JP4147957B2 - 自動車用ウエザストリップの取付構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のスライディングルーフの外周と、車体ルーフパネル開口縁との間、車体とドアの間、トランクとトランクリッドとの間等をシールする自動車用ウエザストリップの取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の自動車の開口縁をシールする自動車用ウエザストリップの取付構造は、例えば自動車のスライディングルーフの外周と、車体ルーフパネル開口縁との間をシールするルーフパネルウエザストリップを例にとり説明すると、図6に示すように取付基部51と中空シール部52から形成される。取付基部51は、断面略U字状のトリムとして形成され、取付基部51の外壁に中空シール部52が一体に形成されている。なお、図6および以下に説明する図7と図8は、図5のA−A線に沿った部分断面図である。
【0003】
取付基部51には、スライディングルーフ110の先端に設けられた樹脂製のモールド部110bの鉤状に曲がった先端部分が挿入され、ルーフパネルウエザストリップ50がスライディングルーフ110に取付けられている。取付基部51には、モールド部110bの先端部分を保持する保持力を強化するため、芯金51bが埋設されている。
スライディングルーフ110が閉じられるときは、ルーフパネルウエザストリップ50の中空シール部52は、ルーフパネル開口縁2に当接して、スライディングルーフ110の外周と車体のルーフパネル開口縁2との間をシールしている。(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、図6に示すルーフパネルウエザストリップ50の取付基部51には、芯金51bを埋設しているため重量が増加して、車両の軽量化のニーズを損なうこととなっているとともに、内面の両側に保持リップを備えた断面U字形のトリムを有するため、形状をコンパクトにすることが難しかった。
【0004】
また、図7に示すように、ルーフパネルウエザストリップ50の取付基部51をスライディングルーフ110のモールド部110bに取付ける場合に、取付基部51に両面接着テープ51cを貼付し、スライディングルーフ110の先端に取付けられたモールド部110bの端面に貼付し、中空シール部52をルーフパネル開口縁2に当接させることもなされている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、両面接着テープは高価なためコストダウンの要請を満たすことができず、また、両面接着テープを正規の位置に圧着する工程が必要であり、ルーフパネルウエザストリップ50の取付けに手間がかかっていた。
【0005】
さらに、図8に示すように、ルーフパネルウエザストリップ50の取付基部51をスライディングルーフ110に取付ける場合に、取付基部51に嵌合溝54を設け、スライディングルーフ110に取付けられた板金製のリテ―ナ120bの先端にフランジ部120cを設けて、そのフランジ部120cを上記嵌合溝54に挿入して取付け、中空シール部52をルーフパネル開口縁2に当接させることもなされている(例えば、特許文献3参照。)。
【0006】
しかしながら、嵌合溝54にリテーナ120bの先端のフランジ部120cを挿入するのみでは、取付基部51の先端外側にシールリップ51dが延説されていても、シールリップ51dはスライディングルーフ110との間のシールをするのみで取付基部51の倒れを防止することができず、また、取付基部51でフランジ部120cを挟むことができないため、保持力を強化することがでず、取付基部51を必ずしも安定的に取付けることができなかった。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−276750号公報(第2−3頁、第1図)
【特許文献2】
特開2001−301470号公報(第2−3頁、第1図)
【特許文献3】
特開平8−58392号公報(第3−5頁、第1図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、自動車のスライディングルーフの外周と、車体ルーフパネル開口縁との間、車体とドアの間、トランクとトランクリッドとの間等をシールする自動車用ウエザストリップを取付け易くかつ安定的に取付けることができる自動車用ウエザストリップの取付構造を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の本発明は、自動車車体のルーフパネル開口縁を開閉するスライディングルーフ外周部に取付けられ、ルーフパネルのスライディングルーフとルーフパネル開口縁との間をシールするルーフパネルウエザストリップの取付構造において、
ルーフパネル開口縁には、ルーフパネルウエザストリップを取付けるベース部材を設け、ベース部材に、開口縁に取付ける取付部と、取付部から延設したルーフパネルウエザストリップの挿入壁が挿入される上方が開口した断面略U字状の上記凹溝部とを設け、
ルーフパネルウエザストリップは、ソリッド材からなる取付基部とスポンジ材からなる中空シール部とを有し、
中空シール部は、取付基部の挟持壁のスライディングルーフ側の側面から一体中空状に膨出し形成され、スライディングルーフが閉じられたときは、該スライディングルーフの先端に当接し、
ルーフパネルウエザストリップの取付基部は、凹溝部に挿入される挿入壁と、凹溝部の一方の側壁を上記挿入壁とで挟む挟持壁と、挿入壁と挟持壁とで凹溝部の一方の側壁が挿入されて挟持されるように形成された下方が開口した断面略U字状の嵌合溝とからなり、挿入壁の外壁面には先端方向とは逆の斜め方向に突出する保持リップを設け、
ルーフパネルウエザストリップの挿入壁の上部外壁面に突起部を形成し、挟持壁の先端のスライディングルーフとは反対側の側面に、凹溝部の底壁外壁に係止できるように斜め上方に向かって突条が形成され、
ルーフパネルウエザストリップの嵌合溝部に凹溝部のスライディングルーフ側の側壁を下方から挿入すると同時に、凹溝部にルーフパネルウエザストリップの取付基部の挿入壁を上方から挿入し、保持リップの先端を凹溝部内で該凹溝部のスライディングルーフとは反対側の側壁の内面に弾接させるとともに、挿入壁の上部外壁面の突起部を反対側の側壁の内面に弾接させ、突条を凹溝部の底壁外壁に係止させてルーフパネルウエザストリップが開口部の開口縁の外周部に取付けられることを特徴とする自動車用ウエザストリップの取付構造である。
【0010】
請求項1の本発明では、ルーフパネルウエザストリップは、ソリッドゴム、ソリッドの熱可塑性エラストマー等のソリッド材からなる取付基部とスポンジゴム、スポンジの熱可塑性エラストマー等のスポンジ材からなる中空シール部を有しているため、取付基部の剛性が高く、取付基部に芯金を埋設しなくても後述の保持リップと併せて取付基部を十分に開口縁等に保持することができる。また、中空シール部は、スポンジ材から形成されているので、柔軟性に富み、相手部材とラップ寸法が変化しても弾力的に当接し、所定の圧接力を有して、安定したシール力を得ることができる。
ルーフパネルのスライディングルーフとルーフパネル開口縁との間をシールするルーフパネルウエザストリップは、スライディングルーフがチルトアップやチルトダウンしたり、前後方向に移動しても、ルーフパネルウエザストリップが倒れることなく取付けられる。ルーフパネルウエザストリップの中空シール部は、取付基部の挟持壁のスライディングルーフ側の側面に形成され、スライディングルーフが閉じられたときは、スライディングルーフの端面に当接し、中空シール部がスライディングルーフの端面に略直角に当接するので、安定的な押圧力が得られて、良好なシール性を得ることができる。
【0011】
取付基部は、凹溝部に挿入される挿入壁と、凹溝部の一方の側壁を上記挿入壁とで挟む挟持壁と、挿入壁と挟持壁とで凹溝部の一方の側壁が挿入されて挟持されるように形成された下方が開口した断面略U字状の嵌合溝とからなるため、嵌合溝に開口縁等の凹溝部の一方の側壁を挿入することができると共に、挟持壁と挿入壁とでフランジ部を挟持することができるため後述の保持リップと併せて取付基部を安定的に開口縁等に保持することができる。
また、挿入壁の外壁面には、先端方向とは逆の斜め方向に突出する保持リップを設けたため、開口縁等の凹溝部に保持リップが揺動可能に弾接することができ、取付基部を凹溝部に挿入しやすく、かつ抜け難く取付基部の挿入壁をフランジ部に押圧して取付基部を十分な力で開口縁等に保持することができる。
【0012】
次に、ルーフパネルウエザストリップの中空シール部は、取付基部の挟持壁のスライディングルーフ側の側面から一体中空状に膨出し形成され、スライディングルーフが閉じられたときは、スライディングルーフの先端に当接しているため、取付基部が安定的に開口縁等に取付けられると、中空シールが倒れることがなく略直角に開閉部材等の相手部材に当接して安定的なシール力を得ることができる。また、中空状であるため、弾力性を有するとともに相手部材とのラップ寸法がバラついても略一定のシール力を得ることができる。
また、ルーフパネルウエザストリップの中空シール部は、取付基部の挟持壁のスライディングルーフ側の側面に形成され、スライディングルーフが閉じられたときは、スライディングルーフの先端に当接し、中空シール部がスライディングルーフの端面に略直角に当接するので、安定的な押圧力が得られて、良好なシール性を得ることができる。
【0013】
ルーフパネル開口縁には、ルーフパネルウエザストリップを取付けるベース部材を設けたため、ベース部材をルーフパネル開口縁とは別々に製造することができ、ベース部材にルーフパネルウエザストリップを取付けた後に、ベース部材をルーフパネル開口縁に取付けることができるため、組付けが容易である。
ベース部材は、ルーフパネル開口縁とは別体に製造されるため加工が容易である。さらにベース部材には、開口縁等に取付ける取付部と、取付部から延設したルーフパネルウエザストリップの挿入壁が挿入される上方が開口した断面略U字状の凹溝部とを有し、凹溝部のスライディングルーフ側の側壁を嵌合溝の挿入するようにしたものであるため、複雑な凹溝部の加工・形成が容易になる。
さらに、開口縁等には、ルーフパネルウエザストリップの取付基部が取付けられる断面略U字状の両側が側壁である凹溝部が設けられ、凹溝部のスライディングルーフ側の側壁は、上述のとおり、ルーフパネルウエザストリップの取付基部の嵌合溝に挿入することができ、凹溝部に取付基部の挿入壁を挿入することができるので、嵌合溝と凹溝部とで、取付基部を十分な力で開口縁等に取付けることができる。
上述のとおり、ルーフパネルウエザストリップの嵌合溝に凹溝部の一方の側壁が下方から挿入されると共に、凹溝部にルーフパネルウエザストリップの挿入壁が上方から挿入され、保持リップの先端が凹溝部のスライディングルーフとは反対側の側壁の内面に弾接させるとともに、挿入壁の上部外壁面の突起部を反対側の側壁の内面に弾接させ、突条を凹溝部の底壁外壁に係止させてルーフパネルウエザストリップを保持するルーフパネルウエザストリップの取付構造としたため、ルーフパネルウエザストリップを開口縁等に取付け易く、かつ倒れることがなく、取付けることができる自動車用ルーフパネルウエザストリップの取付構造とすることができる。
ルーフパネルウエザストリップの挿入壁の上部外壁に突起部を有したため、上述の挿入壁の保持リップとともに凹溝部の側壁に弾接して、挿入壁を凹溝部に安定的に保持させることができる。
また、挟持壁の先端のスライディングルーフとは反対側の側面に、凹溝部の底壁外壁に係止できるように斜め上方に向かって突条が形成されているため、ウエザストリップが凹溝部から抜けようとするときに、凹溝部の底部の外壁に突条が係止されて、抜けるのを防止することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を自動車のスライディングルーフの外周と、車体ルーフパネル開口縁との間の自動車用ウエザストリップの取付構造を例にとり、図1〜図5に基づき説明するが、車体とドアの間、トランクとトランクリッドとの間等をシールする自動車用ウエザストリップを開口縁等に取付ける場合等の他の取付構造にも適用することができる。
【0019】
図1は、本発明の実施の形態であるルーフパネル第1ウエザストリップ20の取付構造を示すものであり、図5のA−A線に沿った部分断面図である。なお、図5は、1枚のガラスパネルによるスライディングルーフ10を備えた車体のルーフパネルの平面図である。以下、ルーフパネル1への取付状態の説明からルーフパネル第1ウエザストリップ20の取付構造まで順次説明する。
図4に示すように車両のルーフパネル1のルーフパネル開口縁2に装着されるベース部材3は、図2に示すように枠状に形成され、そのベース部材3に取付けられるルーフパネル第1ウエザストリップ20とルーフパネル第2ウエザストリップ30とを備え、さらにルーフパネル開口縁2を閉じるスライディングルーフ10がその上部に取付けられる。なお、図2は,スライディングルーフ10等のアッセンブリーを分解した状態で斜め上方から見た斜視図である。
【0020】
ルーフパネル第2ウエザストリップ30はスライディングルーフ10の外側周辺をシールするように平面視が四辺形の環状をなしている。また、ルーフパネル第1ウエザストリップ20は、スライディングルーフ10の両側部をシールするようにルーフパネル第2ウエザストリップ30の側部で車両の前後方向に沿って略平行で直線状に設けられている。
スライディングルーフ10は本実施の形態では3枚に分割されたものを示すが、分割されずに1枚のスライディングルーフのパネルのものにも適用できる。また、スライディングルーフ10はガラスパネルまたは透光性合成樹脂パネルで製造されると、採光性に優れ、デザイン的にも好ましい。
【0021】
図2に示すようにスライディングルーフ10は3分割された場合は、車両のフロント側から第1スライディングルーフ11、第2スライディングルーフ12と第3スライディングルーフ13からなる。
このスライディングルーフ10は、図3に示すようにベース部材3の上に第1スライディングルーフ11では、前側の先端部を回転中心にして後部が上がるいわゆるチルトアップ可能に取付けられており、第2スライディングルーフ12と第3スライディングルーフ13は前側の先端部を回転中心に後部が上がるとともに前後方向にスライディング移動可能に取付けられている。
【0022】
スライディングルーフ10を開けるときは、駆動装置(図示せず)によってまず、第1スライディングルーフ11が前側の先端部を回転中心として回転し、後部が上がるように作動するいわゆるチルトアップをする。さらに、第2スライディングルーフ12と第3スライディングルーフ13もその前側の先端部を回転中心として回転し、後部が上がるようにチルトアップするとともに、後方にスライドする。そして、第2スライディングルーフ12はさらに後方にスライドして、第3スライディングルーフ13の上までスライドして、ルーフパネル開口が全開する。
このため、ルーフパネル開口は第2・第3スライディングルーフ12、13が重なった状態で開かれるため、スライディングルーフ10が後方に突出することなく、最大限大きく開くことが出来る。
【0023】
スライディングルーフ10を閉じるときは、上記とは逆に、スライディングルーフ10の第2スライディングルーフ12と第3スライディングルーフ13は、フロント側に移動し、所定の各位置でその前側の先端部を回転中心として回転し、後部が下がるようにチルトダウンする。さらに第1スライディングルーフ11が、その前側の先端部を回転中心として回転し、後部が下がるようにチルトダウンする。そしてスライディングルーフ10は、ルーフパネル第2ウエザストリップ30とルーフパネル第1ウエザストリップ20に当接して、ルーフパネル開口縁2とスライディングルーフ10の間のシールがなされる。スライディングルーフ10が、1枚で構成されても、2枚あるいは3枚に分割されてもルーフパネル第2ウエザストリップ30とルーフパネル第1ウエザストリップ20によるシールの形態は同様である。
【0024】
つぎに、スライディングルーフ10とルーフパネル開口縁2との間のシールを詳述する。
図4は、スライディングルーフ10が閉じたときのルーフパネル開口縁2の車体側部を示す断面図である。図2に示すように、ルーフパネル開口縁2には、その全周囲にベース部材3が取付けられて、図2に示すように、そのベース部材3に環状のルーフパネル第2ウエザストリップ30が取付けられている。ルーフパネル開口縁2の両側部、即ちルーフパネル第2ウエザストリップ30の車外側の側部には後述する直線状のルーフパネル第1ウエザストリップ20が取付けられており、側部において2重のシール構造を形成している。
ベース部材3は、図1に示すようにルーフパネル第2ウエザストリップ30を取付けるルーフパネル開口の中心側に張り出した張出し部分3bと、ルーフパネルのインナーパネル1b(図4)に取付けられる取付部分3cと、その取付部分3cから上方に延設された立壁部分3d、立壁部分3dの先端に設けられたルーフパネル第1ウエザストリップ20を取付ける断面U字状の凹溝部3fからなる。
なお、図4中、1cは、ルーフパネル1のアウターパネルを示し,4はルーフモールを示す。
【0025】
次に、ルーフパネル第1ウエザストリップ20について説明する。前述のとおり、ルーフパネル第2ウエザストリップ30が、ルーフパネル開口縁2のベース部材3上に取付けられ、その車体両側側においてルーフパネル第2ウエザストリップ30と略並行で直線状にルーフパネル第1ウエザストリップ20が取付けられている。
【0026】
その取付け状態を図1および図4に示す。ベース部材3は、前述のとおり張出し部分3bと、取付部分3cと、立壁部分3dと、断面U字状の凹溝部3fからなり、凹溝部3fのスライディングルーフ側の側壁は、嵌合側壁3gを構成する。ルーフパネル第1ウエザストリップ20は、凹溝部3fに取付けられる取付基部21とスライディングルーフ10の側部の樹脂製のモールド部11c、12c、13cに当接する中空シール部27からなる。
【0027】
取付基部21は、ソリッドゴムからなり、中空シール部27はスポンジゴムからなり、いずれもEPDM等の合成ゴムの材料が使用され、押出成形により製造される。中空シール部27の一部は取付基部21の車外側の端面を覆っている。これによって、車外側から取付基部21と中空シール部27との継ぎ目をカバーして美観を上げることができる。
取付基部21は、断面略U字状をなし、その断面略U字状を構成する壁は、挟持壁22および挿入壁24と、挟持壁22と挿入壁24を連結する底壁25とからなり、挟持壁22と挿入壁24とで嵌合溝23を挟んで断面略U字状を形成している。その挿入壁24のU字状の開口の先端外面には、先端方向とは逆の斜め方向に突出する保持リップ26を設けている。また、挿入壁24の上部外側、即ち底壁25と挿入壁24が連続するコーナー部付近には、突起部24bが膨出している。
【0028】
ルーフパネル第1ウエザストリップ20をベース部材3に取付けるときは、ベース部材3の凹溝部3fのスライディングルーフ側の側壁である嵌合側壁3gを取付基部21の嵌合溝23に挿入する。このとき、取付基部21の挿入壁24は、ベース部材3の凹溝部3fに嵌合される。挿入壁24の先端の外側には保持リップ26が設けられているので、凹溝部3fに挿入壁24が嵌合するときには、保持リップ26は保持リップ26の付け根を中心に挿入壁24の方向に転動して、撓んで、挿入壁24と密着する。そして保持リップ26の先端は、挿入壁24に設けられた突起部24bの直下まで到達して、突起部24bと同一面を形成する程度の高さかあるいは若干低い高さとなる。このため、挿入壁24を凹溝部3fへ挿入することが容易となる。
【0029】
凹溝部3fに挿入壁24が嵌合されると、保持リップ26は、凹溝部3fの側壁、即ち、嵌合側壁3gではない他方の側壁に弾接するとともに、突起部24bも凹溝部3fのその側壁の上部に当接して、挿入壁24を2点で保持すると共に、挿入壁24を嵌合側壁3g方向へ押すことができるので、挟持壁22と挿入壁24で嵌合側壁3gを挟むことができ、十分な保持力を得ることができ、ルーフパネル第1ウエザストリップ20を確実に保持することができる。
【0030】
また、取付基部31はソリッドゴムで形成されているため剛性が高く、ベース部材3に確実に取付けられることができる。そのため、取付基部31に芯金等を埋設する必要がない。
さらに、取付基部21の挟持壁22は、先端の内側に斜め上方に向かって突条22bを形成したため、凹溝部3fに取付基部21を取付けたときに、ルーフパネル第1ウエザストリップ20が抜けようとした場合は、突条22bが凹溝部3fの底部外壁に係止して、抜けることを防止することができる。
【0031】
中空シール部27は、取付基部21のスライディングルーフ側の横側に設けられ、その形状は中空の湾曲状である。スライディングルーフ10が閉じられる時に、スライディングルーフ10がチルトダウンして、その側部モールド部11c、12c、13cの先端の端面が中空シール部27に当接してルーフパネル開口縁2とスライディングルーフ10の間をシールする。中空シール部27は、湾曲した中空状であり、スポンジゴムであるため、撓みやすく、側部モールド部11c、12c、13cと中空シール部27との間の寸法がバラついてもそのバラツキを容易に吸収することができる。
また、取付基部21がベース部材3に確実に取付けられるので、中空シール部27が、倒れることなく略直角に側部モールド部11c、12c、13cの端面に当接するため、シール性に優れている。
【0032】
このルーフパネル第1ウエザストリップ20とルーフパネル第2ウエザストリップ30により車体の両側部は、二重にシールされ車室内に雨水が浸入することがなく、シール性が向上する。ルーフパネル第1ウエザストリップ20を漏れ出した雨水は、ベース部材3の張り出し部分3bに設けられた凹溝から車外に排出される。このため、ルーフパネル第1ウエザストリップ20の下方にドリップチャンネルを設ける必要がなく、ルーフパネル1の構造をコンパクトにすることができる。
なお、ルーフパネル1のアウターパネル1cとルーフパネル第1ウエザストリップ20との間の隙間には、ルーフモール4が取付けられている。このルーフモール4により、その隙間をカバーして美観を向上させることができる。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、自動車の開口縁、又は開閉部材の外周部に取付けられ、例えば自動車のスライディングルーフの外周と、車体ルーフパネル開口縁との間、車体とドアの間、トランクとトランクリッドとの間等をシールする自動車用ウエザストリップの取付け構造において、ウエザストリップの取付基部を開口縁等の凹溝部とフランジ部で取付けることができるため、自動車の開口縁等に安定的に取付けることができるとともに、十分なシール性をもって、コンパクトな取付構造とすることができる。さらに、安価で、軽量化を達成できる自動車用ウエザストリップを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示すもので、ルーフパネル第1ウエザストリップとスライディングルーフの車体側部の部分断面図である。
【図2】本発明の実施の形態を示す車体のルーフパネル開口縁に取付けられるベース部材と、ルーフパネルの開口を開閉自在に塞ぐスライディングルーフを分解した状態で斜め上方から見た斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態を示す3枚に分割されたスライディングルーフがリヤ側にスライドしたときのルーフパネルの開口部の斜め上方から見た斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態を示すスライディングルーフが閉じたときのルーフパネル開口縁の車体側部の部分断面図である。
【図5】ルーフパネルの平面図である。
【図6】従来のスライディングルーフが閉じたときのルーフパネル開口縁の車体側部の部分断面図である。
【図7】従来の他のスライディングルーフが閉じたときのルーフパネル開口縁の車体側部の部分断面図である。
【図8】従来の他のスライディングルーフが閉じたときのルーフパネル開口縁の車体側部の部分断面図である。
【符号の説明】
1 ルーフパネル
2 ルーフパネル開口縁
3 ベース部材
10 スライディングルーフ
20 ルーフパネル第1ウエザストリップ
21 取付基部
22 挟持壁
23 嵌合溝
24 挿入壁
25 底壁
26 保持リップ
27 中空シール部
Claims (1)
- 自動車車体のルーフパネル開口縁を開閉するスライディングルーフ外周部に取付けられ、ルーフパネルのスライディングルーフとルーフパネル開口縁との間をシールするルーフパネルウエザストリップの取付構造において、
上記ルーフパネル開口縁には、上記ルーフパネルウエザストリップを取付けるベース部材を設け、該ベース部材に、上記開口縁に取付ける取付部と、該取付部から延設した上記ルーフパネルウエザストリップの挿入壁が挿入される上方が開口した断面略U字状の上記凹溝部とを設け、
上記ルーフパネルウエザストリップは、ソリッド材からなる取付基部とスポンジ材からなる中空シール部とを有し、
上記中空シール部は、上記取付基部の挟持壁のスライディングルーフ側の側面から一体中空状に膨出し形成され、スライディングルーフが閉じられたときは、該スライディングルーフの先端に当接し、
上記ルーフパネルウエザストリップの取付基部は、上記凹溝部に挿入される挿入壁と、上記凹溝部の一方の側壁を上記挿入壁とで挟む挟持壁と、上記挿入壁と上記挟持壁とで上記凹溝部の一方の側壁が挿入されて挟持されるように形成された下方が開口した断面略U字状の嵌合溝とからなり、上記挿入壁の外壁面には先端方向とは逆の斜め方向に突出する保持リップを設け、
上記ルーフパネルウエザストリップの上記挿入壁の上部外壁面に突起部を形成し、上記挟持壁の先端の上記スライディングルーフとは反対側の側面に、上記凹溝部の底壁外壁に係止できるように斜め上方に向かって突条が形成され、
上記ルーフパネルウエザストリップの上記嵌合溝部に上記凹溝部のスライディングルーフ側の側壁を下方から挿入すると同時に、上記凹溝部に上記ルーフパネルウエザストリップの上記取付基部の挿入壁を上方から挿入し、上記保持リップの先端を上記凹溝部内で該凹溝部のスライディングルーフとは反対側の側壁の内面に弾接させるとともに、上記挿入壁の上部外壁面の突起部を上記反対側の側壁の内面に弾接させ、上記突条を上記凹溝部の底壁外壁に係止させて上記ルーフパネルウエザストリップが開口部の開口縁の外周部に取付けられることを特徴とする自動車用ウエザストリップの取付構造。
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