JP4147309B2

JP4147309B2 - 超音波シール装置

Info

Publication number: JP4147309B2
Application number: JP51598299A
Authority: JP
Inventors: 光彦篠原; 健史井関; 道雄植田; 聡久米; 修玉本; 忠吉浜口
Original assignee: Shikoku Kakoki Co Ltd
Current assignee: Shikoku Kakoki Co Ltd
Priority date: 1998-03-23
Filing date: 1999-03-23
Publication date: 2008-09-10
Anticipated expiration: 2019-03-23
Also published as: EP1097869B1; DE69926758T2; US6605178B1; EP1097869A4; EP1097869A8; WO1999048759A1; EP1097869A1; CN1142081C; DE69926758D1; CN1294558A

Description

【技術分野】
【０００１】
本発明は、包装材料、特に液体飲料等の内容物が充填されたチューブ状包装材料をシールする細長いシール面を備えた超音波シール装置であって、少なくとも１つのホーンと複数のコンバーターとを有する超音波シール装置や、かかる超音波シール装置を備えた横シール装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、ジュース等が充填される直方体状の包装容器用の包装材料ウェブを殺菌して用いる包装機として、図１に示す充填包装機が知られている（特公平１−２３３６８号公報）。この充填包装機全体の概要は、包装材料ウェブ１をロール状に支持しているリワインダ２と、リワインダ２から順次巻戻された板状の包装材料ウェブを殺菌する殺菌装置３と、殺菌された包装材料ウェブの長手方向両端部をシールし、チューブ状包装材料ウェブを形成する縦シール装置４と、チューブ状に成形されたウェブ内に流動性内容物を充填する給液管５と、内容物の充填されたチューブをほぼ容器１個に相当する長さ分だけ下方に送りながら、チューブ状包装材料ウェブの長手方向と直交する方向にシールし、同時に断面矩形の枕状容器６を連続的に成形する横シール装置７と、枕状容器６の端部を折り曲げ、最終形態である直方体状容器に成形する容器整形装置８を備えている。そして、上記横シール装置７は、シール装置と該シール装置を固定するシールジョーと該シールジョーを駆動する駆動手段から構成されている。
【０００３】
また、超音波シール装置としては、従来次のものが知られている。
【０００４】
特開平７−２２３１号公報には、Ａ．Ｃ．電流供給源に連結される、圧電セラミックス板を有する圧電駆動ユニット又は磁気歪み駆動ユニットと、細長いシール表面を備えたホーンとを有する超音波シール装置にして、当該装置は、さらに、ホーンとともに半波長を形成する１つまたはそれ以上の反作用体を備えていることを特徴とする超音波シール装置が記載されている。
【０００５】
特公昭６２−２２７８４号公報には、プラスチックフィルムをラミネートした厚紙製の容器の胴部を超音波によりサイドシールするにあたり、超音波熔着用ホーンの前記サイドシール部略長方形状当接面の中心線に縦溝を設け、この縦溝の両側の面を中心に向って小差をもって階段的に段差を設けたホーンを装着した容器胴部の超音波熔着装置が記載されている。
【０００６】
特開平２−７２０２４号公報には、一枚シートの端部どうしを貼合わせて形成される筒状胴部の天地開口端を封止めして成る紙の表面に熱可塑性樹脂層を有する容器の前記開口端をシールする方法であり、予め、前記開口端のシール予定箇所全面を同時にオーブンにより加熱し、次いで加圧して予備シールし、次いで超音波シールすることを特徴とする液体紙容器の密封方法が記載されている。
【０００７】
実開昭６３−１４７４０８号公報には、ホーンとアンビルとから成る胴部のほぼ中央に重台接着部を有する角筒状の液体容器の上下端の開口部を封着するための超音波シール装置において、前記ホーンの被シール部当接面のほぼ中央に帯状の凸状を設け、アンビルの被シール部当接面のほぼ中央に前記凸状と直交する凹溝を設けて成り、該凹溝の底部は二段構造としてその段差部分及び両端部分をテーパー状として、かつ底部中央の端部には側方に張出した鋭角状の突出傾斜面を設けたことを特徴する液体容器の超音波シール装置が記載されている。
【０００８】
特表昭６２−５０１５４３号公報には、キューペット中の試薬タブレットの溶解に使用する超音波ホーン装置であって、前端面および後端面を有する全体として長方形のホーン本体にして、前記後端面に加えられる振動に応じて、音波を、前記前端面の近傍を移動する前記キューペットの内容物に作用させるよう、前記前端面からほぼ垂直に送出するホーン本体と、前記ホーン本体の前記後端面にその幅方向中央部に固定され、与えられる電気エネルギーに応じて前記ホーン本体に前記振動を加えるコンバータ手段と、前記ホーン本体から送出される音波の半波長に等しい音響長をそれぞれ持つ一対の共振手段にして、前記後端面の幅方向両端領域にそれぞれ固定されて、前記後端面から垂直に延びており、前記前端面からほぼ垂直に送出される音波の振幅が、前記前端面の幅方向に沿ってほぼ均一となるようにする、一対の共振手段とを備え、前記前端面から所定の距離で前記前端面の幅方向に沿って移動する前記キューペットの内容物に、ほぼ均一音波を加える、ことを特徴とする超音波ホーン装置が記載されている。
【０００９】
特開平７−３３１２１号公報には、表面にシーラント層が形成された包装容器用の包材を支持するアンビルと、前記包材をアンビルに押し当てて加圧し、超音波振動を包材に伝達するホーンとを有し、該ホーンが包材に超音波振動を伝達し、シーラント層同士を溶着させることができ、前記包材の縁部側が励振されるのを防止することができ、縁部において露出する紙基材の端面からダストが発生すること防止することができるように、前記ホーンの先端から前記包材の縁部までの間に超音波振動吸収手段が配設された包装容器のシール装置が記載されている。
【００１０】
特開昭５６−９２０４６号公報には、プラスティックフィルムラミネートの紙容器等のサイドシールを行うにあたり、超音波シール機のホーンのシール部へのシール面の一側縁に段差を設けかつシール部の上端附近に相当する部分ではその段差を解除した形状のホーンを有する、容器胴部の超音波熔着装置が記載されている。
【００１１】
特開平６−１５７４１号公報には、磁歪材料によって製造された巨大磁歪粉末複合体（ＧＭＰＣ）からなり、磁場を発生させるコイルが巻き付けられている振動本体が封止ジョーに固定されていて、ジョーに対する固定点から次第に減小する断面積を有し、端部の自由面が幅の狭い表面になされている、熱可塑性材料の包装容器を製造するための超音波封止装置が記載されている。
【００１２】
米国特許第５７３０３５１号明細書には、被工作物を超音波処理するための装置であって、被工作物と接する第１の面と第２の面を有するホーン（ソノトロード）と、前記ホーンの駆動装置であって、第１と第２の超音波振動装置と、前記第１と第２の超音波振動装置を前記ホーンの第２の面に別々にそれぞれ連結する、間隔をあけて離れて配置された第１と第２の連結手段を有する駆動装置を備えた装置が記載されている。
【００１３】
特開平１０−１２８２３７号公報には、超音波周波数範囲の振動エネルギを加工片へ供給する超音波装置にして、超音波周波数範囲の所定の周波数にて機械的に共振する大きさに設定されたホーンと、前記所定の周波数にて前記ホーンを共振させるよう前記ホーンに連結された複数個の圧電変換器と、前記所定の周波数の電気エネルギを前記変換器に供給し前記変換器を並列に付勢するよう前記変換器に接続された電源と、前記電源と各変換器との間の回路に接続され前記変換器に流れる電流を平衡化する手段と、を含む超音波装置が記載されている。
【発明の開示】
【００１４】
ジュース等の液体が充填密封された直方体状の使い切り廃棄タイプの包装容器として、現在のところ、主として紙、アルミ箔、熱可塑性プラスチックを積層体とした包装材料が用いられているが、容器が廃棄されると、この種アルミ箔を含む積層体からなる包装材料はその再生処理が困難とされており、アルミ箔を含まない熱可塑性プラスチックの積層体からなる包装材料を利用した包装容器が今後は主流になっていくと考えられている。しかし、アルミ箔を含まない熱可塑性プラスチックの積層体からなる包装材料のヒートシールには、アルミ箔を含む包装材料において用いられてきた高周波コイルを利用したヒートシール装置は適用できず、例えば超音波シール装置など他のヒートシール装置を用いる必要がある。超音波シール装置は、通常、コンバーター、ブースター及びホーンから構成されている。コンバータにより電気振動は機械振動に変換され、装置を機械的に固定し振幅を増幅するのにブースタが用いられ、ホーンではさらに振幅の増幅が行われ、所望のシール表面が形成される。しかしながら、こうした従来より汎用されている周知性能の超音波シール装置はヒートシール能力を高めようとすると、装置の占めるスペースが大きなものとなり、前記充填包装機の横シール装置におけるシールジョーに配設することができないなどの欠点があり、実用面からは、占有スペースを大幅に小さくでき、強力なパワーを出力でき、かつ横シール装置に適用可能な超音波シール装置が必要とされている。
【００１５】
また、充填包装機の横シール装置におけるシールジョーに用いられている従来の超音波シール装置においては、１個のコンバーターを使用しているので、ホーンのシール面（出力面）における振幅振動の大きさがコンバーターがホーンに連結された中央領域より横方向へ離れるにつれて漸次減少し、両端部も含めた細長いシール部全面を均一にヒートシールするのは困難とされていた。
【００１６】
本発明の課題は、充填包装機の横シール装置におけるシールジョーに配設することができるような適当な長さの横断シール、すなわち細長い均一のヒートシールが可能な、小型でかつ強力なパワーを出力できる超音波シール装置を提供することにある。
【００１７】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究し、包装材料をシールする細長いシール面を備えた１つのホーンと、該ホーンに立設された複数のコンバーターと、該コンバーターと並設された１又は２以上のフィクスチャーとを備え、フィクスチャーにおける超音波シール装置とシールジョーとの固定位置をシール面から遠い方の節平面（ノーダル）とする超音波シール装置や、１つのホーンと複数のコンバーターとを備え、ホーンに、超音波シール装置をシールジョーに固定するための取付フランジを設け、超音波シール装置とシールジョーとの固定位置となる取付フランジをシール面から近い方の節平面とする超音波シール装置が、細長い均一のヒートシールが可能で、小型でかつ強力なパワーを出力でき、充填包装機の横シール装置におけるシールジョーに配設することができることを見出し、発明を完成するに至った。
【００１８】
すなわち本発明は、包装材料をシールする細長いシール面を備えた１つのホーンと、該ホーンのシール面と反対側に立設され、ホーンを共振させる複数のコンバーターとを少なくとも備えた超音波シール装置であって、該超音波シール装置は、その長さが一波長の長さであり、シールジョーとの固定位置が節平面であることを特徴とする超音波シール装置に関する。
【００１９】
また本発明は、超音波シール装置が、さらに、ホーンのシール面と反対側に立設され、超音波シール装置をシールジョーに固定する１又は２以上のフィクスチャーを備え、フィクスチャーにおける超音波シール装置とシールジョーとの固定位置をシール面から遠い方の節平面とすることを特徴とする上記超音波シール装置に関する。
【００２０】
また本発明は、フィクスチャーが、超音波シール装置をシールジョーに固定するためのアタッチメント受け面を有し、超音波シール装置とシールジョーとの固定位置となるアタッチメント受け面をシール面から遠い方の節平面とすることを特徴とする上記超音波シール装置に関する。
【００２１】
また本発明は、フィクスチャーが、超音波シール装置をシールジョーにネジ結合を用いて固定するための雌ネジ部を有することを特徴とする上記超音波シール装置に関する。
【００２２】
また本発明は、フィクスチャーが、超音波シール装置をシールジョーに固定するためのカラーを有し、超音波シール装置とシールジョーとの固定位置となるカラーをシール面から遠い方の節平面とすることを特徴とする上記超音波シール装置に関する。
【００２３】
また本発明は、フィクスチャーが、ネジ結合を用いてホーンに固着されるためのネジ部を有することを特徴とする上記超音波シール装置に関するまた本発明は、フィクスチャーが、ホーンと一体的に成型されていることを特徴とする上記超音波シール装置に関する。
【００２４】
また本発明は、ホーンが、超音波シール装置をシールジョーに固定するための取付フランジを有し、ホーンにおける超音波シール装置とシールジョーとの固定位置となる取付フランジをシール面から近い方の節平面とすることを特徴とする上記超音波シール装置に関する。
【００２５】
また本発明は、ホーンが、好ましくない振動を衰退させるように、スロット及び／又はスリットを有することを特徴とする上記超音波シール装置に関する。
【００２６】
また本発明は、ホーンが、縦波音速４０００ｍ／秒以下の材質からなることを特徴とする上記超音波シール装置に関する。
【００２７】
また本発明は、縦波音速４０００ｍ／秒以下の材質が銅合金であることを特徴とする上記超音波シール装置に関する。
【００２８】
また本発明は、銅合金が、りん青銅であることを特徴とする上記超音波シール装置に関する。
【００２９】
また本発明は、コンバーターが、ネジ結合を用いてホーン又はフィクスチャーに固着するためのネジ部を有することを特徴とする上記超音波シール装置に関する。
【００３０】
また本発明は、複数のコンバーターが、シール面で均一で適切な強度のシールが得られるように、制御手段を備えているものであることを特徴とする上記超音波シール装置に関する。
【００３１】
また本発明は、ネジ結合が、スタッドボルトを用いるネジ結合であることを特徴とする上記超音波シール装置に関する。
【００３２】
また本発明は、シール面が、シール面長手方向に連続的又は断続的に突条を有するシール面であることを特徴とする上記超音波シール装置に関する。
【００３３】
また本発明は、周波数が、２０ＫＨｚ〜６０ＫＨｚであることを特徴とする上記超音波シール装置に関する。
【００３４】
また本発明は、周波数が、４０ＫＨｚであることを特徴とする上記超音波シール装置に関する。
【００３５】
また本発明は、上記の超音波シール装置を複数個備えた超音波シール装置に関する。
【００３６】
さらに本発明は、上記の超音波シール装置と該超音波シール装置が固定されたシールジョーと該シールジョーの駆動手段からなる横シール装置に関する。
【００３７】
また本発明は、シールジョーが、ホーンの振れ防止部材を有する上記横シール装置に関する。
【００３８】
本発明の超音波シール装置は、包装材料をシールする細長いシール面を備えた１つのホーンと、該ホーンのシール面と反対側に立設され、ホーンを共振させる複数のコンバーターとを少なくとも備えた超音波シール装置であって、該超音波シール装置は、その長さが一波長の長さであり、シールジョーとの固定位置が節平面であることを特徴とする。また特に、包装材料をシールする細長いシール面を備えた１つのホーンと、該ホーンに立設された複数のコンバーターと、該コンバーターと並設された１又は２以上のフィクスチャーとを備え、ホーンを共振させるコンバータ又は超音波シール装置をシールジョーに固定するフィクスチャーがホーンとともに一波長の長さを形成し、フィクスチャーにおける超音波シール装置とシールジョーとの固定位置をシール面から遠い方の節平面とすることを特徴とする。そして、通常前記充填包装機の横シール装置におけるシールジョーに固設して、包装材料をヒートシールするために用いられる。また、本発明の横シール装置は、本発明の超音波シール装置と該超音波シール装置が固定されたシールジョーと該シールジョーの駆動手段からなる。
【００３９】
本発明における包装材料としては、容器等に成形される板状のものであればよく、紙やバリヤー性樹脂の表裏の少なくとも一方にポリエチレンのような熱溶着層を有するものの他、これらにアルミ箔等の中間層を有するもの、接着剤層を有するものなどを例示することができる。例えば、ジュース等の充填包装容器用の包装材料ウェブは、紙を基材としてその表裏最外層面にポリエチレン等の熱溶着層を設けると共に、必要に応じてアルミ箔やバリヤー性樹脂の中間層によるバリヤー層や接着剤層等を設けて構成されており、ウェブの厚さは１７０〜９００μｍのものが通常使用される。
【００４０】
また、内容物と接触する最内層表面の材質は超音波により溶着しうることが必要である。
【００４１】
超音波シール装置は、周波数が２０ｋＨｚ以上の電気的振動を機械的振動に変換して、ホーンと呼ばれる共鳴体から超音波振動を熱接着部に与え、境界面に強力な摩擦熱を発生させて熱溶融し、加圧することによりヒートシールすることができる装置である。そして、振動の振幅はおよそ１５〜７０μｍ程度であり、その振動は毎秒２〜６万回程で非常に短時間で発熱する。したがって、超音波によるシールは、高周波によるシールと同様に内部発熱によるシールということができる。
【００４２】
本発明の超音波シール装置におけるホーンとしては、超音波振動を伝達し、包装材料のシール層同士を溶着しうるものであればどのようなものでもよいが、その先端部に設けられた細長いシール面と、該シール面に向けてテーパー形状、指数形状、懸垂形状など湾曲した形状の湾曲部と、シール面と反対側の平面部を備えたものを例示することができる。そして、かかるシール面と反対側の平面部には、複数のコンバーターと１又は２以上のフィクスチャーが立設されている。また、ホーンとフィクスチャーを一体的に成型し、この一体成型体の上に複数のコンバーターを立設することもできる。他方、ホーン又はアンビルのシール面にはその断面が円形や矩形等の突条をシール面長手方向に連続的又は断続的に設けることができる。
【００４３】
またホーンとしては、好ましくない振動を衰退させるようにスロット（厚み方向に設けられた貫通した細長い穴）及び／又はスリット（長手方向に設けられた細長い溝）を有するものが望ましい。そして、スロットはコンバーターやフィクスチャーの下方に、スリットはコンバーター間あるいはコンバーターとフィクスチャー間の下方に通常設けられる。また本発明においては、ホーンに、超音波シール装置をシールジョーに固定するための取付フランジを設けることができる。この取付フランジを、超音波シール装置とシールジョーとの固定位置かつシール面から近い方の節平面とすることもできる。
【００４４】
ホーンの材質としては、銅合金、アルミニウム若しくはアルミニウム合金、チタン若しくはチタン合金等の金属や合金の他、セラミックを例示することができる。そして、周波数が一定の場合、ホーンの長さはその材料における音速に比例することから、超音波シール装置をよりコンパクトにする観点からすると、例えば縦波音速４０００ｍ／秒以下の材質からなる音速の遅いホーン材料を用いることが好ましい。縦波音速４０００ｍ／秒以下の材質としては、りん青銅（３３６０ｍ／秒）、ベリリウム青銅（３７８０ｍ／秒）、ネパール黄銅（３２４０ｍ／秒）などの銅合金や圧電セラミックス材ＰＺＴ（３０００ｍ／秒）を具体的に挙げることができる。また、横シール装置の構造によって、あるいは装置のコンパクト化が要求されない場合など、必要に応じて、アルミニウム若しくはアルミニウム合金、チタン若しくはチタン合金等の軽金属や軽金属合金等の縦波音速４０００ｍ／秒以上の材質を使用することもできる。
【００４５】
ホーンは、上記のように、その先端部に設けられたシール面により包装材料をアンビルに押し当てて加圧し、その先端部に集中した振動エネルギー（超音波振動）を包装材料の熱接着部に伝え、境界面に強力な摩擦熱を発生させて熱溶融し、加圧と相俟って包装材料をヒートシールする。アンビルの構造や材質については特に限定されるものではないが、材質としては例えばステンレス鋼製のものを例示することができる。
【００４６】
本発明の超音波シール装置におけるコンバーターとしては、発振器からの電気的振動を機械的振動に変換し、前記ホーンを共振させ得るものであれば、電歪式、磁歪式を問わずどのようなものでもよいが、電歪式の方が好ましく、その場合における電歪式圧電素子としてはセラミック材料を用いることが望ましい。そして、このようなコンバーターにより供給電圧が機械的歪みに変換され、この歪みエネルギーが超音波振動としてホーンに供給されるが、本発明の超音波シール装置においては、優れたシールを達成するためにコンバーターが複数、好ましくは２〜５個配設することが必要とされる。
【００４７】
本発明におけるコンバーターは、前記ホーンのシール面と反対側に立設されている。かかる立設は、例えばホーンのシール面と反対側の平面部又は該平面部に固着されたフィクスチャーの平面部、あるいはホーンと一体成型されたフィクスチャーの平面部との固着によって行われる。かかる固着は、ホーンとコンバーターとが強固に固着することができるのであればどのような固着手段を用いてもよいが、本発明の超音波シール装置をコンパクトなものとするために、ネジ結合、特にスタッドボルトを用いてホーンに固着することが好ましく、そのためコンバーターのホーン側には雌ネジ部が設けられている。
【００４８】
また、各々のコンバーターは交流電源に接続されているが、複数のコンバーターからの振動エネルギーをホーンのシール面に均等に伝え、シール面で均一で適切な強度のシールが得られるように、制御手段を備えることが望ましい。制御手段を備えていないと、振動が均一でなくなり、シール面で均一で適切な強度のシールが得られない恐れがある。かかる制御手段としては、特開平１０−１２８２３７号公報に平衡化変圧装置として記載されているものを具体的に例示することができる。
【００４９】
本発明の超音波シール装置におけるフィクスチャーとしては、超音波シール装置をシールジョーに固定することができ、超音波シール装置とシールジョーとの固定位置やその近傍がシール面から遠い方の節平面を形成し、ホーンのシール面と反対側、例えば反対側の平面部に１又は２以上立設されているものであればどのようなものでもよいが、前記充填包装機の横シール装置に適用する場合には、シールジョーへの取付け・固定はコンパクトにする必要がある。したがって、シールジョーにフランジを設けて、該フランジを用いて超音波シール装置を固定するよりも、以下に述べるスタッドボルト等を用いるネジ結合によりコンパクトに取り付けることが好ましい。他方、フィクスチャーとホーンとの固着もスタッドボルト等を用いるネジ結合によりコンパクトに取り付けることが好ましい。また、前記のようにフィクスチャーとホーンとを一体的に成型することや、複数の立設するフィクスチャーの下部がつながった成型体をホーンの上記平面部にスタッドボルト等を用いるネジ結合により固着することもできる。また、本発明におけるフィクスチャーの断面形状としては円形や矩形のものを例示することができる。
【００５０】
超音波シール装置のシールジョーへの固定は、例えばフィクスチャーのホーンと反対側の端部あるいはフィクスチャーの中央部で行うことができる。フィクスチャーのホーンと反対側の端部で固定する場合は、シールジョーに超音波シール装置を固定するためのスタッドアタッチメント等のアタッチメントが用いられ、そのためフィクスチャーには雌ネジ部を有するものが用いられる。この場合、フィクスチャーにおける固定位置となるアタッチメント受け面がシール面から遠い方の節平面となるように雌ネジ部穴が設けられる。また、フィクスチャーの中央部で固定する場合は、該中央部に設けられたカラーとシールジョーを適宜連結することにより、超音波シール装置をシールジョーに固定する。この場合、カラーが設けられた部分がシール面から遠い方の節平面となるようにカラーの位置決めがなされている。また、超音波シール装置のシールジョーへの固定は、前記のように、超音波シール装置をシールジョーに固定するための取付フランジをホーンに設けることにより行うこともできる。この場合、この取付フランジが、超音波シール装置とシールジョーとの固定位置かつシール面から近い方の節平面となる。
【００５１】
そして、節平面の位置は、フィクスチャーやホーンを設計する段階において、コンピューターによる振動解析等により正確に設定することができる。
【００５２】
本発明の超音波シール装置においては、その全長は一波長の長さから構成されることから、節平面は２つ存在する。本発明の超音波シール装置においては、シール面から近い方と遠い方の２つ存在する節平面のうち、どちらか一方の節平面を超音波シール装置とシールジョーとの固定位置とすることに特徴を有する。そして、シール面から遠い方の節平面を固定位置とする場合はシール面から近い方の節平面を利用して、高速で回動する超音波シール装置のホーンの振れを防止し、包装材料のシールすべき位置に正確にホーンのシール面を当接させるために、シールジョーのサイドフレームに振れ止め部材を設けることが好ましい。
【００５３】
また、超音波シールは、周波数２０ＫＨｚ〜６０ＫＨｚ、好ましくは４０ＫＨｚで、出力は通常２ＫＷ程度で実施されるが、コンバーター又はフィクスチャーとホーンを含めた装置の全長が、一波長の長さに相当する長さに設定され、その場合ホーン先端部のシール面の振幅が最大となり、発熱効率が高まり、シール強度が大きくなる。例えば、周波数４０ＫＨｚで、縦波音速３６００ｍ／秒の材質からなる音速の遅いホーン材料を用いる場合、一波長の長さは９ｃｍとなる。この場合、コンバーター又はフィクスチャーとホーンを含めた装置の全長が９ｃｍとなり、コンバーターとフィクスチャー及びホーンの長さはそれぞれ４．５ｃｍとなる。このように、超音波シール装置の全長が１０ｃｍ程度のものは、従来の充填包装機の横シール装置として使用することができる。
【００５４】
さらに、大きい容器における場合のように横断面が長く、長いシール用表面を必要とする場合は、上記超音波シール装置を複数個接続してシール面を延長することもできる。また、本発明の超音波シール装置は、振幅を増幅するのに使用されるブースタを備えてもよいが、備えなくてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【００５５】
以下、本発明にかかる超音波シール装置についての好ましい実施例を図面に基づいて説明するが、本発明はこれら図面に記載されたものに限定されるものではない。
【００５６】
図２は本発明の超音波シール装置の概略斜視図である。図３は他の態様の本発明の超音波シール装置の概略斜視図である。図４及び図５は本発明の超音波シール装置の他の態様の概略正面図である。図６は図２に示される本発明の超音波シール装置の概略正面図である。図７は本発明の超音波シール装置における種々の形状のホーンの概略正面図である。図８は本発明の超音波シール装置における種々の形状のホーンの概略側面図である。図９は他の態様の本発明の超音波シール装置の概略斜視図である。また、図２〜図９において、１０は超音波シール装置、１１はホーン、１２はコンバーター、１３はフィクスチャー、１４はホーン・フィクスチャー一体成型体、１５はホーンシール面、１６はホーン平面部、１７はホーン湾曲部、１８はスロット、１９はスリット、２０はカラー、２１はスタッドボルト、２２はスタッドアタッチメント受け面、２３は雌ネジ部、２４はシールジョー、２５は振れ止め固定ボルト、２６は節平面（ノーダル）、２７はスタッドアタッチメント、２８は取付フランジをそれぞれ表す。
【００５７】
図２には、シール面１５と平面部１６と湾曲部１７とスロット１８を有するホーン１１に、２つのコンバーター１２と３つのフィクスチャー１３が立設されている本発明の超音波シール装置１０が示されている。この装置１０においては、コンバーター１２とフィクスチャー１３には、スタッドボルト２１を用いてホーン１１に固着するための雌ネジ部２３が設けられている。また、フィクスチャー１３には、スタッドアタッチメント２７を用いてシールジョーと固定するための雌ネジ部２３も設けられている。図３には、ホーン１１とフィクスチャー１３とが一体成型されたホーン・フィクスチャー一体成型体１４上に２つのコンバーター１２が立設されている本発明の超音波シール装置１０が示されている。この装置１０においても、図２に示される装置１０と同様に、スタッドアタッチメント受け面２２が取付位置になり、シール面１５から遠い方の節平面（ノーダル）２６となっている。
【００５８】
図４には、両外側の２つのコンバーター１２の間に２つのフィクスチャー１３がホーン１１に立接する本発明の超音波シール装置１０が示され、これら２つのフィクスチャー１３を用いてシールジョー２４に超音波シール装置１０が固定され、この場合もスタッドアタッチメント受け面２２がシール面１５から遠い方の節平面（ノーダル）２６となっている。図５には、両外側の２つのコンバーター１２の間に１つのフィクスチャー１３がホーン１１に立接する本発明の超音波シール装置１０が示され、この装置１０の場合、フィクスチャー１３の中央部に設けられたカラー２０を用いてシールジョー２４に固定され、この場合カラー２０が取付位置になり、シール面１５から遠い方の節平面（ノーダル）２６にもなっている。
【００５９】
図６には、図２に示される本発明の超音波シール装置１０がシールジョー２４に固定されている状態が示されており、フィクスチャー１３の固定にはシールジョー２４に埋め込むことができる６角穴付きボルト２１が用いられ、前記のように、この場合もアタッチメント受け面２２が固定位置となり、シール面１５から遠い方の節平面（ノーダル）２６となっている。また、シールジョー２４のサイドフレームには振れ止め固定ボルト２５が設けられ、シール面１５から近い方の節平面（ノーダル）２６となるホーン湾曲部１７でホーンの振れ止めを行うようになっている。この図６にはシールされる枕状容器６が示されている。また、図７及び図８には、シール面１５と平面部１６と湾曲部１７とスロット１８やスリット１９を有する各種形状のホーン１１が示されている。図９は超音波シール装置をシールジョーに固定するための取付フランジがホーンに設けられた超音波シール装置が示されている。この場合、この取付フランジが、超音波シール装置とシールジョーとの固定位置かつシール面から近い方の節平面となる。
【産業上の利用可能性】
【００６０】
本発明によると、従来の超音波シール装置よりも小型で加圧力が大きく、高能力シールが可能であり、しかも細長いシール面を均一にシールすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の超音波シール装置が適用される充填包装機の全体図である。
【図２】本発明の超音波シール装置の概略斜視図である。
【図３】他の態様の本発明の超音波シール装置の概略斜視図である。
【図４】本発明の超音波シール装置の他の態様の概略正面図である。
【図５】本発明の超音波シール装置の他の態様の概略正面図である。
【図６】図２に示される本発明の超音波シール装置の概略正面図である。
【図７】本発明の超音波シール装置における種々の形状のホーンの概略正面図である。
【図８】本発明の超音波シール装置における種々の形状のホーンの概略側面図である。
【図９】他の態様の本発明の超音波シール装置の概略斜視図である。

Claims

包装材料をシールする細長いシール面を備えた１つのホーンと、該ホーンのシール面と反対側に立設され、ホーンを共振させる複数のコンバーターと、該コンバーターと並設され、超音波シール装置をシールジョーに固定する１又は２以上のフィクスチャーとを少なくとも備えた超音波シール装置であって、該超音波シール装置は、その長さが一波長の長さであり、フィクスチャーにおける超音波シール装置とシールジョーとの固定位置が、シール面から遠い方の節平面であることを特徴とする超音波シール装置。
フィクスチャーが、超音波シール装置をシールジョーに固定するためのアタッチメント受け面を有し、超音波シール装置とシールジョーとの固定位置となるアタッチメント受け面をシール面から遠い方の節平面とすることを特徴とする請求項１記載の超音波シール装置。
フィクスチャーが、超音波シール装置をシールジョーにネジ結合を用いて固定するための雌ネジ部を有することを特徴とする請求項１又は２記載の超音波シール装置。
フィクスチャーが、超音波シール装置をシールジョーに固定するためのカラーを有し、超音波シール装置とシールジョーとの固定位置となるカラーをシール面から遠い方の節平面とすることを特徴とする請求項１記載の超音波シール装置。
フィクスチャーが、ネジ結合を用いてホーンに固着されるためのネジ部を有することを特徴とする請求項１〜４のいずれか記載の超音波シール装置。
フィクスチャーが、ホーンと一体的に成型されていることを特徴とする請求項１〜４のいずれか記載の超音波シール装置。
ホーンが、好ましくない振動を衰退させるように、スロット及び／又はスリットを有することを特徴とする請求項１〜６のいずれか記載の超音波シール装置。
ホーンが、縦波音速４０００ｍ／秒以下の材質からなることを特徴とする請求項１〜７のいずれか記載の超音波シール装置。
縦波音速４０００ｍ／秒以下の材質が銅合金であることを特徴とする請求項８記載の超音波シール装置。
銅合金が、りん青銅であることを特徴とする請求項９記載の超音波シール装置。
コンバーターが、ネジ結合を用いてホーン又はフィクスチャーに固着するためのネジ部を有することを特徴とする請求項１〜１０のいずれか記載の超音波シール装置。
複数のコンバーターが、シール面で均一で適切な強度のシールが得られるように、制御手段を備えているものであることを特徴とする請求項１〜１１のいずれか記載の超音波シール装置。
ネジ結合が、スタッドボルトを用いるネジ結合であることを特徴とする請求項３、５又は１１記載の超音波シール装置。
シール面が、シール面長手方向に連続的又は断続的に突条を有するシール面であることを特徴とする請求項１〜１３のいずれか記載の超音波シール装置。
周波数が、２０ＫＨｚ〜６０ＫＨｚであることを特徴とする請求項１〜１４のいずれか記載の超音波シール装置。
周波数が、４０ＫＨｚであることを特徴とする請求項１５記載の超音波シール装置。
請求項１〜１６のいずれか記載の超音波シール装置を複数個備えた超音波シール装置。
請求項１〜１７のいずれか記載の超音波シール装置と該超音波シール装置が固定されたシールジョーと該シールジョーの駆動手段からなる横シール装置。
シールジョーが、ホーンの振れ防止部材を有する請求項１８記載の横シール装置。