JP4143433B2 - 生化学解析用ユニットの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生化学解析用ユニットの製造方法に関するものである。さらに詳しくは、標識物質などを吸着させる多数の吸着性領域を有する生化学解析用ユニットの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
放射線が照射されると、放射線のエネルギーを吸収して、蓄積、記録し、その後に、特定の波長域の電磁波を用いて励起すると、照射された放射線のエネルギーの量に応じた光量の輝尽光を発する特性を有する輝尽性蛍光体が知られており、これを放射線の検出材料として用いる。放射性標識を付与した物質を、生物体に投与した後、その生物体あるいはその生物体の組織の一部を試料とし、この試料を、輝尽性蛍光体層が設けられた蓄積性蛍光体シートと一定時間重ね合わせる。これにより、放射線エネルギーを輝尽性蛍光体に、蓄積、記録することができる。その後に、輝尽性蛍光体層上に電磁波を走査して、輝尽性蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を光電的に検出する。そして、ディジタル画像信号を生成し、画像処理を施して、CRTなどの表示手段上あるいは写真フイルムなどの記録材料上に、画像を再生するように構成されたオートラジオグラフィ画像検出システムが知られている(例えば特許文献1ないし3参照。)。
【0003】
蓄積性蛍光体シートを画像の検出材料として使用するオートラジオグラフィ画像検出システムは、写真フイルムを用いる場合とは異なり、現像処理という化学的処理が不必要であるだけでなく、得られた画像データに画像処理を施すことにより、所望のように、画像を再生し、あるいは、コンピュータによる定量解析が可能になるという利点を有している。
【0004】
他方、オートラジオグラフィ画像検出システムにおける放射性標識物質に代えて、蛍光色素を標識物質として使用した蛍光(fluorescence) 画像検出システムが知られている。この蛍光画像検出システムによれば、蛍光画像を読み取ることによって、遺伝子配列、遺伝子の発現レベル、実験用マウスにおける投与物質の代謝、吸収、排泄の経路、状態、蛋白質の分離、同定、あるいは、分子量、特性の評価などをおこなうことができる。例えば、電気泳動されるべき複数種の蛋白質分子を含む溶液を、ゲル支持体上で、電気泳動させた後に、ゲル支持体を蛍光色素を含んだ溶液に浸すなどして、電気泳動された蛋白質を染色し、励起光によって、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検出することによって、画像を生成し、ゲル支持体上の蛋白質分子の位置および量的分布を検出したりすることができる。あるいは、ウェスタン・ブロッティング法により、ニトロセルロースなどの転写支持体上に、電気泳動された蛋白質分子の少なくとも一部を転写し、目的とする蛋白質に特異的に反応する抗体を蛍光色素で標識して調製したプローブと蛋白質分子とを会合させる。さらに、特異的に反応する抗体にのみ結合する蛋白質分子を選択的に標識し、励起光によって、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検出する。それから、画像を生成し、転写支持体上の蛋白質分子の位置および量的分布を検出したりすることができる。また、電気泳動させるべき複数のDNA断片を含む溶液中に、蛍光色素を加えた後に、複数のDNA断片をゲル支持体上で電気泳動させる。あるいは、蛍光色素を含有させたゲル支持体上で、複数のDNA断片を電気泳動させる。または、複数のDNA断片を、ゲル支持体上で、電気泳動させた後に、ゲル支持体を、蛍光色素を含んだ溶液に浸すなどして、電気泳動されたDNA断片を標識し、励起光により、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検出することにより、画像を生成し、ゲル支持体上のDNAの分布を検出することができる。また、複数のDNA断片をゲル支持体上で電気泳動させた後に、DNAを変性(de‐naturation) し、次いで、サザン・ブロッティング法により、ニトロセルロースなどの転写支持体上に、変性DNA断片の少なくとも一部を転写し、目的とするDNAと相補的なDNAもしくはRNAを蛍光色素で標識して調製したプローブと変性DNA断片とをハイブリダイズさせる。その後に、プローブDNAもしくはプローブRNAと相補的なDNA断片のみを選択的に標識し、励起光によって、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検出することにより、画像を生成し、転写支持体上の目的とするDNAの分布を検出したりすることができる。さらに、標識物質によって標識した目的とする遺伝子を含むDNAと相補的なDNAプローブを調製して、転写支持体上のDNAとハイブリダイズさせ、酵素を、標識物質により標識された相補的なDNAと結合させた後、蛍光基質と接触させて、蛍光基質を蛍光を発する蛍光物質に変化させ、励起光によって、生成された蛍光物質を励起して、生じた蛍光を検出することにより、画像を生成し、転写支持体上の目的とするDNAの分布を検出したりすることもできる。この蛍光画像検出システムは、放射性物質を使用することなく、簡易に、遺伝子配列などを検出することができるという利点がある。
【0005】
また、同様に、蛋白質や核酸などの生体由来の物質を支持体に固定し、化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせる標識物質により、選択的に標識し、標識物質によって選択的に標識された生体由来の物質と化学発光基質とを接触させる。化学発光基質と標識物質との接触によって生ずる可視光波長域の化学発光を、光電的に検出して、ディジタル画像信号を生成し、画像処理を施して、CRTなどの表示手段あるいは写真フィルムなどの記録材料上に化学発光画像を再生して、遺伝子情報などの生体由来の物質に関する情報を得るようにした化学発光検出システムも知られている。
【0006】
さらに、近年、スライドガラス板や多孔質材料などから製造される生化学解析用ユニット表面上の異なる位置に、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタンパク質、核酸、cDNA(mRNAを鋳型にして合成した相補的DNA)、DNA、RNAなど、生体由来の物質と特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成などが既知の特異的結合物質を、スポッター装置を用いて、滴下して、多数の独立したスポットを形成する。次いで、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタンパク質、核酸、cDNA、DNA、mRNAなど、抽出、単離などによって、生体から採取され、あるいは、さらに、化学的処理、化学修飾などの処理が施された生体由来の物質であって、蛍光物質、色素などの標識物質によって標識された物質をハイブリダイズさせたマイクロアレイを作製する。そのマイクロアレイに、励起光を照射して、蛍光物質、色素などの標識物質から発せられた蛍光などの光を光電的に検出して、生体由来の物質を解析するマイクロアレイ画像検出システムが開発されている。このマイクロアレイ画像検出システムによれば、前記生化学解析用ユニット表面上の異なる位置に、数多くの特異的結合物質のスポットを高密度に形成して、標識物質によって標識された生体由来の物質をハイブリダイズさせることによって、短時間に、生体由来の物質を解析することが可能になるという利点がある。
【0007】
また、多孔質材料などのユニット表面上の異なる位置に、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタンパク質、核酸、cDNA、DNA、RNAなど、生体由来の物質と特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成などが既知の特異的結合物質を、スポッター装置を用いて、滴下して、多数の独立したスポットを形成する。次いで、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタンパク質、核酸、cDNA、DNA、mRNAなど、抽出、単離などによって、生体から採取され、あるいは、さらに、化学的処理、化学修飾などの処理が施された生体由来の物質であって、放射性標識物質によって標識された物質をハイブリダイズさせたマイクロアレイを作製する。そのマイクロアレイを輝尽性蛍光体を含む輝尽性蛍光体層が形成された蓄積性蛍光体シートと密着させて、輝尽性蛍光体層を露光し、しかる後に、輝尽性蛍光体層に励起光を照射し、輝尽性蛍光体層から発せられた輝尽光を光電的に検出して、生体由来の物質を解析する放射性標識物質を用いたマイクロアレイ画像検出システムも開発されている。
【0008】
【特許文献1】
特公平1−60782号公報 (第10−13頁、第2図)
【特許文献2】
特公平1−60784号公報 (第9−12頁、第1図)
【特許文献3】
特公平4−3952号公報 (第10−13頁、第2図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、放射性標識物質を用いたマイクロアレイ画像検出システムにあっては、輝尽性蛍光体層を露光する際、多孔質材料などのユニット表面上に形成されたスポットに含まれた放射性標識物質の放射線エネルギーが非常に大きいため、放射性標識物質から発せられる電子線が多孔質材料などのユニット内部で散乱し、隣接するスポットに含まれた放射性標識物質によって露光されるべき輝尽性蛍光体層の領域に入射し、あるいは、放射性標識物質から発せられた電子線が散乱し、隣接するスポットに含まれた放射性標識物質から発せられた電子線が混ざり合って、輝尽性蛍光体層の領域に入射し、その結果、輝尽光を光電的に検出して生成された放射線画像中にノイズを生成し、各スポットの放射線量を定量して、生体由来の物質を解析する際、定量性が悪化するという問題があり、スポットを近接して形成して高密度化しようとする場合には、特に著しい定量性の悪化が認められた。
【0010】
隣接するスポットに含まれた放射性標識物質から発せられる電子線の散乱に起因するノイズを防止して、かかる問題を解消するためには、必然的に、隣接するスポット間の距離を大きくすることが必要になり、スポットの密度が低下し、検査効率を低下させるという問題があった。
【0011】
さらに、生化学解析の分野においては、多孔質材料などのユニット表面上の異なる位置に、スポット状に形成されたホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタンパク質、核酸、cDNA、DNA、RNAなど、生体由来の物質と特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成などが既知の特異的結合物質に、放射性標識物質に加えて、化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせる標識物質および/または蛍光物質によって標識された生体由来の物質をハイブリダイズさせて、選択的に標識し、放射性標識物質によって、輝尽性蛍光体層を露光した後、あるいは、放射性標識物質による輝尽性蛍光体層の露光に先立って、化学発光基質とを接触させて、化学発光基質と標識物質との接触によって生ずる可視光波長域の化学発光を光電的に検出し、および/または、励起光を照射して、蛍光物質から発せられる蛍光を光電的に検出して、生体由来の物質を解析することも要求されている。かかる場合にも、スポットから発せられた化学発光や蛍光が多孔質材料などのユニット内で散乱し、あるいは、スポットから発せられた化学発光や蛍光が散乱して、隣接するスポットから発せられた化学発光や蛍光と混ざり合い、その結果、化学発光を光電的に検出して生成した化学発光画像および/または蛍光を光電的に検出して生成した蛍光画像中にノイズを生成するという問題があった。
【0012】
また、過剰な接着剤によって多孔質材料の充填が不均一になる場合がある。そのような生化学解析用ユニットを用いてマイクロアレイ画像検出システムにより測定を行うと、剥離した箇所での検出がなされないため、精度良い実験を行う際に、問題が生じている。
【0013】
本発明は上記課題を解決するためのものであり、ノイズの発生を抑えて精度の高い生化学解析が可能な生化学解析用ユニットを効率よく製造する方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、放射線および/または光が透過しないか減衰する性質を有する材料によって形成され、複数の孔が形成された基板を備え、前記複数の孔内に、それぞれ、吸着性領域が形成されている生化学解析用ユニットの製造方法において、前記複数の孔が設けられた前記基板に接着剤を塗布する接着剤塗布工程と、前記接着剤塗布工程で塗布された前記接着剤を固化させて前記基板に接着剤層を形成する接着剤固化工程と、前記接着剤塗布工程後、または、前記接着剤固化工程後に、前記基板の表面及び前記孔の開口部を塞ぐ余剰接着剤を除去する余剰接着剤除去工程と、前記余剰接着剤が除去された後、前記基板と帯状に形成された吸着性材料とを重ねて加圧部材により加圧するとともに、前記加圧部材に設けられ前記基板又は前記吸着性材料と接する面の温度を、前記接着剤のガラス転移温度以上、且つ、前記接着剤、前記基板、前記吸着性材料の全てものの融点以下にして、前記孔に前記吸着性材料を充填する吸着性材料充填工程と、を有することを特徴とする。なお、前記接着剤を塗工した後に、焼成することが好ましい。
【0015】
前記接着剤として、スチレンブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴムのうちのいずれかを用い、そのガラス転移温度が−20〜50℃の範囲であることが好ましい。前記基板が、金属材料、セラミック材料またはプラスチック材料よりなる群から選ばれた材料によって形成されていることが好ましい。
【0016】
前記基板に対し、プラズマ放電処理、コロナ放電処理、陽極酸化処理のいずれかの表面処理を行う表面処理工程を行い、前記表面処理工程を経た前記基板に前記接着剤塗布工程を行うことが好ましい。また、前記接着剤固化工程では、前記基板の加熱により、前記接着剤層を形成することが好ましい。更に、前記余剰接着剤除去工程では、吹き飛ばし法,吸引法,拭き取り法,レーザーアブレーション法、打ち抜き法,前記余剰接着剤が軟化する温度以上に加熱して除去する方法のいずれか、あるいはこれらの組み合わせで前記余剰接着剤を除去することが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明するが、本発明はこれらに限定されない。また、以下の説明に用いる用語などは、本発明の好ましい例を示すものであって、本発明の用語の意義や技術的な範囲を示すものではない。
【0018】
図1は、本発明の生化学解析用ユニットの概略を示す斜視図である。図1に示す生化学解析用ユニット1は、孔3が複数設けられた基板2と、孔3の内部に充填され、基板2と接着された多孔質材料とから構成されており、この多孔質材料が吸着性領域4を形成している。吸着性領域4には、構造または特性が既知の特異的結合物質が滴下され、その後の処理により固定化されている。
【0019】
前記基板2の材質としては、生化学解析用ユニット内部での散乱を防止するために、放射線または光を透過させないか、減衰させる材質が好ましく、金属、セラミックが好ましい。また、孔を開ける加工が容易であるプラスチックを前記基板として用いる場合は、放射線または光をより一層減衰させるために、粒子をプラスチック内部に分散させることが好ましい。
【0020】
前記金属としては、銅、銀、金、亜鉛、鉛、アルミニウム、チタン、錫、クロム、鉄、ニッケル、コバルト、タンタルあるいは、ステンレス鋼や黄銅などの合金があげられるが、必ずしもこれらに限定されない。
【0021】
前記プラスチックとしては、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレートやポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ナイロン−6やナイロン−66などの脂肪族ポリアミド、ポリイミド、ポリスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリジフェニルシロキサンなどのケイ素樹脂、ノボラックなどのフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、酢酸セルロースやニトロセルロースなどのセルロース類、ブタジエン−スチレン共重合体などのコポリマー、さらには前記プラスチックをブレンドすることがあげられるが、必ずしもこれらに限定されない。
【0022】
放射線または光を減衰させるために、前記のプラスチックに金属酸化物粒子やガラス繊維などを充填することが好ましく、金属酸化物粒子としては、二酸化ケイ素、アルミナ、二酸化チタン、酸化鉄、酸化銅などがあげられるが、必ずしもこれらに限定されない。
【0023】
前記セラミックとしては、アルミナ、ジルコニア、マグネシア、石英等があげられるが、必ずしもこれらに限定されない。
【0024】
放射線または光を減衰させるという意味は、前記基板2の孔3に充填された多孔質材料表面または内部の特異的結合物質と、結合した標識物質から発する放射線または光が、前記孔から基板壁を透過して、隣接する孔に到達する強度が、弱くなることをいい、その強度の低下は1/5以下になることが好ましく、1/10以下になることがより好ましい。
【0025】
放射性標識した試料からの電子線などの放射線を効果的に遮蔽するためには、基板2の平均密度は、一般には0.6g/cm3 以上であり、好ましくは1〜20g/cm3 の範囲にあり、特に好ましくは2〜10g/cm3 の範囲にある。電子線の透過距離は密度に反比例するので、放射性物質が、32P、33P、35S、14Cなどのような一般的な放射性同位元素(RI)であれば、基板2の平均密度をこの範囲とすることにより、各孔3内に固定されることになる試料のRIからの電子線を基板2の隔壁で遮蔽して、電子線の透過、散乱による放射線画像の分解能の低下を防ぐことができる。
【0026】
前記基板2の厚みは、一般には50〜1000μmの範囲にあり、好ましくは100〜500μmの範囲にある。
【0027】
前記基板2に開ける孔3は、孔3の密度を高めるために、孔3の開口部の面積(サイズ)は一般には5mm2 未満であり、好ましくは1mm2 未満であり、0.3mm2 未満がより好ましく、0.01mm2 未満がさらに好ましい。そして、好ましくは0.001mm2 以上である。
【0028】
孔3のピッチ(隣接する二つの孔の中心から中心までの距離)P1は一般には0.05〜3mmの範囲にあり、孔3の間隔(隣接する二つの孔の端部から端部までの最短距離)L1は、一般には0.01〜1.5mmの範囲にある。孔3の数(密度)は、一般には10個/cm2 以上であり、好ましくは100個/cm2 以上、より好ましくは500個/cm2 以上、更に好ましくは1000個/cm2 以上である。そして、好ましくは100000個/cm2 以下、特に好ましくは10000個/cm2 以下である。なお、これらは全て、必ずしも、図1に示したように等間隔で設けられている必要はなく、幾つかのブロック(単位)に別れてブロック毎に複数の孔3が設けられていてもよい。
【0029】
前記基板2に複数の孔3を開ける方法として、ピンで打ちぬくパンチングがあげられる。効率を高めるために、図2に示すように、複数のピン9を配置して孔同士の間隔の整数倍の距離だけ離して配置して1回のパンチで複数の孔3を開けることが好ましい。
【0030】
前記基板2に複数の孔3を開ける方法として、電極の配列パターンが孔のパターンと同一である放電電極を、油や空気などの電気的絶縁流体中で、接地された基板に接近させ、前記放電電極に高電圧をパルス状に印加することで、引き起こされる放電に伴う熱により、基板を揮発する放電加工が上げられる。
【0031】
前記基板2の複数の孔3は、フォトリソグラフィとエッチングによって設けても良い。図3(a)に示すように、支持体10の上に、光又は紫外線感光性樹脂を塗布してコート層8を形成する。このコート層8の上にホールパターン7aを有するマスク7が重ねられる。光又は紫外線6をマスク7を通してコート層8に照射して、ホールパターン7a周囲のコート層8を硬化させる。この後に、コート層8を有機溶剤中に浸漬し、光未照射部を有機溶剤中に溶出させて除去するエッチングによって、コート層8に複数の孔を設けた後、支持体10から剥離すると、図3(b)に示すようにコート層8には多数の孔3が形成され、これを基板として用いる。支持体10としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエチレンなどが挙げられるが、本発明はこれらに限定されるわけではない。
【0032】
前記コート層8の材料としては、紫外線硬化性組成物が好ましく用いられる。該紫外線硬化性組成物は、光重合開始剤と紫外線硬化性樹脂原料から成る。光重合開始剤は、光重合を開始させる源を含む任意の物質であってよい。例えば、水素引き抜き型開始剤(例、ベンゾフェノン系開始剤)またはラジカル開裂型開始剤(例、アセトフェノン系開始剤、トリアジン系開始剤)を用いることができる。また、本発明で用いる紫外線硬化性樹脂原料の例としては、アクリル酸エステル類(例、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル)、メタクリル酸エステル類(例、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、エチレングリコールジメタクリレート)多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル(例、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ジクロヘキサンジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート)、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−シクロヘキサンテトラメタクリレート、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレート)が挙げられるがこれらに限定されるわけではない。これらは、単独で用いても良いし、複数種類用いても良い。
【0033】
前記エッチング用の有機溶剤としては、前記紫外線硬化性組成物を溶解する任意の有機溶剤が用いられる。例えば、アセトンやエチルメチルケトンなどのケトン類が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
【0034】
エッチングによる光未照射部の除去を容易に行うため、エッチング液中で前記基板に超音波を照射させながらエッチングを行うことが好ましい。
【0035】
基板2に金属を用いる場合、電解エッチングによって複数の孔を設けても良い。まず、金属板上に塗布されたレジストに、作製したい孔パターンが描かれたフォトマスクパターンを露光し、現像する。例えば硫酸、ふっ酸、燐酸などの強酸溶液中で、前記金属板を陽極、白金を陰極にして電気分解を行う電解エッチングによって金属板に孔を開けた後、金属板表面に残るレジストを剥離する。
【0036】
前記基板に複数の孔を開ける別の方法として、エキシマレーザー、YAGレーザーなどの高出力レーザービームを、前記基板に照射して、照射部分の基板を加熱して揮発させる方法があげられる。前記基板の面に沿って、レーザービームをスキャンすることで、孔の配列が形成される。また、孔3は基板2を貫通した孔の他に、凹み状の孔(穴)であってもよい。
【0037】
本発明において、吸着性領域を形成する吸着性材料としては、多孔質材料あるいは繊維材料が好ましく使用される。また、多孔質材料と繊維材料とを併用して、吸着性領域を形成することができる。本発明において、吸着性領域を形成するために使用される多孔質材料は、有機材料、無機材料のいずれでもよく、有機/無機複合体でもよい。また、多孔質材料は、連続的に基板2の孔3へ圧入させるため、フイルム状になっているものを用いることが好ましい。
【0038】
本発明において、吸着性領域を形成するために使用される有機多孔質材料は、特に限定されるものではないが、活性炭などの炭素多孔質材料あるいはメンブレンフィルタを形成可能な多孔質材料が、好ましく用いられる。メンブレンフィルタを形成可能な多孔質材料としては、溶媒に溶解可能なポリマーが好ましく用いられる。そのポリマーとしては、セルロース誘導体(例えば、ニトロセルロース、再生セルロース、セルロースアセテート、酢酸セルロース、酪酸酢酸セルロースなど)、脂肪族ポリアミド類(例えば、ナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン4,10など)、ポリオレフィン類(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、含塩素ポリマー類(例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなど)、フッ素樹脂類(例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオライドなど)、ポリカーボネート、ポリスルフォン、アルギン酸及びその誘導体(例えば、アルギン酸、アルギン酸カルシウム、アルギン酸/ポリリシンポリイオンコンプレックスなど)、コラーゲンなどがあげられ、これらポリマーの共重合体や複合体(混合体)も用いることができる。
【0039】
また、吸着性領域を形成するための繊維材料も特に限定されるものではないが、好ましくは前述したセルロース誘導体類、脂肪族ポリアミド類などが挙げられる。
【0040】
本発明において、吸着性領域を形成するために使用される無機多孔質材料は、特に限定されるものではないが、好ましくは、金属(例えば、白金、金、鉄、銀、ニッケル、アルミニウムなど)、金属等の酸化物(例えば、アルミナ、シリカ、チタニア、ゼオライトなど)、金属塩(例えば、ヒドロキシアパタイト、硫酸カルシウムなど)及びこれらの複合体などが挙げられる。
【0041】
また、前記吸着性領域4内の多孔質材料の強度を高めるため、前記多孔質材料には、多孔質材料の溶媒に不溶な繊維状材料を混合させても良い。前記繊維状材料としては、多孔質材料の溶媒に不溶な材料であれば任意の材料で良い。例えば、セルロース、ガラス繊維、金属繊維が用いられる。これらは単独で用いても良いし、複数種類を用いても良い。
【0042】
図4ないし図6は、基板の表面処理を説明するための概略図である。図4及び図5では、基板2の図3(b)のIV−IV線の断面図を示している。基板2の片面側にコロナ放電器20が設けられている。コロナ放電器20は、コロナ放電電極21と高圧電源22とローラ23とを備えている。ローラ23には、アース棒24が接地されており、コロナ放電の際に接地極として作用する。コロナ放電電極21から基板2に対してコロナ放電が行なわれると、大気中の酸素から酸素プラズマが発生する。その酸素プラズマにより基板2の表面にカルボニル基、カルボキシル基などの極性基が導入され、表面処理層2a,3aが形成される。
【0043】
図5では、基板2の表面を処理するため、片面側にプラズマ放電器25が設けられている。なお、基板2の材料は、金属又はプラスチックのいずれをも用いることができる。プラズマ放電器25は、ヘッド27とコントローラ28とを備えている。コントローラ28内にはポンプが設けられておりヘッド27に空気を供給している。ヘッド27内部には高圧電源と放電電極とが取り付けられており、空気を酸素プラズマに変化させる。その酸素プラズマをヘッド27の先端から基板2に照射する。基板2に金属を用いた場合には、その酸素プラズマにより金属酸化膜である表面処理層2a,3aが形成される。また、プラスチック材料を用いた場合には、基板表面に、カルボニル基、カルボキシル基などの極性基が導入され、表面処理層2a,3aが形成される。なお、基板2の両面側にプラズマ放電器を設けてもよい。また、コロナ放電器やプラズマ放電器の形態も図4及び図5に図示したものに限定されるものではない。
【0044】
図4及び図5では、基板2にはチップ状に切断されたものを用いて説明した。しかしながら、本発明に係る表面処理方法は、長尺帯状で、多数の孔が設けられた長尺基板シートを連続搬送しながら、連続してコロナ放電、プラズマ放電などを行うこともできる。
【0045】
図6は、陽極酸化浴30による基板31の表面処理を示している。基板31には、導電性のもの(多くは金属である)が用いられ、長尺帯状のものを用いると、効率良く表面処理を行うことができる。しかしながら、本発明では、基板をチップ状に切断し、バッチ式で処理することもできる。なお、基板31の材料にアルミニウムを用いた例で説明するが、本発明は、それに限定されるものではない。陽極酸化浴30の中には、電解質溶液32が仕込まれている。なお、電解質溶液32には、10%硫酸水溶液が好ましく用いられるが、これに限定されるものではない。例えば、リン酸、シュウ酸などを用いることも可能である。直流電源(例えば、電池)33の陽極側は、導電性ローラ34に接続し、陰極側は、陽極酸化浴30中の電極35に接続している。電極35には白金電極が好ましく用いられるが、これに限定されるものではない。そして、基板31をローラ36,37,38,34に巻き掛けられて連続走行させ、直流電源33により導電性ローラ34と電極35の間に電気を流すと、基板31の表面には下記式(1)の反応が生じて、酸化膜(表面処理層)が形成される。
2Al+3H2 O→Al2 3 +6H+ +6e- ..(1)
【0046】
以下の説明において、吸着性材料に多孔質材料を用いた例を示し説明する。図7は、表面処理層が形成された基板に接着剤を塗工する方法を示している。(a)には、図4または図5に示した方法により表面処理層2a、3aが形成された基板2を示した。(b)には、この基板2の表面に接着剤40を塗工した様子を示した。接着剤40を塗工する方法には、ディップ塗布、エアナイフ塗布、ブレード塗布、バー塗布などにより行なうことが可能であるが、これらの方法に限定されるものではない。しかしながら、バー塗布により接着剤を塗工すると、最も均一に接着剤を塗ることができる。
【0047】
接着剤40には、スチレンブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴムが好ましく用いられるが、これらに限定されるものではない。また、前述したゴムを用いる場合には、それらのガラス転移温度が−20〜50℃の範囲のものを用いることがより好ましいが、これらに限定されるものではない。
【0048】
図7(b)に示したように接着剤40の表面が露出していると、ゴミ等が付着しやすくなる。また、図6に示したような長尺帯状の基板31を用いたときには、ロール状に巻き取る際に、接着剤と基板とが付着してしまい、扱いに困難を伴う。そこで、接着剤が塗られた基板2を50〜150℃で、1〜10分間加熱して焼成すると、接着剤が固化し、接着剤層となり扱いが容易になる。焼成により、(c)に示すように接着剤層40aが表面処理層3aの露出面を覆うために、後述する多孔質材料の接着をより強固なものにする。また、孔3の壁面に形成された表面処理層3a上にも、接着剤層40bが形成される。余剰の接着剤40cは、ブレードによる掻き落とし、吹き飛ばし、吸引、布などによる拭き取りなどの方法により除去すると、多孔質材料を孔3に充填するときに、均一に充填できる。
【0049】
また、余剰の接着剤の除去方法には下記に示す方法を行うこともできる。図8に示すレーザー照射装置41を用いて、レーザー光41aを基板2に照射して孔3に付着して、孔3を塞いでしまっている過剰な接着剤3bを除去する。さらには、余剰接着剤を打ち抜く型を用いる方法や、一度固化した接着剤を加熱し、再度流動性を持たせ、その際に余剰な接着剤を孔から流下させたりすることも可能である。前述した余剰接着剤の除去方法は、いずれか1つの方法を用いても良いし、複数の方法を組み合わせて行っても良い。
【0050】
なお、上記実施形態では、接着剤を塗工する前に、基板に強固に接着剤を接着するために表面処理層を形成させていた。しかしながら、基板と多孔質材料とが容易に接着して剥がれにくくなる場合には、表面処理層2a,3aの形成を省略してもよい。
【0051】
図9には、多孔質材料45と基板2とを重ね合わせてプレスして、前記基板2の孔3に多孔質材料45を圧入して、吸着性領域4を形成する方法の一実施形態の概略図が示されている。多孔質材料45は、ドープを支持体上に流延または塗布後、多孔質材料のポリマーの貧溶媒、もしくは良溶媒と貧溶媒の混合液に、浸漬した後、水洗乾燥するか、またはドープを支持体上に流延または塗布後、徐々に乾燥することにより長尺帯状に別途作成されたものを用いることが好ましい。なお、多孔質材料を主に構成する化合物は、ナイロン−6や、ナイロン−66などのポリアミド樹脂が好ましいが、これらに限定されるものではない。
【0052】
図9(a)に示すように基板2と多孔質材料45を重ねて、プレスローラ46とバックアップローラ47との間に送りこみ、プレスする。図9(b)に示すように前記基板2の孔3に多孔質材料45が圧入されて、孔3から多孔質材料45の表面45aが露出した生化学解析用ユニット1aが得られる。表面45aは、特異的結合物質を滴下する吸着性領域4となる(図1参照)。
【0053】
プレスローラ46とバックアップローラ47とを加熱する方法などにより、多孔質材料45を軟化させると、基板2の孔3への圧入が容易に行える。例えば、図9には、プレスローラ46にヒータ48を取り付けた例を図示した。加熱温度は、前記接着剤のガラス転移温度以上、かつ前記接着剤、基板、多孔質材料の全てのものの融点以下にすることがより好ましい。すなわち、接着剤のガラス転移温度より低いと、接着剤の接着能力を向上させる目的が達せられない場合が生じる。また、前記接着剤などの融点より高い温度まで加熱すると、基板などの部材の成分が変化したり、部材の形状が変形するおそれが生じるからである。なお、ヒータ48には、公知のものを用いることができる。
【0054】
図9では、基板2と多孔質材料45とを連続搬送して、連続的にローラ46,47によりプレスして、多孔質材料45を孔3に圧入する方法を示した。しかしながら、本発明は、図示した形態に限定されない。例えば、前記基板と前記多孔質材料とを、搬送装置により間欠的に搬送して、基板と多孔質材料とを挟んで対向して備えられているプレス板によりプレスすることにより、多孔質材料を孔に間欠的に圧入することも可能である。また、予め基板と多孔質材料とを所望のサイズにチップ状に切断し、それぞれのチップを重ね合わせて、プレス板によりプレスして、孔に多孔質材料を充填することも可能である。
【0055】
表面45aと反対側の面の多孔質材料を公知の方法、例えばカミソリ状のブレードで削ぎ落とすことにより、図10に示すように裏面45b側にも多孔質材料からなる吸着性領域が形成された生化学解析用ユニット1を得ることができる(図1参照)。なお、裏面の多孔質材料をブレードなどで除去することなく、図9(b)の状態で生化学解析用ユニットとして用いてもよい。
【0056】
また、前記多孔質材料(多孔性構造体)は一般に、空隙率(体積比)が10〜90%の範囲にあり、その空隙を構成する微細孔の平均孔径は0.1〜50μmの範囲にある。
【0057】
前記多孔質材料への前記特異的結合物質の浸透を速めるため、放電処理によって多孔質材料表面を親水的にすることが好ましい。前記基板が金属などの導電性材料の場合、基板を接地して、交流高電圧を印加した電極を前記基板に対向させる方法が挙げられる。前記基板がプラスチックやセラミックなどの絶縁性材料の場合、接地された導電性材料の上に基板を置き、交流高電圧を印加した電極を前記基板に対向させる方法が挙げられる。
【0058】
また、前記多孔質材料への前記特異的結合物質の浸透を速めるため、前記多孔質材料に界面活性剤を含浸させることが好ましい。界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、フッ素系のいずれの界面活性剤を用いても良い。具体的には、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、サポニン、p−tert−オクチルフェノキシエトキシエチルスルホン酸ナトリウム、ノニルフェノキシポリエトキシエタノール、特開昭62−170950号公報、米国特許5,380,644号公報、特開昭63−188135号公報、などに記載のフッ素系界面活性剤、特開平6−301140号公報などに記載のポリアルキレンオキサイドやアニオン系界面活性剤などが挙げられる。
【0059】
前記多孔質材料への前記特異的結合物質の浸透を速める方法によって、前記多孔質材料表面の水の静的接触角が60°以下にすることが好ましく、より好ましくは50°以下である。
【0060】
吸着性領域内の多孔質材料の表面と裏面のうちの少なくとも一方は、基板2の表面または裏面よりも基板内部に向かって後退していることが望ましい。このような構成とすることにより、多孔質材料への特異的結合物質溶液の点着が容易となり、また一旦点着された特異的結合物質溶液の基板2の表面への流出や他の多孔質材料への流出を防ぐことができるとともに、多孔質材料に結合固定された特異的結合物質からの放射線の散乱を効果的に防止することができる。
【0061】
本発明において、基板2の孔3の配列および孔3の開口部の形状は、図1に示したような格子状の配列と円形の開口部に限定されるものではなく、孔3の配列や形状などは適宜変更することができる。例えば、孔3が隣接する列で互いに位置をずらして配置されたものでも良い。さらに、孔3の開口部の形状も図1に示したものに限定されるものではない。例えば、孔3の開口部が三角形、四角形、六角形、その他の多角形、楕円形、その他の各種の形状であってもよい。この他にも、孔3はランダムに配置されていてもよいし、さらに、細長い長方形の孔3をストライプ状に設けて、一次元方向にのみ区画化することも可能である。
【0062】
前記吸着性領域4に固定可能な特異的結合物質としては、従来よりマイクロアレイの特異的結合物質として使用可能な各種のポリヌクレオチドおよびオリゴヌクレオチドを用いることができる。例えば、cDNA、cDNAの一部、ESTなどのPCR法によって増幅して調製したポリヌクレオチド(「PCR産物」)、および合成したオリゴヌクレオチドを挙げることができる。また、DNAのホスホジエステル結合をペプチド結合に変換した人工核酸、すなわちペプチド核酸(PNA)、もしくはそれらの誘導体であってもよい。さらに、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタンパク質、核酸、cDNA、DNA、RNAなど、生体由来の物質と特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成などが既知の特異的結合物質はすべて、本発明の特異的結合物質として使用することができる。
【0063】
前記特異的結合物質を前記多孔質材料に滴下する方法としては、米国特許5807522号明細書のように、ピンに付着させた特異的結合物質を含む液体を、多孔質材料に移すスポッティング方式や、特異的結合物質を含む液滴を吐出して多孔質材料に移すインクジェット方式があげられるが、必ずしもこれらに限定されない。
【0064】
前記特異的結合物質を多孔質材料に固定する方法としては、多孔質材料の細孔表面での物理的吸着によっても可能だが、より好ましくは化学反応または加熱または紫外線照射などの方法により化学的に結合させることが好ましい。
【0065】
多孔質材料の細孔表面に固定された、前記特異的結合物質と結合する特異的結合物質は、たとえば、33Pなどの放射性標識物質、または、蛍光色素などの蛍光標識物質、化学発光基質と接触すると化学発光を生じる標識物質よりなる群から選ばれる1種または2種以上の標識物質によって標識されていればよい。前記特異的結合物質と、標識された生体由来の物質との特異的結合は、たとえば、cDNA同士のハイブリダイゼーション、抗原抗体反応、リセプター・リガンド等の反応があげられるが、必ずしもこれらに限定されない。
【0066】
本発明における、放射性標識物質から発する放射線を、蓄積する輝尽性蛍光体としては、放射線のエネルギーを蓄積可能で、電磁波によって励起され、蓄積している放射線のエネルギーを光の形で放出可能なものであればよく、特に限定されるものではないが、可視光波長域の光により励起可能であるものが好ましい。具体的には、たとえば、特開昭55−12145号公報に開示されたアルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体(Ba1-x 2+ x )FX:yA(ここに、M2+はMg、Ca、Sr、ZnおよびCdからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属元素、XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲン、AはEu、Tb、Ce、Tm、Dy、Pr、He、Nd、YbおよびErからなる群より選ばれる少なくとも一種の3価金属元素、xは0≦x≦0.6、yは0≦y≦0.2である。)、特開平2−276997号公報に開示されたアルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体SrFX:Z(ここに、XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲン、ZはEuまたはCeである。)、特開昭59−56479号公報に開示されたユーロピウム付活複合ハロゲン物系蛍光体BaFX・xNaX’:aEu2+(ここに、XおよびX’はいずれも、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、xは0<x≦2、aは0<a≦0.2である。)、特開昭58−69281号公報に開示されたセリウム付活三価金属オキシハロゲン物系蛍光体であるMOX:xCe(ここに、MはPr、Nd、Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびBiからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属元素、XはBrおよびIのうちの一方あるいは双方、xは、0<x<0.1である。)、特開昭60−101179号公報および同60−90288号公報に開示されたセリウム付活希土類オキシハロゲン物系蛍光体であるLnOX:xCe(ここに、LnはY、La、GdおよびLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素、XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲン、xは、0<x≦0.1である。)および特開昭59−75200号公報に開示されたユーロピウム付活複合ハロゲン物系蛍光体MIIFX・aMI X’・bM’IIX''2 ・cMIII X'''3・xA:yEu2+(ここに、MIIはBa、SrおよびCaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属元素、MI はLi、Na、K、RbおよびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属元素、M' IIはBeおよびMgからなる群より選ばれる少なくとも一種の二価金属元素、MIII はAl、Ga、InおよびTlからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属元素、Aは少なくとも一種の金属酸化物、XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲン、X’、X''およびX''' はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、aは、0≦a≦2、bは、0≦b≦10-2、cは、0≦c≦10-2で、かつ、a+b+c≧10- 2 であり、xは、0<x≦0.5で、yは、0<y≦0.2である。)が、好ましく使用し得る。
【0067】
多孔質材料に固定された生体由来の物質と、放射性標識物質により標識された特異的結合物質とを結合させた後、蓄積性蛍光体シートを生化学分析ユニットに重ね合わせる。これによって、放射性標識物質からの放射線を蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層に蓄積(以下は露光と称する)する。
【0068】
生体由来物質が放射性標識物質で標識された場合には、図11(a)に示す蓄積性蛍光体シート50を用いて分析が行われる。蓄積性蛍光体シート50は、輝尽性蛍光体から形成された輝尽性蛍光体層51とそれを支持するベース52とからなる。
【0069】
図11(b)に示すように、生化学解析用ユニット1上に前記蓄積性蛍光体シート50上に積層している。この生化学解析用ユニット1の多孔質材料表面45aが輝尽性蛍光体層の表面51aと対向している。この輝尽性蛍光体層51は、多孔質材料45に点着されている放射性標識物質から放射された放射線により露光され、放射線のエネルギーは、輝尽性蛍光体層51に蓄積される。その後に、蓄積性蛍光体シート50は、画像読み取り装置(図13参照)60にセットされ、可視光で照射される。そのとき輝尽性蛍光体は、蓄積エネルギーに対応した波長の光を放出する。
【0070】
図12には、蓄積性蛍光体シートの他の実施形態を示す。蓄積性蛍光体シート55は、前記生化学解析用ユニットの吸着性領域4の配列パターンと同一にベース56上に輝尽性蛍光体部57を形成したものである。
【0071】
蓄積性蛍光体シート50の輝尽性蛍光体層51に記録された放射性標識物質の信号(以下は画像と称する)を検出する方法を以下に示すが、必ずしもこの方法に限定されない。
【0072】
図13は、輝尽性蛍光体層51に記録された放射性標識物質の画像を読み取って、画像データを生成する画像読み取り装置60の一例を示す略斜視図である。生化学分析をするときには、事前に生化学解析用ユニットに蓄積性蛍光体シート50を一定時間重ねて、蓄積性蛍光体シート50を露光する。この露光済みの蓄積性蛍光体シート50を後述するステージ80のガラスプレート81の上にセットする。この際に、輝尽性蛍光体層51がガラスプレート81に対向するようにセットする。
【0073】
この画像読み取り装置60は、640nmの波長のレーザ光64aを発する第1のレーザ励起光源61と、532nmの波長のレーザ光64bを発する第2のレーザ励起光源62と、473nmの波長のレーザ光64cを発する第3のレーザ励起光源63とを備えている。本実施態様においては、第1のレーザ励起光源61は、半導体レーザ光源によって構成され、第2のレーザ励起光源62および第3のレーザ励起光源63は、第二高調波生成(Second Harmonic Generation) 素子によって構成されている。
【0074】
第1のレーザ励起光源61により発生されたレーザ光64aは、コリメータレンズ65により平行光とされた後に、光軸La上を進みミラー66によって反射される。第1のレーザ励起光源61から発せられ、ミラー66によって反射されたレーザ光64aの光路には、640nmのレーザ光を透過し、532nmの波長の光を反射する第1のダイクロイックミラー67および532nm以上の波長の光を透過し、473nmの波長の光を反射する第2のダイクロイックミラー68が設けられており、第1のレーザ励起光源61により発生されたレーザ光64aは、第1のダイクロイックミラー67および第2のダイクロイックミラー68を透過して、ミラー69、72、73により方向が変えられて光学ヘッド75に入射する。
【0075】
他方、第2のレーザ励起光源62より発生されたレーザ光64bは、コリメータレンズ70により平行光とされた後に、光軸Lb上を進み第1のダイクロイックミラー67によって反射されて、その向きが90度変えられて、第2のダイクロイックミラー68を透過し、光軸L上を進み光学ヘッド75に入射する。また、第3のレーザ励起光源63から発生されたレーザ光64cは、コリメータレンズ71によって平行光とされた後に、光軸Lc上を進み第2のダイクロイックミラー68により反射されて、その向きが90度変えられた後に、光軸L上を進み光学ヘッド75に入射する。
【0076】
光学ヘッド75は、ミラー76と、その中央部に孔77が形成された孔開きミラー78と、凸レンズ79とを備えており、光学ヘッド75に入射したレーザ光64は、ミラー76によって反射され、孔開きミラー78に形成された孔77および凸レンズ79を通過して、ステージ80のガラスプレート81上に載置された蛍光画像を担持している輝尽性蛍光体層51に入射する。図13においては、輝尽性蛍光体層51が、下方を向くように、ステージ80のガラスプレート81上に載置されている。
【0077】
輝尽性蛍光体層51から発せられた蛍光85は、凸レンズ79により、平行な光にされ、孔開きミラー78によって反射されて、凹面ミラー86に入射する。凹面ミラー86は、入射した蛍光85を集光して、フィルターユニット88に入射する。フィルターユニット88により所定の波長の光がカットされて、フォトマルチプライヤー89に入射し、光電的に検出される。フォトマルチプライヤー89によって光電的に検出されて、生成されたアナログ画像データは、A/D変換器90によって、ディジタル画像データに変換され、画像データ処理装置91に送られる。図13には図示されていないが、光学ヘッド75は、走査機構によって、蓄積性蛍光体シート50の平面全体を走査することができるように移動可能に構成され、輝尽性蛍光体層51の全面が、レーザ光64によって走査される。
【0078】
【実施例】
様々な接着剤を用いて基板に吸着性材料を接着させ、それらの剥離状況を確認した。基板2の材料に板厚みが0.1mmのSUS304を用いた。その基板を90mm×70mmに切断し、直径が0.3mmの孔3を孔の中心が0.4mm間隔P1となるように100個配列した4.5mm四方を1ブロックとして、16ブロック×12ブロックを配列した。また、吸着材料としては、多孔質材料であり、厚みが0.16mmのナイロン−66を用いて、空隙率を70重量%とした。
【0079】
接着剤には、ラテックス状のスチレンブタジエンゴム(SBR)であって、ガラス転移温度が20、40、60℃の3種類を用いた。また、ラテックス状のアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)であって、ガラス転移温度が−55、−30、−10、17℃の4種類を用いた。
【0080】
[試料の作成]
前記基板を中性洗剤中で5分間超音波洗浄した後に、純水で洗浄し乾燥させた。図6に示した陽極酸化浴30を用いて、陽極酸化処理を0.5Aの電流を5分間流して陽極酸化処理を行なった。その後に純水で洗浄し乾燥させた。図7に示した方法により前記接着剤をそれぞれ乾燥後の厚みが10μmとなるようにバー塗布装置を用いて塗工し、70℃で5分間焼成した。さらに、前記多孔質材料と前記接着剤が塗工された基板とを150℃、15MPa(≒150kgf/cm2 )で、プレスして、基板の孔に多孔質材料を圧入した。
【0081】
前記基板を下記の組成のDNAハイブリダイゼーション反応用の緩衝液に浸漬し、65℃で18時間放置した。次に、沸騰した純水中に浸漬して、1時間放置した。さらに、−20℃で24時間放置した。以上の工程を2回繰り返した。
ハイブリダイゼーション反応用緩衝液(100mlあたりの容積)
滅菌された純水:(52ml)
20×SSC(3M NaCl、0.3M クエン酸ナトリウム;ニッポンジーン社製):(30ml)
0.5M EDTA(エチレンジアミン四酢酸;pH8.0):(2ml)
50×デンハルト溶液:(10ml)
10%SDS溶液(ドデシル硫酸ナトリウム水溶液):(5ml)
サケ精子の変性DNA(100μg/ml):(1ml)
【0082】
[試料の評価]
前記方法により試料が作成された後に、再度試料を65℃に加温した前記緩衝溶液に浸漬した状態で、ピンセットを用いて、多孔質材料が基板から剥離しない(○)、剥離する(×)かの評価を行なった。結果は、表1にまとめて示す。
【0083】
【表1】
Figure 0004143433
【0084】
表1より、本発明の生化学解析用ユニットの製造方法によれば、各孔から多孔質材料が容易に剥離しないために、このユニットをマイクロアレイ画像検出システムに用いれば、多孔質材料の欠けの発生を抑制できるために、より高密度の測定が可能となる。
【0085】
【発明の効果】
本発明の生化学解析用ユニットの製造方法によれば、放射線および/または光を減衰する性質を有する材料によって形成され、複数の孔が形成された基板を備え、前記複数の孔内に、それぞれ吸着性領域が形成されている生化学解析用ユニットの製造方法において、前記基板に接着剤を塗工した後に、前記複数の孔内に吸着性材料を充填することで、前記基板と前記吸着性材料とを接着するから、前記吸着性材料に特異的結合物質を反応させる際に吸着性材料の剥離を抑制することができる。これにより、特異的結合物質と、生体由来でかつ標識された物質とが結合することで発する、放射線または光を検出して、生化学解析を行うための場合に、放射線または光の散乱などによるノイズを防止して、解析の精度を高めることができる生化学解析用ユニットが得られる。
【0086】
また、接着剤を基板に塗工した後に、過剰な接着剤を、吹き飛ばし法,吸引法,拭き取り法,レーザーアブレーション法、打ち抜き法,前記接着剤が軟化する温度以上に加熱して除去する方法のいずれか、あるいはこれらの組み合わせで除去するから、生化学解析用ユニット同士の接着を防止でき、さらに、孔表面近傍の余剰の接着剤を完全に除去できるため、多孔質材料を圧入する際に、不要な接着を防止することができる他に吸着性材料を孔内に確実に充填することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る生化学解析用ユニットの製造方法により製造された生化学解析用ユニットの概略を示す斜視図である。
【図2】複数のピンを用いたパンチングにより基板に孔を設ける方法を示す斜視図である。
【図3】フォトリソグラフとエッチングにより孔が設けられた基板を作成する方法を示す斜視図である。
【図4】コロナ放電器により基板を表面処理する実施形態を示す概略図である。
【図5】プラズマ放電器により基板を表面処理する他の実施形態を示す概略図である。
【図6】陽極酸化浴により基板を表面処理する他の実施形態を示す概略図である。
【図7】基板への接着剤塗工を示す概略図である。
【図8】基板上に付着した接着剤を除去する一方法を説明するために斜視図である。
【図9】(a)は基板の孔に多孔質材料を圧入する方法を示す概略図であり、(b)は得られた生化学解析用ユニットの断面図である。
【図10】本発明にかかる生化学解析用ユニットの他の実施形態の断面図である。
【図11】(a)は、蓄積性蛍光体シートの構成の概略を示す斜視図であり、(b)は、蓄積性蛍光体シートを露光する方法を説明するための断面図である。
【図12】蓄積性蛍光体シートの他の実施形態を説明するための概略図である。
【図13】輝尽性蛍光体層に記録された放射性標識物質の信号を読み取って、画像データを生成する画像読取り装置の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 生化学解析用ユニット
2 基板
3 孔
4 吸着性領域
20 コロナ放電器
25 プラズマ放電器
30 陽極酸化浴
40a,40b 接着剤層
45 多孔質材料

Claims (6)

  1. 放射線および/または光が透過しないか減衰する性質を有する材料によって形成され、複数の孔が形成された基板を備え、前記複数の孔内に、それぞれ、吸着性領域が形成されている生化学解析用ユニットの製造方法において、
    前記複数の孔が設けられた前記基板に接着剤を塗布する接着剤塗布工程と、
    前記接着剤塗布工程で塗布された前記接着剤を固化させて前記基板に接着剤層を形成する接着剤固化工程と、
    前記接着剤塗布工程後、または、前記接着剤固化工程後に、前記基板の表面及び前記孔の開口部を塞ぐ余剰接着剤を除去する余剰接着剤除去工程と、
    前記余剰接着剤が除去された後、前記基板と帯状に形成された吸着性材料とを重ねて加圧部材により加圧するとともに、前記加圧部材に設けられ前記基板又は前記吸着性材料と接する面の温度を、前記接着剤のガラス転移温度以上、且つ、前記接着剤、前記基板、前記吸着性材料の全てものの融点以下にして、前記孔に前記吸着性材料を充填する吸着性材料充填工程と、
    を有することを特徴とする生化学解析用ユニットの製造方法。
  2. 前記基板に対し、プラズマ放電処理、コロナ放電処理、陽極酸化処理のいずれかの表面処理を行う表面処理工程を行い、
    前記表面処理工程を経た前記基板に前記接着剤塗布工程を行うことを特徴とする請求項に記載の生化学解析用ユニットの製造方法。
  3. 前記接着剤固化工程では、前記基板の加熱により、前記接着剤層を形成することを特徴とする請求項1または2に記載の生化学解析用ユニットの製造方法。
  4. 前記接着剤として、スチレンブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴムのうちのいずれかを用い、そのガラス転移温度が−20〜50℃の範囲であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の生化学解析用ユニットの製造方法。
  5. 前記基板が、金属材料、セラミック材料またはプラスチック材料よりなる群から選ばれた材料によって形成されたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の生化学解析用ユニットの製造方法。
  6. 前記余剰接着剤除去工程では、吹き飛ばし法,吸引法,拭き取り法,レーザーアブレーション法、打ち抜き法,前記余剰接着剤が軟化する温度以上に加熱して除去する方法のいずれか、あるいはこれらの組み合わせで前記余剰接着剤を除去することを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の生化学解析用ユニットの製造方法。
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