JP2778857B2 - 精整ラインのコイル巻き直し組合せ処理方法 - Google Patents

精整ラインのコイル巻き直し組合せ処理方法

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JP2778857B2
JP2778857B2 JP20131991A JP20131991A JP2778857B2 JP 2778857 B2 JP2778857 B2 JP 2778857B2 JP 20131991 A JP20131991 A JP 20131991A JP 20131991 A JP20131991 A JP 20131991A JP 2778857 B2 JP2778857 B2 JP 2778857B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属ストリップ精整ラ
インのコイル巻き直し組合せ処理方法に係り、特に、異
なる品質等級区分から成る元コイルを、操業条件や注文
条件を考慮しつつ複数組合せて、所定の品質等級を満足
する製品コイルを作成する際に用いるのに好適な、従来
オペレータが経験で処理していた複雑なコイル組合せ問
題を自動化して、精整ラインにおけるコイル巻き直し設
備の操業計画を自動化することができると共に、巻き直
し設備における歩留りを向上させることが可能な精整ラ
インのコイル巻き直し組合せ処理方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】コイル巻き直し組合せとは、鋼板等の金
属ストリップ精整ラインのコイル巻き直し設備における
操業計画のことであり、複雑な操業条件や注文条件によ
る規制を考慮しつつ、異なる品質等級区分から成る製造
工程を完了したコイル(元コイル)を複数組合せ、等級
区分毎に分割しつつ、所定の品質等級を満足する製品コ
イルを効率良く作成するためのものである。この組合せ
は、例えばスリット加工で製造工程を終了する精整ライ
ンの場合、上流側のスリッタラインにおいて細長くスリ
ットしたコイルの一級品の総重量が受注一級品重量範囲
になったタイミングで行い、巻き直しの必要なコイルの
操業計画を立案すると共に、必要量だけコイルをスリッ
トすることにより、過剰スリットを防止する。
【0003】従来の鋼板精整ラインのコイル処理方法を
図1に示す。
【0004】前工程の欠陥検査装置の情報に基づき、ス
リッタライン12で鋼板10の表面を目視検査した結
果、無欠陥と判定されたコイルは、そのまま製品として
出荷されるが、部分的にヘゲ、孔、耳歪み等の欠陥が存
在すると判定されたコイルは、複数組合され、欠陥を除
去されて製品コイルとなる。このコイルの組合せを処理
するのが巻き直し設備である。
【0005】図2に、コイル巻き直し設備のレイアウト
と具体的なコイル組合せの方法を示す。
【0006】コイル巻き直し設備20は、組合せ対象と
なるコイルがセットされて鋼板10を払出すための、例
えば2組のペイオフリール(POR)22−1、22−
2と、組合された製品コイルを巻き取るための、例えば
2組のテンションリール(TR)24−1、24−2と
を有し、その中間に、鋼板10をパーツ毎に分割するた
めのシャー26と、分割された鋼板を互いに接続し直す
ための溶接機28とが配設されている。
【0007】組合せ対象コイルA、B、Cは、各コイル
内を、例えば一級品と2級品及び不合格品の3種の品質
等級に区分されて、品質等級毎のパーツa −1〜5、b
−1〜3、c −1〜2に分類されている。ここでパーツ
とは、単一の品質等級で連続した範囲を示す。
【0008】操業方法としては、組合せ対象コイル(例
えばAとB、次いでBとC)をペイオフリール22−1
及び22−2に順次挿入し、パーツ単位でシャー26に
よるシャーカットと溶接機28による溶接を繰り返しつ
つ、一級品(a−2+a −4+b −2−1)(b −2−
2+c −2)は例えば第2テンションリール24−2
に、又、2級品(a −5+b−3+c −1)は例えば第
1テンションリール24−1に巻き取る。一方、不合格
品a −3、b −1は、そのパーツ長に応じて、端板処理
するか、あるいはどちらかのテンションリールに巻き取
った後、そのまま抜き取ってスクラップ処理する。
【0009】巻き直し設備における操業計画の難しさ
は、2つのテンションリールに3種類の品質等級のコイ
ルを効率良く巻き取ることであり、しかも製品コイルに
ついては溶接点数、最短溶接点間隔(パーツ長)等の注
文条件を満足していることが必要である。
【0010】従って、巻き直し設備における操業は、コ
イルの通板、分割、接続溶接、巻き取り、巻き戻し、抜
き取りを頻繁に行う非常に複雑な操業である。
【0011】従来、この巻き直し組合せは、オペレータ
が経験により少数のコイルを組合わせて実施していた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】このため、1オーダ当
りの巻き直しコイル数が多い場合は、4〜5コイル単位
での巻き直し計画を立案せざるを得ず、組合せ不可能な
コイルが発生し、歩留りの低下を招いていた。更に、オ
ペレータの技量により巻き直し設備のコイル処理能力も
異なるという問題があった。又、組合せるタイミング
が、実際にコイル巻き直しを行う直前であるため、製品
コイルの重量が受注重量範囲に達せず、追加スリットが
必要になったり、これとは逆に、受注重量範囲を超えて
しまって過剰スリットになる場合があった。
【0013】従って、コイル巻き直し組合せの自動化
は、巻き直し設備の生産性及び歩留り向上のための大き
な課題であった。
【0014】なお、手持ちの各コイル材から、受注した
各種大きさの裁断板を切取る場合についての板取り効率
等、切取りの優先順位を決定する方法は、特開昭59−
37013に開示されているが、本発明のように、コイ
ル巻き直し組合わせ処理に関する提案は行われていなか
った。
【0015】本発明は、前記従来の課題を達成するべく
なされたもので、従来オペレータが経験で処理していた
複雑なコイル組合せ問題を自動化できると共に、巻き直
し設備における歩留りを向上することが可能な精整ライ
ンのコイル巻き直し組合せ処理方法を提供することを目
的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、異なる品質等
級区分から成る元コイルを、操業条件や注文条件を考慮
しつつ複数組合せて、所定の品質等級を満足する製品コ
イルを作成するに際して、元コイル毎に、コイル内を品
質等級区分毎のパーツに分類し、組合せ対象となる元コ
イルを決定するため、パーツ構成の複雑な元コイルを1
コイル選択し、選択した元コイルのパーツ構成及び組合
せ条件を考慮して、該コイルと組合せて製品コイルが作
成できる、パーツ構成の単純な元コイルを組合せ対象と
して選び、パーツ単位で分割と接続溶接を繰り返して、
溶接点数、最短溶接点間隔、コイル長を含む注文条件を
満足する製品コイルを作成することにより、前記課題を
達成したものである。
【0017】又、前記製品コイルを1コイル作成後、同
様に次の組合せ対象を選択し、以下、これを繰り返すよ
うにしたものである。
【0018】又、前記元コイル1本で指定製品コイルが
採取でき、且つ、溶接点数が許容範囲内にある元コイル
は、組合せ対象外とするようにしたものである。
【0019】又、前記組合せ対象となる複雑な元コイル
として、溶接点数が多く、品質等級区分構成が複雑で、
パーツ長が短いコイルを選択するようにしたものであ
る。
【0020】又、前記条件を満足する元コイルであって
も、指定製品コイル長より長い単パーツを含む元コイル
は、前記複雑な元コイルとして選択しないようにしたも
のである。
【0021】又、前記組合せ対象となる元コイルの先端
部に長さの短いパーツがある場合は、自コイル内の他の
パーツも含めて組合せ対象を選択するようにしたもので
ある。
【0022】又、前記製品コイルの目標長さを、指定コ
イル長範囲の中間点に近く、且つ、製品コイルが整数個
採取できる長さとしたものである。
【0023】
【作用】精整ラインのコイル巻き直し組合せに際して
は、巻き直し設備における操業条件及び注文条件を満足
しつつ、組合せ不可能なパーツを発生させないと共に、
溶接回数及び通板回数を極力抑え、作業能率を向上させ
ることが必要である。即ち、最良の巻き直し組合せと
は、組合せ対象コイルに対する歩留りと作業能率が最大
になる組合せである。
【0024】コイル巻き直し組合せの機能を図3に示
す。これからわかる通り、巻き直し組合せとは、組合せ
対象となるコイルを、組合せ条件の下にパーツ単位で組
合わせ、パーツ毎に払い出し順序、巻き取りテンション
リール、抜き取り順序等を決定する機能である。
【0025】コイル巻き直し組合せの課題は、巻き直し
対象コイルに対する歩留りを最大にすると共に、コイル
を円滑に処理できる操業方法を立案することである。
【0026】コイル巻き直し組合せは、基本的にパーツ
単位で組合せるため、パーツ長という不連続量を扱う計
画問題である。又、複雑な操業条件と注文条件を満足す
るアルゴリズムを定式化する必要がある。
【0027】一般に、連続量を取扱うプロセスにおける
計画問題には、線形計画法がしばしば用いられる。一
方、巻き直し組合せ問題には、不連続量を扱う計画問題
という以外に、以下の特徴がある。 (1)最適化を評価すべき関数が定式化できない。 (2)最適化問題として解を求めようとした場合には、
制約条件式や未知パラメータが多くなり過ぎ、現実的な
時間内では解が得られないという組合せ爆発を起こす可
能性がある。 (3)熟練したオペレータは、発見的方法により、最適
解ではなく満足解を現実的な時間で得ている。
【0028】これらの特徴により、巻き直し組合せ自動
化の手法としては、線形計画法ではなく、最近、計画問
題に適用されて効果を上げているエキスパートシステム
を採用した。
【0029】エキスパートシステムは、定式化が難しい
問題であっても、プロトタイプモデルに順次知識を追加
すること(プロトタイピングアプローチ)により、段階
的に熟練オペレータの発見的な操業方法のシステム化が
可能である。本発明でも、この長所を活かし、エキスパ
ートシステムをコイル巻き直し組合せに適用することと
した。
【0030】このエキスパートシステムの目的は、以下
の通りである。 (1)自動化 巻き直し組合せを自動化して、巻き直し技術の標準化を
行うと共に技術伝承を行う。エキスパートシステムは、
知識(巻き直し技術)と推論が分離され、しかも知識が
ルール形式で記述されているため、知識の可視性に優
れ、保全性もよい。 (2)歩留りの向上 通常の1オーダにおける巻き直し組合せ対象コイルは2
0コイル以内である。このエキスパートシステムは、例
えば30コイルまでの組合せ対象コイルを一度に組合せ
ることにより、通常の1オーダ内の巻き直し対象コイル
全てを考慮した巻き直し組合せが可能である。これによ
り組合せ不可能な一級品パーツの発生を抑え、歩留りを
向上させることができる。30コイル以上の組合せは、
コイルを30コイル単位に分割し、組合せを複数回行え
ばよい。なお、組合せ歩留りの定義は次式で与えられ
る。 歩留り=(製品コイル一級品総重量)/(組合せ対象コイル一級品総重量) ………(1) (3)作業能率の向上 1オーダ全ての巻き直し対象コイルを考慮した巻き直し
組合せを行うことにより、溶接回数、通板回数、コイル
抜き取り回数等の各作業回数を極力抑える組合せを行
い、作業能率を向上させることができる。但し、歩留り
の向上と作業能率の向上が競合する場合は、例えば歩留
り優先の組合せを行うことができる。
【0031】このエキスパートシステムにより、異なる
品質等級区分から成る元コイルを、操業条件や注文条件
を考慮しつつ複数組合せて、所定の品質等級を満足する
コイルを作成するに際して、元コイル毎に、コイル内を
品質等級区分毎のパーツに分類し、組合せ対象となる元
コイルを決定するため、パーツ構成の複雑な元コイルを
1コイル選択し、選択した元コイルのパーツ構成及び組
合せ条件を考慮して、該コイルと組合せて製品コイルが
作成できる、パーツ構成の単純な元コイルを組合せ対象
として選び、パーツ単位で分割と接続溶接を繰り返し
て、溶接点数、最短溶接点間隔、コイル長を含む注文条
件を満足する製品コイルを作成すれば、前記目的を達成
できることが判明した。
【0032】なお、本発明によるコイル巻き直し組合せ
を、1つの組合せに限定せず、製品コイルを1コイル作
成後、同様に次の組合せ対象を選択し、以下、これを繰
り返すことによって、多くの組合せコイルに対して適切
なコイル巻き直し組合せを行うことができる。
【0033】又、元コイル1本で指定製品コイルが採取
でき、且つ溶接点数が許容範囲内にある元コイルは、組
合せ対象外とすることによって、組合せを単純化するこ
とができる。
【0034】又、前記組合せ対象となる複雑な元コイル
として、溶接点数が多く、品質等級区分構成が複雑で、
パーツ長が短いコイルを選択することによって、組合せ
対象を的確に選択することができる。
【0035】又、前記条件を満足する元コイルであって
も、図4に示す如く、指定製品コイル長Lmin 〜Lmax
より長い単パーツ(長さl >Lmin )を含む元コイル
は、前記複雑な元コイルとして選択しないことによっ
て、組合せる相手となるコイルが選択できず、組合せ終
了してしまうという不具合を防止することができる。
【0036】又、図5に示す如く、組合せ対象となる元
コイルの先端部に長さの短いパーツAがある場合は、自
コイル内の他のパーツB、Cも含めて組合せ対象を選択
することによって、相手となるコイルが選択できず、組
合せ終了してしまうという不具合を防止することができ
る。
【0037】又、図6に示す如く、通常は、製品一級コ
イルの外径を揃えるため、製品コイル目標長を常に指定
コイル長範囲Lmin 〜Lmax の中間点(図では(Lmin
+Lmax )/2=1350m )としていることが、歩留
り低下の原因となっているので、製品コイルの目標長さ
を、指定コイル長範囲の中間点に近く、且つ、製品コイ
ルが整数個(図では2個)採取できる長さ(図では12
50m )とすることによって、歩留りを向上することが
できる。
【0038】
【実施例】以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳
細に説明する。
【0039】本実施例のシステム構成は、図7に示す如
くである。
【0040】このシステムにおいて、生産管理用のオン
ラインコンピュータ(O/C)30からの巻き直し組合
せ命令が、プロセスコンピュータ(P/C)32で受信
され、該プロセスコンピュータ32のエキスパートシス
テムで組合せが実行された後、その結果を、再度オンラ
インコンピュータ30に送信するようにされている。オ
ンラインコンピュータ30は、組合せ結果を基に、コイ
ル単位で巻き直し設備への搬送命令及び操業命令を作成
する。即ち、プロセスコンピュータ32は、巻き直し組
合せに関しては、オンラインコンピュータ30の組合せ
エキスパート専用マシンとして機能する。
【0041】巻き直し組合せのオンラインコンピュータ
30とプロセスコンピュータ32の機能分担は、次の通
りである。
【0042】オンラインコンピュータ (1)スリッタ14(図1参照)の出側にスリットコイ
ル16が発生する度に、それまでのスリットコイルも含
めた1オーダ全ての一級品総重量を算出する。一級品総
重量が受注一級品重量範囲になったタイミングで、コイ
ルの品質等級区分情報に基づいて組合せコイルを選択
し、巻き直し組合せ命令をプロセスコンピュータ32に
送信する。基本的に巻き直し対象コイルは、欠陥が存在
したり、他の部分と異なる磁気特性等を有するコイルで
ある。 (2)組合せ結果をプロセスコンピュータ32から受信
し、コイル単位で巻き直し設備20(図2参照)への搬
送命令及び操業命令を作成する。組合せの結果、製品コ
イル一級品総重量が受注一級品重量範囲に到達しない場
合は、追加スリット実施後、再度コイルを選択して、組
合せをプロセスコンピュータ32に実行させる。
【0043】プロセスコンピュータ (1)オンラインコンピュータ30からの巻き直し組合
せ命令に基づき、エキスパートシステムでコイルの組合
せの多くない、結果をオンラインコンピュータ30に送
信する。 (2)組合せ結果を例えばディスプレイに表示して、受
注一級品重量範囲に到達するために必要なスリットコイ
ル量を、スリッタライン12の運転者に指示する。
【0044】前記プロセスコンピュータ32で用いられ
ているエキスパートシステムは、図8に示すように、基
本知識を取得した後、プロトタイプモデルをワークステ
ーション上に構築し、実際に組合せ問題をプロトタイプ
モデルで解くことにより、知識の検証・追加を行って、
作成した。即ち、プロトタイピングアプローチでシステ
ムの構築を行った。
【0045】前記プロセスコンピュータ32内のエキス
パートシステムで用いられている組合せの知識は以下の
通りである。 (1)品質等級区分構成の複雑なコイル1つに対して単
純なコイルを2〜3個組合せて製品コイルを2〜3コイ
ル採取し、1つの組合せを完結させる。これは、組合せ
対象コイル数によらない原則である。即ち、深い連鎖的
な組合せは行わず、探索空間を狭めて組合せを容易にす
る。 (2)組合せは、パーツ単位で行うことを基本とする。
パーツを切断して他のパーツと接続することは、積極的
には行わない。これは、作業能率を向上させるためであ
るが、極力組合せを単純にするためでもある。 (3)他のコイルと組合せることなく、欠陥等を除去す
るのみで製品となるコイルは、組合せ対象外とする。こ
れは、探索空間を小さくして組合せを容易にするためで
ある。
【0046】前記巻き直し組合せエキスパートシステム
は、オンラインコンピュータ30のエキスパート専用マ
シンとして動作する。
【0047】従って、処理フローは単純であり、図9に
示す如く、主機能からエキスパートシェルに対して推論
実行の指示を与えることで組合せ指示を行い、推論動作
完了で組合せ結果をオンラインコンピュータ30に送信
する。なお、推論方式は、前向き推論である。
【0048】図9において、推論機構は、知識ベースで
与えられた「もし・・・ならば・・・」のルール群の条
件を調べ、その結果が成立するルールだけについて実行
部に指示された処理を行う。
【0049】ルールは、「もし・・・ならば・・・であ
る」という形式の規則的知識を表現するものである。
【0050】フレームは、データを記憶する等の知識表
現に用いる。
【0051】メタルールは、規則型知識である小ルール
群の実行順序等を管理する。
【0052】具体的なエキスパートシステムの内部処理
方法とフレーム構成を図10及び図11に示す。これか
らわかる通り、組合せコイルの情報はフレームの知識と
して、又、組合せ方法はルールの知識として表現してい
る。
【0053】図10において、事前準備ルールでは、エ
キスパートシステム側に組合せコイル情報を取り込む。
【0054】次いで、操業条件認識ルールで、仕掛り中
のコイルから単純コイル選択等の決定を行う。
【0055】次いで、組合せ候補決定ルールで、注文条
件(コイル長)から組合せの一次候補を選択する。
【0056】次いで、組合せコイル決定ルールで、長さ
条件を満足するコイルの中から、最適なコイルを1つ選
択する。
【0057】最適なコイルを選択できた場合には、諸デ
ータ計算ルールで、未生産重量等を更新すると同時に搬
送順等も決定する。
【0058】次いで、組合せ終了判定ルールで、受注重
量と未生産重量をチェックする。
【0059】一方、組合せるコイルが選択できなかった
場合には、諸データ計算ルールで、受注重量未達成の結
果を出力する。
【0060】エキスパートシステムの推論方法は、次の
通りである。 (1)図12に示す如く、組合せペアとなるコイルを決
定するために、極力品質等級区分構成の複雑なコイルA
を1コイル選択する。 (2)選択したコイルAの品質等級区分構成及び組合せ
条件を考慮して、このコイルAと組合せて製品コイルが
作成できる単純なコイルDを組合せのペアとして選ぶ。 (3)製品コイルを1コイル作成後、同様に次のペアコ
イルYを選択する。以下これを繰り返す。
【0061】以上より、コイル巻き直し組合せは、一種
の探索問題であることがわかる。
【0062】探索問題の代表的解法としては、縦型探索
法及び横型探索法があるが、コイル数がある数以上の場
合には組合せ爆発を起こし、実用的な時間では解が得ら
れない。そこで、本エキスパートシステムでは、最適解
ではなく満足解を得る方針とし、熟練オペレータの発見
的な解法をシステム化した。従って、推論動作も、図1
2に示した如く、組合せコイルを後戻りしないで探索す
る前向き推論とし、処理時間を短縮した実用的なシステ
ムとした。
【0063】巻き直し設備における操業条件は、例えば
次のように設定することができる。
【0064】ペイオフリールの使用方法作業能率の向上
のため、以下の方法をとる。 ペイオフリールに装入したコイルは、基本的に他のコ
イルと組合せてテンションリールに巻き取る。組合せ途
中でペイオフリールから抜き取らない。 最内巻の不合格品は、テンションリールに巻き取らず
ペイオフリールから抜き取りスクラップ処理する。 最外巻に不合格品があり、他は一級品であるコイル
は、最外巻の不合格品を除去した後ペイオフリールから
抜き取り製品とする。
【0065】テンションリールの使用方法 一級品は、他の一級品と溶接しつつ第2テンションリ
ールに巻き取る。 二級品は、他の二級品と溶接しつつ第1テンションリ
ールに巻き取る。 不合格品は、空いたテンションリールに巻き取る。よ
って、不合格品をテンションリールに巻き取る場合は、
必ずどちらかのテンションリールが空いていることが必
要である。
【0066】テンションリールからのコイル抜き取り条
件 一級品は、コイル長が注文で許容された範囲内であ
る。 二級品は、コイル長が操業上許容された範囲内であ
る。あるいは、溶接点数が上限値である。 不合格品は、テンションリールに巻き取る度に抜き取
る。即ち、他の不合格品と溶接せずスクラップ処理す
る。
【0067】又、注文条件は、例えば次のように設定さ
れる。
【0068】受注一級品重量 受注一級品重量には上限値・下限値が存在する。コイル
組合せによる製品コイルの総重量が、この上限値と下限
値内に入るようにする。
【0069】コイル長 製品コイル長に上限値と下限値が存在する。
【0070】溶接点数 製品コイル内の溶接点数に上限値が存在する。
【0071】パーツ長(溶接点間隔) 製品コイル内のパーツ長に下限値が存在する。
【0072】本実施例における巻き直し組合せは、スリ
ットコイルの一級品総重量が受注一級品重量範囲になっ
たタイミングで行う。スリットコイルのうち、欠陥が存
在するコイルの組合せを実際に行い、組合せ結果の歩留
りから受注一級品重量範囲に到達するために必要な追加
スリットコイル量を算出し、スリッタラインの運転者に
必要な指示を与える。追加スリットを行った後は、再度
組合せを行う。製品コイル一級品総重量が受注一級品重
量範囲に到達するまでこれを繰り返す。従って、スリッ
タラインにおける過剰スリットが防止される。
【0073】エキスパートシステムをコイル巻き直し組
合せに適用した結果、従来、オペレータが経験で行って
いた複雑なコイル組合せを自動化できた。主な適用結果
は以下の通りである。 (1)組合せ能力 A〜Pの16コイルについてのエキスパートシステムに
よる自動巻き直し組合せ結果を図13に示す。
【0074】図13において、例えば元コイルAのパー
ツ番号1、2と元コイルKのパーツ番号26が組合され
て、製品コイルが得られている。
【0075】又、同じ組合せ問題をオペレータが実施し
た従来例による結果との比較を図14に示す。エキスパ
ートシステムによる組合せの方が歩留りが良く、しか
も、ペイオフリール及びテンションリールからのコイル
の抜き取り回数も少ないことがわかる。接続溶接回数と
分割回数は、エキスパートシステムの方が多いが、これ
は、オペレータが品質等級区分構成の複雑な部分を品質
等級変更して、まとめて処理しているためであり、全体
としてはエキスパートシステムの方がレベルの高い組合
せを行っている。
【0076】又、他の組合せを28ケース行った結果を
図15に示す。15ケースの組合せで歩留り100%を
達成している。又、平均歩留りは97.2%であり、最
低歩留りも90%を実現した。歩留り100%を達成で
きなかった組合せも、そのほとんどは専門家でも完全に
組合せできなかったケースであるから、エキスパートシ
ステムによる自動組合せは成功していると判断できる。
【0077】なお、前記実施例においては、払出しリー
ル及び巻き取りリールの数がそれぞれ2つとされ、元コ
イルのランクが3つとされていたが、リール数やランク
数は、これに限定されない。
【0078】又、適用対象も、スリッタラインを備えた
鋼板精整ラインに限定されない。
【0079】更に、品質等級区分も欠陥の有無に限定さ
れず、磁気特性等、他の品質要因で区分される場合に
も、同様に適用できる。
【0080】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、従
来オペレータが経験で処理していた複雑なコイル組合せ
問題を自動化できると共に、巻き直し設備における歩留
りが向上できるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、鋼板精整ラインのコイル処理方法を示
す工程図である。
【図2】図2は、コイル巻き直し設備のレイアウトと具
体的なコイル組合せ方法の例を示す線図である。
【図3】図3は、コイル巻き直し組合せの機能を示す線
図である。
【図4】図4は、本発明によるルールの1つを説明する
ための線図である。
【図5】図5は、本発明によるルールの他の1つを説明
するための線図である。
【図6】図6は、本発明によるルールの更に他の1つを
説明するための線図である。
【図7】図7は、本発明によるコイル巻き直し組合せの
情報の流れを示す線図である。
【図8】図8は、本発明を実施するための、プロトタイ
ピングアプローチによるコイル巻き直し組合せエキスパ
ートシステムの開発方法を示す流れ図である。
【図9】図9は、前記エキスパートシステムの構成を示
す線図である。
【図10】図10は、具体的なエキスパートシステムの
内部処理方法を示す線図である。
【図11】図11は、同じくフレーム構成を示す線図で
ある。
【図12】図12は、同じく推論動作例を示す線図であ
る。
【図13】図13は、本発明による自動巻き直し組合せ
結果の例を示す線図である。
【図14】図14は、本発明による自動巻き直し組合せ
結果の例と、同じ組合せ問題をオペレータが実施した従
来例の結果を比較して示す図表である。
【図15】図15は、本発明による組合せを28例につ
いて行った時の一級品歩留り割合を示すグラフである。
【符号の説明】
10…鋼板、 12…スリッタライン、 14…スリッタ、 16…スリットコイル、 20…コイル巻き直し設備、 22−1、22−2…ペイオフリール(POR)、 24−1、24−2…テンションリール(TR)、 26…シャー、 28…溶接機、 30…生産管理用オンラインコンピュータ(O/C)、 32…プロセスコンピュータ(P/C)。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B21C 47/02

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】異なる品質等級区分から成る元コイルを、
    操業条件や注文条件を考慮しつつ複数組合せて、所定の
    品質等級を満足する製品コイルを作成するに際して、 元コイル毎に、コイル内を品質等級区分毎のパーツに分
    類し、 組合せ対象となる元コイルを決定するため、パーツ構成
    の複雑な元コイルを1コイル選択し、 選択した元コイルのパーツ構成及び組合せ条件を考慮し
    て、該コイルと組合せて製品コイルが作成できる、パー
    ツ構成の単純な元コイルを組合せ対象として選び、 パーツ単位で分割と接続溶接を繰り返して、溶接点数、
    最短溶接点間隔、コイル長を含む注文条件を満足する製
    品コイルを作成することを特徴とする精整ラインのコイ
    ル巻き直し組合せ処理方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記製品コイルを1コ
    イル作成後、同様に次の組合せ対象を選択し、以下、こ
    れを繰り返すことを特徴とする精整ラインのコイル巻き
    直し組合せ処理方法。
  3. 【請求項3】請求項1において、前記元コイル1本で指
    定製品コイルが採取でき、且つ、溶接点数が許容範囲内
    にある元コイルは、組合せ対象外とすることを特徴とす
    る精整ラインのコイル巻き直し組合せ処理方法。
  4. 【請求項4】請求項1において、前記組合せ対象となる
    複雑な元コイルとして、溶接点数が多く、品質等級区分
    構成が複雑で、パーツ長が短いコイルを選択することを
    特徴とする精整ラインのコイル巻き直し組合せ処理方
    法。
  5. 【請求項5】請求項4において、前記条件を満足する元
    コイルであっても、指定製品コイル長より長い単パーツ
    を含む元コイルは、前記複雑な元コイルとして選択しな
    いことを特徴とする精整ラインのコイル巻き直し組合せ
    処理方法。
  6. 【請求項6】請求項1において、前記組合せ対象となる
    元コイルの先端部に長さの短いパーツがある場合は、自
    コイル内の他のパーツも含めて組合せ対象を選択するこ
    とを特徴とする精整ラインのコイル巻き直し組合せ処理
    方法。
  7. 【請求項7】請求項1において、前記製品コイルの目標
    長さを、指定コイル長範囲の中間点に近く、且つ、製品
    コイルが整数個採取できる長さとすることを特徴とする
    精整ラインのコイル巻き直し組合せ処理方法。
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