JP4146526B2 - 液晶表示装置の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶を用いた表示装置に係り、特に、薄く、明るく、また、色ズレを生ずることがないカラーの液晶表示装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
低消費電力で、明るいカラー画像表示が可能な反射型カラー液晶表示装置を求めて、従来から種々の方式が提案されてきた。その中でも、文献(SID96 DIGEST、p103〜106)に示された方式が、表示面を暗くする偏光板やカラーフィルター層を使用しないため最もカラー表示画質(明るさ、色純度、コントラスト比)が優れている方式として期待されている。
【0003】
上記方式に於いては、シアン、マゼンダ、イエローの各原色を示す二色性色素を各々含む複数のゲストホスト液晶セルを用意し、それら複数の液晶セルを積み重ね、垂直な方向から観察した時に全てのセルに於いて各原色の対応する画素が重なり合うように位置を合わせて貼り合わされる。しかる後、各ゲストホスト液晶セルを独立して駆動すれば、3原色が合成されてカラー表示が行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、シアン、マゼンダ、イエロー各色のゲストホスト液晶セルを用いた表示装置を製造する際、各セルを重ねてカラー表示用液晶表示装置を構成すると、色ズレを生ずる可能性があった。
【0005】
ゲストホスト液晶セルを構成する透明電極基板上にTFT等の素子を形成するには、基板を400℃以上の高温の雰囲気下におかなければならない。この高い温度に耐えるために、基板には厚いガラスを用いる必要がある。このため、この厚いガラス基板を用いた各原色からなるゲストホスト液晶セルを重ね合わせて、カラー表示用液晶表示装置を製造すると、ゲストホスト液晶層間にガラス基板が入り込むため、ゲストホスト液晶層間の距離が大きくなる。
【0006】
該カラー表示用液晶表示装置をまったく垂直な方向から観察すれば、各原色の対応する画素は重なって見えるため、適正なカラー表示が行われる。ところが、わずかでもずれた方向から観察すると、各原色の見える位置も異なってくる。このため、カラー表示に色ズレが生じてしまうのである。
【0007】
高品質のカラー表示を提供するためには、見る角度によって色ズレの生じない表示装置を製造する必要がある。
【0008】
また、ガラス基板を用いてTFT等の素子を形成する限り、素子を設けた駆動基板は常に一定の厚さを有することになる。このことは軽く、薄いフィルム状の表示装置を製造する上で妨げになる。
【0009】
そこで、本発明は、薄く、明るく、また、色ズレの生じないカラーの液晶表示装置の製造方法を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係る液晶表示装置の製造方法は、第1基板上に剥離層を配置する工程と、前記剥離層上に酸化ケイ素で構成された絶縁層を配置する工程と、前記絶縁層上に素子層を配置する工程と、前記素子層上に第2基板を配置する工程と、前記剥離層の同一個所にレーザー光を2回以上照射する工程と、前記剥離層を介して前記第1基板を前記素子層から剥離する工程と、前記第2基板と第3基板とを、前記素子層が前記第2基板と前記第3基板との間に位置するように貼り合わせる工程と、を有することを特徴とする。
【0011】
上記液晶表示装置の製造方法において、前記剥離層が水素を含有した非晶質シリコンであることが好ましい。または、前記剥離層がセラミックスであることが好ましい。または、前記剥離層が金属または合金であることが好ましい。
【0012】
上記の表示デバイスの製造方法において、前記素子層がトランジスタを含むことが好ましい。さらに、前記素子層が400℃以上の雰囲気下で配置されることが好ましい。
【0013】
上記の表示デバイスの製造方法において、前記レーザー光が波長248nmまたは波長308nmのエキシマレーザー光であることが好ましい。また、前記エキシマレーザー光のエネルギー密度が、10〜5000mJ/cm 2 であり、照射時間が10〜100nsecであることが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の好適な実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0017】
<実施形態>
図1乃至図3に、本実施形態の製造方法の各工程における層構造の断面図を示す。本実施形態の製造方法を概説すれば、最初に耐熱性のある基板に剥離層を介してトランジスタ薄膜層を形成した後、当該剥離層に剥離を生じさせてトランジスタ薄膜層を分離し、これを薄い透明基板に張り替えてから、液晶表示装置を形成するものである。以下、これを具体的に説明する。
【0018】
剥離層形成工程(図1(a)): まず、ガラス基板10に剥離層11を形成する。薄膜素子である薄膜トランジスタを形成するには、少なくとも400度以上の高温の雰囲気が必要とされる。このトランジスタを形成する基台である基板10としては、このような高温に耐え、物理的、化学的変性が生ぜず、変形はもとより、ある程度の機械的強度を有する材料であることが望まれる。光透過性は10%以上あることが好ましい。光透過率が低すぎると、後に述べる照射光の減衰が大きくなるからである。ただし、この基板は、分離後は再利用されるものなので、価格を考慮する必要もない。このような材料としては、石英ガラス、ソーダガラス、耐熱ガラス等があげられる。基板厚としては、0.1mm〜5mm程度、好ましくは0.5mm〜1.5mm程度とする。基板が厚すぎると剥離のための照射光の減衰が多くなり、薄すぎると、十分な機械的強度が保てなくなるからである。
【0019】
剥離層は、レーザ光等の照射光により当該層内や界面において剥離を生ずるものである。すなわち、一定の強度の光を照射することにより、構成物質の原子間または分子間の結合力が消失しまたは減少し、アブレーション(ablation)等を生じ、剥離を起こす。このような剥離層11の組成としては、以下が考えられる。
【0020】
1) 水素を2〜10at%程度含有した非結晶シリコン(a−Si)
2) 酸化ケイ素若しくはケイ酸化合物、酸化チタン若しくはチタン酸化合物、酸化ジルコニウム若しくはジルコン酸化合物、酸化ランタン若しくはランタン酸化合物等の各種酸化物セラミックス、または誘電体あるいは半導体
3) ジルコン酸チタン(PZT)、PLZT、PLLZT、PBZT等のセラミックスまたは誘電体
4) 窒化ケイ素、窒化アルミ、窒化チタン等の窒化物セラミックス
5) ―CH2―、―CO−,−CONH−、−NH−等の有機高分子材料
6) Al、Li、Ti、Mn,In,Sn,Y,La,Ce,Nd,Pr,Gd若しくはSm、またはこれらのうち少なくとも一種を含む合金
剥離層11の厚さとしては、通常1nm〜10μm程度、より好ましくは40nm〜1μm程度にする。膜厚が薄すぎると、形成された膜厚の均一性が失われ、膜厚が厚すぎると、剥離に必要とされる照射光のパワーを上げる必要があったり、また、剥離後に剥離層の残渣を除去するのに時間を要したりするからである。
【0021】
剥離層11の形成方法は、CVD法、特に低圧CVDやプラズマCVDにより成膜するのが好ましい。この他、MOCVD、ECR−CVD、蒸着、分子線蒸着、スパッタリング法、イオンプレーティング法、PVD法等の各種気相成膜法、電気メッキ、浸漬メッキ、無電解メッキ法、ラングミュア・ブロジェット法、スピンコート、スプレーコート、ロールコート法等の塗布法、各種印刷法、転写法、インクジェット法、粉末ジェット法等に適用できる。これらのうち2種以上の方法を組み合わせてもよい。
【0022】
なお、図1乃至図3には図示しないが、剥離層11の上に酸化ケイ素等の絶縁層を設けてもよい。絶縁層は、剥離層11に照射光照射時の断熱を行う。
【0023】
薄膜素子(トランジスタ薄膜)層形成(図1(b)): 剥離層11の形成後、薄膜トランジスタ(TFT)121の形成を行う。薄膜トランジスタは、画素ごとに一つ形成される。そのドレインには、透明電極122が形成される。薄膜トランジスタ121および透明電極122各一個で、一つの画素要素120を構成する。画素要素120を形成した層をトランジスタ薄膜層12とする。ガラス基板10は十分な耐熱性があるため、高温下でトランジスタ薄膜の形成が行える。
【0024】
なお、薄膜トランジスタの代わりに、MIM等の液晶表示装置を駆動するに足りる能動素子が適用可能である。薄膜素子は、耐熱性のあるガラス基板10上で形成されるため、通常の成膜方法で形成できる素子なら適用が可能である。透明電極122としては、ある程度の光透過性のある材料であることが必要とされる。このような材料としてITO膜が挙げられる。膜厚は、光透過性を損なわず、かつ表示駆動に足る導電性を確保するため、例えば900Å程度とする。
【0025】
透明電極122は、レジスト塗布、マスク、露光、現像およびエッチング等の公知のパターン成形技術を用いて行う。
【0026】
樹脂層形成工程(図1(c)): トランジスタ薄膜層12の上に樹脂層13を形成する。この樹脂層は、プラスチック基板14を貼り合わせ易くするために、トランジスタ薄膜層12の凹凸を吸収し、かつ、プラスチック基板14の接合が可能な表面とするため用いる。樹脂層13の組成としては、すでにトランジスタ薄膜層が設けられ、高温化にさらされることがないので、絶縁性を有し、良好な光透過性を備えたものならばよい。例えば、2Pモノマー樹脂等を使用できる。又、樹脂層13としてホットメルト接着性を有する樹脂材を使用すれば次工程であるプラスチック基板の接着がより容易になる。
【0027】
プラスチック基板接着工程(図1(d)): 樹脂層13の表面にプラスチック基板14を貼りつける。この基板14は、表示デバイスのゲストホスト液晶層を挟み込む基板の一方となる。すでにトランジスタ薄膜層12の形成が終わっているので、可能な限り厚みの薄い基板を用いることができる。すなわち、トランジスタ薄膜層を形成するには組成や機械的強度の点で問題があり、使用できなかった基板であっても、ここで使用することができる。なお、プラスチック基板の代わりに、ガラス等の組成であっても極力厚みを薄くしたもの、さらには可撓性のあるプラスチックフィルム等に貼り合わせが可能である。例えば、プラスチックフィルムは耐熱が200度程度であるが、これでも十分使用が可能である。
【0028】
この基板は、むろん光透過性を良好に有するものである必要がある。その膜厚は、5μm〜0.4mm程度が好ましい。膜厚が厚すぎると光透過性が悪くなるとともに、本発明の目的である色ズレの防止ができなくなり、膜厚が薄すぎると製造工程で必要とされる最低限の機械的強度を担保できないからである。
【0029】
剥離工程(図2(a)): プラスチック基板14が貼り合わせられたら、ガラス基板10側からレーザ光40等を照射する。レーザ光40は基板10を透過し、剥離層11に照射される。剥離層11は、これにより、基板との界面あるいはその層内において、原子間あるいは分子間の結合力が減少あるいは消滅する。レーザ光40の照射時、剥離層11の組成にはアブレーションが生じ、また剥離層内部のガスの放出、レーザ光40による融解、蒸散等の相変化が生じていると推測される。
【0030】
照射光としては、剥離層11に効率よく剥離を生じさせるものであればよい。特にアブレーションを生じさせ易いという点で、波長248nmまたは308nmのエキシマーレーザ(excimer laser)光を用いるのが好ましい。照射されるレーザ光のエネルギー密度は、上記エキシマーレーザ光の場合、10〜5000mJ/cm2程度、照射時間は、1〜1000nsec程度、好ましくは10〜100nsec程度とする。エネルギー密度が低すぎたり短かすぎたりすれば十分なアブレーションを生じさせることができず、エネルギー密度が高すぎたり照射時間が長すぎたりすれば、剥離層ばかりかトランジスタ薄膜層12に悪影響を与えたり、破壊したりするからである。
【0031】
なお、剥離層11の全域に照射するために、複数回に分けて照射光を照射したり同一個所に2回以上照射してもよい。さらに、照射光におけるレーザ光の種類、その波長等を異ならせてもよい。
【0032】
また、剥離層11の剥離により分離したガラス基板10およびトランジスタ薄膜層12には剥離層11の残渣が付着しているので、洗浄、エッチング、アッシング、研磨等の方法でこれを除去する。分離したガラス基板10は再利用に回される。
【0033】
基板貼り合わせ(接着)工程(図2(b)): トランジスタ薄膜層12に貼り合わせられたプラスチック基板14は、透明電極21が設けられた他のプラスチック基板20と、所定の間隙をおいて貼り合わせられる。貼り合わせは、エポキシ樹脂等の接着剤を用いる。この接着剤は、両基板を接着する他、後に形成するゲストホスト液晶層の厚みを保持すると共に、水分、気泡、その他各種汚染物が侵入するのを防止する役割を果たす周囲シール部33となる。
【0034】
ゲストホスト液晶注入工程(図2(c)):シアン、マゼンダ、イエロー等の各二色性色素と液晶材との混合物からなる各原色毎のゲストホスト液晶を各々用意し、上記貼り合せ工程により接着された両基板の間隙に上記ゲストホスト液晶34Aを各々注入し各色のゲストホスト液晶デバイスを作成する。
ゲストホスト液晶デバイス貼り合わ工程(図3(a)(b)): 上記工程により、マゼンダ色液晶デバイス61、シアン色液晶デバイス62およびイエロー色液晶デバイス63を形成したら、これらをそれぞれ貼り合わせる。この貼り合せは、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等の接着剤70により行う。貼り合せにあたって、当該液晶デバイスの層面に垂直な方向から見て、各液晶デバイスに設けられた同一アドレスに係る画素要素120が互いに同一直線上に並ぶように注意して貼り合わせる。その後で、貼り合わされた液晶デバイスの最下面に白色反射板100(白色紙、白布、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、又はアルミニウム、銀等からなる鏡面上に光散乱板を配したものなどが良い)を配置する。
【0035】
以上の工程により、図3(b)に示すような液晶表示装置60が完成する。この液晶表示装置60に対し、各液晶デバイスの透明電極21を共通電極として電気的に接続し、各液晶デバイスの薄膜トランジスタ121のゲートに各画素の各原色の制御出力端子を接続すれば、液晶表示が行えるようになる。
【0036】
図4に、本実施形態の製造方法によって製造したゲストホスト液晶デバイスの断面図を示し表示原理を説明する。符号はいづれも共通部材については前図面と共通の符号を使用している。14は前述した方法により形成された薄厚基板で内面に透明電極122および薄膜トランジスタ121を有する。20は同様にプラスチック基板で、やはり内面に透明電極21を有する。34Aは、シアン、マゼンダ、又はイエロー等のゲストホスト液晶層で、液晶分子98及び二色性色素99を少なくとも含む混合物からなる。ここでは領域55は無電圧(V0)(すなわち、電位差がゼロ)の領域であり、領域54は、電圧(V1)が印加されている領域である。まず、無電圧領域55に於いては基板近傍を除く大部分の液晶分子98はラセン構造を取り、液晶分子の長軸は両基板14及び20の面に略平行な方位を取る。従って、二色性色素99も同様にゲストホスト効果に従い略平行な方位を取る。この結果、入射光51は該二色性色素99により光吸収される。ここで今、該二色性色素99がシアン色の場合には、シアン色を呈する波長光のみが透過し、他の波長光は吸収される。透過したシアン色の波長光は下部に配置された白色反射板100によって反射され前面に戻る。従って、該領域55に於いてはシアン色の外観が得られる。同様に、二色性色素99がイエロー色の場合にはイエロー色が、マゼンダ色の場合にはマゼンダ色の外観が得られる。
【0037】
一方、電圧印加領域54では、電圧V1が印加されている。ここで液晶分子98の誘電異方性(△ε)を正にしておけば液晶分子98は前記両基板14、20の面に対して略垂直に配向する。従ってゲストホスト効果により二色性色素99も同様に略垂直に配向するため入射光50に対して光吸収性が殆ど失われ入射光50はそのまま白色反射板100に達しそこで反射されて前面に戻るため略白色の外観が得られる。このようにして二色性色素の方位を電圧の有無により変えることによって色素の色と白色とを切り替えて表示することができる。
【0038】
以上がゲストホスト液晶デバイスの動作原理であるが、液晶分子の基板面近傍の配向、中間部のラセン状の液晶分子配列の方法等、さらに詳しい説明については文献(液晶デバイスハンドブック、日本学術振興会、第142委員会編、日刊工業新聞社発行、p315〜329)等に記されている。
【0039】
又、ここではゲストホスト液晶層34Aは液晶材料98と二色性色素99との混合物からなるとしたが、電圧無印加時に液晶分子がラセン配向を取るように0.1〜3%程度のコレステリック液晶も加えた方がよい。また更に、光硬化性樹脂のモノマーも適量加え、上記ゲストホスト液晶を注入した後、光硬化させたものをゲストホスト液晶層34Aとして用いれば、表示駆動電圧が低減できる他、0N,OFF切替時におけるヒステリシス現象の発生を押さえる効果もある。
【0040】
図5に、本実施形態の製造方法によって製造した各色のゲストホスト液晶デバイスを積層した反射型カラー液晶表示装置動作原理を説明する断面図を示す。
【0041】
同図では、液晶表示装置60のうち、各液晶デバイスの2つの画素要素120について拡大してある。領域54における各液晶デバイスの透明電極122および透明電極21間には、所定の電圧V1が印加してある。電圧印加領域54では、前述したように液晶分子が基板面に略垂直に配向する。このため、同様に二色性色素も略垂直に配向する。よって、入射光58は、二色性色素に殆ど吸収されること無く、すべての液晶デバイスを透過し、最下面の白色反射板100に達し、そこで反射されて再度、前面に反射光56となって戻ってくる。よって、この領域54では液晶表示装置60の表示面は明るく(白く)見える。
【0042】
一方、領域55における各液晶デバイスの透明電極122および透明電極21間の電位差は、無電圧V0(すなわち、電位差がゼロ)に設定されている。電圧が印加されないため、液晶分子及び二色性色素が前述したようにラセン構造をとり層面にほぼ水平に配向する。このため、入射光57は、それぞれの液晶デバイスの二色性色素により各色素に対応する波長光が吸収される。(緑色光53はマゼンダ色の二色性色素を含むゲストホスト液晶デバイス61で吸収され、赤色光52はシアン色の二色性色素を含むゲストホスト液晶デバイス62で吸収され、青色光51はイエロー色の二色性色素を含むゲストホスト液晶デバイス63で吸収される。)よって、すべての原色光(51、52、53)が吸収されるのであるから、この状態では液晶表示装置60の表示面は暗く(黒く)見える。
【0043】
マゼンダ色のゲストホスト液晶デバイス61のみ無電圧V0とし、他のゲストホスト液晶デバイス62、63には電圧V1を印加した場合には、マゼンダ色のみ透過し他の色波長光は吸収されるためマゼンダ色の表示外観を呈する。同様にシアン色のゲストホスト液晶デバイス62のみ無電圧V0とし、他のゲストホスト液晶デバイス61、63には電圧V1を印加した場合には、シアン色のみ透過し他の色波長光は吸収されるためシアン色の表示外観を呈する。更に同様に、イエロー色のゲストホスト液晶デバイス63のみ無電圧V0とし、他のゲストホスト液晶デバイス61、62には電圧V1を印加した場合には、イエロー色のみ透過し他の色波長光は吸収されるためイエロー色の表示外観を呈する。すなわち、液晶デバイスごとに駆動電圧の有無を制御すれば、カラー表示ができる。
【0044】
このとき、液晶表示装置60を構成する各液晶デバイスの基板の厚さを従来より薄くしているので、液晶表示装置全体の膜厚が薄くなっているとともに、各ゲストホスト液晶層間の基板が薄くなっているため該層間の間隔が狭くなっている。このため、明るいばかりか、垂直方向からややずれた方向から観察しても、色ズレが生じにくい。実際に表示装置として使用する際には、見る角度が浅くなる画面の周辺においても色ズレが生じにくくなる。
【0045】
以上のべたように、本実施形態によれば、ガラス基板上にトランジスタ薄膜を形成した後、これを剥離し、代わりに厚みの薄いプラスチック基板を接着し、これを用いて各色ゲストホスト液晶デバイスを積み重ねて液晶表示装置を製造するので、厚みが薄く明るく、また、色ズレの生じにくいカラー液晶表示装置を提供できる。
【0046】
〈変形例〉
本発明は、上記実施形態にこだわらず種々に適用可能なものである。例えば、上記実施形態では、ゲストホスト液晶を用いた液晶表示装置について説明したが、他の液晶表示装置に適用することもできる。
【0047】
すなわち、本発明によれば、耐熱性基板上に薄膜素子を形成した後、これを剥離し、厚みの薄い薄厚基板を形成するので、他の製造方法で製造された駆動素子を設けた基板に比べ、厚みの薄い駆動基板を製造できる。従って、この駆動基板によって駆動される公知の液晶表示機構を有する液晶表示装置を製作すれば、従来より軽く、薄い液晶表示装置を提供できることになる。
【0048】
特に、この発明によれば、フィルム状の表示装置を製造する際に有効な液晶表示装置の製造方法を提供できる。
【0049】
【発明の効果】
本発明の液晶表示装置の製造方法によれば、耐熱性を有する耐熱性基板に剥離層を形成し、該剥離層上に薄膜素子を設けた薄膜素子層を形成し、該薄膜素子層上に更に厚みの薄い薄厚基板を形成した後、耐熱性基板側から照射光を照射して剥離層に剥離を生じさせるので、薄膜素子製造に使用できないような耐熱性の低い薄い基板を薄膜素子層の基台にできる。
【0050】
従って、従来の表示装置よりも薄い液晶表示装置を製造できる。そして明るく、かつ特に、複数の原色のカラー液晶デバイスを重ねたカラー液晶表示装置の色ズレを生じさせないものである。
【0051】
また、本発明の液晶表示装置の製造方法では、薄膜素子に樹脂層を形成するので、薄膜素子形成後、薄膜基板との貼り合せが容易であり、従来より薄い液晶表示装置を製造できる。これは、フィルム状の液晶表示装置を製造する時に有利である。
【0052】
以上、本発明の液晶表示装置の製造方法により、より薄い、複数の、原色のゲストホスト液晶デバイスを貼り合せてカラー液晶表示装置を製造するため、全体として従来より薄い液晶表示装置が製造できる。これにより、薄く、軽く、明るく、かつ特に、色ズレを生じさせない美しいカラー表示画像が得られるカラー液晶表示装置が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態の液晶デバイスの製造工程断面図(前半)。
【図2】 実施形態の液晶デバイスの製造工程断面図(後半)。
【図3】 実施形態の液晶デバイスの製造工程断面図。
【図4】 実施形態のゲストホスト液晶デバイスの動作原理説明図。
【図5】 実施形態の液晶表示装置の動作原理説明図。
【符号の説明】
10・・・ガラス基板
11・・・剥離層
12・・・トランジスタ薄膜層(薄膜素子層)
13・・・樹脂層
14・・・プラスチック基板(透明基板)
20・・・プラスチック基板(透明基板)
30・・・液晶+二色性色素混合液
34A・・・ゲストホスト液晶層

Claims (8)

  1. 第1基板上に剥離層を配置する工程と、
    前記剥離層上に酸化ケイ素で構成された絶縁層を配置する工程と、
    前記絶縁層上に素子層を配置する工程と、
    前記素子層上に第2基板を配置する工程と、
    前記剥離層の同一個所にレーザー光を2回以上照射する工程と、
    前記剥離層を介して前記第1基板を前記素子層から剥離する工程と、
    前記第2基板と第3基板とを、前記素子層が前記第2基板と前記第3基板との間に位置するように貼り合わせる工程と、
    を有することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
  2. 請求項1において、
    前記剥離層が水素を含有した非晶質シリコンである液晶表示装置の製造方法。
  3. 請求項1において、
    前記剥離層がセラミックスである液晶表示装置の製造方法。
  4. 請求項1において、
    前記剥離層が金属または合金である液晶表示装置の製造方法。
  5. 請求項1ないしのいずれかにおいて、
    前記素子層がトランジスタを含む、液晶表示装置の製造方法。
  6. 請求項1ないしのいずれかにおいて、
    前記素子層が400℃以上の雰囲気下で配置される、液晶表示装置の製造方法。
  7. 請求項1ないしのいずれかにおいて、
    前記レーザー光が波長248nmまたは波長308nmのエキシマレーザー光である、液晶表示装置の製造方法。
  8. 請求項において、
    前記エキシマレーザー光のエネルギー密度が、10〜5000mJ/cm2であり、照射時間が10〜100nsecである、液晶表示装置の製造方法。
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