JP4144395B2 - 画像処理装置およびそれを備えた画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、描画命令に基づいて、主走査方向に走査して画像の形成を行うための描画データの生成を行う画像処理装置およびそれを備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のレーザプリンタやコピー機などの画像形成装置では、形成される画像の各画素に1対1に対応する描画データ(ビットマップ形式の画像データ)がメモリ装置の記憶エリア上に展開され、この描画データに基づき、画像の主走査方向への1ラインの走査とともに副走査方向への走査が行われて、被記録媒体等への画像の形成が行われている。描画データは、例えば、画像形成装置に接続されたパーソナルコンピュータ等で使用される応用プログラム等から出力される印刷命令が、画像形成装置に設けられた画像処理装置に入力されて、この画像処理装置にて、その印刷命令に含まれる複数の描画命令が実行され、これにより、メモリ装置の記憶エリア上を仮想の画像描画領域と見立てた描画が行われることにより生成される。
【0003】
パーソナルコンピュータ等から出力された印刷命令に含まれる描画命令には、ビットマップ形式の画像データである上記描画データを画像のどの位置に描画させるか指示する命令(イメージの描画命令)や、図形の各頂点の座標のデータに基づき、各頂点を結び、その枠内を塗りつぶすか否かなどのデータからなるベクタデータによる命令(図形パターンやフォントの描画命令)などがある。例えば、ベクタデータがメモリ装置の記憶エリア上に仮想の描画が行われる場合、その描画命令によって描画される図形パターン等が主走査方向に走査され、図形パターン等の各画素が上記メモリ装置の記憶エリアに仮想的に描画される。
【0004】
そして、画像は、先に実行された描画命令によって仮想的に描画されるイメージ、図形パターン、フォント等が後に描画されるそれら図形パターン等によって上書きされ、それが次々と幾重にも重ね合わされることによって形成される。画像上における各図形パターン等の描画位置は各描画命令によって指示され、最終的に形成されるビットマップ形式の画像が、被記録媒体上に形成される。
【0005】
ところで、このメモリ装置の記憶エリアは、画像の主走査方向における一端から他端までの画素のデータ(1ライン分のデータ)が副走査方向の並びに沿って連続するように設けられている。すなわち、メモリ装置の記憶エリアには、画像の1ライン目の走査方向(主走査方向)の先頭の画素のデータから最後尾の画素のデータを記憶するための記憶エリアが順に設けられ、続いて2ライン目、3ライン目と、以下同様になるように、各画素のデータが記憶されるエリアが設けられている。
【0006】
このように設けられた記憶エリアに図形パターン等が仮想的に描画され、描画データ化される場合、前記記憶エリアでは、その図形パターン等の各走査線(以下、「ライン」という。)について、そのラインの先頭の画素(そのラインの走査方向における最上流の画素)のデータを記憶するための記憶エリアのアドレスの指定が行われる。そして、その指定されたアドレスによって特定された記憶エリアに、描画データ化された画素データが記憶される。また、そのライン上の他の画素のデータは、前記指定されたアドレスから相対的に指定されたアドレスによって特定される記憶エリアに記憶される。
【0007】
このように描画される図形パターンは、それが副走査方向に長い図形であればその図形を構成するラインが多くなる。すると、描画データ化の際のラインの先頭のアドレスの指定回数が多くなるので、連続した記憶エリアに画素データの記憶を行えず、図形パターンの形成速度が遅くなる。特に、その図形パターンが副走査方向に長く、主走査方向に沿って連続して配列された配列パターン(例えば、グラデーションパターン)を構成していた場合において、その配列パターンが描画データ化される際に各図形パターンを1つずつ描画させていたのでは、画像全体としての描画パフォーマンスの低下を招いてしまう。
【0008】
このような描画パフォーマンスの向上のために、例えば、特許文献1では、入力された印刷命令に含まれる描画命令群がグラデーションパターンを描画する描画命令群であった場合に、その描画命令群を主走査方向における配列のパターンを副走査方向に繰り返し描画する描画命令に変換した中間描画命令を生成することで、処理効率の向上を図る提案がされている。
【0009】
【特許文献1】
特開2002−63582号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に示す中間描画命令の生成方法では、上記副走査方向に長い図形パターンが主走査方向にもある程度の幅を有していた場合、結合される図形パターンの数が少なくなるため、中間描画命令を生成するためにかかる時間に対し、中間描画命令を生成したことによって生成前より短縮できる時間の差が少なくなり、場合によっては、かえって中間描画命令を生成しなかった場合の方が時間的効率がよい場合もある。
【0011】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、グラデーションパターンを構成する図形パターンの主走査方向における幅を基準に描画命令の変換を行う画像処理装置およびそれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明の画像処理装置は、入力された描画命令に基づいて、主走査方向に走査して画像の形成を行うための描画データの生成を行う画像処理装置であって、前記入力された描画命令によって描画される図形パターンが所定の形状を有するか否かを判断する図形判断手段と、当該図形判断手段によって前記図形パターンが所定の形状であると判断された場合に、その図形パターンの主走査方向における幅が、第1の基準値以下であるか否かを判断する図形幅判断手段と、当該図形幅判断手段により前記図形パターンの幅が前記第1の基準値以下であると判断された場合にその描画命令を保持しておき、複数の描画命令が保持される場合に、それらの描画命令が示す図形パターンが、主走査方向に沿って連続に配列された配列パターンを構成するものであるか否かの判断を行う図形配列判断手段と、当該図形配列判断手段によって前記配列パターンを構成すると判断された場合に、それらの描画命令が示す複数の図形パターンを1以上にまとめ、主走査方向の幅が、前記第1の基準値より大きい図形幅を有する図形パターンの描画命令に変換する命令変換手段と、その命令変換手段によって変換された描画命令に基づいて、前記描画データの生成を行う描画データ生成手段とを備えている。
【0013】
また、請求項1に係る発明の画像処理装置は、上記の発明の構成に加え、前記入力された描画命令および前記命令変換手段によって変換された前記描画命令に基づいて生成される中間描画命令を記憶する中間描画命令記憶手段と、当該中間描画命令記憶手段が設けられた主記憶装置とを備え、前記第1の基準値は、前記主記憶装置と前記画像処理装置の主制御を司るCPUが利用する前記主記憶装置より高速に動作するキャッシュメモリとの間でのデータの転送単位である1レコード長に相当する分のデータ量に基づいて、あらかじめ決定された値であり、前記命令変換手段は、変換後の前記図形パターンの主走査方向における幅が、前記第1の基準値よりも大きい第2の基準値以下となる描画命令に変換するものであり、その第2の基準値は、前記1レコード長に相当する幅以下の値に設定されていることを特徴とする。
【0014】
また、請求項2に係る発明の画像処理装置は、入力された描画命令に基づいて、主走査方向に走査して画像の形成を行うための描画データの生成を行う画像処理装置であって、
前記入力された描画命令によって描画される図形パターンが所定の形状を有するか否かを判断する図形判断手段と、当該図形判断手段によって前記図形パターンが所定の形状であると判断された場合に、その図形パターンの主走査方向における幅が、第1の基準値以下であるか否かを判断する図形幅判断手段と、当該図形幅判断手段により前記図形パターンの幅が前記第1の基準値以下であると判断された場合にその描画命令を保持しておき、複数の描画命令が保持される場合に、それらの描画命令が示す図形パターンが、主走査方向に沿って連続に配列された配列パターンを構成するものであるか否かの判断を行う図形配列判断手段と、当該図形配列判断手段によって前記配列パターンを構成すると判断された場合に、それらの描画命令が示す複数の図形パターンを1以上にまとめ、主走査方向の幅が、前記第1の基準値より大きい図形幅を有する図形パターンの描画命令に変換する命令変換手段と、その命令変換手段によって変換された描画命令に基づいて、前記描画データの生成を行う描画データ生成手段と、前記入力された描画命令および前記命令変換手段によって変換された前記描画命令に基づいて生成される中間描画命令を記憶する中間描画命令記憶手段と、当該中間描画命令記憶手段が設けられた主記憶装置とを備え、前記第1の基準値は、前記画像処理装置の主制御を司るCPUが利用する前記主記憶装置より高速に動作するキャッシュメモリの記憶容量分のデータ量に基づいて、あらかじめ決定された値であり、前記命令変換手段は、変換後の前記図形パターンの主走査方向における幅が、前記第1の基準値よりも大きい第2の基準値以下となる描画命令に変換するものであり、その第2の基準値は、前記キャッシュメモリの記憶容量分に相当する幅以下の値に設定されていることを特徴とすることを特徴とする。
【0015】
また、請求項3に係る発明の画像処理装置は、入力された描画命令に基づいて、主走査方向に走査して画像の形成を行うための描画データの生成を行う画像処理装置であって、
前記入力された描画命令によって描画される図形パターンが所定の形状を有するか否かを判断する図形判断手段と、当該図形判断手段によって前記図形パターンが所定の形状であると判断された場合に、その図形パターンの主走査方向における幅が、第1の基準値以下であるか否かを判断する図形幅判断手段と、当該図形幅判断手段により前記図形パターンの幅が前記第1の基準値以下であると判断された場合にその描画命令を保持しておき、複数の描画命令が保持される場合に、それらの描画命令が示す図形パターンが、主走査方向に沿って連続に配列された配列パターンを構成するものであるか否かの判断を行う図形配列判断手段と、当該図形配列判断手段によって前記配列パターンを構成すると判断された場合に、それらの描画命令が示す複数の図形パターンを1以上にまとめ、主走査方向の幅が、前記第1の基準値より大きい図形幅を有する図形パターンの描画命令に変換する命令変換手段と、その命令変換手段によって変換された描画命令に基づいて、前記描画データの生成を行う描画データ生成手段と、前記入力された描画命令および前記命令変換手段によって変換された前記描画命令に基づいて生成される中間描画命令を記憶する中間描画命令記憶手段と、当該中間描画命令記憶手段が設けられた主記憶装置とを備え、前記第1の基準値は、前記主記憶装置の記憶エリアの管理における1ページ長に相当する分のデータ量に基づいて、あらかじめ決定された値であり、前記命令変換手段は、変換後の前記図形パターンの主走査方向における幅が、前記第1の基準値よりも大きい第2の基準値以下となる描画命令に変換するものであり、その第2の基準値は、前記1ページ長に相当する幅以下の値に設定されていることを特徴とする。
【0016】
また、請求項4に係る発明の画像処理装置は、入力された描画命令に基づいて、主走査方向に走査して画像の形成を行うための描画データの生成を行う画像処理装置であって、
前記入力された描画命令によって描画される図形パターンが所定の形状を有するか否かを判断する図形判断手段と、当該図形判断手段によって前記図形パターンが所定の形状であると判断された場合に、その図形パターンの主走査方向における幅が、第1の基準値以下であるか否かを判断する図形幅判断手段と、当該図形幅判断手段により前記図形パターンの幅が前記第1の基準値以下であると判断された場合にその描画命令を保持しておき、複数の描画命令が保持される場合に、それらの描画命令が示す図形パターンが、主走査方向に沿って連続に配列された配列パターンを構成するものであるか否かの判断を行う図形配列判断手段と、当該図形配列判断手段によって前記配列パターンを構成すると判断された場合に、それらの描画命令が示す複数の図形パターンを1以上にまとめ、主走査方向の幅が、前記第1の基準値より大きい図形幅を有する図形パターンの描画命令に変換する命令変換手段と、その命令変換手段によって変換された描画命令に基づいて、前記描画データの生成を行う描画データ生成手段と、前記入力された描画命令および前記命令変換手段によって変換された前記描画命令に基づいて生成される中間描画命令を記憶する中間描画命令記憶手段と、当該中間描画命令記憶手段が設けられた主記憶装置とを備え、前記第1の基準値は、前記画像処理装置の主制御を司るCPUと前記主記憶装置との間でのデータの転送がバーストモードにより行われる場合の1バースト長に相当する分のデータ量に基づいて、あらかじめ決定された値であり、前記命令変換手段は、変換後の前記図形パターンの主走査方向における幅が、前記第1の基準値よりも大きい第2の基準値以下となる描画命令に変換するものであり、その第2の基準値は、前記1バースト長に相当する幅以下の値に設定されていることを特徴とする。
【0017】
また、請求項5に係る発明の画像処理装置は、入力された描画命令に基づいて、主走査方向に走査して画像の形成を行うための描画データの生成を行う画像処理装置であって、
前記入力された描画命令によって描画される図形パターンが所定の形状を有するか否かを判断する図形判断手段と、当該図形判断手段によって前記図形パターンが所定の形状であると判断された場合に、その図形パターンの主走査方向における幅が、第1の基準値以下であるか否かを判断する図形幅判断手段と、当該図形幅判断手段により前記図形パターンの幅が前記第1の基準値以下であると判断された場合にその描画命令を保持しておき、複数の描画命令が保持される場合に、それらの描画命令が示す図形パターンが、主走査方向に沿って連続に配列された配列パターンを構成するものであるか否かの判断を行う図形配列判断手段と、当該図形配列判断手段によって前記配列パターンを構成すると判断された場合に、それらの描画命令が示す複数の図形パターンを1以上にまとめ、主走査方向の幅が、前記第1の基準値より大きい図形幅を有する図形パターンの描画命令に変換する命令変換手段と、その命令変換手段によって変換された描画命令に基づいて、前記描画データの生成を行う描画データ生成手段と、前記入力された描画命令および前記命令変換手段によって変換された前記描画命令に基づいて生成される中間描画命令を記憶する中間描画命令記憶手段と、当該中間描画命令記憶手段が設けられた主記憶装置とを備え、前記第1の基準値は、前記画像処理装置の主制御を司るCPUと前記主記憶装置とを接続するデータバスのバス幅に相当する分のデータ量に基づいて、あらかじめ決定された値であり、前記命令変換手段は、変換後の前記図形パターンの主走査方向における幅が、前記第1の基準値よりも大きい第2の基準値以下となる描画命令に変換するものであり、その第2の基準値は、前記データバスのバス幅に相当する幅以下の値に設定されていることを特徴とする。
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
また、請求項6に係る発明の画像処理装置は、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記図形判断手段が判断する前記図形パターンの所定の形状とは、長方形であることを特徴とする。
【0024】
また、請求項7に係る発明の画像処理装置は、請求項1乃至6のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記命令変換手段によって変換された前記図形パターンの描画命令に基づく中間描画命令は、主走査方向における所定本数の走査線を、副走査方向に繰り返して描画させる命令であることを特徴とする。
【0025】
また、請求項8に係る発明の画像形成装置は、請求項1乃至7のいずれかに記載の画像処理装置と、当該画像処理装置で生成された前記描画データに基づいて、被記録媒体上に画像を形成する画像形成手段とを備えている。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した画像処理装置およびそれを備えた画像形成装置の一実施の形態について、図面を参照して説明する。まず、図1を参照して、画像形成装置の一例であるレーザプリンタ1の全体の構成について説明する。
【0027】
図1に示すように、レーザプリンタ1は、断面視、筐体2内に、被記録媒体としての用紙3を給紙するためのフィーダ部4や、給紙された用紙3に印刷するための画像形成部5を構成するスキャナユニット16、プロセスカートリッジ17および定着器18等を備えている。ここで、レーザプリンタ1において、図中右手方向が前面となる。なお、画像形成部5が、本発明における「画像形成手段」に相当する。
【0028】
用紙3は、筐体2の底部に着脱される給紙カセット6に設けられた用紙押圧板7上にて積層状に保持され、その用紙押圧板7によって、筐体2の前面側で給紙カセット6の上方に設けられた給紙ローラ8に向かって押圧されている。そして、給紙ローラ8の回転にともなって、用紙3は、搬送ローラ11を介するUターン状の搬送パスを通って、レジストローラ12から、筐体2内の略中央に設けられた画像形成部5に向かって搬送されるようになっている。
【0029】
また、給紙カセット6の上方で画像形成部5の下方の位置には、低圧電源基板90、高圧電源基板95、およびエンジン基板85が設けられている。低圧電源基板90は、レーザプリンタ1の外部から供給された、例えば単相100Vの電圧を、レーザプリンタ1の内部の各部に供給するために、例えば24Vの電圧に降下させるための回路基板である。また、高圧電源基板95は、後述する画像形成部5のプロセスカートリッジ17の各部に印加する高電圧のバイアスを発生する回路基板である。エンジン基板85は、レーザプリンタ1の各ローラ等の機械的な動作をともなう部品の駆動源である駆動モータ(図示外)や、その駆動系の動作方向の切り換えを行うためのソレノイド(図示外)や、レーザ発光部(図示外)等を駆動させるための回路基板である。
【0030】
さらに、筐体2の右側面(図中紙面奥側)と、本体右手側のフレーム(図示外)との間の位置には、レーザプリンタ1の各装置の制御を司る制御基板100(図2参照)が設けられている。この制御基板100は、その面方向が筐体2の右側面と略平行となる方向に配置されている。この制御基板100の詳細については後述する。
【0031】
次に、画像形成部5のスキャナユニット16は、筐体2内において排紙トレイ46の直下に配置され、レーザ光を出射するレーザ発光部(図示外)、レーザ発光部より出射されたレーザ光を回転駆動して主走査方向に走査するポリゴンミラー19、ポリゴンミラー19に走査されたレーザ光の走査速度を一定にするfθレンズ20、走査されたレーザ光を反射する反射ミラー21a,21b、反射ミラー21aで反射されたレーザ光を反射ミラー21bを介して感光体ドラム27上で結像する際の副走査方向における面倒れを補正するシリンダーレンズ22等で構成されている。スキャナユニット16は、印刷データに基づいてレーザ発光部から出射されるレーザ光を、図中1点鎖線Lで示すように、ポリゴンミラー19、fθレンズ20、反射ミラー21a、シリンダーレンズ22、反射ミラー21bの順に通過あるいは反射させて、プロセスカートリッジ17の感光体ドラム27の表面上に露光走査するものである。
【0032】
次に、画像形成部5のプロセスカートリッジ17は、ドラムカートリッジ23と、ドラムカートリッジ23に着脱可能な現像カートリッジ24とから構成されている。ドラムカートリッジ23は、感光体ドラム27、帯電器29、転写ローラ30等を備えている。現像カートリッジ24は、現像ローラ31、供給ローラ33、トナーホッパー34等を備えている。筐体2の前面の上寄り部位には、プロセスカートリッジ17の挿入のための一部開放状の空間があり、プロセスカートリッジ17は、筐体2の右端(前面側)のカバー54を下向きに回動させて大きく開いた状態で着脱される。
【0033】
ドラムカートリッジ23の感光体ドラム27は、現像ローラ31と接触する状態で矢印方向(図中時計方向)に回転可能に配設されている。この感光体ドラム27は、導電性基材の上に、正帯電の有機感光体を塗布したものであり、電荷発生材料が電荷輸送層に分散された正帯電有機感光体である。感光体ドラム27はレーザ光等の照射を受けると、光吸収によって電荷発生材料で電荷が発生され、電荷輸送層で感光体ドラム27の表面と、導電性基材とにその電荷が輸送されて、帯電器29に帯電されたその表面電位をうち消すことで、照射を受けた部分の電位と、受けていない部分の電位との間に電位差を設けることができるようになっている。印刷データに基づいてレーザ光を露光走査することにより、感光体ドラム27には静電潜像が形成される。
【0034】
帯電手段としてのスコロトロン型の帯電器29は、感光体ドラム27の上方に、感光体ドラム27に接触しないように、所定の間隔を隔てて配設されている。帯電器29は、タングステンなどの放電用のワイヤからコロナ放電を発生させるスコロトロン型の帯電器であり、高圧電源基板95より帯電バイアスが印加されて感光体ドラム27の表面を一様に正極性に帯電させるように構成されている。
【0035】
また、現像カートリッジ24がドラムカートリッジ23に装着された状態では、現像ローラ31は、感光体ドラム27の回転方向(図中時計方向)における帯電器29の配置位置より下流に配設されており、矢印方向(図中反時計方向)に回転可能に配設されている。この現像ローラ31は、金属製のローラ軸に導電性のゴム材料からなるローラが被覆されており、高圧電源基板95より現像バイアスが印加される。
【0036】
供給ローラ33は、現像ローラ31の側方位置で、現像ローラ31を挟んで感光体ドラム27の反対側の位置に回転可能に配設されており、現像ローラ31に対して圧縮するような状態で当接されている。この供給ローラ33は、金属製のローラ軸に、導電性の発泡材料からなるローラが被覆されており、現像ローラ31に供給するトナーを摩擦帯電するようになっている。このため、供給ローラ33は、現像ローラ31と同方向となる矢印方向(図中反時計方向)に回転可能に配設されている。
【0037】
トナーホッパー34は、供給ローラ33の側方位置に設けられており、その内部に供給ローラ33を介して現像ローラ31に供給される現像剤を充填している。本実施の形態では、現像剤として正帯電性の非磁性1成分のトナーが使用されており、このトナーは、重合性単量体、例えばスチレンなどのスチレン系単量体やアクリル酸、アルキル(C1〜C4)アクリレート、アルキル(C1〜C4)メタアクリレートなどのアクリル系単量体を、懸濁重合などの公知の重合方法によって共重合させることにより得られる重合トナーである。このような重合トナーには、カーボンブラックなどの着色剤やワックスなどが配合されるとともに、流動性を向上させるために、シリカなど外添剤が添加されている。その粒子径は、約6〜10μm程度である。
【0038】
感光体ドラム27の回転方向の現像ローラ31の下流で、感光体ドラム27の下方位置には、転写ローラ30が配設されており、矢印方向(図中反時計方向)に回転可能に支持されている。この転写ローラ30は、金属製のローラ軸に、イオン導電性のゴム材料からなるローラが被覆されており、転写時には、高圧電源基板95より転写バイアスが印加されるように構成されている。転写バイアスとは、感光体ドラム27の表面上に静電付着したトナーが転写ローラ30の表面上に電気的に吸引される方向に電位差が生じるように転写ローラ30に印加されるバイアスである。
【0039】
次に、画像形成部5の定着器18は、プロセスカートリッジ17の側方下流側に配設された定着ローラ41、この定着ローラ41を押圧する加圧ローラ42等を備えている。定着ローラ41は、中空のアルミ製の軸にフッ素樹脂がコーティングされ焼成されたローラであり、筒状のローラの内部に加熱のためのハロゲンランプ41aを備えている。加圧ローラ42は、低硬度シリコンゴムからなる軸にフッ素樹脂のチューブが被膜されたローラであり、スプリング(図示外)によってその軸が定着ローラ41の方向に付勢されることで、定着ローラ41に対して押圧されている。定着器18では、プロセスカートリッジ17において用紙3上に転写されたトナーが、用紙3が定着ローラ41と加圧ローラ42との間を通過する間に用紙3に加圧加熱定着され、その後、用紙3を排紙パス44に搬送するようにしている。
【0040】
排紙トレイ46は、筐体2の上部中央より前側にかけての位置に、印刷された用紙3を積層保持できるように、筐体2の前側ほど傾斜が小さくなるように凹部形成されている。画像形成部5で画像が形成された用紙3は、半弧を描くように設けられた排紙パス44に導かれて排紙トレイ46上に排出される。
【0041】
次に、図2〜図4を参照して、レーザプリンタ1の電気的な構成について説明する。図2に示すように、制御基板100上には、CPU110と、ROM130と、RAM140と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)150と、インターフェース160とが設けられている。
【0042】
CPU110には、データバス170を介してROM130と、RAM140と、ASIC150とが接続されており、ASIC150には、インターフェース160が接続されている。レーザプリンタ1の主制御を司るCPU110は、ROM130に記憶された各種プログラム等を実行し、その際にRAM140に一時的なデータの記憶を行わせ、ASIC150を介して各装置を制御するためのコマンド等の送受信を行うようになっている。CPU110の内部には、CPU110のデータ処理速度とRAM140のデータ処理速度との間の速度差を緩衝して高速化を図るためのキャッシュメモリ120が設けられている。なお、ASICは、特定の使用目的に特化するように種々の基本回路を組み合わせて構成されたカスタムICであり、機器の制御回路の主要部分をワンチップで実現できるという手軽さがある。
【0043】
また、ASIC150には、高圧電源基板95とエンジン基板85とが接続されている。前述したように、高圧電源基板95において発生されるバイアスは、プロセスカートリッジ17の帯電器29、現像ローラ31、転写ローラ30等に印加されるようになっている。また、エンジン基板85に接続された駆動モータ(図示外)は、感光体ドラム27、現像ローラ31、転写ローラ30、その他、搬送ローラ等に図示外の駆動系を介して駆動力を与え、各ローラの回転駆動を行う。なお、駆動系はギア等で構成され、駆動モータから出力される駆動力の分配と伝達を行う。
【0044】
低圧電源基板90は、制御基板100、高圧電源基板95およびエンジン基板85に接続され、電力の供給を行っている。そして、制御基板100のインターフェース160には、例えばUSBケーブルなどを介してホストコンピュータ200が接続され、レーザプリンタ1への印刷命令等の送信が行われるよになっている。
【0045】
次に、図3に示すように、ROM130には、中間印刷命令生成プログラム(図9参照)を記憶した中間印刷命令生成プログラム記憶エリア131と、後述する規定値や、各種初期値などが記憶された設定値記憶エリア132と、レーザプリンタ1の制御を司る制御プログラムや公知のPDLインタプリタ(図示外)等が記憶されたその他のプログラム記憶エリア133となどが設けられている。
【0046】
また、図4に示すように、RAM140には、各種プログラム等の実行時に一時的なデータを記憶するためのワークエリア141と、中間印刷命令生成プログラム(図9参照)の実行中に、処理が行われた制御命令や描画命令を記憶するための中間印刷命令記憶エリア142と、仮想ページとして見立てられ、展開された描画データ(ビットマップ形式のイメージデータ)を記憶するための描画データ記憶エリア143と、所定の条件を満たすグラデーションパターンを描画する描画命令群を一時的に記憶する長方形描画命令記憶エリア144となどが設けられている。
【0047】
次に、図1,図2を参照して、レーザプリンタ1の印刷時の動作について説明する。ホストコンピュータ200からの印刷命令を受信したレーザプリンタ1では、後述する画像処理により印刷命令から生成された描画データに基づいて、画像形成処理370(図7参照)が行われる。
【0048】
画像形成処理370(図7参照)では、印刷を行うための描画データの生成にともなって印刷開始信号がCPU110から出力されると、用紙3が給紙ローラ8によってレジストローラ12に送られる。レジストローラ12は用紙3をレジストし、回転する感光体ドラム27の表面上に形成された可視像の先端と用紙3の先端とが一致するタイミングで用紙3を送り出す。
【0049】
一方、スキャナユニット16では、描画データに基づいてエンジン基板85で生成されたレーザ駆動信号に基づいてレーザ発光部(図示外)でレーザ光が発生され、ポリゴンミラー19に対して出射される。ポリゴンミラー19は入射したレーザ光を主走査方向(用紙3の搬送方向と直交する方向)に走査し、fθレンズ20に対して出射する。fθレンズ20は、ポリゴンミラー19で等角速度に走査されたレーザ光を等速度走査に変換する。そして、レーザ光は、反射ミラー21aで進行方向を変化され、シリンダーレンズ22によって収束され、反射ミラー21bを介して感光体ドラム27の表面上で結像される。
【0050】
また、感光体ドラム27は、高圧電源基板95より帯電バイアスが印加された帯電器29によって、その表面電位が約1000Vに帯電される。矢印方向(図1中時計方向)に回転する感光体ドラム27は、次に、レーザ光の照射を受ける。レーザ光は用紙3の主走査線上において、現像を行う部分には照射され、行わない部分には照射されないようにスキャナユニット16から出射されており、レーザ光の照射を受けた部分(明部)は、その表面電位が約200Vに下がる。そして、感光体ドラム27の回転にともなって、レーザ光が副走査方向(用紙3の搬送方向)にも照射され、レーザ光が照射されなかった部分(暗部)と明部とで、感光体ドラム27表面上には電気的な不可視画像、すなわち静電潜像が形成される。
【0051】
ここで、トナーホッパー34より供給され、供給ローラ33と現像ローラ31との間で正に摩擦帯電されたトナーは、厚みが一定の薄層となるように調整されて現像ローラ31上に担持される。この現像ローラ31には、高圧電源基板95より約400Vの正の現像バイアスが印加されている。現像ローラ31の回転により、現像ローラ31上に担持され、かつ、正帯電されているトナーは、感光体ドラム27に対向して接触するときに、感光体ドラム27の表面上に形成されている静電潜像に転移する。すなわち、現像ローラ31の電位は、暗部の電位(+1000V)より低く、明部の電位(+200V)より高いので、トナーは電位の低い明部に対して選択的に転移する。こうして、感光体ドラム27の表面上に、トナーによる現像剤像としての可視像が形成され、現像が行われる。
【0052】
そして、感光体ドラム27と転写ローラ30との間を用紙3が通過する際に、明部の電位(+200V)よりさらに低い、(電圧値にして)約−1000Vの負の定電流である転写順バイアスが転写ローラ30に印加されて、感光体ドラム27表面上に形成された可視像が用紙3上に転写される。
【0053】
トナーが転写された用紙3は、定着器18に搬送される。定着器18は、トナーの載った用紙3に、定着ローラ41による約200℃の熱と加圧ローラ42による圧力とを加え、トナーを用紙3上に溶着させて永久画像を形成する。なお、定着ローラ41と加圧ローラ42とはそれぞれダイオードを介して接地されており、定着ローラ41の表面電位より加圧ローラ42の表面電位が低くなるように構成されている。そのため、用紙3の定着ローラ41側に載置されている正帯電性のトナーは、用紙3を介して加圧ローラ42に電気的に吸引されるので、定着時に定着ローラ41にトナーが引き寄せられることによる画像の乱れが防止されている。
【0054】
トナーが加圧加熱定着された用紙3は排紙パス44上を搬送され、印刷面を下向きにして排紙トレイ46に排出される。次に印刷される用紙3も同様に、先に排出された用紙3の上に印刷面を下にして排紙トレイ46に積層される。こうして、利用者は、印刷順に整列された用紙3を得ることができる。
【0055】
なお、このレーザプリンタ1では、転写ローラ30によって感光体ドラム27から用紙3にトナーが転写された後に、感光体ドラム27の表面上に残存する残存トナーを現像ローラ31で回収する、いわゆるクリーナーレス現像方式を採用している。
【0056】
ところで、一般的によく使用されるレーザプリンタでは、原稿のページ単位による印刷が行われる。ホストコンピュータ上で動作する応用プログラム等で作成された書類の印刷には、ホストコンピュータ上であらかじめ描画データに変換された印刷データがレーザプリンタに送信され、これに基づき印刷が行われる場合や、ホストコンピュータ上で印刷命令が生成されてレーザプリンタに送信され、レーザプリンタ側で描画データに変換されて印刷が行われる場合などがある。
【0057】
後者の場合、その印刷命令には、例えばアドビシステムズ社が開発したPostScript(登録商標)等の、いわゆるページ記述言語(Page Description Language:PDL)により記述されたものが、しばしば用いられる。ページ記述言語は、ページ上に形成される個々のフォント、図形、イメージ等について、その大きさ、配置位置、その他の情報などを規定する言語であり、テキスト形式で記述されることが多い。ページ記述言語によって記述された個々のフォント、図形等の図形パターンや、イメージ(一部のフォントを含む)等を描画するための描画命令群は、制御命令(例えば、ページの先端、終端、大きさ、解像度などの定義を宣言するための命令)などとともに、印刷命令としてホストコンピュータからレーザプリンタに送信される。すなわち、ページ記述言語によって記述される印刷命令は、制御命令および描画命令の羅列により構成されている。レーザプリンタではこれらの各命令が記述順に実行され、メモリ装置上の記憶エリアを仮想的な原稿の1ページ(以下、「仮想ページ」という。)として見立てて、各々の描画命令による描画が行われることにより、その記憶エリア上に描画データが生成されるのである。この描画データをもとに、レーザプリンタにおける画像の形成が行われる。
【0058】
なお、描画命令とは、ベクタデータに基づき長方形、円形、ベジェ曲線、その他で構成される図形パターンの描画命令、同様に、ベクタデータに基づき図形パターンとして描かれるフォントの描画命令、ビットマップデータで描かれるイメージの描画命令などである(一部のフォントについては、イメージにより描画されるものもある。)。もとの応用プログラムで作成された書類等は、これらの描画命令により描画されるフォント、図形、イメージ等が重なり合った画像として構成されている。
【0059】
本実施の形態のレーザプリンタ1では、前述した画像形成処理370(図7参照)に先立って行われる画像処理において、上記のようなページ記述言語で記述された描画命令群からの描画データの生成の際に、所定の条件を満たす描画命令群については他の描画命令に変換してから中間描画命令群の生成が行われ、さらに描画データの生成が行われる。これは、所定の条件を満たす描画命令群について、そのまま各描画命令が実行されて描画データの生成が行われるよりも、その描画命令群をより描画効率のよい描画命令に変換してから描画データの生成が行われた方が、処理速度の向上を図ることができる場合があるからである。例えば、描画命令群が、ページの横方向、すなわち、主走査方向に色調が変化するグラデーションパターンを描画するための描画命令群である場合などが該当する。なお、グラデーションパターンが、本発明における「主走査方向に沿って連続に配列された配列パターン」に相当する。
【0060】
例えば、図5に示すように、RAM140の描画データ記憶エリア143を仮想ページとして見立て、その仮想ページが、縦16ドット、横16ドットで構成され、色調を表現するため1ドットあたり2バイト(16ビット)の記憶容量が使用されると仮定すると、この仮想ページに描画データを作成するためには、記憶領域として4096ビットが必要となる。通常、記憶領域の各ビットに割り当てられた番地は仮想ページの横方向(主走査方向)に連続した番地となっており、横方向の1ラインを一区切りとして縦方向(副走査方向)に連続して割り当てられている。本例の場合、仮想ページとして各ドットに0000h番地〜0FFFh番地までの番地が割り当てられており、仮想ページの左上のドットが0000h番地、そこから横方向に16ドット分の00FFh番地までが1ライン目として割り当てられている。そして、2ライン目として、0100h番地から01FFh番地まで、以下同様に、16ライン目の0F00h番地〜0FFFh番地まで割り当てられている。なお、仮想データの構成は、必ずしも縦16ドット、横16ドットに限らず任意であればよく、また、色調を表現するための1ドットあたりの記憶容量も2バイトには限らない。
【0061】
縦方向に色調が変化するグラデーションパターン280は、4つの長方形281,282,283,284が縦方向に連続して配置されることにより表現されている。長方形281は、0240h番地,02BF番地,0340h番地,03BFh番地をそれぞれ頂点とする長方形を第1の色で塗りつぶす描画命令によって描画される。長方形282も同様に、0440h番地,04BF番地,0540h番地,05BFh番地をそれぞれ頂点とする長方形を第2の色で塗りつぶす描画命令によって描画される。長方形283,284についても同様に、第3,第4の色で塗りつぶされて描画されている。
【0062】
この長方形281〜284を描画する描画命令群が順に実行されると、まず長方形281が、例えば、0240h番地から16ドット分が第1の色で塗りつぶされ、次に、0340h番地から16ドット分が第1の色で塗りつぶされることによって、仮想ページにイメージとして描画される。次いで、長方形282が、0440h番地から16ドット分が第2の色で、次に、0540h番地から16ドット分が第2の色で塗りつぶされて描画される。以降同様に、長方形283,284が描画されることによって、仮想ページ上にグラデーションパターン280が描画される。
【0063】
一方、図6に示す、横方向に色調が変化するグラデーションパターン290は、4つの長方形291,292,293,294が横方向に連続して配置されることにより表現される。長方形291は、0240h番地,025F番地,0940h番地,095Fh番地をそれぞれ頂点とする長方形を第1の色で塗りつぶす描画命令によって描画される。長方形292も同様に、0260h番地,027F番地,0960h番地,097Fh番地をそれぞれ頂点とする長方形を第2の色で塗りつぶす描画命令によって描画される。長方形283,284についても同様に、それぞれ第3,第4の色で塗りつぶされて描画されている。
【0064】
この長方形291〜294を描画する描画命令群が順に実行されると、まず長方形291が、例えば、0240h番地から2ドット分が第1の色で塗りつぶされ、次に、0340h番地から2ドット分が第1の色で塗りつぶされ、以下同様に継続されて、最後に0940h番地から2ドット分が第1の色で塗りつぶされることによって、仮想ページにイメージとして描画される。次いで、長方形292が、0440h番地から2ドット分が第2の色で塗りつぶされ、長方形291と同様に、最後に0960h番地から2ドット分が第2の色で塗りつぶされて描画される。長方形283,284についても同様である。このようにして、仮想ページ上にグラデーションパターン290が描画される。
【0065】
グラデーションパターン290の描画は、グラデーションパターン280の描画と比べて記憶領域の番地を指定する回数が多く、描画効率が悪いため、しばしば画像処理の処理速度の低下を招く。このため、このような横方向に色調が変化するグラデーションパターンの場合には、その描画命令群が、より効率のよい描画命令に変換されるのである。本例の場合、グラデーションパターン290の描画命令群は、主走査方向に1ドット単位で「第1の色,第1の色,第2の色,第2の色,第3の色,第3の色,第4の色,第4の色」を描画するイメージを0240h番地、0340h番地、0440h番地、・・・、0840h番地、0940h番地を先頭として描画を行う描画命令に変換される。
【0066】
もっとも、上記のような横方向に色調が変化するグラデーションパターンを描画する描画命令群のみを、より効率のよい描画命令に変換するとしても、描画命令から描画データを生成する際のデータの取り扱われかた次第では、かえって処理速度が低下する場合がある。本実施の形態では、RAM140と、キャッシュメモリ120との間でのデータの転送効率について検討され、画像処理の処理速度を効率よく向上させる工夫がなされている。その詳細については後述するが、ここで、図7を参照して、ホストコンピュータ200から出力された印刷命令が画像処理を経て描画データに変換され、用紙3上に印刷されるまでのデータの流れについて説明する。なお、図7に示すデータフローダイアグラムにおいて、データの流れ(データフロー)を矢印、データの処理(プロセス)を円、データが蓄積されている状態(データストア)を2本の太線、データの発生源もしくは行き先(外部)を四角で表すものとする。
【0067】
図7に示すように、例えば、利用者がホストコンピュータ200上で動作させた応用プログラムなどで作成された書類等の印刷データは、ホストコンピュータ200にてページ記述言語によって記述された印刷命令として、レーザプリンタ1に送信される。インターフェース160(図2参照)を介してレーザプリンタ1に入力された印刷命令は、その印刷命令を構成する各命令について印刷命令解析処理310により解析される。この印刷命令解析処理310では、公知のPDLインタプリタ(ページ記述言語で記述された各命令を1つずつ解釈して実行するプログラム)による解析が行われる。もっとも、この印刷命令解析処理310においては、各命令が何を行わせる命令であるかの解析が行われるだけであり、その命令の実行までは行われない。順次入力される制御命令は、その入力順にRAM140の中間印刷命令記憶エリア142に記憶される。また、各描画命令のうち、長方形を除く図形を描画する描画命令、フォントの描画命令、イメージの描画命令については、そのまま中間描画命令として、制御命令と同様、入力順に、RAM140の中間印刷命令記憶エリア142に記憶される。
【0068】
一方、描画命令が長方形を描画する描画命令であれば、図形パターン判定処理320によって処理が行われる。図形パターン判定処理320では、その描画命令が、グラデーションパターンを描画する描画命令群であるか否かを判定され、グラデーションパターンを描画する描画命令群でない描画命令については、前記同様そのまま、中間描画命令として、中間印刷命令記憶エリア142に記憶される。
【0069】
そして、複数の描画命令がグラデーションパターンを描画する描画命令群であった場合には、その描画命令群に対してグラデーション処理330が行われる。すなわち、前述したように、その描画命令群が、より効率のよい描画命令に変換される。この変換された描画命令は、中間描画命令として、中間印刷命令記憶エリア142に記憶される。
【0070】
印刷命令に含まれるすべての描画命令の解析が完了すると、制御命令と、中間描画命令として蓄積された描画命令とに対し、ラスタ処理350が行われる。すなわち、中間印刷命令記憶エリア142に記憶された制御命令および中間描画命令が、PDLインタプリタによって蓄積順に実行され、仮想ページに見立てた描画データ記憶エリア143に描画データが生成される。そして、画像形成処理370では、前述したように、生成された描画データに基づいて、用紙3上にトナー像としての画像が形成される。こうして、利用者は、画像が形成された用紙3を印刷物380として手にすることができるのである。なお、ラスタ処理350を実行するCPU110が、本発明における「描画データ生成手段」に相当する。
【0071】
このように、レーザプリンタ1では、受信した印刷命令に含まれる描画命令が中間描画命令に変換されてから描画データの生成が行われ、この描画データに基づく画像の形成が行われるが、前述したように、RAM140と、キャッシュメモリ120との間でのデータの転送効率について工夫することによって、画像処理の処理速度の効率を向上させることができる。すなわち、いわゆるキャッシュのヒット率を高めることができれば、キャッシュメモリ120の記憶内容を書き換える回数を減らし、速度の向上を図ることができるのである。
【0072】
ここで、キャッシュメモリ120の動作の概念について説明する。前述したように、キャッシュメモリ120は、CPU110のデータ処理速度とRAM140のデータ処理速度との間の速度差を緩衝して高速化を図るための記憶装置である。例えば、内蔵したコンデンサの電荷の有無を利用して記憶を行うDRAM(Dynamic Random Access Memory)を記憶素子として用いるRAM140と比べ、キャッシュメモリ120は、トランジスタで組んだ回路の動作状態を利用して記憶を行うSRAM(Static RAM)を記憶素子として用いるので、データの読み書きを高速に行うことができる。また、キャッシュメモリ120は、RAM140と比べ、記憶容量がかなり小さくなるように構成されている。このため、CPU110にてデータの処理が行われる際に、そのデータを記憶した記憶エリアのアドレスの範囲が限定され、そのアドレスを指定するためのデータ量を減らすことができるので、さらに高速にデータの読み書きを行うことが可能である。このように構成されたキャッシュメモリ120は、CPU110がRAM140に記憶されたデータを読み出して処理を行う場合に、読み出したデータの処理を行うと同時にそのデータをキャッシュメモリ120に記憶させ、次回、同じデータを使用する際に、キャッシュメモリ120からそのデータを読み出して使用することで、CPU110の処理の高速化を図るために設けられている。
【0073】
以下、キャッシュメモリ120の動作の概念を説明するため、図8を参照して、キャッシュメモリ220およびRAM240を、本実施の形態のキャッシュメモリ120およびRAM140の一例として、両者間でのデータの対応について説明する。なお、キャッシュメモリの記憶エリアとRAMの記憶エリアは、複数のまとまった記憶容量分の記憶エリアを1単位としたレコード単位で対応付けが行われる。双方の各レコードの対応付けには多数の方式があるが、図8では、ダイレクトマッピング方式について説明する。
【0074】
図8に示すように、キャッシュメモリ220の記憶エリア222は複数のレコードに分割されており、本例では4つのレコードに分割されているものとして、各レコードには0番から3番のレコード番号221が割り当てられている。また、RAM240の記憶エリア242も同様に複数のレコードに分割され、本例では16のレコードに分割されたものとして、各レコードに0番から15番のレコード番号241が割り当てられている。
【0075】
キャッシュメモリ220の記憶エリア222と、RAM240の記憶エリア242とのそれぞれの記憶容量は同一となっており、CPUが処理に使用するデータをRAM240から読み込む際に、そのデータが記憶されたいずれかの記憶エリア242は、レコード単位で、そのレコード番号241に基づいてキャッシュメモリ220に記憶される。このとき、例えば、RAM240のレコード番号241は、キャッシュメモリ220の総レコード数で除算した余りの値に基づくキャッシュメモリ220のレコード番号221に対応付けられる。本例では、例えば、レコード番号241が6番の記憶エリア242に記憶されたデータがCPUでの処理に使用される場合、そのデータを含むレコード、すなわちレコード番号241が6番の記憶エリア242の全記憶内容が、レコード番号221が2番の記憶エリア222にコピーされる。そして、次回に、CPUでの処理で同じデータが使用される場合には、そのデータがキャッシュメモリ220上に記憶されたままであれば(他のデータ処理によって上書きされていなければ)、レコード番号221の2番の記憶エリア222がRAM240内の同じデータよりも優先して参照されることになる。これにより、CPUにおけるデータ処理速度の向上が図られることとなる。
【0076】
本実施の形態において、例えば、キャッシュメモリ120の1つのレコードの記憶容量(以下、「1レコード長」という。)が32バイトであり、前述したグラデーションパターンを構成する1つの図形の1ラインの画素数が、例えば5画素で、1画素あたり1バイトの記憶容量が必要とされる描画データが生成された場合、キャッシュメモリ120とRAM140との間で1レコードあたり6図形分(30バイト相当)のデータ転送が可能で、1レコード長あたりの転送ロスは2バイトである。しかし、グラデーションパターンを構成する1つの図形の1ラインの画素数が、例えば17画素であった場合、1レコードあたり1図形分のデータ転送しかできず、1レコード長あたりの転送ロスは15バイトにも及ぶ。
【0077】
このため、画像処理において、グラデーションパターンを構成する図形の主走査方向における1ライン分の画素データの容量が、例えば1レコード長の半分の記憶容量以上である場合には、そのグラデーションパターンを描画する描画命令群の変換を行わないようにすることで、データ転送の転送効率を上げ、描画処理における処理速度の低下を防止している。
【0078】
以下、図9に示すフローチャートに従って、画像処理においてキャッシュのヒット率を考慮した中間描画命令の生成手順について説明する。なお、図9のフローチャートに示す中間印刷命令生成プログラムは、ROM130の中間印刷命令生成プログラム記憶エリア131に記憶されており、レーザプリンタ1の起動時にROM130のその他のプログラム記憶エリア133から読み出され実行されるレーザプリンタ1の制御プログラム(図示外)の実行中、印刷命令の受信時にコールされ、RAM140のワークエリア141に読み込まれて実行される。この中間印刷命令生成プログラムを実行するCPU110が、本発明における「画像処理装置」に相当する。以下、フローチャートの各ステップを「S」と略記する。
【0079】
中間印刷命令生成プログラムが実行されると、前述したように、印刷命令解析処理310(図7参照)によって、受信した印刷命令を構成する制御命令および描画命令の解析が1つずつ行われる(S11)。この印刷命令解析処理310では、PDLインタプリタで解析した各命令について、それが制御命令か否か(S12)、また、長方形を描画する描画命令であるか否か(S13)の確認が行われる。なお、S13の判断処理を実行するCPU110が、本発明における「図形判断手段」に相当する。
【0080】
PDLインタプリタが解析した命令が制御命令であった場合(S12:YES)、その制御命令は、RAM140の中間印刷命令記憶エリア142(図4参照)に記憶され、蓄積される(S31)。そして、その制御命令が、原稿のページの終端を意味する制御命令でなければ(S32:NO)、S11に戻り、次の命令の解析が行われる。
【0081】
PDLインタプリタが解析した命令が描画命令であった場合には(S12:NO)、その描画命令が長方形を描く描画命令であるか否かの確認が行われる(S13)。そして、それが長方形を描く描画命令であれば(S13:YES)、次いで、この描画命令によって描画される長方形の主走査方向(仮想ページの横方向)における幅が、ROM130の設定値記憶エリア132に記憶された規定値より大きいか否かの確認が行われる(S15)。なお、S15の判断処理を実行するCPU110が、本発明における「図形幅判断手段」に相当する。
【0082】
長方形を描画する方法は様々なものがあるが、一例として、4つの頂点の座標(仮想ページの左上を座標0,0として、横方向にx軸、縦方向にy軸をとる場合など)と、それら頂点を結ぶ直線で囲まれた領域を塗りつぶす色との指定による方法がある。この場合、各頂点の座標をもとに、長方形の幅を求めることができ、この長方形を描画データとしてビットマップ形式に変換した場合に、その長方形の幅を表現するのに何ドット必要となるかが求められ、これによって、その長方形の幅に基づくドット数を仮想ページ上に描画するには何ビットの記憶容量が必要となるかが求められる。
【0083】
このようにして求められる長方形の幅について、S15の判断処理にてその大小が比較される規定値は、キャッシュメモリ120の1レコード長を基準として、あらかじめ決められている。前述したように、複数の長方形により構成されるグラデーションパターンを描画する描画命令群は、仮想ページ上に、主走査方向に色調の変化するイメージを副走査方向に繰り返して描画させる描画命令に変換される。このとき、グラデーションパターンの幅、すなわち、繰り返し描画されるそのイメージのデータ容量が、キャッシュメモリ120の1レコード長以下であれば、このグラデーションパターンの描画が行われる間、そのイメージを記憶したキャッシュメモリ120のレコードを繰り返し使用でき、書き換え等の処理を行わなくても済む。すなわち、キャッシュのヒット率が高められ、グラデーションパターンの描画速度の向上を図ることができるのである。
【0084】
しかし、そのグラデーションパターンを構成する個々の長方形の幅に基づくデータ容量がキャッシュメモリ120の1レコード長よりも大きければ、キャッシュメモリ120の書き換えの処理が頻繁に行われることになり、かえって描画速度の低下を招く。したがって、1つの長方形の幅に基づくデータ容量は1レコード長よりも小さいことが要求される。また、1つの長方形の幅に基づくデータ容量が1レコード長よりも小さい場合でも、それが1レコード長とほぼ同じ場合には、単にその長方形を描画する描画命令をイメージの繰り返しを行う描画命令に変換するだけの操作となり、描画命令の変換にかかる時間が加味される分、描画速度の低下を招いてしまう。このため、規定値としては、例えばキャッシュメモリ120の1レコード長の半分程度のデータ容量に相当する大きさであることが望ましい。なお、規定値は、必ずしも1レコード長の半分程度のデータ容量に相当する大きさである必要はなく、1/3であっても、1/4であってもよく、1レコード長よりも小さい任意のデータ容量に相当する値であれば足りる。なお、規定値が、本発明における「第1の基準値」に相当する。
【0085】
このように、描画される長方形の幅が、あらかじめ決定された規定値以下の幅であれば(S15:NO)、その長方形の描画命令は、RAM140の長方形描画命令記憶エリア144に記憶され、一時的に保持される(S16)。そして、S11に戻り、次の命令の解析が行われる。
【0086】
グラデーションパターンを構成する長方形の描画命令は、通常、ページ記述言語によって連続して記述される。次に解析される描画命令が長方形の描画命令であり、その描画命令により描画される長方形の幅が規定値より小さければ、先に記憶された長方形の描画命令に続いて、上記同様に、その描画命令が蓄積される(S13:YES、S15:NO、S16)。しかし、解析された描画命令が長方形の描画命令でない場合には(S13:NO)、次のS21の判断処理に進む。また、前述したように、長方形の幅が規定値よりも大きい場合(S15:YES)、グラデーションパターンの描画速度の向上が図れないため、S21の判断処理に進む。
【0087】
そして、長方形描画命令記憶エリア144に保持情報があるか、すなわち、長方形の描画命令が記憶されているか否かの確認が行われる(S21)。それまでの処理で長方形描画命令記憶エリア144に保持された長方形の描画命令が保持されていれば(S21:YES)、次いで、図形パターンの判定が行われる(S22)。すなわち、その保持された長方形の描画命令群によりグラデーションパターンが構成されるか否かを確認するための図形パターン判定処理320(図7参照)が行われる。
【0088】
図形パターン判定処理320(図7参照)では、描画されるそれぞれの長方形の各頂点の座標に基づき判定が行われ、各長方形が主走査方向に連続して配置され、かつ、各長方形の高さ(副走査方向における長さ)が互いに同じ長さである場合に、その保持された描画命令群がグラデーションパターンを形成しているものとみなされる(S23:YES)。この場合、グラデーション処理330(図7参照)において、これら保持された描画命令群が、前述した、効率のよい描画命令に変換され(S25)、中間描画命令として中間印刷命令記憶エリア142に記憶されて蓄積される(S26)。なお、S23の判断処理、およびS25の処理を実行するCPU110が、それぞれ、本発明における「図形配列判断手段」、および「命令変換手段」に相当する。
【0089】
また、保持された描画命令群によって描画されるグラデーションパターン全体の幅に基づくデータ容量が、前述したキャッシュメモリ120の1レコード長よりも大きい場合には、このグラデーションパターンの判定の際に、各描画命令は、連続して配置される長方形の各幅の合計が1レコード長以下となる組に分けられて、それぞれの組に属する描画命令群ごとに、上記効率のよい描画命令への変換が行われ、前記同様、中間描画命令として蓄積される。つまり、グラデーション処理330により変換が行われた後の描画命令に基づく長方形の主走査方向の幅が1レコード長を越える場合は、やはりデータ転送の効率が低下してしまい、グラデーション処理330を行う意味がないため、このような場合は、描画命令を2つに分けるように処理する。例えば、第1の基準値以下の幅を有する長方形のパターンが5つ連続し、これを描画命令の変換により1つにまとめた結果の長方形の幅が1レコード長を越えてしまう場合には、5つの長方形を2つの長方形と3つの長方形とからなる2組に分割するように描画命令を変換する。そして、その際、各組の各長方形の幅の合計が1レコード長以下となるように調整される。この場合、1レコード長に相当する長さが、本発明の「第2の基準値」に相当する。なお、上記描画命令の変換を開始させるきっかけとなった、描画命令群の直後に記述されている描画命令は、そのまま、中間描画命令として蓄積される。
【0090】
一方、S21の判断処理において、描画命令群が長方形描画命令記憶エリア144に保持されていなければ(S21:NO)、そのとき解析されていた描画命令は、そのまま、中間描画命令として中間印刷命令記憶エリア142に記憶され、蓄積される(S26)。また、S23の判断処理で、長方形描画命令記憶エリア144に保持された描画命令群がグラデーションパターンを形成しないと判断された場合(S23:NO)、保持された描画命令群は、そのまま、中間描画命令として蓄積される(S26)。例えば、規定値よりも小さい幅の長方形の描画命令が、連続せずに配置される場合などが該当する。
【0091】
こうして、S11〜S26の処理が繰り返され、印刷命令に含まれるすべての描画命令に対して、グラデーションパターンを形成する描画命令群についてはより効率のよい描画命令に変換され、それ以外の描画命令については、そのまま、それぞれが中間描画命令として蓄積される処理が行われる。そして、S11で解析された制御命令がページの終端を意味する制御命令であれば(S12:YES、S32:YES)、中間印刷命令生成プログラムが終了され、中間印刷命令記憶エリア142には、特定のグラデーションパターンの描画効率が向上された印刷命令が記憶されている。
【0092】
そして、ラスタ処理350(図7参照)が行われる。前述したように、主走査方向に色調が変化するグラデーションパターンを描画する描画命令群のうち、キャッシュメモリ120の利用効率を高めることができるグラデーションパターンの描画命令群のみが、より効率よく描画を行うことができる描画命令に変換されているので、仮想ページへの描画速度の低下を招くことなく、効率よく、描画データの生成が行われる。その後、画像形成処理370を経て、利用者は、印刷物380として手にすることができる。
【0093】
以上説明したように、本実施の形態のレーザプリンタ1では、受信した印刷命令に含まれる描画命令を、一旦、中間描画命令として蓄積する際に、主走査方向に色調が変化するグラデーションパターンを描画する描画命令群を、そのグラデーションパターンの主走査方向の1ライン分を描画するイメージが、副走査方向に繰り返し描画される描画命令に変換することで、描画データ生成時における描画速度の向上が図られている。しかし、グラデーションパターンを構成する長方形の幅がキャッシュメモリ120の1レコード長より大きい場合など、キャッシュのヒット率が低下するためかえって描画速度が低下する場合には、そのグラデーションパターンの描画命令群の変換が行われないようにすることで、効率のよい描画データの生成が行われ、画像処理の処理速度の向上を図ることができる。
【0094】
なお、本発明は各種の変形が可能なことはいうまでもない。例えば、規定値は、キャッシュメモリ120の1レコード長を基準として決定されたが、キャッシュメモリ120の記憶容量を基準として決定されてもよい。主走査方向に連続して配置される長方形によって構成されるグラデーションパターンの1ライン分を描画するためのイメージのデータ容量が、キャッシュメモリ120の記憶容量以下となれば、このグラデーションパターンが描画される間、そのイメージを記憶したキャッシュメモリ120の記憶内容を繰り返し使用することができる。従って、キャッシュメモリ120の記憶内容の書き換え処理を行う必要がないので、グラデーションパターンの描画速度の向上を図ることができる。
【0095】
例えば、キャッシュメモリ120の記憶容量が4Kバイトで、グラデーションパターンを構成する1つの長方形の1画素あたり1バイトの記憶容量が必要とされる描画データが生成された場合、1ライン分のイメージのデータ容量は4Kバイト以下、すなわち、1ライン分のイメージの画素数は4096個以下となればよい。前述したように、規定値は、1ライン分のイメージのデータ容量の半分程度のデータ容量に相当する大きさであることが望ましく、本変形例の場合、1つの長方形の幅は2048画素以下であることが好ましい。なお、キャッシュメモリ120の記憶容量は4Kバイトに限らず、また、規定値は、必ずしもキャッシュメモリ120の記憶容量の半分程度のデータ容量に相当する大きさには限らず、その記憶容量よりも小さい、任意のデータ容量に相当する値であればよい。
【0096】
また、RAM140の記憶エリアの管理における1ページ長を基準として、規定値を決定してもよい。DRAMを記憶素子とするRAM140では、RAM140の個々の記憶エリアへのアクセスは、行アドレス(row address)の指定後、列アドレス(column address)が指定されることで特定されて、行われる。このとき、アクセスされる記憶エリアの行アドレスが同一であれば、列アドレスの指定を行うだけで、各記憶エリアへ連続してアクセスすることができる。ところで、1つの行アドレスにより指定可能な記憶エリアの単位はページ(画像が形成される原稿のページとは異なる)と呼ばれるが、DRAMにおけるその1つのページの記憶容量が、本発明の請求項4における「1ページ長」に相当する。グラデーションパターンの1ライン分を描画するためのイメージのデータ容量が1ページ長以下となれば、このグラデーションパターンが描画される間、そのイメージを描画データ記憶エリア143に記憶させる際に、その記憶エリアにおける行アドレスの指定が、グラデーションパターンの1ライン分を描画するごとに1回指定するだけでよく、グラデーションパターンの描画速度の向上を図ることができる。
【0097】
例えば、RAM140の1ページ長が2048バイトで、グラデーションパターンを構成する1つの長方形の1画素あたり1バイトの記憶容量が必要とされる描画データが生成された場合、1ライン分のイメージのデータ容量は2048バイト以下、すなわち、1ライン分のイメージの画素数は2048個以下となればよい。前述したように、規定値は、1ライン分のイメージのデータ容量の半分程度のデータ容量に相当する大きさであることが望ましく、本変形例の場合、1つの長方形の幅は1024画素以下であることが好ましい。なお、RAM140の1ページ長は2048バイトに限らず、また、規定値は、必ずしもRAM140の1ページ長の半分程度のデータ容量に相当する大きさには限らず、そのデータ容量よりも小さい、任意のデータ容量に相当する値であればよい。
【0098】
また、RAM140とCPU110との間でのデータの転送がバーストモードにより行われる場合の1バースト長を基準として、規定値を決定してもよい。DRAMを記憶素子とするRAM140では、上記のように、アクセスされる記憶エリアの行アドレスが同一であれば、単一の列アドレスの指定を行うだけで、連続した複数の記憶エリアへアクセスすることができる。このような転送モードがバーストモードと呼ばれ、その単一の列アドレスの指定により連続してアクセスすることができる記憶エリアの記憶容量が、本発明の請求項5における「1バースト長」に相当する。グラデーションパターンの1ライン分を描画するためのイメージのデータ容量が1バースト長以下となれば、このグラデーションパターンが描画される間、そのイメージを描画データ記憶エリア143に記憶させる際に、その記憶エリアにおける列アドレスの指定が、グラデーションパターンの1ライン分を描画するごとに1回指定するだけでよく、グラデーションパターンの描画速度の向上を図ることができる。
【0099】
例えば、RAM140の1バースト長が32バイトで、グラデーションパターンを構成する1つの長方形の1画素あたり1バイトの記憶容量が必要とされる描画データが生成された場合、1ライン分のイメージのデータ容量は32バイト以下、すなわち、1ライン分のイメージの画素数は32個以下となればよい。前述したように、規定値は、1ライン分のイメージのデータ容量の半分程度のデータ容量に相当する大きさであることが望ましく、本変形例の場合、1つの長方形の幅は16画素以下であることが好ましい。なお、RAM140の1バースト長は32バイトに限らず、また、規定値は、必ずしもRAM140の1バースト長の半分程度のデータ容量に相当する大きさには限らず、そのデータ容量よりも小さい、任意のデータ容量に相当する値であればよい。
【0100】
また、RAM140とCPU110との間を接続するデータバス170のバス幅に相当する分のデータ容量を基準として、規定値を決定してもよい。RAM140とCPU110との間でのデータの転送では、バス幅分のデータが、1回の転送時に同時に転送される。グラデーションパターンの1ライン分を描画するためのイメージのデータ容量がバス幅に相当する分のデータ容量以下となれば、繰り返し描画されることになるイメージを、一度のデータ転送で転送することができ、データ転送にかかる時間を減らすことができるので、グラデーションパターンの描画速度の向上を図ることができる。
【0101】
例えば、バス幅に相当する分のデータ容量が64ビットで、グラデーションパターンを構成する1つの長方形の1画素あたり1バイトの記憶容量が必要とされる描画データが生成された場合、1ライン分のイメージのデータ容量は64ビット以下、すなわち、1ライン分のイメージの画素数は8個以下となればよい。前述したように、規定値は、1ライン分のイメージのデータ容量の半分程度のデータ容量に相当する大きさであることが望ましく、本変形例の場合、1つの長方形の幅は4画素以下であることが好ましい。なお、バス幅に相当する分のデータ容量が64ビットに限らず、また、規定値は、必ずしもバス幅に相当する分のデータ容量の半分程度のデータ容量に相当する大きさには限らず、そのデータ容量よりも小さい、任意のデータ容量に相当する値であればよい。
【0102】
また、主走査方向に色調が変化するグラデーションパターンを描画する描画命令群は、そのグラデーションパターンの主走査方向の1ライン分を描画するイメージが、副走査方向に繰り返し描画される描画命令に変換されるとしたが、その繰り返し描画されるイメージは、必ずしもグラデーションパターンの1ライン分に限らず、2ライン分、3ライン分であってもよく、任意のライン数分であればよい。これは上記した変形例のいずれの場合においても適用することができ、1ライン分のイメージよりも複数ライン分のイメージを繰り返し描画させればその繰り返し回数を減らすことができるので、グラデーションパターンの描画速度の向上を図ることができる。
【0103】
また、主走査方向に色調が変化するグラデーションパターンを描画する描画命令群を、1以上のイメージに分割して、それぞれのイメージを描画する個々の描画命令に変換してもよい。この場合に、そのイメージの分割の単位について、そのイメージを描画するためのデータ容量が、前述したように、1ページ長、1バースト長など、データ転送時に効率よく転送できるデータ容量となるようにすればよい。
【0104】
また、本実施の形態では、画像処理装置を備えた画像形成装置の一例としてレーザプリンタについて説明したが、コピー機やファクシミリ機、あるいはそれらの機能の複合機でもよく、また、画像処理装置は、被記録媒体上に画像を形成する装置に限られず、液晶モニタ等の画像表示装置に表示する画像の処理に利用されてもよい。
【0105】
また、中間印刷命令生成プログラム(図9参照)による中間描画命令の生成は、レーザプリンタ1がホストコンピュータ200より印刷命令を受信してから開始されるとしたが、その印刷命令の受信にあわせて行われるようにしてもよい。また、キャッシュメモリ120はCPU110の内部に設けたが、CPU110の外部に設けてもよい。
【0106】
また、図9のS23の判断処理におけるグラデーションパターンの判定において、図形パターン(長方形)の配置およびその長方形の高さ(副走査方向の長さ)を基準に判断を行ったが、必ずしもすべての長方形の高さが同じである必要はない。例えば、高さの異なる長方形が連続して配置された場合、同一のラインにおいて、1の長方形はそのラインに描画されず、他の長方形はそのラインに描画されるのであれば、他の長方形についてのみ本実施の形態のように描画命令を変換させればよい。そして、1の長方形および他の長方形が同一のラインに描画される部分については、双方の長方形を含めた効率のよい描画命令に変換させるとよい。
【0107】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明の画像処理装置では、主走査方向に沿って連続に配列された配列パターンを構成する複数の図形パターンの描画命令を、1以上にまとめた図形パターンの描画命令に変換する際に、もとの図形パターンの幅が第1の基準値以下の図形パターンについてのみ描画命令の変換を行うことで、描画命令の変換が行われることでかえって描画データの生成速度の低下を招くものについては、描画命令の変換が行われないようにすることができる。
【0108】
また、請求項1に係る発明の画像処理装置では、上記の発明の効果に加え、キャッシュメモリの1レコード長を基準として第1の基準値を決定することで、描画命令に基づいて描画データが生成される際の主記憶装置とCPUのキャッシュメモリとの間のデータ転送効率を高めることができ、描画データの生成速度の向上を図ることができる。また、キャッシュメモリの1レコード長を基準として第2の基準値を決定することで、変換後の図形パターンの幅が第2の基準値を超えるような場合に、これをさらに2つに分けるなどの処理を行って第2の基準値以下となるようにすれば、図形パターンを変換したことによりデータ転送効率が低下することを防止することができる。
【0109】
また、請求項2に係る発明の画像処理装置では、キャッシュメモリの記憶容量を基準として第1の基準値を決定することで、描画命令に基づいて描画データが生成される際の主記憶装置とCPUのキャッシュメモリとの間のデータ転送効率を高めることができ、描画データの生成速度の向上を図ることができる。キャッシュメモリの記憶容量を基準として第2の基準値を決定することで、変換後の図形パターンの幅が第2の基準値を超えるような場合に、これをさらに2つに分けるなどの処理を行って第2の基準値以下となるようにすれば、図形パターンを変換したことによりデータ転送効率が低下することを防止することができる。
【0110】
また、請求項3に係る発明の画像処理装置では、主記憶装置の1ページ長を基準として第1の基準値を決定することで、描画命令に基づいて描画データが生成される際の主記憶装置とCPUとの間のデータ転送効率を高めることができ、描画データの生成速度の向上を図ることができる。主記憶装置の1ページ長を基準として第2の基準値を決定することで、変換後の図形パターンの幅が第2の基準値を超えるような場合には、これをさらに2つに分けるなどの処理を行って第2の基準値以下となるようにすれば、図形パターンを変換したことによりデータ転送効率が低下することを防止することができる。
【0111】
また、請求項4に係る発明の画像処理装置では、主記憶装置の1バースト長を基準として第1の基準値を決定することで、描画命令に基づいて描画データが生成される際の主記憶装置とCPUとの間のデータ転送効率を高めることができ、描画データの生成速度の向上を図ることができる。主記憶装置の1バースト長を基準として第2の基準値を決定することで、変換後の図形パターンの幅が第2の基準値を超えるような場合には、これをさらに2つに分けるなどの処理を行って第2の基準値以下となるようにすれば、図形パターンを変換したことによりデータ転送効率が低下することを防止することができる。
【0112】
また、請求項5に係る発明の画像処理装置では、データバスのバス幅に相当する分のデータ量を基準として第1の基準値を決定することで、描画命令に基づいて描画データが生成される際の主記憶装置とCPUとの間のデータ転送効率を高めることができ、描画データの生成速度の向上を図ることができる。データバスのバス幅に相当する分のデータ量を基準として第2の基準値を決定することで、変換後の図形パターンの幅が第2の基準値を超えるような場合には、これをさらに2つに分けるなどの処理を行って第2の基準値以下となるようにすれば、図形パターンを変換したことによりデータ転送効率が低下することを防止することができる。
【0113】
【0114】
【0115】
【0116】
【0117】
【0118】
また、請求項6に係る発明の画像処理装置では、請求項1乃至5のいずれかに係る発明の効果に加え、図形パターンが長方形であるので、連続して配列された図形パターンがグラデーションパターンを構成しているか否かを容易に判断することができる。
【0119】
また、請求項7に係る発明の画像処理装置では、請求項1乃至6のいずれかに係る発明の効果に加え、変換される描画命令が、図形パターンの主走査線方向における所定本数の走査線を副走査線方向に繰り返して描画させる命令であるので、命令内容を簡易なものとすることができ、中間描画命令とした場合のデータ量、および、中間描画命令に変換するためにかかる時間を短縮することができる。
【0120】
また、請求項8に係る発明の画像形成装置では、請求項1乃至7のいずれかに記載の画像処理装置を備えているので、被記録媒体への画像の形成をより早く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】レーザプリンタ1の中央断面図である。
【図2】レーザプリンタ1の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】ROM130の記憶エリアの構成を示す概念図である。
【図4】RAM140の記憶エリアの構成を示す概念図である。
【図5】副走査方向(縦方向)に色調が変化するグラデーションパターンが描画された場合の描画効率について説明するために仮想ページとして見立てた描画データ記憶エリア143を示す概念図である。
【図6】主走査方向(横方向)に色調が変化するグラデーションパターンが描画された場合の描画効率について説明するために仮想ページとして見立てた描画データ記憶エリア143を示す概念図である。
【図7】レーザプリンタ1におけるデータの流れを示すデータフローダイアグラムである。
【図8】キャッシュメモリ120の動作について説明するためのキャッシュメモリ220およびRAM240のそれぞれの記憶エリアを示す概念図である。
【図9】中間印刷命令生成プログラムのフローチャートである。
【符号の説明】
1 レーザプリンタ
5 画像形成部
110 CPU
120 キャッシュメモリ
140 RAM
142 中間印刷命令記憶エリア
350 ラスタ処理
Claims (8)
- 入力された描画命令に基づいて、主走査方向に走査して画像の形成を行うための描画データの生成を行う画像処理装置であって、
前記入力された描画命令によって描画される図形パターンが所定の形状を有するか否かを判断する図形判断手段と、
当該図形判断手段によって前記図形パターンが所定の形状であると判断された場合に、その図形パターンの主走査方向における幅が、第1の基準値以下であるか否かを判断する図形幅判断手段と、
当該図形幅判断手段により前記図形パターンの幅が前記第1の基準値以下であると判断された場合にその描画命令を保持しておき、複数の描画命令が保持される場合に、それらの描画命令が示す図形パターンが、主走査方向に沿って連続に配列された配列パターンを構成するものであるか否かの判断を行う図形配列判断手段と、
当該図形配列判断手段によって前記配列パターンを構成すると判断された場合に、それらの描画命令が示す複数の図形パターンを1以上にまとめ、主走査方向の幅が、前記第1の基準値より大きい図形幅を有する図形パターンの描画命令に変換する命令変換手段と、
その命令変換手段によって変換された描画命令に基づいて、前記描画データの生成を行う描画データ生成手段と、
前記入力された描画命令および前記命令変換手段によって変換された前記描画命令に基づいて生成される中間描画命令を記憶する中間描画命令記憶手段と、
当該中間描画命令記憶手段が設けられた主記憶装置と、
を備え、
前記第1の基準値は、前記主記憶装置と前記画像処理装置の主制御を司るCPUが利用する前記主記憶装置より高速に動作するキャッシュメモリとの間でのデータの転送単位である1レコード長に相当する分のデータ量に基づいて、あらかじめ決定された値であり、
前記命令変換手段は、変換後の前記図形パターンの主走査方向における幅が、前記第1の基準値よりも大きい第2の基準値以下となる描画命令に変換するものであり、
その第2の基準値は、前記1レコード長に相当する幅以下の値に設定されていることを特徴とする画像処理装置。 - 入力された描画命令に基づいて、主走査方向に走査して画像の形成を行うための描画データの生成を行う画像処理装置であって、
前記入力された描画命令によって描画される図形パターンが所定の形状を有するか否かを判断する図形判断手段と、
当該図形判断手段によって前記図形パターンが所定の形状であると判断された場合に、その図形パターンの主走査方向における幅が、第1の基準値以下であるか否かを判断する図形幅判断手段と、
当該図形幅判断手段により前記図形パターンの幅が前記第1の基準値以下であると判断された場合にその描画命令を保持しておき、複数の描画命令が保持される場合に、それらの描画命令が示す図形パターンが、主走査方向に沿って連続に配列された配列パターンを構成するものであるか否かの判断を行う図形配列判断手段と、
当該図形配列判断手段によって前記配列パターンを構成すると判断された場合に、それらの描画命令が示す複数の図形パターンを1以上にまとめ、主走査方向の幅が、前記第1の基準値より大きい図形幅を有する図形パターンの描画命令に変換する命令変換手段と、
その命令変換手段によって変換された描画命令に基づいて、前記描画データの生成を行う描画データ生成手段と、
前記入力された描画命令および前記命令変換手段によって変換された前記描画命令に基づいて生成される中間描画命令を記憶する中間描画命令記憶手段と、
当該中間描画命令記憶手段が設けられた主記憶装置と
を備え、
前記第1の基準値は、前記画像処理装置の主制御を司るCPUが利用する前記主記憶装置より高速に動作するキャッシュメモリの記憶容量分のデータ量に基づいて、あらかじめ決定された値であり、
前記命令変換手段は、変換後の前記図形パターンの主走査方向における幅が、前記第1の基準値よりも大きい第2の基準値以下となる描画命令に変換するものであり、
その第2の基準値は、前記キャッシュメモリの記憶容量分に相当する幅以下の値に設定されていることを特徴とする画像処理装置。 - 入力された描画命令に基づいて、主走査方向に走査して画像の形成を行うための描画データの生成を行う画像処理装置であって、
前記入力された描画命令によって描画される図形パターンが所定の形状を有するか否かを判断する図形判断手段と、
当該図形判断手段によって前記図形パターンが所定の形状であると判断された場合に、その図形パターンの主走査方向における幅が、第1の基準値以下であるか否かを判断する図形幅判断手段と、
当該図形幅判断手段により前記図形パターンの幅が前記第1の基準値以下であると判断された場合にその描画命令を保持しておき、複数の描画命令が保持される場合に、それらの描画命令が示す図形パターンが、主走査方向に沿って連続に配列された配列パターンを構成するものであるか否かの判断を行う図形配列判断手段と、
当該図形配列判断手段によって前記配列パターンを構成すると判断された場合に、それらの描画命令が示す複数の図形パターンを1以上にまとめ、主走査方向の幅が、前記第1の基準値より大きい図形幅を有する図形パターンの描画命令に変換する命令変換手段と、
その命令変換手段によって変換された描画命令に基づいて、前記描画データの生成を行う描画データ生成手段と、
前記入力された描画命令および前記命令変換手段によって変換された前記描画命令に基づいて生成される中間描画命令を記憶する中間描画命令記憶手段と、
当該中間描画命令記憶手段が設けられた主記憶装置と
を備え、
前記第1の基準値は、前記主記憶装置の記憶エリアの管理における1ページ長に相当する分のデータ量に基づいて、あらかじめ決定された値であり、
前記命令変換手段は、変換後の前記図形パターンの主走査方向における幅が、前記第1の基準値よりも大きい第2の基準値以下となる描画命令に変換するものであり、
その第2の基準値は、前記1ページ長に相当する幅以下の値に設定されていることを特徴とする画像処理装置。 - 入力された描画命令に基づいて、主走査方向に走査して画像の形成を行うための描画データの生成を行う画像処理装置であって、
前記入力された描画命令によって描画される図形パターンが所定の形状を有するか否かを判断する図形判断手段と、
当該図形判断手段によって前記図形パターンが所定の形状であると判断された場合に、その図形パターンの主走査方向における幅が、第1の基準値以下であるか否かを判断する図形幅判断手段と、
当該図形幅判断手段により前記図形パターンの幅が前記第1の基準値以下であると判断された場合にその描画命令を保持しておき、複数の描画命令が保持される場合に、それらの描画命令が示す図形パターンが、主走査方向に沿って連続に配列された配列パターンを構成するものであるか否かの判断を行う図形配列判断手段と、
当該図形配列判断手段によって前記配列パターンを構成すると判断された場合に、それらの描画命令が示す複数の図形パターンを1以上にまとめ、主走査方向の幅が、前記第1 の基準値より大きい図形幅を有する図形パターンの描画命令に変換する命令変換手段と、
その命令変換手段によって変換された描画命令に基づいて、前記描画データの生成を行う描画データ生成手段と、
前記入力された描画命令および前記命令変換手段によって変換された前記描画命令に基づいて生成される中間描画命令を記憶する中間描画命令記憶手段と、
当該中間描画命令記憶手段が設けられた主記憶装置と
を備え、
前記第1の基準値は、前記画像処理装置の主制御を司るCPUと前記主記憶装置との間でのデータの転送がバーストモードにより行われる場合の1バースト長に相当する分のデータ量に基づいて、あらかじめ決定された値であり、
前記命令変換手段は、変換後の前記図形パターンの主走査方向における幅が、前記第1の基準値よりも大きい第2の基準値以下となる描画命令に変換するものであり、
その第2の基準値は、前記1バースト長に相当する幅以下の値に設定されていることを特徴とする画像処理装置。 - 入力された描画命令に基づいて、主走査方向に走査して画像の形成を行うための描画データの生成を行う画像処理装置であって、
前記入力された描画命令によって描画される図形パターンが所定の形状を有するか否かを判断する図形判断手段と、
当該図形判断手段によって前記図形パターンが所定の形状であると判断された場合に、その図形パターンの主走査方向における幅が、第1の基準値以下であるか否かを判断する図形幅判断手段と、
当該図形幅判断手段により前記図形パターンの幅が前記第1の基準値以下であると判断された場合にその描画命令を保持しておき、複数の描画命令が保持される場合に、それらの描画命令が示す図形パターンが、主走査方向に沿って連続に配列された配列パターンを構成するものであるか否かの判断を行う図形配列判断手段と、
当該図形配列判断手段によって前記配列パターンを構成すると判断された場合に、それらの描画命令が示す複数の図形パターンを1以上にまとめ、主走査方向の幅が、前記第1の基準値より大きい図形幅を有する図形パターンの描画命令に変換する命令変換手段と、
その命令変換手段によって変換された描画命令に基づいて、前記描画データの生成を行う描画データ生成手段と、
前記入力された描画命令および前記命令変換手段によって変換された前記描画命令に基づいて生成される中間描画命令を記憶する中間描画命令記憶手段と、
当該中間描画命令記憶手段が設けられた主記憶装置と
を備え、
前記第1の基準値は、前記画像処理装置の主制御を司るCPUと前記主記憶装置とを接続するデータバスのバス幅に相当する分のデータ量に基づいて、あらかじめ決定された値であり、
前記命令変換手段は、変換後の前記図形パターンの主走査方向における幅が、前記第1の基準値よりも大きい第2の基準値以下となる描画命令に変換するものであり、
その第2の基準値は、前記データバスのバス幅に相当する幅以下の値に設定されていることを特徴とする画像処理装置。 - 前記図形判断手段が判断する前記図形パターンの所定の形状とは、長方形であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画像処理装置。
- 前記命令変換手段によって変換された前記図形パターンの描画命令に基づく中間描画命令は、主走査方向における所定本数の走査線を、副走査方向に繰り返して描画させる命令であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の画像処理装置。
- 請求項1乃至7のいずれかに記載の画像処理装置と、
当該画像処理装置で生成された前記描画データに基づいて、被記録媒体上に画像を形成する画像形成手段と
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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