JP4148062B2 - 内燃機関の始動装置 - Google Patents

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Description

本発明はクラッチ手段を介して駆動源からクランク軸へ回転を伝達する内燃機関の始動装置に関する。
内燃機関の始動装置として、駆動源としてのスタータモータとモータジェネレータとを備え、モータジェネレータを内燃機関と併用しつつ走行する車両に適用され、スタータモータと内燃機関との回転数差が所定値以上の場合に始動装置の回転伝達経路上に異常が発生したと判定し、モータジェネレータを異常発生時の代替駆動源として機能させて内燃機関を始動する装置が知られている(特許文献1参照)。その他に、本発明に関連する先行技術文献として特許文献2及び3が存在する。
特開2001−165022号公報 特開2001−165019号公報 特開平4−279765号公報
しかしながら、従来の始動装置は、代替駆動源としてモータジェネレータを使用する車両以外には適用できないという不都合があった。
そこで、本発明は始動装置の回転伝達経路上に設けられたクラッチ手段が故障して回転伝達が不能となった場合でも、駆動源によって内燃機関を始動できる始動装置を提供することを目的とする。
本発明の内燃機関の始動装置は、駆動源からクランク軸へ回転を伝達する回転伝達経路内に、回転伝達の可否を切替えるクラッチ手段が設けられた内燃機関の始動装置において、前記回転伝達経路には、前記駆動源によって回転駆動されかつ回転軸線に沿って移動可能な第1の回転伝達部材と、前記第1の回転伝達部材と前記クラッチ手段を介して接続され、前記第1の回転伝達部材と同軸上にて回転可能な第2の回転伝達部材とが設けられ、前記第1の回転伝達部材には、前記回転軸線に沿って移動可能であり、かつ前記駆動源から駆動されることにより前記第2の回転伝達部材に向かう方向のスラスト力を受けるはすば歯車が設けられ、前記第1の回転伝達部材と前記第2の回転伝達部材とには、前記第1の回転伝達部材の前記回転軸線上の移動に伴って接続及びその接続の解除が可能であり、接続時には両回転伝達部材間における前記クラッチ手段を迂回した前記回転伝達を可能とし、接続解除時には前記クラッチ手段を迂回した前記回転伝達を不能とする補助伝達手段が設けられることにより、上述した課題を解決する(請求項1)。
本発明によれば、駆動源にて第1の回転伝達部材が駆動されると、第1の回転伝達部材はその回転軸線の回りに回転するとともに、はすば歯車に作用するスラスト力によりその回転軸線上を第2の回転伝達部材に向けて移動する。しかしながら、クラッチ手段が正常に作動している限りにおいては、始動に必要なトルクが第1の回転伝達部材からクラッチ手段を介して第2の回転伝達部材に伝達される。この場合、両回転伝達部材が同軸上で一体的に回転するから、仮に第1の回転伝達部材が第2の回転伝達部材と接するまで移動しても補助伝達手段は回転伝達経路の一部として機能する必要がなく、また実際に補助伝達手段を介したトルク伝達は行われない。一方、クラッチ手段が故障してクラッチ手段を介した回転伝達が不能となった場合には、はすば歯車に作用するスラスト力で第1の回転伝達部材が第2の回転伝達部材へ接するまで移動し、このときに第2の回転伝達部材は回転していないか、又は第1の回転伝達部材よりも低速で空転しているから、両回転伝達部材が接続されて補助伝達手段を介して回転が伝達されるようになる。これにより、クラッチ手段が故障していてもこれを迂回して駆動源の回転運動をクランク軸側へ伝達して内燃機関を始動させることができる。また、内燃機関の始動後は第1の回転伝達部材と第2の回転伝達部材との接続を解除しておけば、クラッチ手段から駆動源側への回転伝達を阻止して内燃機関の負荷をクラッチ手段の正常時と同様に減らすことができる。
本発明の始動装置においては、前記補助伝達手段として、前記第1の回転伝達部材及び前記第2の回転伝達部材の互いに対向する位置に一対のねじ部が設けられてもよい(請求項2)。この態様によれば、クラッチ手段の故障時において第1の回転伝達部材と第2の回転伝達部材との間に生じる回転速度の差を利用してねじ部を締結し、両回転伝達部材を強固かつ確実に接続することができる。一方、内燃機関が始動するとクランク軸にて第2の回転伝達部材が回転駆動される一方、駆動源の停止により第1の回転伝達部材への回転入力は絶たれて第1の回転伝達部材には駆動源等が回転抵抗として作用する。これにより、第1の回転伝達部材に対して第2の回転伝達部材がねじ部の締結を緩める方向に相対的に回転してねじ部の締結が解除される。従って、クラッチ手段を迂回した回転伝達が不能となり、クラッチ手段から駆動源側が内燃機関の負荷として作用するおそれがなくなる。
本発明の始動装置は、前記駆動源による駆動を開始してから前記内燃機関が始動するまでに要する時間を検出する始動時間検出手段と、前記始動時間検出手段の検出結果が所定値を上回った場合に前記クラッチ手段が故障したと判別する故障判別手段とがさらに設けられてもよい(請求項3)。補助伝達手段を介した回転伝達は、補助伝達手段による回転伝達経路の形成が完了してから開始されるので、クラッチ手段を介した回転伝達よりも回転伝達が遅れる傾向が生じる。そこで、始動に要するまでの時間を検出して所定値と大小比較すれば、回転伝達がクラッチ手段又は補助伝達手段のいずれを介して行われているかを判別し、補助伝達手段を介した伝達の場合にはクラッチ手段が故障しているものと判別することができる。
本発明の始動装置は、走行状態に応じて内燃機関の停止及び始動を切り換え制御する停止制御手段を備えた車両に搭載されている内燃機関に適用することができ、前記故障判別手段が前記クラッチ手段の故障を判別した場合には、前記停止制御手段による前記内燃機関の停止制御を禁止する制御禁止手段が設けられてもよい(請求項4)。クラッチ手段が故障していると判別した場合に制御禁止手段によって内燃機関の停止制御を禁止することにより、補助伝達手段を介して回転が伝達される頻度を減らすことができる。これにより、補助伝達手段に要求される強度や耐久性を緩和して補助伝達手段を追加することによるコストアップを抑えることができる。
さらに、本発明の始動装置においては、前記故障判別手段が前記クラッチ手段の故障を判別した場合に、所定の警告を発する警告手段が設けられてもよい(請求項5)。この態様によれば、クラッチ手段の故障を警告して、その故障に対する適切な処置を促すことができるので、故障が放置されて補助伝達手段に依存した始動が繰り返されるおそれを低減することができる。
本発明の始動装置において、前記内燃機関の暖機状態に応じて前記所定値を変化させる基準始動時間設定手段が設けられてもよい(請求項6)。内燃機関の始動時間は、内燃機関の暖機状態と相関があり、内燃機関が十分に暖機されているほど始動時間は短くなる。従って、内燃機関の暖機状態に応じて所定値を変化させることによって、クラッチ手段の故障を判別する精度を高めることができる。
以上に説明したように、本発明によれば、クラッチ手段を介した回転伝達が不能となった場合に、はすば歯車に作用するスラスト力を利用して第1の回転伝達部材を第2の回転伝達部材側へ移動させて両回転伝達部材を接続し、第1の回転伝達部材から補助伝達手段を介して第2の回転伝達部材へ回転を伝達することができるから、クラッチ手段が故障していてもこれを迂回して駆動源の回転運動をクランク軸側へ伝達して内燃機関を始動させることができる。また、内燃機関の始動後は第1の回転伝達部材と第2の回転伝達部材との接続を解除しておけば、クラッチ手段から駆動源側への回転伝達を阻止して内燃機関の負荷をクラッチ手段の正常時と同様に減らすことができる。
図1は、車両の走行用の動力源として使用される内燃機関(以下、エンジンと呼ぶ。)用の始動装置に関する本発明の一形態を示している。なお、エンジンはピストンの往復運動を回転運動に変換するレシプロ式のエンジンであるが、その図示は省略する。図1の始動装置1は、スタータモータ2と、スタータモータ2の出力軸2aの回転をエンジンのクランク軸3に伝達するギヤ列4とを備えている。ギヤ列4は、スタータギヤ5と、スタータギヤ5と噛み合う第1の回転伝達部材としてのドリブンギヤ6と、ドリブンギヤ6と同軸的に設けられた第2の回転伝達部材としての中間ギヤ7と、中間ギヤ7と噛み合うクランクギヤ8とを備えている。これらのギヤ5、6、7、8は、それぞれはすば歯車である。はずば歯車は、歯車の回転軸に対して斜めに傾いた歯筋を有する円筒歯車で、円滑な回転伝達を行なうことができる。スタータギヤ5とドリブンギヤ6、中間ギヤ7とクランクギヤ8との間の歯数比は、スタータモータ2側からクランク軸3側に向かって回転が減速して伝達されるように設定されており、スタータモータ2の回転は漸次減速されてクランク軸3まで伝達される。
図2に示すように、スタータギヤ5には、歯部5aとスタータギヤ軸5bとが一体回転可能に設けられている。スタータギヤ軸5bの端部5cは、スタータモータ2の出力軸2a(図1)に接続されている。ドリブンギヤ6には、歯部6aとドリブンギヤ軸6bとが一体回転可能に設けられている。図3に示すように、ドリブンギヤ軸6bには、回転伝達部6c、6dと、ストッパ部6eと、抜け止め部6fと、支持部6g、6hとが同軸上に設けられている。ドリブンギヤ軸6bはスタータギヤ軸5b(図2)と平行に配置され、支持部6g、6hにて回転自在に、かつ回転軸線CLに沿って移動可能に支持されている。図2に戻って、スタータギヤ5及びドリブンギヤ6の歯部5a、6aの歯筋は、エンジン始動時のスタータギヤ軸5bの回転(矢印R1方向の回転)に伴って中間ギヤ7に接近する方向(矢印F1の方向)のスラスト力がドリブンギヤ6に作用するように設定されている。
図3に示すように、中間ギヤ7には、歯部7aと中間ギヤ軸7bとが一体回転可能に設けられている。中間ギヤ軸7bの内周面7c、7d、7eには、クラッチ手段としての一方向クラッチ11と、一方向クラッチ11を回転軸線CLの軸方向に関して挟み込むように配置された軸受12、13とがすきま嵌めにて嵌め合わされている。一方向クラッチ11及び軸受12、13は、中間ギヤ軸7bに嵌め合わされた状態で支持部6h側から回転伝達部6dに組み合わされている。抜け止め部6f上には、軸受13の端面13aに接するようにして抜け止め14が取り付けられている。抜け止め14は、ストッパ部6eとの間に一方向クラッチ11及び軸受12、13を挟み込むことによって、一方向クラッチ11及び軸受12、13の軸方向に関する移動を拘束している。
一方向クラッチ11はドリブンギヤ軸6bから中間ギヤ軸7bへの回転伝達を許容し、中間ギヤ軸7bからドリブンギヤ軸6bへの回転伝達を阻止するように設けられている。従って、図1の始動装置1では、エンジンの始動時には、スタータモータ2の出力軸2aの回転がスタータギヤ5、ドリブンギヤ6、中間ギヤ7、クランクギヤ8の順に伝達され、クランク軸3が回転駆動される。また、エンジンの始動後にスタータモータ2が停止すると、クランクギヤ8、中間ギヤ7はクランク軸3によって回転駆動されるが、その回転の伝達は一方向クラッチ11(図3)にて遮断される。これにより、スタータギヤ5、ドリブンギヤ6、中間ギヤ7、クランクギヤ8が常時噛み合っていても、ドリブンギヤ6及びスタータギヤ5は回転しない。
図4に詳しく示したように、ドリブンギヤ6の回転伝達部6c及び中間ギヤ7の中間ギヤ軸7bの互いに対向する位置には、補助伝達手段としての一対のねじ部15、16が設けられている。ねじ部15、16のねじれ方向は、エンジン始動時のドリブンギヤ軸6bの回転(図2の矢印R2方向の回転)に伴ってねじ部15がねじ部16にねじ込まれる方向に設定されている。
なお、図2及び図3のスタータギヤ5、ドリブンギヤ6、中間ギヤ7において、それぞれの歯部5a、6a、7a及び軸5b、6b、7bを一体回転可能とするためには、歯部5a、6a、7aを軸5b、6b、7bと一体に成形してもよいし、軸5b、6b、7bとは別工程で製造された歯部5a、6a、7aを焼き嵌め、圧入等の結合方法を用いて軸5b、6b、7bの外周に固定してもよい。
次に、図2〜図6を参照してドリブンギヤ6及び中間ギヤ7の動作を説明する。図2に示すように、エンジン始動時にはスタータギヤ5は矢印R1の方向に回転駆動されている。従って、ドリブンギヤ6は、歯部5a、6aの噛み合いによって矢印R2の方向に回転しつつ矢印F1の方向のスラスト力を受ける。図3の一方向クラッチ11が正常である場合は、ドリブンギヤ軸6b及び中間ギヤ軸7bは一方向クラッチ11を介して一体で回転するので、図4のねじ部15、16には周方向に関する相対速度が生じない。ねじ部15がねじ部16にねじ込まれることはないので、図3の一方向クラッチ11を介した回転伝達経路T1によって回転伝達される。
一方向クラッチ11が故障した場合には、ドリブンギヤ軸6b及び中間ギヤ軸7bは一体で回転できないので、ねじ部15、16に周方向に関する相対速度が生じる。このため、矢印F1(図2)の方向のスラスト力によってドリブンギヤ軸6bが中間ギヤ軸7bの方向に接近してドリブンギヤ軸6b及び中間ギヤ軸7bが互いに接触すると、図6に示すようにねじ部15は、周方向に関する相対速度によってねじ部16にねじ込まれる。ねじ部15は、ドリブンギヤ6の回転軸線CLに垂直に設けられた壁部6iと中間ギヤ軸7bの端面7fとが接触するまでねじ部16にねじ込まれる。ねじ部15、16の接触によって、図5に示すようにドリブンギヤ軸6b及び中間ギヤ軸7bには、一方向クラッチ11を迂回した回転伝達経路T2が形成される。この回転伝達経路T2によってドリブンギヤ軸6bから中間ギヤ軸7bへの回転伝達が可能となる。
エンジン始動後には、中間ギヤ軸7bはクランク軸3によって回転駆動される。この場合、ねじ部15、16が緩む方向に中間ギヤ軸7bが回転駆動され、かつドリブンギヤ軸6bにはスタータモータ2から抵抗力が付加されているので、ねじ部15、16は緩められる。これにより、中間ギヤ軸7b及びドリブンギヤ軸6bは離間する。一方向クラッチ11を迂回した回転伝達経路T2は切断されるので、ドリブンギヤ軸6bから中間ギヤ軸7bへの回転伝達が不能となる。
次に、ねじ部15、16のねじ長さについて説明する。ねじ部15がねじ部16へねじ込まれるのに要する時間は、ねじ部15、16のねじ長さに応じて変化する。例えば、ねじ部15、16のねじ長さを極端に短くすると、一方向クラッチ11が正常であってもドリブンギヤ軸6b及び中間ギヤ軸7bがねじ部15、16によって接続されてしまう。ねじ部15、16は一方向クラッチ11が故障した場合にのみ接続されて回転伝達することが望ましい。この要件を満たすために、一方向クラッチ11が正常な場合のエンジン始動に必要な始動時間(以下、正常時の始動時間と呼ぶ。)τuと一方向クラッチが故障した場合のドリブンギヤ6の空転時間τbとが次の式を満足するようにねじ部15、16のねじ長さを設定すればよい。
Figure 0004148062
ここで、正常時の最大始動時間τu_max及び正常時の最小始動時間τu_minは、正常時の始動時間τuのばらつきのうちの最大値及び最小値である。(1)式は次のように表現できる。
Figure 0004148062
(2)式において左辺は、一方向クラッチ11が故障してドリブンギヤ6が空転した後、ねじ部15がねじ部16にねじ込まれた場合の最小始動時間を、右辺は一方向クラッチ11が正常な場合の最大始動時間をそれぞれ表している。従って、一方向クラッチ11が正常であれば、ねじ部15、16によって始動されることなく、一方向クラッチ11を介し始動される。
図1に示すように、始動装置1には一方向クラッチ11の故障を診断するために故障診断装置30が設けられている。故障診断装置30は、回転数に対応した信号を出力する回転センサ31と、冷却水の温度に対応した信号を出力する水温センサ32と、エンジンコントロールユニット(ECU)50とを組み合わせて構成されている。ECU50は、回転センサ31、水温センサ32等からの出力信号を参照し、ROMに記録されたプログラムに従ってエンジンの運転状態(例えば燃料噴射状態)を制御するコンピュータとして設けられている。ECU50は、エンジンが搭載された車両の走行状態に応じてエンジンの停止及び始動を自動的に切り換え制御する停止制御手段として機能する他に、図7に示す故障診断ルーチンを一定周期で繰り返し実行することにより、本発明の始動時間検出手段、故障判別手段、制御禁止手段、警告手段、及び基準始動時間設定手段としても機能する。なお、エンジンの停止及び始動の切り換え制御の手順は公知のものと同様でよく、ここでは説明を省略する。
以下に故障診断ルーチンの説明をする。図7の故障診断ルーチンにおいて、ECU50は、まずステップS1にてスタータリレーON、つまりスタータモータ2が駆動を開始したか否かを判断する。スタータモータ2が駆動を開始していないと判断した場合には、今回のルーチンを終了する。スタータモータ2が駆動を開始したと判断した場合には、ステップS2に進む。続くステップS2では、スタータモータ2によってクランク軸3が駆動され、エンジンが始動したか否かを判断する。エンジンの始動は、例えば回転センサ31によって検出されたエンジンの回転数が零より大きくなったことによって判断される。エンジンが始動していないと判断した場合には、今回のルーチンを終了する。エンジンが始動したと判断した場合にはステップS3に進み、水温センサ32の出力信号を取得して冷却水の水温を読み込む。続くステップS4では、予め実験的に求められてECU50のROMに保存されたマップから水温に対応する正常時の最大始動時間τu_maxを取得する。
続くステップS5では、スタータリレーON状態になってからエンジンの回転数が零より大きくなるまでの始動時間τを測定し、ステップS6ではステップS4で取得した正常時の最大始動時間τu_maxよりステップS5で測定した始動時間τが大きいか否かを判断する。始動時間τが正常時の最大始動時間τu_max以下であれば、今回のルーチンを終了する。一方、τ>τu_maxの場合には、一方向クラッチ11が故障したと判別してステップS7に進む。続くステップS7では、車両の走行状態に応じたエンジンの停止制御を禁止するいわゆるエコラン禁止モードに切り換えてステップS8に進む。ステップS8では所定の警告表示として、例えば車室の計器パネルに設けられた警告ランプを点灯させ、その後にルーチンを終了する。
以上の形態によれば、一方向クラッチ11が故障した場合でも、ねじ部15、16が接続されることによってスタータモータ2によるエンジンの始動ができる。正常時の最大始動時間τuと始動時間τとを比較することによって、一方向クラッチ11の故障を判別することができる。一方向クラッチ11の故障を判別して、エコラン禁止モードにすることで一方向クラッチ11が故障した状態でエンジンの停止及び始動が繰り返される事態を防止して、ねじ部15、16が回転伝達に使用される頻度を低減することができる。これにより、始動装置1のさらなる故障等の二次的な故障を回避することができる。さらに、運転者に一方向クラッチ11の故障を警告することにより、一方向クラッチ11を正常な状態に回復させる処置を促すことができる。
以上の実施形態では、図7の故障診断ルーチンのうち、ECU50がステップS4を実行することにより基準始動時間設定手段として、ステップS5を実行することにより始動時間検出手段として、ステップS6を実行することにより故障判別手段として、ステップS7を実行することにより制御禁止手段として、ステップS8を実行することにより警告手段としてそれぞれ機能する。
本発明は上述した形態に限定されることなく、種々の形態にて実施してよい。例えば図8に示すように、ステップS5において測定した始動時間τは、エンジンの回転数が零より大きくなるまでの時間τ1であることに限定されず、エンジンの回転数が予め設定された回転数Naを上回るまでの時間τ2であってもよい。あるいはスタータリレーOFF状態となるまでの時間τ3であってもよい。また、クランク角センサからのクランク角信号が入力され始めるまでの時間τ4を始動時間τとしてもよい。
さらに、上述した形態では、補助伝達手段としてねじ部15、16が設けられているが、本発明はこのような態様に限定されない。例えば、図9(a)に示すように、ドリブンギヤ軸6b及び中間ギヤ軸7bの互いに対向する面6j、7fにマグネットが設けられてもよい。この場合は、図9(b)に示すように、磁力を介して一方向クラッチ11を迂回した回転伝達経路T3が形成される。あるいは、ドリブンギヤ軸6b及び中間ギヤ軸7bの互いに対向する面6j、7fに摩擦板が設けられてもよい。この場合はドリブンギヤ6に作用するスラスト力に伴って面6j、7fに生じる摩擦力を介して一方向クラッチ11を迂回した回転伝達経路T3が形成される。回転伝達経路T3によってドリブンギヤ軸6bから中間ギヤ軸7bへの回転伝達が可能となる。
本発明の一実施形態に係る始動装置の斜視図。 図1の始動装置の要部を示す図。 図1の始動装置の要部を示す断面図。 図3のIV部の拡大図。 図1の始動装置の要部を示す断面図。 図5のVI部の拡大図。 図1のECUにて実行される故障診断ルーチンを示すフローチャート。 図7の始動時間の例を示す図。 補助伝達手段の変形例を示す断面図。
符号の説明
1 始動装置
2 スタータモータ(駆動源)
3 クランク軸
4 ギヤ列
5 スタータギヤ
6 ドリブンギヤ(第1の回転伝達部材)
6b ドリブンギヤ軸
7 中間ギヤ(第2の回転伝達部材)
7b 中間ギヤ軸
8 クランクギヤ
11 一方向クラッチ(クラッチ手段)
12,13 軸受
15,16 ねじ部(補助伝達手段)
30 故障診断装置
50 エンジンコントロールユニット(ECU、始動時間検出手段、故障判別手段、停止制御手段、制御禁止手段、警告手段、基準始動時間設定手段)
CL 回転軸線

Claims (6)

  1. 駆動源からクランク軸へ回転を伝達する回転伝達経路内に、回転伝達の可否を切替えるクラッチ手段が設けられた内燃機関の始動装置において、
    前記回転伝達経路には、前記駆動源によって回転駆動されかつ回転軸線に沿って移動可能な第1の回転伝達部材と、前記第1の回転伝達部材と前記クラッチ手段を介して接続され、前記第1の回転伝達部材と同軸上にて回転可能な第2の回転伝達部材とが設けられ、
    前記第1の回転伝達部材には、前記回転軸線に沿って移動可能であり、かつ前記駆動源から駆動されることにより前記第2の回転伝達部材に向かう方向のスラスト力を受けるはすば歯車が設けられ、
    前記第1の回転伝達部材と前記第2の回転伝達部材とには、前記第1の回転伝達部材の前記回転軸線上の移動に伴って接続及びその接続の解除が可能であり、接続時には両回転伝達部材間における前記クラッチ手段を迂回した前記回転伝達を可能とし、接続解除時には前記クラッチ手段を迂回した前記回転伝達を不能とする補助伝達手段が設けられている、
    ことを特徴とする内燃機関の始動装置。
  2. 前記補助伝達手段として、前記第1の回転伝達部材及び前記第2の回転伝達部材の互いに対向する位置に一対のねじ部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の始動装置。
  3. 前記駆動源による駆動を開始してから前記内燃機関が始動するまでに要する時間を検出する始動時間検出手段と、前記始動時間検出手段の検出結果が所定値を上回った場合に前記クラッチ手段が故障したと判別する故障判別手段と、が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の始動装置。
  4. 前記内燃機関は、走行状態に応じて内燃機関の停止及び始動を切り換え制御する停止制御手段を備えた車両に搭載され、前記故障判別手段が前記クラッチ手段の故障を判別した場合に、前記停止制御手段による前記内燃機関の停止制御を禁止する制御禁止手段が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の始動装置。
  5. 前記故障判別手段が前記クラッチ手段の故障を判別した場合に、所定の警告を発する警告手段が設けられていることを特徴とする請求項3又は4に記載の内燃機関の始動装置。
  6. 前記内燃機関の暖機状態に応じて前記所定値を変化させる基準始動時間設定手段が設けられていることを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載の内燃機関の始動装置。
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