JP4038066B2 - 生化学解析システムおよび生化学解析方法 - Google Patents

生化学解析システムおよび生化学解析方法 Download PDF

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Description

【0001】
本発明は、生化学解析システムおよび生化学解析方法に関するものであり、さらに詳細には、きわめて効率的に、かつ、再現性よく、生化学解析用ユニットに、放射線データや、蛍光データあるいは化学発光データを記録し、生化学解析用ユニットに記録された放射線データを、蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層に転写し、生化学解析用ユニットに記録された蛍光データあるいは化学発光データを読み取って、生化学解析用データを生成し、蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層に記録された放射線データを読み取って、生化学解析用データを生成することができる生化学解析システムおよび生化学解析方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
放射線が照射されると、放射線のエネルギーを吸収して、蓄積、記録し、その後に、特定の波長域の電磁波を用いて励起すると、照射された放射線のエネルギーの量に応じた光量の輝尽光を発する特性を有する輝尽性蛍光体を、放射線の検出材料として用い、放射性標識を付与した物質を、生物体に投与した後、その生物体あるいはその生物体の組織の一部を試料とし、この試料を、輝尽性蛍光体層が設けられた蓄積性蛍光体シートと一定時間重ね合わせることにより、放射線エネルギーを輝尽性蛍光体に、蓄積、記録し、しかる後に、電磁波によって、輝尽性蛍光体層を走査して、輝尽性蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を光電的に検出して、ディジタル画像信号を生成し、画像処理を施して、CRTなどの表示手段上あるいは写真フイルムなどの記録材料上に、画像を再生するように構成されたオートラジオグラフィ解析システムが知られている(たとえば、特公平1−70884号公報、特公平1−70882号公報、特公平4−3962号公報など)。
【0003】
また、光が照射されると、光のエネルギーを吸収して、蓄積、記録し、その後に、特定の波長域の電磁波を用いて励起すると、照射された光のエネルギーの量に応じた光量の輝尽光を発する特性を有する輝尽性蛍光体を、光の検出材料として用い、蛋白質、遺伝子配列などの固定された高分子を、化学発光物質と接触して、化学発光を生じさせる標識物質により、選択的に標識し、標識物質によって選択的に標識された高分子と、化学発光物質とを接触させて、化学発光物質と標識物質との接触によって生ずる可視光波長域の化学発光を、蓄積性蛍光体シートに形成された輝尽性蛍光体層に含まれている輝尽性蛍光体に蓄積、記録し、しかる後に、電磁波によって、輝尽性蛍光体層を走査して、輝尽性蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を光電的に検出して、ディジタル信号を生成し、データ処理を施して、CRTなどの表示手段上あるいは写真フイルムなどの記録材料上に、データを再生するように構成された化学発光解析システムが知られている(たとえば、米国特許第5,028,793号、英国特許出願公開GB第2,246,197Aなど。)。
【0004】
蓄積性蛍光体シートを放射線の検出材料として使用するこれらのシステムは、写真フイルムを用いる場合とは異なり、現像処理という化学的処理が不必要であるだけでなく、得られたディジタルデータにデータ処理を施すことにより、所望のように、解析用データを再生し、あるいは、コンピュータによる定量解析が可能になるという利点を有している。
【0005】
他方、オートラジオグラフィ解析システムにおける放射性標識物質に代えて、蛍光色素などの蛍光物質を標識物質として使用した蛍光(fluorescence)解析システムが知られている。この蛍光解析システムによれば、蛍光物質から放出された蛍光を検出することによって、遺伝子配列、遺伝子の発現レベル、実験用マウスにおける投与物質の代謝、吸収、排泄の経路、状態、蛋白質の分離、同定、あるいは、分子量、特性の評価などをおこなうことができ、たとえば、電気泳動されるべき複数種の蛋白質分子を含む溶液を、ゲル支持体上で、電気泳動させた後に、ゲル支持体を蛍光色素を含んだ溶液に浸すなどして、電気泳動された蛋白質を染色し、励起光によって、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検出することによって、画像を生成し、ゲル支持体上の蛋白質分子の位置および量的分布を検出したりすることができる。あるいは、ウェスタン・ブロッティング法により、ニトロセルロースなどの転写支持体上に、電気泳動された蛋白質分子の少なくとも一部を転写し、目的とする蛋白質に特異的に反応する抗体を蛍光色素で標識して調製したプローブと蛋白質分子とを会合させ、特異的に反応する抗体にのみ結合する蛋白質分子を選択的に標識し、励起光によって、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検出することにより、画像を生成し、転写支持体上の蛋白質分子の位置および量的分布を検出したりすることができる。また、電気泳動させるべき複数のDNA断片を含む溶液中に、蛍光色素を加えた後に、複数のDNA断片をゲル支持体上で電気泳動させ、あるいは、蛍光色素を含有させたゲル支持体上で、複数のDNA断片を電気泳動させ、あるいは、複数のDNA断片を、ゲル支持体上で、電気泳動させた後に、ゲル支持体を、蛍光色素を含んだ溶液に浸すなどして、電気泳動されたDNA断片を標識し、励起光により、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検出することにより、画像を生成し、ゲル支持体上のDNAを分布を検出したり、あるいは、複数のDNA断片を、ゲル支持体上で、電気泳動させた後に、DNAを変性(denaturation)し、次いで、サザン・ブロッティング法により、ニトロセルロースなどの転写支持体上に、変性DNA断片の少なくとも一部を転写し、目的とするDNAと相補的なDNAもしくはRNAを蛍光色素で標識して調製したプローブと変性DNA断片とをハイブリダイズさせ、プローブDNAもしくはプローブRNAと相補的なDNA断片のみを選択的に標識し、励起光によって、蛍光色素を励起して、生じた蛍光を検出することにより、画像を生成し、転写支持体上の目的とするDNAの分布を検出したりすることができる。さらに、標識物質によって標識した目的とする遺伝子を含むDNAと相補的なDNAプローブを調製して、転写支持体上のDNAとハイブリダイズさせ、酵素を、標識物質により標識された相補的なDNAと結合させた後、蛍光基質と接触させて、蛍光基質を蛍光を発する蛍光物質に変化させ、励起光によって、生成された蛍光物質を励起して、生じた蛍光を検出することにより、画像を生成し、転写支持体上の目的とするDNAの分布を検出したりすることもできる。この蛍光解析システムは、放射性物質を使用することなく、簡易に、遺伝子配列などを検出することができるという利点がある。
【0006】
また、同様に、蛋白質や核酸などの特異的結合物質をメンブレンフィルタなどの生化学解析用ユニットに固定し、化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせる標識物質によって標識された生体由来の物質を、特異的結合物質に特異的に結合させて、選択的に標識し、標識物質によって選択的に標識された特異的結合物質と生体由来の物質の結合体と化学発光基質とを接触させて、化学発光基質と標識物質との接触によって生ずる可視光波長域の化学発光を、光電的に検出して、ディジタル信号を生成し、画像処理を施して、CRTなどの表示手段あるいは写真フィルムなどの記録材料上に、化学発光画像を表示して、遺伝子情報などの生体由来の物質に関する情報を得るようにした化学発光解析システムも知られている。
【0007】
さらに、近年、スライドガラス板やメンブレンフィルタなどの担体表面上の異なる位置に、細胞、ウィルス、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタンパク質、核酸、cDNA、DNA、RNAなど、生体由来の物質と特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成などが既知の特異的結合物質を、スポッター装置を用いて、滴下して、多数の独立したスポットを形成し、次いで、細胞、ウィルス、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタンパク質、核酸、cDNA、DNA、mRNAなど、抽出、単離などによって、生体から採取され、あるいは、さらに、化学的処理、化学修飾などの処理が施された生体由来の物質であって、蛍光物質、色素などの標識物質によって標識された物質を、ハイブリダイゼーションなどによって、特異的結合物質に、特異的に結合させたマイクロアレイに、励起光を照射して、蛍光物質、色素などの標識物質から発せられた蛍光などの光を光電的に検出して、生体由来の物質を解析するマイクロアレイ解析システムが開発されている。このマイクロアレイ解析システムによれば、スライドガラス板やメンブレンフィルタなどの担体表面上の異なる位置に、数多くの特異的結合物質のスポットを高密度に形成して、標識物質によって標識された生体由来の物質をハイブリダイズさせることによって、短時間に、生体由来の物質を解析することが可能になるという利点がある。
【0008】
また、メンブレンフィルタなどの担体表面上の異なる位置に、細胞、ウィルス、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタンパク質、核酸、cDNA、DNA、RNAなど、生体由来の物質と特異的に結合可能で、かつ、塩基配列や塩基の長さ、組成などが既知の特異的結合物質を、スポッター装置を用いて、滴下して、多数の独立したスポットを形成し、次いで、細胞、ウィルス、ホルモン類、腫瘍マーカー、酵素、抗体、抗原、アブザイム、その他のタンパク質、核酸、cDNA、DNA、mRNAなど、抽出、単離などによって、生体から採取され、あるいは、さらに、化学的処理、化学修飾などの処理が施された生体由来の物質であって、放射性標識物質によって標識された物質を、ハイブリダイゼーションなどによって、特異的結合物質に、特異的に結合させたマクロアレイを、輝尽性蛍光体を含む輝尽性蛍光体層が形成された蓄積性蛍光体シートと密着させて、輝尽性蛍光体層を露光し、しかる後に、輝尽性蛍光体層に励起光を照射し、輝尽性蛍光体層から発せられた輝尽光を光電的に検出して、生化学解析用データを生成し、生体由来の物質を解析する放射性標識物質を用いたマクロアレイ解析システムも開発されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
マイクロアレイ解析システムやマクロアレイ解析システムにおいては、メンブレンフィルタなどの生化学解析用ユニットの表面の異なる位置に、特異的結合物質を含む溶液を滴下して、多数のスポット状領域を形成し、放射性標識物質、蛍光物質、化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせる標識物質などによって標識された生体由来の物質を、スポット状領域に含まれている特異的結合物質にハイブリダイズさせて、特異的結合物質を選択的に標識し、多数のスポット状領域に選択的に含まれている放射性標識物質によって、蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層を露光し、露光された輝尽性蛍光体層を、励起光によって走査して、輝尽性蛍光体層に含まれている輝尽性蛍光体を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を光電的に検出して、生化学解析用データを生成し、あるいは、多数のスポット状領域を、励起光によって走査して、多数のスポット状領域に選択的に含まれている蛍光物質を励起し、蛍光物質から放出された蛍光を光電的に検出して、生化学解析用データを生成し、あるいは、多数のスポット状領域に選択的に含まれている標識物質を化学発光基質と接触させ、標識物質から放出される化学発光を光電的に検出して、生化学解析用データを生成することが要求されている。
【0010】
特異的結合物質と生体由来の物質をハイブリダイズさせる場合、従来は、ユーザーが、手作業で、特異的結合物質を含む多数のスポット状領域が形成されたメンブレンフィルタなどの生化学解析用ユニットを、ハイブリダイゼーションバッグ内に入れ、ハイブリダイゼーションバッグ内に、放射性標識物質、蛍光物質、化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせる標識物質などによって標識された生体由来の物質を含むハイブリダイゼーション反応溶液を加え、ハイブリダイゼーションバッグに振動を加えて、生体由来の物質を、対流あるいは拡散によって移動させて、特異的結合物質と生体由来の物質をハイブリダイズさせ、生化学解析用ユニットをハイブリダイゼーションバッグから取り出して、洗浄溶液が満たされた容器内に入れ、洗浄するのが一般であった。
【0011】
しかしながら、ユーザーが、手作業で、生化学解析用ユニットを、ハイブリダイゼーションバッグ内に入れて、ハイブリダイゼーション反応溶液を加え、ハイブリダイゼーションバッグに振動を加えて、特異的結合物質と生体由来の物質をハイブリダイズさせる場合には、ハイブリダイゼーション反応溶液を、特異的結合物質を含む多数のスポット状領域に、均一に接触させることは困難であり、したがって、効率的に、特異的結合物質と生体由来の物質をハイブリダイズさせることができないという問題があった。
【0012】
さらに、ユーザーが、手作業で、生化学解析用ユニットを、ハイブリダイゼーションバッグ内に入れて、ハイブリダイゼーション反応溶液を加え、ハイブリダイゼーションバッグに振動を加えて、特異的結合物質と生体由来の物質をハイブリダイズさせ、生化学解析用ユニットをハイブリダイゼーションバッグから取り出して、洗浄溶液が満たされた容器内に入れ、洗浄する場合には、ユーザーによって、ハイブリダイゼーションの結果がばらつき、再現性が低下することは避けられず、また、同じユーザーであっても、再現性が低下するおそれがあるという問題があった。
【0013】
メンブレンフィルタなどの生化学解析用ユニットに、抗原あるいは抗体を固定し、抗原抗体反応によって、固定された抗原あるいは抗体に、抗体あるいは抗原を結合させる場合のように、リガンドとリセプターを会合反応させる場合には、同様の問題があり、さらに、メンブレンフィルタなどの生化学解析用ユニットに固定されたターゲットDNAに、ジゴキシゲニンなどのハプテンによって標識されたプローブDNAをハイブリダイズさせ、さらに、化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせる酵素によって標識されたジゴキシゲニンなどのハプテンに対する抗体や、蛍光基質と接触することによって、蛍光物質を生じさせる性質を有する酵素によって標識されたジゴキシゲニンなどのハプテンに対する抗体を、抗原抗体反応によって、プローブDNAを標識しているハプテンに結合させて、ターゲットDNAを標識する場合にも、同様の問題があった。
【0014】
また、ハイブリダイゼーション反応には、数時間ないし十数時間を要し、メンブレンフィルタなどの生化学解析用ユニットの多数のスポット状領域に含まれている特異的結合物質に、放射性標識物質によって標識された生体由来の物質をハイブリダイズさせて、特異的結合物質を選択的に標識して得た生化学解析用ユニットを、蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層に密着させて、生化学解析用ユニットの多数のスポット状領域に選択的に含まれている放射性標識物質によって、蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層を露光する場合にも、露光操作に、数時間ないし十数時間を要するため、生化学解析用ユニットに、放射線データや、蛍光データあるいは化学発光データを記録し、生化学解析用ユニットに記録された放射線データを、蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層に転写し、生化学解析用ユニットに記録された蛍光データあるいは化学発光データを読み取って、生化学解析用データを生成し、蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層に記録された放射線データを読み取って、生化学解析用データを生成するまでに、膨大な時間を要し、したがって、ユーザーが、ハイブリダイゼーション反応や、露光操作、放射線データや、蛍光データあるいは化学発光データの読み取り操作を管理することはきわめて煩雑であり、非効率であった。
【0015】
したがって、本発明は、きわめて効率的に、かつ、再現性よく、生化学解析用ユニットに、放射線データや、蛍光データあるいは化学発光データを記録し、生化学解析用ユニットに記録された放射線データを、蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層に転写し、生化学解析用ユニットに記録された蛍光データあるいは化学発光データを読み取って、生化学解析用データを生成し、蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層に記録された放射線データを読み取って、生化学解析用データを生成することができる生化学解析システムおよび生化学解析方法を提供することを目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明のかかる目的は、それぞれが、特異的結合物質を含む複数の吸着性領域が、互いに離間して、形成された複数の生化学解析用ユニットがセットされた生化学解析用ユニットキャリアを保持可能なキャリア保持部と、前記キャリア保持部に保持された前記生化学解析用ユニットキャリアの前記複数の生化学解析用ユニットに対応する位置に設けられ、同時に、前記キャリア保持部に保持された前記生化学解析用ユニットキャリアの前記複数の生化学解析用ユニットの前記吸着性領域を横切るように、標識物質を含む溶液を供給し、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされた前記複数の生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域を、前記標識物質によって、選択的に標識可能な複数の溶液供給流路を有する反応装置を備えたことを特徴とする生化学解析システムによって達成される。
【0017】
本発明によれば、生化学解析システムは、それぞれが、特異的結合物質を含む複数の吸着性領域が、互いに離間して、形成された複数の生化学解析用ユニットがセットされた生化学解析用ユニットキャリアを受け入れ、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域を横切るように、標識物質を含む溶液を供給し、複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域を、標識物質によって、選択的に標識する反応装置を備えているから、きわめて効率的に、かつ、再現性よく、生化学解析用ユニットに、放射線データや、蛍光データあるいは化学発光データを記録することが可能になる。
さらに、本発明によれば、前記反応装置が、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされた前記複数の生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域を横切るように、標識物質を含む溶液を、同時に、供給するように構成されているから、生化学解析用ユニットの吸着性領域内における標識物質の移動速度を大幅に増大させることができ、したがって、ハイブリダイゼーション反応などのリガンド・リセプター反応の反応速度を大幅に向上させることが可能になり、さらには、標識物質が、生化学解析用ユニットの吸着性領域の深い部分に含まれている特異的結合物質と出会う確率を大幅に増大させることができるから、所望のように、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域を、標識物質によって、標識することが可能になる
【0018】
また、本発明によれば、生化学解析用ユニットキャリアに、複数の生化学解析用ユニットがセットされ、反応装置によって、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に、同時に、標識物質を含む溶液が供給され、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域が、標識物質によって、選択的に標識されるから、きわめて効率的に、生化学解析用ユニットに、放射線データや、蛍光データあるいは化学発光データを記録することが可能になる。
【0019】
本発明において、標識物質を含む溶液とは、放射性標識物質によって標識された生体由来の物質を含む溶液、蛍光色素などの蛍光物質によって標識された生体由来の物質を含む溶液、化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせる標識物質によって標識された生体由来の物質を含む溶液、放射性標識物質によって標識された生体由来の物質、蛍光色素などの蛍光物質によって標識された生体由来の物質、化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせる標識物質によって標識された生体由来の物質およびハプテンによって標識された生体由来の物質のうち、2以上の生体由来の物質を含む溶液、ハプテンによって標識された生体由来の物質を含む溶液、酵素によって標識されたハプテンに対する抗体を含む溶液ならびに化学発光基質を含む溶液を包含するものである。
【0020】
本発明において、ハプテン/抗体の組合わせの例としては ジゴキシゲニン/抗ジゴキシゲニン抗体、テオフィリン/抗テオフィリン抗体、フルオロセイン/抗フルオロセイン抗体などをあげることができる。また、ハプテン/抗体ではなく、ビオチン/アヴィジンや抗原/抗体などの組合わせを利用することも可能である。
【0021】
本発明の好ましい実施態様においては、前記生化学解析用ユニットが、複数の貫通孔が、互いに離間して形成された基板を備え、前記複数の吸着性領域が、前記基板に形成された前記複数の貫通孔に、吸着性材料が充填されて形成されている
本発明の好ましい実施態様によれば、生化学解析用ユニットが、複数の貫通孔が、互いに離間して形成された基板を備え、複数の吸着性領域が、基板に形成された複数の貫通孔に、吸着性材料が充填されて、形成されているから、反応溶液を、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域のみを横切って、選択的に供給することができ、したがって、生化学解析用ユニットの吸着性領域内における標識物質の移動速度を大幅に増大させることができるから、ハイブリダイゼーション反応などのリガンド・リセプター反応の反応速度を大幅に向上させることが可能になり、さらには、標識物質が、生化学解析用ユニットの吸着性領域の深い部分に含まれている特異的結合物質と出会う確率を大幅に増大させることができるから、所望のように、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域を、標識物質によって、標識することが可能になる
また、本発明の好ましい実施態様においては、前記反応装置が、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされた前記複数の生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域に、放射性標識物質によって標識された溶液を供給し、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされた前記複数の生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域を、前記放射性標識物質によって、選択的に標識して、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされた前記複数の生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域に、放射線データを記録可能に構成され、生化学解析システムが、さらに、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされた前記複数の生化学解析用ユニットに対応する位置に、輝尽性蛍光体層が形成された複数の蓄積性蛍光体シートが固定された蓄積性蛍光体シートキャリアを、前記生化学解析用ユニットキャリアに重ね合わせて、前記生化学解析用ユニットキャリアと前記蓄積性蛍光体シートキャリアのキャリア集積体を形成するキャリア集積部と、前記キャリア集積部によって形成された前記生化学解析用ユニットキャリアと前記蓄積性蛍光体シートキャリアの前記キャリア集積体を保持するスタッカを有する露光装置と、前記生化学解析用ユニットキャリアを、前記反応装置から、前記露光装置に搬送する生化学解析用ユニット搬送手段を備え、前記スタッカが、複数の前記キャリア集積体を、重畳状態で、保持可能に構成されている。
【0022】
本発明の好ましい実施態様によれば、反応装置が、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に、放射性標識物質によって標識された溶液を供給し、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域を、放射性標識物質によって、選択的に標識して、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に、放射線データを記録可能に構成され、生化学解析システムが、さらに、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットに対応する位置に、輝尽性蛍光体層が形成された複数の蓄積性蛍光体シートが固定された蓄積性蛍光体シートキャリアを、生化学解析用ユニットキャリアに重ね合わせて、生化学解析用ユニットキャリアと蓄積性蛍光体シートキャリアのキャリア集積体を形成するキャリア集積部と、キャリア集積部によって形成された生化学解析用ユニットキャリアと蓄積性蛍光体シートキャリアのキャリア集積体を保持するスタッカを有する露光装置と、生化学解析用ユニットキャリアを、反応装置から、露光装置に搬送する生化学解析用ユニット搬送手段を備えているから、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域を、放射性標識物質によって、選択的に標識して、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に、放射線データを記録し、生化学解析用ユニット搬送手段によって、生化学解析用ユニットキャリアを、反応装置から、露光装置のキャリア集積部に搬送して、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットに対応する位置に、輝尽性蛍光体層が形成された複数の蓄積性蛍光体シートが固定された蓄積性蛍光体シートキャリアを、生化学解析用ユニットキャリアに重ね合わせて、生化学解析用ユニットキャリアと蓄積性蛍光体シートキャリアのキャリア集積体を形成し、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域と、蓄積性蛍光体シートキャリアに固定された対応する蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層とが密着された状態で、スタッカ内で、保持することにより、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に、選択的に含まれている放射性標識物質によって、自動的に、蓄積性蛍光体シートキャリアに固定された対応する蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層に含まれている輝尽性蛍光体を露光して、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に記録されている放射線データを、蓄積性蛍光体シートキャリアに固定された対応する蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層に転写することができ、ハイブリダイゼーション反応や、露光操作を、ユーザーが管理することが必要なくなり、生化学解析を大幅に効率化することが可能になる。
【0023】
さらに、本発明の好ましい実施態様によれば、露光装置のスタッカが、複数のキャリア集積体を、重畳状態で、保持可能に構成されているから、複数の蓄積性蛍光体シートキャリアに固定されている複数の蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層を、平行して、複数の生化学解析用ユニットキャリアにセットされている対応する生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に選択的に含まれている放射性標識物質によって、露光して、複数の蓄積性蛍光体シートキャリアに固定されている複数の蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層に、放射線データを記録することが可能になり、したがって、ハイブリダイゼーション反応などの反応効率を向上させることによって、生化学解析に要する時間を、全体として、短縮化することができるから、生化学解析の効率を向上させることが可能になる。
【0024】
本発明の別の好ましい実施態様においては、前記反応装置が、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされた前記複数の生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域に、化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせる標識物質によって標識された溶液を供給し、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされた前記複数の生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域を、前記化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせる標識物質によって、選択的に標識して、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされた前記複数の生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域に、化学発光データを記録し、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされた前記複数の生化学解析用ユニットの化学発光データが記録された前記複数の吸着性領域に、化学発光基質を含む溶液を供給可能に構成され、生化学解析システムが、さらに、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされた前記複数の生化学解析用ユニットに対応する位置に、輝尽性蛍光体層が形成された複数の蓄積性蛍光体シートが固定された蓄積性蛍光体シートキャリアを、前記生化学解析用ユニットキャリアに重ね合わせて、前記生化学解析用ユニットキャリアと前記蓄積性蛍光体シートキャリアのキャリア集積体を形成するキャリア集積部と、前記キャリア集積部によって形成された前記生化学解析用ユニットキャリアと前記蓄積性蛍光体シートキャリアの前記キャリア集積体を保持するスタッカを有する露光装置と、前記生化学解析用ユニットキャリアを、前記反応装置から、前記露光装置に搬送する生化学解析用ユニット搬送手段を備え、前記スタッカが、複数の前記積層体を、重畳状態で、保持可能に構成されている。
【0025】
本発明の別の好ましい実施態様によれば、反応装置が、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に、化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせる標識物質によって標識された溶液を供給し、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域を、化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせる標識物質によって、選択的に標識して、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に、化学発光データを記録し、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの化学発光データが記録された複数の吸着性領域に、化学発光基質を含む溶液を供給可能に構成され、生化学解析システムが、さらに、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットに対応する位置に、輝尽性蛍光体層が形成された複数の蓄積性蛍光体シートが固定された蓄積性蛍光体シートキャリアを、生化学解析用ユニットキャリアに重ね合わせて、生化学解析用ユニットキャリアと蓄積性蛍光体シートキャリアのキャリア集積体を形成するキャリア集積部と、キャリア集積部によって形成された生化学解析用ユニットキャリアと蓄積性蛍光体シートキャリアのキャリア集積体を保持するスタッカを有する露光装置と、生化学解析用ユニットキャリアを、反応装置から、露光装置に搬送する生化学解析用ユニット搬送手段を備え、スタッカが、複数の積層体を、重畳状態で、保持可能に構成されているから、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域を、化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせる標識物質によって、選択的に標識して、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に、化学発光データを記録し、さらに、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの化学発光データが記録された複数の吸着性領域に、化学発光基質を含む溶液を供給して、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域から、選択的に、化学発光を放出させ、生化学解析用ユニット搬送手段によって、生化学解析用ユニットキャリアを、反応装置から、露光装置のキャリア集積部に搬送して、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットに対応する位置に、輝尽性蛍光体層が形成された複数の蓄積性蛍光体シートが固定された蓄積性蛍光体シートキャリアを、生化学解析用ユニットキャリアに重ね合わせて、生化学解析用ユニットキャリアと蓄積性蛍光体シートキャリアのキャリア集積体を形成し、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域と、蓄積性蛍光体シートキャリアに固定された対応する蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層とが密着された状態で、スタッカ内で、保持することにより、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域から、選択的に、放出されている化学発光によって、自動的に、蓄積性蛍光体シートキャリアに固定された対応する蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層に含まれている輝尽性蛍光体を露光して、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に記録されている化学発光データを、蓄積性蛍光体シートキャリアに固定された対応する蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層に転写することができ、ハイブリダイゼーション反応や、露光操作を、ユーザーが管理することが必要がなくなり、生化学解析を大幅に効率化することが可能になる。
【0026】
さらに、本発明の別の好ましい実施態様によれば、露光装置のスタッカが、複数のキャリア集積体を、重畳状態で、保持可能に構成されているから、複数の蓄積性蛍光体シートキャリアに固定されている複数の蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層を、平行して、複数の生化学解析用ユニットキャリアにセットされている対応する生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域から、選択的に、放出されている化学発光によって、露光して、複数の蓄積性蛍光体シートキャリアに固定されている複数の蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層に、化学発光データを記録し、あるいは、複数の蓄積性蛍光体シートキャリアに固定されている複数の蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層を、平行して、複数の生化学解析用ユニットキャリアにセットされている対応する生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に選択的に含まれている放射性標識物質によって、露光して、複数の蓄積性蛍光体シートキャリアに固定されている複数の蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層に、放射線データを記録することが可能になり、したがって、ハイブリダイゼーション反応などの反応効率を向上させることによって、生化学解析に要する時間を、全体として、短縮化することができるから、生化学解析の効率を向上させることが可能になる。
【0027】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、生化学解析システムが、さらに、前記スタッカに保持された前記生化学解析用ユニットキャリアと前記蓄積性蛍光体シートキャリアの前記キャリア集積体を受け、前記蓄積性蛍光体シートキャリアを、前記生化学解析用ユニットキャリアから剥離するキャリア剥離部と、複数のスキャナを備えたスキャナ装置と、前記キャリア剥離部において、前記生化学解析用ユニットキャリアから剥離された前記蓄積性蛍光体シートキャリアを、前記スキャナ装置に搬送するキャリア搬送手段を備え、前記複数のスキャナがそれぞれ、励起光を発する少なくとも1つの励起光源と、光検出器とを備え、前記スキャナ装置が、前記蓄積性蛍光体シートキャリアを載置する単一のサンプルステージと、前記サンプルステージと前記複数のスキャナとを、主走査方向および前記主走査方向に直交する副走査方向に、相対的に移動させる単一の走査機構を備えている。
【0028】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、生化学解析システムが、さらに、スタッカに保持された生化学解析用ユニットキャリアと蓄積性蛍光体シートキャリアのキャリア集積体を受け、蓄積性蛍光体シートキャリアを、生化学解析用ユニットキャリアから剥離するキャリア剥離部と、複数のスキャナを備えたスキャナ装置と、キャリア剥離部において、生化学解析用ユニットキャリアから剥離された蓄積性蛍光体シートキャリアを、スキャナ装置に搬送するキャリア搬送手段を備えているから、露光装置によって、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に記録された放射線データあるいは化学発光データが、蓄積性蛍光体シートキャリアに固定されている複数の蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層に転写されて、記録された放射線データあるいは化学発光データを、スキャナ装置によって、自動的に読み取って、生化学解析用データを生成することができ、生化学解析を大幅に効率化することが可能になる。
【0029】
さらに、本発明のさらに好ましい実施態様によれば、スキャナ装置の複数のスキャナがそれぞれ、励起光を発する少なくとも1つの励起光源と、光検出器とを備え、スキャナ装置が、蓄積性蛍光体シートキャリアを載置する単一のサンプルステージと、サンプルステージと複数のスキャナとを、主走査方向および主走査方向に直交する副走査方向に、相対的に移動させる単一の走査機構を備えているから、吸着性領域が高密度に形成された複数の生化学解析用ユニットを、生化学解析用ユニットキャリアにセットして、反応装置によって、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に放射線データあるいは化学発光データを記録し、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に記録された放射線データあるいは化学発光データを、蓄積性蛍光体シートキャリアに固定されている複数の蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層に転写した場合にも、励起光によって、蓄積性蛍光体シートキャリアに固定されている複数の蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層を走査する時間を大幅に短縮することができ、したがって、きわめて効率的に、放射線データあるいは化学発光データを読み取って、生化学解析用データを生成することが可能になるから、生化学解析を大幅に効率化することが可能になる。
【0030】
本発明の好ましい実施態様においては、生化学解析システムは、さらに、複数のスキャナを備えた第2のスキャナ装置を備えており、前記複数のスキャナが、それぞれ、励起光を発する少なくとも1つの励起光源と、光検出器とを備え、前記第2のスキャナ装置が、前記生化学解析用ユニットキャリアを載置する単一のサンプルステージと、前記サンプルステージと前記複数のスキャナとを、主走査方向および前記主走査方向に直交する副走査方向に、相対的に移動させる単一の走査機構を備え、さらに、生化学解析用ユニットキャリアを、前記第2のスキャナの前記サンプルステージに載置するキャリア搬送手段を備えている。
【0031】
本発明の好ましい実施態様によれば、生化学解析システムは、さらに、複数のスキャナを備えた第2のスキャナ装置を備えているから、反応装置によって、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に記録された標識物質のデータを、自動的に読み取って、生化学解析用データを生成することができ、したがって、生化学解析を大幅に効率化することが可能になる。
【0032】
また、本発明の好ましい実施態様によれば、第2のスキャナ装置の複数のスキャナが、それぞれ、励起光を発する少なくとも1つの励起光源と、光検出器とを備え、第2のスキャナ装置が、生化学解析用ユニットキャリアを載置する単一のサンプルステージと、サンプルステージと複数のスキャナとを、主走査方向および主走査方向に直交する副走査方向に、相対的に移動させる単一の走査機構を備え、さらに、生化学解析用ユニットキャリアを、第2のスキャナのサンプルステージに載置するキャリア搬送手段を備えているから、吸着性領域が高密度に形成された複数の生化学解析用ユニットを、生化学解析用ユニットキャリアにセットして、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域を、蛍光物質などの標識物質によって、選択的に標識して、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に、蛍光物質などの標識物質のデータを記録した場合にも、励起光によって、生化学解析用ユニットキャリアにセットされている複数の生化学解析用ユニットの吸着性領域を走査する時間を大幅に短縮することができ、したがって、きわめて効率的に、蛍光物質などの標識物質のデータを読み取って、生化学解析用データを生成することが可能になるから、生化学解析を大幅に効率化することが可能になる。
【0033】
本発明の好ましい実施態様においては、生化学解析システムは、さらに、前記生化学解析用ユニットキャリアが載置される単一のサンプルステージと、前記サンプルステージに、前記生化学解析用ユニットキャリアがセットされたときに、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされるべき複数の生化学解析用ユニットに対向する位置に配置された複数のCCDカメラとを備えたデータ読み取り装置と、前記生化学解析用ユニットキャリアを、前記サンプルステージにセットするキャリア搬送手段を備えている。
【0034】
本発明の好ましい実施態様によれば、生化学解析システムは、さらに、生化学解析用ユニットキャリアが載置されるサンプルステージと、サンプルステージに、生化学解析用ユニットキャリアがセットされたときに、生化学解析用ユニットキャリアにセットされるべき複数の生化学解析用ユニットに対向する位置に配置された複数のCCDカメラとを備えたデータ読み取り装置と、生化学解析用ユニットキャリアを、サンプルステージにセットするキャリア搬送手段を備えているから、反応装置によって、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域を、標識物質によって、選択的に標識した後に、キャリア搬送手段によって、生化学解析用ユニットキャリアを、データ読み取り装置のサンプルステージにセットし、サンプルステージにセットされている生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に、励起光を照射して、蛍光物質を励起し、各生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域から放出された蛍光を、対向するCCDカメラによって光電的に検出し、あるいは、サンプルステージにセットされている生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に、化学発光基質を接触させ、各生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域から放出された化学発光を、対向するCCDカメラによって光電的に検出して、生化学解析用データを生成することができ、したがって、生化学解析を大幅に効率化することが可能になる。
【0035】
本発明の前記目的はまた、それぞれが、特異的結合物質を含む複数の吸着性領域が、互いに離間して、形成された複数の生化学解析用ユニットを、生化学解析用ユニットキャリアにセットし、前記複数の生化学解析用ユニットがセットされた前記生化学解析用ユニットキャリアを反応装置にセットし、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされた前記複数の生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域に、標識物質を含む溶液を、前記複数の吸着性領域を横切るように、同時に供給して、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされた前記複数の生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域を、前記標識物質によって、選択的に標識することを特徴とする生化学解析方法によって達成される
本発明によれば、それぞれが、特異的結合物質を含む複数の吸着性領域が、互いに離間して、形成された複数の生化学解析用ユニットを、生化学解析用ユニットキャリアにセットし、複数の生化学解析用ユニットがセットされた生化学解析用ユニットキャリアを反応装置にセットして、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域を横切るように、同時に、標識物質を含む溶液を供給して、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域を、標識物質によって、選択的に標識するように構成されているから、きわめて効率的に、かつ、再現性よく、生化学解析用ユニットに、放射線データや、蛍光データあるいは化学発光データを記録することが可能になる
さらに、本発明によれば、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされた前記複数の生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域を横切るように、標識物質を含む溶液を、同時に、供給するように構成されているから、生化学解析用ユニットの吸着性領域内における標識物質の移動速度を大幅に増大させることができ、したがって、ハイブリダイゼーション反応などのリガンド・リセプター反応の反応速度を大幅に向上させることが可能になり、さらには、標識物質が、生化学解析用ユニットの吸着性領域の深い部分に含まれている特異的結合物質と出会う確率を大幅に増大させることができるから、所望のように、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域を、標識物質によって、標識することが可能になる
また、本発明によれば、生化学解析用ユニットキャリアに、複数の生化学解析用ユニットがセットされ、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域を横切るように、同時に、標識物質を含む溶液が供給され、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域が、標識物質によって、選択的に標識されるから、きわめて効率的に、生化学解析用ユニットに、放射線データや、蛍光データあるいは化学発光データを記録することが可能になる
本発明の好ましい実施態様においては、前記生化学解析用ユニットが、複数の貫通孔が、互いに離間して形成された基板を備え、前記複数の吸着性領域が、前記基板に形成された前記複数の貫通孔に、吸着性材料が充填されて形成されている
本発明の好ましい実施態様によれば、生化学解析用ユニットが、複数の貫通孔が、互いに離間して形成された基板を備え、複数の吸着性領域が、基板に形成された複数の貫通孔に、吸着性材料が充填されて、形成されているから、反応溶液を、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域のみを横切って、選択的に供給することができ、したがって、生化学解析用ユニットの吸着性領域内における標識物質の移動速度を大幅に増大させることができるから、ハイブリダイゼーション反応などのリガンド・リセプター反応の反応速度を大幅に向上させることが可能になり、さらには、標識物質が、生化学解析用ユニットの吸着性領域の深い部分に含まれている特異的結合物質と出会う確率を大幅に増大させることができるから、所望のように、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域を、標識物質によって、標識することが可能になる
本発明の好ましい実施態様においては、前記反応装置によって、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされた前記複数の生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域に、放射性標識物質によって標識された溶液を供給し、前記生化学解析用ユニットキャリア にセットされた前記複数の生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域を、前記放射性標識物質によって、選択的に標識して、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされた前記複数の生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域に、放射線データを記録し、さらに、前記生化学解析用ユニットキャリアを、生化学解析用ユニット搬送手段によって、前記反応装置から、キャリア集積部に送って、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされた前記複数の生化学解析用ユニットに対応する位置に、輝尽性蛍光体層が形成された複数の蓄積性蛍光体シートが固定された蓄積性蛍光体シートキャリアを、前記生化学解析用ユニットキャリアに重ね合わせて、前記生化学解析用ユニットキャリアと前記蓄積性蛍光体シートキャリアのキャリア集積体を形成し、前記生化学解析用ユニット搬送手段によって、前記生化学解析用ユニットキャリアと前記蓄積性蛍光体シートキャリアの前記キャリア集積体を、スタッカに送って、前記スタッカ内で、それぞれが、前記生化学解析用ユニットキャリアと前記蓄積性蛍光体シートキャリアよりなる複数の前記キャリア集積体を、重畳状態で保持して、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされた前記複数の生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域に選択的に含まれている放射性標識物質によって、前記蓄積性蛍光体シートキャリアに固定された前記複数の蓄積性蛍光体シートの前記輝尽性蛍光体層を露光するように構成されている
本発明の好ましい実施態様によれば、反応装置によって、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に、放射性標識物質によって標識された溶液を供給し、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域を、放射性標識物質によって、選択的に標識して、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に、放射線データを記録し、さらに、生化学解析用ユニットキャリアを、生化学解析用ユニット搬送手段によって、反応装置から、キャリア集積部に送って、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットに対応する位置に、輝尽性蛍光体層が形成された複数の蓄積性蛍光体シートが固定された蓄積性蛍光体シートキャリアを、生化学解析用ユニットキャリアに重ね合わせて、生化学解析用ユニットキャリアと蓄積性蛍光体シートキャリアのキャリア集積体を形成し、生化学解析用ユニット搬送手段によって、生化学解析用ユニットキャリアと蓄積性蛍光体シートキャリアのキャリア集積体を、スタッカに送って、スタッカ内で、それぞれが、生化学解析用ユニットキャリアと蓄積性蛍光体シートキャリアよりなる複数のキャリア集積体を、重畳状態で保持して、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に選択的に含まれている放射性標識物質によって、蓄積性蛍光体シートキャリアに固定された複数の蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層を露光するように構成されているから、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域を、放射性標識物質によって、選択的に標識して、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に、放射線データを記録し、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットに対応する位置に、輝尽性蛍光体層が形成された複数の蓄積性蛍光体シートが固定された蓄積性蛍光体シートキャリアを、生化学解析用ユニットキャリアに重ね合わせて、生化学解析用ユニットキャリアと蓄積性蛍光体シートキャリアのキャリア集積体を形成し、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域と、蓄積性蛍光体シートキャリアに固定された対応する蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層とが密着された状態で、保持することにより、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に、選択的に含まれている放射性標識物質によって、自動的に、蓄積性蛍光体シートキャリアに固定された対応する蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層に含まれている輝尽性蛍光体を露光して、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に記録されている放射線データを、蓄積性蛍光体シートキャリアに固定された対応する蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層に転写することができ、ハイブリダイゼーション反応や、露光操作を、ユーザーが管理することが必要なくなり、生化学解析を大幅に効率化すること が可能になる
さらに、本発明の好ましい実施態様によれば、それぞれが、生化学解析用ユニットキャリアと蓄積性蛍光体シートキャリアよりなる複数のキャリア集積体を、スタッカ内で、重畳状態で保持して、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に選択的に含まれている放射性標識物質によって、蓄積性蛍光体シートキャリアに固定された複数の蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層を露光するように構成されているから、複数の蓄積性蛍光体シートキャリアに固定されている複数の蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層を、平行して、複数の生化学解析用ユニットキャリアにセットされている対応する生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に選択的に含まれている放射性標識物質によって、露光して、複数の蓄積性蛍光体シートキャリアに固定されている複数の蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層に、放射線データを記録することが可能になり、したがって、ハイブリダイゼーション反応などの反応効率を向上させることによって、生化学解析に要する時間を、全体として、短縮化することができるから、生化学解析の効率を向上させることが可能になる
本発明の別の好ましい実施態様においては、前記反応装置によって、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされた前記複数の生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域に、化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせる標識物質によって標識された溶液を供給し、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされた前記複数の生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域を、前記化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせる標識物質によって、選択的に標識して、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされた前記複数の生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域に、化学発光データを記録し、さらに、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされた前記複数の生化学解析用ユニットの化学発光データが記録された前記複数の吸着性領域に、化学発光基質を含む溶液を供給して、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされた前記複数の生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域から、選択的に、化学発光を放出させ、前記生化学解析用ユニットキャリアを、生化学解析用ユニット搬送手段によって、前記反応装置から、キャリア集積部に送って、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされた前記複数の生化学解析用ユニットに対応する位置に、輝尽性蛍光体層が形成された複数の蓄積性蛍光体シートが固定された蓄積性蛍光体シートキャリアを、前記生化学解析用ユニットキャリアに重ね合わせて、前記生化学解析用ユニットキャリアと前記蓄積性蛍光体シートキャリアのキャリア集積体を形成し、前記生化学解析用ユニット搬送手段によって、前記生化学解析用ユニットキャリアと前記蓄積性蛍光体シートキャリアの前記キャリア集積体を、スタッカに送って、前記スタッカ内で、それぞれが、前記生化学解析用ユニットキャリアと前記蓄積性蛍光体シートキャリアよりなる複数の前記キャリア集積体を、重畳状態で保持して、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされた前記複数の生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域から、選択的に、放出された化学発光によって、前記蓄積性蛍光体シートキャリアに固定された前記複数の蓄積性蛍光体シートの前記輝尽性蛍光体層を露光するように構成されている
本発明の別の好ましい実施態様によれば、反応装置によって、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に、化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせる標識物質によって標識された溶液を供給し、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域を、化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせる標識物質によって、選択的に標識して、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に、化学発光データを記録し、さらに、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの化学発光データが記録された複数の吸着性領域に、化学発光基質を含む溶液を供給して、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域から、選択的に、化学発光を放出させ、生化学解析用ユニットキャリアを、生化学解析用ユニット搬送手段によって、反応装置から、キャリア集積部に送って、生化学解析用ユニットキャリアにセ ットされた複数の生化学解析用ユニットに対応する位置に、輝尽性蛍光体層が形成された複数の蓄積性蛍光体シートが固定された蓄積性蛍光体シートキャリアを、生化学解析用ユニットキャリアに重ね合わせて、生化学解析用ユニットキャリアと蓄積性蛍光体シートキャリアのキャリア集積体を形成し、生化学解析用ユニット搬送手段によって、生化学解析用ユニットキャリアと蓄積性蛍光体シートキャリアのキャリア集積体を、スタッカに送って、スタッカ内で、それぞれが、生化学解析用ユニットキャリアと蓄積性蛍光体シートキャリアよりなる複数のキャリア集積体を、重畳状態で保持して、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域から、選択的に、放出された化学発光によって、蓄積性蛍光体シートキャリアに固定された複数の蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層を露光するように構成されているから、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域を、化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせる標識物質によって、選択的に標識して、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に、化学発光データを記録し、さらに、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの化学発光データが記録された複数の吸着性領域に、化学発光基質を含む溶液を供給して、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域から、選択的に、化学発光を放出させ、生化学解析用ユニット搬送手段によって、生化学解析用ユニットキャリアを、反応装置から、キャリア集積部に搬送して、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットに対応する位置に、輝尽性蛍光体層が形成された複数の蓄積性蛍光体シートが固定された蓄積性蛍光体シートキャリアを、生化学解析用ユニットキャリアに重ね合わせて、生化学解析用ユニットキャリアと蓄積性蛍光体シートキャリアのキャリア集積体を形成し、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域と、蓄積性蛍光体シートキャリアに固定された対応する蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層とが密着された状態で、スタッカ内で、保持することにより、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域から、選択的に、放出されている化学発光によって、自動的に、蓄積性蛍光体シートキャリアに固定された対応する蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層に含まれている輝尽性蛍光体を露光して、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に記録されている化学発光データを、蓄積性蛍光体シートキャリアに固定された対応する蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層に転写することができ、ハイブリダイゼーション反応や、露光操作を、ユーザーが管理することが必要がなくなり、生化学解析を大幅に効率化することが可能になる
さらに、本発明の別の好ましい実施態様によれば、それぞれが、生化学解析用ユニットキャリアと蓄積性蛍光体シートキャリアよりなる複数のキャリア集積体を、スタッカ内で、重畳状態で保持して、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域から、選択的に、放出される化学発光によって、蓄積性蛍光体シートキャリアに固定された複数の蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層を露光するように構成されているから、複数の蓄積性蛍光体シートキャリアに固定されている複数の蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層を、平行して、複数の生化学解析用ユニットキャリアにセットされている対応する生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域から、選択的に、放出されている化学発光によって、露光して、複数の蓄積性蛍光体シートキャリアに固定されている複数の蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層に、化学発光データを記録し、あるいは、複数の蓄積性蛍光体シートキャリアに固定されている複数の蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層を、平行して、複数の生化学解析用ユニットキャリアにセットされている対応する生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に選択的に含まれている放射性標識物質によって、露光して、複数の蓄積性蛍光体シートキャリアに固定されている複数の蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層に、放射線データを記録することが可能になり、したがって、ハイブリダイゼーション反応などの反応効率を向上させることによって、生化学解析に要する時間を、全体として、短縮化することができるから、生化学解析の効率を 向上させることが可能になる
本発明のさらに好ましい実施態様においては、さらに、前記生化学解析用ユニットキャリアと前記蓄積性蛍光体シートキャリアの前記キャリア集積体を、キャリア剥離部に送って、前記生化学解析用ユニットキャリアと前記蓄積性蛍光体シートキャリアの前記キャリア集積体から、前記蓄積性蛍光体シートキャリアを剥離し、キャリア搬送手段によって、前記生化学解析用ユニットキャリアと前記蓄積性蛍光体シートキャリアの前記キャリア集積体から剥離した前記蓄積性蛍光体シートキャリアを、前記キャリア剥離部から、それぞれが、励起光を発する少なくとも1つの励起光源と、光検出器とを備えた少なくとも2つのスキャナと前記蓄積性蛍光体シートキャリアを載置する単一のサンプルステージを備えたスキャナ装置に搬送して、前記スキャナ装置の前記サンプルステージにセットし、前記スキャナ装置のサンプルステージと前記少なくとも2つのスキャナとを、主走査方向および前記主走査方向に直交する副走査方向に、相対的に移動させて、前記少なくとも2つのスキャナの前記少なくとも1つの励起光源から発せられた励起光によって、前記蓄積性蛍光体シートキャリアに固定された前記複数の蓄積性蛍光体シートのうち、少なくとも2つの蓄積性蛍光体シートの前記輝尽性蛍光体層を、同時に走査して、前記少なくとも2つの蓄積性蛍光体シートの前記輝尽性蛍光体層に含まれている輝尽性蛍光体を励起し、前記少なくとも2つの蓄積性蛍光体シートの前記輝尽性蛍光体層から放出された輝尽光を、前記少なくとも2つのスキャナの前記光検出器によって、光電的に検出して、前記少なくとも2つの蓄積性蛍光体シートの前記輝尽性蛍光体層に記録されている放射線データあるいは化学発光データを読み取り、生化学解析用データを生成するように構成されている
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、さらに、生化学解析用ユニットキャリアと蓄積性蛍光体シートキャリアのキャリア集積体を、キャリア剥離部に送って、生化学解析用ユニットキャリアと蓄積性蛍光体シートキャリアのキャリア集積体から、蓄積性蛍光体シートキャリアを剥離し、キャリア搬送手段によって、生化学解析用ユニットキャリアと蓄積性蛍光体シートキャリアのキャリア集積体から剥離した蓄積性蛍光体シートキャリアを、キャリア剥離部から、それぞれが、励起光を発する少なくとも1つの励起光源と、光検出器とを備えた少なくとも2つのスキャナと蓄積性蛍光体シートキャリアを載置する単一のサンプルステージを備えたスキャナ装置に搬送して、スキャナ装置のサンプルステージにセットし、スキャナ装置のサンプルステージと少なくとも2つのスキャナとを、主走査方向および主走査方向に直交する副走査方向に、相対的に移動させて、少なくとも2つのスキャナの少なくとも1つの励起光源から発せられた励起光によって、蓄積性蛍光体シートキャリアに固定された複数の蓄積性蛍光体シートのうち、少なくとも2つの蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層を、同時に走査して、少なくとも2つの蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層に含まれている輝尽性蛍光体を励起し、少なくとも2つの蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層から放出された輝尽光を、少なくとも2つのスキャナの光検出器によって、光電的に検出して、少なくとも2つの蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層に記録されている放射線データあるいは化学発光データを読み取り、生化学解析用データを生成するように構成されているから、スタッカ内で、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に記録された放射線データあるいは化学発光データが、蓄積性蛍光体シートキャリアに固定されている複数の蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層に転写されて、記録された放射線データあるいは化学発光データを、スキャナ装置によって、自動的に読み取って、生化学解析用データを生成することができ、生化学解析を大幅に効率化することが可能になる
さらに、本発明のさらに好ましい実施態様によれば、スキャナ装置の少なくとも2つのスキャナがそれぞれ、励起光を発する少なくとも1つの励起光源と、光検出器とを備え、スキャナ装置が、蓄積性蛍光体シートキャリアを載置する単一のサンプルステージと、サンプルステージと少なくとも2つのスキャナとを、主走査方向および主走査方向に直交する副走査方向に、相対的に移動させて、少なくとも2つのスキャナの少なくとも1つの励起光源から発せられた励起光によって、蓄積性蛍光体シートキャリアに固定された複数の蓄積性蛍光体シートのうち、少なくとも2つの蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層を、 同時に走査して、少なくとも2つの蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層に含まれている輝尽性蛍光体を励起し、少なくとも2つの蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層から放出された輝尽光を、少なくとも2つのスキャナの光検出器によって、光電的に検出して、少なくとも2つの蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層に記録されている放射線データあるいは化学発光データを読み取り、生化学解析用データを生成するように構成されているから、吸着性領域が高密度に形成された複数の生化学解析用ユニットを、生化学解析用ユニットキャリアにセットして、反応装置によって、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に放射線データあるいは化学発光データを記録し、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に記録された放射線データあるいは化学発光データを、蓄積性蛍光体シートキャリアに固定されている複数の蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層に転写した場合にも、励起光によって、蓄積性蛍光体シートキャリアに固定されている複数の蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層を走査する時間を大幅に短縮することができ、したがって、きわめて効率的に、放射線データあるいは化学発光データを読み取って、生化学解析用データを生成することが可能になるから、生化学解析を大幅に効率化することが可能になる
本発明の好ましい実施態様においては、さらに、前記反応装置によって、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされた前記複数の生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域に、蛍光物質によって標識された溶液を供給し、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされた前記複数の生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域を、前記蛍光物質によって、選択的に標識して、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされた前記複数の生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域に、蛍光データを記録し、前記生化学解析用ユニットキャリアを、第2のキャリア搬送手段によって、それぞれが、励起光を発する少なくとも1つの励起光源と、光検出器とを備えた少なくとも2つのスキャナと前記生化学解析用ユニットキャリアを載置する単一のサンプルステージを備えた第2のスキャナ装置に搬送して、前記第2のスキャナ装置の前記サンプルステージにセットし、前記第2のスキャナ装置のサンプルステージと前記少なくとも2つのスキャナとを、主走査方向および前記主走査方向に直交する副走査方向に、相対的に移動させて、前記第2のスキャナ装置の前記少なくとも2つのスキャナの前記少なくとも1つの励起光源から発せられた励起光によって、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされた前記複数の生化学解析用ユニットのうち、少なくとも2つの生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域を、同時に走査して、前記少なくとも2つの生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域に含まれている蛍光物質を励起し、前記少なくとも2つの生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域から放出された蛍光を、前記第2のスキャナ装置の前記少なくとも2つのスキャナの前記光検出器によって、光電的に検出して、前記少なくとも2つの生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域に記録されている蛍光データを読み取り、生化学解析用データを生成するように構成されている
本発明の好ましい実施態様によれば、さらに、反応装置によって、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に、蛍光物質によって標識された溶液を供給し、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域を、蛍光物質によって、選択的に標識して、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に、蛍光データを記録し、生化学解析用ユニットキャリアを、第2のキャリア搬送手段によって、それぞれが、励起光を発する少なくとも1つの励起光源と、光検出器とを備えた少なくとも2つのスキャナと生化学解析用ユニットキャリアを載置する単一のサンプルステージを備えた第2のスキャナ装置に搬送して、第2のスキャナ装置のサンプルステージにセットし、第2のスキャナ装置のサンプルステージと少なくとも2つのスキャナとを、主走査方向および主走査方向に直交する副走査方向に、相対的に移動させて、第2のスキャナ装置の少なくとも2つのスキャナの少なくとも1つの励起光源から発せられた励起光によって、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニッ トのうち、少なくとも2つの生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域を、同時に走査して、少なくとも2つの生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に含まれている蛍光物質を励起し、少なくとも2つの生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域から放出された蛍光を、第2のスキャナ装置の少なくとも2つのスキャナの光検出器によって、光電的に検出して、少なくとも2つの生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に記録されている蛍光データを読み取り、生化学解析用データを生成するように構成されているから、反応装置によって、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に記録された蛍光物質の蛍光データを、自動的に読み取って、生化学解析用データを生成することができ、したがって、生化学解析を大幅に効率化することが可能になる
また、本発明の好ましい実施態様によれば、複数の生化学解析用ユニットがセットされた生化学解析用ユニットキャリアを、それぞれが、励起光を発する少なくとも1つの励起光源と、光検出器とを備えた少なくとも2つのスキャナと生化学解析用ユニットキャリアを載置する単一のサンプルステージを備えた第2のスキャナ装置に搬送して、第2のスキャナ装置のサンプルステージにセットし、第2のスキャナ装置のサンプルステージと少なくとも2つのスキャナとを、主走査方向および主走査方向に直交する副走査方向に、相対的に移動させて、第2のスキャナ装置の少なくとも2つのスキャナの少なくとも1つの励起光源から発せられた励起光によって、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットのうち、少なくとも2つの生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域を、同時に走査して、少なくとも2つの生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に含まれている蛍光物質を励起し、少なくとも2つの生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域から放出された蛍光を、第2のスキャナ装置の少なくとも2つのスキャナの光検出器によって、光電的に検出して、少なくとも2つの生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に記録されている蛍光データを読み取り、生化学解析用データを生成するように構成されているから、吸着性領域が高密度に形成された複数の生化学解析用ユニットを、生化学解析用ユニットキャリアにセットして、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域を、蛍光物質によって、選択的に標識して、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に、蛍光データを記録した場合にも、励起光によって、生化学解析用ユニットキャリアにセットされている複数の生化学解析用ユニットの吸着性領域を走査する時間を大幅に短縮することができ、したがって、きわめて効率的に、蛍光物質などの標識物質のデータを読み取って、生化学解析用データを生成することが可能になるから、生化学解析を大幅に効率化することが可能になる
本発明の好ましい実施態様においては、さらに、前記反応装置によって、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされた前記複数の生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域に、化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせる標識物質によって標識された溶液を供給し、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされた前記複数の生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域を、前記化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせる標識物質によって、選択的に標識して、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされた前記複数の生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域に、化学発光データを記録し、第3のキャリア搬送手段によって、前記生化学解析用ユニットキャリアが載置される単一のサンプルステージと、前記サンプルステージに、前記生化学解析用ユニットキャリアがセットされたときに、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされるべき複数の生化学解析用ユニットに対向する位置に配置された複数のCCDカメラとを備えたデータ読み取り装置に搬送して、前記サンプルステージにセットし、前記サンプルステージにセットされている前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされた前記複数の生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域に、化学発光基質を接触させ、前記複数の生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域から放出された化学発光を、それぞれ、対向する前記CCDカメラによって、同時に、光電的に検出して、前記複数の生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域に記録されている化学発光データを読 み取り、生化学解析用データを生成するように構成されている
本発明の好ましい実施態様によれば、さらに、反応装置によって、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に、化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせる標識物質によって標識された溶液を供給し、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域を、化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせる標識物質によって、選択的に標識して、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に、化学発光データを記録し、第3のキャリア搬送手段によって、生化学解析用ユニットキャリアが載置される単一のサンプルステージと、サンプルステージに、生化学解析用ユニットキャリアがセットされたときに、生化学解析用ユニットキャリアにセットされるべき複数の生化学解析用ユニットに対向する位置に配置された複数のCCDカメラとを備えたデータ読み取り装置に搬送して、サンプルステージにセットし、サンプルステージにセットされている生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に、化学発光基質を接触させ、複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域から放出された化学発光を、それぞれ、対向するCCDカメラによって、同時に、光電的に検出して、複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に記録されている化学発光データを読み取り、生化学解析用データを生成するように構成されているから、生化学解析を大幅に効率化することが可能になる
本発明において、好ましくは、前記生化学解析用ユニットキャリアが、前記複数の生化学解析用ユニットを、マトリックス状のパターンで、規則的にセット可能に構成され、前記蓄積性蛍光体シートキャリアに、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされるべき前記複数の生化学解析用ユニットと同一のマトリックス状のパターンで、前記複数の蓄積性蛍光体シートが、規則的に固定されている。
【0036】
本発明において、好ましくは、前記生化学解析用ユニットに、それぞれ、少なくとも2つの位置合わせ用貫通孔が形成され、前記生化学解析用ユニットキャリアの前記複数の生化学解析用ユニットをセットすべき部分に、それぞれ、前記生化学解析用ユニットに形成された前記少なくとも2つの位置合わせ用貫通孔に対応して、少なくとも2つの位置合わせ用ピンが形成されている。
【0037】
本発明において、好ましくは、前記生化学解析用ユニット前記複数の生化学解析用ユニットをセットすべき部分に、それぞれ、前記生化学解析用ユニットキャリアに、前記生化学解析用ユニットがセットされたときに、前記生化学解析用ユニットによって覆われる貫通孔が形成されている。
【0040】
本発明において、好ましくは、前記反応装置が、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされた前記複数の生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域を横切って、標識物質を含む溶液を循環させるように構成されている。
【0041】
反応装置をこのように構成した場合には、標識物質が、生化学解析用ユニットの吸着性領域の深い部分に含まれている特異的結合物質と出会う確率を大幅に増大させることができるから、所望のように、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域を、標識物質によって、標識することが可能になる。
【0042】
本発明において、好ましくは、前記反応装置が、ハウジングと、前記ハウジングに形成された一対の開口部内に設けられ、前記ハウジングの上面から、距離を隔てて、配置され、前記生化学解析用ユニットキャリアの両縁部を支持して、搬送可能な一対の搬送ベルトとを備え、前記一対の搬送ベルトの間の前記ハウジングに、それぞれ、前記生化学解析用ユニットキャリアに形成された前記複数の貫通孔よりもサイズが小さい貫通孔が形成され、前記生化学解析用ユニットキャリアに形成された前記貫通孔内に挿入可能な複数の枠状部材が、前記生化学解析用ユニットキャリアに形成された前記複数の貫通孔と同一のパターンで形成され、さらに、前記生化学解析用ユニットキャリアに形成された前記複数の貫通孔と、前記ハウジングに形成された前記複数の貫通孔とが対向する位置に、前記生化学解析用ユニットキャリアが位置しているときに、前記生化学解析用ユニットキャリアに当接可能で、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされている前記複数の生化学解析用ユニットを収容可能な複数の凹部を有し、前記複数の凹部内に、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされている前記複数の生化学解析用ユニットが収容されたときに、前記生化学解析用ユニットキャリアに形成された前記複数の貫通孔と連通する貫通孔が、それぞれ、前記複数の凹部内に形成された可動の生化学解析用ユニット収容部材を備え、前記生化学解析用ユニット収容部材に形成された前記複数の貫通孔に、それぞれ、溶液供給管路が接続されるとともに、前記ハウジングに形成された前記複数の貫通孔に、それぞれ、溶液排出管路が接続され、前記溶液供給管路、前記生化学解析用ユニット収容部材に形成された前記複数の貫通孔、前記生化学解析用ユニットキャリアに形成された前記複数の貫通孔、前記ハウジングに形成された前記複数の貫通孔および前記溶液排出管路によって、それぞれ、溶液循環管路を形成可能に構成されている。
【0043】
反応装置をこのように構成した場合には、標識物質を含む溶液を、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域を横切って、溶液供給管路、生化学解析用ユニット収容部材に形成された複数の貫通孔、生化学解析用ユニットキャリアに形成された複数の貫通孔、ハウジングに形成された複数の貫通孔および溶液排出管路によって形成された溶液循環管路内を、強制的に循環させることができ、したがって、標識物質が、生化学解析用ユニットの吸着性領域の深い部分に含まれている特異的結合物質と出会う確率を大幅に増大させることができるから、所望のように、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域を、標識物質によって、標識することが可能になる。
【0044】
本発明において、好ましくは、前記一対の搬送ベルトが、前記ハウジングの上面から、前記複数の枠状部材の高さよりも大きい距離を隔てて、配置され、前記複数の枠状部材の頂部に、それぞれ、前記生化学解析用ユニット収容部材の前記複数の凹部内に、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされている前記複数の生化学解析用ユニットが収容されたときに、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされている前記生化学解析用ユニットに当接可能なシール部材が形成されている。
【0045】
本発明において、好ましくは、前記反応装置が、ハウジングと、前記ハウジングに形成された一対の開口部内に設けられ、前記ハウジングの上面から、距離を隔てて、配置され、前記生化学解析用ユニットキャリアの両縁部を支持して、搬送可能な一対の搬送ベルトとを備え、前記一対の搬送ベルトの間の前記ハウジングに、それぞれ、前記生化学解析用ユニットキャリアに形成された前記複数の貫通孔よりもサイズが小さい貫通孔が形成され、前記生化学解析用ユニットキャリアに形成された前記貫通孔内に挿入可能な複数の枠状部材が、前記生化学解析用ユニットキャリアに形成された前記複数の貫通孔と同一のパターンで形成され、さらに、前記生化学解析用ユニットキャリアに形成された前記複数の貫通孔と、前記ハウジングに形成された前記複数の貫通孔とが対向する位置に、前記生化学解析用ユニットキャリアが位置しているときに、前記生化学解析用ユニットキャリアに当接可能で、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされている前記複数の生化学解析用ユニットを収容可能な複数の凹部が形成された可動の生化学解析用ユニット収容部材を備え、前記生化学解析用ユニット収容部材の前記複数の凹部内に、それぞれ、前記凹部内に収容された前記生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域が形成された部分に対向する溶液循環用凹部が形成されるとともに、前記複数の枠状部材が、それぞれ、前記枠状部材に形成された対応する貫通孔を、溶液供給用貫通孔部と、溶液排出用貫通孔部とに分割し、前記ハウジングから、前記生化学解析用ユニットキャリアに形成された前記複数の貫通孔の深さに等しい距離だけ、上方に突出する仕切壁を備え、前記ハウジングに設けられた前記複数の溶液供給用貫通孔部に、それぞれ、溶液供給管路が接続されるとともに、前記ハウジングに形成された前記複数の溶液排出用貫通孔部に、それぞれ、溶液排出管路が接続され、前記溶液供給管路、前記ハウジングに形成された前記複数の溶液供給用貫通孔部、前記生化学解析用ユニット収容部材に形成された前記複数の溶液循環用凹部、前記ハウジングに形成された前記複数の溶液排出用貫通孔部および前記溶液排出管路によって、それぞれ、溶液循環管路を形成可能に構成されている。
【0046】
反応装置をこのように構成した場合には、標識物質を含む溶液を、生化学解析用ユニットキャリアにセットされた複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域を横切って、溶液供給管路、ハウジングに形成された複数の溶液供給用貫通孔部、生化学解析用ユニット収容部材に形成された複数の溶液循環用凹部、ハウジングに形成された複数の溶液排出用貫通孔部および溶液排出管路によって形成された溶液循環管路内を、強制的に循環させることができ、したがって、標識物質が、生化学解析用ユニットの吸着性領域の深い部分に含まれている特異的結合物質と出会う確率を大幅に増大させることができるから、所望のように、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域を、標識物質によって、標識することが可能になる。
【0047】
本発明において、好ましくは、前記一対の搬送ベルトが、前記ハウジングの上面から、前記複数の枠状部材の高さよりも大きい距離を隔てて、配置され、前記複数の枠状部材および前記仕切壁の頂部に、それぞれ、前記生化学解析用ユニット収容部材の前記複数の凹部内に、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされている前記複数の生化学解析用ユニットが収容されたときに、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされている前記生化学解析用ユニットに当接可能なシール部材が形成されている。
【0048】
本発明において、好ましくは、前記露光装置が、前記反応装置から、前記生化学解析用ユニットキャリアを受け取り、搬送する搬送ベルトと、複数の前記蓄積性蛍光体シートキャリアを保持可能な蓄積性蛍光体シートキャリア保持部と、前記蓄積性蛍光体シートキャリア保持部に保持された前記蓄積性蛍光体シートキャリアを把持して、前記キャリア集積部において、前記搬送ベルトによって支持された前記生化学解析用ユニットキャリア上に、重ね合わせて、前記生化学解析用ユニットキャリアと前記蓄積性蛍光体シートキャリアのキャリア集積体を形成する蓄積性蛍光体シートキャリア把持部材を備え、前記搬送ベルトが、前記キャリア集積体を、前記スタッカ内に送り込むように構成されている。
【0049】
本発明において、好ましくは、前記生化学解析用ユニットキャリアに、少なくとも2つの位置合わせ用貫通孔が形成され、前記蓄積性蛍光体シートキャリアに、前記生化学解析用ユニットに形成された前記少なくとも2つの位置合わせ用貫通孔に対応して、少なくとも2つの位置合わせ用ピンが形成されている。
【0050】
本発明において、好ましくは、前記露光装置が、前記キャリア集積体を、その上面で支持可能で、昇降可能な昇降板を備え、さらに、前記スタッカに形成された対向する一対の開口部の一方を介して、前記スタッカ内に進退し、前記スタッカ内に保持された最下の前記キャリア集積体を、前記スタッカに形成された前記一対の開口部の他方を介して、キャリア剥離部に送り出すキャリア排出部材を備えている。
【0051】
本発明において、好ましくは、前記露光装置の前記スタッカが、前記キャリア集積体を、その上面で支持可能で、昇降可能な昇降板を備えている。
【0052】
本発明において、好ましくは、前記スキャナ装置が、前記蓄積性蛍光体シートキャリアに固定されている前記複数の蓄積性蛍光体シートの枚数に等しい数のスキャナを備え前記複数のスキャナが、前記サンプルステージにセットされるべき前記蓄積性蛍光体シートキャリアに固定されている前記複数の蓄積性蛍光体シートに対向する位置に配置されている。
【0053】
本発明において、好ましくは、前記スキャナ装置が、前記蓄積性蛍光体シートキャリアに、マトリックス状に固定されている前記複数の蓄積性蛍光体シートの行数に等しい数の複数のスキャナを備え、前記複数のスキャナが、前記サンプルステージにセットされるべき前記蓄積性蛍光体シートキャリアに、マトリックス状に固定されている前記複数の蓄積性蛍光体シートのうち、1行の前記蓄積性蛍光体シートに対向する位置に配置され、前記走査機構によって、前記サンプルステージと前記複数のスキャナとが、副走査方向に移動されることによって、前記複数のスキャナが、前記蓄積性蛍光体シートキャリアに、マトリックス状に固定されている隣り合う行の前記蓄積性蛍光体シートに対向可能に構成されている。
【0054】
本発明において、好ましくは、前記スキャナ装置が、前記蓄積性蛍光体シートキャリアに、マトリックス状に固定されている前記複数の蓄積性蛍光体シートの列数に等しい数の複数のスキャナを備え、前記複数のスキャナが、前記サンプルステージにセットされるべき前記蓄積性蛍光体シートキャリアに、マトリックス状に固定されている前記複数の蓄積性蛍光体シートのうち、1列の前記蓄積性蛍光体シートに対向する位置に配置され、前記走査機構によって、前記サンプルステージと前記複数のスキャナとが、副走査方向に移動されることによって、前記複数のスキャナが、前記蓄積性蛍光体シートキャリアに、マトリックス状に固定されている隣り合う列の前記蓄積性蛍光体シートに対向可能に構成されている。
【0055】
本発明において、好ましくは、前記スキャナ装置の前記サンプルステージに、前記蓄積性蛍光体シートキャリアに形成された前記少なくとも2つの位置合わせ用ピンに対応して、少なくとも2つの位置合わせ用貫通孔が形成されている。
【0056】
本発明において、好ましくは、前記第2のスキャナ装置が、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされている前記複数の生化学解析用ユニットの枚数に等しい数のスキャナを備え前記複数のスキャナが、前記サンプルステージにセットされるべき前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされている前記複数の生化学解析用ユニットに対向する位置に配置されている。
【0057】
本発明において、好ましくは、前記第2のスキャナ装置が、前記生化学解析用ユニットキャリアに、マトリックス状にセットされている前記複数の生化学解析用ユニットの行数に等しい数の複数のスキャナを備え、前記複数のスキャナが、前記サンプルステージにセットされるべき前記生化学解析用ユニットキャリアに、マトリックス状にセットされている前記複数の生化学解析用ユニットのうち、1行の前記生化学解析用ユニットに対向する位置に配置され、前記走査機構によって、前記サンプルステージと前記複数のスキャナとが、副走査方向に移動されることによって、前記複数のスキャナが、前記生化学解析用ユニットキャリアに、マトリックス状にセットされている隣り合う行の前記生化学解析用ユニットに対向可能に構成されている。
【0058】
本発明において、好ましくは、前記第2のスキャナ装置が、前記生化学解析用ユニットキャリアに、マトリックス状にセットされている前記複数の生化学解析用ユニットの列数に等しい数の複数のスキャナを備え、前記複数のスキャナが、前記サンプルステージにセットされるべき前記生化学解析用ユニットキャリアに、マトリックス状にセットされている前記複数の生化学解析用ユニットのうち、1列の前記生化学解析用ユニットに対向する位置に配置され、前記走査機構によって、前記サンプルステージと前記複数のスキャナとが、副走査方向に移動されることによって、前記複数のスキャナが、前記生化学解析用ユニットキャリアに、マトリックス状にセットされている隣り合う列の前記生化学解析用ユニットに対向可能に構成されている。
【0059】
本発明において、好ましくは、前記第2のスキャナ装置の前記サンプルステージに、前記生化学解析用ユニットキャリアに形成された前記少なくとも2つの位置合わせ用貫通孔に対応して、少なくとも2つの位置合わせ用ピンが形成されている。
【0060】
本発明において、好ましくは、前記データ読み取り装置が、前記サンプルステージにセットされた前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされている前記複数の生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域に、化学発光基質を含む溶液を供給する化学発光基質供給手段を備えている。
【0061】
化学発光は、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に含まれている特異的結合物質に結合された生体由来の物質を標識している標識物質に、化学発光基質が接触されて、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域から放出されるものであるため、経時的に、化学発光基質が消費され、特異的結合物質に、多量の生体由来の物質が結合されている吸着性領域においては、化学発光の放出にあたって、多量の化学発光基質が消費されて、化学発光基質を補給しないときは、経時的に、化学発光基質が枯渇し、放出される化学発光の強度が急激に低下し、化学発光を光電的に検出して、生成された生化学解析用データの定量性が著しく悪化するが、データ読み取り装置をこのように構成した場合には、データ読み取り装置のサンプルステージにセットされた生化学解析用ユニットキャリアにセットされている前記複数の生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に、化学発光基質を含む溶液を供給する化学発光基質供給手段を備えているから、特異的結合物質に、多量の生体由来の物質が結合されている吸着性領域において、経時的に、化学発光基質が枯渇することが確実に防止され、したがって、生化学解析用ユニットの多数の吸着性領域から放出される化学発光を光電的に検出することによって、定量性に優れた生化学解析用データを生成することが可能になる。
【0062】
本発明において、好ましくは、前記データ読み取り装置の前記サンプルステージに、前記生化学解析用ユニットキャリアに形成された前記少なくとも2つの位置合わせ用貫通孔に対応して、少なくとも2つの位置合わせ用ピンが形成されている。
【0063】
本発明において、好ましくは、前記第2のスキャナ装置の前記キャリア搬送手段が、前記生化学解析用ユニットキャリアを、前記キャリア剥離部から、前記第2のスキャナ装置の前記サンプルステージに搬送可能に構成されている。
【0064】
本発明において、好ましくは、前記データ読み取り装置の前記キャリア搬送手段が、前記生化学解析用ユニットキャリアを、前記キャリア剥離部から、前記データ読み取り装置の前記サンプルステージに搬送可能に構成されている。
【0065】
本発明において、好ましくは、生化学解析システムは、さらに、生化学解析用ユニットキャリアを回収する生化学解析用ユニットキャリア回収ボックスを備え、前記第2のスキャナ装置の前記キャリア搬送手段が、前記生化学解析用ユニットキャリアを、前記第2のスキャナ装置の前記サンプルステージから、前記生化学解析用ユニットキャリアに搬送可能に構成されている。
【0066】
本発明において、好ましくは、生化学解析システムは、さらに、生化学解析用ユニットキャリアを回収する生化学解析用ユニットキャリア回収ボックスを備え、前記データ読み取り装置の前記キャリア搬送手段が、前記生化学解析用ユニットキャリアを、前記データ読み取り装置の前記サンプルステージから、前記生化学解析用ユニットキャリアに搬送可能に構成されている。
【0067】
本発明において、好ましくは、生化学解析システムは、さらに、前記蓄積性蛍光体シートキャリアを回収する蓄積性蛍光体シートキャリア回収ボックスを備え、前記スキャナ装置の前記キャリア搬送手段が、前記蓄積性蛍光体シートキャリアを、前記スキャナ装置の前記サンプルステージから、前記前記蓄積性蛍光体シートキャリアに搬送可能に構成されている。
【0070】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、生化学解析用ユニットが、複数の貫通孔が、互いに離間して形成された基板を備え、複数の吸着性領域が、基板に形成された複数の貫通孔に、吸着性材料が充填されて、形成されているから、反応溶液を、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域のみを横切って、選択的に供給することができ、したがって、生化学解析用ユニットの吸着性領域内における標識物質の移動速度を大幅に増大させることができるから、ハイブリダイゼーション反応などのリガンド・リセプター反応の反応速度を大幅に向上させることが可能になり、さらには、標識物質が、生化学解析用ユニットの吸着性領域の深い部分に含まれている特異的結合物質と出会う確率を大幅に増大させることができるから、所望のように、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域を、標識物質によって、標識することが可能になる。
【0071】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記生化学解析用ユニットが、複数の貫通孔が、互いに離間して形成された基板を備え、前記複数の吸着性領域が、前記基板に形成された前記複数の貫通孔に、吸着性材料が埋め込まれて、形成されている。
【0072】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、生化学解析用ユニットが、複数の貫通孔が、互いに離間して形成された基板を備え、複数の吸着性領域が、基板に形成された複数の貫通孔に、吸着性材料が埋め込まれて、形成されているから、反応溶液を、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域のみを横切って、選択的に供給することができ、したがって、生化学解析用ユニットの吸着性領域内における標識物質の移動速度を大幅に増大させることができるから、ハイブリダイゼーション反応などのリガンド・リセプター反応の反応速度を大幅に向上させることが可能になり、さらには、標識物質が、生化学解析用ユニットの吸着性領域の深い部分に含まれている特異的結合物質と出会う確率を大幅に増大させることができるから、所望のように、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域を、標識物質によって、標識することが可能になる。
【0073】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記生化学解析用ユニットが、複数の貫通孔が、互いに離間して形成された基板を備え、前記複数の吸着性領域が、前記基板に形成された前記複数の貫通孔に、吸着性材料を含む吸着性膜が圧入まれて、形成されている。
【0074】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、生化学解析用ユニットが、複数の貫通孔が、互いに離間して形成された基板を備え、複数の吸着性領域が、基板に形成された複数の貫通孔に、吸着性材料を含む吸着性膜が圧入まれて、形成されているから、反応溶液を、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域のみを横切って、選択的に供給することができ、したがって、生化学解析用ユニットの吸着性領域内における標識物質の移動速度を大幅に増大させることができるから、ハイブリダイゼーション反応などのリガンド・リセプター反応の反応速度を大幅に向上させることが可能になり、さらには、標識物質が、生化学解析用ユニットの吸着性領域の深い部分に含まれている特異的結合物質と出会う確率を大幅に増大させることができるから、所望のように、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域を、標識物質によって、標識することが可能になる。
【0075】
本発明の別の好ましい実施態様においては、前記生化学解析用ユニットが、複数の凹部が、互いに離間して形成された基板を備え、前記複数の吸着性領域が、前記凹部に形成された前記複数の貫通孔に、吸着性材料が埋め込まれて、形成されている。
【0076】
本発明の好ましい実施態様においては、前記生化学解析用ユニットに、10以上の吸着性領域が形成されている。
【0077】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記生化学解析用ユニットに、50以上の吸着性領域が形成されている。
【0078】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記生化学解析用ユニットに、100以上の吸着性領域が形成されている。
【0079】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記生化学解析用ユニットに、500以上の吸着性領域が形成されている。
【0080】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記生化学解析用ユニットに、1000以上の吸着性領域が形成されている。
【0081】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記生化学解析用ユニットに、5000以上の吸着性領域が形成されている。
【0082】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記生化学解析用ユニットに、10000以上の吸着性領域が形成されている。
【0083】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記生化学解析用ユニットに、50000以上の吸着性領域が形成されている。
【0084】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記生化学解析用ユニットに、100000以上の吸着性領域が形成されている。
【0085】
本発明の好ましい実施態様においては、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域が、それぞれ、5平方ミリメートル未満のサイズを有している。
【0086】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域が、それぞれ、1平方ミリメートル未満のサイズを有している。
【0087】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域が、それぞれ、0.5平方ミリメートル未満のサイズを有している。
【0088】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域が、それぞれ、0.1平方ミリメートル未満のサイズを有している。
【0089】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域が、それぞれ、0.05平方ミリメートル未満のサイズを有している。
【0090】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域が、それぞれ、0.01平方ミリメートル未満のサイズを有している。
【0091】
本発明の好ましい実施態様においては、前記生化学解析用ユニットに、前記複数の吸着性領域が、10個/平方センチメートル以上の密度で形成されている。
【0092】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記生化学解析用ユニットに、前記複数の吸着性領域が、50個/平方センチメートル以上の密度で形成されている。
【0093】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記生化学解析用ユニットに、前記複数の吸着性領域が、100個/平方センチメートル以上の密度で形成されている。
【0094】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記生化学解析用ユニットに、前記複数の吸着性領域が、500個/平方センチメートル以上の密度で形成されている。
【0095】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記生化学解析用ユニットに、前記複数の吸着性領域が、1000個/平方センチメートル以上の密度で形成されている。
【0096】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記生化学解析用ユニットに、前記複数の吸着性領域が、5000個/平方センチメートル以上の密度で形成されている。
【0097】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記生化学解析用ユニットに、前記複数の吸着性領域が、10000個/平方センチメートル以上の密度で形成されている。
【0098】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記生化学解析用ユニットに、前記複数の吸着性領域が、50000個/平方センチメートル以上の密度で形成されている。
【0099】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記生化学解析用ユニットに、前記複数の吸着性領域が、100000個/平方センチメートル以上の密度で形成されている。
【0100】
本発明の好ましい実施態様においては、前記生化学解析用ユニットに、前記複数の吸着性領域が、規則的なパターンで形成されている。
【0101】
本発明の好ましい実施態様においては、前記生化学解析用ユニットの前記基板に、前記複数の貫通孔が、それぞれ、略円形に形成されている。
【0102】
本発明において、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域が、基板に形成された複数の孔に、吸着性材料が充填されて、形成されている場合には、好ましくは、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、放射線エネルギーを減衰させる性質を有している。
【0103】
本発明の好ましい実施態様によれば、生化学解析用ユニットの基板が、放射線を減衰させる性質を有しているから、生化学解析用ユニットに、吸着性領域を高密度に形成し、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に含まれた特異的結合物質に、放射性標識物質によって標識された生体由来の物質を、ハイブリダイズさせて、選択的に標識し、生化学解析用ユニットと輝尽性蛍光体層が形成された蓄積性蛍光体シートとを重ね合わせて、複数の吸着性領域に選択的に含まれた放射性標識物質によって、蓄積性蛍光体シートの支持体に形成された輝尽性蛍光体層を露光し、蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層に放射線データを記録する場合にも、各吸着性領域に含まれている放射性標識物質から放出された電子線(β線)が、生化学解析用ユニットの基板内で散乱することを効果的に防止することができ、したがって、各吸着性領域に含まれている放射性標識物質から放出された電子線(β線)を、対応する輝尽性蛍光体層の領域に、選択的に入射させて、対応する輝尽性蛍光体層の領域のみを露光することが可能になるから、放射性標識物質によって露光された輝尽性蛍光体層を、励起光によって走査し、輝尽性蛍光体層から放出された輝尽光を光電的に検出することによって、高い分解能で、定量性に優れた生化学解析用のデータを生成することが可能になる。
【0104】
本発明の好ましい実施態様においては、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が前記基板中を透過したときに、放射線のエネルギーを、1/5以下に減衰させる性質を有している。
【0105】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が前記基板中を透過したときに、放射線のエネルギーを、1/10以下に減衰させる性質を有している。
【0106】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が前記基板中を透過したときに、放射線のエネルギーを、1/50以下に減衰させる性質を有している。
【0107】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が前記基板中を透過したときに、放射線のエネルギーを、1/100以下に減衰させる性質を有している。
【0108】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が前記基板中を透過したときに、放射線のエネルギーを、1/500以下に減衰させる性質を有している。
【0109】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が前記基板中を透過したときに、放射線のエネルギーを、1/1000以下に減衰させる性質を有している。
【0110】
本発明において、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域が、基板に形成された複数の孔に、吸着性材料が充填されて、形成されている場合には、好ましくは、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、光エネルギーを減衰させる性質を有している。
【0111】
本発明の好ましい実施態様によれば、生化学解析用ユニットの基板が、光エネルギーを減衰させる性質を有しているから、生化学解析用ユニットの基板に、吸着性領域を高密度に形成し、複数の吸着性領域に含まれた特異的結合物質に、蛍光物質や化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせる標識物質などによって標識された生体由来の物質を、選択的に、結合させた場合にも、多数の吸着性領域から放出される蛍光や化学発光が、基板内で散乱して、隣り合う吸着性領域から放出された蛍光や化学発光と混ざり合うことを効果的に防止することが可能になり、したがって、蛍光や化学発光を光電的に検出して、定量性に優れた生化学解析用データを生成することが可能になる。
【0112】
本発明の好ましい実施態様においては、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、光が前記基板中を透過したときに、光のエネルギーを、1/5以下に減衰させる性質を有している。
【0113】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、光が前記基板中を透過したときに、光のエネルギーを、1/10以下に減衰させる性質を有している。
【0114】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、光が前記基板中を透過したときに、光のエネルギーを、1/50以下に減衰させる性質を有している。
【0115】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、光が前記基板中を透過したときに、光のエネルギーを、1/100以下に減衰させる性質を有している。
【0116】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、光が前記基板中を透過したときに、光のエネルギーを、1/500以下に減衰させる性質を有している。
【0117】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記生化学解析用ユニットの前記基板が、隣り合う前記吸着性領域の間の距離に等しい距離だけ、光が前記基板中を透過したときに、光のエネルギーを、1/1000以下に減衰させる性質を有している。
【0118】
本発明において、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域が、基板に形成された複数の孔に、吸着性材料が充填されて、形成されている場合には、生化学解析用ユニットの基板を形成するための材料は、放射線および/または光を減衰させる性質を有していることが好ましいが、とくに限定されるものではなく、無機化合物材料、有機化合物材料のいずれをも使用することができ、金属材料、セラミック材料またはプラスチック材料が、好ましく使用される。
【0119】
本発明において、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域が、基板に形成された複数の孔に、吸着性材料が充填されて、形成されている場合に、生化学解析用ユニットの基板を形成するために好ましく使用することのできる無機化合物材料としては、たとえば、金、銀、銅、亜鉛、アルミニウム、チタン、タンタル、クロム、鉄、ニッケル、コバルト、鉛、錫、セレンなどの金属;真鍮、ステンレス、青銅などの合金;シリコン、アモルファスシリコン、ガラス、石英、炭化ケイ素、窒化ケイ素などの珪素材料;酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウムなどの金属酸化物;タングステンカーバイト、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、砒化ガリウムなどの無機塩を挙げることができる。これらは、単結晶、アモルファス、セラミックのような多結晶焼結体にいずれの構造を有していてもよい。
【0120】
本発明において、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域が、基板に形成された複数の孔に、吸着性材料が充填されて、形成されている場合に、生化学解析用ユニットの基板を形成するために使用可能な有機化合物材料としては、高分子化合物が好ましく用いられ、好ましく使用することのできる高分子化合物としては、たとえば、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン;ポリメチルメタクリレート、ブチルアクリレート/メチルメタクリレート共重合体などのアクリル樹脂;ポリアクリロニトリル;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポリフッ化ビニリデン;ポリテトラフルオロエチレン;ポリクロロトリフルオロエチレン;ポリカーボネート;ポリエチレンナフタレートやポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル;ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン4,10などのナイロン;ポリイミド;ポリスルホン;ポリフェニレンサルファイド;ポリジフェニルシロキサンなどのケイ素樹脂;ノボラックなどのフェノール樹脂;エポキシ樹脂;ポリウレタン;ポリスチレン;ブタジエン−スチレン共重合体;セルロース、酢酸セルロース、ニトロセルロース、でん粉、アルギン酸カルシウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの多糖類;キチン;キトサン;ウルシ;ゼラチン、コラーゲン、ケラチンなどのポリアミドおよびこれら高分子化合物の共重合体などを挙げることができる。これらは、複合材料でもよく、必要に応じて、金属酸化物粒子やガラス繊維などを充填することもでき、また、有機化合物材料をブレンドして、使用することもできる。
【0121】
一般に、比重が大きいほど、放射線の減衰能が高くなるので、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域が、基板に形成された複数の孔に、吸着性材料が充填されて、形成されている場合には、生化学解析用ユニットの基板は、比重1.0g/cm以上の化合物材料または複合材料によって形成されることが好ましく、比重が1.5g/cm以上、23g/cm以下の化合物材料または複合材料によって形成されることが、とくに好ましい。
【0122】
また、一般に、光の散乱および/または吸収が大きいほど、光の減衰能が高くなるので、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域が、基板に形成された複数の孔に、吸着性材料が充填されて、形成されている場合には、生化学解析用ユニットの基板は、厚さ1cmあたりの吸光度が0.3以上であることが好ましく、厚さ1cmあたりの吸光度が1以上であれば、さらに好ましい。ここに、吸光度は、厚さTcmの板状体の直後に、積分球を置き、計測に利用するプローブ光またはエミッション光の波長における透過光量Aを分光光度計によって測定し、A/Tを算出することによって、求められる。光減衰能を向上させるために、光散乱体や光吸収体を、生化学解析用ユニットの基板に含有させることもできる。光散乱体としては、生化学解析用ユニットの基板を形成している材料と異なる材料の微粒子が用いられ、光吸収体としては、顔料または染料が用いられる。
【0123】
本発明の別の好ましい実施態様においては、前記生化学解析用ユニットが、吸着性基板を備え、前記複数の吸着性領域が、前記吸着性基板の互いに離間した位置に、特異的結合物質を含有させて、形成されている。
【0124】
本発明において、生化学解析用ユニットの吸着性領域あるいは吸着性基板を形成するための吸着性材料としては、多孔質材料あるいは繊維材料が好ましく使用される。多孔質材料と繊維材料とを併用して、吸着性領域あるいは吸着性基板を形成することもできる。
【0125】
本発明において、生化学解析用ユニットの吸着性領域あるいは吸着性基板を形成するために使用される多孔質材料は、有機材料、無機材料のいずれでもよく、有機/無機複合体でもよい。
【0126】
本発明において、生化学解析用ユニットの吸着性領域あるいは吸着性基板を形成するために使用される有機多孔質材料は、とくに限定されるものではないが、活性炭などの炭素材料あるいはメンブレンフィルタを形成可能な材料が、好ましく用いられる。具体的には、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン4,10などのナイロン類;ニトロセルロース、酢酸セルロース、酪酸酢酸セルロースなどのセルロース誘導体;コラーゲン;アルギン酸、アルギン酸カルシウム、アルギン酸/ポリリシンポリイオンコンプレックスなどのアルギン酸類;ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン類;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオライドなどのポリフルオライドや、これらの共重合体または複合体が挙げられる。
【0127】
本発明において、生化学解析用ユニットの吸着性領域あるいは吸着性基板を形成するために使用される無機多孔質材料は、とくに限定されるものではないが、好ましくは、たとえば、白金、金、鉄、銀、ニッケル、アルミニウムなどの金属;アルミナ、シリカ、チタニア、ゼオライトなどの金属酸化物;ヒドロキシアパタイト、硫酸カルシウムなどの金属塩やこれらの複合体などが挙げられる。
【0128】
本発明において、生化学解析用ユニットの吸着性領域あるいは吸着性基板を形成するために使用される繊維材料は、とくに限定されるものではないが、好ましくは、たとえば、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン4,10などのナイロン類、ニトロセルロース、酢酸セルロース、酪酸酢酸セルロースなどのセルロース誘導体などが挙げられる。
【0129】
本発明において、生化学解析用ユニットの吸着性領域は、電解処理、プラズマ処理、アーク放電などの酸化処理;シランカップリング剤、チタンカップリング剤などを用いたプライマー処理;界面活性剤処理などの表面処理によって形成することもできる。
【0130】
本発明の好ましい実施態様においては、蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層が、互いに離間して、支持体に形成された複数の輝尽性蛍光体層領域によって、構成され、前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、前記生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域と同一のパターンによって、形成されている。
【0131】
本発明の好ましい実施態様によれば、蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層が、互いに離間して、支持体に形成された複数の輝尽性蛍光体層領域によって、構成され、複数の輝尽性蛍光体層領域が、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域と同一のパターンによって、形成されているから、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域と、蓄積性蛍光体シートの複数の輝尽性蛍光体層領域とが対向するように、生化学解析用ユニットと蓄積性蛍光体シートとを密着させて、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に選択的に含まれている放射性標識物質によって、蓄積性蛍光体シートの複数の輝尽性蛍光体層領域に含まれている輝尽性蛍光体を、選択的に露光することが可能になり、したがって、蓄積性蛍光体シートの複数の輝尽性蛍光体層領域を、励起光によって、走査して、蓄積性蛍光体シートの複数の輝尽性蛍光体層領域から放出された輝尽光を検出して得た生化学解析用データ中に、ノイズが生成されることを効果的に防止することができ、定量性に優れた生化学解析用データを生成することが可能になる。
【0132】
本発明の好ましい実施態様においては、蓄積性蛍光体シートの複数の輝尽性蛍光体層領域が、支持体に形成された複数の孔内に、輝尽性蛍光体が充填されて、形成されている。
【0133】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、蓄積性蛍光体シートの複数の輝尽性蛍光体層領域が、支持体に形成された複数の貫通孔内に、輝尽性蛍光体が充填されて、形成されている。
【0134】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、蓄積性蛍光体シートの複数の輝尽性蛍光体層領域が、支持体に形成された複数の貫通孔内に、輝尽性蛍光体が埋め込まれて、形成されている。
【0135】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、蓄積性蛍光体シートの複数の輝尽性蛍光体層領域が、支持体に形成された複数の貫通孔内に、輝尽性蛍光体を含む輝尽性蛍光体膜が圧入されて、形成されている。
【0136】
本発明の別の好ましい実施態様においては、蓄積性蛍光体シートの複数の輝尽性蛍光体層領域が、支持体に形成された複数の凹部内に、輝尽性蛍光体が充填されて、形成されている。
【0137】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、蓄積性蛍光体シートの複数の輝尽性蛍光体層領域が、支持体に形成された複数の凹部内に、輝尽性蛍光体が埋め込まれて、形成されている。
【0138】
本発明の好ましい実施態様においては、前記蓄積性蛍光体シートに、10以上の輝尽性蛍光体層領域が形成されている。
【0139】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記蓄積性蛍光体シートに、50以上の輝尽性蛍光体層領域が形成されている。
【0140】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記蓄積性蛍光体シートに、100以上の輝尽性蛍光体層領域が形成されている。
【0141】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記蓄積性蛍光体シートに、500以上の輝尽性蛍光体層領域が形成されている。
【0142】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記蓄積性蛍光体シートに、1000以上の輝尽性蛍光体層領域が形成されている。
【0143】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記蓄積性蛍光体シートに、5000以上の輝尽性蛍光体層領域が形成されている。
【0144】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記蓄積性蛍光体シートに、10000以上の輝尽性蛍光体層領域が形成されている。
【0145】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記蓄積性蛍光体シートに、50000以上の輝尽性蛍光体層領域が形成されている。
【0146】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記蓄積性蛍光体シートに、100000以上の輝尽性蛍光体層領域が形成されている。
【0147】
本発明の好ましい実施態様においては、前記蓄積性蛍光体シートの前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、それぞれ、5平方ミリメートル未満のサイズを有している。
【0148】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記蓄積性蛍光体シートの前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、それぞれ、1平方ミリメートル未満のサイズを有している。
【0149】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記蓄積性蛍光体シートの前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、それぞれ、0.5平方ミリメートル未満のサイズを有している。
【0150】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記蓄積性蛍光体シートの前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、それぞれ、0.1平方ミリメートル未満のサイズを有している。
【0151】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記蓄積性蛍光体シートの前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、それぞれ、0.05平方ミリメートル未満のサイズを有している。
【0152】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記蓄積性蛍光体シートの前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、それぞれ、0.01平方ミリメートル未満のサイズを有している。
【0153】
本発明の好ましい実施態様においては、前記蓄積性蛍光体シートに、前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、10個/平方センチメートル以上の密度で形成されている。
【0154】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記蓄積性蛍光体シートに、前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、50個/平方センチメートル以上の密度で形成されている。
【0155】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記蓄積性蛍光体シートに、前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、100個/平方センチメートル以上の密度で形成されている。
【0156】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記蓄積性蛍光体シートに、前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、500個/平方センチメートル以上の密度で形成されている。
【0157】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記蓄積性蛍光体シートに、前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、1000個/平方センチメートル以上の密度で形成されている。
【0158】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記蓄積性蛍光体シートに、前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、5000個/平方センチメートル以上の密度で形成されている。
【0159】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記蓄積性蛍光体シートに、前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、10000個/平方センチメートル以上の密度で形成されている。
【0160】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記蓄積性蛍光体シートに、前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、50000個/平方センチメートル以上の密度で形成されている。
【0161】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記蓄積性蛍光体シートに、前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、100000個/平方センチメートル以上の密度で形成されている。
【0162】
本発明の好ましい実施態様においては、前記蓄積性蛍光体シートに、前記複数の輝尽性蛍光体層領域が、規則的なパターンで形成されている。
【0163】
本発明の好ましい実施態様においては、前記蓄積性蛍光体シートの前記基板に、前記複数の貫通孔が、それぞれ、略円形に形成されている。
【0164】
本発明の好ましい実施態様においては、蓄積性蛍光体シートに、複数の輝尽性蛍光体層領域が形成されている場合には、蓄積性蛍光体シートの支持体が、放射線エネルギーを減衰させる性質を有している。
【0165】
本発明の好ましい実施態様によれば、生化学解析用ユニットに、互いに離間して、形成された複数の吸着性領域に、放射線データを記録し、生化学解析用ユニットと、蓄積性蛍光体シートの複数の輝尽性蛍光体層領域を密着させて、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に選択的に含まれている放射性標識物質によって、蓄積性蛍光体シートの複数の輝尽性蛍光体層領域に含まれている輝尽性蛍光体を露光する場合、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域と同じパターンで、蓄積性蛍光体シートに複数の輝尽性蛍光体層領域を形成し、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域と、蓄積性蛍光体シートの対応する輝尽性蛍光体層領域とが対向するように、生化学解析用ユニットと蓄積性蛍光体シートとを密着させて、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に選択的に含まれている放射性標識物質によって、蓄積性蛍光体シートの複数の輝尽性蛍光体層領域に含まれている輝尽性蛍光体を露光することによって、生化学解析用ユニットの吸着性領域に選択的に含まれている放射性標識物質から放出された電子線(β線)が、その吸着性領域に対向する輝尽性蛍光体層領域以外の輝尽性蛍光体層領域に入射することを効果的に防止することができ、生化学解析用ユニットの吸着性領域に選択的に含まれている放射性標識物質から放出された電子線(β線)によって、その吸着性領域に対向する輝尽性蛍光体層領域に含まれている輝尽性蛍光体を選択的に露光することが可能になり、したがって、蓄積性蛍光体シートの露光された複数の輝尽性蛍光体層領域を励起光によって走査し、複数の輝尽性蛍光体層領域から放出された輝尽光を光電的に検出することによって、高い分解能で、定量性に優れた生化学解析用のデータを生成することが可能になる。
【0166】
本発明の好ましい実施態様においては、蓄積性蛍光体シートに、複数の輝尽性蛍光体層領域が形成されている場合には、蓄積性蛍光体シートの支持体が、隣り合う輝尽性蛍光体層領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が前記支持体中を透過したときに、放射線のエネルギーを、1/5以下に減衰させる性質を有する材料によって形成されている。
【0167】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、蓄積性蛍光体シートに、複数の輝尽性蛍光体層領域が形成されている場合には、蓄積性蛍光体シートの支持体が、隣り合う輝尽性蛍光体層領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が前記支持体中を透過したときに、放射線のエネルギーを、1/10以下に減衰させる性質を有する材料によって形成されている。
【0168】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、蓄積性蛍光体シートに、複数の輝尽性蛍光体層領域が形成されている場合には、蓄積性蛍光体シートの支持体が、隣り合う輝尽性蛍光体層領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が前記支持体中を透過したときに、放射線のエネルギーを、1/50以下に減衰させ性質を有する材料によって形成されている。
【0169】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、蓄積性蛍光体シートに、複数の輝尽性蛍光体層領域が形成されている場合には、蓄積性蛍光体シートの支持体が、隣り合う輝尽性蛍光体層領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が前記支持体中を透過したときに、放射線のエネルギーを、1/100以下に減衰させる性質を有する材料によって形成されている。
【0170】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、蓄積性蛍光体シートに、複数の輝尽性蛍光体層領域が形成されている場合には、蓄積性蛍光体シートの支持体が、隣り合う輝尽性蛍光体層領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が前記支持体中を透過したときに、放射線のエネルギーを、1/500以下に減衰させる性質を有する材料によって形成されている。
【0171】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、蓄積性蛍光体シートに、複数の輝尽性蛍光体層領域が形成されている場合には、蓄積性蛍光体シートの支持体が、隣り合う輝尽性蛍光体層領域の間の距離に等しい距離だけ、放射線が前記支持体中を透過したときに、放射線のエネルギーを、1/1000以下に減衰させる性質を有する材料によって形成されている。
【0172】
本発明の好ましい実施態様においては、蓄積性蛍光体シートに、複数の輝尽性蛍光体層領域が形成されている場合には、蓄積性蛍光体シートの支持体が、光エネルギーを減衰させる性質を有している。
【0173】
本発明の好ましい実施態様によれば、生化学解析用ユニットに、互いに離間して、形成された複数の吸着性領域に、化学発光データを記録し、さらに、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域に、化学発光基質を含む溶液を供給して、選択的に、化学発光を放出させ、複数の吸着性領域から化学発光が放出されている生化学解析用ユニットと、蓄積性蛍光体シートの複数の輝尽性蛍光体層領域を密着させて、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域から、選択的に、放出された化学発光によって、蓄積性蛍光体シートの複数の輝尽性蛍光体層領域に含まれている輝尽性蛍光体を露光する場合、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域と同じパターンで、蓄積性蛍光体シートに複数の輝尽性蛍光体層領域を形成し、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域と、蓄積性蛍光体シートの対応する輝尽性蛍光体層領域とが対向するように、生化学解析用ユニットと蓄積性蛍光体シートとを密着させて、生化学解析用ユニットの複数の吸着性領域から、選択的に、放出される化学発光によって、蓄積性蛍光体シートの複数の輝尽性蛍光体層領域に含まれている輝尽性蛍光体を露光することによって、生化学解析用ユニットの吸着性領域から、選択的に、放出される化学発光が、その吸着性領域に対向する輝尽性蛍光体層領域以外の輝尽性蛍光体層領域に入射することを効果的に防止することができ、生化学解析用ユニットの吸着性領域から、選択的に、放出される化学発光によって、その吸着性領域に対向する輝尽性蛍光体層領域に含まれている輝尽性蛍光体を選択的に露光することが可能になり、したがって、蓄積性蛍光体シートの露光された複数の輝尽性蛍光体層領域を励起光によって走査し、複数の輝尽性蛍光体層領域から放出された輝尽光を光電的に検出することによって、高い分解能で、定量性に優れた生化学解析用のデータを生成することが可能になる。
【0174】
本発明の好ましい実施態様においては、蓄積性蛍光体シートに、複数の輝尽性蛍光体層領域が形成されている場合には、蓄積性蛍光体シートの支持体が、隣り合う輝尽性蛍光体層領域の間の距離に等しい距離だけ、光が前記支持体中を透過したときに、光のエネルギーを、1/5以下に減衰させる性質を有する材料によって形成されている。
【0175】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、蓄積性蛍光体シートに、複数の輝尽性蛍光体層領域が形成されている場合には、蓄積性蛍光体シートの支持体が、隣り合う輝尽性蛍光体層領域の間の距離に等しい距離だけ、光が前記支持体中を透過したときに、光のエネルギーを、1/10以下に減衰させる性質を有する材料によって形成されている。
【0176】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、蓄積性蛍光体シートに、複数の輝尽性蛍光体層領域が形成されている場合には、蓄積性蛍光体シートの支持体が、隣り合う輝尽性蛍光体層領域の間の距離に等しい距離だけ、光が前記支持体中を透過したときに、光のエネルギーを、1/50以下に減衰させ性質を有する材料によって形成されている。
【0177】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、蓄積性蛍光体シートに、複数の輝尽性蛍光体層領域が形成されている場合には、蓄積性蛍光体シートの支持体が、隣り合う輝尽性蛍光体層領域の間の距離に等しい距離だけ、光が前記支持体中を透過したときに、光のエネルギーを、1/100以下に減衰させる性質を有する材料によって形成されている。
【0178】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、蓄積性蛍光体シートに、複数の輝尽性蛍光体層領域が形成されている場合には、蓄積性蛍光体シートの支持体が、隣り合う輝尽性蛍光体層領域の間の距離に等しい距離だけ、光が前記支持体中を透過したときに、光のエネルギーを、1/500以下に減衰させる性質を有する材料によって形成されている。
【0179】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、蓄積性蛍光体シートに、複数の輝尽性蛍光体層領域が形成されている場合には、蓄積性蛍光体シートの支持体が、隣り合う輝尽性蛍光体層領域の間の距離に等しい距離だけ、光が前記支持体中を透過したときに、光のエネルギーを、1/1000以下に減衰させる性質を有する材料によって形成されている。
【0180】
本発明において、蓄積性蛍光体シートに、複数の輝尽性蛍光体層領域を形成する場合には、蓄積性蛍光体シートの支持体は、放射線および/または光を減衰させる性質を有していることが好ましく、蓄積性蛍光体シートの支持体を形成するための材料としては、放射線および/または光を減衰させる性質を有するものであれば、とくに限定されるものではなく、無機化合物材料、有機化合物材料のいずれをも使用することができるが、金属材料、セラミック材料またはプラスチック材料が、とくに好ましい。
【0181】
本発明において、蓄積性蛍光体シートに、複数の輝尽性蛍光体層領域が形成されている場合に、蓄積性蛍光体シートの支持体を形成するために好ましく使用することのできる無機化合物材料としては、たとえば、金、銀、銅、亜鉛、アルミニウム、チタン、タンタル、クロム、鉄、ニッケル、コバルト、鉛、錫、セレンなどの金属;真鍮、ステンレス、青銅などの合金;シリコン、アモルファスシリコン、ガラス、石英、炭化ケイ素、窒化ケイ素などの珪素材料;酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウムなどの金属酸化物;タングステンカーバイト、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、砒化ガリウムなどの無機塩を挙げることができる。これらは、単結晶、アモルファス、セラミックのような多結晶焼結体にいずれの構造を有していてもよい。
【0182】
本発明において、蓄積性蛍光体シートに、複数の輝尽性蛍光体層領域が形成されている場合に、蓄積性蛍光体シートの支持体を形成するために好ましく使用することのできる有機化合物材料としては、高分子化合物が好ましく用いられ、たとえば、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン;ポリメチルメタクリレート、ブチルアクリレート/メチルメタクリレート共重合体などのアクリル樹脂;ポリアクリロニトリル;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポリフッ化ビニリデン;ポリテトラフルオロエチレン;ポリクロロトリフルオロエチレン;ポリカーボネート;ポリエチレンナフタレートやポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル;ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン4,10などのナイロン;ポリイミド;ポリスルホン;ポリフェニレンサルファイド;ポリジフェニルシロキサンなどのケイ素樹脂;ノボラックなどのフェノール樹脂;エポキシ樹脂;ポリウレタン;ポリスチレン;ブタジエン−スチレン共重合体;セルロース、酢酸セルロース、ニトロセルロース、でん粉、アルギン酸カルシウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの多糖類;キチン;キトサン;ウルシ;ゼラチン、コラーゲン、ケラチンなどのポリアミドおよびこれら高分子化合物の共重合体などを挙げることができる。これらは、複合材料でもよく、必要に応じて、金属酸化物粒子やガラス繊維などを充填することもでき、また、有機化合物材料をブレンドして、使用することもできる。
【0183】
一般に、比重が大きいほど、放射線の減衰能が高くなるので、蓄積性蛍光体シートに、複数の輝尽性蛍光体層領域が形成されている場合には、蓄積性蛍光体シートの支持体は、比重1.0g/cm以上の化合物材料または複合材料によって形成されることが好ましく、比重が1.5g/cm以上、23g/cm以下の化合物材料または複合材料によって形成されることが、とくに好ましい。
【0184】
また、一般に、光の散乱および/または吸収が大きいほど、光の減衰能が高くなるので、蓄積性蛍光体シートに、複数の輝尽性蛍光体層領域が形成されている場合には、蓄積性蛍光体シートの支持体は、厚さ1cmあたりの吸光度が0.3以上であることが好ましく、厚さ1cmあたりの吸光度が1以上であれば、さらに好ましい。ここに、吸光度は、厚さTcmの板状体の直後に、積分球を置き、計測に利用するプローブ光またはエミッション光の波長における透過光量Aを分光光度計によって測定し、A/Tを算出することによって、求められる。光減衰能を向上させるために、光散乱体や光吸収体を、蓄積性蛍光体シートの支持体に含有させることもできる。光散乱体としては、蓄積性蛍光体シートの支持体を形成している材料と異なる材料の微粒子が用いられ、光吸収体としては、顔料または染料が用いられる。
【0185】
本発明において、放射線データを記録するために使用される輝尽性蛍光体としては、放射線のエネルギーを蓄積可能で、電磁波によって励起され、蓄積している放射線のエネルギーを光の形で放出可能なものであればよく、とくに限定されるものではないが、可視光波長域の光により励起可能であるものが好ましい。具体的には、たとえば、米国特許第4,239,968号に開示されたアルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体(Ba1−xM2+x)FX:yA(ここに、M2+はMg、Ca、Sr、ZnおよびCdからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属元素、XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲン、AはEu、Tb、Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、Nd、YbおよびErからなる群より選ばれる少なくとも一種の3価金属元素、xは0≦x≦0.6、yは0≦y≦0.2である。)、特開平2−276997号公報に開示されたアルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体SrFX:Z(ここに、XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲン、ZはEuまたはCeである。)、特開昭59−56479号公報に開示されたユーロピウム付活複合ハロゲン物系蛍光体BaFX・xNaX’:aEu2+(ここに、XおよびX’はいずれも、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、xは0<x≦2、aは0<a≦0.2である。)、特開昭58−69281号公報に開示されたセリウム付活三価金属オキシハロゲン物系蛍光体であるMOX:xCe(ここに、MはPr、Nd、Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびBiからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属元素、XはBrおよびIのうちの一方あるいは双方、xは、0<x<0.1である。)、米国特許第4,539,137号に開示されたセリウム付活希土類オキシハロゲン物系蛍光体であるLnOX:xCe(ここに、LnはY、La、GdおよびLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素、XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲン、xは、0<x≦0.1である。)および米国特許第4,962,047号に開示されたユーロピウム付活複合ハロゲン物系蛍光体MIIFX・aMX’・bM’II''2・cMIII'''3 ・xA:yEu2+(ここに、MIIはBa、SrおよびCaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属元素、M はLi、Na、K、RbおよびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属元素、M' IIはBeおよびMgからなる群より選ばれる少なくとも一種の二価金属元素、MIIIはAl、Ga、InおよびTlからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属元素、Aは少なくとも一種の金属酸化物、XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲン、X’、X''およびX''' はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、aは、0≦a≦2、bは、0≦b≦10−2、cは、0≦c≦10−2で、かつ、a+b+c≧10−2であり、xは、0<x≦0.5で、yは、0<y≦0.2である。)が、好ましく使用し得る。
【0186】
また、本発明において、化学発光データを記録するために使用される輝尽性蛍光体は、可視光波長域の光のエネルギーを蓄積可能で、電磁波によって励起され、蓄積している光のエネルギーを、光の形で放出可能なものであればよく、とくに限定されるものではないが、可視光波長域の光により励起可能であるものが好ましい。具体的には、たとえば、金属ハロリン酸塩系蛍光体、希土類元素付活硫化物系蛍光体、アルミン酸塩系蛍光体、珪酸塩系蛍光体、フッ化物系蛍光体およびこれらの二または三以上の混合物からなる群より選ばれたものが、好ましく使用される。これらの中では、希土類元素付活硫化物系蛍光体が好ましく、とくに、米国特許第5,029,253号明細書、同第4,983,834号明細書に開示された希土類元素付活アルカリ土類金属硫化物系蛍光体、また、その他にも、特開2001−131545号公報に開示されたZnGeO:Mn,VおよびZnGeO:Mnなどのゲルマン酸亜鉛蛍光体、特開2001−123162号公報に開示されたSrAl1425:Ln(Lnは希土類)などのアルミン酸アルカリ土類蛍光体、Y0.8Lu1.2SiO:Ce,Zr、特公平6−31904号公報に開示されたGdOCl:Ceなどが好ましく使用される。
【0187】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて、本発明の好ましい実施態様につき、詳細に説明を加える。
【0188】
図1は、本発明の好ましい実施態様にかかる生化学解析システムに用いられる生化学解析用ユニットの略斜視図である。
【0189】
図1に示されるように、本実施態様にかかる生化学解析用ユニット1は、ステンレス鋼によって形成され、多数の略円形状の貫通孔3が高密度に形成された基板2を備えており、多数の貫通孔3の内部には、ナイロン6が充填されて、多数の吸着性領域4が、ドット状に形成されている。
【0190】
図1には正確に示されていないが、本実施態様においては、約0.07平方ミリメートルのサイズを有する略円形の貫通孔3が、120列×160行のマトリックス状に、規則的に、基板2に形成されており、したがって、合計19200の吸着性領域4が形成されている。吸着性領域4は、その表面が、基板2の表面と同じ高さに位置するように、多数の貫通孔3内に、ナイロン6が充填されて、形成されている。
【0191】
図1に示されるように、生化学解析用ユニット1の基板2には、さらに、2つの略円形の位置合わせ用貫通孔5、5が形成され、その生化学解析用ユニット1に固有のバーコード5aが印刷されている。
【0192】
図2は、生化学解析用ユニット1をセットする生化学解析用ユニットキャリアの略斜視図である。
【0193】
生化学解析用ユニットキャリア6は、ステンレス鋼によって形成され、図2に示されるように、生化学解析用ユニットキャリア6には、生化学解析用ユニット1をセットすべき所定の位置に、合計10個の略矩形状の貫通孔7が、2列×5行のマトリックス状に形成されており、各貫通孔7は、生化学解析用ユニット1を生化学解析用ユニットキャリア6にセットしたときに、生化学解析用ユニット1によって、各貫通孔7が覆われるようなサイズおよび位置に形成されている。したがって、生化学解析用ユニットキャリア6には、最大で、10枚の生化学解析用ユニット1を、2列×5行のマトリックス状にセットすることができる。
【0194】
図2に示されるように、生化学解析用ユニットキャリア6には、2つの位置合わせ用貫通孔6a、6aが形成されている。
【0195】
各貫通孔7の一辺の近傍には、生化学解析用ユニット1の2つの位置合わせ用貫通孔5、5に対応する所定の位置に、2つの位置合わせ用ピン8、8が立設されており、各貫通孔7は、各貫通孔7の一辺の近傍に立設された2つの位置合わせ用ピン8、8が、生化学解析用ユニット1の基板2の形成された2つの位置合わせ用貫通孔5、5内に挿通されるように、生化学解析用ユニット1を、生化学解析用ユニットキャリア6にセットしたときに、生化学解析用ユニット1の基板2に形成されたすべての吸着性領域4が、各貫通孔7に対向し、かつ、生化学解析用ユニット1の基板2の四辺の周縁部が、生化学解析用ユニットキャリア6によって支持されるように、そのサイズおよび位置が選択されている。
【0196】
図3は、10枚の生化学解析用ユニット1がセットされた生化学解析用ユニットキャリア6の略斜視図である。
【0197】
生化学解析にあたっては、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている生化学解析用ユニット1のそれぞれに規則的に形成された多数の吸着性領域4内に、たとえば、特異的結合物質として、塩基配列が既知の互いに異なった複数のcDNAが、スポッティング装置を使用して、滴下され、吸着性領域4内に固定される。
【0198】
図4は、スポッティング装置の略平面図である。
【0199】
図4に示されるように、スポッティング装置は、特異的結合物質の溶液を、生化学解析用ユニット1に向けて、噴射するインジェクタを備えたスポッティングヘッド9を備え、スポッティングヘッド9は、駆動機構により、図4において、矢印Xで示される主走査方向および矢印Yで示される副走査方向に移動可能に構成されている。
【0200】
スポッティング装置の駆動機構は、特異的結合物質の溶液を滴下すべき生化学解析用ユニット1がセットされている生化学解析用ユニットキャリア6が載置される基板10に固定されたフレーム11に取り付けられている。
【0201】
図4に示されるように、フレーム11上には、副走査パルスモータ12と一対のレール13、13とが固定され、フレーム11上には、さらに、一対のレール13、13に沿って、図2において、矢印Yで示された副走査方向に、移動可能な基板14が設けられている。
【0202】
移動可能な基板14には、ねじが切られた穴(図示せず)が形成されており、この穴内には、副走査パルスモータ12によって回転されるねじが切られたロッド15が係合している。
【0203】
移動可能な基板14上には、主走査パルスモータ16が設けられ、主走査パルスモータ16は、エンドレスベルト17を、所定のピッチで、間欠的に駆動可能に構成されている。
【0204】
スポッティング装置のスポッティングヘッド9は、エンドレスベルト17に固定されており、主走査パルスモータ16により、エンドレスベルト17が駆動されると、図4において、矢印Xで示された主走査方向に移動されるように構成されている。
【0205】
図4において、18は、スポッティングヘッド9の主走査方向における位置を検出するリニアエンコーダであり、19は、リニアエンコーダ18のスリットである。
【0206】
図4に示されるように、スポッティング装置の基板10には、生化学解析用ユニットキャリア6に形成された2つの位置決め用の貫通孔6a、6aに対応する位置に、2つの位置決めピン20a、20bが立設されており、スポッティング装置の基板10に形成された2つの位置決めピン20a、20bが、対応する位置決め用貫通孔6a、6a内に挿通されるように、生化学解析用ユニットキャリア6を、スポッティング装置の基板10上に載置することによって、つねに、生化学解析用ユニットキャリア6が、したがって、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている10枚の生化学解析用ユニット1が、スポッティング装置の基板10上のほぼ同じ位置に載置されるように保証されている。
【0207】
図5は、スポッティング装置の制御系、入力系、駆動系および検出系を示すブロックダイアグラムである。
【0208】
図5に示されるように、スポッティング装置の制御系は、スポッティング装置全体の動作を制御するコントロールユニット30を備え、スポッティング装置の入力系は、キーボード31を備えている。
【0209】
また、スポッティング装置の駆動系は、主走査パルスモータ16および副走査パルスモータ12を備え、スポッティング装置の検出系は、スポッティングヘッド9の主走査方向における位置を検出するリニアエンコーダ18と、ロッド15の回転量を検出するロータリーエンコーダ21を備えている。
【0210】
以上のように構成されたスポッティング装置によって、以下のようにして、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている各生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性領域4に、cDNAなどの特異的結合物質の溶液が滴下される。
【0211】
まず、10枚の生化学解析用ユニット1がセットされている生化学解析用ユニットキャリア6が、スポッティング装置の基板10に形成された2つの位置決めピン20a、20bが、それぞれ、生化学解析用ユニット1の対応する2つの位置決め用の貫通孔6a、6a内に挿通されるように、スポッティング装置の基板10上に載置される。
【0212】
次いで、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている10枚の生化学解析用ユニット1の基板2に形成された吸着性領域4の位置に関する位置データが、キーボード31に入力される。
【0213】
本実施態様においては、合計10枚の生化学解析用ユニット1が生化学解析用ユニットキャリア6にセットされ、各生化学解析用ユニット1の基板2には、19200の約0.07平方ミリメートルのサイズを有する吸着性領域が、約5000個/平方センチメートルの密度で、形成されており、特異的結合物質の溶液は、各生化学解析用ユニット1の基板2に形成されたすべての吸着性領域4に、滴下されるように構成されているから、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされた10枚の生化学解析用ユニット1の基板2に形成されたすべての吸着性領域4の位置データが、キーボード31に入力される。
【0214】
ここに、各生化学解析用ユニット1は、生化学解析用ユニットキャリア6に形成された対応する2つの位置合わせ用ピン8が、基板2に形成された2つの位置合わせ用貫通孔5、5内に挿通されるように、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされ、位置合わせ用ピン8は、それぞれ、生化学解析用ユニットキャリア6の所定の位置に立設されており、さらに、生化学解析用ユニットキャリア6は、スポッティング装置の基板10に形成された2つの位置決めピン20a、20bが、それぞれ、生化学解析用ユニット1の対応する2つの位置決め用の貫通孔5、5内に挿通されるように、スポッティング装置の基板10上に載置されるように構成されているから、各生化学解析用ユニット1の基板2に形成された吸着性領域4の数、パターンが一定であれば、つねに、同一の位置データを用いることができる。
【0215】
キーボード31に入力された位置データは、コントロールユニット30に入力され、コントロールユニット30は、位置データを受けると、各生化学解析用ユニット1の基板2に形成された吸着性領域4のそれぞれの位置に、スポッティングヘッド9を移動させるために、主走査パルスモータ16および副走査パルスモータ12に与えるべき駆動パルスを算出し、駆動パルスデータを、メモリ(図示せず)に記憶する。
【0216】
特異的結合物質の溶液を滴下すべき吸着性領域4のそれぞれの位置に、スポッティングヘッド9を移動させるために、主走査パルスモータ16および副走査パルスモータ12に与えるべき駆動パルスが算出され、駆動パルスデータがメモリに記憶されると、コントロールユニット30は、メモリに記憶された駆動パルスデータに基づき、主走査パルスモータ16および副走査パルスモータ12に所定の駆動パルスを与えて、スポッティングヘッド9を間欠的に移動させ、スポッティングヘッド9が、特異的結合物質の溶液を滴下すべき吸着性領域4の位置に達した時点で、主走査パルスモータ16および副走査パルスモータ12に駆動停止信号を出力して、スポッティングヘッド9を停止させ、スポッティングヘッド9に滴下信号を出力して、スポッティングヘッド9のインジェクタから、特異的結合物質の溶液を噴射させる。
【0217】
こうして、各生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に、特異的結合物質の溶液が滴下されると、生化学解析用ユニットキャリア6は、ユーザーによって、スポッティング装置から取り出される。
【0218】
次いで、こうして、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性領域4に固定されたcDNAなどの特異的結合物質に、標識物質によって標識された生体由来の物質が、選択的に、ハイブリダイズされる。
【0219】
図6は、本発明の好ましい実施態様にかかる生化学解析システムの略平面図である。
【0220】
図6に示されるように、本実施態様にかかる生化学解析システムは、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている10枚の生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に固定された特異的結合物質に、標識物質によって標識された生体由来の物質を、選択的に、ハイブリダイズさせるハイブリダイゼーション反応装置35と、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている10枚の生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に選択的に含まれている放射性標識物質によって、後述する蓄積性蛍光体シートキャリアにセットされた10枚の蓄積性蛍光体シートの多数の輝尽性蛍光体層領域に含まれている輝尽性蛍光体を露光する露光装置36と、蓄積性蛍光体シートキャリアにセットされた10枚の蓄積性蛍光体シートの多数の輝尽性蛍光体層領域に記録された放射線データを読み取って、生化学解析用データを生成する第1のスキャナ装置37と、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている10枚の生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に記録されている蛍光データを読み取って、生化学解析用データを生成する第2のスキャナ装置38と、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている10枚の生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に記録されている化学発光データを読み取って、生化学解析用データを生成するデータ読み取り装置39と、10枚の蓄積性蛍光体シートが固定された蓄積性蛍光体シートキャリアを回収する蓄積性蛍光体シートキャリア回収ボックス40と、10枚の生化学解析用ユニット1がセットされた生化学解析用ユニットキャリア6を回収する生化学解析用ユニットキャリア回収ボックス41を備えている。
【0221】
本実施態様においては、ハイブリダイゼーション反応装置35にセットされた10枚の生化学解析用ユニット1を保持している生化学解析用ユニットキャリア6は、搬送手段(図示せず)によって、ハイブリダイゼーション反応装置35から、露光装置36に受け渡され、露光装置36から、第1のスキャナ装置37、第2のスキャナ装置38あるいはデータ読み取り装置39に受け渡され、さらに、生化学解析用ユニットキャリア回収ボックス41に送られるように構成され、一方、露光装置36にセットされた10枚の蓄積性蛍光体シートを保持している蓄積性蛍光体シートキャリアは、搬送手段(図示せず)によって、露光装置36から、第1のスキャナ装置37に受け渡され、さらに、蓄積性蛍光体シートキャリア回収ボックス40内に送られるように、構成されている。
【0222】
図7は、生化学解析システムの制御系および表示系を示すブロックダイアグラムである。
【0223】
図7に示されるように、生化学解析システムの制御系は、生化学解析システム全体の動作を制御するコントロールユニット45と、メモリ46と、生化学解析用データを記憶するデータ記憶手段47と、データ記憶手段47に記憶された生化学解析用データに、データ処理を施すデータ処理手段48と、データ記憶手段47に記憶された生化学解析用データに基づいて、可視データを生成するデータ表示手段49を備えている。
【0224】
図7に示されるように、生化学解析システムの入力系は、キーボード50を備え、生化学解析システムの表示系は、液晶ディスプレイパネルや有機ELディスプレイパネルなどによって構成された表示パネル51と、可視データを表示するCRT52を備えている。
【0225】
図8は、本発明の好ましい実施態様にかかる生化学解析システムを構成するハイブリダイゼーション反応装置35の略斜視図である。
【0226】
図8に示されるように、ハイブリダイゼーション反応装置35は、断面L字状のハウジング55を備え、鉛直方向に延びる上方ハウジング部56の上面には、第1の溶液ボトル57a、第2の溶液ボトル57b、第3の溶液ボトル57cおよび第4の溶液ボトル57dが着脱可能に取り付けられている。
【0227】
本実施態様においては、第1の溶液ボトル57aは、前処理液を収容し、第2の溶液ボトル57bおよび第3の溶液ボトル57cは、ハイブリダイゼーションバッファを収容するように構成され、他方、第4の溶液ボトル57dは、洗浄溶液を収容するように構成されている。
【0228】
図8において、前方に延びる下方ハウジング部58には、一対のアーム59、59の一端部が、軸まわりに揺動可能に取り付けられ、一対のアーム59、59の他端部は、生化学解析用ユニット収容部材60の両側面に固定されている。
【0229】
一対のアーム59、59が取り付けられた軸には、捩りスプリング(図示せず)が取り付けられており、一対のアーム59、59は、上方ハウジング部56の前面に向けて、付勢されている。
【0230】
図8に示されるように、第1の溶液ボトル57a、第2の溶液ボトル57b、第3の溶液ボトル57cおよび第4の溶液ボトル57dには、それぞれ、第1の溶液注入チューブ61a、第2の溶液注入チューブ61b、第3の溶液注入チューブ61cおよび第4の溶液注入チューブ61dが着脱可能に取り付けられており、第1の溶液注入チューブ61a、第2の溶液注入チューブ61b、第3の溶液注入チューブ61cおよび第4の溶液注入チューブ61dは、上方ハウジング部56内を通って、生化学解析用ユニット収容部材60に形成された第1の溶液注入部(図示せず)、第2の溶液注入部(図示せず)、第3の溶液注入部(図示せず)および第4の溶液注入部(図示せず)に接続されている。
【0231】
第1の溶液ボトル57a、第2の溶液ボトル57b、第3の溶液ボトル57cおよび第4の溶液ボトル57d内に収容された溶液は、それぞれ、下方ハウジング部58の内部に設けられたポンプ(図示せず)によって、第1の溶液注入チューブ61a、第2の溶液注入チューブ61b、第3の溶液注入チューブ61cおよび第4の溶液注入チューブ61dを通って、生化学解析用ユニット収容部材60に形成された第1の溶液注入部(図示せず)、第2の溶液注入部(図示せず)、第3の溶液注入部(図示せず)および第4の溶液注入部(図示せず)に供給されるように構成されており、第1の溶液注入チューブ61a、第2の溶液注入チューブ61b、第3の溶液注入チューブ61cおよび第4の溶液注入チューブ61dには、それぞれ、第1のバルブ(図示せず)および第1の切り換えバルブ(図示せず)、第2のバルブ(図示せず)および第2の切り換えバルブ(図示せず)、第3のバルブ(図示せず)および第3の切り換えバルブ(図示せず)ならびに第4バルブ(図示せず)および第4の切り換えバルブ(図示せず)が設けられている。
【0232】
図8に示されるように、下方ハウジング部58に形成された一対の開口部63a、63a内には、それぞれ、生化学解析用ユニットキャリア6を搬送する搬送ベルト63、63が設けられている。
【0233】
図8に示されるように、下方ハウジング部58の頂板には、10個の貫通孔64a、64b、64c、64d、64e、64f、64g、64h、64i、64jが、生化学解析用ユニットキャリア6に形成された貫通孔7と同一のパターンで、2列×5行のマトリックス状に形成されており、各貫通孔64a、64b、64c、64d、64e、64f、64g、64h、64i、64jは、それぞれ、生化学解析用ユニットキャリア6に形成された貫通孔7よりも小さいサイズを有している。
【0234】
図9は、下方ハウジング部58の頂板に形成された貫通孔64a、64b、64c、64d、64e、64f、64g、64h、64i、64jの近傍の詳細を示す略斜視図である。
【0235】
図9に示されるように、各貫通孔64a、64b、64c、64d、64e、64f、64g、64h、64i、64jは、下方ハウジング部58の頂板に立設された横断面が略矩形状の枠部材65a、65b、65c、65d、65e、65f、65g、65h、65i、65j内に形成されており、枠部材65a、65b、65c、65d、65e、65f、65g、65h、65i、65jの側壁上端部には、Oリングなどよりなるシール部材66a、66b、66c、66d、66e、66f、66g、66h、66i、66jが形成されている。
【0236】
ここに、生化学解析用ユニット1がセットされた生化学解析用ユニットキャリア6が、ハイブリダイゼーション反応装置35にセットされ、生化学解析用ユニット収容部材60が後述する反応位置に位置したときに、各枠部材65a、65b、65c、65d、65e、65f、65g、65h、65i、65jが、生化学解析用ユニットキャリア6に形成された対応する貫通孔7内に位置して、枠部材65a、65b、65c、65d、65e、65f、65g、65h、65i、65jの側壁上端部に形成されたシール部材66a、66b、66c、66d、66e、66f、66g、66h、66i、66jが、対応する生化学解析用ユニット1の基板2に当接し、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている各生化学解析用ユニット1に形成された多数の吸着性領域4が、対応する貫通孔64a、64b、64c、64d、64e、64f、64g、64h、64i、64j内に位置するように、各枠部材65a、65b、65c、65d、65e、65f、65g、65h、65i、65j、各シール部材66a、66b、66c、66d、66e、66f、66g、66h、66i、66jおよび各貫通孔64a、64b、64c、64d、64e、64f、64g、64h、64i、64jが、下方ハウジング部58の頂板に形成されている。
【0237】
一対の搬送ベルト63、63は、通常は、下方ハウジング部58の頂板に立設された枠部材65a、65b、65c、65d、65e、65f、65g、65h、65i、65jの側壁上端部に形成されているシール部材66a、66b、66c、66d、66e、66f、66g、66h、66i、66jの頂部よりも、上方に位置するように、設けられている。
【0238】
図10は、生化学解析用ユニット収容部材60の略斜視図である。
【0239】
図10に示されるように、生化学解析用ユニット収容部材60は、略矩形状をなし、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされた10枚の生化学解析用ユニット1を収容可能な10個の凹部68が、2列×5行のマトリックス状に形成されている。
【0240】
生化学解析用ユニット収容部材60に形成された凹部68内には、それぞれ、貫通孔69a、69b、69c、69d、69e、69f、69g、69h、69i、69jが形成されており、貫通孔69a、69b、69c、69d、69e、69f、69g、69h、69i、69jは、それぞれ、生化学解析用ユニットキャリア6に形成された貫通孔7と同じサイズを有し、生化学解析用ユニットキャリア6に形成された貫通孔7を同じパターンによって、生化学解析用ユニット収容部材60に形成されている。
【0241】
10個の貫通孔69a、69b、69c、69d、69e、69f、69g、69h、69i、69jは、アーム59、59が揺動されて、生化学解析用ユニット収容部材60が、ハイブリダイゼーション反応装置35にセットされた生化学解析用ユニットキャリア6に当接して、搬送ベルト63、63を、下方ハウジング部58の開口部63a、63a内に位置するまで、押し下げ、生化学解析用ユニットキャリア6を押圧する反応位置に位置したときに、それぞれが、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされた生化学解析用ユニット1を介して、下方ハウジング部58の頂板に形成された貫通孔64a、64b、64c、64d、64e、64f、64g、64h、64i、64jの1つに対向するように、生化学解析用ユニット収容部材60に形成されている。
【0242】
したがって、生化学解析用ユニットキャリア6を、生化学解析用ユニットキャリア6に形成された貫通孔7が、それぞれ、下方ハウジング部58の頂板に形成された貫通孔64a、64b、64c、64d、64e、64f、64g、64h、64i、64jに対向するように位置させた状態で、アーム59、59を、軸まわりに揺動させて、生化学解析用ユニット収容部材60を反応位置に位置させることによって、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされた生化学解析用ユニット1を、それぞれ、生化学解析用ユニット収容部材60に形成された対応する凹部68内に収容し、生化学解析用ユニット収容部材60に形成された各貫通孔69a、69b、69c、69d、69e、69f、69g、69h、69i、69jと、下方ハウジング部58の頂板に形成された対応する貫通孔64a、64b、64c、64d、64e、64f、64g、64h、64i、64jとを、対応する生化学解析用ユニット1を介して、対向させるとともに、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされた各生化学解析用ユニット1に、枠部材65a、65b、65c、65d、65e、65f、65g、65h、65i、65jの側壁上端部に形成されている対応するシール部材66a、66b、66c、66d、66e、66f、66g、66h、66i、66jを当接させて、生化学解析用ユニットキャリア6に形成された各貫通孔7と、下方ハウジング部58の頂板に形成された対応する貫通孔64a、64b、64c、64d、64e、64f、64g、64h、64i、64jとの間をシールすることができる。
【0243】
また、生化学解析用ユニット収容部材60に形成された各凹部68内には、バーコードリーダー(図示せず)が設けられている。
【0244】
生化学解析用ユニット収容部材60には、生化学解析用ユニット収容部材60によって、生化学解析用ユニットキャリア6を押圧したときに、下方ハウジング部58の頂板に形成された係止部(図示せず)に自動的に係合して、生化学解析用ユニット収容部材60を下方ハウジング部58の頂板に密着した状態に保持する係止部材60aが形成されている。
【0245】
下方ハウジング部58の頂板に形成された10個の貫通孔64a、64b、64c、64d、64e、64f、64g、64h、64i、64jは、溶液排出チューブ(図示せず)に接続され、溶液排出チューブは、4本の分岐チューブ(図示せず)に分岐し、各分岐チューブは、それぞれ、上方ハウジング部56内に延び、第1の溶液注入チューブ61aに設けられた第1の切り換えバルブ(図示せず)、第2の溶液注入チューブ61bに設けられた第2の切り換えバルブ(図示せず)、第3の溶液注入チューブ61cに設けられた第3の切り換えバルブ(図示せず)および第4の溶液注入チューブ61dに設けられた第4の切り換えバルブ(図示せず)に接続されている。
【0246】
4本の分岐チューブは、さらに、1本の溶液排出チューブ(図示せず)に合流され、溶液排出チューブ(図示せず)は、下方ハウジング部58の外部で、第1の溶液排出チューブ70aと第2の溶液排出チューブ70bに分岐している。
【0247】
第1の溶液排出チューブ70aは、第1の溶液排出バルブ71aを介して、第1の溶液回収タンク72aに接続され、第2の溶液排出チューブ70bは、第2の溶液排出バルブ71bを介して、第2の溶液回収タンク72bに接続されている。
【0248】
本実施態様において、第1の溶液回収タンク72aは、放射性標識物質の濃度が高い溶液を回収し、第2の溶液回収タンク72bは、放射性標識物質の濃度の低い溶液を回収するように構成されている。
【0249】
図11は、生化学解析用ユニット収容部材60が反応位置に移動されて、生化学解析用ユニット収容部材60の係止部材60aが下方ハウジング部58の頂板に形成された係止部に係合した状態における生化学解析用ユニット収容部材60と、下方ハウジング部58の頂板内に形成された溶液の流路を示す一部切り欠き略断面図である。
【0250】
図11に示されるように、第1の溶液注入部62a、第2の溶液注入部62b、第3の溶液注入部62cおよび第4の溶液注入部62dは、単一の溶液供給流路73に連通しており、溶液供給流路73は、第1の溶液供給流路73aと第2の溶液供給流路に分岐している(図11においては、第1の溶液供給流路73aのみが図示されている。)
図11に示されるように、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている10枚の生化学解析用ユニット1に対応して、第1の溶液供給流路73aは、5つに分岐され、第2の溶液供給流路も、5つに分岐されて、それぞれ、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされた生化学解析用ユニット1に対向する生化学解析用ユニット収容部材60の貫通孔69a、69b、69c、69d、69e、69f、69g、69h、69i、69jの1つに連通している(図11においては、貫通孔69a、69b、69c、69d、69eのみが図示されている。)。
【0251】
図11に示されるように、生化学解析用ユニット収容部材60に形成された貫通孔69a、69b、69c、69d、69e、69f、69g、69h、69i、69jは、それぞれ、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている10枚の生化学解析用ユニット1の吸着性領域4が形成された部分を介して、生化学解析用ユニットキャリア6に形成された貫通孔7内に位置している下方ハウジング部58の枠部材65a、65b、65c、65d、65e、65f、65g、65h、65i、65jに形成された対応する貫通孔64a、64b、64c、64d、64e、64f、64g、64h、64i、64jに対向している。
【0252】
一方、図11に示されるように、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている10枚の生化学解析用ユニット1の吸着性領域4を介して、生化学解析用ユニット収容部材60に形成された貫通孔69a、69b、69c、69d、69eに対向する下方ハウジング部58の貫通孔64a、64b、64c、64d、64eは、それぞれ、第1の溶液排出流路74aに連通し、他方、生化学解析用ユニット1を介して、生化学解析用ユニット収容部材60に形成された貫通孔69f、69g、69h、69i、69jに対向する下方ハウジング部58の貫通孔64f、64g、64h、64i、64jは、それぞれ、第2の溶液排出流路に連通している(図11においては、貫通孔69a、69b、69c、69d、69e、貫通孔64a、64b、64c、64d、64eおよび第1の溶液排出流路74aのみが図示されている。)。
【0253】
第1の溶液排出流路74aおよび第2の溶液排出流路は、溶液排出チューブ70に接続され、図8に示されるように、溶液排出チューブ70は、下方ハウジング部58の外部で、第1の溶液排出チューブ70aと第2の溶液排出チューブ70bに分岐している。
【0254】
図12は、第1の溶液注入チューブ61a、第2の溶液注入チューブ61b、第3の溶液注入チューブ61cおよび第4の溶液注入チューブ61d、溶液排出チューブ70、分岐チューブ、第1の溶液排出チューブ70aおよび第2の溶液排出チューブ70b、第1のバルブ、第2のバルブ、第3のバルブおよび第4のバルブならびに第1の切り換えバルブ、第2の切り換えバルブ、第3の切り換えバルブおよび第4の切り換えバルブの接続関係を示す配管図である。
【0255】
図12に示されるように、第1の溶液注入チューブ61aには、第1の溶液ボトル57aと、第1の溶液注入部62aとを連通させる第一の位置と、第1の溶液注入部62aと、大気とを連通させる第二の位置と、第1の溶液ボトル57aおよび大気と、第1の溶液注入部62aとの連通を遮断させる第三の位置を、選択的に取ることができるように構成された第1のバルブ75aが設けられ、第1のバルブ75aと第1の溶液注入部62aとの間の第1の溶液注入チューブ61aには、四方切り換えバルブによって構成された第1の切り換えバルブ76aが設けられている。
【0256】
ここに、第1の切り換えバルブ76aは、第1の切り換えバルブ76aの上流側の第1の溶液注入チューブ61aと、第1の切り換えバルブ76aの下流側の第1の溶液注入チューブ61aとを連通させるとともに、第1の切り換えバルブ76aの上流側の第1の分岐チューブ77aと、第1の切り換えバルブ76aの下流側の第1の分岐チューブ77aとを連通させる第一の位置と、第1の切り換えバルブ76aの上流側の第1の分岐チューブ77aと、第1の切り換えバルブ76aの下流側の第1の溶液注入チューブ61aとを連通させるとともに、第1の切り換えバルブ76aの上流側の第1の溶液注入チューブ61aと、第1の切り換えバルブ76aの下流側の第1の分岐チューブ77aとを連通させる第二の位置を取ることができるように構成され、第1の切り換えバルブ76aが、第二の位置に位置しているときに、第1の切り換えバルブ76aの下流側の第1の溶液注入チューブ61a、第1の溶液注入部62a、溶液供給流路73、第1の溶液供給流路73a、生化学解析用ユニット収容部材60に形成された貫通孔69a、69b、69c、69d、69e、下方ハウジング部の頂板に形成された貫通孔64a、64b、64c、64d、64e、溶液排出チューブ70および第1の切り換えバルブ76aの上流側の第1の分岐チューブ77aによって、溶液循環流路が形成されるとともに、第1の切り換えバルブ76aの下流側の第1の溶液注入チューブ61a、第1の溶液注入部62a、溶液供給流路73、第2の溶液供給流路、生化学解析用ユニット収容部材60に形成された貫通孔69f、69g、69h、69i、69j、下方ハウジング部の頂板に形成された貫通孔64f、64g、64h、64i、64j、溶液排出チューブ70ならびに第1の切り換えバルブ76aの上流側の第1の分岐チューブ77aによって、溶液循環流路が形成されるように構成されている。
【0257】
図12に示されるように、第2の溶液注入チューブ61bには、第2の溶液ボトル57bと、第2の溶液注入部62bとを連通させる第一の位置と、第2の溶液注入部62bと、大気とを連通させる第二の位置と、第2の溶液ボトル57bおよび大気と、第2の溶液注入部62bとの連通を遮断させる第三の位置を、選択的に取ることができるように構成された第2のバルブ75bが設けられ、第2のバルブ75bと第2の溶液注入部62bとの間の第2の溶液注入チューブ61bには、四方切り換えバルブによって構成された第2の切り換えバルブ76bが設けられている。
【0258】
第2の切り換えバルブ76bも、第1の切り換えバルブ76aと同様に、第2の切り換えバルブ76bの上流側の第2の溶液注入チューブ61bと、第2の切り換えバルブ76bの下流側の第2の溶液注入チューブ61bとを連通させるとともに、第2の切り換えバルブ76bの上流側の第2の分岐チューブ77bと、第2の切り換えバルブ76bの下流側の第2の分岐チューブ77bとを連通させる第一の位置と、第2の切り換えバルブ76bの上流側の第2の分岐チューブ77bと、第2の切り換えバルブ76bの下流側の第2の溶液注入チューブ61bとを連通させるとともに、第2の切り換えバルブ76bの上流側の第2の溶液注入チューブ61bと、第2の切り換えバルブ76bの下流側の第2の分岐チューブ77bとを連通させる第二の位置を取ることができるように構成され、第2の切り換えバルブ76bが、第二の位置に位置しているときに、第2の切り換えバルブ76bの下流側の第2の溶液注入チューブ61b、第2の溶液注入部62b、溶液供給流路73、第1の溶液供給流路73a、生化学解析用ユニット収容部材60に形成された貫通孔69a、69b、69c、69d、69e、下方ハウジング部58の頂板に形成された貫通孔64a、64b、64c、64d、64e、溶液排出チューブ70および第2の切り換えバルブ76bの上流側の第2の分岐チューブ77bによって、溶液循環流路が形成されるとともに、第2の切り換えバルブ76bの下流側の第2の溶液注入チューブ61b、第2の溶液注入部62b、溶液供給流路73、第2の溶液供給流路、生化学解析用ユニット収容部材60に形成された貫通孔69f、69g、69h、69i、69j、下方ハウジング部58の頂板に形成された貫通孔64f、64g、64h、64i、64j、溶液排出チューブ70ならびに第2の切り換えバルブ76bの上流側の第2の分岐チューブ77bによって、溶液循環流路が形成されるように構成されている。
【0259】
図12に示されるように、第3の溶液注入チューブ61cには、第3の溶液ボトル57cと、第3の溶液注入部62cとを連通させる第一の位置と、第3の溶液注入部62cと、大気とを連通させる第二の位置と、第3の溶液ボトル57cおよび大気と、第3の溶液注入部62cとの連通を遮断させる第三の位置を、選択的に取ることができるように構成された第3のバルブ75cが設けられ、第3のバルブ75cと第3の溶液注入部62cとの間の第3の溶液注入チューブ61cには、四方切り換えバルブによって構成された第3の切り換えバルブ76cが設けられている。
【0260】
第3の切り換えバルブ76cも、第1の切り換えバルブ76aと同様に、第3の切り換えバルブ76cの上流側の第3の溶液注入チューブ61cと、第3の切り換えバルブ76cの下流側の第3の溶液注入チューブ61cとを連通させるとともに、第3の切り換えバルブ76cの上流側の第3の分岐チューブ77cと、第3の切り換えバルブ76cの下流側の第3の分岐チューブ77cとを連通させる第一の位置と、第3の切り換えバルブ76cの上流側の第3の分岐チューブ77cと、第3の切り換えバルブ76cの下流側の第3の溶液注入チューブ61cとを連通させるとともに、第3の切り換えバルブ76cの上流側の第3の溶液注入チューブ61cと、第3の切り換えバルブ76cの下流側の第3の分岐チューブ77cとを連通させる第二の位置を取ることができるように構成され、第3の切り換えバルブ76cが、第二の位置に位置しているときに、第3の切り換えバルブ76cの下流側の第3の溶液注入チューブ61c、第3の溶液注入部62c、溶液供給流路73、第1の溶液供給流路73a、生化学解析用ユニット収容部材60に形成された貫通孔69a、69b、69c、69d、69e、下方ハウジング部58の頂板に形成された貫通孔64a、64b、64c、64d、64e、溶液排出チューブ70および第3の切り換えバルブ76cの上流側の第2の分岐チューブ77cによって、溶液循環流路が形成されるとともに、第3の切り換えバルブ76cの下流側の第3の溶液注入チューブ61c、第3の溶液注入部62c、溶液供給流路73、第2の溶液供給流路、生化学解析用ユニット収容部材60に形成された貫通孔69f、69g、69h、69i、69j、下方ハウジング部58の頂板に形成された貫通孔64f、64g、64h、64i、64j、溶液排出チューブ70ならびに第3の切り換えバルブ76cの上流側の第3の分岐チューブ77cによって、溶液循環流路が形成されるように構成されている。
【0261】
図12に示されるように、第4の溶液注入チューブ61dには、第4の溶液ボトル57dと、第4の溶液注入部62dとを連通させる第一の位置と、第4の溶液注入部62dと、大気とを連通させる第二の位置と、第4の溶液ボトル57dおよび大気と、第4の溶液注入部62dとの連通を遮断させる第三の位置を、選択的に取ることができるように構成された第4のバルブ75dが設けられ、第4のバルブ75dと第4の溶液注入部62dとの間の第4の溶液注入チューブ61dには、四方切り換えバルブによって構成された第4の切り換えバルブ76dが設けられている。
【0262】
第4の切り換えバルブ76dも、第1の切り換えバルブ76aと同様に、第4の切り換えバルブ76dの上流側の第4の溶液注入チューブ61dと、第4の切り換えバルブ76dの下流側の第4の溶液注入チューブ61dとを連通させるとともに、第4の切り換えバルブ76dの上流側の第4の分岐チューブ77dと、第4の切り換えバルブ76dの下流側の第4の分岐チューブ77dとを連通させる第一の位置と、第4の切り換えバルブ76dの上流側の第4の分岐チューブ77dと、第4の切り換えバルブ76dの下流側の第4の溶液注入チューブ61dとを連通させるとともに、第4の切り換えバルブ76dの上流側の第4の溶液注入チューブ61dと、第4の切り換えバルブ76dの下流側の第4の分岐チューブ77dとを連通させる第二の位置を取ることができるように構成され、第4の切り換えバルブ76dが、第二の位置に位置しているときに、第4の切り換えバルブ76dの下流側の第4の溶液注入チューブ61d、第4の溶液注入部62d、溶液供給流路73、第1の溶液供給流路73a、生化学解析用ユニット収容部材60に形成された貫通孔69a、69b、69c、69d、69e、下方ハウジング部58の頂板に形成された貫通孔64a、64b、64c、64d、64e、溶液排出チューブ70および第4の切り換えバルブ76dの上流側の第2の分岐チューブ77dによって、溶液循環流路が形成されるとともに、第4の切り換えバルブ76dの下流側の第4の溶液注入チューブ61d、第4の溶液注入部62d、溶液供給流路73、第2の溶液供給流路、生化学解析用ユニット収容部材60に形成された貫通孔69f、69g、69h、69i、69j、下方ハウジング部58に形成された貫通孔64f、64g、64h、64i、64j、溶液排出チューブ70ならびに第4の切り換えバルブ76dの上流側の第4の分岐チューブ77dによって、溶液循環流路が形成されるように構成されている。
【0263】
図12に示されるように、第1の溶液排出流路74aおよび第2の溶液排出流路74bの合流部と、第1の分岐チューブ77a、第2の分岐チューブ77b、第3の分岐チューブ77cおよび第4の分岐チューブ77dの分岐部の間の溶液排出チューブ70には、ポンプ78が設けられている。
【0264】
図13は、図8ないし図12に示されたハイブリダイゼーション反応装置35の制御系、駆動系および検出系のブロックダイアグラムである。
【0265】
図13に示されるように、ハイブリダイゼーション反応装置35の制御系は、ハイブリダイゼーション反応装置35全体の動作を制御するコントロールユニット80を備えている。
【0266】
ここに、コントロールユニット80には、生化学解析システムのコントロールユニット45から、種々の指示信号が入力されるように構成されている。
【0267】
図13に示されるように、ハイブリダイゼーション反応装置35の駆動系は、溶液排出チューブ70に設けられたポンプ78と、搬送ベルト63、63を駆動する搬送ベルトモータ82と、第1の溶液注入チューブ61aに設けられた第1のバルブ75aを駆動する第1のバルブ駆動手段83aと、第2の溶液注入チューブ61bに設けられた第2のバルブ75bを駆動する第2のバルブ駆動手段83bと、第3の溶液注入チューブ61cに設けられた第3のバルブ75cを駆動する第3のバルブ駆動手段83cと、第4の溶液注入チューブ61dに設けられた第4のバルブ75dを駆動する第4のバルブ駆動手段83dと、第1の溶液注入チューブ61aに設けられた第1の切り換えバルブ76aを駆動する第1の切り換えバルブ駆動手段84aと、第2の溶液注入チューブ61bに設けられた第2の切り換えバルブ76bを駆動する第2の切り換えバルブ駆動手段84bと、第3の溶液注入チューブ61cに設けられた第3の切り換えバルブ76cを駆動する第3の切り換えバルブ駆動手段84cと、第4の溶液注入チューブ61dに設けられた第4の切り換えバルブ76dを駆動する第4の切り換えバルブ駆動手段84dと、第1の溶液排出バルブ71aを開閉する第1の溶液排出バルブ駆動手段85aと、第2の溶液排出バルブ71bを開閉する第2の溶液排出バルブ駆動手段85bと、生化学解析用ユニット収容部材60の係止部材60aと下方ハウジング部58の頂板に形成された係止部(図示せず)との係合を解除するソレノイド86と、捩りスプリング(図示せず)のスプリング力に抗して、生化学解析用ユニット収容部材60が、生化学解析用ユニットキャリア6に密着するように、一対のアーム59、59を揺動させるアームモータ87を備えている。
【0268】
図13に示されるように、ハイブリダイゼーション反応装置35の検出系は、10個のバーコードリーダー89a、89b、89c、89d、89e、89f、89g、89h、89i、89jを備えている。図13においては、簡易化のため、1つのバーコードリーダー89aのみが描かれている。
【0269】
以上のように構成されたハイブリダイゼーション反応装置35にあっては、以下のようにして、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている10枚の生化学解析用ユニット1の基板2に形成されている吸着性領域4に含まれた特異的結合物質に、標識物質によって標識され、ハイブリダイゼーション溶液に含まれた生体由来の物質が、選択的に、ハイブリダイズされる。
【0270】
まず、前処理液が調製されて、第1の溶液ボトル57a内に収容され、ハイブリダイゼーションバッファ調製されて、第2の溶液ボトル57bおよび第3の溶液ボトル57cに収容されるとともに、洗浄溶液が調製されて、第4の溶液ボトル57d内に収容される。
【0271】
さらに、ユーザーによって、プローブ溶液が調製されて、第3の溶液ボトル57cに収容されているハイブリダイゼーションバッファに混合される。
【0272】
放射性標識物質によって、cDNAなどの特異的結合物質を選択的に標識する場合には、放射性標識物質によって標識された生体由来の物質を含むプローブ溶液が調製されて、第3の溶液ボトル57cに収容されているハイブリダイゼーションバッファに混合される。
【0273】
一方、蛍光色素などの蛍光物質によって、cDNAなどの特異的結合物質を選択的に標識する場合には、蛍光色素などの蛍光物質によって標識された生体由来の物質を含むプローブ溶液が調製されされて、第3の溶液ボトル57cに収容されているハイブリダイゼーションバッファに混合される。
【0274】
また、化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせる酵素によって、cDNAなどの特異的結合物質を選択的に標識する場合には、ジゴキシゲニンなどのハプテンによって標識された生体由来の物質を含むプローブ溶液あるいは化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせる標識物質によって標識された生体由来の物質を含むプローブ溶液が調製されて、第3の溶液ボトル57cに収容されているハイブリダイゼーションバッファに混合される。
【0275】
放射性標識物質によって標識された生体由来の物質、蛍光色素などの蛍光物質によって標識された生体由来の物質およびジゴキシゲニンなどのハプテンによって標識された生体由来の物質のうち、2以上の生体由来の物質およびを含むプローブ溶液を調製することもでき、本実施態様においては、放射性標識物質によって標識された生体由来の物質、蛍光物質によって標識された生体由来の物質およびジゴキシゲニンなどのハプテンによって標識された生体由来の物質を含むプローブ溶液が調製されて、第3の溶液ボトル57cに収容されているハイブリダイゼーションバッファに混合される。
【0276】
本実施態様においては、蛍光物質として、532nmの波長の励起光により、最も効率的に励起が可能なCy3が選択されている。
【0277】
次いで、ユーザーによって、生化学解析システムのキーボード50に、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4を、どのようにして、選択的に標識するかについての標識データが入力される。
【0278】
キーボード50に入力された標識データは、コントロールユニット45に出力され、コントロールユニット45は、標識データを受けると、標識データを、メモリ46に保存する。
【0279】
次いで、ユーザーにより、10枚の生化学解析用ユニット1がセットされた生化学解析用ユニットキャリア6が、生化学解析用ユニットキャリア6に形成された各貫通孔7に、下方ハウジング部58の頂板に形成された対応する貫通孔64a、64b、64c、64d、64e、64f、64g、64h、64i、64jを画定している枠部材65a、65b、65c、65d、65e、65f、65g、65h、65i、65jが対向するように、ハイブリダイゼーション反応装置35の下方ハウジング部58に設けられた一対の搬送ベルト63、63上の所定の位置に、セットされる。
【0280】
生化学解析用ユニットキャリア6が、搬送ベルト63、63上の所定の位置に、セットされると、ユーザーにより、生化学解析システムのキーボード50に、生化学解析開始信号が入力される。
【0281】
キーボード50に入力された生化学解析開始信号は、生化学解析システムのコントロールユニット45に出力され、コントロールユニット45から、ハイブリダイゼーション反応装置35のコントロールユニット80に転送される。
【0282】
ハイブリダイゼーション反応装置35のコントロールユニット80は、生化学解析開始信号を受けると、アームモータ87に、駆動信号を出力して、捩りスプリング(図示せず)のスプリング力に抗して、生化学解析用ユニット収容部材60に形成された係止部材60aが、ハイブリダイゼーション反応装置35の下方ハウジング部58の頂板に形成された係止部(図示せず)に自動的に係合するまで、一対のアーム59、59を、下方ハウジング部58に固定された軸まわりに揺動させる。
【0283】
その結果、生化学解析用ユニット収容部材60によって、生化学解析用ユニットキャリア6が押圧され、下方ハウジング部58の頂板に立設された枠部材65a、65b、65c、65d、65e、65f、65g、65h、65i、65jの側壁上端部に形成されているシール部材66a、66b、66c、66d、66e、66f、66g、66h、66i、66jの頂部よりも、上方に位置している一対の搬送ベルト63、63が、下方ハウジング部58の頂板に形成された開口部63a、63a内に、それぞれ、押し込まれて、生化学解析用ユニット収容部材60が反応位置に達すると、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている10枚の生化学解析用ユニット1が、それぞれ、生化学解析用ユニット収容部材60に形成された対応する凹部68内に収容され、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされた各生化学解析用ユニット1に、枠部材65a、65b、65c、65d、65e、65f、65g、65h、65i、65jの側壁上端部に形成されている対応するシール部材66a、66b、66c、66d、66e、66f、66g、66h、66i、66jが当接して、生化学解析用ユニットキャリア6に形成された各貫通孔7と、下方ハウジング部58の頂板に形成された対応する貫通孔64a、64b、64c、64d、64e、64f、64g、64h、64i、64jとの間がシールされ、係止部材60aが、下方ハウジング部58の頂板に形成された係止部(図示せず)に自動的に係合することによって、生化学解析用ユニット収容部材60と、生化学解析用ユニットキャリア6とが、この状態に保持される。
【0284】
こうして、生化学解析用ユニット収容部材60が反応位置に移動され、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている10枚の生化学解析用ユニット1が、それぞれ、生化学解析用ユニット収容部材60に形成された対応する凹部68内に収容されると、各凹部68内に設けられたバーコードリーダー89a、89b、89c、89d、89e、89f、89g、89h、89i、89jによって、生化学解析用ユニット1の基板2に印刷されたバーコード5aが読み取られ、バーコードデータが生成されて、コントロールユニット80に入力される。
【0285】
ハイブリダイゼーション反応装置35のコントロールユニット80は、バーコードリーダー89a、89b、89c、89d、89e、89f、89g、89h、89i、89jから、バーコードデータを受けると、生化学解析システムのコントロールユニット45に出力する。
【0286】
生化学解析システムのコントロールユニット45は、ハイブリダイゼーション反応装置35のコントロールユニット80から、バーコードデータを受けると、バーコードデータを、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされた生化学解析用ユニット1の位置と関連付けて、メモリ46に保存する。
【0287】
バーコードデータが、生化学解析システムのメモリ46に保存されると、生化学解析システムのコントロールユニット45は、前処理開始信号を、ハイブリダイゼーション反応装置35のコントロールユニット80に出力する。
【0288】
ハイブリダイゼーション反応装置35のコントロールユニット80は、前処理開始信号を受けると、第1のバルブ駆動手段83aに第1の駆動信号を出力して、第1の溶液注入チューブ61aに設けられた第1のバルブ75aを、第1の溶液ボトル57aと第1の溶液注入部62aとを連通させる第一の位置に位置させるとともに、第1の切り換えバルブ駆動手段84aに、第1の駆動信号を出力して、第1の溶液注入チューブ61aに設けられた第1の切り換えバルブ76aを、第1の溶液ボトル57aと、第1の溶液注入部62aとを連通させるとともに、第1の分岐チューブ77aと、第1の溶液排出チューブ70aおよび第2の溶液排出チューブ70bとを連通させる第一の位置に位置させる。
【0289】
さらに、コントロールユニット80は、第1の溶液排出バルブ駆動手段85aに閉鎖信号を出力して、第1の溶液排出バルブ71aを閉じさせるとともに、第2の溶液排出バルブ駆動手段85bに開放信号を出力して、第2の溶液排出バルブ71bを開放させる。これは、放射性標識物質が含まれていない前処理液を、放射性標識物質濃度の高い溶液と分別して、放射性標識物質濃度の低い溶液を回収する第2の溶液回収タンク72b内に回収させるためである。
【0290】
次いで、コントロールユニット80は、ポンプ78に駆動信号を出力して、第1の溶液ボトル57a内に収容されている前処理液を、第1の溶液注入チューブ61aを介して、生化学解析用ユニット収容部材60に形成された第1の溶液注入部62aに注入させる。
【0291】
第1の溶液注入部62aに注入された前処理液は、単一の溶液供給流路73に流入し、さらに、溶液供給流路73から分岐した第1の溶液供給流路73aと第2の溶液供給流路に流入する。
【0292】
第1の溶液供給流路73aに流入した前処理液は、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている生化学解析用ユニット1に対向する生化学解析用ユニット収容部材60の貫通孔69a、69b、69c、69d、69eに流入し、第2の溶液供給流路に流入した前処理液は、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている生化学解析用ユニット1に対向する生化学解析用ユニット収容部材60の貫通孔69f、69g、69h、69i、69jに流入する。
【0293】
生化学解析用ユニット収容部材60に形成された各貫通孔69a、69b、69c、69d、69e、69f、69g、69h、69i、69jに流入した前処理液は、それぞれ、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている10枚の生化学解析用ユニット1に形成された多数の吸着性領域4を横切って、生化学解析用ユニット収容部材60に形成された各貫通孔69a、69b、69c、69d、69e、69f、69g、69h、69i、69jに対向している下方ハウジング部58の対応する貫通孔64a、64b、64c、64d、64e、64f、64g、64h、64i、64j内に流入する。
【0294】
ここに、生化学解析用ユニット収容部材60に形成された貫通孔69a、69b、69c、69d、69e、69f、69g、69h、69i、69jは、生化学解析用ユニットキャリア6に形成された貫通孔7にも対向しているが、各生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4はすべて、下方ハウジング部58に設けられた対応する貫通孔64a、64b、64c、64d、64e、64f、64g、64h、64i、64j内に位置し、下方ハウジング部58の頂板に立設された各枠部材65a、65b、65c、65d、65e、65f、65g、65h、65i、65jの側壁上端部に形成されているシール部材66a、66b、66c、66d、66e、66f、66g、66h、66i、66jが、対応する生化学解析用ユニット1に当接して、生化学解析用ユニットキャリア6に形成された貫通孔7と、下方ハウジング部58に設けられた対応する貫通孔64a、64b、64c、64d、64e、64f、64g、64h、64i、64jとの間がシールされているので、生化学解析用ユニット収容部材60に形成された各貫通孔69a、69b、69c、69d、69e、69f、69g、69h、69i、69jに流入した前処理液は、すべて、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている10枚の生化学解析用ユニット1に形成された多数の吸着性領域4を横切って、下方ハウジング部58に設けられた対応する貫通孔64a、64b、64c、64d、64e、64f、64g、64h、64i、64j内に流入する。
【0295】
下方ハウジング部58の頂板に形成された各貫通孔64a、64b、64c、64d、64e内に流入した前処理液は、第1の溶液排出流路73aに流入し、一方、下方ハウジング部58の頂板に形成された各貫通孔64f、64g、64h、64i、64j内に流入した前処理液は、第2の溶液排出流路(図示せず)に流入する。
【0296】
第1の溶液排出流路73aに流入した前処理液および第2の溶液排出流路(図示せず)に流入した前処理液が、溶液排出チューブ70に流入すると、コントロールユニット80は、ポンプ78の駆動時間に基づいて、前処理液が、第1の切り換えバルブ76aに到達するタイミングで、第1の切り換えバルブ駆動手段84aに、第2の駆動信号を出力し、第1の切り換えバルブ76aを、第1の溶液ボトル57aと、第1の溶液排出チューブ70aおよび第2の溶液排出チューブ70bとを連通させるとともに、第1の分岐チューブ77aと、第1の溶液注入部62aとを連通させる第二の位置に位置させる。
【0297】
その結果、第1の溶液注入チューブ61a、第1の溶液注入部62a、溶液供給流路73、第1の溶液供給流路73aおよび第2の溶液供給流路(図示せず)、生化学解析用ユニット収容部材60に形成された貫通孔69a、69b、69c、69d、69e、69f、69g、69h、69i、69j、下方ハウジング部58の頂板に形成された貫通孔64a、64b、64c、64d、64e、64f、64g、64h、64i、64j、溶液排出チューブ70ならびに第1の分岐チューブ77aによって、溶液循環流路が形成され、前処理液は、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされた10枚の生化学解析用ユニット1に形成されている多数の吸着性領域4を横切って、溶液循環流路内を循環する。
【0298】
このように、本実施態様によれば、前処理液は、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされた生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4を横切って、循環されるから、前処理操作の効率を大幅に向上させることが可能になる。
【0299】
所定の時間が経過すると、コントロールユニット80は、第1のバルブ駆動手段83aに、第2の駆動信号を出力して、第1の溶液注入チューブ61aに設けられた第1のバルブ75aを、第1の溶液注入部62aと、大気とを連通させる第二の位置に位置させ、さらに、第1の切り換えバルブ駆動手段84aに、第1の駆動信号を出力して、第1の溶液注入チューブ61aに設けられた第1の切り換えバルブ76aを、第1の溶液ボトル57aと、第1の溶液注入部62aとを連通させるとともに、第1の分岐チューブ77aと、第1の溶液排出チューブ70aおよび第2の溶液排出チューブ70bとを連通させる第一の位置に位置させる。
【0300】
その結果、第1の分岐チューブ77aと、第1の溶液注入部62aの連通が断たれ、その一方で、第1の分岐チューブ77aと、第2の溶液排出チューブ70bとが連通されて、第1の溶液ボトル57aから、第1の溶液注入チューブ61a内に供給された前処理液は、すべて、第1の溶液注入部62a、溶液供給流路73、第1の溶液供給流路73a、生化学解析用ユニット収容部材60に形成された各貫通孔69a、69b、69c、69d、69e、生化学解析用ユニット1に形成された多数の吸着性領域4、下方ハウジング部58の対応する貫通孔64a、64b、64c、64d、64e、第1の溶液排出流路73a、溶液排出チューブ70および第2の溶液排出チューブ70bを通って、あるいは、第1の溶液注入部62a、溶液供給流路73、第2の溶液供給流路(図示せず)、生化学解析用ユニット収容部材60に形成された各貫通孔69f、69g、69h、69i、69j、生化学解析用ユニット1に形成された多数の吸着性領域4、下方ハウジング部58の対応する貫通孔64f、64g、64h、64i、64j、第2の溶液排出流路(図示せず)、溶液排出チューブ70および第2の溶液排出チューブ70bを通って、第2の溶液回収タンク72b内に回収される。
【0301】
こうして、第1の溶液ボトル57aから、第1の溶液注入チューブ61a内に供給された前処理液が、すべて、第2の溶液回収タンク72b内に回収されると、コントロールユニット80は、ポンプ78に駆動停止信号を出力して、ポンプ78の駆動を停止させ、次いで、第1のバルブ駆動手段83aに第3の駆動信号を出力して、第1の溶液注入チューブ61aに設けられた第1のバルブ75aを、第1の溶液ボトル57aおよび大気と、第1の溶液注入部62aとの連通を遮断させる第三の位置に位置させるとともに、第2の溶液排出バルブ駆動手段83bに閉鎖信号を出力して、第2の溶液排出バルブ71bを閉鎖させて、前処理操作を完了させる。
【0302】
前処理操作が完了すると、ハイブリダイゼーション35のコントロールユニット80は、前処理完了信号を、生化学解析システムのコントロールユニット45に出力する。
【0303】
前処理完了信号を受けると、生化学解析システムのコントロールユニット45は、表示パネル51に、前処理操作が完了した旨のメッセージを表示するとともに、ハイブリダイゼーション反応装置35のコントロールユニット80に、プレハイブリダイゼーション開始信号を出力する。
【0304】
ハイブリダイゼーション反応装置35のコントロールユニット80は、生化学解析システムのコントロールユニット45から、プレハイブリダイゼーション開始信号を受けると、第2のバルブ駆動手段83bに第1の駆動信号を出力して、第2の溶液注入チューブ61bに設けられた第2のバルブ75bを、第2の溶液ボトル57bと第2の溶液注入部62bとを連通させる第一の位置に位置させるとともに、第2の切り換えバルブ駆動手段84bに、第2の駆動信号を出力して、第2の溶液注入チューブ61bに設けられた第2の切り換えバルブ76bを、第2の溶液ボトル57bと、第2の溶液注入部62bとを連通させるとともに、第2の分岐チューブ77bと、第1の溶液排出チューブ70aおよび第2の溶液排出チューブ70bとを連通させる第一の位置に位置させる。
【0305】
さらに、コントロールユニット80は、第1の溶液排出バルブ駆動手段85aに閉鎖信号を出力して、第1の溶液排出バルブ71aを閉じさせるとともに、第2の溶液排出バルブ駆動手段85bに開放信号を出力して、第2の溶液排出バルブ71bを開放させる。これは、放射性標識物質が含まれていないハイブリダイゼーションバッファを、放射性標識物質濃度の高い溶液と分別して、放射性標識物質濃度の低い溶液を回収する第2の溶液回収タンク72bに回収するためである。
【0306】
次いで、コントロールユニット80は、ポンプ78に駆動信号を出力して、第2の溶液ボトル57b内に収容されているハイブリダイゼーションバッファを、第2の溶液注入チューブ61bを介して、生化学解析用ユニット収容部材60に形成された第2の溶液注入部62bに注入させる。
【0307】
第2の溶液注入部62bに注入されたハイブリダイゼーションバッファは、単一の溶液供給流路73に流入し、さらに、溶液供給流路73から分岐した第1の溶液供給流路73aと第2の溶液供給流路に流入する。
【0308】
第1の溶液供給流路73aに流入したハイブリダイゼーションバッファは、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている生化学解析用ユニット1に対向する生化学解析用ユニット収容部材60の貫通孔69a、69b、69c、69d、69eに流入し、第2の溶液供給流路に流入したハイブリダイゼーションバッファは、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている生化学解析用ユニット1に対向する生化学解析用ユニット収容部材60の貫通孔69f、69g、69h、69i、69jに流入する。
【0309】
生化学解析用ユニット収容部材60に形成された各貫通孔69a、69b、69c、69d、69e、69f、69g、69h、69i、69jに流入したハイブリダイゼーションバッファは、それぞれ、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている10枚の生化学解析用ユニット1に形成された多数の吸着性領域4を横切って、生化学解析用ユニット収容部材60に形成された各貫通孔69a、69b、69c、69d、69e、69f、69g、69h、69i、69jに対向している下方ハウジング部58に形成された対応する貫通孔64a、64b、64c、64d、64e、64f、64g、64h、64i、64j内に流入する。
【0310】
ここに、生化学解析用ユニット収容部材60に形成された貫通孔69a、69b、69c、69d、69e、69f、69g、69h、69i、69jは、生化学解析用ユニットキャリア6に形成された貫通孔7にも対向しているが、各生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4はすべて、下方ハウジング部58に設けられた対応する貫通孔64a、64b、64c、64d、64e、64f、64g、64h、64i、64j内に位置し、下方ハウジング部58の頂板に立設された各枠部材65a、65b、65c、65d、65e、65f、65g、65h、65i、65jの側壁上端部に形成されているシール部材66a、66b、66c、66d、66e、66f、66g、66h、66i、66jが、対応する生化学解析用ユニット1に当接して、生化学解析用ユニットキャリア6に形成された貫通孔7と、下方ハウジング部58に設けられた対応する貫通孔64a、64b、64c、64d、64e、64f、64g、64h、64i、64jとの間がシールされているので、生化学解析用ユニット収容部材60に形成された各貫通孔69a、69b、69c、69d、69e、69f、69g、69h、69i、69jに流入したハイブリダイゼーションバッファは、すべて、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている10枚の生化学解析用ユニット1に形成された多数の吸着性領域4を横切って、下方ハウジング部58に設けられた対応する貫通孔64a、64b、64c、64d、64e、64f、64g、64h、64i、64j内に流入する。
【0311】
下方ハウジング部58の頂板に形成された各貫通孔64a、64b、64c、64d、64e内に流入したハイブリダイゼーションバッファは、第1の溶液排出流路73aに流入し、一方、下方ハウジング部58の頂板に形成された各貫通孔64f、64g、64h、64i、64j内に流入したハイブリダイゼーションバッファは、第2の溶液排出流路に流入する。
【0312】
第1の溶液排出流路73aに流入したハイブリダイゼーションバッファおよび第2の溶液排出流路に流入したハイブリダイゼーションバッファが、溶液排出チューブ70に流入すると、コントロールユニット80は、ポンプ78の駆動時間に基づいて、ハイブリダイゼーションバッファが、第2の切り換えバルブ76bに到達するタイミングで、第2の切り換えバルブ駆動手段84bに、第2の駆動信号を出力し、第2の切り換えバルブ76bを、第2の溶液ボトル57bと、第1の溶液排出チューブ70aおよび第2の溶液排出チューブ70bとを連通させるとともに、第2の分岐チューブ77bと、第2の溶液注入部62bとを連通させる第二の位置に位置させる。
【0313】
その結果、第2の溶液注入チューブ61b、第2の溶液注入部62b、溶液供給流路73、第1の溶液供給流路73aおよび第2の溶液供給流路、生化学解析用ユニット収容部材60に形成された貫通孔69a、69b、69c、69d、69e、69f、69g、69h、69i、69j、下方ハウジング部58の頂板に形成された貫通孔64a、64b、64c、64d、64e、64f、64g、64h、64i、64j、溶液排出チューブ70ならびに第2の分岐チューブ77bによって、溶液循環流路が形成され、ハイブリダイゼーションバッファは、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされた10枚の生化学解析用ユニット1に形成されている多数の吸着性領域4を横切って、溶液循環流路内を循環する。
【0314】
このように、本実施態様によれば、ハイブリダイゼーションバッファは、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされた生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4を横切って、循環されるから、プレハイブリダイゼーションの効率を大幅に向上させることが可能になる。
【0315】
所定の時間が経過すると、コントロールユニット80は、第2のバルブ駆動手段83bに、第2の駆動信号を出力して、第2の溶液注入チューブ61bに設けられた第2のバルブ75bを、第2の溶液注入部62bと、大気とを連通させる第二の位置に位置させ、さらに、第2の切り換えバルブ駆動手段84bに、第1の駆動信号を出力して、第2の溶液注入チューブ61bに設けられた第2の切り換えバルブ76bを、第2の溶液ボトル57bと、第2の溶液注入部62bとを連通させるとともに、第2の分岐チューブ77bと、第1の溶液排出チューブ70aおよび第2の溶液排出チューブ70bとを連通させる第一の位置に位置させる。
【0316】
その結果、第2の分岐チューブ77bと、第2の溶液注入部62bの連通が断たれ、その一方で、第2の分岐チューブ77bと、第2の溶液排出チューブ70bとが連通されて、第2の溶液ボトル57bから、第2の溶液注入チューブ61b内に供給されたハイブリダイゼーションバッファはすべて、第2の溶液注入部62b、溶液供給流路73、第1の溶液供給流路73a、生化学解析用ユニット収容部材60に形成された各貫通孔69a、69b、69c、69d、69e、生化学解析用ユニット1に形成された多数の吸着性領域4、下方ハウジング部58の対応する貫通孔64a、64b、64c、64d、64e、第1の溶液排出流路73a、溶液排出チューブ70および第2の溶液排出チューブ70bを通って、あるいは、第2の溶液注入部62b、溶液供給流路73、第2の溶液供給流路、生化学解析用ユニット収容部材60に形成された各貫通孔69f、69g、69h、69i、69j、生化学解析用ユニット1に形成された多数の吸着性領域4、下方ハウジング部58の対応する貫通孔64f、64g、64h、64i、64j、第2の溶液排出流路、溶液排出チューブ70および第2の溶液排出チューブ70bを通って、第2の溶液回収タンク72b内に回収される。
【0317】
こうして、第2の溶液ボトル57bから、第2の溶液注入チューブ61b内に供給されたハイブリダイゼーションバッファが、すべて、第2の溶液回収タンク72b内に回収されると、コントロールユニット80は、ポンプ78に駆動停止信号を出力して、ポンプ78の駆動を停止させ、次いで、第2のバルブ駆動手段83bに第3の駆動信号を出力して、第2の溶液注入チューブ61bに設けられた第2のバルブ75bを、第2の溶液ボトル57bおよび大気と、第2の溶液注入部62bとの連通を遮断させる第三の位置に位置させるとともに、第2の溶液排出バルブ駆動手段85bに閉鎖信号を出力して、第2の溶液排出バルブ71bを閉鎖させて、プレハイブリダイゼーション操作を完了させる。
【0318】
プレハイブリダイゼーション操作が完了すると、ハイブリダイゼーション反応装置35のコントロールユニット80は、プレハイブリダイゼーション完了信号を、生化学解析システムのコントロールユニット45に出力する。
【0319】
生化学解析システムのコントロールユニット45は、ハイブリダイゼーション反応装置35のコントロールユニット80から、プレハイブリダイゼーション完了信号を受けると、表示パネル51に、プレハイブリダイゼーション操作が完了した旨のメッセージを表示するとともに、ハイブリダイゼーション開始信号を、ハイブリダイゼーション反応装置35のコントロールユニット80に出力する。
【0320】
ハイブリダイゼーション反応装置35のコントロールユニット80は、ハイブリダイゼーション開始信号を受けると、第3のバルブ駆動手段83cに第1の駆動信号を出力して、第3の溶液注入チューブ61cに設けられた第3のバルブ75cを、第3の溶液ボトル57cと第3の溶液注入部62cとを連通させる第一の位置に位置させる。
【0321】
さらに、コントロールユニット80は、第1の溶液排出バルブ駆動手段85aに開放信号を出力して、第1の溶液排出バルブ71aを開放させるとともに、第2の溶液排出バルブ駆動手段85bに閉鎖信号を出力して、第2の溶液排出バルブ71bを閉じさせる。これは、放射性標識物質を含んでいるプローブ溶液とハイブリダイゼーションバッファとの混合溶液を、放射性標識物質濃度の低い溶液と分別して、放射性標識物質の高い溶液を回収する第1の溶液回収タンク72a内に回収するためである。
【0322】
次いで、コントロールユニット80は、ポンプ78に駆動信号を出力して、第3の溶液ボトル57c内に収容されているハイブリダイゼーションバッファとプローブ溶液の混合溶液を、第3の溶液注入チューブ61cを介して、生化学解析用ユニット収容部材60に形成された第3の溶液注入部62cに注入させる。
【0323】
第3の溶液注入部62cに注入されたハイブリダイゼーションバッファとプローブ溶液の混合溶液は、単一の溶液供給流路73に流入し、さらに、溶液供給流路73から分岐した第1の溶液供給流路73aおよび第2の溶液供給流路に流入する。
【0324】
第1の溶液供給流路73aに流入したハイブリダイゼーションバッファとプローブ溶液の混合溶液は、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている生化学解析用ユニット1に対向する生化学解析用ユニット収容部材60の貫通孔69a、69b、69c、69d、69eに流入し、第2の溶液供給流路に流入したハイブリダイゼーションバッファとプローブ溶液の混合溶液は、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている生化学解析用ユニット1に対向する生化学解析用ユニット収容部材60の貫通孔69f、69g、69h、69i、69jに流入する。
【0325】
生化学解析用ユニット収容部材60に形成された各貫通孔69a、69b、69c、69d、69e、69f、69g、69h、69i、69jに流入したハイブリダイゼーションバッファとプローブ溶液の混合溶液は、それぞれ、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている10枚の生化学解析用ユニット1に形成された多数の吸着性領域4を横切って、生化学解析用ユニット収容部材60に形成された各貫通孔69a、69b、69c、69d、69e、69f、69g、69h、69i、69jに対向している下方ハウジング部58の対応する貫通孔64a、64b、64c、64d、64e、64f、64g、64h、64i、64j内に流入する。
【0326】
ここに、生化学解析用ユニット収容部材60に形成された貫通孔69a、69b、69c、69d、69e、69f、69g、69h、69i、69jは、生化学解析用ユニットキャリア6に形成された貫通孔7にも対向しているが、各生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4はすべて、下方ハウジング部58に設けられた対応する貫通孔64a、64b、64c、64d、64e、64f、64g、64h、64i、64j内に位置し、下方ハウジング部58の頂板に立設された各枠部材65a、65b、65c、65d、65e、65f、65g、65h、65i、65jの側壁上端部に形成されているシール部材66a、66b、66c、66d、66e、66f、66g、66h、66i、66jが、対応する生化学解析用ユニット1に当接して、生化学解析用ユニットキャリア6に形成された貫通孔7と、下方ハウジング部58に設けられた対応する貫通孔64a、64b、64c、64d、64e、64f、64g、64h、64i、64jとの間がシールされているので、生化学解析用ユニット収容部材60に形成された各貫通孔69a、69b、69c、69d、69e、69f、69g、69h、69i、69jに流入したハイブリダイゼーションバッファとプローブ溶液の混合溶液は、すべて、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている10枚の生化学解析用ユニット1に形成された多数の吸着性領域4を横切って、下方ハウジング部58に設けられた対応する貫通孔64a、64b、64c、64d、64e、64f、64g、64h、64i、64j内に流入する。
【0327】
その結果、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に含まれたcDNAなどの特異的結合物質に、放射性標識物質によって標識された生体由来の物質、蛍光物質によって標識された生体由来の物質およびジゴキシゲニンなどによって抗原標識された生体由来の物質が、選択的に、ハイブリダイズされる。
【0328】
下方ハウジング部58の頂板に形成された各貫通孔64a、64b、64c、64d、64e内に流入したハイブリダイゼーションバッファとプローブ溶液の混合溶液は、第1の溶液排出流路73aに流入し、一方、下方ハウジング部58の頂板に形成された各貫通孔64f、64g、64h、64i、64j内に流入したハイブリダイゼーションバッファとプローブ溶液の混合溶液は、第2の溶液排出流路に流入する。
【0329】
第1の溶液排出流路73aに流入したハイブリダイゼーションバッファとプローブ溶液の混合溶液および第2の溶液排出流路に流入したハイブリダイゼーションバッファとプローブ溶液の混合溶液が、溶液排出チューブ70に流入すると、コントロールユニット80は、ポンプ78の駆動時間に基づいて、ハイブリダイゼーションバッファとプローブ溶液の混合溶液が、第3の切り換えバルブ76cに到達するタイミングで、第3の切り換えバルブ駆動手段84cに、第2の駆動信号を出力し、第3の切り換えバルブ76cを、第3の溶液ボトル57cと、第1の溶液排出チューブ70aおよび第2の溶液排出チューブ70bとを連通させるとともに、第3の分岐チューブ77cと、第3の溶液注入部62cとを連通させる第二の位置に位置させる。
【0330】
その結果、第3の溶液注入チューブ61c、第3の溶液注入部62c、溶液供給流路73、第1の溶液供給流路73aおよび第2の溶液供給流路、生化学解析用ユニット収容部材60に形成された貫通孔69a、69b、69c、69d、69e、69f、69g、69h、69i、69j、下方ハウジング部58の頂板に形成された貫通孔64a、64b、64c、64d、64e、64f、64g、64h、64i、64j、溶液排出チューブ70ならびに第3の分岐チューブ77cによって、溶液循環流路が形成され、ハイブリダイゼーションバッファとプローブ溶液の混合溶液は、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされた10枚の生化学解析用ユニット1に形成されている多数の吸着性領域4を横切って、溶液循環流路内を循環する。
【0331】
このように、本実施態様によれば、ハイブリダイゼーションバッファとプローブ溶液の混合溶液が、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4を横切って、強制的に循環されるから、ハイブリダイゼーションバッファとプローブ溶液の混合溶液に含まれている生体由来の物質を、単に、対流あるいは拡散によって移動させ、生化学解析用ユニット1の吸着性領域4に含まれている特異的結合物質とハイブリダイズさせる場合に比して、生化学解析用ユニット1の吸着性領域4内における生体由来の物質の移動速度を大幅に増大させることができ、したがって、ハイブリダイゼーション反応の反応速度を大幅に向上させることが可能になり、さらには、生体由来の物質が、吸着性領域4の深い部分に含まれている特異的結合物質と出会う確率を大幅に増大させることができ、したがって、所望のように、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に固定された特異的結合物質に、ハイブリダイゼーションバッファとプローブ溶液の混合溶液に含まれている生体由来の物質をハイブリダイズさせることが可能になる。
【0332】
所定の時間が経過すると、コントロールユニット80は、第3のバルブ駆動手段83cに、第2の駆動信号を出力して、第3の溶液注入チューブ61cに設けられた第3のバルブ75cを、第3の溶液注入部62cと、大気とを連通させる第二の位置に位置させ、さらに、第3の切り換えバルブ駆動手段84cに、第1の駆動信号を出力して、第3の溶液注入チューブ61cに設けられた第3の切り換えバルブ76cを、第3の溶液ボトル57cと、第3の溶液注入部62cとを連通させるとともに、第3の分岐チューブ77cと、第1の溶液排出チューブ70aおよび第2の溶液排出チューブ70bとを連通させる第一の位置に位置させる。
【0333】
その結果、第3の分岐チューブ77cと、第3の溶液注入部62cの連通が断たれ、その一方で、第3の分岐チューブ77cと、第1の溶液排出チューブ70aとが連通されて、第3の溶液ボトル57cから、第3の溶液注入チューブ61c内に供給されたハイブリダイゼーションバッファとプローブ溶液の混合溶液はすべて、第3の溶液注入部62c、溶液供給流路73、第1の溶液供給流路73a、生化学解析用ユニット収容部材60に形成された各貫通孔69a、69b、69c、69d、69e、生化学解析用ユニット1に形成された多数の吸着性領域4、下方ハウジング部58の対応する貫通孔64a、64b、64c、64d、64e、第1の溶液排出流路73a、溶液排出チューブ70および第1の溶液排出チューブ70aを通って、あるいは、第3の溶液注入部62c、溶液供給流路73、第2の溶液供給流路、生化学解析用ユニット収容部材60に形成された各貫通孔69f、69g、69h、69i、69j、生化学解析用ユニット1に形成された多数の吸着性領域4、下方ハウジング部58の対応する貫通孔64f、64g、64h、64i、64j、第2の溶液排出流路、溶液排出チューブ70および第1の溶液排出チューブ70aを通って、第1の溶液回収タンク72a内に回収される。
【0334】
こうして、第3の溶液ボトル57cから、第3の溶液注入チューブ61c内に供給されたハイブリダイゼーションバッファとプローブ溶液の混合溶液が、すべて、第1の溶液回収タンク72a内に回収されると、コントロールユニット80は、ポンプ78に駆動停止信号を出力して、ポンプ78の駆動を停止させ、次いで、第3のバルブ駆動手段83cに第3の駆動信号を出力して、第3の溶液注入チューブ61cに設けられた第3のバルブ75cを、第3の溶液ボトル57cおよび大気と、第3の溶液注入部62cとの連通を遮断させる第三の位置に位置させるとともに、第1の溶液排出バルブ駆動手段85aに閉鎖信号を出力して、第1の溶液排出バルブ71aを閉鎖させ、ハイブリダイゼーション操作を完了させる。
【0335】
ハイブリダイゼーション操作が完了すると、コントロールユニット80は、ハイブリダイゼーション完了信号を、生化学解析システムのコントロールユニット45に出力する。
【0336】
生化学解析システムのコントロールユニット45は、ハイブリダイゼーション完了信号を受けると、表示パネル51に、ハイブリダイゼーション操作が完了した旨のメッセージを表示するとともに、洗浄操作開始信号を、ハイブリダイゼーション反応装置35のコントロールユニット80に出力する。
【0337】
ハイブリダイゼーション反応装置35のコントロールユニット80は、洗浄操作開始信号を受けると、第4のバルブ駆動手段83dに第1の駆動信号を出力して、第4の溶液注入チューブ61dに設けられた第4のバルブ75dを、第4の溶液ボトル57dと第4の溶液注入部62dとを連通させる第一の位置に位置させるとともに、第4の切り換えバルブ駆動手段84dに、第2の駆動信号を出力して、第4の溶液注入チューブ61dに設けられた第4の切り換えバルブ76dを、第4の溶液ボトル57dと、第4の溶液注入部62dとを連通させるとともに、第4の分岐チューブ77dと、第1の溶液排出チューブ70aおよび第2の溶液排出チューブ70bとを連通させる第一の位置に位置させる。
【0338】
さらに、コントロールユニット80は、第1の溶液排出バルブ駆動手段85aに開放信号を出力して、第1の溶液排出バルブ71aを開放させるとともに、第2の溶液排出バルブ駆動手段85bに閉鎖信号を出力して、第2の溶液排出バルブ71bを閉じさせる。これは、放射性標識物質によって標識された生体由来の物質を、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に含まれた特異的結合物質に選択的にハイブリダイズさせた後に、生化学解析用ユニット1の吸着性領域4を洗浄するのに用いた洗浄溶液中の放射性標識物質濃度は高く、したがって、放射性標識物質濃度が高い洗浄溶液を、放射性標識物質濃度の低い溶液と分別して、放射性標識物質の高い溶液を回収する第1の溶液回収タンク72a内に回収するためである。
【0339】
次いで、コントロールユニット80は、ポンプ78に駆動信号を出力して、第4の溶液ボトル57d内に収容されている洗浄溶液を、第4の溶液注入チューブ61dを介して、生化学解析用ユニット収容部材60に形成された第4の溶液注入部62dに注入させる。
【0340】
第4の溶液注入部62dに注入された洗浄溶液は、単一の溶液供給流路73に流入し、さらに、溶液供給流路73から分岐した第1の溶液供給流路73aおよび第2の溶液供給流路に流入する。
【0341】
第1の溶液供給流路73aに流入した洗浄溶液は、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている生化学解析用ユニット1に対向する生化学解析用ユニット収容部材60の貫通孔69a、69b、69c、69d、69eに流入し、第2の溶液供給流路に流入した洗浄溶液は、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている生化学解析用ユニット1に対向する生化学解析用ユニット収容部材60の貫通孔69f、69g、69h、69i、69jに流入する。
【0342】
生化学解析用ユニット収容部材60に形成された各貫通孔69a、69b、69c、69d、69e、69f、69g、69h、69i、69jに流入した洗浄溶液は、それぞれ、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている10枚の生化学解析用ユニット1に形成された多数の吸着性領域4を横切って、生化学解析用ユニット収容部材60に形成された各貫通孔69a、69b、69c、69d、69e、69f、69g、69h、69i、69jに対向している下方ハウジング部58の対応する貫通孔64a、64b、64c、64d、64e、64f、64g、64h、64i、64j内に流入する。
【0343】
ここに、生化学解析用ユニット収容部材60に形成された貫通孔69a、69b、69c、69d、69e、69f、69g、69h、69i、69jは、生化学解析用ユニットキャリア6に形成された貫通孔7にも対向しているが、各生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4はすべて、下方ハウジング部58に設けられた対応する貫通孔64a、64b、64c、64d、64e、64f、64g、64h、64i、64j内に位置し、下方ハウジング部58の頂板に立設された各枠部材65a、65b、65c、65d、65e、65f、65g、65h、65i、65jの側壁上端部に形成されているシール部材66a、66b、66c、66d、66e、66f、66g、66h、66i、66jが、対応する生化学解析用ユニット1に当接して、生化学解析用ユニットキャリア6に形成された貫通孔7と、下方ハウジング部58に設けられた対応する貫通孔64a、64b、64c、64d、64e、64f、64g、64h、64i、64jとの間がシールされているので、生化学解析用ユニット収容部材60に形成された各貫通孔69a、69b、69c、69d、69e、69f、69g、69h、69i、69jに流入した洗浄溶液は、すべて、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている10枚の生化学解析用ユニット1に形成された多数の吸着性領域4を横切って、下方ハウジング部58に設けられた対応する貫通孔64a、64b、64c、64d、64e、64f、64g、64h、64i、64j内に流入する。
【0344】
下方ハウジング部58の頂板に形成された各貫通孔64a、64b、64c、64d、64e内に流入した洗浄溶液は、第1の溶液排出流路73aに流入し、一方、下方ハウジング部58の頂板に形成された各貫通孔64f、64g、64h、64i、64j内に流入した洗浄溶液は、第2の溶液排出流路に流入する。
【0345】
第1の溶液排出流路73aに流入した洗浄溶液および第2の溶液排出流路に流入した洗浄溶液が、溶液排出チューブ70に流入すると、コントロールユニット80は、ポンプ78の駆動時間に基づいて、洗浄溶液が、第4の切り換えバルブ76dに到達するタイミングで、第4の切り換えバルブ駆動手段84dに、第2の駆動信号を出力し、第4の切り換えバルブ76dを、第4の溶液ボトル57dと、第1の溶液排出チューブ70aおよび第2の溶液排出チューブ70bとを連通させるとともに、第4の分岐チューブ77dと、第4の溶液注入部62dとを連通させる第二の位置に位置させる。
【0346】
その結果、第4の溶液注入チューブ61d、第4の溶液注入部62d、溶液供給流路73、第1の溶液供給流路73aおよび第2の溶液供給流路、生化学解析用ユニット収容部材60に形成された貫通孔69a、69b、69c、69d、69e、69f、69g、69h、69i、69j、下方ハウジング部58の頂板の頂板に形成された貫通孔64a、64b、64c、64d、64e、64f、64g、64h、64i、64j、溶液排出チューブ70ならびに第4の分岐チューブ77dによって、溶液循環流路が形成され、洗浄溶液は、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされた10枚の生化学解析用ユニット1に形成されている多数の吸着性領域4を横切って、溶液循環流路内を循環する。
【0347】
このように、本実施態様によれば、洗浄溶液が、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4を横切って、強制的に循環されるから、ハイブリダイゼーションの工程で、特異的結合物質にハイブリダイズされるべきでない生体由来の物質が、生化学解析用ユニット1の吸着性領域4に結合されていても、特異的結合物質にハイブリダイズされるべきではない生体由来の物質を、生化学解析用ユニット1の吸着性領域4から、効果的に剥離させて、除去することができ、洗浄効率を大幅に向上させることが可能になる。
【0348】
所定の時間が経過すると、コントロールユニット80は、第4のバルブ駆動手段83dに、第2の駆動信号を出力して、第4の溶液注入チューブ61dに設けられた第4のバルブ75dを、第4の溶液注入部62dと、大気とを連通させる第二の位置に位置させ、さらに、第4の切り換えバルブ駆動手段84dに、第1の駆動信号を出力して、第4の溶液注入チューブ61dに設けられた第4の切り換えバルブ76dを、第4の溶液ボトル57dと、第4の溶液注入部62dとを連通させるとともに、第4の分岐チューブ77dと、第1の溶液排出チューブ70aおよび第2の溶液排出チューブ70bとを連通させる第一の位置に位置させる。
【0349】
その結果、第4の分岐チューブ77dと、第4の溶液注入部62dの連通が断たれ、その一方で、第4の分岐チューブ77dと、第1の溶液排出チューブ70aとが連通されて、第4の溶液ボトル57dから、第4の溶液注入チューブ61d内に供給された洗浄溶液は、すべて、第4の溶液注入部62d、溶液供給流路73、第1の溶液供給流路73a、生化学解析用ユニット収容部材60に形成された各貫通孔69a、69b、69c、69d、69e、生化学解析用ユニット1に形成された多数の吸着性領域4、下方ハウジング部58の対応する貫通孔64a、64b、64c、64d、64e、第1の溶液排出流路73a、溶液排出チューブ70および第1の溶液排出チューブ70aを通って、あるいは、第4の溶液注入部62d、溶液供給流路73、第2の溶液供給流路、生化学解析用ユニット収容部材60に形成された各貫通孔69f、69g、69h、69i、69j、生化学解析用ユニット1に形成された多数の吸着性領域4、下方ハウジング部58の対応する貫通孔64f、64g、64h、64i、64j、第2の溶液排出流路、溶液排出チューブ70および第1の溶液排出チューブ70aを通って、第1の溶液回収タンク72a内に回収される。
【0350】
こうして、第4の溶液ボトル57dから、第4の溶液注入チューブ61d内に供給された洗浄溶液がすべて、第1の溶液回収タンク72a内に回収されると、コントロールユニット80は、ポンプ78に駆動停止信号を出力して、ポンプ78の駆動を停止させ、次いで、第4のバルブ駆動手段83dに第3の駆動信号を出力して、第4の溶液注入チューブ61dに設けられた第4のバルブ75dを、第4の溶液ボトル57dおよび大気と、第4の溶液注入部62dとの連通を遮断させる第三の位置に位置させるとともに、第1の溶液排出バルブ駆動手段85aに閉鎖信号を出力して、第1の溶液排出バルブ71aを閉鎖させ、洗浄操作を完了させる。
【0351】
洗浄操作が完了すると、コントロールユニット80は、洗浄操作完了信号を、生化学解析システムのコントロールユニット45に出力する。
【0352】
生化学解析システムのコントロールユニッ50は、洗浄操作完了信号を受けると、表示パネル51に、洗浄操作が完了した旨のメッセージを表示する。
【0353】
以上のようにして、生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性領域4に、標識物質である放射性標識物質の放射線データおよび蛍光色素などの蛍光物質の蛍光データが記録される。
【0354】
生化学解析用ユニット1の吸着性領域4に記録された蛍光データは、後述する第2のスキャナ装置38によって読み取られて、生化学解析用データが生成される。
【0355】
これに対して、放射性標識物質の放射線データは、蓄積性蛍光体シートに転写され、蓄積性蛍光体シートに転写された放射線データは、後述する第1のスキャナ装置37によって読み取られて、生化学解析用データが生成される。
【0356】
次いで、生化学解析システムのコントロールユニット45は、メモリ46に保存されている標識データを読み出す。
【0357】
その結果、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に含まれた特異的結合物質に、ジゴキシゲニンなどのハプテンによって標識された生体由来の物質を選択的にハイブリダイズさせ、多数の吸着性領域4に含まれた特異的結合物質に選択的にハイブリダイズされたハプテンに、化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせる酵素によって標識されたハプテンに対する抗体を、抗原抗体反応によって、結合させて、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に、化学発光データを記録する旨の標識データが、メモリ46に保存されていたときは、生化学解析システムのコントロールユニット45は、抗原抗体反応開始信号を、ハイブリダイゼーション反応装置35のコントロールユニット80に出力する。
【0358】
生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に含まれた特異的結合物質に、ジゴキシゲニンなどのハプテンによって標識された生体由来の物質が選択的にハイブリダイズさせ、さらに、多数の吸着性領域4に含まれた特異的結合物質に選択的にハイブリダイズされたハプテンに、化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせる酵素によって標識されたハプテンに対する抗体を、抗原抗体反応によって、結合させて、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に、化学発光データを記録する場合には、ユーザーによって、前処理操作が完了し、第1の溶液ボトル57aから、前処理液を排出した後に、化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせる酵素によって標識されたジゴキシゲニンなどのハプテンに対する抗体を含む抗体溶液が調製されて、調製された抗体溶液が、第1の溶液ボトル57a内に収容される。
【0359】
抗原抗体反応開始信号は、ハイブリダイゼーション反応装置35のコントロールユニット80に出力される。
【0360】
ハイブリダイゼーション反応装置35のコントロールユニット80は、抗原抗体反応開始信号を受けると、第1のバルブ駆動手段83aに第1の駆動信号を出力して、第1の溶液注入チューブ61aに設けられた第1のバルブ75aを、第1の溶液ボトル57aと第1の溶液注入部62aとを連通させる第一の位置に位置させるとともに、第1の切り換えバルブ駆動手段84aに、第1の駆動信号を出力して、第1の溶液注入チューブ61aに設けられた第1の切り換えバルブ76aを、第1の溶液ボトル57aと、第1の溶液注入部62aとを連通させるとともに、第1の分岐チューブ77aと、第1の溶液排出チューブ70aおよび第2の溶液排出チューブ70bとを連通させる第一の位置に位置させる。
【0361】
さらに、コントロールユニット80は、第1の溶液排出バルブ駆動手段85aに閉鎖信号を出力して、第1の溶液排出バルブ71aを閉じさせるとともに、第2の溶液排出バルブ駆動手段85bに開放信号を出力して、第2の溶液排出バルブ71bを開放させる。これは、放射性標識物質が含まれていない抗体溶液を、放射性標識物質濃度の高い溶液と分別して、放射性標識物質濃度の低い溶液を回収する第2の溶液回収タンク72b内に回収させるためである。
【0362】
次いで、コントロールユニット80は、ポンプ78に駆動信号を出力して、第1の溶液ボトル57a内に収容されている抗体溶液を、第1の溶液注入チューブ61aを介して、生化学解析用ユニット収容部材60に形成された第1の溶液注入部62aに注入させる。
【0363】
第1の溶液注入部62aに注入された抗体溶液は、単一の溶液供給流路73に流入し、さらに、溶液供給流路73から分岐した第1の溶液供給流路73aと第2の溶液供給流路に流入する。
【0364】
第1の溶液供給流路73aに流入した抗体溶液は、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている生化学解析用ユニット1に対向する生化学解析用ユニット収容部材60の貫通孔69a、69b、69c、69d、69eに流入し、第2の溶液供給流路に流入した抗体溶液は、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている生化学解析用ユニット1に対向する生化学解析用ユニット収容部材60の貫通孔69f、69g、69h、69i、69jに流入する。
【0365】
生化学解析用ユニット収容部材60に形成された各貫通孔69a、69b、69c、69d、69e、69f、69g、69h、69i、69jに流入した抗体溶液は、それぞれ、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている10枚の生化学解析用ユニット1に形成された多数の吸着性領域4を横切って、生化学解析用ユニット収容部材60に形成された各貫通孔69a、69b、69c、69d、69e、69f、69g、69h、69i、69jに対向している下方ハウジング部58の対応する貫通孔64a、64b、64c、64d、64e、64f、64g、64h、64i、64j内に流入する。
【0366】
ここに、生化学解析用ユニット収容部材60に形成された貫通孔69a、69b、69c、69d、69e、69f、69g、69h、69i、69jは、生化学解析用ユニットキャリア6に形成された貫通孔7にも対向しているが、各生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4はすべて、下方ハウジング部58に設けられた対応する貫通孔64a、64b、64c、64d、64e、64f、64g、64h、64i、64j内に位置し、下方ハウジング部58の頂板に立設された各枠部材65a、65b、65c、65d、65e、65f、65g、65h、65i、65jの側壁上端部に形成されているシール部材66a、66b、66c、66d、66e、66f、66g、66h、66i、66jが、対応する生化学解析用ユニット1に当接して、生化学解析用ユニットキャリア6に形成された貫通孔7と、下方ハウジング部58に設けられた対応する貫通孔64a、64b、64c、64d、64e、64f、64g、64h、64i、64jとの間がシールされているので、生化学解析用ユニット収容部材60に形成された各貫通孔69a、69b、69c、69d、69e、69f、69g、69h、69i、69jに流入した抗体溶液は、すべて、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている10枚の生化学解析用ユニット1に形成された多数の吸着性領域4を横切って、下方ハウジング部58に設けられた対応する貫通孔64a、64b、64c、64d、64e、64f、64g、64h、64i、64j内に流入する。
【0367】
その結果、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に含まれている特異的結合物質に、選択的に、ハイブリダイズされた生体由来の物質を標識しているジゴキシゲニンなどのハプテンに、抗原抗体反応によって、化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせる酵素によって標識された抗体が結合される。
【0368】
下方ハウジング部58の頂板に形成された各貫通孔64a、64b、64c、64d、64e内に流入した抗体溶液は、第1の溶液排出流路73aに流入し、一方、下方ハウジング部58の頂板に形成された各貫通孔64f、64g、64h、64i、64j内に流入した抗体溶液は、第2の溶液排出流路に流入する。
【0369】
第1の溶液排出流路73aに流入した抗体溶液および第2の溶液排出流路に流入した抗体溶液が、溶液排出チューブ70に流入すると、コントロールユニット80は、ポンプ78の駆動時間に基づいて、抗体溶液が、第1の切り換えバルブ76aに到達するタイミングで、第1の切り換えバルブ駆動手段84aに、第2の駆動信号を出力し、第1の切り換えバルブ76aを、第1の溶液ボトル57aと、第1の溶液排出チューブ70aおよび第2の溶液排出チューブ70bとを連通させるとともに、第1の分岐チューブ77aと、第1の溶液注入部62aとを連通させる第二の位置に位置させる。
【0370】
その結果、第1の溶液注入チューブ61a、第1の溶液注入部62a、溶液供給流路73、第1の溶液供給流路73aおよび第2の溶液供給流路、生化学解析用ユニット収容部材60に形成された貫通孔69a、69b、69c、69d、69e、69f、69g、69h、69i、69j、下方ハウジング部58の頂板に形成された貫通孔64a、64b、64c、64d、64e、64f、64g、64h、64i、64j、溶液排出チューブ70ならびに第1の分岐チューブ77aによって、溶液循環流路が形成され、抗体溶液は、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされた10枚の生化学解析用ユニット1に形成されている多数の吸着性領域4を横切って、溶液循環流路内を循環する。
【0371】
このように、本実施態様によれば、抗体溶液が、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4を横切って、強制的に循環されるから、抗体溶液に含まれている抗体を、単に、対流あるいは拡散によって移動させ、吸着性領域4に含まれている抗原に結合させる場合に比して、生化学解析用ユニット1の吸着性領域4内における抗体の移動速度を大幅に増大させることができ、したがって、抗原抗体反応の反応速度を大幅に向上させることが可能になり、さらには、抗体溶液に含まれている抗体が、吸着性領域4の深い部分に含まれている特異的結合物質に、選択的に、ハイブリダイズされた生体由来の物質を標識しているハプテンと出会う確率を大幅に増大させることができ、したがって、所望のように、抗体溶液に含まれた抗体と、生化学解析用ユニット1の吸着性領域4に含まれている特異的結合物質に、選択的に、ハイブリダイズされた生体由来の物質を標識しているハプテンとを、抗原抗体反応によって、結合させることが可能になる。
【0372】
所定の時間が経過すると、コントロールユニット80は、第1のバルブ駆動手段83aに、第2の駆動信号を出力して、第1の溶液注入チューブ61aに設けられた第1のバルブ75aを、第1の溶液注入部62aと、大気とを連通させる第二の位置に位置させ、さらに、第1の切り換えバルブ駆動手段84aに、第1の駆動信号を出力して、第1の溶液注入チューブ61aに設けられた第1の切り換えバルブ76aを、第1の溶液ボトル57aと、第1の溶液注入部62aとを連通させるとともに、第1の分岐チューブ77aと、第1の溶液排出チューブ70aおよび第2の溶液排出チューブ70bとを連通させる第一の位置に位置させる。
【0373】
その結果、第1の分岐チューブ77aと、第1の溶液注入部62aの連通が断たれ、その一方で、第1の分岐チューブ77aと、第2の溶液排出チューブ70bとが連通されて、第1の溶液ボトル57aから、第1の溶液注入チューブ61a内に供給された抗体溶液は、すべて、第1の溶液注入部62a、溶液供給流路73、第1の溶液供給流路73a、生化学解析用ユニット収容部材60に形成された各貫通孔69a、69b、69c、69d、69e、生化学解析用ユニット1に形成された多数の吸着性領域4、下方ハウジング部58の対応する貫通孔64a、64b、64c、64d、64e、第1の溶液排出流路73a、溶液排出チューブ70および第2の溶液排出チューブ70bを通って、あるいは、第1の溶液注入部62a、溶液供給流路73、第2の溶液供給流路、生化学解析用ユニット収容部材60に形成された各貫通孔69f、69g、69h、69i、69j、生化学解析用ユニット1に形成された多数の吸着性領域4、下方ハウジング部58の対応する貫通孔64f、64g、64h、64i、64j、第2の溶液排出流路、溶液排出チューブ70および第2の溶液排出チューブ70bを通って、第2の溶液回収タンク72b内に回収される。
【0374】
こうして、第1の溶液ボトル57aから、第1の溶液注入チューブ61a内に供給された抗体溶液が、すべて、第2の溶液回収タンク72b内に回収されると、コントロールユニット80は、ポンプ78に駆動停止信号を出力して、ポンプ78の駆動を停止させ、次いで、第1のバルブ駆動手段83aに第3の駆動信号を出力して、第1の溶液注入チューブ61aに設けられた第1のバルブ75aを、第1の溶液ボトル57aおよび大気と、第1の溶液注入部62aとの連通を遮断させる第三の位置に位置させるとともに、第2の溶液排出バルブ駆動手段83bに閉鎖信号を出力して、第2の溶液排出バルブ71bを閉鎖させて、抗原抗体反応を完了させる。
【0375】
抗原抗体反応が完了すると、コントロールユニット80は、抗原抗体反応完了信号を、生化学解析システムのコントロールユニット45に出力する。
【0376】
生化学解析システムのコントロールユニット45は、抗原抗体反応完了信号を受けると、表示パネル51に、抗原抗体反応洗浄が完了した旨のメッセージを表示するとともに、洗浄操作開始信号を、ハイブリダイゼーション反応装置35のコントロールユニット80に出力する。
【0377】
ハイブリダイゼーション反応装置35のコントロールユニット80は、洗浄操作開始信号を受けると、第4のバルブ駆動手段83dに第1の駆動信号を出力して、第4の溶液注入チューブ61dに設けられた第4のバルブ75dを、第4の溶液ボトル57dと第4の溶液注入部62dとを連通させる第一の位置に位置させるとともに、第4の切り換えバルブ駆動手段84dに、第2の駆動信号を出力して、第4の溶液注入チューブ61dに設けられた第4の切り換えバルブ76dを、第4の溶液ボトル57dと、第4の溶液注入部62dとを連通させるとともに、第4の分岐チューブ77dと、第1の溶液排出チューブ70aおよび第2の溶液排出チューブ70bとを連通させる第一の位置に位置させる。
【0378】
さらに、コントロールユニット80は、第1の溶液排出バルブ駆動手段85aに閉鎖信号を出力して、第1の溶液排出バルブ71aを閉じさせるとともに、第2の溶液排出バルブ駆動手段85bに開放信号を出力して、第2の溶液排出バルブ71bを開放させる。これは、抗体溶液中には、放射性標識物質は含まれていないため、この場合には、回収される洗浄溶液中の放射性標識物質濃度は低く、したがって、洗浄溶液を、放射性標識物質濃度の高い溶液と分別して、放射性標識物質濃度の低い溶液を回収する第2の溶液回収タンク72b内に回収させるためである。
【0379】
次いで、コントロールユニット80は、ポンプ78に駆動信号を出力して、第4の溶液ボトル57d内に収容されている洗浄溶液を、第4の溶液注入チューブ61dを介して、生化学解析用ユニット収容部材60に形成された第4の溶液注入部62dに注入させる。
【0380】
第4の溶液注入部62dに注入された洗浄溶液は、単一の溶液供給流路73に流入し、さらに、溶液供給流路73から分岐した第1の溶液供給流路73aおよび第2の溶液供給流路に流入する。
【0381】
第1の溶液供給流路73aに流入した洗浄溶液は、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている生化学解析用ユニット1に対向する生化学解析用ユニット収容部材60の貫通孔69a、69b、69c、69d、69eに流入し、第2の溶液供給流路に流入した洗浄溶液は、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている生化学解析用ユニット1に対向する生化学解析用ユニット収容部材60の貫通孔69f、69g、69h、69i、69jに流入する。
【0382】
生化学解析用ユニット収容部材60に形成された各貫通孔69a、69b、69c、69d、69e、69f、69g、69h、69i、69jに流入した洗浄溶液は、それぞれ、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている10枚の生化学解析用ユニット1に形成された多数の吸着性領域4を横切って、生化学解析用ユニット収容部材60に形成された各貫通孔69a、69b、69c、69d、69e、69f、69g、69h、69i、69jに対向している下方ハウジング部58の対応する貫通孔64a、64b、64c、64d、64e、64f、64g、64h、64i、64j内に流入する。
【0383】
下方ハウジング部58の頂板に形成された各貫通孔64a、64b、64c、64d、64e内に流入した洗浄溶液は、第1の溶液排出流路73aに流入し、一方、下方ハウジング部58の頂板に形成された各貫通孔64f、64g、64h、64i、64j内に流入した洗浄溶液は、第2の溶液排出流路に流入する。
【0384】
第1の溶液排出流路73aに流入した洗浄溶液および第2の溶液排出流路に流入した洗浄溶液が、溶液排出チューブ70に流入すると、コントロールユニット80は、ポンプ78の駆動時間に基づいて、洗浄溶液が、第4の切り換えバルブ76dに到達するタイミングで、第4の切り換えバルブ駆動手段84dに、第2の駆動信号を出力し、第4の切り換えバルブ76dを、第4の溶液ボトル57dと、第1の溶液排出チューブ70aおよび第2の溶液排出チューブ70bとを連通させるとともに、第4の分岐チューブ77dと、第4の溶液注入部62dとを連通させる第二の位置に位置させる。
【0385】
その結果、第4の溶液注入チューブ61d、第4の溶液注入部62d、溶液供給流路73、第1の溶液供給流路73aおよび第2の溶液供給流路、生化学解析用ユニット収容部材60に形成された貫通孔69a、69b、69c、69d、69e、69f、69g、69h、69i、69j、下方ハウジング部58の頂板に形成された貫通孔64a、64b、64c、64d、64e、64f、64g、64h、64i、64j、溶液排出チューブ70ならびに第4の分岐チューブ77dによって、溶液循環流路が形成され、洗浄溶液は、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされた10枚の生化学解析用ユニット1に形成されている多数の吸着性領域4を横切って、溶液循環流路内を循環する。
【0386】
このように、本実施態様によれば、洗浄溶液が、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4を横切って、強制的に循環されるから、抗原抗体反応の過程で、抗原に結合されるべきでない抗体が、生化学解析用ユニット1の基板2に形成された吸着性領域4に吸着していても、抗原に結合されるべきでない抗体を、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4から、効果的に剥離させ、除去することが可能になり、洗浄効率を大幅に向上させることができる。
【0387】
所定の時間が経過すると、コントロールユニット80は、第4のバルブ駆動手段83dに、第2の駆動信号を出力して、第4の溶液注入チューブ61dに設けられた第4のバルブ75dを、第4の溶液注入部62dと、大気とを連通させる第二の位置に位置させ、さらに、第4の切り換えバルブ駆動手段84dに、第1の駆動信号を出力して、第4の溶液注入チューブ61dに設けられた第4の切り換えバルブ76dを、第4の溶液ボトル57dと、第4の溶液注入部62dとを連通させるとともに、第4の分岐チューブ77dと、第1の溶液排出チューブ70aおよび第2の溶液排出チューブ70bとを連通させる第一の位置に位置させる。
【0388】
その結果、第4の分岐チューブ77dと、第4の溶液注入部62dの連通が断たれ、その一方で、第4の分岐チューブ77dと、第1の溶液排出チューブ70aとが連通されて、第4の溶液ボトル57dから、第4の溶液注入チューブ61d内に供給された洗浄溶液は、すべて、第4の溶液注入部62d、溶液供給流路73、第1の溶液供給流路73a、生化学解析用ユニット収容部材60に形成された各貫通孔69a、69b、69c、69d、69e、生化学解析用ユニット1に形成された多数の吸着性領域4、下方ハウジング部58の対応する貫通孔64a、64b、64c、64d、64e、第1の溶液排出流路73a、溶液排出チューブ70および第1の溶液排出チューブ70aを通って、あるいは、第4の溶液注入部62d、溶液供給流路73、第2の溶液供給流路、生化学解析用ユニット収容部材60に形成された各貫通孔69f、69g、69h、69i、69j、生化学解析用ユニット1に形成された多数の吸着性領域4、下方ハウジング部58の対応する貫通孔64f、64g、64h、64i、64j、第2の溶液排出流路、溶液排出チューブ70および第2の溶液排出チューブ70bを通って、第2の溶液回収タンク72b内に回収される。
【0389】
こうして、第4の溶液ボトル57dから、第4の溶液注入チューブ61d内に供給された洗浄溶液がすべて、第2の溶液回収タンク72b内に回収されると、コントロールユニット80は、ポンプ78に駆動停止信号を出力して、ポンプ78の駆動を停止させ、次いで、第4のバルブ駆動手段83dに第3の駆動信号を出力して、第4の溶液注入チューブ61dに設けられた第4のバルブ75dを、第4の溶液ボトル57dおよび大気と、第4の溶液注入部62dとの連通を遮断させる第三の位置に位置させるとともに、第2の溶液排出バルブ駆動手段85aに閉鎖信号を出力して、第2の溶液排出バルブ71bを閉鎖させ、洗浄操作を完了させる。
【0390】
洗浄操作が完了すると、コントロールユニット80は、洗浄操作完了信号を、生化学解析システムのコントロールユニット45に出力する。
【0391】
生化学解析システムのコントロールユニット45は、洗浄操作完了信号を受けると、表示パネル51に、ハイブリダイゼーション反応が完了した旨のメッセージを表示する。
【0392】
以上のようにして、生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性領域4に、化学発光データが記録される。
【0393】
生化学解析用ユニット1の吸着性領域4に記録された化学発光データは、後述する冷却CCDカメラを含むデータ読み取り装置39によって読み取られ、生化学解析用データが生成される。
【0394】
こうして、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされた10枚の生化学解析用ユニット1のそれぞれに形成された多数の吸着性領域4に、放射線データ、蛍光データおよび化学発光データが記録されて、表示パネル51に、ハイブリダイゼーション反応が完了した旨のメッセージを表示した後、生化学解析システムのコントロールユニット45は、反応完了信号を、ハイブリダイゼーション反応装置35のコントロールユニット80および後に詳述する露光装置36のコントロールユニット(図示せず)に出力する。
【0395】
ハイブリダイゼーション反応装置35のコントロールユニット80は、コントロールユニット45から、反応完了信号を受けると、ソレノイド86に駆動信号を出力して、生化学解析用ユニット収容部材60の係止部材60aと、下方ハウジング部63の頂板に形成された係止部(図示せず)との係合を解除させる。
【0396】
その結果、捩りスプリング(図示せず)のスプリング力によって、一対のアーム59、59が、軸まわりに揺動されて、生化学解析用ユニット収容部材60が、生化学解析用ユニットキャリア6から離間される。
【0397】
次いで、コントロールユニット80は、搬送ベルト63、63を駆動する搬送ベルトモータ82に駆動信号を出力して、生化学解析用ユニットキャリア6を、後に詳述する露光装置36に搬送させる。
【0398】
図14は、本発明の好ましい実施態様にかかる生化学解析システムに用いられる蓄積性蛍光体シートの略斜視図である。
【0399】
図14に示されるように、蓄積性蛍光体シート90は、多数の略円形の貫通孔93が規則的に形成されたニッケル製の支持体91を備え、支持体91に形成された多数の貫通孔93内に、輝尽性蛍光体が埋め込まれて、多数の輝尽性蛍光体層領域92が、ドット状に形成されている。
【0400】
多数の貫通孔93は、生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性領域4と同一のパターンで、支持体91に形成され、各輝尽性蛍光体層領域92は、生化学解析用ユニット1の基板2に形成された吸着性領域4と等しいサイズを有するように、形成されている。
【0401】
したがって、図14には正確に示されていないが、19200の約0.07平方ミリメートルのサイズを有する略円形の輝尽性蛍光体層領域92が、120列×160行のマトリックス状に、規則的に、生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性領域4と同一の規則的なパターンにより、蓄積性蛍光体シート90の支持体91に形成されている。
【0402】
また、本実施態様においては、支持体91の表面と、ドット状に形成された輝尽性蛍光体層領域92の表面とが同一の高さに位置するように、支持体91に形成された貫通孔93に、輝尽性蛍光体が埋め込まれて、蓄積性蛍光体シート90が形成され、支持体91には、その蓄積性蛍光体シート90に固有のバーコード95が印刷されている。
【0403】
ここに、蓄積性蛍光体シート90の支持体91には、ともに使用されるべき生化学解析用ユニット1の基板2に印刷されたバーコード5aと、共通のバーコード95が印刷されている。これは、蓄積性蛍光体シート90と生化学解析用ユニット1の組み合わせが変わると、生化学解析の再現性が低下するので、つねに、特定の生化学解析用ユニット1と、特定の蓄積性蛍光体シート90とを、ともに使用することができるように保証するためである。
【0404】
図15は、10枚の蓄積性蛍光体シート90が固定された蓄積性蛍光体シートキャリアの略斜視図である。
【0405】
図15に示されるように、蓄積性蛍光体シートキャリア96は、略矩形状の板状部材によって構成されており、蓄積性蛍光体シートキャリア96の表面には、磁石(図示せず)が埋め込まれ、磁石により、10枚の蓄積性蛍光体シート90が、それぞれ、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされた10枚の生化学解析用ユニット1に対応する位置に、2列×5行のマトリックス状に、固定されている。
【0406】
蓄積性蛍光体シートキャリア96には、生化学解析用ユニットキャリア6に形成された位置合わせ用貫通孔6a、6aに対応する位置に、位置合わせ用ピン96a、96aが形成されている。
【0407】
図16は、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に選択的に含まれている放射性標識物質によって、蓄積性蛍光体シート90の支持体91に形成された多数の輝尽性蛍光体層領域92に含まれている輝尽性蛍光体を露光する露光装置36の略斜視図である。
【0408】
図16に示されるように、本発明の好ましい実施態様にかかる生化学解析システムを構成する露光装置36は、それぞれ、10枚の蓄積性蛍光体シート90が固定された複数の蓄積性蛍光体シートキャリア96を立てた状態で保持するキャリア保持部100と、蓄積性蛍光体シートキャリア96に固定された各蓄積性蛍光体シート90の支持体91に印刷されたバーコード95を読み取るバーコードリーダー(図示せず)と、白色光を発する複数の白色光源101と、10枚の生化学解析用ユニット1がセットされた生化学解析用ユニットキャリア6を、ハイブリダイゼーション反応装置35の搬送ベルト63、63から受け取り、搬送する搬送ベルト102と、10枚の生化学解析用ユニット1がセットされた生化学解析用ユニットキャリア6と10枚の蓄積性蛍光体シート90が固定された蓄積性蛍光体シートキャリア96のキャリア集積体を収容し、複数のキャリア集積体を、積層状態で、保持するボックス状のスタッカ103と、10枚の蓄積性蛍光体シート90が固定された蓄積性蛍光体シートキャリア96を、10枚の生化学解析用ユニット1がセットされた生化学解析用ユニットキャリア6から剥離するキャリア剥離部104を備えている。
【0409】
キャリア保持部100は、背板100aと底板100bを備えた略L字状断面を有する板状部材によって構成され、複数の蓄積性蛍光体シートキャリア96が、底板100b上に、立てた状態で、保持されるように構成されている。
【0410】
キャリア保持部100は、図16において、最も右側に保持された蓄積性蛍光体シートキャリア96を把持し、搬送ベルト102上に載置された生化学解析用ユニットキャリア6上に、重ね合わせるキャリア把持部材(図示せず)を備え、蓄積性蛍光体シートキャリア96は、キャリア把持部材によって把持されて、バーコードリーダー(図示せず)と、蓄積性蛍光体シートキャリア96に固定された10枚の蓄積性蛍光体シート90の支持体91のそれぞれに印刷されたバーコードとが対向するバーコード読み取り位置に移動され、バーコードリーダー(図示せず)により、蓄積性蛍光体シートキャリア96に固定された10枚の蓄積性蛍光体シート90の支持体91のそれぞれに印刷されたバーコードが読み取られると、複数の白色光源101に対向するエネルギー消去位置に移動され、白色光源111が点灯され、蓄積性蛍光体シートキャリア96に固定されている10枚の蓄積性蛍光体シート90に、白色光が照射され、蓄積性蛍光体シート90の輝尽性蛍光体層領域92に含まれている輝尽性蛍光体が励起されて、輝尽性蛍光体が蓄積している環境放射線などの放射線エネルギーが放出され、蓄積性蛍光体シート90の輝尽性蛍光体層領域92に蓄積されていた放射線エネルギーが消去されるように構成されている。
【0411】
図16に示されるように、搬送ベルト102とスタッカ103の間には、シュート105が形成されており、10枚の生化学解析用ユニット1がセットされた生化学解析用ユニットキャリア6と10枚の蓄積性蛍光体シート90が固定された蓄積性蛍光体シートキャリア96のキャリア集積体が、搬送ベルト102から、スタッカ103内に、シュート105によって、案内されるように構成されている。
【0412】
スタッカ103は、鉛直方向に昇降可能な昇降板106を備え、10枚の生化学解析用ユニット1がセットされた生化学解析用ユニットキャリア6と10枚の蓄積性蛍光体シート90が固定された蓄積性蛍光体シートキャリア96のキャリア集積体は、昇降板106の上面で、保持されるように構成されている。
【0413】
ボックス状のスタッカ103には、一方の壁面には、10枚の生化学解析用ユニット1がセットされた生化学解析用ユニットキャリア6と10枚の蓄積性蛍光体シート90が固定された蓄積性蛍光体シートキャリア96のキャリア集積体が通過可能なサイズを有するキャリア取り出し用開口部107が形成され、キャリア取り出し用開口部106に対向するスタッカ103の壁面には、10枚の生化学解析用ユニット1がセットされた生化学解析用ユニットキャリア6と10枚の蓄積性蛍光体シート90が固定された蓄積性蛍光体シートキャリア96のキャリア集積体を、キャリア取り出し用開口部107を介して、キャリア剥離部104に押し出すキャリア排出部材108が進退する開口部109が形成されている。
【0414】
キャリア排出部材108は、スタッカ103の内部から退避した待機位置と、スタッカ103の内部に突出して、10枚の生化学解析用ユニット1がセットされた生化学解析用ユニットキャリア6と10枚の蓄積性蛍光体シート90が固定された蓄積性蛍光体シートキャリア96のキャリア集積体を、キャリア取り出し用開口部107を介して、キャリア剥離部104に押し出すキャリア排出位置との間を、移動可能に構成されている。
【0415】
図16に示されるように、キャリア剥離部104は、その上面で、10枚の生化学解析用ユニット1がセットされた生化学解析用ユニットキャリア6と10枚の蓄積性蛍光体シート90が固定された蓄積性蛍光体シートキャリア96のキャリア集積体を支持するキャリア支持部材110と、キャリア支持部材110上に載置されたキャリア集積体の蓄積性蛍光体シートキャリア96を把持して、生化学解析用ユニットキャリア6から剥離させ、後に詳述する第1のスキャナ装置37に搬送するとともに、キャリア支持部材110上に載置された生化学解析用ユニットキャリア6を把持して、第2のスキャナ装置38あるいはデータ読み取り装置39に搬送するキャリア搬送部材111を備えている。
【0416】
図17は、図16に示された露光装置36の制御系、駆動系および検出系のブロックダイアグラムである。
【0417】
図17に示されるように、露光装置36の制御系は、露光装置36全体の動作を制御するコントロールユニット120と、白色光源101をオン・オフ制御する光源制御手段121を備えている。
【0418】
図17に示されるように、露光装置36の駆動系は、キャリア把持部材によって、蓄積性蛍光体シートキャリア96を把持させる第1のキャリア把持モータ122と、キャリア把持部材を移動させるキャリア把持部材モータ123と、搬送ベルト102を駆動する搬送ベルトモータ124と、スタッカ103の昇降板106を上下動させる昇降板モータ125と、キャリア排出部材108を、待機位置とキャリア排出位置との間で、移動させるソレノイド126と、キャリア搬送部材111を駆動して、蓄積性蛍光体シートキャリア96あるいは生化学解析用ユニットキャリア6を把持させる第2のキャリア把持モータ127と、キャリア搬送部材111を移動させる搬送部材モータ128とを備えている。
【0419】
図17に示されるように、第2のキャリア把持モータ127および搬送部材モータ128は、生化学解析システムのコントロールユニット45によって、制御されるように構成されている。
【0420】
図17に示されるように、露光装置36の検出系は、蓄積性蛍光体シートキャリア96の固定された10枚の蓄積性蛍光体シート90の支持体91のそれぞれに印刷されているバーコード95を読み取る10のバーコードリーダー129a、129b、129c、129d、129e、129f、129g、129h、129i、129jを備えている。図17においては、簡略化のため、バーコードリーダー129aのみが図示されている。
【0421】
以上のように構成された本実施態様にかかる露光装置36は、生化学解析システムのメモリ46に保存された生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4を選択的に標識する標識物質に、放射性標識物質が含まれているときは、以下のようにして、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に選択的に含まれている放射性標識物質によって、蓄積性蛍光体シート90の支持体91に形成された多数の輝尽性蛍光体層領域92に含まれている輝尽性蛍光体を露光する。
【0422】
ハイブリダイゼーション反応装置35によって、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされた10枚の生化学解析用ユニット1のそれぞれに形成された多数の吸着性領域4に、放射線データ、蛍光データおよび化学発光データが記録されると、生化学解析システムのコントロールユニット45は、反応完了信号をハイブリダイゼーション反応装置35のコントロールユニット80に出力するとともに、メモリ46に保存された標識データを読み出して、反応完了信号および標識データを、露光装置36のコントロールユニット120に出力する。
【0423】
ハイブリダイゼーション反応装置35のコントロールユニット80は、生化学解析システムのコントロールユニット45から、反応完了信号を受けると、搬送ベルトモータ82に駆動信号を出力して、ハイブリダイゼーション反応装置35の搬送ベルト63、63を駆動する。
【0424】
一方、露光装置のコントロールユニット120は、生化学解析システムのコントロールユニット45から、反応完了信号を受けると、搬送ベルトモータ124に駆動信号を出力して、搬送ベルト102を駆動させる。
【0425】
その結果、それぞれ、多数の吸着性領域4に、放射線データ、蛍光データおよび化学発光データが記録された10枚の生化学解析用ユニット1がセットされている生化学解析用ユニットキャリア6が、ハイブリダイゼーション反応装置35の搬送ベルト63、63から、露光装置36の搬送ベルト102上に受け渡される。
【0426】
生化学解析システムのコントロールユニット45から、入力された標識データに基づき、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4が、放射性標識物質によって選択的に標識されていると判定したときは、露光装置36のコントロールユニット120は、ハイブリダイゼーション反応装置35の搬送ベルト63、63から受け渡された10枚の生化学解析用ユニット1がセットされている生化学解析用ユニットキャリア6が、所定の位置に達すると、搬送ベルトモータ124に駆動停止信号を出力して、搬送ベルト102の駆動を停止させる。
【0427】
同時に、露光装置36のコントロールユニット120は、駆動停止信号を、生化学解析システムのコントロールユニット45に出力する。
【0428】
生化学解析システムのコントロールユニット45は、露光装置36のコントロールユニット120から、駆動停止信号を受けると、駆動停止信号を、ハイブリダイゼーション反応装置35のコントロールユニット80に転送し、ハイブリダイゼーション反応装置35のコントロールユニット80は、生化学解析システムのコントロールユニット45から、駆動停止信号を受けると、搬送ベルトモータ82に駆動停止信号を出力して、搬送ベルト63、63の駆動を停止させる。
【0429】
次いで、露光装置36のコントロールユニット120は、キャリア把持モータ123に駆動信号を出力して、キャリア把持部材によって、図16において、最も右側に保持された蓄積性蛍光体シートキャリア96を把持させる。
【0430】
蓄積性蛍光体シートキャリア96が、キャリア把持部材によって、把持されると、コントロールユニット120は、キャリア把持部材モータ122に駆動信号を出力して、蓄積性蛍光体シートキャリア96を、バーコード読み取り位置に移動させる。
【0431】
蓄積性蛍光体シートキャリア96が、キャリア把持部材によって、バーコード読み取り位置に移動されると、コントロールユニット120は、バーコードリーダー129a、129b、129c、129d、129e、129f、129g、129h、129i、129jをオンさせて、蓄積性蛍光体シートキャリア96の固定された10枚の蓄積性蛍光体シート90の支持体91のそれぞれに印刷されているバーコード95を読み取らせる。
【0432】
バーコードリーダー129a、129b、129c、129d、129e、129f、129g、129h、129i、129jによって、蓄積性蛍光体シートキャリア96の固定された10枚の蓄積性蛍光体シート90の支持体91のそれぞれに印刷されているバーコード95が読み取られて、生成されたバーコードデータは、コントロールユニット120に入力される。
【0433】
バーコードリーダー129a、129b、129c、129d、129e、129f、129g、129h、129i、129jから、バーコードデータが入力されると、コントロールユニット120は、バーコードデータを、生化学解析システムのコントロールユニット45に出力する。
【0434】
生化学解析システムのコントロールユニット45は、露光装置36のコントロールユニット120から、バーコードデータを受けると、メモリ46に保存されている生化学解析用ユニットキャリア6にセットされた10枚の生化学解析用ユニット1のバーコードデータを読み出し、入力された蓄積性蛍光体シートキャリア96に固定されている10枚の蓄積性蛍光体シート90のバーコードデータと比較する。
【0435】
その結果、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされた10枚の生化学解析用ユニット1のバーコードデータと、蓄積性蛍光体シートキャリア96に固定されている10枚の蓄積性蛍光体シート90のバーコードデータとが合致していないときは、蓄積性蛍光体シート90と生化学解析用ユニット1の組み合わせが変わると、生化学解析の再現性が低下するので、生化学解析システムのコントロールユニット45は、露光装置36のコントロールユニット120に、露光操作中断信号を出力して、露光操作を中断させるとともに、10枚の蓄積性蛍光体シート90が固定された蓄積性蛍光体シートキャリアを交換すべき旨のメッセージを、生化学解析システムの表示パネル51に表示させる。
【0436】
これに対して、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされた10枚の生化学解析用ユニット1のバーコードデータと、蓄積性蛍光体シートキャリア96に固定されている10枚の蓄積性蛍光体シート90のバーコードデータとが合致しているときは、生化学解析システムのコントロールユニット45は、何の信号も出力しない。
【0437】
したがって、露光装置36のコントロールユニット120は、さらに、キャリア把持部材モータ122に駆動信号を出力して、蓄積性蛍光体シートキャリア96を、バーコード読み取り位置から、複数の白色光源101と、蓄積性蛍光体シートキャリア96に固定された10枚の蓄積性蛍光体シート90が対向するエネルギー消去位置に移動させる。
【0438】
蓄積性蛍光体シートキャリア96が、エネルギー消去位置に移動されると、コントロールユニット120は、光源制御手段121に光源制御信号を出力して、複数の白色光源101を点灯させる。
【0439】
その結果、蓄積性蛍光体シートキャリア96に固定されている10枚の蓄積性蛍光体シート90に、白色光が照射され、蓄積性蛍光体シート90の輝尽性蛍光体層領域92に含まれている輝尽性蛍光体が励起されて、輝尽性蛍光体が蓄積している環境放射線などの放射線エネルギーが放出され、蓄積性蛍光体シート90の輝尽性蛍光体層領域92に蓄積されていた放射線エネルギーが消去される。
【0440】
所定の時間が経過すると、コントロールユニット120は、さらに、キャリア把持部材モータ122に駆動信号を出力して、蓄積性蛍光体シートキャリア96に形成された2つの位置合わせ用ピン96a、96aが、搬送ベルト102上に載置されている生化学解析用ユニットキャリア6に形成された2つ位置合わせ用貫通孔6a、6a内に挿通されるように、蓄積性蛍光体シートキャリア96を、搬送ベルト102上に載置されている生化学解析用ユニットキャリア6に重ね合わせる。
【0441】
その結果、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている10枚の生化学解析用ユニット1のそれぞれと、蓄積性蛍光体シートキャリア96に固定されている対応する蓄積性蛍光体シート90が密着される。
【0442】
ここに、各生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4と、各蓄積性蛍光体シート90の多数の輝尽性蛍光体層領域92は、同一のパターンによって、形成されているから、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている10枚の生化学解析用ユニット1のそれぞれと、蓄積性蛍光体シートキャリア96に固定されている対応する蓄積性蛍光体シート90とは、それぞれ、生化学解析用ユニット1に形成された各吸着性領域4が、蓄積性蛍光体シート90に形成された対応する輝尽性蛍光体層領域92と対向するように、密着される。
【0443】
こうして、蓄積性蛍光体シートキャリア96と、生化学解析用ユニットキャリア6とが重ね合わされ、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている10枚の生化学解析用ユニット1のそれぞれと、蓄積性蛍光体シートキャリア96に固定されている対応する蓄積性蛍光体シート90が密着されると、コントロールユニット120は、搬送ベルトモータ124に、駆動信号を出力して、搬送ベルト102を駆動させる。
【0444】
その結果、10枚の生化学解析用ユニット1がセットされている生化学解析用ユニットキャリア6と、10枚の蓄積性蛍光体シート90が固定されている蓄積性蛍光体シートキャリア96とのキャリア集積体が、シュート105によって、スタッカ103内に案内される。
【0445】
10枚の生化学解析用ユニット1がセットされている生化学解析用ユニットキャリア6と、10枚の蓄積性蛍光体シート90が固定されている蓄積性蛍光体シートキャリア96とのキャリア集積体は、あらかじめ、所定の位置に保持されていた昇降板106の上面によって、受け取られる。
【0446】
10枚の生化学解析用ユニット1がセットされている生化学解析用ユニットキャリア6と、10枚の蓄積性蛍光体シート90が固定されている蓄積性蛍光体シートキャリア96とのキャリア集積体が、昇降板106の上面によって、受け取られると、コントロールユニット120は、昇降板モータ125に駆動信号を出力して、昇降板106を、10枚の生化学解析用ユニット1がセットされている生化学解析用ユニットキャリア6と、10枚の蓄積性蛍光体シート90が固定されている蓄積性蛍光体シートキャリア96とのキャリア集積体の厚さに等しい距離だけ、下降させる。
【0447】
スタッカ103は、生化学解析用ユニットキャリア6と蓄積性蛍光体シートキャリア96の複数組みのキャリア集積体を、収容可能に構成され、生化学解析用ユニットキャリア6と蓄積性蛍光体シートキャリア96のキャリア集積体が、収容されるたびに、コントロールユニット120によって、昇降板モータ125に駆動信号が出力されて、昇降いた106が、10枚の生化学解析用ユニット1がセットされている生化学解析用ユニットキャリア6と、10枚の蓄積性蛍光体シート90が固定されている蓄積性蛍光体シートキャリア96とのキャリア集積体の厚さに等しい距離だけ、下降されるように構成されている。
【0448】
以上のようにして、生化学解析用ユニットキャリア6と、蓄積性蛍光体シートキャリア96のキャリア集積体は、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている10枚の生化学解析用ユニット1のそれぞれと、蓄積性蛍光体シートキャリア96に固定されている対応する蓄積性蛍光体シート90が密着された状態で、スタッカ103内に保持され、各生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に選択的に含まれている放射性標識物質によって、蓄積性蛍光体シート90の対応する輝尽性蛍光体層領域92が露光される。
【0449】
露光に際して、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に選択的に含まれている放射性標識物質から電子線(β線)が発せられるが、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4は、放射線エネルギーを減衰させる性質を有するステンレス鋼によって形成された基板2に、互いに離間して形成されているから、各吸着性領域4から放出された電子線(β線)が、生化学解析用ユニット1の基板2内で散乱して、その吸着性領域4に対向する輝尽性蛍光体層領域92に隣り合う輝尽性蛍光体層領域92に入射することを効果的に防止することができ、さらに、蓄積性蛍光体シート90の多数の輝尽性蛍光体層領域92が、放射線を減衰させる性質を有するニッケル製の支持体91に形成された多数の貫通孔93内に、輝尽性蛍光体を埋め込んで、形成されているから、各吸着性領域4から放出された電子線(β線)が、蓄積性蛍光体シート90の支持体91内で散乱して、その吸着性領域4に対向する輝尽性蛍光体層領域92に隣り合う輝尽性蛍光体層領域92に入射することを効果的に防止することができ、したがって、各吸着性領域4に含まれている放射性標識物質から発せられた電子線(β線)を、その吸着性領域4に対向する輝尽性蛍光体層領域92に、選択的に入射させることが可能になるから、生化学解析用ユニット1の各吸着性領域4に含まれている放射性標識物質から発せられた電子線(β線)が、隣り合う吸着性領域4から放出される電子線によって露光されるべき蓄積性蛍光体シート90の輝尽性蛍光体層領域92に入射して、輝尽性蛍光体を露光することを確実に防止することができる。
【0450】
こうして、所定の時間が経過すると、露光操作が完了し、コントロールユニット120は、昇降板モータ125に、露光完了信号を出力して、各蓄積性蛍光体シート90の露光操作が完了した生化学解析用ユニットキャリア6と、蓄積性蛍光体シートキャリア96のキャリア集積体が、キャリア取り出し用開口部107に対向する位置に位置するように、昇降板106を移動させる。
【0451】
次いで、コントロールユニット120は、ソレノイド126に駆動信号を出力して、キャリア排出部材108を、待機位置から、スタッカ103内のキャリア排出位置に移動させる。
【0452】
その結果、各蓄積性蛍光体シート90の露光操作が完了した生化学解析用ユニットキャリア6と、蓄積性蛍光体シートキャリア96のキャリア集積体は、キャリア排出部材108によって、キャリア取り出し用開口部107を介して、キャリア剥離部104に押し出され、キャリア剥離部104のキャリア支持部材110の上面に受け渡される。
【0453】
露光完了信号は、同時に、露光装置36のコントロールユニット120から、生化学解析システムのコントロールユニット45に出力される。
【0454】
生化学解析システムのコントロールユニット45は、露光装置36のコントロールユニット120から露光完了信号を受けると、表示パネル51に、露光操作が完了した旨のメッセージを表示させるとともに、搬送部材モータ128に、第1の駆動信号を出力して、待機位置に保持されたキャリア搬送部材111を、蓄積性蛍光体シートキャリア96を把持可能な位置に移動させ、さらに、第2のキャリア把持モータ127に、キャリア把持信号を出力して、キャリア搬送部材111に、キャリア剥離部104のキャリア支持部材110上に載置された生化学解析用ユニットキャリア6と、蓄積性蛍光体シートキャリア96のキャリア集積体のうち、蓄積性蛍光体シートキャリア96を把持させる。
【0455】
その結果、蓄積性蛍光体シートキャリア96が積層されていた生化学解析用ユニットキャリア6は、重力によって、キャリア支持部材110の上面に落下し、蓄積性蛍光体シートキャリア96が、生化学解析用ユニットキャリア6から剥離されて、蓄積性蛍光体シートキャリア96のみが、キャリア搬送部材111によって保持される。
【0456】
こうして、蓄積性蛍光体シートキャリア96のみが、キャリア搬送部材111によって保持されると、生化学解析システムのコントロールユニット45は、搬送部材モータ128に、第2の駆動信号を出力して、蓄積性蛍光体シートキャリア96を保持しているキャリア搬送部材111を、第1のスキャナ装置37に向けて、移動させる。
【0457】
10枚の蓄積性蛍光体シート90が固定された蓄積性蛍光体シートキャリア96が、第1のスキャナ装置37にセットされると、生化学解析システムのコントロールユニット45は、搬送部材モータ128に、第3の駆動信号を出力して、キャリア搬送部材111を、キャリア剥離部104のキャリア支持部材110内の待機位置に復帰させる。
【0458】
メモリ46から読み出した標識データに基づき、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4が、蛍光物質によって、選択的に標識されていると判定しているときは、生化学解析システムのコントロールユニット45は、搬送部材モータ128に、第4の駆動信号を出力して、キャリア搬送部材111を、キャリア剥離部104のキャリア支持部材110上に載置された生化学解析用ユニットキャリア6を把持可能な位置に移動させ、第2のキャリア把持モータ127に、キャリア把持信号を出力して、キャリア搬送部材111により、キャリア支持部材110上に載置された生化学解析用ユニットキャリア6を把持させる。
【0459】
次いで、生化学解析システムのコントロールユニット45は、搬送部材モータ128に、第5の駆動信号を出力して、生化学解析用ユニットキャリア6を保持しているキャリア搬送部材111を、第2のスキャナ装置38に向けて、移動させる。
【0460】
一方、メモリ46から読み出した標識データに基づき、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4が、化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせる標識物質によって、選択的に標識されていると判定しているときは、生化学解析システムのコントロールユニット45は、さらに、搬送部材モータ128に、第4の駆動信号を出力して、キャリア剥離部104のキャリア支持部材110上に載置された生化学解析用ユニットキャリア6を把持可能な位置に移動させ、第2のキャリア把持モータ127に、キャリア把持信号を出力して、キャリア搬送部材111に、キャリア支持部材110上に載置された生化学解析用ユニットキャリア6を把持させる。
【0461】
次いで、生化学解析システムのコントロールユニット45は、搬送部材モータ128に、第6の駆動信号を出力して、生化学解析用ユニットキャリア6を保持しているキャリア搬送部材111を、データ読み取り装置39に向けて、移動させる。
【0462】
これに対して、生化学解析システムのコントロールユニット45から入力された標識データに基づき、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4が、放射性標識物質によって、選択的に標識されてはいないと判定したときは、露光装置36のコントロールユニット120は、生化学解析用ユニットキャリア6が、搬送ベルト102によって、シュート105に送られ、シュート105を介して、スタッカ103内に収容されるまで、搬送ベルトモータ124を駆動し続ける。
【0463】
10枚の生化学解析用ユニット1がセットされている生化学解析用ユニットキャリア6は、あらかじめ、所定の位置に保持されていた昇降板106の上面によって、受け取られる。
【0464】
10枚の生化学解析用ユニット1がセットされている生化学解析用ユニットキャリア6が、昇降板106の上面によって、受け取られると、露光装置36のコントロールユニット120は、昇降板モータ125に駆動信号を出力して、生化学解析用ユニットキャリア6が、キャリア取り出し用開口部107に対向する位置に位置するように、昇降板106を移動させる。
【0465】
次いで、コントロールユニット120は、ソレノイド126に駆動信号を出力して、キャリア排出部材108を、待機位置から、スタッカ103内のキャリア排出位置に移動させる。
【0466】
その結果、生化学解析用ユニットキャリア6は、キャリア排出部材108によって、キャリア取り出し用開口部107を介して、キャリア剥離部104に押し出され、キャリア剥離部104のキャリア支持部材110の上面に受け渡される。
【0467】
キャリア排出部材108が操作されて、生化学解析用ユニットキャリア6が、キャリア剥離部104のキャリア支持部材110の上面に受け渡されると、露光装置36のコントロールユニット120は、生化学解析用ユニットキャリア搬送完了信号を、生化学解析システムのコントロールユニット45に出力する。
【0468】
生化学解析システムのコントロールユニット45は、露光装置36のコントロールユニット120から、生化学解析用ユニットキャリア搬送完了信号を受けると、メモリ46から読み出した標識データに基づき、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4が、蛍光物質によって、選択的に標識されていると判定しているときは、生化学解析システムのコントロールユニット45は、搬送部材モータ128に、第4の駆動信号を出力して、キャリア剥離部104のキャリア支持部材110上に載置された生化学解析用ユニットキャリア6を把持可能な位置に移動させ、第2のキャリア把持モータ127に、キャリア把持信号を出力して、キャリア搬送部材111に、キャリア支持部材110上に載置された生化学解析用ユニットキャリア6を把持させる。
【0469】
次いで、生化学解析システムのコントロールユニット45は、搬送部材モータ128に、第5の駆動信号を出力して、生化学解析用ユニットキャリア6を保持しているキャリア搬送部材111を、第2のスキャナ装置38に向けて、移動させる。
【0470】
一方、メモリ46から読み出した標識データに基づき、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4が、化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせる標識物質によって、選択的に標識されていると判定しているときは、生化学解析システムのコントロールユニット45は、さらに、搬送部材モータ128に、第4の駆動信号を出力して、キャリア剥離部104のキャリア支持部材110上に載置された生化学解析用ユニットキャリア6を把持可能な位置に移動させ、第2のキャリア把持モータ127に、キャリア把持信号を出力して、キャリア搬送部材111に、キャリア支持部材110上に載置された生化学解析用ユニットキャリア6を把持させる。
【0471】
次いで、生化学解析システムのコントロールユニット45は、搬送部材モータ128に、第6の駆動信号を出力して、生化学解析用ユニットキャリア6を保持しているキャリア搬送部材111を、データ読み取り装置39に向けて、移動させる。
【0472】
図18は、本発明の好ましい実施態様にかかる生化学解析システムを構成する第1のスキャナ装置37の略斜視図である。
【0473】
図18に示されるように、本実施態様かかる第1のスキャナ装置37は、10台のスキャナ130a、130b、130c、130d、130e、130f、130g、130h、130i、130jを備え、スキャナ130a、130b、130c、130d、130e、130f、130g、130h、130i、130jは、基板131の表面に固定されている。
【0474】
図18に示されるように、本実施態様かかる第1のスキャナ装置37は、基板131に固定されたスキャナ130a、130b、130c、130d、130e、130f、130g、130h、130i、130jの上方に、蓄積性蛍光体シートキャリア96が載置されるサンプルステージ133を備え、サンプルステージ133には、蓄積性蛍光体シートキャリア96に形成された2つの位置合わせ用ピン96a、96aに対応する位置に、2つの位置合わせ用貫通孔133a、133aが形成されている。
【0475】
図18に示されるように、サンプルステージ133には、スキャナ130a、130b、130c、130d、130e、130f、130g、130h、130i、130jに対応して、開口部132a、132b、132c、132d、132e、132f、132g、132h、132i、132jが形成され、サンプルステージ133に形成された2つの位置合わせ用貫通孔133a、133aが、蓄積性蛍光体シートキャリア96に形成された2つの位置合わせ用ピン96a、96a内に挿通されるように、蓄積性蛍光体シートキャリア96を、サンプルステージ133上に載置したときに、蓄積性蛍光体シートキャリア96に固定されている10枚の蓄積性蛍光体シート90が、開口部132a、132b、132c、132d、132e、132f、132g、132h、132i、132jを介して、スキャナ130a、130b、130c、130d、130e、130f、130g、130h、130i、130jに対向するように構成されており、また、サンプルステージ133の上方には、サンプルステージ133にセットされた蓄積性蛍光体シートキャリア96を把持可能なキャリア把持部材134が設けられている。
【0476】
キャリア把持部材134は、通常は、サンプルステージ133の上方の待機位置に保持され、蓄積性蛍光体シートキャリア96に固定されている各蓄積性蛍光体シート90の多数の輝尽性蛍光体層領域92に記録された放射線データの読み取りが完了すると、サンプルステージ133にセットされた蓄積性蛍光体シートキャリア96を把持可能なキャリア把持位置に移動され、蓄積性蛍光体シートキャリア96を把持して、蓄積性蛍光体シートキャリア96を、第1のスキャナ装置37から、蓄積性蛍光体シートキャリア回収ボックス40に移動可能に構成されている。
【0477】
第1のスキャナ装置37を構成するスキャナ130a、130b、130c、130d、130e、130f、130g、130h、130i、130jはすべて、同一の構成を有している。
【0478】
図19は、各スキャナ130a、130b、130c、130d、130e、130f、130g、130h、130i、130jの略側面図である。
【0479】
図19に示されるように、各スキャナ130a、130b、130c、130d、130e、130f、130g、130h、130i、130jは、640nmの波長のレーザ光140を発するレーザ励起光源141を備えている。
【0480】
本実施態様においては、レーザ励起光源141は、レーザダイオードによって構成されている。
【0481】
レーザ励起光源141から発せられたレーザ光140は、コリメータレンズ142によって、平行な光とされた後、ダイクロイックミラー143に入射する。
【0482】
ダイクロイックミラー143は、輝尽性蛍光体から放出される輝尽光の波長の光のみを透過し、レーザ光140の波長の光を反射する性質を有しており、ダイクロイックミラー143に入射したレーザ光140は、ダイクロイックミラー143によって反射されて、凸レンズ144に入射する。
【0483】
凸レンズ144に入射したレーザ光140は、凸レンズ144によって、集光され、サンプルステージ133に形成された対応する開口部132a、132b、132c、132d、132e、132f、132g、132h、132i、132jを介して、サンプルステージ133に載置された蓄積性蛍光体シートキャリア96に固定されている蓄積性蛍光体シート90の1つに入射する。
【0484】
蓄積性蛍光体シート90の支持体91に形成された各輝尽性蛍光体層領域92に、レーザ光140が入射すると、輝尽性蛍光体層領域92に含まれている輝尽性蛍光体が励起されて、輝尽光155が放出される。
【0485】
蓄積性蛍光体シート90の各輝尽性蛍光体層領域92から放出された輝尽光155は、凸レンズ144によって、ダイクロイックミラー143に集光される。
【0486】
ダイクロイックミラー143は、輝尽性蛍光体から放出される輝尽光の波長の光のみを透過する性質を有しているから、蓄積性蛍光体シート90の各輝尽性蛍光体層領域92から放出された輝尽光155は、ダイクロイックミラー143を透過して、凹面ミラー145に入射する。
【0487】
凹面ミラー145に入射した輝尽光155は、凹面ミラー145によって反射されて、フィルタ148に入射する。
【0488】
フィルタ148は、輝尽性蛍光体層領域92から放出される輝尽光155の波長域の光のみを透過し、640nmの波長の光をカットする性質を有しているため、蓄積性蛍光体シート90の各輝尽性蛍光体層領域92から放出された輝尽光155のみが、フィルタ148を通過して、フォトマルチプライア150に入射し、光電的に検出される。
【0489】
フォトマルチプライア150によって、光電的に検出されて、生成されたアナログデータは、A/D変換器151によって、ディジタルデータに変換されて、生化学解析用データが生成され、データバッファ152に一時的に保存される。
【0490】
データバッファ152に一時的に保存された生化学解析用データは、データ転送手段(図示せず)によって、生化学解析システムのデータ記憶手段47に出力され、データ記憶手段47の所定のメモリ領域に保存されるように構成されている。
【0491】
その表面に、スキャナ130a、130b、130c、130d、130e、130f、130g、130h、130i、130jが固定された基板131は、主走査ステッピングモータ(図示せず)によって、図18において、矢印Xで示される主走査方向に、蓄積性蛍光体シート90の支持体91に形成された隣り合う輝尽性蛍光体層領域92の間の距離に等しいピッチで、間欠的に移動可能に構成されるとともに、副走査パルスモータ(図示せず)によって、図18において、矢印Yで示される副走査方向に、蓄積性蛍光体シート90の支持体91に形成された輝尽性蛍光体層領域92の隣り合うラインの間の距離に等しいピッチで、間欠的に移動可能に構成されている。
【0492】
図20は、本発明の好ましい実施態様にかかる生化学解析システムを構成する第1のスキャナ装置37の制御系、駆動系および検出系を示すブロックダイアグラムである。
【0493】
図20に示されるように、本実施態様にかかる第1のスキャナ装置の制御系は、第1のスキャナ装置37全体の動作を制御するコントロールユニット170と、各スキャナ130a、130b、130c、130d、130e、130f、130g、130h、130i、130jのデータバッファ162に一時的に保存された生化学解析用データを、生化学解析システムのデータ記憶手段47に出力するデータ転送手段163を備えている。
【0494】
図20に示されるように、本実施態様にかかるスキャナ装置の駆動系は、基板131を、図18において、矢印Xで示される主走査方向に、蓄積性蛍光体シート90の支持体91に形成された隣り合う輝尽性蛍光体層領域92の間の距離に等しいピッチで、間欠的に移動させる主走査ステッピングモータ171と、基板131を、図18において、矢印Yで示される副走査方向に、蓄積性蛍光体シート90の支持体91に形成された輝尽性蛍光体層領域92の隣り合うラインの間の距離に等しいピッチで、間欠的に移動させる副走査パルスモータ172と、キャリア把持部材134を移動させるキャリア把持部材モータ173と、キャリア把持部材134によって、サンプルステージ133にセットされた蓄積性蛍光体シートキャリア96を把持させるキャリア把持モータ174を備えている。
【0495】
図20に示されるように、基板131の主走査方向における位置を検出するリニアエンコーダ175を備えている。
【0496】
露光装置36のキャリア剥離部104において、生化学解析用ユニットキャリア6から剥離され、キャリア搬送部材111によって把持された蓄積性蛍光体シートキャリア96が、第1のスキャナ装置37のサンプルステージ133上に搬送され、蓄積性蛍光体シートキャリア96に形成された2つの位置合わせ用ピン96a、96aが、第1のスキャナ装置37のサンプルステージ133に形成された2つの位置合わせ用貫通孔133a、133a内に挿通されると、生化学解析システムのコントロールユニット45は、搬送部材モータ128に駆動停止信号を出力して、蓄積性蛍光体シートキャリア96の搬送を停止させ、さらに、第2のキャリア把持モータ127に、キャリア把持解除信号を出力して、キャリア搬送部材111による蓄積性蛍光体シートキャリア96の把持を解除させる。
【0497】
その結果、蓄積性蛍光体シートキャリア96は、サンプルステージ133上の所定に位置にセットされる。
【0498】
蓄積性蛍光体シートキャリア96が、サンプルステージ133上の所定に位置にセットされると、生化学解析システムのコントロールユニット45は、搬送部材モータ128に、第3の駆動信号を出力して、キャリア搬送部材111を、露光装置36のキャリア剥離部104内の待機位置に復帰させる。
【0499】
キャリア搬送部材111が、露光装置36のキャリア剥離部104内の待機位置に復帰されると、生化学解析システムのコントロールユニット45は、第1のスキャナ装置37のコントロールユニット170にデータ読み取り開始信号を出力する。
【0500】
第1のスキャナ装置37のコントロールユニット170は、生化学解析システムのコントロールユニット45から、データ読み取り開始信号を受けると、主走査ステッピングモータ171に駆動信号を出力し、基板131を主走査方向に移動させる。
【0501】
リニアエンコーダ175から入力される基板131の位置検出信号に基づき、蓄積性蛍光体シートキャリア96に固定されている各蓄積性蛍光体シート90の支持体91に形成された多数の輝尽性蛍光体層領域92のうち、最初に、レーザ光140を照射すべき第1の輝尽性蛍光体層領域92に、各スキャナ130a、130b、130c、130d、130e、130f、130g、130h、130i、130jのレーザ励起光源141から、レーザ光140を照射可能な位置に、基板131が達したことが確認されると、第1のスキャナ装置37のコントロールユニット170は、主走査ステッピングモータ171に駆動停止信号を出力するとともに、各スキャナ130a、130b、130c、130d、130e、130f、130g、130h、130i、130jのレーザ励起光源141に駆動信号を出力して、レーザ励起光源141を起動させ、640nmの波長のレーザ光140を発せさせる。
【0502】
各スキャナ130a、130b、130c、130d、130e、130f、130g、130h、130i、130jのレーザ励起光源141から発せられたレーザ光140は、コリメータレンズ142によって、平行な光とされた後、ダイクロイックミラー143に入射する。
【0503】
ダイクロイックミラー143は、輝尽性蛍光体から放出される輝尽光の波長の光のみを透過し、レーザ光140の波長の光を反射する性質を有しており、ダイクロイックミラー143に入射したレーザ光140は、ダイクロイックミラー143によって反射されて、凸レンズ144に入射する。
【0504】
凸レンズ144に入射したレーザ光140は、凸レンズ144によって、集光され、サンプルステージ133に形成された対応する開口部132a、132b、132c、132d、132e、132f、132g、132h、132i、132jを介して、サンプルステージ133に載置された蓄積性蛍光体シートキャリア96に固定されている対応する蓄積性蛍光体シート90の第1の輝尽性蛍光体層領域92に入射する。
【0505】
本実施態様においては、蓄積性蛍光体シート90の多数の輝尽性蛍光体層領域92は、それぞれ、ステンレス鋼製の支持体91に形成された貫通孔93内に、輝尽性蛍光体が埋め込まれて形成されているから、各輝尽性蛍光体層領域92内で、レーザ光140が散乱して、隣り合った輝尽性蛍光体層領域92内に入射し、隣り合った輝尽性蛍光体層領域92内に含まれている輝尽性蛍光体を励起することを効果的に防止することが可能になる。
【0506】
レーザ光140が、各蓄積性蛍光体シート90の支持体91に形成された第1の輝尽性蛍光体層領域92に入射すると、蓄積性蛍光体シート90の支持体91に形成された第1の輝尽性蛍光体層領域92に含まれている輝尽性蛍光体が、レーザ光140によって励起されて、第1の輝尽性蛍光体層領域92から輝尽光155が放出される。
【0507】
各蓄積性蛍光体シート90の支持体91に形成された第1の輝尽性蛍光体層領域92から放出された輝尽光155は、凸レンズ144によって、ダイクロイックミラー144に集光される。
【0508】
ダイクロイックミラー143は、輝尽性蛍光体から放出される輝尽光の波長の光のみを透過する性質を有しているから、各蓄積性蛍光体シート90の第1の輝尽性蛍光体層領域92から放出された輝尽光155は、ダイクロイックミラー143を透過して、凹面ミラー145に入射する。
【0509】
凹面ミラー145に入射した輝尽光155は、凹面ミラー145によって反射されて、フィルタ148に入射する。
【0510】
フィルタ148は、輝尽性蛍光体から放出される輝尽光155の波長域の光のみを透過し、640nmの波長の光をカットする性質を有しているので、励起光である640nmの波長の光がカットされ、各蓄積性蛍光体シート90の支持体91に形成された第1の輝尽性蛍光体層領域92から放出された輝尽光155の波長域の光のみがフィルタ148を透過して、フォトマルチプライア150によって、光電的に検出される。
【0511】
フォトマルチプライア160によって光電的に検出されて、生成されたアナログ信号は、A/D変換器151に出力されて、ディジタル信号に変換されて、生化学解析用データが生成され、データバッファ152に一時的に保存される。
【0512】
データバッファ152に一時的に保存された生化学解析用データは、データ転送手段163によって、生化学解析システムのデータ記憶手段47に出力され、データ記憶手段47の所定のメモリ領域に保存される。。
【0513】
各スキャナ130a、130b、130c、130d、130e、130f、130g、130h、130i、130jのレーザ励起光源141がオンされた後、所定の時間、たとえば、数μ秒が経過すると、第1のスキャナ装置37のコントロールユニット170は、各スキャナ130a、130b、130c、130d、130e、130f、130g、130h、130i、130jのレーザ励起光源141に駆動停止信号を出力して、レーザ励起光源141の駆動を停止させるとともに、主走査ステッピングモータ171に駆動信号を出力して、基板131を、各蓄積性蛍光体シート90の支持体91に形成された隣り合う輝尽性蛍光体層領域92の間の距離に等しい1ピッチだけ、移動させる。
【0514】
リニアエンコーダ175から入力された基板131の位置検出信号に基づき、基板131が、蓄積性蛍光体シート90の支持体91に形成された隣り合う輝尽性蛍光体層領域92の間の距離に等しい1ピッチだけ移動されて、各スキャナ130a、130b、130c、130d、130e、130f、130g、130h、130i、130jのレーザ励起光源141から発せられるレーザ光140を、各蓄積性蛍光体シート90の支持体91に形成された第1の輝尽性蛍光体層領域92に隣り合う第2の輝尽性蛍光体層領域92に照射可能な位置に移動したことが確認されると、第1のスキャナ装置37のコントロールユニット170は、各スキャナ130a、130b、130c、130d、130e、130f、130g、130h、130i、130jのレーザ励起光源141に駆動信号を出力して、レーザ励起光源141をオンさせて、レーザ光140によって、各蓄積性蛍光体シート90の支持体91に形成された第2の輝尽性蛍光体層領域92に含まれている輝尽性蛍光体を励起する。
【0515】
同様にして、所定の時間にわたり、レーザ光140が、各蓄積性蛍光体シート90の支持体91に形成された第2の輝尽性蛍光体層領域92に照射され、第2の輝尽性蛍光体層領域92に含まれている輝尽性蛍光体が励起されて、第2の輝尽性蛍光体層領域92から放出された輝尽光155が、フォトマルチプライア150によって、光電的に検出されて、アナログデータが生成されると、第1のスキャナ装置37のコントロールユニット170は、各スキャナ130a、130b、130c、130d、130e、130f、130g、130h、130i、130jのレーザ励起光源141に駆動停止信号を出力して、レーザ励起光源141をオフさせるとともに、主走査ステッピングモータ171に駆動信号を出力して、基板131を、各蓄積性蛍光体シート90の隣り合う輝尽性蛍光体層領域92の間の距離に等しい1ピッチだけ、移動させる。
【0516】
こうして、基板131の間欠的な移動に同期して、各スキャナ130a、130b、130c、130d、130e、130f、130g、130h、130i、130jのレーザ励起光源141のオン・オフが繰り返され、リニアエンコーダ175から入力された基板131の位置検出信号に基づき、基板131が、主走査方向に1ライン分だけ、移動され、各蓄積性蛍光体シート90の支持体91に形成された第1ライン目の輝尽性蛍光体層領域92のレーザ光140による走査が完了したことが確認されると、第1のスキャナ装置37のコントロールユニット170は、主走査ステッピングモータ171に駆動信号を出力して、基板131を元の位置に復帰させるとともに、副走査パルスモータ172に駆動信号を出力して、基板131を、副走査方向に、1ライン分だけ、移動させる。
【0517】
リニアエンコーダ175から入力された基板131の位置検出信号に基づき、基板131が元の位置に復帰され、さらに、基板131が、副走査方向に、1ライン分だけ、移動されたことが確認されると、第1のスキャナ装置37のコントロールユニット170は、各蓄積性蛍光体シート90の支持体91に形成された第1ライン目の輝尽性蛍光体層領域92に、順次、各スキャナ130a、130b、130c、130d、130e、130f、130g、130h、130i、130jのレーザ励起光源141から発せられるレーザ光140を照射したのと全く同様にして、各蓄積性蛍光体シート90の支持体91に形成された第2ライン目の輝尽性蛍光体層領域92に、順次、各スキャナ130a、130b、130c、130d、130e、130f、130g、130h、130i、130jのレーザ励起光源141から発せられるレーザ光140を照射して、第2ライン目の輝尽性蛍光体層領域92に含まれている輝尽性蛍光体を励起し、第2ライン目の輝尽性蛍光体層領域92から発せられた輝尽光155を、順次、フォトマルチプライア150に光電的に検出させる。
【0518】
フォトマルチプライア150によって光電的に検出されて、生成されたアナログデータは、A/D変換器151によって、ディジタルデータに変換されて、生化学解析用データが生成され、データバッファ152に一時的に保存される。
【0519】
データバッファ152に一時的に保存された生化学解析用データは、データ転送手段163によって、生化学解析システムのデータ記憶手段47に出力され、データ記憶手段47の所定のメモリ領域に保存される。
【0520】
こうして、サンプルステージ133にセットされている蓄積性蛍光体シートキャリア96に固定された各蓄積性蛍光体シート90の支持体91に形成されたすべての輝尽性蛍光体層領域92が、各スキャナ130a、130b、130c、130d、130e、130f、130g、130h、130i、130jのレーザ励起光源141から放出されたレーザ光140によって走査され、各蓄積性蛍光体シート90の輝尽性蛍光体層領域92に含まれている輝尽性蛍光体が励起されて、放出された輝尽光155が、フォトマルチプライア150によって、光電的に検出され、生成されたアナログデータが、A/D変換器151により、ディジタルデータに変換されて、生化学解析用データが生成され、データバッファ152に一時的に保存されると、第1のスキャナ装置37のコントロールユニット170から、駆動停止信号が、各スキャナ130a、130b、130c、130d、130e、130f、130g、130h、130i、130jのレーザ励起光源141に出力され、レーザ励起光源141の駆動が停止される。
【0521】
以上のようにして、蓄積性蛍光体シートキャリア96に固定されている蓄積性蛍光体シート90の支持体91に形成された多数の輝尽性蛍光体層領域92に記録されている放射線データが読み取られて、生化学解析用データが生成され、生化学解析システムのデータ記憶手段47の所定のメモリ領域に保存される。
【0522】
レーザ励起光源141の駆動が停止されると、第1のスキャナ装置37のコントロールユニット170は、放射線データ読み取り完了信号を、生化学解析システムのコントロールユニット45に出力する。
【0523】
生化学解析システムのコントロールユニット45は、第1のスキャナ装置37のコントロールユニット170から放射線データ読み取り完了信号を受けると、放射線データの読み取りが完了した旨のメッセージを、表示パネル51に表示させるとともに、蓄積性蛍光体シート90の多数の輝尽性蛍光体層領域92に記録された放射線データを読み取って、生成され、データ記憶手段47の所定のメモリ領域に保存されている生化学解析用データを、データ表示手段49に出力させ、データ表示手段49に、データ記憶手段47から入力された生化学解析用データに基づいて、可視データを、CRT52の画面上に表示させる。
【0524】
次いで、生化学解析システムのコントロールユニット45は、キャリア把持部材モータ173に第1の駆動信号を出力して、サンプルステージ133の上方の待機位置に保持されているキャリア把持部材134を、サンプルステージ133にセットされた蓄積性蛍光体シートキャリア96を把持可能なキャリア把持位置に移動させる。
【0525】
キャリア把持部材134が、サンプルステージ133にセットされた蓄積性蛍光体シートキャリア96を把持可能なキャリア把持位置に移動されると、生化学解析システムのコントロールユニット45は、キャリア把持部材モータ173に駆動停止信号を出力して、キャリア把持部材134を停止させ、さらに、キャリア把持モータ174にキャリア把持信号を出力して、キャリア把持部材134に、サンプルステージ133にセットされた蓄積性蛍光体シートキャリア96を把持させる。
【0526】
次いで、生化学解析システムのコントロールユニット45は、キャリア把持部材モータ173に第2の駆動信号を出力して、蓄積性蛍光体シートキャリア96を把持しているキャリア把持部材134を、蓄積性蛍光体シートキャリア回収ボックス40に移動させる。
【0527】
キャリア把持部材134が、蓄積性蛍光体シートキャリア回収ボックス40内の所定の位置に移動されると、生化学解析システムのコントロールユニット45は、キャリア把持部材モータ173に駆動停止信号を出力して、キャリア把持部材134を停止させ、さらに、キャリア把持モータ174にキャリア把持解除信号を出力して、キャリア把持部材134による蓄積性蛍光体シートキャリア96の把持を解除させる。
【0528】
その結果、蓄積性蛍光体シートキャリア96は、蓄積性蛍光体シートキャリア回収ボックス40内に落下して、回収される。
【0529】
生化学解析システムのコントロールユニット45は、次いで、蓄積性蛍光体シートキャリア96が、蓄積性蛍光体シートキャリア回収ボックス40内に回収された旨のメッセージを、表示パネル51に表示させるとともに、キャリア把持部材モータ173に第3の駆動信号を出力して、キャリア把持部材134を、第1のスキャナ装置37のサンプルステージ133の上方の待機位置に復帰させる。
【0530】
蓄積性蛍光体シートキャリア回収ボックス40内に回収された蓄積性蛍光体シートキャリア96に固定された蓄積性蛍光体シート90は、使用回数に応じて、再度、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に選択的に含まれた放射性標識物質による露光に使用され、または、放射能レベルが、所定レベル以下なるまで、保管された後、リサイクルもしくは廃棄される。
【0531】
図21は、本発明の好ましい実施態様にかかる生化学解析システムを構成する第2のスキャナ装置38の略斜視図である。
【0532】
図21に示されるように、本実施態様かかる第2のスキャナ装置38は、10台のスキャナ180a、180b、180c、180d、180e、180f、180g、180h、180i、180jを備え、スキャナ180a、180b、180c、180d、180e、180f、180g、180h、180i、180jは、基板181の下面に固定されている。
【0533】
図21に示されるように、本実施態様かかる第2のスキャナ装置38は、基板181に固定されたスキャナ180a、180b、180c、180d、180e、180f、180g、180h、180i、180jの下方に、生化学解析用ユニットキャリア6が載置される基板182を備えたサンプルステージ183を備え、基板182には、生化学解析用ユニットキャリア6に形成された位置合わせ用貫通孔6a、6aに対応する位置に、2つの位置合わせ用ピン183a、183aが形成されている。
【0534】
図21に示されるように、サンプルステージ183の側方には、サンプルステージ183にセットされた生化学解析用ユニットキャリア6を把持可能なキャリア把持部材184が設けられている。
【0535】
キャリア把持部材184は、通常は、サンプルステージ183の側方の待機位置に保持され、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている各生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に記録された蛍光データの読み取りが完了すると、サンプルステージ183にセットされた生化学解析用ユニットキャリア6を把持可能なキャリア把持位置に移動されて、生化学解析用ユニットキャリア6を把持して、生化学解析用ユニットキャリア6を、第2のスキャナ装置38から、生化学解析用ユニットキャリア回収ボックス41に移動可能に構成されている。
【0536】
第2のスキャナ装置38を構成するスキャナ180a、180b、180c、180d、180e、180f、180g、180h、180i、180jはすべて、同一の構成を有している。
【0537】
図22は、各スキャナ180a、180b、180c、180d、180e、180f、180g、180h、180i、180jの略側面図である。
【0538】
図22に示されるように、各スキャナ180a、180b、180c、180d、180e、180f、180g、180h、180i、180jは、532nmの波長のレーザ光190を発するレーザ励起光源191を備えている。
【0540】
レーザ励起光源191から発せられたレーザ光190は、コリメータレンズ192によって、平行な光とされた後、ダイクロイックミラー193に入射する。
【0541】
ダイクロイックミラー193は、532nmの波長の光をカットし、532nmよりも波長の長い光を透過する性質を有しており、ダイクロイックミラー193に入射したレーザ光190は、ダイクロイックミラー193によって反射されて、凸レンズ194に入射する。
【0542】
凸レンズ194に入射したレーザ光190は、凸レンズ194によって、集光され、サンプルステージ183の基板182に載置された生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている生化学解析用ユニット1の1つに入射する。
【0543】
生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている生化学解析用ユニット1の基板2に形成された各吸着性領域4に、レーザ光190が入射すると、吸着性領域4に含まれている蛍光物質であるCy3が励起されて、レーザ光の波長よりも波長の長い蛍光205が発せられる。
【0544】
生化学解析用ユニット1の各吸着性領域4から放出された蛍光205は、凸レンズ194によって、ダイクロイックミラー193に集光される。
【0545】
ダイクロイックミラー193は、532nmよりも波長の長い光を透過する性質を有しているから、生化学解析用ユニット1の各吸着性領域4から放出された蛍光205は、ダイクロイックミラー193を透過して、凹面ミラー195に入射する。
【0546】
凹面ミラー195に入射した蛍光205は、凹面ミラー195によって反射されて、フィルタ198に入射する。
【0547】
フィルタ198は、532nmの波長の光をカットし、532nmよりも波長の長い光を透過する性質を有しているので、励起光である532nmの波長の光がカットされ、Cy3から放出された532nmよりも波長の長い蛍光205の波長域の光のみがフィルタ198を透過して、フォトマルチプライア200に入射し、光電的に検出される。
【0548】
フォトマルチプライア200によって、光電的に検出されて、生成されたアナログデータは、A/D変換器201によって、ディジタルデータに変換されて、生化学解析用データが生成され、データバッファ202に一時的に保存される。
【0549】
データバッファ202に一時的に保存された生化学解析用データは、データ転送手段(図示せず)によって、生化学解析システムのデータ記憶手段47に出力され、データ記憶手段47の所定のメモリ領域に保存されるように構成されている。
【0550】
その表面に、生化学解析用ユニットキャリア6がセットされた基板182は、主走査ステッピングモータ(図示せず)によって、図21において、矢印Xで示される主走査方向に、生化学解析用ユニット1の基板2に形成された隣り合う吸着性領域4の間の距離に等しいピッチで、間欠的に移動可能に構成されるとともに、副走査パルスモータ(図示せず)によって、図21において、矢印Yで示される副走査方向に、生化学解析用ユニット1の基板2に形成された吸着性領域4の隣り合うラインの間の距離に等しいピッチで、間欠的に移動可能に構成されている。
【0551】
図23は、本発明の好ましい実施態様にかかる生化学解析システムを構成する第2のスキャナ装置38の制御系、駆動系および検出系を示すブロックダイアグラムである。
【0552】
図23に示されるように、本実施態様にかかるスキャナ装置の制御系は、第2のスキャナ装置38全体の動作を制御するコントロールユニット220と、各スキャナ180a、180b、180c、180d、180e、180f、180g、180h、180i、180jのデータバッファ212に一時的に保存された生化学解析用データを、生化学解析システムのデータ記憶手段47に出力するデータ転送手段213を備えている。
【0553】
図23に示されるように、本実施態様にかかるスキャナ装置の駆動系は、基板181を、図21において、矢印Xで示される主走査方向に、生化学解析用ユニット1の基板2に形成された隣り合う吸着性領域4の間の距離に等しいピッチで、間欠的に移動させる主走査225210と、基板181を、図21において、矢印Yで示される副走査方向に、生化学解析用ユニット1の基板2に形成された吸着性領域4の隣り合うラインの間の距離に等しいピッチで、間欠的に移動させる副走査パルスモータ222と、キャリア把持部材184を移動させるキャリア把持部材モータ223と、キャリア把持部材184によって、サンプルステージ183にセットされた生化学解析用ユニットキャリア6を把持させるキャリア把持モータ224を備えている。
【0554】
図23に示されるように、フォトマルチプライア210と、基板181の主走査方向における位置を検出するリニアエンコーダ225を備えている。
【0555】
露光装置36のキャリア剥離部104において、生化学解析用ユニットキャリア6から剥離された10枚の蓄積性蛍光体シート90が固定されている蓄積性蛍光体シートキャリア96を、第1のスキャナ装置37にセットし、キャリア搬送部材111を、露光装置36のキャリア剥離部104内の待機位置に復帰させた後、メモリ46から読み出した標識データに基づき、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4が、蛍光物質によって、選択的に標識されていると判定しているときは、生化学解析システムのコントロールユニット45は、搬送部材モータ128に、第4の駆動信号を出力して、キャリア剥離部104のキャリア支持部材110上に載置された生化学解析用ユニットキャリア6を把持可能な位置に移動させ、第2のキャリア把持モータ127に、キャリア把持信号を出力して、キャリア搬送部材111により、キャリア支持部材110上に載置された生化学解析用ユニットキャリア6を把持させる。
【0556】
次いで、生化学解析システムのコントロールユニット45は、搬送部材モータ128に、第5の駆動信号を出力して、生化学解析用ユニットキャリア6を保持しているキャリア搬送部材111を、第2のスキャナ装置38に向けて、移動させる。
【0557】
キャリア搬送部材111によって把持された生化学解析用ユニットキャリア6が、第2のスキャナ装置38のサンプルステージ183上に搬送され、サンプルステージ183の基板182に形成された2つの位置合わせ用ピン183a、183aが、生化学解析用ユニットキャリア6に形成された2つの位置合わせ用貫通孔6a、6a内に挿通されると、生化学解析システムのコントロールユニット45は、搬送部材モータ128に駆動停止信号を出力して、生化学解析用ユニットキャリア6の搬送を停止させ、さらに、第2のキャリア把持モータ127に、キャリア把持解除信号を出力して、キャリア搬送部材111による蓄積性蛍光体シートキャリア96の把持を解除させる。
【0558】
その結果、生化学解析用ユニットキャリア6は、サンプルステージ183の基板182上の所定の位置にセットされる。
【0559】
生化学解析用ユニットキャリア6が、サンプルステージ183の基板182上の所定の位置にセットされると、生化学解析システムのコントロールユニット45は、搬送部材モータ128に、第7の駆動信号を出力して、キャリア搬送部材111を、露光装置36のキャリア剥離部104内の待機位置に復帰させる。
【0560】
キャリア搬送部材111が、露光装置36のキャリア剥離部104内の待機位置に復帰されると、生化学解析システムのコントロールユニット45は、第2のスキャナ装置38のコントロールユニット220にデータ読み取り開始信号を出力する。
【0561】
第2のスキャナ装置38のコントロールユニット220は、生化学解析システムのコントロールユニット45から、データ読み取り開始信号を受けると、主走査ステッピングモータ221に駆動信号を出力し、基板182を主走査方向に移動させる。
【0562】
リニアエンコーダ225から入力される基板182の位置検出信号に基づき、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている各生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性領域4のうち、最初に、レーザ光190を照射すべき第1の吸着性領域4に、各スキャナ180a、180b、180c、180d、180e、180f、180g、180h、180i、180jのレーザ励起光源191から、レーザ光190を照射可能な位置に、基板181が達したことが確認されると、第2のスキャナ装置38のコントロールユニット220は、主走査ステッピングモータ221に駆動停止信号を出力するとともに、各スキャナ180a、180b、180c、180d、180e、180f、180g、180h、180i、180jのレーザ励起光源191に駆動信号を出力して、レーザ励起光源191を起動させ、532nmの波長のレーザ光190を発せさせる。
【0563】
各スキャナ180a、180b、180c、180d、180e、180f、180g、180h、180i、180jのレーザ励起光源191から発せられたレーザ光190は、コリメータレンズ192によって、平行な光とされた後、ダイクロイックミラー193に入射する。
【0564】
ダイクロイックミラー193は、532nmの波長の光をカットし、532nmよりも波長の長い光を透過する性質を有しており、ダイクロイックミラー193に入射したレーザ光190は、ダイクロイックミラー193によって反射されて、凸レンズ194に入射する。
【0565】
凸レンズ194に入射したレーザ光190は、凸レンズ194によって、集光され、サンプルステージ183の基板182上に載置された生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている各生化学解析用ユニット1の第1の吸着性領域4に入射する。
【0566】
本実施態様においては、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4は、それぞれ、ステンレス鋼製の基板2に形成された貫通孔3内に、ナイロン6が埋め込まれて形成されているから、各吸着性領域4内で、レーザ光190が散乱して、隣り合った吸着性領域4内に入射し、隣り合った吸着性領域4内に含まれている蛍光物質を励起することを効果的に防止することが可能になる。
【0567】
レーザ光190が、各生化学解析用ユニット1の基板2に形成された第1の吸着性領域4に入射すると、生化学解析用ユニット1の基板2に形成された第1の吸着性領域4に含まれている蛍光物質であるCy3が、レーザ光190によって励起されて、第1の吸着性領域4から、532nmよりも波長の長い蛍光205が放出される。
【0568】
各生化学解析用ユニット1の第1の吸着性領域4から放出された蛍光205は、凸レンズ195によって、ダイクロイックミラー194に集光される。
【0569】
ダイクロイックミラー193は、532nmの波長の光をカットし、532nmよりも波長の長い光を透過する性質を有しているから、各生化学解析用ユニット1の第1の吸着性領域4から放出された蛍光205は、ダイクロイックミラー193を透過して、凹面ミラー195に入射する。
【0570】
凹面ミラー195に入射した蛍光205は、凹面ミラー195によって反射されて、フィルタ198に入射する。
【0571】
フィルタ198は、532nmの波長の光をカットし、532nmよりも波長の長い光を透過する性質を有しているので、励起光である532nmの波長の光がカットされ、Cy3から放出された532nmよりも波長の長い蛍光205の波長域の光のみがフィルタ198を透過して、フォトマルチプライア200によって、光電的に検出される。
【0572】
フォトマルチプライア200によって光電的に検出されて、生成されたアナログ信号は、A/D変換器201に出力されて、ディジタル信号に変換されて、生化学解析用データが生成され、データバッファ202に一時的に保存される。
【0573】
データバッファ202に一時的に保存された生化学解析用データは、データ転送手段213によって、生化学解析システムのデータ記憶手段47に出力され、データ記憶手段47の所定のメモリ領域に保存される。
【0574】
各スキャナ180a、180b、180c、180d、180e、180f、180g、180h、180i、180jのレーザ励起光源191がオンされた後、所定の時間が経過すると、第2のスキャナ装置38のコントロールユニット220は、各スキャナ180a、180b、180c、180d、180e、180f、180g、180h、180i、180jのレーザ励起光源191に駆動停止信号を出力して、レーザ励起光源191の駆動を停止させるとともに、主走査ステッピングモータ221に駆動信号を出力して、基板182を、各生化学解析用ユニット1の基板2に形成された隣り合う吸着性領域4の間の距離に等しい1ピッチだけ、移動させる。
【0575】
リニアエンコーダ225から入力された基板182の位置検出信号に基づき、基板182が、生化学解析用ユニット1の基板2に形成された隣り合う吸着性領域4の間の距離に等しい1ピッチだけ移動されて、各スキャナ180a、180b、180c、180d、180e、180f、180g、180h、180i、180jのレーザ励起光源191から発せられるレーザ光190を、各生化学解析用ユニット1の基板2に形成された第1の吸着性領域4に隣り合う第2の吸着性領域4に照射可能な位置に移動したことが確認されると、第2のスキャナ装置38のコントロールユニット220は、各スキャナ180a、180b、180c、180d、180e、180f、180g、180h、180i、180jのレーザ励起光源191に駆動信号を出力して、レーザ励起光源191をオンさせて、レーザ光190によって、各生化学解析用ユニット1の基板2に形成された第2の吸着性領域4に含まれている蛍光物質を励起する。
【0576】
同様にして、所定の時間にわたり、レーザ光190が、各生化学解析用ユニット1の基板2に形成された第2の吸着性領域4に照射され、第2の吸着性領域4に含まれている蛍光物質が励起されて、第2の吸着性領域4から放出された蛍光205が、フォトマルチプライア200によって、光電的に検出されて、アナログデータが生成されると、第2のスキャナ装置38のコントロールユニット220は、各スキャナ180a、180b、180c、180d、180e、180f、180g、180h、180i、180jのレーザ励起光源31にオフ信号を出力して、レーザ励起光源191をオフさせるとともに、主走査ステッピングモータ221に駆動信号を出力して、基板182を、各生化学解析用ユニット1の基板2に形成された隣り合う吸着性領域4の間の距離に等しい1ピッチだけ、移動させる。
【0577】
こうして、基板182の間欠的な移動に同期して、各スキャナ180a、180b、180c、180d、180e、180f、180g、180h、180i、180jのレーザ励起光源191のオン・オフが繰り返され、リニアエンコーダ225から入力された基板182の位置検出信号に基づき、基板182が、主走査方向に1ライン分だけ、移動され、各生化学解析用ユニット1の基板2に形成された第1ライン目の吸着性領域4のレーザ光190による走査が完了したことが確認されると、第2のスキャナ装置38のコントロールユニット220は、主走査ステッピングモータ221に駆動信号を出力して、基板182を元の位置に復帰させるとともに、副走査パルスモータ222に駆動信号を出力して、基板182を、副走査方向に、1ライン分だけ、移動させる。
【0578】
リニアエンコーダ225から入力された基板182の位置検出信号に基づき、基板182が元の位置に復帰され、さらに、基板182が、副走査方向に、1ライン分だけ、移動されたことが確認されると、第2のスキャナ装置38のコントロールユニット220は、各生化学解析用ユニット1の基板2に形成された第1ライン目の吸着性領域4に、順次、各スキャナ180a、180b、180c、180d、180e、180f、180g、180h、180i、180jのレーザ励起光源191から発せられるレーザ光190を照射したのと全く同様にして、各生化学解析用ユニット1の基板2に形成された第2ライン目の吸着性領域4に、順次、各スキャナ180a、180b、180c、180d、180e、180f、180g、180h、180i、180jのレーザ励起光源191から発せられるレーザ光190を照射して、第2ライン目の吸着性領域4に含まれている検出孔物質を励起し、第2ライン目の吸着性領域4から放出された蛍光205を、順次、フォトマルチプライア200に光電的に検出させる。
【0579】
フォトマルチプライア200によって光電的に検出されて、生成されたアナログデータは、A/D変換器201によって、ディジタルデータに変換されて、生化学解析用データが生成され、データバッファ202に一時的に保存される。
【0580】
データバッファ202に一時的に保存された生化学解析用データは、データ転送手段213によって、生化学解析システムのデータ記憶手段47に出力され、データ記憶手段47の所定のメモリ領域に保存される。
【0581】
こうして、サンプルステージ183にセットされている生化学解析用ユニットキャリア6に固定された各生化学解析用ユニット1の基板2に形成されたすべての吸着性領域4が、各スキャナ180a、180b、180c、180d、180e、180f、180g、180h、180i、180jのレーザ励起光源191から放出されたレーザ光190によって走査され、各生化学解析用ユニット1のすべての吸着性領域4に含まれている蛍光物質が励起されて、放出された蛍光205が、フォトマルチプライア200によって、光電的に検出され、生成されたアナログデータが、A/D変換器201により、ディジタルデータに変換されて、生化学解析用データが生成され、データバッファ202に一時的に保存されると、第2のスキャナ装置38のコントロールユニット220から、駆動停止信号が、各スキャナ180a、180b、180c、180d、180e、180f、180g、180h、180i、180jのレーザ励起光源191に出力され、レーザ励起光源191の駆動が停止される。
【0582】
以上のようにして、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性領域4に記録されている蛍光データが読み取られて、生化学解析用データが生成され、生化学解析システムのデータ記憶手段47の所定のメモリ領域に保存される。
【0583】
レーザ励起光源191の駆動が停止されると、第2のスキャナ装置38のコントロールユニット220は、蛍光データ読み取り完了信号を、生化学解析システムのコントロールユニット45に出力する。
【0584】
生化学解析システムのコントロールユニット45は、蛍光データ読み取り完了信号を受けると、蛍光データの読み取りが完了した旨のメッセージを、表示パネル51に表示させるとともに、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に記録された蛍光データを読み取って、生成され、データ記憶手段47の所定のメモリ領域に保存されている生化学解析用データを、データ表示手段49に出力させ、データ表示手段49に、データ記憶手段47から入力された生化学解析用データに基づいて、可視データを、CRT52の画面上に表示させる。
【0585】
次いで、生化学解析システムのコントロールユニット45は、メモリ46に保存されている標識データを読み出して、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている各生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に、化学発光データが記録されているか否かを判定する。
【0586】
その結果、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている各生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に、化学発光データが記録されていないと判定したときは、生化学解析システムのコントロールユニット45は、キャリア把持部材モータ223に第1の駆動信号を出力して、サンプルステージ183の側方の待機位置に保持されているキャリア把持部材184を、サンプルステージ183にセットされた生化学解析用ユニットキャリア6を把持可能なキャリア把持位置に移動させる。
【0587】
キャリア把持部材184が、サンプルステージ183にセットされた生化学解析用ユニットキャリア6を把持可能なキャリア把持位置に移動されると、生化学解析システムのコントロールユニット45は、キャリア把持部材モータ223に駆動停止信号を出力して、キャリア把持部材184を停止させ、さらに、キャリア把持モータ224にキャリア把持信号を出力して、キャリア把持部材184に、サンプルステージ183にセットされた生化学解析用ユニットキャリア6を把持させる。
【0588】
次いで、生化学解析システムのコントロールユニット45は、キャリア把持部材モータ223に第2の駆動信号を出力して、生化学解析用ユニットキャリア6を把持しているキャリア把持部材184を、生化学解析用ユニットキャリア回収ボックス41に移動させる。
【0589】
キャリア把持部材184が、生化学解析用ユニットキャリア回収ボックス41内の所定の位置に移動されると、生化学解析システムのコントロールユニット45は、キャリア把持部材モータ223に駆動停止信号を出力して、キャリア把持部材184を停止させ、さらに、キャリア把持モータ224にキャリア把持解除信号を出力して、キャリア把持部材184による生化学解析用ユニットキャリア6の把持を解除させる。
【0590】
その結果、生化学解析用ユニットキャリア6は、生化学解析用ユニットキャリア回収ボックス41内に落下して、回収される。
【0591】
生化学解析システムのコントロールユニット45は、次いで、生化学解析用ユニットキャリア6が、生化学解析用ユニットキャリア回収ボックス41内に回収された旨のメッセージを、表示パネル51に表示させるとともに、キャリア把持部材モータ223に、第3の駆動信号を出力して、キャリア把持部材184を、第2のスキャナ装置38のサンプルステージ183の側方の待機位置に復帰させる。
【0592】
生化学解析用ユニットキャリア回収ボックス41内に回収された生化学解析用ユニットキャリア6にセットされた生化学解析用ユニット1は、使用回数に応じて、再度、生化学解析に使用され、または、放射能レベルが、所定レベル以下なるまで、保管された後、リサイクルもしくは廃棄される。
【0593】
これに対して、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている各生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に、化学発光データが記録されていると判定したときは、生化学解析システムのコントロールユニット45は、搬送部材モータ128に、第4の駆動信号を出力して、露光装置36のキャリア剥離部104内の待機位置に保持されているキャリア搬送部材111を、第2のスキャナ装置38のサンプルステージ183にセットされた生化学解析用ユニットキャリア6を把持可能なキャリア把持位置に移動させる。
【0594】
キャリア搬送部材111が、サンプルステージ183にセットされた生化学解析用ユニットキャリア6を把持可能なキャリア把持位置に移動されると、生化学解析システムのコントロールユニット45は、搬送部材モータ128に駆動停止信号を出力して、キャリア搬送部材111を停止させ、さらに、第2のキャリア把持モータ127に、キャリア把持信号を出力して、キャリア搬送部材111により、サンプルステージ183にセットされた生化学解析用ユニットキャリア6を把持させる。
【0595】
次いで、生化学解析システムのコントロールユニット45は、搬送部材モータ126に第6の駆動信号を出力して、生化学解析用ユニットキャリア6を把持しているキャリア把持部材111を、データ読み取り装置39に向けて、移動させる。
【0596】
図24は、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている10枚の生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に記録されている化学発光データを読み取って、生化学解析用データを生成するデータ読み取り装置39の略正面図である。
【0597】
図24に示されるように、本発明の好ましい実施態様にかかる生化学解析システムを構成するデータ読み取り装置39は、CCDカメラユニット230と、暗箱232を備えている。
【0598】
本実施態様においては、CCDカメラユニット230は、10個の冷却CCDカメラを備えている。
【0599】
図25は、CCDカメラユニット230の略底面図である。
【0600】
図25に示されるように、CCDカメラユニット230は、10個の冷却CCDカメラ231a、231b、231c、231d、231e、231f、231g、231h、231i、231jを備え、10個の冷却CCDカメラ231a、231b、231c、231d、231e、231f、231g、231h、231i、231jは、それぞれ、生化学解析用ユニットキャリア6が、データ読み取り装置39にセットされたときに、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている10枚の生化学解析用ユニット1に対向する位置に設けられている。
【0601】
10個の冷却CCDカメラ231a、231b、231c、231d、231e、231f、231g、231h、231i、231jは、同一構造を有している。
【0602】
図26は、冷却CCDカメラ231aの略縦断面図である。
【0603】
図26に示されるように、CCDカメラユニット230に設けられた各冷却CCDカメラ231a、231b、231c、231d、231e、231f、231g、231h、231i、231jは、それぞれ、CCD236と、アルミニウムなどの金属によって作られた伝熱板237と、CCD236を冷却するためのペルチエ素子238と、CCD236の前面に配置されたシャッタ239と、CCD236が生成したアナログデータをディジタル化して、生化学解析用データを生成するA/D変換器240と、A/D変換器240によってディジタル化されて、生成された生化学解析用データを一時的に記憶するデータバッファ241と、各冷却CCDカメラ231a、231b、231c、231d、231e、231f、231g、231h、231i、231jの動作を制御するカメラ制御回路242とを備えている。
【0604】
図26に示されるように、暗箱232との間に形成された開口部は、ガラス板245によって閉じられており、各冷却CCDカメラ231a、231b、231c、231d、231e、231f、231g、231h、231i、231jの周囲には、ペルチエ素子238が発する熱を放熱するための放熱フィン246が長手方向の約1/2にわたって形成されている。
【0605】
ガラス板245の前面の暗箱232内には、レンズフォーカス調整機能を有するカメラレンズ247が取付けられている。
【0606】
図27は、暗箱232の略縦断面図である。
【0607】
図27に示されるように、暗箱232の底部には、化学発光基質を含む溶液250を収容した容器251が設けられ、容器31の内壁部には、生化学解析用ユニット1を支持可能な支持部材252が形成されている。
【0608】
図27に示されるように、さらに、暗箱232の外部に、化学発光基質を含む溶液を収容した化学発光基質補給タンク253が設けられており、化学発光基質補給タンク253は、バルブ254およびポンプ255を介して、暗箱232内の化学発光基質を含む溶液250を収容した容器251に接続されている。
【0609】
支持部材252には、生化学解析用ユニットキャリア6の2つの位置合わせ用貫通孔5、5に対応する位置に、位置合わせ用ピン252a、252aが立設されている。
【0610】
暗箱232は、扉232aを備え、暗箱232の扉232aは、自動的に開閉されるように構成されている。
【0611】
図27に示されるように、暗箱232の外部の扉232aの側方には、生化学解析用ユニットキャリア6を把持し、生化学解析用ユニットキャリア回収ボックス41に、搬送可能なキャリア把持部材256が設けられている。
【0612】
図28は、本発明の好ましい実施態様にかかる生化学解析システムを構成するデータ読み取り装置39の制御系、検出系および駆動系を示すブロックダイアグラムである。
【0613】
図28に示されるように、データ読み取り装置39の制御系は、CCDカメラユニット230に設けられた各冷却CCDカメラ231a、231b、231c、231d、231e、231f、231g、231h、231i、231jを制御するコントロールユニット260と、各冷却CCDカメラ231a、231b、231c、231d、231e、231f、231g、231h、231i、231jが生成した生化学解析用データを、各冷却CCDカメラ231a、231b、231c、231d、231e、231f、231g、231h、231i、231jのデータバッファ241から読み出すデータ転送手段261と、バルブ254の開閉を制御するバルブ制御手段262を備えている。
【0614】
ここに、コントロールユニット260は、冷却CCDカメラ231のカメラ制御回路242に種々の信号を出力可能に構成されている。
【0615】
図28に示されるように、データ読み取り装置39の検出系は、容器251に収容された化学発光基質を含む溶液250の液面を検出し、液面が、所定以下に低下したときに、液面検出信号を出力する液面センサ263を備えている。
【0616】
液面センサ263から出力された液面検出信号は、データ読み取り装置39のコントロールユニット260に入力されるように構成され、コントロールユニット260は、液面センサ263から液面検出信号が入力されたときは、バルブ254の開閉を制御するバルブ制御手段262に駆動信号を出力して、バルブ254を開放させるとともに、ポンプ255に駆動信号を出力して、化学発光基質補給タンク253から、容器251内に、化学発光基質を含む溶液250を補給するように構成されている。
【0617】
図28に示されるように、データ読み取り装置39の駆動系は、化学発光基質補給タンク253から、容器251内に、化学発光基質を含む溶液250を補給するポンプ255と、暗箱232の扉232aを開閉する暗箱開閉モータ265と、キャリア把持部材256を駆動して、暗箱232内の支持部材252によって支持された生化学解析用ユニットキャリア6を把持させるキャリア把持モータ266と、キャリア把持部材256を移動させるキャリア把持部材モータ267を備えている。
【0618】
生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている10枚の生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に記録された化学発光データを読み取って、生化学解析用データを生成するときは、生化学解析システムのコントロールユニット45は、まず、搬送部材モータ128に、第4の駆動信号を出力して、露光装置36のキャリア剥離部104内の待機位置に保持されているキャリア搬送部材111を、キャリア剥離部104のキャリア支持部材110上に載置された生化学解析用ユニットキャリア6を把持可能な位置に移動させる。
【0619】
キャリア搬送部材111が、キャリア支持部材110上に載置された生化学解析用ユニットキャリア6を把持可能な位置に移動されると、コントロールユニット45は、搬送部材モータ128に駆動停止信号を出力して、キャリア搬送部材111を停止させ、さらに、第2のキャリア把持モータ127に、キャリア把持信号を出力して、キャリア搬送部材111に、キャリア支持部材110上に載置された生化学解析用ユニットキャリア6を把持させる。
【0620】
同時に、生化学解析システムのコントロールユニット45は、データ読み取り装置39のコントロールユニット260に、暗箱開放信号を出力する。
【0621】
データ読み取り装置39のコントロールユニット260は、生化学解析システムのコントロールユニット45から、暗箱開放信号を受けると、暗箱開閉モータ265に、暗箱開放信号を出力して、暗箱232の扉232aを開放させる。
【0622】
次いで、生化学解析システムのコントロールユニット45は、搬送部材モータ128に、第6の駆動信号を出力して、生化学解析用ユニットキャリア6を保持しているキャリア搬送部材111を、データ読み取り装置39に向けて、移動させる。
【0623】
キャリア搬送部材111によって把持された生化学解析用ユニットキャリア6が、データ読み取り装置39の暗箱232内に搬送されて、支持部材252上に立設された2つの位置合わせ用ピン252a、252aが、生化学解析用ユニットキャリア6に形成された2つの位置合わせ用貫通孔6a、6a内に挿通されると、生化学解析システムのコントロールユニット45は、搬送部材モータ128に駆動停止信号を出力して、生化学解析用ユニットキャリア6の搬送を停止させ、さらに、第2のキャリア把持モータ127に、キャリア把持解除信号を出力して、キャリア搬送部材111による生化学解析用ユニットキャリア6の把持を解除させる。
【0624】
その結果、生化学解析用ユニットキャリア6は、支持部材252上の所定の位置にセットされる。
【0625】
生化学解析用ユニットキャリア6が、支持部材252上の所定の位置にセットされると、生化学解析システムのコントロールユニット45は、搬送部材モータ128に、第8の駆動信号を出力して、キャリア搬送部材111を、露光装置36のキャリア剥離部104内の待機位置に復帰させる。
【0626】
次いで、生化学解析システムのコントロールユニット45は、露出開始信号を、データ読み取り装置39のコントロールユニット260に出力する。
【0627】
データ読み取り装置39のコントロールユニット260は、生化学解析システムのコントロールユニット45から、露出開始信号を受けると、暗箱開閉モータ265に、暗箱閉鎖信号を出力して、暗箱232の扉232aを閉じさせるとともに、露出開始信号を、各冷却CCDカメラ231a、231b、231c、231d、231e、231f、231g、231h、231i、231jのカメラ制御回路242に転送する。
【0628】
各冷却CCDカメラ231a、231b、231c、231d、231e、231f、231g、231h、231i、231jのカメラ制御回路242は、露出開始信号を受けると、シャッタ239を開放し、CCD236の露出を開始させる。
【0629】
ここに、生化学解析用ユニットキャリア6には、生化学解析用ユニット1をセットすべき所定の位置に、合計10個の略矩形状の貫通孔7が形成されているから、生化学解析用ユニットキャリア6が、支持部材252上にセットされると、各生化学解析用ユニット1が、貫通孔7を介して、化学発光基質を含む溶液250と接触し、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に選択的に含まれている化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせる酵素が、化学発光基質と接触して、各生化学解析用ユニット1の吸着性領域4から、化学発光が放出される。
【0630】
各生化学解析用ユニット1の吸着性領域4から発せられた化学発光は、各冷却CCDカメラ231a、231b、231c、231d、231e、231f、231g、231h、231i、231jのカメラレンズ247を介して、CCD236の光電面に入射して、光電面に像を形成する。各冷却CCDカメラ231a、231b、231c、231d、231e、231f、231g、231h、231i、231jのCCD236は、こうして、光電面に形成された像の光を受けて、これを電荷の形で蓄積する。
【0631】
ここに、本実施態様においては、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4は、それぞれ、ステンレス鋼製の基板2に形成された貫通孔3内に、ナイロン6が埋め込まれて形成されているから、生化学解析用ユニット1の各吸着性領域4から放出された化学発光が、隣り合う吸着性領域4から放出された化学発光と混ざり合うことを、効果的に防止することが可能になる。
【0632】
化学発光は、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に選択的に含まれている化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせる酵素に、化学発光基質が接触されて、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4から放出されるものであるため、経時的に、化学発光基質が消費されて、容器251内に収容されている化学発光基質を含む溶液250の液面が低下する。
【0633】
こうして、化学発光基質が消費されて、暗箱232の容器251内に収容されている化学発光基質を含む溶液250の液面が所定以下に低下すると、液面センサ263から、液面検出信号が、データ読み取り装置39のコントロールユニット260に出力される。
【0634】
液面センサ263から、液面検出信号が入力されると、コントロールユニット260は、バルブ254を開閉制御するバルブ制御手段262に駆動信号を出力して、バルブ254を開放させるとともに、ポンプ255に駆動信号を出力して、化学発光基質補給タンク253から、容器251内に、化学発光基質を含む溶液250を補給する。
【0635】
化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせる酵素が、多量に含まれている生化学解析用ユニット1の吸着性領域4においては、化学発光の放出にあたって、多量の化学発光基質が消費され、化学発光基質を補給しないときは、経時的に、化学発光基質が枯渇し、放出される化学発光の強度が急激に低下し、化学発光を、各冷却CCDカメラ231a、231b、231c、231d、231e、231f、231g、231h、231i、231jによって、光電的に検出して、生成された生化学解析用データの定量性が著しく悪化するが、このように、本実施態様においては、経時的に、化学発光基質が消費されて、容器251内に収容されている化学発光基質を含む溶液250の液面が所定以下に低下すると、液面センサ263から、液面検出信号が、コントロールユニット260に出力され、コントロールユニット260によって、バルブ254を開閉制御するバルブ制御手段262に駆動信号が出力されて、バルブ254が開放されるとともに、ポンプ255に駆動信号が出力されて、化学発光基質補給タンク253から、容器251内に、化学発光基質を含む溶液250が補給されるから、各生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性領域4が、暗箱232の底部に設けられた容器251内に収容されている化学発光基質を含む溶液250とつねに接触するように、各生化学解析用ユニット1を、支持部材252によって、暗箱252内に保持することができ、したがって、各生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性領域4に、化学発光基質が、絶えず、補給されているているから、化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせる酵素が、多量に含まれている吸着性領域4において、経時的に、化学発光基質が枯渇することが確実に防止され、したがって、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている各生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性領域4から放出される化学発光を、各冷却CCDカメラ231a、231b、231c、231d、231e、231f、231g、231h、231i、231jにより、光電的に検出することによって、定量性に優れた生化学解析用データを生成することが可能になる。
【0636】
所定の露出時間が経過すると、データ読み取り装置39のコントロールユニット260は、各冷却CCDカメラ231a、231b、231c、231d、231e、231f、231g、231h、231i、231jのカメラ制御回路242および生化学解析システムのコントロールユニット45に露出完了信号を出力する。
【0637】
カメラ制御回路242は、コントロールユニット260から、露出完了信号を受けると、CCD236が電荷の形で蓄積したアナログデータを、A/D変換器240に転送して、ディジタル化し、データバッファ241に一時的に記憶させる。
【0638】
カメラ制御回路242に露出完了信号を出力するのと同時に、データ読み取り装置39のコントロールユニット260は、データ転送手段261にデータ転送信号を出力して、各冷却CCDカメラ231a、231b、231c、231d、231e、231f、231g、231h、231i、231jのデータバッファ241から、順次、ディジタルデータを読み出させて、生化学解析システムのデータ記憶手段47に出力させ、データ記憶手段47の所定のメモリ領域に保存させる。
【0639】
以上のようにして、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性領域4に記録されている化学発光データが読み取られて、生化学解析用データが生成される。
【0640】
生化学解析システムのコントロールユニット45は、データ読み取り装置39のコントロールユニット260から、露出完了信号を受けると、化学発光データの読み取りが完了した旨のメッセージを、表示パネルに表示させるとともに、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に記録された化学発光データを読み取って、生成され、データ記憶手段47の所定のメモリ領域に保存された生化学解析用データを、データ記憶手段47の所定のメモリ領域に保存されている生化学解析用データを、データ表示手段49に出力させ、データ表示手段49に、データ記憶手段47から入力された生化学解析用データに基づき、可視データを、CRT52の画面上に表示させる。
【0641】
次いで、生化学解析システムのコントロールユニット45は、データ読み取り装置39のコントロールユニット260に、暗箱開放信号を出力する。
【0642】
データ読み取り装置39のコントロールユニット260は、生化学解析システムのコントロールユニット45から、暗箱開放信号を受けると、暗箱開閉モータ265に、暗箱開放信号を出力して、暗箱232の扉232aを開放させる。
【0643】
次いで、生化学解析システムのコントロールユニット45は、キャリア把持部材モータ267に第1の駆動信号を出力して、暗箱232の扉232aの側方の待機位置に保持されているキャリア把持部材256を、支持部材252上にセットされた生化学解析用ユニットキャリア6を把持可能なキャリア把持位置に移動させる。
【0644】
キャリア把持部材256が、支持部材252上にセットされた生化学解析用ユニットキャリア6を把持可能なキャリア把持位置に移動されると、生化学解析システムのコントロールユニット45は、キャリア把持部材モータ267に駆動停止信号を出力して、キャリア把持部材256を停止させ、さらに、キャリア把持モータ266にキャリア把持信号を出力して、キャリア把持部材256に、支持部材252上にセットされた生化学解析用ユニットキャリア6を把持させる。
【0645】
次いで、生化学解析システムのコントロールユニット45は、キャリア把持部材モータ267に第2の駆動信号を出力して、生化学解析用ユニットキャリア6を把持しているキャリア把持部材256を、生化学解析用ユニットキャリア回収ボックス41に移動させる。
【0646】
キャリア把持部材256が、生化学解析用ユニットキャリア回収ボックス41内の所定の位置に移動されると、生化学解析システムのコントロールユニット45は、キャリア把持部材モータ267に駆動停止信号を出力して、キャリア把持部材256を停止させ、さらに、キャリア把持モータ266にキャリア把持解除信号を出力して、キャリア把持部材256による生化学解析用ユニットキャリア6の把持を解除させる。
【0647】
その結果、生化学解析用ユニットキャリア6は、生化学解析用ユニットキャリア回収ボックス41内に落下して、回収される。
【0648】
生化学解析システムのコントロールユニット45は、次いで、生化学解析用ユニットキャリア6が、生化学解析用ユニットキャリア回収ボックス41内に回収された旨のメッセージを、表示パネル51に表示させるとともに、キャリア把持部材モータ267に、第3の駆動信号を出力して、キャリア把持部材256を、データ読み取り装置39の暗箱232の扉232aの側方の待機位置に復帰させる。
【0649】
生化学解析用ユニットキャリア回収ボックス41内に回収された生化学解析用ユニットキャリア6にセットされた生化学解析用ユニット1は、使用回数に応じて、再度、生化学解析に使用され、または、放射能レベルが、所定レベル以下なるまで、保管された後、リサイクルもしくは廃棄される。
【0650】
以上のようにして、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされた10枚の生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に、放射線データ、蛍光データおよび化学発光データが記録され、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされた10枚の生化学解析用ユニット1から、蓄積性蛍光体シートキャリア96に固定された10枚の蓄積性蛍光体シート90の多数の輝尽性蛍光体層領域に転写された放射線データならびに生化学解析用ユニットキャリア6にセットされた10枚の生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に記録された蛍光データおよび化学発光データが読み取られて、生化学解析用データが生成され、それぞれ、生化学解析システムのデータ記憶手段47の所定のメモリ領域に保存される。
【0651】
こうして、放射線データ、蛍光データおよび化学発光データが読み取られて、生成された生化学解析用データを、CRT52の画面上に、特定のフォーマットの可視データとして、表示させる場合など、データ記憶手段47に保存されている生化学解析用データにデータ処理を施して、生化学解析用データを、可視データとして、CRT52の画面上に表示させる場合には、ユーザーによって、データ表示信号およびデータ特定信号とともに、データ処理信号が、キーボード50に入力される。
【0652】
ユーザーによって、キーボード50に入力されたデータ表示信号、データ特定信号およびデータ処理信号は、生化学解析システムのコントロールユニット45に出力され、コントロールユニット45は、データ表示信号、データ特定信号およびデータ処理信号を受けると、データ特定信号にしたがって、データ記憶手段47の所定のメモリ領域に保存されている生化学解析用データを、データ処理手段48に出力させ、データ処理信号にしたがって、データ処理手段48に、生化学解析用データにデータ処理を施させ、データ表示手段49に、データ処理手段48によって、データ処理が施された生化学解析用データに基づいて、可視データを、CRT52の画面上に表示させる。
【0653】
本実施態様によれば、生化学解析システムは、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている10枚の生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に固定された特異的結合物質に、標識物質によって標識された生体由来の物質を、選択的に、ハイブリダイズさせるハイブリダイゼーション反応装置35と、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている10枚の生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に選択的に含まれている放射性標識物質によって、蓄積性蛍光体シートキャリア96に固定されている10枚の蓄積性蛍光体シート90の多数の輝尽性蛍光体層領域92に含まれている輝尽性蛍光体を露光する露光装置36と、蓄積性蛍光体シートキャリア96に固定されている10枚の蓄積性蛍光体シート90の多数の輝尽性蛍光体層領域92にに記録された放射線データを読み取って、生化学解析用データを生成する第1のスキャナ装置37と、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている10枚の生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に記録されている蛍光データを読み取って、生化学解析用データを生成する第2のスキャナ装置38と、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている10枚の生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に記録されている化学発光データを読み取って、生化学解析用データを生成するデータ読み取り装置39と、10枚の蓄積性蛍光体シートが固定された蓄積性蛍光体シートキャリアを回収する蓄積性蛍光体シートキャリア回収ボックス40と、10枚の生化学解析用ユニット1がセットされた生化学解析用ユニットキャリア6を回収する生化学解析用ユニットキャリア回収ボックス41を備えているから、ユーザーは、それぞれ、多数の吸着性領域4に、cDNAなどの特異的結合物質が固定された10枚の生化学解析用ユニット1がセットされている生化学解析用ユニットキャリア6を、ハイブリダイゼーション反応装置35にセットして、生化学解析システムのキーボード50に、生化学解析開始信号を入力するだけで、ハイブリダイゼーション反応および抗原抗体反応が実行されて、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている10枚の生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に、放射線データ、蛍光データおよび化学発光データが記録され、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている10枚の生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に記録されている放射線データが、蓄積性蛍光体シートキャリア96に固定されている10枚の蓄積性蛍光体シート90の多数の輝尽性蛍光体層領域92に転写され、蓄積性蛍光体シートキャリア96に固定されている10枚の蓄積性蛍光体シート90の多数の輝尽性蛍光体層領域92に記録された放射線データが、第1のスキャナ装置37によって、読み取られて、生化学解析用データが生成されて、データ記憶手段47の所定のメモリ領域に保存されるとともに、生化学解析用データが、可視データとして、CRT52の画面上に表示され、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている10枚の生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に記録されている蛍光データが、第2のスキャナ装置38によって、読み取られて、生化学解析用データが生成されて、データ記憶手段47の所定のメモリ領域に保存されるとともに、生化学解析用データが、可視データとして、CRT52の画面上に表示され、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている10枚の生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に記録されている化学発光データが、データ読み取り装置39によって、読み取られて、生化学解析用データが生成されて、データ記憶手段47の所定のメモリ領域に保存されるとともに、生化学解析用データが、可視データとして、CRT52の画面上に表示され、したがって、ハイブリダイゼーション反応、露光操作、データ読み取り操作を、ユーザーが管理する必要はなく、きわめて効率的に、生化学解析を実行することが可能になり、また、ハイブリダイゼーション反応装置35によって、自動的に、ハイブリダイゼーション反応および抗原抗体反応が実行されるから、再現性良く、生化学解析を実行することが可能になる。
【0654】
さらに、本実施態様によれば、ハイブリダイゼーション反応装置35によって、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている10枚の生化学解析用ユニット1の吸着性領域4に、同時に、放射線データ、蛍光データおよび化学発光データを、同時に記録し、露光装置36によって、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている10枚の生化学解析用ユニット1の吸着性領域4に記録されている放射線データを、蓄積性蛍光体シートキャリア96に固定されている10枚の蓄積性蛍光体シート90の多数の輝尽性蛍光体層領域92に転写し、第1のスキャナ37装置によって、蓄積性蛍光体シートキャリア96に固定されている10枚の蓄積性蛍光体シート90の多数の輝尽性蛍光体層領域92に記録された放射線データを、同時に読み取って、生化学解析用データを生成し、第2のスキャナ装置38によって、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている10枚の生化学解析用ユニット1の吸着性領域4に記録されている蛍光データを、同時に読み取って、生化学解析用データを生成し、データ読み取り装置39によって、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている10枚の生化学解析用ユニット1の吸着性領域4に記録されている化学発光データを、同時に読み取って、生化学解析用データを生成するように構成されているから、生化学解析の効率を大幅に向上させることが可能になる。
【0655】
また、本実施態様によれば、ハイブリダイゼーションバッファとプローブ溶液の混合溶液が、第3の溶液注入チューブ61c、第3の溶液注入部62c、溶液供給流路73、第1の溶液供給流路73aおよび第2の溶液供給流路、貫通孔69a、69b、69c、69d、69e、69f、69g、69h、69i、69j、貫通孔64a、64b、64c、64d、64e、64f、64g、64h、64i、64j、溶液排出チューブ70ならびに第3の分岐チューブ77cによって形成された溶液循環流路を、強制的に循環され、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4を横切って、強制的に、循環されるから、ハイブリダイゼーションバッファとプローブ溶液の混合溶液に含まれている生体由来の物質を、単に、対流あるいは拡散によって移動させ、生化学解析用ユニット1の吸着性領域4に含まれている特異的結合物質とハイブリダイズさせる場合に比して、生化学解析用ユニット1の吸着性領域4内における生体由来の物質の移動速度を大幅に増大させることができ、したがって、ハイブリダイゼーション反応の反応速度を大幅に向上させることが可能になり、さらには、生体由来の物質が、吸着性領域4の深い部分に含まれている特異的結合物質と出会う確率を大幅に増大させることができ、したがって、所望のように、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に固定された特異的結合物質に、ハイブリダイゼーションバッファとプローブ溶液の混合溶液に含まれている生体由来の物質をハイブリダイズさせることが可能になる。
【0656】
さらに、本実施態様によれば、化学発光を生じさせる酵素によって標識された抗体を含む抗体溶液が、第3の溶液注入チューブ61c、第3の溶液注入部62c、溶液供給流路73、第1の溶液供給流路73aおよび第2の溶液供給流路、貫通孔69a、69b、69c、69d、69e、69f、69g、69h、69i、69j、貫通孔64a、64b、64c、64d、64e、64f、64g、64h、64i、64j、溶液排出チューブ70ならびに第3の分岐チューブ77cによって形成された溶液循環流路を、強制的に循環され、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4を横切って、強制的に、循環されるから、抗体溶液に含まれている抗体を、単に、対流あるいは拡散によって移動させ、吸着性領域4に含まれている抗原に結合させる場合に比して、生化学解析用ユニット1の吸着性領域4内における抗体の移動速度を大幅に増大させることができ、したがって、抗原抗体反応の反応速度を大幅に向上させることが可能になり、さらには、抗体溶液に含まれている抗体が、吸着性領域4の深い部分に含まれている特異的結合物質に、選択的に、ハイブリダイズされた生体由来の物質を標識しているハプテンと出会う確率を大幅に増大させることができ、したがって、所望のように、抗体溶液に含まれた抗体と、生化学解析用ユニット1の吸着性領域4に含まれている特異的結合物質に、選択的に、ハイブリダイズされた生体由来の物質を標識しているハプテンとを、抗原抗体反応によって、結合させることが可能になる。
【0657】
また、本実施態様によれば、洗浄溶液が、第3の溶液注入チューブ61c、第3の溶液注入部62c、溶液供給流路73、第1の溶液供給流路73aおよび第2の溶液供給流路、貫通孔69a、69b、69c、69d、69e、69f、69g、69h、69i、69j、貫通孔64a、64b、64c、64d、64e、64f、64g、64h、64i、64j、溶液排出チューブ70ならびに第3の分岐チューブ77cによって形成された溶液循環流路を、強制的に循環され、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4を横切って、強制的に、循環されるから、ハイブリダイゼーションの工程で、特異的結合物質にハイブリダイズされるべきでない生体由来の物質が、生化学解析用ユニット1の吸着性領域4に結合されていても、特異的結合物質にハイブリダイズされるべきではない生体由来の物質を、生化学解析用ユニット1の吸着性領域4から、効果的に剥離させて、除去することが可能になるとともに、抗原抗体反応の過程で、抗原に結合されるべきでない抗体が、生化学解析用ユニット1の基板2に形成された吸着性領域4に吸着していても、抗原に結合されるべきでない抗体を、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4から、効果的に剥離させ、除去することが可能になり、洗浄効率を大幅に向上させることができる。
【0658】
さらに、本実施態様によれば、ハイブリダイゼーション反応および抗原抗体反応の完了後、10枚の生化学解析用ユニット1がセットされている生化学解析用ユニットキャリア6が、ハイブリダイゼーション反応装置35の搬送ベルト63、63および露光装置36の搬送ベルト102によって、自動的に、ハイブリダイゼーション反応装置35から、露光装置36に搬送され、10枚の蓄積性蛍光体シート90が固定されている蓄積性蛍光体シートキャリア96が、キャリア把持部材によって、把持されて、蓄積性蛍光体シートキャリア96に形成された2つの位置合わせ用ピン96aが、搬送ベルト102上に載置されている生化学解析用ユニットキャリア6の2つ位置合わせ用貫通孔6a内に挿通されるように、生化学解析用ユニットキャリア6に、重ね合わされて、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている10枚の生化学解析用ユニット1のそれぞれと、蓄積性蛍光体シートキャリア96に固定されている対応する蓄積性蛍光体シート90が密着され、スタッカ103内に送られて、スタッカ103内で、所定の時間にわたって、保持することによって、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている10枚の生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に選択的に含まれている放射性標識物質により、蓄積性蛍光体シートキャリア96に固定されている10枚の蓄積性蛍光体シート90の多数の輝尽性蛍光体層領域92に含まれている輝尽性蛍光体が露光されて、放射線データが、蓄積性蛍光体シートキャリア96に固定されている10枚の蓄積性蛍光体シート90の多数の輝尽性蛍光体層領域92に、自動的に、記録されるから、露光操作を大幅に効率化することが可能になる。
【0659】
また、本実施態様によれば、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている10枚の生化学解析用ユニット1のそれぞれと、蓄積性蛍光体シートキャリア96に固定されている対応する蓄積性蛍光体シート90が密着された状態で、スタッカ103内に保持されて、露光操作が実行されるように構成されているから、ハイブリダイゼーション反応装置35から、多数の吸着性領域4に放射線データを記録された10枚の生化学解析用ユニット1がセットされている生化学解析用ユニットキャリア6を、次々に、露光装置36に送り、10枚の蓄積性蛍光体シート90が固定されている蓄積性蛍光体シートキャリア96と重ね合わせて、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている10枚の生化学解析用ユニット1のそれぞれと、蓄積性蛍光体シートキャリア96に固定されている対応する蓄積性蛍光体シート90とを密着した状態で、スタッカ103内に保持させ、平行して、露光操作を実行することによって、露光操作を大幅に効率化することができ、したがって、本発明においては、ハイブリダイゼーションバッファとプローブ溶液の混合溶液が、第3の溶液注入チューブ61c、第3の溶液注入部62c、溶液供給流路73、第1の溶液供給流路73aおよび第2の溶液供給流路、貫通孔69a、69b、69c、69d、69e、69f、69g、69h、69i、69j、貫通孔64a、64b、64c、64d、64e、64f、64g、64h、64i、64j、溶液排出チューブ70ならびに第3の分岐チューブ77cによって形成された溶液循環流路を、強制的に循環され、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4を横切って、強制的に、循環されるから、ハイブリダイゼーションバッファとプローブ溶液の混合溶液に含まれている生体由来の物質を、単に、対流あるいは拡散によって移動させ、生化学解析用ユニット1の吸着性領域4に含まれている特異的結合物質とハイブリダイズさせる場合に比して、生化学解析用ユニット1の吸着性領域4内における生体由来の物質の移動速度を大幅に増大させることができ、ハイブリダイゼーション反応の反応速度を大幅に向上させることが可能になるから、生化学解析に要する時間を、全体として、大幅に短縮することができる。
【0660】
さらに、本実施態様によれば、10枚の生化学解析用ユニット1がセットされている生化学解析用ユニットキャリア6と、10枚の蓄積性蛍光体シート90が固定されている蓄積性蛍光体シートキャリア96のキャリア集積体が、昇降可能な昇降板106の上面により、支持されて、スタッカ103内に保持されるように構成され、昇降板モータ125によって、露光操作が完了したキャリア集積体を、キャリア取り出し用開口部107に対向する位置に移動させ、キャリア排出部材108を駆動して、キャリア取り出し用開口部107から、露光操作が完了したキャリア集積体を、キャリア剥離部104に排出するように構成されているから、スタッカ103に収容可能なキャリア集積体の枚数が制限されることがなく、所望の枚数のキャリア集積体を、スタッカ103に収容させて、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている10枚の生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に選択的に含まれている放射性標識物質により、蓄積性蛍光体シートキャリア96に固定されている10枚の蓄積性蛍光体シート90の多数の輝尽性蛍光体層領域92に含まれている輝尽性蛍光体を露光することが可能になる。
【0661】
また、本実施態様によれば、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている10枚の生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に選択的に含まれている放射性標識物質により、蓄積性蛍光体シートキャリア96に固定されている10枚の蓄積性蛍光体シート90の多数の輝尽性蛍光体層領域92に含まれている輝尽性蛍光体が露光された後、10枚の生化学解析用ユニット1がセットされている生化学解析用ユニットキャリア6と、10枚の蓄積性蛍光体シート90が固定されている蓄積性蛍光体シートキャリア96のキャリア集積体が、キャリア排出部材108によって、キャリア取り出し用開口部107から、自動的に、キャリア剥離部104に排出され、キャリア搬送部材111によって、10枚の蓄積性蛍光体シート90が固定されている蓄積性蛍光体シートキャリア96が、生化学解析用ユニットキャリア6から、自動的に剥離されて、第1のスキャナ装置37に搬送され、第1のスキャナ装置37によって、自動的に、蓄積性蛍光体シートキャリア96に固定されている10枚の蓄積性蛍光体シート90の多数の輝尽性蛍光体層領域92に記録された放射線データが読み取られて、生化学解析用データが生成されるように構成されているから、放射線データの読み取りを大幅に効率化することが可能になる。
【0662】
さらに、本実施態様によれば、蓄積性蛍光体シートキャリア96が剥離された生化学解析用ユニットキャリア6が、キャリア搬送部材111によって、自動的に、第2のスキャナ装置38に搬送されて、第2のスキャナ装置38によって、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている10枚の生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に記録された蛍光データが読み取られて、生化学解析用データが生成されるように構成されているから、蛍光データの読み取りを大幅に効率化することが可能になる。
【0663】
また、本実施態様によれば、蛍光データの読み取りが完了した後、第2のスキャナ装置38のサンプルステージ183に載置されている生化学解析用ユニットキャリア6が、キャリア搬送部材111によって、自動的に、データ読み取り装置39に搬送され、生化学解析用ユニットキャリア6に形成された貫通孔7を介して、化学発光基質を含む溶液250に、各生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4を接触させて、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている10枚の生化学解析用ユニット1の吸着性領域4から放出された化学発光を、冷却CCDカメラ231a、231b、231c、231d、231e、231f、231g、231h、231i、231jによって、光電的に検出して、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている10枚の生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に記録されている化学発光データを読み取って、生化学解析用データを生成しているから、化学発光データの読み取りを大幅に効率化することが可能になる。
【0664】
さらに、本実施態様によれば、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4が、放射線エネルギーを減衰させる性質を有するステンレス鋼によって形成された基板2に、互いに離間して形成されているから、露光に際して、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に選択的に含まれている放射性標識物質から放出された電子線(β線)が、生化学解析用ユニット1の基板2内で散乱して、その吸着性領域4に対向する輝尽性蛍光体層領域92に隣り合う輝尽性蛍光体層領域92に入射することを効果的に防止することができ、さらに、蓄積性蛍光体シート90の多数の輝尽性蛍光体層領域92が、放射線を減衰させる性質を有するニッケル製の支持体91に形成された多数の貫通孔93内に、輝尽性蛍光体を埋め込んで、形成されているから、各吸着性領域4から放出された電子線(β線)が、蓄積性蛍光体シート90の支持体91内で散乱して、その吸着性領域4に対向する輝尽性蛍光体層領域92に隣り合う輝尽性蛍光体層領域92に入射することを効果的に防止することができ、したがって、各吸着性領域4に含まれている放射性標識物質から発せられた電子線(β線)を、その吸着性領域4に対向する輝尽性蛍光体層領域92に、選択的に入射させることが可能になるから、生化学解析用ユニット1の各吸着性領域4に含まれている放射性標識物質から発せられた電子線(β線)が、隣り合う吸着性領域4から放出される電子線によって露光されるべき蓄積性蛍光体シート90の輝尽性蛍光体層領域92に入射して、輝尽性蛍光体を露光することを確実に防止することができ、蓄積性蛍光体シート90の多数の輝尽性蛍光体層領域92に記録された放射線データを読み取って得た生化学解析用データ中に、電子線(β線)の散乱に起因するノイズが生成されることを、効果的に防止することが可能になる。
【0665】
また、本実施態様によれば、蓄積性蛍光体シート90の多数の輝尽性蛍光体層領域92は、それぞれ、ニッケル製の支持体91に形成された貫通孔93内に、輝尽性蛍光体が埋め込まれて形成されているから、各輝尽性蛍光体層領域92内で、レーザ光140が散乱して、隣り合った輝尽性蛍光体層領域92内に入射し、隣り合った輝尽性蛍光体層領域92内に含まれている輝尽性蛍光体を励起することを効果的に防止することができ、したがって、蓄積性蛍光体シート90の多数の輝尽性蛍光体層領域92から放出された輝尽光155を、フォトマルチプライア160によって、光電的に検出して得た生化学解析用データ中に、レーザ光140の散乱に起因するノイズが生成されることを、効果的に防止することが可能になる。
【0666】
さらに、本実施態様によれば、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4は、それぞれ、ステンレス鋼製の基板2に形成された貫通孔3内に、ナイロン6が埋め込まれて形成されているから、各吸着性領域4内で、レーザ光190が散乱して、隣り合った吸着性領域4内に入射し、隣り合った吸着性領域4内に含まれている蛍光物質を励起することを効果的に防止することができ、したがって、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4から放出された蛍光205を、フォトマルチプライア210によって、光電的に検出して得た生化学解析用データ中に、レーザ光190の散乱に起因するノイズが生成されることを、効果的に防止することが可能になる。
【0667】
また、本実施態様によれば、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4は、それぞれ、ステンレス鋼製の基板2に形成された貫通孔3内に、ナイロン6が埋め込まれて形成されているから、生化学解析用ユニット1の各吸着性領域4から放出された化学発光が、隣り合う吸着性領域4から放出された化学発光と混ざり合うことを、効果的に防止することができ、したがって、化学発光を、冷却CCDカメラ231a、231b、231c、231d、231e、231f、231g、231h、231i、231jによって、光電的に検出して得た生化学解析用データ中に、隣り合ったスポット状の領域から放出された化学発光が混ざり合うことに起因するノイズが生成されることを、効果的に防止することが可能になる。
【0668】
さらに、本実施態様によれば、生化学解析用ユニットキャリア6の生化学解析用ユニット1をセットすべき部分には、生化学解析用ユニット1の基板2に形成された2つの位置合わせ用貫通孔5、5に対応する位置に、2つの位置合わせ用ピン8、8が立設されているから、生化学解析用ユニットキャリア6に形成された2つの位置合わせ用ピン8、8が、生化学解析用ユニット1の基板2に形成された2つの位置合わせ用貫通孔5、5内に挿通されるように、生化学解析用ユニット1を、生化学解析用ユニットキャリア6にセットすることによって、生化学解析用ユニットと生化学解析用ユニットキャリア6の相対的位置関係が、つねに一定となるように、生化学解析用ユニット1を、生化学解析用ユニットキャリア6上にセットすることが可能になる。
【0669】
また、本実施態様によれば、10枚の蓄積性蛍光体シート90が固定される蓄積性蛍光体シートキャリア96には、生化学解析用ユニットキャリア6に形成された2つの位置合わせ用貫通孔6a、6aに対応する位置に、2つの位置合わせ用ピン96a、96aが形成され、露光操作に際して、蓄積性蛍光体シートキャリア96に形成された2つの位置合わせ用ピン96a、96aが、生化学解析用ユニットキャリア6に形成された2つ位置合わせ用貫通孔6a、6a内に挿通されるように、蓄積性蛍光体シートキャリア96が、生化学解析用ユニットキャリア6に重ね合わせられるから、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている10枚の生化学解析用ユニット1のそれぞれに、蓄積性蛍光体シートキャリア96に固定されている対応する蓄積性蛍光体シート90を、確実に、密着させて、所望のように、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に選択的に含まれている放射性標識物質によって、対応する蓄積性蛍光体シート90の輝尽性蛍光体層領域92に含まれている輝尽性蛍光体を露光することが可能になる。
【0670】
さらに、本実施態様によれば、第1のスキャナ装置37のサンプルステージ133には、蓄積性蛍光体シートキャリア96に形成された2つの位置合わせ用ピン96a、96aに対応する位置に、2つの位置合わせ用貫通孔133a、133aが形成され、蓄積性蛍光体シートキャリア96に形成された2つの位置合わせ用ピン96a、96aが、第1のスキャナ装置37のサンプルステージ133に形成された2つの位置合わせ用貫通孔133a、133a内に挿通されるように、蓄積性蛍光体シートキャリア96が、サンプルステージ133上にセットされるから、蓄積性蛍光体シートキャリア96と、サンプルステージ133との相対的な位置関係が、つねに一定になるように、蓄積性蛍光体シートキャリア96を第1のスキャナ装置37にセットすることができ、したがって、第1のスキャナ装置37のサンプルステージ133にセットされる蓄積性蛍光体シートキャリア96が異なっても、主走査ステッピングモータ171および副走査パルスモータ172を同様に制御して、スキャナ130a、130b、130c、130d、130e、130f、130g、130h、130i、130jが固定された基板131を、主走査方向および副走査方向に、間欠的に移動させ、蓄積性蛍光体シートキャリア96に固定されている10枚の蓄積性蛍光体シート90の輝尽性蛍光体層領域92のみに、選択的に、レーザ光140を照射して、輝尽性蛍光体層領域92に含まれている輝尽性蛍光体を励起して、輝尽性蛍光体層領域92から放出された輝尽光155を光電的に検出し、生化学解析用データを生成することができるから、定量性に優れた生化学解析用データを生成することが可能になる。
【0671】
また、本実施態様によれば、第2のスキャナ装置38の生化学解析用ユニットキャリア6がセットされる基板182には、生化学解析用ユニットキャリア6に形成された位置合わせ用貫通孔6a、6aに対応する位置に、2つの位置合わせ用ピン183a、183aが形成され、サンプルステージ183の基板182に形成された2つの位置合わせ用ピン183a、183aが、生化学解析用ユニットキャリア6に形成された2つの位置合わせ用貫通孔6a、6a内に挿通されるように、生化学解析用ユニットキャリア6が、第2のスキャナ装置38の基板182上にセットされるから、生化学解析用ユニットキャリア6と、第2のスキャナ装置38の基板182との相対的な位置関係が、つねに一定になるように、生化学解析用ユニットキャリア6を第2のスキャナ装置38にセットすることができ、したがって、第2のスキャナ装置38の基板182上にセットされる生化学解析用ユニットキャリア6が異なっても、主走査ステッピングモータ221および副走査パルスモータ222を同様に制御して、生化学解析用ユニットキャリア6がセットされた基板182を、主走査方向および副走査方向に、間欠的に移動させ、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている10枚の生化学解析用ユニット1の吸着性領域4にのみ、選択的に、レーザ光190を照射して、吸着性領域4に含まれている蛍光物質を励起して、吸着性領域4から放出された蛍光195を光電的に検出し、生化学解析用データを生成することができるから、定量性に優れた生化学解析用データを生成することが可能になる。
【0672】
さらに、本実施態様によれば、データ読み取り装置39の暗箱232内の生化学解析用ユニットキャリア6がセットされる支持部材252には、生化学解析用ユニットキャリア6の2つの位置合わせ用貫通孔5、5に対応する位置に、位置合わせ用ピン252a、252aが立設され、支持部材252上に立設された2つの位置合わせ用ピン252a、252aが、生化学解析用ユニットキャリア6に形成された2つの位置合わせ用貫通孔6a、6a内に挿通されるように、生化学解析用ユニットキャリア6が、データ読み取り装置39の暗箱232内の支持部材252上にせっとされるから、生化学解析用ユニットキャリア6と、データ読み取り装置39の10個の冷却CCDカメラ231a、231b、231c、231d、231e、231f、231g、231h、231i、231jとの相対的な位置関係が、つねに一定になるように、生化学解析用ユニットキャリア6を、データ読み取り装置39の暗箱232内にセットすることができ、したがって、生化学解析用ユニットキャリア6が異なっても、対応する生化学解析用ユニット1の吸着性領域4から放出された化学発光を、冷却CCDカメラ231a、231b、231c、231d、231e、231f、231g、231h、231i、231jの同じ受光面で受光して、生化学解析用データを生成することが可能になるから、定量性に優れた生化学解析用データを生成することが可能になる。
【0673】
また、蓄積性蛍光体シート90と生化学解析用ユニット1の組み合わせが変わると、生化学解析の再現性が低下するため、再現性良く、生化学解析を実行するためには、同じ生化学解析用ユニット1を用いて、同じ蓄積性蛍光体シート90の輝尽性蛍光体層領域92に放射線データを記録することが望ましいが、本実施態様によれば、生化学解析用ユニット1の基板2には、その生化学解析用ユニット1に固有のバーコード5aが印刷され、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている10枚の生化学解析用ユニット1の基板2に印刷されたバーコード5aが、ハイブリダイゼーション反応装置35のバーコードリーダー89a、89b、89c、89d、89e、89f、89g、89h、89i、89jによって読み取られ、バーコードデータが生成されて、生化学解析システムのメモリ46に保存され、蓄積性蛍光体シート90の支持体91には、その蓄積性蛍光体シート90に固有のバーコード95が印刷され、蓄積性蛍光体シートキャリア96に固定されている10枚の蓄積性蛍光体シート90の支持体91に印刷されたバーコード95が、露光装置36のバーコードリーダー129a、129b、129c、129d、129e、129f、129g、129h、129i、129jによって読み取られて、バーコードデータが生成され、メモリ46に保存されている生化学解析用ユニットキャリア6にセットされた10枚の生化学解析用ユニット1のバーコードデータと比較され、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされた10枚の生化学解析用ユニット1のバーコードデータと、蓄積性蛍光体シートキャリア96に固定されている10枚の蓄積性蛍光体シート90のバーコードデータとが合致していないときは、露光操作を中断させるとともに、10枚の蓄積性蛍光体シート90が固定された蓄積性蛍光体シートキャリアを交換すべき旨のメッセージを、生化学解析システムの表示パネル51に表示させるように構成されているから、生化学解析の再現性を大幅に向上させることが可能になる。
【0674】
さらに、本実施態様によれば、化学発光データを読み取って、生化学解析用データを生成するデータ読み取り装置は、経時的に、化学発光基質が消費されて、容器251内に収容されている化学発光基質を含む溶液250の液面が所定以下に低下すると、液面センサ263から、液面検出信号が、コントロールユニット260に出力され、コントロールユニット260によって、バルブ254を開閉するバルブ制御手段262に駆動信号が出力されて、バルブ254が開放されるとともに、ポンプ255に駆動信号が出力されて、化学発光基質補給タンク253から、容器251内に、化学発光基質を含む溶液250が補給されるように構成されているから、生化学解析用ユニット1を、生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性領域4が、暗箱232の底部に設けられた容器251内に収容されている化学発光基質を含む溶液250とつねに接触するように、支持部材252によって、暗箱232内に保持することができ、したがって、生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性領域4に、化学発光基質が、絶えず、補給されているから、化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせる酵素が、多量に含まれている生化学解析用ユニット1の吸着性領域4において、経時的に、化学発光基質が枯渇することが確実に防止され、したがって、各生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性領域4から放出される化学発光を、冷却CCDカメラ231a、231b、231c、231d、231e、231f、231g、231h、231i、231jによって、光電的に検出して、化学発光データを読み取り、定量性に優れた生化学解析用データを生成することが可能になる。
【0675】
図29は、本発明の別の好ましい実施態様にかかる生化学解析システムを構成するハイブリダイゼーション反応装置の略斜視図である。
【0676】
図29に示されるように、本実施態様にかかる生化学解析システムを構成するハイブリダイゼーション反応装置270は、断面L字状のハウジング275を備え、鉛直方向に延びる上方ハウジング部276の上面には、第1の溶液ボトル277a、第2の溶液ボトル277b、第3の溶液ボトル277cおよび第4の溶液ボトル277dが着脱可能に取り付けられている。
【0677】
図29において、前方に延びる下方ハウジング部278には、一対のアーム279、279の一端部が、軸まわりに揺動可能に取り付けられ、一対のアーム279、279の他端部は、生化学解析用ユニット収容部材280の両側面に固定されている。
【0678】
一対のアーム279、279が取り付けられた軸には、捩りスプリング(図示せず)が取り付けられており、一対のアーム279、279は、上方ハウジング部276の前面に向けて、付勢されている。
【0679】
図29に示されるように、第1の溶液ボトル277a、第2の溶液ボトル277b、第3の溶液ボトル277cおよび第4の溶液ボトル277dには、それぞれ、第1の溶液注入チューブ181a、第2の溶液注入チューブ281b、第3の溶液注入チューブ281cおよび第4の溶液注入チューブ281dが着脱可能に取り付けられている。
【0680】
本実施態様においては、第1の溶液注入チューブ281a、第2の溶液注入チューブ281b、第3の溶液注入チューブ281cおよび第4の溶液注入チューブ281dは、単一の溶液注入チューブ(図示せず)に合流され、単一の溶液注入チューブは、上方ハウジング部56の内部と下方ハウジング部278の内部を通って、下方ハウジング部278の頂板に形成された10個の貫通孔に導かれており、生化学解析用ユニット収容部材280には接続されていない。
【0681】
図30は、本発明の別の好ましい実施態様にかかる生化学解析システムを構成するハイブリダイゼーション反応装置35の下方ハウジング部58の頂板の略平面図である。
【0682】
図30に示されるように、下方ハウジング部278の頂板には、10個の貫通孔対284a、284b、284c、284d、284e、284f、284g、284h、284i、284jが、生化学解析用ユニットキャリア6に形成された貫通孔7を同じパターンで、2列×5行のマトリックス状に形成されており、貫通孔対284a、284b、284c、284d、284e、284f、284g、284h、284i、284jは、それぞれ、生化学解析用ユニットキャリア6に形成された貫通孔7よりも小さいサイズを有している。
【0683】
貫通孔対284a、284b、284c、284d、284e、284f、284g、284h、284i、284jは、それぞれ、仕切壁285a、285b、285c、285d、285e、285f、285g、285h、285i、285jによって、仕切られた2つの貫通孔284aa、284ab、284ba、284bb、284ca、284cb、284da、284db、284ea、284eb、284fa、284fb、284ga、284gb、284ha、284hb、284ia、284ib、284ja、284jbを備えている。
【0684】
図31は、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔対284a、284b、284c、284d、284e、284f、284g、284h、284i、284jの近傍の詳細を示す略斜視図である。
【0685】
図31に示されるように、各貫通孔対284a、284b、284c、284d、284e、284f、284g、284h、284i、284jは、下方ハウジング部278の頂板に立設された横断面が略矩形状の枠部材286a、286b、286c、286d、286e、286f、286g、286h、286i、286j内に形成されており、枠部材286a、286b、286c、286d、286e、286f、286g、286h、286i、286jの側壁上端部および仕切壁285a、285b、285c、285d、285e、285f、285g、285h、285i、285jの上端部には、Oリングなどよりなるシール部材287a、287b、287c、287d、287e、287f、287g、287h、287i、287jが形成されている。
【0686】
ここに、生化学解析用ユニット1がセットされた生化学解析用ユニットキャリア6が、ハイブリダイゼーション反応装置270にセットされ、生化学解析用ユニット収容部材280が後述する反応位置に位置したときに、各枠部材286a、286b、286c、286d、286e、286f、286g、286h、286i、286jが、生化学解析用ユニットキャリア6に形成された対応する貫通孔7内に位置して、枠部材286a、286b、286c、286d、286e、286f、286g、286h、286i、286jの側壁上端部および仕切壁285a、285b、285c、285d、285e、285f、285g、285h、285i、285jの上端部に形成されたシール部材287a、287b、287c、287d、287e、287f、287g、287h、287i、287jが、対応する生化学解析用ユニット1の基板2に当接し、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている各生化学解析用ユニット1に形成された多数の吸着性領域4の1/2が、貫通孔284aa、284ba、284ca、284da、284ea、284fa、284ga、284ha、284ia、284jaに対向し、各生化学解析用ユニット1に形成された多数の吸着性領域4の残りの1/2が、貫通孔284ab、284bb、284cb、284db、284eb、284fb、284gb、284hb、284ib、284jbに対向するように、各枠部材286a、286b、286c、286d、286e、286f、286g、286h、286i、286j、各仕切壁285a、285b、285c、285d、285e、285f、285g、285h、285i、285j、各シール部材287a、287b、287c、287d、287e、287f、287g、287h、287i、287jおよび各貫通孔284aa、284ab、284ba、284bb、284ca、284cb、284da、284db、284ea、284eb、284fa、284fb、284ga、284gb、284ha、284hb、284ia、284ib、284ja、284jbが、下方ハウジング部278の頂板に形成されている。
【0687】
第1の溶液ボトル277a、第2の溶液ボトル277b、第3の溶液ボトル277cおよび第4の溶液ボトル277d内に収容された溶液は、それぞれ、下方ハウジング部278の内部に設けられたポンプ(図示せず)によって、第1の溶液注入チューブ281a、第2の溶液注入チューブ281b、第3の溶液注入チューブ281cおよび第4の溶液注入チューブ281dを通って、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284aa、284ba、284ca、284da、284ea、284fa、284ga、284ha、284ia、284jaに供給されるように構成されており、第1の溶液注入チューブ281a、第2の溶液注入チューブ281b、第3の溶液注入チューブ281cおよび第4の溶液注入チューブ281dには、それぞれ、第1のバルブ(図示せず)、第2のバルブ(図示せず)、第3のバルブ(図示せず)および第4バルブ(図示せず)が設けられている。
【0688】
図29に示されるように、下方ハウジング部278に形成された一対の開口部283a、283a内には、それぞれ、生化学解析用ユニットキャリア6を搬送する搬送ベルト283、283が設けられ、一対の搬送ベルト283、283は、通常は、下方ハウジング部278の頂板に立設された枠部材286a、286b、286c、286d、286e、286f、286g、286h、286i、286jの側壁上端部および仕切壁285a、285b、285c、285d、285e、285f、285g、285h、285i、285jの上端部に形成されたシール部材287a、287b、287c、287d、287e、287f、287g、287h、287i、287jの頂部よりも、上方に位置するように、設けられている。
【0689】
図32は、生化学解析用ユニット収容部材280の略斜視図である。
【0690】
図32に示されるように、本実施態様にかかる生化学解析システムを構成するハイブリダイゼーション反応装置270の生化学解析用ユニット収容部材280は、図10に示された生化学解析用ユニット収容部材60と同様に、略矩形状をなし、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされた生化学解析用ユニット1を収容可能な10個の凹部280aが形成され、さらに、前記実施態様における貫通孔7に代えて、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4が生成された部分に対応する各凹部280a内の部分に溶液循環用凹部280bが形成されている。
【0691】
10個の凹部280aは、アーム279、279が揺動されて、生化学解析用ユニット収容部材280が、ハイブリダイゼーション反応装置270にセットされた生化学解析用ユニットキャリア6に当接して、搬送ベルト283、283を、下方ハウジング部278の開口部283a、283a内に位置するまで、押し下げ、生化学解析用ユニットキャリア6を押圧する反応位置に位置したときに、それぞれが、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている生化学解析用ユニット1を、その内部に収容して、保持するように形成され、各凹部280a内の溶液循環用凹部280bは、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔対284a、284b、284c、284d、284e、284f、284g、284h、284i、284jの1つと対向するように、生化学解析用ユニット収容部材280に形成されている。
【0692】
したがって、生化学解析用ユニットキャリア6を、生化学解析用ユニットキャリア6に形成された貫通孔7が、それぞれ、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔対284a、284b、284c、284d、284e、284f、284g、284h、284i、284jに対向するように位置させた状態て、アーム279、279を、軸まわりに揺動させて、生化学解析用ユニット収容部材280を反応位置に位置させることによって、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされた生化学解析用ユニット1を、それぞれ、生化学解析用ユニット収容部材280に形成された対応する10個の凹部280a内に収容するとともに、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4が形成された部分を介して、10個の溶液循環用凹部280bが、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔対284a、284b、284c、284d、284e、284f、284g、284h、284i、284jの1つと対向させることができる。
【0693】
また、生化学解析用ユニット収容部材280に形成された各凹部280a内の溶液循環用凹部280bが形成されていない部分には、バーコードリーダー(図示せず)が設けられている。
【0694】
生化学解析用ユニット収容部材280には、生化学解析用ユニット収容部材280を反応位置に移動させたときに、下方ハウジング部278の頂板に形成された係止部(図示せず)に自動的に係合して、生化学解析用ユニット収容部材280を下方ハウジング部278の頂板に密着した状態に保持する係止部材280cが形成されている。
【0695】
図33は、図29のA−A線に沿った略断面図である。
【0696】
図33に示されるように、第1の溶液注入チューブ281a、第2の溶液注入チューブ281b、第3の溶液注入チューブ281cおよび第4の溶液注入チューブ281dが合流する溶液注入チューブ290は、第1の溶液供給流路290aと第2の溶液供給流路に分岐している(図33においては、第1の溶液供給流路290aのみが図示されている。)
図33に示されるように、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている10枚の生化学解析用ユニット1に対応して、第1の溶液供給流路290aは5つに分岐され、第2の溶液供給流路も5つに分岐されて、第1の溶液供給流路290aから分岐した5つの流路は、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284aa、284ba、284ca、284da、284eaの1つに連通し、第2の溶液供給流路から分岐した5つの流路は、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284fa、284ga、284ha、284ia、284jaの1つに連通している(図33においては、貫通孔284aa、284ba、284ca、284da、284eaのみが図示されている。)。
【0697】
図33に示されるように、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284ab、284bb、284cb、284db、284ebは、それぞれ、第1の溶液排出流路291aに連通し、他方、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284fb、284gb、284hb、284ib、284jbは、それぞれ、第2の溶液排出流路に連通している(図33においては、貫通孔284ab、284bb、284cb、284db、284ebおよび第1の溶液排出流路291aのみが図示されている。)。
【0698】
第1の溶液排出流路291aおよび第2の溶液排出流路は、溶液排出チューブ292に接続され、図29に示されるように、溶液排出チューブ292は、下方ハウジング部278の外部で、第1の溶液排出チューブ292aと第2の溶液排出チューブ292bに分岐している。
【0699】
図29に示されるように、第1の溶液排出チューブ292aは、第1の溶液排出バルブ293aを介して、第1の溶液回収タンク294aに接続され、第2の溶液排出チューブ292bは、第2の溶液排出バルブ293bを介して、第2の溶液回収タンク294bに接続されている。
【0700】
本実施態様においても、第1の溶液回収タンク293aは、放射性標識物質の濃度が高い溶液を回収し、第2の溶液回収タンク293bは、放射性標識物質の濃度の低い溶液を回収するように構成されている。
【0701】
図34は、生化学解析用ユニット収容部材280が反応位置に位置しているときの生化学解析用ユニットキャリア6にセットされた生化学解析用ユニット1の1つと、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔対284aの位置関係の詳細を示す略断面図である。
【0702】
図34に示されるように、生化学解析用ユニット収容部材280が反応位置に位置しているときは、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている生化学解析用ユニット1は、生化学解析用ユニット収容部材280に形成された凹部280a内に収容され、貫通孔対284aが形成された枠部材286aは、生化学解析用ユニットキャリア6に形成された貫通孔7内に収容される。
【0703】
図34に示されるように、枠部材286aの側壁および仕切壁285aの上端部に形成されたOリングなどよりなるシール部材287aは、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされた生化学解析用ユニットの基板2に当接し、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284aaおよび貫通孔284abと、生化学解析用ユニットキャリア6の貫通孔7との間がシールされている。
【0704】
また、図34に示されるように、生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性領域4は、生化学解析用ユニット収容部材280に形成された溶液循環用凹部280b内に位置し、それぞれ、1/2の吸着性領域4が、貫通孔284aaに対向し、残りの1/2の吸着性領域4が、貫通孔284abに対向している。
【0705】
図35は、第1の溶液注入チューブ281a、第2の溶液注入チューブ281b、第3の溶液注入チューブ281cおよび第4の溶液注入チューブ281d、溶液注入チューブ290、溶液排出チューブ291、第1のバルブ、第2のバルブ、第3のバルブおよび第4のバルブならびに溶液注入チューブ290および溶液排出チューブ292に設けられた切り換えバルブの接続関係を示す配管図である。
【0706】
図35に示されるように、第1の溶液注入チューブ281aには、第1の溶液ボトル277aと、溶液注入チューブ290とを連通させる第一の位置と、溶液注入チューブ290と、大気とを連通させる第二の位置と、第1の溶液ボトル277aおよび大気と、溶液注入チューブ290との連通を遮断させる第三の位置を、選択的に取ることができるように構成された第1のバルブ295aが設けられている。
【0707】
図35に示されるように、第2の溶液注入チューブ281bには、第2の溶液ボトル277bと、溶液注入チューブ290とを連通させる第一の位置と、溶液注入チューブ290と、大気とを連通させる第二の位置と、第2の溶液ボトル277bおよび大気と、溶液注入チューブ290との連通を遮断させる第三の位置を、選択的に取ることができるように構成された第2のバルブ295bが設けられている。
【0708】
図35に示されるように、第3の溶液注入チューブ281cには、第3の溶液ボトル277cと、溶液注入チューブ290とを連通させる第一の位置と、溶液注入チューブ290と、大気とを連通させる第二の位置と、第3の溶液ボトル277cおよび大気と、溶液注入チューブ290との連通を遮断させる第三の位置を、選択的に取ることができるように構成された第3のバルブ295cが設けられている。
【0709】
図35に示されるように、第4の溶液注入チューブ281dには、第4の溶液ボトル277dと、溶液注入チューブ290とを連通させる第一の位置と、溶液注入チューブ290と、大気とを連通させる第二の位置と、第4の溶液ボトル277dおよび大気と、溶液注入チューブ290との連通を遮断させる第三の位置を、選択的に取ることができるように構成された第4のバルブ295dが設けられている。
【0710】
図35に示されるように、溶液注入チューブ290および溶液排出チューブ292には、四方切り換えバルブによって構成された切り換えバルブ296が設けられ、切り換えバルブ296は、切り換えバルブ296の上流側の溶液注入チューブ290と、切り換えバルブ296の下流側の溶液注入チューブ290とを連通させるとともに、切り換えバルブ296の上流側の溶液排出チューブ292と、切り換えバルブ296の下流側の溶液排出チューブ292とを連通させる第一の位置と、切り換えバルブ296の上流側の溶液排出チューブ292と、切り換えバルブ296の下流側の溶液注入チューブ290とを連通させるとともに、切り換えバルブ296の上流側の溶液注入チューブ290と、切り換えバルブ296の下流側の溶液排出チューブ292とを連通させる第二の位置を取ることができるように構成され、切り換えバルブ296が、第二の位置に位置しているときに、切り換えバルブ296の上流側の溶液排出チューブ292、切り換えバルブ296の下流側の溶液注入チューブ290、第1の溶液供給流路290a、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284aa、284ba、284ca、284da、284ea、生化学解析用ユニット収容部材280に形成された溶液循環用凹部280b、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284ab、284bb、284cb、284db、284ebおよび第1の溶液排出流路291aによって、溶液循環流路が形成されるとともに、切り換えバルブ296の上流側の溶液排出チューブ292、切り換えバルブ296の下流側の溶液注入チューブ290、第2の溶液供給流路290b、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284fa、284ga、284ha、284ia、284ja、生化学解析用ユニット収容部材280に形成された溶液循環用凹部280b、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284fb、284gb、284hb、284ib、284jbおよび第2の溶液排出流路291bによって、溶液循環流路が形成されるように構成されている。
【0711】
図35に示されるように、切り換えバルブ296の上流側の溶液排出チューブ292には、ポンプ298が設けられている。
【0712】
図36は、図29ないし図35に示されたハイブリダイゼーション反応装置270の制御系、駆動系および検出系のブロックダイアグラムである。
【0713】
図36に示されるように、本実施態様にかかるハイブリダイゼーション反応装置270の制御系は、ハイブリダイゼーション反応装置270全体の動作を制御するコントロールユニット300を備えている。
【0714】
ここに、コントロールユニット300には、生化学解析システムのコントロールユニット45から、種々の指示信号が入力されるように構成されている。
【0715】
図36に示されるように、ハイブリダイゼーション反応装置270の駆動系は、切り換えバルブ296の上流側の溶液排出チューブ292に設けられたポンプ298と、搬送ベルト283、283を駆動する搬送ベルトモータ302と、第1の溶液注入チューブ281aに設けられた第1のバルブ295aを駆動する第1のバルブ駆動手段303aと、第2の溶液注入チューブ281bに設けられた第2のバルブ295bを駆動する第2のバルブ駆動手段303bと、第3の溶液注入チューブ281cに設けられた第3のバルブ295cを駆動する第3のバルブ駆動手段303cと、第4の溶液注入チューブ281dに設けられた第4のバルブ295dを駆動する第4のバルブ駆動手段303dと、溶液注入チューブ290および溶液排出チューブ292に設けられた切り換えバルブ296を駆動する切り換えバルブ駆動手段304と、第1の溶液排出バルブ293aを開閉する第1の溶液排出バルブ駆動手段305aと、第2の溶液排出バルブ293bを開閉する第2の溶液排出バルブ駆動手段305bと、生化学解析用ユニット収容部材280の係止部材280cと下方ハウジング部278の頂板に形成された係止部(図示せず)との係合を解除するソレノイド306と、捩りスプリング(図示せず)のスプリング力に抗して、生化学解析用ユニット収容部材280が、生化学解析用ユニットキャリア6に密着するように、一対のアーム279、279を揺動させるアームモータ307を備えている。
【0716】
図36に示されるように、ハイブリダイゼーション反応装置270の検出系は、生化学解析用ユニット収容部材280の凹部280a内に形成された10個のバーコードリーダー309a、309b、309c、309d、309e、309f、309g、309h、309i、309jを備えている。図36においては、簡易化のため、1つのバーコードリーダー309aのみが描かれている。
【0717】
以上のように構成されたハイブリダイゼーション反応装置270にあっては、以下のようにして、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている10枚の生化学解析用ユニット1の基板2に形成されている吸着性領域4に含まれた特異的結合物質に、標識物質によって標識され、ハイブリダイゼーション溶液に含まれた生体由来の物質が、選択的に、ハイブリダイズされる。
【0718】
まず、前処理液が調製されて、第1の溶液ボトル277a内に収容され、ハイブリダイゼーションバッファ調製されて、第2の溶液ボトル277bおよび第3の溶液ボトル277cに収容されるとともに、洗浄溶液が調製されて、第4の溶液ボトル277d内に収容される。
【0719】
さらに、ユーザーによって、プローブ溶液が調製されて、第3の溶液ボトル277cに収容されているハイブリダイゼーションバッファに混合される。
【0720】
本実施態様においては、放射性標識物質によって標識された生体由来の物質、蛍光物質によって標識された生体由来の物質および化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせる標識物質によって標識された生体由来の物質を含むプローブ溶液が調製されて、第3の溶液ボトル277cに収容されているハイブリダイゼーションバッファに混合される。
【0721】
本実施態様においても、蛍光物質として、532nmの波長の励起光により、最も効率的に励起が可能なCy3が選択されている。
【0722】
次いで、ユーザーによって、生化学解析システムのキーボード50に、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4を、どのようにして、選択的に標識するかについての標識データが入力される。
【0723】
キーボード50に入力された標識データは、コントロールユニット45に出力され、コントロールユニット45は、標識データを受けると、標識データを、メモリ46に保存する。
【0724】
次いで、ユーザーにより、10枚の生化学解析用ユニット1がセットされた生化学解析用ユニットキャリア6が、生化学解析用ユニットキャリア6に形成された10個の貫通孔7が、それぞれ、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔対284a、284b、284c、284d、284e、284f、284g、284h、284i、284jの1つに対向するように、ハイブリダイゼーション反応装置270の下方ハウジング部278に設けられた一対の搬送ベルト283、283上の所定の位置に、セットされる。
【0725】
生化学解析用ユニットキャリア6が、搬送ベルト283、283上の所定の位置に、セットされると、ユーザーにより、生化学解析システムのキーボード50に、生化学解析開始信号が入力される。
【0726】
キーボード50に入力された生化学解析開始信号は、生化学解析システムのコントロールユニット45に出力され、コントロールユニット45から、ハイブリダイゼーション反応装置270のコントロールユニット300に転送される。
【0727】
ハイブリダイゼーション反応装置270のコントロールユニット300は、生化学解析開始信号を受けると、アームモータ307に、駆動信号を出力して、捩りスプリング(図示せず)のスプリング力に抗して、生化学解析用ユニット収容部材280に形成された係止部材280cが、ハイブリダイゼーション反応装置270の下方ハウジング部278の頂板に形成された係止部(図示せず)に自動的に係合するまで、一対のアーム279、279を、下方ハウジング部278に固定された軸まわりに揺動させる。
【0728】
その結果、生化学解析用ユニット収容部材280によって、生化学解析用ユニットキャリア6が押圧され、下方ハウジング部278の頂板に立設された枠部材286a、286b、286c、286d、286e、286f、286g、286h、286i、286jの側壁上端部および仕切壁285a、285b、285c、285d、285e、285f、285g、285h、285i、285jの上端部に形成されたシール部材287a、287b、287c、287d、287e、287f、287g、287h、287i、287jの頂部よりも、上方に位置するように、設けられた一対の搬送ベルト283、283が、下方ハウジング部278の頂板に形成された開口部283a、283a内に、それぞれ、押し込まれて、生化学解析用ユニット収容部材280が反応位置に達すると、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている10枚の生化学解析用ユニット1が、それぞれ、生化学解析用ユニット収容部材280に形成された対応する凹部280a内に収容されるとともに、生化学解析用ユニット1の基板2の下面が、下方ハウジング部278の頂板に立設された枠部材286a、286b、286c、286d、286e、286f、286g、286h、286i、286jの側壁上端部および仕切壁285a、285b、285c、285d、285e、285f、285g、285h、285i、285jの上端部に形成されたシール部材287a、287b、287c、287d、287e、287f、287g、287h、287i、287jに当接して、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284aa、284ab、284ba、284bb、284ca、284cb、284da、284db、284ea、284eb、284fa、284fb、284ga、284gb、284ha、284hb、284ia、284ib、284ja、284jbと、生化学解析用ユニットキャリア6に形成された貫通孔7の間がシールされ、係止部材280aが、下方ハウジング部278の頂板に形成された係止部(図示せず)に自動的に係合することによって、生化学解析用ユニット収容部材280と生化学解析用ユニットキャリア6とが密着状態に保持される。
【0729】
このように、生化学解析用ユニット収容部材280の係止部材280aが、下方ハウジング部278の頂板に形成された係止部(図示せず)に自動的に係合している状態においては、生化学解析用ユニット収容部材280に形成された10個の溶液循環用凹部280bは、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4が形成されている部分を介して、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔対284a、284b、284c、284d、284e、284f、284g、284h、284i、284jの1つに対向している。
【0730】
こうして、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている10枚の生化学解析用ユニット1が、それぞれ、生化学解析用ユニット収容部材280に形成された対応する凹部280a内に収容されると、バーコードリーダー309a、309b、309c、309d、309e、309f、309g、309h、309i、309jによって、生化学解析用ユニット1の基板2に印刷されたバーコード5aが読み取られ、バーコードデータが生成されて、コントロールユニット300に入力される。
【0731】
ハイブリダイゼーション反応装置270のコントロールユニット300は、バーコードリーダー309a、309b、309c、309d、309e、309f、309g、309h、309i、309jから、バーコードデータを受けると、生化学解析システムのコントロールユニット45に出力する。
【0732】
生化学解析システムのコントロールユニット45は、ハイブリダイゼーション反応装置270のコントロールユニット300から、バーコードデータを受けると、バーコードデータを、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされた生化学解析用ユニット1の位置と関連付けて、メモリ46に保存する。
【0733】
バーコードデータが、生化学解析システムのメモリ46に保存されると、生化学解析システムのコントロールユニット45は、前処理開始信号を、ハイブリダイゼーション反応装置270のコントロールユニット300に出力する。
【0734】
ハイブリダイゼーション反応装置270のコントロールユニット300は、前処理開始信号を受けると、第1のバルブ駆動手段303aに第1の駆動信号を出力して、第1の溶液注入チューブ281aに設けられた第1のバルブ295aを、第1の溶液ボトル277aと溶液注入チューブ290とを連通させる第一の位置に位置させるとともに、切り換えバルブ駆動手段296に、第1の駆動信号を出力して、切り換えバルブ296の上流側の溶液注入チューブ290と、切り換えバルブ296の下流側の溶液注入チューブ290とを連通させるとともに、切り換えバルブ296の上流側の溶液排出チューブ292と、切り換えバルブ296の下流側の溶液排出チューブ292とを連通させる第一の位置に位置させる。
【0735】
さらに、コントロールユニット300は、第1の溶液排出バルブ駆動手段305aに閉鎖信号を出力して、第1の溶液排出バルブ293aを閉じさせるとともに、第2の溶液排出バルブ駆動手段305bに開放信号を出力して、第2の溶液排出バルブ293bを開放させる。これは、放射性標識物質が含まれていない前処理液を、放射性標識物質濃度の高い溶液と分別して、放射性標識物質濃度の低い溶液を回収する第2の溶液回収タンク294b内に回収させるためである。
【0736】
次いで、コントロールユニット300は、ポンプ298に駆動信号を出力して、第1の溶液ボトル277a内に収容されている前処理液を、第1の溶液注入チューブ281aを介して、溶液注入チューブ290内に注入させる。
【0737】
溶液注入チューブ290に注入された前処理液は、溶液注入チューブ290から分岐した第1の溶液供給流路290aと第2の溶液供給流路(図示せず)に供給される。
【0738】
第1の溶液供給流路290a内に供給された前処理液は、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284aa、284ba、284ca、284da、284ea内に流入する。
【0739】
ここに、下方ハウジング部278の頂板に立設された枠部材286a、286b、286c、286d、286e、286f、286g、286h、286i、286jの側壁上端部および仕切壁285a、285b、285c、285d、285e、285f、285g、285h、285i、285jの上端部に形成されたシール部材287a、287b、287c、287d、287e、287f、287g、287h、287i、287jによって、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284aa、284ab、284ba、284bb、284ca、284cb、284da、284db、284ea、284eb、284fa、284fb、284ga、284gb、284ha、284hb、284ia、284ib、284ja、284jbと、生化学解析用ユニットキャリア6に形成された貫通孔7の間がシールされているから、前処理液は、貫通孔284aa、284ba、284ca、284da、284eaから、それぞれ、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている対応する生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性領域4のうち、貫通孔284aa、284ba、284ca、284da、284eaに対向している1/2の吸着性領域4を横切って、生化学解析用ユニット収容部材280に形成された5つの溶液循環用凹部280b内に供給される。
【0740】
生化学解析用ユニット収容部材280に形成された溶液循環用凹部280b内に流入した前処理液は、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性領域4のうち、残りの1/2の吸着性領域4を横切って、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284ab、284bb、284cb、284db、284eb内に流入する。
【0741】
下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284ab、284bb、284cb、284db、284eb内に流入した前処理液は、第1の溶液排出流路291a内に流入する。
【0742】
図37は、ハイブリダイゼーション反応装置270の下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔対284aを通る溶液の流れを示す略断面図である。
【0743】
これに対して、第2の溶液供給流路(図示せず)内に供給された前処理液は、貫通孔284fa、284ga、284ha、284ia、284jaに流入し、さらに、貫通孔284fa、284ga、284ha、284ia、284jaから、それぞれ、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている対応する生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性領域4のうち、貫通孔284fa、284ga、284ha、284ia、284jaに対向している1/2の吸着性領域4を横切って、生化学解析用ユニット収容部材280に形成された5つの溶液循環用凹部280b内に供給される。
【0744】
生化学解析用ユニット収容部材280に形成された溶液循環用凹部280b内に流入した前処理液は、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性領域4のうち、残りの1/2の吸着性領域4を横切って、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284fb、284gb、284hb、284ib、284jb内に流入する。
【0745】
下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284fb、284gb、284hb、284ib、284jb内に流入した前処理液は、第2の溶液排出流路(図示せず)内に流入する。
【0746】
第1の溶液排出流路291a内に流入した前処理液および第2の溶液排出流路(図示せず)内に流入した前処理液は、溶液排出チューブ292に流入する。
【0747】
前処理液が、溶液排出チューブ292に流入すると、ハイブリダイゼーション反応装置270のコントロールユニット300は、ポンプ298の駆動時間に基づいて、前処理液が、切り換えバルブ296に到達するタイミングで、切り換えバルブ駆動手段304に、第2の駆動信号を出力し、切り換えバルブ296を、切り換えバルブ296の上流側の溶液排出チューブ292と、切り換えバルブ296の下流側の溶液注入チューブ290とを連通させるとともに、切り換えバルブ296の上流側の溶液注入チューブ290と、切り換えバルブ296の下流側の溶液排出チューブ292とを連通させる第二の位置に位置させる。
【0748】
その結果、切り換えバルブ296の上流側の溶液排出チューブ292、切り換えバルブ296の下流側の溶液注入チューブ290、第1の溶液供給流路290a、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284aa、284ba、284ca、284da、284ea、生化学解析用ユニット収容部材280の溶液循環用凹部280b、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284ab、284bb、284cb、284db、284ebおよび第1の溶液排出流路291aによって、溶液循環流路が形成されるとともに、切り換えバルブ296の上流側の溶液排出チューブ292、切り換えバルブ296の下流側の溶液注入チューブ290、第2の溶液供給流路290b、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284fa、284ga、284ha、284ia、284ja、生化学解析用ユニット収容部材280の溶液循環用凹部280b、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284fb、284gb、284hb、284ib、284jbおよび第2の溶液排出流路291bによって、溶液循環流路が形成され、前処理液は、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされた10枚の生化学解析用ユニット1に形成されている多数の吸着性領域4を横切って、溶液循環流路内を循環する。
【0749】
このように、本実施態様によれば、前処理液は、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされた生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4を横切って、循環されるから、前処理操作の効率を大幅に向上させることが可能になる。
【0750】
所定の時間が経過すると、コントロールユニット300は、第1のバルブ駆動手段303aに、第2の駆動信号を出力して、第1の溶液注入チューブ281aに設けられた第1のバルブ295aを、溶液注入チューブ290と、大気とを連通させる第二の位置に位置させ、さらに、切り換えバルブ駆動手段304に、第1の駆動信号を出力して、切り換えバルブ296を、切り換えバルブ296の上流側の溶液注入チューブ290と、切り換えバルブ296の下流側の溶液注入チューブ290とを連通させるとともに、切り換えバルブ296の上流側の溶液排出チューブ292と、切り換えバルブ296の下流側の溶液排出チューブ292とを連通させる第一の位置に位置させる。
【0751】
その結果、切り換えバルブ296の上流側の溶液排出チューブ292と、切り換えバルブ296の下流側の溶液注入チューブ290との連通が断たれ、その一方で、溶液排出チューブ292と、第2の溶液排出チューブ292bとが連通されて、第1の溶液ボトル277aから、第1の溶液注入チューブ281a内に供給された前処理液は、すべて、溶液注入チューブ290、第1の溶液供給流路290a、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284aa、284ba、284ca、284da、284ea、生化学解析用ユニット1に形成された吸着性領域4、生化学解析用ユニット収容部材280に形成された溶液循環用凹部280b、生化学解析用ユニット1に形成された吸着性領域4、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284ab、284bb、284cb、284db、284eb、第1の溶液排出流路291a、溶液排出チューブ292および第2の溶液排出チューブ292bを通って、あるいは、溶液注入チューブ290、第2の溶液供給流路(図示せず)、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284fa、284ga、284ha、284ia、284ja、生化学解析用ユニット1に形成された吸着性領域4、生化学解析用ユニット収容部材280に形成された溶液循環用凹部280b、生化学解析用ユニット1に形成された吸着性領域4、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284fb、284gb、284hb、284ib、284jb、第2の溶液排出流路(図示せず)、溶液排出チューブ292および第2の溶液排出チューブ292bを通って、第2の溶液回収タンク294b内に回収される。
【0752】
こうして、第1の溶液ボトル277aから、第1の溶液注入チューブ281a内に供給された前処理液が、すべて、第2の溶液回収タンク294b内に回収されると、ハイブリダイゼーション反応装置270のコントロールユニット300は、ポンプ298に駆動停止信号を出力して、ポンプ298の駆動を停止させ、次いで、第1のバルブ駆動手段303aに第3の駆動信号を出力して、第1の溶液注入チューブ281aに設けられた第1のバルブ295aを、第1の溶液ボトル277aおよび大気と、溶液注入チューブ290との連通を遮断させる第三の位置に位置させるとともに、第2の溶液排出バルブ駆動手段305bに閉鎖信号を出力して、第2の溶液排出バルブ293bを閉鎖させ、前処理操作を完了させる。
【0753】
前処理操作が完了すると、ハイブリダイゼーション反応装置270のコントロールユニット300は、前処理完了信号を、生化学解析システムのコントロールユニット45に出力する。
【0754】
前処理完了信号を受けると、生化学解析システムのコントロールユニット45は、表示パネル51に、前処理操作が完了した旨のメッセージを表示するとともに、ハイブリダイゼーション反応装置270のコントロールユニット300に、プレハイブリダイゼーション開始信号を出力する。
【0755】
ハイブリダイゼーション反応装置270のコントロールユニット300は、生化学解析システムのコントロールユニット45から、プレハイブリダイゼーション開始信号を受けると、第2のバルブ駆動手段303bに第1の駆動信号を出力して、第2の溶液注入チューブ281bに設けられた第2のバルブ295bを、第2の溶液ボトル277bと溶液注入チューブ290とを連通させる第一の位置に位置させるとともに、切り換えバルブ駆動手段304に、第2の駆動信号を出力して、切り換えバルブ296を、切り換えバルブ296の上流側の溶液注入チューブ290と、切り換えバルブ296の下流側の溶液注入チューブ290とを連通させるとともに、切り換えバルブ296の上流側の溶液排出チューブ292と、切り換えバルブ296の下流側の溶液排出チューブ292とを連通させる第一の位置に位置させる。
【0756】
さらに、コントロールユニット300は、第1の溶液排出バルブ駆動手段305aに閉鎖信号を出力して、第1の溶液排出バルブ293aを閉じさせるとともに、第2の溶液排出バルブ駆動手段305bに開放信号を出力して、第2の溶液排出バルブ293bを開放させる。これは、放射性標識物質が含まれていないハイブリダイゼーションバッファを、放射性標識物質濃度の高い溶液と分別して、放射性標識物質濃度の低い溶液を回収する第2の溶液回収タンク294bに回収するためである。
【0757】
次いで、コントロールユニット300は、ポンプ298に駆動信号を出力して、第2の溶液ボトル277b内に収容されているハイブリダイゼーションバッファを、第2の溶液注入チューブ281bを介して、溶液注入チューブ290内に注入させる。
【0758】
溶液注入チューブ290に注入されたハイブリダイゼーションバッファは、溶液注入チューブ290から分岐した第1の溶液供給流路290aと第2の溶液供給流路(図示せず)に供給される。
【0759】
第1の溶液供給流路290a内に供給されたハイブリダイゼーションバッファは、貫通孔284aa、284ba、284ca、284da、284ea内に流入する。
【0760】
ここに、下方ハウジング部278の頂板に立設された枠部材286a、286b、286c、286d、286e、286f、286g、286h、286i、286jの側壁上端部および仕切壁285a、285b、285c、285d、285e、285f、285g、285h、285i、285jの上端部に形成されたシール部材287a、287b、287c、287d、287e、287f、287g、287h、287i、287jによって、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284aa、284ab、284ba、284bb、284ca、284cb、284da、284db、284ea、284eb、284fa、284fb、284ga、284gb、284ha、284hb、284ia、284ib、284ja、284jbと、生化学解析用ユニットキャリア6に形成された貫通孔7の間がシールされているから、ハイブリダイゼーションバッファは、貫通孔284aa、284ba、284ca、284da、284eaから、それぞれ、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている対応する生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性領域4のうち、貫通孔284aa、284ba、284ca、284da、284eaに対向している1/2の吸着性領域4を横切って、生化学解析用ユニット収容部材280に形成された5つの溶液循環用凹部280b内に供給される。
【0761】
生化学解析用ユニット収容部材280に形成された溶液循環用凹部280b内に流入したハイブリダイゼーションバッファは、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性領域4のうち、残りの1/2の吸着性領域4を横切って、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284ab、284bb、284cb、284db、284eb内に流入する。
【0762】
下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284ab、284bb、284cb、284db、284eb内に流入したハイブリダイゼーションバッファは、第1の溶液排出流路291a内に流入する。
【0763】
これに対して、第2の溶液供給流路(図示せず)内に供給されたハイブリダイゼーションバッファは、貫通孔284fa、284ga、284ha、284ia、284jaに流入し、さらに、貫通孔284fa、284ga、284ha、284ia、284jaから、それぞれ、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている対応する生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性領域4のうち、貫通孔284fa、284ga、284ha、284ia、284jaに対向している1/2の吸着性領域4を横切って、生化学解析用ユニット収容部材280に形成された5つの溶液循環用凹部280b内に供給される。
【0764】
生化学解析用ユニット収容部材280に形成された溶液循環用凹部280b内に流入したハイブリダイゼーションバッファは、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性領域4のうち、残りの1/2の吸着性領域4を横切って、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284fb、284gb、284hb、284ib、284jb内に流入する。
【0765】
下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284fb、284gb、284hb、284ib、284jb内に流入したハイブリダイゼーションバッファは、第2の溶液排出流路(図示せず)内に流入する。
【0766】
第1の溶液排出流路291a内に流入したハイブリダイゼーションバッファおよび第2の溶液排出流路(図示せず)内に流入したハイブリダイゼーションバッファは、溶液排出チューブ292に流入する。
【0767】
ハイブリダイゼーションバッファが、溶液排出チューブ292に流入すると、ハイブリダイゼーション反応装置270のコントロールユニット300は、ポンプ298の駆動時間に基づいて、ハイブリダイゼーションバッファが、切り換えバルブ296に到達するタイミングで、切り換えバルブ駆動手段304に、第2の駆動信号を出力し、切り換えバルブ296を、切り換えバルブ296の上流側の溶液排出チューブ292と、切り換えバルブ296の下流側の溶液注入チューブ290とを連通させるとともに、切り換えバルブ296の上流側の溶液注入チューブ290と、切り換えバルブ296の下流側の溶液排出チューブ292とを連通させる第二の位置に位置させる。
【0768】
その結果、切り換えバルブ296の上流側の溶液排出チューブ292、切り換えバルブ296の下流側の溶液注入チューブ290、第1の溶液供給流路290a、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284aa、284ba、284ca、284da、284ea、生化学解析用ユニット収容部材280の溶液循環用凹部280b、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284ab、284bb、284cb、284db、284ebおよび第1の溶液排出流路291aによって、溶液循環流路が形成されるとともに、切り換えバルブ296の上流側の溶液排出チューブ292、切り換えバルブ296の下流側の溶液注入チューブ290、第2の溶液供給流路290b、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284fa、284ga、284ha、284ia、284ja、生化学解析用ユニット収容部材280の溶液循環用凹部280b、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284fb、284gb、284hb、284ib、284jbおよび第2の溶液排出流路291bによって、溶液循環流路が形成され、ハイブリダイゼーションバッファは、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされた10枚の生化学解析用ユニット1に形成されている多数の吸着性領域4を横切って、溶液循環流路内を循環する。
【0769】
このように、本実施態様によれば、ハイブリダイゼーションバッファは、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされた生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4を横切って、循環されるから、プレハイブリダイゼーションの効率を大幅に向上させることが可能になる。
【0770】
所定の時間が経過すると、コントロールユニット300は、第2のバルブ駆動手段303bに、第2の駆動信号を出力して、第2の溶液注入チューブ281bに設けられた第2のバルブ295bを、溶液注入チューブ290と、大気とを連通させる第二の位置に位置させ、さらに、切り換えバルブ駆動手段304に、第1の駆動信号を出力して、切り換えバルブ296を、切り換えバルブ296の上流側の溶液注入チューブ290と、切り換えバルブ296の下流側の溶液注入チューブ290とを連通させるとともに、切り換えバルブ296の上流側の溶液排出チューブ292と、切り換えバルブ296の下流側の溶液排出チューブ292とを連通させる第一の位置に位置させる。
【0771】
その結果、切り換えバルブ296の上流側の溶液排出チューブ292と、切り換えバルブ296の下流側の溶液注入チューブ290との連通が断たれ、その一方で、溶液排出チューブ292と、第2の溶液排出チューブ292bとが連通されて、第2の溶液ボトル277bから、第2の溶液注入チューブ281b内に供給されたハイブリダイゼーションバッファは、すべて、溶液注入チューブ290、第1の溶液供給流路290a、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284aa、284ba、284ca、284da、284ea、生化学解析用ユニット1に形成された吸着性領域4、生化学解析用ユニット収容部材280に形成された溶液循環用凹部280b、生化学解析用ユニット1に形成された吸着性領域4、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284ab、284bb、284cb、284db、284eb、第1の溶液排出流路291a、溶液排出チューブ292および第2の溶液排出チューブ292bを通って、あるいは、溶液注入チューブ290、第2の溶液供給流路(図示せず)、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284fa、284ga、284ha、284ia、284ja、生化学解析用ユニット1に形成された吸着性領域4、生化学解析用ユニット収容部材280に形成された溶液循環用凹部280b、生化学解析用ユニット1に形成された吸着性領域4、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284fb、284gb、284hb、284ib、284jb、第2の溶液排出流路(図示せず)、溶液排出チューブ292および第2の溶液排出チューブ292bを通って、第2の溶液回収タンク294b内に回収される。
【0772】
こうして、第2の溶液ボトル277bから、第2の溶液注入チューブ281b内に供給されたハイブリダイゼーションバッファが、すべて、第2の溶液回収タンク294b内に回収されると、ハイブリダイゼーション反応装置270のコントロールユニット300は、ポンプ298に駆動停止信号を出力して、ポンプ298の駆動を停止させ、次いで、第2のバルブ駆動手段303bに第3の駆動信号を出力して、第2の溶液注入チューブ281bに設けられた第2のバルブ295bを、第2の溶液ボトル277bおよび大気と、溶液注入チューブ290との連通を遮断させる第三の位置に位置させるとともに、第2の溶液排出バルブ駆動手段305bに閉鎖信号を出力して、第2の溶液排出バルブ293bを閉鎖させ、プレハイブリダイゼーションを完了させる。
【0773】
プレハイブリダイゼーションが完了すると、ハイブリダイゼーション反応装置270のコントロールユニット300は、プレハイブリダイゼーション完了信号を、生化学解析システムのコントロールユニット45に出力する。
【0774】
ハイブリダイゼーション反応装置270のコントロールユニット300から、プレハイブリダイゼーション完了信号を受けると、生化学解析システムのコントロールユニット45は、表示パネル51に、プレハイブリダイゼーションが完了した旨のメッセージを表示するとともに、ハイブリダイゼーション反応装置270のコントロールユニット300に、ハイブリダイゼーション開始信号を出力する。
【0775】
ハイブリダイゼーション反応装置270のコントロールユニット300は、生化学解析システムのコントロールユニット45から、ハイブリダイゼーション開始信号を受けると、第3のバルブ駆動手段303cに第1の駆動信号を出力して、第3の溶液注入チューブ281cに設けられた第3のバルブ295cを、第3の溶液ボトル277cと溶液注入チューブ290とを連通させる第一の位置に位置させるとともに、切り換えバルブ駆動手段304に、第2の駆動信号を出力して、切り換えバルブ296を、切り換えバルブ296の上流側の溶液注入チューブ290と、切り換えバルブ296の下流側の溶液注入チューブ290とを連通させるとともに、切り換えバルブ296の上流側の溶液排出チューブ292と、切り換えバルブ296の下流側の溶液排出チューブ292とを連通させる第一の位置に位置させる。
【0776】
さらに、コントロールユニット300は、第1の溶液排出バルブ駆動手段305aに開放信号を出力して、第1の溶液排出バルブ293aを開放させるとともに、第2の溶液排出バルブ駆動手段305bに閉鎖信号を出力して、第2の溶液排出バルブ293bを閉じさせる。これは、放射性標識物質の濃度が高いハイブリダイゼーションバッファとプローブ溶液との混合溶液を、放射性標識物質濃度の低い溶液と分別して、放射性標識物質濃度の高い溶液を回収する第1の溶液回収タンク294aに回収するためである。
【0777】
次いで、コントロールユニット300は、ポンプ298に駆動信号を出力して、第3の溶液ボトル277c内に収容されているハイブリダイゼーションバッファとプローブ溶液との混合溶液を、第3の溶液注入チューブ281cを介して、溶液注入チューブ290内に注入させる。
【0778】
溶液注入チューブ290に注入されたハイブリダイゼーションバッファとプローブ溶液との混合溶液は、溶液注入チューブ290から分岐した第1の溶液供給流路290aと第2の溶液供給流路(図示せず)に供給される。
【0779】
第1の溶液供給流路290a内に供給されたハイブリダイゼーションバッファとプローブ溶液との混合溶液は、貫通孔284aa、284ba、284ca、284da、284ea内に流入する。
【0780】
ここに、下方ハウジング部278の頂板に立設された枠部材286a、286b、286c、286d、286e、286f、286g、286h、286i、286jの側壁上端部および仕切壁285a、285b、285c、285d、285e、285f、285g、285h、285i、285jの上端部に形成されたシール部材287a、287b、287c、287d、287e、287f、287g、287h、287i、287jによって、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284aa、284ab、284ba、284bb、284ca、284cb、284da、284db、284ea、284eb、284fa、284fb、284ga、284gb、284ha、284hb、284ia、284ib、284ja、284jbと、生化学解析用ユニットキャリア6に形成された貫通孔7の間がシールされているから、ハイブリダイゼーションバッファとプローブ溶液との混合溶液は、貫通孔284aa、284ba、284ca、284da、284eaから、それぞれ、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている対応する生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性領域4のうち、貫通孔284aa、284ba、284ca、284da、284eaに対向している1/2の吸着性領域4を横切って、生化学解析用ユニット収容部材280に形成された5つの溶液循環用凹部280b内に供給される。
【0781】
その結果、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている5枚の生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に含まれたcDNAなどの特異的結合物質に、放射性標識物質によって標識された生体由来の物質、蛍光物質によって標識された生体由来の物質および化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせる標識物質によって標識された生体由来の物質が、選択的に、ハイブリダイズされる。
【0782】
生化学解析用ユニット収容部材280に形成された溶液循環用凹部280b内に流入したハイブリダイゼーションバッファとプローブ溶液との混合溶液は、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性領域4のうち、残りの1/2の吸着性領域4を横切って、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284ab、284bb、284cb、284db、284eb内に流入する。
【0783】
下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284ab、284bb、284cb、284db、284eb内に流入したハイブリダイゼーションバッファとプローブ溶液との混合溶液は、第1の溶液排出流路291a内に流入する。
【0784】
これに対して、第2の溶液供給流路(図示せず)内に供給されたハイブリダイゼーションバッファとプローブ溶液との混合溶液は、貫通孔284fa、284ga、284ha、284ia、284jaに流入し、さらに、貫通孔284fa、284ga、284ha、284ia、284jaから、それぞれ、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている対応する生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性領域4のうち、貫通孔284fa、284ga、284ha、284ia、284jaに対向している1/2の吸着性領域4を横切って、生化学解析用ユニット収容部材280に形成された5つの溶液循環用凹部280b内に供給される。
【0785】
その結果、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている5枚の生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に含まれたcDNAなどの特異的結合物質に、放射性標識物質によって標識された生体由来の物質、蛍光物質によって標識された生体由来の物質および化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせる標識物質によって標識された生体由来の物質が、選択的に、ハイブリダイズされる。
【0786】
生化学解析用ユニット収容部材280に形成された溶液循環用凹部280b内に流入したハイブリダイゼーションバッファとプローブ溶液との混合溶液は、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性領域4のうち、残りの1/2の吸着性領域4を横切って、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284fb、284gb、284hb、284ib、284jb内に流入する。
【0787】
下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284fb、284gb、284hb、284ib、284jb内に流入したハイブリダイゼーションバッファとプローブ溶液との混合溶液は、第2の溶液排出流路(図示せず)内に流入する。
【0788】
第1の溶液排出流路291a内に流入したハイブリダイゼーションバッファとプローブ溶液との混合溶液および第2の溶液排出流路(図示せず)内に流入したハイブリダイゼーションバッファとプローブ溶液との混合溶液は、溶液排出チューブ292に流入する。
【0789】
ハイブリダイゼーションバッファとプローブ溶液との混合溶液が、溶液排出チューブ292に流入すると、ハイブリダイゼーション反応装置270のコントロールユニット300は、ポンプ298の駆動時間に基づいて、ハイブリダイゼーションバッファとプローブ溶液との混合溶液が、切り換えバルブ296に到達するタイミングで、切り換えバルブ駆動手段304に、第2の駆動信号を出力し、切り換えバルブ296を、切り換えバルブ296の上流側の溶液排出チューブ292と、切り換えバルブ296の下流側の溶液注入チューブ290とを連通させるとともに、切り換えバルブ296の上流側の溶液注入チューブ290と、切り換えバルブ296の下流側の溶液排出チューブ292とを連通させる第二の位置に位置させる。
【0790】
その結果、切り換えバルブ296の上流側の溶液排出チューブ292、切り換えバルブ296の下流側の溶液注入チューブ290、第1の溶液供給流路290a、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284aa、284ba、284ca、284da、284ea、生化学解析用ユニット収容部材280の溶液循環用凹部280b、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284ab、284bb、284cb、284db、284ebおよび第1の溶液排出流路291aによって、溶液循環流路が形成されるとともに、切り換えバルブ296の上流側の溶液排出チューブ292、切り換えバルブ296の下流側の溶液注入チューブ290、第2の溶液供給流路290b、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284fa、284ga、284ha、284ia、284ja、生化学解析用ユニット収容部材280の溶液循環用凹部280b、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284fb、284gb、284hb、284ib、284jbおよび第2の溶液排出流路291bによって、溶液循環流路が形成され、ハイブリダイゼーションバッファとプローブ溶液との混合溶液は、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされた10枚の生化学解析用ユニット1に形成されている多数の吸着性領域4を横切って、溶液循環流路内を循環する。
【0791】
このように、本実施態様によれば、ハイブリダイゼーションバッファとプローブ溶液の混合溶液が、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4を横切って、強制的に循環されるから、ハイブリダイゼーションバッファとプローブ溶液の混合溶液に含まれている生体由来の物質を、単に、対流あるいは拡散によって移動させ、生化学解析用ユニット1の吸着性領域4に含まれている特異的結合物質とハイブリダイズさせる場合に比して、生化学解析用ユニット1の吸着性領域4内における生体由来の物質の移動速度を大幅に増大させることができ、したがって、ハイブリダイゼーション反応の反応速度を大幅に向上させることが可能になり、さらには、生体由来の物質が、吸着性領域4の深い部分に含まれている特異的結合物質と出会う確率を大幅に増大させることができ、したがって、所望のように、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に固定された特異的結合物質に、ハイブリダイゼーションバッファとプローブ溶液の混合溶液に含まれている生体由来の物質をハイブリダイズさせることが可能になる。
【0792】
所定の時間が経過すると、コントロールユニット300は、第3のバルブ駆動手段303cに、第3の駆動信号を出力して、第3の溶液注入チューブ281cに設けられた第3のバルブ295cを、溶液注入チューブ290と、大気とを連通させる第二の位置に位置させ、さらに、切り換えバルブ駆動手段304に、第1の駆動信号を出力して、切り換えバルブ296を、切り換えバルブ296の上流側の溶液注入チューブ290と、切り換えバルブ296の下流側の溶液注入チューブ290とを連通させるとともに、切り換えバルブ296の上流側の溶液排出チューブ292と、切り換えバルブ296の下流側の溶液排出チューブ292とを連通させる第一の位置に位置させる。
【0793】
その結果、切り換えバルブ296の上流側の溶液排出チューブ292と、切り換えバルブ296の下流側の溶液注入チューブ290との連通が断たれ、その一方で、溶液排出チューブ292と、第1の溶液排出チューブ292aとが連通されて、第3の溶液ボトル277cから、第3の溶液注入チューブ281c内に供給されたハイブリダイゼーションバッファとプローブ溶液の混合溶液はすべて、溶液注入チューブ290、第1の溶液供給流路290a、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284aa、284ba、284ca、284da、284ea、生化学解析用ユニット1に形成された吸着性領域4、生化学解析用ユニット収容部材280に形成された溶液循環用凹部280b、生化学解析用ユニット1に形成された吸着性領域4、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284ab、284bb、284cb、284db、284eb、第1の溶液排出流路291a、溶液排出チューブ292および第1の溶液排出チューブ292aを通って、あるいは、溶液注入チューブ290、第2の溶液供給流路(図示せず)、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284fa、284ga、284ha、284ia、284ja、生化学解析用ユニット1に形成された吸着性領域4、生化学解析用ユニット収容部材280に形成された溶液循環用凹部280b、生化学解析用ユニット1に形成された吸着性領域4、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284fb、284gb、284hb、284ib、284jb、第2の溶液排出流路(図示せず)、溶液排出チューブ292および第1の溶液排出チューブ292aを通って、第1の溶液回収タンク294a内に回収される。
【0794】
こうして、第3の溶液ボトル277cから、第3の溶液注入チューブ281c内に供給されたハイブリダイゼーションバッファとプローブ溶液の混合溶液が、すべて、第1の溶液回収タンク294a内に回収されると、ハイブリダイゼーション反応装置270のコントロールユニット300は、ポンプ298に駆動停止信号を出力して、ポンプ298の駆動を停止させ、次いで、第3のバルブ駆動手段303cに第3の駆動信号を出力して、第3の溶液注入チューブ281cに設けられた第3のバルブ295cを、第3の溶液ボトル277cおよび大気と、溶液注入チューブ290との連通を遮断させる第三の位置に位置させるとともに、第1の溶液排出バルブ駆動手段305aに閉鎖信号を出力して、第1の溶液排出バルブ293aを閉鎖させ、ハイブリダイゼーションを完了させる。
【0795】
ハイブリダイゼーションが完了すると、ハイブリダイゼーション反応装置270のコントロールユニット300は、ハイブリダイゼーション完了信号を、生化学解析システムのコントロールユニット45に出力する。
【0796】
ハイブリダイゼーション反応装置270のコントロールユニット300から、ハイブリダイゼーション完了信号を受けると、生化学解析システムのコントロールユニット45は、表示パネル51に、ハイブリダイゼーションが完了した旨のメッセージを表示するとともに、ハイブリダイゼーション反応装置270のコントロールユニット300に、洗浄操作開始信号を出力する。
【0797】
ハイブリダイゼーション反応装置270のコントロールユニット300は、生化学解析システムのコントロールユニット45から、洗浄操作開始信号を受けると、第4のバルブ駆動手段303dに第1の駆動信号を出力して、第4の溶液注入チューブ281dに設けられた第4のバルブ295dを、第4の溶液ボトル277dと溶液注入チューブ290とを連通させる第一の位置に位置させるとともに、切り換えバルブ駆動手段304に、第2の駆動信号を出力して、切り換えバルブ296を、切り換えバルブ296の上流側の溶液注入チューブ290と、切り換えバルブ296の下流側の溶液注入チューブ290とを連通させるとともに、切り換えバルブ296の上流側の溶液排出チューブ292と、切り換えバルブ296の下流側の溶液排出チューブ292とを連通させる第一の位置に位置させる。
【0798】
さらに、コントロールユニット300は、第1の溶液排出バルブ駆動手段305aに開放信号を出力して、第1の溶液排出バルブ293aを開放させるとともに、第2の溶液排出バルブ駆動手段305bに閉鎖信号を出力して、第2の溶液排出バルブ293bを閉じさせる。これは、放射性標識物質の濃度が高い洗浄溶液を、放射性標識物質濃度の低い溶液と分別して、放射性標識物質濃度の高い溶液を回収する第1の溶液回収タンク294aに回収するためである。
【0799】
次いで、コントロールユニット300は、ポンプ298に駆動信号を出力して、第4の溶液ボトル277d内に収容されている洗浄溶液を、第4の溶液注入チューブ281dを介して、溶液注入チューブ290内に注入させる。
【0800】
溶液注入チューブ290に注入された洗浄溶液は、溶液注入チューブ290から分岐した第1の溶液供給流路290aと第2の溶液供給流路(図示せず)に供給される。
【0801】
第1の溶液供給流路290a内に供給された洗浄溶液は、貫通孔284aa、284ba、284ca、284da、284ea内に流入する。
【0802】
ここに、下方ハウジング部278の頂板に立設された枠部材286a、286b、286c、286d、286e、286f、286g、286h、286i、286jの側壁上端部および仕切壁285a、285b、285c、285d、285e、285f、285g、285h、285i、285jの上端部に形成されたシール部材287a、287b、287c、287d、287e、287f、287g、287h、287i、287jによって、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284aa、284ab、284ba、284bb、284ca、284cb、284da、284db、284ea、284eb、284fa、284fb、284ga、284gb、284ha、284hb、284ia、284ib、284ja、284jbと、生化学解析用ユニットキャリア6に形成された貫通孔7の間がシールされているから、洗浄溶液は、貫通孔284aa、284ba、284ca、284da、284eaから、それぞれ、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている対応する生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性領域4のうち、貫通孔284aa、284ba、284ca、284da、284eaに対向している1/2の吸着性領域4を横切って、生化学解析用ユニット収容部材280に形成された5つの溶液循環用凹部280b内に供給される。
【0803】
生化学解析用ユニット収容部材280に形成された溶液循環用凹部280b内に流入した洗浄溶液は、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性領域4のうち、残りの1/2の吸着性領域4を横切って、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284ab、284bb、284cb、284db、284eb内に流入する。
【0804】
下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284ab、284bb、284cb、284db、284eb内に流入した洗浄溶液は、第1の溶液排出流路291a内に流入する。
【0805】
これに対して、第2の溶液供給流路(図示せず)内に供給された洗浄溶液は、貫通孔284fa、284ga、284ha、284ia、284jaに流入し、さらに、貫通孔284fa、284ga、284ha、284ia、284jaから、それぞれ、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている対応する生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性領域4のうち、貫通孔284fa、284ga、284ha、284ia、284jaに対向している1/2の吸着性領域4を横切って、生化学解析用ユニット収容部材280に形成された5つの溶液循環用凹部280b内に供給される。
【0806】
生化学解析用ユニット収容部材280に形成された溶液循環用凹部280b内に流入した前処理液は、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性領域4のうち、残りの1/2の吸着性領域4を横切って、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284fb、284gb、284hb、284ib、284jb内に流入する。
【0807】
下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284fb、284gb、284hb、284ib、284jb内に流入した洗浄溶液は、第2の溶液排出流路(図示せず)内に流入する。
【0808】
第1の溶液排出流路291a内に流入した洗浄溶液および第2の溶液排出流路(図示せず)内に流入した洗浄溶液は、溶液排出チューブ292に流入する。
【0809】
洗浄溶液が、溶液排出チューブ292に流入すると、ハイブリダイゼーション反応装置270のコントロールユニット300は、ポンプ298の駆動時間に基づいて、洗浄溶液が、切り換えバルブ296に到達するタイミングで、切り換えバルブ駆動手段304に、第2の駆動信号を出力し、切り換えバルブ296を、切り換えバルブ296の上流側の溶液排出チューブ292と、切り換えバルブ296の下流側の溶液注入チューブ290とを連通させるとともに、切り換えバルブ296の上流側の溶液注入チューブ290と、切り換えバルブ296の下流側の溶液排出チューブ292とを連通させる第二の位置に位置させる。
【0810】
その結果、切り換えバルブ296の上流側の溶液排出チューブ292、切り換えバルブ296の下流側の溶液注入チューブ290、第1の溶液供給流路290a、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284aa、284ba、284ca、284da、284ea、生化学解析用ユニット収容部材280の溶液循環用凹部280b、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284ab、284bb、284cb、284db、284ebおよび第1の溶液排出流路291aによって、溶液循環流路が形成されるとともに、切り換えバルブ296の上流側の溶液排出チューブ292、切り換えバルブ296の下流側の溶液注入チューブ290、第2の溶液供給流路290b、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284fa、284ga、284ha、284ia、284ja、生化学解析用ユニット収容部材280の溶液循環用凹部280b、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284fb、284gb、284hb、284ib、284jbおよび第2の溶液排出流路291bによって、溶液循環流路が形成され、洗浄溶液は、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされた10枚の生化学解析用ユニット1に形成されている多数の吸着性領域4を横切って、溶液循環流路内を循環する。
【0811】
このように、本実施態様によれば、洗浄溶液が、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4を横切って、強制的に循環されるから、ハイブリダイゼーションの工程で、特異的結合物質にハイブリダイズされるべきでない生体由来の物質が、生化学解析用ユニット1の吸着性領域4に結合されていても、特異的結合物質にハイブリダイズされるべきではない生体由来の物質を、生化学解析用ユニット1の吸着性領域4から、効果的に剥離させて、除去することができ、洗浄効率を大幅に向上させることが可能になる。
【0812】
所定の時間が経過すると、コントロールユニット300は、第4のバルブ駆動手段303dに、第3の駆動信号を出力して、第4の溶液注入チューブ281dに設けられた第4のバルブ295dを、溶液注入チューブ290と、大気とを連通させる第二の位置に位置させ、さらに、切り換えバルブ駆動手段304に、第1の駆動信号を出力して、切り換えバルブ296を、切り換えバルブ296の上流側の溶液注入チューブ290と、切り換えバルブ296の下流側の溶液注入チューブ290とを連通させるとともに、切り換えバルブ296の上流側の溶液排出チューブ292と、切り換えバルブ296の下流側の溶液排出チューブ292とを連通させる第一の位置に位置させる。
【0813】
その結果、切り換えバルブ296の上流側の溶液排出チューブ292と、切り換えバルブ296の下流側の溶液注入チューブ290との連通が断たれ、その一方で、溶液排出チューブ292と、第1の溶液排出チューブ292aとが連通されて、第4の溶液ボトル277dから、第4の溶液注入チューブ281d内に供給された洗浄溶液は、すべて、溶液注入チューブ290、第1の溶液供給流路290a、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284aa、284ba、284ca、284da、284ea、生化学解析用ユニット1に形成された吸着性領域4、生化学解析用ユニット収容部材280に形成された溶液循環用凹部280b、生化学解析用ユニット1に形成された吸着性領域4、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284ab、284bb、284cb、284db、284eb、第1の溶液排出流路291a、溶液排出チューブ292および第1の溶液排出チューブ292aを通って、あるいは、溶液注入チューブ290、第2の溶液供給流路(図示せず)、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284fa、284ga、284ha、284ia、284ja、生化学解析用ユニット1に形成された吸着性領域4、生化学解析用ユニット収容部材280に形成された溶液循環用凹部280b、生化学解析用ユニット1に形成された吸着性領域4、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284fb、284gb、284hb、284ib、284jb、第2の溶液排出流路(図示せず)、溶液排出チューブ292および第1の溶液排出チューブ292aを通って、第1の溶液回収タンク294a内に回収される。
【0814】
こうして、第4の溶液ボトル277dから、第4の溶液注入チューブ281d内に供給された洗浄溶液が、すべて、第1の溶液回収タンク294a内に回収されると、ハイブリダイゼーション反応装置270のコントロールユニット300は、ポンプ298に駆動停止信号を出力して、ポンプ298の駆動を停止させ、次いで、第4のバルブ駆動手段303dに第4の駆動信号を出力して、第4の溶液注入チューブ281dに設けられた第4のバルブ295dを、第4の溶液ボトル277dおよび大気と、溶液注入チューブ290との連通を遮断させる第三の位置に位置させるとともに、第1の溶液排出バルブ駆動手段305aに閉鎖信号を出力して、第1の溶液排出バルブ293aを閉鎖させ、ハイブリダイゼーションを完了させる。
【0815】
洗浄操作が完了すると、ハイブリダイゼーション反応装置270のコントロールユニット300は、洗浄操作完了信号を、生化学解析システムのコントロールユニット45に出力する。
【0816】
ハイブリダイゼーション反応装置270のコントロールユニット300から、洗浄操作完了信号を受けると、生化学解析システムのコントロールユニット45は、表示パネル51に、洗浄操作が完了した旨のメッセージを表示する。
【0817】
以上のようにして、生化学解析用ユニット1の基板2に形成された多数の吸着性領域4に、標識物質である放射性標識物質の放射線データ、蛍光色素などの蛍光物質の蛍光データおよび化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせる標識物質の化学発光データが記録される。
【0818】
生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に記録された蛍光データは、前記実施態様と全く同様にして、第2のスキャナ装置38によって読み取られて、生化学解析用データが生成される。
【0819】
これに対して、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に記録された放射性標識物質の放射線データは、前記実施態様と全く同様にして、蓄積性蛍光体シート90の多数の輝尽性蛍光体層領域92に転写され、蓄積性蛍光体シート90の多数の輝尽性蛍光体層領域92に転写された放射線データは、前記実施態様と全く同様にして、第1のスキャナ装置37によって読み取られて、生化学解析用データが生成される。
【0820】
一方、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に記録された化学発光データは、前記実施態様と全く同様にして、データ読み取り装置39によって読み取られて、生化学解析用データが生成される。
【0821】
本実施態様によれば、ハイブリダイゼーションバッファとプローブ溶液の混合溶液が、切り換えバルブ296の上流側の溶液排出チューブ292、切り換えバルブ296の下流側の溶液注入チューブ290、第1の溶液供給流路290a、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284aa、284ba、284ca、284da、284ea、生化学解析用ユニット収容部材280の溶液循環用凹部280b、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284ab、284bb、284cb、284db、284ebおよび第1の溶液排出流路291aによって形成された溶液循環流路あるいは切り換えバルブ296の上流側の溶液排出チューブ292、切り換えバルブ296の下流側の溶液注入チューブ290、第2の溶液供給流路290b、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284fa、284ga、284ha、284ia、284ja、生化学解析用ユニット収容部材280の溶液循環用凹部280b、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284fb、284gb、284hb、284ib、284jbおよび第2の溶液排出流路291bによって形成された溶液循環流路を、強制的に循環され、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4を横切って、強制的に、循環されるから、ハイブリダイゼーションバッファとプローブ溶液の混合溶液に含まれている生体由来の物質を、単に、対流あるいは拡散によって移動させ、生化学解析用ユニット1の吸着性領域4に含まれている特異的結合物質とハイブリダイズさせる場合に比して、生化学解析用ユニット1の吸着性領域4内における生体由来の物質の移動速度を大幅に増大させることができ、したがって、ハイブリダイゼーション反応の反応速度を大幅に向上させることが可能になり、さらには、生体由来の物質が、吸着性領域4の深い部分に含まれている特異的結合物質と出会う確率を大幅に増大させることができ、したがって、所望のように、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に固定された特異的結合物質に、ハイブリダイゼーションバッファとプローブ溶液の混合溶液に含まれている生体由来の物質をハイブリダイズさせることが可能になる。
【0822】
さらに、本実施態様によれば、洗浄溶液が、切り換えバルブ296の上流側の溶液排出チューブ292、切り換えバルブ296の下流側の溶液注入チューブ290、第1の溶液供給流路290a、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284aa、284ba、284ca、284da、284ea、生化学解析用ユニット収容部材280の溶液循環用凹部280b、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284ab、284bb、284cb、284db、284ebおよび第1の溶液排出流路291aによって形成された溶液循環流路あるいは切り換えバルブ296の上流側の溶液排出チューブ292、切り換えバルブ296の下流側の溶液注入チューブ290、第2の溶液供給流路290b、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284fa、284ga、284ha、284ia、284ja、生化学解析用ユニット収容部材280の溶液循環用凹部280b、下方ハウジング部278の頂板に形成された貫通孔284fb、284gb、284hb、284ib、284jbおよび第2の溶液排出流路291bによって形成された溶液循環流路を、強制的に循環され、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4を横切って、強制的に、循環されるから、ハイブリダイゼーションの工程で、特異的結合物質にハイブリダイズされるべきでない生体由来の物質が、生化学解析用ユニット1の吸着性領域4に結合されていても、特異的結合物質にハイブリダイズされるべきではない生体由来の物質を、生化学解析用ユニット1の吸着性領域4から、効果的に剥離させて、除去することが可能になり、洗浄効率を大幅に向上させることができる。
【0823】
また、本実施態様によれば、前処理液、ハイブリダイゼーションバッファ、ハイブリダイゼーションバッファとプローブ溶液との混合溶液および洗浄溶液を、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている10枚の生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に供給する溶液供給流路ならびに生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている10枚の生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に供給された前処理液、ハイブリダイゼーションバッファ、ハイブリダイゼーションバッファとプローブ溶液との混合溶液および洗浄溶液を、排出する溶液排出流路が、すべて、ハイブリダイゼーション反応装置270のハウジング275内に設けられ、可動部材である生化学解析用ユニット収容部材280には、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされるべき10枚の生化学解析用ユニット1に対応する凹部280aが形成されているだけであるので、配管系を簡易化することができ、ハイブリダイゼーション反応装置270のコストを大幅に低減させることが可能になるとともに、ハイブリダイゼーション反応装置270の耐久性を大幅に向上させることが可能になる。
【0824】
本発明は、以上の実施態様に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【0825】
たとえば、図1ないし図28に示された実施態様においては、生化学解析用ユニット1の吸着性領域4に固定された特異的結合物質に、ジゴキシゲニンなどのハプテンによって標識された生体由来の物質をハイブリダイズさせ、さらに、化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせる酵素によって標識されたジゴキシゲニンなどのハプテンに対する抗体を、生体由来の物質を標識しているジゴキシゲニンなどのハプテンに、抗原抗体反応によって、結合させて、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に、化学発光データを選択的に記録するように構成されているが、化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせる標識物質によって標識された生体由来の物質を、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に固定されている特異的結合物質に、選択的に、ハイブリダイズさせて、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に、化学発光データを記録するようにしてもよい。
【0826】
さらに、図29ないし図37に示された実施態様においては、生化学解析用ユニット1の吸着性領域4に固定された特異的結合物質に、化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせる標識物質によって標識された生体由来の物質を、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に固定されている特異的結合物質に、選択的に、ハイブリダイズさせて、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に、化学発光データを記録するように構成されているが、生化学解析用ユニット1の吸着性領域4に固定された特異的結合物質に、ジゴキシゲニンなどのハプテンによって標識された生体由来の物質をハイブリダイズさせ、さらに、化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせる酵素によって標識されたジゴキシゲニンなどのハプテンに対する抗体を、生体由来の物質を標識しているジゴキシゲニンなどのハプテンに、抗原抗体反応によって、結合させて、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に、化学発光データを選択的に記録するようにしてもよい。
【0827】
また、前記実施態様においては、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に固定されているcDNAなどの特異的結合物質に、蛍光物質によって標識された生体由来の物質を、選択的に、ハイブリダイズさせて、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に、蛍光データを記録するように構成されているが、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に固定されているcDNAなどの特異的結合物質に、ジゴキシゲニンなどのハプテンによって標識された生体由来の物質を、選択的に、ハイブリダイズさせ、さらに、蛍光基質と接触させることによって、蛍光物質を生じさせる酵素により標識されたハプテンに対する抗体を、抗原抗体反応によって、生体由来の物質を標識しているハプテンに結合させることによって、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に、蛍光データを記録することもできる。
【0828】
さらに、前記実施態様においては、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4を、放射性標識物質、蛍光色素などの蛍光物質および化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせる標識物質によって、選択的に標識しているが、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4を、放射性標識物質、蛍光色素などの蛍光物質および化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせる標識物質によって、選択的に標識することは必ずしも必要でなく、放射性標識物質、蛍光色素などの蛍光物質および化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせる標識物質のうちの少なくとも1種の標識物質により、選択的に標識されればよい。
【0829】
また、前記実施態様においては、生化学解析用ユニットキャリア6は、10枚の生化学解析用ユニット1をセット可能に構成され、それに対応して、蓄積性蛍光体シートキャリア96にも、10枚の蓄積性蛍光体シート90が固定されているが、生化学解析用ユニットキャリア6が、10枚の生化学解析用ユニット1をセット可能に構成されていることも、蓄積性蛍光体シートキャリア96に、10枚の蓄積性蛍光体シート90が固定されていることも必ずしも必要でなく、生化学解析用ユニットキャリア6が、複数枚の生化学解析用ユニット1をセット可能に構成され、蓄積性蛍光体シートキャリア96が、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされるべき生化学解析用ユニット1と同じ枚数の蓄積性蛍光体シート90を保持可能に構成されていればよく、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされるべき生化学解析用ユニット1の枚数および蓄積性蛍光体シートキャリア96に保持されるべき蓄積性蛍光体シート90の枚数は、とくに限定されるものではない。
【0830】
さらに、前記実施態様においては、生化学解析用ユニットキャリア6は、合計10枚の生化学解析用ユニット1を、2列×5行のマトリックス状にセット可能に構成され、それに対応して、蓄積性蛍光体シートキャリア96にも、合計10枚の蓄積性蛍光体シート90が、2列×5行のマトリックス状に固定されているが、生化学解析用ユニットキャリア6が、合計10枚の生化学解析用ユニット1を、2列×5行のマトリックス状にセット可能に構成されていることも、蓄積性蛍光体シートキャリア96に、合計10枚の蓄積性蛍光体シート90が、2列×5行のマトリックス状に固定されていることも必ずしも必要でなく、たとえば、合計9枚の生化学解析用ユニット1を、3列に、生化学解析用ユニットキャリア6にセット、合計9枚の蓄積性蛍光体シート90を、3列に、蓄積性蛍光体シートキャリア96に固定するなど、任意の配置で、生化学解析用ユニット1がセット可能なように、生化学解析用ユニットキャリア6を構成するとともに、任意の配置で、蓄積性蛍光体シート90が固定されるように、蓄積性蛍光体シートキャリア96を構成することができる。
【0831】
また、前記実施態様においては、生化学解析用ユニット1の基板2に形成された2つの位置合わせ用貫通孔5、5に、生化学解析用ユニットキャリア6の生化学解析用ユニット1をセットすべき部分に形成された2つの位置合わせ用ピン8、8が挿通されるように、生化学解析用ユニット1を、生化学解析用ユニットキャリア6にセットすることによって、生化学解析用ユニット1が、生化学解析用ユニットキャリア6の所定に位置にセットされるように、位置合わせされているが、位置合わせの方法は任意であり、生化学解析用ユニット1の基板2に、2つの位置合わせ用貫通孔5、5を形成するとともに、生化学解析用ユニットキャリア6の生化学解析用ユニット1をセットすべき部分に、2つの位置合わせ用ピン8、8を立設することは必ずしも必要でない。
【0832】
さらに、前記実施態様においては、生化学解析用ユニット1の基板2に、各生化学解析用ユニット1に固有のバーコード5aが印刷されるとともに、蓄積性蛍光体シート90の支持体91に、各蓄積性蛍光体シート90に固有のバーコード95が印刷され、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている生化学解析用ユニット1の基板2に印刷されたバーコード5aが、ハイブリダイゼーション反応装置35のバーコードリーダー89a、89b、89c、89d、89e、89f、89g、89h、89i、89jあるいはハイブリダイゼーション反応装置270のバーコードリーダー309a、309b、309c、309d、309e、309f、309g、309h、309i、309jによって読み取られて、バーコードデータが生成されるとともに、蓄積性蛍光体シートキャリア96に固定されている蓄積性蛍光体シート90の支持体91に印刷されたバーコード95が、露光装置36のバーコードリーダー129a、129b、129c、129d、129e、129f、129g、129h、129i、129jによって読み取られて、バーコードデータが生成され、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている生化学解析用ユニット1のバーコードデータと、蓄積性蛍光体シートキャリア96に固定されている蓄積性蛍光体シート90のバーコードデータが比較されて、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている生化学解析用ユニット1のバーコードデータと、蓄積性蛍光体シートキャリア96に固定されている蓄積性蛍光体シート90のバーコードデータが合致した場合にかぎって、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている生化学解析用ユニット1の吸着性領域4に選択的に含まれている放射性標識物質によって、蓄積性蛍光体シートシートキャリア96に固定されている蓄積性蛍光体シート90の輝尽性蛍光体層領域92に含まれている輝尽性蛍光体が露光されるように構成されているが、生化学解析用ユニット1の基板2に、各生化学解析用ユニット1に固有のバーコード5aを印刷するとともに、蓄積性蛍光体シート90の支持体91に、各蓄積性蛍光体シート90に固有のバーコード95を印刷して、生化学解析用ユニット1と蓄積性蛍光体シート90との対応関係を検出することは必ずしも必要でなく、バーコード5a、95に代えて、磁気記録層を、生化学解析用ユニット1の基板2および蓄積性蛍光体シート90の支持体91に形成し、生化学解析用ユニット1の基板2に形成された磁気記録層に、各生化学解析用ユニット1に固有のIDデータを記録するとともに、蓄積性蛍光体シート90の支持体91に形成された磁気記録層に、各蓄積性蛍光体シート90に固有のIDデータを記録し、磁気データを読み取って、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている生化学解析用ユニット1のIDデータと、蓄積性蛍光体シートキャリア96に固定されている蓄積性蛍光体シート90のIDデータを比較し、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている生化学解析用ユニット1のIDデータと、蓄積性蛍光体シートキャリア96に固定されている蓄積性蛍光体シート90のIDデータが合致した場合にかぎって、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている生化学解析用ユニット1の吸着性領域4に選択的に含まれている放射性標識物質によって、蓄積性蛍光体シートシートキャリア96に固定されている蓄積性蛍光体シート90の輝尽性蛍光体層領域92に含まれている輝尽性蛍光体を露光するように、構成することもできる。
【0833】
さらに、前記実施態様においては、ハイブリダイゼーション反応装置35、270は、4つの溶液ボトル57a、57b、57c、57d、277a、277b、277c、277dを備えているが、溶液ボトルの数は、必要に応じて、任意に決定することができ、ハイブリダイゼーション反応装置35、270に、5以上の溶液ボトルを設けても、3以下の溶液ボトルを設けてもよい。
【0834】
また、図1ないし図28に示された実施態様においては、前処理液、ハイブリダイゼーションバッファ、ハイブリダイゼーションバッファとプローブ溶液との混合溶液および洗浄溶液が、生化学解析用ユニット収容部材60に形成された貫通孔69a、69b、69c、69d、69e、69f、69g、69h、69i、69jから、下方ハウジング部58の頂板に形成された貫通孔64a、64b、64c、64d、64e、64f、64g、64h、64i、64jに向けて、強制的に流動され、前処理液、ハイブリダイゼーションバッファ、ハイブリダイゼーションバッファとプローブ溶液との混合溶液および洗浄溶液が、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている生化学解析用ユニット1の吸着性領域4を横切って、強制的に流動されているが、生化学解析用ユニットキャリア6に、貫通孔7を形成し、下方ハウジング部58の頂板に、貫通孔64a、64b、64c、64d、64e、64f、64g、64h、64i、64jを形成することなく、生化学解析用ユニット収容部材60に形成された貫通孔69a、69b、69c、69d、69e、69f、69g、69h、69i、69j内に、それぞれ、仕切り部材を設けて、2つに仕切り、一方から、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている生化学解析用ユニット1に向けて、前処理液、ハイブリダイゼーションバッファ、ハイブリダイゼーションバッファとプローブ溶液との混合溶液あるいは洗浄溶液を供給し、他方から、生化学解析用ユニット1の表面に接触した前処理液、ハイブリダイゼーションバッファ、ハイブリダイゼーションバッファとプローブ溶液との混合溶液あるいは洗浄溶液を排出するように、構成することもできる。
【0835】
さらに、前記実施態様においては、それぞれ、第1の溶液回収タンク72a、294aおよび第2の溶液回収タンク72b、294bを設け、放射性標識物質濃度の高い溶液を、第1の溶液回収タンク72a、294a内に回収し、放射性標識物質濃度の低い溶液を、第2の溶液回収タンク72b、294b内に回収するように構成されているが、3以上の溶液回収タンクを設けて、放射性標識物質の濃度に応じて、溶液を回収するように構成することもでき、また、単一の溶液回収タンク内に、溶液を回収するようにしてもよい。
【0836】
また、前記実施態様においては、溶液を収容する溶液ボトル57a、57b、57c、57d、277a、277b、277c、277dが、ハイブリダイゼーション反応装置35、270の上方ハウジング部56、276の上面に、着脱可能に取り付けられており、また、第1の溶液回収タンク72a、294aおよび第2の溶液回収タンク72b、294bが、ハイブリダイゼーション反応装置35、270の下方ハウジング部58、278の前方に配置されているが、溶液ボトル57a、57b、57c、57d、277a、277b、277c、277d、第1の溶液回収タンク72a、294aおよび第2の溶液回収タンク72b、294bは、任意の位置に、任意の方法で設けることができる。
【0837】
さらに、前記実施態様においては、10枚の蓄積性蛍光体シート90を、磁石を用いて、蓄積性蛍光体シートキャリア96の表面に固定するように構成されているが、10枚の蓄積性蛍光体シート90を、磁石を用いて、蓄積性蛍光体シートキャリア96の表面に固定することは必ずしも必要でなく、10枚の蓄積性蛍光体シート90を蓄積性蛍光体シートキャリア96の表面に固定する方法は、任意に選択することができる。
【0838】
また、前記実施態様においては、露光装置36は、生化学解析用ユニットキャリア6と、蓄積性蛍光体シートキャリア96のキャリア集積体あるいは生化学解析用ユニットキャリア6を、搬送ベルト102から、スタッカ103内に案内するシュート105を備えているが、シュート105を設けることは必ずしも必要でなく、生化学解析用ユニットキャリア6と、蓄積性蛍光体シートキャリア96のキャリア集積体あるいは生化学解析用ユニットキャリア6を、搬送ベルト102から、直接、スタッカ103内に案内するようにしてもよい。
【0839】
さらに、前記実施態様においては、露光装置36のスタッカ103は、上下動可能な昇降板106を備え、生化学解析用ユニットキャリア6と、蓄積性蛍光体シートキャリア96のキャリア集積体あるいは生化学解析用ユニットキャリア6が、昇降板106の上面によって支持されており、キャリア剥離部104に、生化学解析用ユニットキャリア6と、蓄積性蛍光体シートキャリア96のキャリア集積体あるいは生化学解析用ユニットキャリア6を排出するときは、昇降板106を、排出すべき生化学解析用ユニットキャリア6と、蓄積性蛍光体シートキャリア96のキャリア集積体あるいは生化学解析用ユニットキャリア6が、キャリア取り出し用開口部107に対向するように、昇降させ、キャリア排出部材108によって、生化学解析用ユニットキャリア6と、蓄積性蛍光体シートキャリア96のキャリア集積体あるいは生化学解析用ユニットキャリア6を、キャリア取り出し用開口部107を介して、キャリア剥離部104に排出するように構成されているが、スタッカ103の最下部に、キャリア取り出し用開口部107を形成し、最下のキャリア集積体あるいは生化学解析用ユニット1を、キャリア排出部材108によって、キャリア取り出し用開口部107を介して、キャリア剥離部104に排出するように構成して、昇降板106を省略することもできる。
【0840】
また、前記実施態様においては、第1のスキャナ装置37は、蓄積性蛍光体シートキャリア96に固定されている10枚の蓄積性蛍光体シート90に対応して、10台のスキャナ130a、130b、130c、130d、130e、130f、130g、130h、130i、130jを備え、各スキャナ130a、130b、130c、130d、130e、130f、130g、130h、130i、130jによって、1枚の蓄積性蛍光体シート90の輝尽性蛍光体層領域92に記録された放射線データを読み取るように、構成されているが、第1のスキャナ装置37が、10台のスキャナ130a、130b、130c、130d、130e、130f、130g、130h、130i、130jを備えていることは必ずしも必要でなく、5台のスキャナを、基板131上に、1列に配置し、各スキャナによって、2枚の蓄積性蛍光体シート90の輝尽性蛍光体層領域92に記録された放射線データを読み取るように、構成することもできるし、また、2台のスキャナを、基板131上に、1列に配置し、各スキャナによって、5枚の蓄積性蛍光体シート90の輝尽性蛍光体層領域92に記録された放射線データを読み取るように、構成することもでき、第1のスキャナ装置37の基板131上に設けられるスキャナの数は任意に決定することができる。
【0841】
さらに、前記実施態様においては、主走査ステッピングモータ171および副走査パルスモータ172によって、10台のスキャナ130a、130b、130c、130d、130e、130f、130g、130h、130i、130jが固定された基板131を、主走査方向および副走査方向に、間欠的に移動させて、レーザ光140によって、蓄積性蛍光体シートキャリア96に固定されている10枚の蓄積性蛍光体シート90のすべての輝尽性蛍光体層領域92を走査するように構成されているが、10台のスキャナ130a、130b、130c、130d、130e、130f、130g、130h、130i、130jが固定された基板131を静止状態に保持し、蓄積性蛍光体シートキャリア96がセットされたサンプルステージ133を、主走査方向および副走査方向に、間欠的に移動させて、レーザ光140によって、蓄積性蛍光体シートキャリア96に固定されている10枚の蓄積性蛍光体シート90のすべての輝尽性蛍光体層領域92を走査するように構成することもできる。
【0842】
さらに、前記実施態様においては、第1のスキャナ装置37のサンプルステージ133には、10台のスキャナ130a、130b、130c、130d、130e、130f、130g、130h、130i、130jに対応して、10個の開口部132a、132b、132c、132d、132e、132f、132g、132h、132i、132jが形成されているが、第1のスキャナ装置37のサンプルステージ133は、10台のスキャナ130a、130b、130c、130d、130e、130f、130g、130h、130i、130jに対応して、10個の開口部132a、132b、132c、132d、132e、132f、132g、132h、132i、132jを形成することは必ずしも必要でなく、蓄積性蛍光体シートキャリア96に固定された10枚の蓄積性蛍光体シート90を、スキャナ130a、130b、130c、130d、130e、130f、130g、130h、130i、130jのレーザ励起光源141から発せられたレーザ光140によって、直接、走査可能に構成されていれば、サンプルステージ133に、単一の開口部が設けられていても、あるいは、蓄積性蛍光体シートキャリア96に固定された10枚の蓄積性蛍光体シート90の各列ごともしくは各行ごとに、1つないし複数の開口部が設けられていてもよく、サンプルステージ133に形成される開口部の数はとくに限定されるものではない。
【0843】
また、前記実施態様においては、第2のスキャナ装置38は、蓄積性蛍光体シートキャリア96に固定されている10枚の蓄積性蛍光体シート90に対応して、10台のスキャナ180a、180b、180c、180d、180e、180f、180g、180h、180i、180jを備え、各スキャナ180a、180b、180c、180d、180e、180f、180g、180h、180i、180jによって、1枚の生化学解析用ユニット1の吸着性領域4に記録された蛍光データを読み取って、生化学解析用データを生成するように、構成されているが、第2のスキャナ装置38が、10台のスキャナ180a、180b、180c、180d、180e、180f、180g、180h、180i、180jを備えていることは必ずしも必要でなく、5台のスキャナを、基板181上に、1列に配置し、各スキャナによって、2枚の生化学解析用ユニット1の吸着性領域4に記録された蛍光データを読み取って、生化学解析用データを生成するように、構成することもできるし、また、2台のスキャナを、基板181上に、1列に配置し、各スキャナによって、5枚の生化学解析用ユニット1の吸着性領域4に記録された蛍光データを読み取って、生化学解析用データを生成するように構成することもでき、第2のスキャナ装置38の基板181上に設けられるスキャナの数は任意に決定することができる。
【0844】
さらに、前記実施態様においては、主走査ステッピングモータ221および副走査パルスモータ222によって、生化学解析用ユニットキャリア6がセットされたサンプルステージ183を、主走査方向および副走査方向に、間欠的に移動させて、レーザ光190によって、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている10枚の生化学解析用ユニット1のすべての吸着性領域4を走査するように構成されているが、生化学解析用ユニットキャリア6がセットされたサンプルステージ183を静止状態に保持し、10台のスキャナ180a、180b、180c、180d、180e、180f、180g、180h、180i、180jが固定された基板181を、主走査方向および副走査方向に、間欠的に移動させて、レーザ光190によって、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている10枚の生化学解析用ユニット1のすべての吸着性領域4を走査するように構成することもできる。
【0845】
また、前記実施態様においては、第2のスキャナ装置38の各スキャナ180a、180b、180c、180d、180e、180f、180g、180h、180i、180jは、532nmの波長のレーザ光190を発するレーザ励起光源191を備えているが、532nmの波長のレーザ光190を発するレーザ励起光源191に加えて、あるいは、532nmの波長のレーザ光190を発するレーザ励起光源191に代えて、640nmの波長のレーザ光を発するレーザ励起光源および/または473nmの波長のレーザ光を発するレーザ励起光源を設け、532nmの波長のレーザ光190によって、最も効率的に励起されて、蛍光を発する蛍光物質の蛍光データに加えて、あるいは、532nmの波長のレーザ光190によって、最も効率的に励起されて、蛍光を発する蛍光物質の蛍光データに代えて、640nmの波長のレーザ光によって、最も効率的に励起されて、蛍光を発する蛍光物質の蛍光データおよび/または473nmの波長のレーザ光によって、最も効率的に励起されて、蛍光を発する蛍光物質の蛍光データを読み取って、生化学解析用データを生成可能に構成することもできる。
【0846】
さらに、前記実施態様においては、生化学解析システムは、第1のスキャナ装置37と、第2のスキャナ装置38を備え、第1のスキャナ装置37によって、蓄積性蛍光体シートキャリア96にセットされている10枚の蓄積性蛍光体シート90の多数の輝尽性蛍光体層領域92に記録されている放射線データを読み取って、生化学解析用データを生成し、第2のスキャナ装置38によって、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている10枚の生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に記録されている蛍光データを読み取って、生化学解析用データを生成するように構成されているが、第2のスキャナ装置38の各スキャナ180a、180b、180c、180d、180e、180f、180g、180h、180i、180jに、532nmの波長のレーザ光190を発するレーザ励起光源191に加えて、あるいは、532nmの波長のレーザ光190を発するレーザ励起光源191に代えて、640nmの波長のレーザ光を発するレーザ励起光源を設けるとともに、蓄積性蛍光体シートキャリア96を反転させる機構を設け、第2のスキャナ装置38のサンプルステージ183上に、生化学解析用ユニットキャリア6をセットして、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている10枚の生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に記録されている蛍光データを読み取って、生化学解析用データを生成するとともに、第2のスキャナ装置38のサンプルステージ183上に、蓄積性蛍光体シートキャリア96を反転させて、セットし、蓄積性蛍光体シートキャリア96に固定されている10枚の蓄積性蛍光体シート90の多数の輝尽性蛍光体層領域92に記録されている放射線データを読み取って、生化学解析用データを生成するように構成して、第1のスキャナ装置37を省略することもできる。
【0847】
また、前記実施態様においては、生化学解析システムは、データ読み取り装置39を備え、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされた10枚の生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に記録された化学発光データを、データ読み取り装置39の冷却CCDカメラ231a、231b、231c、231d、231e、231f、231g、231h、231i、231jによって、同時に読み取って、生化学解析用データを生成しているが、ハイブリダイゼーション反応装置35、270によって、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされた10枚の生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に、化学発光データを記録した後に、ハイブリダイゼーション反応装置35、270の第1の溶液ボトル57a、277a、第2の溶液ボトル57b、277b、第3の溶液ボトル57c、277cあるいは第4の溶液ボトル57dに、化学発光基質を含む溶液を収容し、ハイブリダイゼーション反応装置35、270を用いて、化学発光基質を含む溶液を、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされた10枚の生化学解析用ユニット1の吸着性領域4に供給し、露光装置36によって、吸着性領域4から化学発光が放出されている10枚の生化学解析用ユニット1がセットされた生化学解析用ユニットキャリア6に、輝尽性蛍光体層領域92が形成されている10枚の蓄積性蛍光体シート90が固定された蓄積性蛍光体シートキャリア96を重ね合わせて、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされた10枚の生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4から放出される化学発光によって、蓄積性蛍光体シートキャリア96に固定された10枚の蓄積性蛍光体シート90の多数の輝尽性蛍光体層領域92を露光し、化学発光の光エネルギーを蓄積させて、蓄積性蛍光体シートキャリア96に固定された10枚の蓄積性蛍光体シート90の多数の輝尽性蛍光体層領域92に、化学発光データを記録し、第1のスキャナ装置37を用いて、蓄積性蛍光体シートキャリア96に固定された10枚の蓄積性蛍光体シート90の多数の輝尽性蛍光体層領域92に記録された化学発光データを同時に読み取って、生化学解析用データを生成することもできる。
【0848】
さらに、前記実施態様においては、データ読み取り装置39は、化学発光基質を含む溶液を収容した化学発光基質補給タンク253を備え、化学発光基質を含む溶液を、暗箱232内の化学発光基質を含む溶液250を収容した容器251内に供給するように構成されているが、データ読み取り装置39が、化学発光基質を含む溶液を収容した化学発光基質補給タンク253を備え、化学発光基質を含む溶液を、暗箱232内の化学発光基質を含む溶液250を収容した容器251内に供給するように構成されていることは必ずしも必要でない。
【0849】
また、前記実施態様においては、生化学解析用ユニットキャリア6に、2つの位置合わせ用貫通孔6a、6aを形成するとともに、蓄積性蛍光体シートキャリア96に、2つの位置合わせ用ピン96a、96aを立設し、蓄積性蛍光体シートキャリア96に立設された2つの位置合わせ用ピン96a、96aが、生化学解析用ユニットキャリア6に形成された2つの位置合わせ用貫通孔6a、6aに挿通されるように、蓄積性蛍光体シートキャリア96を、生化学解析用ユニットキャリア6に重ね合わせて、生化学解析用ユニットキャリア6にセットされている10枚の生化学解析用ユニット1が、蓄積性蛍光体シートキャリア96に固定されている対応する蓄積性蛍光体シート90に密着するように、位置合わせされているが、位置合わせの方法は任意であり、生化学解析用ユニットキャリア6に、2つの位置合わせ用貫通孔6a、6aを形成するとともに、蓄積性蛍光体シートキャリア96に、2つの位置合わせ用ピン96a、96aを立設することは必ずしも必要でない。
【0850】
さらに、前記実施態様においては、蓄積性蛍光体シートキャリア96に、2つの位置合わせ用ピン96a、96aを立設するとともに、第1のスキャナ装置37のサンプルステージ133に、2つの位置合わせ用貫通孔133a、133aを形成し、サンプルステージ133に形成された2つの位置合わせ用貫通孔133a、133aに、蓄積性蛍光体シートキャリア96に立設された位置合わせ用ピン96a、96aが挿通されるように、蓄積性蛍光体シートキャリア96を、サンプルステージ133上にセットすることによって、蓄積性蛍光体シートキャリア96とサンプルステージ133の相対的位置関係が、つねに一定になるように、蓄積性蛍光体シートキャリア96が位置合わせされているが、蓄積性蛍光体シートキャリア96に、2つの位置合わせ用ピン96a、96aを立設するとともに、第1のスキャナ装置37のサンプルステージ133に、2つの位置合わせ用貫通孔133a、133aを形成して、位置合わせをすることは必ずしも必要でなく、サンプルステージ133に、少なくとも2つの位置合わせ用ノッチを設け、蓄積性蛍光体シートキャリア96が、少なくとも2つの位置合わせ用ノッチに整列するように、蓄積性蛍光体シートキャリア96をサンプルステージ133上にセットするなど、他の方法によって、蓄積性蛍光体シートキャリア96の位置合わせをすることもできる。
【0851】
また、前記実施態様においては、生化学解析用ユニットキャリア6に、2つの位置合わせ用貫通孔6a、6aを形成するとともに、第2のスキャナ装置38のサンプルステージ183に、2つの位置合わせ用ピン183a、183aを立設し、生化学解析用ユニットキャリア6に形成された2つの位置合わせ用貫通孔6a、6aに、第2のスキャナ装置38のサンプルステージ183に立設された2つの位置合わせ用ピン183a、183aが挿通されるように、生化学解析用ユニットキャリア6を、サンプルステージ183上にセットすることによって、生化学解析用ユニットキャリア6とサンプルステージ183の相対的位置関係が、つねに一定になるように、生化学解析用ユニットキャリア6が位置合わせされているが、生化学解析用ユニットキャリア6に、2つの位置合わせ用貫通孔6a、6aを形成するとともに、第2のスキャナ装置38のサンプルステージ183に、2つの位置合わせ用ピン183a、183aを立設して、位置合わせをすることは必ずしも必要でなく、サンプルステージ183に、少なくとも2つの位置合わせ用ノッチを設け、生化学解析用ユニットキャリア6が、少なくとも2つの位置合わせ用ノッチに整列するように、生化学解析用ユニットキャリア6をサンプルステージ183上にセットするなど、他の方法によって、生化学解析用ユニットキャリア6の位置合わせをすることもできる。
【0852】
さらに、前記実施態様においては、生化学解析用ユニットキャリア6に、2つの位置合わせ用貫通孔6a、6aを形成するとともに、データ読み取り装置39の支持部材252に、2つの位置合わせ用ピン252a、252aを立設し、生化学解析用ユニットキャリア6に形成された2つの位置合わせ用貫通孔6a、6aに、データ読み取り装置39の支持部材252に立設された2つの位置合わせ用ピン252a、252aが挿通されるように、生化学解析用ユニットキャリア6を、データ読み取り装置39の支持部材252上にセットすることによって、生化学解析用ユニットキャリア6と支持部材252の相対的位置関係が、つねに一定になるように、生化学解析用ユニットキャリア6が位置合わせされているが、生化学解析用ユニットキャリア6に、2つの位置合わせ用貫通孔6a、6aを形成するとともに、データ読み取り装置39の支持部材252に、2つの位置合わせ用ピン252a、252aを立設して、位置合わせをすることは必ずしも必要でなく、支持部材252に、少なくとも2つの位置合わせ用ノッチを設け、生化学解析用ユニットキャリア6が、少なくとも2つの位置合わせ用ノッチに整列するように、生化学解析用ユニットキャリア6を支持部材252上にセットするなど、他の方法によって、生化学解析用ユニットキャリア6の位置合わせをすることもできる。
【0853】
また、前記実施態様においては、19200の約0.07平方ミリメートルのサイズを有する略円形の吸着性領域4が、約5000個/平方センチメートルの密度で、規則的なパターンにしたがって、マトリックス状に、生化学解析用ユニット1に形成されているが、吸着性領域4を略円形に形成することは必ずしも必要でなく、吸着性領域4を、任意の形状、たとえば、矩形状に形成することもできる。
【0854】
さらに、前記実施態様においては、19200の約0.07平方ミリメートルのサイズを有する略円形の吸着性領域4が、約5000個/平方センチメートルの密度で、規則的なパターンにしたがって、マトリックス状に、生化学解析用ユニット1に形成されているが、吸着性領域4の数およびサイズは、目的に応じて、任意に選択をすることができ、好ましくは、10以上の5平方ミリメートル未満のサイズを有する吸着性領域4が、10個/平方センチメートル以上の密度で、生化学解析用ユニット1に形成される。
【0855】
また、前記実施態様においては、19200の約0.07平方ミリメートルのサイズを有する略円形の吸着性領域4が、約5000個/平方センチメートルの密度で、規則的なパターンにしたがって、マトリックス状に、生化学解析用ユニット1に形成されているが、生化学解析用ユニット1の吸着性領域4を、規則的なパターンにしたがって、生化学解析用ユニット1に形成することは必ずしも必要でない。
【0856】
さらに、前記実施態様においては、生化学解析用ユニット1は、ステンレス鋼製の基板2に形成された多数の貫通孔3の内部に、ナイロン6が充填されて、形成された多数の吸着性領域4を備えているが、生化学解析用ユニット1の吸着性領域4が、ナイロン6によって形成されていることは必ずしも必要でなく、ナイロン6以外のメンブレンフィルタが形成可能な多孔質材料、たとえば、ナイロン6,6、ナイロン4,10などのナイロン類;ニトロセルロース、酢酸セルロース、酪酸酢酸セルロースなどのセルロース誘導体;コラーゲン;アルギン酸、アルギン酸カルシウム、アルギン酸/ポリリシンポリイオンコンプレックスなどのアルギン酸類;ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン類;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオライドなどのポリフルオライドや、これらの共重合体または複合体、あるいは、活性炭などの多孔質炭素材料によって、生化学解析用ユニット1の吸着性領域4を形成することもでき、さらには、白金、金、鉄、銀、ニッケル、アルミニウムなどの金属;アルミナ、シリカ、チタニア、ゼオライトなどの金属酸化物;ヒドロキシアパタイト、硫酸カルシウムなどの金属塩やこれらの複合体などの無機多孔質材料あるいは複数の繊維の束によって、生化学解析用ユニット1の吸着性領域4を形成するようにしてもよい。
【0857】
また、前記実施態様においては、生化学解析用ユニット1は、ステンレス鋼製の基板2を備えているが、生化学解析用ユニット1の基板2を、ステンレス鋼によって形成することは必ずしも必要でなく、他の材料によって、基板2を形成することもできる。生化学解析用ユニット1の基板2は、放射線および/または光を減衰させる性質を有する材料によって形成されることが好ましいが、その材料はとくに限定されるものではなく、無機化合物材料、有機化合物材料のいずれによって、生化学解析用ユニット1の基板2を形成することもでき、金属材料、セラミック材料またはプラスチック材料が、とくに好ましく使用される。生化学解析用ユニット1の基板2を形成するために好ましく使用することができる無機化合物材料としては、たとえば、金、銀、銅、亜鉛、アルミニウム、チタン、タンタル、クロム、鉄、ニッケル、コバルト、鉛、錫、セレンなどの金属;真鍮、ステンレス、青銅などの合金;シリコン、アモルファスシリコン、ガラス、石英、炭化ケイ素、窒化ケイ素などの珪素材料;酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウムなどの金属酸化物;タングステンカーバイト、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、砒化ガリウムなどの無機塩を挙げることができる。これらは、単結晶、アモルファス、セラミックのような多結晶焼結体にいずれの構造を有していてもよい。また、生化学解析用ユニット1の基板2を形成するために好ましく使用することができる有機化合物材料としては、高分子化合物が好ましく用いられ、好ましい高分子化合物としては、たとえば、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン;ポリメチルメタクリレート、ブチルアクリレート/メチルメタクリレート共重合体などのアクリル樹脂;ポリアクリロニトリル;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポリフッ化ビニリデン;ポリテトラフルオロエチレン;ポリクロロトリフルオロエチレン;ポリカーボネート;ポリエチレンナフタレートやポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル;ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン4,10などのナイロン;ポリイミド;ポリスルホン;ポリフェニレンサルファイド;ポリジフェニルシロキサンなどのケイ素樹脂;ノボラックなどのフェノール樹脂;エポキシ樹脂;ポリウレタン;ポリスチレン;ブタジエン−スチレン共重合体;セルロース、酢酸セルロース、ニトロセルロース、でん粉、アルギン酸カルシウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの多糖類;キチン;キトサン;ウルシ;ゼラチン、コラーゲン、ケラチンなどのポリアミドおよびこれら高分子化合物の共重合体などを挙げることができる。これらは、複合材料でもよく、必要に応じて、金属酸化物粒子やガラス繊維などを充填することもでき、また、有機化合物材料をブレンドして、使用することもできる。
【0858】
さらに、前記実施態様においては、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4は、ステンレス鋼製の基板2に形成された多数の貫通孔3の内部に、ナイロン6が埋め込まれて、形成されているが、貫通孔3に代えて、多数の凹部を、互いに離間させて、ステンレス鋼製の基板2に形成し、多数の凹部の内部に、ナイロン6を充填して、吸着性領域4を形成することもできる。
【0859】
また、前記実施態様においては、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4は、ステンレス鋼製の基板2に形成された多数の貫通孔3の内部に、ナイロン6が充填されて、形成されているが、ステンレス鋼製の基板2に形成された多数の貫通孔3に、ナイロン6などの吸着性材料によって形成された吸着性膜を圧入して、吸着性領域4を形成することもでき、ステンレス鋼製の基板2に形成された多数の凹部の内部に、ナイロン6を圧入して、吸着性領域4を形成することもできる。
【0860】
さらに、前記実施態様においては、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4は、ステンレス鋼製の基板2に形成された多数の貫通孔3の内部に、ナイロン6が充填されて、形成されているが、吸着性材料によって形成された吸着性基板の少なくとも一方の表面に、多数の貫通孔が形成された基板を密着させ、基板の多数の貫通孔内の吸着性基板に、特異的結合物質を含む溶液を滴下して、吸着性領域を形成するようにしてもよい。
【0861】
さらに、前記実施態様においては、蓄積性蛍光体シート90の輝尽性蛍光体層領域92は、ニッケル製の支持体91に形成された多数の略円形の貫通孔93内に、輝尽性蛍光体が埋め込まれて、形成されているが、ニッケル製の支持体91を用いることは必ずしも必要でなく、他の材料で形成された支持体を用いることもできる。本発明において、蓄積性蛍光体シート90の支持体91は、放射線を減衰させる性質を有する材料によって形成されていることが好ましいが、とくに限定されるものではなく、無機化合物材料、有機化合物材料のいずれをも使用することができ、金属材料、セラミック材料またはプラスチック材料が、とくに好ましく使用される。蓄積性蛍光体シート90の支持体91を形成するために好ましく使用することのできる無機化合物材料としては、たとえば、金、銀、銅、亜鉛、アルミニウム、チタン、タンタル、クロム、鉄、ニッケル、コバルト、鉛、錫、セレンなどの金属;真鍮、ステンレス、青銅などの合金;シリコン、アモルファスシリコン、ガラス、石英、炭化ケイ素、窒化ケイ素などの珪素材料;酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウムなどの金属酸化物;タングステンカーバイト、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、砒化ガリウムなどの無機塩を挙げることができる。これらは、単結晶、アモルファス、セラミックのような多結晶焼結体にいずれの構造を有していてもよい。また、蓄積性蛍光体シート90の支持体91を形成するために好ましく使用することのできる有機化合物材料としては、高分子化合物が好ましく用いられ、好ましい高分子化合物としては、たとえば、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン;ポリメチルメタクリレート、ブチルアクリレート/メチルメタクリレート共重合体などのアクリル樹脂;ポリアクリロニトリル;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポリフッ化ビニリデン;ポリテトラフルオロエチレン;ポリクロロトリフルオロエチレン;ポリカーボネート;ポリエチレンナフタレートやポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル;ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン4,10などのナイロン;ポリイミド;ポリスルホン;ポリフェニレンサルファイド;ポリジフェニルシロキサンなどのケイ素樹脂;ノボラックなどのフェノール樹脂;エポキシ樹脂;ポリウレタン;ポリスチレン;ブタジエン−スチレン共重合体;セルロース、酢酸セルロース、ニトロセルロース、でん粉、アルギン酸カルシウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの多糖類;キチン;キトサン;ウルシ;ゼラチン、コラーゲン、ケラチンなどのポリアミドおよびこれら高分子化合物の共重合体などを挙げることができる。これらは、複合材料でもよく、必要に応じて、金属酸化物粒子やガラス繊維などを充填することもでき、また、有機化合物材料をブレンドして、使用することもできる。
【0862】
また、前記実施態様においては、蓄積性蛍光体シート90の輝尽性蛍光体層領域92は、ニッケル製の支持体91に形成された多数の略円形の貫通孔93内に、輝尽性蛍光体が埋め込まれて、形成されているが、ニッケル製の支持体91に形成された多数の略円形の貫通孔93内に、輝尽性蛍光体を含む輝尽性蛍光体膜を圧入して、蓄積性蛍光体シート90に、多数の輝尽性蛍光体層領域92を形成することもできる。
【0863】
さらに、前記実施態様においては、蓄積性蛍光体シート90の輝尽性蛍光体層領域92は、ニッケル製の支持体91に形成された多数の略円形の貫通孔93内に、輝尽性蛍光体が埋め込まれて、形成されているが、貫通孔93に代えて、支持体91に、多数の凹部を形成して、多数の凹部内に、輝尽性蛍光体を埋め込んで、蓄積性蛍光体シート90に、多数の輝尽性蛍光体層領域92を形成することもできる。
【0864】
また、前記実施態様においては、蓄積性蛍光体シート90の輝尽性蛍光体層領域92は、ニッケル製の支持体91に形成された多数の略円形の貫通孔93内に、輝尽性蛍光体が埋め込まれて、形成されているが、支持体の表面に、一様に、輝尽性蛍光体層を形成し、生化学解析用ユニット1の多数の吸着性領域4に選択的に含まれた放射性標識物質によって、蓄積性蛍光体シート90の輝尽性蛍光体層に含まれた輝尽性蛍光体を露光して、放射線データを記録することもできる。
【0865】
【発明の効果】
本発明によれば、きわめて効率的に、かつ、再現性よく、生化学解析用ユニットに、放射線データや、蛍光データあるいは化学発光データを記録し、生化学解析用ユニットに記録された放射線データを、蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層に転写し、生化学解析用ユニットに記録された蛍光データあるいは化学発光データを読み取って、生化学解析用データを生成し、蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層に記録された放射線データを読み取って、生化学解析用データを生成することができる生化学解析システムを提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の好ましい実施態様にかかる生化学解析システムに用いられる生化学解析用ユニットの略斜視図である。
【図2】図2は、生化学解析用ユニットをセットする生化学解析用ユニットキャリアの略斜視図である。
【図3】図3は、10枚の生化学解析用ユニットがセットされた生化学解析用ユニットキャリアの略斜視図である。
【図4】図4は、スポッティング装置の略平面図である。
【図5】図5は、スポッティング装置の制御系、入力系、駆動系および検出系を示すブロックダイアグラムである。
【図6】図6は、本発明の好ましい実施態様にかかる生化学解析システムの略平面図である。
【図7】図7は、生化学解析システムの制御系および表示系を示すブロックダイアグラムである。
【図8】図8は、本発明の好ましい実施態様にかかる生化学解析システムを構成するハイブリダイゼーション反応装置の略斜視図である。
【図9】図9は、下方ハウジング部の頂板に形成された貫通孔の近傍の詳細を示す略斜視図である。
【図10】図10は、生化学解析用ユニット収容部材の略斜視図である。
【図11】図11は、生化学解析用ユニット収容部材の係止部材aが、下方ハウジング部の頂板に形成された係止部に係合した状態における生化学解析用ユニット収容部材と、下方ハウジング部の頂板内に形成された溶液の流路を示す一部切り欠き略断面図である。
【図12】図12は、第1の溶液注入チューブ、第2の溶液注入チューブ、第3の溶液注入チューブおよび第4の溶液注入チューブ、溶液排出チューブ、分岐チューブ、第1の溶液排出チューブおよび第2の溶液排出チューブ、第1のバルブ、第2のバルブ、第3のバルブおよび第4のバルブならびに第1の切り換えバルブ、第2の切り換えバルブ、第3の切り換えバルブおよび第4の切り換えバルブの接続関係を示す配管図である。
【図13】図13は、図8ないし図12に示されたハイブリダイゼーション反応装置の制御系、入力系、駆動系および表示系のブロックダイアグラムである。
【図14】図14は、本発明の好ましい実施態様にかかる生化学解析システムに用いられる蓄積性蛍光体シートの略斜視図である。
【図15】図15は、10枚の蓄積性蛍光体シート90が固定された蓄積性蛍光体シートキャリアの略斜視図である。
【図16】図16は、生化学解析用ユニットの多数の吸着性領域に選択的に含まれている放射性標識物質によって、蓄積性蛍光体シートの支持体に形成された多数の輝尽性蛍光体層領域に含まれている輝尽性蛍光体を露光する露光装置の略斜視図である。
【図17】図17は、図16に示された露光装置の制御系、入力系、駆動系、表示系および検出系のブロックダイアグラムである。
【図18】図18は、本発明の好ましい実施態様にかかる生化学解析システムを構成する第1のスキャナ装置の略斜視図である。
【図19】図19は、第1のスキャナ装置を構成する各スキャナの略側面図である。
【図20】図20は、本発明の好ましい実施態様にかかる生化学解析システムを構成する第1のスキャナ装置の制御系、駆動系および検出系を示すブロックダイアグラムである。
【図21】図21は、本発明の好ましい実施態様にかかる生化学解析システムを構成する第2のスキャナ装置の略斜視図である。
【図22】図22は、第2のスキャナ装置を構成する各スキャナの略側面図である。
【図23】図23は、本発明の好ましい実施態様にかかる生化学解析システムを構成する第2のスキャナ装置の制御系、駆動系および検出系を示すブロックダイアグラムである。
【図24】図24は、生化学解析用ユニットキャリアにセットされている10枚の生化学解析用ユニットの多数の吸着性領域に記録されている蛍光データまたは化学発光データを読み取って、生化学解析用データを生成するデータ読み取り装置の略正面図である。
【図25】図25は、CCDカメラユニットの略底面図である。
【図26】図26は、冷却CCDカメラの略縦断面図である。
【図27】図27は、暗箱の略縦断面図である。
【図28】図28は、本発明の好ましい実施態様にかかる生化学解析システムを構成するデータ読み取り装置の制御系および駆動系を示すブロックダイアグラムである。
【図29】図29は、本発明の別の好ましい実施態様にかかる生化学解析システムを構成するハイブリダイゼーション反応装置の略斜視図である。
【図30】図30は、本発明の別の好ましい実施態様にかかる生化学解析システムを構成するハイブリダイゼーション反応装置の下方ハウジング部の頂板の略平面図である。
【図31】図31は、下方ハウジング部の頂板に形成された貫通孔対の近傍の詳細を示す略斜視図である。
【図32】図32は、生化学解析用ユニット収容部材の略斜視図である。
【図33】図33は、図29のA−A線に沿った略断面図である。
【図34】図34は、生化学解析用ユニット収容部材が反応位置に位置しているときの生化学解析用ユニットキャリアにセットされた生化学解析用ユニットの1つと、下方ハウジング部の頂板に形成された貫通孔対の位置関係の詳細を示す略断面図である。
【図35】図35は、第1の溶液注入チューブ、第2の溶液注入チューブ、第3の溶液注入チューブおよび第4の溶液注入チューブ、溶液注入チューブ、溶液排出チューブ、第1のバルブ、第2のバルブ、第3のバルブおよび第4のバルブならびに溶液注入チューブおよび溶液排出チューブに設けられた切り換えバルブの接続関係を示す配管図である。
【図36】図36は、図29ないし図35に示されたハイブリダイゼーション反応装置の制御系、駆動系および検出系のブロックダイアグラムである。
【図37】図37は、ハイブリダイゼーション反応装置の下方ハウジング部の頂板に形成された貫通孔対を通る溶液の流れを示す略断面図である。
【符号の説明】
1 生化学解析用ユニット
2 基板
3 貫通孔
4 吸着性領域
5 位置合わせ用貫通孔
5a バーコード
6 生化学解析用ユニットキャリア
6a 位置合わせ用貫通孔
7 貫通孔
8 位置合わせ用ピン
9 スポッティングヘッド
10 基板
11 フレーム
12 副走査パルスモータ
13 レール
14 移動可能な基板
15 ロッド
16 主走査パルスモータ
17 エンドレスベルト
18 リニアエンコーダ
19 リニアエンコーダのスリット
20a、20b 位置合わせ用ピン
30 コントロールユニット
31 キーボード
35 ハイブリダイゼーション反応装置
36 露光装置
37 第1のスキャナ装置
38 第2のスキャナ装置
39 データ読み取り装置
40 蓄積性蛍光体シートキャリア回収ボックス
41 蓄積性蛍光体シートキャリア回収ボックス
45 コントロールユニット
46 メモリ
47 データ記憶手段
48 データ処理手段
49 データ表示手段
50 キーボード
51 表示パネル
52 CRT
55 ハウジング
56 上方ハウジング部
57a 第1の溶液ボトル
57b 第2の溶液ボトル
57c 第3の溶液ボトル
57d 第4の溶液ボトル
58 下方ハウジング部
59 アーム
60 生化学解析用ユニット収容部材
60a 係止部材
61a 第1の溶液注入チューブ
61b 第2の溶液注入チューブ
61c 第3の溶液注入チューブ
61d 第4の溶液注入チューブ
62a 第1の溶液注入部
62b 第2の溶液注入部
62c 第3の溶液注入部
62d 第4の溶液注入部
63a 開口部
63 搬送ベルト
64a、64b、64c、64d、64e、64f、64g、64h、64i、64j 貫通孔
65a、65b、65c、65d、65e、65f、65g、65h、65i、65j 枠部材
66a、66b、66c、66d、66e、66f、66g、66h、66i、66j シール部材
68 生化学解析用ユニット収容部材の凹部
69a、69b、69c、69d、69e、69f、69g、69h、69i、69j 生化学解析用ユニット収容部材の貫通孔
67 溶液排出チューブ
70a 第1の溶液排出チューブ
70b 第2の溶液排出チューブ
71a 第1の溶液排出バルブ
71b 第2の溶液排出バルブ
72a 第1の溶液回収タンク
72b 第2の溶液回収タンク
70 溶液供給流路
73a 第1の溶液供給流路
74a 第1の溶液排出流路
74b 第2の溶液排出流路
75a 第1のバルブ
75b 第2のバルブ
75c 第3のバルブ
75d 第4のバルブ
76a 第1の切り換えバルブ
76b 第2の切り換えバルブ
76c 第3の切り換えバルブ
76d 第4の切り換えバルブ
77a 第1の分岐チューブ
77b 第2の分岐チューブ
77c 第3の分岐チューブ
77d 第4の分岐チューブ
75 ポンプ
80 コントロールユニット
82 搬送ベルトモータ
83a 第1のバルブ駆動手段
83b 第2のバルブ駆動手段
83c 第3のバルブ駆動手段
83d 第4のバルブ駆動手段
84a 第1の切り換えバルブ駆動手段
84b 第2の切り換えバルブ駆動手段
84c 第3の切り換えバルブ駆動手段
84d 第4の切り換えバルブ駆動手段
85a 第1の溶液排出バルブ駆動手段
85b 第2の溶液排出バルブ駆動手段
86 ソレノイド
87 アームモータ
88 表示パネル
89a、89b、89c、89d、89e、89f、89g、89h、89i、89j バーコードリーダー
90 蓄積性蛍光体シート
91 支持体
92 輝尽性蛍光体層領域
93 貫通孔
95 バーコード
96 蓄積性蛍光体シートキャリア
96a 位置合わせ用ピン
100 キャリア保持部
100a 背板
100b 底板
101 白色光源
102 搬送ベルト
103 スタッカ
104 キャリア剥離部
105 シュート
106 昇降板
107 キャリア取り出し用開口部
108 キャリア排出部材
109 開口部
110 キャリア支持部材
111 キャリア搬送部材
120 コントロールユニット
121 光源制御手段
122 第1のキャリア把持モータ
123 キャリア把持部材モータ
124 搬送ベルトモータ
125 昇降板モータ
126 ソレノイド
127 第2のキャリア把持モータ
128 搬送部材モータ
129a、129b、129c、129d、129e、129f、129g、129h、129i、129j バーコードリーダー
130a、130b、130c、130d、130e、130f、130g、130h、130i、130j スキャナ
131 基板
132a、132b、132c、132d、132e、132f、132g、132h、132i、132j 開口部
133 サンプルステージ
134 キャリア把持部材
140 レーザ光
141 レーザ励起光源
142 コリメータレンズ
143 ダイクロイックミラー
144 凸レンズ
145 凹面ミラー
148 フィルタ
150 フォトマルチプライア
151 A/D変換器
152 データバッファ
155 輝尽光
163 データ転送手段
170 コントロールユニット
171 主走査ステッピングモータ
172 副走査パルスモータ
173 キャリア把持部材モータ
174 キャリア把持モータ
175 リニアエンコーダ
180a、180b、180c、180d、180e、180f、180g、180h、180i、180j スキャナ
181 基板
182 基板
183 サンプルステージ
184 キャリア把持部材
190 レーザ光
191 レーザ励起光源
192 コリメータレンズ
193 ダイクロイックミラー
194 凸レンズ
195 凹面ミラー
198 フィルタ
200 フォトマルチプライア
201 A/D変換器
202 データバッファ
205 蛍光
213 データ転送手段
220 コントロールユニット
221 主走査ステッピングモータ
222 副走査パルスモータ
223 キャリア把持部材モータ
224 キャリア把持モータ
225 リニアエンコーダ
230 CCDカメラユニット
231a、231b、231c、231d、231e、231f、231g、231h、231i、231j 冷却CCDカメラ
232 暗箱
232a 暗箱の扉
236 CCD
237 伝熱板
238 ペルチエ素子
239 シャッタ
240 A/D変換器
241 データバッファ
242 カメラ制御回路
245 ガラス板
246 放熱フィン
247 カメラレンズ
250 化学発光基質を含む溶液
251 容器
252 支持部材
252a 位置合わせ用ピン
253 化学発光基質補給タンク
254 バルブ
255 ポンプ
256 キャリア把持部材
260 コントロールユニット
261 データ転送手段
262 バルブ制御手段
263 液面センサ
265 暗箱開閉モータ
266 キャリア把持モータ
267 キャリア把持部材モータ
270 ハイブリダイゼーション反応装置
275 ハウジング
276 上方ハウジング部
277a 第1の溶液ボトル
277b 第2の溶液ボトル
277c 第3の溶液ボトル
277d 第4の溶液ボトル
278 下方ハウジング部
279 アーム
280 生化学解析用ユニット収容部材
280a 生化学解析用ユニット収容部材の凹部
280b 生化学解析用ユニット収容部材の溶液循環用凹部
280c 係止部材
281a 第1の溶液注入チューブ
281b 第2の溶液注入チューブ
281c 第3の溶液注入チューブ
281d 第4の溶液注入チューブ
283 搬送ベルト
283a 開口部
284a、284b、284c、284d、284e、284f、284g、284h、284i、284j 貫通孔対
284aa、284ab、284ba、284bb、284ca、284cb、284da、284db、284ea、284eb、284fa、284fb、284ga、284gb、284ha、284hb、284ia、284ib、284ja、284jb 貫通孔
285a、285b、285c、285d、285e、285f、285g、285h、285i、285j 仕切壁
286a、286b、286c、286d、286e、286f、286g、286h、286i、286j 枠部材
287a、287b、287c、287d、287e、287f、287g、287h、287i、287j シール部材
290 溶液注入チューブ
290a 第1の溶液供給流路
291a 第1の溶液排出流路
292 溶液排出チューブ
292a 第1の溶液排出チューブ
292b 第2の溶液排出チューブ
293a 第1の溶液排出バルブ
293b 第2の溶液排出バルブ
294a 第1の溶液回収タンク
294b 第2の溶液回収タンク
295a 第1のバルブ
295b 第2のバルブ
295c 第3のバルブ
295d 第4のバルブ
296 切り換えバルブ
298 ポンプ
300 コントロールユニット
302 搬送ベルトモータ
303a 第1のバルブ駆動手段
303b 第2のバルブ駆動手段
303c 第3のバルブ駆動手段
303d 第4のバルブ駆動手段
304 切り換えバルブ駆動手段
305a 第1の溶液排出バルブ駆動手段
305b 第2の溶液排出バルブ駆動手段
306 ソレノイド
307 アームモータ
309a、309b、309c、309d、309e、309f、309g、309h、309i、309j バーコードリーダー

Claims (23)

  1. それぞれが、特異的結合物質を含む複数の吸着性領域が、互いに離間して、形成された複数の生化学解析用ユニットがセットされた生化学解析用ユニットキャリアを保持可能なキャリア保持部と、前記キャリア保持部に保持された前記生化学解析用ユニットキャリアの前記複数の生化学解析用ユニットに対応する位置に設けられ、同時に、前記キャリア保持部に保持された前記生化学解析用ユニットキャリアの前記複数の生化学解析用ユニットの前記吸着性領域を横切るように、標識物質を含む溶液を供給し、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされた前記複数の生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域を、前記標識物質によって、選択的に標識可能な複数の溶液供給流路を有する反応装置を備えたことを特徴とする生化学解析システム。
  2. 前記生化学解析用ユニットが、複数の貫通孔が、互いに離間して形成された基板を備え、前記複数の吸着性領域が、前記基板に形成された前記複数の貫通孔に、吸着性材料が充填されて形成されていることを特徴とする請求項1に記載の生化学解析システム
  3. 前記反応装置が、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされた前記複数の生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域を横切って、標識物質を含む溶液を循環させるように構成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の生化学解析システム
  4. 前記反応装置が、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされた前記複数の生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域に、放射性標識物質によって標識された溶液を供給し、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされた前記複数の生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域を、前記放射性標識物質によって、選択的に標識して、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされた前記複数の生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域に、放射線データを記録可能に構成され、さらに、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされた前記複数の生化学解析用ユニットに対応する位置に、輝尽性蛍光体層が形成された複数の蓄積性蛍光体シートが固定された蓄積性蛍光体シートキャリアを、前記生化学解析用ユニットキャリアに重ね合わせて、前記生化学解析用ユニットキャリアと前記蓄積性蛍光体シートキャリアのキャリア集積体を形成するキャリア集積部と、前記キャリア集積部によって形成された前記生化学解析用ユニットキャリアと前記蓄積性蛍光体シートキャリアの前記キャリア集積体を保持するスタッカを有する露光装置と、前記生化学解析用ユニットキャリアを、前記反応装置から、前記露光装置に搬送する生化学解析用ユニット搬送手段を備え、前記スタッカが、複数の前記キャリア集積体を、重畳状態で、保持可能に構成されたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の生化学解析システム。
  5. 前記生化学解析用ユニットキャリアに、少なくとも2つの位置合わせ用貫通孔が形成され、前記蓄積性蛍光体シートキャリアに、前記生化学解析用ユニットに形成された前記少なくとも2つの位置合わせ用貫通孔に対応して、少なくとも2つの位置合わせ用ピンが形成されていることを特徴とする請求項4に記載の生化学解析システム
  6. さらに、前記スタッカに保持された前記生化学解析用ユニットキャリアと前記蓄積性蛍光体シートキャリアの前記キャリア集積体を受け、前記蓄積性蛍光体シートキャリアを、前記生化学解析用ユニットキャリアから剥離するキャリア剥離部と、複数のスキャナを備えたスキャナ装置と、前記キャリア剥離部において、前記生化学解析用ユニットキャリアから剥離された前記蓄積性蛍光体シートキャリアを、前記スキャナ装置に搬送するキャリア搬送手段を備え、前記複数のスキャナがそれぞれ、励起光を発する少なくとも1つの励起光源と、光検出器とを備え、前記スキャナ装置が、前記蓄積性蛍光体シートキャリアを載置する単一のサンプルステージと、前記サンプルステージと前記複数のスキャナとを、主走査方向および前記主走査方向に直交する副走査方向に、相対的に移動させる単一の走査機構を備えたことを特徴とする請求項4または5に記載の生化学解析システム。
  7. 前記スキャナ装置が、前記蓄積性蛍光体シートキャリアに固定されている前記複数の蓄積性蛍光体シートの枚数に等しい数のスキャナを備え、前記複数のスキャナが、前記サンプルステージにセットされるべき前記蓄積性蛍光体シートキャリアに固定されている前記複数の蓄積性蛍光体シートに対向する位置に配置されていることを特徴とする請求項6に記載の生化学解析システム
  8. 前記生化学解析用ユニットキャリアが、前記複数の生化学解析用ユニットを、マトリックス状のパターンで、規則的にセット可能に構成され、前記蓄積性蛍光体シートキャリアに、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされるべき前記複数の生化学解析用ユニットと同一のマトリックス状のパターンで、前記複数の蓄積性蛍光体シートが、規則的に固定されており、前記スキャナ装置が、前記蓄積性蛍光体シートキャリアに、マトリックス状に固定されている前記複数の蓄積性蛍光体シートの行または列の数に等しい数の複数のスキャナを備え、前記複数のスキャナが、前記サンプルステージにセットされるべき前記蓄積性蛍光体シートキャリアに、マトリックス状に固定されている前記複数の蓄積性蛍光体シートのうち、1行または1列の前記蓄積性蛍光体シートに対向する位置に配置され、前記走査機構によって、前記サンプルステージと前記複数のスキャナとが、副走査方向に移動されることによって、前記複数のスキャナが、前記蓄積性蛍光体シートキャリアに、マトリックス状に固定されている隣り合う行または列の前記蓄積性蛍光体シートに対向可能に構成されていることを特徴とする請求項7に記載の生化学解析システム
  9. さらに、複数のスキャナを備えた第2のスキャナ装置を備えており、前記複数のスキャナが、それぞれ、励起光を発する少なくとも1つの励起光源と、光検出器とを備え、前記第2のスキャナ装置が、前記生化学解析用ユニットキャリアを載置する単一のサンプルステージと、前記サンプルステージと前記複数のスキャナとを、主走査方向および前記主走査方向に直交する副走査方向に、相対的に移動させる単一の走査機構を備え、さらに、生化学解析用ユニットキャリアを、前記第2のスキャナの前記サンプルステージに載置する第2のキャリア搬送手段を備えたことを特徴とする請求項6ないし8のいずれか1項に記載の生化学解析システム。
  10. さらに、前記生化学解析用ユニットキャリアが載置される単一のサンプルステージと、前記サンプルステージに、前記生化学解析用ユニットキャリアがセットされたときに、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされるべき複数の生化学解析用ユニットに対向する位置に配置された複数のCCDカメラとを備えたデータ生成装置と、前記生化学解析用ユニットキャリアを、前記サンプルステージにセットする第3のキャリア搬送手段を備えたことを特徴とする請求項6ないし9のいずれか1項に記載の生化学解析システム。
  11. さらに、生化学解析用ユニットキャリアを回収する生化学解析用ユニットキャリア回収ボックスを備え、前記第2のキャリア搬送手段および第3のキャリア搬送手段が、前記生化学解析用ユニットキャリアを、前記第2のスキャナ装置および前記データ生成装置の前記サンプルステージから、前記生化学解析用ユニットキャリア回収ボックスに搬送可能に構成されていることを特徴とする請求項9または10に記載の生化学解析システム
  12. それぞれが、特異的結合物質を含む複数の吸着性領域が、互いに離間して、形成された複数の生化学解析用ユニットを、生化学解析用ユニットキャリアにセットし、前記複数の生化学解析用ユニットがセットされた前記生化学解析用ユニットキャリアを反応装置にセットし、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされた前記複数の生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域に、標識物質を含む溶液を、前記複数の吸着性領域を横切るように、同時に供給して、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされた前記複数の生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域を、前記標識物質によって、選択的に標識することを特徴とする生化学解析方法
  13. 前記生化学解析用ユニットが、複数の貫通孔が、互いに離間して形成された基板を備え、前記複数の吸着性領域が、前記基板に形成された前記複数の貫通 孔に、吸着性材料が充填されて形成されていることを特徴とする請求項12に記載の生化学解析方法
  14. 前記生化学解析用ユニットに、それぞれ、少なくとも2つの位置合わせ用貫通孔が形成され、前記生化学解析用ユニットキャリアの前記複数の生化学解析用ユニットをセットすべき部分に、それぞれ、前記生化学解析用ユニットに形成された前記少なくとも2つの位置合わせ用貫通孔に対応して、少なくとも2つの位置合わせ用ピンが形成されていることを特徴とする請求項12または13に記載の生化学解析方法
  15. 前記反応装置が、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされた前記複数の生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域を横切って、標識物質を含む溶液を循環させるように構成されたことを特徴とする請求項12ないし14のいずれか1項に記載の生化学解析方法
  16. 前記反応装置によって、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされた前記複数の生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域に、放射性標識物質によって標識された溶液を供給し、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされた前記複数の生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域を、前記放射性標識物質によって、選択的に標識して、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされた前記複数の生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域に、放射線データを記録し、さらに、前記生化学解析用ユニットキャリアを、生化学解析用ユニット搬送手段によって、前記反応装置から、キャリア集積部に送って、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされた前記複数の生化学解析用ユニットに対応する位置に、輝尽性蛍光体層が形成された複数の蓄積性蛍光体シートが固定された蓄積性蛍光体シートキャリアを、前記生化学解析用ユニットキャリアに重ね合わせて、前記生化学解析用ユニットキャリアと前記蓄積性蛍光体シートキャリアのキャリア集積体を形成し、前記生化学解析用ユニット搬送手段によって、前記生化学解析用ユニットキャリアと前記蓄積性蛍光体シートキャリアの前記キャリア集積体を、スタッカに送って、前記スタッカ内で、それぞれが、前記生化学解析用ユニットキャリアと前記蓄積性蛍光体シートキャリアよりなる複数の前記キャリア集積体を、重畳状態で保持して、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされた前記複数の生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域に選択的に含まれている放射性標識物質によって、前記蓄積性蛍光体シートキャリアに固定された前記複数の蓄積性蛍光体シートの前記輝尽性蛍光体層を露光することを特徴とする請求項12ないし15のいずれか1項に記載の生化学解析方法
  17. 前記生化学解析用ユニットキャリアに、少なくとも2つの位置合わせ用貫通孔が形成され、前記蓄積性蛍光体シートキャリアに、前記生化学解析用ユニットに形成された前記少なくとも2つの位置合わせ用貫通孔に対応して、少なくとも2つの位置合わせ用ピンが形成されていることを特徴とする請求項16に記載の生化学解析方法
  18. さらに、前記生化学解析用ユニットキャリアと前記蓄積性蛍光体シートキャリアの前記キャリア集積体を、キャリア剥離部に送って、前記生化学解析用ユニットキャリアと前記蓄積性蛍光体シートキャリアの前記キャリア集積体から、前記蓄積性蛍光体シートキャリアを剥離し、キャリア搬送手段によって、前記生化学解析用ユニットキャリアと前記蓄積性蛍光体シートキャリアの前記キャリア集積体から剥離した前記蓄積性蛍光体シートキャリアを、それぞれが、励起光を発する少なくとも1つの励起光源と、光検出器とを備えた少なくとも2つのスキャナと前記蓄積性蛍光体シートキャリアを載置する単一のサンプルステージを備えたスキャナ装置に搬送して、前記スキャナ装置の前記サンプルステージにセットし、前記スキャナ装置のサンプルステージと前記少なくとも2つのスキャナとを、主走査方向および前記主走査方向に直交する副走査方向に、相対的に移動させて、前記少なくとも2つのスキャナの前記少なくとも1つの励起光源から発せられた励起光によって、前記蓄積性蛍光体シートキャリアに固定された前記複数の蓄積性蛍光体シートのうち、少なくとも2つの蓄積性蛍光体シートの前記輝尽性蛍光体層を、同時に走査して、前記少なくとも2つの蓄積性蛍光体シートの前記輝尽性蛍光体層に含まれ ている輝尽性蛍光体を励起し、前記少なくとも2つの蓄積性蛍光体シートの前記輝尽性蛍光体層から放出された輝尽光を、前記少なくとも2つのスキャナの前記光検出器によって、光電的に検出して、前記少なくとも2つの蓄積性蛍光体シートの前記輝尽性蛍光体層に記録されている放射線データを読み取り、生化学解析用データを生成するように構成されたことを特徴とする請求項16または17に記載の生化学解析方法
  19. 前記スキャナ装置が、前記蓄積性蛍光体シートキャリアに固定されている前記複数の蓄積性蛍光体シートの枚数に等しい数のスキャナを備え、前記複数のスキャナが、前記サンプルステージにセットされるべき前記蓄積性蛍光体シートキャリアに固定されている前記複数の蓄積性蛍光体シートに対向する位置に配置されていることを特徴とする請求項18に記載の生化学解析方法
  20. 前記生化学解析用ユニットキャリアが、前記複数の生化学解析用ユニットを、マトリックス状のパターンで、規則的にセット可能に構成され、前記蓄積性蛍光体シートキャリアに、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされるべき前記複数の生化学解析用ユニットと同一のマトリックス状のパターンで、前記複数の蓄積性蛍光体シートが、規則的に固定されており、前記スキャナ装置が、前記蓄積性蛍光体シートキャリアに、マトリックス状に固定されている前記複数の蓄積性蛍光体シートの行または列の数に等しい数の複数のスキャナを備え、前記複数のスキャナが、前記サンプルステージにセットされるべき前記蓄積性蛍光体シートキャリアに、マトリックス状に固定されている前記複数の蓄積性蛍光体シートのうち、1行または1列の前記蓄積性蛍光体シートに対向する位置に配置され、前記走査機構によって、前記サンプルステージと前記複数のスキャナとが、副走査方向に移動されることによって、前記複数のスキャナが、前記蓄積性蛍光体シートキャリアに、マトリックス状に固定されている隣り合う行または列の前記蓄積性蛍光体シートに対向可能に構成されていることを特徴とする請求項19に記載の生化学解析方法
  21. さらに、前記反応装置によって、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされた前記複数の生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域に、蛍光物質によって標識された溶液を供給し、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされた前記複数の生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域を、前記蛍光物質によって、選択的に標識して、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされた前記複数の生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域に、蛍光データを記録し、前記生化学解析用ユニットキャリアを、第2のキャリア搬送手段によって、それぞれが、励起光を発する少なくとも1つの励起光源と、光検出器とを備えた少なくとも2つのスキャナと前記生化学解析用ユニットキャリアを載置する単一のサンプルステージを備えた第2のスキャナ装置に搬送して、前記第2のスキャナ装置の前記サンプルステージにセットし、前記第2のスキャナ装置のサンプルステージと前記少なくとも2つのスキャナとを、主走査方向および前記主走査方向に直交する副走査方向に、相対的に移動させて、前記第2のスキャナ装置の前記少なくとも2つのスキャナの前記少なくとも1つの励起光源から発せられた励起光によって、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされた前記複数の生化学解析用ユニットのうち、少なくとも2つの生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域を、同時に走査して、前記少なくとも2つの生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域に含まれている蛍光物質を励起し、前記少なくとも2つの生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域から放出された蛍光を、前記第2のスキャナ装置の前記少なくとも2つのスキャナの前記光検出器によって、光電的に検出して、前記少なくとも2つの生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域に記録されている蛍光データを読み取り、生化学解析用データを生成するように構成されたことを特徴とする請求項18ないし20のいずれか1項に記載の生化学解析方法
  22. さらに、前記反応装置によって、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされた前記複数の生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域に、化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせる標識物質によって標識された溶液を供給し、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされた前記複数の生化学解析用ユ ニットの前記複数の吸着性領域を、前記化学発光基質と接触させることによって化学発光を生じさせる標識物質によって、選択的に標識して、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされた前記複数の生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域に、化学発光データを記録し、第3のキャリア搬送手段によって、前記生化学解析用ユニットキャリアが載置される単一のサンプルステージと、前記サンプルステージに、前記生化学解析用ユニットキャリアがセットされたときに、前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされるべき複数の生化学解析用ユニットに対向する位置に配置された複数のCCDカメラとを備えたデータ読み取り装置に搬送して、前記サンプルステージにセットし、前記サンプルステージにセットされている前記生化学解析用ユニットキャリアにセットされた前記複数の生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域に、化学発光基質を接触させ、前記複数の生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域から放出された化学発光を、それぞれ、対向する前記CCDカメラによって、同時に、光電的に検出して、前記複数の生化学解析用ユニットの前記複数の吸着性領域に記録されている化学発光データを読み取り、生化学解析用データを生成するように構成されたことを特徴とする請求項18ないし21のいずれか1項に記載の生化学解析方法
  23. さらに、生化学解析用ユニットキャリアを回収する生化学解析用ユニットキャリア回収ボックスが設けられ、前記第2のキャリア搬送手段および第3のキャリア搬送手段が、前記生化学解析用ユニットキャリアを、第2のスキャナ装置および前記データ生成装置の前記サンプルステージから、前記生化学解析用ユニットキャリア回収ボックスに搬送可能に構成されていることを特徴とする請求項21または22に記載の生化学解析方法
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