JP4143960B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技機に関し、特にいわゆるセブン機、羽根物、権利物又はアレンジボール等の弾球遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、パチンコ機の遊技は、遊技盤面上に発射した遊技球を始動口に入球させることで、表示装置に表示される3桁の図柄が変動し、そのうち2桁の図柄が揃って停止するとリーチ状態となって残りの図柄が既に停止している2桁の図柄と一致した場合に大当りとなり、遊技者が賞球を獲得し易い特別遊技状態を発生するという手順で構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、一部の遊技者が、このような遊技の過程の中で興奮して或いは意図的に遊技機を殴打(叩く)して衝撃(振動)を加えるという不適切な行為を行う場合があった。このような行為によって遊技機が破損(故障)する原因となったり、又は遊技球の挙動を変化させるという不正行為となる場合があり大きな問題となっていた。更には、遊技場に設置されている遊技機は横並びに密接しているので、そのような遊技者がいることで周りの他の遊技者にも不快な印象を与え、ひいては遊技場自体の印象を悪くさせ、集客力を低下させてしまう怖れもある。
【0004】
このような問題を解決するため、従来様々な発明が為されている。例えば、特開平5-300963号公報には、水平検出装置を備えて、遊技機を所定角度以上傾けた場合に遊技を不能化又は異常を報知する旨の記載がある。又、特許第2808581号公報には、振動を感知するとシャッターをおろすことによってゲーム不能な状態とする旨の記載がある。更に、特開平8-299563号公報には、異常な振動を検出した場合、枠に設けた表示装置に「叩くな痛いぞ!」という表示を行なう旨の記載がある。
【0005】
このような先行発明を分類すると、不正な振動を検知した場合、遊技を不能とするものと、ランプや文字で警告を行なうものとに分かれる。
しかしこの分類のうち前者には、遊技不能としている間、遊技機の稼働率を低下させるという問題点がある。又後者は単に警告表示をするに過ぎないので遊技者に不利益はなく、むしろ遊技者の興奮を煽り不適切な行為を繰り返させる可能性がある。その結果、結局遊技場の従業員が遊技者に直接注意しなければならず、従業員の手を煩わせることになる。更に、それが原因で遊技者と従業員とが争いとなった場合、若しくは単に従業員が遊技者を注意する場合でも、近くで遊技している他の遊技者に対して不快感を与えるという問題がある。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、遊技者が自発的に遊技台に衝撃を加えるような不適切な行為をしなくなる遊技機を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
係る課題を解決するためになされた本発明の請求項1に記載の遊技機は、
始動口と、
前記始動口に遊技球が入球又は通過することに起因して複数の識別図柄を変動表示する表示装置と、
当該遊技機に衝撃が与えられたことを検知する衝撃検知手段と、
前記衝撃検知手段によって衝撃が検知されると、前記表示装置に表示される画像の視認を所定の期間制限する表示制限手段と、を備え、
前記表示装置において所定のリーチ表示態様を経た後に前記識別図柄が予め定められた組み合わせとなることにより、遊技者にとって有利な遊技状態を発生する遊技機において、
前記リーチ表示態様には、キャラクタによる演出表示及び前記識別図柄自体の演出表示にて他のリーチ表示態様とは区別され、且つ前記他のリーチ表示態様と比較して前記有利な遊技状態を発生する期待度の高いスーパーリーチ表示態様が含まれ、
前記表示制御手段は、前記スーパーリーチ表示態様の表示中に前記衝撃検知手段によって衝撃が検知された場合、前記表示装置に表示される背景表示を単色にすると共に前記識別図柄が単に通常変動するのみの表示にする
ことを特徴とする。
【0009】
このように構成された遊技機によれば、スーパーリーチ表示態様の表示中に衝撃検知手段によって衝撃が検知された場合、すなわち遊技者が遊技機を殴打するなどして衝撃を加えた場合には、表示装置に表示される背景表示を単色にすると共に識別図柄が単に通常変動するのみの表示にするので、遊技者はスーパーリーチ表示態様の一部(「所定の期間」分)を見損なうことになる。従って遊技者が再び遊技機に衝撃を与えるのを抑制することができる。さらにマナーの悪い遊技者が減少することで、遊技場の環境が改善され、集客力が増すという営業効果を発揮する。それでいながら、表示制限手段は、前記有利な状態が発生されるか否かに対しては影響を与えないので、遊技者に過度の罰則を与えることがない。また、遊技を不能にするものでもないので、遊技機の稼働を維持することができる。
【0010】
請求項2に記載の遊技機は、請求項1に記載の遊技機において、前記衝撃検知手段により衝撃が検知された回数を計数する計数手段と、前記計数手段により計数された前記回数の累積に応じて、前記所定の期間を延長する制限時間制御手段と、を備えることを特徴とする。
請求項2の遊技機によれば、遊技機に衝撃を加えた回数が計数手段によって計数され、その計数された回数が多いほど、画像の視認が制限される時間を、制限時間制御手段が長くするので、何度も遊技機に衝撃を加える遊技者により大きな罰則を与えることができる。これによりその遊技者が再び遊技機に衝撃を与えるのを効果的に抑制又は防止することができる。
【0011】
請求項3に記載の遊技機は、請求項1又は請求項2に記載の遊技機において、遊技に関わる制御を司る主制御部と、前記主制御部からの信号が直接又は間接的に伝送される副制御部であり、前記表示装置、当該遊技機から発せられる音声、及び当該遊技機の備えるランプの少なくとも1つを制御する副制御部と、を備え、前記表示制限手段は、前記副制御部に設けられていることを特徴とする。
請求項3の遊技機によれば、画像の視認を制限する動作が副制御部により行なわれるので、主制御部に余分な負担を負わせることがない。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。
ここでは遊技機として、いわゆるセブン機と呼ばれるタイプの第一種パチンコ機(弾球遊技機)を例に取り、その構造について図1〜図4を参照して説明する。
【0020】
パチンコ機1の前面部は、図1及び図2に示すように、主として外枠(本体枠)2と、中枠3と、前面枠4と、上皿部5と、下皿部6と、施錠装置7とから構成されている。
外枠2は、木製の板状体を略長方形の額縁状に組立て固着したものである。中枠3は、全体がプラスチック製で、枠体部(図2参照)3aと下板部とを有し、外枠2に対して開閉可能に軸支されている。中枠3の右端中央には施錠装置7が設けられ、施錠装置7は、正面視すると鍵穴を備えた略長方形状を呈し、前面枠4を閉鎖した場合に施錠するためのものである。
【0021】
ここで枠体部3aは、上端から下方へ中枠3全体の略2/3程度に略長方形の額縁状に形成され、上端部には、前面枠4の略三角形状の枠飾りLED用レンズ4c,4eに対応して、左側に賞球表示LED(図示を省略)及び賞球表示LED基板4d(図5参照)が、右側にストップ表示LED(図2では図示略)及びストップ表示LED基板4f(図5参照)が配設されている。
【0022】
また、下板部は、下端から上方へ中枠3全体の略1/3程度を占め、左端には、上皿部5に形成されたスピーカー面5aに対応すべく、遊技状態に応じた効果音その他の音(音声)を発生させるスピーカー400a(図5参照)が配設され、略中央には、遊技球を発射する発射装置ユニット(図示略)に対し、上皿部5に貯留された遊技球を供給する供給装置等(図示略)が設けられている。
【0023】
さらに、下板部の下方には、灰皿や玉抜きレバー等を備えた下皿部6が設けられ、下皿部6の略中央には、パチンコ機1の内部から遊技球を排出するための排出口6aが開設され、右端に発射装置ユニット(図示略)を操作する発射ハンドル9が設けられている。また、この発射ハンドル9には、遊技者がタッチしていることを検出するタッチスイッチ9aが装着され、その近傍には、発射停止を一時的に指令する発射停止スイッチ9bが配置されている。
【0024】
前面枠4は、図1及び図2に示すように、全体がプラスチック製であり、遊技盤10(図3参照)を前方から視認するべく、遊技盤10に形成された遊技領域11(図3参照)の形状に対応して略円周状に開設された開口部4aを有している。そして、その裏面には、開口部4aに応じてガラス板4rが嵌められた略長方形状のガラス枠4s(図2参照)が装着されている。尚、本実施の形態では、ガラス枠4sが、前面枠4に裏面に装着され、このガラス枠4fによって、ガラス板4rの周縁部が保持されている。そして、遊技者を基準とすれば、遊技盤10に形成された遊技領域11は、ガラス板4eの後方に形成されている。尚、前面枠4の前面側にガラス枠4sを装着し、前面枠4の前面側で、ガラス板4rを保持してもよい。また、ガラス板4r以外の透明板(例えば、透明な樹脂板)を、前面枠4に装着された透明板枠で保持することもできる。
【0025】
また、この前面枠4は、パチンコ機1の前面全体の約2/3のサイズを占め、中枠3の左端に軸着され開閉可能に形成されている。さらに、上端部には、枠飾りランプ用レンズ4bも設けられ、このレンズ4b内部には、開口部4a上端の円弧部分に沿って、枠飾りランプ基板4g(図5参照)及び複数個の遊技効果ランプ(図示略)が配設されている。
【0026】
上皿部5は、前面枠4の下側で、中枠3の左端に軸着され開閉可能に形成されている。皿外縁部5bには、玉抜きボタンや遊技球の貸出・返却ボタン等が配設されている。また、上皿部5には、パチンコ機1の内部から遊技球を排出するための排出口5cが開設されている。左端には、複数の長孔を有するスピーカー面5aが形成され、その裏面には、音量スイッチ基板12(図5参照)が設けられている。パチンコ機1の左端側には、プリペイドカードユニット13が装着されている。
【0027】
次に、本実施形態の遊技盤10の表面構造について図3を参照して説明する。遊技盤10は、略長方形の木製の板状体であって中枠3(図1及び図2参照)に保持されるとともに、後述する裏機構盤102(図4参照)によりその背面側が覆われている。遊技盤10には、遊技盤10の表面に設けられた外レール14と内レール15とにより略円形状の遊技領域11が形成され、遊技領域11内には、中央装置16と、第一種始動口(普通電動役物)17と、変動入賞装置18と、左入賞口19、右入賞口20、左下入賞口21、右下入賞口22と、多数の障害釘23と、一対のランプ風車24、25等が配設されている。
【0028】
中央装置16は、遊技領域11の略中央部に配置され、センター役物26と、表示装置27と、ランプ装置800、850とを備えている。
センター役物26は、表示装置27の前面周辺部に額縁状に突設して装着されており、上方に配置される上方突出部261と、下方に配置されるステージ262と、左右両側方に配置される側方突出部263,264とを備えている。尚、このセンター役物26には、上方突出部261若しくは側方突出部263,264の球受口(図示を省略)で受け入れた遊技球を、ステージ262上に導くための通路(ワープ通路)が設けられている(図示を省略)。
【0029】
普通図柄表示装置32は、中央装置16の上部中央に配置されている。普通図柄表示装置32は、1〜9の奇数数字を変動表示させるもので、普通図柄作動ゲート36、37のいずれかを遊技球が通過することにより変動して、所定時間経過後に1種類の奇数数字が停止表示される。そして、例えば「7」で停止表示すると、第一種始動口(普通電動役物)17が所定時間(例えば、0.5秒)開放される。
【0030】
普通図柄作動ゲート36、37は中央装置16の左右斜め下方に、それぞれ設けられ、この左右の普通図柄作動ゲート36、37内に左、右普通図柄作動ゲート検知スイッチ36s、37s(図5参照)が配設されている。そして、遊技球の普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ36s、37sのいずれかの通過により、普通図柄表示装置32が変動表示する。
【0031】
普通図柄保留表示LED32bは、4個の丸形の赤色LEDで構成され、7セグメント表示器32aの左右両側に近接して配置されている。これは、左右の普通図柄作動ゲート36、37を通過した遊技球の数を4個まで保留とし、通過ごとに順次点灯しシフト表示するものである。次の7セグメント表示器32aの変動表示が開始するたびに、未始動回数が消化され、1個の普通図柄保留表示LED32bは消灯される。
【0032】
特別図柄保留表示LED16aは、センター役物26の上部であって、普通図柄表示装置32の左右両側に2個ずつに分けて並列状に配置され、4個の赤色LEDで構成されている。これは、第一種始動口(普通電動役物)17に入球した遊技球の数を4個まで保留とし、入球ごとに順次点灯しシフト表示するものである。次の特別図柄の変動が開始するたびに、未始動回数が消化され、1個の特別図柄保留表示LED16aは消灯される。
【0033】
第一種始動口(普通電動役物)17は、中央装置16の中央位置の下方に離れて配設されている。第一種始動口(普通電動役物)17は、いわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部が開閉するべく形成され、その前面に飾りを備えて後述する基板34に取り付けられている。内部には、遊技球の通過を検知する第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17s(図5参照)と、翼片部を作動させるための第一種始動口(普通電動役物)ソレノイド17c(図5参照)とが備えられている。この一対の翼片部が左右に開くと、遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となり、一対の翼片部が立設され、遊技球の入球可能性が小さくなる通常状態となる。
【0034】
変動入賞装置18は、上記第一種始動口(普通電動役物)17の下方に配設されており、前面側が略逆台形状に形成された基板34に、大入賞装置31と、左下入賞口21と右下入賞口22とを備えている。ここで、大入賞装置31は、略中央に形成され、帯状に開口された大入賞口311と、この大入賞口311を開放・閉鎖する開閉板312と、この開閉板312を開閉するための大入賞口ソレノイド313(図5参照)と、大入賞口311に入賞した後に遊技球が通過する特定領域(V入賞口及び一般入賞口/図示略)と、連動杆(図示略)と、入賞球を検知する入賞球検知スイッチ318(図5参照)と、裏箱(図示略)と、大入賞口中継基板(図示略)とから主に構成されている。
【0035】
また、左下入賞口21は、第一種始動口(普通電動役物)17の略真横の左側に配設されて、内部に左下入賞口通過検知スイッチ21s(図5参照)が設けられている。そして、この左下入賞口21の下方には複数個の左下入賞口LED223〜225が左下入賞口LED基板21f(図5参照)に取り付けられ、飾りレンズによって被覆されている。さらに、右下入賞口22は、第一種始動口(普通電動役物)17の略真横の右側に配設されて、内部に右下入賞口通過検知スイッチ22s(図5参照)が設けられている。
【0036】
変動入賞装置18の左右斜め上方には、左入賞口19及び右入賞口20がそれぞれ配設されている。そして、その内部にはそれぞれ、左入賞口通過検知スイッチ19s(図5参照)、右入賞口通過検知スイッチ20s(図5参照)が設けられている。さらに、遊技領域11の左右両端部には、一対のサイドランプ38、39がそれぞれ縦円弧状で相対称状に配設されている。なお、多数の釘23は、以上説明した各遊技装置との位置バランスを考慮して、遊技領域11にパチンコ遊技に適するべく、配設されている。
【0037】
次に、遊技盤10の下方にはアウト口48が設けられ、そのアウト口48の下部にはバック球防止部材58が設けられており、遊技領域11に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止している。一方、ファール球防止部材59は、内レール15の先端部に取り付けられ、返しゴム60は、ファール球防止部材59の位置とは略正反対側の、遊技盤10の右半分側の位置であって、外レール14に沿って嵌合状に取り付けられている。
【0038】
次に、本実施の形態のパチンコ機1の裏面構造について図4を参照して説明する。前面枠4(図1及び図2参照)は中枠3にあって、前面枠4の上下端の位置に設けられた一対のヒンジ101により、開閉可能に支持されている。裏機構盤102は中枠3にあって裏機構盤102の上下端の位置に設けられた一対のヒンジ103により、開閉可能に支持されている。遊技盤10(図3参照)は中枠3の表面側に着脱可能に取り付けられている。上端側にあるヒンジ101の配設位置からみて左側には、タンク球切れ検知スイッチ104をタンク底部に備えた賞球タンク105と、この賞球タンク105に接続されるタンクレール106とが取り付けられている。また、タンクレール106の右側には、球抜きレバー107が設けられ、その下流側には、補給球切れ検知スイッチ(図示を省略)が、さらに、その下流側には、裏側遊技装置としての賞球払出装置109が配設されている。
【0039】
続いて、遊技球の振り分け部(図示略)が賞球払出装置109の下流側に設けられている。タンクレール106の下側には、表示装置27(図3参照)を格納した蓋付きの裏ケース111が設けられ、この裏ケース111の下側には、後述する主制御部140(図5参照)として、裏側遊技装置としての遊技制御基板54{図6(a)参照}を格納した格納容器としての収納ボックス55が配設されている。収納ボックス55の背面下側には、発射制御部193(図5参照)として発射装置制御基板を格納した発射装置制御基板ケース113、及び発射制御集合中継基板(図示略)が設けられている。裏機構盤102の左下方部には、上述した発射装置ユニット(図示略)が、同じく右下方部には、払出制御部150(図5参照)として、払出制御基板350{図6(b)参照}を格納した格納容器としての払出制御基板ケース118が設けられている。収納ボックス55の右側上方に裏側遊技装置としての中継基板190が装着されている。
【0040】
中継基板190は、図5にも示すように、入賞球検知スイッチ318,19s〜22s等と主制御部140とを中継するための基板とされている。本実施の形態においては、収納ボックス55、中継基板190及び払出制御基板ケース118は、金属板(図示を省略)に着脱自在に装着され、この金属板は裏機構盤102に対して回動自在に懸架されている。
【0041】
一方、裏機構盤102の右上端部には、ヒューズボックス119、電源スイッチ120、電源ターミナル基板121及び大当り、発射装置制御、球切れ、扉開放、賞球、球貸し用等の遊技機枠用外部接続端子を備えた端子基板122が設けられている。また、外部からの電力の供給を受けるための電源ケーブル123も端子基板122の上側に配設されている。払出制御基板350{図6(b)参照}を格納した払出制御基板ケース118からは接続ケーブル124が上方へ延出し、電源ケーブル125を備えたプリペイドカードユニット13に接続されている。また、裏機構盤102の略中央下端部には、下皿部用球通路部材126が設けられている。なお、電源ターミナル基板121には、「RAMクリア信号」を発生させるための図示しないRAMクリアスイッチが接続されている。
【0042】
次に、本実施の形態のパチンコ機1の電子制御装置130について、図5〜図7を参照して説明する。まず、電子制御装置130は、主制御部140と、信号伝送経路500aにより主制御部140に接続された払出制御部(主として賞球の払出制御を行う賞球払出制御部)150、信号伝送経路500bにより主制御部140に接続された音声ランプ制御部170、及び信号伝送経路500cにより音声ランプ制御部170に接続された特別図柄制御部160とを含んで構成されている。主制御部140は、遊技制御基板54を備え、主制御部140以外の上記3つの制御部150、160、170はそれぞれ、払出制御基板350、特別図柄制御基板360、音声ランプ制御基板を備えている。
【0043】
図5から、主制御部140、特別図柄制御部160、音声ランプ制御部170を取り出した概念図を図16に示す。本図に示すように、主制御部140と音声ランプ制御部170は信号伝送経路500bにより接続されている。また、特別図柄制御部160と音声ランプ制御部170は、信号伝送経路500cにより双方向に信号を伝送可能にされており、音の発生、ランプの点灯、図柄の表示を、正確なタイミングで実行できる。衝撃センサ65は、上皿部5の内部や前面枠4の内部等の適宜位置に設置され、特別図柄制御部160に接続されてパチンコ機1が叩かれた際の衝撃を検知可能にされている。
【0044】
遊技制御基板54は、図6(a)に示すように、CPU401を含む主回路部400と、入出力回路部500とを備えている(図14参照)。そして、この遊技制御基板54は、通常、開閉困難なケース(後述する収納ボックス55)に収納されている。
【0045】
また、入出力回路部500には、外部端子部145が接続され、この外部端子部145には、パチンコホールの「ホールコンピュータ」が接続される。そして、遊技制御基板54は、RAMクリア処理の実行後に、RAMクリア信号をONし、一定時間経過後にOFFするが、このRAMクリア信号をパチンコ機1の外部に出力し、パチンコホールのシステム等に報知できる。このため、不正行為者が判らない間に、パチンコホールの管理者側が不正行為を知ることができる。
【0046】
図15に示すように、CPU401はCPUコア480を備え、ROM482に格納された制御プログラムにより、RAM481をワークエリアとしてパチンコ機1全体の作動制御(すなわち、遊技の基本進行制御)を司る。また、ROM482に記憶された当否判定プログラムにより、CPU401が主体となって当否判断制御を行う(当否判定手段)。
【0047】
主回路部400は、図14に示すように、CPU401、発振部410、リセット回路部450、I/Oデコード回路部420、データバス安定化部411、及び第1外部入力回路部430を有している。また、CPU401は、図15に示すように、CPUコア480、内蔵RAM481、内蔵ROM482、メモリ制御回路483、クロック発生器484、アドレスデコーダ485、ウオッチドッグタイマ486、カウンタ/タイマ487、パラレル入出力ポート488、リセット/割り込みコントローラ489、外部バスインターフェース490、出力制御回路491を備えている。
【0048】
図5に戻り、図6(a)に示す入出力回路部500には前記した信号伝送経路500aが接続され、入出力回路部500からその信号伝送経路500aへ、各制御部150、160、170へ処理内容を指示する指令信号たるコマンドデータを送信する。尚、主制御部140から各制御部150、160、170へは、一方向形式若しくは双方向形式でデータが伝送される。また、各制御部140〜170には、電源受電基板415から電源ユニット425、さらには分電基板435を介して電源が供給されており、後述する電源立上げ時のシステムリセット信号が全制御基板に送信される。
【0049】
中継基板190には、入賞球検知スイッチ318,19s〜22s等が接続され、中継基板190の出力端子は、主制御部140の入出力回路部500と接続されている。また、第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17s、普通図柄表示装置基板32f、各種ソレノイド17c,313、右普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ37s、左普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ36sが主制御部140の入出力回路部500に接続されている。
【0050】
払出用端子基板191には、タッチスイッチ9a、発射停止スイッチ9b、ヴォリュームスイッチ192、タンク球切れ検知スイッチ104及び補給球切れ検知スイッチ108等が接続され、払出用端子基板191の出力端子は、図6(b)に示す払出制御部150の入出力回路部700と接続されている。
【0051】
払出制御部150は、図6(b)に示すように、主制御部140と同様の主回路部600及び入出力回路部700を含んで構成され、入出力回路部700において図5に示す信号伝送経路500aに接続されている。また、入出力回路部700には、賞球払出装置109、発射装置制御部193等が接続されている。
【0052】
特別図柄制御部160は、図7に示すように、演算回路構成要素として、CPU161と、RAM162と、ROM163と、入出力ポート164と、駆動回路167とを含み、それら演算回路構成要素はバス165により相互に接続して構成され、入出力ポート164において信号伝送経路500aに接続されている。入出力ポート164には、表示装置27が接続され、CPU161はROM163に格納された制御プログラムにより、RAM162をワークエリアとして中央装置16の作動制御を行なっている。
【0053】
さらに、枠飾りランプ基板4g等の各種ランプやサウンドジェネレーター188は、特別図柄制御部160の制御による特別図柄の変動・停止表示態様、リーチ発生の有無、リーチ表示態様(後述する)、特別遊技態様、及び遊技モード(確率変動、時短など)等に応じてその態様は制御される。その制御指令の指令信号は、音声ランプ制御部170を作動指令対象とする指令信号として、前記した信号伝送経路500aを介して送信される。
【0054】
なお、上述した特別図柄制御部160、及び音声ランプ制御部170は、主制御部140や払出制御部150と同様の回路部から構成されるものとすることもできる。すなわち、主回路部と入出力回路部とから構成されるものとし、内部にROM、RAMが内蔵されたCPUを用いることもできる。
【0055】
次に、賞球動作は、以下の順序で実行される。
主制御部140は、遊技球が入賞球検知スイッチ318を通過したら15個の賞球個数データを、第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17sを通過したら6個の賞球個数データを、それ以外の場合、例えば、左右下入賞口21、22の通過検知スイッチ21s、22sの通過を検知した場合などにおいては、10個の賞球個数データを、払出制御部150に対してその検知順に、払出制御部150を作動指令対象とする指令信号として、前記した信号伝送経路500aを介して送信する。(すなわち、固有賞球数はここでは、6個、10個あるいは15個である。)払出制御部150は、主制御部140からの賞球個数データを受け取り、賞球払出信号の送信により賞球払出装置109を作動させる。
【0056】
また、主制御部140は、上述の各種検知スイッチの出力に基づいて遊技状態を判断し、また、その遊技状態に基づいて当否判定を行うとともに、判定内容に応じて対応する図柄表示態様で画像表示制御を行うためのデータを読み込む。例えば、主制御部140は、第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17s、入賞球検知スイッチ318等の検知結果や、特別図柄当否判定乱数の取得値などを使用して、遊技が行われていない客待ちの状態、遊技は行われているが始動入賞がない状態(変動準備状態)、始動入賞があった状態、及び特別遊技状態なども判断する。また、始動入賞が検知されると後述する乱数値に基づいて当否判定が行われ、その判定結果に基づいて特別図柄の変動(リーチ表示態様を含む)、または確定などの表示態様制御のためのデータが読み込まれる。このデータは、特別図柄制御部160を作動指令対象とする指令信号として、前記した信号伝送経路500bを介して一旦、音声ランプ制御部170に送られ、そこから信号伝送経路500cを介して特別図柄制御部160に送信される。
【0057】
次に、主制御部140により実行されるメインジョブについて図8等を参照して説明する。これは、主制御部140のROM482(図15参照)に格納されたプログラムに基づき、CPU401により実行されるジョブの一例である。先ず、スタックポインタをRAM481(図15参照)の所定のアドレスに設定した後(S10)、RAMクリアスイッチが操作(押下)されているか否かを判断し(S12)、操作されていればRAM481の初期化処理が行われ(S800)、操作されていなければ、バックアップフラグが設定されているか否かが判断される(S15)。そして、バックアップフラグが設定されていれば(S15:YES)、図10の「電源断に対する復電処理」が行われる。
【0058】
尚、本実施の形態では、停電等によって電源断が発生したときに、図10に示すように、使用レジスタをRAM481に退避し(S630)、スタックポインタの値をRAM481に保存する(S632)。そして、大入賞口ソレノイド、第1種始動口ソレノイドをOFFにし(S634)、賞球センサのポーリング処理時間(例えば、約85m秒)を設定し(S636)、賞球計数前センサ及び賞球計数後センサで遊技球の通過を監視する(S638)。次いで、ポーリング処理時間が経過すると(S640)、使用しているRAM481のチェックサム(チェックサム、バックアップフラグ、スタック領域は除く)を作成し(S642)、保存し、バックアップフラグをRAM481に設定する(S646)。そして、RAM481のアクセスを禁止し(S648)、無限ループ処理にて電源ダウンに備える。なお、上記無制限ループ処理に替えてHALT処理やSTOP処理を実行することも可能である。
【0059】
図10の「復帰処理」においては、チェックサムの算出(S664)を実行し、電源断時に保存していたチェックサムの値を比較し、一致しなければ、RAM481の初期化処理を行う(S800)。一致すれば、電源断前のスタックポインタを復帰し(S668)、バックアップフラグをクリアし(S670)、サブ基板を電源断前の状態に復帰させるためのコマンドを送信する(S672)。そして、各レジスタを電源断前の状態に復帰し(S674)、割込みの許可/不許可を電源断前の状態に復帰等し(S676,S678)、電源断前の番地に戻る(S680)。本実施の形態では、パチンコ機1に対し、電源断対策用のバックアップ電源を付加しているため、パチンコホールの停電時等においても、停電前に生じていた「遊技者にとって有利な情報」を保存できる。
【0060】
図8に戻り、バックアップフラグが設定されていなければ(S15:NO)、初期化終了の判定が行われる(S20)。初期化が終了していれば(S20:YES)、LEDジョブ(S30)からスイッチジョブ(S70)までのジョブが実行される。また、初期化が終了していなければ(S20:NO)、初期化ジョブ(S190)が実行され、再び、初期化終了の判定が行われる(S20)。尚、パチンコ機1が出荷状態から最初の電源投入時であったり、RAMクリアスイッチが操作(押下)されていたり、バックアップフラグに異常があったり、チェックサムが一致しなかった場合には、RAM481の初期化処理が行われる。
【0061】
LEDジョブ(S30)においては、普通図柄及び普通図柄未始動回数の表示態様データや、特別図柄未始動回数の表示態様データなどが出力される。等速乱数ジョブ(S40)では、後述するRAM481の特別図柄当否判定乱数メモリや汎用カウントメモリなどが更新される。非等速乱数ジョブ(S50)では、初期値カウンタ、外れ普通図柄乱数メモリ(図示略)が更新される。なお、汎用カウントメモリ(図示略)は、例えば割り込みごとの「0」〜「255」の値の作成や、コマンドジョブ、飾りジョブの実行などに使用される。
【0062】
また、音声ジョブ(S60)では、音楽や音声に関するデータの読み込みが行われ、スイッチジョブ(S70)では、各種検知スイッチの読み込みが行われる。すなわち、左右入賞口通過検知信号などの各種信号が中継基板190を介して主制御部140に、発射停止検知信号、タッチ検知信号、ヴォリューム検知信号などの各種信号が払出用端子基板191を介して枠制御部150にそれぞれ取り込まれ、また、第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17sから第一種始動口入賞検知信号、大入賞装置31から入賞球検知信号、及び普通図柄作動ゲート通過検知信号が主制御部140に取り込まれる。
【0063】
さらに、カウント検知スイッチ、カウント検知及び特定領域通過検知スイッチ等のスイッチ318(図5参照)に異常があるか否かが判定され(S80)、異常がなければ(S80:YES)、特別図柄メインジョブ(S90)から音声ジョブ(S110)までのジョブが実行される。また、異常(球詰まりや断線など)があれば(S80:NO)、エラージョブ(S130)が実行される。
【0064】
特別図柄メインジョブ(S90)においては、主制御部140と特別図柄制御部160とが協調して動作するために必要なデータに関するジョブが実行される。また、普通図柄メインジョブ(S100)では、普通図柄及び普通図柄未始動回数の表示態様データの読み込みが行われる。
【0065】
この後、各フラグ状態がバックアップメモリにセットされ(S140)、賞球信号ジョブ(S150)、情報信号ジョブ(S160)、コマンドジョブ(S170)、及び残余時間ジョブ(S180)が実行される。賞球信号ジョブ(S150)においては、賞球払出しに関するデータの読み込みや出力が行われ、情報信号ジョブ(S160)では、他の制御部への情報出力に必要なデータの読み込みが行われる。さらに、コマンドジョブ(S170)では、特別図柄管理等のためのコマンドの出力が行われ、残余時間ジョブ(S180)では、非等速乱数の呼出しが行われる。尚、残余時間ジョブ(S180)においても、初期値乱数の更新が行われる。
【0066】
次に、上記メインジョブの一連の流れの中で実行される、始動入賞(第一種始動口(普通電動役物)17への入賞)時の当否判定ジョブに関して図11を参照して説明する。なお、これらのジョブで使用する各種メモリ等は、図5に示す主制御部140のRAM481(図15参照)に格納され、代表的なもの(481a〜481n、481v、481w)を図12に示す。
【0067】
まず、S200において始動入賞があったか否かを確認し、Noであれば、S203に進み、特別図柄保留数メモリ481b(図12参照)に記憶されている保留数(未始動回数)の有無を判定する。保留数が無し(すなわちゼロ)であれば本処理を終了し、保留があればS250に進む。始動入賞があった場合(S200:Yes)には、S206に進み、保留数が4以上であるか否かを判定する。保留数が4以上であればS250に進み、保留数が4未満であればS210に進む。S210では保留数を1インクリメントする。そしてS220において、特別図柄当否判定乱数(以下、当否用乱数、又は判定乱数ともいう)および当り図柄乱数を発生させ{プログラムを発生させても、所定の乱数発生回路を用いてもいずれでもよい(当否用乱数発生手段)}、S230において、これら当否判定乱数および当り図柄乱数を読み込む。こうして読み込んだ乱数値を、S240において、それぞれ特別図柄当否判定乱数メモリ481a(図12参照:以下、判定乱数メモリともいう)、図柄決定乱数メモリ481dに記憶する。このメモリは、読み込んだ判定乱数値を始動入賞の時系列にシフトメモリ形式で記憶している。
【0068】
次に、S250において、判定乱数メモリ481a(図12参照)から記憶している最も古い先頭の判定乱数値及び大当り図柄決定乱数メモリ481dから当り図柄乱数を読み出すと共に判定乱数メモリ481aおよび大当り図柄決定乱数メモリ481dをシフトする。そして、S260において、大当り番号メモリ(内蔵ROM482内にある)から大当り番号(当り用判定値)を読み出し、S270において、上記判定乱数値との比較を行い、両者が一致していれば大当り判定となり、一致していなければ外れ判定となる。大当り判定の場合には、S280に進んで当り図柄乱数を読み込み、図柄決定乱数メモリ481dに記憶する。そしてS290にてリーチ態様決定乱数を発生させ、これを読み込んでリーチ態様決定乱数メモリ481kに記憶する。そしてS300において、「大当り」という判定結果(本実施の形態では「1」)を判定結果メモリ481j(図12参照)に記憶する。
【0069】
一方、外れ判定となった場合は、S270からS310に進み、外れリーチジョブを行うかどうかを乱数により決定する。すなわち、S310において、リーチ態様決定乱数を発生させ、これを読み込み、他方、S320において、リーチ番号メモリ481i(図12参照)に記憶されているリーチ番号を読み出す。S330において、両者が一致していれば外れリーチジョブに、一致していなければ通常外れジョブとなる。
【0070】
外れリーチジョブの場合は、S380へ進み、「外れリーチ」という判定結果(本実施の形態では「2」)を判定結果メモリ481j(図12参照)に記憶する。一方、通常外れジョブの場合は、S450に進み、S450において、「通常外れ」という判定結果(本実施の形態では「3」)を判定結果メモリ481j(図12参照)に記憶する。
【0071】
次に、上記メインジョブの一連の流れの中で実行される、特別図柄メインジョブの概略の流れを図13を参照して説明する。まず、S500において、第一種始動口(普通電動役物)17への遊技球の入賞に基づき、表示装置27(図3参照)上で各特別図柄の変動表示を開始させる。
【0072】
次いで、S510において、判定結果メモリ481j(図12参照)から図12に示す当否判定ジョブで得られた各入賞に対する判定結果を読み出す。具体的には、大当り判定(「1」)の場合は(S520:YES)、S530に進み、当り図柄を選択する。具体的には、大当り図柄決定乱数(識別情報決定用乱数)を発生させ、これを読み込んでその決定乱数値を大当り図柄決定乱数メモリ481d(図12参照)に記憶する。なお、大当り図柄決定乱数の読み込みは、始動入賞時に当否用乱数と同時に読み込まれているが、当り判定決定と同時に、あるいは当り判定決定後所定の時間後に読み込むものとしてもよい。
【0073】
この大当り図柄決定乱数値で指定される特別図柄は、特別図柄制御部160のROM163(図7参照)に格納されている特別図柄画像データに基づいて、表示装置(図3参照)に、変動表示状態を経た後、定められた配列態様で表示される(例えば、「7、7、7」の3桁同一図柄の配列態様)。なお、上記特別図柄画像データを大当り図柄決定乱数値と対応付けて識別情報決定用値として主制御部140のRAM481(図15参照)に記憶しておき、読み込んだ大当り図柄決定乱数値と識別情報決定用値とを比較することで停止表示する図柄を決定するものとしてもよい。
【0074】
そして、S540にて当り変動パターンを選択する。これは大当り図柄決定乱数と同時にリーチ態様決定乱数を発生させ、これを読み込んでその決定乱数値をリーチ態様決定乱数メモリ481k(図12参照)に記憶することにより行なう。リーチ態様決定乱数値で指定されるリーチ表示態様は、特別図柄制御部160のROM163(図7参照)に格納されたリーチ表示態様画像データに基づいて、表示装置27(図3参照)に、変動表示状態を経た後、定められたリーチ態様で表示される。なお、この場合も、上記リーチ表示態様画像データをリーチ態様決定乱数値と対応付けてリーチ態様決定用値として、主制御部140のRAM481(図15参照)のリーチ態様決定用値メモリ481l(図12参照)に記憶しておき、読み込んだリーチ態様決定乱数値とリーチ態様決定用値とを比較することで表示するリーチ態様を決定するものとしてもよい。そして例えば左図柄及び右図柄を同一図柄に揃えて所定のリーチ表示態様を経た後に、中図柄を左図柄及び右図柄と同一図柄に揃えて停止表示させ確定させ、本処理を終了する。
【0075】
一方、外れの場合は(S520:NO)、S550に進み、外れ変動パターンを選択し、S560にて外れ図柄を選択して所定のリーチ表示態様を経た後に、図柄を停止表示させ確定させ、本処理を終了する。
従来は、停止させる識別情報を決定し、その決定された識別情報に応じて変動パターンを決定していたため、決定され得る識別情報の配列数に応じて、変動パターンを決定する処理が複雑化していた。この点、パチンコ機1によると、変動パターンを先に選択するので、変動パターンの選択過程を簡略にすることができる。
【0076】
大当り判定により、表示装置27(図3参照)には所定の配列態様で特別図柄が確定表示されると(後述)、その後、特別遊技が実行される(特別遊技状態もしくは大当り遊技状態)。特別遊技状態においては、まず、大入賞装置31(図3参照)の開閉板312が開放状態となり、大入賞口311への遊技球の入賞が遊技者にとって優位な遊技球受入状態となる。
【0077】
この特別遊技状態においては、大入賞装置31は、終了条件が成立するまで遊技球受入状態が継続される。例えば、開放状態が所定時間t1(例えば30秒)経過したとき、もしくは入賞球検知スイッチ318(図5参照)に所定数n1(例えば10個)の入賞が検知されたときに終了条件が成立し、遊技球受入状態が一旦終了して、開閉板312が閉鎖状態となって1ラウンドが終了する。この開閉板312が閉鎖されて所定時間t2(例えば0.5秒)が経過した後に、所定の継続条件(図示しない特定領域への通過)が成立していれば、再び開閉板312が開放状態となり大入賞装置31が遊技球受入状態となる。なお、このような終了条件までを1ラウンドとする遊技球受入状態は、所定の最高継続ラウンド数(本実施の形態では16ラウンド)まで繰り返し継続される。また、終了条件成立時に継続条件が不成立の場合は、特別遊技状態がそのラウンドで終了(いわゆるパンク)するものとなっている。
【0078】
なお、パチンコ機1においては、当り判定により中央装置16の表示装置27(図3参照)に停止表示された特別図柄の種類に基づき、上記特別遊技状態の終了後、次の大当りまで当否判定の確率(大当り確率)を変更(向上)させる確率変動手段が備えられている。具体的には、予め記憶されている上記大当り図柄決定乱数値が、確率変動用乱数値と非確率変動用乱数値とから構成され、各乱数値の取得に応じて確率変動用図柄又は非確率変動用図柄が停止表示される。その停止表示された図柄が確率変動用図柄の場合、上記特別遊技状態終了後、次の大当りまで当否判定の確率(大当り確率)が通常の約4〜5倍に向上するものとされている。
【0079】
パチンコ機1に加えられた衝撃が衝撃センサ65により検知された際に、特別図柄制御部160のCPU161により実行される警告処理について図17のフローチャートを用いて説明する。なお、本図では図示の便宜上、衝撃が加えられたか否かを判定するステップ(S710)から示している。S710にて衝撃が検知されたと判定されると、S720に進んで衝撃を検知した回数(以下、変数nで表す)をカウントアップする。nは特別図柄制御部160のRAM162に記憶され、パチンコ機1の電源を投入した時点ではn=0となっている。続いてS730にてnが1以上かつ3以下か否かを判定する。この判定が肯定されるとS740に進み警告画像を表示装置27に1秒表示し、本処理を終了する。警告画像は図18に示すようなものである。例えば、図18(a)のように表示装置27で特別図柄67が変動表示されている状態でS740の処理が実行されると、図18(b)のような画像(警告画像)が1秒間表示される。警告画像が表示されている間は、遊技者は特別図柄67を見ることができない。
【0080】
S730の判定が否定される(すなわちnは4以上)とS750に進み、nが6以上か否かを判定する。nが6未満の場合はS760に進み、警告画像を表示装置27に3秒表示し、本処理を終了する。一方、nが7以上(S750:YES)の場合はS770に進み、警告画像を表示装置27に5秒表示し、本処理を終了する。なお、S760およびS770において表示装置27に表示される警告画像は図18(b)に示したものと同じである。なお、S710で衝撃が検知されていないと判定された場合は何もせず本処理を終了する。
【0081】
つまり、本処理によれば、パチンコ機1に衝撃を与えると、警告画像が表示装置27に表示されて、特別図柄67が見えなくなり、遊技者は、特別図柄67が揃って大当りになる瞬間や、リーチ状態の興奮度を盛り上げるための演出画面を見ることができなくなる。しかもパチンコ機1に衝撃を与えた回数が多いほど、警告画像が表示される時間が長くなるため、遊技者が遊技機に衝撃を与えるのを防止することができる。それでいながら、警告画像を表示しても、大当りになるか否かに対しては影響を与えないので、遊技者に過度の罰則を与えることがない。
【0082】
また、画像の視認を制限する動作が特別図柄制御部160により行なわれるので、主制御部140に余分な負担を負わせることがない。
ここで本実施の形態の構成と本発明の構成要件との対応関係を示す。警告処理が本発明の表示制限手段に相当し、S740、S760、及びS770の処理が本発明の第1の報知手段に相当し、S720の処理が本発明の計数手段に相当し、特別図柄制御部160および音声ランプ制御部170が本発明の副制御部に相当し、S730〜S770の処理が本発明の制限時間制御手段に相当する。
【0083】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
【0084】
例えば、警告画像を図18(b)に示したもの以外の画像に代えても良い。この一例を図18(c)に示す。これは、衝撃センサ65が検知した衝撃の回数を表示するものである。本図ではパチンコ機1の電源が投入されてから衝撃を3回検知したことを示している。このようにすると、特別図柄67が見えないことに加え、衝撃を与えた回数が報知されるので、適度な羞恥心または罪悪感を遊技者に与えることができ、再び遊技機に衝撃を与えるのを防止することができる。図18(c)の警告画像を表示する処理が本発明の第2の報知手段に相当し、このための衝撃の回数を計数する処理が本発明の計数手段に相当する。
【0085】
また、図17の警告処理において、警告画像を表示する時間が更に長くする場合を設定しても良い。例えば、警告画像が5秒表示される(S770)のを、nが6以上9以下の場合として、nが10以上の場合は警告画像が8秒表示されるようにしてもよい。また1回衝撃を検知する毎に警告画像が表示される時間がどんどん長くなるようにしても良い。
【0086】
また、警告画像を表示している最中も、特別図柄67は視認できるようにしてもよい。近年のパチンコ機は、特別図柄67の背景にも美しい画像を用いるのが一般的になっており、衝撃センサ65が衝撃を検知したときには検知信号が特別図柄制御部に送信され、該特別図柄制御部がこうした背景のみを見られなくする(具体的には、単色で塗り潰したような背景にする、砂嵐状の背景にする等)ことにより、遊技者は演出動作の一部(警告画像を表示する時間によっては全部)を見ることができなくなり、場合によっては、スーパーリーチ(特に演出度が高く当り期待度の高いリーチ)等の貴重な演出を見逃すこととなる。例えば、スーパーリーチ中は、リーチ図柄の前後左右でキャラクタ等が多様な演出をしたりリーチ図柄自体が多様な演出(回転、拡大縮小、振動等)をしたりするが、遊技者が、遊技機に衝撃を与えるとそれらの演出表示の視認を制限して、識別図柄が単に通常変動するのみの画像表示とすることができる。これにより遊技に対する興奮度が低くなり、遊技者が遊技機に衝撃を与えるのを防止することができる。
【0087】
また、図19のように通常表示の上に警告表示をかぶせる態様で表示することができる。これにより演出や図柄の表示が視認困難となる。
また、パチンコ機1では、警告動作(警告画像)が画像の視認制限を兼ねていたが、これを分離しても良い。例えば、視認制限として、特別図柄67を見られなくし、警告動作として、各種ランプを所定時間消灯したり、スピーカー面5aから不快な音を発生させたりすることが挙げられる。
【0088】
視認制限は上記した以外の方法で行なっても良い。例えば、衝撃センサ65が衝撃を検知する都度、表示される特別図柄67の大きさを小さくしていったり、画像の一部(例えば、画面の右半分)を見えなくしたりしてもよい。
また、衝撃センサ65を特別図柄制御部160に接続するのではなく、音声ランプ制御部170や主制御部140に接続し、これらにて視認制限や警告動作を行なっても良い。
【0089】
また、衝撃検知手段として、本実施の形態では、衝撃センサを例示したが、他のセンサ、例えば振動センサを採用してもよい。つまり、本発明では遊技機が受けた衝撃や振動又は衝撃や振動による遊技機の傾きを検知して信号を出力できれば良いので、そのような機能を持つセンサを採用することは全て本発明の技術的範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る遊技機を示す正面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る遊技機において、前面枠を開いた状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る遊技機の遊技盤を示す正面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る遊技機を示す裏面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る遊技機が備える電子制御装置を示すブロック図である。
【図6】(a)は本発明の実施の形態に係る遊技機が備える電子制御装置を構成する主制御部の説明図であり、(b)は本発明の実施の形態に係る遊技機が備える電子制御装置を構成する枠制御部の説明図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る遊技機が備える電子制御装置を構成する特別図柄制御部の説明図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る遊技機の主制御部が行うメインジョブを説明するためのフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態に係る遊技機において、電源断(停電等)が発生したときの処理を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態に係る遊技機において、電源断(停電等)が発生したときの復電処理を示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施の形態に係る遊技機において、当否判定ジョブを説明するためのフローチャートである。
【図12】本発明の実施の形態に係る遊技機において、主制御部の内蔵RAMに格納された各種メモリ等の代表例を示す説明図である。
【図13】本発明の実施の形態に係る遊技機において、特別図柄メインジョブの概略を説明するためのフローチャートである。
【図14】本発明の実施の形態に係る遊技機において、主制御部を示す説明図である。
【図15】本発明の実施の形態に係る遊技機において、主制御部を構成するCPUを示す説明図である。
【図16】本発明の実施の形態に係る遊技機において、主制御部、特別図柄制御部、音声ランプ制御部の関係を示すブロック図である。
【図17】本発明の実施の形態に係る遊技機において、警告処理の概略を説明するためのフローチャートである。
【図18】(a)は本発明の実施の形態に係る遊技機において、特別図柄が表示された表示装置を示す説明図であり、(b)は同遊技機において、警告画像が表示された表示装置を示す説明図であり、(c)は本発明の他の実施の形態に係る遊技機において、警告画像が表示された表示装置を示す説明図である。
【図19】本発明の他の実施の形態に係る遊技機において、警告画像が表示された表示装置を示す説明図である。
【符号の説明】
1…遊技機 11…遊技領域
16…中央装置 23…釘
61a、61b…表示部
65…衝撃センサ 140…主制御部
160…特別図柄制御部(副制御部)
170…音声ランプ制御部(副制御部)
Claims (3)
- 始動口と、
前記始動口に遊技球が入球又は通過することに起因して複数の識別図柄を変動表示する表示装置と、
当該遊技機に衝撃が与えられたことを検知する衝撃検知手段と、
前記衝撃検知手段によって衝撃が検知されると、前記表示装置に表示される画像の視認を所定の期間制限する表示制限手段と、を備え、
前記表示装置において所定のリーチ表示態様を経た後に前記識別図柄が予め定められた組み合わせとなることにより、遊技者にとって有利な遊技状態を発生する遊技機において、
前記リーチ表示態様には、キャラクタによる演出表示及び前記識別図柄自体の演出表示にて他のリーチ表示態様とは区別され、且つ前記他のリーチ表示態様と比較して前記有利な遊技状態を発生する期待度の高いスーパーリーチ表示態様が含まれ、
前記表示制御手段は、前記スーパーリーチ表示態様の表示中に前記衝撃検知手段によって衝撃が検知された場合、前記表示装置に表示される背景表示を単色にすると共に前記識別図柄が単に通常変動するのみの表示にする
ことを特徴とする遊技機。 - 前記衝撃検知手段により衝撃が検知された回数を計数する計数手段と、
前記計数手段により計数された前記回数の累積に応じて、前記所定の期間を延長する制限時間制御手段と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。 - 遊技に関わる制御を司る主制御部と、
前記主制御部からの信号が直接又は間接的に伝送される副制御部であり、前記表示装置、当該遊技機から発せられる音声、及び当該遊技機の備えるランプの少なくとも1つを制御する副制御部と、を備え、
前記表示制限手段は、前記副制御部に設けられている
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002219746A JP4143960B2 (ja) | 2002-07-29 | 2002-07-29 | 遊技機 |
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---|---|---|---|
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