JP4148050B2 - 電子回路モジュールの導電路形成方法およびその装置 - Google Patents

電子回路モジュールの導電路形成方法およびその装置 Download PDF

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  • Printing Elements For Providing Electric Connections Between Printed Circuits (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種の電子部品を搭載し実装(内蔵)してなる電子回路モジュールの導電路形成方法およびその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の高性能化、小型化の要求に伴い電子回路を構成する各種の電子部品や機能ブロックの高密度および高機能化が一層要求されており、そのために各種の電子部品の高密度化、高機能化に対応した各種の電子部品を搭載し実装(内蔵)した回路基板が必要となっている。
【0003】
その結果、回路基板に各種の電子部品を搭載し実装した、いわゆる電子回路モジュールの開発が進められている。
【0004】
電子回路モジュールを形成するのに必要で、要素技術といえる電子回路モジュールの導電路形成方法の従来例に関して図面を用いて説明する。図5は従来の電子回路モジュールの導電路形成の製造工程要部断面図、図6は同導電路形成方法により製作された電子回路モジュールの要部平面図である。
【0005】
図5(a)において、31は構成基材の基板であり、コンポジットシート32に設けた貫通孔に導電ペースト18を充填しており、また33は同じく基板であり各種の電子部品4が搭載し実装される部分に、空隙のブランク34を設けたコンポジットシート32で形成されている。
【0006】
図5(b)は前記コンポジットシート32でなる基板31と複数枚の基板33および、導電性金属板である、例えば銅を主成分とした銅箔7を積層する状態を、図5(c)は前記工程で積層した基板31、33および銅箔7の積層体を、所定の温度および時間で加圧かつ加熱することにより半硬化状態で一体化した状態を、図5(d)は前記工程で形成された積層体を、各種の電子部品4を搭載し実装したベースとなる基板3に積層し、所定の温度および時間で加圧かつ加熱する状態を、そして図5(e)は前記工程により、完全に硬化して導電路19が形成されて一体化した状態を示している。
【0007】
図5(f)は前記工程により形成されたマザー基板を、ダイシングにより個片分割することで、個々の電子回路モジュール35に完成した状態を示している。
【0008】
図6は前記電子回路モジュールの導電路形成方法により製作された電子回路モジュール35の要部平面図であり、図6(a)はデッドスペース36により、各種の電子部品4が高密度に搭載し実装された基板には導電路19を設ける場所が限定されることを、図6(b)はデッドスペース36のロスを最小限にするために導電路19を、基板3の外周部に配設した例を示している。
【0009】
さて、導電路19が形成される時、導電ペースト18は加圧された際に上下方向より圧縮されるため、水平(横)方向に膨張することになる。従って、導電ペースト18の周辺には、各種の電子部品4との間にコンポジットシート32の部分をある程度設ける必要がある。
【0010】
もしもこれが無ければ、圧縮された導電ペースト18は各種の電子部品4に接触し、電気的絶縁性が保持できなくなる。この電気的絶縁性を保持するための導電ペースト18と各種の電子部品4との間に存在させるコンポジットシート32の部分が、電子回路モジュール35における回路パターン上のデッドスペース36となり、電子回路モジュール35のサイズや回路設計における障害となる。
【0011】
なお、この出願に関する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
【0012】
【特許文献1】
特開平11−220262号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の電子回路モジュールの導電路形成方法は、性能およびコストの面で課題がある。すなわち機能面では、従来のコンポジット樹脂シートに設けた貫通孔に導電性ペーストを充填する方法では、各種の電子部品を搭載し実装された回路基板にコンポジット樹脂シートを積層して加熱し加圧する際に、コンポジット樹脂シートの上下方向に圧力が印加されて、電子回路における導電路を形成する導電ペーストの部分が水平方向に膨張しようとするため、各種の電子部品の直近に設けることができず、導電路と各種の電子部品の間には一定のコンポジット樹脂シートの存在が必要である。
【0014】
従って、この部分が回路基板上におけるデッドスペースとなり、導電路の数が多ければ多いほど、回路基板上における各種の電子部品の実装密度を上げることは困難になる。また、前記対策として導電路を回路基板の外周に並べる方法がとられているが、これは回路設計上の制約となり、設計スピードを遅らせるばかりか回路基板の外周へ導電パターン(導電路)を配設するためのパターンロスも発生する。
【0015】
さらにまた、コスト面では厚みの大きなコンポジット樹脂シートが少ないため、多数の孔加工を施した箇所に導電ペーストを充填し、さらには各種の電子部品の挿入あるいは載置される部分にもブランク加工を施した薄厚のコンポジット樹脂シートを、多数枚位置合わせをしながら積層し、その後それらを各種の電子部品が実装された回路基板に積層して加熱加圧するという複雑で精度のいる工程が必要であるという課題を有していた。
【0016】
本発明は、前記従来の課題を解決しようとするものであり、高機能で低コストが実現できる各種の電子部品を高密度で搭載し実装(内蔵)してなる電子回路モジュールの導電路形成方法およびその装置を提供することを目的とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明は以下の構成を有する。
【0018】
本発明の請求項に記載の発明は、特に、基板の一面における回路を構成する導電路が形成される箇所に移動自在なピンを配設し、前記基板の一面に封止するための樹脂を注入して充填し、その後前記樹脂が充填された状態を維持できる半硬化を行った後に前記ピンを除去し、ピンの除去により形成された孔に導電処理を行い、前記基板に設けられた回路部分と前記樹脂の上面との間に導電路を形成してなる電子回路モジュールの導電路形成方法であって、前記基板の一面側と所定間隔に導電性金属板を配置し、前記導電性金属板を挿通して移動自在なピンを配設し、前記基板の一面を封止するために導電性金属板と基板の一面側との間隙に樹脂を注入し充填してなる電子回路モジュールの導電路形成方法であり、これにより、ピンが配設されるスペースさえあれば任意の箇所に導電路を形成することができ、ピンの直径を可能な限り小さくすればデッドスペースを最小限に抑制できて、各種の電子部品の高密度実装が可能となるとともに、回路設計の自由度が増して特性の向上が図れ、導電性金属板を後工程のエッチングなどの処理により、任意かつ必要な回路パターンを形成することができるという作用効果が得られる。
【0019】
本発明の請求項に記載の発明は、特に、基板の一面における回路を構成する導電路が形成される箇所に移動自在なピンを配設し、前記基板の一面に封止するための樹脂を注入して充填し、その後前記樹脂が充填された状態を維持できる半硬化を行った後に前記ピンを除去し、その後前記樹脂を完全に硬化させた後、ピンの除去により形成された孔に導電処理を行い、前記基板に設けられた回路部分と前記樹脂の上面との間に導電路を形成してなる電子回路モジュールの導電路形成方法であって、前記基板の一面側と所定間隔に導電性金属板を配置し、前記導電性金属板を挿通して移動自在なピンを配設し、前記基板の一面を封止するために導電性金属板と基板の一面側との間隙に樹脂を注入し充填してなる電子回路モジュールの導電路形成方法であり、これにより、硬化収縮の大きな樹脂の場合でも、完全に樹脂を硬化させた状態でピンを除去した孔に導電処理を施すことにより、導電路における導電性の信頼性を高め、導電性金属板を後工程のエッチングなどの処理により、任意かつ必要な回路パターンを形成することができるという作用効果が得られる。
【0020】
本発明の請求項に記載の発明は、特に、基板の一面側に配設された移動自在なピンと導電性金属板における前記ピンの挿通する孔の隙間を、注入し充填される樹脂が浸入しない隙間としてなる構成としたものであり、これにより、樹脂が導電性金属板の上に溢れる事を抑制でき、後工程のエッチングなどの処理により、必要な回路パターンを容易かつ確実に形成することができるという作用効果が得られる。
【0021】
本発明の請求項に記載の発明は、特に、導電性金属板を、厚みが10〜300μmの範囲で銅を主成分とする金属箔としてなる構成としたものであり、これにより、熱伝導率および導電性が良く、微細な回路パターンが形成でき、また金属箔(銅箔)の厚みを大きくすれば大電流を流せる回路も構成することができるという作用効果が得られる。
【0022】
本発明の請求項に記載の発明は、特に、基板を搭載し固定する固定ベースと、コンポジット材の樹脂の厚みを規制するガイドと、前記固定ベース片側下部に配設した前記基板を傾斜させる台と、片側を曲げ加工した銅箔を密着した板状のピンガイドと、前記ピンガイドの他面に密着した移動自在な制御板と、一端が銅箔およびピンガイドを挿通し導電路を形成するための前記制御板により移動自在な複数のピンと、前記ピンを押圧する弾性材でなる押え板を密着した金属プレート、バネおよび固定板でなる押圧機構と、前記樹脂を前記基板の片面に供給するための傾斜させたガイドプレートで構成してなるものであり、これにより、任意の箇所に導電路を形成することができ、ピンの直径を可能な限り小さくすればデッドスペースを最小限に抑制でき、樹脂の注入充填が容易で、各種の電子部品の高密度実装が可能となるとともに、回路設計の自由度が増して特性の向上が図れるという作用効果が得られる。
【0023】
以上、本発明の電子回路モジュールの導電路形成方法およびその装置は、移動自在なピンを基板の一面に配設し、樹脂を注入し充填され硬化した後にピンを除去して孔を形成し、その孔に導電処理を施して導電路を形成する方法およびその装置であり、樹脂を注入し充填することにより電子回路モジュールを形成するため、積層などを必要としない簡単な製造プロセスであり、低コストで生産できるだけでなく、液状の樹脂を注入し充填するため、搭載し実装されている各種の電子部品の下部隙間にも容易に充填できてボイドが発生を抑制でき、信頼性が向上するものである。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態における一実施例について図面を用いて説明する。図1、図2は本発明の実施の形態における電子回路モジュールの導電路形成の製造工程要部断面図、図3は同導電路形成の製造工程におけるピン先端への導電性ペースト転写を説明する要部断面図、図4は同導電路形成方法により製作された電子回路モジュール例の要部平面図、そして図7は本発明による導電路形成方法と従来の導電路形成方法による導電路スペースを比較した要部平面図である。
【0025】
なお、従来の技術で説明した構成部材については同一の符号を付与し、詳細な説明は省略する。
【0026】
図1(a)において、電子回路モジュールを形成するためのベースとなる基板3の一面(本実施例では上面)に、各種の電子部品4が所定箇所にあらかじめ搭載し実装されており、その基板3は金属材や硬質樹脂材などでなる固定ベース1と、同じく電子回路モジュールにおける樹脂封止の厚みを規制するガイド2により所定位置に配設され固定される。
【0027】
その際、固定ベース1の下部の一端には移動自在でバー状の台15が設置されており、固定ベース1すなわち基板3を所定角度に傾斜させた状態にしている。ガイド2の上部には導電性金属板、例えば銅を主成分とし厚みが10〜300μm程度の銅箔7を密着挟持して板状のピンガイド8が設置されている。
【0028】
そしてピンガイド8の上面には移動自在な制御板9が配置されており、これらの制御板9とピンガイド8および銅箔7を挿通し、移動自在な複数のピン10が導電路を形成する箇所に配設されている。
【0029】
なお、後に詳細に説明するが、ピン10の下先端にあらかじめ導電性物質を付着させておいても良く、ピン10の下先端と基板3との密着性をより向上させることができる。
【0030】
さらに、銅箔7にはあらかじめ複数のピン10が密接(気密性を維持)して挿通する孔が所定箇所に設けられており、また制御板9が上昇することにより、ピン10の他より直径が大きい上先端部の外周下面を制御板9の上面で押圧し、ピン10を上昇させる構成となっている。
【0031】
さらにまた、ピン10の上先端部の上面には、押え板11と金属製のプレート12が積層して設置され、プレート12の上面と固定板14との間には複数のバネ13が配設されて押圧機構を構成しており、そのバネ13の張力によりピン10を下方向に押圧、すなわち所定の加重を印加して基板3とピン10の下先端面を当接させ密着させるのである。
【0032】
押え板11は弾性材のゴムでなり、複数のピン10に対して均一の押圧力が印加されるようになっている。そして、注入し充填するためのコンポジット材である樹脂6は、傾斜させたガイドプレート5の上面に供給されており、傾斜したガイドプレート5の上面を移動して、銅箔7と基板3の間に流し込まれるのである。
【0033】
樹脂6を銅箔7と基板3の間に注入し充填し易くするために、銅箔7の片端の一部を上に曲げ加工してガイドの機能を持たせている。
【0034】
前記工程の設定後、図1(b)に示すように、コンポジット材である樹脂6が銅箔7と基板3の間に注入し充填する。この状態で所定温度および時間で加熱し、樹脂6を半硬化させて硬度を上げて、ピン10の移動における円滑な除去を図るのである。
【0035】
なお、樹脂6の注入充填を、基板3あるいは基板3を含む周辺を常温より高い温度の雰囲気、真空圧の雰囲気、あるいは真空圧の雰囲気で樹脂6を注入し充填した後、大気圧以上の雰囲気を印加することにより行うのである。
【0036】
なおまた、前記雰囲気にて樹脂6を注入し充填した後、真空圧あるいは大気圧以上の雰囲気にて再度樹脂6を注入し充填して、樹脂6の注入充填に対する修正あるいは補完を行っても良い。
【0037】
前記工程により樹脂6の硬度を上げた後、図1(c)に示すように、制御板9を矢印方向に上昇させてピン10を除去(引抜いた)する。その際、台15を移動し除去して固定ベース1は水平とし、樹脂6の硬度は、ピン10が容易かつ円滑に除去(引抜ける)することができ、さらにピン10の除去した後にできる孔16が変形しない硬度の半硬化としている。
【0038】
そしてピン10を除去した後、図2(d)に示すように、ピンガイド8から上の機構を移動して除去し、ピン10が除去してできた孔16に導電処理すなわち導電路を形成するのである。
【0039】
導電処理としては、銀や銅などの導電性金属を熱硬化性樹脂に混成し溶融してなる導電ペースト18を注入し充填した後、所定温度と時間で熱硬化するのである。
【0040】
導電ペースト18は、水平垂直移動自在なスキージ17を、銅箔7の上面を摺動し移動させることによる印刷により孔16に注入し充填する。なおこの作業は、真空圧の雰囲気中で行えば、より充填性を向上させることができる。また、導電処理として、銅などのめっき処理(スルーホール)を行えば、より導電性に優れ、小直径の孔16に対応でき、かつ多数の導電処理すなわち導電路を一度に形成することができる。
【0041】
次に図2(e)に示すように、前記工程によりピン10を除去してできた孔16に、導電ペースト18を注入し充填する導電処理、すなわち導電路19を形成した後、基板3を含む全体を所定温度かつ時間で加熱することにより、樹脂6および導電ペースト18を完全に硬化させ、その後、銅箔7を所定形状のエッチングすることにより、必要なパターンを形成するのである。
【0042】
そして、図2(f)に示すように、前記工程により形成された電子回路モジュール20のマザー基板を、ダイシングにより個片分割することで、個々の電子回路モジュール20として完成させるのである。
【0043】
なお、コンポジット材である樹脂6は、例えば150〜200℃にて完全硬化する各種の熱硬化性樹脂、無機フィラーを混練した熱硬化性樹脂、あるいは無機フィラーとプレゲル材を混練した熱硬化性樹脂を使用すれば、電気的、物理的かつ化学的特性の優れた電子回路モジュール20を形成することができる。
【0044】
なおまた、無機フィラーとして例えば、粒径が100μm以下のAl23、MgOおよびSiO2の少なくともいずれか一つの金属酸化物を使用すれば、必要とする前記の特性を実現することができる。さらにまた、前記の混練割合を熱膨張係数が8×10-6/℃〜20×10-6/℃となるように設定すれば、完成品の電子回路モジュール20全体の熱膨張係数を均一すなわち一体にすることができる。
【0045】
さて、放熱を兼ねる基板3にピン10を除去してなる孔16が設けられ、銅めっき処理によりスルーホールが形成された場合、各種の電子部品4より発生する熱が樹脂6に混練された無機フィラーによって速やかに放熱されるため、各種の電子部品4を搭載し実装した高信頼性の電子回路モジュール20が得られるとともに、半導体素子を含む多層構造の電子回路モジュール20では、絶縁層を厚くすることができ、絶縁耐圧の向上、ノイズ低減あるいは電気的損失の低減が図れる。
【0046】
また、基板3を多層構造にすることにより、さらに高密度に各種の電子部品4を搭載し実装することができるだけでなく、構成する回路を多段に分割することによって配線インダクタンスや分布容量を低減でき、外部あるいは内部発生ノイズを抑制することができるのである。
【0047】
さらにまた、孔16には導電性樹脂の組成物である導電性ペースト18の注入充填、あるいは銅めっき処理によるスルーホールが形成され、その両端には電気抵抗の低い金属箔でなる配線パターンを形成して接続構成すれば、より特性の優れた電子回路モジュール20が形成できる。
【0048】
さて、図3(a)は、前記でも説明したが、ピン10を下降させることにより、ステージ22の上面に所定の厚みで塗布された導電ペースト材21を、ピン10の下先端に前記の所定厚みで付着させている状態を示している。
【0049】
図3(b)は、前記工程の後にピン10を上昇させて、ピン10の下先端に導電ペースト18を付着させた状態であり、これを前記で説明した図1に示す工程に使用することにより、ピン10の傾斜や、基板3の反りなどによるピン10の下先端面と基板3が密着し、その隙間にコンポジット材である樹脂6が浸入して、導電性の不具合が発生することを防止するのである。
【0050】
図4は、本発明の導電路形成方法により製作された電子回路モジュール20の要部平面図であり、各種の電子部品4が高密度で搭載し実装されていても、ピン10のほぼ直径分スペースさえあれば、どこにでも任意の箇所に導電路19を形成することができるのである。
【0051】
図7は、本発明と従来の導電路形成工法における導電路スペースを模式的に比較した平面図であり、例えば電子回路モジュール37において、従来の方法においては直径が0.16mmの導電路19aを設けるためには直径が0.5mmのデッドスペース36が必要であり、そして本発明の方法によれば、直径が0.3mmの導電路スペース38で導電路19が形成できるため、従来の方法の約60%の面積で構成できることになるのである。
【0052】
【発明の効果】
以上のように本発明による電子回路モジュールの導電路形成方法およびその装置によれば、導電路を形成するためのピンが配設されるスペースさえあれば、任意の箇所に導電路を形成することができ、また、可能な限りピンの直径を小さくすれば、デッドスペースを最小限にすることができるため、各種の電子部品を高密度に搭載し実装することができ、回路設計においても任意かつ最適な位置に導電路を形成できるため、設計自由度が向上するという効果を有する。
【0053】
また、コンポジット材である樹脂を注入し充填することにより電子回路モジュールを形成するため、複数の構成基板を積層する必要がない簡単な製造プロセスであり、低コストで生産できるだけでなく、液状のコンポジット材である樹脂を注入し充填するため、搭載し実装されている各種の電子部品の下部隙間にも容易に充填することができてボイドの発生が抑制され、完成した電子回路モジュールの信頼性が高くなるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態における電子回路モジュールの導電路形成の製造工程要部断面図
【図2】 本発明の実施の形態における電子回路モジュールの導電路形成の製造工程要部断面図
【図3】 同導電路形成の製造工程におけるピン先端への導電性ペースト転写を説明する要部断面図
【図4】 同導電路形成方法により製作された電子回路モジュール例の要部平面図
【図5】 従来の電子回路モジュールの導電路形成の製造工程要部断面図
【図6】 同導電路形成方法により製作された電子回路モジュールの要部平面図
【図7】 本発明による導電路形成方法と従来の導電路形成方法による導電路スペースの比較要部平面図
【符号の説明】
1 固定ベース
2 ガイド
3 基板
4 電子部品
5 ガイドプレート
6 樹脂(コンポジット材)
7 銅箔(導電性金属板)
8 ピンガイド
9 制御板
10 ピン
11 押え板
12 プレート
13 バネ
14 固定板
15 台
16 孔
17 スキージ
18 導電ペースト(導電性物質)
19、19a 導電路
20、35、37 電子回路モジュール
21 導電ペースト材
22 ステージ
31 基板
32 コンポジットシート
33 基板
34 ブランク
36 デッドスペース
38 導電路スペース

Claims (5)

  1. 基板の一面における回路を構成する導電路が形成される箇所に移動自在なピンを配設し、前記基板の一面に封止するための樹脂を注入して充填し、その後前記樹脂が充填された状態を維持できる半硬化を行った後に前記ピンを除去し、ピンの除去により形成された孔に導電処理を行い、前記基板に設けられた回路部分と前記樹脂の上面との間に導電路を形成してなる電子回路モジュールの導電路形成方法であって、
    前記基板の一面側と所定間隔に導電性金属板を配置し、前記導電性金属板を挿通して移動自在なピンを配設し、前記基板の一面を封止するために導電性金属板と基板の一面側との間隙に樹脂を注入し充填してなる電子回路モジュールの導電路形成方法。
  2. 基板の一面における回路を構成する導電路が形成される箇所に移動自在なピンを配設し、前記基板の一面に封止するための樹脂を注入して充填し、その後前記樹脂が充填された状態を維持できる半硬化を行った後に前記ピンを除去し、その後前記樹脂を完全に硬化させた後、ピンの除去により形成された孔に導電処理を行い、前記基板に設けられた回路部分と前記樹脂の上面との間に導電路を形成してなる電子回路モジュールの導電路形成方法であって、
    前記基板の一面側と所定間隔に導電性金属板を配置し、前記導電性金属板を挿通して移動自在なピンを配設し、前記基板の一面を封止するために導電性金属板と基板の一面側との間隙に樹脂を注入し充填してなる電子回路モジュールの導電路形成方法。
  3. 基板の一面側に配設された移動自在なピンと導電性金属板における前記ピンの挿通する孔の隙間を、注入し充填される樹脂が浸入しない隙間としてなる請求項1もしくは2のいずれか1つに記載の電子回路モジュールの導電路形成方法。
  4. 導電性金属板を、厚みが10〜300μmの範囲で銅を主成分とする金属箔としてなる請求項1から3のいずれかに記載の電子回路モジュールの導電路形成方法。
  5. 基板を搭載し固定する固定ベースと、コンポジット材の樹脂の厚みを規制するガイドと、前記固定ベース片側下部に配設した前記基板を傾斜させる台と、片側を曲げ加工した銅箔を密着した板状のピンガイドと、前記ピンガイドの他面に密着した移動自在な制御板と、一端が銅箔およびピンガイドを挿通し導電路を形成するための前記制御板により移動自在な複数のピンと、前記ピンを押圧する弾性材でなる押え板を密着した金属プレート、バネおよび固定板でなる押圧機構と、前記樹脂を前記基板の片面に供給するための傾斜させたガイドプレートで構成してなる導電路形成装置。
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