JP4143109B1 - 弾性舗装体の再利用工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリウレタン弾性舗装の表面の改修において、切削回収される切削粉を産業廃棄物として処分することなく、改修舗装するポリウレタン材料システムの硬化剤の成分として、主剤であるイソシアネート化合物と反応させてポリウレタン弾性舗装に用いるリサイクル工法。
【解決手段】表層部の切削粉をアミン系分解剤により分解し、得られた分解生成物の水酸基価をJIS K 1557−1:2007(B法)(OHV−P)およびJIS 1557−1:2007(A法)(OHV−A)で測定し、次式のOHV比、
OHV比=[OHV−P]/[OHV−A]
が0.9〜2.0の範囲にあることを確認した後、水酸基価[OHV−A]に基づいて、NCOインデックス=0.8〜1.7のイソシアネート化合物と反応させ性能の優れたポリウレタン弾性舗装を再現するリサイクル工法。
【選択図】図1

Description

本発明は、ポリウレタン弾性舗装のリサイクル舗装工法に関するものである。特にポリウレタン全天候型弾性舗装による陸上競技場のトラック走路等の舗装表面を改修、改装するに際して、改修、改装されるポリウレタン弾性舗装の表層部を切削して生じる切削粉を産業廃棄物として処分することなく、舗装表面の改修工事現場において化学的に分解して、得られる分解生成物をポリウレタン弾性舗装の材料として用い、性能的に優れた舗装表面を有するポリウレタン弾性舗装のリサイクル舗装工法に関するものである。
ポリウレタン弾性舗装は、全天候弾性舗装として、走行性能に優れ、耐久性にも優れている等、わが国のみならず、諸外国においても陸上競技場、テニスコート等の球技場に広く普及している。
このようなポリウレタン弾性舗装は、使用目的に応じ種々の性能を有するものが広く普及している、例えば、国内的には、(財)日本体育施設協会の「屋外体育施設の建設指針(平成17年度版)」では、ポリウレタン素材物性として次のような物性が規定されている。
項目 規格
1)硬さ(JISK6253) 40〜75(Duro−Meter)
2)耐摩耗性(JISK7204) <600mg、
3)引張強さ(JISK6251) >2.0MPa
4)伸び (JISK6251) >500%
このようなポリウレタン弾性舗装は、例えば、セメントコンクリート、アスファルトコンクリート等の基層、下地処理層、弾性層、上塗耐久層、エンボス又はトッピング仕上層、及び表面トップコート層をそれぞれ所定の厚みに積層して構成される舗装である。
また、ポリウレタン弾性舗装に用いられるポリウレタン材は、分子末端がイソシアネート(−NCO)基であるポリウレタンプレポリマーよりなる「主剤」と、この主剤のイソシアネート基と化学量論的に反応する活性水素基を有するポリオールや架橋剤、フィラー(炭酸カルシウム等の体質顔料とベンガラ等の着色顔料等の充填剤)等を含有してなる「硬化剤」からなる2液性常温硬化型全天候弾性舗装ポリウレタンシステムが適用されている。
このような工法により舗装された、日本陸上競技連盟が公認する全天候陸上競技場トラックが、わが国だけでも、現在、400弱の個所に存在し、陸上競技に適用されている。
ポリウレタン弾性舗装表面は、耐久性に優れているが、長年に亘り、競技場として使用されること、また日光や風雨に曝されて、表面が傷ついたり、摩耗したり、老化する等の損傷を受けるので、主として弾性層、上塗耐久層、エンボス又はトッピング仕上層、及び表面トップコート層からなる表層部の改修が必要になることがある。
通常、損傷を受けた表層部は切削し、その切削された表面に新たなポリウレタン材料を用いてオーバーレイ補修が行われている。
ところが、舗装の表層部を切削して生じるポリウレタン切削粉は産業廃棄物として処分される必要があり、近年、環境対策やリサイクル対策面から、係るポリウレタン切削粉をポリウレタン舗装材料としてリサイクル利用することが強く望まれるようになってきた。
各種技術分野で使用されるポリウレタン系材料のリサイクル利用については、電気機器業界や輸送機器業界等においても、地球環境問題への取り組みとして、産業廃棄物を出さずにリサイクル使用する、所謂ゼロエミッションへの取り組みが種々検討されている。
ウレタン樹脂は、電気機器業界においては電気冷蔵庫の断熱材、輸送機器分野では自動車シートのクッション材や内装材として使用され、これら材料をリサイクルして利用することが検討・提案されている。例えば、リサイクル使用方法として、回収されたウレタン樹脂を分解剤を用いて分解し、分解生成物から高分子ポリオールを炭化水素溶媒で回収し、残った低分子量分解生成物にエチレンオキサイドを付加して低分子量のポリオールとして再生し、再びポリウレタンの原料として使用する方法が提案されている(特開平7−126344号公報)。
この中で、ウレタン樹脂を分解する方法としては、高分子量ポリオールを原料としたポリウレタンの廃棄物を、モノアルカノールアミンで分解し、分解生成物中の高分子ポリオールは炭素数6〜16の炭化水素溶媒で抽出し、残った低分子量分解生成物に無触媒又は3級アミン触媒の存在下に炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加して低分子量ポリオールとして再生することが記載されている。
また、ウレタン樹脂の分解法を適用したウレタン樹脂の回収方法として、ウレタン樹脂及び他の異質材を含有する混合廃棄物に分解剤を投入して、押出機で混合、化学分解してウレタン樹脂分解生成物を回収する方法等が提案されている(特許第3895332号)
さらに、ウレタン樹脂を化学分解して得られる分解生成物を再生する方法として、分解生成物の水酸基と反応させるイソシアネートのイソシアネート基の比をNCO/OH=0.3〜0.8の水酸基過剰の条件で行うことが、硬化時間が速く、生成される再生ウレタン樹脂の引張り伸び率を向上させる再生ウレタン樹脂組成物を提供できる方法であるとして提案されている(特開2007−91833号公報)。
一方、ポリウレタン弾性舗装の改修に際し、表層部の切削粉をリサイクル使用することに関して、特開2001−342605公報で、切削粉を単にフレッシュなウレタンに混ぜてリサイクル使用する方法が提案されている。この方法では、リサイクル使用ができるものの、ウレタン材料に切削した粉を添加することにより、粘度、水分が上昇し、作業性が低下し、添加量に限度がある。
しかしながら、上記のようなポリウレタン弾性舗装に用いられるポリウレタン材の再生利用についても、地球環境問題への取り組みとして、産業廃棄物を出さずにリサイクル使用し、所謂ゼロエミッションへの取り組みは、強く望まれる解決すべき課題であるが、未だ満足できる方法は提案されていない。
特開平7−126344号公報 特許第3895332号 特開2007−91833号公報 特開2001−342605公報
本発明が解決しようとする課題は、ポリウレタン弾性舗装のオーバーレイ改修工事において発生するポリウレタン切削粉を、その施工現場において回収、処理して、ポリウレタン弾性舗装の材料としてリサイクル利用し、原ポリウレタン弾性舗装体が具備していた諸物性を再現するポリウレタン弾性舗装のリサイクル舗装工法を提供することである。
本発明者等は、上記課題を解決するために、前記オーバーレイ改修工事において、ポリウレタン弾性舗装体の表層部を切削して生じる切削粉を化学的分解方法により分解し、得られる分解生成物に含有されている活性水素含有化合物を再利用して、原ポリウレタン舗装の優れた性能を再現できるポリウレタン材料として再利用する方法について鋭意検討した。
その結果、分解生成物の活性水素含有化合物の水酸基価を測定し、測定された特定の水酸基価に基づいて、その水酸基価と化学量論的に等量に近いNCO基を有するイソシアネート化合物と反応させることにより上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
1.ポリウレタン弾性舗装の表層部を切削除去し、得られた該表層部の切削粉にアミン系分解剤を添加して、切削粉中のポリウレタン成分を活性水素含有化合物に分解し、得られた分解生成物の水酸基価を測定し、該分解生成物に含まれる活性水素含有化合物を、測定された水酸基価に対して化学量論的に反応するNCO基を有するイソシアネート化合物と反応させることを特徴とするポリウレタン弾性舗装のリサイクル舗装工法、
2.アミン系分解剤が、アルカノールアミンである1項記載のリサイクル舗装工法、
3.分解生成物の水酸基価が、フィラー成分を分離除去した分解生成物について、JIS K 1557−1:2007B法で測定した水酸基価(OHV−P:以下、測定された水酸基価をOHV−Pと略記する)とJIS K 1557−1:2007A法で測定した水酸基価(OHV−A:以下、測定された水酸基価をOHV−Aと略記する)の比率、
(OHV−P)/(OHV−A)=0.9〜2.0
を満たすときの、JIS K 1557−1:2007A法で測定した水酸基価(OHV−A)である1または2項記載のリサイクル舗装工法、
4.分解生成物の3項に記載の水酸基価(OHV−A)に対して、NCOインデックス0.8〜1.7の範囲のイソシアネート化合物と反応させることを特徴とする3項記載のリサイクル舗装工法、
5.(1)ポリウレタン弾性舗装の表層部を切削除去し、得られた該表層部の切削粉にアミン系分解剤を添加して均一に撹拌混合し、アミン系分解剤により切削粉中のポリウレタン成分を活性水素含有化合物に分解し、(2)得られた分解生成物から、分解生成物中のフィラー成分を分離除去して、活性水素含有化合物を抽出した試料を調整し、該活性水素含有化合物の水酸基価をJIS K 1557−1:2007B法(OHV−P)及びJIS K 1557−1:2007A法(OHV−A)で測定し、測定された両水酸基価の比(OHV−P/OHV−A)が=0.9〜2.0の範囲を満たすとき、(3)該OHV−Aを水酸基価とする活性水素含有化合物を含む分解生成物を含有してなる硬化剤と、NCO基を有するイソシアネート化合物である主剤を、NCOインデックスが0.8〜1.7で反応させることを特徴とするポリウレタン弾性舗装のリサイクル舗装工法、
である。
本発明の趣旨は、ポリウレタン弾性舗装のオーバーレイ改修工事において、主としてポリウレタン材を含んでなる弾性舗装表層部の切削粉を化学的に分解し、得られる分解生成物を、再びポリウレタン弾性舗装のポリウレタン材システムにおける「硬化剤」の全量または一部としてリサイクル使用するところにある。
この際、分解生成物を硬化剤として使用し、「主剤」であるイソシアネート化合物と化学量論的に反応させ、物性・性能の良好なポリウレタンを得るには、分解生成物に含まれる活性水素含有化合物の水酸基価を正確に知る必要がある。
このために、本発明においては、(1)弾性舗装表層部の切削粉をアミン系分解剤により化学的に分解して、活性水素含有化合物を含有する分解生成物とし、ついで(2)前記分解生成物の水酸基価を正確に測定するために、水酸基価測定のための試料を、該分解生成物に含まれるフィラー成分を、特に炭酸カルシウムを分離除去して調製し、(3)調製された試料の分解生成物の水酸基価を2種の規格化された水酸基価測定方法により正確に測定し、および(4)2種の水酸基価測定法で測定された水酸基価の比率が限定された範囲にあるとき、選択された測定法による水酸基価に基づいて、(5)分解生成物をポリウレタン材システムの硬化剤として、主剤であるイソシアネート基を含有するイソシアネート化合物と化学量論的に反応させることにより、改修前の原ポリウレタン全天候舗装体が有していた物性機能を再現できる。
すなわち、本発明により、ポリウレタン弾性舗装の表層部を改修するために切削される切削粉は、ポリウレタンの硬化剤として、イソシアネート化合物と、効率的に反応させ物性機能を再現回復および/または改善され一層、優れた再生ポリウレタン弾性舗装体とすることができる。
本発明は、ポリウレタン弾性舗装の改修において、該弾性舗装の表層部を切削して回収される切削粉を、産業廃棄物として処分することなく、切削粉中に含まれるポリウレタンを、分解剤を用いてアミン化合物及びポリオール等の活性水素含有化合物に分解し、これらの分解生成物に含まれる活性水素含有化合物の水酸基価を正確に測定し、その測定結果により決定した水酸基価に基づいて、回収された分解生成物に必要なフィラーを添加した硬化剤として、化学量論的にほぼ等量のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物と反応させ、優れた性能を有するポリウレタン弾性舗装の表層部として再生することができる。
本発明は、回収された分解生成物、それ自体を硬化剤、又はこれに新たな硬化剤を補って硬化剤成分とし、必要によりフィラーを加えて、改修すべき弾性舗装のオーバーレイ工法に適用できるだけではなく、その他の舗装施工にも適用できる。また、修復する舗装の施工現場において、直ちに、回収された切削粉を化学的に分解し、分解生成物の水酸基価を測定して、求められた水酸基価に基づいてポリウレタン弾性舗装としてリサイクル施工を行うことができる。
以下、本発明を詳細に説明する。必要により図面を参照する。
本発明に係るポリウレタン弾性舗装とは、ポリウレタンからなる2液性常温硬化型塗布積層システムにより舗装施工されたものであり、標準的には図1に示されるような断面構成からなるものである。
すなわち、図1は、地盤上に、基層(2)、下地処理層(3)、弾性層(4)、上塗耐久層(5)、エンボス又はトッピング仕上層(6)及び表面トップコート層(7)をそれぞれ所定の厚さに積層して構成される舗装である。
これらの層の厚さは、通常、表層部(8)の厚さが約13mmの場合、弾性層(4)が約8mm、上塗耐久層(5)が約4mm、エンボス又はトッピング仕上層(6)が波形の中心線で約1mm程度である。
基層(2)〔基層部(9)〕は、セメントコンクリートまたはアスファルトコンクリート等からなる層である。この層の表面に下地処理層(3)として、通常、水性樹脂モルタル等の下地処理剤を塗布し、表層部(8)の弾性層(4)が積層接着される。
弾性層(4)は、主として、通常、使用されているポリウレタン材からなり、ポリウレタン材料のもつセルフレベリング性に対する施工時のダレ止め防止や、増量によるコスト低減、弾性舗装体としての反発弾性調整による運動走行性能改良の効果を機能させるための連通発泡粒状物やその他のフィラーを含有してなる層である。
ポリウレタン弾性舗装に用いられるポリウレタン材は、分子末端イソシアネート基(−NCO)のポリウレタンプレポリマーからなる「主剤」と、イソシアネート基と化学量論的に反応する活性水素成分であるポリオールや架橋剤、フィラー(炭酸カルシウム等の体質顔料やベンガラ等の着色顔料等の充填剤)等を含有する「硬化剤」とからなる2液性常温硬化型弾性舗装ポリウレタンシステムが適用される。
上塗耐久層(5)は、耐スパイク性をはじめ弾性舗装体全体としての耐久強度や所定の弾力性や反発弾性等の機能を維持するウレタン層である。
エンボス又はトッピング仕上層(6)は、ウレタン材料を吹き付け又は塗布して表面に凹凸模様を形成した層である。または、ウレタン材料に、ゴム、樹脂等の細粒子チップを混ぜ込み、吹き付け又は塗布により、表面を凹凸摸様に形成した層である。
更に、エンボス又はトッピング仕上層に、紫外線吸収剤、顔料・染料等の着色剤を含むアクリル変性ウレタン樹脂からなるトップコート剤が塗布されたトップコート層(7)が積層される。
本発明において、ポリウレタン弾性舗装の改修に当たり切削除去される弾性舗装の表層部とは、上記の図1の断面で示される下地処理層(3)を含むこともある弾性層(4)、上塗耐久層(5)、エンボス又はトッピング仕上層(6)及び表面トップコート層(7)からなる層(8)である。この表層部(8)は、その殆どがポリウレタン材料からなる。
陸上競技場、球技場等のポリウレタン弾性舗装の表層部は、長期間の使用による経年変化で摩耗、破れ等を生じ、また、白亜化、ひび割れ等の耐候劣化を起し、ポリウレタン弾性舗装表面としての瑕疵が発生し、改修を要する場合がある。このような場合、表層部が切削され、切削部分又はその部分とその周辺が修復される。この改修は小規模〜大規模に行なわれる。
改修するポリウレタン弾性舗装の表層部の切削は、その方法及び機器が特に限定されるものではない。通常、弾性舗装表層部を切削する機能を有する切削機器を用いて、所望の厚みを切削除去できる方法であれば良い。
切削する表層部の厚みは、原施工の舗装表層部の厚みと、長期間使用による経年変化で生じた摩耗、破れ、白亜化、ひび割れ等の耐候劣化の程度、ポリウレタン弾性舗装表面として発生した瑕疵の状況に応じて適切に決められる。
切削に際し、切削しようとする表面には、トップコートやライン・マーキング等に使用されるポリウレタン材料以外の、例えば、無機顔料や塵埃等があり、これらが切削粉に含有されることもあるが、特に本発明の効果を阻害することはない。しかし、本発明の効果を一段と向上させるために可能な限り、これらの異質のものは除去しておくことが望ましいので、切削する表面は切削作業の前には清掃、乾燥したあと、切削粉を回収するのが望ましい。
切削機器として、通常多用されている切削機及びベルトサンダー等を用いて、舗装の表層部を所定の厚さに切削して切削粉を得る。切削した表面は、研磨を繰り返し、凹凸のない均一な表面に仕上るのが好ましい。
得られた切削粉は、分解剤を用いて化学的に分解する。
切削粉の化学的分解は、舗装表面を改修する舗装施工現場で行っても、又は切削粉を特設の工場等に搬入して行ってよい。いずれの方法であっても、切削粉を分解生成物とし、これを舗装材料としてリサイクル使用できる。しかしながら、本発明では、舗装の改修施工現場で行うことが、産業廃棄物をそれらが生じる場所から持ち出すことなく、かつ作業性や経費等の点で好ましい。
分解剤を用いて化学的に分解するとは、舗装表層部の材料であるポリウレタンを化学分解剤によりポリオールやアミン化合物等の活性水素含有化合物に分解することである。
ポリウレタンを化学的に分解する方法として、従来から、グリコール分解、アミン分解又は加水分解等の方法が知られているが、本発明における化学的分解方法としては、アミン系分解剤による化学的分解方法が適用される。
本発明において用いられるアミン系分解剤としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−エチルヘキシルアミン、1−プロパノールアミン、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール、n−プロピルアミン、ジ−n−プロピルアミン、エチルアミノエタノール、アミノブタノール、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、プロパンジアミン、n−アミルアミン、1−ブチルアミン、エチルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン、キシリレンジアミン、ジエチルアミン、メチルジエチルアミン、ジエチレントリアミン、ジメチルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、ピリジン、アニリン、ピペラジン、ジ−1−プロパノールアミン、2−ヒドロキシエチルアミノプロピルアミン、フェニレンジアミン等、多くのアルキルアミン類、アルカノールアミン類、芳香族アミン類や脂環式アミン類が挙げられ、単独または2種以上を混合して用いてもよい。
これらのアミン系分解剤の中でも、アルカノールアミン類、特に、ジエタノールアミンが好適である。
上記のポリウレタン弾性舗装の表層部の切削粉は、上記のアミン系分解剤と均一に混合し、化学的に分解され、粘稠な液状の分解生成物が得られる。
すなわち、切削粉とアミン系分解剤は、分解装置による加熱分解の際、予め別の混合槽で均一に混合して分解装置に装入して加熱分解しても、また、分解装置に切削粉と分解剤とを同時に装入し、加熱混合しながら分解してもよい。
アミン系分解剤の切削粉に対する添加量は、切削粉の100重量部に対して2.5〜10重量部である。
分解装置としては、切削粉とアミン系分解剤を均一に撹拌混合し、かつ加熱でき、緻密で均一な分解生成物が得られるものであれば特に限定はない。
分解生成物は、通常、100メッシュ程度の篩を通して、切削の際に紛れ込んだ異質物を除去する。
上記の切削粉のアミン系分解剤による化学的分解により、切削粉のポリウレタンは、アミノ基含有化合物及びポリオール化合物等の活性水素含有化合物に分解される。しかし、分解生成物中に含まれるこれらの化合物は、化合物の種類、含有量を明確に把握することはできない。そのため、切削粉のポリウレタンは、アミン系分解剤による化学的分解で活性水素含有化合物に分解されるものとして、分解生成物の水酸基価を求め、その水酸基価に基づいてポリウレタンの硬化剤として用いる。
弾性舗装において、分解生成物をポリウレタン材料の硬化剤として、有効にリサイクル使用するには、−NCO基含有のイソシアネート化合物と反応する活性水素含有化合物として、分解生成物の水酸基価を正確に測定する必要がある。
本発明は、切削粉をリサイクル使用するに際して、ポリオール及びアミン化合物等を活性水素含有化合物として含む分解生成物自体の水酸基価を、予め次の方法で測定し、その水酸基価に基づいて、その切削粉の分解生成物をリサイクル使用することを可能にした。
均一な液状物として得られた分解生成物の水酸基価は、次の2種類の規格による水酸基価測定法により測定する。
すなわち、分解生成物から水酸基価測定用試料を分離し、
(1)JIS K 1557−1:2007B法(フタル化法)で測定した水酸基価(OHV−Pという)と
(2)JIS K 1557−1:2007A法(アセチル化法)で測定した水酸基価(OHV−Aという)
の規格に従って水酸基価を測定する。
以下、分解生成物の水酸基価の測定について詳しく説明する。
上記の均一な液状の分解生成物から所定量の水酸基価測定用の試料を採取する。この試料中の沈殿物は、これらが十分に溶解する量の有機溶媒を加えて、加熱し、分解生成物中のポリオール及びアミン化合物等の活性水素含有化合物を溶解、抽出して、不溶物は濾過等で完全に除去し、濾過残渣中の活性水素含有化合物は溶媒で十分に洗浄抽出して、水酸基価の測定用試料を調製する。
このように調製された測定用試料を用いて、JIS K 1557−1:2007(ポリウレタン原料ポリオール試験法;9.B法−フタル化法)にしたがい測定し、同規格の9.2に記載の計算式により水酸基価を求める(OHV−P)。また、JIS K 1557−1:2007(ポリウレタン原料ポリオール試験法;8.A法−アセチル化)にしたがい測定し、同規格の8.2に記載の計算式により水酸基価を求める(OHV−A)。
ポリウレタン材料の分解生成物は、上記のいずれの方法によっても水酸基価を測定することができる。本発明者等の検討によると、ポリウレタン弾性舗装の表層部に使用されて、回収されたポリウレタン弾性層の切削粉をアミン系分解剤で化学分解した分解生成物は、上記の方法により測定したOHV−P及びOHV−Aの水酸基価が異なる値であった。
したがって、切削粉の分解生成物をポリウレタン材料として、再利用する場合、いずれの方法で測定された水酸基価を採用すれば、イソシアネート化合物と反応させて、元のポリウレタン弾性舗装の性能を再現できるかは定かではなかった。
本発明では、回収されたポリウレタン弾性舗装の表層部の切削粉を用い、元の諸性能を有するポリウレタン弾性舗装層を再現するためには、どのような方法で切削粉を分解処理し、得られた分解生成物中のアミノ化合物またはポリオール等の活性水素含有化合物の水酸基価を如何なる方法で測定し、どのように特定した水酸基価であれば、−NCO基を有するイソシアネート化合物と化学量論的に反応させて優れた性能を有するポリウレタン弾性舗装が得られるか鋭意検討した。
その結果、意外にも、水酸基価の測定方法として定められた上記の2種の水酸基価測定方法により求めた水酸基価、すなわち、JIS K 1557−1:2007B法(ポリウレタン原料ポリオール試験法;9.B法−フタル化法)に規定された方法により測定された水酸基価[OHV−P]およびJIS K 1557−1:2007A法(ポリウレタン原料ポリオール試験法;8.A法−アセチル化法)に規定された方法により測定された水酸基価[OHV−A]が、次式のOHV比、
OHV比=[OHV−P]/[OHV−A]
で0.9〜2.0の範囲にあることを確認した後、後者の水酸基価[OHV−A]が、分解生成物をイソシアネート化合物と反応させる硬化剤の水酸基価として適用できることを見出した。
すなわち、(1)2種類の水酸基価測定方法で測定した、切削粉の水酸基価が、本発明で見出した、前記のOHV比で0.9〜2.0の数値範囲にあることを確認して、(2)アセチル化法で測定した水酸基価(OHV−A)を分解生成物の水酸基価とし、(3)その水酸基価に基づいて、主剤イソシアネート化合物のイソシアネート基との反応当量比
“NCOインデックス” (NCO/OH)が0.8〜1.7の範囲で、(4)生成分解物を含む硬化剤と主剤のイソシアネート化合物と反応させて、原ポリウレタン弾性舗装層と同じように優れた特性を有するポリウレタン弾性舗装を再生することができる。
したがって、本発明における分解生成物を硬化剤としてのリサイクル使用は、分解生成物が上記の水酸基価の範囲を満たすものであるときに、それ自体を、またポリオール又はアミン化合物を新たに補充し、硬化剤として使用することができる。
また、回収される切削粉では、硬化剤に用いられるフィラーの一つである炭酸カルシウムが、一部失われていることがあるので、当該硬化剤に対し、炭酸カルシウムを最大30wt%以下の範囲において、適宜、添加することにより全天候弾性ポリウレタントラック舗装の舗装体として物性/運動特性が所望または改良調整された性能を有する弾性舗装に再生される。添加量が30wt%を超えると粘度が増し、作業性が低下する場合がある。
炭酸カルシウムと共に、所望により、本発明の効果を損なわない範囲で次のようなフィラーを添加してもよい。例えば、珪石粉末、ガラスビーズ、珪藻土、合成シリカ、珪石カルシウム、タルク、アタパルジャイト、カーボンブラック、アセチレンブラック、ファーネスブラック、黒鉛粉末、炭素繊維、窒化珪素、炭化珪素、三酸化アンチモン、二硫化モリブテン、酸化鉄、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイト、アルミナ、酸化ジルコン、水酸化アルミニウム、ベントナイト、ゼオライト、カオリンクレー、パイロフライト、セリナイト、マイカ、硫酸カルシウム、ケイ酸ジルコン、亜硫酸カルシウム、酸化チタン(ルチル)、酸化チタン(アナターゼ)、チタン酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛等が挙げられる。
なお、本発明の範囲内ではないが、OHV−P/OHV−A比が、本発明の規定値未満又は超える切削粉の分解生成物は、そのOHV−A値に対するNCOインデックスを所望の値にして選択したイソシアナート化合物と反応させて、所望の物性を有し、施工目的に応じた舗装等にリサイクル使用することができる。
また、本発明の切削粉を舗装表面の改修施工現場から産業廃棄物として持ち出さず、施工現場で分解生成物とし、これをその場でリサイクル使用できることが本発明の優れた特徴であるが、切削粉を舗装材料としてリサイクル使用する点では、切削粉の分解生成物への処理を、改修施工現場から離れた専用の処理場において再生処理を行って、種々の目的に応じた舗装材料として再生することもできる。
なお、上記の分解生成物を硬化剤として用いる弾性舗装層の施工において、用いられるイソシアネート化合物は、限定されるものではなく、原ポリウレタン弾性舗装に用いられていたイソシアネート化合物をはじめ、全天候ポリウレタン弾性舗装に用いられる化合物が適宜使用できる。また、分解生成物に追加して用いられることもある活性水素含有化合物も、特に限定されず、原ポリウレタン舗装に用いられた、または、用いることができる化合物を適宜使用できる。
以下、本発明を実施例及び比較例により具体的に説明する。ここに記載する実施例は本発明を限定するものではない。
また、ポリウレタンの諸物性は次の規格に準じて測定した。
硬さ:JIS K 6253(加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−硬さの求め方)、
引張強さ:JIS K 6251(加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方)、
伸び:JIS K 6251(加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方)、
引裂強さ:JIS K 6252(加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引裂強さの求め方)。
実施例1
(1.ポリウレタン弾性舗装の表層部の切削)
原施工後には表−1に示す諸性能を有したものであったが、施工後、10年間使用して、ポリウレタン舗装の表層のエンボス層が、摩耗し、凹凸がなくなった場所が見出されたポリウレタン弾性舗装の表層部を、乾式の切削装置(ライナックス社製)を用いて、約100mを深さ約2mmで均一に切削し、約120kgの切削粉を得た。この、切削粉の粒径は1mm以下であった。
Figure 0004143109
(2.ポリウレタン弾性舗装表層部の切削粉の化学的分解)
上記の切削粉300重量部を八切ミキサーに投与し、これにアミン系分解剤としてジエタノールアミン10重量部を投与し、20分間均一に混合した。
この混合した粉を1軸押出成形機〔L/D=28 ヒーター5点式、スクリュー径40mm〕により、スクリュー回転数200rpm、ヒーター(バレル)設定温度を、平均185℃とし、一軸押出し成形機の排出口に取り付けられた100メッシュの網を通して異物を除去して、緻密で均一な液状分解生成物を得た。
(3.分解生成物の水酸基価測定)
上記1のポリウレタン弾性舗装の表層部について、異なる4個所の改修現場から切削した4種類の切削粉を、それぞれ上記2の方法で化学的に分解し4種の液状の分解生成物を得た。
それぞれの分解生成物について、分解生成物を次のように処理し、水酸基価測定用の試料をそれぞれ採取した。
得られた分解生成物の約15gをコニカルビーカーに採り、そこにトルエンを20g入れ、100℃のオイルバス中に15分間入れた。分解生成物が完全に溶解したのを確認し、定量ろ紙(保留粒径1μm)を用いてろ過した。この作業は、分解生成物の抽出を完全にするため、コニカルビーカーをトルエンで洗い流し、再度ろ過し、また、ろ紙の周囲もトルエンで洗い流しながら行った。抽出完了後、多量にあったトルエンを130℃〜150℃のオイルバス中で揮発させ、重量を計測しながら揮発作業を行い、重量が恒量になった点で調整を終了し、水酸基価測定用の試料とした。
調製した試料の水酸基価を、JIS規格(プラスチック−ポリウレタン原料ポリオール試験方法−第1部:水酸基価の求め方)
JIS K 1557−1:2007B法(フタル化法)および
JIS K 1557−1:2007A法(アセチル化法)
に準じて測定した。測定値は表−2に示すとおりである。
Figure 0004143109
(4.分解生成物の硬化剤としてのリサイクル使用)
表−2に示す舗装A〜Dの分解生成物において、水酸基価の比(OHV比:OHV−P/OHV−A)は、舗装Aの分解生成物;1.11、舗装Bの分解生成物;1.17、舗装Cの分解生成物;2.20及び舗装Dの分解生成物;0.78であった。すなわち、舗装A及び舗装Bの分解生成物ではOHV比は、本発明で規定するOHV比の数値限定の範囲にあり、舗装Cの分解生成物では範囲を超え、舗装Dの分解生成物では範囲未満であった。
これらの分解生成物を硬化剤として用いるため、次の配合で均一に混練された組成物を調製した。
すなわち、
TSR−82M〔三井化学ポリウレタン株式会社、測定した水酸基価(OHV−A=
35.2)〕 50重量部
舗装Bの切削粉の分解生成物 50重量部
からなる組成物を調製した。
一方、主剤として分子末端にイソシアネート基を持つNCO含有率2.9%のウレタンプレポリマー(三井化学ポリウレタン株式会社製:P−306)、 107重量部
すなわち、硬化剤と主剤とをNCOインデックスを1.10として反応させて、表1に明記された各JIS規格に従い試験体を成形した。
成形物の諸物性を試験した結果は、表−3に示す通りであった。
実施例2〜5および比較例1〜2
実施例1で得られた舗装Bの分解生成物を用い実施例1と同様にTSR−82Mとからなる硬化剤組成物を調製し、NCOインデックスを変えて主剤のウレタンプレポリマー(P−306)と反応させた。NCOインデックスおよび得られたポリウレタンの物性を表−3に纏めて示す。
比較例3〜4
実施例1で得られた舗装CおよびDの分解生成物を用い実施例1と同様にTSR−82Mとからなる硬化剤組成物を調製し、NCOインデックスを1.10で主剤のウレタンプレポリマー(P−306)と反応させた。NCOインデックスおよび得られたポリウレタンの物性を表−3に纏めて示す。
Figure 0004143109
実施例6〜9
実施例1で得られた舗装Bの分解生成物を用い、実施例1と同様にTSR−82Mとからなり、さらに、炭酸カルシウムを0、3.3、8.3および18.5重量部をそれぞれ添加した硬化剤組成物を調製し、これらの硬化剤をNCOインデックス1.10で主剤のウレタンプレポリマー(P−306)と反応させた。得られたポリウレタンの物性を表−4に示す。
Figure 0004143109
実施例10〜13および比較例5
実施例1と同様の方法で舗装Eから表層部を切削し切削粉を得た。切削粉を実施例1と同様に分解し得られた分解生成物の水酸基価を測定した。水酸基価はOHV−Pが58.5、OHV−Aが49.3で、OHV比は1.19であった。
この分解生成物を新規の硬化剤TSR−82Mと混合して、かつ炭酸カルシウムを追加して添加したものと、追加しない場合を、硬化剤が全て新規な場合と比較した。それぞれの硬化剤組成物を調製し、これらの硬化剤をNCOインデックス1.10で主剤のウレタンプレポリマー(P−306)と反応させた。NCOインデックスおよび得られたポリウレタンの物性を表−5に示す。
Figure 0004143109
参考例1
異なる全天候ポリウレタン舗装陸上競技場の改修現場において切削して得られた切削粉を採取し、これらを実施例1に記載の方法で分解し、分解生成物の水酸基価を実施例1と同様の方法で測定した。これらのOHV−P、OHV−A、およびこれらのOHV−P/OHV−Aは表−6に示す。これらの分解生成物を主剤と反応させた、物性の評価を表−6に示す。
Figure 0004143109
本発明はポリウレタン弾性舗装のトラックのオーバーレイ改修リサイクル工事において廃出されるポリウレタン切削粉をその場で、化学的に分解(Aminolysis)後、再利用し、元来具備していた全天候弾性ポリウレタントラックとしての物性機能を再現して、現状に復する工法に関するものである。
全天候ポリウレタン弾性舗装体の改修工事における「資源活用」および「ゼロエミッション」による環境保全に係るリサイクル工法であり、産業上の利用価値は極めて大きいものである。
ポリウレタン弾性舗装の標準断面構成を示す。
符号の説明
1 ポリウレタン弾性舗装
2 アスコン層
3 下地処理層
4 弾性層
5 上塗耐久層
6 エンボス又はトッピング仕上層
7 表面トップコート層
8 表層部
9 基層部

Claims (3)

  1. ポリウレタン弾性舗装の表層部を切削除去し、得られた該表層部の切削粉にアミン系分解剤を添加して、切削粉中のポリウレタン成分を活性水素含有化合物に分解し、フィラー成分を分離除去した分解生成物について、JIS K 1557−1:2007B法で測定した水酸基価(以下、測定された水酸基価をOHV−Pと略記する)とJIS K 1557−1:2007A法で測定した水酸基価(以下、測定された水酸基価をOHV−Aと略記する)の比率、
    (OHV−P)/(OHV−A)=0.9〜2.0
    を満たすときの、JIS K 1557−1:2007A法で測定した水酸基価(OHV−A)を得られた分解生成物の水酸基価として、該分解生成物に含まれる活性水素含有化合物を、測定された水酸基価に対して化学量論的に反応するNCO基を有するイソシアネート化合物と反応させることを特徴とするポリウレタン弾性舗装のリサイクル舗装工法。
  2. 分解生成物の請求項に記載の水酸基価(OHV−A)に対して、NCOインデックス0.8〜1.7の範囲のイソシアネート化合物を反応させることを特徴とする請求項記載のリサイクル舗装工法。
  3. (1)ポリウレタン弾性舗装の表層部を切削除去し、得られた該表層部の切削粉にアミン系分解剤を添加して均一に撹拌混合し、アミン系分解剤により切削粉中のポリウレタン成分を活性水素含有化合物に分解し、(2)得られた分解生成物から、分解生成物中のフィラー成分を分離除去して、活性水素含有化合物を抽出した試料を調整し、該活性水素含有化合物の水酸基価をJIS K 1557−1:2007B法(OHV−P)及びJIS K 1557−1:2007A法(OHV−A)で測定し、測定された両水酸基価の比(OHV−P/OHV−A)が、0.9〜2.0の範囲を満たすとき、(3)該OHV−Aを水酸基価とする活性水素含有化合物を含む分解生成物を含有してなる硬化剤と、NCO基を有するイソシアネート化合物である主剤を、NCOインデックスが0.8〜1.7で反応させることを特徴とするポリウレタン弾性舗装のリサイクル舗装工法。
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