JP4144351B2 - 後方監視カメラの取り付け構造及び取り付け方法 - Google Patents

後方監視カメラの取り付け構造及び取り付け方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、後方監視カメラの取り付け構造及び取り付け方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、車体背面の意匠を構成するガーニッシュの裏面にブラケットをネジ等で固定すると共に、当該ブラケットに後方監視カメラをネジ等で固定し、次いで、ガーニッシュをバックドアパネルにネジ等で装着する後方監視カメラの取り付け方法が知られている。この種の後方監視カメラの取り付け構造では、ガーニッシュの裏側に後方監視カメラが締結されているので、後方監視カメラの交換時、バックドアパネルからガーニッシュを取り外し、更に、ブラケットから後方監視カメラを取り外す作業が必要であった。
【0003】
これに対して、車体からガーニッシュを取り外すことなく後方監視カメラのみが交換可能な後方監視カメラの取り付け構造が知られている(例えば、特許文献1)。この従来の取り付け構造においては、ガーニッシュの裏側にブラケットがネジ等で固定されているが、ブラケットの対向脚部間に後方監視カメラを凹凸部の嵌合により脱着可能に固定しているため、カバー(後方監視カメラを覆うためにガーニッシュの表側にネジ等で固定されている)を取り外すだけで、後方監視カメラを交換することが可能となる。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−250478号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、シュレッダーダストとされていた樹脂部品もリサイクルすることが見直されており、廃棄された車両をシュレッダーにより断裁するに先立って、車両からリサイクル可能な樹脂部品を破損の少ない状態で取り外すことが行われつつある。特に、ガーニッシュは比較的大型の樹脂部品であり、廃棄された車両からガーニッシュを取り外して回収することは有用である。
【0006】
しかしながら、従来の後方監視カメラの取り付け構造では、図5に示すように、ガーニッシュ20’に少なくともブラケット40’がネジ等で固定されているので、バックドアパネルからガーニッシュ20’を取り外した後、ガーニッシュ20’からブラケット40’を分離する作業が別途必要であった。
【0007】
これに対して、図6に示すように、ガーニッシュ20’ではなくバックドアパネルに直接的にブラケット40’(及びそれに固定された後方監視カメラ70’)をネジ等で固定する後方監視カメラの取り付け構造も考えられる。しかしながら、この場合、ガーニッシュ20’とブラケット40’を別々に組み付ける必要があるため、作業性が悪いという問題点がある。つまり、ガーニッシュ20’は、車体背面の見栄えを考慮して、ガーニッシュのボルト固定部30’にセットされたボルト96’とナットとでバックドアパネルの内側から締結されるのに対して、ブラケット40’は、バックドアパネルの外側からスクリュウ締めされるので、これらの組付けを行う際、作業者がバックドアパネルの内側と外側とを行き来しなければならない。
【0008】
更に、上述の各種の従来の後方監視カメラの取り付け構造では、後方監視カメラを組付ける際の締付点数(ブラケットと後方監視カメラ間の締付点数を除く)が、4点(即ち、ブラケットとガーニッシュ又はバックドアパネル間の2点、及び、ガーニッシュとバックドアパネル間の2点)と多く、組付作業性や部品点数の観点から不利である。特に、図5に示すような、ガーニッシュ20’にブラケット40’(及びそれに固定された後方監視カメラ70’)を固定するタイプの後方監視カメラの取り付け構造においては、ガーニッシュ20’の設計上の種々の制約により、例えばボルト96’を固定するボルト固定部30’の縦壁33’の影響により、スクリュウ16’を締め付ける際の作業性が非常に悪くなる。
【0009】
そこで、本発明は、組付作業性が良好で、リサイクルのためのガーニッシュの取り外しが容易な、後方監視カメラの取り付け構造及び取り付け方法の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、請求項1に記載する如く、後方監視カメラ本体と、
前記後方監視カメラ本体が固定されるブラケットと、
前記後方監視カメラ本体を少なくとも部分的に覆い、車体の背面の意匠を構成するガーニッシュとを有し、
前記ブラケットが、前記ガーニッシュに仮止めされた状態で、バックドアパネルに前記ガーニッシュと共に締結されていることを特徴とする、後方監視カメラの取り付け構造によって達成される。
【0011】
本発明において、後方監視カメラ本体を固定するブラケットは、ガーニッシュに仮止めされた状態で、バックドアパネル(トランクパネルを含む)にボルトやスクリュウでガーニッシュと共に締結される。従って、本発明によれば、ブラケットをガーニッシュに固定するためのボルトやスクリュウ(及びグロメット)が不要となり、部品点数が低減されると共に組付作業性が向上する。また、リサイクルのためにガーニッシュのみを分離する際、バックドアパネルからガーニッシュを取り外してブラケットの仮止め状態を解除しさえすればよく、バックドアパネルからガーニッシュのみを分離する作業が大幅に簡略化される。
【0012】
また、請求項2に記載する如く、前記ブラケットの前記ガーニッシュへの仮止めが、前記ブラケットに形成されたツメ部と、前記ガーニッシュに形成された嵌合穴との係合により実現されている場合には、ブラケットが仮止めされた状態のガーニッシュをバックドアパネルに組付ける際、ツメ部と嵌合穴との係合によってブラケットがガーニッシュから脱落することが防止される。また、ツメ部と嵌合穴との係合は、ボルトやスクリュウの締結構造に比較して、工具等を用いることなく容易に解除することができるので、バックドアパネルからガーニッシュのみを分離する作業が大幅に簡略化される。
【0013】
また、請求項3に記載する如く、前記ガーニッシュは、ボルトが固定されたボルト固定部を有しており、前記ブラケットは、前記ボルトが挿通する挿通穴を有しており、
前記ボルト固定部に、前記挿通穴に嵌合すると共に前記バックドアパネルとの接触面を構成する凸部が形成されている場合には、挿通穴への凸部の嵌合により、ガーニッシュに対するブラケットの位置合わせが容易となると共に、ガーニッシュにブラケットをより確実に仮止めすることが可能となる。また、ガーニッシュの凸部がバックドアパネルとの接触面を構成することで、ブラケットの有無(即ち、後方監視カメラのオプション設定の有無)に拘らず、ガーニッシュとバックドアパネルとの一定の合わせ関係を実現することができる。
【0014】
また、上記目的は、請求項4に記載する如く、後方監視カメラ本体が固定されたブラケットを、車体の背面の意匠を構成するガーニッシュに仮止めする第1工程と、
前記ブラケットが仮止めされたガーニッシュを、バックドアパネルの裏側から、バックドアパネルに前記ブラケットと共に締結する第2工程とを含む、後方監視カメラの取り付け方法によって達成される。
【0015】
本発明において、後方監視カメラ本体が固定されたブラケットは、第1工程で、ガーニッシュに仮止めされる。ブラケットが仮止めされたガーニッシュは、第2工程で、バックドアパネル(トランクパネルを含む)にボルトやスクリュウでブラケットと共に締結される。従って、本発明によれば、ブラケットをガーニッシュに固定するためのボルトやスクリュウ(及びグロメット)が不要となり、部品点数が低減されると共に組付作業性が向上する。また、リサイクルのためにガーニッシュのみを分離する際、バックドアパネルからガーニッシュを取り外してブラケットの仮止め状態を解除しさえすればよく、バックドアパネルからガーニッシュのみを分離する作業が大幅に簡略化される。
【0016】
また、請求項5に記載する如く、前記第1工程は、前記ブラケットに形成されたツメ部を、前記ガーニッシュに形成された嵌合穴に嵌入する工程を含み、
前記第2工程は、前記ガーニッシュに固定されたボルトを、前記ブラケットに形成された挿通穴及び前記バックドアパネルに形成された穴に挿通させて、前記バックドアパネルの裏側からナットで締め付ける工程を含む場合には、第2工程において、ツメ部と嵌合穴との係合により、ブラケットがガーニッシュから脱落することが防止される。特に、開状態のバックドアパネルの裏側からガーニッシュを組付ける場合には、ブラケットにはガーニッシュから脱落する方向に重力が作用するが、本発明によれば、かかる場合であっても、ツメ部と嵌合穴との係合によって、ブラケットがガーニッシュから脱落することが確実に防止される。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施例について図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0018】
図1は、後方監視カメラ組立体が取り付けられた車両を後方から見た概略斜視図である。後方監視カメラ組立体70は、車両の背面のバックドアパネル92(トランクを含む)に装着される。後方監視カメラ組立体70は、ブラケット40と、ブラケット40に固定された後方監視カメラ本体72とから構成される(図3参照)。後方監視カメラ本体72は、車両後方の所定領域の風景を撮像し、インストルメントパネルに設けられたディスプレイ装置(図示せず)に画像信号を送信する。ディスプレイ装置は、受信した画像信号に応答して、後方監視カメラ本体72により撮像された車両後方の風景を表示する。
【0019】
後方監視カメラ組立体70は、後方監視カメラ本体72のレンズ部を除いて、ガーニッシュ20によりに覆われる。ガーニッシュ20の表面は、車両の背面の意匠を構成する。ガーニッシュ20は、車両の背面の広範囲にわたり延在する比較的大型の樹脂部品である。但し、本発明は、特にこのガーニッシュ20の大きさを特定するものではなく、例えば、ガーニッシュ20は、後方監視カメラ本体72を覆う程度の大きさであってもよい。尚、本明細書において、ガーニッシュ20の表側(表面)とは、ガーニッシュ20の意匠面側(の面)を指し、ガーニッシュ20の裏側(裏面)とは、ガーニッシュ20のバックドアパネル側(の面)を指す。
【0020】
図2は、図1のラインI−Iに沿って切断された際のバックドアパネル92及びガーニッシュ20を示す断面図である。バックドアパネル92とガーニッシュ20との間には、後方監視カメラ組立体70が収容される空間部94が形成されている。尚、この空間部94には、後方監視カメラ組立体70以外に、ライセンスプレートを照明するためのランプ等が収容される。図2に示す実施例では、バックドアパネル92には、ライセンスプレート取り付け面92bに連続する傾斜面92aが形成されており、傾斜面92aを覆うようにガーニッシュ20が設けられている。また、ガーニッシュ20は、図2に示すように、L字型の断面を有しており、ガーニッシュ20の裏面とバックドアパネル92の傾斜面92aとの間に、上述の空間部94が形成されている。
【0021】
図3は、ガーニッシュ20の裏側から見た際のガーニッシュ20及び後方監視カメラ組立体70を示す斜視図であり、図4は、図3のラインII−IIに沿って切断された際の後方監視カメラ組立体70の組付け状態を示す断面図である。尚、ガーニッシュ20には、図3に示すように、後方監視カメラ本体72のレンズ部のみが露出するように、切り欠き部21が形成されている。
【0022】
図3に示すように、ガーニッシュ20の裏面の切り欠き部21の両側には、ボルト固定部30が2ヶ所形成されている。ボルト固定部30には、バックドアパネル92に対するガーニッシュ締結用のボルト96が固定される。ボルト固定部30は、ガーニッシュ20の裏側に設定され、図3及び図4に示すように、ガーニッシュ20の裏側の空間部94に位置するように形成されている。ボルト固定部30は、バックドアパネル92の傾斜面92aに対面する上面32と、ガーニッシュ20の裏面から立設された側壁33とを有する。ボルト固定部30の上面32とガーニッシュ20の裏面との間には、図4に示すように、ボルト96の頭部が収容される空間34が形成されている。この空間34は、ボルト96を受け入れるため、車幅方向(図中、Y方向)で少なくとも部分的に開口しており、完全に閉塞されていない。本実施例では、図3に示すように、ボルト固定部30の側壁33が、一の側(右側)にのみ形成されており、ボルト96の固定は、ボルト固定部30の側壁33の存在しない側(図3の左側)から行われる。
【0023】
ボルト固定部30の上面32には、ボルト96の軸部を保持するための切り欠き部32aが形成されている。切り欠き部32aは、ボルト96の軸径よりも小さい幅で形成されている。従って、ボルト96のボルト固定部30への固定は、側壁33の存在しない側から、ボルト96の軸部を切り欠き部32aに圧入することで実現される。
【0024】
ボルト固定部30の上面32には、また、凸部36が形成されている。凸部36は、ボルト固定部30の上面32にブラケット40の厚さに相当する段差(せぎり)を設定することで形成されている。凸部36は、ガーニッシュ20の組付け状態において、バックドアパネル92の傾斜面92aとの接触面を構成すると共に、後述する如く、ブラケット40をガーニッシュ20に対して位置決めする機能を有している。尚、本実施例では、上述の切り欠き部32aは、凸部36に形成されている。
【0025】
ブラケット40は、樹脂により形成され、ガーニッシュ20の2つのボルト固定部30に対応した長さ(車幅方向)に形成されている。ブラケット40の略中央部には、後方監視カメラ本体72がネジ等で固定されている。ブラケット40の両端には、バックドアパネル92の傾斜面92aに沿う取り付け面46が形成されている。取り付け面46には、ボルト固定部30のボルト96が挿通するボルト挿通穴44が形成されている。ボルト挿通穴44は、ボルト96の軸径より大きい開口形状を有する。また、ボルト挿通穴44は、ガーニッシュ20の凸部36が嵌合できるように、ガーニッシュ20の凸部36と略同一若しくはより大きな開口形状を有する。
【0026】
ブラケット40のガーニッシュ側の面には、図3に示すように、嵌合ツメ42が立設されている。嵌合ツメ42は、ガーニッシュ20のボルト固定部30の側壁33に対向するように設定され、先端部に突起42aを有している。これに対応して、ガーニッシュ20のボルト固定部30の側壁33には、嵌合穴33aが形成されている。嵌合穴33aは、略矩形の角穴や略円形の丸穴や長穴等の種々の形状であってよい。側壁33の嵌合穴33aには、当該嵌合穴33aの開口形状に対応した嵌合ツメ42の突起42aが係合される。
【0027】
また、ブラケット40のガーニッシュ側の面には、嵌合ツメ42に対向する係止壁43が立設されている。即ち、係止壁43及び嵌合ツメ42は、ブラケット40のボルト挿通穴44の両側に立設されている。係止壁43と嵌合ツメ42の間隔は、ボルト固定部30の幅よりも大きく設定されている。係止壁43は、後述する如く、嵌合穴33aからの突起42aの離脱を防止するため、ブラケット40のガーニッシュ20に対する変位可能な量を、ボルト固定部30の側部と当接することで制限する。尚、係止壁43には、嵌合ツメ42の突起42aのような部位は形成されていない。
【0028】
尚、本実施例では、ブラケット40の嵌合ツメ42及び側壁33の嵌合穴33aは、図3に示すように、2対形成されており、2つの嵌合穴33aは、ボルト固定部30の同一側に形成された2つの側壁33にそれぞれ形成されている。また、これに対応して、各嵌合ツメ42の突起42aの突起方向も、互いに対向方向又は離反方向でなく同一方向に形成されている。また、2つの嵌合ツメ42の間隔は、各嵌合ツメ42が各嵌合穴33aに嵌入した状態で弾性変形しないように、2つの嵌合穴33aの間隔と略同一に設定されている。
【0029】
但し、本発明は、特にこれに限定されることはなく、側壁33の嵌合穴33a及びブラケット40の嵌合ツメ42は、1対のみ若しくは3対以上形成されてもよい。また、各ボルト固定部30の各側壁33は、互いに対向又は離反する側に形成されてもよい。この場合、各嵌合ツメ42の突起42aの突起方向は、各側壁33の嵌合穴33aに対応して、互いに離反方向又は対向方向に形成される。また、各嵌合ツメ42の間隔は、対応する各嵌合穴33aの間隔より僅かに小さく設定されてもよい。
【0030】
ブラケット40のガーニッシュ20への組付けは、ガーニッシュ20の裏側から行われる。具体的には、ブラケット40のボルト挿通穴44にボルト96を挿通し、次いで、ブラケット40のボルト挿通穴44にガーニッシュ20の凸部36を嵌合させることにより、ブラケット40が正確な位置関係でガーニッシュ20に組み付けられる。このとき、ブラケット40の嵌合ツメ42がガーニッシュ側の嵌合穴33aに嵌入し、ブラケット40のガーニッシュ20への組み付け(仮止め)が完了する。
【0031】
このようにブラケット40のガーニッシュ20への組み付けが完了すると、ブラケット40の嵌合ツメ42(突起42a)とガーニッシュ20の嵌合穴33aとの引っ掛かりにより、ブラケット40の組付け方向Xの自由度が拘束される。ところで、本実施例では、上述の如く、ブラケット40の2つの嵌合ツメ42(突起42a)は、図3の右側に形成された各側壁33の嵌合穴33aに係合している。従って、ブラケット40がガーニッシュ20に対して図3の右側に移動すると、嵌合ツメ42は図3の左側に突起42aを有する故に、嵌合ツメ42の突起42aが嵌合穴33aから離脱することになる。しかしながら、本実施例では、上述の如く、ガーニッシュ20の凸部36がブラケット40のボルト挿通穴44に嵌合しているため、凸部36の段差により、組付け方向Xに垂直な面内のブラケット40の自由度(特に図3の右方向の変位)が制限されている。また、上述の如く、組付け方向Xに垂直な面内のブラケット40の自由度は、係止壁43によっても制限される。
【0032】
従って、本実施例では、ガーニッシュ20に組み付けられた後方監視カメラ組立体70が、次工程、即ち、ガーニッシュ20のバックドアパネル92への組付け工程中において、ガーニッシュ20から離脱して落下等することはない。また、ブラケット40に作用する力が嵌合ツメ42に直接作用することがないため、組付け工程中において嵌合ツメ42の根元部の破断が生じることはない。
【0033】
ガーニッシュ20のバックドアパネル92への組み付けは、ブラケット40が上述の如く組み付けられた状態で、図4に示すように、バックドアパネル92の裏側から行われる。具体的には、バックドアパネル92に形成された丸穴93にボルト96を貫通させ、バックドアパネル92の裏側からナット97で締め付けることにより、ガーニッシュ20のバックドアパネル92への組み付けが完了する。尚、本実施例では、車両背面の見栄えを考慮して、上述の組み付け方法を採用しているが、バックドアパネル92の裏側に設定されたウエルドナットにボルト96を締め込むことも可能である(但し、この場合、ガーニッシュ20の表面に作業穴を形成する必要がある。)。
【0034】
このようにガーニッシュ20のバックドアパネル92への組み付けが完了すると、図4に示すように、後方監視カメラ組立体70のブラケット40は、バックドアパネル92とガーニッシュ20のボルト固定部30の上面32との間に挟み込まれ、ガーニッシュ20と共にバックドアパネル92に対して完全に固定(拘束)される。
【0035】
従って、本実施例では、ガーニッシュ20に後方監視カメラ組立体70(ブラケット40)をボルトやスクリュウで固定することなく、或いは、バックドアパネル92に後方監視カメラ組立体70をボルトやスクリュウで固定することなく、後方監視カメラ組立体70をバックドアパネル92に固定することが可能となる。これにより、バックドアパネル92に後方監視カメラ組立体70をボルト等で固定する場合等に比して、部品点数が低減されると共に組付作業性が向上し、また、後述する如く、リサイクルのための分離作業が容易化される。
【0036】
また、ブラケット40のボルト挿通穴44に嵌合した凸部36は、図4に示すように、ブラケット40の厚みと略同一の段差で形成されている故に、ブラケット40の取り付け面46と共にバックドアパネル92に面合わせされる。このため、後方監視カメラがオプション設定されていない場合であっても、オプション設定されている場合に対して、ガーニッシュ20とバックドアパネル92との合わせ関係が変化することもない。
【0037】
尚、上述の組み付け作業は、実際には、バックドアパネル92を開けた状態で、バックドアパネル92の裏側から行われる。従って、バックドアパネル92にガーニッシュ20をセットする際に、ガーニッシュ20の裏側を鉛直方向略下向きにする必要がある。本実施例によれば、ガーニッシュ20の裏側を鉛直方向略下向きにした場合であっても、上述の如く、嵌合ツメ42の突起42aと嵌合穴33aとの係合により、後方監視カメラ組立体70がガーニッシュ20から落下することはない。
【0038】
次に、以上のように組み付けられたガーニッシュ20及び後方監視カメラ組立体70の取り外し作業について言及する。ここで、特にガーニッシュ20は、比較的大型の樹脂部品であり、リサイクルのために車両からガーニッシュ20を取り外して回収することは有用である。上述した本発明による後方監視カメラの取り付け構造では、以下で説明するように、車両からガーニッシュ20のみを容易に分離することが可能である。
【0039】
具体的には、ガーニッシュ20を分離する作業は、ガーニッシュ20をバックドアパネル92から引き剥がすだけでよい(ボルト固定部30を破断させるだけでよい)。このとき、嵌合ツメ42の突起42aが嵌合穴33aから脱離し、若しくは、嵌合ツメ42が破断することで、ガーニッシュ20から後方監視カメラ組立体70が同時に引き離される。また、ガーニッシュ20と共に後方監視カメラ組立体70が引き離された場合であっても、ガーニッシュ20に後方監視カメラ組立体70がボルト等で締結されていないため、嵌合ツメ42の突起42aを嵌合穴33aから脱離させるだけで、ガーニッシュ20から後方監視カメラ組立体70を容易に分離することができる。尚、嵌合穴33aからの嵌合ツメ42の脱離は、例えば後方監視カメラ本体72に対してガーニッシュ方向且つ突起42aの離脱方向に力を加えることにより、若しくは、嵌合ツメ42を破断させることにより実現されてよい。
【0040】
従って、ガーニッシュ20に後方監視カメラ組立体70がボルト等で締結されている場合、ガーニッシュ20のみを分離するために、4点の締結部を緩める必要があるのに対して、本発明による後方監視カメラの取り付け構造によれば、上述の如く、締結部を緩める必要がなく、組付作業性が良好であるのみならず、リサイクルのためのガーニッシュ20の分離作業が大幅に簡略化される。
【0041】
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0042】
例えば、上述した実施例では、嵌合ツメ42の突起42aを嵌合穴33aに嵌入することでガーニッシュ20に対するブラケット40の仮止めが実現されているが、嵌合穴33aに代えて、窪みや溝に嵌合ツメ42の突起42aを嵌入することも可能である。また、嵌合ツメ42とガーニッシュ20のボルト固定部30の側壁33との係合は、それぞれに形成された凹凸部の嵌合により実現されてもよい。
【0043】
また、上述した実施例では、ボルト固定部30の側壁33に嵌合穴33aを形成するものであったが、嵌合穴33aは、ガーニッシュ20に形成されている限り、ボルト固定部30の如何なる側面に形成されるものであっても、ガーニッシュ20に立設された別の壁面に形成されるものであってもよい。
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、後方監視カメラ本体を固定するブラケットを、ガーニッシュに仮止めした状態で、バックドアパネルにボルトでガーニッシュと共締することにより、組付作業性が向上すると共に、リサイクルのためのガーニッシュの取り外しが大幅に容易化される。
【図面の簡単な説明】
【図1】後方監視カメラ組立体が取り付けられた車両を後方から見た概略斜視図である。
【図2】図1のラインI−Iに沿って切断された際のバックドアパネル92及びガーニッシュ20を示す断面図である。
【図3】ガーニッシュ20の裏側から見た際のガーニッシュ20及び後方監視カメラ組立体70を示す斜視図である。
【図4】図3のラインII−IIに沿って切断された際の後方監視カメラ組立体70の組付け状態を示す断面図である。
【図5】従来技術による後方監視カメラの取り付け構造を示す組立図である。
【図6】その他の従来技術による後方監視カメラの取り付け構造を示す組立図である。
【符号の説明】
20 ガーニッシュ
30 ボルト固定部
33a 嵌合穴
36 凸部
40 ブラケット
42 嵌合ツメ
42a 突起
44 ボルト挿通穴
70 後方監視カメラ組立体
72 後方監視カメラ本体
92 バックドアパネル

Claims (5)

  1. 後方監視カメラ本体と、
    前記後方監視カメラ本体が固定されるブラケットと、
    前記後方監視カメラ本体を少なくとも部分的に覆い、車体の背面の意匠を構成するガーニッシュとを有し、
    前記ブラケットが、前記ガーニッシュに仮止めされた状態で、バックドアパネルに前記ガーニッシュと共に締結されていることを特徴とする、後方監視カメラの取り付け構造。
  2. 前記ブラケットの前記ガーニッシュへの仮止めは、前記ブラケットに形成されたツメ部と、前記ガーニッシュに形成された嵌合穴との係合により実現されている、請求項1記載の後方監視カメラの取り付け構造。
  3. 前記ガーニッシュは、ボルトが固定されたボルト固定部を有しており、前記ブラケットは、前記ボルトが挿通する挿通穴を有しており、
    前記ボルト固定部には、前記挿通穴に嵌合すると共に前記バックドアパネルとの接触面を構成する凸部が形成されている、請求項1又は2記載の後方監視カメラの取り付け構造。
  4. 後方監視カメラ本体が固定されたブラケットを、車体の背面の意匠を構成するガーニッシュに仮止めする第1工程と、
    前記ブラケットが仮止めされたガーニッシュを、バックドアパネルの裏側から、バックドアパネルに前記ブラケットと共に締結する第2工程とを含む、後方監視カメラの取り付け方法。
  5. 前記第1工程は、前記ブラケットに形成されたツメ部を、前記ガーニッシュに形成された嵌合穴に嵌入する工程を含み、
    前記第2工程は、前記ガーニッシュに固定されたボルトを、前記ブラケットに形成された挿通穴及び前記バックドアパネルに形成された穴に挿通させて、前記バックドアパネルの裏側からナットで締め付ける工程を含む、請求項記載の後方監視カメラの取り付け方法。
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