JP2006348891A - 内燃機関の始動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 クランク軸に作用する負荷を低減し、かつ一方向クラッチへの過負荷の入力を防止することが可能な内燃機関の始動装置を提供する。
【解決手段】 モータ21と、モータ21の回転をクランク軸2に伝達する回転伝達機構13と、回転伝達機構13の回転伝達経路中に配置され、モータ21からクランク軸2への正回転の伝達を許容するとともにクランク軸2からモータ21への正回転の伝達を阻止するワンウェイクラッチ15と、を備えた始動装置10において、モータ21とワンウェイクラッチ15の間の回転伝達経路中に配置され、モータ21とワンウェイクラッチ15との間の回転伝達の許容及び阻止を切り替える電磁クラッチ22を備え、ECU100は、クランク軸2の回転がワンウェイクラッチ15を介してモータ21側に伝達されると判断した場合にモータ21とワンウェイクラッチ15との間の回転伝達が阻止されるように電磁クラッチ22を制御する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、内燃機関の始動装置に関する。
一方向クラッチ及び電磁クラッチを介して内燃機関に接続された補機駆動モータと、クランク軸に設けられたギアを介して内燃機関のクランク軸と接続されたセルモータとを、内燃機関の暖機状態に応じて使い分けて内燃機関を始動する始動装置が知られている(特許文献1参照)。
特開2001−159384号公報
従来の装置では、セルモータがクランク軸と常に接続されるため、クランク軸の回転に対してセルモータが負荷になる。また、クランク軸が逆回転して一方向クラッチに内燃機関側から逆回転が入力された場合、一方向クラッチはこの逆回転をモータ側に伝達する。従来の装置では一方向クラッチがモータと直接接続されているため、一方向クラッチにモータのコイルなどを回転させるための力が負荷として作用する。そのため、一方向クラッチに過負荷が入力され、一方向クラッチに異常を生じさせるおそれがある。
そこで、本発明は、クランク軸に作用する負荷を低減し、かつ一方向クラッチへの過負荷の入力を防止することが可能な内燃機関の始動装置を提供することを目的とする。
本発明の始動装置は、始動モータと、前記始動モータの回転を内燃機関のクランク軸に伝達する回転伝達機構と、前記回転伝達機構の回転伝達経路中に配置され、前記始動モータから前記クランク軸への正回転の伝達を許容するとともに前記クランク軸から前記始動モータへの正回転の伝達を阻止する一方向クラッチと、を備えた内燃機関の始動装置において、前記始動モータと前記一方向クラッチの間の回転伝達経路中に配置され、前記始動モータと前記一方向クラッチとの間の回転伝達の許容及び阻止を切り替えるクラッチ手段と、前記クランク軸の回転が前記一方向クラッチを介して前記始動モータ側に伝達されると判断した場合に前記始動モータと前記一方向クラッチとの間の回転伝達が阻止されるように前記クラッチ手段の動作を制御する動作制御手段と、を備えたことにより、上述した課題を解決する(請求項1)。
本発明の始動装置によれば、クラッチ手段によって一方向クラッチと始動モータとの間の回転伝達を阻止できる。そのため、クランク軸側から一方向クラッチを介して始動モータ側に回転が伝達されても、クラッチ手段によって始動モータと一方向クラッチとの間の回転伝達を阻止する、言い換えるとこれらの間の伝達経路を切り離すことで、一方向クラッチへの過負荷の入力を防止することができる。また、内燃機関の運転時などはクラッチ手段によって始動モータと一方向クラッチとの間の回転伝達を阻止することで、クランク軸の回転に伴う始動モータの回転をより確実に防止することができる。そのため、クランク軸の負荷を低減できる。なお、本発明では内燃機関の運転時にクランク軸が回転する方向への回転を正回転と呼称し、この正回転と反対方向への回転を逆回転と呼称する。
本発明の始動装置の一形態において、前記動作制御手段は、前記内燃機関の逆回転時に前記始動モータと前記一方向クラッチとの間の回転伝達が阻止されるように前記クラッチ手段を動作させてもよい(請求項2)。内燃機関の逆回転時は一方向クラッチが接続状態となり、クランク軸の回転が一方向クラッチを介して始動モータ側に伝達される。そこで、このような場合は一方向クラッチと始動モータとの間の回転伝達を阻止することで、一方向クラッチへの過負荷の入力を防止する。
本発明の始動装置の一形態は、前記始動モータ及び前記クラッチ手段をそれぞれ複数備えるとともに、各始動モータは互いに異なるクラッチ手段を介して前記クランク軸に回転が伝達されるように設けられ、前記動作制御手段は、前記内燃機関の始動時、これら複数の始動モータのうちのいずれか一つの始動モータから前記クランク軸への回転伝達が許容され、残りの始動モータから前記クランク軸への回転伝達が阻止されるように各クラッチ手段の動作を制御してもよい(請求項3)。このように各クラッチ手段の動作を制御し、複数の始動モータのうちのいずれか一つの始動モータのみをクランク軸と接続させることで、内燃機関の始動時にクランク軸に作用する負荷を低減することができる。
この形態の始動装置において、前記複数の始動モータは互いに異なる出力トルクを発生し、前記動作制御手段は、前記内燃機関の始動状態に応じて前記クランク軸に回転が伝達されるべき始動モータを選択し、この始動モータの回転が前記クランク軸に伝達されるように各クラッチ手段の動作を制御してもよい(請求項4)。このように内燃機関の始動状態に応じて始動モータを選択することで、内燃機関の始動に要するエネルギを適切に調整しつつ内燃機関を確実に始動することができる。
また、この形態の始動装置において、前記動作制御手段は、前記内燃機関の冷間始動時、前記複数の始動モータのうち最も大きい出力トルクを発生する始動モータから前記クランク軸への回転伝達が許容され、残りの始動モータからの前記クランク軸への回転伝達が阻止されるように各クラッチ手段の動作を制御してもよい(請求項5)。冷間始動時は、オイルの粘性が高く内燃機関の各部のフリクションが大きいので、出力トルクが最も大きい始動モータによって内燃機関を始動することで、内燃機関を確実に始動することができる。
この形態の始動装置は、前記クランク軸の回転方向を取得する回転方向取得手段をさらに備え、前記動作制御手段は、前記回転方向取得手段の検出結果に基づいて前記内燃機関の始動時に前記クランク軸が逆回転すると判断した場合、前記複数の始動モータのうち最も大きい出力トルクを発生する始動モータから前記クランク軸への回転伝達が許容され、残りの始動モータからの前記クランク軸への回転伝達が阻止されるように各クラッチ手段の動作を制御してもよい(請求項6)。始動時にクランク軸の逆回転が生じる場合、始動モータはこの逆回転に抗してクランク軸を正回転させる必要がある。そこで、出力トルクが最も大きい始動モータによってクランク軸を回転させ、内燃機関を確実に始動させる。
以上に説明したように、本発明によれば、クラッチ手段によって一方向クラッチと始動モータと間の回転伝達を阻止することができるので、一方向クラッチへの過負荷の入力を防止し、一方向クラッチの異常の発生を防止することができる。また、複数の始動モータのうちのいずれか一つの始動モータとクランク軸との回転伝達のみが許容され、残りの始動モータとクランク軸との間の回転伝達が阻止されるように各クラッチ手段を動作させるので、内燃機関の始動時にクランク軸に掛かる負荷を低減させることができる。そのため、内燃機関の始動時における始動モータの起動トルクを低減させることができる。
図1は、本発明の一形態に係る始動装置が組み込まれた内燃機関(以降、エンジンと記述することもある。)の要部を示している。図1のエンジン1は、車両に走行用動力源として搭載されるもので、クランク軸2を回転可能に支持する機関本体3と、クランク軸2に設けられ、クランク軸2と一体に回転するフライホイール4と、始動装置10とを備えている。始動装置10は、第1のスタータ11及び第2のスタータ12と、第2のスタータ12の回転をクランク軸2に伝達するギア列13とを備えている。第1のスタータ11の出力トルクは、第2のスタータ12の出力トルクよりも大きく設定されている。第1のスタータ11は、モータ11aと、モータ11aの出力軸と一体回転し、かつこの出力軸の軸線方向に移動可能なように設けられるピニオンギア14と、ピニオンギア14をフライホイール4の外周に設けられたフライホイールリングギア4aと噛み合う位置と噛み合いが外れる位置との間で移動させる不図示のギア移動機構とを備えている。ギア移動機構は、モータ11aの通電時にピニオンギア14を図1の右側に飛び出させてピニオンギア14とフライホイールリングギア4aとを噛み合わせる。一方、モータ11aへの電気の供給が停止されると、ギア移動機構は、ピニオンギア14を図1の左側に移動させてピニオンギア14とフライホイールリングギア4aとの噛み合いを外す。このように第1のスタータ11は、モータ11aの通電時にのみピニオンギア14をフライホイールリングギア4aと噛み合わせてエンジン1を始動する周知のスタータであるため、ここでの詳細な説明は省略する。
ギア列13は、一方向クラッチとしてのワンウェイクラッチ15(図2参照)を介してクランク軸2と接続されるリングギア16と、第2のスタータ12の出力軸12aに設けられ、リングギア16と噛み合うスタータギア17とを備えている。図2に断面を拡大して示したように、クランク軸2には中間プレート18がクランク軸2と同軸に、かつ一体回転可能なように設けられている。なお、図2では、クランク軸2、フライホイール4、及びギア列13の各部分の半分を省略している。クランク軸2上には転がり軸受19が設けられ、この転がり軸受19はリングギア16を転動可能なように支持している。ワンウェイクラッチ15は、中間プレート18とリングギア16との間に配置され、リングギア16から中間プレート18への正回転の伝達を許容するとともに中間プレート18からリングギア16への正回転の伝達を阻止する。リングギア16と機関本体3との間、及びリングギア16と中間プレート18との間には、オイルシール20がそれぞれ設けられている。スタータギア17は、リングギア16と常に噛み合っているように設けられる。図3に示したように、第2のスタータ12は、その内部に始動モータとしてのモータ21と、クラッチ手段としての電磁クラッチ22とを備え、モータ21は電磁クラッチ22を介して出力軸12aと連結されている。そのため、電磁クラッチ22を断続させることで、モータ21と出力軸12aとの間の回転伝達の許容及び阻止を切り替えることができる。なお、電磁クラッチ22は、オンの状態すなわち電気が供給されると繋がって回転を伝達し、オフの状態すなわち電気の供給が停止されると切れて回転の伝達を阻止する周知のものである。そのため、ここでの詳細な説明は省略する。モータ21の回転は、電磁クラッチ22、出力軸12a及びギア列13を介してクランク軸2に伝達されるため、これらが本発明の回転伝達機構に相当する。
モータ11a、モータ21及び電磁クラッチ22の動作は、エンジンコントロールユニット(ECU)100によってそれぞれ制御される。ECU100は、マイクロプロセッサ及びその動作に必要なRAM、ROM等の周辺装置を含んだコンピュータとして構成され、ROMに記録されたプログラムに従ってエンジン1の運転状態を制御するために必要な種々の処理を実行する。例えば、ECU100は、起動された直後から図4に示したエンジン始動制御ルーチンを所定の周期で繰り返し実行し、エンジン1の状態を制御する。また、ECU100は、エンジン1のアイドル運転状態が所定の時間継続した場合などに所定の機関停止条件が満たされたと判断してエンジン1を停止させる、いわゆるアイドルストップ制御をエンジン1に対して実行する。このような制御を実行する際に参照する情報を取得するため、ECU100には、例えばクランク軸2の回転数に対応した信号を出力する回転数センサ101などが接続されている。回転数センサ101は、クランク軸2と一体に回転し、周囲に複数の凹凸を有するロータ部102と、このロータ部102の凹凸の動きを検出してクランク軸2の回転数及び回転方向を取得するセンサ部103とを備えている。このような回転数センサとしては、例えば磁気抵抗効果素子を利用してロータ部102の凹凸を検出するセンサが用いられる。
図4の制御ルーチンにおいて、ECU100は、まずステップS11で所定の始動条件が成立したか否か判断する。なお、所定の始動条件としては、例えばエンジン1の停止時に不図示のイグニッションキーがエンジン1の始動位置まで回された場合などが設定される。また、アイドルストップ制御によってエンジン1が停止しているときは、例えば運転者によってアクセルペダルが踏まれた場合、及びシフトレバーが操作された場合などが所定の始動条件として設定される。所定の始動条件が成立していないと判断した場合は、今回の制御ルーチンを終了する。一方、始動条件が成立していると判断した場合はステップS12に進み、ECU100はエンジン1の始動が開始されていることを示す始動フラグがオンの状態か否か判断する。始動フラグがオフの状態と判断した場合はステップS13に進み、ECU100はエンジン1の始動状態が冷間始動か否か判断する。冷間始動か否かは、例えばエンジン1の冷却水の温度又はオイルの温度に基づいて判断する。冷間始動であると判断した場合はステップS14をスキップしてステップS15に処理を進める。
一方、冷間始動ではないと判断した場合はステップS14に進み、ECU100はエンジン1の始動時にクランク軸2が逆回転するか否か判断する。クランク軸2が逆回転するか否かは、例えば回転数センサ101の出力信号に基づいて判断する。このようにクランク軸2の逆回転を判断することで、回転数センサ101が本発明の回転方向取得手段として機能する。また、エンジン1が搭載された車両の状態を取得し、この車両の状態に基づいて判断してもよい。クランク軸2が逆回転するようなエンジン1の始動状態としては、例えばエンジン1を搭載した車両の上り坂におけるエンジン1の始動時などが挙げられる。この場合、クランク軸2にクランク軸2を逆回転させる力が作用するため、始動時にクランク軸2が逆回転するおそれがある。そのため、このようにエンジン1が搭載された車両の状態に基づいて始動時におけるエンジン1の逆回転を判断してもよい。クランク軸2が逆回転すると判断した場合はステップS15に進み、ECU100は電磁クラッチ22をオフの状態、すなわち電磁クラッチ22を切った状態にしてモータ21と出力軸12aとを切り離す。続くステップS16においてECU100は、モータ11aを回転させてピニオンギア14とフライホイールリングギア4aとを噛み合わせ、第1のスタータ11によってエンジン1を始動する。次のステップS17においてECU100は始動フラグをオンの状態に切り替える。その後、今回の制御ルーチンを終了する。
一方、ステップS14においてクランク軸2は逆回転しないと判断した場合はステップS18に進み、ECU100は電磁クラッチ22をオンの状態、すなわち電磁クラッチ22を繋げた状態にしてモータ21と出力軸12aとを接続する。続くステップS19においてECU100は、モータ21を起動させ、第2のスタータ12によってエンジン1を始動する。次にステップS17に進みECU100は始動フラグをオンの状態に切り替える。その後、今回の制御ルーチンを終了する。
ステップS12において始動フラグがオンの状態であると判断した場合はステップS20に進み、ECU100はエンジン1の始動が完了したか否か判断する。始動が完了したか否かは、例えばエンジン1の回転数で判断し、エンジン1の回転数が所定の回転数(例えば毎分400回転)以上であり、かつ一定期間内にその回転数を下回ることがない場合に始動が完了したと判断する。始動が完了していないと判断した場合は、今回の制御ルーチンを終了する。一方、始動が完了したと判断した場合はステップS21に進み、ECU100は電磁クラッチ22をオフの状態にしてモータ21と出力軸12aとを切り離す。また、ECU100はモータ11a及びモータ21を停止させて第1のスタータ11及び第2のスタータ12を停止させる。さらに、ECU100は始動フラグをリセットしてオフの状態にする。その後、今回の制御ルーチンを終了する。
以上に説明したように、本発明の始動装置10では、電磁クラッチ22によってワンウェイクラッチ15とモータ21との間の回転伝達経路を遮断することができる。クランク軸2が逆回転する場合、ワンウェイクラッチ15が接続されてクランク軸2の回転がワンウェイクラッチ15を介して第2のスタータ12側に伝達されるが、電磁クラッチ22を切って出力軸12aとモータ21とを切り離すことで、第2のスタータ12の慣性をモータ21のコイル分低減させることができる。そのため、ワンウェイクラッチ15への負荷を低減し、ワンウェイクラッチ15の異常の発生を抑制することができる。このように、図4の制御ルーチンを実行して電磁クラッチ22の動作を制御することで、ECU100は本発明の動作制御手段として機能する。
また、第1のスタータ11でエンジン1を始動する場合は、電磁クラッチ22がオフの状態に切り替えられ、駆動軸12aとモータ21とが切り離されるので、エンジン1の始動時における第1のスタータ11の起動トルクを低減することができる。第2のスタータ12でエンジン1を始動する場合は、第1のスタータ11のモータ11aに電気が供給されず、ピニオンギア14がフライホイールリングギア4aと噛み合っていない。そのため、第2のスタータ12の起動トルクも低減することができる。また、図4の制御ルーチンでは、エンジン1の始動状態に応じて出力トルクの異なるスタータを使い分けるので、エンジン1の始動に使用されるエネルギを適切に調整することができる。
図5は、本発明の他の形態に係る始動装置が組み込まれたエンジン1を示している。なお、図5において図1に示した形態と共通する部分には同一の参照符号を付し、それらの説明は省略する。
図5に示したように、この形態では、エンジン1に第1のスタータ30と第2のスタータ40とが設けられている。第1のスタータ30の出力軸30aにこの出力軸30aと一体回転するように設けられたピニオンギア31は、リングギア16と常時噛み合っている。また、第2のスタータ40の出力軸40aにこの出力軸40aと一体回転するように設けられたピニオンギア41も、リングギア16と常時噛み合う。第1のスタータ30は、第1のモータ32と、このモータ32に一方が接続されるとともに、他方に出力軸30aが接続される第1の電磁クラッチ33と、を備えている。また、第2のスタータ40は、第2のモータ42と、このモータ42に一方が接続されるとともに、他方に出力40aが接続される第2の電磁クラッチ43と、を備えている。なお、第1のモータ32の出力トルクは、第2のモータ42の出力トルクよりも大きく設定される。この形態においても、上述した図1の形態と同様にクランク軸2とリングギア16との間にはワンウェイクラッチ15が設けられている。そのため、このワンウェイクラッチ15によってリングギア16からクランク軸2への正回転の伝達が許容され、クランク軸2からリングギア16への正回転の伝達が阻止される。
第1のモータ32、第1の電磁クラッチ33、第2のモータ42、及び第2の電磁クラッチ43は、ECU100によって制御される。図6は、ECU100がこれらの機器の動作を制御するために実行するエンジン始動制御ルーチンを示している。なお、図6において図4と同一の処理には同一の参照符号を付し、それらの説明は省略する。
図6の制御ルーチンにおいて、ECU100は図4の制御ルーチンと同様にステップS11〜S14の処理を実行する。ステップS13においてエンジン1の始動状態が冷間始動であると判断した場合、又はステップS14においてクランク軸2が逆回転すると判断した場合は、ステップS31に進み、ECU100は第1の電磁クラッチ33をオンの状態にするとともに第2の電磁クラッチ43をオフの状態にする。すなわち、第1の電磁クラッチ33を繋げて第1のモータ32と出力軸30aとを接続させるとともに、第2の電磁クラッチ43を切って第2のモータ42と出力軸40aとを切り離す。続くステップS32においてECU100は、第1のモータ32を起動してエンジン1を始動させる。次のステップS17においてECU100は始動フラグをオンの状態に切り替え、その後今回の制御ルーチンを終了する。
一方、ステップS14においてクランク軸2が逆転しないと判断した場合は、ステップS33に進み、ECU100は第1の電磁クラッチ33をオフの状態にするとともに第2の電磁クラッチをオンの状態にする。すなわち、第1の電磁クラッチ33を切って第1のモータ32と出力軸30aとを切り離すとともに、第2の電磁クラッチ43を繋げて第2のモータ42と出力軸40aとを接続させる。続くステップS34においてECU100は、第2のモータ42を起動してエンジン1を始動する。次のステップS17でECU100は始動フラグをオンの状態に切り替え、その後今回の制御ルーチンを終了する。
ステップS12において始動フラグがオンの状態であると判断した場合はステップS20に進み、ECU100はエンジン1の始動が完了したか否か判断する。エンジン1の始動が完了していないと判断した場合は、今回の制御ルーチンを終了する。一方、始動が完了したと判断した場合はステップS35に進み、ECU100は第1の電磁クラッチ33及び第2の電磁クラッチ43をそれぞれオフの状態にする。すなわち、第1の電磁クラッチ33及び第2の電磁クラッチ43をそれぞれ切って、第1のモータ32と出力軸30a及び第2のモータ42と出力軸40aをそれぞれ切り離す。また、第1のモータ32及び第2のモータ42を停止させるとともに、始動フラグをリセットする。その後、今回の制御ルーチンを終了する。
この形態によれば、第1のスタータ30のピニオンギア31及び第2のスタータ40のピニオンギア41をリングギア16とそれぞれ噛み合わせるので、クランク軸2に各スタータに対応させてリングギアを設けなくてもよい。第1のスタータ30は第1の電磁クラッチ33を、第2のスタータ40は第2の電磁クラッチ43をそれぞれ有しているので、一方のスタータによってエンジン1を始動する場合、他方のスタータの電磁クラッチを切ることで、リングギア16の回転に伴って回転する他方のスタータの慣性を小さくできる。例えば、第1のスタータ30によってエンジン1を始動する場合、第1のスタータ30によってリングギア16が回されても第2の電磁クラッチ43を切ることで、リングギア16から第2のモータ42への回転伝達を阻止することができる。これにより、第2のモータ42の回転を防止することができるので、第2のスタータ40の慣性を第2のモータ42の分減少させることができる。第2のスタータ40によってエンジン1を始動する場合も、第1の電磁クラッチ33を切ることによって第1のスタータ30の慣性を小さくできる。このように、一方のスタータによるエンジン1の始動時に他方のスタータの慣性を小さくすることで、エンジン1始動時の起動トルクを低減させることができる。また、一方のモータの回転時に他方のモータが回転しないように各電磁クラッチを制御することで、各モータの無駄な回転を防止できる。そのため、各モータのブラシの摩耗を抑制できる。
本発明は、上述した形態に限定されることなく、種々の形態にて実施することができる。例えば、電磁クラッチは、スタータ内に設けられていなくてもよく、ワンウェイクラッチとスタータのモータとの間の回転伝達経路中に配置されていればよい。このような位置に電磁クラッチを配置することで、ワンウェイクラッチにクランク軸側から逆方向の回転が入力されても、電磁クラッチを切ることでワンウェイクラッチとモータとを切り離すことができる。そのため、ワンウェイクラッチは、電磁クラッチよりもモータ側の機器を回転させなくてもよい。このようにワンウェイクラッチへの負荷を低減し、ワンウェイクラッチへの過大な荷重の入力を防止することで、ワンウェイクラッチの異常の発生を抑制することができる。
エンジンを始動可能なように設けられるモータは2台に限定されない。1枚のリングギアとピニオンギアが噛み合うモータが3台以上設けられ、各モータとワンウェイクラッチとの間にそれぞれ電磁クラッチが設けられていてもよい。この場合も、エンジンの始動時にいずれか一台のモータがリングギアと接続され、残りのモータがクランク軸と切り離されるように各電磁クラッチを制御することで、エンジン始動時の起動トルクを低減することができる。
モータとワンウェイクラッチとの間の回転伝達経路に設けられるクラッチは、電磁クラッチに限定されない。モータとワンウェイクラッチとの間の接続及び切り離しを切り替えることが可能な種々のクラッチを適用することができる。
本発明の一形態に係る始動装置が組み込まれたエンジンの要部を示す図。 図1のギア列の断面を拡大して示す図。 第2のスタータの要部を拡大して示す図。 図1のECUが実行するエンジン始動制御ルーチンを示すフローチャート。 本発明の他の形態に係る始動装置が組み込まれたエンジンの要部を示す図。 図5のECUが実行するエンジン始動制御ルーチンを示すフローチャート。
符号の説明
1 エンジン(内燃機関)
2 クランク軸
10 始動装置
12a 出力軸(回転伝達機構)
13 ギア列(回転伝達機構)
15 ワンウェイクラッチ(一方向クラッチ)
21 モータ(始動モータ)
22 電磁クラッチ(クラッチ手段、回転伝達機構)
32 第1のモータ(始動モータ)
33 第1の電磁クラッチ(クラッチ手段、回転伝達機構)
42 第2のモータ(始動モータ)
43 第2の電磁クラッチ(クラッチ手段、回転伝達機構)
100 エンジンコントロールユニット(動作制御手段)
101 回転数センサ(回転方向取得手段)

Claims (6)

  1. 始動モータと、前記始動モータの回転を内燃機関のクランク軸に伝達する回転伝達機構と、前記回転伝達機構の回転伝達経路中に配置され、前記始動モータから前記クランク軸への正回転の伝達を許容するとともに前記クランク軸から前記始動モータへの正回転の伝達を阻止する一方向クラッチと、を備えた内燃機関の始動装置において、
    前記始動モータと前記一方向クラッチの間の回転伝達経路中に配置され、前記始動モータと前記一方向クラッチとの間の回転伝達の許容及び阻止を切り替えるクラッチ手段と、前記クランク軸の回転が前記一方向クラッチを介して前記始動モータ側に伝達されると判断した場合に前記始動モータと前記一方向クラッチとの間の回転伝達が阻止されるように前記クラッチ手段の動作を制御する動作制御手段と、を備えたことを特徴とする内燃機関の始動装置。
  2. 前記動作制御手段は、前記内燃機関の逆回転時に前記始動モータと前記一方向クラッチとの間の回転伝達が阻止されるように前記クラッチ手段を動作させることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の始動装置。
  3. 前記始動モータ及び前記クラッチ手段をそれぞれ複数備えるとともに、各始動モータは互いに異なるクラッチ手段を介して前記クランク軸に回転が伝達されるように設けられ、
    前記動作制御手段は、前記内燃機関の始動時、これら複数の始動モータのうちのいずれか一つの始動モータから前記クランク軸への回転伝達が許容され、残りの始動モータから前記クランク軸への回転伝達が阻止されるように各クラッチ手段の動作を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の始動装置。
  4. 前記複数の始動モータは互いに異なる出力トルクを発生し、
    前記動作制御手段は、前記内燃機関の始動状態に応じて前記クランク軸に回転が伝達されるべき始動モータを選択し、この始動モータの回転が前記クランク軸に伝達されるように各クラッチ手段の動作を制御することを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の始動装置。
  5. 前記動作制御手段は、前記内燃機関の冷間始動時、前記複数の始動モータのうち最も大きい出力トルクを発生する始動モータから前記クランク軸への回転伝達が許容され、残りの始動モータからの前記クランク軸への回転伝達が阻止されるように各クラッチ手段の動作を制御することを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の始動装置。
  6. 前記クランク軸の回転方向を取得する回転方向取得手段をさらに備え、
    前記動作制御手段は、前記回転方向取得手段の検出結果に基づいて前記内燃機関の始動時に前記クランク軸が逆回転すると判断した場合、前記複数の始動モータのうち最も大きい出力トルクを発生する始動モータから前記クランク軸への回転伝達が許容され、残りの始動モータからの前記クランク軸への回転伝達が阻止されるように各クラッチ手段の動作を制御することを特徴とする請求項4又は5に記載の内燃機関の始動装置。
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