JP3779112B2 - Dnaマイクロアレイと蓄積性蛍光体シートとを用いる相補性核酸断片の検出方法 - Google Patents

Dnaマイクロアレイと蓄積性蛍光体シートとを用いる相補性核酸断片の検出方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、DNAマイクロアレイと蓄積性蛍光体シートとを用いる相補性DNA断片の検出方法、およびその検出方法に用いる検出用具に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、生物学、医学分野での遺伝子解析ためには、DNAマイクロアレイの利用が一般的になっている。このDNAマイクロアレイは、面積が約1mm2もしくはそれ以下の微小な支持体(マイクロチップ)の上に、多数の同一種の一本鎖の核酸断片分子(合成的に調製したオリゴヌクレオチドなども包含する)を一方の末端部で固定して調製したDNAマイクロチップを、核酸断片分子の種類を変えて多数用意し、これらを二次元方向に多数個整列配置した構成を持つものである。このDNAマイクロアレイは通常、二次元方向に多数個整列配置した、核酸断片などに対して固定作用を持つマイクロチップの各々の上に所定の核酸断片分子などの試料溶液を順次マイクロピペットを用いて点着し、乾燥することにより製造される。
【0003】
DNAマイクロアレイはまた、例えばメンブレンフィルターなどのような多孔質シートあるいは繊維材料構造体シートに、多数の同一種の一本鎖の核酸断片分子(合成的に調製したオリゴヌクレオチドなども包含する)を含む水溶液をスポッタを用いて点着し、これを乾燥させることによって、それらの核酸断片分子を多孔質部分あるいは繊維材料構造体シートにからませるようにして固定する作業を、複数種の一本鎖の核酸断片分子の溶液について繰り返し行なって、該シートにドット状のDNAスポットをマトリックス状に形成する方法によっても製造することができる。
【0004】
上記のDNAマイクロアレイを用いる遺伝子解析は一般に、一本鎖とした試料核酸断片に蛍光物質あるいは放射性物質などで標識を付け、その標識試料核酸断片とDNAマイクロアレイ上に固定されている核酸断片分子とが互いに相補性を有する場合に発現するハイブリダイゼーションを介して、標識試料核酸断片をDNAマイクロアレイ上の核酸断片分子に結合固定させる方法を利用している。
【0005】
次に、放射性物質で標識された放射性標識化試料核酸断片とDNAマイクロアレイとを用いる核酸断片の解析についてさらに詳しく説明する。
【0006】
放射性物質で標識された放射性標識化試料核酸断片とDNAマイクロアレイとを用いる核酸の塩基配列の解析は通常、下記の方法により行なわれる。
(1)まず、多数の同一種の一本鎖の核酸断片分子(通常は、その塩基配列が既知であるものを用いる)が固定されてなるDNAマイクロチップあるいはDNAスポットが複数種、二次元方向に多数個整列配置されたDNAマイクロアレイを用意する。
(2)次に、DNAマイクロアレイの表面に、解析対象の一本鎖核酸断片に放射性標識を付けて調製した放射性標識試料一本鎖核酸断片を液相にて接触させ(たとえば、放射性標識試料一本鎖核酸断片の水溶液をDNAマイクロチップあるいはDNAスポットの表面に点着する方法を利用する)、必要によりインクベーション処理をすることにより、DNAマイクロチップ(あるいはDNAスポット)に固定された一本鎖核酸断片分子に対して相補性を持つ試料一本鎖核酸断片をハイブリダイゼーションにより結合固定させる。
(3)次いで、DNAマイクロアレイの表面から未固定の試料一本鎖核酸断片を洗浄などの方法を利用して除去する。
(4)未固定の試料一本鎖核酸断片を除去したDNAマイクロアレイを放射線感受性写真フィルムと重ね合わせ、オートラジオグラフィーによって放射性標識試料一本鎖核酸断片が結合固定したマイクロチップ(あるいはDNAスポット)を検出する。
(5)放射性標識試料一本鎖核酸断片には、それが結合固定したDNAマイクロチップ(あるいはDNAスポット)上の核酸断片分子と相補性を示す核酸配列部分が存在するので、マイクロチップ(あるいはスポット)上の核酸断片分子の塩基配列が既知である場合には、各マイクロチップ上の核酸断片分子の既知の塩基配列に基づき、相補性の原理を利用して、試料一本鎖核酸断片の少なくとも一部の塩基配列を決めることができる。
【0007】
上記の放射性物質で標識された放射性標識化試料核酸断片、DNAマイクロアレイ、そして放射線写真フィルムの組合わせのオートラジオグラフィーを利用する遺伝子解析技術は有用であるが、試料核酸断片に標識される放射性物質の量に制限があるため、その放射線照射量が非常に少なく、従って、オートラジオグラフィーにおける感度が充分でないという問題がある。
【0008】
これまでに、放射性標識を施した生物試料や生体高分子のオートラジオグラフィーに際して、従来利用されてきた放射線写真フィルムを利用する方法に代わる方法として、蓄積性蛍光体シート(放射線像変換パネルとも言われる)を用いる放射線像記録再生方法が開発されている。この方法では、放射線の照射を受けて放射線エネルギーを高効率で吸収し、かつ該エネルギーを蓄積する性質を持つ蛍光体(蓄積性蛍光体あるいは輝尽性蛍光体と呼ばれる)からなる蛍光体層を支持体上に配置した蓄積性蛍光体シートを、放射性標識を持つ試料と重ね合わせることにより、該放射性標識試料の画像を蓄積性蛍光体シートに放射線エネルギー潜像として写し取り(記録し)、ついで、その蓄積性蛍光体シート内の画像様の放射線エネルギー潜像を、蓄積性蛍光体シートに励起光を照射し、発生する輝尽発光光を集光することによって読み取り、さらに集光された輝尽発光光を光電変換処理して、電気信号(デジタル信号)として得る操作が利用される。このようにして得られた放射性標識試料の画像に対応するデジタル信号は、そのまま、あるいは種々の信号処理を施した後に画像化するなどして再生し、遺伝子解析のために利用することができる。
【0009】
上記の蓄積性蛍光体シートを用いるオートラジオグラフィーは、微量の放射線エネルギーに対しても高感度を示し、かつ画像情報をデジタル情報として取り出すことが簡単にできるため、現在では重要なオートラジオグラフィー技術となっている。
【0010】
Human Molecular Genetics, 1999, Vol.8, No.9, 1715-1722には、蓄積性蛍光体シートを用いたオートラジオグラフィーにより、DNAマイクロアレイ上にハイブリダイゼーションにより結合固定した放射性標識試料一本鎖核酸断片を検出できることが報告されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者の検討によると、DNAマイクロアレイ上にハイブリダイゼーションにより結合固定した放射性標識試料一本鎖核酸断片を上記の蓄積性蛍光体シートを用いたオートラジオグラフィーによって検出することによって、放射線検出材料として放射線写真フィルムを用いる方法よりも高感度とはなるが、得られる放射性標識試料一本鎖核酸断片が結合固定されたDNAマイクロチップあるいはDNAスポットの位置を示す画像情報が充分な解像度あるいは鮮鋭度を示さないことが多いことが判明した。
【0012】
本発明者は、上記の不充分な解像度あるいは鮮鋭度の原因を研究した結果、DNAマイクロアレイに重ね合わされた蓄積性蛍光体シートの蓄積性蛍光体層に、DNAマイクロチップあるいはDNAスポット上の放射性標識試料一本鎖核酸断片から発生する放射線エネルギーが、蓄積性蛍光体シートの保護層を介して到達する間に広がり、隣接するマイクロチップ(あるいはスポット)から発生する放射線エネルギーとの分離が充分でなくなること、そして隣接するマイクロチップ(あるいはスポット)間の中間領域に少量付着した放射性標識試料もしくは放射性物質からの放射線エネルギーもまた蓄積性蛍光体層に到達してノイズとなることなどが、その主要な原因であることを見出した。
【0013】
従って、本発明の目的は、DNAマイクロアレイ上にハイブリダイゼーションにより結合固定した放射性標識試料一本鎖核酸断片を蓄積性蛍光体シートを用いたオートラジオグラフィーによって検出する方法であって、得られる放射性標識試料一本鎖核酸断片が結合固定されたDNAマイクロチップあるいはDNAスポットの位置を示す画像情報を正確に、かつ高い解像度と鮮鋭度で得ることのできる方法、そしてその方法に有利に用いることのできる検出具を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数種かつ多数本の一本鎖の核酸分子断片が、同一種の多数本の一本鎖の核酸断片分子と、他の種の多数本の一本鎖の核酸断片分子とが互いに分離された状態で支持体に点在固定されてなるDNAマイクロアレイに、放射性物質で標識された試料一本鎖核酸断片を液相にて接触させ、DNAマイクロアレイに固定された一本鎖核酸断片分子に対して相補性を持つ試料一本鎖核酸断片をハイブリダイゼーションによって該一本鎖核酸断片分子に結合させることにより支持体に固定させる工程;DNAマイクロアレイから未固定の試料一本鎖核酸断片を除去する工程;該処理を施したDNAマイクロアレイを、上記一本鎖核酸断片分子の固定位置に対応する領域に蓄積性蛍光体層を存在させ、一方、該一本鎖核酸断片分子の固定位置に対応しない領域には蓄積性蛍光体層が存在しない部分を形成した蓄積性蛍光体シートを位置合せした状態で重ね合わせ、該DNAマイクロアレイに結合固定された試料一本鎖核酸断片の放射性標識から発せられる放射線エネルギーを該蓄積性蛍光体シートに吸収蓄積させる工程;放射線エネルギーを吸収蓄積した蓄積性蛍光体シートに励起光を照射して、該蓄積性蛍光体シートから輝尽発光光を発生させる工程;該輝尽発光光を集光し、この集光光を光電変換により電気信号に変換する工程;そして、該電気信号を処理することによって、試料一本鎖核酸断片が結合した一本鎖核酸断片分子の位置を検出する工程からなることを特徴とする相補性核酸断片の検出方法にある。
【0015】
本発明はまた、複数種かつ多数本の一本鎖の核酸分子断片が、同一種の多数本の一本鎖の核酸断片分子と、他の種の多数本の一本鎖の核酸断片分子とが互いに分離された状態で支持体に点在固定されてなるDNAマイクロアレイ、そして該一本鎖核酸断片分子の固定位置に対応する領域には蓄積性蛍光体層を存在させ、一方、該一本鎖核酸断片分子の固定位置に対応しない領域には蓄積性蛍光体層が存在しない部分を形成した蓄積性蛍光体シートからなる相補性核酸断片の検出キットにもある。
本発明はまた、複数種かつ多数本の一本鎖の核酸分子断片が、同一種の多数本の一本鎖の核酸断片分子と、他の種の多数本の一本鎖の核酸断片分子とが互いに分離された状態で支持体に点在固定されてなるDNAマイクロアレイ、そして該一本鎖核酸断片分子の固定位置に対応する領域には蓄積性蛍光体層を存在させ、一方、該一本鎖核酸断片分子の固定位置に対応しない領域には蓄積性蛍光体層が存在しない部分を形成した蓄積性蛍光体シートが位置合せした状態で積層されていることを特徴とする相補性核酸断片の検出用積層体にもある。
【0016】
本発明はさらに、複数種かつ多数本の一本鎖の核酸分子断片が、同一種の多数本の一本鎖の核酸断片分子と、他の種の多数本の一本鎖の核酸断片分子とが、互いに分離された状態で支持体に点在固定されてなるDNAマイクロアレイに対して、該一本鎖核酸断片分子の固定位置に対応する領域には蓄積性蛍光体層を存在させ、一方、該一本鎖核酸断片分子の固定位置に対応しない領域には蓄積性蛍光体層が存在しない部分を形成してなることを特徴とする相補性核酸断片検出用蓄積性蛍光体シートにもある。
なお、本発明で用いる相補性核酸断片検出用蓄積性蛍光体シートにおける蓄積性蛍光体層の点在構造(海島構造)は、蓄積性蛍光体シートの全体にわたるものではなく、部分的にそのような海島構造の蓄積性蛍光体層が形成されているものであってもよい。
【0017】
なお、本発明で用いる蓄積性蛍光体シートは、DNAマイクロチップあるいはDNAスポットが存在しない領域に対応する領域に放射線エネルギー不透過性の材料(例、ステンレス、アルミニウム、銅、真鍮などの金属材料、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、窒化ケイ素、カーボン等のセラミック材料、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂などの高分子材料)からなる壁が設けられているか、あるいは蓄積性蛍光体が放射線エネルギー不透過性の材料からなるシートにドット状に分離して埋設されているような構成であることが好ましい。
【0018】
また、本発明の蓄積性蛍光体シートと共に、DNAマイクロアレイのDNAマイクロチップあるいはDNAスポットの存在する位置に対応する位置に透孔を有する薄いフィルムもしくはシートから構成されるスペーサを用いることも好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明のDNAマイクロアレイ上にハイブリダイゼーションにより結合固定した放射性標識試料一本鎖核酸断片を蓄積性蛍光体シートを用いたオートラジオグラフィーによって検出する方法、およびその検出方法に用いる用具について、添付図面を参照しながら説明する。なお、下記の説明では、複数個のDNAマイクロチップが二次元方向にマトリックス状に配置構成されたDNAマイクロアレイを例にして、詳しい記載を行なう。
【0020】
第1図は、本発明の検出方法におけるオートグラフィー操作に用いる、DNAマイクロアレイ11、そして蓄積性蛍光体シート12からなる積層体を、互いに分離した状態で示す図である。
【0021】
DNAマイクロアレイ11は、支持体13と、その上に整列配置された多数のマイクロチップ部分14とからなる。マイクロチップ14の各々には、多数の同一種の一本鎖の核酸断片分子がそれぞれの一方の末端部で固定されている。一般には、DNAマイクロアレイ内のマイクロチップ14に固定された一本鎖核酸断片分子は、マイクロチップ毎に相違している。あるいは、複数のマイクロチップを一群として、それらのマイクロチップ上には同一種の一本鎖の核酸断片分子を固定し、他の一群の複数のマイクロチップには別種の一本鎖の核酸断片分子を固定するような方法によって調製したDNAマイクロアレイであってもよい。DNAマイクロアレイ自体は、既に多数の文献に記載があるので、本発明の実施に際して、必要があれば、そのような公知文献を参照すればよい。
【0022】
オートラジオグラフィーに用いられるDNAマイクロアレイは、既に、その一部のマイクロチップ上の一本鎖の核酸断片分子に対して、放射性標識試料一本鎖核酸断片が液相(通常は水相)にてハイブリダイゼーションにより結合固定している。このハイブリダイゼーション操作は通常、放射性標識した試料一本鎖核酸断片を含む水溶液をマイクロピペットなどの点着具を用いて各マイクロチップの上に点着し、その後に、必要によりインクベーション(例えば、37℃附近の温度で一定時間保存する操作)を行なって実施する。この操作により、試料溶液を点着したマイクロチップに固定されている一本鎖の核酸断片分子に対して相補性を有する試料一本鎖核酸断片は、ハイブリダイゼーションにより、そのマイクロチップ上に結合固定される。試料一本鎖核酸断片が相補性を持たない場合には、そのまま点着液中に残るため、その大部分は、その後に行なわれる洗浄操作によりDNAマイクロアレイの表面から除去される。
【0023】
試料一本鎖核酸断片に取り付けられる放射性物質としては、一般に、放射性同位元素(RI)が用いられる。通常のオートラジオグラフィーに用いられるRIの例としては、32P、33P、14Cなどを挙げることができる。
【0024】
本発明で用いる代表的な蓄積性蛍光体シート12は、支持体15、海島状に互いに分離された蓄積性蛍光体領域18の集合体である蓄積性蛍光体層16、そして保護層17からなる。
【0025】
蓄積性蛍光体シートは通常、支持体の上に、輝尽性蛍光体粒子(=蓄積性蛍光体粒子)と結合剤とからなる蛍光体層形成用分散液を塗布乾燥して蓄積性蛍光体層を形成し、次いでその蓄積性蛍光体層の上に保護層を設ける方法によって製造することができる。なお、蓄積性蛍光体層は、別に独立して、蓄積性蛍光体シートを製造し、これを支持体の上に貼りつける方法によっても、支持体上に形成することができる。
【0026】
本発明で用いる蓄積性蛍光体シートは、蓄積性蛍光体層がDNAマイクロチップの存在する位置に対応する位置に蓄積性蛍光体層が存在し、該DNAマイクロチップが存在しない領域には蓄積性蛍光体層が存在しないように海島構造に構成されている。このような海島構造の蓄積性蛍光体層は、例えば、支持体表面に、蓄積性蛍光体層材料塗布液をスクリーン印刷などによって海島状に印刷し、印刷された塗布液を乾燥する方法、表面に凹部を形成した支持体を用意し、その支持体表面に蓄積性蛍光体層材料塗布液を塗布した後、凹部にのみ塗布液が残るように、支持体表面を拭き取り、次いで、塗布液を乾燥させる方法、多数の透孔を有するシートの透孔に蓄積性蛍光体を埋め込み、これを支持体に貼りつける方法などを利用して製造することができる。
【0027】
蓄積性蛍光体(=輝尽性蛍光体)としては、波長が400〜900nmの範囲の励起光の照射により、300〜500nmの波長範囲に輝尽発光を示す輝尽性蛍光体が好ましい。そのような輝尽性蛍光体の例は、特開平2−193100号公報および特開平4−310900号公報に詳しく記載されている。好ましい輝尽性蛍光体としては、ユーロピウムあるいはセリウムによって付活されているアルカリ土類金属ハロゲン化物系蛍光体(例、BaFBr:Eu、およびBaF(Br,I):Eu)、そしてセリウム付活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体を挙げることができる。
【0028】
これらのうちでも、基本組成式(I):
IIFX:zLn ‥‥(I)
で代表される希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体は特に好ましい。ただし、MIIはBa、Sr及びCaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属を表し、LnはCe、Pr、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Nd、Er、Tm及びYbからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素を表す。Xは、Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンを表す。zは、0<z≦0.2の範囲内の数値を表す。
【0029】
上記基本組成式(I)中のMIIとしては、Baが半分以上を占めることが好ましい。Lnとしては、特にEu又はCeであることが好ましい。また、基本組成式(I)では表記上F:X=1:1のように見えるが、これはBaFX型の結晶構造を持つことを示すものであり、最終的な組成物の化学量論的組成を示すものではない。一般に、BaFX結晶においてX-イオンの空格子点であるF+(X-)中心が多く生成された状態が、600〜700nmの光に対する輝尽効率を高める上で好ましい。このとき、FはXよりもやや過剰にあることが多い。
【0030】
なお、基本組成式(I)では省略されているが、必要に応じて下記のような添加物を基本組成式(I)に加えてもよい。
bA, wNI, xNII, yNIII
ただし、AはAl23、SiO2及びZrO2などの金属酸化物を表す。MIIFX粒子同士の焼結を防止する上では、一次粒子の平均粒径が0.1μm以下の超微粒子でMIIFXとの反応性が低いものを用いることが好ましい。NIは、Li、Na、K、Rb及びCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属の化合物を表し、NIIは、Mg及び/又はBeからなるアルカリ土類金属の化合物を表し、NIIIは、Al、Ga、In、Tl、Sc、Y、La、Gd及びLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属の化合物を表す。これらの金属化合物としては、特開昭59−75200号公報に記載のようなハロゲン化物を用いることが好ましいが、それらに限定されるものではない。
【0031】
また、b、w、x及びyはそれぞれ、MIIFXのモル数を1としたときの仕込み添加量であり、0≦b≦0.5、0≦w≦2、0≦x≦0.3、0≦y≦0.3の各範囲内の数値を表す。これらの数値は、焼成やその後の洗浄処理によって減量する添加物に関しては最終的な組成物に含まれる元素比を表しているわけではない。また、上記化合物には最終的な組成物において添加されたままの化合物として残留するものもあれば、MIIFXと反応する、あるいは取り込まれてしまうものもある。
【0032】
その他、上記基本組成式(I)には更に必要に応じて、特開昭55−12145号公報に記載のZn及びCd化合物;特開昭55−160078号公報に記載の金属酸化物であるTiO2、BeO、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO、Y23、La23、In23、GeO2、SnO2、Nb25、Ta25、ThO2;特開昭56−116777号公報に記載のZr及びSc化合物;特開昭57−23673号公報に記載のB化合物;特開昭57−23675号公報に記載のAs及びSi化合物;特開昭59−27980号公報に記載のテトラフルオロホウ酸化合物;特開昭59−47289号公報に記載のヘキサフルオロケイ酸、ヘキサフルオロチタン酸、及びヘキサフルオロジルコニウム酸の1価もしくは2価の塩からなるヘキサフルオロ化合物;特開昭59−56480号公報に記載のV、Cr、Mn、Fe、Co及びNiなどの遷移金属の化合物などを添加してもよい。さらに、本発明においては上述した添加物を含む蛍光体に限らず、基本的に希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体とみなされる組成を有するものであれば如何なるものであってもよい。
【0033】
上記基本組成式(I)で表される希土類付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体は、通常は、アスペクト比が1.0乃至5.0の範囲にある。本発明の輝尽性蛍光体シートに用いる輝尽性蛍光体粒子は一般に、アスペクト比が1.0乃至2.0(好ましくは、1.0乃至1.5)の範囲にあり、粒子サイズのメジアン径(Dm)が1μm乃至10μm(好ましくは、2μm乃至7μm)の範囲にあり、そして粒子サイズ分布の標準偏差をσとしたときのσ/Dmが50%以下(好ましくは、40%以下)のものである。また、粒子の形状としては、直方体型、正六面体型、正八面体型、14面体型、これらの中間多面体型および不定型粉砕粒子などがあるが、それらのうちでは14面体型が好ましい。ただし、上記アスペクト比、粒子サイズおよび粒子サイズ分布を満たす輝尽性蛍光体粒子であれば、必ずしも14面体型でなくとも本発明に用いることができる。
【0034】
上記の粒子状の輝尽性蛍光体を結合剤と共に適当な有機溶媒に分散溶解して、塗布液を調製する。塗布液中での結合剤と蛍光体との比率は通常、1:1乃至1:100(重量比)の範囲の値となるようにする。この比率は、特に1:8乃至1:40(重量比)の範囲にあることが好ましい。輝尽性蛍光体粒子を分散支持する結合剤についても、様々な種類の樹脂材料が知られており、本発明の輝尽性蛍光体シートの形成においても、それらの公知の結合剤樹脂を中心とした任意の樹脂材料から適宜選択して用いることができる。この塗布液を塗布、乾燥して、蓄積性蛍光体フィルムを得る。蛍光体の密度を更に高めるために、得られた輝尽性蛍光体シートをカレンダー処理によって加熱圧縮することが好ましい。
【0035】
本発明で用いる蓄積性蛍光体シートの一方の側の表面には、励起光および/または輝尽発光光を反射する材料からなる光反射層を設けることもできる。なお、蓄積性蛍光体シートに支持体が設けられる場合には、光反射層は通常、支持体と蓄積性シートとの間に設けられる。光反射層の付設により、励起光率および発光光の取り出し効率を高めることができ、結果として更に高感度であって高画質とすることができる。
【0036】
本発明で用いる蓄積性蛍光体シートは、必ずしも支持体や保護膜を備えている必要はないが、輝尽性蛍光体シートの搬送や取扱い上の便宜や特性変化の回避のために、すなわち耐久性や耐候性、耐汚れ性を高めるために、支持体と保護膜とを備えていてもよい。さらに、支持体は透明であってもよく、その場合には輝尽発光光の取り出しを輝尽性蛍光体シートの両側から行う両面集光方式による読取方法に適している。
【0037】
支持体は通常、柔軟な樹脂材料からなる厚みが50μm乃至1mmのシートあるいはフィルムである。支持体は透明であってもよく、あるいは支持体に、励起光もしくは輝尽発光光を反射させるための光反射性材料(例、アルミナ粒子、二酸化チタン粒子、硫酸バリウム粒子)を充填してもよく、あるいは空隙を設けてもよい。または、支持体に励起光もしくは輝尽発光光を吸収させるため光吸収性材料(例、カーボンブラック)を充填してもよい。支持体の形成に用いることのできる樹脂材料の例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、アラミド樹脂、ポリイミド樹脂などの各種樹脂材料を挙げることができる。必要に応じて、支持体は金属シート、セラミックシート、ガラスシート、石英シートなどであってもよい。
【0038】
保護膜は、励起光の入射や輝尽発光光の出射に殆ど影響を与えないように、透明であることが望ましく、また外部から与えられる物理的衝撃や化学的影響から輝尽性蛍光体シートを充分に保護することができるように、化学的に安定でかつ高い物理的強度を持つことが望ましい。保護膜としては、セルロース誘導体、ポリメチルメタクリレート、有機溶媒可溶性フッ素系樹脂などのような透明な有機高分子物質を適当な溶媒に溶解して調製した溶液を蛍光体層の上に塗布することで形成されたもの、あるいはポリエチレンテレフタレートなどの有機高分子フィルムや透明なガラス板などの保護膜形成用シートを別に形成して蛍光体層の表面に適当な接着剤を用いて設けたもの、あるいは無機化合物を蒸着などによって蛍光体層上に成膜したものなどが用いられる。また、保護膜中には酸化マグネシウム、酸化亜鉛、二酸化チタン、アルミナ等の光散乱性微粒子、パーフルオロオレフィン樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末等の滑り剤、およびポリイソシアネート等の架橋剤など各種の添加剤が分散含有されていてもよい。保護膜の膜厚は一般に約0.1μm乃至20μmの範囲にある。
【0039】
保護膜の表面にはさらに、保護膜の耐汚染性を高めるためにフッ素樹脂塗布層を設けてもよい。フッ素樹脂塗布層は、フッ素樹脂を有機溶媒に溶解(または分散)させて調製したフッ素樹脂溶液を保護膜の表面に塗布し、乾燥することにより形成することができる。フッ素樹脂は単独で使用してもよいが、通常はフッ素樹脂と膜形成性の高い樹脂との混合物として使用する。また、ポリシロキサン骨格を持つオリゴマーあるいはパーフルオロアルキル基を持つオリゴマーを併用することもできる。フッ素樹脂塗布層には、干渉むらを低減させて更に放射線画像の画質を向上させるために、微粒子フィラーを充填することもできる。フッ素樹脂塗布層の層厚は通常は0.5μm乃至20μmの範囲にある。フッ素樹脂塗布層の形成に際しては、架橋剤、硬膜剤、黄変防止剤などのような添加成分を用いることができる。特に架橋剤の添加は、フッ素樹脂塗布層の耐久性の向上に有利である。
【0040】
蓄積性蛍光体シートの構成としては多様な構成が知られており、例えば、接着層、着色層、帯電防止層、励起光反射層、輝尽発光光反射層などの補助層を設ける構成も知られている。本発明において用いる蓄積静蛍光体シートは、必要に応じて、それらの補助層を付設してもよい。
【0041】
蓄積性蛍光体シートは一般に、上述のように、その下側表面に支持体が設けられ、上側表面に保護膜が設けられた基本構成を有する。また、蓄積性蛍光体シートは通常、輝尽性蛍光体粒子と、これを分散状態で含有支持する結合剤とからなる。ただし、蓄積性蛍光体シートとしては、蒸着法や焼結法などによって形成される結合剤を含まないで蓄積性蛍光体の凝集体からなるものや、この蓄積性蛍光体の凝集体の間隙に高分子物質を浸透させたものも知られている。
【0042】
なお、第1図のDNAマイクロアレイと蓄積性蛍光体シートとからなる積層体の構成において、その間にDNAマイクロアレイのマイクロチップの存在する位置に対応する位置に透孔を有する薄いスペーサを介在させてもよい。このスペーサは、放射線エネルギーを透過しにくい材料(例、ステンレス、アルミニウム、真鍮などの金属材料、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどの高分子材料)からなることが好ましく、またその厚さは10〜300μmの範囲に有ることが好ましい。透孔のサイズや形状は、マイクロアレイのサイズや形状と略一致させることが望ましいが、サイズや形状にずれがあってもよい。すなわち、この透孔は、マイクロチップ上に結合固定された試料核酸断片の放射性標識から発せられる放射線エネルギーを透過に障害とならないように設けるものであって、一方、透孔と透孔との間のシート部分は、隣接するマイクロチップの上に結合固定された試料核酸断片の放射性標識から発せられる放射線エネルギーが混入しないように分離するための領域である。
【0043】
図2は、図1に示したDNAマイクロアレイ11と蓄積性蛍光体シート12を積層して、オートグラフィー操作を行なう状態を示す図である。すなわち、DNAマイクロアレイ11、そして蓄積性蛍光体シート12を積層して、このような積層状態で、例えば、0〜30℃にて一定時間(例えば、1時間〜120時間)保存することによりオートラジオグラフィーが行なわれ、輝尽性蛍光体シート12に、DNAマイクロアレイ11のマイクロチップ上の放射性物質から発せられる放射線エネルギーがその位置情報と共に吸収記録(蓄積)される。このようなオートラジオグラフィー操作によりDNAマイクロアレイからの放射線エネルギーを位置情報とともに吸収蓄積して内部に潜像が形成された輝尽性蛍光体シートは、次に放射線画像形成工程を経て画像の可視化(あるいはデジタル画像情報のデータ形成)ができる。
【0044】
図3は、本発明で使用できる、別の態様の蓄積性蛍光体シート19の構成を示すものであって、この構成では、支持体上に蓄積性蛍光体領域18が海島構造にて形成されており、保護層が設けられていない。
【0045】
図4は、上記のオートラジオグラフィー操作を行なった蓄積性蛍光体シートを用いた本発明の放射線画像形成方法について説明するための概略図である。
【0046】
まず、図2の積層体から蓄積性蛍光体シート12を引き剥がし、これを図4のの放射線画像読取装置に装填する。
【0047】
図4において、蓄積性蛍光体シート12は、二組のニップローラからなる移送手段41、42により矢印の方向に移送される。一方、レーザビーム等の励起光43は、蓄積性蛍光体シート12の保護層側表面(蓄積性蛍光体層側表面)より照射される。励起光43の照射を受けた蓄積性蛍光体シート12の蓄積性蛍光体層内の領域からは、蓄積されたエネルギーレベルに応じた(すなわち、潜像として記録された放射線のエネルギー分布情報を持った)輝尽発光光44が発せられる。輝尽発光光44は、直接あるいはミラー49で反射されて、上方に設けられた集光ガイド45により集光され、その集光ガイド45の基部に備えられた光電変換装置(フォトマルチプライヤ)46にて電気信号に変換され、増幅器47で増幅され信号処理装置48に送られる。
【0048】
信号処理装置48では、増幅器47から送られてきた電気信号について、目的とする放射線画像の種類や放射線像変換パネルの特性に基づいて予め決められている加算、減算などの適当な演算処理を行い、処理後の信号を画像信号として送り出す。
【0049】
送り出された画像信号は画像再生装置(図示なし)にて可視画像として再生され、これによりDNAマイクロアレイに関する放射線の空間的エネルギー分布に対応した画像が再構成される。再生装置は、CRT等のディスプレイ手段であってもよいし、感光フィルムに光走査記録を行う記録装置であってもよいし、あるいはまた、そのために画像信号を一旦光ディスク、磁気ディスク等の画像ファイルに記憶させる装置に置き換えられてもよい。
【0050】
一方、蓄積性蛍光体シート12は、ニップローラ41、42により矢印の方向にさらに移動していき、読取工程に供されたシートの領域は、次いで、ナトリウムランプ、蛍光灯、赤外線ランプ等の消去光源(図示なし)を利用する消去工程に供される。これにより、読取工程の後なおパネルに残存している蓄積エネルギーが放出除去され、次回の放射線画像の記録(撮影)工程において、残存エネルギーによる潜像が悪影響を及ぼすことがないようにされる。
【0051】
なお、蓄積性蛍光体シートとして、励起光照射側表面に、該励起光に対する反射率がその入射角増大に応じて増大し、一方では輝尽発光光に対する反射率がその入射角に依存することない多層膜フィルタが付設されているものを用いて、放射線のエネルギー分布情報が潜像として蓄積記録された蓄積性蛍光体シートをその平面方向に移送しながら、もしくは励起光照射装置を蛍光体シートの平面方向に移動させながら、蛍光体シートに対して、励起光を、LDアレイ、LEDアレイ、蛍光導光シート等を用いて移送方向と直交する方向に線状に照射し、蛍光体シートの励起光照射部分の潜像から放出される輝尽発光光を、多数の固体光電変換素子を線状に配置してなるラインセンサ等を用いて逐次一次元的に光電検出して、その放射線エネルギー分布情報を電気的画像信号として得る放射線画像情報読取方法を利用することもできる。
【0052】
【発明の効果】
多数のDNAマイクロチップあるいはDNAスポットからなるDNAマイクロアレイの表面に、放射性標識された試料一本鎖核酸断片を液相にて接触させ、アレイ上に固定された一本鎖核酸断片分子に相補性の試料核酸断片をハイブリダイゼーションにより結合固定させた後、アレイの表面から未固定の試料核酸断片を除去し、そのマイクロアレイと蓄積性蛍光体シートとを重ね合わせてオートラジオグラフィーを行なう際に、蓄積性蛍光体シートとして、実質的に、DNAマイクロチップあるいはDNAスポットの存在する位置に対応する位置にのみ蓄積性蛍光体層を有するものを用いることにより、解像度や鮮鋭度の高い放射線画像が得られるため、短時間で精度の高い核酸断片の解析が可能となるため、遺伝子解析などの発展に有利に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の検出方法におけるオートグラフィー操作に用いる、DNAマイクロアレイ、そして蓄積性蛍光体シートからなる積層体の例を、互いに分離した状態で示す図である。
【図2】図1に示したDNAマイクロアレイと蓄積性蛍光体シートとを積層して、オートグラフィー操作を行なう状態の例を示す図である。
【図3】本発明で用いられる蓄積性蛍光体シートの別の態様を示す図である。
【図4】オートラジオグラフィー操作を行なった蓄積性蛍光体シートから放射線画像を形成する方法について説明するための概略図である。
【符号の説明】
11 DNAマイクロアレイ
12 蓄積性蛍光体シート
13 DNAマイクロアレイの支持体
14 マイクロチップ
15 蓄積性蛍光体シートの支持体
16 蓄積性蛍光体層
17 保護層
18 蓄積性蛍光体領域
19 蓄積性蛍光体シート
41 ニップローラ
42 ニップローラ
43 励起光
44 輝尽発光光
45 集光ガイド
46 光電変換装置(フォトマルチプライヤ)
47 増幅器
48 信号処理装置
49 ミラー

Claims (6)

  1. 複数種かつ多数本の一本鎖の核酸分子断片が、同一種の多数本の一本鎖の核酸断片分子と、他の種の多数本の一本鎖の核酸断片分子とが互いに分離された状態で支持体に点在固定されてなるDNAマイクロアレイに、放射性物質で標識された試料一本鎖核酸断片を液相にて接触させ、DNAマイクロアレイに固定された一本鎖核酸断片分子に対して相補性を持つ試料一本鎖核酸断片をハイブリダイゼーションによって該一本鎖核酸断片分子に結合させることにより支持体に固定させる工程;DNAマイクロアレイから未固定の試料一本鎖核酸断片を除去する工程;該処理を施したDNAマイクロアレイを、上記一本鎖核酸断片分子の固定位置に対応する領域に蓄積性蛍光体層を存在させ、一方、該一本鎖核酸断片分子の固定位置に対応しない領域には蓄積性蛍光体層が存在しない部分を形成した蓄積性蛍光体シートを位置合せした状態で重ね合わせ、該DNAマイクロアレイに結合固定された試料一本鎖核酸断片の放射性標識から発せられる放射線エネルギーを該蓄積性蛍光体シートに吸収蓄積させる工程;放射線エネルギーを吸収蓄積した蓄積性蛍光体シートに励起光を照射して、該蓄積性蛍光体シートから輝尽発光光を発生させる工程;該輝尽発光光を集光し、この集光光を光電変換により電気信号に変換する工程;そして、該電気信号を処理することによって、試料一本鎖核酸断片が結合した一本鎖核酸断片分子の位置を検出する工程からなることを特徴とする相補性核酸断片の検出方法。
  2. 蓄積性蛍光体シートとして、上記一本鎖核酸断片分子の固定位置に対応しない領域に放射線エネルギー不透過性の材料からなる壁が設けられている蓄積性蛍光体シートを用いることを特徴とする請求項1に記載の相補性核酸断片の検出方法。
  3. 複数種かつ多数本の一本鎖の核酸分子断片が、同一種の多数本の一本鎖の核酸断片分子と、他の種の多数本の一本鎖の核酸断片分子とが互いに分離された状態で支持体に点在固定されてなるDNAマイクロアレイ、そして該一本鎖核酸断片分子の固定位置に対応する領域には蓄積性蛍光体層を存在させ、一方、該一本鎖核酸断片分子の固定位置に対応しない領域には蓄積性蛍光体層が存在しない部分を形成した蓄積性蛍光体シートからなる相補性核酸断片の検出キット。
  4. 蓄積性蛍光体シートが、上記一本鎖核酸断片分子の固定位置に対応しない領域に放射線エネルギー不透過性の材料からなる壁が設けられている蓄積性蛍光体シートであることを特徴とする請求項3に記載の相補性核酸断片の検出キット。
  5. 複数種かつ多数本の一本鎖の核酸分子断片が、同一種の多数本の一本鎖の核酸断片分子と、他の種の多数本の一本鎖の核酸断片分子とが互いに分離された状態で支持体に点在固定されてなるDNAマイクロアレイ、そして該一本鎖核酸断片分子の固定位置に対応する領域には蓄積性蛍光体層を存在させ、一方、該一本鎖核酸断片分子の固定位置に対応しない領域には蓄積性蛍光体層が存在しない部分を形成した蓄積性蛍光体シートが位置合せした状態で積層されていることを特徴とする相補性核酸断片の検出用積層体。
  6. 複数種かつ多数本の一本鎖の核酸分子断片が、同一種の多数本の一本鎖の核酸断片分子と、他の種の多数本の一本鎖の核酸断片分子とが、互いに分離された状態で支持体に点在固定されてなるDNAマイクロアレイに対して、該一本鎖核酸断片分子の固定位置に対応する領域には蓄積性蛍光体層を存在させ、一方、該一本鎖核酸断片分子の固定位置に対応しない領域には蓄積性蛍光体層が存在しない部分を形成してなることを特徴とする相補性核酸断片検出用蓄積性蛍光体シート。
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