させて、前記アクチノイド元素群を選択的に前記チアカリックスアレーン化合物に吸着させることを特徴とするアクチノイドの分離方法。
  2. チアカリックスアレーン化合物は、無機化合物、有機化合物およびこれらの複合体から選択された担体に担持されていることを特徴とする請求項1記載のアクチノイドの分離方法。
  3. チアカリックスアレーン化合物はイオン交換基を有するものであり、担体としてのイオン交換体にイオン交換されて担持されていることを特徴とする請求項2記載のアクチノイドの分離方法。
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