JP4144209B2 - 複合金属酸化物粉末の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複合金属酸化物粉末の製造方法に関する。特に積層コンデンサー、アクチュエーター、フィルター等の電子部品の原料として好適な複合金属酸化物粉末の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
複合金属酸化物粉末は蛍光性、誘電性、圧電性、強誘電性等の機能を有するので、例えば、蛍光体、積層コンデンサー、アクチュエーター、電気回路のフィルター等に用いられている。特にチタン酸塩粉末は誘電性、強誘電性、圧電性に優れ、積層コンデンサー、アクチュエーター等の電子部品の原料として用いられている。電子機器の小型化の要求に応じてこれらの電子部品も小型化の研究が進められており、原料である複合金属酸化物粉末も、より小型化した電子部品に好適であるように改良が行われている。
【0003】
例えば、複合金属酸化物であるチタン酸塩の一つであるチタン酸バリウムを用いた積層コンデンサーでは、コンデンサーを構成する誘電体層がチタン酸バリウム焼結体から成っているのであるが、誘電体層の一層の厚みは10μmにまで薄くなっているので、均一で凹凸の少ない層を製造するために、原料となるチタン酸バリウム粉末としてより微粒の粉末が求められており、具体的には平均一次粒子径が0.3μm以下の微粒の粉末が求められている。
【0004】
また、焼結体からなる電子部品の機械的強度の向上が求められているが、一般的に、焼結体を構成する粒子を微粒化することにより、焼結体の強度を向上させることができる。そして、微粒の粒子からなる焼結体を得るためには、焼結体の原料である複合金属酸化物粉末として微粒の粉末が、具体的には0.3μm以下の微粒の粉末が求められている。しかし、焼結体の原料として微粒の粉末を用いると、高い焼結体密度が得られないことがあり、機械的強度がかえって低下することがあるという問題が生じる。一般的に、粒子形状が球状に近いと高い焼結体密度が得られやすいので、粒子形状が球状に近く、かつ微粒の複合金属酸化物粉末が求められている。
【0005】
微粒の複合金属酸化物粉末の製造方法として、特開平7−187612号公報には、原料である酸化イットリウムと酸化鉄の混合物を窒素中で室温から昇温して焼成を開始し、酸化イットリウムと酸化鉄が複合金属酸化物であるY3Fe512となる温度(約1000℃)より大幅に低い600℃において塩化水素10体積%−窒素90体積%からなる雰囲気を導入して1000℃で1時間保持して焼成し、ガーネット構造を有するY3Fe512粉末を製造する方法が開示されている。得られた粉末の粒子の形状は球状に近いが、平均一次粒子径が1.0〜45μmの粒子からなる粉末が得られており、さらに微粒の複合金属酸化物粉末を製造する方法が求められていた。
【0006】
また、微粒の複合金属酸化物粉末の製造方法として、特開平8−208226号公報には、原料である炭酸バリウムとメタチタン酸の混合物を空気中で室温から昇温して焼成を開始し、炭酸バリウムとメタチタン酸が複合金属酸化物であるチタン酸バリウム(BaTiO3)となる温度(約700℃)より大幅に低い550℃で、ヨウ化アンモニウムの分解により発生させたヨウ素ガスを雰囲気中に導入し、1000℃で1時間保持して焼成し、チタン酸バリウム粉末を製造する方法が開示されている。平均一次粒子径が0.2μmの粒子からなるチタン酸バリウム粉末が得られていたが、粒子形状が立方体に近く、より球状に近い粒子からなる複合金属酸化物粉末を製造する方法が求められていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、粒子形状が球状に近い粒子よりなり一次粒子径が0.3μm以下の微粒の複合金属酸化物粉末の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、焼成により複合金属酸化物を形成しうる金属化合物をハロゲンを含む雰囲気中にて焼成する該複合金属酸化物の製造方法において、ハロゲンを含む雰囲気を導入する温度が複合金属酸化物粉末の粒子形状と粒径に大きな影響を与え、該金属化合物が該複合金属酸化物となる温度に達するまでは実質的にハロゲンを含まない雰囲気中で焼成し、該金属化合物が該複合金属酸化物に変化する温度に達した後にハロゲンを含む雰囲気中にて焼成することにより、微粒で粒子形状が球状に近い該複合金属酸化物粉末が製造できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
すなわち本発明は、焼成により複合金属酸化物を形成しうる金属化合物を、該金属化合物が該複合金属酸化物となる温度に達するまでは実質的にハロゲンを含まない雰囲気中で焼成し、該金属化合物が該複合金属酸化物に変化する温度に達した後にフッ素、塩素、臭素およびヨウ素からなる群より選ばれる1種以上のハロゲンを含む雰囲気中にて焼成する複合金属酸化物粉末の製造方法を提供する。また本発明は、焼成により複合金属酸化物を形成しうる金属化合物として、ハロゲンを含まない化合物とハロゲン化物を併用する上記記載の製造方法を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の製造方法により製造される複合金属酸化物としては、MgTiO3、BaTiO3、CaTiO3、SrTiO3、(Ba,Sr)TiO3、Ba(Ti,Zr)O3、Pb(Zr,Ti)3、PbTiO3、SrBi2Ta29、SrBi2(Ta,Nb)O9、FeBaO3が挙げられるが、MgTiO3、BaTiO3、CaTiO3、SrTiO3が積層コンデンサー、アクチュエーター、電気回路のフィルター等の電子部品の原料として有用である。
【0011】
本発明の製造方法においては、焼成により複合金属酸化物を形成しうる金属化合物を用いる。複合金属酸化物を形成しうる金属化合物には該複合金属酸化物は含まれない。複合金属酸化物を形成しうる金属化合物は特に限定されず、例えば、酸化物、炭酸塩、水酸化物、水酸化物のゲル等を用いることができ、複合金属塩を用いることもできるる。例えば、複合金属酸化物がチタン酸バリウムであれば、チタン化合物とバリウム化合物を用いる。チタンとバリウムの複合化合物である蓚酸チタニルバリウム四水和物等を原料として用いることもできる。
【0012】
本発明の製造方法においては、焼成により複合金属酸化物を形成しうる金属化合物として、ハロゲンを含まない化合物とハロゲン化物を併用する、すなわち焼成により複合金属酸化物を形成しうる金属化合物として、少なくとも1種がハロゲン化物であって、少なくとも1種がハロゲンを含まない化合物を用いることができ、この場合、実質的にハロゲンを含まない雰囲気中で焼成を開始しても、該金属化合物が該複合酸化物となる温度において、該ハロゲン化物が分解してハロゲンが雰囲気中に含まれるので、ハロゲンを含む雰囲気を導入しなくてもよい。
【0013】
本発明の製造方法における焼成により複合金属酸化物を形成しうる金属化合物は、湿式合成法により調製することができる。例えば、アルコキシド化合物を用いたゾル・ゲル法や、水酸化物法(金属元素化合物水溶液から中和反応により水酸化物の沈殿を生成させる方法)を挙げることができる。また、乾式または湿式の混合により金属化合物を混合して調製することもできる。
【0014】
複合金属酸化物を形成しうる金属化合物を焼成前に予め混合することができる。混合方法は、通常工業的に用いられる混合方法を用いることができ、混合装置としては、ボールミル、振動ミル、ヘンシェルミキサー、バーチカルグラニュレーター、ダイナミックミルが挙げられる。
【0015】
本発明の製造方法においては、金属化合物が複合金属酸化物となる温度に達するまでは実質的にハロゲンを含まない雰囲気で焼成を行う。ハロゲンが含まれていなければ、雰囲気としては空気、窒素、酸素、アルゴン、二酸化炭素等を用いることができ、空気が好ましい。また、雰囲気中の水分が少ない場合が好ましく、水蒸気濃度は2体積%未満が好ましい。金属化合物が複合金属酸化物となる温度に達するまでの焼成の雰囲気中にハロゲンが実質的に含まれていると、微粒の複合金属酸化物粉末が得られないことがあるが、雰囲気中におけるハロゲンの含有量の合計が0.01体積%未満であれば、得られる複合金属酸化物には影響が無いので、含まれていてもよい。すなわち、本発明の製造方法においては、雰囲気中におけるハロゲンの含有量の合計が0.01体積%未満であれば、実質的にハロゲンを含まない雰囲気である。金属化合物が該複合金属酸化物を形成する温度に達して後は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素からなる群より選ばれる1種以上のハロゲンを含む雰囲気中で焼成する。なお、本発明の製造方法において、ハロゲンとはフッ素、塩素、臭素およびヨウ素、ハロゲン化物とはフッ化物、塩化物、臭化物およびヨウ化物である。ハロゲンを含む雰囲気とは、分子状ハロゲンのみならず、ハロゲン化水素、ハロゲン化物の蒸気等を含む場合を含む。また、ハロゲンとしてはフッ素、塩素および臭素が好ましく、ハロゲン化物としてはフッ化物、塩化物および臭化物が好ましい。
【0016】
本発明の製造方法においては、実質的にハロゲンを含まない雰囲気からハロゲンを含む雰囲気とする温度は、金属化合物が複合金属酸化物となる温度以上の温度であるが、通常は、500℃以上1000℃以下の温度範囲であり、好ましくは700℃以上1000℃以下の温度範囲である。また通常は、原料の金属化合物からの複合金属酸化物の生成が終了する温度より0〜400℃低い温度であり、この複合金属酸化物の生成が終了する温度は、TG−DTAなどにより測定することができる。複合金属酸化物の生成が終了してから焼成の雰囲気をハロゲンを含む雰囲気とした場合は、球状の粒子からなる複合金属酸化物粉末が得られないおそれがあり、複合金属酸化物の生成開始より前にハロゲンを含む雰囲気とした場合は、金属化合物が複合金属酸化物となる温度に達するまでの焼成の雰囲気中にハロゲンが実質的に含まれている場合に相当し、微粒の複合金属酸化物粉末が得られないことがあるので、TG−DTAにより測定した金属化合物が複合金属酸化物となる反応の反応率が1〜90モル%の範囲において、実質的にハロゲンを含まない雰囲気からハロゲンを含む雰囲気とすることが好ましく、反応率が5〜80モル%の範囲がさらに好ましい。
【0017】
例えば、チタン酸バリウムでは、原料の化合物の種類によるが、実質的にハロゲンを含まない雰囲気からハロゲンを含む雰囲気とする温度は、600〜1000℃の温度範囲が好ましく、700〜1000℃の温度範囲がさらに好ましい。
【0018】
焼成における最高到達温度は、金属化合物が複合金属酸化物となる温度以上であるが、金属化合物が複合金属酸化物となる温度と同様に、通常は500℃以上1000℃以下の温度範囲であり、700〜1000℃の温度範囲がさらに好ましい。
【0019】
また、ハロゲンを含む雰囲気中におけるハロゲンの合計の濃度は、0.1体積%以上10体積%以下が好ましく、1〜7体積%がさらに好ましい。原料となる金属化合物に含まれる金属のフッ化物、塩化物、臭化物およびヨウ化物の蒸気圧が高い方がハロゲンを含む雰囲気中におけるハロゲンの合計の濃度は低い方が好ましい。焼成時間は原料の粒径等の影響があるが、通常は0.5〜5時間である。
【0020】
焼成により複合金属酸化物を形成しうる金属化合物として、ハロゲンを含まない化合物とハロゲン化物を併用する場合、ハロゲン化物の量は同じ金属元素の全化合物量の0.1モル%以上10モル%以下が好ましく、1モル%以上5モル%以下がさらに好ましい。例えば、炭酸バリウムと弗化バリウムと酸化チタンを秤量し、混合して焼成することによりペロブスカイト型酸化物であるチタン酸バリウムの粉末を製造する場合、炭酸バリウムと弗化バリウムの合計モル量と酸化チタンのモル量の比は1:1、炭酸バリウムと弗化バリウムのモル比は99.9:0.1〜90:10の範囲とする場合が好ましい。
【0021】
チタンとバリウムの複合化合物である蓚酸チタニルバリウム四水和物等を原料として用いることもでき、その場合例えば、金属元素のハロゲン化物として弗化バリウムを用い、チタンとバリウムのモル比を1:1とするために酸化チタンを用いて混合して焼成し、チタン酸バリウム粉末を製造することができる。
【0022】
本発明の製造方法においては、理由は明らかではないが、生成した複合金属酸化物の粉末の粒子が大きく成長したり、粒子同士が融着して凝集粒子を生じることが少なく、微粒で凝集粒子の少なく、かつ粒子形状が球状に近い粒子よりなる複合金属酸化物粉末を製造することができるのである。
【0023】
得られる粉末の粒径は、理由は明らかではないが原料の粒径の影響を受け、原料となる金属化合物の一次粒径が小さい方が焼成温度が低くなり、粒径が小さくなる傾向がある。
【0024】
また、種結晶となる微粒の複合酸化物を添加することにより粒径を変化させることが可能である。例えば、チタン酸バリウムの場合、微粒のBaTiO3を原料に添加することにより、粒径を小さくすることができる。種晶の粒径としては生成する粒子より小さくなければならないので、通常平均一次粒子径が0.2μm以下のものが用いられる。
【0025】
本発明の製造方法で製造される複合金属酸化物粉末は、凝集粒子が少なく凝集の程度も軽いため、凝集を壊すために必要な粉砕エネルギーは小さく、短時間のボールミルや振動ミル等、ボールミルのボール等の媒体の欠損による粗大異物混入や、ミルパッキングによる凝集粒子発生等の問題がほとんど発生しない条件で粉砕することができる。
【0026】
焼成により生成する複合酸化物粉末は、必要であれば水洗することができる。焼成により生成する複合酸化物粉末にはハロゲンが残存していることがあるが、水洗により容易に除去することができる。
【0027】
本発明の製造方法により製造した複合金属酸化物粉末は、粒子形状が球形に近く均一な粒子形状と粒子径を有した粒子からなり、平均一次粒子径が0.3μm以下の微粒の場合でも、優れた分散性、成形性および焼結性を有しており、薄い膜を成形するドクターブレード成形に適している。また、微粒の粉末は焼結温度が低くすることができ、焼結体の粒子も微粒化することができ、焼結体の強度向上を図ることができる。従って、チタン酸塩の場合、積層コンデンサー、アクチュエーターやフィルター用等の原料として好適である。
【0028】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
1.粒子形状の観察
一次粒子の形状はSEM(走査型電子顕微鏡、日本電子株式会社製T−300)により撮影した粉末の写真の観察により決定した。
2.平均一次粒子径の評価
平均一次粒子径は、粉末のBET比表面積(島津製作所製、フローソーブII2300)を測定し、BET比表面積の値から、6÷(真密度(g/cm3))÷(BET比表面積(m2/g))により算出したBET比表面積相当径(μm)を用いた。
3.結晶構造の評価
リガク社製X線回折装置RU200により結晶構造を調べた。
【0029】
実施例1
炭酸バリウム(特級試薬、関東化学製)、酸化チタン(石原産業製TTO−55Nグレード)の強熱減量(1100℃に焼成して水分を除去し酸化物としたときの重量減少)を測定し、強熱減量のデータにより水分等の揮発成分による重量のずれを補正して、炭酸バリウムと酸化チタンのモル比が1:1となるように秤量した。これらの原料をポリエチレン製ポットおよび鉄芯入りプラスチックボールを用い、乾式ボールミルで混合した。この混合物を加熱し、800℃に達した時、塩化水素5体積%−空気95体積%のガスを導入し、この温度で2時間焼成した。得られた粉末はBaTiO3単相で、平均一次粒子径は0.13μmであり、粒子はほぼ球状で均一な形状を有していた。
【0030】
【表1】
Figure 0004144209
【0031】
実施例2
酸化チタン(A―100石原産業(株)製)と炭酸バリウムを実施例1と同様の方法で混合した。この混合物を加熱850℃に達した時、塩化水素5%と空気95%の混合ガスを雰囲気に導入、2時間焼成した。得られた粉末はBaTiO3単相で、平均一次粒子径は0.20μmであり、粒子はほぼ球状で均一な形状を有していた。
【0032】
実施例3
4塩化チタンの中和により合成した中和チタン酸を600℃で焼成したチタニアと炭酸バリウムを実施例1と同様の方法で混合した。この混合物を加熱、800℃に達した時、塩化水素5%と空気95%の混合ガスを雰囲気に導入、2時間焼成した。得られた粉末はBaTiO3単相で、平均一次粒子径は0.16μmであり、粒子はほぼ球状で均一な形状を有していた。
【0033】
実施例4
実施例1において焼成温度を750℃に、焼成時間を1時間とした以外は実施例1と同様の方法で実施した。得られた粉末はBaTiO3単相で、平均一次粒子径は0.11μmであり、粒子はほぼ球状で均一な形状を有していた。
【0034】
実施例5
実施例1において焼成温度を850℃に、焼成時間を1時間とにした以外は実施例1と同様の方法で実施した。得られた粉末はBaTiO3単相で、平均一次粒子径は0.15μmであり、粒子はほぼ球状で均一な形状を有していた。
【0035】
実施例6
実施例1において塩化水素濃度を3%に、焼成時間を1時間にした以外は実施例1と同様の方法で実施した。得られた粉末はBaTiO3単相で、平均一次粒子径は0.12μmであり、粒子はほぼ球状で均一な形状を有していた。
【0036】
実施例7
炭酸バリウム(関東化学製、試薬特級)、弗化バリウム(半井化学製、試薬特級)、酸化チタン(石原産業製TTO−55Nグレード)の強熱減量(1100℃に焼成して水分を除去し酸化物としたときの重量減少)を測定し、強熱減量のデータにより水分等の揮発成分による重量のずれを補正して、炭酸バリウム、弗化バリウムと酸化チタンのモル比が0.98:0.02:1となるように秤量した。Baの合計モル量とTiのモル量の比は1:1となる。これらの原料をポリエチレン製ポットおよび鉄芯入りプラスチックボールを用い、乾式ボールミルで混合した。この混合物を大気中700℃で焼成した。得られた粉末はBaTiO3単相で、平均一次粒子径は0.10μmであり、粒子はほぼ球状で均一な形状を有していた。
【0037】
実施例8
炭酸バリウムと弗化バリウムのモル比を99.5:0.5にした以外は実施例7と同様の方法で行った。得られた粉末はBaTiO3単相で、平均一次粒子径は0.10μmであり、粒子はほぼ球状で均一な形状を有していた。
【0038】
実施例9
炭酸バリウムと弗化バリウムのモル比を95:5にした以外は実施例7と同様の方法で行った。得られた粉末はBaTiO3単相で、平均一次粒子径は0.10μmであり、粒子はほぼ球状で均一な形状を有していた。
【0039】
実施例10
実施例7において焼成温度を800℃にした以外は実施例7と同様の方法で実施した。得られた粉末はBaTiO3単相で、平均一次粒子径は0.10μmであり、粒子はほぼ球状で均一な形状を有していた。
【0040】
実施例11
実施例7において焼成温度を900℃にした以外は実施例7と同様の方法で実施した。得られた粉末はBaTiO3単相で、平均一次粒子径は0.20μmであり、粒子はほぼ球状で均一な形状を有していた。
【0041】
実施例12
弗化バリウムに変えて、塩化バリウム(半井化学製、試薬特級)を用い、800℃で焼成した以外は実施例7と同様の方法で実施した。得られた粉末はBaTiO3単相で、平均一次粒子径は0.10μmであり、粒子はほぼ球状で均一な形状を有していた。
【0042】
実施例13
弗化バリウムに変えて、臭化バリウムを用い、800℃で焼成した以外は実施例7と同様の方法で実施した。得られた粉末はBaTiO3単相で、平均一次粒子径は0.10μmであり、粒子はほぼ球状で均一な形状を有していた。
【0043】
比較例1
塩化水素5体積%−空気95体積%のガスを導入せずに焼成の雰囲気を焼成の始めから終わりまで空気とした以外は実施例1と同様にして実施した。X線回折による分析では、チタン酸バリウムも生成していたが、炭酸バリウムが残存しており、さらに酸化チタンと酸化バリウムが認められた(表1には多相と記載した)。一次粒子径は不均一であった。
【0044】
比較例2
塩化水素5体積%−空気95体積%のガスを室温から導入し、焼成の雰囲気を焼成の始めから終わりまで塩化水素5体積%−空気95体積%とした以外は実施例1と同様にして実施した。焼成後の粉末には塩化物等が含まれ多相の混合物であった。一次粒子径は不均一であった。
【0045】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、粒子形状が球状に近い粒子からなり、平均一次粒子径が0.3μm以下の微粒の複合金属酸化物粉末を製造することができ、特に本発明の製造方法によるペロブスカイト型酸化物粉末は分散性、成形性に優れ、焼結した場合に高い焼結体密度と高い焼結体強度が得られるので、電子部品用、特に積層コンデンサー用、アクチュエーター用、電子回路のフィルター用等に好適である。

Claims (7)

  1. 焼成により複合金属酸化物を形成しうる金属化合物を、該金属化合物が該複合金属酸化物となる温度に達するまでは実質的にハロゲンを含まない雰囲気中(ここで、実質的にハロゲンを含まない雰囲気とは、雰囲気中におけるハロゲンの含有量の合計が0.01体積%未満である雰囲気をいう。)で焼成し、該金属化合物が該複合金属酸化物に変化する温度に達した後にフッ素、塩素、臭素およびヨウ素からなる群より選ばれる1種以上のハロゲンを含む雰囲気中にて焼成する(ただし、複合金属酸化物の生成が終了してから焼成の雰囲気をハロゲンを含む雰囲気とする場合を除く。)ことを特徴とする複合金属酸化物粉末の製造方法であって、複合金属酸化物粉末がチタン酸塩であるペロブスカイト型酸化物粉末である複合金属酸化物粉末の製造方法。
  2. 焼成により複合金属酸化物を形成しうる金属化合物として、ハロゲンを含まない化合物とハロゲン化物を併用する請求項1に記載の製造方法。
  3. ハロゲン化物を構成する金属元素と同じ金属元素を含む化合物全量の中のハロゲン化物の量が0.1モル%以上10モル%以下である請求項2に記載の製造方法。
  4. ハロゲンを含む雰囲気中におけるハロゲンの含有量が合計で0.1体積%以上10体積%以下である請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 焼成における最高到達温度が金属化合物が複合金属酸化物となる温度以上で、500℃以上1000℃以下の温度範囲である請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 複合金属酸化物が、MgTiO3、BaTiO3、CaTiO3およびSrTiO3から選ばれる請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 複合金属酸化物がBaTiO3であり、複合金属酸化物粉末の平均一次粒子径が0.10μm〜0.20μmの範囲である請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
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