JP2004024504A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】遊技者の興趣を引き付けつつも、特別図柄制御部の負担を軽減できる遊技機を提供する。
【解決手段】LED表示装置200の前記セグメント体は、赤・緑・青のLEDが背後に設けられており、これら3色の組み合せによって、黄、白など様々な色を表示可能にされている。こうしたLED表示装置200の表示制御は、主制御部140から出力された指令が音声ランプ制御部170を介して特別図柄制御部160へ伝送されることにより特別図柄制御部160が行なう。そして、第2表示部27の変動は、試験端子に出力する必要のない信号により識別情報が音声ランプ制御部170で直接制御するので、特別図柄制御部160のROM容量やCPUに負担を掛けることなく高速で処理することができる。
【選択図】 図5
【解決手段】LED表示装置200の前記セグメント体は、赤・緑・青のLEDが背後に設けられており、これら3色の組み合せによって、黄、白など様々な色を表示可能にされている。こうしたLED表示装置200の表示制御は、主制御部140から出力された指令が音声ランプ制御部170を介して特別図柄制御部160へ伝送されることにより特別図柄制御部160が行なう。そして、第2表示部27の変動は、試験端子に出力する必要のない信号により識別情報が音声ランプ制御部170で直接制御するので、特別図柄制御部160のROM容量やCPUに負担を掛けることなく高速で処理することができる。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技機に関し、特にいわゆるセブン機、羽根物、権利物又はアレンジボール等の弾球遊技機や、スロットマシン等のコイン式遊技機などの遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、弾球遊技機には、いわゆるフィーバー機、権利物、あるいはアレンジ等と呼ばれる種々のゲーム内容のものが普及している。このうち、フィーバー機は、所定領域(例えば始動入賞口や特定ゲート)に遊技球が入賞または通過すると、可変表示装置に図柄を変動表示させる。その可変表示装置の表示状態が特定のものとなった場合、例えば、大当り時には、まずリーチ表示を行い、そして3つの表示部に表示される図柄の組合わせが「7,7,7」等の特定のゾロ目の組合わせになった場合に、特定入賞口の大入賞口が開放される(大当り。特別遊技ともいう)ように構成されている。大当りが発生すれば、スピーカなどの音声発生手段から所定の効果音を発生させるとともに、遊技機本体に設けられた表示ランプなどを点滅させてゲーム状況の変化に応じた音響的、光学的な演出を行ない、遊技者の興趣を喚起するようにしている。また大入賞口は、所定個数の遊技球が入賞するか所定時間が経過することにより一旦閉鎖されるが、上記開放中において大入賞口内に形成された特定領域を遊技球が通過していれば再び開放し、この開放及び閉鎖の動作を最大16回繰り返すように構成されている。
【0003】
大当り時の図柄(当り図柄)に応じて、特別遊技終了後に大当りとなる確率が高くなる高確率遊技状態(いわゆる確率変動状態)が付与される場合もある。例えば、当り図柄の組合せが「7、7、7」または「3、3、3」であるときに高確率遊技状態が付与される機種がある。一方、当り図柄の組合わせが「7、7、7」「3、3、3」以外のときであっても、特別遊技に入る前に仮停止の表示をした当り図柄を再び変動表示させる演出(いわゆる再抽選)をする機種もある。この場合、最終的に表示された当り図柄の組合わせが「7、7、7」または「3、3、3」であれば、高確率遊技状態が付与される。
【0004】
可変表示装置に表示される図柄が変動中である間に始動入賞口等に入賞(または特定ゲートを通過)した遊技球があった場合は、所定記憶個数を上限にその入賞した遊技球の数を記憶するよう構成されている。そして、可変表示装置における図柄の変動が停止し、表示された図柄が当り図柄でなければ、記憶している入賞球に基づいて可変表示装置に図柄が変動表示される。しかしながら、可変表示装置における図柄の変動中に、所定記憶個数を超える数の遊技球が連続して始動入賞口に入賞(または特定ゲートを通過)した場合、その超過した入賞は無効になってしまう場合があった。そのため、所定記憶個数に基づいて可変表示装置における図柄の変動時間を単純に短くすることにより無効になる入賞の数を減らすことが行なわれてきた。
【0005】
次に、権利物やアレンジ遊技機では、可変表示装置が特定のゾロ目表示状態となることによりチューリップ式電動役物等の特定入賞口が所定時間開放し、この開放した特定入賞口内の特定領域を遊技球が通過することにより大当り状態となる。そして大当り状態になると、通常時には無効である入賞口等が、所定個数の遊技球が入賞するまで、あるいは所定ゲーム数経過するまで有効となり、この有効となった入賞口に遊技球が入賞するとアタッカー等の役物が開放するように構成されている。
【0006】
このように、特定のゾロ目条件が成立して特定入賞口が遊技客に有利な状態になると、フィーバー機等では、遊技者は特定入賞口(この場合アタッカー)内の特定領域に遊技球を通過(入賞)させて、大当り状態を発生させ、又は大当り状態を継続させて、大量の賞球の獲得をしようとするのである。
【0007】
これらの遊技機では、従来、1枚の制御基板上に、主に遊技を司る主制御部、図柄表示を制御する特別図柄制御部、音を制御する音声制御部、ランプを制御するランプ制御部など、複数の制御手段を設けて、遊技機を制御していた。
ところで、弾球遊技機においては、「新たに開発された機種の機能が所定の要件を満たしているか否か」等の検査が、第三者により行なわれている。この様な検査では、従来機からの変更箇所(例えば、主制御部、特別図柄制御部等)のみを検査することが望ましいが各制御部が1枚の制御基板上に構成されているため、特定の制御部のみを検査することが困難であり、全ての制御部を対象として検査が実施されていた。また、図柄の変動パターン等の図柄演出、効果音等の音演出、およびランプ演出の多様化を図る場合には、各制御部が複雑になり、さらには制御基板の回路構成が非常に複雑になってしまい、新機種の開発作業に多大な労力がかかっていた。
【0008】
そこで各制御部を、各々別々の制御基板として構成する方法が採用された。つまり、遊技を司る主制御部から図柄表示制御部、音声制御部、およびランプ制御部などの各制御部へ制御信号を送信し、各制御部は受信した制御信号に基づいて各演出を実施することで、開発作業や第三者による検査の省力化を図り、また、遊技者の興趣を喚起するために、遊技の演出多様化も実現して来た。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような遊技機では、主制御部から特別図柄制御部へ伝送し、試験端子に出力する必要のないものも特別図柄制御部を介して制御おり、遊技者の興趣を喚起する演出を多様化するために、図柄の変動に連動させたキャラクタの表示や、多種類化によるリーチ態様の多様化、ランプ表示によるリーチ予告など、特別図柄表示制御部におけるCPUの処理負担が増大し、延いてはそれら演出のための制御プログラムや図柄データを記憶するROMの記憶容量が不足し、更なる演出の多様化を図ることで遊技者の興趣を喚起することが難しくなってきた。また、各制御部の機能をフルに活用した演出を行なう場合、主制御部から他の制御部への制御信号のデータ量が非常に多くなり、制御信号の伝達を迅速に行なえないという問題があった。
【0010】
特に、特別図柄制御部は、多数の試験端子を有し、それらにも信号を送らなければならないし、更には、コマンドの振り分けや表示処理などの多数の処理を行なうためCPUに多大な負担を掛けることとなる。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、特別図柄制御部の負担を軽減すると共に、遊技者の興趣を引き付ける多様な演出が可能な遊技機を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
係る課題を解決するためになされた請求項1に記載された本発明は、遊技盤と、前記遊技盤に設けられ、複数種類の識別情報を変動表示可能であって識別情報を同時に複数表示可能な第1の表示装置と、前記遊技盤に設けられ、複数種類の識別情報を変動表示可能であって前記第1の表示装置に表示される識別情報に関連する識別情報を表示可能な第2の表示装置と、前記第1の表示装置に表示される識別図柄が予め定められた特定の配列となったとき、遊技者にとって有利な状態に変化可能な可変入賞装置とを備えた遊技機であって、
遊技を司り当否判定などの遊技状態を判断する主制御部と、当りの場合に前記識別情報を所定態様に確定表示する第1の副制御部と、音声出力やランプ出力を制御する第2の副制御部とを備え、
前記第1の副制御部は、前記第2の副制御部を経由して前記主制御部と伝送可能に接続されると共に、前記第1の表示装置は、前記第1の副制御部により制御され、前記第2の表示装置は、前記第2の副制御部で制御されることを特徴とする。
【0012】
このように構成された遊技機によれば、主制御部から第2の副制御部(例えば音声ランプ制御部)を介して第1の副制御部(例えば特別図柄制御部)へ伝送することで、試験端子に出力する必要のない信号により識別情報が可変表示される第2の表示装置を第1の副制御部を経由せず第2の副制御部で直接制御するので、第1の副制御部のROM容量やCPUに負担を掛けることなく高速で処理することができる。
【0013】
請求項2に記載された本発明は、請求項1に記載の遊技機において、前記第1の表示装置で表示される識別情報は、外部端子により遊技機外に識別情報信号として出力可能とされ、前記第2の表示装置で表示される識別情報は、外部端子により遊技機外に出力しないことを特徴とする。
【0014】
このように構成された遊技機によれば、外部端子により遊技機外に出力する信号と出力しない信号とに分けて制御されるので、第1の副制御部(例えば特別図柄制御部)の負担を最大限に軽減することができる。
請求項3に記載の遊技機は、請求項1または請求項2に記載の遊技機において、前記第1の副制御部と、前記第2の副制御部とは、双方向に伝送可能であることを特徴とする。
【0015】
このように構成された遊技機によれば、音の発生、ランプの点灯、図柄の表示、及び表示装置の可動等を、当り図柄の確定やリーチ態様にあわせて正確なタイミングで制御できる。すなわち同期を図ることが容易となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を示す実施例について図面に基づいて説明する。
尚、本実施の形態では、第1の副制御部及び第2の副制御部の一例として、各々特別図柄制御部及び音声ランプ制御部を挙げて説明する。
【0017】
ここでは遊技機として、いわゆるセブン機と呼ばれるタイプの第一種パチンコ機(弾球遊技機)を例に取り、その構造について図1〜図4を参照して説明する。
パチンコ機1の前面部は、図1及び図2に示すように、主として外枠(本体枠)2と、中枠3と、前面枠4と、上皿部5と、下皿部6と、施錠装置7とから構成されている。
【0018】
外枠2は、木製の板状体を略長方形の額縁状に組立て固着したものである。中枠3は、全体がプラスチック製で、枠体部(図2参照)3aと下板部とを有し、外枠2に対して開閉可能に軸支されている。中枠3の右端中央には施錠装置7が設けられ、施錠装置7は、正面視すると鍵穴を備えた略長方形状を呈し、前面枠4を閉鎖した場合に施錠するためのものである。
【0019】
又、音声ランプ制御部は、通常、試験端子を有さず、処理数も少ない。そこで主制御部と特別図柄制御部の間に音声ランプ制御部を経由して、上記したように主制御部からの信号を特別図柄制御部と、音声ランプ制御部とで処理することにより効率良く負担を分担でき、かつ遊技の演出を多様化したとしても迅速に処理させることができる。
【0020】
ここで枠体部3aは、上端から下方へ中枠3全体の略2/3程度に略長方形の額縁状に形成され、上端部には、前面枠4の略三角形状の枠飾りLED用レンズ4c,4eに対応して、左側に賞球表示LED(図示を省略)及び賞球表示LED基板4d(図5参照)が、右側にストップ表示LED(図2では図示略)及びストップ表示LED基板4f(図5参照)が配設されている。
【0021】
また、下板部は、下端から上方へ中枠3全体の略1/3程度を占め、左端には、上皿部5に形成されたスピーカー面5aに対応すべく、遊技状態に応じた効果音その他の音(音声)を発生させるスピーカー400a(図5参照)が配設され、略中央には、遊技球を発射する発射装置ユニット(図示略)に対し、上皿部5に貯留された遊技球を供給する供給装置等(図示略)が設けられている。
【0022】
さらに、下板部の下方には、灰皿や玉抜きレバー等を備えた下皿部6が設けられ、下皿部6の略中央には、パチンコ機1の内部から遊技球を排出するための排出口6aが開設され、右端に発射装置ユニット(図示略)を操作する発射ハンドル9が設けられている。また、この発射ハンドル9には、遊技者がタッチしていることを検出するタッチスイッチ9aが装着され、その近傍には、発射停止を一時的に指令する発射停止スイッチ9bが配置されている。
【0023】
前面枠4は、図1及び図2に示すように、全体がプラスチック製であり、遊技盤10(図3参照)を前方から視認するべく、遊技盤10に形成された遊技領域11(図3参照)の形状に対応して略円周状に開設された開口部4aを有している。そして、その裏面には、開口部4aに応じてガラス板4rが嵌められた略長方形状のガラス枠4s(図2参照)が装着されている。尚、本実施例では、ガラス枠4sが、前面枠4に裏面に装着され、このガラス枠4fによって、ガラス板4rの周縁部が保持されている。そして、遊技者を基準とすれば、遊技盤10に形成された遊技領域11は、ガラス板4eの後方に形成されている。尚、前面枠4の前面側にガラス枠4sを装着し、前面枠4の前面側で、ガラス板4rを保持してもよい。また、ガラス板4r以外の透明板(例えば、透明な樹脂板)を、前面枠4に装着された透明板枠で保持することもできる。
【0024】
また、この前面枠4は、パチンコ機1の前面全体の約2/3のサイズを占め、中枠3の左端に軸着され開閉可能に形成されている。さらに、上端部には、枠飾りランプ用レンズ4bも設けられ、このレンズ4b内部には、開口部4a上端の円弧部分に沿って、枠飾りランプ基板4g(図5参照)及び複数個の遊技効果ランプ(図示略)が配設されている。
【0025】
上皿部5は、前面枠4の下側で、中枠3の左端に軸着され開閉可能に形成されている。皿外縁部5bには、玉抜きボタンや遊技球の貸出・返却ボタン等が配設されている。また、上皿部5には、パチンコ機1の内部から遊技球を排出するための排出口5cが開設されている。左端には、複数の長孔を有するスピーカー面5aが形成され、その裏面には、音量スイッチ基板12(図5参照)が設けられている。パチンコ機1の左端側には、プリペイドカードユニット13が装着されている。
【0026】
次に、本実施例の遊技盤10の表面構造について図3を参照して説明する。遊技盤10は、略長方形の木製の板状体であって中枠3(図1及び図2参照)に保持されるとともに、後述する裏機構盤102(図4参照)によりその背面側が覆われている。遊技盤10には、遊技盤10の表面に設けられた外レール14と内レール15とにより略円形状の遊技領域11が形成され、遊技領域11内には、中央装置16と、第一種始動口(普通電動役物)17と、変動入賞装置18と、左入賞口19、右入賞口20、左下入賞口21、右下入賞口22と、多数の釘23等が配設されている。なお、本図では図を簡素にするため、釘23の一部、ランプ風車などを省略している。
【0027】
中央装置16は、遊技領域11の略中央部に配置され、普通図柄表示装置32と、LED表示装置200と、第2表示部27と、入球口272、273とを備えている。
LED表示装置200は、3桁の7セグメント表示装置24を主要部として構成されており、遊技球が第一種始動口(普通電動役物)17に入球することにより、各桁7個のセグメント体を適宜点灯・消灯させることにより各特別図柄をそれぞれ変動させて停止表示させるものである。そして、例えば、図柄が「7、7、7」の3桁同一図柄で揃って停止表示(確定表示)すると、変動入賞装置18に配設された後述する大入賞装置31の大入賞口311が開放される。即ち、パチンコ機1では、「複数の識別情報」を表示する領域として、左特別図柄表示領域と、中特別図柄表示領域と、右特別図柄表示領域とを備えている。また、「遊技球が第一種始動口(普通電動役物)17に入球する。」という「所定条件の成立」によって、各特別図柄がそれぞれ変動され(即ち、複数の識別情報を可変表示され)、「図柄が3桁同一図柄で揃う。」という、特定条件の停止態様が達成されると、「大当り」という、「特定の価値」を付与するパチンコ機1である。
【0028】
普通図柄表示装置32は、「表示装置」の一具体例を示しており、中央装置16の上部中央に配置されている。普通図柄表示装置32は、1〜9の奇数数字を変動表示させるもので、普通図柄作動ゲート36、37のいずれかを遊技球が通過することにより変動して、所定時間経過後に1種類の奇数数字が停止表示される。そして、例えば「7」で停止表示すると、第一種始動口(普通電動役物)17が所定時間(例えば、0.5秒)開放される。
【0029】
普通図柄作動ゲート36、37は中央装置16の左右斜め下方に、それぞれ設けられ、この左右の普通図柄作動ゲート36、37内に左、右普通図柄作動ゲート検知スイッチ36s、37s(図5参照)が配設されている。そして、遊技球の普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ36s、37sのいずれかの通過により、普通図柄表示装置32が変動表示する。
【0030】
なお、中央装置16には、左右の普通図柄作動ゲート36、37を通過した遊技球の数を4個まで保留するLEDや、第一種始動口(普通電動役物)17への入賞の数を4個まで保留するLEDも設けられているが本図では省略した。
第一種始動口(普通電動役物)17は、中央装置16の中央位置の下方に離れて配設されている。第一種始動口(普通電動役物)17は、いわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部が開閉するべく形成され、その前面に飾りを備えて後述する基板34に取り付けられている。内部には、遊技球の通過を検知する第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17s(図5参照)と、翼片部を作動させるための第一種始動口(普通電動役物)ソレノイド17c(図5参照)とが備えられている。この一対の翼片部が左右に開くと、遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となり、一対の翼片部が立設され、遊技球の入球可能性が小さくなる通常状態となる。
【0031】
変動入賞装置18は、上記第一種始動口(普通電動役物)17の下方に配設されており、前面側が略逆台形状に形成された基板34に、大入賞装置31と、左下入賞口21と右下入賞口22とを備えている。ここで、大入賞装置31は、略中央に形成され、帯状に開口された大入賞口311と、この大入賞口311を開放・閉鎖する開閉板312と、この開閉板312を開閉するための大入賞口ソレノイド313(図5参照)と、大入賞口311に入賞した後に遊技球が通過する特定領域(V入賞口及び一般入賞口/図示略)と、連動杆(図示略)と、入賞球を検知する入賞球検知スイッチ318(図5参照)と、裏箱(図示略)と、大入賞口中継基板(図示略)とから主に構成されている。
【0032】
また、左下入賞口21は、第一種始動口(普通電動役物)17の略真横の左側に配設されて、内部に左下入賞口通過検知スイッチ21s(図5参照)が設けられている。そして、この左下入賞口21の下方には複数個の左下入賞口LED223〜225が左下入賞口LED基板21f(図5参照)に取り付けられ、飾りレンズによって被覆されている。さらに、右下入賞口22は、第一種始動口(普通電動役物)17の略真横の右側に配設されて、内部に右下入賞口通過検知スイッチ22s(図5参照)が設けられている。
【0033】
変動入賞装置18の左右斜め上方には、左入賞口19及び右入賞口20がそれぞれ配設されている。そして、その内部にはそれぞれ、左入賞口通過検知スイッチ19s(図5参照)、右入賞口通過検知スイッチ20s(図5参照)が設けられている。さらに、遊技領域11の左右両端部には、一対のサイドランプ38、39がそれぞれ縦円弧状で相対称状に配設されている。なお、多数の釘23は、以上説明した各遊技装置との位置バランスを考慮して、遊技領域11にパチンコ遊技に適するべく、配設されている。
【0034】
次に、遊技盤10の下方にはアウト口48が設けられ、そのアウト口48の下部にはバック球防止部材58が設けられており、遊技領域11に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止している。一方、ファール球防止部材59は、内レール15の先端部に取り付けられ、返しゴム60は、ファール球防止部材59の位置とは略正反対側の、遊技盤10の右半分側の位置であって、外レール14に沿って嵌合状に取り付けられている。
【0035】
次に、本実施例のパチンコ機1の裏面構造について図4を参照して説明する。前面枠4(図1及び図2参照)は中枠3にあって、前面枠4の上下端の位置に設けられた一対のヒンジ101により、開閉可能に支持されている。裏機構盤102は中枠3にあって裏機構盤102の上下端の位置に設けられた一対のヒンジ103により、開閉可能に支持されている。遊技盤10(図3参照)は中枠3の表面側に着脱可能に取り付けられている。上端側にあるヒンジ101の配設位置からみて左側には、タンク球切れ検知スイッチ104をタンク底部に備えた賞球タンク105と、この賞球タンク105に接続されるタンクレール106とが取り付けられている。また、タンクレール106の右側には、球抜きレバー107が設けられ、その下流側には、補給球切れ検知スイッチ(図示を省略)が、さらに、その下流側には、裏側遊技装置としての賞球払出装置109が配設されている。
【0036】
続いて、遊技球の振り分け部(図示略)が賞球払出装置109の下流側に設けられている。タンクレール106の下側には、LED表示装置200(図3参照)を格納した蓋付きの裏ケース111が設けられ、この裏ケース111の下側には、後述する主制御部140(図5参照)として、裏側遊技装置としての遊技制御基板54{図6(a)参照}を格納した格納容器としての収納ボックス55が配設されている。収納ボックス55の背面下側には、発射制御部193(図5参照)として発射装置制御基板を格納した発射装置制御基板ケース113、及び発射制御集合中継基板(図示略)が設けられている。裏機構盤102の左下方部には、上述した発射装置ユニット(図示略)が、同じく右下方部には、払出制御部150(図5参照)として、払出制御基板350{図6(b)参照}を格納した格納容器としての払出制御基板ケース118が設けられている。収納ボックス55の右側上方に裏側遊技装置としての中継基板190が装着されている。
【0037】
中継基板190は、図5にも示すように、入賞球検知スイッチ318,19s〜22s等と主制御部140とを中継するための基板とされている。本実施例においては、収納ボックス55、中継基板190及び払出制御基板ケース118は、金属板(図示を省略)に着脱自在に装着され、この金属板は裏機構盤102に対して回動自在に懸架されている。
【0038】
一方、裏機構盤102の右上端部には、ヒューズボックス119、電源スイッチ120、電源ターミナル基板121及び大当り、発射装置制御、球切れ、扉開放、賞球、球貸し用等の遊技機枠用外部接続端子を備えた端子基板122が設けられている。また、外部からの電力の供給を受けるための電源ケーブル123も端子基板122の上側に配設されている。払出制御基板350{図6(b)参照}を格納した払出制御基板ケース118からは接続ケーブル124が上方へ延出し、電源ケーブル125を備えたプリペイドカードユニット13に接続されている。また、裏機構盤102の略中央下端部には、下皿部用球通路部材126が設けられている。なお、電源ターミナル基板121には、「RAMクリア信号」を発生させるための図示しないRAMクリアスイッチが接続されている。
【0039】
次に、本実施例のパチンコ機1の電子制御装置130について、図5〜図7を参照して説明する。まず、電子制御装置130は、主制御部140と、信号伝送経路500aにより、主制御部140に接続された払出制御部(主として賞球の払出制御を行う賞球払出制御部)150、及び音声ランプ制御部170と、信号伝送回路500bにより音声ランプ制御部170に接続された特別図柄制御部160とを含んで構成されている。主制御部140は、遊技制御基板54を備え、主制御部140以外の上記3つの制御部150、160、170はそれぞれ、払出制御基板350、特別図柄制御基板360、音声ランプ制御基板を備えている。
【0040】
図5から、主制御部140、特別図柄制御部160、音声ランプ制御部170を取り出した概念図を図23に示す。本図に示すように、主制御部140と音声ランプ制御部170は信号伝送経路500aにより接続されている。また、特別図柄制御部160と音声ランプ制御部170は、信号伝送経路500bにより双方向に信号を伝送可能にされており、音の発生、ランプの点灯、図柄の表示を、正確なタイミングで実行できる。
【0041】
遊技制御基板54は、図6(a)に示すように、CPU401を含む主回路部400と、入出力回路部500とを備えている(図14参照)。そして、この遊技制御基板54は、通常、開閉困難なケース(後述する収納ボックス55)に収納されている。
【0042】
また、入出力回路部500には、外部端子部145が接続され、この外部端子部145には、パチンコホールの「ホールコンピュータ」が接続される。そして、遊技制御基板54は、RAMクリア処理の実行後に、RAMクリア信号をONし、一定時間経過後にOFFするが、このRAMクリア信号をパチンコ機1の外部に出力し、パチンコホールのシステム等に報知できる。このため、不正行為者が判らない間に、パチンコホールの管理者側が不正行為を知ることができる。
【0043】
図15に示すように、CPU401はCPUコア480を備え、ROM482に格納された制御プログラムにより、RAM481をワークエリアとしてパチンコ機1全体の作動制御(すなわち、遊技の基本進行制御)を司る。また、ROM482に記憶された当否判定プログラムにより、CPU401が主体となって当否判断制御を行う(当否判定手段)。
【0044】
主回路部400は、図14に示すように、CPU401、発振部410、リセット回路部450、I/Oデコード回路部420、データバス安定化部411、及び第1外部入力回路部430を有している。また、CPU401は、図15に示すように、CPUコア480、内蔵RAM481、内蔵ROM482、メモリ制御回路483、クロック発生器484、アドレスデコーダ485、ウオッチドッグタイマ486、カウンタ/タイマ487、パラレル入出力ポート488、リセット/割り込みコントローラ489、外部バスインターフェース490、出力制御回路491を備えている。
【0045】
図5に戻り、図6(a)に示す入出力回路部500には前記した信号伝送経路500aが接続され、入出力回路部500からその信号伝送経路500aへ、各制御部150、160、170へ処理内容を指示する指令信号たるコマンドデータを送信する。尚、主制御部140から各制御部150、160、170へは、一方向形式若しくは双方向形式でデータが伝送される。また、各制御部140〜170には、電源受電基板415から電源ユニット425、さらには分電基板435を介して電源が供給されており、後述する電源立上げ時のシステムリセット信号が全制御基板に送信される。
【0046】
中継基板190には、入賞球検知スイッチ318,19s〜22s等が接続され、中継基板190の出力端子は、主制御部140の入出力回路部500と接続されている。また、第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17s、普通図柄表示装置基板32f、各種ソレノイド17c,313、右普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ37s、左普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ36sが主制御部140の入出力回路部500に接続されている。
【0047】
払出用端子基板191には、タッチスイッチ9a、発射停止スイッチ9b、ヴォリュームスイッチ192、タンク球切れ検知スイッチ104及び補給球切れ検知スイッチ108等が接続され、払出用端子基板191の出力端子は、図6(b)に示す払出制御部150の入出力回路部700と接続されている。
【0048】
払出制御部150は、図6(b)に示すように、主制御部140と同様の主回路部600及び入出力回路部700を含んで構成され、入出力回路部700において図5に示す信号伝送経路500aに接続されている。また、入出力回路部700には、賞球払出装置109、発射装置制御部193等が接続されている。
【0049】
特別図柄制御部160は、図7に示すように、演算回路構成要素として、CPU161と、RAM162と、ROM163と、入出力ポート164と、駆動回路167とを含み、それら演算回路構成要素はバス165により相互に接続して構成され、入出力ポート164において信号伝送経路500aに接続されている。入出力ポート164には、LED表示装置200が接続され、CPU161はROM163に格納された制御プログラムにより、RAM162をワークエリアとして中央装置16の作動制御を行なっている。
【0050】
さらに、枠飾りランプ基板4g等の各種ランプやサウンドジェネレーター188は、特別図柄制御部160の制御による特別図柄の変動・停止表示態様、リーチ発生の有無、リーチ表示態様(後述する)、特別遊技態様、及び遊技モード(確率変動、時短など)等に応じてその態様は制御される。その制御指令の指令信号は、音声ランプ制御部170を作動指令対象とする指令信号として、前記した信号伝送経路500aを介して送信される。
【0051】
なお、上述した特別図柄制御部160、及び音声ランプ制御部170は、主制御部140や払出制御部150と同様の回路部から構成されるものとすることもできる。すなわち、主回路部と入出力回路部とから構成されるものとし、内部にROM、RAMが内蔵されたCPUを用いることもできる。
【0052】
次に、賞球動作は、以下の順序で実行される。
主制御部140は、遊技球が入賞球検知スイッチ318を通過したら15個の賞球個数データを、第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17sを通過したら6個の賞球個数データを、それ以外の場合、例えば、左右下入賞口21、22の通過検知スイッチ21s、22sの通過を検知した場合などにおいては、10個の賞球個数データを、払出制御部150に対してその検知順に、払出制御部150を作動指令対象とする指令信号として、前記した信号伝送経路500aを介して送信する。(すなわち、固有賞球数はここでは、6個、10個あるいは15個である。)払出制御部150は、主制御部140からの賞球個数データを受け取り、賞球払出信号の送信により賞球払出装置109を作動させる。
【0053】
また、主制御部140は、上述の各種検知スイッチの出力に基づいて遊技状態を判断し、また、その遊技状態に基づいて当否判定を行うとともに、判定内容に応じて対応する図柄表示態様で画像表示制御を行うためのデータを読み込む。例えば、主制御部140は、第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17s、入賞球検知スイッチ318等の検知結果や、特別図柄当否判定乱数の取得値などを使用して、遊技が行われていない客待ちの状態、遊技は行われているが始動入賞がない状態(変動準備状態)、始動入賞があった状態、及び特別遊技状態なども判断する。また、始動入賞が検知されると後述する乱数値に基づいて当否判定が行われ、その判定結果に基づいて特別図柄の変動(リーチ表示態様を含む)、または確定などの表示態様制御のためのデータが読み込まれる。このデータは、特別図柄制御部160を作動指令対象とする指令信号として、前記した信号伝送経路500aを介して送信される。
【0054】
次に、主制御部140により実行されるメインジョブについて図8等を参照して説明する。これは、主制御部140のROM482(図15参照)に格納されたプログラムに基づき、CPU401により実行されるジョブの一例である。先ず、スタックポインタをRAM481(図15参照)の所定のアドレスに設定した後(S10)、RAMクリアスイッチが操作(押下)されているか否かを判断し(S12)、操作されていればRAM481の初期化処理が行われ(S800)、操作されていなければ、バックアップフラグが設定されているか否かが判断される(S15)。そして、バックアップフラグが設定されていれば(S15:YES)、図10の「電源断に対する復電処理」が行われる。
【0055】
尚、本実施例では、停電等によって電源断が発生したときに、図10に示すように、使用レジスタをRAM481に退避し(S630)、スタックポインタの値をRAM481に保存する(S632)。そして、大入賞口ソレノイド、第1種始動口ソレノイドをOFFにし(S634)、賞球センサのポーリング処理時間(例えば、約85m秒)を設定し(S636)、賞球計数前センサ及び賞球計数後センサで遊技球の通過を監視する(S638)。次いで、ポーリング処理時間が経過すると(S640)、使用しているRAM481のチェックサム(チェックサム、バックアップフラグ、スタック領域は除く)を作成し(S642)、保存し、バックアップフラグをRAM481に設定する(S646)。そして、RAM481のアクセスを禁止し(S648)、無限ループ処理にて電源ダウンに備える。なお、上記無制限ループ処理に替えてHALT処理やSTOP処理を実行することも可能である。
【0056】
図10の「復帰処理」においては、チェックサムの算出(S664)を実行し、電源断時に保存していたチェックサムの値を比較し、一致しなければ、RAM481の初期化処理を行う(S800)。一致すれば、電源断前のスタックポインタを復帰し(S668)、バックアップフラグをクリアし(S670)、サブ基板を電源断前の状態に復帰させるためのコマンドを送信する(S672)。そして、各レジスタを電源断前の状態に復帰し(S674)、割込みの許可/不許可を電源断前の状態に復帰等し(S676,S678)、電源断前の番地に戻る(S680)。本実施例では、パチンコ機1に対し、電源断対策用のバックアップ電源を付加しているため、パチンコホールの停電時等においても、停電前に生じていた「遊技者にとって有利な情報」を保存できる。
【0057】
図8に戻り、バックアップフラグが設定されていなければ(S15:NO)、初期化終了の判定が行われる(S20)。初期化が終了していれば(S20:YES)、LEDジョブ(S30)からスイッチジョブ(S70)までのジョブが実行される。また、初期化が終了していなければ(S20:NO)、初期化ジョブ(S190)が実行され、再び、初期化終了の判定が行われる(S20)。尚、パチンコ機1が出荷状態から最初の電源投入時であったり、RAMクリアスイッチが操作(押下)されていたり、バックアップフラグに異常があったり、チェックサムが一致しなかった場合には、RAM481の初期化処理が行われる。
【0058】
LEDジョブ(S30)においては、普通図柄及び普通図柄未始動回数の表示態様データや、特別図柄未始動回数の表示態様データなどが出力される。等速乱数ジョブ(S40)では、後述するRAM481の特別図柄当否判定乱数メモリや汎用カウントメモリなどが更新される。非等速乱数ジョブ(S50)では、初期値カウンタ、外れ普通図柄乱数メモリ(図示略)が更新される。なお、汎用カウントメモリ(図示略)は、例えば割り込みごとの「0」〜「255」の値の作成や、コマンドジョブ、飾りジョブの実行などに使用される。
【0059】
また、音声ジョブ(S60)では、音楽や音声に関するデータの読み込みが行われ、スイッチジョブ(S70)では、各種検知スイッチの読み込みが行われる。すなわち、左右入賞口通過検知信号などの各種信号が中継基板190を介して主制御部140に、発射停止検知信号、タッチ検知信号、ヴォリューム検知信号などの各種信号が払出用端子基板191を介して枠制御部150にそれぞれ取り込まれ、また、第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17sから第一種始動口入賞検知信号、大入賞装置31から入賞球検知信号、及び普通図柄作動ゲート通過検知信号が主制御部140に取り込まれる。
【0060】
さらに、カウント検知スイッチ、カウント検知及び特定領域通過検知スイッチ等のスイッチ318(図5参照)に異常があるか否かが判定され(S80)、異常がなければ(S80:YES)、特別図柄メインジョブ(S90)から音声ジョブ(S110)までのジョブが実行される。また、異常(球詰まりや断線など)があれば(S80:NO)、エラージョブ(S130)が実行される。
【0061】
特別図柄メインジョブ(S90)においては、主制御部140と特別図柄制御部160とが協調して動作するために必要なデータに関するジョブが実行される。また、普通図柄メインジョブ(S100)では、普通図柄及び普通図柄未始動回数の表示態様データの読み込みが行われる。
【0062】
この後、各フラグ状態がバックアップメモリにセットされ(S140)、賞球信号ジョブ(S150)、情報信号ジョブ(S160)、コマンドジョブ(S170)、及び残余時間ジョブ(S180)が実行される。賞球信号ジョブ(S150)においては、賞球払出しに関するデータの読み込みや出力が行われ、情報信号ジョブ(S160)では、他の制御部への情報出力に必要なデータの読み込みが行われる。さらに、コマンドジョブ(S170)では、特別図柄管理等のためのコマンドの出力が行われ、残余時間ジョブ(S180)では、非等速乱数の呼出しが行われる。尚、残余時間ジョブ(S180)においても、初期値乱数の更新が行われる。
【0063】
次に、上記メインジョブの一連の流れの中で実行される、始動入賞(第一種始動口(普通電動役物)17への入賞)時の当否判定ジョブに関して図11を参照して説明する。なお、これらのジョブで使用する各種メモリ等は、図5に示す主制御部140のRAM481(図15参照)に格納され、代表的なもの(481a〜481n、481v、481w)を図12に示す。
【0064】
まず、S200において始動入賞があったか否かを確認し、Noであれば、S203に進み、特別図柄保留数メモリ481b(図12参照)に記憶されている保留数(未始動回数)の有無を判定する。保留数が無し(すなわちゼロ)であれば本処理を終了し、保留があればS250に進む。始動入賞があった場合(S200:Yes)には、S206に進み、保留数が4以上であるか否かを判定する。保留数が4以上であればS250に進み、保留数が4未満であればS210に進む。S210では保留数を1インクリメントする。そしてS220において、特別図柄当否判定乱数(以下、当否用乱数、又は判定乱数ともいう)および当り図柄乱数を発生させ(プログラムを発生させても、所定の乱数発生回路を用いてもいずれでもよい(当否用乱数発生手段))、S230において、これら当否判定乱数および当り図柄乱数を読み込む。こうして読み込んだ乱数値を、S240において、それぞれ特別図柄当否判定乱数メモリ481a(図12参照:以下、判定乱数メモリともいう)、図柄決定乱数メモリ481dに記憶する。このメモリは、読み込んだ判定乱数値を始動入賞の時系列にシフトメモリ形式で記憶している。
【0065】
次に、変動開始時であれば、S250において、判定乱数メモリ481a(図12参照)から記憶している最も古い先頭の判定乱数値及び大当り図柄決定乱数メモリ481dから当り図柄乱数を読み出すと共に判定乱数メモリ481aおよび大当り図柄決定乱数メモリ481dをシフトする。そして、S260において、大当り番号メモリ(内蔵ROM482内にある)から大当り番号(当り用判定値)を読み出し、S270において、上記判定乱数値との比較を行い、両者が一致していれば大当り判定となり、一致していなければ外れ判定となる。大当り判定の場合には、S280に進んで当り図柄乱数を読み込み、図柄決定乱数メモリ481dに記憶する。そしてS290にてリーチ態様決定乱数を発生させ、これを読み込んでリーチ態様決定乱数メモリ481kに記憶する。そしてS300において、「大当り」という判定結果(本実施例では「1」)を判定結果メモリ481j(図12参照)に記憶する。
【0066】
一方、外れ判定となった場合は、S270からS310に進み、外れリーチジョブを行うかどうかを乱数により決定する。すなわち、S310において、リーチ態様決定乱数を発生させ、これを読み込み、他方、S320において、リーチ番号メモリ481i(図12参照)に記憶されているリーチ番号を読み出す。S330において、両者が一致していれば外れリーチジョブに、一致していなければ通常外れジョブとなる。
【0067】
外れリーチジョブの場合は、S380へ進み、「外れリーチ」という判定結果(本実施例では「2」)を判定結果メモリ481j(図12参照)に記憶する。一方、通常外れジョブの場合は、S450に進み、S450において、「通常外れ」という判定結果(本実施例では「3」)を判定結果メモリ481j(図12参照)に記憶する。
【0068】
次に、上記メインジョブの一連の流れの中で実行される、特別図柄メインジョブの概略の流れを図13を参照して説明する。まず、S500において、第一種始動口(普通電動役物)17への遊技球の入賞に基づき、LED表示装置200(図3参照)上で各特別図柄の変動表示を開始させる。
【0069】
次いで、S510において、判定結果メモリ481j(図12参照)から図12に示す当否判定ジョブで得られた各入賞に対する判定結果を読み出す。具体的には、大当り判定(「1」)の場合は(S520:YES)、S530に進み、当り図柄を選択する。具体的には、大当り図柄決定乱数(識別情報決定用乱数)を発生させ、これを読み込んでその決定乱数値を大当り図柄決定乱数メモリ481d(図12参照)に記憶する。なお、大当り図柄決定乱数の読み込みは、始動入賞時に当否用乱数と同時に読み込まれているが、当り判定決定と同時に、あるいは当り判定決定後所定の時間後に読み込むものとしてもよい。
【0070】
この大当り図柄決定乱数値で指定される特別図柄は、特別図柄制御部160のROM163(図7参照)に格納されている特別図柄画像データに基づいて、LED表示装置200(図3参照)に、変動表示状態を経た後、定められた配列態様で表示される(例えば、「7、7、7」の3桁同一図柄の配列態様)。なお、上記特別図柄画像データを大当り図柄決定乱数値と対応付けて識別情報決定用値として主制御部140のRAM481(図15参照)に記憶しておき、読み込んだ大当り図柄決定乱数値と識別情報決定用値とを比較することで停止表示する図柄を決定するものとしてもよい。
【0071】
そして、S540にて当り変動パターンを選択する。これは大当り図柄決定乱数と同時にリーチ態様決定乱数を発生させ、これを読み込んでその決定乱数値をリーチ態様決定乱数メモリ481k(図12参照)に記憶することにより行なう。リーチ態様決定乱数値で指定されるリーチ表示態様は、特別図柄制御部160のROM163(図7参照)に格納されたリーチ表示態様画像データに基づいて、LED表示装置200(図3参照)に、変動表示状態を経た後、定められたリーチ態様で表示される。なお、この場合も、上記リーチ表示態様画像データをリーチ態様決定乱数値と対応付けてリーチ態様決定用値として、主制御部140のRAM481(図15参照)のリーチ態様決定用値メモリ481l(図12参照)に記憶しておき、読み込んだリーチ態様決定乱数値とリーチ態様決定用値とを比較することで表示するリーチ態様を決定するものとしてもよい。そして例えば左図柄及び右図柄を同一図柄に揃えて所定のリーチ表示態様を経た後に、中図柄を左図柄及び右図柄と同一図柄に揃えて停止表示させ確定させ、本処理を終了する。
【0072】
一方、外れの場合は(S520:NO)、S550に進み、外れ変動パターンを選択し、S560にて外れ図柄を選択して所定のリーチ表示態様を経た後に、図柄を停止表示させ確定させ、本処理を終了する。
従来は、停止させる識別情報を決定し、その決定された識別情報に応じて変動パターンを決定していたため、決定され得る識別情報の配列数に応じて、変動パターンを決定する処理が複雑化していた。この点、パチンコ機1によると、変動パターンを先に選択するので、変動パターンの選択過程を簡略にすることができる。
【0073】
大当り判定により、LED表示装置200(図3参照)には所定の配列態様で特別図柄が確定表示されると(例えば、「7、7、7」の3桁同一図柄の配列態様)、その後、特別遊技が実行される(特別遊技状態もしくは大当り遊技状態)。特別遊技状態においては、まず、大入賞装置31(図3参照)の開閉板312が開放状態となり、大入賞口311への遊技球の入賞が遊技者にとって優位な遊技球受入状態となる。
【0074】
この特別遊技状態においては、大入賞装置31は、終了条件が成立するまで遊技球受入状態が継続される。例えば、開放状態が所定時間t1(例えば30秒)経過したとき、もしくは入賞球検知スイッチ318(図5参照)に所定数n1(例えば10個)の入賞が検知されたときに終了条件が成立し、遊技球受入状態が一旦終了して、開閉板312が閉鎖状態となって1ラウンドが終了する。この開閉板312が閉鎖されて所定時間t2(例えば0.5秒)が経過した後に、所定の継続条件(図示しない特定領域への通過)が成立していれば、再び開閉板312が開放状態となり大入賞装置31が遊技球受入状態となる。なお、このような終了条件までを1ラウンドとする遊技球受入状態は、所定の最高継続ラウンド数(本実施例では16ラウンド)まで繰り返し継続される。また、終了条件成立時に継続条件が不成立の場合は、特別遊技状態がそのラウンドで終了(いわゆるパンク)するものとなっている。
【0075】
なお、パチンコ機1においては、当り判定により中央装置16のLED表示装置200(図3参照)に停止表示された特別図柄の種類に基づき、上記特別遊技状態の終了後、次の大当りまで当否判定の確率(大当り確率)を変更(向上)させる確率変動手段が備えられている。具体的には、予め記憶されている上記大当り図柄決定乱数値が、確率変動用乱数値と非確率変動用乱数値とから構成され、各乱数値の取得に応じて確率変動用図柄又は非確率変動用図柄が停止表示される。その停止表示された図柄が確率変動用図柄の場合、上記特別遊技状態終了後、次の大当りまで当否判定の確率(大当り確率)が通常の約4〜5倍に向上するものとされている。
【0076】
確率変動されるか否かは、第2表示部27によって遊技者に示される。これについて図16を用いて説明する。図16は中央装置16を第一種始動口(普通電動役物)17と共に拡大した図である。ここで第2表示部27の説明をする前にLED表示装置200についても触れておく。LED表示装置200の前記セグメント体は、赤・緑・青のLEDが背後に設けられており、これら3色の組み合せによって、黄、白など様々な色を表示可能にされている。またこれらセグメント体の背景をなす部分26の背後にも別途、赤・緑・青のLEDが設けられており、背景の色のみを変えることが可能にされている。
【0077】
このLED表示装置200の表示制御は、主制御部140から出力された指令(コマンド)が音声ランプ制御部170を経由して特別図柄制御部160へ伝送され、特別図柄制御部160が行なう。
この背景用のLEDの表示制御は、主制御部140から出力された指令が音声ランプ制御部170へ伝送され音声ランプ制御部160が行なう。
【0078】
一方、第2表示部27には、1〜9、0、および2個のVの計12個の文字が形成されており、各文字の背後にLEDが設けられている。普段はこのLEDは消灯されているが、LED表示装置200に当り図柄が表示されると、12個の文字の内の1文字の背後のLEDが点灯(以下、「文字が点灯」という)され、しかもその点灯される文字が変化される。変化の態様は、次のようである。
【0079】
最初に点灯された文字が消灯され、その左の文字が点灯される。そしてその文字が消灯され、その更に左の文字が点灯される。これを高速(例えば100ms周期)で繰り返すことにより、点灯される箇所が左へ移動するように見える。こうして点灯される文字が左端のVになると、消灯後に点灯させる文字を右にし、点灯される箇所が右へ移動して見えるようにする。こうして点灯される文字が右端のVになると、再び消灯後に点灯させる文字を左にする。以上を所定時間(例えば、5秒)繰り返すことにより、点灯される箇所を左右方向に往復させ、いずれか1個の文字を点灯した状態で変動を停止させる。これを以下、第2表示部27の変動表示という。
【0080】
このとき点灯されていた文字が、左端のV、1〜5の内のいずれかであると確率変動は行なわれず、6〜9、0、右端のVの内のいずれかであると確率変動が行なわれる。なお、12個の各文字の下には各3個のLED62が設けられており、それらの色は、左端のV、1〜5の下にあるものが緑、6〜9、0、右端のVの下にあるLED62が赤となっている。この色を見ても遊技者は確率変動するか否かを知ることができる。更に、第2表示部27の変動表示が終了すると、LED表示装置200の下に設けられている報知ランプ263、264のいずれかが点灯される。確率変動する際には報知ランプ263、確率変動しない際には報知ランプ264が点灯され、これによっても遊技者は確率変動するか否かを知ることができる。なお、第2表示部の変動は音声ランプ制御部170が行なう。
【0081】
更に、第2表示部27の変動表示の結果に応じ、LED表示装置200の表示色が変化される。前後するが、第2表示部27が変動表示される前にLED表示装置200に表示される図柄配列は[表1]に示す7通りの内の何れかとなっている。
【0082】
【表1】
【0083】
ここで「黄1、黄1、黄1」は、1のゾロ目が黄色で表示されることを示している。つまり、これらの内の1つがLED表示装置200に表示されると、とりあえず大当りとなる。そして第2表示部27の変動表示の結果に応じ、LED表示装置200に表示された図柄配列の色が[表2]に示すように変化される。
【0084】
【表2】
【0085】
[表2]の見方は次のようである。すなわち、本表の左から2番目に表示されている○は、第2表示部27の変動表示前にLED表示装置200に表示された配列を意味している。そして上下方向に仕切られてなる7個のグループは、第2表示部27の変動表示後に変化しうる色を示している。例えば、黄1、黄1、黄1で当った場合は、第2表示部27の変動表示後に、「赤1、赤1、赤1」「青1、青1、青1」「黄1、黄1、黄1」「緑1、緑1、緑1」のいずれかに変化される。つまり、この4通りの中には第2表示部27の変動表示前と色が変化しないものもある。
【0086】
そして5番目のグループすなわち「黄5、黄5、黄5」で当った場合だけは変化の仕方が3通りとなっており、その他は全て4通りとなっている。[表2]の右から2番目の欄は確率変動するか否かを示しており、「確変」が確率変動する(確率が既に変動している場合はその状態が維持される)、「通常」が確率変動しない(確率が既に変動している場合は低下する)を意味している。[表2]の最も右の欄は、第2表示部27の変動表示後に確率変動する表示上の確率をグループ毎に示している。例えば、「黄1、黄1、黄1」で当った場合(第1グループ)は50%の確率で確率変動し、「青3、青3、青3」で当った場合(第3グループ)は100%の確率で確率変動する(いずれも表示上)。
【0087】
[表2]に示すように遊技機1においては、数字によらず赤、もしくは青の図柄が表示されたときに確率変動し、数字によらず緑、黄、もしくは白の図柄が表示されたときに確率変動しないようにされている。また、LED表示装置200の図柄は、第2表示部27の変動表示が行なわれている間、色調が変化される。例えば、「黄1、黄1、黄1」が「青1、青1、青1」になり更に「赤1、赤1、赤1」になり、第2表示部27の変動表示が停止すると[表2]の第1グループの内の一つ(例えば「緑1、緑1、緑1」)になる。
【0088】
ここで、図13のS550で行なわれる外れ変動パターン選択処理について図17に示す。判定結果メモリ481j(図12参照)に記憶された判定結果がリーチを経ない外れの場合は(S700:NO)、S705に進み、確率変動中か否かを判定する。確率変動中の場合はS710に進み、入賞から5秒経過したか否かを判定する。経過している場合はS715に進み、高確率時における保留数に応じたデータテーブルを選択し、更にS730に進んでそのデータテーブルより変動パターン選択用の乱数を使用して変動パターンを決定する。一方、入賞から5秒経過していない場合(S710:NO)は、S720に進み、高確率時における5秒経過していない場合のデータテーブルを選択してS730に進む。
【0089】
S705で確率変動していないと判定された場合はS740に進み、入賞から5秒経過したか否かを判定する。経過している場合はS745に進み、低確率時における保留数に応じたデータテーブルを選択し、S730に進む。一方、入賞から5秒経過していない場合(S740:NO)は、S750に進み、低確率時における5秒経過していない場合のデータテーブルを選択してS730に進む。
【0090】
判定結果メモリ481j(図12参照)に記憶された判定結果が、外れリーチ判定(「2」)の場合は(S700:YES)、S760に進み、確率変動中か否かを判定する。確率変動中の場合はS765に進み、高確率時の変動用のデータテーブルを選択してS730に進む。一方、確率変動していない場合(S760:NO)はS770に進み、低確率時の変動用のデータテーブルを選択してS730に進む。
【0091】
S770で選択されるデータテーブルの内容を図18に示す。まず、リーチ態様決定乱数メモリ481kに記憶された乱数値が100未満か否かを判定し(S810)、100未満でなければS815に進んで前記乱数値が255未満か否かを判定する。255以上であれば、本処理を終了する。なお、前記乱数値が255以上になることは通常はあり得ないので、S815の判定は不測の事態に備えたエラー処理の一種となっている。
【0092】
一方、乱数値が255未満の場合(S815:Yes)はS820に進み、前記乱数値が164未満か否かを判定する。164未満であれば、S825に進んで変動パターン7を選択し、本処理を終了する。ここで変動パターンとはいわゆるリーチアクションのことであり、パチンコ機1では15通りの変動パターンを備えている。これについて[表3]に示す。
【0093】
【表3】
【0094】
[表3]に示すように変動パターン1〜4はリーチではない外れで行なわれる態様、変動パターン5〜15はリーチ状態で行なわれる態様となっている。
前記乱数値が164以上であれば(S820:No)、S830に進み、前記乱数値が228未満か否かを判定する。228未満であれば、S835に進んで変動パターン8を選択し、本処理を終了する。前記乱数値が228以上であれば(S830:No)、S840に進み、前記乱数値が237未満か否かを判定する。237未満であれば、S845に進んで変動パターン9を選択し、本処理を終了する。前記乱数値が237以上であれば(S840:No)、S850に進んで変動パターン12を選択し、本処理を終了する。
【0095】
S810でYes、すなわち前記乱数値が100未満と判定された場合には、S860に進み、前記乱数値が50未満か否かを判定する。50未満であれば、S865に進んで変動パターン6を選択し、本処理を終了する。前記乱数値が50以上であれば、S870に進んで変動パターン5を選択し、本処理を終了する。低確率時に外れリーチが発生した場合の変動用の変動パターンが、以上のようにして選択される。前記乱数値と変動パターンの関係は[表4]のようになる。
【0096】
【表4】
【0097】
つまり前述した15種類の変動パターン中の6種類の中から選択している。このように6種類の変動パターンから選択する場合、S820〜S850のようにして全ての変動パターンを決めると、前記乱数値が最も大きい場合に選択される変動パターン(ここでは変動パターン12)は、5回も比較判定を受ける必要がある。これに対し、図18の処理のように前記乱数値が100未満であるか否かを判定することにより2分することにより、変動パターン12でも4回(S815は含まない)の比較判定で選択される。なお、図18の処理において、S820〜S850を更に2分、すなわちS815でYesと判定した後に前記乱数値が228未満か否かを判定し、228未満であった場合には更にその乱数値が164未満か否かを判定してパターンを選択するようにし、一方、前記乱数値が228以上であった場合には更にその乱数値が237未満か否かを判定してパターンを選択するようにすれば、比較判定の回数を最高でも3回に減らすことができる。また、6個の変動パターンを3つずつ2分し、S810の比較判定を100未満か否かではなく、164未満か否かにしても比較判定の回数を最高3回に減らすことができる。
【0098】
また、リーチ状態となっている図柄(つまり左図柄、右図柄)から1つ手前の図柄で中図柄が停止する変動パターン8([表3]参照)や同じく2つ手前の図柄で中図柄が停止する変動パターン7([表3]参照)が発現する確率が、他の変動パターンよりも高くされているため、遊技者に「おしい」と感じさせる変動パターンがより多く発生され、遊技興趣を高めることができる。
【0099】
なお、S765で選択されるデータテーブル、すなわち確率変動中に表示される外れリーチの内容は、[表5]のようになっている。
【0100】
【表5】
【0101】
このように確率変動中に表示される外れリーチの変動パターンは、[表4]に示したものよりも多いものの、図18と略同様、まず乱数値を大きく2分したのち、更に対応する閾値と比較することにより変動パターンが選択されていく。
S745で選択されるデータテーブルの内容を図19,20に示す。まず、保留数が3個以上の場合の外れ表示低確率保留選択の処理を図19に示す(本図では便宜上保留3と表示)。本処理ではまずリーチ態様決定乱数メモリ481kに記憶された乱数値が12未満か否かを判定する(S900)。12未満であれば、S905に進んで変動パターン2を選択し、本処理を終了する。ここで変動パターンとは図柄の変動時間が互いに異なるようにされた変動態様のことであり、パチンコ機1では4通りの変動パターンを備えており、変動時間が長い順に変動パターン1、変動パターン2、変動パターン3、変動パターン4となっている。前記乱数値が12以上であれば(S900:No)、S910に進み、前記乱数値が25未満か否かを判定する。25未満であれば、S915に進んで変動パターン3を選択し、本処理を終了する。前記乱数値が25以上であれば(S910:No)、S920に進み、変動パターン4を選択し、本処理を終了する。つまり保留数が3個以上の場合は、変動パターン1は選択されず、選択される確率が高い順に変動パターン4、変動パターン3、変動パターン2となっている。
【0102】
次に、保留数が0個の場合の外れ表示低確率保留選択の処理を図20に示す。本処理ではまずリーチ態様決定乱数メモリ481kに記憶された乱数値が192未満か否かを判定する(S950)。192未満であれば、S955に進んで変動パターン1を選択し、本処理を終了する。変動パターンの意味は図19と同じである。前記乱数値が192以上であれば(S950:No)、S960に進み、前記乱数値が230未満か否かを判定する。230未満であれば、S965に進んで変動パターン2を選択し、本処理を終了する。前記乱数値が230以上であれば(S960:No)、S970に進み、変動パターン3を選択し、本処理を終了する。つまり保留数が0の場合は、変動パターン4は選択されず、選択される確率が高い順に変動パターン1、変動パターン2、変動パターン3となっている。
【0103】
なお、同様の処理が保留数1、保留数2の場合に対応して存在する。各保留数と乱数値に応じて各変動パターンが選択される割合を[表6]に示す。
【0104】
【表6】
【0105】
変動時間の単位は秒である。この表から分かるように、パチンコ機1では、保留数ごとに3種類〜4種類の変動時間(単位は秒)の異なる変動パターンを選択するようにされている。各保留数に対する変動時間の平均値(選択のされ易さの重みを付けたもの)は、保留数0のときが11.1秒、保留数1のときが10.4秒、保留数2のときが 6.5秒、保留数3以上のときが 5.3秒となっている。これにより、変動時間が画一的(例えば、保留数が0なら変動パターン1に固定、保留数が1なら変動パターン2に固定)ではなくなり、遊技者の興趣を引き付けることができる。
【0106】
なお、第2表示部27は、図3に示す釘23が打ち込まれている遊技領域11の面よりも奥に配置されており、この面と同一面に設けられた透明板により遊技領域11と隔離されている。これについて図21に示す。図21は、中央装置16のA−A断面(図16参照)である。本図の左方が遊技者がいる側、右方が図4に示した裏面側の構造物がある側である。本図に示すように第2表示部27の大部分は、遊技領域11よりも盤面奥方向に配置されている。そしてパチンコ玉64が入球口272(入球口273(図16参照)でも可)に入ると、矢印P→Q→Rのように盤面奥方向へと導かれ、遊技領域11の面と同一面に設けられた透明板66と、第2表示部27の計12個の文字が形成された樹脂製板68との間の空間に入りこむ。なお、正確には樹脂製板68の遊技者側にはもう1枚、透明板69が配置されており、パチンコ玉64が当たっても樹脂製板68に傷がつかないようにしてある。符号74は文字を点灯させるためのLEDユニットである。
【0107】
透明板66と樹脂製板68との間の空間に入りこんだ玉は、手型の緩衝部材70(入球口273から入った場合は緩衝部材71(図16参照))に弾かれてこの空間内の斜面72を転動し、左端のVや1〜5(入球口273から入った場合は右端のVや6〜9、0)の前を横ぎって玉出口73から遊技領域11へ戻る。この様子は、透明板66を通して遊技者が見ることができる。また、透明板66は、遊技領域11と同一面に配設されているため、遊技者から見て透明板66の手前側もパチンコ玉が通過する。このように第2表示部27の手前をパチンコ玉が通過でき、透明板66を隔てて更にその手前もパチンコ玉が通過できるという斬新な構成となっている。遊技球の動きに更に変化を与えるので、娯楽性や興趣が向上させることができる。玉出口73から出た玉は、高い確率で第一種始動口(普通電動役物)17(図16参照)に入賞する。
【0108】
なお、緩衝部材70、71は板バネ76にて第2表示部27の透明板69と同一位置の面25に固定されている。この仕組みを図22に示す。図22(b)は緩衝部材70を裏側から見た様子であり、図22(a)は図22(b)を上方から見た図である。本図に示すように板バネ76は両端が鉤状に曲がっており、その一方が緩衝部材70、他方が面25に埋めこまれている。これにより、パチンコ玉64が緩衝部材70に衝突すると矢印Sのように揺れるので、パチンコ玉64の動きに更に豊かになり、娯楽性や興趣が一層向上させることができる。緩衝部材71も略同様に板バネを介して面25に揺動可能に固定されている。なお、図16に示すように緩衝部材70、71の人差指70aが指し示している方向は第2表示部27の中央、すなわちパチンコ玉64が転動して行く方向となっている。これにより、パチンコ玉64が転動する方向が示されるので遊技者に不安を与えないようにすることができる。
【0109】
以上のように構成された遊技機1によれば、主制御部140から音声ランプ制御部170を介して特別図柄制御部160へ伝送することで、試験端子に出力する必要のない信号により第2表示部27を音声ランプ制御部160で直接制御するので、特別図柄制御部160のROM容量やCPUに負担を掛けることなく高速で処理することができる。
【0110】
また、従来の、遊技盤のみを入れ替えるような機種変更では、特別図柄制御部160は、図柄データ(ROM)の変更だけでは済まず、表示装置の種類(液晶、7セグメント、ドットマトリックス等)や表示装置に表示される図柄の桁数が変わることにも対応しなければならないため制御部全体を変更していた。また、主制御部140、特別図柄制御部160、音声ランプ制御部170の順で接続していたため、特別図柄制御部160を変更する際、音声ランプ制御部170においても音声データだけでなく特別図柄制御部からのコマンドを受信するプログラムも変更していた。
【0111】
それに比べ、本発明の遊技機では、主制御部140、音声ランプ制御部170、特別図柄制御部160の順で接続することによって、新機種へ変更する際の利便性を向上できる。音声ランプ制御部170は、機種変更がされたとしても、新機種の音声データ(ROM)に変更するのみで済む。よって音声ランプ制御部のコマンド受信プログラムを異なる機種間で共通化できプログラム設計上の利便性が向上する。
【0112】
更に、上述のように、頻繁に制御部全体を変更するのは特別図柄制御部160に限られるため、従来の構成では2箇所のポートを変更しなければならなかったが、本発明の構成では1箇所のポートを変更するだけで済む。それにより基板設計上の利便性も向上する。
【0113】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
【0114】
例えば、特別図柄制御部160や音声ランプ制御部170のRAMに、履歴を記録していっても良い。履歴とは、その遊技機1で、その日に何回大当りが発生したか、ある変動パターンが何度発生したか、前回の大当りから何回変動表示を行なったか等を記録するものである。遊技機1に表示装置を設け、こうして記録された履歴を表示するようにすれば、遊技者が複数の遊技機の中から遊技する台を選ぶ際の判断材料にすることができる。
【0115】
特に、特別図柄制御部160に変動パターンの履歴を残しておけば、すべての変動パターンが均等に出現するようにしたり、同じ変動パターンが連続して出ないようにしたりすることもできる。通常、主制御部140は、履歴を持つことが許されていないので、特別図柄制御部160や音声ランプ制御部170に履歴を記憶させることは意義が大きい。なお、LED表示装置200ではなく、液晶表示装置のように任意の画像を表示可能な表示装置を遊技機1が備えている場合は、この液晶表示装置等に履歴を表示するようにすれば、新たに表示装置を設ける必要はない。
【0116】
また、LED表示装置200で表示される識別情報は、外部端子により遊技機外に識別情報信号として出力可能とし、第2表示部27で表示される識別情報は、外部端子により遊技機外に出力しないようにしてもよい。
また、[表5]に示した変動パターンは4種類とも変動時間が異なっていたが、次に示す[表7]のように同じ変動時間が同じものを含んでいても良い。
【0117】
【表7】
【0118】
変動時間の単位は秒である。これ以外にも、変動パターン2と変動パターン3の各変動時間が互いに同じものにしたり、変動パターン3と変動パターン4の各変動時間が互いに同じものにしたりしてもよい。
また、第2表示部27の変動表示のさせ方を変えても良い。例えば、点灯される箇所を単純に左右方向に往復させるのではなく、移動の速度(つまり、点灯させている時間)を徐々に速くしたり逆に遅くしたりしてもよい。また、移動しているかのように見せるのではなく、最初に全ての文字を点灯させ、1〜2個ずつ消灯させていってもよい。この場合、途中で確率変動となる箇所が多く残る(つまり点灯されている)ような消灯のさせ方をすると「確率変動する可能性が高い」という期待感を遊技者に持たせることができる。逆に確率変動となる箇所が少なくなるような消灯のさせ方をしてもよい。また、最初に点灯される文字を乱数で決めても良い。
【0119】
保留数に応じて変動時間を変える制御において、ある保留数においては変動時間を固定しても良い。すなわち、0〜4個の5種類の保留数において、例えば、保留数が1のときは変動パターン2または3のどちらかから選ぶが、保留数が0、2、3、4のときはそれぞれ変動パターン1、2、3、4に固定する、としても良い。
【0120】
また、主制御部、音声ランプ制御部及び特別図柄制御部における制御に関して、音声ランプ制御部又は特別図柄制御部が各々制御する装置(LED表示装置、液晶表示装置、ランプ管)の分担(振り分け)については、試験端子に出力する信号と、出力しない信号とで分けることが特別図柄制御部の負担を最大限に軽減する上では最適である。しかし、本発明では、そのように完全に分担するもののみを念頭にするものではなく、特別図柄制御部で制御する必要がなく(試験端子への出力を必要としない)且つ負担の大きい処理のみを音声ランプ制御部で制御させても良いし、更に第3の副制御部を経由させることにより更に分担させることもできる。
【0121】
尚、パチンコ機1の制御方法も他の態様であっても実施できる。例えば、主制御部140と特別図柄制御部160、音声ランプ制御部170、又は払出制御部150等(以下、副制御部ともいう)との間での制御に関して主制御部140から出力されるコマンドの種類や主制御部140の制御負担を極力抑制した制御態様の遊技機にも適用できる。
【0122】
この制御態様における、例えば主制御部140と特別図柄制御部160との間のコマンド送信に関して説明すると、特別図柄の制御において、主制御部140は特別図柄制御部160に対して変動コマンド、停止図柄コマンド、及び変動停止コマンドを送信し、特別図柄制御部160では変動コマンドを受けて、複数の変動態様から乱数等による抽選で変動態様を決定する。各コマンドの送受信時期、順序についても、情報伝達の確実性や、多様な遊技態様の実現、あるいは不正防止等の観点から種々の技術が採用される。
【0123】
このようにすることで、様々な効果を発揮する。機種変更の際には、異機種においても主制御プログラムを共用でき、副制御プログラムについてのみ変更すれば済むこととなり設計変更容易となる。また、第三者検査機関による検査についても容易にできる。更に、主制御部140の負担軽減や副制御部での制御自由度の向上により多様な遊技効果を実現可能となる。
【0124】
また、副制御部同士(2以上)についても送信可能とすることができる。尚、上記では主制御部140と副制御部又は副制御部間において送信するとしたが、送信とは一方向であっても双方向であってもどちらでも良い。
また、樹脂製板68は透明板69により保護されていたが、透明板69を排除しても良い。その際には、樹脂製板68を硬質な(または柔軟性に富む)材質により成形して、パチンコ玉64が衝突しても傷がつきにくくするとよい。
【0125】
また、緩衝部材70、71を板バネ76以外の弾性体で支持してもよい。その一例を図18(c)に示す。本図に示す態様では、板バネ76の代わりに渦巻バネ77を用いている。渦巻バネ77の一端77aを面25に、他端77bを緩衝部材70に固定することにより緩衝部材70は矢印Tのように揺れる。また、このように板バネ76や渦巻バネ77ではなくコイルバネで支持したり、こうしたバネなどを設けることなく、緩衝部材70自体に弾性を持たせても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る遊技機を示す正面図である。
【図2】本発明の実施例に係る遊技機において、前面枠を開いた状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施例に係る遊技機の遊技盤を示す正面図である。
【図4】本発明の実施例に係る遊技機を示す裏面図である。
【図5】本発明の実施例に係る遊技機が備える電子制御装置を示すブロック図である。
【図6】(a)は本発明の実施例に係る遊技機が備える電子制御装置を構成する主制御部の説明図であり、(b)は本発明の実施例に係る遊技機が備える電子制御装置を構成する枠制御部の説明図である。
【図7】本発明の実施例に係る遊技機が備える電子制御装置を構成する特別図柄制御部の説明図である。
【図8】本発明の実施例に係る遊技機の主制御部が行うメインジョブを説明するためのフローチャートである。
【図9】本発明の実施例に係る遊技機において、電源断(停電等)が発生したときの処理を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施例に係る遊技機において、電源断(停電等)が発生したときの復電処理を示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施例に係る遊技機において、当否判定ジョブを説明するためのフローチャートである。
【図12】本発明の実施例に係る遊技機において、主制御部の内蔵RAMに格納された各種メモリ等の代表例を示す説明図である。
【図13】本発明の実施例に係る遊技機において、特別図柄メインジョブの概略を説明するためのフローチャートである。
【図14】本発明の実施例に係る遊技機において、主制御部を示す説明図である。
【図15】本発明の実施例に係る遊技機において、主制御部を構成するCPUを示す説明図である。
【図16】本発明の実施例に係る遊技機において、中央装置を第一種始動口(普通電動役物)と共に拡大した図である。
【図17】本発明の実施例に係る遊技機において、外れ変動パターン選択処理のフローチャートである。
【図18】本発明の実施例に係る遊技機において、低確率変動用データ選択の処理のフローチャートである。
【図19】本発明の実施例に係る遊技機において、保留数が3個以上の場合に実行される外れ表示低確率保留選択の処理のフローチャートである。
【図20】本発明の実施例に係る遊技機において、保留数が0個の場合に実行される外れ表示低確率保留選択の処理のフローチャートである。
【図21】図16のA−A断面図である。
【図22】本発明の実施例に係る遊技機において、緩衝部材70、板バネ76の説明図である。
【図23】本発明の実施例を部分的に示すブロック図である。
【符号の説明】
1…遊技機 11…遊技領域
16…中央装置 23…釘
24…7セグメント表示装置
27…第2表示部(第2の表示装置)
140…主制御部
160…特別図柄制御部(第1の副制御部)
170…音声ランプ制御部(第2の副制御部)
200…LED表示装置(第1の表示装置)
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技機に関し、特にいわゆるセブン機、羽根物、権利物又はアレンジボール等の弾球遊技機や、スロットマシン等のコイン式遊技機などの遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、弾球遊技機には、いわゆるフィーバー機、権利物、あるいはアレンジ等と呼ばれる種々のゲーム内容のものが普及している。このうち、フィーバー機は、所定領域(例えば始動入賞口や特定ゲート)に遊技球が入賞または通過すると、可変表示装置に図柄を変動表示させる。その可変表示装置の表示状態が特定のものとなった場合、例えば、大当り時には、まずリーチ表示を行い、そして3つの表示部に表示される図柄の組合わせが「7,7,7」等の特定のゾロ目の組合わせになった場合に、特定入賞口の大入賞口が開放される(大当り。特別遊技ともいう)ように構成されている。大当りが発生すれば、スピーカなどの音声発生手段から所定の効果音を発生させるとともに、遊技機本体に設けられた表示ランプなどを点滅させてゲーム状況の変化に応じた音響的、光学的な演出を行ない、遊技者の興趣を喚起するようにしている。また大入賞口は、所定個数の遊技球が入賞するか所定時間が経過することにより一旦閉鎖されるが、上記開放中において大入賞口内に形成された特定領域を遊技球が通過していれば再び開放し、この開放及び閉鎖の動作を最大16回繰り返すように構成されている。
【0003】
大当り時の図柄(当り図柄)に応じて、特別遊技終了後に大当りとなる確率が高くなる高確率遊技状態(いわゆる確率変動状態)が付与される場合もある。例えば、当り図柄の組合せが「7、7、7」または「3、3、3」であるときに高確率遊技状態が付与される機種がある。一方、当り図柄の組合わせが「7、7、7」「3、3、3」以外のときであっても、特別遊技に入る前に仮停止の表示をした当り図柄を再び変動表示させる演出(いわゆる再抽選)をする機種もある。この場合、最終的に表示された当り図柄の組合わせが「7、7、7」または「3、3、3」であれば、高確率遊技状態が付与される。
【0004】
可変表示装置に表示される図柄が変動中である間に始動入賞口等に入賞(または特定ゲートを通過)した遊技球があった場合は、所定記憶個数を上限にその入賞した遊技球の数を記憶するよう構成されている。そして、可変表示装置における図柄の変動が停止し、表示された図柄が当り図柄でなければ、記憶している入賞球に基づいて可変表示装置に図柄が変動表示される。しかしながら、可変表示装置における図柄の変動中に、所定記憶個数を超える数の遊技球が連続して始動入賞口に入賞(または特定ゲートを通過)した場合、その超過した入賞は無効になってしまう場合があった。そのため、所定記憶個数に基づいて可変表示装置における図柄の変動時間を単純に短くすることにより無効になる入賞の数を減らすことが行なわれてきた。
【0005】
次に、権利物やアレンジ遊技機では、可変表示装置が特定のゾロ目表示状態となることによりチューリップ式電動役物等の特定入賞口が所定時間開放し、この開放した特定入賞口内の特定領域を遊技球が通過することにより大当り状態となる。そして大当り状態になると、通常時には無効である入賞口等が、所定個数の遊技球が入賞するまで、あるいは所定ゲーム数経過するまで有効となり、この有効となった入賞口に遊技球が入賞するとアタッカー等の役物が開放するように構成されている。
【0006】
このように、特定のゾロ目条件が成立して特定入賞口が遊技客に有利な状態になると、フィーバー機等では、遊技者は特定入賞口(この場合アタッカー)内の特定領域に遊技球を通過(入賞)させて、大当り状態を発生させ、又は大当り状態を継続させて、大量の賞球の獲得をしようとするのである。
【0007】
これらの遊技機では、従来、1枚の制御基板上に、主に遊技を司る主制御部、図柄表示を制御する特別図柄制御部、音を制御する音声制御部、ランプを制御するランプ制御部など、複数の制御手段を設けて、遊技機を制御していた。
ところで、弾球遊技機においては、「新たに開発された機種の機能が所定の要件を満たしているか否か」等の検査が、第三者により行なわれている。この様な検査では、従来機からの変更箇所(例えば、主制御部、特別図柄制御部等)のみを検査することが望ましいが各制御部が1枚の制御基板上に構成されているため、特定の制御部のみを検査することが困難であり、全ての制御部を対象として検査が実施されていた。また、図柄の変動パターン等の図柄演出、効果音等の音演出、およびランプ演出の多様化を図る場合には、各制御部が複雑になり、さらには制御基板の回路構成が非常に複雑になってしまい、新機種の開発作業に多大な労力がかかっていた。
【0008】
そこで各制御部を、各々別々の制御基板として構成する方法が採用された。つまり、遊技を司る主制御部から図柄表示制御部、音声制御部、およびランプ制御部などの各制御部へ制御信号を送信し、各制御部は受信した制御信号に基づいて各演出を実施することで、開発作業や第三者による検査の省力化を図り、また、遊技者の興趣を喚起するために、遊技の演出多様化も実現して来た。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような遊技機では、主制御部から特別図柄制御部へ伝送し、試験端子に出力する必要のないものも特別図柄制御部を介して制御おり、遊技者の興趣を喚起する演出を多様化するために、図柄の変動に連動させたキャラクタの表示や、多種類化によるリーチ態様の多様化、ランプ表示によるリーチ予告など、特別図柄表示制御部におけるCPUの処理負担が増大し、延いてはそれら演出のための制御プログラムや図柄データを記憶するROMの記憶容量が不足し、更なる演出の多様化を図ることで遊技者の興趣を喚起することが難しくなってきた。また、各制御部の機能をフルに活用した演出を行なう場合、主制御部から他の制御部への制御信号のデータ量が非常に多くなり、制御信号の伝達を迅速に行なえないという問題があった。
【0010】
特に、特別図柄制御部は、多数の試験端子を有し、それらにも信号を送らなければならないし、更には、コマンドの振り分けや表示処理などの多数の処理を行なうためCPUに多大な負担を掛けることとなる。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、特別図柄制御部の負担を軽減すると共に、遊技者の興趣を引き付ける多様な演出が可能な遊技機を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
係る課題を解決するためになされた請求項1に記載された本発明は、遊技盤と、前記遊技盤に設けられ、複数種類の識別情報を変動表示可能であって識別情報を同時に複数表示可能な第1の表示装置と、前記遊技盤に設けられ、複数種類の識別情報を変動表示可能であって前記第1の表示装置に表示される識別情報に関連する識別情報を表示可能な第2の表示装置と、前記第1の表示装置に表示される識別図柄が予め定められた特定の配列となったとき、遊技者にとって有利な状態に変化可能な可変入賞装置とを備えた遊技機であって、
遊技を司り当否判定などの遊技状態を判断する主制御部と、当りの場合に前記識別情報を所定態様に確定表示する第1の副制御部と、音声出力やランプ出力を制御する第2の副制御部とを備え、
前記第1の副制御部は、前記第2の副制御部を経由して前記主制御部と伝送可能に接続されると共に、前記第1の表示装置は、前記第1の副制御部により制御され、前記第2の表示装置は、前記第2の副制御部で制御されることを特徴とする。
【0012】
このように構成された遊技機によれば、主制御部から第2の副制御部(例えば音声ランプ制御部)を介して第1の副制御部(例えば特別図柄制御部)へ伝送することで、試験端子に出力する必要のない信号により識別情報が可変表示される第2の表示装置を第1の副制御部を経由せず第2の副制御部で直接制御するので、第1の副制御部のROM容量やCPUに負担を掛けることなく高速で処理することができる。
【0013】
請求項2に記載された本発明は、請求項1に記載の遊技機において、前記第1の表示装置で表示される識別情報は、外部端子により遊技機外に識別情報信号として出力可能とされ、前記第2の表示装置で表示される識別情報は、外部端子により遊技機外に出力しないことを特徴とする。
【0014】
このように構成された遊技機によれば、外部端子により遊技機外に出力する信号と出力しない信号とに分けて制御されるので、第1の副制御部(例えば特別図柄制御部)の負担を最大限に軽減することができる。
請求項3に記載の遊技機は、請求項1または請求項2に記載の遊技機において、前記第1の副制御部と、前記第2の副制御部とは、双方向に伝送可能であることを特徴とする。
【0015】
このように構成された遊技機によれば、音の発生、ランプの点灯、図柄の表示、及び表示装置の可動等を、当り図柄の確定やリーチ態様にあわせて正確なタイミングで制御できる。すなわち同期を図ることが容易となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を示す実施例について図面に基づいて説明する。
尚、本実施の形態では、第1の副制御部及び第2の副制御部の一例として、各々特別図柄制御部及び音声ランプ制御部を挙げて説明する。
【0017】
ここでは遊技機として、いわゆるセブン機と呼ばれるタイプの第一種パチンコ機(弾球遊技機)を例に取り、その構造について図1〜図4を参照して説明する。
パチンコ機1の前面部は、図1及び図2に示すように、主として外枠(本体枠)2と、中枠3と、前面枠4と、上皿部5と、下皿部6と、施錠装置7とから構成されている。
【0018】
外枠2は、木製の板状体を略長方形の額縁状に組立て固着したものである。中枠3は、全体がプラスチック製で、枠体部(図2参照)3aと下板部とを有し、外枠2に対して開閉可能に軸支されている。中枠3の右端中央には施錠装置7が設けられ、施錠装置7は、正面視すると鍵穴を備えた略長方形状を呈し、前面枠4を閉鎖した場合に施錠するためのものである。
【0019】
又、音声ランプ制御部は、通常、試験端子を有さず、処理数も少ない。そこで主制御部と特別図柄制御部の間に音声ランプ制御部を経由して、上記したように主制御部からの信号を特別図柄制御部と、音声ランプ制御部とで処理することにより効率良く負担を分担でき、かつ遊技の演出を多様化したとしても迅速に処理させることができる。
【0020】
ここで枠体部3aは、上端から下方へ中枠3全体の略2/3程度に略長方形の額縁状に形成され、上端部には、前面枠4の略三角形状の枠飾りLED用レンズ4c,4eに対応して、左側に賞球表示LED(図示を省略)及び賞球表示LED基板4d(図5参照)が、右側にストップ表示LED(図2では図示略)及びストップ表示LED基板4f(図5参照)が配設されている。
【0021】
また、下板部は、下端から上方へ中枠3全体の略1/3程度を占め、左端には、上皿部5に形成されたスピーカー面5aに対応すべく、遊技状態に応じた効果音その他の音(音声)を発生させるスピーカー400a(図5参照)が配設され、略中央には、遊技球を発射する発射装置ユニット(図示略)に対し、上皿部5に貯留された遊技球を供給する供給装置等(図示略)が設けられている。
【0022】
さらに、下板部の下方には、灰皿や玉抜きレバー等を備えた下皿部6が設けられ、下皿部6の略中央には、パチンコ機1の内部から遊技球を排出するための排出口6aが開設され、右端に発射装置ユニット(図示略)を操作する発射ハンドル9が設けられている。また、この発射ハンドル9には、遊技者がタッチしていることを検出するタッチスイッチ9aが装着され、その近傍には、発射停止を一時的に指令する発射停止スイッチ9bが配置されている。
【0023】
前面枠4は、図1及び図2に示すように、全体がプラスチック製であり、遊技盤10(図3参照)を前方から視認するべく、遊技盤10に形成された遊技領域11(図3参照)の形状に対応して略円周状に開設された開口部4aを有している。そして、その裏面には、開口部4aに応じてガラス板4rが嵌められた略長方形状のガラス枠4s(図2参照)が装着されている。尚、本実施例では、ガラス枠4sが、前面枠4に裏面に装着され、このガラス枠4fによって、ガラス板4rの周縁部が保持されている。そして、遊技者を基準とすれば、遊技盤10に形成された遊技領域11は、ガラス板4eの後方に形成されている。尚、前面枠4の前面側にガラス枠4sを装着し、前面枠4の前面側で、ガラス板4rを保持してもよい。また、ガラス板4r以外の透明板(例えば、透明な樹脂板)を、前面枠4に装着された透明板枠で保持することもできる。
【0024】
また、この前面枠4は、パチンコ機1の前面全体の約2/3のサイズを占め、中枠3の左端に軸着され開閉可能に形成されている。さらに、上端部には、枠飾りランプ用レンズ4bも設けられ、このレンズ4b内部には、開口部4a上端の円弧部分に沿って、枠飾りランプ基板4g(図5参照)及び複数個の遊技効果ランプ(図示略)が配設されている。
【0025】
上皿部5は、前面枠4の下側で、中枠3の左端に軸着され開閉可能に形成されている。皿外縁部5bには、玉抜きボタンや遊技球の貸出・返却ボタン等が配設されている。また、上皿部5には、パチンコ機1の内部から遊技球を排出するための排出口5cが開設されている。左端には、複数の長孔を有するスピーカー面5aが形成され、その裏面には、音量スイッチ基板12(図5参照)が設けられている。パチンコ機1の左端側には、プリペイドカードユニット13が装着されている。
【0026】
次に、本実施例の遊技盤10の表面構造について図3を参照して説明する。遊技盤10は、略長方形の木製の板状体であって中枠3(図1及び図2参照)に保持されるとともに、後述する裏機構盤102(図4参照)によりその背面側が覆われている。遊技盤10には、遊技盤10の表面に設けられた外レール14と内レール15とにより略円形状の遊技領域11が形成され、遊技領域11内には、中央装置16と、第一種始動口(普通電動役物)17と、変動入賞装置18と、左入賞口19、右入賞口20、左下入賞口21、右下入賞口22と、多数の釘23等が配設されている。なお、本図では図を簡素にするため、釘23の一部、ランプ風車などを省略している。
【0027】
中央装置16は、遊技領域11の略中央部に配置され、普通図柄表示装置32と、LED表示装置200と、第2表示部27と、入球口272、273とを備えている。
LED表示装置200は、3桁の7セグメント表示装置24を主要部として構成されており、遊技球が第一種始動口(普通電動役物)17に入球することにより、各桁7個のセグメント体を適宜点灯・消灯させることにより各特別図柄をそれぞれ変動させて停止表示させるものである。そして、例えば、図柄が「7、7、7」の3桁同一図柄で揃って停止表示(確定表示)すると、変動入賞装置18に配設された後述する大入賞装置31の大入賞口311が開放される。即ち、パチンコ機1では、「複数の識別情報」を表示する領域として、左特別図柄表示領域と、中特別図柄表示領域と、右特別図柄表示領域とを備えている。また、「遊技球が第一種始動口(普通電動役物)17に入球する。」という「所定条件の成立」によって、各特別図柄がそれぞれ変動され(即ち、複数の識別情報を可変表示され)、「図柄が3桁同一図柄で揃う。」という、特定条件の停止態様が達成されると、「大当り」という、「特定の価値」を付与するパチンコ機1である。
【0028】
普通図柄表示装置32は、「表示装置」の一具体例を示しており、中央装置16の上部中央に配置されている。普通図柄表示装置32は、1〜9の奇数数字を変動表示させるもので、普通図柄作動ゲート36、37のいずれかを遊技球が通過することにより変動して、所定時間経過後に1種類の奇数数字が停止表示される。そして、例えば「7」で停止表示すると、第一種始動口(普通電動役物)17が所定時間(例えば、0.5秒)開放される。
【0029】
普通図柄作動ゲート36、37は中央装置16の左右斜め下方に、それぞれ設けられ、この左右の普通図柄作動ゲート36、37内に左、右普通図柄作動ゲート検知スイッチ36s、37s(図5参照)が配設されている。そして、遊技球の普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ36s、37sのいずれかの通過により、普通図柄表示装置32が変動表示する。
【0030】
なお、中央装置16には、左右の普通図柄作動ゲート36、37を通過した遊技球の数を4個まで保留するLEDや、第一種始動口(普通電動役物)17への入賞の数を4個まで保留するLEDも設けられているが本図では省略した。
第一種始動口(普通電動役物)17は、中央装置16の中央位置の下方に離れて配設されている。第一種始動口(普通電動役物)17は、いわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部が開閉するべく形成され、その前面に飾りを備えて後述する基板34に取り付けられている。内部には、遊技球の通過を検知する第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17s(図5参照)と、翼片部を作動させるための第一種始動口(普通電動役物)ソレノイド17c(図5参照)とが備えられている。この一対の翼片部が左右に開くと、遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となり、一対の翼片部が立設され、遊技球の入球可能性が小さくなる通常状態となる。
【0031】
変動入賞装置18は、上記第一種始動口(普通電動役物)17の下方に配設されており、前面側が略逆台形状に形成された基板34に、大入賞装置31と、左下入賞口21と右下入賞口22とを備えている。ここで、大入賞装置31は、略中央に形成され、帯状に開口された大入賞口311と、この大入賞口311を開放・閉鎖する開閉板312と、この開閉板312を開閉するための大入賞口ソレノイド313(図5参照)と、大入賞口311に入賞した後に遊技球が通過する特定領域(V入賞口及び一般入賞口/図示略)と、連動杆(図示略)と、入賞球を検知する入賞球検知スイッチ318(図5参照)と、裏箱(図示略)と、大入賞口中継基板(図示略)とから主に構成されている。
【0032】
また、左下入賞口21は、第一種始動口(普通電動役物)17の略真横の左側に配設されて、内部に左下入賞口通過検知スイッチ21s(図5参照)が設けられている。そして、この左下入賞口21の下方には複数個の左下入賞口LED223〜225が左下入賞口LED基板21f(図5参照)に取り付けられ、飾りレンズによって被覆されている。さらに、右下入賞口22は、第一種始動口(普通電動役物)17の略真横の右側に配設されて、内部に右下入賞口通過検知スイッチ22s(図5参照)が設けられている。
【0033】
変動入賞装置18の左右斜め上方には、左入賞口19及び右入賞口20がそれぞれ配設されている。そして、その内部にはそれぞれ、左入賞口通過検知スイッチ19s(図5参照)、右入賞口通過検知スイッチ20s(図5参照)が設けられている。さらに、遊技領域11の左右両端部には、一対のサイドランプ38、39がそれぞれ縦円弧状で相対称状に配設されている。なお、多数の釘23は、以上説明した各遊技装置との位置バランスを考慮して、遊技領域11にパチンコ遊技に適するべく、配設されている。
【0034】
次に、遊技盤10の下方にはアウト口48が設けられ、そのアウト口48の下部にはバック球防止部材58が設けられており、遊技領域11に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止している。一方、ファール球防止部材59は、内レール15の先端部に取り付けられ、返しゴム60は、ファール球防止部材59の位置とは略正反対側の、遊技盤10の右半分側の位置であって、外レール14に沿って嵌合状に取り付けられている。
【0035】
次に、本実施例のパチンコ機1の裏面構造について図4を参照して説明する。前面枠4(図1及び図2参照)は中枠3にあって、前面枠4の上下端の位置に設けられた一対のヒンジ101により、開閉可能に支持されている。裏機構盤102は中枠3にあって裏機構盤102の上下端の位置に設けられた一対のヒンジ103により、開閉可能に支持されている。遊技盤10(図3参照)は中枠3の表面側に着脱可能に取り付けられている。上端側にあるヒンジ101の配設位置からみて左側には、タンク球切れ検知スイッチ104をタンク底部に備えた賞球タンク105と、この賞球タンク105に接続されるタンクレール106とが取り付けられている。また、タンクレール106の右側には、球抜きレバー107が設けられ、その下流側には、補給球切れ検知スイッチ(図示を省略)が、さらに、その下流側には、裏側遊技装置としての賞球払出装置109が配設されている。
【0036】
続いて、遊技球の振り分け部(図示略)が賞球払出装置109の下流側に設けられている。タンクレール106の下側には、LED表示装置200(図3参照)を格納した蓋付きの裏ケース111が設けられ、この裏ケース111の下側には、後述する主制御部140(図5参照)として、裏側遊技装置としての遊技制御基板54{図6(a)参照}を格納した格納容器としての収納ボックス55が配設されている。収納ボックス55の背面下側には、発射制御部193(図5参照)として発射装置制御基板を格納した発射装置制御基板ケース113、及び発射制御集合中継基板(図示略)が設けられている。裏機構盤102の左下方部には、上述した発射装置ユニット(図示略)が、同じく右下方部には、払出制御部150(図5参照)として、払出制御基板350{図6(b)参照}を格納した格納容器としての払出制御基板ケース118が設けられている。収納ボックス55の右側上方に裏側遊技装置としての中継基板190が装着されている。
【0037】
中継基板190は、図5にも示すように、入賞球検知スイッチ318,19s〜22s等と主制御部140とを中継するための基板とされている。本実施例においては、収納ボックス55、中継基板190及び払出制御基板ケース118は、金属板(図示を省略)に着脱自在に装着され、この金属板は裏機構盤102に対して回動自在に懸架されている。
【0038】
一方、裏機構盤102の右上端部には、ヒューズボックス119、電源スイッチ120、電源ターミナル基板121及び大当り、発射装置制御、球切れ、扉開放、賞球、球貸し用等の遊技機枠用外部接続端子を備えた端子基板122が設けられている。また、外部からの電力の供給を受けるための電源ケーブル123も端子基板122の上側に配設されている。払出制御基板350{図6(b)参照}を格納した払出制御基板ケース118からは接続ケーブル124が上方へ延出し、電源ケーブル125を備えたプリペイドカードユニット13に接続されている。また、裏機構盤102の略中央下端部には、下皿部用球通路部材126が設けられている。なお、電源ターミナル基板121には、「RAMクリア信号」を発生させるための図示しないRAMクリアスイッチが接続されている。
【0039】
次に、本実施例のパチンコ機1の電子制御装置130について、図5〜図7を参照して説明する。まず、電子制御装置130は、主制御部140と、信号伝送経路500aにより、主制御部140に接続された払出制御部(主として賞球の払出制御を行う賞球払出制御部)150、及び音声ランプ制御部170と、信号伝送回路500bにより音声ランプ制御部170に接続された特別図柄制御部160とを含んで構成されている。主制御部140は、遊技制御基板54を備え、主制御部140以外の上記3つの制御部150、160、170はそれぞれ、払出制御基板350、特別図柄制御基板360、音声ランプ制御基板を備えている。
【0040】
図5から、主制御部140、特別図柄制御部160、音声ランプ制御部170を取り出した概念図を図23に示す。本図に示すように、主制御部140と音声ランプ制御部170は信号伝送経路500aにより接続されている。また、特別図柄制御部160と音声ランプ制御部170は、信号伝送経路500bにより双方向に信号を伝送可能にされており、音の発生、ランプの点灯、図柄の表示を、正確なタイミングで実行できる。
【0041】
遊技制御基板54は、図6(a)に示すように、CPU401を含む主回路部400と、入出力回路部500とを備えている(図14参照)。そして、この遊技制御基板54は、通常、開閉困難なケース(後述する収納ボックス55)に収納されている。
【0042】
また、入出力回路部500には、外部端子部145が接続され、この外部端子部145には、パチンコホールの「ホールコンピュータ」が接続される。そして、遊技制御基板54は、RAMクリア処理の実行後に、RAMクリア信号をONし、一定時間経過後にOFFするが、このRAMクリア信号をパチンコ機1の外部に出力し、パチンコホールのシステム等に報知できる。このため、不正行為者が判らない間に、パチンコホールの管理者側が不正行為を知ることができる。
【0043】
図15に示すように、CPU401はCPUコア480を備え、ROM482に格納された制御プログラムにより、RAM481をワークエリアとしてパチンコ機1全体の作動制御(すなわち、遊技の基本進行制御)を司る。また、ROM482に記憶された当否判定プログラムにより、CPU401が主体となって当否判断制御を行う(当否判定手段)。
【0044】
主回路部400は、図14に示すように、CPU401、発振部410、リセット回路部450、I/Oデコード回路部420、データバス安定化部411、及び第1外部入力回路部430を有している。また、CPU401は、図15に示すように、CPUコア480、内蔵RAM481、内蔵ROM482、メモリ制御回路483、クロック発生器484、アドレスデコーダ485、ウオッチドッグタイマ486、カウンタ/タイマ487、パラレル入出力ポート488、リセット/割り込みコントローラ489、外部バスインターフェース490、出力制御回路491を備えている。
【0045】
図5に戻り、図6(a)に示す入出力回路部500には前記した信号伝送経路500aが接続され、入出力回路部500からその信号伝送経路500aへ、各制御部150、160、170へ処理内容を指示する指令信号たるコマンドデータを送信する。尚、主制御部140から各制御部150、160、170へは、一方向形式若しくは双方向形式でデータが伝送される。また、各制御部140〜170には、電源受電基板415から電源ユニット425、さらには分電基板435を介して電源が供給されており、後述する電源立上げ時のシステムリセット信号が全制御基板に送信される。
【0046】
中継基板190には、入賞球検知スイッチ318,19s〜22s等が接続され、中継基板190の出力端子は、主制御部140の入出力回路部500と接続されている。また、第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17s、普通図柄表示装置基板32f、各種ソレノイド17c,313、右普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ37s、左普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ36sが主制御部140の入出力回路部500に接続されている。
【0047】
払出用端子基板191には、タッチスイッチ9a、発射停止スイッチ9b、ヴォリュームスイッチ192、タンク球切れ検知スイッチ104及び補給球切れ検知スイッチ108等が接続され、払出用端子基板191の出力端子は、図6(b)に示す払出制御部150の入出力回路部700と接続されている。
【0048】
払出制御部150は、図6(b)に示すように、主制御部140と同様の主回路部600及び入出力回路部700を含んで構成され、入出力回路部700において図5に示す信号伝送経路500aに接続されている。また、入出力回路部700には、賞球払出装置109、発射装置制御部193等が接続されている。
【0049】
特別図柄制御部160は、図7に示すように、演算回路構成要素として、CPU161と、RAM162と、ROM163と、入出力ポート164と、駆動回路167とを含み、それら演算回路構成要素はバス165により相互に接続して構成され、入出力ポート164において信号伝送経路500aに接続されている。入出力ポート164には、LED表示装置200が接続され、CPU161はROM163に格納された制御プログラムにより、RAM162をワークエリアとして中央装置16の作動制御を行なっている。
【0050】
さらに、枠飾りランプ基板4g等の各種ランプやサウンドジェネレーター188は、特別図柄制御部160の制御による特別図柄の変動・停止表示態様、リーチ発生の有無、リーチ表示態様(後述する)、特別遊技態様、及び遊技モード(確率変動、時短など)等に応じてその態様は制御される。その制御指令の指令信号は、音声ランプ制御部170を作動指令対象とする指令信号として、前記した信号伝送経路500aを介して送信される。
【0051】
なお、上述した特別図柄制御部160、及び音声ランプ制御部170は、主制御部140や払出制御部150と同様の回路部から構成されるものとすることもできる。すなわち、主回路部と入出力回路部とから構成されるものとし、内部にROM、RAMが内蔵されたCPUを用いることもできる。
【0052】
次に、賞球動作は、以下の順序で実行される。
主制御部140は、遊技球が入賞球検知スイッチ318を通過したら15個の賞球個数データを、第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17sを通過したら6個の賞球個数データを、それ以外の場合、例えば、左右下入賞口21、22の通過検知スイッチ21s、22sの通過を検知した場合などにおいては、10個の賞球個数データを、払出制御部150に対してその検知順に、払出制御部150を作動指令対象とする指令信号として、前記した信号伝送経路500aを介して送信する。(すなわち、固有賞球数はここでは、6個、10個あるいは15個である。)払出制御部150は、主制御部140からの賞球個数データを受け取り、賞球払出信号の送信により賞球払出装置109を作動させる。
【0053】
また、主制御部140は、上述の各種検知スイッチの出力に基づいて遊技状態を判断し、また、その遊技状態に基づいて当否判定を行うとともに、判定内容に応じて対応する図柄表示態様で画像表示制御を行うためのデータを読み込む。例えば、主制御部140は、第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17s、入賞球検知スイッチ318等の検知結果や、特別図柄当否判定乱数の取得値などを使用して、遊技が行われていない客待ちの状態、遊技は行われているが始動入賞がない状態(変動準備状態)、始動入賞があった状態、及び特別遊技状態なども判断する。また、始動入賞が検知されると後述する乱数値に基づいて当否判定が行われ、その判定結果に基づいて特別図柄の変動(リーチ表示態様を含む)、または確定などの表示態様制御のためのデータが読み込まれる。このデータは、特別図柄制御部160を作動指令対象とする指令信号として、前記した信号伝送経路500aを介して送信される。
【0054】
次に、主制御部140により実行されるメインジョブについて図8等を参照して説明する。これは、主制御部140のROM482(図15参照)に格納されたプログラムに基づき、CPU401により実行されるジョブの一例である。先ず、スタックポインタをRAM481(図15参照)の所定のアドレスに設定した後(S10)、RAMクリアスイッチが操作(押下)されているか否かを判断し(S12)、操作されていればRAM481の初期化処理が行われ(S800)、操作されていなければ、バックアップフラグが設定されているか否かが判断される(S15)。そして、バックアップフラグが設定されていれば(S15:YES)、図10の「電源断に対する復電処理」が行われる。
【0055】
尚、本実施例では、停電等によって電源断が発生したときに、図10に示すように、使用レジスタをRAM481に退避し(S630)、スタックポインタの値をRAM481に保存する(S632)。そして、大入賞口ソレノイド、第1種始動口ソレノイドをOFFにし(S634)、賞球センサのポーリング処理時間(例えば、約85m秒)を設定し(S636)、賞球計数前センサ及び賞球計数後センサで遊技球の通過を監視する(S638)。次いで、ポーリング処理時間が経過すると(S640)、使用しているRAM481のチェックサム(チェックサム、バックアップフラグ、スタック領域は除く)を作成し(S642)、保存し、バックアップフラグをRAM481に設定する(S646)。そして、RAM481のアクセスを禁止し(S648)、無限ループ処理にて電源ダウンに備える。なお、上記無制限ループ処理に替えてHALT処理やSTOP処理を実行することも可能である。
【0056】
図10の「復帰処理」においては、チェックサムの算出(S664)を実行し、電源断時に保存していたチェックサムの値を比較し、一致しなければ、RAM481の初期化処理を行う(S800)。一致すれば、電源断前のスタックポインタを復帰し(S668)、バックアップフラグをクリアし(S670)、サブ基板を電源断前の状態に復帰させるためのコマンドを送信する(S672)。そして、各レジスタを電源断前の状態に復帰し(S674)、割込みの許可/不許可を電源断前の状態に復帰等し(S676,S678)、電源断前の番地に戻る(S680)。本実施例では、パチンコ機1に対し、電源断対策用のバックアップ電源を付加しているため、パチンコホールの停電時等においても、停電前に生じていた「遊技者にとって有利な情報」を保存できる。
【0057】
図8に戻り、バックアップフラグが設定されていなければ(S15:NO)、初期化終了の判定が行われる(S20)。初期化が終了していれば(S20:YES)、LEDジョブ(S30)からスイッチジョブ(S70)までのジョブが実行される。また、初期化が終了していなければ(S20:NO)、初期化ジョブ(S190)が実行され、再び、初期化終了の判定が行われる(S20)。尚、パチンコ機1が出荷状態から最初の電源投入時であったり、RAMクリアスイッチが操作(押下)されていたり、バックアップフラグに異常があったり、チェックサムが一致しなかった場合には、RAM481の初期化処理が行われる。
【0058】
LEDジョブ(S30)においては、普通図柄及び普通図柄未始動回数の表示態様データや、特別図柄未始動回数の表示態様データなどが出力される。等速乱数ジョブ(S40)では、後述するRAM481の特別図柄当否判定乱数メモリや汎用カウントメモリなどが更新される。非等速乱数ジョブ(S50)では、初期値カウンタ、外れ普通図柄乱数メモリ(図示略)が更新される。なお、汎用カウントメモリ(図示略)は、例えば割り込みごとの「0」〜「255」の値の作成や、コマンドジョブ、飾りジョブの実行などに使用される。
【0059】
また、音声ジョブ(S60)では、音楽や音声に関するデータの読み込みが行われ、スイッチジョブ(S70)では、各種検知スイッチの読み込みが行われる。すなわち、左右入賞口通過検知信号などの各種信号が中継基板190を介して主制御部140に、発射停止検知信号、タッチ検知信号、ヴォリューム検知信号などの各種信号が払出用端子基板191を介して枠制御部150にそれぞれ取り込まれ、また、第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17sから第一種始動口入賞検知信号、大入賞装置31から入賞球検知信号、及び普通図柄作動ゲート通過検知信号が主制御部140に取り込まれる。
【0060】
さらに、カウント検知スイッチ、カウント検知及び特定領域通過検知スイッチ等のスイッチ318(図5参照)に異常があるか否かが判定され(S80)、異常がなければ(S80:YES)、特別図柄メインジョブ(S90)から音声ジョブ(S110)までのジョブが実行される。また、異常(球詰まりや断線など)があれば(S80:NO)、エラージョブ(S130)が実行される。
【0061】
特別図柄メインジョブ(S90)においては、主制御部140と特別図柄制御部160とが協調して動作するために必要なデータに関するジョブが実行される。また、普通図柄メインジョブ(S100)では、普通図柄及び普通図柄未始動回数の表示態様データの読み込みが行われる。
【0062】
この後、各フラグ状態がバックアップメモリにセットされ(S140)、賞球信号ジョブ(S150)、情報信号ジョブ(S160)、コマンドジョブ(S170)、及び残余時間ジョブ(S180)が実行される。賞球信号ジョブ(S150)においては、賞球払出しに関するデータの読み込みや出力が行われ、情報信号ジョブ(S160)では、他の制御部への情報出力に必要なデータの読み込みが行われる。さらに、コマンドジョブ(S170)では、特別図柄管理等のためのコマンドの出力が行われ、残余時間ジョブ(S180)では、非等速乱数の呼出しが行われる。尚、残余時間ジョブ(S180)においても、初期値乱数の更新が行われる。
【0063】
次に、上記メインジョブの一連の流れの中で実行される、始動入賞(第一種始動口(普通電動役物)17への入賞)時の当否判定ジョブに関して図11を参照して説明する。なお、これらのジョブで使用する各種メモリ等は、図5に示す主制御部140のRAM481(図15参照)に格納され、代表的なもの(481a〜481n、481v、481w)を図12に示す。
【0064】
まず、S200において始動入賞があったか否かを確認し、Noであれば、S203に進み、特別図柄保留数メモリ481b(図12参照)に記憶されている保留数(未始動回数)の有無を判定する。保留数が無し(すなわちゼロ)であれば本処理を終了し、保留があればS250に進む。始動入賞があった場合(S200:Yes)には、S206に進み、保留数が4以上であるか否かを判定する。保留数が4以上であればS250に進み、保留数が4未満であればS210に進む。S210では保留数を1インクリメントする。そしてS220において、特別図柄当否判定乱数(以下、当否用乱数、又は判定乱数ともいう)および当り図柄乱数を発生させ(プログラムを発生させても、所定の乱数発生回路を用いてもいずれでもよい(当否用乱数発生手段))、S230において、これら当否判定乱数および当り図柄乱数を読み込む。こうして読み込んだ乱数値を、S240において、それぞれ特別図柄当否判定乱数メモリ481a(図12参照:以下、判定乱数メモリともいう)、図柄決定乱数メモリ481dに記憶する。このメモリは、読み込んだ判定乱数値を始動入賞の時系列にシフトメモリ形式で記憶している。
【0065】
次に、変動開始時であれば、S250において、判定乱数メモリ481a(図12参照)から記憶している最も古い先頭の判定乱数値及び大当り図柄決定乱数メモリ481dから当り図柄乱数を読み出すと共に判定乱数メモリ481aおよび大当り図柄決定乱数メモリ481dをシフトする。そして、S260において、大当り番号メモリ(内蔵ROM482内にある)から大当り番号(当り用判定値)を読み出し、S270において、上記判定乱数値との比較を行い、両者が一致していれば大当り判定となり、一致していなければ外れ判定となる。大当り判定の場合には、S280に進んで当り図柄乱数を読み込み、図柄決定乱数メモリ481dに記憶する。そしてS290にてリーチ態様決定乱数を発生させ、これを読み込んでリーチ態様決定乱数メモリ481kに記憶する。そしてS300において、「大当り」という判定結果(本実施例では「1」)を判定結果メモリ481j(図12参照)に記憶する。
【0066】
一方、外れ判定となった場合は、S270からS310に進み、外れリーチジョブを行うかどうかを乱数により決定する。すなわち、S310において、リーチ態様決定乱数を発生させ、これを読み込み、他方、S320において、リーチ番号メモリ481i(図12参照)に記憶されているリーチ番号を読み出す。S330において、両者が一致していれば外れリーチジョブに、一致していなければ通常外れジョブとなる。
【0067】
外れリーチジョブの場合は、S380へ進み、「外れリーチ」という判定結果(本実施例では「2」)を判定結果メモリ481j(図12参照)に記憶する。一方、通常外れジョブの場合は、S450に進み、S450において、「通常外れ」という判定結果(本実施例では「3」)を判定結果メモリ481j(図12参照)に記憶する。
【0068】
次に、上記メインジョブの一連の流れの中で実行される、特別図柄メインジョブの概略の流れを図13を参照して説明する。まず、S500において、第一種始動口(普通電動役物)17への遊技球の入賞に基づき、LED表示装置200(図3参照)上で各特別図柄の変動表示を開始させる。
【0069】
次いで、S510において、判定結果メモリ481j(図12参照)から図12に示す当否判定ジョブで得られた各入賞に対する判定結果を読み出す。具体的には、大当り判定(「1」)の場合は(S520:YES)、S530に進み、当り図柄を選択する。具体的には、大当り図柄決定乱数(識別情報決定用乱数)を発生させ、これを読み込んでその決定乱数値を大当り図柄決定乱数メモリ481d(図12参照)に記憶する。なお、大当り図柄決定乱数の読み込みは、始動入賞時に当否用乱数と同時に読み込まれているが、当り判定決定と同時に、あるいは当り判定決定後所定の時間後に読み込むものとしてもよい。
【0070】
この大当り図柄決定乱数値で指定される特別図柄は、特別図柄制御部160のROM163(図7参照)に格納されている特別図柄画像データに基づいて、LED表示装置200(図3参照)に、変動表示状態を経た後、定められた配列態様で表示される(例えば、「7、7、7」の3桁同一図柄の配列態様)。なお、上記特別図柄画像データを大当り図柄決定乱数値と対応付けて識別情報決定用値として主制御部140のRAM481(図15参照)に記憶しておき、読み込んだ大当り図柄決定乱数値と識別情報決定用値とを比較することで停止表示する図柄を決定するものとしてもよい。
【0071】
そして、S540にて当り変動パターンを選択する。これは大当り図柄決定乱数と同時にリーチ態様決定乱数を発生させ、これを読み込んでその決定乱数値をリーチ態様決定乱数メモリ481k(図12参照)に記憶することにより行なう。リーチ態様決定乱数値で指定されるリーチ表示態様は、特別図柄制御部160のROM163(図7参照)に格納されたリーチ表示態様画像データに基づいて、LED表示装置200(図3参照)に、変動表示状態を経た後、定められたリーチ態様で表示される。なお、この場合も、上記リーチ表示態様画像データをリーチ態様決定乱数値と対応付けてリーチ態様決定用値として、主制御部140のRAM481(図15参照)のリーチ態様決定用値メモリ481l(図12参照)に記憶しておき、読み込んだリーチ態様決定乱数値とリーチ態様決定用値とを比較することで表示するリーチ態様を決定するものとしてもよい。そして例えば左図柄及び右図柄を同一図柄に揃えて所定のリーチ表示態様を経た後に、中図柄を左図柄及び右図柄と同一図柄に揃えて停止表示させ確定させ、本処理を終了する。
【0072】
一方、外れの場合は(S520:NO)、S550に進み、外れ変動パターンを選択し、S560にて外れ図柄を選択して所定のリーチ表示態様を経た後に、図柄を停止表示させ確定させ、本処理を終了する。
従来は、停止させる識別情報を決定し、その決定された識別情報に応じて変動パターンを決定していたため、決定され得る識別情報の配列数に応じて、変動パターンを決定する処理が複雑化していた。この点、パチンコ機1によると、変動パターンを先に選択するので、変動パターンの選択過程を簡略にすることができる。
【0073】
大当り判定により、LED表示装置200(図3参照)には所定の配列態様で特別図柄が確定表示されると(例えば、「7、7、7」の3桁同一図柄の配列態様)、その後、特別遊技が実行される(特別遊技状態もしくは大当り遊技状態)。特別遊技状態においては、まず、大入賞装置31(図3参照)の開閉板312が開放状態となり、大入賞口311への遊技球の入賞が遊技者にとって優位な遊技球受入状態となる。
【0074】
この特別遊技状態においては、大入賞装置31は、終了条件が成立するまで遊技球受入状態が継続される。例えば、開放状態が所定時間t1(例えば30秒)経過したとき、もしくは入賞球検知スイッチ318(図5参照)に所定数n1(例えば10個)の入賞が検知されたときに終了条件が成立し、遊技球受入状態が一旦終了して、開閉板312が閉鎖状態となって1ラウンドが終了する。この開閉板312が閉鎖されて所定時間t2(例えば0.5秒)が経過した後に、所定の継続条件(図示しない特定領域への通過)が成立していれば、再び開閉板312が開放状態となり大入賞装置31が遊技球受入状態となる。なお、このような終了条件までを1ラウンドとする遊技球受入状態は、所定の最高継続ラウンド数(本実施例では16ラウンド)まで繰り返し継続される。また、終了条件成立時に継続条件が不成立の場合は、特別遊技状態がそのラウンドで終了(いわゆるパンク)するものとなっている。
【0075】
なお、パチンコ機1においては、当り判定により中央装置16のLED表示装置200(図3参照)に停止表示された特別図柄の種類に基づき、上記特別遊技状態の終了後、次の大当りまで当否判定の確率(大当り確率)を変更(向上)させる確率変動手段が備えられている。具体的には、予め記憶されている上記大当り図柄決定乱数値が、確率変動用乱数値と非確率変動用乱数値とから構成され、各乱数値の取得に応じて確率変動用図柄又は非確率変動用図柄が停止表示される。その停止表示された図柄が確率変動用図柄の場合、上記特別遊技状態終了後、次の大当りまで当否判定の確率(大当り確率)が通常の約4〜5倍に向上するものとされている。
【0076】
確率変動されるか否かは、第2表示部27によって遊技者に示される。これについて図16を用いて説明する。図16は中央装置16を第一種始動口(普通電動役物)17と共に拡大した図である。ここで第2表示部27の説明をする前にLED表示装置200についても触れておく。LED表示装置200の前記セグメント体は、赤・緑・青のLEDが背後に設けられており、これら3色の組み合せによって、黄、白など様々な色を表示可能にされている。またこれらセグメント体の背景をなす部分26の背後にも別途、赤・緑・青のLEDが設けられており、背景の色のみを変えることが可能にされている。
【0077】
このLED表示装置200の表示制御は、主制御部140から出力された指令(コマンド)が音声ランプ制御部170を経由して特別図柄制御部160へ伝送され、特別図柄制御部160が行なう。
この背景用のLEDの表示制御は、主制御部140から出力された指令が音声ランプ制御部170へ伝送され音声ランプ制御部160が行なう。
【0078】
一方、第2表示部27には、1〜9、0、および2個のVの計12個の文字が形成されており、各文字の背後にLEDが設けられている。普段はこのLEDは消灯されているが、LED表示装置200に当り図柄が表示されると、12個の文字の内の1文字の背後のLEDが点灯(以下、「文字が点灯」という)され、しかもその点灯される文字が変化される。変化の態様は、次のようである。
【0079】
最初に点灯された文字が消灯され、その左の文字が点灯される。そしてその文字が消灯され、その更に左の文字が点灯される。これを高速(例えば100ms周期)で繰り返すことにより、点灯される箇所が左へ移動するように見える。こうして点灯される文字が左端のVになると、消灯後に点灯させる文字を右にし、点灯される箇所が右へ移動して見えるようにする。こうして点灯される文字が右端のVになると、再び消灯後に点灯させる文字を左にする。以上を所定時間(例えば、5秒)繰り返すことにより、点灯される箇所を左右方向に往復させ、いずれか1個の文字を点灯した状態で変動を停止させる。これを以下、第2表示部27の変動表示という。
【0080】
このとき点灯されていた文字が、左端のV、1〜5の内のいずれかであると確率変動は行なわれず、6〜9、0、右端のVの内のいずれかであると確率変動が行なわれる。なお、12個の各文字の下には各3個のLED62が設けられており、それらの色は、左端のV、1〜5の下にあるものが緑、6〜9、0、右端のVの下にあるLED62が赤となっている。この色を見ても遊技者は確率変動するか否かを知ることができる。更に、第2表示部27の変動表示が終了すると、LED表示装置200の下に設けられている報知ランプ263、264のいずれかが点灯される。確率変動する際には報知ランプ263、確率変動しない際には報知ランプ264が点灯され、これによっても遊技者は確率変動するか否かを知ることができる。なお、第2表示部の変動は音声ランプ制御部170が行なう。
【0081】
更に、第2表示部27の変動表示の結果に応じ、LED表示装置200の表示色が変化される。前後するが、第2表示部27が変動表示される前にLED表示装置200に表示される図柄配列は[表1]に示す7通りの内の何れかとなっている。
【0082】
【表1】
【0083】
ここで「黄1、黄1、黄1」は、1のゾロ目が黄色で表示されることを示している。つまり、これらの内の1つがLED表示装置200に表示されると、とりあえず大当りとなる。そして第2表示部27の変動表示の結果に応じ、LED表示装置200に表示された図柄配列の色が[表2]に示すように変化される。
【0084】
【表2】
【0085】
[表2]の見方は次のようである。すなわち、本表の左から2番目に表示されている○は、第2表示部27の変動表示前にLED表示装置200に表示された配列を意味している。そして上下方向に仕切られてなる7個のグループは、第2表示部27の変動表示後に変化しうる色を示している。例えば、黄1、黄1、黄1で当った場合は、第2表示部27の変動表示後に、「赤1、赤1、赤1」「青1、青1、青1」「黄1、黄1、黄1」「緑1、緑1、緑1」のいずれかに変化される。つまり、この4通りの中には第2表示部27の変動表示前と色が変化しないものもある。
【0086】
そして5番目のグループすなわち「黄5、黄5、黄5」で当った場合だけは変化の仕方が3通りとなっており、その他は全て4通りとなっている。[表2]の右から2番目の欄は確率変動するか否かを示しており、「確変」が確率変動する(確率が既に変動している場合はその状態が維持される)、「通常」が確率変動しない(確率が既に変動している場合は低下する)を意味している。[表2]の最も右の欄は、第2表示部27の変動表示後に確率変動する表示上の確率をグループ毎に示している。例えば、「黄1、黄1、黄1」で当った場合(第1グループ)は50%の確率で確率変動し、「青3、青3、青3」で当った場合(第3グループ)は100%の確率で確率変動する(いずれも表示上)。
【0087】
[表2]に示すように遊技機1においては、数字によらず赤、もしくは青の図柄が表示されたときに確率変動し、数字によらず緑、黄、もしくは白の図柄が表示されたときに確率変動しないようにされている。また、LED表示装置200の図柄は、第2表示部27の変動表示が行なわれている間、色調が変化される。例えば、「黄1、黄1、黄1」が「青1、青1、青1」になり更に「赤1、赤1、赤1」になり、第2表示部27の変動表示が停止すると[表2]の第1グループの内の一つ(例えば「緑1、緑1、緑1」)になる。
【0088】
ここで、図13のS550で行なわれる外れ変動パターン選択処理について図17に示す。判定結果メモリ481j(図12参照)に記憶された判定結果がリーチを経ない外れの場合は(S700:NO)、S705に進み、確率変動中か否かを判定する。確率変動中の場合はS710に進み、入賞から5秒経過したか否かを判定する。経過している場合はS715に進み、高確率時における保留数に応じたデータテーブルを選択し、更にS730に進んでそのデータテーブルより変動パターン選択用の乱数を使用して変動パターンを決定する。一方、入賞から5秒経過していない場合(S710:NO)は、S720に進み、高確率時における5秒経過していない場合のデータテーブルを選択してS730に進む。
【0089】
S705で確率変動していないと判定された場合はS740に進み、入賞から5秒経過したか否かを判定する。経過している場合はS745に進み、低確率時における保留数に応じたデータテーブルを選択し、S730に進む。一方、入賞から5秒経過していない場合(S740:NO)は、S750に進み、低確率時における5秒経過していない場合のデータテーブルを選択してS730に進む。
【0090】
判定結果メモリ481j(図12参照)に記憶された判定結果が、外れリーチ判定(「2」)の場合は(S700:YES)、S760に進み、確率変動中か否かを判定する。確率変動中の場合はS765に進み、高確率時の変動用のデータテーブルを選択してS730に進む。一方、確率変動していない場合(S760:NO)はS770に進み、低確率時の変動用のデータテーブルを選択してS730に進む。
【0091】
S770で選択されるデータテーブルの内容を図18に示す。まず、リーチ態様決定乱数メモリ481kに記憶された乱数値が100未満か否かを判定し(S810)、100未満でなければS815に進んで前記乱数値が255未満か否かを判定する。255以上であれば、本処理を終了する。なお、前記乱数値が255以上になることは通常はあり得ないので、S815の判定は不測の事態に備えたエラー処理の一種となっている。
【0092】
一方、乱数値が255未満の場合(S815:Yes)はS820に進み、前記乱数値が164未満か否かを判定する。164未満であれば、S825に進んで変動パターン7を選択し、本処理を終了する。ここで変動パターンとはいわゆるリーチアクションのことであり、パチンコ機1では15通りの変動パターンを備えている。これについて[表3]に示す。
【0093】
【表3】
【0094】
[表3]に示すように変動パターン1〜4はリーチではない外れで行なわれる態様、変動パターン5〜15はリーチ状態で行なわれる態様となっている。
前記乱数値が164以上であれば(S820:No)、S830に進み、前記乱数値が228未満か否かを判定する。228未満であれば、S835に進んで変動パターン8を選択し、本処理を終了する。前記乱数値が228以上であれば(S830:No)、S840に進み、前記乱数値が237未満か否かを判定する。237未満であれば、S845に進んで変動パターン9を選択し、本処理を終了する。前記乱数値が237以上であれば(S840:No)、S850に進んで変動パターン12を選択し、本処理を終了する。
【0095】
S810でYes、すなわち前記乱数値が100未満と判定された場合には、S860に進み、前記乱数値が50未満か否かを判定する。50未満であれば、S865に進んで変動パターン6を選択し、本処理を終了する。前記乱数値が50以上であれば、S870に進んで変動パターン5を選択し、本処理を終了する。低確率時に外れリーチが発生した場合の変動用の変動パターンが、以上のようにして選択される。前記乱数値と変動パターンの関係は[表4]のようになる。
【0096】
【表4】
【0097】
つまり前述した15種類の変動パターン中の6種類の中から選択している。このように6種類の変動パターンから選択する場合、S820〜S850のようにして全ての変動パターンを決めると、前記乱数値が最も大きい場合に選択される変動パターン(ここでは変動パターン12)は、5回も比較判定を受ける必要がある。これに対し、図18の処理のように前記乱数値が100未満であるか否かを判定することにより2分することにより、変動パターン12でも4回(S815は含まない)の比較判定で選択される。なお、図18の処理において、S820〜S850を更に2分、すなわちS815でYesと判定した後に前記乱数値が228未満か否かを判定し、228未満であった場合には更にその乱数値が164未満か否かを判定してパターンを選択するようにし、一方、前記乱数値が228以上であった場合には更にその乱数値が237未満か否かを判定してパターンを選択するようにすれば、比較判定の回数を最高でも3回に減らすことができる。また、6個の変動パターンを3つずつ2分し、S810の比較判定を100未満か否かではなく、164未満か否かにしても比較判定の回数を最高3回に減らすことができる。
【0098】
また、リーチ状態となっている図柄(つまり左図柄、右図柄)から1つ手前の図柄で中図柄が停止する変動パターン8([表3]参照)や同じく2つ手前の図柄で中図柄が停止する変動パターン7([表3]参照)が発現する確率が、他の変動パターンよりも高くされているため、遊技者に「おしい」と感じさせる変動パターンがより多く発生され、遊技興趣を高めることができる。
【0099】
なお、S765で選択されるデータテーブル、すなわち確率変動中に表示される外れリーチの内容は、[表5]のようになっている。
【0100】
【表5】
【0101】
このように確率変動中に表示される外れリーチの変動パターンは、[表4]に示したものよりも多いものの、図18と略同様、まず乱数値を大きく2分したのち、更に対応する閾値と比較することにより変動パターンが選択されていく。
S745で選択されるデータテーブルの内容を図19,20に示す。まず、保留数が3個以上の場合の外れ表示低確率保留選択の処理を図19に示す(本図では便宜上保留3と表示)。本処理ではまずリーチ態様決定乱数メモリ481kに記憶された乱数値が12未満か否かを判定する(S900)。12未満であれば、S905に進んで変動パターン2を選択し、本処理を終了する。ここで変動パターンとは図柄の変動時間が互いに異なるようにされた変動態様のことであり、パチンコ機1では4通りの変動パターンを備えており、変動時間が長い順に変動パターン1、変動パターン2、変動パターン3、変動パターン4となっている。前記乱数値が12以上であれば(S900:No)、S910に進み、前記乱数値が25未満か否かを判定する。25未満であれば、S915に進んで変動パターン3を選択し、本処理を終了する。前記乱数値が25以上であれば(S910:No)、S920に進み、変動パターン4を選択し、本処理を終了する。つまり保留数が3個以上の場合は、変動パターン1は選択されず、選択される確率が高い順に変動パターン4、変動パターン3、変動パターン2となっている。
【0102】
次に、保留数が0個の場合の外れ表示低確率保留選択の処理を図20に示す。本処理ではまずリーチ態様決定乱数メモリ481kに記憶された乱数値が192未満か否かを判定する(S950)。192未満であれば、S955に進んで変動パターン1を選択し、本処理を終了する。変動パターンの意味は図19と同じである。前記乱数値が192以上であれば(S950:No)、S960に進み、前記乱数値が230未満か否かを判定する。230未満であれば、S965に進んで変動パターン2を選択し、本処理を終了する。前記乱数値が230以上であれば(S960:No)、S970に進み、変動パターン3を選択し、本処理を終了する。つまり保留数が0の場合は、変動パターン4は選択されず、選択される確率が高い順に変動パターン1、変動パターン2、変動パターン3となっている。
【0103】
なお、同様の処理が保留数1、保留数2の場合に対応して存在する。各保留数と乱数値に応じて各変動パターンが選択される割合を[表6]に示す。
【0104】
【表6】
【0105】
変動時間の単位は秒である。この表から分かるように、パチンコ機1では、保留数ごとに3種類〜4種類の変動時間(単位は秒)の異なる変動パターンを選択するようにされている。各保留数に対する変動時間の平均値(選択のされ易さの重みを付けたもの)は、保留数0のときが11.1秒、保留数1のときが10.4秒、保留数2のときが 6.5秒、保留数3以上のときが 5.3秒となっている。これにより、変動時間が画一的(例えば、保留数が0なら変動パターン1に固定、保留数が1なら変動パターン2に固定)ではなくなり、遊技者の興趣を引き付けることができる。
【0106】
なお、第2表示部27は、図3に示す釘23が打ち込まれている遊技領域11の面よりも奥に配置されており、この面と同一面に設けられた透明板により遊技領域11と隔離されている。これについて図21に示す。図21は、中央装置16のA−A断面(図16参照)である。本図の左方が遊技者がいる側、右方が図4に示した裏面側の構造物がある側である。本図に示すように第2表示部27の大部分は、遊技領域11よりも盤面奥方向に配置されている。そしてパチンコ玉64が入球口272(入球口273(図16参照)でも可)に入ると、矢印P→Q→Rのように盤面奥方向へと導かれ、遊技領域11の面と同一面に設けられた透明板66と、第2表示部27の計12個の文字が形成された樹脂製板68との間の空間に入りこむ。なお、正確には樹脂製板68の遊技者側にはもう1枚、透明板69が配置されており、パチンコ玉64が当たっても樹脂製板68に傷がつかないようにしてある。符号74は文字を点灯させるためのLEDユニットである。
【0107】
透明板66と樹脂製板68との間の空間に入りこんだ玉は、手型の緩衝部材70(入球口273から入った場合は緩衝部材71(図16参照))に弾かれてこの空間内の斜面72を転動し、左端のVや1〜5(入球口273から入った場合は右端のVや6〜9、0)の前を横ぎって玉出口73から遊技領域11へ戻る。この様子は、透明板66を通して遊技者が見ることができる。また、透明板66は、遊技領域11と同一面に配設されているため、遊技者から見て透明板66の手前側もパチンコ玉が通過する。このように第2表示部27の手前をパチンコ玉が通過でき、透明板66を隔てて更にその手前もパチンコ玉が通過できるという斬新な構成となっている。遊技球の動きに更に変化を与えるので、娯楽性や興趣が向上させることができる。玉出口73から出た玉は、高い確率で第一種始動口(普通電動役物)17(図16参照)に入賞する。
【0108】
なお、緩衝部材70、71は板バネ76にて第2表示部27の透明板69と同一位置の面25に固定されている。この仕組みを図22に示す。図22(b)は緩衝部材70を裏側から見た様子であり、図22(a)は図22(b)を上方から見た図である。本図に示すように板バネ76は両端が鉤状に曲がっており、その一方が緩衝部材70、他方が面25に埋めこまれている。これにより、パチンコ玉64が緩衝部材70に衝突すると矢印Sのように揺れるので、パチンコ玉64の動きに更に豊かになり、娯楽性や興趣が一層向上させることができる。緩衝部材71も略同様に板バネを介して面25に揺動可能に固定されている。なお、図16に示すように緩衝部材70、71の人差指70aが指し示している方向は第2表示部27の中央、すなわちパチンコ玉64が転動して行く方向となっている。これにより、パチンコ玉64が転動する方向が示されるので遊技者に不安を与えないようにすることができる。
【0109】
以上のように構成された遊技機1によれば、主制御部140から音声ランプ制御部170を介して特別図柄制御部160へ伝送することで、試験端子に出力する必要のない信号により第2表示部27を音声ランプ制御部160で直接制御するので、特別図柄制御部160のROM容量やCPUに負担を掛けることなく高速で処理することができる。
【0110】
また、従来の、遊技盤のみを入れ替えるような機種変更では、特別図柄制御部160は、図柄データ(ROM)の変更だけでは済まず、表示装置の種類(液晶、7セグメント、ドットマトリックス等)や表示装置に表示される図柄の桁数が変わることにも対応しなければならないため制御部全体を変更していた。また、主制御部140、特別図柄制御部160、音声ランプ制御部170の順で接続していたため、特別図柄制御部160を変更する際、音声ランプ制御部170においても音声データだけでなく特別図柄制御部からのコマンドを受信するプログラムも変更していた。
【0111】
それに比べ、本発明の遊技機では、主制御部140、音声ランプ制御部170、特別図柄制御部160の順で接続することによって、新機種へ変更する際の利便性を向上できる。音声ランプ制御部170は、機種変更がされたとしても、新機種の音声データ(ROM)に変更するのみで済む。よって音声ランプ制御部のコマンド受信プログラムを異なる機種間で共通化できプログラム設計上の利便性が向上する。
【0112】
更に、上述のように、頻繁に制御部全体を変更するのは特別図柄制御部160に限られるため、従来の構成では2箇所のポートを変更しなければならなかったが、本発明の構成では1箇所のポートを変更するだけで済む。それにより基板設計上の利便性も向上する。
【0113】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
【0114】
例えば、特別図柄制御部160や音声ランプ制御部170のRAMに、履歴を記録していっても良い。履歴とは、その遊技機1で、その日に何回大当りが発生したか、ある変動パターンが何度発生したか、前回の大当りから何回変動表示を行なったか等を記録するものである。遊技機1に表示装置を設け、こうして記録された履歴を表示するようにすれば、遊技者が複数の遊技機の中から遊技する台を選ぶ際の判断材料にすることができる。
【0115】
特に、特別図柄制御部160に変動パターンの履歴を残しておけば、すべての変動パターンが均等に出現するようにしたり、同じ変動パターンが連続して出ないようにしたりすることもできる。通常、主制御部140は、履歴を持つことが許されていないので、特別図柄制御部160や音声ランプ制御部170に履歴を記憶させることは意義が大きい。なお、LED表示装置200ではなく、液晶表示装置のように任意の画像を表示可能な表示装置を遊技機1が備えている場合は、この液晶表示装置等に履歴を表示するようにすれば、新たに表示装置を設ける必要はない。
【0116】
また、LED表示装置200で表示される識別情報は、外部端子により遊技機外に識別情報信号として出力可能とし、第2表示部27で表示される識別情報は、外部端子により遊技機外に出力しないようにしてもよい。
また、[表5]に示した変動パターンは4種類とも変動時間が異なっていたが、次に示す[表7]のように同じ変動時間が同じものを含んでいても良い。
【0117】
【表7】
【0118】
変動時間の単位は秒である。これ以外にも、変動パターン2と変動パターン3の各変動時間が互いに同じものにしたり、変動パターン3と変動パターン4の各変動時間が互いに同じものにしたりしてもよい。
また、第2表示部27の変動表示のさせ方を変えても良い。例えば、点灯される箇所を単純に左右方向に往復させるのではなく、移動の速度(つまり、点灯させている時間)を徐々に速くしたり逆に遅くしたりしてもよい。また、移動しているかのように見せるのではなく、最初に全ての文字を点灯させ、1〜2個ずつ消灯させていってもよい。この場合、途中で確率変動となる箇所が多く残る(つまり点灯されている)ような消灯のさせ方をすると「確率変動する可能性が高い」という期待感を遊技者に持たせることができる。逆に確率変動となる箇所が少なくなるような消灯のさせ方をしてもよい。また、最初に点灯される文字を乱数で決めても良い。
【0119】
保留数に応じて変動時間を変える制御において、ある保留数においては変動時間を固定しても良い。すなわち、0〜4個の5種類の保留数において、例えば、保留数が1のときは変動パターン2または3のどちらかから選ぶが、保留数が0、2、3、4のときはそれぞれ変動パターン1、2、3、4に固定する、としても良い。
【0120】
また、主制御部、音声ランプ制御部及び特別図柄制御部における制御に関して、音声ランプ制御部又は特別図柄制御部が各々制御する装置(LED表示装置、液晶表示装置、ランプ管)の分担(振り分け)については、試験端子に出力する信号と、出力しない信号とで分けることが特別図柄制御部の負担を最大限に軽減する上では最適である。しかし、本発明では、そのように完全に分担するもののみを念頭にするものではなく、特別図柄制御部で制御する必要がなく(試験端子への出力を必要としない)且つ負担の大きい処理のみを音声ランプ制御部で制御させても良いし、更に第3の副制御部を経由させることにより更に分担させることもできる。
【0121】
尚、パチンコ機1の制御方法も他の態様であっても実施できる。例えば、主制御部140と特別図柄制御部160、音声ランプ制御部170、又は払出制御部150等(以下、副制御部ともいう)との間での制御に関して主制御部140から出力されるコマンドの種類や主制御部140の制御負担を極力抑制した制御態様の遊技機にも適用できる。
【0122】
この制御態様における、例えば主制御部140と特別図柄制御部160との間のコマンド送信に関して説明すると、特別図柄の制御において、主制御部140は特別図柄制御部160に対して変動コマンド、停止図柄コマンド、及び変動停止コマンドを送信し、特別図柄制御部160では変動コマンドを受けて、複数の変動態様から乱数等による抽選で変動態様を決定する。各コマンドの送受信時期、順序についても、情報伝達の確実性や、多様な遊技態様の実現、あるいは不正防止等の観点から種々の技術が採用される。
【0123】
このようにすることで、様々な効果を発揮する。機種変更の際には、異機種においても主制御プログラムを共用でき、副制御プログラムについてのみ変更すれば済むこととなり設計変更容易となる。また、第三者検査機関による検査についても容易にできる。更に、主制御部140の負担軽減や副制御部での制御自由度の向上により多様な遊技効果を実現可能となる。
【0124】
また、副制御部同士(2以上)についても送信可能とすることができる。尚、上記では主制御部140と副制御部又は副制御部間において送信するとしたが、送信とは一方向であっても双方向であってもどちらでも良い。
また、樹脂製板68は透明板69により保護されていたが、透明板69を排除しても良い。その際には、樹脂製板68を硬質な(または柔軟性に富む)材質により成形して、パチンコ玉64が衝突しても傷がつきにくくするとよい。
【0125】
また、緩衝部材70、71を板バネ76以外の弾性体で支持してもよい。その一例を図18(c)に示す。本図に示す態様では、板バネ76の代わりに渦巻バネ77を用いている。渦巻バネ77の一端77aを面25に、他端77bを緩衝部材70に固定することにより緩衝部材70は矢印Tのように揺れる。また、このように板バネ76や渦巻バネ77ではなくコイルバネで支持したり、こうしたバネなどを設けることなく、緩衝部材70自体に弾性を持たせても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る遊技機を示す正面図である。
【図2】本発明の実施例に係る遊技機において、前面枠を開いた状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施例に係る遊技機の遊技盤を示す正面図である。
【図4】本発明の実施例に係る遊技機を示す裏面図である。
【図5】本発明の実施例に係る遊技機が備える電子制御装置を示すブロック図である。
【図6】(a)は本発明の実施例に係る遊技機が備える電子制御装置を構成する主制御部の説明図であり、(b)は本発明の実施例に係る遊技機が備える電子制御装置を構成する枠制御部の説明図である。
【図7】本発明の実施例に係る遊技機が備える電子制御装置を構成する特別図柄制御部の説明図である。
【図8】本発明の実施例に係る遊技機の主制御部が行うメインジョブを説明するためのフローチャートである。
【図9】本発明の実施例に係る遊技機において、電源断(停電等)が発生したときの処理を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施例に係る遊技機において、電源断(停電等)が発生したときの復電処理を示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施例に係る遊技機において、当否判定ジョブを説明するためのフローチャートである。
【図12】本発明の実施例に係る遊技機において、主制御部の内蔵RAMに格納された各種メモリ等の代表例を示す説明図である。
【図13】本発明の実施例に係る遊技機において、特別図柄メインジョブの概略を説明するためのフローチャートである。
【図14】本発明の実施例に係る遊技機において、主制御部を示す説明図である。
【図15】本発明の実施例に係る遊技機において、主制御部を構成するCPUを示す説明図である。
【図16】本発明の実施例に係る遊技機において、中央装置を第一種始動口(普通電動役物)と共に拡大した図である。
【図17】本発明の実施例に係る遊技機において、外れ変動パターン選択処理のフローチャートである。
【図18】本発明の実施例に係る遊技機において、低確率変動用データ選択の処理のフローチャートである。
【図19】本発明の実施例に係る遊技機において、保留数が3個以上の場合に実行される外れ表示低確率保留選択の処理のフローチャートである。
【図20】本発明の実施例に係る遊技機において、保留数が0個の場合に実行される外れ表示低確率保留選択の処理のフローチャートである。
【図21】図16のA−A断面図である。
【図22】本発明の実施例に係る遊技機において、緩衝部材70、板バネ76の説明図である。
【図23】本発明の実施例を部分的に示すブロック図である。
【符号の説明】
1…遊技機 11…遊技領域
16…中央装置 23…釘
24…7セグメント表示装置
27…第2表示部(第2の表示装置)
140…主制御部
160…特別図柄制御部(第1の副制御部)
170…音声ランプ制御部(第2の副制御部)
200…LED表示装置(第1の表示装置)
Claims (3)
- 遊技盤と、
前記遊技盤に設けられ、複数種類の識別情報を変動表示可能であって識別情報を同時に複数表示可能な第1の表示装置と、
前記遊技盤に設けられ、複数種類の識別情報を変動表示可能であって前記第1の表示装置に表示される識別情報に関連する識別情報を表示可能な第2の表示装置と、
前記第1の表示装置に表示される識別図柄が予め定められた特定の配列となったとき、遊技者にとって有利な状態に変化可能な可変入賞装置とを備えた遊技機であって、
遊技を司り当否判定などの遊技状態を判断する主制御部と、
当りの場合に前記識別情報を所定態様に確定表示する第1の副制御部と、
音声出力やランプ出力を制御する第2の副制御部とを備え、
前記第1の副制御部は、前記第2の副制御部を経由して前記主制御部と伝送可能に接続されると共に、
前記第1の表示装置は、前記第1の副制御部により制御され、前記第2の表示装置は、前記第2の副制御部で制御されることを特徴とする遊技機。 - 前記第1の表示装置で表示される識別情報は、外部端子により遊技機外に識別情報信号として出力可能とされ、
前記第2の表示装置で表示される識別情報は、外部端子により遊技機外に出力しないことを特徴とする遊技機。 - 前記第1の副制御部と、前記第2の副制御部とは、双方向に伝送可能であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遊技機。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008237249A (ja) * | 2007-03-23 | 2008-10-09 | Samii Kk | 弾球遊技機 |
JP2014158757A (ja) * | 2014-02-24 | 2014-09-04 | Heiwa Corp | 遊技機 |
-
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- 2002-06-25 JP JP2002184715A patent/JP2004024504A/ja active Pending
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