JP4143010B2 - 銅合金導体の製造方法 - Google Patents

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本発明は、高磁界発生用のロングパルスマグネット等の導体材料として有用な銅合金導体の製造方法に関するものである。
近年、高強度、高導電性を兼ね備えたCu−Ag合金が開発され、高磁界発生用のロングパルスマグネット等の導体材料として使用されている。
このCu−Ag合金は、鋳造時に銅基中に銅と銀の共晶相を網目状に形成させ、さらに加工中に熱処理を行うことにより銅基中に過飽和に固溶した銀を析出相として析出させ、冷間加工との組み合わせによりフィラメント状の組織を得ることで、高い強度と導電率を両立させたものである。
このようなCu−Ag合金の例として、特許文献1に記載されたものがある。
この例においては、Cu基中に4乃至32at%のAgを含むCu−Ag合金を鋳造、冷間加工後、温度300〜500℃で0.5〜5時間の析出熱処理と冷間加工とを繰り返して施すことで、800乃至900MPa程度の引張強度と80%程度の導電率(IACS)を有する、高磁界ロングパルスマグネット用のCu−Ag合金導体が得られている。
また、別の例として、特許文献2では、Cu基中に10乃至20at%のAgを含むCu−Ag合金を連続鋳造し、減面率80%以上の冷間加工の後に温度250〜350℃で1時間以上熱処理し、減面率90%以上の冷間加工を行うことで、800乃至1100MPa程度の引張強度と80%程度の導電率(IACS)を有する、高磁界ロングパルスマグネット用のCu−Ag合金導体が得られている。
特公平7−109027号公報 特許第2566877号公報
このように、Cu−Ag合金線材における従来の中間熱処理は、250℃から500℃の温度で数時間保持するバッチ式熱処理により行われているのが一般的である。
しかしながら、中間熱処理においてバッチ式熱処理を施した場合、線材の表面が酸化により変色を生じる場合があった。
更に、バッチ式熱処理においては、線材同士が粘着し次の工程へ線材が送り出せないという問題が生じる場合があった。この問題の対策として、900℃程度の高温に加熱された管状炉の中を数秒〜1分程度走行させる方法も試みられているが、この方法では線材が十分に加熱されず、更に温度を上げる、又は熱処理時間を長くする等の対策が必要となる。しかし、この場合は、線が加熱されすぎて溶断するといった不具合が生じる。更に、上記問題における別な対策として通電加熱による方法があるが、この方法も線の溶断寸前まで出力を上げる必要があり、現実的に不可能である。
従って、本発明の目的は、線材表面の酸化による変色を抑制することができるとともに、素線同士の粘着を抑制できる銅合金導体の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の銅合金導体の製造方法は、1〜10mass%のAgを含有し残部がCu及び不可避の不純物からなる銅合金に、3.0×103Pa以下の圧力下でプラズマ放電による熱処理を施すことを特徴とする。
更に、本発明の銅合金導体の製造方法は、1〜10mass%のAgを含有し残部がCu及び不可避の不純物からなる銅合金に、3.0×103Pa以下の圧力下でプラズマ放電による熱処理を施した後、最終的に線径0.2mm以下の極細線に伸線することを特徴とする。
また、本発明の銅合金導体の製造方法は、1〜10mass%のAg、0.01〜0.5mass%のMgを含有し残部がCu及び不可避の不純物からなる銅合金に、3.0×103Pa以下の圧力下でプラズマ放電による熱処理を施すことを特徴とする。
更に、本発明の銅合金導体の製造方法は、1〜10mass%のAg、0.01〜0.5mass%のMgを含有し残部がCu及び不可避の不純物からなる銅合金に、3.0×103Pa以下の圧力下でプラズマ放電による熱処理を施した後、最終的に線径0.2mm以下の極細線に伸線することを特徴とする。
本発明の銅合金導体の製造方法によれば、銅合金に3.0×103Pa以下の圧力下でプラズマによる熱処理を施しているため、従来のバッチ式熱処理において数時間要していた熱処理を60秒程度の極めて短時間行うことができる。また、熱処理後に急冷されることにより、表面酸化による変色や素線同士の粘着を抑制することができる。このため、従来よりも短時間で変色が無く高品質の銅合金極細線を提供できるとともに、歩留まりを向上させることが可能となる。従って、本発明の製造方法により得られた銅合金導体は、高磁界ロングパルスマグネット用のみならず、携帯電話や医療用のカテーテルなどに使用される極細同軸ケーブルなどへ好適に適用することができるものとなる。
本発明の銅合金導体の製造方法において、3.0×103Pa以下の圧力下で得られるプラズマは、一般に非平衡プラズマと呼ばれ、電離電子の温度は約20000℃まで達するが、電離気体及び中性気体の温度はほとんど常温である。このプラズマを熱処理に利用することにより、ヒータによる加熱よりも急速に加熱、冷却ができ、さらに、材料表面に付着している潤滑油などの汚染物質の除去や、表面酸化膜の除去が可能となる。
また、本発明において、圧力を3.0×103Pa以下としているのは、3.0×103Paを超えると、雷に代表されるように非常に大きな電流を必要とし、安定してプラズマを発生させるためには大きな電源を用意しなければならなくなるためである。
更に、本発明の銅合金におけるAgの含有量を1〜10mass%としているのは、1mass%未満では所望の強度が得られないからであり、10mass%を超えると材料コストが大きくなりすぎるためである。
また、プラズマ放電による熱処理後に伸線加工を施し、極細線の線径を0.2mm以下とすることにより、熱処理後の加工度を大きくとることができ、更に引張強度に優れた極細線とすることが可能となる。
更に、Mgを添加することにより、導電率を低下させずに強度を上げることができる。Mgの濃度は、0.01〜0.5mass%が好ましい。0.01mass%未満では十分な添加効果が得られず、0.5mass%を超えると材料の鋳造性が著しく低下してしまう。
本発明の銅合金導体の製造方法において対象となる銅合金は、上述した銅−銀合金、及び銅−銀−マグネシウム合金だけでなく、例えば、繊維強化型銅合金として銅−ニオブ合金、銅−鉄合金、銅−クロム合金等への応用が可能である。
Cu−2mass%Ag合金を線径2.0mmに伸線した後、表1に示す条件でプラズマ熱処理を行った。なお、プラズマ熱処理は、マグ社製のプラズマ熱処理炉(Purple Jet)を使用し、気体には窒素ガスを用いた。得られた材料の表面は清浄であったため、そのまま引張強さ、伸び、導電率を測定した。結果を表1に併せて示す。
Figure 0004143010
実施例1のサンプル3を線径0.16mm、線径0.04mmに伸線した。得られた材料について、引張強さ、伸び、導電率を測定した。結果を表2に示す。
Figure 0004143010
Cu−5mass%Ag−0.05mass%Mg合金を線径0.9mmに伸線した後、表3に示す条件でプラズマ熱処理を行った。得られた材料の表面は清浄であったため、そのまま、引張強さ、伸び、導電率を測定した。結果を表3に併せて示す。
Figure 0004143010
実施倒3のサンプル8を線径0.2mm、0.04mmに伸線した。得られた材料について、引張強さ、伸び、導電率を測定した。結果を表4に示す。
Figure 0004143010
比較例1
一方、Cu−2mass%Ag合金を線径2.0mmに伸線した後、表5に示す条件でバッチ式熱処理を行った。得られた材料の表面は、実施例1のサンプル1〜3、実施例3のサンプル6〜8とは異なり、酸化による変色が認められた。変色部を研磨にて除去し、引張強さ、伸び、導電率を測定した。結果を表5に併せて示す。
Figure 0004143010
比較例2
比較例1のサンプル13の変色部を研磨にて除去し、線径0.16mm、0.04mmまで伸線した。線径0.16mmについては問題なく伸線できたが、線径0.04mmについては、実施例2のサンプル5、実施例4のサンプル10と比較して短尺の材料しか得ることができなかった。
以上の結果より、実施例におけるプラズマ熱処理を用いて製造した材料は、比較例におけるバッチ式熱処理を用いて製造した材料において認められた変色がなく、引張強さ、伸び、導電率共、良好であることが確認できた。なお、最適条件は材料の組成、線径により異なるが、実施例2の形態によれば、素材の銀濃度が低いにもかかわらず現在使用されているCu−0.6mass%Snを上回る強度とCu−0.3mass%Snを上回る導電率を兼ね備えており、特性とコストのバランスの点から好ましいことが判った。

Claims (4)

  1. 1〜10mass%のAgを含有し残部がCu及び不可避の不純物からなる銅合金に、3.0×103Pa以下の圧力下でプラズマ放電による熱処理を施すことを特徴とする銅合金導体の製造方法。
  2. 1〜10mass%のAgを含有し残部がCu及び不可避の不純物からなる銅合金に、3.0×103Pa以下の圧力下でプラズマ放電による熱処理を施した後、最終的に線径0.2mm以下の極細線に伸線することを特徴とする銅合金導体の製造方法。
  3. 1〜10mass%のAg、0.01〜0.5mass%のMgを含有し残部がCu及び不可避の不純物からなる銅合金に、3.0×103Pa以下の圧力下でプラズマ放電による熱処理を施すことを特徴とする銅合金導体の製造方法。
  4. 1〜10mass%のAg、0.01〜0.5mass%のMgを含有し残部がCu及び不可避の不純物からなる銅合金に、3.0×103Pa以下の圧力下でプラズマ放電による熱処理を施した後、最終的に線径0.2mm以下の極細線に伸線することを特徴とする銅合金導体の製造方法。

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