以下、この発明の実施形態について図面を参照して説明する。
ここでは、本発明にかかる遊技機の適例としてのパチンコ遊技機について図1から図11を用いて説明を行う。
図1に示すように、本実施形態の遊技機100は、矩形枠状に構成された機枠110を備え、機枠110の前面側には、該機枠110に対して前方向へ扉状に回動可能に矩形枠状の前面枠120が軸着されている。
前面枠120は、当該前面枠120に備えられる各種部材等の取付用のベースとなる前面枠本体130と、当該前面枠本体130に対して、その前面側に回動可能に軸支されたクリア部材保持枠140と、前面枠本体130の前面のクリア部材保持枠140の下側に取り付けられた発射操作ユニット150と、を有する。
前面枠本体130は、矩形枠状の機枠110の前面側をちょうど覆うような概略矩形板状に構成されるとともに、その中央から上端部にわたる部分に、遊技盤1を嵌め込んで収容するための方形状の開口部が形成されている。そして、前面枠本体130に収容された遊技盤1の前面が前面枠本体130の開口部から前側に臨むようになっている。すなわち遊技盤1は、前面枠本体130に嵌め込まれることで前面枠120に取り付けられている。
また、前面枠本体130の遊技盤1が嵌め込まれた開口部、すなわち、前面枠本体130の中央より少し下側から上端部にわたる部分には、前面枠本体130の前側を覆うクリア部材保持枠140が配置されており、遊技盤1の前面とクリア部材保持枠140に嵌め込まれたクリア部材としてのガラス板との間で、遊技盤1の前面に設けられたガイドレール2に囲まれた部分が、遊技球が発射されて流下する遊技領域1aとされている。
また、クリア部材保持枠140の一方の側部(遊技機100の前面側から見て左側の側部)は、前面枠本体130の一方の側部に回動可能に軸支されて、扉状に開閉自在とされ、クリア部材保持枠140を開くことにより、遊技盤1の前面側の遊技領域1aの前側を開放可能となっている。クリア部材保持枠140には、前面枠本体130の開口部をほぼ閉塞するように、該開口部に嵌め込まれた遊技盤1との間に遊技球が流下可能な遊技領域1aとなる間隔を開けて二重のガラス板が固定されている。そして、クリア部材保持枠140において、遊技機100の前側からガラス板を介して遊技盤1の前面側の少なくとも遊技領域1aの部分が視認可能となっている。また、クリア部材保持枠140の前面であって、ガラス板が固定されて遊技領域1aを視認可能とする部分の周囲には、内部に装飾ランプ、LED1d(図2に図示)を備える枠装飾装置141、音声を出力するスピーカ145,145などが設けられている。
また、前面枠本体130に軸着されたクリア部材保持枠140の開放端側となる前面側から見て右側の端部の前面には、施錠装置の一部をなす鍵穴143が形成されている。この鍵穴143は、前面枠本体130の施錠装置の一部であるとともに、クリア部材保持枠140の施錠装置の一部でもあって、鍵穴143に鍵を入れて一方(例えば左回り)に回すと前面枠本体130の施錠が解除され、他方(例えば右回り)に回すとクリア部材保持枠140の施錠が解除されるようになっている。
また、前面枠本体130の前面側のクリア部材保持枠140の下側には、発射操作ユニット150が取り付けられている。発射操作ユニット150は、左右側部のうちの一側部となる左側部を前面枠本体130に軸着されて、左右方向に回動して開閉自在な開閉パネル151とその下の下部パネル152とからなる。開閉パネル151は、排出された遊技球を貯留するとともに、遊技球を発射する発射装置(図示略)に遊技球を送る上皿153を有している。この上皿153の周囲には、遊技者が操作可能な演出用ボタン(図示略)が設けられている。また、開閉パネル151の下側の下部パネル152には、上皿153に収容しきれない遊技球を収容する下皿154及び灰皿155と、遊技領域1aに向けての遊技球の発射操作を行うとともに、該遊技領域1aに遊技球を発射する際の発射勢を調節するための操作ハンドル156、音声を出力するスピーカ157などが設けられている。
遊技盤1は、各種部材の取付ベースとなる平板状の遊技盤本体1b(木製もしくは合成樹脂製)を備え、該遊技盤本体1bの前面に、ガイドレール2で囲まれた遊技領域1aを有している。また、遊技盤本体1bの前面であってガイドレール2の外側には、前面構成部材3,3,…が取り付けられている。そして、このガイドレール2で囲まれた遊技領域1a内に発射装置から遊技球(打球;遊技媒体)を発射して遊技を行うようになっている。
遊技領域1a内には、普図始動ゲート4と、普図変動表示ゲームの未処理回数を表示する普図記憶表示器6(図2に図示)、普図の変動表示ゲームを表示する普図表示器5(図2に図示)が設けられている。また、遊技領域1a内には、第1始動入賞口13(入賞装置)と、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置7(入賞装置)と、補助遊技としての特図変動表示ゲームの未処理回数を点灯表示する特図記憶表示器9a(図2に図示)、特図変動表示ゲームを表示する特図表示器9が設けられている。なお、普図記憶表示器6、普図表示器5、特図記憶表示器9a、特図表示器9は、遊技状態を表す遊技状態表示LEDと併せて、セグメントLEDとして一体に設けられており、このセグメントLEDが遊技機100の状態を表示する状態表示器8をなす。
さらに遊技領域1aには、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉10aを有し、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する特別変動入賞装置10、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト穴11が設けられている。この他、遊技領域1aには、一般入賞口12,12,…、打球方向変換部材としての風車14、多数の障害釘(図示略)などが配設されている。
普図始動ゲート4内には、該普図始動ゲート4を通過した遊技球を検出するための普図始動ゲートセンサ43(図2に図示)が設けられている。そして、遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート4内を通過すると、普図変動表示ゲームが行われる。また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置7が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート4を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が1加算されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。なお、普図変動表示ゲームの始動記憶は、LEDを備える普図記憶表示器にて表示されるようになっている。
普図(普通図柄)変動表示ゲームは、遊技領域1a内に設けられた普図表示器5で実行されるようになっている。なお、液晶表示装置41の表示領域の一部で普図変動表示ゲームを表示するようにしても良く、この場合は識別図柄として、例えば、数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うようにする。この普図変動表示ゲームの停止表示が特別の結果態様となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置7の開閉部材7a,7aが所定時間(例えば、0.5秒間)開放される。これにより、普通変動入賞装置7に遊技球が入賞しやすくなり、特図の変動表示ゲームの始動が容易となる。
普通変動入賞装置7は左右一対の開閉部材7a,7aを具備し、第1始動入賞口13の下部に配設され、この開閉部材7a,7aは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)を保持しているが、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としてのソレノイド(普電用SOL7b、図2に図示)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置7に遊技球が流入し易い状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
また、本実施形態の遊技機は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、遊技状態として時短状態を発生可能となっている。この時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間が上述の長い実行時間よりも短くなるように制御され(例えば、10秒が1秒)、これにより、単位時間当りの普通変動入賞装置7の開放回数が実質的に多くなるように制御される。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置7が開放される場合に、開放時間が通常状態の短い開放時間より長くされるように制御される(例えば、0.3秒が1.8秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置7が1回ではなく、2回以上の複数回(例えば、2回)開放される。さらに、時短状態においては普図変動表示ゲームの当り結果となる確率が通常状態より高くなるように制御される。すなわち、通常状態よりも普通変動入賞装置7の開放回数が増加される。
この普通変動入賞装置7と第1始動入賞口13は、特図変動表示ゲームの始動入賞口も兼ねている。すなわち、普通変動入賞装置7と第1始動入賞口13の内部(入賞領域)に備えられた特図始動入賞口センサ13a(図2に図示)によって遊技球を検出することに基づき、補助遊技としての特図変動表示ゲームを開始する始動権利が発生するようになっている。
この特図変動表示ゲームを開始する始動権利は、所定の上限数(例えば4)の範囲内で始動記憶(特図始動記憶)として記憶される。従って、特図変動表示ゲームが開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、普通変動入賞装置7もしくは第1始動入賞口13に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、特図変動表示ゲームが開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
一方、特図変動表示ゲームが直ちに開始できない状態、例えば、既に特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、普通変動入賞装置7もしくは第1始動入賞口13に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、特図変動表示ゲームが開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了もしくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて特図変動表示ゲームが開始される。なお、特図変動表示ゲームの始動記憶は、LEDを備える特図記憶表示器9a(図2に図示)にて表示されるようになっている。
補助遊技としての特図(特別図柄、識別情報)変動表示ゲームは、遊技領域1a内に設けられた特図表示器9で実行されるようになっており、複数の識別情報を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、液晶表示装置41にて複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。そして、この特図変動表示ゲームの結果として、特図表示器9の表示態様が特別表示態様(たとえば「7」)となった場合には、大当たりとなって特別遊技状態(いわゆる、大当たり状態)となる。また、これに対応して液晶表示装置41の表示態様も特別表示態様(例えば、「7,7,7」等のゾロ目数字の何れか)となる。なお、遊技機100に特図表示器9を備えずに、液晶表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
また、本実施形態の遊技機100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、遊技状態として確変状態を発生可能となっている。この確変状態においては、上述の時短状態に加え、特図変動表示ゲームの当り結果となる確率が通常状態より高くなるように制御される。
また、遊技領域1aの略中央には、特図変動表示ゲームの表示領域となる窓部22を形成するセンターケース20が取り付けられている。このセンターケース20に形成された窓部22の後方には、液晶表示装置41が配されるようになっている。この液晶表示装置41は、例えば、液晶ディスプレイを備え、表示内容が変化可能な表示部42がセンターケース20の窓部22を介して遊技盤1の前面側から視認可能となるように配されている。なお、液晶表示装置41は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、EL、CRT等のディスプレイを備えるものであっても良い。
変動入賞装置としての特別変動入賞装置10は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉10aによって開閉される大入賞口を備えていて、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせる。なお、開閉扉10aは、例えば、駆動装置としてのソレノイド(可動部材用SOL10b、図2に図示)により駆動される。また、大入賞口の内部(入賞領域)には、該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての大入賞口センサ10c(図2に図示)が配設されている。
また、遊技領域1aに設けられた各一般入賞口12には、一般入賞口12に入った遊技球を検出するための一般入賞口センサ12a(図2に図示)が配設されている。そして、遊技を開始することにより遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が、一般入賞口12,12,…、普通変動入賞装置7、第1始動入賞口13、特別変動入賞装置10等の入賞口の何れかに入賞すると、それぞれの入賞口に対応した所定数の賞球が排出装置(図示省略)によって排出される(払い出される)ようになっている。
そして、図3に示すように、遊技盤1の裏面の略中央には、例えば、演出制御装置17(後述)が取付けられ、この演出制御装置17を被覆するカバー部材60が回動自在に配設されている。
また、遊技盤1の裏面の下側には、例えば、遊技盤裏面構成部材70を介して遊技制御装置16(後述)が取付けられている。
遊技盤裏面構成部材70は、例えば、図4及び図5に示すように、遊技制御装置16を保持する制御装置ホルダ71と、制御装置ホルダ71を回動自在に支持するスイッチベース72等を備えている。
スイッチベース72の縁部の所定位置には、例えば、遊技盤1の裏面の所定位置にビス止めするためのビス挿通孔721、…が形成されている。
また、スイッチベース72の一方の側部(例えば、遊技機100の裏面側から見て右側の側部)には、例えば、制御装置ホルダ71が回動自在に軸着されるヒンジベース722が取付固定されている。
スイッチベース72の略中央には、例えば、遊技制御装置16と接続されるスイッチ中継基板7231を取付けるための中継基板取付部723が設けられている。
スイッチ中継基板7231は、例えば、当該スイッチベース72に取付けられている各種センサから出力され遊技制御装置16に入力される信号を中継するためのものである。
スイッチベース72のヒンジベース722と反対側の側部(例えば、遊技機100の裏面側から見て左側の側部)の上下二箇所には、例えば、当該スイッチベース72に制御装置ホルダ71を回動不可となるように固定するためのナイラッチ7133(止着部材)が止着される被止着部724が設けられている。
この被止着部724に制御装置ホルダ71の所定位置に取付けられたナイラッチ7133が前側に押し込まれる(止着される)ことにより、スイッチベース72に制御装置ホルダ71を取付け固定することができ、一方、ナイラッチ7133が後側に引張られることでナイラッチ7133と被止着部724との係合が解除されて、スイッチベース72から制御装置ホルダ71を取り外すことができる。
スイッチベース72の被止着部724よりもわずかに中央側には、例えば、振動検出装置50を取付けるための振動検出装置取付部725が設けられている。
振動検出装置取付部725は、例えば、図6(a)及び図6(b)に示すように、スイッチベース72の表面から後方に突出して所定の高さを有するように形成されている。そして、その後端部(図6(a)及び図6(b)における上端部)に、振動検出装置50のセンサ基板52の外形に合わせて略矩形状の基板取付凹部7251が形成されている。
振動検出装置50は、例えば、遊技機100に生じる所定の基準値以上の振動を検出する振動検出センサ51と、この振動検出センサ51と所定の信号線を介して接続され、振動検出センサ51の検知信号を演出制御装置17に出力するセンサ基板52等を備えている(図6(a)等参照)。
センサ基板52は、例えば、基板取付凹部7251の所定位置にビス止めされて固定されるようになっている。
振動検出センサ51は、例えば、所定の基準値以上の振動を接触方式により検出可能な構成であれば、如何なるものであっても良い。具体的には、振動検出センサ51としては、例えば、加速度、速度、変位等を測定する方式が挙げられる。この振動検出センサ51は、遊技者により遊技機100が軽く叩かれた場合には振動を検出せずに、一定の強さ以上で叩かれた場合には振動を検出する感度に設定されていることが好ましい。
制御装置ホルダ71は、例えば、遊技制御装置16が保持されるホルダ本体部711と、このホルダ本体部711の一方の側部(例えば、遊技機100の裏面側から見て右側の側部)に連続して形成された回動軸部712と、ホルダ本体部711の回動軸部712と反対の側部(例えば、遊技機100の裏面側から見て左側の側部)に連続して形成された止着部713等を備えている。
回動軸部712は、例えば、ヒンジベース722の上下2つの回動軸7221、7221が係合される2つの軸受部7121、7121を有し、ヒンジベース722に対して回動自在に取付けられるようになっている。
止着部713は、例えば、ホルダ本体部711に連続して略前後方向に沿って延出されたホルダ接続部7131と、ホルダ接続部7131の前側の端部から略左右方向に沿って延出され、スイッチベース72の被止着部724に着脱自在なナイラッチ7133を上下2箇所に具備するラッチ部7132等を備えている。
ホルダ接続部7131及びラッチ部7132の上下方向の略中央には、例えば、開口部7134が形成され、この開口部7134内に後述する係止部82が可動自在に配置されるようになっている。
ホルダ本体部711は、例えば、平面視にて略矩形状に形成され、回動軸部712側の端部に、盤用外部端子261を有する外部端子板26と、電源コード(図示略)が接続され遊技機100本体に電源を供給する電源中継基板29とが上下に並んで設けられている。
ホルダ本体部711の外部端子板26及び電源中継基板29の裏面側から見て左側には、例えば、遊技制御装置16が取付けられる制御装置取付部80が設けられている。
制御装置取付部80は、例えば、遊技制御装置16に形成された突状部201が係合される係合部81と、制御装置取付部80に取付けられる遊技制御装置16の端部に係合して当該制御装置取付部80からの取り外しを規制する係止部82等を備えている。
係合部81は、例えば、制御装置取付部80の上端部及び下端部に2つずつ設けられ、遊技制御装置16の上下各2箇所に形成された直方体状の突状部201が所定方向(例えば、裏面側から見て右方向)にスライドして係合されるようになっている。
即ち、係合部81は、例えば、裏面側に開口して形成され、突状部201が裏面側から挿入される開口部811と、この開口部811に連続して形成され、スライド移動した突状部201が抜け止めされる抜止部812等を備えている。そして、例えば、制御装置ホルダ71と遊技制御装置16とを近付けるように移動させて、遊技制御装置16の突状部201を開口部811内に配置させた後、遊技制御装置16を、裏面側から見て右方向にスライド移動させることで突状部201を抜止部812に係合させることができる。
係止部82は、例えば、樹脂製のホルダ本体部711と一体となって形成され、可撓性を有している。具体的には、係止部82は、例えば、ホルダ本体部711の回動軸部712と反対の側部(例えば、遊技機100の裏面側から見て左側の側部)に連続して形成され、ホルダ本体部711と略同方向に沿って延在する第一延在部821と、この第一延在部821の先端に連続して形成され、略前後方向に沿って延在する第二延在部822等を備えている。
第一延在部821の長さは、例えば、遊技制御装置16をスライド移動させることでその突状部201を抜止部812に係合させた状態で、遊技制御装置16の端部が当該第一延在部821と第二延在部822の境目部分に配置される程度となっている。
第二延在部822は、例えば、ホルダ取付部の上面よりもわずかに後方に突出するように形成され、遊技制御装置16の一端部(例えば、裏面側から見て左側の端部)に係合する係合爪8221と、係合爪8221と反対側に、遊技制御装置16を取り外す場合に振動検出センサ51に接触可能な位置まで突出された接触部8222等を備えている。
ここで、制御装置ホルダ71に対する遊技制御装置16の着脱動作について説明する。
制御装置ホルダ71に対して遊技制御装置16を取付ける場合、先ず、遊技制御装置16の突状部201を係合部81の開口部811に挿入する。このとき、遊技制御装置16の底面(前側の面)により係合爪8221が前側に押し込まれて係止部82が撓んだ状態となる(図6(b)参照)。
そして、遊技制御装置16をスライド移動させて突状部201を抜止部812に係合させる場合に、遊技制御装置16の端部が係合爪8221よりも左側に位置するまでスライドすることにより、当該遊技制御装置16の底面による係合爪8221の前側への押込みが解除されて、即ち、係止部82が撓んでいない通常状態へと復帰して、係合爪8221が遊技制御装置16の一端部に係合した状態となる(図6(a)参照)。これにより、遊技制御装置16の取り外しが規制された取り外し規制状態となる。
この状態にて、振動検出装置50は、遊技盤裏面構成部材70のうち、遊技制御装置16の近傍に配設された状態となる。
次に、遊技機100の主制御構成について説明する。図2に示すように、遊技機100は、その制御系として遊技の進行を制御するメイン制御装置としての遊技制御装置16、この遊技制御装置16の制御下で各種の演出に関する制御を行うサブ制御装置としての演出制御装置17とを備えている。
なお、遊技制御装置16、演出制御装置17は、遊技盤の裏面側に設けられている。
このうち遊技制御装置16は、CPU161a、ROM161b、RAM161c等を有する遊技用マイクロコンピュータ161、入出力I/F162、クロック163(発振器:CLK)等により構成されている。
このうち、CPU161aは、制御部、演算部を備え、演算制御を行う他、特図や普図の変動表示ゲームに関連する各種乱数値なども生成している。各種乱数値には、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値、普図変動表示ゲームの当り判定用乱数値、特図変動表示ゲームの停止図柄の決定に用いられる図柄決定用乱数値、特図変動表示ゲームにおける基本変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)の種類の決定に用いられる基本変動パターン決定用乱数値などが含まれる。
RAM161cは、第1始動入賞口13に対応して設けられた特図始動入賞口センサ13aのオン信号の記憶、すなわち特図始動記憶(始動記憶、変動表示ゲームの実行権利)の記憶領域、普図始動ゲート4に設けられた普図始動ゲートセンサ43のオン信号の記憶(普図始動記憶)の記憶領域、前記各種乱数値の記憶領域、並びに、CPU161aの作業領域等を備えている。
ROM161bには、遊技上の制御プログラムや制御データが書き込まれている他、特図変動表示ゲームの大当り発生を判定するための特図変動表示ゲームの大当り判定値を有する乱数判定テーブル、普図変動表示ゲームの当り発生を判定するための普図の当り判定値を有する普図判定テーブルなどが書き込まれている。
また、入出力I/F162には、図示しないローパスフィルタ及びバッファーゲートを介して、特図始動入賞口センサ13a、普図始動ゲートセンサ43、大入賞口センサ10c、一般入賞口センサ12a等からの各種信号が入力されている。そして、これら各種信号は、該入出力I/F162により中継されて、CPU161aに対し出力されている。
なお、特図始動入賞口センサ13aは、第1始動入賞口13に入賞した遊技球を検出するものである。また、普図始動ゲートセンサ43は、普図変動表示ゲームの始動口となる普図始動ゲート4を通過する遊技球を検出するものである。また、大入賞口センサ10cは、特図変動表示ゲームが大当りとなって特別遊技状態となった場合に開放される特別変動入賞装置10に入賞した遊技球を検出するものである。また、一般入賞口センサ12aは、一般入賞口12,12に入賞した遊技球を検出するものである。
さらに、入出力I/F162には、CPU161aから出力される各種の制御信号が入力され、これら制御信号は、該入出力I/F162により中継されて、図示しない出力ポート及びドライバを介して、普通電動役物の開閉部材7a,7aの駆動手段としての普電用SOL7b、台間機(図示略)に情報を出力する外部情報端子19、演出制御装置17、特別変動入賞装置10の大入賞口を開閉する開閉扉10aの駆動手段としての可動部材用ソレノイド64などに出力されている。
また、特図変動表示ゲームの結果を表示する特図表示器9、未処理の特図変動表示ゲームの回数を表示する特図記憶表示器9a、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図表示器5、未処理の普図変動表示ゲームの回数を表示する普図記憶表示器6などにも出力されている。
遊技制御装置16のCPU161aは、例えば、特図始動入賞口センサ13aからの検出信号(始動信号)の入力等に基づき、RAM161cに記憶されている大当たり判定用乱数値及び図柄決定用乱数値の抽出処理を行い、該抽出処理により抽出された大当たり判定用乱数値と、予めROM161bに記憶されている判定値(判定テーブル)とを比較する。
この比較により、遊技制御装置16のCPU161aは、特図変動表示ゲームを大当りとして特別遊技状態を発生するか否か(大当りに当選か否か)等を決定する。なお、特図変動表示ゲームの大当り決定用に抽出された乱数値が、特図変動表示ゲーム用に記憶されている大当り判定値と一致する場合に、特図変動表示ゲームを大当りとするとともに、図柄決定用乱数値により停止図柄を決定する。そして、特図変動表示ゲームが大当りとされた際には、特図変動表示ゲーム終了後、可動部材用ソレノイド64を作動させて特別変動入賞装置10を開放状態とする。
また、遊技制御装置16のCPU161aは、特図始動入賞口センサ13aから始動信号が入力し、各種乱数値の抽出を行った場合に、RAM161cに、記憶されるカウンタ値としての特図始動記憶数を1つ加算するとともに、抽出された特図変動表示ゲーム用の乱数値を特図始動記憶に対応付けて記憶する。なお、直ちに次の特図変動表示ゲームを開始することができない状態(例えば、特図変動表示ゲームの実行中、或いは、特別遊技状態中等)であれば、特図始動記憶数が保持され、特図変動表示ゲームが開始される際に、特図始動記憶数を1つ減算する。また、特図始動記憶数を特図記憶表示器9aで表示する。
なお、例えば、特図始動記憶に空きがない場合、すなわち、特図始動記憶数が予め設定された上限となっている場合には、各種乱数値の抽出を行わない。
また、遊技制御装置16のCPU161aは、上記抽出処理により抽出された乱数値及び変動表示ゲーム開始時期のタイミングで抽出した基本変動パターン決定用乱数値と、予めROM161bに記憶されている判定値との比較による各種の決定等に基づいて、演出制御装置17に演出データ(制御情報を含む演出コマンド)を送る。
遊技制御装置16のCPU161aは、例えば、普図始動ゲートセンサ43からの検出信号(始動信号)の入力等に基づき、RAM161cに記憶されている普図変動表示ゲームの乱数値の抽出処理を行い、該抽出処理により抽出された乱数値と、予めROM161bに記憶されている普図変動表示ゲームの判定値(判定テーブル)とを比較する。
この比較により、遊技制御装置16のCPU161aは、普図変動表示ゲームを当りとして普通電動役物を作動させるか否かを決定する。なお、普図変動表示ゲームの当り決定用に抽出された乱数値が、普図変動表示ゲーム用に記憶されている当り判定値と一致する場合に、普図変動表示ゲームが当りとされる。
そして、普図変動表示ゲームの上述の抽選結果に対応して普図表示器5で普図変動表示ゲームが行われる。
そして、普図変動表示ゲームが当りとされた際には、普図変動表示ゲーム終了後、普電用SOL7bを作動させて開閉部材7a,7aを所定時間開放して、開閉部材7a,7aが設けられた第1始動入賞口13を遊技球が入賞しやすい状態とする。
また、遊技制御装置16のCPU161aは、普図始動ゲートセンサ43から始動信号が入力し、乱数値の抽出を行った場合に、RAM161cに、記憶されるカウンタ値としての普図始動記憶数を1つ加算するとともに、抽出された普図変動表示ゲーム用の乱数値を普図始動記憶に対応付けて記憶する。なお、直ちに次の普図変動表示ゲームを開始することができない状態(例えば、普図変動表示ゲームの実行中)であれば、普図始動記憶数が保持され、普図変動表示ゲームが開始される際には、普図始動記憶数を1つ減算する。また、普図始動記憶数を普図記憶表示器6で表示する。
なお、例えば、普図始動記憶に空きがない場合、すなわち、普図始動記憶数が予め設定された上限となっている場合には、普図変動表示ゲームの乱数値の抽出を行わない。
さらに、遊技制御装置16のCPU161aは、一般入賞口センサ12a、特図始動入賞口センサ13a、大入賞口センサ10cから入賞球の検出信号が入力された場合に、それら検出信号に基づいて、排出・発射制御装置(図示略)に賞球データを送って所要数の賞球を排出させる制御も行う。また、遊技制御装置16の制御下で、排出・発射制御装置により遊技者の発射ハンドルの操作に基づいて遊技球の発射を制御する。
演出制御装置17は、上述のように遊技制御装置16から受信した演出データ(制御情報を含む演出コマンド)に基づいて(遊技制御装置16の制御の下に)、変動表示装置としての液晶表示装置41における変動表示ゲームの表示を制御するとともに、予め決定された停止表示態様(例えば大当たり図柄(特別表示態様)や、ハズレ図柄等)を導出するように変動表示ゲームを停止させる。また、演出制御装置17は、変動表示ゲームの際にスピーカ145,157から出力される効果音や、装飾用ランプ、LED1dの制御を行う。
演出制御装置17は、制御装置としてCPU、ROM、RAMや、液晶表示装置(液晶ディスプレイ)31における表示を制御するための図示しないVRAM等の画像用メモリや、VDP(video display processor)等のグラフィックプロセッサなどを含むビデオ
回路を備えている。また、演出制御装置17には、液晶表示装置41のバックライトとなる冷陰極管用の電源となるインバータ回路(図示略)なども接続されている。
そして、演出制御装置17は、遊技制御装置16から入力される演出データ(制御情報を含む演出コマンド)により、遊技制御装置16で決定された大当り、確変大当り、ハズレ、基本変動パターン等に基づいて、液晶表示装置41において特図変動表示ゲームに対応した変動表示態様を表示させる制御を行う。
ここで、変動表示態様とは、変動時間、スクロールの方向および図柄の切り替え態様、変動音、背景等で特定される表示態様のことである。変動表示態様には、所謂ノーマルリーチ等の変動表示態様(第2の変動表示態様)と、所謂スーパーリーチ等の変動表示態様(第1の変動表示態様)とが含まれている。第2の変動表示態様とは、他の変動表示態様よりも変動時間が短く、また変動表示中に変動表示態様の変化が他の変動表示態様よりも少ない等の、大当りの場合よりもハズレの場合に選択される確率が高い変動表示態様のことである。第1の変動表示態様は、他(第2)の変動表示態様よりも変動時間が長く、また変動表示中に変動表示態様の変化が他の変動表示態様よりも多い等の、ハズレの場合よりも大当りの場合に選択される確率が高い変動表示態様のことである。
そして、リーチとは、液晶表示装置41で複数の表示結果(変動表示領域)の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が前記特定の表示態様の組合せとなる条件を満たしている表示状態をいう。
また、リーチスクロール(変動表示)とは、液晶表示装置41の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別表示態様となる表示条件からはずれていない状態において、まだ導出表示されていない変更表示領域で行われるスクロールのことをいう。そして、例えば、特別表示態様の組合せが揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示も含まれる。
そして、演出制御装置17は、停止表示態様を特別表示態様とする場合に相対的に高い確率で選択される第1の変動表示態様と、停止表示態様を特別表示態様以外とする場合に相対的に高い確率で選択される第2の変動表示態様と、により変動表示態様の選択制御を行い、その選択結果に基づいて液晶表示装置41を制御する。
また、演出制御装置17は、スピーカ145,157への出力される音信号を出力するアンプ、音生成LSI及び音信号を記憶したROM等を有し、さらに、ランプ、LED1dを点灯させる電力のON・OFFを行う出力インタフェース等を有する。そして、スピーカ145,157からの音の出力の制御や、各種装飾用のLED基板に搭載されたランプ、LED1dの点灯・消灯の制御を行う。
また、演出制御装置17には、遊技機の前面(例えば、上皿の周囲)に設けられた遊技者が操作可能な演出操作スイッチ18が接続されており、当該スイッチからの信号が入力されると、信号は演出制御装置17のCPUに対し出力される。
演出制御装置17は、図7に示すように、変動表示ゲームの実行中における所定期間(振動監視期間)、振動検出装置50の振動検出センサ51からの検出信号を監視しており、変動表示ゲーム中に振動検出センサ51から検知信号が出力されると、当該検知信号に基づいて、遊技機100に生じた衝撃(振動)があった旨を検出し、変動表示態様がペナルティ表示態様に変更されるように液晶表示装置41を制御する。
ここで、振動監視期間は、変動表示ゲームの開始時点T1を始点とし、当該変動表示ゲームの終了時点T2よりも所定時間だけ短い点T3を終点としている。つまり、振動監視期間は、変動表示ゲームの終了時点を基準に設定されている。
そして、ペナルティ表示態様とは、第2の変動表示態様と少なくとも一部が同様な表示態様のことであり、具体的には、ペナルティ表示態様に切り替わる前の各変動表示態様で特徴的な部分、例えば、ノーマルリーチでは上から下への図柄の移動スクロールで、スペシャルリーチの場合には図柄がその場で軸回転するようなスクロールを設定し、ペナルティ変動表示態様が行われると、この特徴的な部分の変動表示態様が切り替わることである。また、ペナルティ変動表示態様は、第2の変動表示態様と全く同様な(ただし、変動表示ゲームの途中から切り替わるので変動表示時間は異なる。)変動表示態様としてもよく、スクロールの態様や背景画像、効果音(変動音)、演出用の役物の動作態様等を第2の変動表示態様と同様なものとしても良い。すなわち、遊技者にとって期待感の低い変動表示態様に変更したことを認識できればどのようなものでもよい。
そして、演出制御装置17は、振動検出センサ51からの検出信号に基づき、変動表示ゲームにおいて予め第1の変動表示態様が選択されていた場合に、当該変動表示態様をペナルティ変動表示態様に変更するように、液晶表示装置41を制御する。
このとき、演出制御装置17は、ペナルティ変動表示態様に変更するに際して、液晶表示装置41を制御し、ペナルティ変動表示が行われる旨を報知するペナルティ報知画像を表示するようになっている。
具体的には、図8に示すように、変動表示ゲームの開始後、リーチが発生し(図8(a))、スペシャルリーチ(第1の変動表示態様)にまで発展した際に(図8(b))、振動検出センサ51によって遊技機100に対する振動が検出されると、演出制御装置17は、液晶表示装置41を制御し、ペナルティ変動表示が行われる旨を報知するペナルティ報知画像G1を表示する(図8(c))。そして、ペナルティ報知画像G1の表示時間の経過後においては、演出制御装置17は、変動表示態様をペナルティ変動表示態様に変更するように、液晶表示装置41を制御する(図8(d))。
ここで、演出制御装置17は、予め異なる変動表示時間が設定された複数のペナルティ変動表示態様を実行可能に構成されている。演出制御装置17は、振動検出センサ51からの検出信号の検出時期に応じて複数のペナルティ変動表示態様の何れか1つを選択し、当該選択されたペナルティ変動表示態様となるように、液晶表示装置41を制御する。
例えば、本実施形態では、図9に示すように、変動表示時間t1,t2,t3が異なる3つのペナルティ変動表示態様(ペナルティスクロール1:t1、ペナルティスクロール2:t2、ペナルティスクロール3:t3(t1>t2>t3))が予め用意されている。そして、振動監視期間は変動表示ゲーム終了までの残り時間に応じてA,B,Cの3段階に分割されており、演出制御装置17は、A段階で振動を検出した場合にはペナルティスクロール1を選択し、B段階で振動を検出した場合にはペナルティスクロール2を選択し、C段階で振動を検出した場合にはペナルティスクロール3を選択する。そして、各ペナルティスクロール1,2,3は、変動表示ゲームの終了時点T2を基準にその始点T4が対応する区間(A,B,C区間)まで達さないように設定されている。つまり、ペナルティスクロール1はその始点T4がA区間以降に設定され、ペナルティスクロール2はその始点T4がB区間以降に設定され、ペナルティスクロール3はその始点T4がC区間以降に設定されている。このため、振動検出時期から各ペナルティスクロール1,2,3の始点T4までの期間は、その振動検出時期により変動することになる。演出制御装置17は、振動検出センサ51からの検出信号の検出時期に応じてペナルティ報知画像G1の表示時間を変更することで、振動検出時期から各ペナルティスクロール1,2,3の始点T4までの期間内に、ペナルティ報知画像G1を液晶表示装置41に表示させるようになっている。
また、演出制御装置17は、変動表示ゲームが特別表示態様(大当たり図柄)を導出する場合であり、なおかつ振動監視期間の前半部分で振動を検出した場合においては、1変動表示ゲームにおいて、実行中の変動表示ゲームをペナルティ変動表示態様により一旦仮終了するとともに、その後変動表示ゲームを再開して特別表示態様を導出するように、液晶表示装置41を制御する。
具体的には、図10に示すように、演出制御装置17は、変動表示ゲームが特別表示態様(大当たり図柄)を導出する場合に、振動監視期間の前半部分で振動検出センサ51からの検出信号が入力されると、液晶表示装置41にペナルティ報知画像G1を所定時間表示させてから(t5)、ペナルティスクロール1を表示させ(t6)、その後、特別表示態様以外(ハズレ)の停止表示態様で疑似停止画面を表示させる(t7)。疑似停止画面の表示が所定時間経過すると、演出制御装置17は変動表示ゲームが再開したような変動表示態様を液晶表示装置41に表示させてから(t8)、リーチスクロール(ノーマルリーチ)を表示させて(t9)、最終的には大当たり図柄が表示させる。
ここで、ペナルティスクロール1のみ表示時間は固定とされているために、その他の表示時間は振動検出時期から変動ゲームの終了時点までの期間に収まるように決定されることになる。
また、疑似停止画面とは、ユーザに停止状態(1ゲームが終了した)と認識させる画面であれば如何なるものでもよく、例えば、変動表示ゲームが実行されていない場合に液晶表示装置41に表示される停止画面等が挙げられる。
一方、振動監視期間の後半部分で振動を検出した場合には、演出制御装置17は、疑似停止を行わない上述の方式でペナルティ変動表示態様を液晶表示装置41に表示するようにする。
なお、振動監視期間の前半部分として、振動監視期間全体を2分割し、その前半部分を該当部分としてもよいが、これに限定されるものではなく、例えば前述のA区間部分の前半部分を該当部分としたり、設計上任意部分を該当部分としてもよい。
以下、演出制御装置17による振動監視処理について図11を参照して説明する。
変動表示ゲーム中、振動監視処理が実行されると、演出制御装置17は、現在が振動監視期間中にあるか否かを判断し(ステップS1)、振動監視期間中である場合(ステップS1;YES)にはステップS2に移行し、振動監視期間中でない場合(ステップS1;NO)にはReturnに移行する。
ステップS2では、演出制御装置17は振動検出センサ51から検出信号が入力されているか否かを判断し、入力されている場合(ステップS2;YES)にはステップS3に移行し、入力されていない場合(ステップS2;NO)にはReturnに移行する。
ステップS3では、演出制御装置17は、遊技制御装置16から入力された演出データから現在実行中の変動表示ゲームの結果態様が大当たりであるか否かを判断し、大当たりである場合(ステップS3;YES)にはステップS4に移行し、大当たりでない場合(ステップS3;NO)にはステップS6に移行する。
ステップS4では、演出制御装置17は、振動検出時期が振動監視期間の前半部分であったか否かを判断し、前半部分であった場合(ステップS4;YES)にはステップS5に移行し、前半部分でなかった場合(ステップS4;NO)にはステップS6に移行する。
ステップS5では、演出制御装置17は、疑似停止を伴うペナルティスクロールの表示を決定し、ステップS7に移行する。
ステップS6では、演出制御装置17は、振動検出時期の監視区間に応じてペナルティスクロール1,2,3からいずれか1つを選択し、選択したペナルティスクロールの表示を決定して、ステップS7に移行する。
ステップS7では、演出制御装置17は、振動検出時期に応じてペナルティ報知画像G1の表示時間を決定し、Returnに移行する。
その後、演出制御装置17は、振動監視処理で決定した内容に基づいて、液晶表示装置41を制御し、種々のペナルティ変動表示態様を表示させる。
以上のことから、複数の識別情報を変動表示可能な変動表示装置(液晶表示装置41)と、始動条件の成立に基づき該変動表示装置に所定の変動表示態様で変動表示ゲームを行わせるとともに予め決定された停止表示態様を導出するように該変動表示ゲームを停止させる表示制御装置(演出制御装置17)と、を備え、該変動表示ゲーム停止表示態様が予め設定された特別表示態様となった場合に遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生するようにした遊技機(遊技機100)において、遊技者により当該遊技機に加えられた振動を検出する振動検出手段(振動検出センサ51)を備え、前記表示制御装置は、前記停止表示態様を前記特別表示態様とする場合に相対的に高い確率で選択される第1の変動表示態様と、前記停止表示態様を前記特別表示態様以外とする場合に相対的に高い確率で選択される第2の変動表示態様と、により前記変動表示態様の選択制御を行うものとし、前記振動検出手段からの検出信号に基づき、変動表示ゲームにおいて予め前記第1の変動表示態様が選択されていた場合に、当該変動表示態様を前記第2の変動表示態様と少なくとも一部が同様なペナルティ変動表示態様に変更するペナルティ表示制御手段(演出制御装置17)を備えたこととなる。
また、ペナルティ表示制御手段(演出制御装置17)は、変動表示ゲームが特別表示態様を導出する場合に、1変動表示ゲームにおいて、実行中の変動表示ゲームをペナルティ変動表示態様により一旦仮終了するとともに、その後変動表示ゲームを再開して特別表示態様を導出することとなる。
そして、ペナルティ表示制御手段(演出制御装置17)は、ペナルティ変動表示態様に変更するに際して、ペナルティ変動表示が行われる旨を報知するペナルティ報知画像G1を表示するものとし、振動検出手段(振動検出センサ51)からの検出信号の検出時期に応じてペナルティ報知画像G1の表示時間を変更することとなる。
さらに、ペナルティ表示制御手段(演出制御装置17)は、予め異なる変動表示時間が設定された複数のペナルティ変動表示態様(ペナルティスクロール1,2,3)を実行可能に構成され、振動検出手段(振動検出センサ51)からの検出信号の検出時期に応じて該複数のペナルティ変動表示態様の何れか1つを選択することとなる。
また、ペナルティ監視手段(演出制御装置17)は、変動表示ゲームの実行中における所定期間、前記振動検出手段からの検出信号を監視することとなる。
以上のように、本実施形態によれば、複数の識別情報を変動表示可能な変動表示装置(液晶表示装置41)と、始動条件の成立に基づき該変動表示装置に所定の変動表示態様で変動表示ゲームを行わせるとともに予め決定された停止表示態様を導出するように該変動表示ゲームを停止させる表示制御装置(演出制御装置17)と、を備え、該変動表示ゲーム停止表示態様が予め設定された特別表示態様となった場合に遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生するようにした遊技機100において、遊技者により当該遊技機に加えられた振動を検出する振動検出手段(振動検出センサ51)を備え、前記表示制御装置は、前記停止表示態様を前記特別表示態様とする場合に相対的に高い確率で選択される第1の変動表示態様と、前記停止表示態様を前記特別表示態様以外とする場合に相対的に高い確率で選択される第2の変動表示態様と、により前記変動表示態様の選択制御を行うものとし、前記振動検出手段からの検出信号に基づき、変動表示ゲームにおいて予め前記第1の変動表示態様が選択されていた場合に、当該変動表示態様を前記第2の変動表示態様と少なくとも一部が同様なペナルティ変動表示態様に変更するペナルティ表示制御手段(演出制御装置17)を備えたこととしている。
これにより、ペナルティ表示制御手段は、振動検出手段からの検出信号に基づき、変動表示ゲームにおいて予め第1の変動表示態様が選択されていた場合に、変動表示態様を第2の変動表示態様と少なくとも一部が同様なペナルティ変動表示態様に変更しているので、遊技機に振動を加えた場合に、変動表示ゲームの変動表示態様が大当りに対する期待感の低いものに変更されるため、実質的に遊技者に不利な状況を与えなくても、遊技者に対してペナルティを与えることが可能となり、効率よく台叩きを防止することが可能となる。
また、ペナルティ表示制御手段(演出制御装置17)は、前記変動表示ゲームが前記特別表示態様を導出する場合に、1変動表示ゲームにおいて、実行中の変動表示ゲームを前記ペナルティ変動表示態様により一旦仮終了するとともに、その後変動表示ゲームを再開して前記特別表示態様を導出するようになっている。
したがって、ペナルティ表示制御手段は、変動表示ゲームが特別表示態様を導出する場合に、1変動表示ゲームにおいて、実行中の変動表示ゲームをペナルティ変動表示態様により一旦仮終了するとともに、その後変動表示ゲームを再開して特別表示態様を導出するので、遊技機に振動を与えたことで(台叩き)変動表示ゲームが大当りとなった印象を遊技者に与えることを防止でき、変動表示ゲームが大当りとなる場合でも、一定のペナルティを遊技者に抱かせることができる。
そして、ペナルティ表示制御手段(演出制御装置17)は、ペナルティ変動表示態様に変更するに際して、ペナルティ変動表示が行われる旨を報知するペナルティ報知画像G1を表示するものとし、振動検出手段(振動検出センサ51)からの検出信号の検出時期に応じてペナルティ報知画像G1の表示時間を変更するようになっている。
したがって、ペナルティ表示制御手段は、ペナルティ変動表示態様に変更するに際して、ペナルティ変動表示が行われる旨を報知するペナルティ報知画像を表示するものとし、振動検出手段からの検出信号の検出時期に応じてペナルティ報知画像の表示時間を変更するので、変動表示時間の異なる多数のペナルティ変動表示態様を設定しなくても、ペナルティ報知画像により予め決定されている変動表示ゲームの実行時間内での時間調整が可能となり、効率よくペナルティ変動表示態様による変動表示ゲームを実行することかできる。
また、ペナルティ表示制御手段(演出制御装置17)は、予め異なる変動表示時間が設定された複数のペナルティ変動表示態様(ペナルティスクロール1,2,3)を実行可能に構成され、前記振動検出手段からの検出信号の検出時期に応じて該複数のペナルティ変動表示態様の何れか1つを選択するようになっている。
これにより、ペナルティ表示制御手段は、予め異なる変動表示時間が設定された複数のペナルティ変動表示態様を実行可能に構成され、振動検出手段からの検出信号の検出時期に応じて該複数のペナルティ変動表示態様の何れか1つを選択するようにしたので、変動表示時間の異なる多数のペナルティ変動表示態様を設定しなくても、必要最低限の数のペナルティ変動表示態様を設定するだけで、予め決定されている変動表示ゲームの実行時間内での変動表示態様の変更に関する時間調整が可能となり、効率よくペナルティ変動表示態様による変動表示ゲームを実行することかできる。
そして、遊技機100には変動表示ゲームの実行中における所定期間、前記振動検出手段からの検出信号を監視するペナルティ監視手段(演出制御装置17)が備えられている。
これにより、変動表示ゲームの実行中における所定期間、前記振動検出手段からの検出信号を監視するペナルティ監視手段を備えたので、確実かつ効率よくペナルティ変動表示態様を実行することが可能となる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。
ペナルティ変動表示態様が実行された場合(ハズレの場合)には、予め決定されている停止表示態様を無視して、停止表示態様(この場合最後に停止する図柄)を新たに決定して表示しても良い。この場合、新たに決定した停止表示態様は、特別表示態様とは全く異なるものにする(例えば、最終停止図柄を、少なくともリーチ図柄の前後の図柄ではないものにする。)ことで、よりペナルティを与えるようにしても良い。
また、本実施形態では、振動検出センサ51により台叩きが検出されると、常に変動表示態様がペナルティ変動表示態様に切り替わる場合を例示して説明したが、最初の台叩きを検出した際は、単に警告(警告画像、警告音等)を与え、所定期間内に2回目以降の台叩き(複数回の台叩き)が生じた場合に、ペナルティ変動表示態様を行うように、演出制御装置17が液晶表示装置41等を制御しても良い。
また、変動表示ゲームが停止する直前等、制御上変動表示態様を変更することが困難なタイミングで台叩きが生じた場合には、そのとき専用に用意された画像を表示するようにしても良い。例えば、変動表示ゲームが停止する直前に台叩きが検出された場合には、演出制御装置17は、その時点で直前のスクロールの流れを無視してハズレ結果を即座に切り換え表示するように液晶表示装置41を制御する。この場合は、変動監視期間は変動表示ゲームの実行時間全てにおいて行い、通常のペナルティ変動表示態様に切り換える区間と、即座にハズレ結果を表示する区間とを設定していることが好ましい。
変動表示ゲームが第2の変動表示態様やその他リーチの発生しない時の変動表示態様の場合に、振動が検出された場合には、その時点で直前のスクロールの流れを無視してハズレ結果を即座に切り替え表示しても良いし、この時の振動発生を記憶しておき、その後、第1の変動表示態様を発生することが決定された場合に、該記憶に基づきペナルティ変動表示態様への変更制御を行うようにしても良い。
また、一度振動検出センサ51で振動を検出した場合には、当該検出した変動表示ゲーム以降の所定回数の変動表示ゲームにおいても、ペナルティ変動表示態様を実行するようにしても良い。この場合、その変動表示態様がペナルティ変動表示態様である旨を報知することが好ましい。また、この場合は、上述したようにペナルティ変動表示態様を変動表示ゲームの一区間で切り換える場合の他、変動表示ゲームの最初からペナルティ変動表示態様による変動表示ゲームを行うようにすることも可能である。ただし、スペシャルリーチが実行される予定である場合には、長い期間ノーマルリーチの変動表示ゲームが行われることとなるため、ペナルティのため問題はないがあまりにもスクロールが単調になりすぎるきらいがある。このため、リーチが発生した場合には、疑似停止を所定回数行うように変動表示態様を切り換えるようにしても良い。例えば、リーチ時間内にリーチにならないスクロールを複数回行ったり、ノーマルリーチでの変動表示ゲームを複数回行ったり、これらを組合せた変動表示態様とすることなどが挙げられる。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。