JP4147862B2 - ステアリング用コラプスシャフト - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のステアリング装置に組み込まれ、ステアリングホイールの動きをステアリングギヤに伝達すると共に、衝突事故の際に全長を縮めてステアリングホイールにぶつかった運転者を保護するステアリング用コラプスシャフトに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の自動車の操舵機構部であるステアリングコラムにおいて、ステアリングコラムは、中間シャフト部のコラプスシャフトとメインシャフト部のコラプスシャフトとを有している。中間シャフト部のコラプスシャフトは雄軸と雌軸とをセレーション又はスプライン嵌合している。
【0003】
中間シャフト部のコラプスシャフトには、自動車が衝突した場合に、一次衝突時の軸方向の変位を吸収してステアリングホイールを運転者の方向に突き出させないようにする機能が要求されている。また、メインシャフト部のコラプスシャフトもセレーション又はスプライン嵌合したものであるが、メインシャフト部のコラプスシャフトには、自動車が衝突した場合の二次衝突時の衝撃を吸収して運転者を保護する機能が要求されている。
【0004】
このようなコラプスシャフトの従来の構造としては、実開平1−58373号公報や特開平10−147245号公報、特開平11−311256号公報、特開平2000−9148号公報等が知られている。
【0005】
これらの構造の中間シャフト部のコラプスシャフトにおいて、雄軸の歯面全体には固体潤滑皮膜が形成されている。図21に示すように、雄軸2に固体潤滑皮膜4を形成した場合、雄軸2が雌軸3にスプライン嵌合した際、皮膜面4X,4Y,4Zが雌軸3の歯面3X,3Y,3Zにそれぞれ当接又は対向する。雌軸3側に固体潤滑皮膜4を形成した場合は、雄軸2が雌軸3にスプライン嵌合した際、図22に示すように、皮膜面4X,4Y,4Zが雄軸2の歯面2X,2Y,2Zにそれぞれ当接する。尚、図21、図22は分かり易いように、雄軸2と雌軸3を離した形で表現している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の上記ステアリング用コラプスシャフトの構造では、図23に示すように、雄軸2が雌軸3にスプライン嵌合した際、大径(及び小径)部分6にはスキマが存在し、雄軸2の歯面上に形成されている固体潤滑皮膜4の歯側面部5の前面が嵌合する。このため、前記嵌合面でのしめ代が大きいとコラプス荷重は過大となり、しめ代が少ないと求めるコラプス荷重より低くなるといった、荷重のバラツキが発生してしまう。
【0007】
また、コラプス時の荷重が1000Nを越えるものに対しては有効な構造であるが、近年、衝突時の安全性能向上の要求が高まり、コラプス荷重を低く抑えることが必要となってきている。具体的には、中間シャフト部に使用されるコラプスシャフト1Aは200〜500Nのコラプス荷重、メインシャフト部に使用されるコラプスシャフト1Bは500〜2000N程度のコラプス荷重がそれぞれ要求されている。衝突モードとしては、一次衝突時に中間シャフト部がコラプスし、その後、二次衝突時にメインシャフト部がコラプスするというモードが要求されるため、中間シャフト部のコラプス荷重の方をメインシャフト部より低く設定しておく必要がある。
【0008】
このように、コラプス荷重を低くした場合には、回転方向のガタが発生し易くなるという問題点があった。このため、コラプス荷重の製造規格レンジは従来構造と比較して狭くなってきており、高度な寸法精度が必要とされたり、慣らし摺動工程が必要となる等、製造が容易でないという問題点もあった。
【0009】
本発明は、上述した従来例の有する不都合を改善し、コラプス荷重を低く設定しても、コラプス荷重のバラツキや回転方向のガタの発生を防止することができ、しかも製造が容易で低コストなステアリング用コラプスシャフトを提供することを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために、本発明では、スプライン嵌合される雄軸と雌軸のうち、前記雄軸のスプライン部に固体潤滑皮膜が形成されたステアリング用コラプスシャフトにおいて、
前記雄軸のスプライン部の歯の片側又は両側の側は、歯丈方向で中央部に凹部が設けられ、該側面に形成された前記固体潤滑皮膜には歯丈方向で中央部に凹形状部が設けられ、前記雄軸と雌軸とがスプライン嵌合した際、該側面の前記固体潤滑皮膜は、前記凹形状部以外の部分が該側面に対向する前記雌軸のスプライン部の歯の側面に当接するようにしていることを特徴としている。
また、上記ステアリング用コラプスシャフトにおいて、前記雄軸の前記スプライン部には、軸方向において歯面、又は固体潤滑皮膜が形成されていない部分が設けられていることを特徴としている。
【0011】
以上のように、固体潤滑皮膜がスプライン部に形成されており、雄軸と雌軸が嵌合した際に、スプライン部の歯面と固体潤滑皮膜が部分的に当接するため、雄軸と雌軸間の相対的摩擦抵抗力が全体としてより小さくなり、安定してコラプス荷重を低く抑えられると共に、雄軸と雌軸との隙間がなくなり、コラプス荷重のバラツキや回転方向にガタが生じるのが防止される。
また、スプライン部の軸方向には歯面又は固体潤滑皮膜が形成されていない部分が設けられているため、安定した低いコラプス荷重が可能なコラプスシャフトを、従来のような高い寸法精度を必要とすることなく容易に低コストで製造することが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図16は、本発明の実施形態又は参考形態のいずれかのコラプスシャフトを採用している自動車の操舵機構部であるステアリングコラムを示しており、図17は図16中のコラプスシャフトを示す側面図、図18は図17のA−A断面図、図19は本発明の実施形態及び第1の参考形態における雄軸の断面図、図20は本発明の第2の参考形態における雌軸の断面図である。
図1は本発明の第1の参考形態の第1例の要部を示しており、図18に示すコラプスシャフトの部分拡大断面図、図2は第1の参考形態の第2例を示すコラプスシャフトの部分拡大断面図、図3〜図5(A)、(B)は第1の参考形態の第3例〜第5例を示す雄軸の部分拡大断面図、図5(C)は本発明の実施形態に係る雄軸の部分拡大断面図、図6、図7は第1の参考形態の第例〜第7例を示す雄軸の部分拡大断面図、図8〜図12は本発明の第2の参考形態の第1例〜第5例を示す雌軸の部分断面図、図13は本発明の第3の参考形態を示す雄軸の側面図、図14は図13のB−B断面を示す図、図15は本発明の第4及び第5の参考形態を示す雄軸の側面図である。
【0013】
図16において、ステアリングコラム1は、中間シャフト部のコラプスシャフト1Aとメインシャフト部のコラプスシャフト1Bとを有している。中間シャフト部のコラプスシャフト1Aは雄軸2とメス軸3とをセレーション又はスプライン嵌合したものである。
このような中間シャフト部のコラプスシャフト1Aには、自動車が衝突した場合に、一次衝突時の軸方向の変位を吸収してステアリングホイール10を運転者の方向に突き出させないようにする機能が要求されている。また、メインシャフト部のコラプスシャフト1Bもセレーション又はスプライン嵌合したものであるが、このようなコラプスシャフト1Bには、自動車が衝突した場合の二次衝突時の衝撃を吸収して運転者を保護する機能が要求されている。
図16に示す上記中間シャフト部のコラプスシャフト1Aにおいて、雄軸2が雌軸3にスプライン嵌合している。図19に示すように、雄軸2の歯面全体に固体潤滑皮膜4を形成した本発明の実施形態及び第1の参考形態について図1〜図7を参照してさらに詳細に説明する。
本発明の第1の参考形態の第1例を示す図1において、雄軸2には低摩擦係数を有して弾性に優れた固体潤滑皮膜4が形成されており、固体潤滑皮膜4には部分的に膜厚が厚い膜厚部4aが形成されている。この断面図において、膜厚部4aの長さL1と歯側面全体の長さL2との関係は、L1<L2となるように設定する。固体潤滑皮膜4の膜厚は20〜60μmが好ましく、膜圧の薄い部分と膜厚部4aの差は5〜20μmが好ましい。
【0014】
固体潤滑皮膜4は、以下に示す例でも同様であるが、PTFE(poly−tetrafluoru−ethylene:四フッ化エチレン)又は二硫化モリブデンの粒子を溶媒に配合させたもので形成する。雄軸2が雌軸3に嵌合した際に、この膜厚部4aが雌軸3に強く当接する。
【0015】
第2例について図2を参照して説明する。同図において、雄軸2に固体潤滑皮膜4が形成されており、雄軸2には歯側面に微小な突起部2aが形成されている。雄軸2には固体潤滑皮膜4の膜圧が均等に皮膜されているため、固体潤滑皮膜4が突起部2aの出っ張りに追従して突出部4aになっている。突出部4aの長さL1と歯側面全体の長さL2との関係は、L1<L2となるように設定する。固体潤滑皮膜4の膜厚は20〜60μmが好ましく、膜圧の薄い部分と突出部4aの差は5〜20μmが好ましい。雄軸2が雌軸3に嵌合した際に、この突出部4aが雌軸3に強く当接する。
【0016】
第3例を図3から説明する。図3において、雄軸2に固体潤滑皮膜4が形成されている。図3(A)においては、雄軸2の歯の大径部に円弧状の突起2bが設けられ、これにより皮膜部4bが円弧状に突出している。この場合、皮膜部4bが雌軸2の大径面3y(図21参照)に強く当接する。
【0017】
図3(B)においては、雄軸2の図3(A)の形状に加えて、歯側面に同じく円弧状の突起2cが設けられ、これにより皮膜部4cが円弧状に突出している。この場合、皮膜部4cも雌軸2の歯側面3z(図21参照)に強く当接する。尚、雄軸2の突起2cは歯側面の片面にのみ設けても良い。
【0018】
図3(C)においては、雄軸2の歯側面のみに円弧状の突起2cが設けられ、これにより皮膜部4cが円弧状に突出している。この場合、皮膜部4cが雌軸2の歯側面3z(図21参照)に強く当接する。尚、雄軸2の突起2cは歯側面の片面にのみ形成しても良い。
【0019】
第4例を図4から説明する。図4において、雄軸2に固体潤滑皮膜4が形成されている。図4(A)においては、雄軸2の歯の大径部に台形状の突起部2dが設けられ、これにより皮膜部4dが台形状に突出している。この場合、皮膜部4dが雌軸2の大径面3y(図21参照)に強く当接する。
【0020】
図4(B)においては、雄軸2の図4(A)の形状に加えて、歯側面に同じく台形状の突起部2aが設けられ、これにより皮膜部(突出部)4aが台形状に突出している。この場合、皮膜部4aも雌軸2の歯側面3z(図21参照)に強く当接する。尚、雄軸2の突起部2aは歯側面の片面にのみ設けても良い。
【0021】
図4(C)においては、雄軸2の歯側面のみに台形状の突起部2aが設けられ、これにより皮膜部4aが台形状に突出している。この場合、皮膜部4aが雌軸2の歯側面3z(図21参照)に強く当接する。尚、雄軸2の突起部2aは歯側面の片面にのみ形成しても良い。
【0022】
第5例及び本発明の実施形態を図5から説明する。図5において、雄軸2に固体潤滑皮膜4が形成されている。図5(A)においては、雄軸2の歯の大径部に凹部2eが設けられ、これにより皮膜部4eが凹形状になっている。この場合、皮膜部4e以外の部分が雌軸2の大径面3yに強く当接する。
【0023】
図5(B)においては、雄軸2の図5(A)の形状に加えて、歯側面に同じく凹部2gが設けられ、これにより皮膜部4gが凹形状になっている。この場合、皮膜部4g以外の部分も雌軸2の歯側面3zに強く当接する。尚、雄軸2の凹部2gは歯側面の片面にのみ設けても良い。
【0024】
本発明の実施形態を示す図5(C)においては、雄軸2の歯側面のみに凹部2gが設けられ、これにより皮膜部4gが凹形状になっている。この場合、皮膜部4g以外の部分が雌軸2の歯側面3zに強く当接する。尚、雄軸2の凹部2gは歯側面の片面にのみ形成しても良い。
【0025】
第6例を図6から説明する。図6において、雄軸2に固体潤滑皮膜4が形成されている。図6(A)においては、雄軸2の歯の大径部の固体潤滑皮膜4に台形状に突出する突出部(皮膜部)4dが設けられている。この場合、突出部4dが雌軸2の大径面3yに強く当接する。
【0026】
図6(B)においては、固体潤滑皮膜4の図6(A)の形状に加えて、歯側面側に同じく台形状の突出部4aが設けられている。この場合、突出部4aも雌軸2の歯側面3zに強く当接する。尚、突出部4aは歯側面の片面側にのみ設けても良い。
【0027】
図6(C)においては、固体潤滑皮膜4の歯側面側のみに台形状の突出部4aが設けられている。この場合、突出部4aが雌軸2の歯側面3zに強く当接する。尚、突出部4aは歯側面の片面側にのみ設けても良い。
【0028】
第7例を図7から説明する。図7において、雄軸2に固体潤滑皮膜4が形成されている。図7(A)においては、雄軸2の歯の大径部の固体潤滑皮膜4に凹部4eが設けられている。この場合、固体潤滑皮膜4の凹部4e以外の部分が雌軸2の大径面3yに強く当接する。
【0029】
図7(B)においては、固体潤滑皮膜4の図7(A)の形状に加えて、歯側面側に同じく凹部4gが設けられている。この場合、凹部4g以外の部分も雌軸2の歯側面3zに強く当接する。尚、固体潤滑皮膜4の凹部4gは歯側面の片面側にのみ設けても良い。
【0030】
図7(C)においては、固体潤滑皮膜4の歯側面側のみに凹部4gが設けられている。この場合、凹部4g以外の部分が雌軸2の歯側面2zに強く当接する。尚、固体潤滑皮膜4の凹部4gは歯側面の片面側にのみ設けても良い。
【0031】
本発明の第2の参考形態を示す図20において雌軸3の歯面全体にわたり固体潤滑皮膜4が形成されている。
第2参考形態の第1例を図8から説明する。図8(A)においては、雌軸3の大径部に円弧状の凹部3kが設けられ、これにより皮膜部4kが凹形状となっている。この場合、固体潤滑皮膜4の皮膜部4k以外の部分が雄軸2の大径面2y(図22参照)に強く当接する。
【0032】
図8(B)においては、雌軸3の図8(A)の形状に加えて、歯側面に同じく円弧状の凹部3pが設けられ、これにより皮膜部4pが凹形状となっている。この場合、皮膜部4p以外の部分も雄軸2の歯側面2z(図22参照)に強く当接する。尚、雌軸3の凹部3pは歯側面の片面にのみ設けても良い。
【0033】
図8(C)においては、雄軸2の歯側面のみに円弧状の凹部3pが設けられ、これにより皮膜部4pが凹形状となっている。この場合、皮膜部4p以外の部分が雄軸2の歯側面2z(図22参照)に強く当接する。尚、雌軸3の凹部3pは歯側面の片面にのみ形成しても良い。
【0034】
第2参考形態の第2例を図9から説明する。図9において、雌軸3に固体潤滑皮膜4が形成されている。図9(A)においては、雌軸3の大径部に台形状の突起3qが設けられ、これにより皮膜部4qが台形状に突出している。この場合、皮膜部4qが雄軸2の大径面2y(図22参照)に強く当接する。
【0035】
図9(B)においては、雌軸3の図9(A)の形状に加えて、歯側面に同じく台形状の突起部3rが設けられ、これにより皮膜部4rが台形状に突出している。この場合、皮膜部4rも雄軸2の歯側面2z(図22参照)に強く当接する。尚、雌軸3の突起部3rは歯側面の片面側にのみ設けても良い。
【0036】
図9(C)においては、雌軸3の歯側面のみに台形状の突起部3rが設けられ、これにより皮膜部4rが台形状に突出している。この場合、皮膜部4rが雄軸2の歯側面2z(図22参照)に強く当接する。尚、雌軸3の突起部3rは歯側面の片面のみに形成しても良い。
【0037】
第2参考形態の第3例を図10から説明する。図10において、雌軸3に固体潤滑皮膜4が形成されている。図10(A)においては、雌軸3の大径部に凹部3sが設けられ、これにより皮膜部4sが凹形状になっている。この場合、皮膜部4s以外の部分が雄軸2の大径面2yに強く当接する。
【0038】
図10(B)においては、雌軸3の図10(A)の形状に加えて、歯側面に同じく凹部3tが設けられ、これにより皮膜部4tが凹形状になっている。この場合、皮膜部4t以外の部分も雄軸2の歯側面2zに強く当接する。尚、雌軸3の凹部2tは歯側面の片面のみに設けても良い。
【0039】
図10(C)においては、雌軸3の歯側面のみに凹部3tが設けられ、これにより皮膜部4tが凹形状になっている。この場合、皮膜部4t以外の部分が雄軸2の歯側面2zに強く当接する。尚、雄軸2の凹部3tは歯側面の片面のみに形成しても良い。
【0040】
第2参考形態の第4例を図11から説明する。図11において、雌軸3に固体潤滑皮膜4が形成されている。図11(A)においては、雌軸3の大径部の固体潤滑皮膜4に台形状に突出する突出部(皮膜部)4qが設けられている。この場合、突出部4qが雄軸2の大径面2yに強く当接する。
【0041】
図11(B)においては、固体潤滑皮膜4の図11(A)の形状に加えて、歯側面側に同じく台形状の突出部4rが設けられている。この場合、突出部4rも雄軸2の歯側面2zに強く当接する。尚、突出部4rは歯側面の片面側にのみ設けても良い。
【0042】
図11(C)においては、固体潤滑皮膜4の歯側面側のみに台形状の突出部4rが設けられている。この場合、突出部4rが雄軸2の歯側面2zに強く当接する。尚、突出部4rは歯側面の片面側にのみ設けても良い。
【0043】
第2参考形態の第5例を図12から説明する。これは、図21に示すように、雄軸2に形成された固体潤滑皮膜4に凹凸がない場合の実施例である。図12(A)においては、雌軸3の大径部に台形状の突起部3qが設けられている。この場合、突起部3qが雄軸2の固体潤滑皮膜4に強く当接する。
【0044】
図12(B)においては、雌軸3の図12(A)の形状に加えて、歯側面側に同じく台形状の突起部3rが設けられている。この場合、突起部3rも雄軸2の固体潤滑皮膜4に強く当接する。尚、雌軸3の突起部3rは歯側面の片面側のみに設けても良い。
【0045】
図12(C)においては、雌軸3の歯側面のみに台形状の突起部3rが設けられている。この場合、突起部3rが雄軸2の固体潤滑皮膜4に強く当接する。尚、雌軸3の突起部3rは歯側面の片面のみに形成しても良い。
【0046】
上述した実施形態および第1第2の参考形態の各例で示したように、雌軸3に雄軸2が嵌合した際、少なくとも一方のスプライン部の歯面又は固体潤滑皮膜4は、歯面とこの固体潤滑皮膜4とが部分的に当接する、特に、この部分で強く当接するような形状を有しており、雌軸3と雄軸2間の相対摩擦抵抗力が全体としてより小さくなるので、安定してコラプス荷重を低く抑えることができる。また、雄軸2と雌軸3との隙間がなくなるので、コラプス荷重のバラツキや回転方向にガタが生じるのを防止することができる。
【0047】
尚、上記実施形態および第1第2の参考形態で示した固体潤滑皮膜4の凹凸部は、雄軸2又は雌軸3の少なくとも1つの歯に形成されていれば良い。
また、固体潤滑皮膜4の凹凸は、均一に皮膜処理をした後、シェービング型に通して余分な皮膜を削り落としたり、あるいは型に通して変形させて形成しても良い。
【0048】
次に、本発明の第3の参考形態について図13を参照して説明する。図13において、雄軸2のスプライン部には、歯面を形成していない無歯部分7が設けられている。図14にも示すように、スプライン部には均一に固体潤滑皮膜4が形成されている。
この構成において、雄軸2と雌軸3の歯面は全面略均一に接触する。コラプス荷重の調整を行う際には、歯面の形成されていない無歯部分7の軸方向長さを変化させることにより、必要なコラプス荷重を得るようにする。
【0049】
本発明の第4の参考形態について図15を参照して説明する。図15において、雄軸2のスプライン部には2種類の膜厚を持った固体潤滑皮膜4が形成されている。この固体潤滑皮膜4は膜厚の厚い領域8と薄い領域9とから成っている。この構成において、コラプス荷重の調整を行う際には、膜厚の厚い領域8と薄い領域9の軸方向長さを調整することにより、必要なコラプス荷重を得るようにする。
【0050】
本発明の第5の参考形態について図15を参照して説明する。この第5の参考形態は上記第4の参考形態と略同様の構成であるため、第4の参考形態と同一の図を用いて説明する。雄軸2のスプライン部には、その外周上、軸方向に少なくとも2個所に固体潤滑皮膜4が形成された領域8が設けられている。したがって、このスプライン部には固体潤滑皮膜4が形成されていない領域9が存在している。
この構成において、コラプス荷重の調整を行う際には、固体潤滑皮膜4が形成された領域8と形成されていない領域9の軸方向長さを調整することにより、必要なコラプス荷重を得るようにする。
【0051】
上記第3〜第5の参考形態のように、雄軸2と雌軸3の少なくとも一方のスプライン部には、軸方向において歯面又は固体潤滑皮膜4が形成されていない部分を部分的に設けているので、雄軸2と雌軸3の相対摩擦抵抗力がより小さくなり、安定した低いコラプス荷重を実現することができる。それと共に、従来のような高度の寸法精度を必要とすることなく、低コストで製造することができる。
また、この構成に実施形態及び第1の参考形態の構成を適宜加えるなら、低コラプス荷重で、回転方向のガタのない、製造の容易なコラプスシャフトを実現することができる。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、雄軸と雌軸が、その少なくとも一方のスプライン部の歯面と固体潤滑皮膜が部分的に当接して嵌合しているので、安定してコラプス荷重を低く抑えることができると共に、雄軸と雌軸との隙間がなくなり、コラプス荷重のバラツキや回転方向にガタが生じるのを防止することができる。
さらに、雄軸と雌軸の少なくとも一方のスプライン部に、軸方向において歯面又は固体潤滑皮膜が形成されていない部分を設けた構成を加えるなら、安定した低いコラプス荷重を実現することができて、回転方向のガタのないコラプスシャフトを、従来のような高度の寸法精度を必要とすることなく、低コストで製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の参考形態の第1例の要部を示すコラプスシャフトの部分拡大断面図。
【図2】第1の参考形態の第2例の要部を示すコラプスシャフトの部分拡大断面図。
【図3】第1の参考形態の第3例の要部を示す雄軸の部分拡大断面図。
【図4】第1の参考形態の第4例の要部を示す雄軸の部分拡大断面図。
【図5】(A)、(B)は第1の参考形態の第5例の要部を示す雄軸の部分拡大断面図であり、(C)は本発明の実施形態の要部を示す雄軸の部分拡大断面図である
【図6】第1の参考形態の第6例の要部を示す雄軸の部分拡大断面図。
【図7】第1の参考形態の第7例の要部を示す雄軸の部分拡大断面図。
【図8】本発明の第2の参考形態の第1例の要部を示す雌軸の部分拡大断面図。
【図9】第2の参考形態の第2例の要部を示す雌軸の部分拡大断面図。
【図10】第2の参考形態の第3例の要部を示す雌軸の部分拡大断面図。
【図11】第2の参考形態の第4例の要部を示す雌軸の部分拡大断面図。
【図12】第2の参考形態の第5例の要部を示す雌軸の部分拡大断面図。
【図13】本発明の第3の参考形態を示す雄軸の拡大側面図。
【図14】図13のB−B断面を示す図。
【図15】本発明の第4及び第5の参考形態を示す雄軸の側面図。
【図16】本発明の実施形態および参考形態を採用したステアリングコラム全体を示す側面図。
【図17】図16のコラプスシャフトを示す側面図。
【図18】図17のA−A断面を示す図。
【図19】本発明の第1参考形態において、雄軸(A)に固体潤滑皮膜が形成されている状態を示す部分断面図。
【図20】本発明の第1参考形態において、雌軸(B)に固体潤滑皮膜が形成されている状態を示す部分断面図。
【図21】従来技術において雄軸(A)に固体潤滑皮膜が形成されたコラプスシャフトの部分拡大断面図。
【図22】従来技術において雌軸(B)に固体潤滑皮膜が形成されたコラプスシャフトの部分拡大断面図。
【図23】従来技術において雄軸に固体潤滑皮膜が形成されたコラプスシャフトの部分拡大断面図。
【符号の説明】
1 コラプスシャフト
2 雄軸
3 雌軸
4 固体潤滑皮膜

Claims (5)

  1. スプライン嵌合される雄軸と雌軸のうち、前記雄軸のスプライン部に固体潤滑皮膜が形成されたステアリング用コラプスシャフトにおいて、
    前記雄軸のスプライン部の歯の片側又は両側の側は、歯丈方向で中央部に凹部が設けられ、該側面に形成された前記固体潤滑皮膜には歯丈方向で中央部に凹形状部が設けられ、前記雄軸と雌軸とがスプライン嵌合した際、該側面の前記固体潤滑皮膜は、前記凹形状部以外の部分が該側面に対向する前記雌軸のスプライン部の歯の側面に当接するようにしていることを特徴とするステアリング用コラプスシャフト。
  2. 前記雄軸の前記スプライン部には、軸方向において歯面が形成されていない部分が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のステアリング用コラプスシャフト。
  3. 前記雄軸の前記スプライン部には、軸方向において前記固体潤滑皮膜が形成された部分間に、前記固体潤滑皮膜が形成されていない部分も設けられていることを特徴とする請求項1に記載のステアリング用コラプスシャフト。
  4. 前記固体潤滑皮膜は、PTFE(四フッ化エチレン)の粒子を溶媒に配合させたもので形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のステアリング用コラプスシャフト。
  5. 前記固体潤滑皮膜は、二硫化モリブデンの粒子を溶媒に配合させたもので形成されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか一に記載のステアリング用コラプスシャフト。
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