JP4145733B2 - 外壁の施工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物の外壁の施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、建物の外壁としてカーテンウォールを採用する場合には、建物の変形に対してカーテンウォールの面内方向の変位を許容するべく、カーテンウォールを躯体に対してスウェイあるいはロッキング可能な状態で取り付ける必要がある。特に、カーテンウォールとしてPCa版(プレキャストコンクリート版)を採用する場合には、たとえば特許文献1に示されるように、PCa版の上部および下部を躯体に対して変位可能に取り付けるとともに上下のPCa版どうしを相互に連結するための特殊なファスナーを用いる必要がある。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−352196号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のような特殊なファスナーを用いることはコスト高であるし、その施工も面倒であることから、カーテンウォールとしてのPCa版をファスナーを用いることなくより簡便かつ確実に取り付けることのできる有効な手法の開発が望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、少なくとも梁がRC造ないしSRC造とされ、外壁がPCa版からなるカーテンウォールとされる建物に適用されて、PCa版の上部のみを上階の梁の側部に一体化せしめて当階の躯体とは面内相対変位可能に絶縁することにより、PCa版をスウェイ可能な状態で各階に取り付ける構造の外壁を施工するための外壁の施工方法であって、上部内面側に接合部材を設けたPCa版を建て込んで仮支持するとともに、そのPCa版の側部内面に絶縁材を設け、PCa版の側部内側に柱型枠を組み立てるとともに上部内側に梁型枠を組み立て、柱型枠内および梁型枠内にコンクリートを打設することにより、絶縁材によりPCa版と絶縁した状態で柱を形成するとともに、接合部材によりPCa版の上部と一体化した状態で梁を形成することを特徴とする
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を図1〜図7を参照して説明する。本実施形態はRC造の建物への適用例であって、符号1は柱、2は梁、3はスラブであり、4は外壁を形成しているカーテンウォールとしてのPCa版である。符号21は施工時の仮設サポート、12は同じくライナーである。本実施形態では、PCa版4を躯体に取り付けるためのファスナーを用いることなく、PCa版4の上部のみを上階の梁2の側部に対して直接的に一体化してこの階の躯体に対しては固定せず、スウェイ可能な状態で支持するようにしている。
【0011】
すなわち、本実施形態では、図1〜図3に示すように、PCa版4の上部内面を梁2に対して一体化するとともに、PCa版4の下端部は下階のPCa版4との間にクリアランス5を確保し、またPCa版4の側部内面と柱1の表面との間には絶縁材6を介装してPCa版4と柱1とを絶縁することで、PCa版4の上部以外は躯体に対して固定することなく、それにより躯体が層間変形を生じた際にはPCa版4は上階の梁2とともに横方向に変位してスウェイ可能とされている。
【0012】
本実施形態におけるPCa版4は、図4〜図6に示すように、上部内面側に段部7が形成されてそれよりも上部では版厚がやや薄くされ、そこには梁2に対して一体化するための接合部材としてのトラス鉄筋8が半埋設状態で取り付けられている。トラス鉄筋8はPCa版4に埋設されている鉄筋8aと、梁4に埋設される鉄筋8bと、それらを連結しているジグザグ状の鉄筋8cからなり、後述のようにPCa版4の上部を梁型枠の一部として機能させてその内側にコンクリートを直接的に打設して梁2を形成することにより、その梁2はトラス鉄筋8を介して確実にPCa版4と一体化し、かつ段部7に係合した状態で形成されるようになっている。
【0013】
また、このPCa版4の上端面には、上階に設けられる他のPCa版4の施工の際にそれを支持してレベル出しするための支持具9が設けられている。本実施形態における支持具9は、アンカー9aにより定着したインサート9bにレベルボルト9cが螺着可能に構成され、かつそのインサート9bには、図7に示すようにこのPCa版4を吊り上げる際に用いる吊環10がレベルボルト9cに代えて螺着可能とされている。
【0014】
また、PCa版4の上端面および下端面には、上下のPCa版4どうしの変位を規制する対の係合具11が設けられている。本実施形態における係合具11は、PCa版4の上端面に突出するピン11aと、そのピン11aの直下に位置してPCa版4の下端面に形成された面内方向に長い溝11bから構成され、図3に示したように、上階のPCa版4の下端面の溝11b内に下階のPCa版4の上端面のピン11aが挿入されてそれらが係合することにより、双方のPCa版4どうしの面内方向の相対変位(すなわちスウェイ)が溝11bの長さの範囲内で許容されつつ、それらの面外方向への相対変位は拘束されるようになっている。
【0015】
本実施形態の構造の外壁を施工するには、図8に示すように施工階の下階までの施工が完了した状態から、図9に示すように柱鉄筋20を組み立て、図7に示したようにPCa版4をクレーンにより吊り上げて、図10に示すように施工階に建て込む。この際、PCa版4のレベル出しは下階の施工済みのPCa版4の上端面に螺着しておいたレベルボルト9cにより行い、PCa版4の荷重をそのレベルボルト9cおよび適宜のライナー12により支持するとともに、転倒防止のための仮設サポート21を設ける。なお、図7に示したようにPCa版4の内面の両側部には予め絶縁材6を取り付けておくと良いが、PCa版4を建て込んでから絶縁材6を取り付けるようにしても良い。また、PCa版4を建て込んだ後には吊環10を取り外し、それに代えてレベルボルト9cをインサート9bに装着しておく。
【0016】
そして、図11に示すようにPCa版4の内側に柱型枠22、梁型枠23、床型枠24を組み立て、梁鉄筋および床鉄筋(図示略)の配筋を行った後、コンクリートを打設する。養生後に各型枠を解体すれば図1に示した構造で当階の躯体および外壁が施工されるから、上階において同様の作業を繰り返し、適宜の仕上げを行う。
【0017】
上記のPCa版4を用いて上記の手順で施工することにより、従来のように特殊にして高価なファスナーを必要とすることなく、またPCa版4を支障なくスウェイ可能な状態で確実に設置することが可能であり、その施工も何等面倒ではないから、従来に較べて施工性を大きく向上させることができ、充分なコスト削減を図ることができる。
【0018】
なお、上記はRC造の建物への適用例であるが、本発明はSRC造の建物にも同様に適用可能であり、少なくともカーテンウォールとしてPCa版4を採用し、かつ梁2がRC造もしくはSRC造(すなわちコンクリートの現場打ちによって梁2を形成する構造)である限りにおいて、それ以外の各部の構造は任意であるし、躯体各部の形状や寸法、平面プランも任意である。
【0019】
たとえば図12〜図13はバルコニー30を有する場合の適用例を示すもので、図12はバルコニー30が現場打ちの例、図13はバルコニー30をPCa版により形成した場合の例を示すものであるが、いずれも、支持具9としてのレベルボルト9cをバルコニー30の版厚に応じた適正な長さのものを適宜ジョイントして用いることで、上記と同様の構造、手順にて施工することができる。
【0020】
また、上記では支持具9を構成しているインサート9bにレベルボルト9cと吊環10とを選択的に装着するものとし、したがってインサート9bはアンカー9aにより充分な定着強度を持たせるようにしたが、たとえば図14〜図15に示すようにPCa版4の上部の版厚が薄いような場合には、段部7に吊環10を螺着するためのインサート31をアンカー32により定着して設ければ良く、その場合にはPCa版4の上端面に設けたインサート9b(それにはアンカーは不要である)にはレベルボルト9cのみを螺着すれば良い。
【0021】
また、上記ではPCa版4と梁2とを一体化するための接合部材としてトラス鉄筋8を採用したが、PCa版4と梁2の双方に跨ってそれらに埋設されることで強固に接合し得るものであれば良く、接合部材としてはたとえばスタッドやシアーコッター等も含めて適宜の構造、形態のものが採用可能であるし、その設置位置や所要数も適宜設計すれば良い。また、上記ではPCa版4の上部内側に段部7を設けてそれよりも上部の版厚を薄くしたが、必ずしもそうすることはなく、全体にわたって均一な版厚のPCa版としても良い。
【0022】
勿論、支持具9の構成は上記実施形態におけるインサート9bとレベルボルト9cとによるものに限定されることはないし、係合具11の構成は上記実施形態におけるピン11aと溝11bとよるものに限定されることはなく、いずれも適宜の設計的変更が可能である。
【0024】
【発明の効果】
請求項1の発明の外壁の施工方法は、少なくとも梁がRC造ないしSRC造とされ、外壁がPCa版からなるカーテンウォールとされる建物に適用されて、PCa版の上部のみを上階の梁の側部に一体化せしめて当階の躯体とは面内相対変位可能に絶縁することにより、PCa版をスウェイ可能な状態で各階に取り付ける構造の外壁を施工するに際し、接合部材を設けたPCa版を建て込んで仮支持し、PCa版の側部内面に絶縁材を設け、PCa版の側部内側に柱型枠を組み立てるとともに上部内側に梁型枠を組み立て、柱型枠内および梁型枠内にコンクリートを打設するようにしたので、PCa版の上部を梁とを自ずと確実強固に一体化でき、またPCa版と柱とが自ずと絶縁され、上記構造の外壁を容易にかつ効率的に施工することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の施工方法により施工する外壁の構造の一実施形態を示す立断面図である。
【図2】 同、平面図である。
【図3】 同、立面図である。
【図4】 本発明の施工方法において用いるPCa版の一実施形態を示す斜視図である。
【図5】 同、部分側断面図である。
【図6】 同、部分正面図である。
【図7】 同、揚重状態を示す図である。
【図8】 本発明の施工方法の一実施形態を示す図であって、施工階における施工開始時点の状態を示す図である。
【図9】 同、柱鉄筋を組み立てた状態を示す図である。
【図10】 同、PCa版を建て込んで仮支持した状態を示す図である。
【図11】 同、柱型枠および梁型枠を組み立てた状態を示す立面図である。
【図12】 本発明の施工方法により施工する外壁の構造の他の実施形態を示す立断面図である。
【図13】 同、さらに他の実施形態を示す立断面図である。
【図14】 本発明の施工方法において用いるPCa版の他の実施形態を示す要部側断面図である。
【図15】 同、揚重状態を示す図である。
Claims (1)
- 少なくとも梁がRC造ないしSRC造とされ、外壁がPCa版からなるカーテンウォールとされる建物に適用されて、PCa版の上部のみを上階の梁の側部に一体化せしめて当階の躯体とは面内相対変位可能に絶縁することにより、PCa版をスウェイ可能な状態で各階に取り付ける構造の外壁を施工するための外壁の施工方法であって、
上部内面側に接合部材を設けたPCa版を建て込んで仮支持するとともに、そのPCa版の側部内面に絶縁材を設け、PCa版の側部内側に柱型枠を組み立てるとともに上部内側に梁型枠を組み立て、柱型枠内および梁型枠内にコンクリートを打設することにより、絶縁材によりPCa版と絶縁した状態で柱を形成するとともに、接合部材によりPCa版の上部と一体化した状態で梁を形成することを特徴とする外壁の施工方法。
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JP2003179931A JP4145733B2 (ja) | 2003-06-24 | 2003-06-24 | 外壁の施工方法 |
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