JP2004057620A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】高確率遊技状態におけるベース値(入賞率)を斬新な方法で調整し、ベース値(入賞率)のばらつきを生じさせない遊技機を提供する。
【解決手段】例えば、特別図柄を可変表示装置の第1表示領域に表示させ、普通図柄を可変表示装置の第2表示領域に表示させる。そして、第1表示領域に大当り図柄が表示されたとき、可変入賞口を遊技者に有利な状態に変化させる遊技機である。普通図柄が当り図柄となったとき、可変始動入賞口を遊技者に有利な状態に変化させる可変始動入賞口制御手段と、第1表示領域に確率変動図柄が表示されたとき、大当りを得る確率を変動させ、確率変動信号を出力する確率変動手段と、この確率変動されたとき、ベース値を逐一管理し、ベース値を出力するベース管理手段と、確率変動信号及びベース値に応じて、可変始動入賞口への入賞確率を変動させてベース値を変動させるベース値変動手段とを備える。
【選択図】 図28
【解決手段】例えば、特別図柄を可変表示装置の第1表示領域に表示させ、普通図柄を可変表示装置の第2表示領域に表示させる。そして、第1表示領域に大当り図柄が表示されたとき、可変入賞口を遊技者に有利な状態に変化させる遊技機である。普通図柄が当り図柄となったとき、可変始動入賞口を遊技者に有利な状態に変化させる可変始動入賞口制御手段と、第1表示領域に確率変動図柄が表示されたとき、大当りを得る確率を変動させ、確率変動信号を出力する確率変動手段と、この確率変動されたとき、ベース値を逐一管理し、ベース値を出力するベース管理手段と、確率変動信号及びベース値に応じて、可変始動入賞口への入賞確率を変動させてベース値を変動させるベース値変動手段とを備える。
【選択図】 図28
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は遊技機に関し、特にいわゆるセブン機、羽根物、権利物又はアレンジボール等の弾球遊技機や、スロットマシン等のコイン式遊技機などの遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、弾球遊技機としては、いわゆるセブン機、権利物、あるいはアレンジボール等と呼ばれる種々のゲーム内容のものが普及している。このうち、セブン機では、所定領域(例えば可変始動入賞口)に遊技球が入賞すると、可変表示装置の第1表示領域(例えば、特別図柄表示装置で構成)に図柄を変動表示させる(一回の変動表示で1ゲームとなる)。そして、その可変表示装置の第1表示領域表示状態が特定のものとなった場合に(例えば、大当り時には、まずリーチ表示を行い、そして3つの表示部に表示される図柄の組合わせが「7,7,7」等の特定のゾロ目の組合わせになった場合に)、大入賞口等の特定入賞口が開放されるように構成されている。かかる大入賞口は、所定個数の遊技球が入賞するか、所定時間が経過することにより一旦閉鎖されるが、上記開放中において大入賞口内に形成された特定領域を遊技球が通過していれば再び開放し、この開放及び閉鎖の動作を最大16回繰り返す(いわゆる特別遊技)ように構成されている。
【0003】
こうした遊技機では、可変表示装置の第1表示領域に表示される図柄が変動中である間に、可変始動入賞口などに入賞した遊技球があった場合は、所定記憶個数(通常4個)を上限にその入賞などした遊技球の数を記憶するよう構成されている。そして、可変表示装置の第1表示領域における図柄の変動が停止し、表示された図柄が当り図柄でなければ、記憶している入賞球があれば記憶数が1減らされ、図柄が再び変動表示される。
【0004】
次に、アレンジボールでは、可変表示装置が特定のゾロ目表示状態となることにより、チューリップ式電動役物などの特定入球口が所定時間開放し、この開放した特定入球口内の特定領域を遊技球が通過することにより、大当り状態となる。そして、大当り状態になると、通常時には無効である通過ゲートが所定ゲーム経過するまで有効となり、この有効となった通過ゲートに遊技球が通過すると可変入球口が開放するように構成されている。
【0005】
このように、所定のゾロ目条件が成立して特定入賞口が遊技客に有利な状態になると、セブン機等の各種弾球遊技機の遊技者は、特定入賞口(この場合アタッカー)内の特定領域に対し、所定時間内に遊技球を通過させて大当り状態を発生させ、又は大当り状態を継続させて、大量の賞球の獲得をしようとするのである。
【0006】
ここで、大当り時の図柄(当り図柄)に応じて、特別遊技終了後の遊技に大当りとなる確率が高くなる(いわゆる確率変動状態)高確率遊技状態が付与される機種がある。例えば、当り図柄が「7,7,7」、「3,3,3」であるときに高確率遊技状態が付与されるように構成されている。一方、当り図柄が一旦表示された後、特別遊技に入る前に当り図柄を再変動させる演出(いわゆる再抽選)をする機種がある。この場合、表示された当り図柄が「7,7,7」、「3,3,3」であれば、高確率遊技状態が付与され、大当りの権利を得やすくなっている。
【0007】
更に、前記各弾球遊技機においては、所定領域(例えば、始動ゲート)を遊技球が通過すると、前記可変表示装置の第2表示領域(例えば、普通図柄表示装置で構成)に、図柄(例えば、普通図柄)を変動表示させる。そして、第2表示領域の表示状態が所定のもの(例えば、当り表示)となった場合(例えば、「7,7」や「7」)、チューリップ式電動役物を備えた可変始動入賞口が所定時間(例えば、0.5秒)開放されるように構成されている。この場合、前記高確率状態が付与されていると、可変始動入賞口の開放時間が長く設定されている。
【0008】
一般的に、これらの遊技機においては、遊技球が入賞装置に入る確率(入賞率)を、遊技盤面上に配設される釘の向きや曲がり角度、あるいは釘同士の間隔などで設定していた。この作業は経験が必要とされ、熟練者であっても満足する入賞率が得られない作業である。
【0009】
即ち、前記高確率遊技状態が付与された状況であっても、所詮は確率に左右され、大当りの権利を得るまでのゲーム数には差が生じる。例えば、大当りの権利を得るまでのゲーム数が多くなるほど、可変始動入賞口への遊技球の流下集中によって賞品球の払い出しが多くなる場合と、可変始動入賞口への遊技球の流下が集中せず大当り中に獲得した遊技球(賞品球)が減少してしまう場合とが発生する。つまり、各遊技機に施された釘調整の具合によって、各遊技機毎に「球持ち」にばらつきを生ずる。尚、遊技店側では、高確率遊技状態が付与された状況で入賞率を低くするように釘調整を行うことが一般的である。
【0010】
このため、前記各遊技機において、釘調整のみに依存することなく、入賞率を調整することが行われている。例えば、特開平10−52550号公報には、入賞率を調整するため、遊技球の始動ゲートの通過、普通図柄の変動、普通図柄の当否とは無関係に、可変始動入賞口を強制的に開放させる遊技機が提案されていた(以下、これを先行技術という)。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
このように、上述した先行技術では、強制的な可変始動入賞口の開放が、遊技球の通過または入賞などによる視認可能な契機によって行われるものではないため、遊技者に不信感を与える原因となっていた。
【0012】
即ち、入賞率が高い遊技機においては、可変始動入賞口の強制的な開放は行われず、逆に入賞率が低い遊技機においては、可変始動入賞口の強制的な開放が行われる。しかし、前者の遊技機を遊技する遊技者は、現実に入賞率が高い状態で有利に遊技を進めているにも関わらず、可変始動入賞口の開放特典(強制的な開放)を得ることができないため、あたかも、不利な状態で遊技を進めているのではないかとの不信感(錯覚)を抱くことがあるからである。
【0013】
また、前記高確率遊技状態が付与された状況において、遊技者の興味は次の大当りの権利を獲得することにあるが、釘調整による入賞率(ベース値)のばらつきによって、持ち球が減少することが殆どであり、遊技者にとって大当りへの期待感が薄れてしまい、面白みに欠けるという問題もあった。
【0014】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、高確率遊技状態における入賞率を斬新な方法で調整し、入賞率(ベース値)のばらつきを生じさせない遊技機を提供することにある。
【0015】
本発明の他の目的は、高確率遊技状態における入賞率(ベース値)の調整を、より簡単な方法で行うことができる遊技機を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
係る課題を解決するためになされた請求項1に記載の本発明は、
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技盤に設けられ、第1表示領域および第2表示領域を有する可変表示装置と、
同じく前記遊技盤に設けられる普通入賞口、可変始動入賞口、可変入賞口および始動ゲートと、を備え、
前記普通入賞口は、遊技球が通過したことを検知し普通入賞信号を出力する普通入賞検知手段を有し、
前記可変始動入賞口は、遊技球が通過したことを検知し始動入賞信号を出力する始動入賞検知手段を有し、
前記始動ゲートは、遊技球が通過したことを検知し通過信号を出力する通過検知手段を有し、
前記始動入賞検知手段が出力する始動入賞信号に応じて、複数の変動態様の中から選択された変動態様を経て第1識別情報を前記第1表示領域に表示させ、
前記通過検知手段が出力する通過信号に応じて、識別情報制御手段によって所定の変動態様を経て第2識別情報を前記第2表示領域に表示させ、
前記第1識別情報が予め定められた特定の図柄若しくは特定の図柄の組合せ、又は、特別な図柄若しくは特別な図柄の組合せとなったとき、特定条件によって前記可変入賞口を遊技者に有利な状態に変化させる遊技機であって、
前記第2識別情報が予め定められた所定の図柄又は所定の図柄の組合せとなったとき、前記可変始動入賞口を所定の開放パターンによって遊技者に有利な状態に変化させる可変始動入賞口制御手段と、
前記第1識別情報が前記特別な図柄又は特別な図柄の組合せとなったとき、前記第1識別情報が特定の図柄若しくは特定の図柄の組合せ、又は、特別な図柄若しくは特別な図柄の組合せとなる確率を変動させ、確率変動信号を出力する確率変動手段と、
少なくとも前記確率変動手段によって前記確率が変動されたとき、ベース値を逐一管理し、ベース値を出力するベース管理手段と、
前記確率変動信号及び前記ベース値に応じて、前記可変始動入賞口への入賞確率を変動させて前記ベース値を変動させるベース値変動手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0017】
ここで、請求項1の発明の「可変始動入賞口制御手段」は、「遊技球が始動ゲートを通過する」等の視認可能な契機によって可変始動入賞口の開放(開閉)を制御するものである。具体的には、「第2識別情報が予め定められた所定の図柄又は所定の図柄の組合せとなったときのみに、可変始動入賞口を所定の開放パターンによって遊技者に有利な状態に変化させる可変始動入賞口制御手段」を例示できる。更に具体的には、「遊技球が始動ゲートを通過し、可変表示装置の第2表示領域に、所定の変動態様を経て第2識別情報が表示され、この第2識別情報が所定の当り表示(予め定められた所定の図柄又は所定の図柄の組合せ)となったときのみに、可変始動入賞口を所定の開放パターンによって遊技者に有利な状態に変化させる可変始動入賞口制御手段」を例示できる。
【0018】
請求項1の発明では、視認可能な契機(例えば、遊技球の始動ゲートの通過、普通図柄の変動、普通図柄の当り表示等)によって、可変始動入賞口の開放(開閉)の制御等を行う。これにより、可変始動入賞口への入賞確率を変動させ、ベース値を変動・調整する。このため、この可変始動入賞口の開放(開閉)の制御等がなされても、遊技者に対して不信感を与えることはない。尚、「可変始動入賞口の開放(開閉)の制御」としては、「可変始動入賞口の開放時間の制御」や、「可変始動入賞口の開放頻度の制御」等を例示できる。
【0019】
また、本発明によれば、釘調整のみに依存することなく、入賞率(ベース値)を調節できる。従って、高確率遊技状態が付与された状況で、遊技者が次の大当りの権利を獲得しようとする際に、入賞率(ベース値)のばらつきを少なくしたり、無くすることができるため、遊技者は次の大当りへの期待感を十分に維持できる。更に、釘調整のみに依存せずに、ベース値を調節するため、遊技店におけるベース値の管理が容易である。
【0020】
本発明の「第1識別情報」としては、例えば、「特別図柄」を例示でき、「第2識別情報」としては、例えば、「普通図柄」を例示できる。この場合、「可変表示装置の第1表示領域」が特別図柄を表示する特別図柄表示部となり、「可変表示装置の第2表示領域」が普通図柄を表示する普通図柄表示部となる。また、第1表示領域と第2表示領域とは一体とされても(以下、前者という。)、別体とされても(以下、後者という。)よい。尚、前者の具体例としては、例えば、可変表示装置に設けられる1つの表示部の一部(主要部)を第1表示領域とし、この表示部の他部を第2表示領域とする場合を例示できる。また、後者の具体例としては、可変表示装置が独立した2つの表示部を備えると共に、一方の表示部(例えば、特別図柄表示部)が第1表示領域を構成し、他方の第2表示領域(例えば、普通図柄表示装置)を構成する場合を例示できる。
【0021】
本発明の「普通入賞口」は、遊技球が入賞すると、賞品球の払い出しのみを、遊技機に行わせることになる入賞口である。尚、「可変始動入賞口」は、遊技球が入賞すると、賞品球の払い出しを遊技機に行わせることになると共に、可変表示装置の第1表示領域における図柄の変動(例えば、図柄変動を経て第1識別情報を表示させること)の開始等をさせることになる入賞口である。また、「可変入賞口」は、可変表示装置の第1表示領域に表示された第1識別情報が、予め定められた特定の図柄若しくは特定の図柄の組合せ、又は、特別な図柄若しくは特別な図柄の組合せとなったときに開放され、他の入賞口(例えば、普通入賞口や可変始動入賞口等)に比べて入賞を容易にする機能を有する入賞口であり、例えば、大入賞口(特定入賞口の一具体例)を例示できる。
【0022】
本発明の「第1識別情報が予め定められた特定の図柄若しくは特定の図柄の組合せ、又は、特別な図柄若しくは特別な図柄の組合せとなったとき」とは、例えば、「複数の変動態様の中から選択された変動態様を経た第1識別情報として、大当り図柄が表示されたとき」を例示できる。また、「第1識別情報が予め定められた特別な図柄又は特別な図柄の組合せとなったとき」とは、例えば、「第1識別情報として確率変動図柄が表示されたとき」を例示できる。尚、本発明において、「ベース値の管理とベース値を出力」は、「確率変動手段によって特定の図柄若しくは特定の図柄の組合せ、又は、特別な図柄若しくは特別な図柄の組合せとなる確率が変動されたとき(以下、確率変動状態という。)」のみに行われてもよいし、この確率変動状態のとき及び確率変動状態でないときの双方に行われてもよい。
【0023】
また、「第2識別情報が予め定められた所定の図柄又は所定の図柄の組合せとなったとき」とは、「所定の変動態様を経て第2識別情報として、当り図柄が表示されたとき」を例示できる。更に、「可変始動入賞口が所定の開放パターンによって遊技者に有利な状態に変化する」とは、例えば、可変始動入賞口が開放状態に変化すること、即ち、この可変始動入賞口が、遊技球を入賞させ易い状態に変化することをいう。
【0024】
「ベース値」とは、特別遊技中(大当り時)を除く遊技時において、遊技者の持ち球が減っていくスピードを数値化したもの(遊び率)である。例えば、特別遊技中(大当り時)を除く遊技時において、所定時間(例えば、1分間)に、遊技機から賞品球として払いだれる遊技球の数(A)」の「遊技球発射制御手段によって遊技領域に放出された(打ち込まれた)遊技球の数(B)」に対する割合(%)として示すことができる{(A/B)×100(%)なる式で示すことができる}。
【0025】
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の遊技機において、遊技球発射制御手段によって放出された遊技球を検知し発射球信号を出力する遊技球検知手段、又は前記普通入賞口と前記可変始動入賞口と前記可変入賞口の何れにも入賞せず遊技領域外へ排出される遊技球を検知し排出球信号を出力する排出球検知手段、の少なくとも1つを備えると共に、
前記ベース管理手段は、前記発射球信号又は排出球信号の少なくとも1つと、前記普通入賞信号と、前記始動入賞信号とによってベース値を逐一管理し、ベース値を出力することを特徴とする。
【0026】
このような遊技機によると、前記発射球信号又は排出球信号の少なくとも1つと、前記普通入賞信号と、前記始動入賞信号とによって、より正確且つ確実にベース値を管理したり、変動さたりすることができる。ここで、発射信号を用いてベース値の管理を行う場合には、前記{(A/B)×100(%)}なる式によって、特別遊技中(大当り時)を除く遊技時におけるベース値を算出できる。但し、遊技球検知手段の配置個所によっては、この遊技球検知手段のみによって遊技領域に放出された(打ち込まれた)遊技球の数を計数することができない場合がある。即ち、遊技球検知手段によって検知(計数)される遊技球の数には、遊技領域に放出された遊技球の数のみならず、遊技領域に到達せずにファール球となった遊技球の数も含まれる可能性がある。この場合、「遊技球発射制御手段によって遊技領域に放出された(打ち込まれた)遊技球の数(B)」は、「遊技球検知手段で検知(計数)される遊技球の数(D)からファール球の数(F)を減じた数」で示される。よって、発射信号を用いてベース値の管理を行うと共にファール球を考慮する必要がある場合には、{A/(D−F)}なる式によって、特別遊技中(大当り時)を除く遊技時におけるベース値を算出できる。
【0027】
また、排出球信号を用いる場合には、特別遊技中(大当り時)を除く遊技時におけるベース値を以下のように算出できる。即ち、「特別遊技中(大当り時)を除く遊技時における所定時間(例えば、1分間)に、遊技機から賞品球として払い出された遊技球の数(A)」と、「同所定時間に普通入賞口と可変始動口と可変入賞口の何れにも入賞せず遊技領域外へ排出される遊技球の数(J)」と、「同所定時間に普通入賞口に入賞した遊技機球の個数と、同所定時間に可変始動入賞口に入賞した遊技機球の個数との和(K)」を用いて算出できる。つまり、{A/(J+K)}なる式によって算出できる。
【0028】
請求項3に記載の本発明は、請求項1又は請求項2に記載の遊技機において、前記ベース値変動手段は、前記開放パターンとして、予め定められた複数の開放パターンの中から一つの開放パターンを選択させることを特徴とする。
【0029】
請求項3に記載の本発明では、ベース値変動手段が、ベース管理手段から出力されるベース値に応じて、可変始動入賞口の開放パターンを選択し、この可変始動入賞口への入賞確率を変動させ、ベース値が目標とする値に近づくようにする。ここで、「開放パターン」としては、「可変始動入賞口の開放時間や開放速度等によって区別される開放パターン」を例示できる。例えば、開放時間が異なる複数の開放パターンを用意する。そして、ベース管理手段から出力されたベース値と、ベース値の設定値(目標値)とを比較し、出力されたベース値が許容範囲内(設定値を基準とする許容誤差の範囲内)にあると判断されると、可変始動入賞口への入賞確率に変化を与えないか、僅かな変化を与えるような開放パターンを選択する。また、出力されたベース値が、高すぎると判断されると、可変始動入賞口の開放時間を短くする(開放時間を「零」にすることも含む。)ような開放パターンを選択し、可変始動入賞口への入賞確率を低下させる。更に、出力されたベース値が、低すぎると判断されると、可変始動入賞口の開放時間を長くするような開放パターンを選択し、可変始動入賞口への入賞確率が高められる。
【0030】
請求項4に記載の本発明は、請求項1乃至3の何れか一項に記載の遊技機において、前記ベース値変動手段は、前記識別情報制御手段によって表示される所定の変動態様として、予め定められた複数の変動態様の中から1つの変動態様を選択させることを特徴とする。
【0031】
請求項4に記載の本発明では、ベース値変動手段が、ベース管理手段から出力されるベース値に応じて、識別情報制御手段によって表示される変動態様を選択することで、この可変始動入賞口への入賞確率を変動させ、ベース値が目標とする値に近づくようにする。例えば、普通図柄の変動態様として、普通図柄の変動時間を例示できる。そして、変動時間が異なる複数の変動態様(変動パターン)を用意し、ベース管理手段から出力されたベース値と、ベース値の設定値(目標値)とを比較し、出力されたベース値が許容範囲内(設定値を基準とする許容誤差の範囲内)にあると判断されると、普通図柄の変動時間に変化を与えないか、僅かな変化を与えるような変動態様を選択する。また、出力されたベース値が、高すぎると判断されると、普通図柄の変動時間が長い変動態様を選択し、可変始動入賞口の開放頻度を低くし、可変始動入賞口への入賞確率を低下させる。更に、出力されたベース値が、低すぎると判断されると、普通図柄の変動時間が短い(変動時間を「零」にすることも含む。)変動態様を選択し、可変始動入賞口の開放頻度を高くし、可変始動入賞口への入賞確率を高くする。
【0032】
請求項5に記載の本発明は、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の遊技機において、前記ベース値変動手段は、前記第2識別情報が予め定められた所定の図柄又は所定の図柄の組合せとなる確率を変動させることを特徴とする。
【0033】
請求項5に記載の本発明では、ベース値変動手段が、ベース管理手段から出力されるベース値に応じて、第2識別情報が予め定められた所定の図柄又は所定の図柄の組合せ(例えば、第2識別情報の当り表示)となる確率を変動させることで、この可変始動入賞口への入賞確率を変動させ、ベース値が目標とする値に近づくようにする。例えば、ベース管理手段から出力されたベース値と、ベース値の設定値(目標値)とを比較し、出力されたベース値が許容範囲内(設定値を基準とする許容誤差の範囲内)にあると判断されると、普通図柄が当りとなる確率を変化させないか、僅かに変化させる。また、出力されたベース値が、高すぎると判断されると、普通図柄が当りとなる確率を低くし(確率を「零」にすることも含む。)、可変始動入賞口の開放頻度を低くし、可変始動入賞口への入賞確率を低下させる。更に、出力されたベース値が、低すぎると判断されると、普通図柄が当りとなる確率を高くし、可変始動入賞口の開放頻度を高くし、可変始動入賞口への入賞確率を高くする。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を示す各実施例(実施例1〜実施例3)について図面に基づいて説明する。
ここでは遊技機として、いわゆるセブン機と呼ばれるタイプの第一種パチンコ機(弾球遊技機)を例に取り、その構造について図1〜図6を参照して説明する。
【0035】
(1)実施例1
【0036】
パチンコ機1の前面部は、図1及び図2に示すように、主として外枠(本体枠)2と、中枠3と、前面枠4と、上皿部5と、下皿部6と、施錠装置7とから構成されている。
外枠2は、木製の板状体を略長方形の額縁状に組立て固着したものである。中枠3は、全体がプラスチック製で、枠体部(図2参照)3aと下板部とを有し、外枠2に対して開閉可能に軸支されている。中枠3の右端中央には施錠装置7が設けられ、施錠装置7は、正面視すると鍵穴を備えた略長方形状を呈し、前面枠4を閉鎖した場合に施錠するためのものである。
【0037】
ここで枠体部3aは、上端から下方へ中枠3全体の略2/3程度に略長方形の額縁状に形成され、上端部には、前面枠4の略三角形状の枠飾りLED用レンズ4c,4eに対応して、左側に賞球表示LED(図示を省略)及び賞球表示LED基板4d(図7照)が、右側にストップ表示LED(図2では図示略)及びストップ表示LED基板4f(図7参照)が配設されている。
【0038】
また、下板部は、下端から上方へ中枠3全体の略1/3程度を占め、左端には、上皿部5に形成されたスピーカー面5aに対応すべく、遊技状態に応じた効果音その他の音(音声)を発生させるスピーカー400a(図7参照)が配設され、略中央には、遊技球を発射する発射装置ユニット(図示略)に対し、上皿部5に貯留された遊技球を供給する供給装置等(図示略)が設けられている。
【0039】
さらに、下板部の下方には、灰皿や玉抜きレバー等を備えた下皿部6が設けられ、下皿部6の略中央には、パチンコ機1の内部から遊技球を排出するための排出口6aが開設され、右端に発射装置ユニット(図示略)を操作する発射ハンドル9が設けられている。また、この発射ハンドル9には、遊技者がタッチしていることを検出するタッチスイッチ9aが装着され、その近傍には、発射停止を一時的に指令する発射停止スイッチ9bが配置されている。尚、発射装置ユニットは、後述する発射装置制御部193等と共に、遊技球発射制御手段の一具体例を示している。
【0040】
前面枠4は、図1及び図2に示すように、全体がプラスチック製であり、遊技盤10(図3参照)を前方から視認するべく、遊技盤10に形成された遊技領域11(図3参照)の形状に対応して略円周状に開設された開口部4aを有している。そして、その裏面には、開口部4aに応じてガラス板4rが嵌められた略長方形状のガラス枠4s(図2参照)が装着されている。尚、本実施例では、ガラス枠4sが、前面枠4に裏面に装着され、このガラス枠4fによって、ガラス板4rの周縁部が保持されている。そして、遊技者を基準とすれば、遊技盤10に形成された遊技領域11は、ガラス板4eの後方に形成されている。尚、前面枠4の前面側にガラス枠4sを装着し、前面枠4の前面側で、ガラス板4rを保持してもよい。また、ガラス板4r以外の透明板(例えば、透明な樹脂板)を、前面枠4に装着された透明板枠で保持することもできる。
【0041】
また、この前面枠4は、パチンコ機1の前面全体の約2/3のサイズを占め、中枠3の左端に軸着され開閉可能に形成されている。さらに、上端部には、枠飾りランプ用レンズ4bも設けられ、このレンズ4b内部には、開口部4a上端の円弧部分に沿って、枠飾りランプ基板4g(図7参照)及び複数個の遊技効果ランプ(図示略)が配設されている。
【0042】
上皿部5は、前面枠4の下側で、中枠3の左端に軸着され開閉可能に形成されている。皿外縁部5bには、玉抜きボタンや遊技球の貸出・返却ボタン等が配設されている。また、上皿部5には、パチンコ機1の内部から遊技球を排出するための排出口5cが開設されている。左端には、複数の長孔を有するスピーカー面5aが形成され、その裏面には、音量スイッチ基板12(図7参照)が設けられている。パチンコ機1の左端側には、プリペイドカードユニット13が装着されている。
【0043】
次に、本実施例の遊技盤10の表面構造について図3を参照して説明する。遊技盤10は、略長方形の木製の板状体であって中枠3(図1及び図2参照)に保持されるとともに、後述する裏機構盤102(図6参照)によりその背面側が覆われている。遊技盤10には、遊技盤10の表面に設けられた外レール14と内レール15とにより略円形状の遊技領域11が形成され、遊技領域11内には、中央装置16と、第一種始動口(普通電動役物)17と、変動入賞装置18と、左入賞口19、右入賞口20、左下入賞口21、右下入賞口22と、多数の釘23等が配設されている。なお、本図では図を簡素にするため、釘23の一部、ランプ風車などを省略している。また、第一種始動口(普通電動役物)17は、「可変始動入賞口」の一具体例を示している。更に、左入賞口19、右入賞口20、左下入賞口21、右下入賞口22は、「普通入賞口」の一具体例を示している。
【0044】
中央装置16は、遊技領域11の略中央部に配置され、LED表示装置200と、第2表示部27と、入球口272、273とを備えている。
【0045】
LED表示装置200は、「可変表示装置」の一具体例を示しており、3桁の7セグメント表示装置24を第1表示領域とし、後述する普通図柄表示装置32を第2表示領域として構成されている。そしてこのLED表示装置200では、遊技球が第一種始動口(普通電動役物)17に入賞することにより、各桁7個のセグメント体を適宜点灯・消灯させることにより各特別図柄をそれぞれ変動させて停止表示させるものである。例えば、図柄が「7、7、7」の3桁同一図柄で揃って停止表示(確定表示)すると、変動入賞装置18に配設された後述する大入賞装置31の大入賞口311が開放される。即ち、パチンコ機1では、「複数の識別情報」を表示する領域として、左特別図柄表示領域と、中特別図柄表示領域と、右特別図柄表示領域とを備えている。
【0046】
また、「遊技球が第一種始動口(普通電動役物)17に入球する。」という「所定条件の成立」によって、各特別図柄がそれぞれ変動され(即ち、複数の識別情報を可変表示され)、後述する特別図柄の当否判定において「大当り判定」を得るという「特定条件」が成立し、「図柄が3桁同一図柄で揃う。」という、停止態様が達成されると、「大当り」という、「特定の価値」を付与する(即ち、大入賞口311を遊技者にとって有利な状態に変化させる)パチンコ機1である。尚、大入賞口311は、「可変入賞口」の一具体例を示している。また、「可変表示装置」は、セグメント表示装置24を主体に構成されるものに限定されず、液晶表示部等の他の態様の電気的な表示部を備える可変表示装置や、回転ドラム(リール装置)等の機械的な表示部を備える可変表示装置であってもよい。また、上記「図柄が3桁同一図柄で揃う。」とは、特別図柄の当否判定における「大当り図柄」を例示すると共に、請求項1の発明に示す「特定の図柄の組み合わせ」又は「特別な図柄の組み合わせ」の一具体例を示している。但し、特別図柄の「大当り図柄」を、1つの図柄(請求項1の発明に示す「特定の図柄」であり、例えば「3」)で構成することもできる。この場合、「確率変動図柄」も1つの図柄(請求項1の発明に示す「特別な図柄」であり、例えば「7」)で構成することができる。
【0047】
普通図柄表示装置32は、前述のように、「第2表示領域」の一具体例を示しており、中央装置16の上部中央に配置されている。この普通図柄表示装置部32が構成する第2表示領域は、1〜9の奇数数字を変動表示させるもので、普通図柄作動ゲート36、37のいずれかを遊技球が通過することにより変動して、所定時間経過後に1種類の奇数数字が停止表示される。そして、例えば「7」で停止表示すると、第一種始動口(普通電動役物)17が所定時間(例えば、原則的には、0.5秒)開放される。
【0048】
尚、上記「1〜9の奇数数字の変動表示」は、「識別情報制御手段による所定の変動態様」の一具体例を示し、上記「停止表示される1〜9の奇数数字」は、「変動態様を経た第2識別情報」の一具体例を示している。また、「7」の停止表示は、普通図柄の当り表示の具体例であって、請求項1の発明の「所定の図柄」の一具体例を示している。但し、普通図柄の当り表示としては、例えば、「7、7」等の2つ以上の図柄の組み合わせで構成してもよく、この場合には、請求項1の発明の「所定の図柄の組み合わせ」の一具体例を示すことになる。更に、本実施例では、「可変表示装置」を2つの表示装置(表示装置部)を備えるものとして構成したが、この「可変表示装置」は一つの表示装置(表示装置部)のみを備えてもよい。この場合には、一つの表示部を、第1表示領域(特別図柄表示領域)と、第2表示領域(普通図柄表示領域)とに分割すると共に、第1表示領域に特別図柄を表示し、第2表示領域に普通図柄を表示してもよい。
【0049】
普通図柄作動ゲート36、37は中央装置16の左右斜め下方に、それぞれ設けられ、この左右の普通図柄作動ゲート36、37内に左、右の普通図柄作動ゲート検知スイッチ36s、37s(図7参照)が配設されている。そして、遊技球の普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ36s、37sのいずれかの通過により、普通図柄表示装置32が変動表示する。尚、各普通図柄作動ゲート36、37は、「始動ゲート」の一具体例を示している。また、上記各普通図柄作動ゲート検知スイッチ36s、37sは、「通過検知手段」の一具体例を示しており、各普通図柄作動ゲート36、37を遊技球が通過したことを検知すると、通過信号を出力する。
【0050】
中央装置16には、左右の普通図柄作動ゲート36、37を通過した遊技球の数を4個まで保留するLEDや、第一種始動口(普通電動役物)17への入賞の数を4個まで保留するLEDも設けられているが本図では省略した。
第一種始動口(普通電動役物)17は、中央装置16の中央位置の下方に離れて配設されている。第一種始動口(普通電動役物)17は、いわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部が開閉するべく形成され、その前面に飾りを備えて後述する基板34に取り付けられている。内部には、遊技球の通過を検知する第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17s(図7参照)と、翼片部を作動させるための第一種始動口(普通電動役物)ソレノイド17c(図7参照)とが備えられている。この一対の翼片部が左右に開くと、遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となり、一対の翼片部が立設され、遊技球の入球可能性が小さくなる通常状態となる。尚、第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17sは、「始動入賞検知手段」の一具体例を示しており、遊技球が第一種始動口(普通電動役物)17に入賞(通過)したことを検知すると、始動入賞信号を出力する。
【0051】
変動入賞装置18は、上記第一種始動口(普通電動役物)17の下方に配設されており、前面側が略逆台形状に形成された基板34に、大入賞装置31と、左下入賞口21と右下入賞口22とを備えている。ここで、大入賞装置31は、略中央に形成され、帯状に開口された大入賞口311と、この大入賞口311を開放・閉鎖する開閉板312と、この開閉板312を開閉するための大入賞口ソレノイド313(図7参照)と、大入賞口311に入賞した後に遊技球が通過する特定領域(V入賞口及び一般入賞口/図示略)と、連動杆(図示略)と、入賞球を検知する入賞球検知スイッチ318(図7参照)と、裏箱(図示略)と、大入賞口中継基板(図示略)とから主に構成されている。尚、入賞球検知スイッチ318は、遊技球が大入賞口311に入賞(通過)したことを検知すると、特定入賞信号を出力する。
【0052】
また、左下入賞口21は、第一種始動口(普通電動役物)17の略真横の左側に配設されて、内部に左下入賞口通過検知スイッチ21s(図7参照)が設けられている。そして、この左下入賞口21の下方には複数個の左下入賞口LED223〜225が左下入賞口LED基板21f(図7参照)に取り付けられ、飾りレンズによって被覆されている。さらに、右下入賞口22は、第一種始動口(普通電動役物)17の略真横の右側に配設されて、内部に右下入賞口通過検知スイッチ22s(図7参照)が設けられている。
【0053】
変動入賞装置18の左右斜め上方には、左入賞口19及び右入賞口20がそれぞれ配設されている。そして、その内部にはそれぞれ、左入賞口通過検知スイッチ19s(図7参照)、右入賞口通過検知スイッチ20s(図7参照)が設けられている。さらに、遊技領域11の左右両端部には、一対のサイドランプ38、39がそれぞれ縦円弧状で相対称状に配設されている。なお、多数の釘23は、以上説明した各遊技装置との位置バランスを考慮して、遊技領域11にパチンコ遊技に適するべく、配設されている。
【0054】
尚、左下入賞口通過検知スイッチ21s、右下入賞口通過検知スイッチ22s、左入賞口通過検知スイッチ19s及び右入賞口通過検知スイッチ20sは、各々「普通入賞検知手段」の一具体例を示しており、各普通入賞口に入賞(通過)したことを検知すると、普通入賞信号を出力する。
【0055】
次に、遊技盤10の下方にはアウト口48が設けられ、そのアウト口48の下部にはバック球防止部材58が設けられており、遊技領域11に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止している。一方、ファール球防止部材59は、内レール15の先端部に取り付けられ、返しゴム60は、ファール球防止部材59の位置とは略正反対側の、遊技盤10の右半分側の位置であって、外レール14に沿って嵌合状に取り付けられている。
【0056】
本実施例では、図4に示すように、上皿部5の奥(裏側)に、槌先球検知スイッチGが設けられている。この槌先球検知スイッチGは、請求項2の発明の遊技球検知手段の一具体例を示しており、遊技球発射制御手段により放出(発射)される遊技球を検知(計数)するためのものある。そして、この槌先球検知スイッチGが、遊技球発射制御手段によって放出された遊技球を検知すると、発射球信号を(後述する主制御部140に向かって)出力する(図7参照)。
【0057】
但し、この槌先球検知スイッチGによって計数される遊技球の数には、発射レールLを通過し、外レール14に沿って上昇し、遊技領域11に至る遊技球の数のみならず、遊技領域11まで到達せず、外レール14から下皿部6に戻ってくる遊技球(即ち、ファール球)の数も含まれる可能性がある。このため、本実施例では、上皿部5の奥(裏側)に、ファール球センサ(ファール球検知手段の一具体例を示す。)Hを設けている。そして、槌先球検知スイッチGによって計数される遊技球の数から、必要に応じてファール球の数を減ずることで、遊技領域11に打ち込まれる遊技球の数を算出している。尚、ファール球センサHは、ファール球を検知すると、ファール球信号を(後述する主制御部140に向かって)出力する(図7参照)。
【0058】
本実施例においては、特別図柄の大当りに関する確率変動中(特別遊技中を除く)の所定時間(例えば、1分)におけるベース値を以下のように算出できる。即ち、同所定時間において槌先球検知スイッチGによって計数される遊技球の数をV、同所定時間においてファール球センサHによって計数される遊技球(ファール球)の数をWとする。また、「同所定時間における始動入賞信号の出力回数に、一回の可変始動入賞口(第一種始動口17)への入賞に伴う賞球個数(本実施例では、6個)を乗じた数」と、「同所定時間における普通入賞信号の出力回数に、一回の普通入賞口(19、20、21、22)への入賞に伴う賞球個数(本実施例では、10個)を乗じた数」との和によって、同所定時間に、遊技機から賞品球として払いだれる遊技球の数(X)」が示される。そして、{X/(V−W)}×100(%)なる式を用いると、目的のベース値を算出できる。
【0059】
尚、本実施例と異なり、排出球検知手段を用いて、特別図柄の大当りに関する確率変動中(特別遊技中を除く)におけるベース値を算出することもできる。即ち、図5(a)及び(b)に示すように、遊技領域11内からアウト口48を通じて遊技領域11外に排出される遊技球の数を検出するための排出球検出手段Mを設ける。この排出球検出手段Mは、普通入賞口(左下入賞口21、右下入賞口22、左入賞口19及び右入賞口20)と、可変始動入賞口(第一種始動口17)、可変入賞口(大入賞口311)の何れにも入賞せず、遊技領域11外へ排出される遊技球を検知し、排出球信号を(後述する主制御部140に向かって)出力するものである。
【0060】
次に、この排出球検知手段M等の具体的な構成について説明する。即ち、この変形例においては、遊技盤10の背面10aに、ビス止め等の手法で集合カバー800が取着されている。この集合カバー800は、前面及び底面を開放部802、803とすると共に、下方側において横幅(背面10aの左右方向)を小さくする略容器形状を備えている。この集合カバー800は、アウト口48よりも大きな横幅を備えた受け入れ部805と、この横幅を下方に向かってテーパ状に絞り込み、下端において1つの遊技球を通過可能な横幅となる中間部806と、中間部806の下端と同一の横幅を備える計数部807と、を備えている。そして、計数部807には、排出球検出手段Mが内蔵されている。更に、この集合カバー800は、前面の開放部802を前方に向け、底面の開放部803を下方に向けた状態で、しかも、受け入れ部805によってアウト口48を覆い隠すような状態で、遊技盤10の背面10aに取着されている。
【0061】
この変形例では、普通入賞口(21、22、19及び20)と、可変始動入賞口(第一種始動口17)、可変入賞口(大入賞口311)の何れにも入賞せず、内レール15の最下部に到達し、アウト口48を通じて遊技領域11へ排出される遊技球が、受け入れ部805に到着する。更に、中間部806及び計数部807を流下し、集合カバー800の底面の開放部803から集合カバー800の外部に排出される。そして、遊技球(排出球)が計数部807を流下するときに、排出球検出手段Mが、この遊技球(排出球)を検知(計数)する構成となっている。
【0062】
この変形例においては、特別図柄の大当りに関する確率変動中(特別遊技中を除く)の所定時間(例えば、1分)におけるベース値を以下のように算出できる。即ち、「同所定時間における排出信号の出力回数によって、同所定時間に普通入賞口(21、22、19及び20)と可変始動入賞口(第一種始動口17)と可変入賞口(大入賞口311)の何れにも入賞せず遊技領域外へ排出される遊技球の数Y」が算出される。また、同所定時間において、普通入賞信号の出力回数と始動入賞信号の出力回数との和をZとすると、(Y+Z)なる式によって、同所定時間において、遊技球発射制御手段によって遊技領域11に放出された(打ち込まれた)遊技球の数を算出できる。また、同所定時間において、遊技機から賞品球として払いだれる遊技球の数は、前述の実施例と同様な(X)なる数で示すことができる。そして、{X/(Y+Z)}なる式によって、目的のベース値を算出できる。
【0063】
尚、実施例や変形例に示す手法によって算出されるベース値は、後述するCPU401のレジスタに保存したり、後述するRAM481のメモリに記憶すること等ができる。また、本発明に係る遊技機は、槌先球検知スイッチG及び排出球検知手段Mの双方を備え、各々によってベース値を算出してもよい。
【0064】
次に、本実施例のパチンコ機1の裏面構造について図6を参照して説明する。前面枠4(図1及び図2参照)は中枠3にあって、前面枠4の上下端の位置に設けられた一対のヒンジ101により、開閉可能に支持されている。裏機構盤102は中枠3にあって裏機構盤102の上下端の位置に設けられた一対のヒンジ103により、開閉可能に支持されている。遊技盤10(図3参照)は中枠3の表面側に着脱可能に取り付けられている。上端側にあるヒンジ101の配設位置からみて左側には、タンク球切れ検知スイッチ104をタンク底部に備えた賞球タンク105と、この賞球タンク105に接続されるタンクレール106とが取り付けられている。また、タンクレール106の右側には、球抜きレバー107が設けられ、その下流側には、補給球切れ検知スイッチ(図示を省略)が、さらに、その下流側には、裏側遊技装置としての賞球払出装置109が配設されている。
【0065】
続いて、遊技球の振り分け部(図示略)が賞球払出装置109の下流側に設けられている。タンクレール106の下側には、LED表示装置200(図3参照)を格納した蓋付きの裏ケース111が設けられ、この裏ケース111の下側には、後述する主制御部140(図7参照)として、裏側遊技装置としての遊技制御基板54{図8(a)参照}を格納した格納容器としての収納ボックス55が配設されている。収納ボックス55の背面下側には、発射制御部193(図7参照)として発射装置制御基板を格納した発射装置制御基板ケース113、及び発射制御集合中継基板(図示略)が設けられている。裏機構盤102の左下方部には、上述した発射装置ユニット(図示略)が、同じく右下方部には、払出制御部150(図7参照)として、払出制御基板350{図8(b)参照}を格納した格納容器としての払出制御基板ケース118が設けられている。収納ボックス55の右側上方に裏側遊技装置としての中継基板190が装着されている。
【0066】
中継基板190は、図7にも示すように、入賞球検知スイッチ318,19s〜22s等と主制御部140とを中継するための基板とされている。本実施例においては、収納ボックス55、中継基板190及び払出制御基板ケース118は、金属板(図示を省略)に着脱自在に装着され、この金属板は裏機構盤102に対して回動自在に懸架されている。
【0067】
一方、裏機構盤102の右上端部には、ヒューズボックス119、電源スイッチ120、電源ターミナル基板121及び大当り、発射装置制御、球切れ、扉開放、賞球、球貸し用等の遊技機枠用外部接続端子を備えた端子基板122が設けられている。また、外部からの電力の供給を受けるための電源ケーブル123も端子基板122の上側に配設されている。払出制御基板350{図8(b)参照}を格納した払出制御基板ケース118からは接続ケーブル124が上方へ延出し、電源ケーブル125を備えたプリペイドカードユニット13に接続されている。また、裏機構盤102の略中央下端部には、下皿部用球通路部材126が設けられている。なお、電源ターミナル基板121には、「RAMクリア信号」を発生させるための図示しないRAMクリアスイッチが接続されている。
【0068】
次に、本実施例のパチンコ機1の電子制御装置130について、図7〜図9を参照して説明する。まず、電子制御装置130は、主制御部140と、信号伝送経路500aにより、その主制御部140に接続された払出制御部(主として賞球の払出制御を行う賞球払出制御部)150、特別図柄制御部160、及び信号伝送経路500bにより特別図柄制御部160に接続された音声ランプ制御部170を含んで構成されている。主制御部140は、遊技制御基板54を備え、主制御部140以外の上記3つの制御部150、160、170はそれぞれ、払出制御基板350、特別図柄制御基板360、音声ランプ制御基板を備えている。
【0069】
遊技制御基板54は、図8(a)に示すように、CPU401を含む主回路部400と、入出力回路部500とを備えている(図17参照)。そして、この遊技制御基板54は、通常、開閉困難なケース(前述の収納ボックス55)に収納されている。
【0070】
また、入出力回路部500には、外部端子部145が接続され、この外部端子部145には、パチンコホールの「ホールコンピュータ」が接続される。そして、遊技制御基板54は、RAMクリア処理の実行後に、RAMクリア信号をONし、一定時間経過後にOFFするが、このRAMクリア信号をパチンコ機1の外部に出力し、パチンコホールのシステム等に報知できる。このため、不正行為者が判らない間に、パチンコホールの管理者側が不正行為を知ることができる。
【0071】
図18に示すように、CPU401はCPUコア480を備え、ROM482に格納された制御プログラムにより、RAM481をワークエリアとしてパチンコ機1全体の作動制御(すなわち、遊技の基本進行制御)を司る。また、ROM482に記憶された当否判定プログラムにより、CPU401が主体となって当否判断制御を行う(当否判定手段)。また、CPU401は、「識別情報制御手段」、「可変始動入賞口制御手段」、「確率変動手段」、「ベース管理手段」及び「ベース値変動手段」として機能する。
【0072】
主回路部400は、図17に示すように、CPU401、発振部410、リセット回路部450、I/Oデコード回路部420、データバス安定化部411、及び第1外部入力回路部430を有している。また、CPU401は、図18に示すように、CPUコア480、内蔵RAM481、内蔵ROM482、メモリ制御回路483、クロック発生器484、アドレスデコーダ485、ウオッチドッグタイマ486、カウンタ/タイマ487、パラレル入出力ポート488、リセット/割り込みコントローラ489、外部バスインターフェース490、出力制御回路491を備えている。
【0073】
図7に戻り、図8(a)に示す入出力回路部500には前記した信号伝送経路500aが接続され、入出力回路部500からその信号伝送経路500aへ、各制御部150、160、170へ処理内容を指示する指令信号たるコマンドデータを送信する。尚、主制御部140から各制御部150、160、170へは、一方向形式若しくは双方向形式でデータが伝送される。また、各制御部140〜170には、電源受電基板415から電源ユニット425、さらには分電基板435を介して電源が供給されており、後述する電源立上げ時のシステムリセット信号が全制御基板に送信される。
【0074】
中継基板190には、入賞球検知スイッチ318,19s〜22s等が接続され、中継基板190の出力端子は、主制御部140の入出力回路部500と接続されている。また、第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17s、普通図柄表示装置基板32f、各種ソレノイド17c,313、右普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ37s、左普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ36sが主制御部140の入出力回路部500に接続されている。
【0075】
払出用端子基板191には、タッチスイッチ9a、発射停止スイッチ9b、ヴォリュームスイッチ192、タンク球切れ検知スイッチ104及び補給球切れ検知スイッチ108等が接続され、払出用端子基板191の出力端子は、図8(b)に示す払出制御部150の入出力回路部700と接続されている。
【0076】
払出制御部150は、図8(b)に示すように、主制御部140と同様の主回路部600及び入出力回路部700を含んで構成され、入出力回路部700において図7に示す信号伝送経路500aに接続されている。また、入出力回路部700には、賞球払出装置109、発射装置制御部193等が接続されている。尚、図7に示すように、例えば、主制御部140に、設定スイッチ147等の設定装置を接続し、この設定装置によって、後述する設定値(ベース値設定値)を選択可能(例えば、パチンコホール側が日々の営業開始前に設定装置を操作し、選択可能とする。)としてもよい。この場合、パチンコホール側が、日々の営業開始前に、各遊技機毎に対し「持ち球維持(ベース値設定値=100)」、「持ち球増加(ベース値設定値>100)」、「持ち球減少(ベース値設定値<100)」等を設定することができる。また、この設定値(ベース値設定値)は、例えば、後述するRAM481の「設定値メモリ481s」に記憶することができる。
【0077】
特別図柄制御部160は、図9に示すように、演算回路構成要素として、CPU161と、RAM162と、ROM163と、入出力ポート164と、駆動回路167とを含み、それら演算回路構成要素はバス165により相互に接続して構成され、入出力ポート164において信号伝送経路500aに接続されている。入出力ポート164には、LED表示装置200が接続され、CPU161はROM163に格納された制御プログラムにより、RAM162をワークエリアとして中央装置16の作動制御を行なっている。
【0078】
さらに、枠飾りランプ基板4g等の各種ランプやサウンドジェネレーター188は、特別図柄制御部160の制御による特別図柄の変動・停止表示態様、リーチ発生の有無、リーチ表示態様(後述する)、特別遊技態様、及び遊技モード(確率変動、時短など)等に応じてその態様は制御される。その制御指令の指令信号は、音声ランプ制御部170を作動指令対象とする指令信号として、前記した信号伝送経路500bを介して送信される。
【0079】
なお、上述した特別図柄制御部160、及び音声ランプ制御部170は、主制御部140や払出制御部150と同様の回路部から構成されるものとすることもできる。すなわち、主回路部と入出力回路部とから構成されるものとし、内部にROM、RAMが内蔵されたCPUを用いることもできる。
【0080】
次に、賞球動作は、以下の順序で実行される。
主制御部140は、遊技球が入賞球検知スイッチ318を通過したら15個の賞球個数データを、第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17sを通過したら6個の賞球個数データを、それ以外の場合、例えば、左右下入賞口21、22の通過検知スイッチ21s、22sの通過を検知した場合などにおいては、10個の賞球個数データを、払出制御部150に対してその検知順に、払出制御部150を作動指令対象とする指令信号として、前記した信号伝送経路500aを介して送信する。(すなわち、固有賞球数はここでは、6個、10個あるいは15個である。)払出制御部150は、主制御部140からの賞球個数データを受け取り、賞球払出信号の送信により賞球払出装置109を作動させる。尚、払出制御部150、主制御部140及び賞球払出装置109によって、賞球払出手段の一具体例を構成している。
【0081】
また、主制御部140は、上述の各種検知スイッチの出力に基づいて遊技状態を判断し、また、その遊技状態に基づいて当否判定を行うとともに、判定内容に応じて対応する図柄表示態様で画像表示制御を行うためのデータを読み込む。例えば、主制御部140は、第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17s、入賞球検知スイッチ318等の検知結果や、特別図柄当否判定乱数の取得値などを使用して、遊技が行われていない客待ちの状態、遊技は行われているが始動入賞がない状態(変動準備状態)、始動入賞があった状態、及び特別遊技状態なども判断する。また、始動入賞が検知されると後述する乱数値に基づいて特別図柄の当否判定が行われ、その判定結果に基づいて特別図柄の変動(リーチ表示態様を含む)、または確定などの表示態様制御のためのデータが読み込まれる。このデータは、特別図柄制御部160を作動指令対象とする指令信号として、前記した信号伝送経路500aを介して送信される。
【0082】
次に、主制御部140により実行されるメインジョブについて図10等を参照して説明する。これは、主制御部140のROM482(図18参照)に格納されたプログラムに基づき、CPU401により実行されるジョブの一例である。先ず、スタックポインタをRAM481(図18参照)の所定のアドレスに設定した後(S10)、RAMクリアスイッチが操作(押下)されているか否かを判断し(S12)、操作されていればRAM481の初期化処理が行われ(S800)、操作されていなければ、バックアップフラグが設定されているか否かが判断される(S15)。そして、バックアップフラグが設定されていれば(S15:YES)、図11の「電源断に対する復電処理」が行われる。
【0083】
尚、本実施例では、停電等によって電源断が発生したときに、図11に示すように、使用レジスタをRAM481に退避し(S630)、スタックポインタの値をRAM481に保存する(S632)。そして、大入賞口ソレノイド、第1種始動口ソレノイドをOFFにし(S634)、賞球センサのポーリング処理時間(例えば、約85m秒)を設定し(S636)、賞球計数前センサ及び賞球計数後センサで遊技球の通過を監視する(S638)。次いで、ポーリング処理時間が経過すると(S640)、使用しているRAM481のチェックサム(チェックサム、バックアップフラグ、スタック領域は除く)を作成し(S642)、保存し、バックアップフラグをRAM481に設定する(S646)。そして、RAM481のアクセスを禁止し(S648)、無限ループ処理にて電源ダウンに備える。なお、上記無制限ループ処理に替えてHALT処理やSTOP処理を実行することも可能である。
【0084】
図12の「復帰処理」においては、チェックサムの算出(S664)を実行し、電源断時に保存していたチェックサムの値を比較し、一致しなければ、RAM481の初期化処理を行う(S800)。一致すれば、電源断前のスタックポインタを復帰し(S668)、バックアップフラグをクリアし(S670)、サブ基板を電源断前の状態に復帰させるためのコマンドを送信する(S672)。そして、各レジスタを電源断前の状態に復帰し(S674)、割込みの許可/不許可を電源断前の状態に復帰等し(S676,S678)、電源断前の番地に戻る(S680)。本実施例では、パチンコ機1に対し、電源断対策用のバックアップ電源を付加しているため、パチンコホールの停電時等においても、停電前に生じていた「遊技者にとって有利な情報」を保存できる。
【0085】
図10に戻り、バックアップフラグが設定されていなければ(S15:NO)、初期化終了の判定が行われる(S20)。初期化が終了していれば(S20:YES)、LEDジョブ(S30)からスイッチジョブ(S70)までのジョブが実行される。また、初期化が終了していなければ(S20:NO)、初期化ジョブ(S190)が実行され、再び、初期化終了の判定が行われる(S20)。尚、パチンコ機1が出荷状態から最初の電源投入時であったり、RAMクリアスイッチが操作(押下)されていたり、バックアップフラグに異常があったり、チェックサムが一致しなかった場合には、RAM481の初期化処理が行われる。
【0086】
LEDジョブ(S30)においては、普通図柄及び普通図柄未始動回数の表示態様データや、特別図柄未始動回数の表示態様データなどが出力される。等速乱数ジョブ(S40)では、後述するRAM481の特別図柄当否判定乱数メモリや汎用カウントメモリなどが更新される。非等速乱数ジョブ(S50)では、初期値カウンタ、外れ普通図柄乱数メモリ(図示略)が更新される。なお、汎用カウントメモリ(図示略)は、例えば割り込みごとの「0」〜「255」の値の作成や、コマンドジョブ、飾りジョブの実行などに使用される。
【0087】
また、音声ジョブ(S60)では、音楽や音声に関するデータの読み込みが行われ、スイッチジョブ(S70)では、各種検知スイッチの読み込みが行われる。すなわち、普通入賞信号などの各種信号が中継基板190を介して主制御部140に、発射停止検知信号、タッチ検知信号が発射装置制御部193に、ヴォリューム検知信号などの各種信号が払出用端子基板191を介して払出制御部150にそれぞれ取り込まれ、また、第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17sから始動入賞信号(第一種始動口入賞検知信号ともいう。)、大入賞装置31から特定入賞信号(入賞球検知信号ともいう。)、及び通過信号(普通図柄作動ゲート通過検知信号ともいう。)が主制御部140に取り込まれる。
【0088】
さらに、カウント検知スイッチ、カウント検知及び特定領域通過検知スイッチ等のスイッチ318(図7参照)に異常があるか否かが判定され(S80)、異常がなければ(S80:YES)、特別図柄メインジョブ(S90)から普通図柄メインジョブ(S100)までのジョブが実行される。また、異常(球詰まりや断線など)があれば(S80:NO)、エラージョブ(S130)が実行される。
【0089】
特別図柄メインジョブ(S90)においては、主制御部140と特別図柄制御部160とが協調して動作するために必要なデータに関するジョブが実行される。また、普通図柄メインジョブ(S100)では、普通図柄及び普通図柄未始動回数の表示態様データの読み込みが行われる。
【0090】
この後、各フラグ状態がバックアップメモリにセットされ(S140)、賞球信号ジョブ(S150)、情報信号ジョブ(S160)、コマンドジョブ(S170)、及び残余時間ジョブ(S180)が実行される。賞球信号ジョブ(S150)においては、賞球払出しに関するデータの読み込みや出力が行われ、情報信号ジョブ(S160)では、他の制御部への情報出力に必要なデータの読み込みが行われる。さらに、コマンドジョブ(S170)では、特別図柄管理等のためのコマンドの出力が行われ、残余時間ジョブ(S180)では、非等速乱数の呼出しが行われる。尚、残余時間ジョブ(S180)においても、初期値乱数の更新が行われる。
【0091】
次に、上記メインジョブの一連の流れの中で実行される、始動入賞(第一種始動口(普通電動役物)17への入賞)時の特別図柄に関する当否判定ジョブに関して図13及び図14を参照して説明する。なお、これらのジョブで使用する各種メモリ等は、図7に示す主制御部140のRAM481(図18参照)に格納され、代表的なもの(481a〜481n、481v、481w)を図15に示す。
【0092】
まず、S200において始動入賞があったか否かを確認し、Noであれば、S203に進み、特別図柄保留数メモリ481b(図15参照)に記憶されている保留数(未始動回数)の有無を判定する。保留数が無し(すなわちゼロ)であれば本処理を終了し、保留があればS245に進む。始動入賞があった場合(S200:Yes)には、S206に進み、保留数が4以上であるか否かを判定する。保留数が4以上であればS245に進み、保留数が4未満であればS210に進む。S210では保留数を1インクリメントする。そしてS220において、特別図柄当否判定乱数(以下、当否用乱数、又は判定乱数ともいう)および当り図柄乱数を発生させ(プログラムを発生させても、所定の乱数発生回路を用いてもいずれでもよい(当否用乱数発生手段))、S230において、これら当否判定乱数および当り図柄乱数を読み込む。こうして読み込んだ乱数値を、S240において、それぞれ特別図柄当否判定乱数メモリ481a(図15参照:以下、判定乱数メモリともいう)、大当り図柄決定乱数メモリ481dに記憶する。このメモリは、読み込んだ判定乱数値を始動入賞の時系列にシフトメモリ形式で記憶している。
【0093】
次に、変動開始時であれば、S250において、特別図柄当否乱数メモリ481a(図15参照)から記憶している最も古い先頭の当否判定乱数値及び大当り図柄決定乱数メモリ481dから当り図柄乱数値を読み出すと共に特別図柄当否乱数メモリ481aおよび大当り図柄決定乱数メモリ481dをシフトする。そして、S260において、特別図柄用の大当り番号メモリ(内蔵ROM482内にある)から大当り番号(当り用判定値)を読み出し、S270において、上記特別図柄当否判定乱数値との比較を行い、両者が一致していれば大当り判定となり、一致していなければ外れ判定となる。大当り判定の場合には、S280に進んで当り図柄乱数値を読み込み、大当り図柄決定乱数メモリ481dに記憶する。そしてS290にてリーチ態様決定乱数を発生させ、これを読み込んでリーチ態様決定乱数メモリ481kに記憶する。そしてS300において、「大当り」という判定結果(本実施例では「1」)を特別図柄判定結果メモリ481j(図15参照)に記憶する。
【0094】
一方、外れ判定となった場合は、S270からS310に進み、外れリーチジョブを行うかどうかを乱数により決定する。すなわち、S310において、リーチ態様決定乱数を発生させ、これを読み込み、他方、S320において、リーチ番号メモリ481i(図15参照)に記憶されているリーチ番号を読み出す。S330において、両者が一致していれば外れリーチジョブに、一致していなければ通常外れジョブとなる。
【0095】
外れリーチジョブの場合は、S380へ進み、「外れリーチ」という判定結果(本実施例では「2」)を特別図柄判定結果メモリ481j(図15参照)に記憶する。一方、通常外れジョブの場合は、S450に進み、S450において、「通常外れ」という判定結果(本実施例では「3」)を特別図柄判定結果メモリ481j(図15参照)に記憶する。
【0096】
次に、上記メインジョブの一連の流れの中で実行される、特別図柄メインジョブの概略の流れを図16を参照して説明する。まず、S500において、第一種始動口(普通電動役物)17への遊技球の入賞に基づき、LED表示装置200(図3参照)上で各特別図柄の変動表示を開始させる。
【0097】
次いで、S510において、特別図柄判定結果メモリ481j(図15参照)から図15に示す当否判定ジョブで得られた各入賞に対する判定結果を読み出す。具体的には、大当り判定(「1」)の場合は(S520:YES)、S530に進み、当り図柄を選択する。具体的には、当り図柄決定乱数値(識別情報決定用乱数)を発生させ、これを読み込んでその決定乱数値を大当り図柄決定乱数メモリ481d(図15参照)に記憶する。なお、当り図柄決定乱数値の読み込みは、始動入賞時に当否判定乱数と同時に読み込まれているが、当り判定決定と同時に、あるいは当り判定決定後所定の時間後に読み込むものとしてもよい。
【0098】
この当り図柄決定乱数値で指定される特別図柄は、特別図柄制御部160のROM163(図9参照)に格納されている特別図柄画像データに基づいて、LED表示装置200(図3参照)に、変動表示状態を経た後、定められた配列態様で表示される(例えば、「7、7、7」の3桁同一図柄の配列態様)。なお、上記特別図柄画像データを当り図柄決定乱数値と対応付けて識別情報決定用値として主制御部140のRAM481(図18参照)に記憶しておき、読み込んだ当り図柄決定乱数値と識別情報決定用値とを比較することで停止表示する図柄を決定するものとしてもよい。
【0099】
そして、S540にて当り変動パターンを選択する。これは大当り図柄決定乱数と同時にリーチ態様決定乱数を発生させ、これを読み込んでその決定乱数値をリーチ態様決定乱数メモリ481k(図15参照)に記憶することにより行なう。リーチ態様決定乱数値で指定されるリーチ表示態様は、特別図柄制御部160のROM163(図9参照)に格納されたリーチ表示態様画像データに基づいて、LED表示装置200(図3参照)に、変動表示状態を経た後、定められたリーチ態様で表示される。なお、この場合も、上記リーチ表示態様画像データをリーチ態様決定乱数値と対応付けてリーチ態様決定用値として、主制御部140のRAM481(図18参照)のリーチ態様決定用値メモリ481l(図15参照)に記憶しておき、読み込んだリーチ態様決定乱数値とリーチ態様決定用値とを比較することで表示するリーチ態様を決定するものとしてもよい。そして例えば左図柄及び右図柄を同一図柄に揃えて所定のリーチ表示態様を経た後に、中図柄を左図柄及び右図柄と同一図柄に揃えて停止表示させ確定させ、本処理を終了する。
【0100】
一方、外れの場合は(S520:NO)、S550に進み、外れ変動パターンを選択し、S560にて外れ図柄を選択して所定のリーチ表示態様を経た後に、図柄を停止表示させ確定させ、本処理を終了する。
従来は、停止させる識別情報を決定し、その決定された識別情報に応じて変動パターンを決定していたため、決定され得る識別情報の配列数に応じて、変動パターンを決定する処理が複雑化していた。この点、パチンコ機1によると、変動パターンを先に選択するので、変動パターンの選択過程を簡略にすることができる。
【0101】
大当り判定により、LED表示装置200(図3参照)には所定の配列態様で特別図柄が確定表示されると(例えば、「7、7、7」の3桁同一図柄の配列態様)、その後、特別遊技が実行される(特別遊技状態もしくは大当り遊技状態)。特別遊技状態においては、まず、大入賞装置31(図3参照)の開閉板312が開放状態となり、大入賞口311への遊技球の入賞が遊技者にとって優位な遊技球受入状態となる。
【0102】
この特別遊技状態においては、大入賞装置31は、終了条件が成立するまで遊技球受入状態が継続される。例えば、開放状態が所定時間t1(例えば30秒)経過したとき、もしくは入賞球検知スイッチ318(図7参照)に所定数n1(例えば10個)の入賞が検知されたときに終了条件が成立し、遊技球受入状態が一旦終了して、開閉板312が閉鎖状態となって1ラウンドが終了する。この開閉板312が閉鎖されて所定時間t2(例えば1.5秒)が経過した後に、所定の継続条件(図示しない特定領域への通過)が成立していれば、再び開閉板312が開放状態となり大入賞装置31が遊技球受入状態となる。なお、このような終了条件までを1ラウンドとする遊技球受入状態は、所定の最高継続ラウンド数(本実施例では16ラウンド)まで繰り返し継続される。また、終了条件成立時に継続条件が不成立の場合は、特別遊技状態がそのラウンドで終了(いわゆるパンク)するものとなっている。
【0103】
ところで、パチンコ機1においては、当り判定により中央装置16のLED表示装置200(図3参照)に停止表示された特別図柄の種類に基づき、上記特別遊技状態の終了後、次の大当りまで当否判定の確率(大当り確率)を変更(向上)させる確率変動手段が備えられている。具体的には、予め記憶されている上記当り図柄決定乱数値が、確率変動用乱数値と非確率変動用乱数値とから構成され、各乱数値の取得に応じて確率変動用図柄又は非確率変動用図柄が停止表示される。その停止表示された図柄が確率変動用図柄の場合、確率変動手段によって、「確率変動信号」が出力され、上記特別遊技状態終了後、次の大当りまで当否判定の確率(大当り確率)が通常の約4〜5倍に向上するものとされている。ここで、前述のCPU401が主体となり、上記確率変動手段として機能する。また、上記「確率変動用図柄」は、「特別な図柄の組み合わせ」の一具体例を示している。但し、上記「確率変動用図柄」を、単一の図柄(即ち、「特別な図柄」)で構成することもできる。
【0104】
尚、確率変動されるか否かは、第2表示部27によって遊技者に示される。これについて図19を用いて説明する。図19は中央装置16を第一種始動口(普通電動役物)17と共に拡大した図である。ここで第2表示部27の説明をする前にLED表示装置200についても触れておく。LED表示装置200の前記セグメント体は、赤・緑・青のLEDが背後に設けられており、これら3色の組み合せによって、黄、白など様々な色を表示可能にされている。またこれらセグメント体の背景をなす部分26の背後にも別途、赤・緑・青のLEDが設けられており、背景の色のみを変えることが可能にされている。
【0105】
一方、第2表示部27には、1〜9、0、および2個のVの計12個の文字が形成されており、各文字の背後にLEDが設けられている。普段はこのLEDは消灯されているが、LED表示装置200に当り図柄が表示されると、12個の文字の内の1文字の背後のLEDが点灯(以下、「文字が点灯」という)され、しかもその点灯される文字が変化される。変化の態様は、次のようである。
【0106】
最初に点灯された文字が消灯され、その左の文字が点灯される。そしてその文字が消灯され、その更に左の文字が点灯される。これを高速(例えば100ms周期)で繰り返すことにより、点灯される箇所が左へ移動するように見える。こうして点灯される文字が左端のVになると、消灯後に点灯させる文字を右にし、点灯される箇所が右へ移動して見えるようにする。こうして点灯される文字が右端のVになると、再び消灯後に点灯させる文字を左にする。以上を所定時間(例えば、5秒)繰り返すことにより、点灯される箇所を左右方向に往復させ、いずれか1個の文字を点灯した状態で変動を停止させる。これを以下、第2表示部27の変動表示という。
【0107】
このとき点灯されていた文字が、左端のV、1〜5の内のいずれかであると確率変動は行なわれず、6〜9、0、右端のVの内のいずれかであると確率変動が行なわれる。なお、12個の各文字の下には各3個のLED62が設けられており、それらの色は、左端のV、1〜5の下にあるものが緑、6〜9、0、右端のVの下にあるLED62が赤となっている。この色を見ても遊技者は確率変動するか否かを知ることができる。更に、第2表示部27の変動表示が終了すると、LED表示装置200の下に設けられている報知ランプ263、264のいずれかが点灯される。確率変動する際には報知ランプ263、確率変動しない際には報知ランプ264が点灯され、これによっても遊技者は確率変動するか否かを知ることができる。
【0108】
更に、第2表示部27の変動表示の結果に応じ、LED表示装置200の表示色が変化される。前後するが、第2表示部27が変動表示される前にLED表示装置200に表示される図柄配列は[表1]に示す7通りの内の何れかとなっている。
【0109】
【表1】
【0110】
ここで「黄1、黄1、黄1」は、1のゾロ目が黄色で表示されることを示している。つまり、これらの内の1つがLED表示装置200に表示されると、とりあえず大当りとなる。そして第2表示部27の変動表示の結果に応じ、LED表示装置200に表示された図柄配列の色が[表2]に示すように変化される。
【0111】
【表2】
【0112】
[表2]の見方は次のようである。すなわち、本表の左から2番目に表示されている○は、第2表示部27の変動表示前にLED表示装置200に表示された配列を意味している。そして上下方向に仕切られてなる7個のグループは、第2表示部27の変動表示後に変化しうる色を示している。例えば、黄1、黄1、黄1で当った場合は、第2表示部27の変動表示後に、「赤1、赤1、赤1」「青1、青1、青1」「黄1、黄1、黄1」「緑1、緑1、緑1」のいずれかに変化される。つまり、この4通りの中には第2表示部27の変動表示前と色が変化しないものもある。
【0113】
そして5番目のグループすなわち「黄5、黄5、黄5」で当った場合だけは変化の仕方が3通りとなっており、その他は全て4通りとなっている。[表2]の右から2番目の欄は確率変動するか否かを示しており、「確変」が確率変動する(確率が既に変動している場合はその状態が維持される)、「通常」が確率変動しない(確率が既に変動している場合は低下する)を意味している。[表2]の最も右の欄は、第2表示部27の変動表示後に確率変動する表示上の確率をグループ毎に示している。例えば、「黄1、黄1、黄1」で当った場合(第1グループ)は50%の確率で確率変動し、「青3、青3、青3」で当った場合(第3グループ)は100%の確率で確率変動する(いずれも表示上)。尚、表2において、「通常」と標記された図柄の組合せが、「特定の組合せ」の具体例を示し、表2において、「確変」と標記された図柄の組合せが、特別な図柄の組合せの具体例を示している。
【0114】
[表2]に示すように遊技機1においては、数字によらず赤、もしくは青の図柄が表示されたときに確率変動し、数字によらず緑、黄、もしくは白の図柄が表示されたときに確率変動しないようにされている。また、LED表示装置200の図柄は、第2表示部27の変動表示が行なわれている間、色調が変化される。例えば、「黄1、黄1、黄1」が「青1、青1、青1」になり更に「赤1、赤1、赤1」になり、第2表示部27の変動表示が停止すると[表2]の第1グループの内の一つ(例えば「緑1、緑1、緑1」)になる。
【0115】
ここで、図16のS550で行なわれる外れ変動パターン選択処理について図20に示す。特別図柄判定結果メモリ481j(図15参照)に記憶された判定結果がリーチを経ない外れの場合は(S700:NO)、S705に進み、確率変動中か否かを判定する。確率変動中の場合はS710に進み、入賞から5秒経過したか否かを判定する。経過している場合はS715に進み、高確率時における保留数に応じたデータテーブルを選択し、更にS730に進んでそのデータテーブルより変動パターン選択用の乱数を使用して変動パターンを決定する。一方、入賞から5秒経過していない場合(S710:NO)は、S720に進み、高確率時における5秒経過していない場合のデータテーブルを選択してS730に進む。
【0116】
S705で確率変動していないと判定された場合はS740に進み、入賞から5秒経過したか否かを判定する。経過している場合はS745に進み、低確率時における保留数に応じたデータテーブルを選択し、S730に進む。一方、入賞から5秒経過していない場合(S740:NO)は、S750に進み、低確率時における5秒経過していない場合のデータテーブルを選択してS730に進む。
【0117】
特別図柄判定結果メモリ481j(図15参照)に記憶された判定結果が、外れリーチ判定(「2」)の場合は(S700:YES)、S760に進み、確率変動中か否かを判定する。確率変動中の場合はS765に進み、高確率時の変動用のデータテーブルを選択してS730に進む。一方、確率変動していない場合(S760:NO)はS770に進み、低確率時の変動用のデータテーブルを選択してS730に進む。
【0118】
S770で選択されるデータテーブルの内容を図21に示す。まず、リーチ態様決定乱数メモリ481kに記憶された乱数値が100未満か否かを判定し(S810)、100未満でなければS815に進んで前記乱数値が255未満か否かを判定する。255以上であれば、本処理を終了する。なお、前記乱数値が255以上になることは通常はあり得ないので、S815の判定は不測の事態に備えたエラー処理の一種となっている。
【0119】
一方、乱数値が255未満の場合(S815:Yes)はS820に進み、前記乱数値が164未満か否かを判定する。164未満であれば、S825に進んで変動パターン7を選択し、本処理を終了する。ここで変動パターンとはいわゆるリーチアクションのことであり、パチンコ機1では15通りの変動パターンを備えている。これについて[表3]に示す。
【0120】
【表3】
【0121】
[表3]に示すように変動パターン1〜4はリーチではない外れで行なわれる態様、変動パターン5〜15はリーチ状態で行なわれる態様となっている。
【0122】
前記乱数値が164以上であれば(S820:No)、S830に進み、前記乱数値が228未満か否かを判定する。228未満であれば、S835に進んで変動パターン8を選択し、本処理を終了する。前記乱数値が228以上であれば(S830:No)、S840に進み、前記乱数値が237未満か否かを判定する。237未満であれば、S845に進んで変動パターン9を選択し、本処理を終了する。前記乱数値が237以上であれば(S840:No)、S850に進んで変動パターン12を選択し、本処理を終了する。
【0123】
S810でYes、すなわち前記乱数値が100未満と判定された場合には、S860に進み、前記乱数値が50未満か否かを判定する。50未満であれば、S865に進んで変動パターン6を選択し、本処理を終了する。前記乱数値が50以上であれば、S870に進んで変動パターン5を選択し、本処理を終了する。低確率時に外れリーチが発生した場合の変動用の変動パターンが、以上のようにして選択される。前記乱数値と変動パターンの関係は[表4]のようになる。
【0124】
【表4】
【0125】
つまり前述した15種類の変動パターン中の6種類の中から選択している。このように6種類の変動パターンから選択する場合、S820〜S850のようにして全ての変動パターンを決めると、前記乱数値が最も大きい場合に選択される変動パターン(ここでは変動パターン12)は、5回も比較判定を受ける必要がある。これに対し、図21の処理のように前記乱数値が100未満であるか否かを判定することにより2分することにより、変動パターン12でも4回(S815は含まない)の比較判定で選択される。なお、図21の処理において、S820〜S850を更に2分、すなわちS815でYesと判定した後に前記乱数値が228未満か否かを判定し、228未満であった場合には更にその乱数値が164未満か否かを判定してパターンを選択するようにし、一方、前記乱数値が228以上であった場合には更にその乱数値が237未満か否かを判定してパターンを選択するようにすれば、比較判定の回数を最高でも3回に減らすことができる。また、6個の変動パターンを3つずつ2分し、S810の比較判定を100未満か否かではなく、164未満か否かにしても比較判定の回数を最高3回に減らすことができる。
【0126】
また、リーチ状態となっている図柄(つまり左図柄、右図柄)から1つ手前の図柄で中図柄が停止する変動パターン8([表3]参照)や同じく2つ手前の図柄で中図柄が停止する変動パターン7([表3]参照)が発現する確率が、他の変動パターンよりも高くされているため、遊技者に「おしい」と感じさせる変動パターンがより多く発生され、遊技興趣を高めることができる。
【0127】
なお、S765で選択されるデータテーブル、すなわち確率変動中に表示される外れリーチの内容は、[表5]のようになっている。
【0128】
【表5】
【0129】
このように確率変動中に表示される外れリーチの変動パターンは、[表4]に示したものよりも多いものの、図21と略同様、まず乱数値を大きく2分したのち、更に対応する閾値と比較することにより変動パターンが選択されていく。
【0130】
S745で選択されるデータテーブルの内容を図22,23に示す。まず、保留数が3個以上の場合の外れ表示低確率保留選択の処理を図22に示す(本図では便宜上保留3と表示)。本処理ではまずリーチ態様決定乱数メモリ481kに記憶された乱数値が12未満か否かを判定する(S900)。12未満であれば、S905に進んで変動パターン2を選択し、本処理を終了する。ここで変動パターンとは図柄の変動時間が互いに異なるようにされた変動態様のことであり、パチンコ機1では4通りの変動パターンを備えており、変動時間が長い順に変動パターン1、変動パターン2、変動パターン3、変動パターン4となっている。前記乱数値が12以上であれば(S900:No)、S910に進み、前記乱数値が25未満か否かを判定する。25未満であれば、S915に進んで変動パターン3を選択し、本処理を終了する。前記乱数値が25以上であれば(S910:No)、S920に進み、変動パターン4を選択し、本処理を終了する。つまり保留数が3個以上の場合は、変動パターン1は選択されず、選択される確率が高い順に変動パターン4、変動パターン3、変動パターン2となっている。
【0131】
次に、保留数が0個の場合の外れ表示低確率保留選択の処理を図23に示す。本処理ではまずリーチ態様決定乱数メモリ481kに記憶された乱数値が192未満か否かを判定する(S950)。192未満であれば、S955に進んで変動パターン1を選択し、本処理を終了する。変動パターンの意味は図22と同じである。前記乱数値が192以上であれば(S950:No)、S960に進み、前記乱数値が230未満か否かを判定する。230未満であれば、S965に進んで変動パターン2を選択し、本処理を終了する。前記乱数値が230以上であれば(S960:No)、S970に進み、変動パターン3を選択し、本処理を終了する。つまり保留数が0の場合は、変動パターン4は選択されず、選択される確率が高い順に変動パターン1、変動パターン2、変動パターン3となっている。
【0132】
なお、同様の処理が保留数1、保留数2の場合に対応して存在する。各保留数と乱数値に応じて各変動パターンが選択される割合を[表6]に示す。
【0133】
【表6】
【0134】
変動時間の単位は秒である。この表から分かるように、パチンコ機1では、保留数ごとに3種類〜4種類の変動時間(単位は秒)の異なる変動パターンを選択するようにされている。各保留数に対する変動時間の平均値(選択のされ易さの重みを付けたもの)は、保留数0のときが11.1秒、保留数1のときが10.4秒、保留数2のときが 6.5秒、保留数3以上のときが 5.3秒となっている。これにより、変動時間が画一的(例えば、保留数が0なら変動パターン1に固定、保留数が1なら変動パターン2に固定)ではなくなり、遊技者の興趣を引き付けることができる。
【0135】
なお、第2表示部27は、図3に示す釘23が打ち込まれている遊技領域11の面よりも奥に配置されており、この面と同一面に設けられた透明板により遊技領域11と隔離されている。これについて図24に示す。図24は、中央装置16のA−A断面(図19参照)である。本図の左方が遊技者がいる側、右方が図6に示した裏面側の構造物がある側である。本図に示すように第2表示部27の大部分は、遊技領域11よりも盤面奥方向に配置されている。そして遊技球64が入球口272(入球口273(図19参照)でも可)に入ると、矢印P→Q→Rのように盤面奥方向へと導かれ、遊技領域11の面と同一面に設けられた透明板66と、第2表示部27の計12個の文字が形成された樹脂製板68との間の空間に入りこむ。なお、正確には樹脂製板68の遊技者側にはもう1枚、透明板69が配置されており、遊技球64が当たっても樹脂製板68に傷がつかないようにしてある。符号74は文字を点灯させるためのLEDユニットである。
【0136】
透明板66と樹脂製板68との間の空間に入りこんだ遊技球64は、手型の緩衝部材70(入球口273から入った場合は緩衝部材71(図19参照))に弾かれてこの空間内の斜面72を転動し、左端のVや1〜5(入球口273から入った場合は右端のVや6〜9、0)の前を横ぎって球出口73から遊技領域11へ戻る。この様子は、透明板66を通して遊技者が見ることができる。また、透明板66は、遊技領域11と同一面に配設されているため、遊技者から見て透明板66の手前側も遊技球64が通過する。このように第2表示部27の手前を遊技球64が通過でき、透明板66を隔てて更にその手前も遊技球64が通過できるという斬新な構成となっている。遊技球64の動きに更に変化を与えるので、娯楽性や興趣が向上させることができる。球出口73から出た遊技球は、高い確率で第一種始動口(普通電動役物)17(図19参照)に入賞する。
【0137】
なお、緩衝部材70、71は板バネ76にて第2表示部27の透明板69と同一位置の面25に固定されている。この仕組みを図25に示す。図25(b)は緩衝部材70を裏側から見た様子であり、図25(a)は図25(b)を上方から見た図である。本図に示すように板バネ76は両端が鉤状に曲がっており、その一方が緩衝部材70、他方が面25に埋めこまれている。これにより、遊技球64が緩衝部材70に衝突すると矢印Sのように揺れるので、遊技球64の動きに更に豊かになり、娯楽性や興趣が一層向上させることができる。緩衝部材71も略同様に板バネを介して面25に揺動可能に固定されている。なお、図19に示すように緩衝部材70、71の人差指70aが指し示している方向は第2表示部27の中央、すなわち遊技球64が転動して行く方向となっている。これにより、遊技球64が転動する方向が示されるので遊技者に不安を与えないようにすることができる。
【0138】
また、本実施例においては、例えば、第2表示部27の変動表示の後、LED表示装置200の図柄は色が変化されるのみであったが、数字も(または数字のみが)変わるようにしてもよい。この例としては、「黄1、黄1、黄1」が「黄4、黄4、黄4」や「青7、青7、青7」に変わることが挙げられる。また[表2]に示した27通り以外の図柄、例えば、「白7、白7、白7」に変わるようにしても良い。第2表示部27の変動表示の前にLED表示装置200に表示される図柄を[表1]に示したものよりも増やしても良い。また、第2表示部27の変動表示中は、LED表示装置200の数字の色調を変化されたが、LED表示装置200の数字の明度を変えたり、明度・色調の双方を変えたりしても良い。
【0139】
また、[表5]に示した変動パターンは4種類とも変動時間が異なっていたが、次に示す[表7]のように同じ変動時間が同じものを含んでいても良い。
【0140】
【表7】
【0141】
変動時間の単位は秒である。これ以外にも、変動パターン2と変動パターン3の各変動時間が互いに同じものにしたり、変動パターン3と変動パターン4の各変動時間が互いに同じものにしたりしてもよい。
【0142】
また、第2表示部27の変動表示のさせ方を変えても良い。例えば、点灯される箇所を単純に左右方向に往復させるのではなく、移動の速度(つまり、点灯させている時間)を徐々に速くしたり逆に遅くしたりしてもよい。また、移動しているかのように見せるのではなく、最初に全ての文字を点灯させ、1〜2個ずつ消灯させていってもよい。この場合、途中で確率変動となる箇所が多く残る(つまり点灯されている)ような消灯のさせ方をすると「確率変動する可能性が高い」という期待感を遊技者に持たせることができる。逆に確率変動となる箇所が少なくなるような消灯のさせ方をしてもよい。また、最初に点灯される文字を乱数で決めても良い。
【0143】
保留数に応じて変動時間を変える制御において、ある保留数においては変動時間を固定しても良い。すなわち、0〜4個の5種類の保留数において、例えば、保留数が1のときは変動パターン2または3のどちらかから選ぶが、保留数が0、2、3、4のときはそれぞれ変動パターン1、2、3、4に固定する、としても良い。
【0144】
次に、上記メインジョブの一連の流れの中で実行される、普通図柄の当否判定ジョブに関して図26を参照して説明する。なお、これらのジョブで使用する各種メモリ等は、図7に示す主制御部140のRAM481(図18参照)に格納され、代表的なもの(481p〜481s)を図15に示す。
【0145】
まず、S1200において、始動ゲート(即ち、普通図柄作動ゲート36、37の何れか)を、遊技球が通過したか否かを確認し、NOであれば、S1203に進み、普通図柄保留数メモリ481q(図15参照)に記憶されている保留数(未始動回数)の有無を判定する。保留数が無し(すなわちゼロ)であれば本処理を終了し、保留があればS1245に進む。一方、始動ゲート(即ち、普通図柄作動ゲート36、37の何れか)を、遊技球が通過した場合(S1200:YES)には、S1206に進み、保留数が4以上であるか否かを判定する。保留数が4以上であればS1245に進み、保留数が4未満であればS1210に進む。S1210では保留数を1インクリメントする。そしてS1220において、普通図柄の当否判定乱数値(以下、普通図柄判定乱数値という。)を発生させ、S1230において、この当否判定乱数値を読み込む。こうして読み込んだ普通図柄判定乱数値を、S1240において、普通図柄当否判定乱数メモリ481pに記憶する。このメモリは、読み込んだ普通図柄判定乱数値を、始動ゲート通過の時系列にシフトメモリ形式で記憶している。
【0146】
次に、変動開始時であれば、S1250において、普通図柄判定乱数メモリ481p(図15参照)から記憶している最も古い先頭の普通図柄判定乱数値を読み出すと共に、普通図柄判定乱数メモリ481pをシフトする。次いで、S1260において、普通図柄用の大当り番号メモリ(内蔵ROM482内にある)から大当り番号(当り用判定値)を読み出し、S1270において、上記普通図柄判定乱数値との比較を行い、両者が一致していれば当り判定となり、一致していなければ外れ判定となる。そして、当り判定の場合には、S1300において、「当り」という判定結果(本実施例では「1」)を普通図柄判定結果メモリ481q(図15参照)に記憶する。また、外れ判定の場合には、S1303において、「外れ」という判定結果(本実施例では「2」)を普通図柄判定結果メモリ481q(図15参照)に記憶する。
【0147】
次に、上記メインジョブの一連の流れの中で実行される、普通図柄メインジョブの概略の流れを図27を参照して説明する。まず、S1500において、始動ゲート(即ち、普通図柄作動ゲート36、37の何れか)を遊技球が通過することに基づき、普通図柄表示装置32の表示領域で、普通図柄の変動表示を開始させる。
【0148】
次いで、S1510において、普通図柄判定結果メモリ481p(図15参照)から判定結果を読み出し、更に、S1515において、確率変動中(確変中)であるか否かを判断する。この確率変動中とは、一般に、確率変動手段によって、「確率変動信号」が出力されると共に、所定の特別遊技状態終了後、次の大当りまで特別図柄の当否判定の確率(大当り確率)が向上している(例えば、通常の約4〜5倍に向上している)状態を指す。
【0149】
確率変動中でない場合(S1515;NO)には、S1520において、通常の開放パターンを選択する。そして、S1510で読み出された判定結果が、当り判定(「1」)の場合は(S1525:YES)、S1530に進み、当り図柄(7)を選択する。また、S1510で読み出された判定結果が、外れ判定(「2」)の場合は(S1525:NO)、S1535に進み、外れ図柄(1〜6、8、9のうちの何れか)を選択する。尚、S1520の「通常の開放パターン」は、「特別遊技中でなく、しかも、確率変動中でない場合」と、「特別遊技中の場合」の「開放パターン」を示しており、例えば、第一種始動口(普通電動役物)17が一定時間(例えば、0.5秒)開放される態様を示している。
【0150】
一方、確率変動中(但し、特別遊技中を除く)の場合(S1515;YES)には、S1550において、ベース値と、ベース値設定値とを読み込む。尚、このベース値設定値は、パチンコホールの側が目標とするベース値であり、例えば、前述の設定スイッチ147によって変更することができる。
【0151】
このように、ベース値と、ベース値設定値とを読み込んだ後に、S1555において、ベース値を適正な値に調整すること(ベース値設定値により近い値にすること)を目的に、開放パターンの選択が行われる。ここで、この開放パターンの選択は、図28にも示すように、ベース値調整用の開放パターン選択ジョブ(以下、開放パターン選択ジョブという。)によって行うことができる。尚、上記「ベース値設定値」としては、例えば、100%、80%等の種々の値を選択することができる。
【0152】
この開放パターン選択ジョブにおいては、図28に示すように、ベース値に応じて、3つのデータテーブルが用意されている。換言すると、実施例1では、可変始動入賞口{第一種始動口(普通電動役物)17}の開放時間テーブルが、複数設けられ、確率変動中(特別遊技中を除く)のベース値によって、開放時間テーブルを選択し、可変始動入賞口{第一種始動口(普通電動役物)17}の開放時間を調整し、ベース値の調整や管理を行う態様が述べられている。具体的には、ベース値が、(ベース値設定値+3%)よりも大きい場合には(S1600;YES)、S1605において、第一種始動口(普通電動役物)17の開放時間を短くした(例えば、開放時間Aを0.2秒とする。)「開放パターン」が選択される。これにより、第一種始動口(普通電動役物)17への入賞確率を下げ、徐々にベース値をベース値設定値に近づけることができる。
【0153】
また、ベース値が、(ベース値設定値+3%)以下であって(S1600;NO)、(ベース値設定値−3%)以上である(S1610;YES)場合には、第一種始動口(普通電動役物)17の開放時間を、前述の「通常の開放パターン」より長くした(例えば、開放時間Bを1秒とする。)「開放パターン」が選択される。この場合、ベース値が適正な値に調整されおり、通常の開放パターンを用いてもよいが、敢えて、開放時間を長くすることで、確率変動中の球持ちを特によくすると共に、遊技者の期待感を向上させることができる。
【0154】
更に、ベース値が、(ベース値設定値−3%)未満の場合(S1610;NO)には、第一種始動口(普通電動役物)17の開放時間を、前述の「通常の開放パターン」よりも更に長くした(例えば、開放時間Cを3秒とする。)「開放パターン」が選択される。これにより、第一種始動口(普通電動役物)17への入賞確率を上げ、徐々にベース値をベース値設定値に近づけることができる。
【0155】
図27に戻り、S1510で読み出された判定結果が、当り判定(「1」)の場合は(S1560:YES)、S1565に進み、当り図柄(7)を選択する。また、S1510で読み出された判定結果が、外れ判定(「2」)の場合は(S1560:NO)、S1570に進み、外れ図柄(1〜6、8、9のうちの何れか)を選択する。
【0156】
以上の如く、実施例1によると、確率変動中(特別遊技中を除く)において、普通図柄作動ゲート36、37の何れかを、遊技球が通過し、普通図柄の変動し、普通図柄の当り表示がなされるという、視認可能な契機が存在することを前提にして、第一種始動口(普通電動役物)17の「開放パターン」を選択(制御)し、第一種始動口(普通電動役物)17への入賞確率を調整・変動する。これにより、ベース値を変動させ、このベース値をベース値設定値に近づけている。このように、視認可能な契機が存在することを前提にして、第一種始動口(普通電動役物)17の開放時間を調節するため、遊技者に対し、不信感を与えることはない。
【0157】
また、釘調整のみに依存することなく、入賞率(ベース値)を調節できる。従って、高確率遊技状態が付与された状況で、遊技者が次の大当りの権利を獲得しようとする際に、入賞率(ベース値)のばらつきを少なくしたり、無くすることができるため、遊技者は次の大当りへの期待感を十分に維持できる。更に、入賞率(ベース値)のばらつきを生ずる釘調整のみに依存せずに、ベース値を調節するため、ベース値の管理が容易である。
【0158】
(2)実施例2
【0159】
実施例2では、第一種始動口(普通電動役物)17の「開放頻度」を選択し、ベース値を調整する態様について述べる。尚、実施例2は、普通図柄メインジョブと、ベース値調整用のジョブ(実施例1では、図28に示すジョブ)が異なる他は、実施例1と同様である。
【0160】
先ず、実施例2の普通図柄メインジョブの概略の流れを図29を参照して説明する。まず、S2500において、始動ゲート(即ち、普通図柄作動ゲート36、37の何れか)を遊技球が通過することに基づき、普通図柄表示装置32の表示領域で、普通図柄の変動表示を開始させる。次いで、S2510において、普通図柄判定結果メモリ481p(図15参照)から判定結果を読み出し、更に、S2515において、確率変動中であるか否かを判断する。
【0161】
確率変動中でない場合(S2515;NO)には、S2520において、通常の変動パターン(例えば、変動時間を6秒とする。)を選択する。そして、S2510で読み出された判定結果が、当り判定(「1」)の場合は(S2525:YES)、S2530に進み、当り図柄(7)を選択する。また、S2510で読み出された判定結果が、外れ判定(「2」)の場合は(S2525:NO)、S2535に進み、外れ図柄(1〜6、8、9のうちの何れか)を選択する。尚、S2520の「通常の変動パターン」は、「特別遊技中でなく、しかも、確率変動中でない場合」と、「特別遊技中の場合」の「変動パターン」を示している。
【0162】
一方、確率変動中(但し、特別遊技中を除く)の場合(S2515;YES)には、実施例1と同様にして、S2550において、ベース値と、ベース値設定値とを読み込む。このように、ベース値と、ベース値設定値とを読み込んだ後に、S2555において、ベース値を適正な値に調整すること(ベース値設定値により近い値にすること)を目的に、変動パターンの選択が行われる。ここで、この変動パターンの選択は、図30に示すように、ベース値調整用の変動パターン選択ジョブ(以下、変動パターン選択ジョブという。)によって行うことができる。尚、上記「ベース値設定値」としては、例えば、100%、80%等の種々の値を選択することができる。
【0163】
この変動パターン選択ジョブにおいては、ベース値に応じて、3つのデータテーブルが用意されている。換言すると、実施例2では、普通図柄の変動時間テーブルが、複数設けられ、確率変動中(特別遊技中を除く)のベース値によって、この変動時間テーブルを選択し、可変始動入賞口{第一種始動口(普通電動役物)17}の開放頻度を調整し、ベース値の調整や管理を行う態様が述べられている。具体的には、ベース値が、(ベース値設定値+3%)よりも大きい場合には(S2600;YES)、S2605において、普通図柄の変動時間を長くした(例えば、変動時間Dを8秒とする。)「変動パターン」が選択される。このように、普通図柄の変動時間を長くすることで、所定時間当たりの第一種始動口(普通電動役物)17の開放回数を少なくし、これにより、第一種始動口(普通電動役物)17への入賞確率を下げ、徐々にベース値をベース値設定値に近づけることができる。
【0164】
また、ベース値が、(ベース値設定値+3%)以下であって(S2600;NO)、(ベース値設定値−3%)以上である(S2610;YES)場合には、S2615において、普通図柄の変動時間を、前述の「通常の変動パターン」より短くした(例えば、変動時間Eを5秒とする。)「変動パターン」が選択される。この場合、ベース値が適正な値に調整されおり、通常の変動パターンを用いてもよいが、敢えて、変動時間を短くすることで、第一種始動口(普通電動役物)17の開放頻度・入賞確率を高め、確率変動中の球持ちを特によくすると共に、遊技者の期待感を向上させることができる。
【0165】
更に、ベース値が、(ベース値設定値−3%)未満の場合(S2610;NO)には、普通図柄の変動時間を、前述の「通常の変動パターン」よりも更に短くした(例えば、変動時間Fを2秒とする。)「変動パターン」が選択される。このように、普通図柄の変動時間を短くすることで、所定時間当りの第一種始動口(普通電動役物)17の開放頻度を高くし、これにより、第一種始動口(普通電動役物)17への入賞確率を上げ、徐々にベース値をベース値設定値に近づけることができる。
【0166】
図29に戻り、S2510で読み出された判定結果が、当り判定(「1」)の場合は(S2560:YES)、S2565に進み、当り図柄(7)を選択する。また、S2510で読み出された判定結果が、外れ判定(「2」)の場合は(S2560:NO)、S2570に進み、外れ図柄(1〜6、8、9のうちの何れか)を選択する。
【0167】
以上のように、実施例2によると、確率変動中(特別遊技中を除く)において、普通図柄作動ゲート36、37の何れかを、遊技球が通過し、普通図柄の変動し、普通図柄の当り表示がなされるという、視認可能な契機が存在することを前提にして、第一種始動口(普通電動役物)17の「開放頻度」を選択(制御)し、第一種始動口(普通電動役物)17への入賞確率を調整・変動する。これにより、ベース値を変動させ、このベース値をベース値設定値に近づけている。このように、視認可能な契機が存在することを前提にして、所定時間当たりの第一種始動口(普通電動役物)17の開放頻度を調節するため、本遊技機1を使用する遊技者に対し、不信感を与えることはない。
【0168】
また、実施例1と同様に、釘調整のみに依存することなく、入賞率(ベース値)を調節できる。従って、高確率遊技状態が付与された状況で、遊技者が次の大当りの権利を獲得しようとする際に、入賞率(ベース値)のばらつきを少なくしたり、無くすることができるため、遊技者は次の大当りへの期待感を十分に維持できる。更に、釘調整のみに依存せずに、ベース値を調節するため、ベース値の管理が容易である。
【0169】
(3)実施例3
【0170】
実施例3においても、実施例2と同様に、第一種始動口(普通電動役物)17の「開放頻度」を選択し、ベース値を調整する態様について述べる。尚、実施例3も、普通図柄メインジョブと、ベース値調整用のジョブ(実施例1では、図28に示すジョブ)が異なる他は、実施例1と同様である。
【0171】
先ず、実施例3の普通図柄メインジョブの概略の流れを図31を参照して説明する。まず、S3500において、始動ゲート(即ち、普通図柄作動ゲート36、37の何れか)を遊技球が通過することに基づき、普通図柄表示装置32の表示領域で、普通図柄の変動表示を開始させる。次いで、S3510において、普通図柄判定結果メモリ481p(図15参照)から判定結果を読み出し、更に、S3515において、確率変動中であるか否かを判断する。
【0172】
確率変動中でない場合(S3515;NO)には、S3510で読み出された判定結果が、当り判定(「1」)の場合は(S3525:YES)、S3530に進み、当り図柄(7)を選択する。また、S3510で読み出された判定結果が、外れ判定(「2」)の場合は(S3525:NO)、S3535に進み、外れ図柄(1〜6、8、9のうちの何れか)を選択する。尚、上記当り判定(「1」)を得る確率は、例えば、80%とされている。
【0173】
一方、確率変動中(特別遊技中を除く)の場合(S3515;YES)には、実施例1と同様にして、S3550において、ベース値と、ベース値設定値とを読み込む。このように、ベース値と、ベース値設定値とを読み込んだ後に、S3555において、ベース値を適正な値に調整すること(ベース値設定値により近い値にすること)を目的に、普通図柄の当り確率を維持するか、変更するかの選択が行われる。ここで、この当り確率変動の選択は、図32に示すように、「当り確率の選択ジョブ」によって行うことができる。尚、上記「ベース値設定値」としては、例えば、100%、80%等の種々の値を選択することができる。
【0174】
この当り確率の選択ジョブにおいては、ベース値に応じて、3つのデータテーブルが用意されている。換言すると、実施例3では、普通図柄の当り確率のテーブルが複数設けられ、確率変動中(特別遊技中を除く)のベース値によって、この当り確率のテーブルを選択し、可変始動入賞口{第一種始動口(普通電動役物)17}の開放頻度を調整し、ベース値の調整や管理を行う態様が述べられている。
【0175】
具体的には、ベース値が、(ベース値設定値+3%)よりも大きい場合には(S3600;YES)、ベース値が高くなり過ぎている。このため、S3510で読み出された判定結果が、当り判定(「1」)であるか否かを判断し(S3605)、外れ判定(「2」)の場合(S3605;NO)には、「当り確率の選択ジョブ」を終了する。一方、当り判定(「1」)である場合(S3605;YES)には、S3608に進んで、判定結果{即ち、当り判定(「1」)}を、外れ判定(「2」)に変更し、「当り確率の選択ジョブ」を終了する。つまり、ベース値が、(ベース値設定値+3%)よりも大きい場合には、普通図柄が当りとなる確率を「0%」にすることで、所定時間当たりの第一種始動口(普通電動役物)17の開放をなくす。これにより、第一種始動口(普通電動役物)17への入賞確率を下げ、徐々にベース値をベース値設定値に近づけることができる。
【0176】
また、ベース値が、(ベース値設定値+3%)以下であって(S3600;NO)、(ベース値設定値−3%)以上である(S3610;YES)場合には(、ベース値が適正な値に調整されているため、「当り確率の選択ジョブ」を直ちに終了する。よって、普通図柄が当りとなる確率は、確率変動中でない場合(S3515;NO)と同様な確率(例えば、80%)とされる。
【0177】
更に、ベース値が、(ベース値設定値−3%)未満の場合(S3610;NO)には、ベース値が低くなり過ぎている。このため、S3510で読み出された判定結果が、当り判定(「1」)であるか否かを判断し(S3620)、当り判定(「1」)の場合(S3620;YES)には、「当り確率の選択ジョブ」を終了する。一方、外れ判定(「1」)の場合(S3620;NO)には、S3625に進んで、判定結果{即ち、外れ判定(「2」)}を、当り判定(「1」)に変更し、「当り確率の選択ジョブ」を終了する。つまり、ベース値が、(ベース値設定値−3%)よりも低い場合には、普通図柄が当りとなる確率を「100%」にすることで、所定時間当たりの第一種始動口(普通電動役物)17の開放頻度を高くする。これにより、第一種始動口(普通電動役物)17への入賞確率を上げ、徐々にベース値をベース値設定値に近づけることができる。
【0178】
図31に戻り、当り確率の選択ジョブの後、この当り確率の選択ジョブによって、変更若しくは維持された判定結果が、当り判定(「1」)の場合は(S3560:YES)、S3565に進み、当り図柄(7)を選択する。また、外れ判定(「2」)の場合は(S3560:NO)、S3570に進み、外れ図柄(1〜6、8、9のうちの何れか)を選択する。
【0179】
以上のように、実施例3によると、確率変動中(特別遊技中を除く)において、普通図柄作動ゲート36、37の何れかを、遊技球が通過し、普通図柄の変動し、普通図柄の当り表示がなされるという、視認可能な契機が存在することを前提にして、第一種始動口(普通電動役物)17の「開放頻度」を選択(制御)し、第一種始動口(普通電動役物)17への入賞確率を調整・変動する。これにより、ベース値を変動させ、このベース値をベース値設定値に近づけている。このように、視認可能な契機が存在することを前提にして、第一種始動口(普通電動役物)17の開放頻度を調節するため、遊技者に対し、不信感を与えることはない。
【0180】
また、実施例1と同様に、釘調整のみに依存することなく、入賞率(ベース値)を調節できる。従って、高確率遊技状態が付与された状況で、遊技者が次の大当りの権利を獲得しようとする際に、入賞率(ベース値)のばらつきを少なくしたり、無くすることができるため、遊技者は次の大当りへの期待感を十分に維持できる。更に、入賞率(ベース値)のばらつきを生ずる釘調整のみに依存せずに、ベース値を調節するため、ベース値の管理が容易である。
【0181】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
【0182】
上記実施例1〜3では、開放パターン選択ジョブ、変動パターン選択ジョブ、及び当り確率の選択ジョブにおいて、各々3つのデータテーブルを用意したが、用意するデータテーブルの数は、2つであったり、4つ以上であってもよい。特に、データテーブルの数を多くする(例えば、5つ以上にする)と、ベース値をよりきめ細かく、調整・管理でき、好ましい。
【0183】
また、パチンコ機1の制御方法も他の態様であっても実施できる。例えば、主制御部140と特別図柄制御部160、音声ランプ制御部170、又は払出制御部150等(以下、副制御部ともいう)との間での制御に関して主制御部140から出力されるコマンドの種類や主制御部140の制御負担を極力抑制した制御態様の遊技機にも適用できる。
【0184】
この制御態様における、例えば主制御部140と特別図柄制御部160との間のコマンド送信に関して説明すると、特別図柄の制御において、主制御部140は特別図柄制御部160に対して変動コマンド、停止図柄コマンド、及び変動停止コマンドを送信し、特別図柄制御部160では変動コマンドを受けて、複数の変動態様から乱数等による抽選で変動態様を決定する。各コマンドの送受信時期、順序についても、情報伝達の確実性や、多様な遊技態様の実現、あるいは不正防止等の観点から種々の技術が採用される。
【0185】
このようにすることで、様々な効果を発揮する。機種変更の際には、異機種においても主制御プログラムを共用でき、副制御プログラムについてのみ変更すれば済むこととなり設計変更容易となる。また、第三者検査機関による検査についても容易にできる。更に、主制御部140の負担軽減や副制御部での制御自由度の向上により多様な遊技効果を実現可能となる。
【0186】
また、副制御部同士(2以上)についても送信可能とすることができる。尚、上記では主制御部140と副制御部又は副制御部間において送信するとしたが、送信とは一方向であっても双方向であってもどちらでも良い。
また、樹脂製板68は透明板69により保護されていたが、透明板69を排除しても良い。その際には、樹脂製板68を硬質な(または柔軟性に富む)材質により成形して、遊技球64が衝突しても傷がつきにくくするとよい。
【0187】
また、緩衝部材70、71を板バネ76以外の弾性体で支持してもよい。その一例を図21(c)に示す。本図に示す態様では、板バネ76の代わりに渦巻バネ77を用いている。渦巻バネ77の一端77aを面25に、他端77bを緩衝部材70に固定することにより緩衝部材70は矢印Tのように揺れる。また、このように板バネ76や渦巻バネ77ではなくコイルバネで支持したり、こうしたバネなどを設けることなく、緩衝部材70自体に弾性を持たせても良い。
【0188】
テレビ受像機やコンピュータディスプレイ等の画像表示装置において、パチンコ機1が稼働している様子を表示するプログラムをビデオゲーム機やパーソナルコンピュータに実行させることにより擬似的に遊技を行なわせるようにしてもよい。
【0189】
【発明の効果】
以上のように、本発明によると、高確率遊技状態におけるベース値(入賞率)を斬新な方法で調整し、ベース値(入賞率)のばらつきを生じさせない遊技機が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の各実施例に係る遊技機を示す正面図である。
【図2】本発明の各実施例に係る遊技機において、前面枠を開いた状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の各実施例に係る遊技機の遊技盤を示す正面図である。
【図4】本発明の各実施例に係る遊技機において、槌先球検知スイッチ及びファール球センサを示すために、上皿部等を取り外した状態の正面図である。
【図5】(a)は本発明の各実施例に係る遊技機において、集合カバー及び排出球検知手段を説明するための背面図、(b)は図5(a)のa−a縦断面図である。
【図6】本発明の各実施例に係る遊技機を示す裏面図である。
【図7】本発明の各実施例に係る遊技機が備える電子制御装置を示すブロック図である。
【図8】(a)は本発明の各実施例に係る遊技機が備える電子制御装置を構成する主制御部の説明図であり、(b)は本発明の各実施例に係る遊技機が備える電子制御装置を構成する枠制御部の説明図である。
【図9】本発明の各実施例に係る遊技機が備える電子制御装置を構成する特別図柄制御部の説明図である。
【図10】本発明の各実施例に係る遊技機の主制御部が行うメインジョブを説明するためのフローチャートである。
【図11】本発明の各実施例に係る遊技機において、電源断(停電等)が発生したときの処理を示すフローチャートである。
【図12】本発明の各実施例に係る遊技機において、電源断(停電等)が発生したときの復電処理を示すフローチャートである。
【図13】本発明の各実施例に係る遊技機において、特別図柄当否判定ジョブを説明するためのフローチャートの一部である。
【図14】本発明の各実施例に係る遊技機において、特別図柄当否判定ジョブを説明するためのフローチャートの一部である。
【図15】本発明の各実施例に係る遊技機において、主制御部の内蔵RAMに格納された各種メモリ等の代表例を示す説明図である。
【図16】本発明の各実施例に係る遊技機において、特別図柄メインジョブの概略を説明するためのフローチャートである。
【図17】本発明の各実施例に係る遊技機において、主制御部を示す説明図である。
【図18】本発明の各実施例に係る遊技機において、主制御部を構成するCPUを示す説明図である。
【図19】本発明の各実施例に係る遊技機において、中央装置を第一種始動口(普通電動役物)と共に拡大した図である。
【図20】本発明の各実施例に係る遊技機において、外れ変動パターン選択処理のフローチャートである。
【図21】本発明の各実施例に係る遊技機において、低確率変動用データ選択の処理のフローチャートである。
【図22】本発明の各実施例に係る遊技機において、保留数が3個以上の場合に実行される外れ表示低確率保留選択の処理のフローチャートである。
【図23】本発明の各実施例に係る遊技機において、保留数が0個の場合に実行される外れ表示低確率保留選択の処理のフローチャートである。
【図24】図19のA−A断面図である。
【図25】本発明の各実施例に係る遊技機において、緩衝部材70、板バネ76の説明図である。
【図26】本発明の各実施例に係る遊技機において、普通図柄当否判定ジョブを説明するためのフローチャートである。
【図27】本発明の実施例1に係る遊技機において、普通図柄メインジョブの概略を説明するためのフローチャートである。
【図28】本発明の実施例1に係る遊技機において、開放パターン選択ジョブの概略を説明するためのフローチャートである。
【図29】本発明の実施例2に係る遊技機において、普通図柄メインジョブの概略を説明するためのフローチャートである。
【図30】本発明の実施例2に係る遊技機において、変動パターン選択ジョブの概略を説明するためのフローチャートである。
【図31】本発明の実施例3に係る遊技機において、普通図柄メインジョブの概略を説明するためのフローチャートである。
【図32】本発明の実施例3に係る遊技機において、当り確率の選択ジョブの概略を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1;遊技機
11;遊技領域
17:可変始動入賞口{第一種始動口(普通電動役物)}
17s;始動入賞検知手段{第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ}
19〜22;普通入賞口(左入賞口19、右入賞口20、左下入賞口21、右下入賞口22)
19s〜22s;普通入賞検知手段(左下入賞口通過検知スイッチ21s、右下入賞口通過検知スイッチ22s、左入賞口通過検知スイッチ19s、右入賞口通過検知スイッチ20s)
24;7セグメント表示装置(第1表示領域)
32;普通図柄表示装置(第2表示領域)
36、37;始動ゲート(普通図柄作動ゲート)
36s、37s;通過検知手段(普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ)
200;LED表示装置(可変表示装置)
311;可変入賞口(大入賞口)
318;特定入賞検知手段(入賞球検知スイッチ)
401;CPU(識別情報制御手段、可変始動入賞口制御手段、確率変動手段、ベース管理手段、ベース値変動手段)
G;槌先球検知スイッチ(遊技球検知手段)
H;ファール球センサ
M;排出球検出手段。
【発明の属する技術分野】
本発明は遊技機に関し、特にいわゆるセブン機、羽根物、権利物又はアレンジボール等の弾球遊技機や、スロットマシン等のコイン式遊技機などの遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、弾球遊技機としては、いわゆるセブン機、権利物、あるいはアレンジボール等と呼ばれる種々のゲーム内容のものが普及している。このうち、セブン機では、所定領域(例えば可変始動入賞口)に遊技球が入賞すると、可変表示装置の第1表示領域(例えば、特別図柄表示装置で構成)に図柄を変動表示させる(一回の変動表示で1ゲームとなる)。そして、その可変表示装置の第1表示領域表示状態が特定のものとなった場合に(例えば、大当り時には、まずリーチ表示を行い、そして3つの表示部に表示される図柄の組合わせが「7,7,7」等の特定のゾロ目の組合わせになった場合に)、大入賞口等の特定入賞口が開放されるように構成されている。かかる大入賞口は、所定個数の遊技球が入賞するか、所定時間が経過することにより一旦閉鎖されるが、上記開放中において大入賞口内に形成された特定領域を遊技球が通過していれば再び開放し、この開放及び閉鎖の動作を最大16回繰り返す(いわゆる特別遊技)ように構成されている。
【0003】
こうした遊技機では、可変表示装置の第1表示領域に表示される図柄が変動中である間に、可変始動入賞口などに入賞した遊技球があった場合は、所定記憶個数(通常4個)を上限にその入賞などした遊技球の数を記憶するよう構成されている。そして、可変表示装置の第1表示領域における図柄の変動が停止し、表示された図柄が当り図柄でなければ、記憶している入賞球があれば記憶数が1減らされ、図柄が再び変動表示される。
【0004】
次に、アレンジボールでは、可変表示装置が特定のゾロ目表示状態となることにより、チューリップ式電動役物などの特定入球口が所定時間開放し、この開放した特定入球口内の特定領域を遊技球が通過することにより、大当り状態となる。そして、大当り状態になると、通常時には無効である通過ゲートが所定ゲーム経過するまで有効となり、この有効となった通過ゲートに遊技球が通過すると可変入球口が開放するように構成されている。
【0005】
このように、所定のゾロ目条件が成立して特定入賞口が遊技客に有利な状態になると、セブン機等の各種弾球遊技機の遊技者は、特定入賞口(この場合アタッカー)内の特定領域に対し、所定時間内に遊技球を通過させて大当り状態を発生させ、又は大当り状態を継続させて、大量の賞球の獲得をしようとするのである。
【0006】
ここで、大当り時の図柄(当り図柄)に応じて、特別遊技終了後の遊技に大当りとなる確率が高くなる(いわゆる確率変動状態)高確率遊技状態が付与される機種がある。例えば、当り図柄が「7,7,7」、「3,3,3」であるときに高確率遊技状態が付与されるように構成されている。一方、当り図柄が一旦表示された後、特別遊技に入る前に当り図柄を再変動させる演出(いわゆる再抽選)をする機種がある。この場合、表示された当り図柄が「7,7,7」、「3,3,3」であれば、高確率遊技状態が付与され、大当りの権利を得やすくなっている。
【0007】
更に、前記各弾球遊技機においては、所定領域(例えば、始動ゲート)を遊技球が通過すると、前記可変表示装置の第2表示領域(例えば、普通図柄表示装置で構成)に、図柄(例えば、普通図柄)を変動表示させる。そして、第2表示領域の表示状態が所定のもの(例えば、当り表示)となった場合(例えば、「7,7」や「7」)、チューリップ式電動役物を備えた可変始動入賞口が所定時間(例えば、0.5秒)開放されるように構成されている。この場合、前記高確率状態が付与されていると、可変始動入賞口の開放時間が長く設定されている。
【0008】
一般的に、これらの遊技機においては、遊技球が入賞装置に入る確率(入賞率)を、遊技盤面上に配設される釘の向きや曲がり角度、あるいは釘同士の間隔などで設定していた。この作業は経験が必要とされ、熟練者であっても満足する入賞率が得られない作業である。
【0009】
即ち、前記高確率遊技状態が付与された状況であっても、所詮は確率に左右され、大当りの権利を得るまでのゲーム数には差が生じる。例えば、大当りの権利を得るまでのゲーム数が多くなるほど、可変始動入賞口への遊技球の流下集中によって賞品球の払い出しが多くなる場合と、可変始動入賞口への遊技球の流下が集中せず大当り中に獲得した遊技球(賞品球)が減少してしまう場合とが発生する。つまり、各遊技機に施された釘調整の具合によって、各遊技機毎に「球持ち」にばらつきを生ずる。尚、遊技店側では、高確率遊技状態が付与された状況で入賞率を低くするように釘調整を行うことが一般的である。
【0010】
このため、前記各遊技機において、釘調整のみに依存することなく、入賞率を調整することが行われている。例えば、特開平10−52550号公報には、入賞率を調整するため、遊技球の始動ゲートの通過、普通図柄の変動、普通図柄の当否とは無関係に、可変始動入賞口を強制的に開放させる遊技機が提案されていた(以下、これを先行技術という)。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
このように、上述した先行技術では、強制的な可変始動入賞口の開放が、遊技球の通過または入賞などによる視認可能な契機によって行われるものではないため、遊技者に不信感を与える原因となっていた。
【0012】
即ち、入賞率が高い遊技機においては、可変始動入賞口の強制的な開放は行われず、逆に入賞率が低い遊技機においては、可変始動入賞口の強制的な開放が行われる。しかし、前者の遊技機を遊技する遊技者は、現実に入賞率が高い状態で有利に遊技を進めているにも関わらず、可変始動入賞口の開放特典(強制的な開放)を得ることができないため、あたかも、不利な状態で遊技を進めているのではないかとの不信感(錯覚)を抱くことがあるからである。
【0013】
また、前記高確率遊技状態が付与された状況において、遊技者の興味は次の大当りの権利を獲得することにあるが、釘調整による入賞率(ベース値)のばらつきによって、持ち球が減少することが殆どであり、遊技者にとって大当りへの期待感が薄れてしまい、面白みに欠けるという問題もあった。
【0014】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、高確率遊技状態における入賞率を斬新な方法で調整し、入賞率(ベース値)のばらつきを生じさせない遊技機を提供することにある。
【0015】
本発明の他の目的は、高確率遊技状態における入賞率(ベース値)の調整を、より簡単な方法で行うことができる遊技機を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
係る課題を解決するためになされた請求項1に記載の本発明は、
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技盤に設けられ、第1表示領域および第2表示領域を有する可変表示装置と、
同じく前記遊技盤に設けられる普通入賞口、可変始動入賞口、可変入賞口および始動ゲートと、を備え、
前記普通入賞口は、遊技球が通過したことを検知し普通入賞信号を出力する普通入賞検知手段を有し、
前記可変始動入賞口は、遊技球が通過したことを検知し始動入賞信号を出力する始動入賞検知手段を有し、
前記始動ゲートは、遊技球が通過したことを検知し通過信号を出力する通過検知手段を有し、
前記始動入賞検知手段が出力する始動入賞信号に応じて、複数の変動態様の中から選択された変動態様を経て第1識別情報を前記第1表示領域に表示させ、
前記通過検知手段が出力する通過信号に応じて、識別情報制御手段によって所定の変動態様を経て第2識別情報を前記第2表示領域に表示させ、
前記第1識別情報が予め定められた特定の図柄若しくは特定の図柄の組合せ、又は、特別な図柄若しくは特別な図柄の組合せとなったとき、特定条件によって前記可変入賞口を遊技者に有利な状態に変化させる遊技機であって、
前記第2識別情報が予め定められた所定の図柄又は所定の図柄の組合せとなったとき、前記可変始動入賞口を所定の開放パターンによって遊技者に有利な状態に変化させる可変始動入賞口制御手段と、
前記第1識別情報が前記特別な図柄又は特別な図柄の組合せとなったとき、前記第1識別情報が特定の図柄若しくは特定の図柄の組合せ、又は、特別な図柄若しくは特別な図柄の組合せとなる確率を変動させ、確率変動信号を出力する確率変動手段と、
少なくとも前記確率変動手段によって前記確率が変動されたとき、ベース値を逐一管理し、ベース値を出力するベース管理手段と、
前記確率変動信号及び前記ベース値に応じて、前記可変始動入賞口への入賞確率を変動させて前記ベース値を変動させるベース値変動手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0017】
ここで、請求項1の発明の「可変始動入賞口制御手段」は、「遊技球が始動ゲートを通過する」等の視認可能な契機によって可変始動入賞口の開放(開閉)を制御するものである。具体的には、「第2識別情報が予め定められた所定の図柄又は所定の図柄の組合せとなったときのみに、可変始動入賞口を所定の開放パターンによって遊技者に有利な状態に変化させる可変始動入賞口制御手段」を例示できる。更に具体的には、「遊技球が始動ゲートを通過し、可変表示装置の第2表示領域に、所定の変動態様を経て第2識別情報が表示され、この第2識別情報が所定の当り表示(予め定められた所定の図柄又は所定の図柄の組合せ)となったときのみに、可変始動入賞口を所定の開放パターンによって遊技者に有利な状態に変化させる可変始動入賞口制御手段」を例示できる。
【0018】
請求項1の発明では、視認可能な契機(例えば、遊技球の始動ゲートの通過、普通図柄の変動、普通図柄の当り表示等)によって、可変始動入賞口の開放(開閉)の制御等を行う。これにより、可変始動入賞口への入賞確率を変動させ、ベース値を変動・調整する。このため、この可変始動入賞口の開放(開閉)の制御等がなされても、遊技者に対して不信感を与えることはない。尚、「可変始動入賞口の開放(開閉)の制御」としては、「可変始動入賞口の開放時間の制御」や、「可変始動入賞口の開放頻度の制御」等を例示できる。
【0019】
また、本発明によれば、釘調整のみに依存することなく、入賞率(ベース値)を調節できる。従って、高確率遊技状態が付与された状況で、遊技者が次の大当りの権利を獲得しようとする際に、入賞率(ベース値)のばらつきを少なくしたり、無くすることができるため、遊技者は次の大当りへの期待感を十分に維持できる。更に、釘調整のみに依存せずに、ベース値を調節するため、遊技店におけるベース値の管理が容易である。
【0020】
本発明の「第1識別情報」としては、例えば、「特別図柄」を例示でき、「第2識別情報」としては、例えば、「普通図柄」を例示できる。この場合、「可変表示装置の第1表示領域」が特別図柄を表示する特別図柄表示部となり、「可変表示装置の第2表示領域」が普通図柄を表示する普通図柄表示部となる。また、第1表示領域と第2表示領域とは一体とされても(以下、前者という。)、別体とされても(以下、後者という。)よい。尚、前者の具体例としては、例えば、可変表示装置に設けられる1つの表示部の一部(主要部)を第1表示領域とし、この表示部の他部を第2表示領域とする場合を例示できる。また、後者の具体例としては、可変表示装置が独立した2つの表示部を備えると共に、一方の表示部(例えば、特別図柄表示部)が第1表示領域を構成し、他方の第2表示領域(例えば、普通図柄表示装置)を構成する場合を例示できる。
【0021】
本発明の「普通入賞口」は、遊技球が入賞すると、賞品球の払い出しのみを、遊技機に行わせることになる入賞口である。尚、「可変始動入賞口」は、遊技球が入賞すると、賞品球の払い出しを遊技機に行わせることになると共に、可変表示装置の第1表示領域における図柄の変動(例えば、図柄変動を経て第1識別情報を表示させること)の開始等をさせることになる入賞口である。また、「可変入賞口」は、可変表示装置の第1表示領域に表示された第1識別情報が、予め定められた特定の図柄若しくは特定の図柄の組合せ、又は、特別な図柄若しくは特別な図柄の組合せとなったときに開放され、他の入賞口(例えば、普通入賞口や可変始動入賞口等)に比べて入賞を容易にする機能を有する入賞口であり、例えば、大入賞口(特定入賞口の一具体例)を例示できる。
【0022】
本発明の「第1識別情報が予め定められた特定の図柄若しくは特定の図柄の組合せ、又は、特別な図柄若しくは特別な図柄の組合せとなったとき」とは、例えば、「複数の変動態様の中から選択された変動態様を経た第1識別情報として、大当り図柄が表示されたとき」を例示できる。また、「第1識別情報が予め定められた特別な図柄又は特別な図柄の組合せとなったとき」とは、例えば、「第1識別情報として確率変動図柄が表示されたとき」を例示できる。尚、本発明において、「ベース値の管理とベース値を出力」は、「確率変動手段によって特定の図柄若しくは特定の図柄の組合せ、又は、特別な図柄若しくは特別な図柄の組合せとなる確率が変動されたとき(以下、確率変動状態という。)」のみに行われてもよいし、この確率変動状態のとき及び確率変動状態でないときの双方に行われてもよい。
【0023】
また、「第2識別情報が予め定められた所定の図柄又は所定の図柄の組合せとなったとき」とは、「所定の変動態様を経て第2識別情報として、当り図柄が表示されたとき」を例示できる。更に、「可変始動入賞口が所定の開放パターンによって遊技者に有利な状態に変化する」とは、例えば、可変始動入賞口が開放状態に変化すること、即ち、この可変始動入賞口が、遊技球を入賞させ易い状態に変化することをいう。
【0024】
「ベース値」とは、特別遊技中(大当り時)を除く遊技時において、遊技者の持ち球が減っていくスピードを数値化したもの(遊び率)である。例えば、特別遊技中(大当り時)を除く遊技時において、所定時間(例えば、1分間)に、遊技機から賞品球として払いだれる遊技球の数(A)」の「遊技球発射制御手段によって遊技領域に放出された(打ち込まれた)遊技球の数(B)」に対する割合(%)として示すことができる{(A/B)×100(%)なる式で示すことができる}。
【0025】
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の遊技機において、遊技球発射制御手段によって放出された遊技球を検知し発射球信号を出力する遊技球検知手段、又は前記普通入賞口と前記可変始動入賞口と前記可変入賞口の何れにも入賞せず遊技領域外へ排出される遊技球を検知し排出球信号を出力する排出球検知手段、の少なくとも1つを備えると共に、
前記ベース管理手段は、前記発射球信号又は排出球信号の少なくとも1つと、前記普通入賞信号と、前記始動入賞信号とによってベース値を逐一管理し、ベース値を出力することを特徴とする。
【0026】
このような遊技機によると、前記発射球信号又は排出球信号の少なくとも1つと、前記普通入賞信号と、前記始動入賞信号とによって、より正確且つ確実にベース値を管理したり、変動さたりすることができる。ここで、発射信号を用いてベース値の管理を行う場合には、前記{(A/B)×100(%)}なる式によって、特別遊技中(大当り時)を除く遊技時におけるベース値を算出できる。但し、遊技球検知手段の配置個所によっては、この遊技球検知手段のみによって遊技領域に放出された(打ち込まれた)遊技球の数を計数することができない場合がある。即ち、遊技球検知手段によって検知(計数)される遊技球の数には、遊技領域に放出された遊技球の数のみならず、遊技領域に到達せずにファール球となった遊技球の数も含まれる可能性がある。この場合、「遊技球発射制御手段によって遊技領域に放出された(打ち込まれた)遊技球の数(B)」は、「遊技球検知手段で検知(計数)される遊技球の数(D)からファール球の数(F)を減じた数」で示される。よって、発射信号を用いてベース値の管理を行うと共にファール球を考慮する必要がある場合には、{A/(D−F)}なる式によって、特別遊技中(大当り時)を除く遊技時におけるベース値を算出できる。
【0027】
また、排出球信号を用いる場合には、特別遊技中(大当り時)を除く遊技時におけるベース値を以下のように算出できる。即ち、「特別遊技中(大当り時)を除く遊技時における所定時間(例えば、1分間)に、遊技機から賞品球として払い出された遊技球の数(A)」と、「同所定時間に普通入賞口と可変始動口と可変入賞口の何れにも入賞せず遊技領域外へ排出される遊技球の数(J)」と、「同所定時間に普通入賞口に入賞した遊技機球の個数と、同所定時間に可変始動入賞口に入賞した遊技機球の個数との和(K)」を用いて算出できる。つまり、{A/(J+K)}なる式によって算出できる。
【0028】
請求項3に記載の本発明は、請求項1又は請求項2に記載の遊技機において、前記ベース値変動手段は、前記開放パターンとして、予め定められた複数の開放パターンの中から一つの開放パターンを選択させることを特徴とする。
【0029】
請求項3に記載の本発明では、ベース値変動手段が、ベース管理手段から出力されるベース値に応じて、可変始動入賞口の開放パターンを選択し、この可変始動入賞口への入賞確率を変動させ、ベース値が目標とする値に近づくようにする。ここで、「開放パターン」としては、「可変始動入賞口の開放時間や開放速度等によって区別される開放パターン」を例示できる。例えば、開放時間が異なる複数の開放パターンを用意する。そして、ベース管理手段から出力されたベース値と、ベース値の設定値(目標値)とを比較し、出力されたベース値が許容範囲内(設定値を基準とする許容誤差の範囲内)にあると判断されると、可変始動入賞口への入賞確率に変化を与えないか、僅かな変化を与えるような開放パターンを選択する。また、出力されたベース値が、高すぎると判断されると、可変始動入賞口の開放時間を短くする(開放時間を「零」にすることも含む。)ような開放パターンを選択し、可変始動入賞口への入賞確率を低下させる。更に、出力されたベース値が、低すぎると判断されると、可変始動入賞口の開放時間を長くするような開放パターンを選択し、可変始動入賞口への入賞確率が高められる。
【0030】
請求項4に記載の本発明は、請求項1乃至3の何れか一項に記載の遊技機において、前記ベース値変動手段は、前記識別情報制御手段によって表示される所定の変動態様として、予め定められた複数の変動態様の中から1つの変動態様を選択させることを特徴とする。
【0031】
請求項4に記載の本発明では、ベース値変動手段が、ベース管理手段から出力されるベース値に応じて、識別情報制御手段によって表示される変動態様を選択することで、この可変始動入賞口への入賞確率を変動させ、ベース値が目標とする値に近づくようにする。例えば、普通図柄の変動態様として、普通図柄の変動時間を例示できる。そして、変動時間が異なる複数の変動態様(変動パターン)を用意し、ベース管理手段から出力されたベース値と、ベース値の設定値(目標値)とを比較し、出力されたベース値が許容範囲内(設定値を基準とする許容誤差の範囲内)にあると判断されると、普通図柄の変動時間に変化を与えないか、僅かな変化を与えるような変動態様を選択する。また、出力されたベース値が、高すぎると判断されると、普通図柄の変動時間が長い変動態様を選択し、可変始動入賞口の開放頻度を低くし、可変始動入賞口への入賞確率を低下させる。更に、出力されたベース値が、低すぎると判断されると、普通図柄の変動時間が短い(変動時間を「零」にすることも含む。)変動態様を選択し、可変始動入賞口の開放頻度を高くし、可変始動入賞口への入賞確率を高くする。
【0032】
請求項5に記載の本発明は、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の遊技機において、前記ベース値変動手段は、前記第2識別情報が予め定められた所定の図柄又は所定の図柄の組合せとなる確率を変動させることを特徴とする。
【0033】
請求項5に記載の本発明では、ベース値変動手段が、ベース管理手段から出力されるベース値に応じて、第2識別情報が予め定められた所定の図柄又は所定の図柄の組合せ(例えば、第2識別情報の当り表示)となる確率を変動させることで、この可変始動入賞口への入賞確率を変動させ、ベース値が目標とする値に近づくようにする。例えば、ベース管理手段から出力されたベース値と、ベース値の設定値(目標値)とを比較し、出力されたベース値が許容範囲内(設定値を基準とする許容誤差の範囲内)にあると判断されると、普通図柄が当りとなる確率を変化させないか、僅かに変化させる。また、出力されたベース値が、高すぎると判断されると、普通図柄が当りとなる確率を低くし(確率を「零」にすることも含む。)、可変始動入賞口の開放頻度を低くし、可変始動入賞口への入賞確率を低下させる。更に、出力されたベース値が、低すぎると判断されると、普通図柄が当りとなる確率を高くし、可変始動入賞口の開放頻度を高くし、可変始動入賞口への入賞確率を高くする。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を示す各実施例(実施例1〜実施例3)について図面に基づいて説明する。
ここでは遊技機として、いわゆるセブン機と呼ばれるタイプの第一種パチンコ機(弾球遊技機)を例に取り、その構造について図1〜図6を参照して説明する。
【0035】
(1)実施例1
【0036】
パチンコ機1の前面部は、図1及び図2に示すように、主として外枠(本体枠)2と、中枠3と、前面枠4と、上皿部5と、下皿部6と、施錠装置7とから構成されている。
外枠2は、木製の板状体を略長方形の額縁状に組立て固着したものである。中枠3は、全体がプラスチック製で、枠体部(図2参照)3aと下板部とを有し、外枠2に対して開閉可能に軸支されている。中枠3の右端中央には施錠装置7が設けられ、施錠装置7は、正面視すると鍵穴を備えた略長方形状を呈し、前面枠4を閉鎖した場合に施錠するためのものである。
【0037】
ここで枠体部3aは、上端から下方へ中枠3全体の略2/3程度に略長方形の額縁状に形成され、上端部には、前面枠4の略三角形状の枠飾りLED用レンズ4c,4eに対応して、左側に賞球表示LED(図示を省略)及び賞球表示LED基板4d(図7照)が、右側にストップ表示LED(図2では図示略)及びストップ表示LED基板4f(図7参照)が配設されている。
【0038】
また、下板部は、下端から上方へ中枠3全体の略1/3程度を占め、左端には、上皿部5に形成されたスピーカー面5aに対応すべく、遊技状態に応じた効果音その他の音(音声)を発生させるスピーカー400a(図7参照)が配設され、略中央には、遊技球を発射する発射装置ユニット(図示略)に対し、上皿部5に貯留された遊技球を供給する供給装置等(図示略)が設けられている。
【0039】
さらに、下板部の下方には、灰皿や玉抜きレバー等を備えた下皿部6が設けられ、下皿部6の略中央には、パチンコ機1の内部から遊技球を排出するための排出口6aが開設され、右端に発射装置ユニット(図示略)を操作する発射ハンドル9が設けられている。また、この発射ハンドル9には、遊技者がタッチしていることを検出するタッチスイッチ9aが装着され、その近傍には、発射停止を一時的に指令する発射停止スイッチ9bが配置されている。尚、発射装置ユニットは、後述する発射装置制御部193等と共に、遊技球発射制御手段の一具体例を示している。
【0040】
前面枠4は、図1及び図2に示すように、全体がプラスチック製であり、遊技盤10(図3参照)を前方から視認するべく、遊技盤10に形成された遊技領域11(図3参照)の形状に対応して略円周状に開設された開口部4aを有している。そして、その裏面には、開口部4aに応じてガラス板4rが嵌められた略長方形状のガラス枠4s(図2参照)が装着されている。尚、本実施例では、ガラス枠4sが、前面枠4に裏面に装着され、このガラス枠4fによって、ガラス板4rの周縁部が保持されている。そして、遊技者を基準とすれば、遊技盤10に形成された遊技領域11は、ガラス板4eの後方に形成されている。尚、前面枠4の前面側にガラス枠4sを装着し、前面枠4の前面側で、ガラス板4rを保持してもよい。また、ガラス板4r以外の透明板(例えば、透明な樹脂板)を、前面枠4に装着された透明板枠で保持することもできる。
【0041】
また、この前面枠4は、パチンコ機1の前面全体の約2/3のサイズを占め、中枠3の左端に軸着され開閉可能に形成されている。さらに、上端部には、枠飾りランプ用レンズ4bも設けられ、このレンズ4b内部には、開口部4a上端の円弧部分に沿って、枠飾りランプ基板4g(図7参照)及び複数個の遊技効果ランプ(図示略)が配設されている。
【0042】
上皿部5は、前面枠4の下側で、中枠3の左端に軸着され開閉可能に形成されている。皿外縁部5bには、玉抜きボタンや遊技球の貸出・返却ボタン等が配設されている。また、上皿部5には、パチンコ機1の内部から遊技球を排出するための排出口5cが開設されている。左端には、複数の長孔を有するスピーカー面5aが形成され、その裏面には、音量スイッチ基板12(図7参照)が設けられている。パチンコ機1の左端側には、プリペイドカードユニット13が装着されている。
【0043】
次に、本実施例の遊技盤10の表面構造について図3を参照して説明する。遊技盤10は、略長方形の木製の板状体であって中枠3(図1及び図2参照)に保持されるとともに、後述する裏機構盤102(図6参照)によりその背面側が覆われている。遊技盤10には、遊技盤10の表面に設けられた外レール14と内レール15とにより略円形状の遊技領域11が形成され、遊技領域11内には、中央装置16と、第一種始動口(普通電動役物)17と、変動入賞装置18と、左入賞口19、右入賞口20、左下入賞口21、右下入賞口22と、多数の釘23等が配設されている。なお、本図では図を簡素にするため、釘23の一部、ランプ風車などを省略している。また、第一種始動口(普通電動役物)17は、「可変始動入賞口」の一具体例を示している。更に、左入賞口19、右入賞口20、左下入賞口21、右下入賞口22は、「普通入賞口」の一具体例を示している。
【0044】
中央装置16は、遊技領域11の略中央部に配置され、LED表示装置200と、第2表示部27と、入球口272、273とを備えている。
【0045】
LED表示装置200は、「可変表示装置」の一具体例を示しており、3桁の7セグメント表示装置24を第1表示領域とし、後述する普通図柄表示装置32を第2表示領域として構成されている。そしてこのLED表示装置200では、遊技球が第一種始動口(普通電動役物)17に入賞することにより、各桁7個のセグメント体を適宜点灯・消灯させることにより各特別図柄をそれぞれ変動させて停止表示させるものである。例えば、図柄が「7、7、7」の3桁同一図柄で揃って停止表示(確定表示)すると、変動入賞装置18に配設された後述する大入賞装置31の大入賞口311が開放される。即ち、パチンコ機1では、「複数の識別情報」を表示する領域として、左特別図柄表示領域と、中特別図柄表示領域と、右特別図柄表示領域とを備えている。
【0046】
また、「遊技球が第一種始動口(普通電動役物)17に入球する。」という「所定条件の成立」によって、各特別図柄がそれぞれ変動され(即ち、複数の識別情報を可変表示され)、後述する特別図柄の当否判定において「大当り判定」を得るという「特定条件」が成立し、「図柄が3桁同一図柄で揃う。」という、停止態様が達成されると、「大当り」という、「特定の価値」を付与する(即ち、大入賞口311を遊技者にとって有利な状態に変化させる)パチンコ機1である。尚、大入賞口311は、「可変入賞口」の一具体例を示している。また、「可変表示装置」は、セグメント表示装置24を主体に構成されるものに限定されず、液晶表示部等の他の態様の電気的な表示部を備える可変表示装置や、回転ドラム(リール装置)等の機械的な表示部を備える可変表示装置であってもよい。また、上記「図柄が3桁同一図柄で揃う。」とは、特別図柄の当否判定における「大当り図柄」を例示すると共に、請求項1の発明に示す「特定の図柄の組み合わせ」又は「特別な図柄の組み合わせ」の一具体例を示している。但し、特別図柄の「大当り図柄」を、1つの図柄(請求項1の発明に示す「特定の図柄」であり、例えば「3」)で構成することもできる。この場合、「確率変動図柄」も1つの図柄(請求項1の発明に示す「特別な図柄」であり、例えば「7」)で構成することができる。
【0047】
普通図柄表示装置32は、前述のように、「第2表示領域」の一具体例を示しており、中央装置16の上部中央に配置されている。この普通図柄表示装置部32が構成する第2表示領域は、1〜9の奇数数字を変動表示させるもので、普通図柄作動ゲート36、37のいずれかを遊技球が通過することにより変動して、所定時間経過後に1種類の奇数数字が停止表示される。そして、例えば「7」で停止表示すると、第一種始動口(普通電動役物)17が所定時間(例えば、原則的には、0.5秒)開放される。
【0048】
尚、上記「1〜9の奇数数字の変動表示」は、「識別情報制御手段による所定の変動態様」の一具体例を示し、上記「停止表示される1〜9の奇数数字」は、「変動態様を経た第2識別情報」の一具体例を示している。また、「7」の停止表示は、普通図柄の当り表示の具体例であって、請求項1の発明の「所定の図柄」の一具体例を示している。但し、普通図柄の当り表示としては、例えば、「7、7」等の2つ以上の図柄の組み合わせで構成してもよく、この場合には、請求項1の発明の「所定の図柄の組み合わせ」の一具体例を示すことになる。更に、本実施例では、「可変表示装置」を2つの表示装置(表示装置部)を備えるものとして構成したが、この「可変表示装置」は一つの表示装置(表示装置部)のみを備えてもよい。この場合には、一つの表示部を、第1表示領域(特別図柄表示領域)と、第2表示領域(普通図柄表示領域)とに分割すると共に、第1表示領域に特別図柄を表示し、第2表示領域に普通図柄を表示してもよい。
【0049】
普通図柄作動ゲート36、37は中央装置16の左右斜め下方に、それぞれ設けられ、この左右の普通図柄作動ゲート36、37内に左、右の普通図柄作動ゲート検知スイッチ36s、37s(図7参照)が配設されている。そして、遊技球の普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ36s、37sのいずれかの通過により、普通図柄表示装置32が変動表示する。尚、各普通図柄作動ゲート36、37は、「始動ゲート」の一具体例を示している。また、上記各普通図柄作動ゲート検知スイッチ36s、37sは、「通過検知手段」の一具体例を示しており、各普通図柄作動ゲート36、37を遊技球が通過したことを検知すると、通過信号を出力する。
【0050】
中央装置16には、左右の普通図柄作動ゲート36、37を通過した遊技球の数を4個まで保留するLEDや、第一種始動口(普通電動役物)17への入賞の数を4個まで保留するLEDも設けられているが本図では省略した。
第一種始動口(普通電動役物)17は、中央装置16の中央位置の下方に離れて配設されている。第一種始動口(普通電動役物)17は、いわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部が開閉するべく形成され、その前面に飾りを備えて後述する基板34に取り付けられている。内部には、遊技球の通過を検知する第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17s(図7参照)と、翼片部を作動させるための第一種始動口(普通電動役物)ソレノイド17c(図7参照)とが備えられている。この一対の翼片部が左右に開くと、遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となり、一対の翼片部が立設され、遊技球の入球可能性が小さくなる通常状態となる。尚、第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17sは、「始動入賞検知手段」の一具体例を示しており、遊技球が第一種始動口(普通電動役物)17に入賞(通過)したことを検知すると、始動入賞信号を出力する。
【0051】
変動入賞装置18は、上記第一種始動口(普通電動役物)17の下方に配設されており、前面側が略逆台形状に形成された基板34に、大入賞装置31と、左下入賞口21と右下入賞口22とを備えている。ここで、大入賞装置31は、略中央に形成され、帯状に開口された大入賞口311と、この大入賞口311を開放・閉鎖する開閉板312と、この開閉板312を開閉するための大入賞口ソレノイド313(図7参照)と、大入賞口311に入賞した後に遊技球が通過する特定領域(V入賞口及び一般入賞口/図示略)と、連動杆(図示略)と、入賞球を検知する入賞球検知スイッチ318(図7参照)と、裏箱(図示略)と、大入賞口中継基板(図示略)とから主に構成されている。尚、入賞球検知スイッチ318は、遊技球が大入賞口311に入賞(通過)したことを検知すると、特定入賞信号を出力する。
【0052】
また、左下入賞口21は、第一種始動口(普通電動役物)17の略真横の左側に配設されて、内部に左下入賞口通過検知スイッチ21s(図7参照)が設けられている。そして、この左下入賞口21の下方には複数個の左下入賞口LED223〜225が左下入賞口LED基板21f(図7参照)に取り付けられ、飾りレンズによって被覆されている。さらに、右下入賞口22は、第一種始動口(普通電動役物)17の略真横の右側に配設されて、内部に右下入賞口通過検知スイッチ22s(図7参照)が設けられている。
【0053】
変動入賞装置18の左右斜め上方には、左入賞口19及び右入賞口20がそれぞれ配設されている。そして、その内部にはそれぞれ、左入賞口通過検知スイッチ19s(図7参照)、右入賞口通過検知スイッチ20s(図7参照)が設けられている。さらに、遊技領域11の左右両端部には、一対のサイドランプ38、39がそれぞれ縦円弧状で相対称状に配設されている。なお、多数の釘23は、以上説明した各遊技装置との位置バランスを考慮して、遊技領域11にパチンコ遊技に適するべく、配設されている。
【0054】
尚、左下入賞口通過検知スイッチ21s、右下入賞口通過検知スイッチ22s、左入賞口通過検知スイッチ19s及び右入賞口通過検知スイッチ20sは、各々「普通入賞検知手段」の一具体例を示しており、各普通入賞口に入賞(通過)したことを検知すると、普通入賞信号を出力する。
【0055】
次に、遊技盤10の下方にはアウト口48が設けられ、そのアウト口48の下部にはバック球防止部材58が設けられており、遊技領域11に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止している。一方、ファール球防止部材59は、内レール15の先端部に取り付けられ、返しゴム60は、ファール球防止部材59の位置とは略正反対側の、遊技盤10の右半分側の位置であって、外レール14に沿って嵌合状に取り付けられている。
【0056】
本実施例では、図4に示すように、上皿部5の奥(裏側)に、槌先球検知スイッチGが設けられている。この槌先球検知スイッチGは、請求項2の発明の遊技球検知手段の一具体例を示しており、遊技球発射制御手段により放出(発射)される遊技球を検知(計数)するためのものある。そして、この槌先球検知スイッチGが、遊技球発射制御手段によって放出された遊技球を検知すると、発射球信号を(後述する主制御部140に向かって)出力する(図7参照)。
【0057】
但し、この槌先球検知スイッチGによって計数される遊技球の数には、発射レールLを通過し、外レール14に沿って上昇し、遊技領域11に至る遊技球の数のみならず、遊技領域11まで到達せず、外レール14から下皿部6に戻ってくる遊技球(即ち、ファール球)の数も含まれる可能性がある。このため、本実施例では、上皿部5の奥(裏側)に、ファール球センサ(ファール球検知手段の一具体例を示す。)Hを設けている。そして、槌先球検知スイッチGによって計数される遊技球の数から、必要に応じてファール球の数を減ずることで、遊技領域11に打ち込まれる遊技球の数を算出している。尚、ファール球センサHは、ファール球を検知すると、ファール球信号を(後述する主制御部140に向かって)出力する(図7参照)。
【0058】
本実施例においては、特別図柄の大当りに関する確率変動中(特別遊技中を除く)の所定時間(例えば、1分)におけるベース値を以下のように算出できる。即ち、同所定時間において槌先球検知スイッチGによって計数される遊技球の数をV、同所定時間においてファール球センサHによって計数される遊技球(ファール球)の数をWとする。また、「同所定時間における始動入賞信号の出力回数に、一回の可変始動入賞口(第一種始動口17)への入賞に伴う賞球個数(本実施例では、6個)を乗じた数」と、「同所定時間における普通入賞信号の出力回数に、一回の普通入賞口(19、20、21、22)への入賞に伴う賞球個数(本実施例では、10個)を乗じた数」との和によって、同所定時間に、遊技機から賞品球として払いだれる遊技球の数(X)」が示される。そして、{X/(V−W)}×100(%)なる式を用いると、目的のベース値を算出できる。
【0059】
尚、本実施例と異なり、排出球検知手段を用いて、特別図柄の大当りに関する確率変動中(特別遊技中を除く)におけるベース値を算出することもできる。即ち、図5(a)及び(b)に示すように、遊技領域11内からアウト口48を通じて遊技領域11外に排出される遊技球の数を検出するための排出球検出手段Mを設ける。この排出球検出手段Mは、普通入賞口(左下入賞口21、右下入賞口22、左入賞口19及び右入賞口20)と、可変始動入賞口(第一種始動口17)、可変入賞口(大入賞口311)の何れにも入賞せず、遊技領域11外へ排出される遊技球を検知し、排出球信号を(後述する主制御部140に向かって)出力するものである。
【0060】
次に、この排出球検知手段M等の具体的な構成について説明する。即ち、この変形例においては、遊技盤10の背面10aに、ビス止め等の手法で集合カバー800が取着されている。この集合カバー800は、前面及び底面を開放部802、803とすると共に、下方側において横幅(背面10aの左右方向)を小さくする略容器形状を備えている。この集合カバー800は、アウト口48よりも大きな横幅を備えた受け入れ部805と、この横幅を下方に向かってテーパ状に絞り込み、下端において1つの遊技球を通過可能な横幅となる中間部806と、中間部806の下端と同一の横幅を備える計数部807と、を備えている。そして、計数部807には、排出球検出手段Mが内蔵されている。更に、この集合カバー800は、前面の開放部802を前方に向け、底面の開放部803を下方に向けた状態で、しかも、受け入れ部805によってアウト口48を覆い隠すような状態で、遊技盤10の背面10aに取着されている。
【0061】
この変形例では、普通入賞口(21、22、19及び20)と、可変始動入賞口(第一種始動口17)、可変入賞口(大入賞口311)の何れにも入賞せず、内レール15の最下部に到達し、アウト口48を通じて遊技領域11へ排出される遊技球が、受け入れ部805に到着する。更に、中間部806及び計数部807を流下し、集合カバー800の底面の開放部803から集合カバー800の外部に排出される。そして、遊技球(排出球)が計数部807を流下するときに、排出球検出手段Mが、この遊技球(排出球)を検知(計数)する構成となっている。
【0062】
この変形例においては、特別図柄の大当りに関する確率変動中(特別遊技中を除く)の所定時間(例えば、1分)におけるベース値を以下のように算出できる。即ち、「同所定時間における排出信号の出力回数によって、同所定時間に普通入賞口(21、22、19及び20)と可変始動入賞口(第一種始動口17)と可変入賞口(大入賞口311)の何れにも入賞せず遊技領域外へ排出される遊技球の数Y」が算出される。また、同所定時間において、普通入賞信号の出力回数と始動入賞信号の出力回数との和をZとすると、(Y+Z)なる式によって、同所定時間において、遊技球発射制御手段によって遊技領域11に放出された(打ち込まれた)遊技球の数を算出できる。また、同所定時間において、遊技機から賞品球として払いだれる遊技球の数は、前述の実施例と同様な(X)なる数で示すことができる。そして、{X/(Y+Z)}なる式によって、目的のベース値を算出できる。
【0063】
尚、実施例や変形例に示す手法によって算出されるベース値は、後述するCPU401のレジスタに保存したり、後述するRAM481のメモリに記憶すること等ができる。また、本発明に係る遊技機は、槌先球検知スイッチG及び排出球検知手段Mの双方を備え、各々によってベース値を算出してもよい。
【0064】
次に、本実施例のパチンコ機1の裏面構造について図6を参照して説明する。前面枠4(図1及び図2参照)は中枠3にあって、前面枠4の上下端の位置に設けられた一対のヒンジ101により、開閉可能に支持されている。裏機構盤102は中枠3にあって裏機構盤102の上下端の位置に設けられた一対のヒンジ103により、開閉可能に支持されている。遊技盤10(図3参照)は中枠3の表面側に着脱可能に取り付けられている。上端側にあるヒンジ101の配設位置からみて左側には、タンク球切れ検知スイッチ104をタンク底部に備えた賞球タンク105と、この賞球タンク105に接続されるタンクレール106とが取り付けられている。また、タンクレール106の右側には、球抜きレバー107が設けられ、その下流側には、補給球切れ検知スイッチ(図示を省略)が、さらに、その下流側には、裏側遊技装置としての賞球払出装置109が配設されている。
【0065】
続いて、遊技球の振り分け部(図示略)が賞球払出装置109の下流側に設けられている。タンクレール106の下側には、LED表示装置200(図3参照)を格納した蓋付きの裏ケース111が設けられ、この裏ケース111の下側には、後述する主制御部140(図7参照)として、裏側遊技装置としての遊技制御基板54{図8(a)参照}を格納した格納容器としての収納ボックス55が配設されている。収納ボックス55の背面下側には、発射制御部193(図7参照)として発射装置制御基板を格納した発射装置制御基板ケース113、及び発射制御集合中継基板(図示略)が設けられている。裏機構盤102の左下方部には、上述した発射装置ユニット(図示略)が、同じく右下方部には、払出制御部150(図7参照)として、払出制御基板350{図8(b)参照}を格納した格納容器としての払出制御基板ケース118が設けられている。収納ボックス55の右側上方に裏側遊技装置としての中継基板190が装着されている。
【0066】
中継基板190は、図7にも示すように、入賞球検知スイッチ318,19s〜22s等と主制御部140とを中継するための基板とされている。本実施例においては、収納ボックス55、中継基板190及び払出制御基板ケース118は、金属板(図示を省略)に着脱自在に装着され、この金属板は裏機構盤102に対して回動自在に懸架されている。
【0067】
一方、裏機構盤102の右上端部には、ヒューズボックス119、電源スイッチ120、電源ターミナル基板121及び大当り、発射装置制御、球切れ、扉開放、賞球、球貸し用等の遊技機枠用外部接続端子を備えた端子基板122が設けられている。また、外部からの電力の供給を受けるための電源ケーブル123も端子基板122の上側に配設されている。払出制御基板350{図8(b)参照}を格納した払出制御基板ケース118からは接続ケーブル124が上方へ延出し、電源ケーブル125を備えたプリペイドカードユニット13に接続されている。また、裏機構盤102の略中央下端部には、下皿部用球通路部材126が設けられている。なお、電源ターミナル基板121には、「RAMクリア信号」を発生させるための図示しないRAMクリアスイッチが接続されている。
【0068】
次に、本実施例のパチンコ機1の電子制御装置130について、図7〜図9を参照して説明する。まず、電子制御装置130は、主制御部140と、信号伝送経路500aにより、その主制御部140に接続された払出制御部(主として賞球の払出制御を行う賞球払出制御部)150、特別図柄制御部160、及び信号伝送経路500bにより特別図柄制御部160に接続された音声ランプ制御部170を含んで構成されている。主制御部140は、遊技制御基板54を備え、主制御部140以外の上記3つの制御部150、160、170はそれぞれ、払出制御基板350、特別図柄制御基板360、音声ランプ制御基板を備えている。
【0069】
遊技制御基板54は、図8(a)に示すように、CPU401を含む主回路部400と、入出力回路部500とを備えている(図17参照)。そして、この遊技制御基板54は、通常、開閉困難なケース(前述の収納ボックス55)に収納されている。
【0070】
また、入出力回路部500には、外部端子部145が接続され、この外部端子部145には、パチンコホールの「ホールコンピュータ」が接続される。そして、遊技制御基板54は、RAMクリア処理の実行後に、RAMクリア信号をONし、一定時間経過後にOFFするが、このRAMクリア信号をパチンコ機1の外部に出力し、パチンコホールのシステム等に報知できる。このため、不正行為者が判らない間に、パチンコホールの管理者側が不正行為を知ることができる。
【0071】
図18に示すように、CPU401はCPUコア480を備え、ROM482に格納された制御プログラムにより、RAM481をワークエリアとしてパチンコ機1全体の作動制御(すなわち、遊技の基本進行制御)を司る。また、ROM482に記憶された当否判定プログラムにより、CPU401が主体となって当否判断制御を行う(当否判定手段)。また、CPU401は、「識別情報制御手段」、「可変始動入賞口制御手段」、「確率変動手段」、「ベース管理手段」及び「ベース値変動手段」として機能する。
【0072】
主回路部400は、図17に示すように、CPU401、発振部410、リセット回路部450、I/Oデコード回路部420、データバス安定化部411、及び第1外部入力回路部430を有している。また、CPU401は、図18に示すように、CPUコア480、内蔵RAM481、内蔵ROM482、メモリ制御回路483、クロック発生器484、アドレスデコーダ485、ウオッチドッグタイマ486、カウンタ/タイマ487、パラレル入出力ポート488、リセット/割り込みコントローラ489、外部バスインターフェース490、出力制御回路491を備えている。
【0073】
図7に戻り、図8(a)に示す入出力回路部500には前記した信号伝送経路500aが接続され、入出力回路部500からその信号伝送経路500aへ、各制御部150、160、170へ処理内容を指示する指令信号たるコマンドデータを送信する。尚、主制御部140から各制御部150、160、170へは、一方向形式若しくは双方向形式でデータが伝送される。また、各制御部140〜170には、電源受電基板415から電源ユニット425、さらには分電基板435を介して電源が供給されており、後述する電源立上げ時のシステムリセット信号が全制御基板に送信される。
【0074】
中継基板190には、入賞球検知スイッチ318,19s〜22s等が接続され、中継基板190の出力端子は、主制御部140の入出力回路部500と接続されている。また、第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17s、普通図柄表示装置基板32f、各種ソレノイド17c,313、右普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ37s、左普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ36sが主制御部140の入出力回路部500に接続されている。
【0075】
払出用端子基板191には、タッチスイッチ9a、発射停止スイッチ9b、ヴォリュームスイッチ192、タンク球切れ検知スイッチ104及び補給球切れ検知スイッチ108等が接続され、払出用端子基板191の出力端子は、図8(b)に示す払出制御部150の入出力回路部700と接続されている。
【0076】
払出制御部150は、図8(b)に示すように、主制御部140と同様の主回路部600及び入出力回路部700を含んで構成され、入出力回路部700において図7に示す信号伝送経路500aに接続されている。また、入出力回路部700には、賞球払出装置109、発射装置制御部193等が接続されている。尚、図7に示すように、例えば、主制御部140に、設定スイッチ147等の設定装置を接続し、この設定装置によって、後述する設定値(ベース値設定値)を選択可能(例えば、パチンコホール側が日々の営業開始前に設定装置を操作し、選択可能とする。)としてもよい。この場合、パチンコホール側が、日々の営業開始前に、各遊技機毎に対し「持ち球維持(ベース値設定値=100)」、「持ち球増加(ベース値設定値>100)」、「持ち球減少(ベース値設定値<100)」等を設定することができる。また、この設定値(ベース値設定値)は、例えば、後述するRAM481の「設定値メモリ481s」に記憶することができる。
【0077】
特別図柄制御部160は、図9に示すように、演算回路構成要素として、CPU161と、RAM162と、ROM163と、入出力ポート164と、駆動回路167とを含み、それら演算回路構成要素はバス165により相互に接続して構成され、入出力ポート164において信号伝送経路500aに接続されている。入出力ポート164には、LED表示装置200が接続され、CPU161はROM163に格納された制御プログラムにより、RAM162をワークエリアとして中央装置16の作動制御を行なっている。
【0078】
さらに、枠飾りランプ基板4g等の各種ランプやサウンドジェネレーター188は、特別図柄制御部160の制御による特別図柄の変動・停止表示態様、リーチ発生の有無、リーチ表示態様(後述する)、特別遊技態様、及び遊技モード(確率変動、時短など)等に応じてその態様は制御される。その制御指令の指令信号は、音声ランプ制御部170を作動指令対象とする指令信号として、前記した信号伝送経路500bを介して送信される。
【0079】
なお、上述した特別図柄制御部160、及び音声ランプ制御部170は、主制御部140や払出制御部150と同様の回路部から構成されるものとすることもできる。すなわち、主回路部と入出力回路部とから構成されるものとし、内部にROM、RAMが内蔵されたCPUを用いることもできる。
【0080】
次に、賞球動作は、以下の順序で実行される。
主制御部140は、遊技球が入賞球検知スイッチ318を通過したら15個の賞球個数データを、第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17sを通過したら6個の賞球個数データを、それ以外の場合、例えば、左右下入賞口21、22の通過検知スイッチ21s、22sの通過を検知した場合などにおいては、10個の賞球個数データを、払出制御部150に対してその検知順に、払出制御部150を作動指令対象とする指令信号として、前記した信号伝送経路500aを介して送信する。(すなわち、固有賞球数はここでは、6個、10個あるいは15個である。)払出制御部150は、主制御部140からの賞球個数データを受け取り、賞球払出信号の送信により賞球払出装置109を作動させる。尚、払出制御部150、主制御部140及び賞球払出装置109によって、賞球払出手段の一具体例を構成している。
【0081】
また、主制御部140は、上述の各種検知スイッチの出力に基づいて遊技状態を判断し、また、その遊技状態に基づいて当否判定を行うとともに、判定内容に応じて対応する図柄表示態様で画像表示制御を行うためのデータを読み込む。例えば、主制御部140は、第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17s、入賞球検知スイッチ318等の検知結果や、特別図柄当否判定乱数の取得値などを使用して、遊技が行われていない客待ちの状態、遊技は行われているが始動入賞がない状態(変動準備状態)、始動入賞があった状態、及び特別遊技状態なども判断する。また、始動入賞が検知されると後述する乱数値に基づいて特別図柄の当否判定が行われ、その判定結果に基づいて特別図柄の変動(リーチ表示態様を含む)、または確定などの表示態様制御のためのデータが読み込まれる。このデータは、特別図柄制御部160を作動指令対象とする指令信号として、前記した信号伝送経路500aを介して送信される。
【0082】
次に、主制御部140により実行されるメインジョブについて図10等を参照して説明する。これは、主制御部140のROM482(図18参照)に格納されたプログラムに基づき、CPU401により実行されるジョブの一例である。先ず、スタックポインタをRAM481(図18参照)の所定のアドレスに設定した後(S10)、RAMクリアスイッチが操作(押下)されているか否かを判断し(S12)、操作されていればRAM481の初期化処理が行われ(S800)、操作されていなければ、バックアップフラグが設定されているか否かが判断される(S15)。そして、バックアップフラグが設定されていれば(S15:YES)、図11の「電源断に対する復電処理」が行われる。
【0083】
尚、本実施例では、停電等によって電源断が発生したときに、図11に示すように、使用レジスタをRAM481に退避し(S630)、スタックポインタの値をRAM481に保存する(S632)。そして、大入賞口ソレノイド、第1種始動口ソレノイドをOFFにし(S634)、賞球センサのポーリング処理時間(例えば、約85m秒)を設定し(S636)、賞球計数前センサ及び賞球計数後センサで遊技球の通過を監視する(S638)。次いで、ポーリング処理時間が経過すると(S640)、使用しているRAM481のチェックサム(チェックサム、バックアップフラグ、スタック領域は除く)を作成し(S642)、保存し、バックアップフラグをRAM481に設定する(S646)。そして、RAM481のアクセスを禁止し(S648)、無限ループ処理にて電源ダウンに備える。なお、上記無制限ループ処理に替えてHALT処理やSTOP処理を実行することも可能である。
【0084】
図12の「復帰処理」においては、チェックサムの算出(S664)を実行し、電源断時に保存していたチェックサムの値を比較し、一致しなければ、RAM481の初期化処理を行う(S800)。一致すれば、電源断前のスタックポインタを復帰し(S668)、バックアップフラグをクリアし(S670)、サブ基板を電源断前の状態に復帰させるためのコマンドを送信する(S672)。そして、各レジスタを電源断前の状態に復帰し(S674)、割込みの許可/不許可を電源断前の状態に復帰等し(S676,S678)、電源断前の番地に戻る(S680)。本実施例では、パチンコ機1に対し、電源断対策用のバックアップ電源を付加しているため、パチンコホールの停電時等においても、停電前に生じていた「遊技者にとって有利な情報」を保存できる。
【0085】
図10に戻り、バックアップフラグが設定されていなければ(S15:NO)、初期化終了の判定が行われる(S20)。初期化が終了していれば(S20:YES)、LEDジョブ(S30)からスイッチジョブ(S70)までのジョブが実行される。また、初期化が終了していなければ(S20:NO)、初期化ジョブ(S190)が実行され、再び、初期化終了の判定が行われる(S20)。尚、パチンコ機1が出荷状態から最初の電源投入時であったり、RAMクリアスイッチが操作(押下)されていたり、バックアップフラグに異常があったり、チェックサムが一致しなかった場合には、RAM481の初期化処理が行われる。
【0086】
LEDジョブ(S30)においては、普通図柄及び普通図柄未始動回数の表示態様データや、特別図柄未始動回数の表示態様データなどが出力される。等速乱数ジョブ(S40)では、後述するRAM481の特別図柄当否判定乱数メモリや汎用カウントメモリなどが更新される。非等速乱数ジョブ(S50)では、初期値カウンタ、外れ普通図柄乱数メモリ(図示略)が更新される。なお、汎用カウントメモリ(図示略)は、例えば割り込みごとの「0」〜「255」の値の作成や、コマンドジョブ、飾りジョブの実行などに使用される。
【0087】
また、音声ジョブ(S60)では、音楽や音声に関するデータの読み込みが行われ、スイッチジョブ(S70)では、各種検知スイッチの読み込みが行われる。すなわち、普通入賞信号などの各種信号が中継基板190を介して主制御部140に、発射停止検知信号、タッチ検知信号が発射装置制御部193に、ヴォリューム検知信号などの各種信号が払出用端子基板191を介して払出制御部150にそれぞれ取り込まれ、また、第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17sから始動入賞信号(第一種始動口入賞検知信号ともいう。)、大入賞装置31から特定入賞信号(入賞球検知信号ともいう。)、及び通過信号(普通図柄作動ゲート通過検知信号ともいう。)が主制御部140に取り込まれる。
【0088】
さらに、カウント検知スイッチ、カウント検知及び特定領域通過検知スイッチ等のスイッチ318(図7参照)に異常があるか否かが判定され(S80)、異常がなければ(S80:YES)、特別図柄メインジョブ(S90)から普通図柄メインジョブ(S100)までのジョブが実行される。また、異常(球詰まりや断線など)があれば(S80:NO)、エラージョブ(S130)が実行される。
【0089】
特別図柄メインジョブ(S90)においては、主制御部140と特別図柄制御部160とが協調して動作するために必要なデータに関するジョブが実行される。また、普通図柄メインジョブ(S100)では、普通図柄及び普通図柄未始動回数の表示態様データの読み込みが行われる。
【0090】
この後、各フラグ状態がバックアップメモリにセットされ(S140)、賞球信号ジョブ(S150)、情報信号ジョブ(S160)、コマンドジョブ(S170)、及び残余時間ジョブ(S180)が実行される。賞球信号ジョブ(S150)においては、賞球払出しに関するデータの読み込みや出力が行われ、情報信号ジョブ(S160)では、他の制御部への情報出力に必要なデータの読み込みが行われる。さらに、コマンドジョブ(S170)では、特別図柄管理等のためのコマンドの出力が行われ、残余時間ジョブ(S180)では、非等速乱数の呼出しが行われる。尚、残余時間ジョブ(S180)においても、初期値乱数の更新が行われる。
【0091】
次に、上記メインジョブの一連の流れの中で実行される、始動入賞(第一種始動口(普通電動役物)17への入賞)時の特別図柄に関する当否判定ジョブに関して図13及び図14を参照して説明する。なお、これらのジョブで使用する各種メモリ等は、図7に示す主制御部140のRAM481(図18参照)に格納され、代表的なもの(481a〜481n、481v、481w)を図15に示す。
【0092】
まず、S200において始動入賞があったか否かを確認し、Noであれば、S203に進み、特別図柄保留数メモリ481b(図15参照)に記憶されている保留数(未始動回数)の有無を判定する。保留数が無し(すなわちゼロ)であれば本処理を終了し、保留があればS245に進む。始動入賞があった場合(S200:Yes)には、S206に進み、保留数が4以上であるか否かを判定する。保留数が4以上であればS245に進み、保留数が4未満であればS210に進む。S210では保留数を1インクリメントする。そしてS220において、特別図柄当否判定乱数(以下、当否用乱数、又は判定乱数ともいう)および当り図柄乱数を発生させ(プログラムを発生させても、所定の乱数発生回路を用いてもいずれでもよい(当否用乱数発生手段))、S230において、これら当否判定乱数および当り図柄乱数を読み込む。こうして読み込んだ乱数値を、S240において、それぞれ特別図柄当否判定乱数メモリ481a(図15参照:以下、判定乱数メモリともいう)、大当り図柄決定乱数メモリ481dに記憶する。このメモリは、読み込んだ判定乱数値を始動入賞の時系列にシフトメモリ形式で記憶している。
【0093】
次に、変動開始時であれば、S250において、特別図柄当否乱数メモリ481a(図15参照)から記憶している最も古い先頭の当否判定乱数値及び大当り図柄決定乱数メモリ481dから当り図柄乱数値を読み出すと共に特別図柄当否乱数メモリ481aおよび大当り図柄決定乱数メモリ481dをシフトする。そして、S260において、特別図柄用の大当り番号メモリ(内蔵ROM482内にある)から大当り番号(当り用判定値)を読み出し、S270において、上記特別図柄当否判定乱数値との比較を行い、両者が一致していれば大当り判定となり、一致していなければ外れ判定となる。大当り判定の場合には、S280に進んで当り図柄乱数値を読み込み、大当り図柄決定乱数メモリ481dに記憶する。そしてS290にてリーチ態様決定乱数を発生させ、これを読み込んでリーチ態様決定乱数メモリ481kに記憶する。そしてS300において、「大当り」という判定結果(本実施例では「1」)を特別図柄判定結果メモリ481j(図15参照)に記憶する。
【0094】
一方、外れ判定となった場合は、S270からS310に進み、外れリーチジョブを行うかどうかを乱数により決定する。すなわち、S310において、リーチ態様決定乱数を発生させ、これを読み込み、他方、S320において、リーチ番号メモリ481i(図15参照)に記憶されているリーチ番号を読み出す。S330において、両者が一致していれば外れリーチジョブに、一致していなければ通常外れジョブとなる。
【0095】
外れリーチジョブの場合は、S380へ進み、「外れリーチ」という判定結果(本実施例では「2」)を特別図柄判定結果メモリ481j(図15参照)に記憶する。一方、通常外れジョブの場合は、S450に進み、S450において、「通常外れ」という判定結果(本実施例では「3」)を特別図柄判定結果メモリ481j(図15参照)に記憶する。
【0096】
次に、上記メインジョブの一連の流れの中で実行される、特別図柄メインジョブの概略の流れを図16を参照して説明する。まず、S500において、第一種始動口(普通電動役物)17への遊技球の入賞に基づき、LED表示装置200(図3参照)上で各特別図柄の変動表示を開始させる。
【0097】
次いで、S510において、特別図柄判定結果メモリ481j(図15参照)から図15に示す当否判定ジョブで得られた各入賞に対する判定結果を読み出す。具体的には、大当り判定(「1」)の場合は(S520:YES)、S530に進み、当り図柄を選択する。具体的には、当り図柄決定乱数値(識別情報決定用乱数)を発生させ、これを読み込んでその決定乱数値を大当り図柄決定乱数メモリ481d(図15参照)に記憶する。なお、当り図柄決定乱数値の読み込みは、始動入賞時に当否判定乱数と同時に読み込まれているが、当り判定決定と同時に、あるいは当り判定決定後所定の時間後に読み込むものとしてもよい。
【0098】
この当り図柄決定乱数値で指定される特別図柄は、特別図柄制御部160のROM163(図9参照)に格納されている特別図柄画像データに基づいて、LED表示装置200(図3参照)に、変動表示状態を経た後、定められた配列態様で表示される(例えば、「7、7、7」の3桁同一図柄の配列態様)。なお、上記特別図柄画像データを当り図柄決定乱数値と対応付けて識別情報決定用値として主制御部140のRAM481(図18参照)に記憶しておき、読み込んだ当り図柄決定乱数値と識別情報決定用値とを比較することで停止表示する図柄を決定するものとしてもよい。
【0099】
そして、S540にて当り変動パターンを選択する。これは大当り図柄決定乱数と同時にリーチ態様決定乱数を発生させ、これを読み込んでその決定乱数値をリーチ態様決定乱数メモリ481k(図15参照)に記憶することにより行なう。リーチ態様決定乱数値で指定されるリーチ表示態様は、特別図柄制御部160のROM163(図9参照)に格納されたリーチ表示態様画像データに基づいて、LED表示装置200(図3参照)に、変動表示状態を経た後、定められたリーチ態様で表示される。なお、この場合も、上記リーチ表示態様画像データをリーチ態様決定乱数値と対応付けてリーチ態様決定用値として、主制御部140のRAM481(図18参照)のリーチ態様決定用値メモリ481l(図15参照)に記憶しておき、読み込んだリーチ態様決定乱数値とリーチ態様決定用値とを比較することで表示するリーチ態様を決定するものとしてもよい。そして例えば左図柄及び右図柄を同一図柄に揃えて所定のリーチ表示態様を経た後に、中図柄を左図柄及び右図柄と同一図柄に揃えて停止表示させ確定させ、本処理を終了する。
【0100】
一方、外れの場合は(S520:NO)、S550に進み、外れ変動パターンを選択し、S560にて外れ図柄を選択して所定のリーチ表示態様を経た後に、図柄を停止表示させ確定させ、本処理を終了する。
従来は、停止させる識別情報を決定し、その決定された識別情報に応じて変動パターンを決定していたため、決定され得る識別情報の配列数に応じて、変動パターンを決定する処理が複雑化していた。この点、パチンコ機1によると、変動パターンを先に選択するので、変動パターンの選択過程を簡略にすることができる。
【0101】
大当り判定により、LED表示装置200(図3参照)には所定の配列態様で特別図柄が確定表示されると(例えば、「7、7、7」の3桁同一図柄の配列態様)、その後、特別遊技が実行される(特別遊技状態もしくは大当り遊技状態)。特別遊技状態においては、まず、大入賞装置31(図3参照)の開閉板312が開放状態となり、大入賞口311への遊技球の入賞が遊技者にとって優位な遊技球受入状態となる。
【0102】
この特別遊技状態においては、大入賞装置31は、終了条件が成立するまで遊技球受入状態が継続される。例えば、開放状態が所定時間t1(例えば30秒)経過したとき、もしくは入賞球検知スイッチ318(図7参照)に所定数n1(例えば10個)の入賞が検知されたときに終了条件が成立し、遊技球受入状態が一旦終了して、開閉板312が閉鎖状態となって1ラウンドが終了する。この開閉板312が閉鎖されて所定時間t2(例えば1.5秒)が経過した後に、所定の継続条件(図示しない特定領域への通過)が成立していれば、再び開閉板312が開放状態となり大入賞装置31が遊技球受入状態となる。なお、このような終了条件までを1ラウンドとする遊技球受入状態は、所定の最高継続ラウンド数(本実施例では16ラウンド)まで繰り返し継続される。また、終了条件成立時に継続条件が不成立の場合は、特別遊技状態がそのラウンドで終了(いわゆるパンク)するものとなっている。
【0103】
ところで、パチンコ機1においては、当り判定により中央装置16のLED表示装置200(図3参照)に停止表示された特別図柄の種類に基づき、上記特別遊技状態の終了後、次の大当りまで当否判定の確率(大当り確率)を変更(向上)させる確率変動手段が備えられている。具体的には、予め記憶されている上記当り図柄決定乱数値が、確率変動用乱数値と非確率変動用乱数値とから構成され、各乱数値の取得に応じて確率変動用図柄又は非確率変動用図柄が停止表示される。その停止表示された図柄が確率変動用図柄の場合、確率変動手段によって、「確率変動信号」が出力され、上記特別遊技状態終了後、次の大当りまで当否判定の確率(大当り確率)が通常の約4〜5倍に向上するものとされている。ここで、前述のCPU401が主体となり、上記確率変動手段として機能する。また、上記「確率変動用図柄」は、「特別な図柄の組み合わせ」の一具体例を示している。但し、上記「確率変動用図柄」を、単一の図柄(即ち、「特別な図柄」)で構成することもできる。
【0104】
尚、確率変動されるか否かは、第2表示部27によって遊技者に示される。これについて図19を用いて説明する。図19は中央装置16を第一種始動口(普通電動役物)17と共に拡大した図である。ここで第2表示部27の説明をする前にLED表示装置200についても触れておく。LED表示装置200の前記セグメント体は、赤・緑・青のLEDが背後に設けられており、これら3色の組み合せによって、黄、白など様々な色を表示可能にされている。またこれらセグメント体の背景をなす部分26の背後にも別途、赤・緑・青のLEDが設けられており、背景の色のみを変えることが可能にされている。
【0105】
一方、第2表示部27には、1〜9、0、および2個のVの計12個の文字が形成されており、各文字の背後にLEDが設けられている。普段はこのLEDは消灯されているが、LED表示装置200に当り図柄が表示されると、12個の文字の内の1文字の背後のLEDが点灯(以下、「文字が点灯」という)され、しかもその点灯される文字が変化される。変化の態様は、次のようである。
【0106】
最初に点灯された文字が消灯され、その左の文字が点灯される。そしてその文字が消灯され、その更に左の文字が点灯される。これを高速(例えば100ms周期)で繰り返すことにより、点灯される箇所が左へ移動するように見える。こうして点灯される文字が左端のVになると、消灯後に点灯させる文字を右にし、点灯される箇所が右へ移動して見えるようにする。こうして点灯される文字が右端のVになると、再び消灯後に点灯させる文字を左にする。以上を所定時間(例えば、5秒)繰り返すことにより、点灯される箇所を左右方向に往復させ、いずれか1個の文字を点灯した状態で変動を停止させる。これを以下、第2表示部27の変動表示という。
【0107】
このとき点灯されていた文字が、左端のV、1〜5の内のいずれかであると確率変動は行なわれず、6〜9、0、右端のVの内のいずれかであると確率変動が行なわれる。なお、12個の各文字の下には各3個のLED62が設けられており、それらの色は、左端のV、1〜5の下にあるものが緑、6〜9、0、右端のVの下にあるLED62が赤となっている。この色を見ても遊技者は確率変動するか否かを知ることができる。更に、第2表示部27の変動表示が終了すると、LED表示装置200の下に設けられている報知ランプ263、264のいずれかが点灯される。確率変動する際には報知ランプ263、確率変動しない際には報知ランプ264が点灯され、これによっても遊技者は確率変動するか否かを知ることができる。
【0108】
更に、第2表示部27の変動表示の結果に応じ、LED表示装置200の表示色が変化される。前後するが、第2表示部27が変動表示される前にLED表示装置200に表示される図柄配列は[表1]に示す7通りの内の何れかとなっている。
【0109】
【表1】
【0110】
ここで「黄1、黄1、黄1」は、1のゾロ目が黄色で表示されることを示している。つまり、これらの内の1つがLED表示装置200に表示されると、とりあえず大当りとなる。そして第2表示部27の変動表示の結果に応じ、LED表示装置200に表示された図柄配列の色が[表2]に示すように変化される。
【0111】
【表2】
【0112】
[表2]の見方は次のようである。すなわち、本表の左から2番目に表示されている○は、第2表示部27の変動表示前にLED表示装置200に表示された配列を意味している。そして上下方向に仕切られてなる7個のグループは、第2表示部27の変動表示後に変化しうる色を示している。例えば、黄1、黄1、黄1で当った場合は、第2表示部27の変動表示後に、「赤1、赤1、赤1」「青1、青1、青1」「黄1、黄1、黄1」「緑1、緑1、緑1」のいずれかに変化される。つまり、この4通りの中には第2表示部27の変動表示前と色が変化しないものもある。
【0113】
そして5番目のグループすなわち「黄5、黄5、黄5」で当った場合だけは変化の仕方が3通りとなっており、その他は全て4通りとなっている。[表2]の右から2番目の欄は確率変動するか否かを示しており、「確変」が確率変動する(確率が既に変動している場合はその状態が維持される)、「通常」が確率変動しない(確率が既に変動している場合は低下する)を意味している。[表2]の最も右の欄は、第2表示部27の変動表示後に確率変動する表示上の確率をグループ毎に示している。例えば、「黄1、黄1、黄1」で当った場合(第1グループ)は50%の確率で確率変動し、「青3、青3、青3」で当った場合(第3グループ)は100%の確率で確率変動する(いずれも表示上)。尚、表2において、「通常」と標記された図柄の組合せが、「特定の組合せ」の具体例を示し、表2において、「確変」と標記された図柄の組合せが、特別な図柄の組合せの具体例を示している。
【0114】
[表2]に示すように遊技機1においては、数字によらず赤、もしくは青の図柄が表示されたときに確率変動し、数字によらず緑、黄、もしくは白の図柄が表示されたときに確率変動しないようにされている。また、LED表示装置200の図柄は、第2表示部27の変動表示が行なわれている間、色調が変化される。例えば、「黄1、黄1、黄1」が「青1、青1、青1」になり更に「赤1、赤1、赤1」になり、第2表示部27の変動表示が停止すると[表2]の第1グループの内の一つ(例えば「緑1、緑1、緑1」)になる。
【0115】
ここで、図16のS550で行なわれる外れ変動パターン選択処理について図20に示す。特別図柄判定結果メモリ481j(図15参照)に記憶された判定結果がリーチを経ない外れの場合は(S700:NO)、S705に進み、確率変動中か否かを判定する。確率変動中の場合はS710に進み、入賞から5秒経過したか否かを判定する。経過している場合はS715に進み、高確率時における保留数に応じたデータテーブルを選択し、更にS730に進んでそのデータテーブルより変動パターン選択用の乱数を使用して変動パターンを決定する。一方、入賞から5秒経過していない場合(S710:NO)は、S720に進み、高確率時における5秒経過していない場合のデータテーブルを選択してS730に進む。
【0116】
S705で確率変動していないと判定された場合はS740に進み、入賞から5秒経過したか否かを判定する。経過している場合はS745に進み、低確率時における保留数に応じたデータテーブルを選択し、S730に進む。一方、入賞から5秒経過していない場合(S740:NO)は、S750に進み、低確率時における5秒経過していない場合のデータテーブルを選択してS730に進む。
【0117】
特別図柄判定結果メモリ481j(図15参照)に記憶された判定結果が、外れリーチ判定(「2」)の場合は(S700:YES)、S760に進み、確率変動中か否かを判定する。確率変動中の場合はS765に進み、高確率時の変動用のデータテーブルを選択してS730に進む。一方、確率変動していない場合(S760:NO)はS770に進み、低確率時の変動用のデータテーブルを選択してS730に進む。
【0118】
S770で選択されるデータテーブルの内容を図21に示す。まず、リーチ態様決定乱数メモリ481kに記憶された乱数値が100未満か否かを判定し(S810)、100未満でなければS815に進んで前記乱数値が255未満か否かを判定する。255以上であれば、本処理を終了する。なお、前記乱数値が255以上になることは通常はあり得ないので、S815の判定は不測の事態に備えたエラー処理の一種となっている。
【0119】
一方、乱数値が255未満の場合(S815:Yes)はS820に進み、前記乱数値が164未満か否かを判定する。164未満であれば、S825に進んで変動パターン7を選択し、本処理を終了する。ここで変動パターンとはいわゆるリーチアクションのことであり、パチンコ機1では15通りの変動パターンを備えている。これについて[表3]に示す。
【0120】
【表3】
【0121】
[表3]に示すように変動パターン1〜4はリーチではない外れで行なわれる態様、変動パターン5〜15はリーチ状態で行なわれる態様となっている。
【0122】
前記乱数値が164以上であれば(S820:No)、S830に進み、前記乱数値が228未満か否かを判定する。228未満であれば、S835に進んで変動パターン8を選択し、本処理を終了する。前記乱数値が228以上であれば(S830:No)、S840に進み、前記乱数値が237未満か否かを判定する。237未満であれば、S845に進んで変動パターン9を選択し、本処理を終了する。前記乱数値が237以上であれば(S840:No)、S850に進んで変動パターン12を選択し、本処理を終了する。
【0123】
S810でYes、すなわち前記乱数値が100未満と判定された場合には、S860に進み、前記乱数値が50未満か否かを判定する。50未満であれば、S865に進んで変動パターン6を選択し、本処理を終了する。前記乱数値が50以上であれば、S870に進んで変動パターン5を選択し、本処理を終了する。低確率時に外れリーチが発生した場合の変動用の変動パターンが、以上のようにして選択される。前記乱数値と変動パターンの関係は[表4]のようになる。
【0124】
【表4】
【0125】
つまり前述した15種類の変動パターン中の6種類の中から選択している。このように6種類の変動パターンから選択する場合、S820〜S850のようにして全ての変動パターンを決めると、前記乱数値が最も大きい場合に選択される変動パターン(ここでは変動パターン12)は、5回も比較判定を受ける必要がある。これに対し、図21の処理のように前記乱数値が100未満であるか否かを判定することにより2分することにより、変動パターン12でも4回(S815は含まない)の比較判定で選択される。なお、図21の処理において、S820〜S850を更に2分、すなわちS815でYesと判定した後に前記乱数値が228未満か否かを判定し、228未満であった場合には更にその乱数値が164未満か否かを判定してパターンを選択するようにし、一方、前記乱数値が228以上であった場合には更にその乱数値が237未満か否かを判定してパターンを選択するようにすれば、比較判定の回数を最高でも3回に減らすことができる。また、6個の変動パターンを3つずつ2分し、S810の比較判定を100未満か否かではなく、164未満か否かにしても比較判定の回数を最高3回に減らすことができる。
【0126】
また、リーチ状態となっている図柄(つまり左図柄、右図柄)から1つ手前の図柄で中図柄が停止する変動パターン8([表3]参照)や同じく2つ手前の図柄で中図柄が停止する変動パターン7([表3]参照)が発現する確率が、他の変動パターンよりも高くされているため、遊技者に「おしい」と感じさせる変動パターンがより多く発生され、遊技興趣を高めることができる。
【0127】
なお、S765で選択されるデータテーブル、すなわち確率変動中に表示される外れリーチの内容は、[表5]のようになっている。
【0128】
【表5】
【0129】
このように確率変動中に表示される外れリーチの変動パターンは、[表4]に示したものよりも多いものの、図21と略同様、まず乱数値を大きく2分したのち、更に対応する閾値と比較することにより変動パターンが選択されていく。
【0130】
S745で選択されるデータテーブルの内容を図22,23に示す。まず、保留数が3個以上の場合の外れ表示低確率保留選択の処理を図22に示す(本図では便宜上保留3と表示)。本処理ではまずリーチ態様決定乱数メモリ481kに記憶された乱数値が12未満か否かを判定する(S900)。12未満であれば、S905に進んで変動パターン2を選択し、本処理を終了する。ここで変動パターンとは図柄の変動時間が互いに異なるようにされた変動態様のことであり、パチンコ機1では4通りの変動パターンを備えており、変動時間が長い順に変動パターン1、変動パターン2、変動パターン3、変動パターン4となっている。前記乱数値が12以上であれば(S900:No)、S910に進み、前記乱数値が25未満か否かを判定する。25未満であれば、S915に進んで変動パターン3を選択し、本処理を終了する。前記乱数値が25以上であれば(S910:No)、S920に進み、変動パターン4を選択し、本処理を終了する。つまり保留数が3個以上の場合は、変動パターン1は選択されず、選択される確率が高い順に変動パターン4、変動パターン3、変動パターン2となっている。
【0131】
次に、保留数が0個の場合の外れ表示低確率保留選択の処理を図23に示す。本処理ではまずリーチ態様決定乱数メモリ481kに記憶された乱数値が192未満か否かを判定する(S950)。192未満であれば、S955に進んで変動パターン1を選択し、本処理を終了する。変動パターンの意味は図22と同じである。前記乱数値が192以上であれば(S950:No)、S960に進み、前記乱数値が230未満か否かを判定する。230未満であれば、S965に進んで変動パターン2を選択し、本処理を終了する。前記乱数値が230以上であれば(S960:No)、S970に進み、変動パターン3を選択し、本処理を終了する。つまり保留数が0の場合は、変動パターン4は選択されず、選択される確率が高い順に変動パターン1、変動パターン2、変動パターン3となっている。
【0132】
なお、同様の処理が保留数1、保留数2の場合に対応して存在する。各保留数と乱数値に応じて各変動パターンが選択される割合を[表6]に示す。
【0133】
【表6】
【0134】
変動時間の単位は秒である。この表から分かるように、パチンコ機1では、保留数ごとに3種類〜4種類の変動時間(単位は秒)の異なる変動パターンを選択するようにされている。各保留数に対する変動時間の平均値(選択のされ易さの重みを付けたもの)は、保留数0のときが11.1秒、保留数1のときが10.4秒、保留数2のときが 6.5秒、保留数3以上のときが 5.3秒となっている。これにより、変動時間が画一的(例えば、保留数が0なら変動パターン1に固定、保留数が1なら変動パターン2に固定)ではなくなり、遊技者の興趣を引き付けることができる。
【0135】
なお、第2表示部27は、図3に示す釘23が打ち込まれている遊技領域11の面よりも奥に配置されており、この面と同一面に設けられた透明板により遊技領域11と隔離されている。これについて図24に示す。図24は、中央装置16のA−A断面(図19参照)である。本図の左方が遊技者がいる側、右方が図6に示した裏面側の構造物がある側である。本図に示すように第2表示部27の大部分は、遊技領域11よりも盤面奥方向に配置されている。そして遊技球64が入球口272(入球口273(図19参照)でも可)に入ると、矢印P→Q→Rのように盤面奥方向へと導かれ、遊技領域11の面と同一面に設けられた透明板66と、第2表示部27の計12個の文字が形成された樹脂製板68との間の空間に入りこむ。なお、正確には樹脂製板68の遊技者側にはもう1枚、透明板69が配置されており、遊技球64が当たっても樹脂製板68に傷がつかないようにしてある。符号74は文字を点灯させるためのLEDユニットである。
【0136】
透明板66と樹脂製板68との間の空間に入りこんだ遊技球64は、手型の緩衝部材70(入球口273から入った場合は緩衝部材71(図19参照))に弾かれてこの空間内の斜面72を転動し、左端のVや1〜5(入球口273から入った場合は右端のVや6〜9、0)の前を横ぎって球出口73から遊技領域11へ戻る。この様子は、透明板66を通して遊技者が見ることができる。また、透明板66は、遊技領域11と同一面に配設されているため、遊技者から見て透明板66の手前側も遊技球64が通過する。このように第2表示部27の手前を遊技球64が通過でき、透明板66を隔てて更にその手前も遊技球64が通過できるという斬新な構成となっている。遊技球64の動きに更に変化を与えるので、娯楽性や興趣が向上させることができる。球出口73から出た遊技球は、高い確率で第一種始動口(普通電動役物)17(図19参照)に入賞する。
【0137】
なお、緩衝部材70、71は板バネ76にて第2表示部27の透明板69と同一位置の面25に固定されている。この仕組みを図25に示す。図25(b)は緩衝部材70を裏側から見た様子であり、図25(a)は図25(b)を上方から見た図である。本図に示すように板バネ76は両端が鉤状に曲がっており、その一方が緩衝部材70、他方が面25に埋めこまれている。これにより、遊技球64が緩衝部材70に衝突すると矢印Sのように揺れるので、遊技球64の動きに更に豊かになり、娯楽性や興趣が一層向上させることができる。緩衝部材71も略同様に板バネを介して面25に揺動可能に固定されている。なお、図19に示すように緩衝部材70、71の人差指70aが指し示している方向は第2表示部27の中央、すなわち遊技球64が転動して行く方向となっている。これにより、遊技球64が転動する方向が示されるので遊技者に不安を与えないようにすることができる。
【0138】
また、本実施例においては、例えば、第2表示部27の変動表示の後、LED表示装置200の図柄は色が変化されるのみであったが、数字も(または数字のみが)変わるようにしてもよい。この例としては、「黄1、黄1、黄1」が「黄4、黄4、黄4」や「青7、青7、青7」に変わることが挙げられる。また[表2]に示した27通り以外の図柄、例えば、「白7、白7、白7」に変わるようにしても良い。第2表示部27の変動表示の前にLED表示装置200に表示される図柄を[表1]に示したものよりも増やしても良い。また、第2表示部27の変動表示中は、LED表示装置200の数字の色調を変化されたが、LED表示装置200の数字の明度を変えたり、明度・色調の双方を変えたりしても良い。
【0139】
また、[表5]に示した変動パターンは4種類とも変動時間が異なっていたが、次に示す[表7]のように同じ変動時間が同じものを含んでいても良い。
【0140】
【表7】
【0141】
変動時間の単位は秒である。これ以外にも、変動パターン2と変動パターン3の各変動時間が互いに同じものにしたり、変動パターン3と変動パターン4の各変動時間が互いに同じものにしたりしてもよい。
【0142】
また、第2表示部27の変動表示のさせ方を変えても良い。例えば、点灯される箇所を単純に左右方向に往復させるのではなく、移動の速度(つまり、点灯させている時間)を徐々に速くしたり逆に遅くしたりしてもよい。また、移動しているかのように見せるのではなく、最初に全ての文字を点灯させ、1〜2個ずつ消灯させていってもよい。この場合、途中で確率変動となる箇所が多く残る(つまり点灯されている)ような消灯のさせ方をすると「確率変動する可能性が高い」という期待感を遊技者に持たせることができる。逆に確率変動となる箇所が少なくなるような消灯のさせ方をしてもよい。また、最初に点灯される文字を乱数で決めても良い。
【0143】
保留数に応じて変動時間を変える制御において、ある保留数においては変動時間を固定しても良い。すなわち、0〜4個の5種類の保留数において、例えば、保留数が1のときは変動パターン2または3のどちらかから選ぶが、保留数が0、2、3、4のときはそれぞれ変動パターン1、2、3、4に固定する、としても良い。
【0144】
次に、上記メインジョブの一連の流れの中で実行される、普通図柄の当否判定ジョブに関して図26を参照して説明する。なお、これらのジョブで使用する各種メモリ等は、図7に示す主制御部140のRAM481(図18参照)に格納され、代表的なもの(481p〜481s)を図15に示す。
【0145】
まず、S1200において、始動ゲート(即ち、普通図柄作動ゲート36、37の何れか)を、遊技球が通過したか否かを確認し、NOであれば、S1203に進み、普通図柄保留数メモリ481q(図15参照)に記憶されている保留数(未始動回数)の有無を判定する。保留数が無し(すなわちゼロ)であれば本処理を終了し、保留があればS1245に進む。一方、始動ゲート(即ち、普通図柄作動ゲート36、37の何れか)を、遊技球が通過した場合(S1200:YES)には、S1206に進み、保留数が4以上であるか否かを判定する。保留数が4以上であればS1245に進み、保留数が4未満であればS1210に進む。S1210では保留数を1インクリメントする。そしてS1220において、普通図柄の当否判定乱数値(以下、普通図柄判定乱数値という。)を発生させ、S1230において、この当否判定乱数値を読み込む。こうして読み込んだ普通図柄判定乱数値を、S1240において、普通図柄当否判定乱数メモリ481pに記憶する。このメモリは、読み込んだ普通図柄判定乱数値を、始動ゲート通過の時系列にシフトメモリ形式で記憶している。
【0146】
次に、変動開始時であれば、S1250において、普通図柄判定乱数メモリ481p(図15参照)から記憶している最も古い先頭の普通図柄判定乱数値を読み出すと共に、普通図柄判定乱数メモリ481pをシフトする。次いで、S1260において、普通図柄用の大当り番号メモリ(内蔵ROM482内にある)から大当り番号(当り用判定値)を読み出し、S1270において、上記普通図柄判定乱数値との比較を行い、両者が一致していれば当り判定となり、一致していなければ外れ判定となる。そして、当り判定の場合には、S1300において、「当り」という判定結果(本実施例では「1」)を普通図柄判定結果メモリ481q(図15参照)に記憶する。また、外れ判定の場合には、S1303において、「外れ」という判定結果(本実施例では「2」)を普通図柄判定結果メモリ481q(図15参照)に記憶する。
【0147】
次に、上記メインジョブの一連の流れの中で実行される、普通図柄メインジョブの概略の流れを図27を参照して説明する。まず、S1500において、始動ゲート(即ち、普通図柄作動ゲート36、37の何れか)を遊技球が通過することに基づき、普通図柄表示装置32の表示領域で、普通図柄の変動表示を開始させる。
【0148】
次いで、S1510において、普通図柄判定結果メモリ481p(図15参照)から判定結果を読み出し、更に、S1515において、確率変動中(確変中)であるか否かを判断する。この確率変動中とは、一般に、確率変動手段によって、「確率変動信号」が出力されると共に、所定の特別遊技状態終了後、次の大当りまで特別図柄の当否判定の確率(大当り確率)が向上している(例えば、通常の約4〜5倍に向上している)状態を指す。
【0149】
確率変動中でない場合(S1515;NO)には、S1520において、通常の開放パターンを選択する。そして、S1510で読み出された判定結果が、当り判定(「1」)の場合は(S1525:YES)、S1530に進み、当り図柄(7)を選択する。また、S1510で読み出された判定結果が、外れ判定(「2」)の場合は(S1525:NO)、S1535に進み、外れ図柄(1〜6、8、9のうちの何れか)を選択する。尚、S1520の「通常の開放パターン」は、「特別遊技中でなく、しかも、確率変動中でない場合」と、「特別遊技中の場合」の「開放パターン」を示しており、例えば、第一種始動口(普通電動役物)17が一定時間(例えば、0.5秒)開放される態様を示している。
【0150】
一方、確率変動中(但し、特別遊技中を除く)の場合(S1515;YES)には、S1550において、ベース値と、ベース値設定値とを読み込む。尚、このベース値設定値は、パチンコホールの側が目標とするベース値であり、例えば、前述の設定スイッチ147によって変更することができる。
【0151】
このように、ベース値と、ベース値設定値とを読み込んだ後に、S1555において、ベース値を適正な値に調整すること(ベース値設定値により近い値にすること)を目的に、開放パターンの選択が行われる。ここで、この開放パターンの選択は、図28にも示すように、ベース値調整用の開放パターン選択ジョブ(以下、開放パターン選択ジョブという。)によって行うことができる。尚、上記「ベース値設定値」としては、例えば、100%、80%等の種々の値を選択することができる。
【0152】
この開放パターン選択ジョブにおいては、図28に示すように、ベース値に応じて、3つのデータテーブルが用意されている。換言すると、実施例1では、可変始動入賞口{第一種始動口(普通電動役物)17}の開放時間テーブルが、複数設けられ、確率変動中(特別遊技中を除く)のベース値によって、開放時間テーブルを選択し、可変始動入賞口{第一種始動口(普通電動役物)17}の開放時間を調整し、ベース値の調整や管理を行う態様が述べられている。具体的には、ベース値が、(ベース値設定値+3%)よりも大きい場合には(S1600;YES)、S1605において、第一種始動口(普通電動役物)17の開放時間を短くした(例えば、開放時間Aを0.2秒とする。)「開放パターン」が選択される。これにより、第一種始動口(普通電動役物)17への入賞確率を下げ、徐々にベース値をベース値設定値に近づけることができる。
【0153】
また、ベース値が、(ベース値設定値+3%)以下であって(S1600;NO)、(ベース値設定値−3%)以上である(S1610;YES)場合には、第一種始動口(普通電動役物)17の開放時間を、前述の「通常の開放パターン」より長くした(例えば、開放時間Bを1秒とする。)「開放パターン」が選択される。この場合、ベース値が適正な値に調整されおり、通常の開放パターンを用いてもよいが、敢えて、開放時間を長くすることで、確率変動中の球持ちを特によくすると共に、遊技者の期待感を向上させることができる。
【0154】
更に、ベース値が、(ベース値設定値−3%)未満の場合(S1610;NO)には、第一種始動口(普通電動役物)17の開放時間を、前述の「通常の開放パターン」よりも更に長くした(例えば、開放時間Cを3秒とする。)「開放パターン」が選択される。これにより、第一種始動口(普通電動役物)17への入賞確率を上げ、徐々にベース値をベース値設定値に近づけることができる。
【0155】
図27に戻り、S1510で読み出された判定結果が、当り判定(「1」)の場合は(S1560:YES)、S1565に進み、当り図柄(7)を選択する。また、S1510で読み出された判定結果が、外れ判定(「2」)の場合は(S1560:NO)、S1570に進み、外れ図柄(1〜6、8、9のうちの何れか)を選択する。
【0156】
以上の如く、実施例1によると、確率変動中(特別遊技中を除く)において、普通図柄作動ゲート36、37の何れかを、遊技球が通過し、普通図柄の変動し、普通図柄の当り表示がなされるという、視認可能な契機が存在することを前提にして、第一種始動口(普通電動役物)17の「開放パターン」を選択(制御)し、第一種始動口(普通電動役物)17への入賞確率を調整・変動する。これにより、ベース値を変動させ、このベース値をベース値設定値に近づけている。このように、視認可能な契機が存在することを前提にして、第一種始動口(普通電動役物)17の開放時間を調節するため、遊技者に対し、不信感を与えることはない。
【0157】
また、釘調整のみに依存することなく、入賞率(ベース値)を調節できる。従って、高確率遊技状態が付与された状況で、遊技者が次の大当りの権利を獲得しようとする際に、入賞率(ベース値)のばらつきを少なくしたり、無くすることができるため、遊技者は次の大当りへの期待感を十分に維持できる。更に、入賞率(ベース値)のばらつきを生ずる釘調整のみに依存せずに、ベース値を調節するため、ベース値の管理が容易である。
【0158】
(2)実施例2
【0159】
実施例2では、第一種始動口(普通電動役物)17の「開放頻度」を選択し、ベース値を調整する態様について述べる。尚、実施例2は、普通図柄メインジョブと、ベース値調整用のジョブ(実施例1では、図28に示すジョブ)が異なる他は、実施例1と同様である。
【0160】
先ず、実施例2の普通図柄メインジョブの概略の流れを図29を参照して説明する。まず、S2500において、始動ゲート(即ち、普通図柄作動ゲート36、37の何れか)を遊技球が通過することに基づき、普通図柄表示装置32の表示領域で、普通図柄の変動表示を開始させる。次いで、S2510において、普通図柄判定結果メモリ481p(図15参照)から判定結果を読み出し、更に、S2515において、確率変動中であるか否かを判断する。
【0161】
確率変動中でない場合(S2515;NO)には、S2520において、通常の変動パターン(例えば、変動時間を6秒とする。)を選択する。そして、S2510で読み出された判定結果が、当り判定(「1」)の場合は(S2525:YES)、S2530に進み、当り図柄(7)を選択する。また、S2510で読み出された判定結果が、外れ判定(「2」)の場合は(S2525:NO)、S2535に進み、外れ図柄(1〜6、8、9のうちの何れか)を選択する。尚、S2520の「通常の変動パターン」は、「特別遊技中でなく、しかも、確率変動中でない場合」と、「特別遊技中の場合」の「変動パターン」を示している。
【0162】
一方、確率変動中(但し、特別遊技中を除く)の場合(S2515;YES)には、実施例1と同様にして、S2550において、ベース値と、ベース値設定値とを読み込む。このように、ベース値と、ベース値設定値とを読み込んだ後に、S2555において、ベース値を適正な値に調整すること(ベース値設定値により近い値にすること)を目的に、変動パターンの選択が行われる。ここで、この変動パターンの選択は、図30に示すように、ベース値調整用の変動パターン選択ジョブ(以下、変動パターン選択ジョブという。)によって行うことができる。尚、上記「ベース値設定値」としては、例えば、100%、80%等の種々の値を選択することができる。
【0163】
この変動パターン選択ジョブにおいては、ベース値に応じて、3つのデータテーブルが用意されている。換言すると、実施例2では、普通図柄の変動時間テーブルが、複数設けられ、確率変動中(特別遊技中を除く)のベース値によって、この変動時間テーブルを選択し、可変始動入賞口{第一種始動口(普通電動役物)17}の開放頻度を調整し、ベース値の調整や管理を行う態様が述べられている。具体的には、ベース値が、(ベース値設定値+3%)よりも大きい場合には(S2600;YES)、S2605において、普通図柄の変動時間を長くした(例えば、変動時間Dを8秒とする。)「変動パターン」が選択される。このように、普通図柄の変動時間を長くすることで、所定時間当たりの第一種始動口(普通電動役物)17の開放回数を少なくし、これにより、第一種始動口(普通電動役物)17への入賞確率を下げ、徐々にベース値をベース値設定値に近づけることができる。
【0164】
また、ベース値が、(ベース値設定値+3%)以下であって(S2600;NO)、(ベース値設定値−3%)以上である(S2610;YES)場合には、S2615において、普通図柄の変動時間を、前述の「通常の変動パターン」より短くした(例えば、変動時間Eを5秒とする。)「変動パターン」が選択される。この場合、ベース値が適正な値に調整されおり、通常の変動パターンを用いてもよいが、敢えて、変動時間を短くすることで、第一種始動口(普通電動役物)17の開放頻度・入賞確率を高め、確率変動中の球持ちを特によくすると共に、遊技者の期待感を向上させることができる。
【0165】
更に、ベース値が、(ベース値設定値−3%)未満の場合(S2610;NO)には、普通図柄の変動時間を、前述の「通常の変動パターン」よりも更に短くした(例えば、変動時間Fを2秒とする。)「変動パターン」が選択される。このように、普通図柄の変動時間を短くすることで、所定時間当りの第一種始動口(普通電動役物)17の開放頻度を高くし、これにより、第一種始動口(普通電動役物)17への入賞確率を上げ、徐々にベース値をベース値設定値に近づけることができる。
【0166】
図29に戻り、S2510で読み出された判定結果が、当り判定(「1」)の場合は(S2560:YES)、S2565に進み、当り図柄(7)を選択する。また、S2510で読み出された判定結果が、外れ判定(「2」)の場合は(S2560:NO)、S2570に進み、外れ図柄(1〜6、8、9のうちの何れか)を選択する。
【0167】
以上のように、実施例2によると、確率変動中(特別遊技中を除く)において、普通図柄作動ゲート36、37の何れかを、遊技球が通過し、普通図柄の変動し、普通図柄の当り表示がなされるという、視認可能な契機が存在することを前提にして、第一種始動口(普通電動役物)17の「開放頻度」を選択(制御)し、第一種始動口(普通電動役物)17への入賞確率を調整・変動する。これにより、ベース値を変動させ、このベース値をベース値設定値に近づけている。このように、視認可能な契機が存在することを前提にして、所定時間当たりの第一種始動口(普通電動役物)17の開放頻度を調節するため、本遊技機1を使用する遊技者に対し、不信感を与えることはない。
【0168】
また、実施例1と同様に、釘調整のみに依存することなく、入賞率(ベース値)を調節できる。従って、高確率遊技状態が付与された状況で、遊技者が次の大当りの権利を獲得しようとする際に、入賞率(ベース値)のばらつきを少なくしたり、無くすることができるため、遊技者は次の大当りへの期待感を十分に維持できる。更に、釘調整のみに依存せずに、ベース値を調節するため、ベース値の管理が容易である。
【0169】
(3)実施例3
【0170】
実施例3においても、実施例2と同様に、第一種始動口(普通電動役物)17の「開放頻度」を選択し、ベース値を調整する態様について述べる。尚、実施例3も、普通図柄メインジョブと、ベース値調整用のジョブ(実施例1では、図28に示すジョブ)が異なる他は、実施例1と同様である。
【0171】
先ず、実施例3の普通図柄メインジョブの概略の流れを図31を参照して説明する。まず、S3500において、始動ゲート(即ち、普通図柄作動ゲート36、37の何れか)を遊技球が通過することに基づき、普通図柄表示装置32の表示領域で、普通図柄の変動表示を開始させる。次いで、S3510において、普通図柄判定結果メモリ481p(図15参照)から判定結果を読み出し、更に、S3515において、確率変動中であるか否かを判断する。
【0172】
確率変動中でない場合(S3515;NO)には、S3510で読み出された判定結果が、当り判定(「1」)の場合は(S3525:YES)、S3530に進み、当り図柄(7)を選択する。また、S3510で読み出された判定結果が、外れ判定(「2」)の場合は(S3525:NO)、S3535に進み、外れ図柄(1〜6、8、9のうちの何れか)を選択する。尚、上記当り判定(「1」)を得る確率は、例えば、80%とされている。
【0173】
一方、確率変動中(特別遊技中を除く)の場合(S3515;YES)には、実施例1と同様にして、S3550において、ベース値と、ベース値設定値とを読み込む。このように、ベース値と、ベース値設定値とを読み込んだ後に、S3555において、ベース値を適正な値に調整すること(ベース値設定値により近い値にすること)を目的に、普通図柄の当り確率を維持するか、変更するかの選択が行われる。ここで、この当り確率変動の選択は、図32に示すように、「当り確率の選択ジョブ」によって行うことができる。尚、上記「ベース値設定値」としては、例えば、100%、80%等の種々の値を選択することができる。
【0174】
この当り確率の選択ジョブにおいては、ベース値に応じて、3つのデータテーブルが用意されている。換言すると、実施例3では、普通図柄の当り確率のテーブルが複数設けられ、確率変動中(特別遊技中を除く)のベース値によって、この当り確率のテーブルを選択し、可変始動入賞口{第一種始動口(普通電動役物)17}の開放頻度を調整し、ベース値の調整や管理を行う態様が述べられている。
【0175】
具体的には、ベース値が、(ベース値設定値+3%)よりも大きい場合には(S3600;YES)、ベース値が高くなり過ぎている。このため、S3510で読み出された判定結果が、当り判定(「1」)であるか否かを判断し(S3605)、外れ判定(「2」)の場合(S3605;NO)には、「当り確率の選択ジョブ」を終了する。一方、当り判定(「1」)である場合(S3605;YES)には、S3608に進んで、判定結果{即ち、当り判定(「1」)}を、外れ判定(「2」)に変更し、「当り確率の選択ジョブ」を終了する。つまり、ベース値が、(ベース値設定値+3%)よりも大きい場合には、普通図柄が当りとなる確率を「0%」にすることで、所定時間当たりの第一種始動口(普通電動役物)17の開放をなくす。これにより、第一種始動口(普通電動役物)17への入賞確率を下げ、徐々にベース値をベース値設定値に近づけることができる。
【0176】
また、ベース値が、(ベース値設定値+3%)以下であって(S3600;NO)、(ベース値設定値−3%)以上である(S3610;YES)場合には(、ベース値が適正な値に調整されているため、「当り確率の選択ジョブ」を直ちに終了する。よって、普通図柄が当りとなる確率は、確率変動中でない場合(S3515;NO)と同様な確率(例えば、80%)とされる。
【0177】
更に、ベース値が、(ベース値設定値−3%)未満の場合(S3610;NO)には、ベース値が低くなり過ぎている。このため、S3510で読み出された判定結果が、当り判定(「1」)であるか否かを判断し(S3620)、当り判定(「1」)の場合(S3620;YES)には、「当り確率の選択ジョブ」を終了する。一方、外れ判定(「1」)の場合(S3620;NO)には、S3625に進んで、判定結果{即ち、外れ判定(「2」)}を、当り判定(「1」)に変更し、「当り確率の選択ジョブ」を終了する。つまり、ベース値が、(ベース値設定値−3%)よりも低い場合には、普通図柄が当りとなる確率を「100%」にすることで、所定時間当たりの第一種始動口(普通電動役物)17の開放頻度を高くする。これにより、第一種始動口(普通電動役物)17への入賞確率を上げ、徐々にベース値をベース値設定値に近づけることができる。
【0178】
図31に戻り、当り確率の選択ジョブの後、この当り確率の選択ジョブによって、変更若しくは維持された判定結果が、当り判定(「1」)の場合は(S3560:YES)、S3565に進み、当り図柄(7)を選択する。また、外れ判定(「2」)の場合は(S3560:NO)、S3570に進み、外れ図柄(1〜6、8、9のうちの何れか)を選択する。
【0179】
以上のように、実施例3によると、確率変動中(特別遊技中を除く)において、普通図柄作動ゲート36、37の何れかを、遊技球が通過し、普通図柄の変動し、普通図柄の当り表示がなされるという、視認可能な契機が存在することを前提にして、第一種始動口(普通電動役物)17の「開放頻度」を選択(制御)し、第一種始動口(普通電動役物)17への入賞確率を調整・変動する。これにより、ベース値を変動させ、このベース値をベース値設定値に近づけている。このように、視認可能な契機が存在することを前提にして、第一種始動口(普通電動役物)17の開放頻度を調節するため、遊技者に対し、不信感を与えることはない。
【0180】
また、実施例1と同様に、釘調整のみに依存することなく、入賞率(ベース値)を調節できる。従って、高確率遊技状態が付与された状況で、遊技者が次の大当りの権利を獲得しようとする際に、入賞率(ベース値)のばらつきを少なくしたり、無くすることができるため、遊技者は次の大当りへの期待感を十分に維持できる。更に、入賞率(ベース値)のばらつきを生ずる釘調整のみに依存せずに、ベース値を調節するため、ベース値の管理が容易である。
【0181】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
【0182】
上記実施例1〜3では、開放パターン選択ジョブ、変動パターン選択ジョブ、及び当り確率の選択ジョブにおいて、各々3つのデータテーブルを用意したが、用意するデータテーブルの数は、2つであったり、4つ以上であってもよい。特に、データテーブルの数を多くする(例えば、5つ以上にする)と、ベース値をよりきめ細かく、調整・管理でき、好ましい。
【0183】
また、パチンコ機1の制御方法も他の態様であっても実施できる。例えば、主制御部140と特別図柄制御部160、音声ランプ制御部170、又は払出制御部150等(以下、副制御部ともいう)との間での制御に関して主制御部140から出力されるコマンドの種類や主制御部140の制御負担を極力抑制した制御態様の遊技機にも適用できる。
【0184】
この制御態様における、例えば主制御部140と特別図柄制御部160との間のコマンド送信に関して説明すると、特別図柄の制御において、主制御部140は特別図柄制御部160に対して変動コマンド、停止図柄コマンド、及び変動停止コマンドを送信し、特別図柄制御部160では変動コマンドを受けて、複数の変動態様から乱数等による抽選で変動態様を決定する。各コマンドの送受信時期、順序についても、情報伝達の確実性や、多様な遊技態様の実現、あるいは不正防止等の観点から種々の技術が採用される。
【0185】
このようにすることで、様々な効果を発揮する。機種変更の際には、異機種においても主制御プログラムを共用でき、副制御プログラムについてのみ変更すれば済むこととなり設計変更容易となる。また、第三者検査機関による検査についても容易にできる。更に、主制御部140の負担軽減や副制御部での制御自由度の向上により多様な遊技効果を実現可能となる。
【0186】
また、副制御部同士(2以上)についても送信可能とすることができる。尚、上記では主制御部140と副制御部又は副制御部間において送信するとしたが、送信とは一方向であっても双方向であってもどちらでも良い。
また、樹脂製板68は透明板69により保護されていたが、透明板69を排除しても良い。その際には、樹脂製板68を硬質な(または柔軟性に富む)材質により成形して、遊技球64が衝突しても傷がつきにくくするとよい。
【0187】
また、緩衝部材70、71を板バネ76以外の弾性体で支持してもよい。その一例を図21(c)に示す。本図に示す態様では、板バネ76の代わりに渦巻バネ77を用いている。渦巻バネ77の一端77aを面25に、他端77bを緩衝部材70に固定することにより緩衝部材70は矢印Tのように揺れる。また、このように板バネ76や渦巻バネ77ではなくコイルバネで支持したり、こうしたバネなどを設けることなく、緩衝部材70自体に弾性を持たせても良い。
【0188】
テレビ受像機やコンピュータディスプレイ等の画像表示装置において、パチンコ機1が稼働している様子を表示するプログラムをビデオゲーム機やパーソナルコンピュータに実行させることにより擬似的に遊技を行なわせるようにしてもよい。
【0189】
【発明の効果】
以上のように、本発明によると、高確率遊技状態におけるベース値(入賞率)を斬新な方法で調整し、ベース値(入賞率)のばらつきを生じさせない遊技機が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の各実施例に係る遊技機を示す正面図である。
【図2】本発明の各実施例に係る遊技機において、前面枠を開いた状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の各実施例に係る遊技機の遊技盤を示す正面図である。
【図4】本発明の各実施例に係る遊技機において、槌先球検知スイッチ及びファール球センサを示すために、上皿部等を取り外した状態の正面図である。
【図5】(a)は本発明の各実施例に係る遊技機において、集合カバー及び排出球検知手段を説明するための背面図、(b)は図5(a)のa−a縦断面図である。
【図6】本発明の各実施例に係る遊技機を示す裏面図である。
【図7】本発明の各実施例に係る遊技機が備える電子制御装置を示すブロック図である。
【図8】(a)は本発明の各実施例に係る遊技機が備える電子制御装置を構成する主制御部の説明図であり、(b)は本発明の各実施例に係る遊技機が備える電子制御装置を構成する枠制御部の説明図である。
【図9】本発明の各実施例に係る遊技機が備える電子制御装置を構成する特別図柄制御部の説明図である。
【図10】本発明の各実施例に係る遊技機の主制御部が行うメインジョブを説明するためのフローチャートである。
【図11】本発明の各実施例に係る遊技機において、電源断(停電等)が発生したときの処理を示すフローチャートである。
【図12】本発明の各実施例に係る遊技機において、電源断(停電等)が発生したときの復電処理を示すフローチャートである。
【図13】本発明の各実施例に係る遊技機において、特別図柄当否判定ジョブを説明するためのフローチャートの一部である。
【図14】本発明の各実施例に係る遊技機において、特別図柄当否判定ジョブを説明するためのフローチャートの一部である。
【図15】本発明の各実施例に係る遊技機において、主制御部の内蔵RAMに格納された各種メモリ等の代表例を示す説明図である。
【図16】本発明の各実施例に係る遊技機において、特別図柄メインジョブの概略を説明するためのフローチャートである。
【図17】本発明の各実施例に係る遊技機において、主制御部を示す説明図である。
【図18】本発明の各実施例に係る遊技機において、主制御部を構成するCPUを示す説明図である。
【図19】本発明の各実施例に係る遊技機において、中央装置を第一種始動口(普通電動役物)と共に拡大した図である。
【図20】本発明の各実施例に係る遊技機において、外れ変動パターン選択処理のフローチャートである。
【図21】本発明の各実施例に係る遊技機において、低確率変動用データ選択の処理のフローチャートである。
【図22】本発明の各実施例に係る遊技機において、保留数が3個以上の場合に実行される外れ表示低確率保留選択の処理のフローチャートである。
【図23】本発明の各実施例に係る遊技機において、保留数が0個の場合に実行される外れ表示低確率保留選択の処理のフローチャートである。
【図24】図19のA−A断面図である。
【図25】本発明の各実施例に係る遊技機において、緩衝部材70、板バネ76の説明図である。
【図26】本発明の各実施例に係る遊技機において、普通図柄当否判定ジョブを説明するためのフローチャートである。
【図27】本発明の実施例1に係る遊技機において、普通図柄メインジョブの概略を説明するためのフローチャートである。
【図28】本発明の実施例1に係る遊技機において、開放パターン選択ジョブの概略を説明するためのフローチャートである。
【図29】本発明の実施例2に係る遊技機において、普通図柄メインジョブの概略を説明するためのフローチャートである。
【図30】本発明の実施例2に係る遊技機において、変動パターン選択ジョブの概略を説明するためのフローチャートである。
【図31】本発明の実施例3に係る遊技機において、普通図柄メインジョブの概略を説明するためのフローチャートである。
【図32】本発明の実施例3に係る遊技機において、当り確率の選択ジョブの概略を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1;遊技機
11;遊技領域
17:可変始動入賞口{第一種始動口(普通電動役物)}
17s;始動入賞検知手段{第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ}
19〜22;普通入賞口(左入賞口19、右入賞口20、左下入賞口21、右下入賞口22)
19s〜22s;普通入賞検知手段(左下入賞口通過検知スイッチ21s、右下入賞口通過検知スイッチ22s、左入賞口通過検知スイッチ19s、右入賞口通過検知スイッチ20s)
24;7セグメント表示装置(第1表示領域)
32;普通図柄表示装置(第2表示領域)
36、37;始動ゲート(普通図柄作動ゲート)
36s、37s;通過検知手段(普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ)
200;LED表示装置(可変表示装置)
311;可変入賞口(大入賞口)
318;特定入賞検知手段(入賞球検知スイッチ)
401;CPU(識別情報制御手段、可変始動入賞口制御手段、確率変動手段、ベース管理手段、ベース値変動手段)
G;槌先球検知スイッチ(遊技球検知手段)
H;ファール球センサ
M;排出球検出手段。
Claims (5)
- 遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技盤に設けられ、第1表示領域および第2表示領域を有する可変表示装置と、
同じく前記遊技盤に設けられる普通入賞口、可変始動入賞口、可変入賞口および始動ゲートと、を備え、
前記普通入賞口は、遊技球が通過したことを検知し普通入賞信号を出力する普通入賞検知手段を有し、
前記可変始動入賞口は、遊技球が通過したことを検知し始動入賞信号を出力する始動入賞検知手段を有し、
前記始動ゲートは、遊技球が通過したことを検知し通過信号を出力する通過検知手段を有し、
前記始動入賞検知手段が出力する始動入賞信号に応じて、複数の変動態様の中から選択された変動態様を経て第1識別情報を前記第1表示領域に表示させ、
前記通過検知手段が出力する通過信号に応じて、識別情報制御手段によって所定の変動態様を経て第2識別情報を前記第2表示領域に表示させ、
前記第1識別情報が予め定められた特定の図柄若しくは特定の図柄の組合せ、又は、特別な図柄若しくは特別な図柄の組合せとなったとき、特定条件によって前記可変入賞口を遊技者に有利な状態に変化させる遊技機であって、
前記第2識別情報が予め定められた所定の図柄又は所定の図柄の組合せとなったとき、前記可変始動入賞口を所定の開放パターンによって遊技者に有利な状態に変化させる可変始動入賞口制御手段と、
前記第1識別情報が前記特別な図柄又は特別な図柄の組合せとなったとき、前記第1識別情報が特定の図柄若しくは特定の図柄の組合せ、又は、特別な図柄若しくは特別な図柄の組合せとなる確率を変動させ、確率変動信号を出力する確率変動手段と、
少なくとも前記確率変動手段によって前記確率が変動されたとき、ベース値を逐一管理し、ベース値を出力するベース管理手段と、
前記確率変動信号及び前記ベース値に応じて、前記可変始動入賞口への入賞確率を変動させて前記ベース値を変動させるベース値変動手段と、
を備えたことを特徴とする遊技機。 - 遊技球発射制御手段によって放出された遊技球を検知し発射球信号を出力する遊技球検知手段、又は前記普通入賞口と前記可変始動入賞口と前記可変入賞口の何れにも入賞せず遊技領域外へ排出される遊技球を検知し排出球信号を出力する排出球検知手段、の少なくとも1つを備えると共に、
前記ベース管理手段は、前記発射球信号又は排出球信号の少なくとも1つと、前記普通入賞信号と、前記始動入賞信号とによってベース値を逐一管理し、ベース値を出力することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。 - 前記ベース値変動手段は、前記開放パターンとして、予め定められた複数の開放パターンの中から一つの開放パターンを選択させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
- 前記ベース値変動手段は、前記識別情報制御手段によって表示される所定の変動態様として、予め定められた複数の変動態様の中から1つの変動態様を選択させることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の遊技機。
- 前記ベース値変動手段は、前記第2識別情報が予め定められた所定の図柄又は所定の図柄の組合せとなる確率を変動させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の遊技機。
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