JPH10181569A - 2重のシールリングの支持構造およびマスタシリンダ - Google Patents

2重のシールリングの支持構造およびマスタシリンダ

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JPH10181569A
JPH10181569A JP35770596A JP35770596A JPH10181569A JP H10181569 A JPH10181569 A JP H10181569A JP 35770596 A JP35770596 A JP 35770596A JP 35770596 A JP35770596 A JP 35770596A JP H10181569 A JPH10181569 A JP H10181569A
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ring
piston
land portion
diameter
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JP35770596A
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Takaaki Onishi
孝明 大西
Katsumi Maehara
克己 前原
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Original Assignee
Nabco Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 2重のシールリング51の組付け性を向上さ
せることができ、しかもまた、組付け後におけるシール
および摺動の各機能を良好にする。 【解決手段】 シールリングを装着すべきピストン31
側に、外径がL0 で、2重のシールリング51を保持す
るリング保持部300と、外径がL1 (ここで、L1 >
L0 )の第1のランド部310と、外径がL2 (ここ
で、L2 <L1 )の第2のランド部320とを設ける。
そして、外径L2 を外周側の樹脂リング55の内径以下
に設定し、樹脂リング55の第2のランド部320の側
の側面を、ピストン31に保持したリテーナリング80
によって支持する。外径L2 を外周側の樹脂リング55
の内径以下に設定することによって、樹脂リング55を
径方向に拡張させることなく、リング保持部300の内
周側のO−リング53の外周側に装着することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ピストンの外周
をシールリングによってシールする技術に関し、特に、
そのシールリングが、内周シールリングと、その内周シ
ールリングの外周に位置する外周シールリングとを備え
る2重のシールリングである場合に、内外周の両シール
リングを支持する上で有効な技術に関する。この発明
は、ブレーキ用あるいはクラッチ用の各マスタシリン
ダ、さらには、液圧式倍力装置等に広く適用することが
できる技術であり、その中でも、ピストンの動きに伴っ
て、シールリングがシリンダ本体の連絡孔の開口部を遮
断するマスタシリンダに好適に適用することができる。
【0002】
【発明の背景】2重のシールリングによって、ピストン
の外周をシールする考え方自体は、すでに知られてい
る。たとえば、液圧式倍力装置を示す特開平6−219
263号公報は、サーボピストンの外周をシールするた
め、サーボピストンの外周の溝内部に、内周側にO−リ
ング、その外周側に樹脂リングをそれぞれ装着した技術
を明らかにしている。ゴム等の弾性材料からなる内周シ
ールリングは、自らの弾性変形によってピストンおよび
樹脂製の外周シールリングとの各間をシールし、しかも
また、外周の樹脂リングは、内周シールリングの弾性力
を受けて、シリンダ本体の内周との間をシールする。外
周の樹脂リングは、内周のゴム製のO−リングに比べて
摺動抵抗が小さいため、移動するピストンの動きを円滑
にするという効果を生み出す。
【0003】発明者等は、こうした2重のシールリング
が、カップ型のシールリングに比べて、シール喰われ
(つまり、シールリングのリップ部が、シリンダ本体に
設けた連絡孔の開口に喰われて損傷する現象)が生じに
くいことに着目し、これをマスタシリンダに適用した技
術を最近提案した。その一つの平成7年11月16日に
出願の特願平7−321190号では、ピストンの外周
のシールリングを2重のシールリング構造にしつつ、液
圧室への液補給を可能にするため、リザーバと液圧室と
を連絡する連絡通路をピストンに設け、その連絡通路に
補給弁を設けている。また、他の平成8年7月9日に出
願の特願平8−198487号では、ピストンの外周の
シールリングを2重のシールリング構造にしつつ、ピス
トンの内部に小ピストンを移動可能に設け、液圧室が負
圧となり、リザーバ側の大気圧との間に差圧が生じたと
き、その差圧によって小ピストンを移動させて液圧室の
容積を減少させるようにしている。小ピストンを含む容
積減少手段、および補給弁を含む補給手段は、2重のシ
ールリング自体がカップ型のシールリングにおける液補
給機能がないことを補填する役割を果たす。
【0004】
【解決しようとする課題】ところで、先行するそれらの
技術においては、公知のものでも公知でないものでも、
ピストンの外周にリング装着のための溝を設け、2重の
シールリングをなすO−リングおよび樹脂リングの両方
について、溝に隣合うピストンのランド部を乗り越える
ように径を拡張させて同じ溝の中に配置するようにして
いた。2重のシールリングをピストンの外周の溝内に配
置するとき、内周のO−リングは、容易に弾性変形し、
しかも、その変形した形状も迅速に復元する。しかし、
より高硬度の外周の樹脂リングは、弾性変形がしにく
く、しかも、その変形した形状は容易には元に戻らな
い。そのため、樹脂リングを装着するには、専用の治具
が必要であり、また、元の状態に戻るまで長時間放置せ
ざるをえない。また、弾性変形しにくい樹脂リングは、
必ずしも完全に復元するわけではなく、より密なシール
機能あるいは円滑な摺動機能を損ねることにもなりかね
ない。
【0005】そこで、この発明は、以上に述べたような
2重のシールリングの組付け性を向上させることがで
き、しかもまた、組付け後におけるシールおよび摺動の
各機能を良好にすることができる技術を提供することを
目的とする。また、この発明は、樹脂等の高硬度な材料
からなる外周シールリングの径を拡張させることなく、
ピストンへ装着することができる技術を提供することを
他の目的とする。さらに、この発明は、2重のシールリ
ングを含む好適なマスタシリンダを提供することをさら
に他の目的とする。
【0006】
【発明の着眼点および手段】この発明では、内外周の両
シールリングの弾性変形のしやすさに相違があることに
着目し、弾性変形しやすい内周シールリングは弾性変形
させつつピストンに装着するが、弾性変形しにくい外周
シールリングは、弾性変形させることなくピストンに装
着することに着眼した。そこで、この発明では、ピスト
ン側に、外径がL0 で、2重のシールリングを保持する
リング保持部と、そのリング保持部に隣り合う部分であ
り、外径がL1(ここで、L1 >L0 )の第1のランド
部と、リング保持部に対し、第1のランド部とは反対側
に隣り合う部分であり、外径がL2 (ここで、L2 <L
1 )の第2のランド部とを設け、その第2のランド部の
外径L2 を外周シールリングの内径以下に設定し、その
外周シールリングの第2のランド部の側の一方の側面
を、ピストンに保持したリテーナリングによって支持す
る。ピストンの第2のランド部の外径L2 を外周シール
リングの内径以下に設定することによって、外周シール
リングを径方向に拡張させることなく、リング保持部の
内周シールリングの外周側に装着することができる。こ
こで、内周および外周の両シールリングに対し、第1の
ランド部の側の他方の側面についても、ピストンに別の
リテーナ部材を設けることによって支持することもでき
るが、第1のランド部の側の他方の側面は、第1のラン
ド部の側壁によって支持するのが好ましい。他方、第2
のランド部の側の一方の側面については、リテーナリン
グによって外周シールリングだけでなく、内周シールリ
ングをも支持することもできるし、また、リテーナリン
グは外周シールリングについてのみ一方の側面を支持
し、内周シールリングについては、ピストンの第2のラ
ンド部の側壁によって支持することもできる。内外周の
両シールリングの一方の側面を、ともにリテーナリング
よって支持するときには、リング保持部の外径L0と第
2のランド部の外径L2 とを等しくするのが良い。それ
に対し、外周シールリングの一方の側面についてのみ、
リテーナリングで支持するときには、第1のランド部の
リング保持部に近い箇所に、第2のランド部の外径と同
じ径の縮径部分を設けるのが好ましい。そうすれば、外
周シールリングを第2のランド部と縮径部分との両部分
によって径の内方から支持することができ、外周シール
リングをより安定に支持することができる。
【0007】この発明は、移動するピストンの外周をシ
ールする技術として、広範囲に適用することができる
が、ピストンの動きに伴って、シールリングがシリンダ
本体の連絡孔の開口部を遮断するマスタシリンダに最適
である。その場合、2重のシールリングは損傷が少ない
が、それ自体は、通常、補給機能を持っていない。その
ため、2重シールリングを含むマスタシリンダにおいて
は、前記した先願に示すような補給弁を含む補給手段、
あるいは小ピストンを含む容積減少手段を備えることが
必要である。補給手段あるいは容積減少手段は、液圧室
への液補給を可能とし、あるいは液圧室の容積を減少
し、マスタシリンダを急作動した場合でもピストンを迅
速に非作動位置に戻すことができる。なお、2重のシー
ルリングのうち、内周シールリングとしては、ゴム材料
からなるO−リングが最適であるが、そのほか、ゴムと
同様に容易に弾性変形し、しかも、シール機能にすぐれ
た他の材料を用いることができ、その場合、全体を同じ
材料で構成することもできるし、あるいは芯材とその周
りを被う材料とを異ならせることもできる。また、外周
シールリングとしては、樹脂材料、特にシリンダ本体と
の間の摺動抵抗が小さい材料、特には、四ふっ化エチレ
ン樹脂(商品名テフロン)が好ましく、ここでも全体を
同じ材料で構成することもできるし、摺動面に摺動抵抗
が小さい樹脂をコーティングした他の樹脂材料あるいは
金属材料を用いることもできる。
【0008】
【好適な実施例】図1は、この発明を適用した、タンデ
ム型のブレーキ用マスタシリンダの全体的な断面構造を
示し、図2は、そのマスタシリンダのプライマリピスト
ンの端部を中心とした部分拡大図である。タンデム型の
マスタシリンダ10は、内部に軸線方向に沿うシリンダ
孔14を持つシリンダ本体12を含む。また、シリンダ
本体12の上部には、シリンダ孔14と連通するボス部
16a,16bがあり、それらのボス部16a,16b
に対し、継手部18a,18bを入れつつ作動液リザー
バ18が支持されている。シリンダ本体12の内部のシ
リンダ孔14は、図の左側のシリンダボトム12b側が
閉じ、右側のシリンダヘッド12h側が開口し、その内
周は一様な径になっている。そうしたシリンダ孔14の
中には、シリンダボトム12bに近いシリンダ孔14の
奥にリターンスプリング22を介してセカンダリピスト
ン32があり、ついで、シリンダヘッド12h側に向か
い、別のリターンスプリング21、プライマリピストン
31が順次続く。
【0009】プライマリピストン31およびセカンダリ
ピストン32には、それぞれ、その外周の2箇所にシー
ルリング51,61;52,62がある。各ピストン3
1,32について見ると、そこに支持するシールリング
の中で、シリンダヘッド12h側により近いシールリン
グ61,62がカップ型のシールリングであるのに対
し、シリンダボトム12b側により近いシールリング5
1,52が問題とする2重のシールリングである。これ
らのシールリング51,61;52,62によって、シ
リンダ孔14の一番奥に第2の液圧室42、また、両ピ
ストン間32,31に第1の液圧室41を区画してい
る。ブレーキ作動のない通常の状態では、各ピストン3
2,31は、それぞれ、リターンスプリング22,21
によりシリンダヘッド12h側に付勢されている。した
がって、通常の状態では、第1および第2の各液圧室4
1,42は、シリンダ本体12側の連絡孔(リリーフポ
ート)71,72を通して作動液リザーバ18の内部に
連絡している。しかし、操作者がブレーキを作動させる
と、まず、プライマリピストン31が、リターンスプリ
ング21の付勢力に打ち勝ち、ついで、プライマリ側の
動きに応じて、セカンダリピストン32がリターンスプ
リング22の付勢力に打ち勝ってシリンダボトム12b
側に動く。すると、2重のシールリング51,52が、
それぞれ、連絡孔71,72を閉じ、さらに両ピストン
31,32が前進し、第1および第2の各液圧室41,
42に液圧が発生する。
【0010】この発明の一実施例であるマスタシリンダ
10では、連絡孔71,72を開閉するシールリング5
1,52として、内周側にO−リング53、その外周側
に樹脂リング55を配置した2重のシールリングを用い
ている。すでに述べたように、2重のシールリングは、
シール損傷が少ないという利点がある反面、液補給に対
する対応が必要である。ここでは、各ピストン31,3
2の端面の部分に、カップ型のシールリング65を配置
し、作動液リザーバ18側から各液圧室41,42に作
動液を補給可能としている。各ピストン31,32およ
びその周囲には、各液圧室41,42から作動液リザー
バ18の内部にまで連絡する連絡通路90が設けられ、
カップ型のシールリング65が、各連絡通路90の一方
の開口部をシールしている。したがって、ブレーキの急
作動時、あるいはアンチスキッド制御時などに、各液圧
室41,42の内部に負圧が発生すると、カップ型のシ
ールリング65のリップの前後に生じる差圧によって、
リップを倒して作動液リザーバ18側から作動液を各液
圧室41,42へと補給する。なお、連絡通路90は、
各ピストン31,32に設けた通孔92のほか、各ピス
トン31,32の側周の空間94およびシリンダ本体1
2に設けた補給孔96を含む。
【0011】さて、この発明では、2重のシールリング
51,52の支持構造に一つの特徴がある。その特徴
は、プライマリ側およびセカンダリ側に共通している。
プライマリ側を部分的に拡大して示す図2がより明らか
にしているように、マスタシリンダ10にあっては、2
重のシールリング51(52)を支持するリング保持部
300に隣り合う一方の第1のランド部310の径は大
であるが、ピストン31(32)の端面に近い他方の第
2のランド部320の径は、リング保持部300と同じ
である。すなわち、リング保持部300、第1のランド
部310、第2のランド部320の各外径をL0 、L1
、L2 とすると、L2 =L0 であり、しかも、L0 <
L1 の関係がある。L1 とL0 との差は、マスタシリン
ダ10に装着した2重のシールリング51(52)の厚
さに等しくなる。このように、第2のランド部320の
径L2 をリング保持部300の径L0 と同じにしている
ため、O−リング53からなる内周シールリングは勿論
のこと、樹脂リング55からなる外周シールリングにつ
いても、リング保持部300への装着を容易に行うこと
ができる。特に、外周側の樹脂リング55は、特段に弾
性変形させることなく装着することができるため、その
復元を待つ必要は全くなくなる。そして、リング保持部
300に装着した2重のシールリング51(52)につ
いては、一方の側面を第1のランド部310の側壁によ
って支持し、また、他方の側面をリテーナリング80に
よって支持する。
【0012】リテーナリング80は、リターンスプリン
グ21(22)の一方のばね受けを兼ねており、リター
ンスプリング21(22)のばね力だけによってピスト
ン31(32)の端面部分に保持することもできる。し
かし、プライマリ側について、ケージドスプリングのボ
ルト部材28の締付けによって、リテーナリング80を
固定するようにしている。リテーナリング80は、プレ
ス成形によって加工され、中心部にボルト部材28が入
る中心孔82、外周部に2重のシールリング51の側面
を支持するつば部84、また、それらの径方向の途中に
は、切起こし部86をそれぞれ備える。切起こし部86
は、切り起こした片がリターンスプリング21の支持を
助け、また、切起こしによって生じた孔が液圧室41へ
の連絡孔となる。こうしたリテーナリング80の外周の
つば部84の外径は、ピストン31の第1のランド部3
10の径よりもわずかに小さくなっている。そのため、
つば部84の外周面は、シリンダ本体12の内周壁に接
しないので、そこを鏡面仕上げするなど高精度な加工を
する必要はない。リテーナリング80には、つば部84
に近い部分に2つの折曲げ部881,882があり、そ
れら2つの折曲げ部881,882を結ぶシート部分8
8は、ピストン31およびシリンダ孔14の軸心に平行
している。そこで、リテーナリング80は、そのシート
部分88が第2のランド部320にはまり合って、ピス
トン31に支持される。したがって、ボルト部材28に
よる固定と相俟って、リテーナリング80は、ピストン
31に対してしっかりと一体化される。そのため、2重
のシールリング51の側面を支持する機能も非常に安定
する。
【0013】
【リテーナリングの他の支持例】リテーナリング80の
支持、特にボルト部材28による支持のないセカンダリ
側のリテーナリング80’について、支持を強化するた
めに各種の手法を適用することができる。図3〜図7
が、そうした例を示している。図3では、リテーナリン
グ80’のシート部分88の内周にゴム88rを焼付け
ることによって、セカンダリピストン32に対し締まり
ばね形態で支持し、また、図4では、シート部分88の
内周に突部88tを設け、その突部88tを第2のラン
ド部320の外周の溝あるいは凹所320dにはいり込
ませるようにしている。ゴム88rの焼付け箇所をピス
トン32側にしたり、突部88t−凹所320dの凹凸
の関係を逆にすることも可能である。また、図5は、図
4の変形ということができる例であり、シート部分88
の内周の突部として、切起こし片88sを用いている。
さらに、図6では、リテーナリング80’の中心部をE
−リング89によって支持し、また、図7では、シート
部分88の内周に爪部88nを、ピストン32の第2の
ランド部320の外周に爪部88nを受ける溝320e
をそれぞれ設け、爪部88nを含むリテーナリング8
0’を回転させることによって、リテーナリング80’
をピストン32側に固定している。
【0014】
【2重のシールリングの他の支持例】図8では、O−リ
ング53からなる内周シールリングをリング保持部30
0の溝300dの中に装着し、樹脂リング55からなる
外周シールリングだけをリテーナリング80によって支
持するようにしている。この図8に示す例にあっては、
第1のランド部310の径L1 だけでなく、第2のラン
ド部320の径L2 の両方がリング保持部300の径L
0 よりも大きく、しかも、L1 >L2 の関係となってい
る。そして、リング保持部300に近い箇所に、第2の
ランド部320の外径L2 と同じ径の縮径部分3100
があり、外周側の樹脂リング55を第2のランド部32
0と縮径部分3100との両部分によって径の内方から
支持している。ここでも、ピストン31側の第2のラン
ド部320の径L2 は、内周側のO−リング53の内径
よりは大きいが、外周側の樹脂リング55の内径以下の
大きさに設定されている。そこで、弾性変形し、しかも
復元しやすいO−リング53について、径を拡張するこ
とはあっても、樹脂リング55については、径を拡張す
ることなくピストン31側に装着することができる。図
8に示す支持形態では、外周側の樹脂リング55は、O
−リング53によって径外側への力を与えられつつ、前
後の両部分320,3100によって支持されるため、
その支持は安定し、ピストン31はよりスムーズに移動
可能となる。
【0015】
【補給手段の他の例】図9では、ピストン31の内部に
補給孔92’を設けるが、その補給孔92’の開口部を
ピストン31の外周近くに配置している。そして、補給
孔92’の開口を、変形した内周シールリング530が
含むリップ部532によって開閉するようにしている。
すなわち、補給手段としての補給弁と内周シールリング
とを兼用するようにしている。
【0016】
【容積減少手段の一例】図10が、容積減少手段の一つ
として、小ピストン290を含む例を示す。小ピストン
290は、ピストン32の中心の凹所320の内部に位
置し、その凹所320の中を軸線方向に移動可能であ
る。小ピストン290には、外周に筒状部材292がは
まり、それによって、凹所320の内周との間のシール
が図られている。また、小ピストン290は、小さなば
ね力を持つばね294によってリテーナリング80”側
とは反対の方向に付勢され、通常の状態では、その一端
が凹所320の底に当たっている。凹所320が液圧室
42に開口し、また、凹所320には、作動液リザーバ
18側に連絡するための連絡通路92’が開口してい
る。そのため、小ピストン290は、その一端に液圧室
42側の圧力を受け、それに対向する他端に、作動液リ
ザーバ18側の圧力を受ける。そこで、小ピストン29
0は、大気圧のリザーバ側に対して液圧室42が負圧と
なる差圧が生じたときに、ばね294をたわめつつ液圧
室42の容積を減少させるようにリテーナリング80”
側に向かって動く。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるタンデム型のマスタシリンダの
全体を示す断面図である。
【図2】図1の要部を示す拡大断面図である。
【図3】リテーナリングの他の支持例を示す要部拡大断
面図である。
【図4】図3と同様の要部拡大断面図である。
【図5】図3および図4と同様の要部拡大断面図であ
る。
【図6】リテーナリングのさらに他の支持例を示す図で
あり、Aが図3〜5と同様の断面図、BがAの6−6線
に沿った断面図である。
【図7】図6と同様の図であり、Aが断面図、BがAの
7−7線に沿った断面図である。である。
【図8】2重のシールリングの他の支持例を示す要部の
断面図である。
【図9】補給手段の他の例を示す要部の断面図である。
【図10】容積減少手段の一例を示す要部の断面図であ
る。
【符号の説明】
10 マスタシリンダ 12 シリンダ本体 21,22 リターンスプリング 31,32 ピストン 300 リング保持部 310 第1のランド部 320 第2のランド部 41,42 液圧室 51,52 2重のシールリング 53 O−リング(内周シールリング) 55 樹脂リング(外周シールリング) 65 カップ型のシールリング(補給弁) 71,72 連絡孔 80,80’,80” リテーナリング 90 連絡通路 290 小ピストン

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピストンの外周にはまり、そのピストン
    の軸線方向の前後を互いにシールするためのシールリン
    グであり、弾性材料からなる内周シールリングと、その
    内周シールリングよりも高硬度の材料からなり、内周シ
    ールリングの外周に位置する外周シールリングとを備え
    る2重のシールリングを支持する構造であって、前記ピ
    ストンは、外径がL0 で、前記2重のシールリングを保
    持するリング保持部と、そのリング保持部に隣り合う部
    分であり、外径がL1 (ここで、L1 >L0 )の第1の
    ランド部と、前記リング保持部に対し、前記第1のラン
    ド部とは反対側に隣り合う部分であり、外径がL2 (こ
    こで、L2 <L1 )の第2のランド部とを備え、その第
    2のランド部の外径L2 を前記外周シールリングの内径
    以下に設定し、その外周シールリングの第2のランド部
    の側の一方の側面を、前記ピストンに保持したリテーナ
    リングによって支持するようにした2重のシールリング
    の支持構造。
  2. 【請求項2】 前記内周および外周の両シールリングに
    ついて、前記第1のランド部の側の他方の側面を、前記
    第1のランド部の側壁によって支持する、請求項1の支
    持構造。
  3. 【請求項3】 前記第2のランド部の外径L2 は、前記
    リング保持部の外径L0 と同じ大きさであり、前記リテ
    ーナリングが前記外周シールリングとともに、前記内周
    シールリングの前記第2のランド部の側の側面をも支持
    する、請求項2の支持構造。
  4. 【請求項4】 L2 >L0 であり、前記内周シールリン
    グの前記第2のランド部の側の側面を、前記第2のラン
    ド部の側壁によって支持する、請求項2の支持構造。
  5. 【請求項5】 前記第1のランド部の前記リング保持部
    に近い箇所に、前記第2のランド部の外径L2 と同じ径
    の縮径部分があり、前記外周シールリングを前記第2の
    ランド部と前記縮径部分との両部分によって径の内方か
    ら支持する、請求項4の支持構造。
  6. 【請求項6】 A.内部に軸線方向に沿うシリンダ孔を
    有するシリンダ本体と、B.前記シリンダ孔内に摺動自
    在に挿入され、前記シリンダ本体と相俟って前記シリン
    ダ孔内に液圧室を区画するピストンと、C.そのピスト
    ンを前記軸線方向上、前記液圧室とは反対の方向に向け
    て付勢する戻しばねと、D.前記シリンダ本体の側周に
    形成され一端が前記液圧室に直接臨み、他端がリザーバ
    に臨む連絡孔と、E.前記ピストンの外周にはまり、前
    記ピストンの液圧室側への動きに応じて前記連絡孔を遮
    断するためのシールリングであり、弾性材料からなる内
    周シールリング、および、その内周シールリングよりも
    高硬度の材料からなり、内周シールリングの外周に位置
    する外周シールリングを含む2重のシールリングとを備
    えるマスタシリンダであって、前記ピストンは、外径が
    L0 で、前記2重のシールリングを保持するリング保持
    部と、そのリング保持部に隣り合う部分であり、外径が
    L1 (ここで、L1 >L0 )の第1のランド部と、前記
    リング保持部に対し、前記第1のランド部とは反対側に
    隣り合う部分であり、外径がL2 (ここで、L2 <L1
    )の第2のランド部とを含み、しかも、その第2のラ
    ンド部の外径L2 が前記外周シールリングの内径以下で
    あり、その外周シールリングの第2のランド部の側の一
    方の側面を、前記ピストンに保持したリテーナリングに
    よって支持するようにしたことを特徴とするマスタシリ
    ンダ。
  7. 【請求項7】 前記ピストンは、前記リザーバと前記液
    圧室とを連絡する連絡通路と、その連絡通路を通して前
    記リザーバから作動液を補給するための補給弁とを備え
    る、請求項6のマスタシリンダ。
  8. 【請求項8】 前記ピストンは、一端に前記液圧室側の
    圧力を受け、それに対向する他端に、前記リザーバ側の
    圧力を受ける小ピストンを支持しており、大気圧のリザ
    ーバ側に対して前記液圧室が負圧となる差圧が生じたと
    きに、前記小ピストンが前記液圧室の容積を減少させる
    ように動く、請求項6のマスタシリンダ。
  9. 【請求項9】 前記内周および外周の両シールリングに
    ついて、前記第1のランド部の側の他方の側面を、前記
    第1のランド部の側壁によって支持する、請求項6〜8
    のいずれか一つのマスタシリンダ。
  10. 【請求項10】 前記第2のランド部の外径L2 は、前
    記リング保持部の外径L0 と同じ大きさであり、前記リ
    テーナリングが前記外周シールリングとともに、前記内
    周シールリングの前記第2のランド部の側の側面をも支
    持する、請求項6〜8のいずれか一つのマスタシリン
    ダ。
  11. 【請求項11】 L2 >L0 であり、前記内周シールリ
    ングの前記第2のランド部の側の側面を、前記第2のラ
    ンド部の側壁によって支持する、請求項6〜8のいずれ
    か一つのマスタシリンダ。
JP35770596A 1996-12-26 1996-12-26 2重のシールリングの支持構造およびマスタシリンダ Pending JPH10181569A (ja)

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DE69724925T DE69724925T2 (de) 1996-12-26 1997-11-07 Hauptzylinder mit einem zweifach gegliederten Dichtungsring
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002235857A (ja) * 2001-02-07 2002-08-23 Nok Corp 密封装置

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JP2002235857A (ja) * 2001-02-07 2002-08-23 Nok Corp 密封装置

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