JP5815175B2 - マスタシリンダおよびこれを用いたブレーキシステム - Google Patents
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Description
および第2出力口18を通して図示しないホイールシリンダ等のブレーキシリンダに供給される。これにより、ブレーキシリンダがブレーキ力を発生し、車輪にブレーキがかけられる。
ール9,10に対して液密に摺動するプライマリピストン3の外周面の表面仕上げおよび
2つのカップシール11,12に対して液密に摺動するセカンダリピストン4の外周面の
表面仕上げを、良好なシール性を確保するために高精度に行う必要がある。このため、プライマリピストン3およびセカンダリピストン4の加工が面倒になり、その分コストが高くなってしまう。
ることで前記第2開閉弁を閉じることを特徴としている。
られないので、プライマリピストンおよびセカンダリピストンにそれぞれ設けられた第1および第2ブレーキ給排孔とシールとの摩擦摺動をなくすことができる。これにより、これらのシールの摩耗等のダメージの問題を解消することができ、マスタシリンダの作動時におけるプライマリ液圧室およびセカンダリ液圧室の各液密性を良好に保持することが可能となる。しかも、これらのシールが配設される溝およびその溝加工がいずれも不要となるので、その分作業工数を削減でき、マスタシリンダのコストを一層効果的に低減することが可能となる。
こうして、高精度の寸法管理を必要とすることなく、ピストンの加工を簡単にできるとともに作業工数を削減でき、しかも安価に形成できるマスタシリンダを実現することが可能となる。
図1は、本発明に係るマスタシリンダの実施形態の第1例を用いたブレーキシステムを模式的に示す図である。なお、前述の従来例の構成要素と同じ構成要素には同じ符号を付すことにより、それらの詳細な説明は省略する。
備えている。
状でかつ同じ大きさに形成されている。その場合、第1および第2弁制御部30,31は
それぞれセカンダリピストン4の円周方向に延設された所定長さの円弧状の第1および第2凹溝で形成されている。また、図3(B)に示すように第1および第2弁制御部30,
31は、セカンダリピストン4の前後方向の凹溝の両側壁30a,30b;31a,31b
が互いに逆方向に傾斜した傾斜面とされているとともに、後方側の側壁30a,31aが
それぞれ第1および第2弁体制御カム面30a,31a(側壁30a,31aの面と同じで
あるので同じ符号を用いる)とされている。更に、第1および第2弁制御部30,31の
両側壁30a,30b;31a,31bの間の底面は第1および第2弁制御部材支持面30
c,31cとされている。これらの第1および第2弁制御部30,31の円弧は、セカンダリピストン4の外周面4aの円周方向の円と同心円とされている。なお、第1および第2弁制御部30,31は、セカンダリピストン4の外周面4aに円周方向に全周にわたって
円環状に設けることもできる。
2b,2cが配設されている。また、図2および図3に示すように、シリンダ本体2には
、これらの第1および第2ブレーキ液供給口嵌入穴2b,2cとシリンダ孔2aの内部と
をそれぞれ直接連通する第1および第2連通孔32,33が設けられている。これらの第
1および第2連通孔32,33は、ともに同じ形状で同じ大きさに形成されている。すな
わち、図4(A)および(B)に示すように、第1および第2連通孔32,33は、それ
ぞれシリンダ孔2a側が横断面矩形状の第1および第2溝32a,33aとされるととも
にシリンダ本体2の外部側が第1および第2溝32a,33aの幅(シリンダ孔2aの延
設方向の幅)より小さい径の横断面円形状の第1および第2孔32b,33bとされた第
1および第2段部32c,33cを有する直線状の連通孔として形成されている。第1お
よび第2段部32c,33cの各表面は、シリンダ本体2のシリンダ孔2aの長手方向と
直交する方向に円弧状に形成されている。その場合、第1および第2段部32c,33c
の各表面の円弧の径は、いずれもシリンダ孔2aの径と同じに設定されている。つまり、第1および第2段部32c,33cの円弧を形成する円は、それぞれシリンダ孔2aを形
成する円と同じでかつ第1および第2連通孔32,33に向かって所定量偏心した円とさ
れている。
2孔32b,33bは、それぞれ第1および第2ブレーキ液供給口嵌入穴2b,2cと、第1および第2ブレーキ液供給口19a,19bとを介してリザーバタンク19内に常時連
通している。
それぞれ第1および第2開閉弁34,35が設けられている。これらの第1および第2開
閉弁34,35は、ともに同じ開閉弁で形成されている。第1および第2開閉弁34,35は、それぞれ、第1および第2弁体34a,35a、第1および第2弁座34b,35b、および全体形状が円筒状の第1および第2リターンスプリング34c,35cを有してい
る。なお、第1および第2リターンスプリング34c,35cは、その全体形状が截頭円
錐台形状に形成することもできる。
れ第1および第2連通孔32,33の長手方向に移動可能に設けられる。これらの第1お
よび第2弁体34a,35aは、従来のブレーキ液回路に一般的に用いられている弁体と
同じ材料(ゴム、樹脂、金属等)で形成されている(図示例では、第1および第2弁体3
4a,35aは硬質ゴムで形成されている。)。第1および第2弁体34a,35aは、いずれも中心に位置する円柱状の第1および第2軸部34j,35jと、これらの第1およ
び第2軸部34j,35jにそれぞれ一体に形成された矩形状の第1および第2弁部34
k,35kとを有する。その場合、第1および第2弁部34k,35kの各上面は、いずれも円弧状に形成された第1および第2弁面34m,35mとされている。また、第1およ
び第2弁面34m,35mの円弧の径は第1および第2段部32c,33cの円弧の径と同じに形成されている。そして、第1および第2弁体34a,35aはそれぞれ対応する第
1および第2溝32a,33a内に、第1および第2弁面34m,35mの円弧面が第1および第2段部32c,33cの円弧面と一致する方向にかつ第1および第2弁面34m,35mが第1および第2段部32c,33cの各表面に当接可能に配設される。
および第2軸部34j,35jの各外径は、いずれも第1および第2孔32b,33bの内径より小さく設定されていて第1および第2軸部34j,35jがそれぞれ第1および第
2孔32b,33b内に位置するとき、第1および第2軸部34j,35jの外周面と第1および第2孔32b,33bの内周面との間に所定の間隙が形成される。したがって、第
1および第2軸部34j,35jがそれぞれ第1および第2孔32b,33b内に位置しても、ブレーキ液はこれらの間隙を通して自由に流動可能となっている。また、第1および第2弁部34k,35kの外周形状の大きさは、第1および第2弁部34k,35kが第1および第2溝32a,33a内に位置するとき、第1および第2弁部34k,35kの外周面と、第1および第2弁部34k,35kの外周面に対向する第1および第2溝32a,33aの内周面との間に所定の間隙が形成される大きさに設定されている。したがって、第1および第2弁部34k,35kがそれぞれ第1および第2溝32a,33a内に位置しても、ブレーキ液はこれらの間隙を通して自由に流動可能となっている。
段部32c,33cの各表面から離間するときは、第1および第2溝32a,33aと第1および第2孔32b,33bとの間が連通される。その場合、図4に網目模様で示すよう
に第1および第2弁面34m,35mの円弧面が第1および第2段部32c,33cの各表面に当接する第1および第2段部32c,33cの領域γにより、それぞれ第1および第
2弁座34b,35bが構成されている。したがって、第1および第2弁部34k,35kがそれぞれ第1および第2弁座34b,35bに着座するときは、第1および第2溝32
a,33aと第1および第2孔32b,33bとの間(つまり、プライマリ液圧室5およびセカンダリ液圧室6とリザーバタンク19との間)が遮断され、また、第1および第2弁部34k,35kがそれぞれ第1および第2弁座34b,35bから離座するときは、第1および第2溝32a,33aと小径の第1および第2孔32b,33bとの間(つまり、プライマリ液圧室5およびセカンダリ液圧室6とリザーバタンク19との間)が連通される。
硬さが金属製のセカンダリピストン4より軟らかい材料(ゴム、樹脂、金属等)から球状に形成されている(図示例では、第1および第2弁体34a,35aは硬質ゴムから球状
に形成されている)。そして、第1および第2弁制御部材38,39はそれらの全体が第
1および第2溝32a,33a内に進入可能となっている。その場合、第1および第2弁
制御部材38,39の外周形状の大きさは、第1および第2弁制御部材38,39が第1および第2溝32a,33a内に位置するとき、第1および第2弁制御部材38,39の外周
面と、第1および第2弁制御部材38,39の外周面に対向する第1および第2溝32a,33aの内周面との間に所定の間隙が形成される。したがって、第1および第2弁制御部材38,39がそれぞれ第1および第2溝32a,33a内に位置しても、ブレーキ液はこれらの間隙を通して自由に流動可能となっている。
第2弁制御部材38,39とが組み付けられた状態では、第1および第2弁制御部材38,39はそれぞれ第1および第2リターンスプリング34c,35cに当接される。また、
セカンダリピストン4の非作動時には、第1および第2弁制御部材38,39がそれぞれ
第1および第2弁制御部30,31の第1および第2弁制御部材支持面30c,31cに当接される。このとき、第1および第2弁体34a,35aの第1および第2軸部34j,35jの一部がそれぞれ第1および第2孔32b,33b内に進入するようになっている。
そして、この状態では、第1および第2弁体34a,35a、第1および第2リターンス
プリング34c,35c、および第1および第2弁制御部材38,39は、一直線状に配設される。しかも、第1および第2リターンスプリング34c,35cはそれぞれ第1およ
び第2弁体34a,35aの自重で所定量圧縮されており、第1および第2弁体34a,35aは第1および第2弁座34b,35bから所定量離間している。また、第1および第
2弁体34a,35aは、第1および第2弁制御部材38,39から所定量離間している。
bでかつc>aとなるように設定されている。このように、各離間量a,b、および深さ
cが設定されることで、セカンダリピストン4の非作動時には第1および第2開閉弁30,31が確実に開くとともに、セカンダリピストン4の作動時には第1および第2開閉弁
30,31が確実に閉じ、更にセカンダリピストン4の作動状態から非作動に戻るときに
はプライマリ液圧室5およびセカンダリ液圧室6内が負圧になってリザーバタンク19のブレーキ液による第1および第2弁体34a,35aの押圧力が第1および第2リターン
スプリング34c,35cの反発力より大きくなると第1および第2開閉弁30,31が確実に開くようになる。
ブレーキペダル23が解放されたブレーキシステム22の非作動状態では、倍力装置24およびタンデムマスタシリンダ1は図2に示す非作動状態となっている。そして、タンデムマスタシリンダ1の非作動状態では、図6(A)に示すように、第1開閉弁34の第1弁体34aがセカンダリピストン4の第1弁制御部30に位置するとともに、第2開閉弁35の第2弁体35aがセカンダリピストン4の第2弁制御部32に位置する。つまり、第1および第2弁制御部材38,39が第1および第2弁制御部30,31の第1および第2弁制御部材支持面30c,31cに当接した位置となっている。したがって、前述の
ように第1および第2開閉弁34,35が開いており、プライマリ液圧室5およびセカン
ダリ液圧室6はいずれもリザーバタンク19内に連通している。すなわち、プライマリ液圧室5およびセカンダリ液圧室6内には、ブレーキ液圧が発生していなく、大気圧となっている。これにより、各ブレーキシリンダ25,26,27,28は非作動状態となってい
て、各車輪29,30,31,32にはブレーキがかけられていない。
御部30,31との当接位置が第1および第2弁制御部材支持面30c,31cから第1および第2弁体制御カム面30a,31aに移行する。これにより、セカンダリピストン4
の前進にしたがって、第1および第2弁制御部材38,39が図6(B)に矢印で示すよ
うに上方へ移動する。このとき、第1および第2弁部34k,35kがそれぞれ第1およ
び第2弁座34b,35bから離座しているので、第1および第2弁体34a,35aと第1および第2リターンスプリング34c,35cも第1および第2弁制御部材38,39とともに上方へ移動する。
第2弁体制御カム面30a,31aに当接している状態で、第1および第2弁部34k,35kがそれぞれ第1および第2弁座34b,35bに着座する。これにより、プライマリ
液圧室5およびセカンダリ液圧室6はいずれもリザーバタンク19から遮断される。また、第1および第2弁体34a,35aと第1および第2リターンスプリング34c,35cの上方移動が停止する。セカンダリピストン4が更に前進すると、第1および第2弁制御部材38,39は第1および第2弁体制御カム面30a,31aにより更に強く上方へ押圧されるので第1および第2リターンスプリング34c,35cを収縮させながら上方へ移
動する。これにより、第1および第2リターンスプリング34c,35cの付勢力が増大
するので、第1および第2弁部34k,35kの第1および第2弁座34b,35bへの着座力が増大する。
び第2弁制御部材38,39のこの状態では、第1および第2弁部34k,35kの第1および第2弁座34b,35bへの着座力が大きくなっているので、プライマリ液圧室5お
よびセカンダリ液圧室6がリザーバタンク19からより確実に遮断される。
きく(c<a+bかつc>a)設定されているので、第1および第2弁制御部材38,3
9が第1および第2弁制御部30,31以外のセカンダリピストン4の外周面4aに当接
する位置にあっても、第1および第2弁制御部材38,39と第1および第2弁体34a,35aとの間に所定の間隙δが確保される。
ンク19のブレーキ液の液圧とプライマリ液圧室5およびセカンダリ液圧室6の各液圧と圧力差による第1および第2弁体32a,33aを下方へ押圧する力が第1および第2リ
ターンスプリング34c,35cの付勢力より大きくなると、第1および第2弁制御部材
38,39と第1および第2弁体34a,35aとの間に間隙δが確保されているので、図6(E)に示すように第1および第2弁体34a,35aが下方へ移動してそれぞれ第1
および第2弁座32c,33cから離座する。すると、リザーバタンク19からブレーキ
液がプライマリ液圧室5およびセカンダリ液圧室6へ供給される。これにより、プライマリピストン3およびセカンダリピストン4がスムーズにかつ迅速に後退して、各ブレーキシリンダ25,26,27,28のブレーキ力が低減し、各車輪29,30,31,32のブレーキが弱められる。
も消滅して各車輪31,32,33,34のブレーキが解除される。その場合、第1および
第2弁制御部材38,39はセカンダリピストン4の外周面4aから第1および第2弁体
制御カム面30a,31aを通って図2、図3(a)および(b)に示す第1および第2
弁制御部材支持面30c,31cに当接する位置となる。
ジの問題を解消することができ、タンデムマスタシリンダ1の作動時におけるプライマリ液圧室5およびセカンダリ液圧室6の各液密性を良好に保持することが可能となる。しかも、これらの従来のカップシール10,12が配設される溝およびその溝加工がいずれも
不要となるので、その分作業工数を削減でき、タンデムマスタシリンダ1のコストを一層効果的に低減することが可能となる。
29だけを設ければ済むようになる。したがって、プライマリピストン3およびセカンダリピストン4の表面仕上げを行うにあたり、各カップシール9,29に対するプライマリ
ピストン3の摺動部αおよびセカンダリピストン4の摺動部βの各外周面の表面仕上げを従来と同様に高精度に行えばよいので、各ピストンの高精度の表面仕上げを必要とする個所の軸方向長さが従来に比して短くて済むようになる。これにより、プライマリピストン3およびセカンダリピストン4の加工が簡単になり、その分コストを低減することができる。
この第1例のタンデムマスタシリンダ1の他の構成および他の作用効果は、前述の従来例と同じである。
前述の第1例のタンデムマスタシリンダ1では、第1および第2弁体34a,35aの
第1および第2弁制御部材38,39からの離間量bが、第1および第2弁体34a,35aの自重で第1および第2第1および第2リターンスプリング34c,35cを撓ませる
ことで設定されている。しかし、このような離間量bの設定方法では、離間量bを安定して確実に設定することは難しい。そこで、この第2例のタンデムマスタシリンダ1では、離間量bが安定して確実に設定可能にされている。
よび第2間隔設定部40,41は第1および第2間隔設定部材42,43を有している。
。第1および第2リターンスプリング34c,35cの付勢力により、第1間隔設定部材
側係止部42bと第2間隔設定部材側係止部43aとが係合されるようになっている。第2間隔設定部材43の弁制御部材当接部43bは、それぞれ第1および第2弁制御部材38,39に当接可能とされている。
、弁制御部材当接部43bはそれぞれ第1および第2弁制御部材38,39に当接される
。その場合、第1および第2弁制御部材38,39がそれぞれ第1および第2弁制御部材
支持面30c,31cに当接された状態で、図7に示すように第1間隔設定部材側係止部
42bと第2間隔設定部材側係止部43aとが係合されることで、第1および第2弁体34a,35aの第1および第2軸部34j,34kの下面と第2間隔設定部材43の第2間隔設定部材側係止部43aの上面との距離、つまり前述の離間量bが設定される。
と第1および第2弁制御部材38,39との間に第1および第2間隔設定部40,41が設けられることで、離間量bを安定して確実に設定可能となる。なお、第1間隔設定部材42と第2間隔設定部材43との組付けは、例えば第2間隔設定部材43の第2間隔設定部材側係止部43aと連結軸43cとを別体で形成し、連結軸43cを第1間隔設定部材42の貫通孔に貫通させた後、第2間隔設定部材43を連結軸43cに接合して組み付ける方法等適宜の組付け方法で行うことが可能である。
この第2例のタンデムマスタシリンダ1の他の構成および他の作用効果は、前述の第1例のタンデムマスタシリンダ1と同じである。
ける第1および第2弁体34a,35aの第1および第2軸34j,35jと第1および第2弁部34k,35kとが一体に形成されている。これに対して、図8(A)ないし(C
)に示すように第3例のタンデムマスタシリンダ1では、第1および第2弁体34a,3
5aの第1および第2軸34j,35jと第1および第2弁部34k,35kとが別体に形成されている。
の第1および第2弁部34k,35kと同じように形成されているが、ゴム等の弾性材で
形成されている。この第3例では、第1および第2弁部34k,35kの中心に貫通孔3
4n,35nが形成されている。また、図9(D)および(E)に示すように、第1およ
び第2軸部34j,35jは、例えば金属等の第1および第2弁部34k,35kより硬い材料で形成されているとともに、軸方向に所定の間隔をおいて形成された一対の第1および第2フランジ34o,34p;35o,35pを有する。そして、第1および第2弁部3
4k,35kは、貫通孔34n,35nが第1および第2フランジ34o,34p;35o,
35pの間の第1および第2軸部34j,35jの嵌合させることで、第1および第2フ
ランジ34o,34p;35o,35pの間で液密にかつ摺動可能に設けられる。そして、
図10(A)および(B)に示すように第3例の第1および第2開閉弁34,35も、前
述の第1例と同様にシリンダ本体2に組み付けられる。
の第1および第2弁部34k,35kと第1および第2軸部34j,35jとが別体に形成されるので、第1および第2弁体34a,35aの製造が容易となる。
この第3例のタンデムマスタシリンダ1の他の構成および他の作用効果は、前述の第1例のタンデムマスタシリンダ1と同じである。
が球状に形成されている。これに対して、この第4例のマスタシリンダ1では第1および第2弁制御部材38,39は球状に形成されていない。すなわち、図11(A)ないし(
C)に示すように第4例の第1および第2弁制御部材38,39は互いに同じに形成され
ていて、それぞれ、第1および第2軸部38a,39aと、第1および第2軸部38a,39aが中心位置となるようにこれらの第1および第2軸部38a,39aに一体に形成さ
れた第1および第2ガイド部38b,39b(本発明の第1および第2ガイド部に相当)
と、第1および第2ガイド部38b,39bの中心部に第1および第2軸部38a,39aと反対側に設けられた部分球状の第1および第2支持突部38c,39cとを有している
。
8b,39bの両端部38d,39d;38e,39eにおいて、第1および第2弁体34a,35aに対向する側の面(図11(A)において上面)38f,39f;38g,39gは湾曲面とされている。また、第1および第2ガイド部38b,39bの、セカンダリピス
トン4に対向する側の面(図11(A)において下面)38h,39hは円弧状面とされ
ている。その場合、第1および第2ガイド部38b,39bの厚さは、それらの両端から
第1および第2軸部38a,39aに接近するにしたがって厚くなるように形成されてい
る。これにより、第1および第2ガイド部38b,39bの強度が高められている。
)に突出するように設けられる。第4例の第1および第2弁制御部材38,39も、第1
例の第1および第2弁制御部材38,39と同じ材料で形成することができる。
れ第1および第2弁制御部30,31に位置するときは、第1および第2支持突部38c,39cがそれぞれ第1および第2弁制御部材支持面30c,31cに当接するようになっ
ている。このとき、第1および第2支持突部38c,39cの球面が第1および第2弁制
御部材支持面30c,31cに当接するため、第1および第2支持突部38c,39cはそれぞれ第1および第2弁制御部材支持面30c,31cに点接触する。これにより、第1
および第2支持突部38c,39cと第1および第2弁制御部材支持面30c,31cとの間の摩擦が抑制され、セカンダリピストン4および第1および第2弁制御部材38,39
の運動がスムーズになり、良好な応答性が得られる。
の第1および第2弁制御部材支持面30c,31cに当接した状態で、第1および第2弁
制御部材38,39が正規姿勢に保持されるときは、第1および第2ガイド部38b,39bの円弧状の面38h,39hは、円弧状の第1および第2弁制御部材支持面30c,31
cと同心円の円弧を形成するようになっている。なお、第1および第2弁制御部材38,
39が正規姿勢は、第1および第2弁制御部材38,39の第1および第2軸部38a,39aの軸方向仮想延長線(不図示)がセカンダリピストン4の横断面の中心に向かうように保持される姿勢(つまり、図12(A)に示す姿勢)である。このような第1および第2弁制御部材38,39の正規姿勢は、第1および第2リターンスプリング34c,35c、第1および第2弁体34a,35aの第1および第2軸部34j,35j、およびシリンダ本体2aの第1および第2孔32b,33bによって保持される。
姿勢に保持された状態では、第1および第2ガイド部38b,39bの下端部は第1およ
び第2弁制御部30,31の凹溝内に進入するが、第1および第2弁制御部材支持面30
c,31cに接触しないようにされている。また、第1および第2弁制御部材38,39が正規姿勢に保持された状態では、第1および第2ガイド部38b,39bの上端部の一部
はシリンダ本体2の第1および第2溝32a,33a内に進入するようにされている。こ
のように、第1および第2ガイド部38b,39bが第1および第2弁制御部30,31の凹溝および第1および第2溝32a,33a内に進入することで、組立て時にセカンダリ
ピストン4に対する第1および第2弁制御部材38,39の位置決めがされ、第1および
第2弁制御部材38,39の組付け性が向上されている。更に、第1および第2弁制御部
材38,39はシール性を求められないので、表面仕上げを高精度に行う必要がない。
および第2ガイド部38b,39bの下端部はセカンダリピストン4の外周面4aに接触
しないようにされている。なお、第1および第2弁制御部30,31の凹溝の周方向の長
さは、第1例のそれよりも長く形成される。
この第4例のタンデムマスタシリンダ1の他の構成および他の作用効果は、前述の第1例のタンデムマスタシリンダ1と同じである。
ーキ液給排通路36,37に代えて、例えば図13に示すようにセカンダリピストン4に
プライマリ液圧室5と第1連通孔32の溝32aとを連通する第1ブレーキ液給排孔13およびセカンダリ液圧室6と第2連通孔33の孔33aとを連通する第2ブレーキ液給排孔14をそれぞれ設けることもできる。その場合、第1ブレーキ液給排孔13はセカンダリピストン4の前後方向(移動方向)の後部に設けられるとともに、第2ブレーキ液給排孔14はセカンダリピストン4の前後方向の前部に設けられる。この設計変更の場合のタンデムマスタシリンダ1の他の構成は、前述の例と同じである。
19との連通、遮断を制御する図14に示す従来のカップシール10,12が設けられな
いので、これらの第1および第2ブレーキ給排孔13,14とカップシール10,12との摩擦摺動をなくすことができる。これにより、従来のカップシール10,12の摩耗等の
ダメージの問題を解消することができ、タンデムマスタシリンダ1の作動時におけるプライマリ液圧室5およびセカンダリ液圧室6の各液密性を良好に保持することが可能となる。この設計変更の場合のタンデムマスタシリンダ1の他の作用効果は、前述の例と同じで
ある。また、第1および第2ブレーキ液給排通路36,37と、第1および第2ブレーキ
給排孔13,14との両方を設けることもできる。要は、本発明は特許請求の範囲に記載
された技術事項の範囲内で種々の設計変更が可能である。
リンダ、29…カップシール、30…第1弁制御部、30a…第1弁体制御カム面、30c…第1弁制御部材支持面、31…第2弁制御部、31a…第2弁体制御カム面、31c…第2弁制御部材支持面、32…第1連通孔、32a…第1溝、32b…第1孔、32c…第1段部、33…第2連通孔、33a…第2溝、33b…第2孔、33c…第2段部、34…第1開閉弁、34a…第1弁体、34b…第1弁座、34c…第1リターンスプリング、34k…第1弁部、34m…第1弁面、35…第2開閉弁、35a…第2弁体、35b…第2弁座、35c…第2リターンスプリング、35k…第2弁部、35m…第2弁面、36…第1ブレーキ液給排通路、37…第2ブレーキ液給排通路、38…第1弁制御部材、38b…第1ガイド部、38c…第1支持突部、39…第2弁制御部材、39b…第2ガイド部、39c…第2支持突部、40…第1間隔設定部、41…第2間隔設定部、42…第1間隔設定部材、43…第2間隔設定部材
Claims (3)
- シリンダ孔、第1および第2ブレーキ液供給口嵌入穴、前記シリンダ孔の内部と前記第1ブレーキ液供給口嵌入穴とを直接連通する直線状の第1連通孔、および前記シリンダ孔の内部と前記第2ブレーキ液供給口嵌入穴とを直接連通する直線状の第2連通孔を有するシリンダ本体と、
前記シリンダ本体のシリンダ孔に摺動可能に挿入されて、作動時にプライマリ液圧室に液圧を発生するプライマリピストンと、
前記シリンダ本体のシリンダ孔に摺動可能に挿入されて、作動時にセカンダリ液圧室に液圧を発生するセカンダリピストンと、
作動液を貯留するとともに、前記第1ブレーキ液供給口嵌入穴に嵌入されて前記プライマリ液圧室に前記作動液を供給するための第1ブレーキ液供給口および前記第2ブレーキ液供給口嵌入穴に嵌入されて前記セカンダリ液圧室に前記作動液を供給するための第2ブレーキ液供給口を有するリザーバタンクと、
前記第1連通孔に配設された第1開閉弁と、
前記セカンダリピストンに設けられて、前記セカンダリピストンの非作動時に前記第1開閉弁を開いて前記プライマリ液圧室と前記リザーバとを前記第1ブレーキ液供給口および前記第1連通孔を介して連通するとともに、前記セカンダリピストンの作動時に前記第1開閉弁を閉じて前記プライマリ液圧室と前記リザーバとを遮断する第1開閉弁制御部とを少なくとも備え、
前記プライマリピストンの作動時に前記セカンダリピストンが作動して前記第1開閉弁制御部が前記第1開閉弁を閉じることで前記プライマリピストンが前記プライマリ液圧室に液圧を発生するとともに、前記セカンダリピストンが作動することで前記セカンダリ液圧室に液圧を発生し、
前記第2連通孔に配設された第2開閉弁と、
前記セカンダリピストンに設けられて、前記セカンダリピストンの非作動時に前記第2開閉弁を開いて前記セカンダリ液圧室と前記リザーバとを前記第2ブレーキ液供給口および前記第2連通孔を介して連通するとともに、前記セカンダリピストンの作動時に前記第2開閉弁を閉じて前記セカンダリ液圧室と前記リザーバとを遮断する第2開閉弁制御部とを備え、
前記セカンダリピストンの作動時に前記第2開閉弁制御部が前記第2開閉弁を閉じることで前記セカンダリピストンが前記セカンダリ液圧室に液圧を発生し、
前記第1開閉弁は、前記第1連通孔に前記第1連通孔の長手方向に移動可能に設けられた第1弁体と、前記第1連通孔に前記第1弁体が着離座可能に配設された第1弁座と、前記第1弁体を前記第1弁座に着座する方向に常時付勢する第1リターンスプリングとを有し、前記第1開閉弁制御部は、前記セカンダリピストンの非作動時に前記第1弁体を前記第1弁座から離座した位置に設定することで前記第1開閉弁を開くとともに、前記セカンダリピストンの作動時に前記第1弁体を前記第1リターンスプリングの付勢力に抗して押圧することで前記第1弁座に着座した位置に設定することで前記第1開閉弁を閉じ、
前記第2開閉弁は、前記第2連通孔に前記第2連通孔の長手方向に移動可能に設けられた第2弁体と、前記第2連通孔に前記第2弁体が着離座可能に配設された第2弁座と、前記第2弁体を前記第2弁座に着座する方向に常時付勢する第2リターンスプリングとを有し、前記第2開閉弁制御部は、前記セカンダリピストンの非作動時に前記第2弁体を前記第2弁座から離座した位置に設定することで前記第2開閉弁を開くとともに、前記セカンダリピストンの作動時に前記第2弁体を前記第2リターンスプリングの付勢力に抗して押圧することで前記第2弁座に着座した位置に設定することで前記第2開閉弁を閉じ、
前記第1開閉弁制御部は、前記セカンダリピストンに前記セカンダリピストンの円周方向に延設された第1凹溝を有し、前記セカンダリピストンの非作動時に前記第1弁体は前記第1凹溝に位置して前記第1開閉弁を開くとともに、前記セカンダリピストンの作動時に前記第1弁体は前記セカンダリピストンの前記第1凹溝を除く外周面に位置して前記第1開閉弁を閉じ、
前記第2開閉弁制御部は、前記セカンダリピストンに前記セカンダリピストンの円周方向に延設された第2凹溝を有し、前記セカンダリピストンの非作動時に前記第2弁体は前記第2凹溝に位置して前記第2開閉弁を開くとともに、前記セカンダリピストンの作動時に前記第2弁体は前記セカンダリピストンの前記第2凹溝を除く外周面に位置して前記第2開閉弁を閉じ、
前記第1開閉弁制御部により作動されて前記第1弁体を開閉制御する第1弁制御部材を有するとともに、前記第2開閉弁制御部により作動されて前記第2弁体を開閉制御する第2弁制御部材を有し、
前記第1弁制御部材は、前記第1凹溝および前記セカンダリピストンの外周面に当接する部分球状の第1支持突部を有し、
前記第2弁制御部材は、前記第2凹溝および前記セカンダリピストンの外周面に当接する部分球状の第2支持突部を有することを特徴とするマスタシリンダ。 - 前記第1弁制御部材は、前記第1凹溝内に進入可能な第1ガイド部を有し、
前記第2弁制御部材は、前記第2凹溝内に進入可能な第2ガイド部を有することを特徴とする請求項1に記載のマスタシリンダ。 - ブレーキ操作部材と、前記ブレーキ操作部材の操作により作動してブレーキ液圧を発生するマスタシリンダと、前記マスタシリンダの液圧により発生するブレーキ力によりブレーキを作動するブレーキシリンダとを少なくとも備えるブレーキシステムにおいて、
前記マスタシリンダは、請求項1又は2に記載のマスタシリンダであることを特徴とするブレーキシステム。
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