JP4148786B2 - マスタシリンダの弁装置およびそれを備えるマスタシリンダ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、マスタシリンダの液圧室と、作動液を貯えるリザ−バとの間を連絡する通路途中に位置し、その通路を遮断もしくは絞り状態で連通するための弁装置に関し、特に、弁装置の弁座と弁体との接触に伴う異音の発生を抑制する技術に関する。
【0002】
【発明の背景】
一般に、自動車のブレ−キシステムにおいては、たとえば、特許第3050805号公報が示すように、運転者がペダル等を操作することに応じてブレ−キ力を生じる人的なブレ−キ機能と、そのような人的なブレ−キ操作とは無関係に、ブレ−キ力を自動的に生じさせる自動ブレ−キ機能とを併せ備えている。自動ブレ−キ機能には、トラクションコントロ−ルをはじめとして、安定走行や追突防止等のためのブレ−キなどがある。
【0003】
このようなブレ−キシステムに用いるマスタシリンダ(通常、タンデム型のマスタシリンダ)の中に、ここで問題とするような弁装置、つまり、マスタシリンダの液圧室側とリザ−バ側との間の流れを制御する弁装置を備えたものがある。特許第3050805号の弁装置は、機械的な構成要素だけからなり、ゴム等の弾性材料によって通路開口を被う構成である。機械的な構成要素だけからなる弁装置は、電磁的なコイルを含む電磁弁と比べて、構成が簡単であり、しかも、電子制御手段との電気的な接続も不要である。
【0004】
また、特開2000−309262号公報が、機械的な構成要素だけからなる別の弁装置として、作動液に浮く材料からなり、作動液中を移動可能な浮動弁体と、その浮動弁体が着座あるいは離座する弁座構成体とを備えたものを示している。この例では、弁座構成体は変形しない程度の硬い材料からなり、浮動弁体の方がより変形しやすくなっているようである(同公報の図2、4および5を参照)。したがって、浮動弁体は、弁座構成体の弁座の面に単に当たることにより、弁のシ−ルをしている。
【0005】
【発明の解決すべき課題】
浮動弁体と弁座構成体とからなる弁装置について、より確実で安定したシ−ルをするためには、浮動弁体の方を変形しない程度の硬い材料(たとえば樹脂材料)で構成し、弁座構成体の方を変形しやすい材料(たとえばゴム材料)で構成する方が好ましい。そのような構成にした場合、浮動弁体が弁座構成体の弁座に着座するとき、浮動弁体の一面が弁座部分に接触し、その弁座部分の端部を径方向内側に変形させることによりシ−ル機能を生じる。
【0006】
このような弁装置について、いろいろと実験し検討を重ねた結果、好ましいシ−ル機能を得ることができる反面、弁座部分の端部が弾性変形する際に、浮動弁体と弁座側との間に接触音(擦るような音)を生じる場合があることが判明した。この接触音は、運転者などに異音として伝わり、不安感を抱かせるおそれがあるので、できるだけ抑制することが望まれる。
【0007】
この発明は、浮動弁体と弁座構成体とからなる弁装置における異音の問題を解決するための技術を提供することを目的とする。
この発明のさらに具体的な目的は、以下の説明から明らかになるであろう。
【0008】
【発明の解決手段】
この発明では、浮動弁体が弁座構成体の弁座部分に接触するとき、浮動弁体の側ではなく、弁座構成体の側を弾性変形させることを前提とし、弁座構成体を弾性変形可能な材料製とし、全体として円筒型に構成する。円筒型の弁座構成体は、マスタシリンダおよび/またはリザ−バに固定される支持部分と、その支持部分から軸線方向に延びて先端部が自由端となり、その自由端が弁座となる本体部分とを含む。そして、その円筒型の弁座構成体に対し浮動弁体が着座するとき、浮動弁体の一面が本体部分の自由な先端部に接触し、その先端部が径方向内側に変形することによりシ−ル機能を生じる。この発明は、さらに、次の各点に特徴をもつ。
(A)本体部分の先端部は、外周側の壁面の先端に至る所定部分が、先端に行くにつれて外径寸法を小さくするテ−パ面となっている
(B)先端部の外周のテ−パ面は、シ−ル機能を生じるときに、浮動弁体の一面と相俟って、先端部が径方向内側に変形することに対し、逃げスペ−スとして機能する
【0009】
弁座構成体の本体部分の先端部の外周テ−パ面は、その先端部を径方向内側に弾性変形しやすくする機能に加えて、弾性変形するとき、先端部の外周と浮動弁体の一面とが無理な接触をしないようにする機能(逃げスペ−スとして働く機能)を生じる。そのため、弁座側の本体部分の先端部が径方向内側に弾性変形するとき、擦過による異音の発生が抑制される。
【0010】
逃げスペ−スは、弁座構成体の先端部の自由端外周と浮動弁体の一面との無理な接触を防止するための機能である。したがって、その逃げスペ−スについては、弁座構成体の側のテ−パ面だけでなく、浮動弁体の一面に設けた付加的なテ−パと相協力して構成することもできる。浮動弁体の一面は、通常は、弁座本体の軸線に対して直交している。
【0011】
また、異音を抑制するためには、弁座構成体および/または浮動弁体の形状を変えるだけでなく、両者の接触に伴う摩擦係数を低減する手法も有効である。たとえば、弁座構成体(特には、変形する先端部)、浮動弁体の材料を選定することにより、対応することもできるが、少なくとも互いに接触する表面部分に樹脂コ−ティング(たとえば、フッ素樹脂によるコ−ティング)を施すことが有効である。
【0012】
なお、この発明の弁装置は、マスタシリンダの液圧室と、作動液を貯えるリザ−バとの間を連絡する通路途中に設ければ良いが、最も一般的には、マスタシリンダの上部のボス部内周の通路である。そのボス部内周の通路は、浮動弁体の安定した動きを得る意味からも好ましい。
【0013】
また、好ましい実施形態において、弁座の本体部分の先端部の内周側の壁面は、軸線にほぼ平行する形状であり、しかも、その内周側の壁面から外周側のテ−パ面に至る、本体部分の先端の断面形状は、なめらかな曲面(たとえば、円弧状)である。
【0014】
さらに、弁座構成体の耐久性を考えると、その材料のゴム硬度をHs60〜80、好ましくはHs70±10、特に好ましくはHs75程度に設定するのが良い。その場合、先端部が径方向内側に変形しやすくするため、弁座の本体部分の内周側の壁面を、外周側と同様に軸心側に(つまり、先端に行くにつれて内径寸法が小さくなるよう)傾斜させるのが好ましい。
【0015】
【実施例】
図1は、この発明の弁装置の位置づけを明らかにするための概略的な配管図である。タンデム型のマスタシリンダ10は、シリンダ本体12の内部に、プライマリピストン141およびセカンダリピストン142を軸線方向に移動可能に備える。各ピストン141,142は、その一側に第1および第2の各液圧室161,162を区画する。ブレ−キペダル11の踏込み等による人的ブレ−キ操作により、各ピストン141,142は、シリンダ本体12の軸線方向に移動し、各液圧室161,162の液圧を高める。第1の液圧室161は、ブレ−キ配管181を通してフロント側の車輪ブレ−キ装置20FR,20FLに、また、第2の液圧室162は、ブレ−キ配管182を通してリヤ側の車輪ブレ−キ装置20RR,20RLにそれぞれ連絡している。それにより、各車輪ブレ−キ装置20FR,20FL;20RR,20RLは、ブレ−キペダル11の操作に応じて、各液圧室161,162からのブレ−キ液圧の供給を受け、車輪に対してブレ−キ力を生じる。各車輪ブレ−キ装置20FR,20FL;20RR,20RLに至る各ブレーキ配管181,182の途中には、弛め/込めを制御する制御弁19がそれぞれ位置する。各制御弁19からは、低圧リザーバ22に連絡する管路190が延び、各制御弁19による弛め作動時に液圧を開放することができる。
【0016】
また、マスタシリンダ10には、第1および第2の各液圧室161,162に連絡する各ブレ−キ配管181,182から分岐する形態で、ポンプ装置321,322を含む配管301,302、および切換え弁241,242を含む配管183,184がそれぞれ接続されている。各切換え弁241,242は、自動ブレーキの作動時に開弁位置に切り換わり、リザーバ40内からの作動液をポンプ装置321,322が吸引加圧する。各ポンプ装置321,322が吸引加圧した液圧は、各ブレーキ配管181,182および各制御弁19を通して各車輪ブレ−キ装置20FR,20FL;20RR,20RLに供給される。このように、自動ブレーキ時に、リザーバ40内からの作動液を各ポンプ装置321,322が吸引加圧するため、作動液の吸込み性あるいは流動性を良くすることが求められる。その要求に応えるため、リザーバ40と第1および第2の各液圧室161,162との間により広い液通路を得る。この発明の弁装置50は、広い液通路を得る手段として、各ボス部15の内周の通路内にそれぞれ位置する。なお、ここで述べたような自動ブレーキ時の液供給の回路構成自体については、たとえば特開2002−154420号が示すように公知であり、リザーバ40に対する入出力ポートが不要であり、しかも、既存の配管を利用することができるため、ブレーキシステムの構築の上で有利である。
【0017】
自動ブレーキ時の液供給に関して、もう少し説明すると、シリンダ本体12の上部には、シリンダ本体12の軸線方向に隔てた所に、第1および第2のボス部15,15がある。各ボス部15,15は、作動液を貯えるリザ−バ40を支持する部分、あるいは各液圧室161,162とリザ−バ40側とを連絡する部分となる。ここで、各ポンプ装置321,322の作動によって、各車輪ブレ−キ装置20FR,20FL;20RR,20RLに液圧を供給する自動ブレ−キの際、この発明の弁装置50は、第1および第2の各液圧室161,162とリザ−バ40との間を連絡する通路を、人的なブレーキ操作の時(つまり、弁が絞りあるいは遮断状態)に比べて広い液通路にする。
【0018】
図2は、ボス部15の部分(2つのボス部15は、同様の構成である)を拡大して示す部分断面図である。ボス部15自体は、シリンダ本体12と一体ものであり、断面形状が円型のリング状である。ボス部15の底部には、液圧室161(162)に連絡する連絡孔15tがあり、その連絡孔15tおよびボス部15の内周を通して液圧室161(162)とリザ−バ40側とを連絡可能である。リザ−バ40は、リザ−バ本体42の底部に、下方に突き出たニップル部43があり、そのニップル部43の一部がボス部15の内周に入り込む。
【0019】
弁装置50は、たとえばポリプロピレンからなる樹脂製であり、作動液に浮く浮動弁体60と、浮動弁体60が着座あるいは離座する弁座構成体70とから構成される。浮動弁体60は、平行な上下面をもつ円盤本体62と、円盤本体62の上下面の中央部にそれぞれ位置する山型部分64u,64dとを含む。円盤本体62の外径は、ボス部15の内径より小さいが、浮動弁体60がボス部15の内周の空間を上下に無理なく移動できるような大きさである。浮動弁体60をスム−ズに上下動させるようにするためには、円盤本体62の外径を適正に設定することが有効である。そのほか、円盤本体62の外径を適正値よりも小さめに設定し、ボス部15側との間に充分なクリアランスを設けつつ、円盤本体62の外周に、たとえば周方向に互いに隔てた2〜3個所にガイド突起を設けるようにすることもできる。このような浮動弁体60の円盤本体62の上下面には、それぞれ外周端から山型部分64u,64dの近くまで径方向に走る切欠き溝65がある。切欠き溝65は、周方向の一か所あるいは互いに隔てた数か所に設けることができる。切欠き溝65は、浮動弁体60が浮力によって弁座構成体70の弁座部分に当たった状態においても、液圧室161(162)内に残圧が生じないようにする。切欠き溝65は、その機能からすれば、弁座構成体70に面する側にのみ設ければ良いが、組込みに際して上下の方向性をなくす意味で円盤本体62の上下両面に設けるのが好ましい。なお、切欠き溝65の部分を除き、弁座に着座する円盤本体62の部分については、キズなどがなく、シ−ル機能を損わないような表面粗さをもたせるようにすべきである。
【0020】
浮動弁体60が、変形しにくい樹脂からなるのに対し、弁座構成体70は、弾性変形しやすいゴムの成形品であり、全体として円筒型である。円筒型の弁座構成体70は、円筒の上端に外向きフランジ72fをもち、それに連続する部分が比較的に大きな肉厚となっている。外向きフランジ72fを携えるこの肉厚の大きな部分72は、リザ−バ40のニップル部43の外周およびボス部15の内周壁面の間にはまり合って、マスタシリンダ10および/またはリザ−バ40に固定される。したがって、外向きフランジ72fを含む部分72は、弁座構成体70の支持部分として機能する。支持部分としての部分72によって、弁座の本体部分74を安定した形態に支持することができ、しかもまた、ニップル部43とボス部15との間を液密にシ−ルすることもできる。
【0021】
そのような支持部分72の下方に、本体部分74が連続して延びている。本体部分74は、内周側は支持部分72と同様に弁座構成体70の軸線に平行な面であり、しかも、支持部分72の内径と同じ大きさである。したがって、弁座構成体70の内周壁面は、軸線方向に沿ってなめらかに連続している。それに対し、本体部分74の外径は、肉厚の大きな支持部分72に比べて小さい。それによって、本体部分74の肉厚は支持部分72のそれに比べて小さく、ボス部15の内周壁面との間に充分なクリアランスを作っている。また、本体部分74の内周側は、支持部分72とは異なり、ニップル部43によって動きを制約されることがない。なお、ニップル部43の周方向の数か所に、下方に突き出た片43sがあるが、それらの片43sは、浮動弁体60のストッパとして、本体部分74の過剰な変形を防止するためのものである。
【0022】
本体部分74、特にその先端部740をさらに詳しく見ると、先端部740の外周にテ−パ面742、そのテ−パ面742に続く先端は断面円弧状の曲面744となり、曲面744は軸線に沿う内周面になめらかに連続している。ここで、外周のテ−パ面742は、本体部分74の先端部740を先端に行くにつれて外径寸法を小さくするテ−パである。そのテ−パ面742は、弁座構成体70の軸線に直交する浮動弁体60の上面に対してたとえば60°傾斜している。この60°は、本体部分74の先端部740が径方向内側に弾性変形したとしても、先端部740の外周が浮動弁体60の上面に無理な接触をし、先に述べたような異音を生じることがないような傾斜角度である。別にいうと、テ−パ面742は、浮動弁体60の上面との間に、逃げスペ−スを作り、先端部740の外周が浮動弁体60の上面に無理な接触をしないようにするものである。この60°という角度自体については、弁座構成体70のの材料の硬度その他の条件によって、適正な値が多少変化するであろう。さらに、本体部分74の先端部740が弾性変形する際、浮動弁体60側との摩擦抵抗を小さくするため、弁座構成体70の少なくとも先端部740の表面に樹脂コ−ティング、好ましくは、フッ素樹脂をたとえば10μm程度の厚さにコ−ティングすることが有効である。
【0023】
図2は、リザ−バ40側と液圧室161(162)側の各圧力が等しい場合(0バ−ル)であり、浮動弁体60が浮力により弁座構成体70の本体部分74の先端に当たった状態を示している。また、図3は、リザ−バ40側と液圧室161(162)側とに圧力差が生じた場合の各状態図である。図3のaは、液圧室161(162)の液圧が大きく、本体部分74の先端部740が浮動弁体60および液圧室161(162)側の液圧に押され、上方および径方向内側に変形した状態を示している。また、図3のbは、液圧室161(162)の液圧を解放することに伴い、液圧室161(162)が負圧状態になり、浮動弁体60が弁座構成体70の弁座から離れた状態、つまり、リザ−バ40側から液圧室161(162)に向けて作動液が流れるときの状態を示している。
【0024】
この発明を実施するとき、弁座構成体70の耐久性を確保するため、通常のシ−ル部材の材料に比べて少し硬度の大きいゴム材料で構成するのが好ましい。ゴム材料の好適な硬度はHs75ほどである。その場合、弁座構成体70の先端部740が、浮動弁体60との接触に応じて、径方向内側にスム−ズに変形し、有効なシ−ル機能を生じるようにするため、図4に示すように、先端部740の内周の壁面746を軸心側に予め傾斜させている。その傾斜角度は、外周側のテ−パ面742の上部の部分745のそれと同等であり、たとえば5〜10°ほどである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明による弁装置の位置づけを明らかにする概略的な配管構成図である。
【図2】 弁装置が入ったボス部の部分を拡大して示す要部の断面図である。
【図3】 弁装置の作動を説明するための図であり、周辺の圧力が変動した際の異なる状態を示している。
【図4】 弁装置の他の実施例を説明するための部分図であり、先端部の一部の断面図である。
【符号の説明】
10 マスタシリンダ
15 ボス部
161,162 液圧室
40 リザ−バ
43 ニップル部
50 弁装置
60 浮動弁体
70 弁座構成体
72 支持部分
74 本体部分
740 先端部
742 テ−パ面
746 傾斜した部分
Claims (8)
- マスタシリンダの液圧室と、作動液を貯えるリザ−バとの間を連絡する通路途中に位置し、その通路を遮断もしくは絞り状態で連通するための弁装置であり、作動液に浮く材料からなり、作動液中を移動可能な浮動弁体と、その浮動弁体が着座あるいは離座する弁座構成体とを備え、
前記弁座構成体は、弾性変形可能な材料からなり、全体として筒型であり、マスタシリンダおよび/またはリザ−バに固定される支持部分と、その支持部分から軸線方向に延びて先端部が自由端となり、その自由端が弁座となる本体部分とを含み、その筒型の弁座構成体に対し前記浮動弁体が着座するとき、浮動弁体の一面が前記本体部分の自由な先端部に接触し、その先端部が径方向内側に変形することによりシ−ル機能を生じるものであって、
次の各点を特徴とする、マスタシリンダの弁装置。
(A)前記本体部分の先端部は、外周側の壁面の先端に至る所定部分が、先端に行くにつれて外径寸法を小さくするテ−パ面となっている
(B)前記テ−パ面は、前記シ−ル機能を生じるときに、前記浮動弁体の一面と相俟って、前記先端部が径方向内側に変形することに対し、逃げスペ−スとして機能する
(C)前記逃げスペ−スとしての機能により、前記先端部の変形に伴い、前記浮動弁体の一面との間の擦過を防ぎ、その擦過による異音の発生を防止する - 前記弁座構成体は、円筒型である、請求項1の弁装置。
- 前記本体部分の前記テ−パ面、または、そのテ−パ面および前記浮動弁体の一面に設けた付加的なテ−パによって、前記逃げスペ−スの部分が断面で見て所定角度となっている、請求項1あるいは2の弁装置。
- 前記筒型の弁座構成体は、少なくとも前記先端部の表面に、樹脂コ−ティングが施され、その樹脂コ−ティングのない場合に比べて摩擦係数が小さくなっている、請求項1の弁装置。
- 前記弁装置を配置する通路は、マスタシリンダの上部のボス部内周の通路である、請求項1の弁装置。
- 前記本体部分の先端部の内周側の壁面は、弁座構成体の軸線に平行する形状であり、しかも、その内周側の壁面から外周側のテ−パ面に至る、前記先端部の断面形状は、なめらかな曲面形状である、請求項1の弁装置。
- 前記本体部分の先端部は、内周側の壁面の先端に至る部分が、先端に行くにつれて内径寸法を小さくするテ−パ面となっている、請求項1の弁装置。
- 内部に液圧室があるシリンダ本体と、その液圧室と作動液を貯えるリザ−バとの間を連絡する通路と、その通路途中に位置し、その通路を遮断もしくは絞り状態で連通するための弁装置とを備えるマスタシリンダであって、前記弁装置が、作動液に浮く材料からなり、作動液中を移動可能な浮動弁体と、その浮動弁体が着座あるいは離座する弁座構成体とを備え、
前記弁座構成体は、弾性変形可能な材料からなり、全体として筒型であり、前記マスタシリンダおよび/または前記リザ−バに固定される支持部分と、その支持部分から軸線方向に延びて先端部が自由端となり、その自由端が弁座となる本体部分とを含み、その筒型の弁座構成体に対し前記浮動弁体が着座するとき、浮動弁体の一面が前記本体部分の自由な先端部に接触し、その先端部が径方向内側に変形することによりシ−ル機能を生じる構成であり、
さらに、前記弁装置が次の各特徴をもつ、マスタシリンダ。
(A)前記本体部分の先端部は、外周側の壁面の先端に至る所定部分が、先端に行くにつれて外径寸法を小さくするテ−パ面となっている
(B)前記テ−パ面は、前記シ−ル機能を生じるときに、前記浮動弁体の一面と相俟って、前記先端部が径方向内側に変形することに対し、逃げスペ−スとして機能する
(C)前記逃げスペ−スとしての機能により、前記先端部の変形に伴い、前記浮動弁体の一面との間の擦過を防ぎ、その擦過による異音の発生を防止する
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