JP4142844B2 - 油圧システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油圧システムに係り、詳しくは、エンジンで駆動されるポンプを備え油圧必要部位に油圧を供給する油圧システムに関する。
【0002】
【背景技術】
従来より、たとえばモータグレーダのように複数の作業機系統を有した建設機械等は、これら作業機系統に油圧を供給する油圧システムを備えている。油圧システムでは、複数の作業機系統にコンスタントに油量を供給するため、油圧ポンプとして大容量ポンプが採用されている。この大容量ポンプの駆動軸は、エンジンのたとえばクランク軸やカム軸等にプーリおよびタイミングベルト等から構成された伝達機構を介して連結されており、エンジンによって大容量ポンプが駆動するようになっている。
【0003】
ところで、エンジンの始動時において、エンジンは、通常スタータによって回転され始める。このため、大容量ポンプを備えた建設機械等において、エンジンのクランク軸等に大容量ポンプが接続されていると、スタータに大容量ポンプの分の負荷がかかり、エンジンの回転数が上がりにくくなる。特に、寒いときには、尚更エンジンがかかりにくくなる。
また、ステアリング系統やブレーキ系統に蓄圧機構を有する油圧システムにおいては、エンジンの始動とともに、大容量ポンプによるアキュムレータへの蓄圧が始まるので、エンジン始動時に大きな油圧トルクが発生し、スタータへの負担がさらに大きくなって、エンジンの回転数がよりあがりにくくなり、エンジンがかかりにくくなる。
【0004】
このような問題を解決するため、エンジンの始動前に、手動切換操作によって大容量ポンプをエンジンから切り離し、それからスタータでエンジンを始動させ、エンジンの回転数が安定した後に、手動切換操作によって再び大容量ポンプをエンジンに連結し、これによりエンジンの始動性を向上させることが考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したようなエンジンから大容量ポンプを切り離す構造では、エンジン始動時、オペレータは、エンジンから大容量ポンプを切り離すという操作を行う必要があり、また、エンジン始動後には、大容量ポンプを再びエンジンに接続するという操作を行う必要があって手間がかかるという問題がある。また、エンジン始動後に、オペレータが大容量ポンプとエンジンとの再接続を忘れてしまうと、油圧が立ち上がっていないので、大容量ポンプをエンジンに接続して油圧が立ち上がるまで作業機系統が使用できないという問題も生じる。
【0006】
本発明の目的は、エンジン始動時において、スタータにかかる油圧ポンプの負荷を軽減できる油圧システムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の油圧システムは、上記目的を達成するために、以下の構成を備える。
請求項1に記載の発明は、油を収納するタンクと、エンジンで駆動されて前記タンクから油を汲み上げる可変容量ポンプと、前記可変容量ポンプからの油を作業機系統に供給する第1供給用管路と、前記可変容量ポンプからの油を少なくともアキュムレータを有するブレーキ系統を含む油圧必要部位に供給する第2供給用管路と、前記可変容量ポンプからの油の供給を前記第1供給用管路または前記第2供給用管路に切換可能な第1パイロット切換弁と、前記作業機系統の要求流量によって前記可変容量ポンプの斜板角を変化させる第2パイロット切換弁と、前記第2供給用管路から分岐されて前記第1パイロット切換弁と前記第2パイロット切換弁にパイロット圧を供給するブレーキ系統パイロット管路と、前記ブレーキ系統パイロット管路とタンクとの間を連通・遮断する電磁切換弁とを備え前記エンジン始動の際に前記電磁切換弁を連通位置に切り換えて前記ブレーキ系統パイロット管路の圧油をタンクにドレンさせることにより、前記第1パイロット切換弁を前記第1供給用管路側に切換え、前記第2パイロット切換弁を前記可変容量ポンプの斜板角を小さくする方向に切換えることを特徴とするものである。
【0008】
この発明によれば、ブレーキ系統パイロット管路とタンクとの間を連通・遮断する電磁切換弁を設け、この電磁切換弁をエンジンの始動と連動させるように構成した。このため、エンジン始動の際に電磁切換弁でブレーキ系統パイロット管路とタンクとの間の連通・遮断をコントロールすることにより、エンジンにかかる負担が小さくなり、エンジンを始動させる、たとえばスタータの負担が軽くなって、エンジンの始動性が良好になる。
【0013】
請求項に記載の発明は、請求項に記載の油圧システムにおいて、前記エンジンが始動してから所定時間経つまで、前記電磁切換弁の連通状態を保持する遅延回路が設けられていることを特徴とするものである。この発明によれば、電磁切換弁には遅延回路が設けられているから、エンジンの回転が安定するまで、電磁切換弁の開閉状態を保持できる。これにより、回転が不安定であるエンジンの始動直後に、ポンプに負荷がかかるのを防止できて、エンジンストップをより有効に防止できる
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本実施形態に係る油圧システム1が示されている。油圧システム1は、図示しないモータグレーダ等の建設機械に設けられたものであり、建設機械が有する第1作業機系統1A、第2作業機系統1B、ステアリング系統1C、およびブレーキ系統1Dに油圧を供給するものである。なお、第1作業機系統1A、第2作業機系統1B、ステアリング系統1C、およびブレーキ系統1Dは、図示は省略するが、建設機械に設けられた第1作業機機構(たとえば、図示しないブレードを上下動させる機構やリッパーを作動させる機構等)、第2作業機機構(たとえば、図示しないドローバーをシフトさせる機構等)、ステアリング機構、およびブレーキ機構をそれぞれ作動させるための油圧回路である。
このような油圧システム1は、油を収納するタンク11を備え、このタンク11には斜板式の可変容量ポンプ12が接続され、この可変容量ポンプ12によりメイン管路21に圧力油が供給されている。
【0015】
可変容量ポンプ12は、建設機械に設けられたエンジン1Eによって駆動されるものであり、その駆動軸は、エンジン1Eのたとえばクランクシャフトやカムシャフト等にプーリやタイミングベルト等から構成された伝達機構を介して接続されている。エンジン1Eは、スタータ1Fに接続されており、このスタータ1Fに接続されたキースイッチ1GがSTARTに入ると、スタータ1Fが作動して始動するようになる。
【0016】
メイン管路21には、フィルタ13が設けられているとともに、その先端には3ポート2位置切換の第1パイロット切換弁14が設けられている。この第1パイロット切換弁14の入口であるPポートには、メイン管路21が接続され、出口であるAポートおよびBポートには、それぞれ第1供給用管路22および第2供給用管路23が接続されている。
第1パイロット切換弁14が位置(イ)のとき、メイン管路21と第1供給用管路22とが接続されるとともに、第2供給用管路23が遮断され、位置(ロ)のとき、メイン管路21と第2供給用管路23とが接続されるとともに、第1供給用管路22が遮断されるようになっている。
【0017】
第1供給用管路22の先端は、2つに分岐されており、分岐された一方の第1作業機用管路24は第1作業機系統1Aに接続され、他方の第2作業機用管路25は、第2作業機系統1Bに接続されている。
第1供給用管路22の途中には、各作業機系統1A,1Bから第1パイロット切換弁14への流れを防止する第1チェック弁15が設けられている。
第2供給用管路23は、その先端が2つに分岐されており、分岐された一方のステアリング用管路26はステアリング系統1Cに接続され、他方のブレーキ用管路27はブレーキ系統1Dに接続されている。このうち、ブレーキ用管路27には、第2チェック弁20およびアキュムレータ16が順に直列に設けられている。第2チェック弁20は、ブレーキ系統1Dから第1パイロット切換弁14への流れを防止している。
【0018】
第1パイロット切換弁14には、当該第1パイロット切換弁14にパイロット圧をそれぞれ導く第1パイロット管路14Aおよび第2パイロット管路14Bが接続されている。第1パイロット管路14Aは、第2チェック弁20よりも上流側のブレーキ用管路27に接続された管路54に接続されている。第2パイロット管路14Bは、第2供給用管路23の途中に接続されている。
第1パイロット切換弁14は、パイロット圧がかかってないとき、ばね圧によって常に位置(ロ)にあり、第2パイロット管路14Bからのパイロット圧が、ばね圧と第1パイロット管路14Aからのパイロット圧とを合わせた圧力を超えると、位置(イ)に切り換わる。
【0019】
可変容量ポンプ12は、前述したように斜板式であり、その斜板角を変化させる油圧シリンダ121およびピストン122が設けられている。ピストン122が図中左側に移動すると、斜板角が大きくなって可変容量ポンプ12の出力が大きくなり、ピストン122が図中右側に移動すると、斜板角が小さくなって可変容量ポンプ12の出力が小さくなる。
ピストン122の径は、図中左側が大径、図中右側が小径となっており、油圧シリンダ121もピストン122の形状に対応して形成されている。油圧シリンダ121の大径側121A(図中左側)および小径側121B(図中右側)に略同等の油圧が供給されると、ピストン122の大径側(図中左側)の方が小径側(図中右側)よりも受圧面積が大きいから、ピストン122が図中右側に移動する。
【0020】
このような油圧システム1には、各作業機系統1A,1B、ステアリング系統1C、およびブレーキ系統1Dからの油の要求流量を可変容量ポンプ12に伝えるロードセンシング回路100が設けられている。このロードセンシング回路100によって、可変容量ポンプ12の出力が変化するようになっている。
ロードセンシング回路100は、可変容量ポンプ12のメイン管路21に接続されたポンプ吐出圧用管路41を備え、このポンプ吐出圧用管路41は、油圧シリンダ121の大径側121Aおよび小径側121Bに、可変容量ポンプ12の吐出圧を供給している。
【0021】
ポンプ吐出圧用管路41の先端は2つの管路42,43に分岐されており、分岐された一方の小径側管路42は油圧シリンダ121の小径側121Bに接続され、他方の管路43は3ポート2位置切換の第2パイロット切換弁17のCポートに接続されている。
第2パイロット切換弁17のDポートおよびEポートには、それぞれ第1ドレン管路44および大径側管路45が接続されている。第1ドレン管路44は、その先端がタンク11に接続され、大径側管路45は、その先端が油圧シリンダ121の大径側121Aに接続されている。第2パイロット切換弁17が位置(ハ)のとき、大径側管路45と第1ドレン管路44とが接続されるとともに、他方の管路43が遮断され、位置(ニ)のとき、大径側管路45と他方の管路43とが接続されるとともに、第1ドレン管路44が遮断されるようになっている。
そして、この第2パイロット切換弁17により、可変容量ポンプの吐出圧が管路41,43,45を介して油圧シリンダ121の大径側121Aに供給されるようになっている。
【0022】
第2パイロット切換弁17には、当該第2パイロット切換弁17にパイロット圧をそれぞれ導く第3パイロット管路17Aおよび第4パイロット管路17Bが接続されている。
第2パイロット切換弁17は、パイロット圧がかかってないとき、ばね圧によって常に位置(ハ)にあり、第3パイロット管路17Aからのパイロット圧が、ばね圧と第4パイロット管路17Bからのパイロット圧とを合わせた圧力を超えると、位置(ニ)に切り換わる。
【0023】
このような第2パイロット切換弁17の各パイロット管路17A,17Bに接続される管路を、以下に詳しく説明する。
第1作業機系統1A、第2作業機系統1B、およびステアリング系統1Cには、各系統1A,1B,1Cにおける入口圧をそれぞれ導き出す第1入口圧用管路31、第2入口圧用管路32、および第3入口圧用管路33がそれぞれ接続されている。なお、入口圧とは、各系統1A,1B,1Cに設けられた図示しない操作弁の入口圧のことである。
これら管路31〜33は、その先端で、第3パイロット管路17Aに合流されており、この第3パイロット管路17Aは、各系統1A,1B,1Cの入口圧をパイロット圧として、第2パイロット切換弁17に導いている。つまり、第3パイロット管路17Aは第2パイロット切換弁17にロードセンシング(LS)ポンプ圧を導いている。
【0024】
一方、第1作業機系統1Aおよび第2作業機系統1Bには、各系統1A,1Bにおける出口圧をそれぞれ導き出す第1出口圧用管路51および第2出口圧用管路52がそれぞれ接続されている。なお、出口圧とは、各系統1A,1Bに設けられた図示しない操作弁の出口圧のことである。
これら管路51,52は、その先端で合流されており、合流した管路53の先端は、第3チェック弁18の上流側に接続されている。
また、ブレーキ用管路27に接続された管路54の先端は2つに分岐されており、一方の管路は上述した第1パイロット管路14Aであり、他方の管路55は、その先端で2つの管路56,57に分岐されている。
管路56は、前述した管路53が接続された第3チェック弁(流路選択弁))18の上流側に接続され、管路57は、2ポート2位置切換の電磁切換弁19の一方のポートに接続されている。電磁切換弁19の他方のポートには、第2ドレン管路58が接続され、この第2ドレン管路58の先端はタンク11に接続されている。
【0025】
電磁切換弁19が位置(ホ)のとき、管路57および第2ドレン管路58が遮断され、位置(ヘ)のとき、管路57と第2ドレン管路58とが接続されるようになっている。電磁切換弁19は、エンジン1Eのキースイッチ1Gに接続されており、キースイッチ1Gから送られる入力信号によって位置切り換えされ、通常、ばね圧により位置(ホ)にあるが、キースイッチ1GがSTARTに入ると、入力信号が送られて位置(ヘ)に切り換わるようになっている。
また、キースイッチ1Gと電磁切換弁19との間には、遅延回路としてのタイマ19Aが設けられている。タイマ19Aにキースイッチ1Gからの入力信号が与えられると、タイマ接点が閉じて電磁切換弁19に入力信号が送られ、一方、キースイッチ1Gからの入力信号が途絶えると、一定時間後にタイマ19Aのタイマ接点が開いて電磁切換弁19に入力信号が送られないから電磁切換弁19が位置(ホ)に切り換わる。
【0026】
管路53および管路56の両方が接続された第3チェック弁18の下流側には、上述の第4パイロット管路17Bが接続され、第3チェック弁18は、2つの管路53,56のうち、油圧の高い方の管路の油をパイロット圧力油として、下流側の第4パイロット管路17Bに供給している。つまり、第4パイロット管路17Bは、第2パイロット切換弁17にロードセンシング(LS)圧を導いている。
【0027】
なお、本発明の供給用油圧回路は、メイン管路21、第1および第2供給用管路22,23、第1および第2作業機用管路24,25、ステアリング用管路26、およびブレーキ用管路27だけに限らず、各系統1A〜1D内に設けられた図示しない管路等も含んで構成されている。
また、ロードセンシング回路100としては、第2パイロット切換弁17、第3および第4パイロット管路17A,17B、第3チェック弁18、第1〜第3入口圧用管路31〜33、ポンプ吐出圧用管路41、小径および大径側管路42,45、第1および第2出口圧用管路51,52、各管路43,53〜57、第1および第2ドレン管路44,58を含んで構成されている。
【0028】
次に、本実施形態の作用を説明する。
運転者が、キースイッチ1GをSTARTに入れると、入力信号が与えられて電磁切換弁19が位置(ヘ)に切り換えられるとともに、スタータ1Fが作動してエンジン1Eの図示しないカムシャフトやクランクシャフト等が回転し始める。
すると、エンジン1Eに接続された可変容量ポンプ12が駆動されて、タンク11の油を汲み上げていく。第1パイロット切換弁14は、パイロット圧がかかってないときは、ばね圧によって常に位置(ロ)にあるから、汲み上げられた油は、第2供給用管路23、ステアリング用管路26、およびブレーキ用管路27を通って、それぞれステアリング系統1Cおよびブレーキ系統1Dに供給される
【0029】
ブレーキ用管路27を通って管路54を流れる油は、管路57が電磁切換弁19を介して第2ドレン管路58に接続されて管路55内が低圧になっているから、第1パイロット管路14Aの油圧が、第2供給用管路23に接続された第2パイロット管路14Bの油圧よりも低くなって、ばね圧と第1パイロット管路14Aからのパイロット圧とを合わせた圧力が、第2パイロット管路14Bからのパイロット圧よりも小さくなると、第1パイロット切換弁14が位置(イ)に切り換わる。
【0030】
すると、可変容量ポンプ12で汲み上げられた油は、第1供給用管路22、第1作業機用管路24、および第2作業機用管路25を通って、それぞれ第1作業機系統1Aおよび第2作業機系統1Bに供給される。
運転者がキースイッチ1Gを回して、エンジン1Eを始動させようとしているときは、通常、図示しない第1作業機および第2作業機の動作は停止している。つまり、第1作業機系統1Aおよび第2作業機系統1Bの図示しない各操作弁が締められている状態にある。従って、第1作業機系統1Aおよび第2作業機系統1Bにおいて、出口圧よりも入口圧の方が高くなり、第2パイロット切換弁17は、第3パイロット管路17Aからのパイロット圧(入口圧)が、ばね圧と第4パイロット管路17Bからのパイロット圧(出口圧)とを合わせた圧力を超えると、位置(ニ)に切り換わる。
第2パイロット切換弁17が位置(ニ)の状態にあると、可変容量ポンプ12の吐出圧が、管路41,43,45を通って油圧シリンダ121の大径側121Aに与えられるから、ピストン122が図中右方向へ移動し、可変容量ポンプ12の斜板角が小さくなってポンプ出力が小さくなる。
これにより、エンジン1E始動時における可変容量ポンプ12の出力を、たとえば最小にできる(可変容量ポンプ12の斜板角を零または零に近い値にできる)ので、可変容量ポンプ12を駆動させるエンジン1E、ひいてはスタータ1Fの負担を低減できて、エンジン1Eの始動性が良好となる。
【0031】
エンジン1Eが始動すると、運転者がキースイッチ1Gから手を離すので、たとえばばね圧等により、キースイッチ1GがSTARTからONに切り換わる。キースイッチ1Gおよび電磁切換弁19間にはタイマ19Aが設けられているから、キースイッチ1GがONに切り換わった後も、一定時間は、電磁切換弁19は、位置(ヘ)にある。すなわち、上述したように可変容量ポンプ12の出力は小さいままとなっている。
【0032】
キースイッチ1GがONに切り換わってから一定時間経過後、タイマ19Aからの信号がなくなるため、電磁切換弁19が位置(ホ)に切り換わる。すると、管路57と第2ドレン管路58とが遮断されるから、管路57,56,55,14Aの油圧が高くなる。
管路56の油圧が管路53の油圧よりも高くなると、第3チェック弁18を介して管路56内の油が第4パイロット管路17Bへ供給される。第2パイロット切換弁17は、ばね圧と第4パイロット管路17Bのパイロット圧とを合わせた圧力が、第3パイロット管路17Aのパイロット圧を超えると、位置(ハ)に切り換わる。
【0033】
すると、可変容量ポンプ12の吐出圧が油圧シリンダ121の小径側121Bにのみ供給されるとともに、管路45と第1ドレン管路44とが接続されるから、ピストン122が図中左方向へ移動されて、油圧シリンダ121の大径側121Aの油が管路45,44を通ってタンク11に戻る。これにより、可変容量ポンプ12の斜板角が大きくなってポンプ出力が大きくなる。
また、管路55の油圧が高くなると、第1パイロット管路14Aのパイロット圧も高くなり、第1パイロット切換弁14は、ばね圧と第1パイロット管路14Aのパイロット圧とを合わせた圧力が、第2パイロット管路14Bのパイロット圧を超えると、位置(ロ)に切り換わる。これにより、エンジン1E始動後、所定時間たった後にアキュムレータ16への蓄圧開始される。
【0034】
上述のような本実施形態によれば、次のような効果がある。
(1)各系統1A〜1Dからの油の要求流量がロードセンシング回路100を通して可変容量ポンプ12まで伝えられ、これにより可変容量ポンプ12の出力が変更するようになっている。このようなロードセンシング回路100の途中に、当該ロードセンシング回路100を遮断および開放する電磁切換弁19を設け、この電磁切換弁19をエンジン1Eの始動と連動するように設けたので、エンジン1E始動時にロードセンシング回路100の開放・遮断をコントロールでき、ロードセンシング回路100の開閉にともなって、可変容量ポンプ12の出力を変更できる。従って、エンジン始動の際、可変容量ポンプ12の出力を変更して、可変容量ポンプ12の出力が最小となるように設定したので、エンジン1Eにかかる負担を小さくでき、エンジン1Eを始動させるスタータ1Fの負担を軽くできて、エンジン1Eの始動性を良好にすることができる。
【0035】
(2)電磁切換弁19をキースイッチ1Gに接続するとともに、キースイッチ1GがSTARTに入ったときに、電磁切換弁19に通電するようにしたので、エンジン1Eの始動と、電磁切換弁19の切換動作とを容易に連動させることができる。
【0036】
(3)電磁切換弁19にはタイマ19Aが設けられているから、エンジン1Eの回転が安定するまで、電磁切換弁19の開閉状態を保持できる。これにより、回転が不安定であるエンジン1Eの始動直後に、可変容量ポンプ12に負荷がかかるのを防止できて、エンジンストップを防止できる。
【0037】
(4)電磁切換弁19は、パイロット圧力油が流れるロードセンシング回路100の途中に設けられているので、たとえばメイン管路21、第1供給用管路22、第2供給用管路23、あるいはブレーキ用管路27等の主管路に電磁切換弁を設置する場合よりも、小型の電磁切換弁を採用できて安価にできる。
【0047】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良は、本発明に含まれるものである。
たとえば、前記実施形態では、斜板式の可変容量ポンプ12を用いたが、本発明に係る可変容量ポンプはこれに限定されるものではなく、たとえば斜軸式の可変容量ポンプであってもよい。
【0049】
前記実施形態では、タイマ19Aを用いて遅延回路を構成したが、本発明に係る遅延回路としては、たとえば、エンジン1Eを制御するエンジン制御コンピュータ(図示せず)に備わっているタイマを用いてもよく、このような場合にも、タイマ19Aを用いたときと同様な効果を得ることができる。
【0051】
前記実施形態では、電磁切換弁19にタイマ19Aを設けたが、タイマは必ずしも設ける必要はなく、タイマを設けない場合も本発明に含まれる。しかしながら、タイマを設けた方が、エンジン始動後、回転が安定してからポンプの負荷がエンジンにかかるので、エンジンストップをより確実に防止できる。
【0052】
【発明の効果】
本発明の油圧システムによれば、エンジン始動時において、スタータにかかる油圧ポンプの負荷を軽減できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る油圧システムを示す油圧回路図である。
【符号の説明】
1,2 油圧システム
1A 作業機系統である第1作業機系統
1B 作業機系統である第2作業機系統
1C 油圧必要部位であるステアリング系統
1D 油圧必要部位であるブレーキ系統
1E エンジン
11 タンク
12 可変容量ポンプ
14 第1パイロット切換弁
16 アキュムレータ
17 第2パイロット切換弁
19 電磁切換弁
19A 遅延回路であるタイマ
22 第1供給用管路
23 第2供給用管路

Claims (2)

  1. 油を収納するタンクと、
    エンジンで駆動されて前記タンクから油を汲み上げる可変容量ポンプと、
    前記可変容量ポンプからの油を作業機系統に供給する第1供給用管路と、
    前記可変容量ポンプからの油を少なくともアキュムレータを有するブレーキ系統を含む油圧必要部位に供給する第2供給用管路と、
    前記可変容量ポンプからの油の供給を前記第1供給用管路または前記第2供給用管路に切換可能な第1パイロット切換弁と、
    前記作業機系統の要求流量によって前記可変容量ポンプの斜板角を変化させる第2パイロット切換弁と、
    前記第2供給用管路から分岐されて前記第1パイロット切換弁と前記第2パイロット切換弁にパイロット圧を供給するブレーキ系統パイロット管路と、
    前記ブレーキ系統パイロット管路とタンクとの間を連通・遮断する電磁切換弁とを備え
    前記エンジン始動の際に前記電磁切換弁を連通位置に切り換えて前記ブレーキ系統パイロット管路の圧油をタンクにドレンさせることにより、前記第1パイロット切換弁を前記第1供給用管路側に切換え、前記第2パイロット切換弁を前記可変容量ポンプの斜板角を小さくする方向に切換える
    ことを特徴とする油圧システム。
  2. 請求項に記載の油圧システムにおいて、
    前記エンジンが始動してから所定時間経つまで、前記電磁切換弁の連通状態を保持する遅延回路が設けられている
    ことを特徴とする油圧システム。
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