JP2001255273A - 環状フェノール硫化物を用いる希土類金属イオンの分析法 - Google Patents

環状フェノール硫化物を用いる希土類金属イオンの分析法

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JP2001255273A
JP2001255273A JP2000067832A JP2000067832A JP2001255273A JP 2001255273 A JP2001255273 A JP 2001255273A JP 2000067832 A JP2000067832 A JP 2000067832A JP 2000067832 A JP2000067832 A JP 2000067832A JP 2001255273 A JP2001255273 A JP 2001255273A
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earth metal
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phenol sulfide
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JP2000067832A
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Sotaro Miyano
壮太郎 宮野
Nobuhiko Iki
伸彦 壹岐
Haruhiko Takeya
晴彦 竹矢
Setsuko Miyanari
節子 宮成
Hitoshi Kumagai
仁志 熊谷
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Tohoku University NUC
Cosmo Research Institute
Original Assignee
Tohoku University NUC
Cosmo Research Institute
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶解している微量の希土類金属イオンをも簡
便かつ高感度に検出、定量することができる分析方法を
提供する。 【解決手段】 式(1)(式中、XはS、SOまたはS
であり、nは4〜6の整数であり、Yはスルホン酸
基またはその金属塩である。)で表されるチアカリック
スアレーン、スルフィニル化チアカリックスアレーンお
よびスルホニル化チアカリックスアレーンから選ばれる
少なくとも1種の環状フェノール硫化物と、希土類金属
イオンを含有する溶液とを接触させた後、この混合液に
光照射して蛍光検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チアカリックスア
レーンスルホン酸もしくはその金属塩、スルフィニル化
チアカリックスアレーンスルホン酸もしくはその金属
塩、またはスルホニル化チアカリックスアレーンスルホ
ン酸もしくはその金属塩と、希土類金属イオンの会合体
の蛍光発光強度の測定を利用する、希土類金属イオンの
分析方法に関する。
【0002】
【従来の技術】水中などの金属イオンの分析は、環境保
全や資源開発、希少資源のリサイクル管理など、多様な
分野において重要な基盤技術である。この方法として、
従来は、原子吸光法、プラズマ発光法、イオンクロマト
グラフ法等が使用されているが、これらは測定に要する
準備や用いる試薬、操作の複雑さといった難点を有して
いた。これに対して蛍光法は、基本的にはイオン応答性
の蛍光試薬と蛍光分光器があれば多種の元素に簡便かつ
高感度で対応できるという利点を有しているが、被検物
質である金属イオン自体を分析できないため、金属イオ
ンの共存下において顕著な蛍光発光を示し、かつその強
度変動から金属イオン濃度が判断できる優秀な蛍光試薬
が求められていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、蛍光法による希土類金属イオン濃度分析に
有用な新しい蛍光発色剤を提供し、優れた定量性を有す
る分析手段を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、フェノー
ル硫化物群の系統的な合成研究により、かご型骨格を有
する環状フェノール硫化物が、金属イオンと強い親和性
を示すことを見い出し、これを開示している(特開平1
1−179104号公報)。本発明者らは、環状フェノ
ール硫化物の化学構造と、金属との親和性、分光学的挙
動を鋭意検討した結果、特定の化学構造を有する環状フ
ェノール硫化物が希土類金属イオン共存下で、顕著な蛍
光発光を示し、かつこの発光挙動が共存する希土類金属
イオンとのモル比によって直線的に変化することを突き
止め、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明
は、式(1)
【0005】
【化2】
【0006】(式中、XはS、SOまたはSOであ
り、nは4〜6の整数であり、Yはスルホン酸基または
その金属塩である。)で表されるチアカリックスアレー
ン、スルフィニル化チアカリックスアレーンおよびスル
ホニル化チアカリックスアレーンから選ばれる少なくと
も1種の環状フェノール硫化物と、希土類金属イオンを
含有する溶液とを接触させた後、この混合液に光照射し
て蛍光検出することを特徴とする希土類金属イオンの分
析方法を提供する。また、本発明は、上記希土類金属イ
オンの分析方法において、測定pHが4以上である希土
類金属イオンの分析方法を提供する。以下、本発明を詳
細に説明する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明においては、式(1)の環
状フェノール硫化物を使用する。式(1)において、Y
のスルホン酸金属塩の金属としては、特に制限ないが、
アルカリ金属が好ましい。アルカリ金属は、ナトリウ
ム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フランジウムな
どがあるが、ナトリウムが好ましい。また、式(1)に
おいて、nは、4〜6の整数であるが、好ましくは4で
ある。式(1)の環状フェノール硫化物は、式(1)の
XがSであるチアカリックスアレーンスルホン酸もしく
はその金属塩、式(1)のXがSOであるスルフィニル
化チアカリックスアレーンもしくはその金属塩、また
は、式(1)のXがSO であるスルホニル化チアカリ
ックスアレーンスルホン酸もしくはその金属塩である。
それらは、その製造法に特段の制約はなく、例えば特開
平9−227553号明細書に記載されているチアカリ
ックスアレーンおよびその脱炭化水素法並びにスルホン
化法を基本として、国際出願公開公報WO98/099
59号に記載のスルフィニル化もしくはスルホニル化方
法を適宜組み合わせることによって製造することができ
る。また、本発明者らは脱アルキルとスルホン化を1段
階で行う反応方法も開発しており(特願平9‐3540
73号公報)、この方法を適用することで、さらに簡便
な製造が可能である。本発明においては、式(1)の環
状フェノール硫化物は、1種のみで使用してもよいし、
2種以上を組合せて使用してもよい。
【0008】本発明の希土類金属イオンの分析方法は、
上記式(1)の環状フェノール硫化物を、希土類金属イ
オンを含む溶液と接触し、この混合液の蛍光発光強度か
ら希土類金属イオンの濃度を知るものである。式(1)
の環状フェノール硫化物は、希土類金属イオンを含む溶
液と接触させる前に、溶媒に溶解させて用いることが好
ましい。この溶媒および希土類金属イオンを含む溶液の
溶媒としては、イオン交換水の他、水溶性有機溶媒とイ
オン交換水の混合液が好ましく、混合使用される有機溶
媒としては、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチ
ルアセチルアミド(DMAc)等のアミド類、ジメチル
スルホキシド(DMSO)等のスルホキシド類、アセト
ン、メチルエチルケトン(MEK)などのケトン類が好
ましい。これらの有機溶媒は、30%(vol)以下、好
ましくは10%(vol)以下とすることが好ましい。
【0009】分析の対象となる金属イオンは、希土類金
属イオンである。希土類金属イオンは、スカンジウム、
イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネ
オジム、プロメチウム、サマリウム、ユーロピウム、ガ
ドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウ
ム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウ
ムなどのイオンである。希土類金属イオンは、環状フェ
ノール硫化物の種類により異なるが、通常10-10
以上の濃度で測定が可能である。本発明においては、希
土類金属イオンの数が、式(1)の環状フェノール硫化
物の分子数以下であれば分析可能であるが、環状フェノ
ール硫化物の過剰分は無駄となる。検出試薬である環状
フェノール硫化物の無駄を省く上で、予め測定濃度領域
が分かっている場合は、予想される希土類金属イオンの
数の10倍量以下が好ましく、5倍量以下が特に好まし
い。本発明においては、希土類金属イオンと式(1)の
環状フェノール硫化物の混合液に光照射して蛍光検出す
る。
【0010】照射する光は、紫外線が好ましく、200
〜350nmの波長の紫外線が特に好ましい。照射する
光の照度は、通常の分光光度計の照度であればよい。発
生する蛍光は、式(1)の化合物の種類、検出する希土
類金属イオンの種類によって異なる。蛍光検出の好適な
手順の具体例としては、一定濃度の式(1)の環状フェ
ノール硫化物溶液に対して、過少量の被検液を加えて蛍
光強度を測定し、あらかじめ作製した検量線から濃度を
求める他、被検液に一定濃度の式(1)の環状フェノー
ル硫化物溶液を加えながら蛍光強度を測定し、蛍光強度
が上昇しなくなる点(変曲点)における式(1)の環状
フェノール硫化物の投入量から希土類金属イオンの濃度
を求める方法があり、これらは利用状況に応じて任意に
選択すればよい。蛍光検出は、検量線の作成時と同一p
Hで行うことが好ましく、その利用範囲は、チアカリッ
クスアレーンスルホン酸またはその金属塩を用いる場合
はpH7〜14が好ましく、さらに好ましくはpH8〜
12である。また、スルフィニル化チアカリックスアレ
ーンスルホン酸またはその金属塩およびスルホニル化チ
アカリックスアレーンスルホン酸またはその金属塩を用
いる場合はpH4〜14が好ましく、さらに好ましくは
pH5〜12である。本発明においては、蛍光検出は、
通常の分光光度計で行うことができる。
【0011】
【実施例】次に、本発明を製造例、実施例によりさらに
詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら制
限されるものではない。 (製造例1) 5,11,17,23−テトラ−tert−ブチル−2
5,26,27,28−テトラヒドロキシ−2,8,1
4,20−テトラチア[1.9.3.1.13,
9,1315,19]オクタコサ−1(25),3,
5,7(28),9,11,13(27),15,1
7,19(26),21,23−ドデカエンの合成。 4−t e r t−ブチルフェノール45.2gに、単体硫
黄14.4g及び水酸化ナトリウム3.0gとてトラエ
チレングリコールジメチルエーテル7.60gを加え、
窒素雰囲気下攪拌しながら、4時間かけて徐々に230
℃に加熱し、さらに2時間攪拌した。この間、反応で生
成する水及び硫化水素は除去した。この反応混合物を室
温まで冷却し、エーテル500mlを加え溶解させた
後、1規定の硫酸水溶液で加水分解した。分液したエー
テル層を水洗し硫酸マグネシウムで乾燥した。エーテル
を留去した後に得られる反応混合物を、さらにシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/クロロホル
ム)により分割し、粗生成物を得、これをクロロホルム
/アセトンから再結晶することにより、無色透明の結晶
である5,11,17,23−テトラ−tert−ブチ
ル−25,26,27,28−テトラヒドロキシ−2,
8,14,20−テトラチア[1.9.3.1.1
3,79,1315,19]オクタコサ−1(2
5),3,5,7(28),9,11,13(27),
15,17,19(26),21,23−ドデカエン2
6.5gを得た。収率は45%であった。
【0012】(製造例2) 25,26,27,28−テトラヒドロキシ−2,8,
14,20−テトラチア[1.9.3.1.13,7
9,1315,19]オクタコサ−1(25),3,
5,7(28),9,11,13(27),15,1
7,19(26),21,23−ドデカエン−5,1
1,17,23−テトラスルホン酸ナトリウムの合成 還流冷却器を備えた30mlナス型フラスコに、5,1
1,17,23−テトラ−tert−ブチル−25,2
6,27,28−テトラヒドロキシ−2,8,14,2
0−テトラチア[1.9.3.1.13,79,13
15,19]オクタコサ−1(25),3,5,7
(28),9,11,13(27),15,17,19
(26),21,23−ドデカエン10.0g(13.
9mmol)と95%濃硫酸100mlを加えて懸濁さ
せ、90℃に加熱し24時間反応させた。この反応液を
水冷後、ガラスフィルターを用いてろ過し、ろ液を精製
水50mlに希釈し、未反応原料をろ過した。次いで、
このろ液に塩化ナトリウム20gを加え塩析を行い、淡
黄色粉末(9.7g.収率77.3%)を得た。この粉
末をエタノールで洗浄し、水から再結晶することで白色
粉末状の25,26,27,28−テトラヒドロキシ−
2,8,14,20−テトラチア[1.9.3.1.1
3,79,1315,19]オクタコサ−1(2
5),3,5,7(28),9,11,13(27),
15,17,19(26),21,23−ドデカエン−
5,11,17,23−テトラスルホン酸ナトリウム
8.68gを得た。収率は69.2%であった。生成物
のNMR分析結果を以下に示す。 H‐NMR(DO,400MHz):δppm(f
rom DDS)7.97(s,8H,ArH)13 C‐NMR(DO,400MHz):δppm
(from CHCN)117.06,132.6
9,133.24,155.68(Ar)
【0013】(製造例3) 5,11,17,23−テトラ−tert−ブチル−2
5,26,27,28−テトラヒドロキシ−2,8,1
4,20−テトラスルホニル[1.9.3.1.1
3,79,1315,19]オクタコサ−1(2
5),3,5,7(28),9,11,13(27),
15,17,19(26),21,23−ドデカエンの
合成。 還流冷却器を備えた10mlナス型フラスコに、5,1
1,17,23−テトラ−tert−ブチル−25,2
6,27,28−テトラヒドロキシ−2,8,14,2
0−テトラチア[1.9.3.1.13,79,13
15,19]オクタコサ−1(25),3,5,7
(28),9,11,13(27),15,17,19
(26),21,23−ドデカエン1.0g(1.38m
mol)をクロロホルム30mlに溶解し、酢酸50m
l、過ホウ素酸ナトリウム2.0g(13.0ml)を
加え50℃で18時間撹拌した。放冷後、得られた反応
溶液からクロロホルム(50ml×3)で生成物の抽出
を行った。クロロホルム相を2N塩酸で洗浄後、無水硫
酸マグネシウムで乾燥させ、クロロホルムを留去するこ
とにより、白色の粉末を得た。これをベンゼン‐メタノ
ールから再結晶して、5,11,17,23−テトラ−
tert−ブチル−25,26,27,28−テトラヒ
ドロキシ−2,8,14,20−テトラスルホニル
[1.9.3.1.1 3,79,1315,19]オ
クタコサ−1(25),3,5,7(28),9,1
1,13(27),15,17,19(26),21,
23−ドデカエン1.06gを得た。収率は90.0%
であった。生成物のNMR分析結果を以下に示す。 H‐NMR(DO,400MHz):δppm(f
rom DDS)8.05(s,8H,ArH),1.
28(s,36H,tert-Butyl)13 C‐NMR(DO,400MHz):δppm
(from CHCN)155.8,143.3,1
33.6,128.9(Ar),34.9(‐(CH
),31.2(C‐(
【0014】(製造例4) 25,26,27,28−テトラヒドロキシ−2,8,
14,20−テトラスルホニル[1.9.3.1.1
3,79,1315,19]オクタコサ−1(2
5),3,5,7(28),9,11,13(27),
15,17,19(26),21,23−ドデカエン−
5,11,17,23−テトラスルホン酸ナトリウムの
合成 還流冷却器を備えたナス型フラスコに、25,26,2
7,28−テトラヒドロキシ−2,8,14,20−テ
トラチア[1.9.3.1.13,79,1
15,19]オクタコサ−1(25),3,5,7(2
8),9,11,13(27),15,17,19(2
6),21,23−ドデカエン−5,11,17,23
−テトラスルホン酸ナトリウム200mg(0.221m
mol)、過酸化水素水1mlを加え、ここにトリフル
オロ酢酸2mlを1時間かけて滴下した。滴下後、室温
で8時間撹拌した。得られた反応液にアセトンを加えて
析出する固形物をろ過により回収し、この固体をアセト
ン‐水から再結晶して白色の25,26,27,28−
テトラヒドロキシ−2,8,14,20−テトラスルホ
ニル[1.9.3.1.13,79,13
15,19]オクタコサ−1(25),3,5,7(2
8),9,11,13(27),15,17,19(2
6),21,23−ドデカエン−5,11,17,23
−テトラスルホン酸ナトリウム187.7mgを得た。収
率は80.5%であった。生成物のNMR分析結果を以
下に示す。 H‐NMR(DO,400MHz):δppm(f
rom DDS)8.32(s,8H,ArH)13 C‐NMR(DO,400MHz):δppm
(from CHCN)128.89,134.29
(Ar)
【0015】(製造例5) 5,11,17,23−テトラ−tert−ブチル−2
5,26,27,28−テトラヒドロキシ−2,8,1
4,20−テトラスルフィニル[1.9.3.1.1
3,79,1315,19]オクタコサ−1(2
5),3,5,7(28),9,11,13(27),
15,17,19(26),21,23−ドデカエンの
合成。 5,11,17,23−テトラ−tert−ブチル−2
5,26,27,28−テトラヒドロキシ−2,8,1
4,20−テトラチア[1.9.3.1.1 ,7
9,1315,19]オクタコサ−1(25),3,
5,7(28),9,11,13(27),15,1
7,19(26),21,23−ドデカエン1.8gを
クロロホルム30mlに溶解した溶液に、30%過酸化
水素水5.7gをあらかじめ100mlの氷酢酸に溶解
させた溶液を30分かけて室温で滴下し、更に24時間
室温で撹拌した。得られた反応液にイオン交換水150
mlを加え、クロロホルム(50ml×3)で生成物を
抽出し、さらにこのクロロホルム層をイオン交換水で3
回水洗した。このクロロホルム溶液を無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥させた後ろ過し、ロータリーエバポレータを
用いてろ液を濃縮乾固した。得られた白色粉末522m
gをメタノールで洗浄することにより、白色の5,1
1,17,23−テトラ−tert−ブチル−25,2
6,27,28−テトラヒドロキシ−2,8,14,2
0−テトラスルフィニル[1.9.3.1.13,7
9,1315,19]オクタコサ−1(25),3,
5,7(28),9,11,13(27),15,1
7,19(26),21,23−ドデカエン485mg
を得た。収率は25%であった。生成物の分析結果を以
下に示す。
【0016】融点:210℃(分解点)、 H‐NMR:(δ,ppm,ClCDCDCl
9.20(s,4H,OH),7.61(s,8H,Ar
H),1.26(s,36H,C(CH)、13 C‐NMR:(δ,ppm,ClCDCDC
)152.7,142.4,130.2,128.
0,124.2,122.8(Ar),34.8(
(CH),31.4(C()、 FT−IR:(cm−1,KBr):3074(br,O
H),2960(s、CH),1051,998
(s,SO)、 MS(m/z):785(M+1)、 元素分析値(%):理論値 for C4048
:C,61.20;H,6.16;S,16.3
4、測定値:C,61.1;H,6.3;S,15.9
【0017】(実施例1)試料の調製は、メスフラスコ
に5×10‐5Mのチアカリックス[4]アレーンスルホ
ン酸Na塩水溶液と5×10‐5Mのテルビウム(T
b)水溶液100ulと緩衝液50ulを加え、イオン
交換水で希釈して総量25mlとする手順で行い、5×
10‐5Mのチアカリックス[4]アレーンスルホン酸N
a塩水溶液の添加量を変化させ、チアカリックス[4]ア
レーンスルホン酸Na塩/Tb(mol/mol)を
0.1〜3.0とした各混合液を調製した。これらの各
混合液に励起波長261nmの紫外線を照射し、547
nmの蛍光強度を分光光度計で測定した。その結果、図
1に示すように、チアカリックス[4]アレーンスルホン
酸Na塩/Tb(mol/mol比)=1/1に変極点
を示す直線関係が確認された。
【0018】(実施例2)チアカリックス[4]アレーン
スルホン酸Na塩に代えてスルホニル化チアカリックス
[4]アレーンスルホン酸Na塩を用い、励起波長を33
0nmとした以外、実施例1と同様に実施した。実施例
1同様、図2に示すように、スルホニル化チアカリック
ス[4]アレーンスルホン酸Na塩/Tb(mol/mo
l比)=1/1に変極点を示す直線関係が確認された。
【0019】(実施例3)メスフラスコに5×10‐5
Mチアカリックス[4]アレーンスルホン酸Na水溶液2
mlに緩衝液50ulを加えた溶液を6点調整し、ここ
に、2.5×10 ‐6MのTbCl水溶液を10μ
l、20μl、40μl、60μl、80μl、添加し
た5種類の溶液を調整し、TbCl水溶液未添加のチ
アカリックス[4]アレーンスルホン酸Na溶液ととも
にそれぞれイオン交換水で希釈して総量25mlとし
た。それぞれの溶液の蛍光強度を10回測定し、その平
均値から図3に示す検量線が得られた。このとき、Tb
を含まない溶液の蛍光強度は59.7、10回の測定値
の標準偏差は7.11であった。標準偏差の3倍値を示
すTb濃度は3.56×10‐10Mであり、S/N=
3における測定下限界は3.56×10‐10Mである
ことが確認された。
【0020】(実施例4)チアカリックス[4]アレー
ンスルホン酸Naに代えてスルホニル化チアカリックス
[4]アレーンスルホン酸Naを使用した以外、実施例
3と同様に実施した。それぞれの溶液の蛍光強度を10
回測定し、その平均値から図4に示す検量線が得られ
た。このとき、Tbを含まない溶液の蛍光強度は23.
2、10回の測定値の標準偏差は3.01であった。標
準偏差の3倍値を示すTb濃度は1.37×10‐10
Mであり、S/N=3における測定下限界は1.37×
10 10Mであることが確認された。 (実施例5)チアカリックス[4]アレーンスルホン酸N
a塩に代えてスルフィニル化チアカリックス[4]アレー
ンスルホン酸Na塩を用い、励起波長を330nmとし
た以外、実施例1と同様に実施した。実施例1同様、ス
ルフィニル化チアカリックス[4]アレーンスルホン酸N
a塩/Tb(mol/mol比)=1/1に変極点を示
す直線関係が確認された。
【0021】(比較例1)チアカリックス[4]アレーン
スルホン酸Na塩に代えてカリックス[4]アレーンスル
ホン酸Na塩を用いた以外実施例1と同様に実施した。
蛍光強度は実施例1および2の1/3以下であり、明確
な検量線を得ることが困難であった。また、蛍光はpH
10以上の領域でのみ検出された。上記のように、本発
明の分析方法は、検出下限界での希土類金属イオン濃度
が極めて低く、原子吸光法(下限界600pg/m
l)、ICP法(下限界600pg/ml)よりはるか
に高感度で希土類金属イオンを検出できる。
【0022】
【発明の効果】本発明の方法によれば、溶解している微
量の希土類金属イオンをも簡便かつ高感度に検出、定量
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】チアカリックス[4]アレーンスルホン酸Na塩
/Tbのモル比を変えた水溶液の蛍光強度を示したもの
である。
【図2】スルホニル化チアカリックス[4]アレーンスル
ホン酸Na塩/Tbのモル比を変えた水溶液の蛍光強度
を示したものである。
【図3】チアカリックス[4]アレーンスルホン酸Na塩
/Tbのモル比を変えた水溶液の蛍光強度を示したもの
である。
【図4】スルホニル化チアカリックス[4]アレーンスル
ホン酸Na塩/Tbのモル比を変えた水溶液の蛍光強度
を示したものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹矢 晴彦 埼玉県幸手市権現堂1134−2 株式会社コ スモ総合研究所研究開発センター内 (72)発明者 宮成 節子 埼玉県幸手市権現堂1134−2 株式会社コ スモ総合研究所研究開発センター内 (72)発明者 熊谷 仁志 埼玉県幸手市権現堂1134−2 株式会社コ スモ総合研究所研究開発センター内 Fターム(参考) 2G043 AA01 BA01 CA03 DA02 EA01 GA07 GB16 GB21 JA01 KA03 LA01 NA13 2G054 CA10 EA03 EB01 GA02 GA04 GB02 JA06

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1) 【化1】 (式中、XはS、SOまたはSOであり、nは4〜6
    の整数であり、Yはスルホン酸基またはその金属塩であ
    る。)で表されるチアカリックスアレーン、スルフィニ
    ル化チアカリックスアレーンおよびスルホニル化チアカ
    リックスアレーンから選ばれる少なくとも1種の環状フ
    ェノール硫化物と、希土類金属イオンを含有する溶液と
    を接触させた後、この混合液に光照射して蛍光検出する
    ことを特徴とする希土類金属イオンの分析方法。
  2. 【請求項2】 測定pHが4以上である請求項1記載の
    希土類金属イオンの分析方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005061970A (ja) * 2003-08-11 2005-03-10 Inst Of Research & Innovation アクチノイドの分離方法

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