JP4141989B2 - 液体漂白性組成物、及びその製造方法、並びに液体漂白性組成物の粘度安定化方法 - Google Patents

液体漂白性組成物、及びその製造方法、並びに液体漂白性組成物の粘度安定化方法 Download PDF

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Description

本発明は、トリガースプレー式又は塗布型の容器に収容される、過酸化水素系の液体漂白性組成物、及びその製造方法、並びに液体漂白性組成物の粘度安定化方法に関する。
衣料の部分漂白剤等として、トリガースプレー式又は塗布型の容器に収容して用いられる、過酸化水素系の液体漂白性組成物が知られている。かかる組成物では、容器を傾ければ多量の液が流出するボトル型容器に収容するタイプと異なり、組成物の容器からの吐出容易性と、漂白性能に繋がる漂白対象と吐出物との付着性とのバランスから、組成物の粘度が重要とされている。
従来、漂白性組成物の粘度調整は、特定温度(通常20〜25℃の常温)における粘度を、特定範囲内に調整することが一般的である。しかしながら、温度の上昇に伴って粘度が低下するなど、一般に粘度は環境温度によって変動する。したがって、特定温度の粘度を調整するだけでは、気温の高い夏場や気温の低い冬場において、吐出容易性と付着性の一方が不良になる恐れがある。
温度に対する粘度変化を抑制することを目的とした過酸化水素系の漂白性組成物としては、従来、
(1)ノニオン性界面活性剤を用いて粘度を調整するもの(特許文献1)、
(2)HLBの異なる複数種のノニオン性界面活性剤を特定比で併用するもの(特許文献2)、
(3)特定の曇点を有するノニオン性界面活性剤と、アニオン性界面活性剤とを特定比で併用するもの(特許文献3)等が開示されている。
特開平11−279594号公報 特開平9−188895号公報 特開平11-293283号公報
上記先行技術はいずれも、ノニオン性界面活性剤を必須とし、その種類や量、あるいはアニオン性界面活性剤との組み合わせを特定することで、温度に対する粘度変化を抑制している。しかしながら、この手段では、使用する界面活性剤に制限があるため、組成物の設計自由度が著しく低く、用途等に応じて漂白洗浄性等を調整するなどの対応が極めて難しい。
粘度調整手段としては増粘剤を用いることも考えられるが、特許文献1の段落[0002]等に記載されているように、過酸化水素系以外の用途で使用されている増粘剤を単に添加しても、酸化性を有する過酸化水素存在下では分解されやすく、配合は容易ではない。また、仮に過酸化水素存在下で安定な増粘剤があったとしても、特定温度での粘度調整には有効であるが、増粘剤を配合すると、温度に対する粘度変化がより一層大きくなる傾向がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、トリガースプレー式又は塗布型の容器に収容される、過酸化水素系の液体漂白性組成物において、用いる界面活性剤の種類に関係なく、温度に対する粘度変化を抑制する技術を提供することを目的とする。
本発明者は上記課題を解決するべく鋭意検討し、以下の液体漂白性組成物、及びその製造方法、並びに液体漂白性組成物の粘度安定化方法を発明した。
本発明の液体漂白性組成物は、下記測定方法により測定される20〜25℃における粘度が、トリガースプレー式の容器に収容される場合は10〜200mPa・s、塗布型の容器に収容される場合は30〜200mPa・sである、トリガースプレー式又は塗布型の容器に収容するための液体漂白性組成物において、過酸化水素(A)と界面活性剤(B)と粘度変化抑制剤(C)とを含有し、界面活性剤(B)が、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤からなる群から選択される2種以上であり、粘度変化抑制剤(C)が、主鎖に、オキシアルキレン単位(M)と、アルキレンテレフタレート単位及び/又はアルキレンイソフタレート単位(N)とを含む水溶性重合体(CX)であることを特徴とする。
(測定方法)300mLトールビーカーに当該液体漂白性組成物300mLを入れ、所定温度に調温後、B型粘度計を用い、60rpm、ガード装着ありの条件で、1分後の値を測定する。
なお、本明細書において、「水溶性重合体」とは、40℃下で、1Lビーカーを用い、1L水に10gの重合体を添加し、スターラー(太さ8mm、長さ50mm)にて200rpmの条件で12時間攪拌した時に溶解するものと定義する。
本発明の液体漂白性組成物の製造方法は、過酸化水素(A)と界面活性剤(B)とを含有し、下記測定方法により測定される20〜25℃における粘度が、トリガースプレー式の容器に収容される場合は10〜200mPa・s、塗布型の容器に収容される場合は30〜200mPa・sである、トリガースプレー式又は塗布型の容器に収容するための液体漂白性組成物の製造方法において、界面活性剤(B)として、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤からなる群から選択される2種以上を併用し、界面活性剤(B)と、主鎖に、オキシアルキレン単位(M)と、アルキレンテレフタレート単位及び/又はアルキレンイソフタレート単位(N)とを含む水溶性重合体(CX)との混合物を調製し、該混合物と過酸化水素(A)とを混合することを特徴とする。
(測定方法)300mLトールビーカーに当該液体漂白性組成物300mLを入れ、所定温度に調温後、B型粘度計を用い、60rpm、ガード装着ありの条件で、1分後の値を測定する。
本発明の液体漂白性組成物の粘度安定化方法は、過酸化水素(A)と界面活性剤(B)とを含有し、下記測定方法により測定される20〜25℃における粘度が、トリガースプレー式の容器に収容される場合は10〜200mPa・s、塗布型の容器に収容される場合は30〜200mPa・sである、トリガースプレー式又は塗布型の容器に収容するための液体漂白性組成物の粘度安定化方法において、界面活性剤(B)として、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤からなる群から選択される2種以上を併用し、主鎖に、オキシアルキレン単位(M)と、アルキレンテレフタレート単位及び/又はアルキレンイソフタレート単位(N)とを含む水溶性重合体(CX)を配合することを特徴とする。
(測定方法)300mLトールビーカーに当該液体漂白性組成物300mLを入れ、所定温度に調温後、B型粘度計を用い、60rpm、ガード装着ありの条件で、1分後の値を測定する。
本発明の技術によれば、トリガースプレー式又は塗布型の容器に収容される、過酸化水素系の液体漂白性組成物において、用いる界面活性剤の種類に関係なく、温度に対する粘度変化を抑制することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
「液体漂白性組成物」
本発明の液体漂白性組成物は、トリガースプレー式又は塗布型の容器に収容するための液体漂白性組成物において、過酸化水素(A)と界面活性剤(B)と粘度変化抑制剤(C)とを含有することを特徴とする。
本発明の組成物は、界面活性剤とは別に粘度変化抑制剤(C)を配合することで、温度に対する粘度変化を抑制するものである。
(過酸化水素(A))
本発明の組成物は、漂白成分として過酸化水素(A)を用いた、いわゆる酸素系漂白性組成物である。
(A)成分量は用途等に応じて設計され、特に制限はないが、過少では充分な漂白性が得られない恐れがあり、過多では界面活性剤(B)等の他の成分への影響が大きく、保存安定性が悪化する恐れがあるため、0.1〜10%、さらには1〜10%、特に2〜6%(単位はいずれも「質量%」)が好ましい。
(界面活性剤(B))
本発明では、過酸化水素(A)による漂白効果と、界面活性剤(B)による界面活性効果の双方により、漂白対象を漂白洗浄する。また、界面活性剤(B)による粘度調整効果も得られる。その他、界面活性剤(B)を配合することで、組成物を泡状化して吐出することも可能となる。
「背景技術」の項で挙げた特許文献1〜3では、温度に対する粘度変化を抑制するべく、特定のノニオン性界面活性剤を必須としている。これに対して、本発明では、粘度変化抑制剤(C)を別途配合することで、温度に対する粘度変化を抑制するので、用いる界面活性剤(B)は任意である。
したがって、界面活性剤(B)としては、過酸化水素系で安定なものであれば、ノニオン性、アニオン性、カチオン性、両性のいずれを用いても良く、これらから選択される2種以上を併用することもできる。以下、用いて好適な界面活性剤の具体例を挙げる。
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、アルキル(ポリ)グリコシド、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルオキシエチレンプロピレンブロック重合体、脂肪酸モノグリセライド、アミンオキサイド等が挙げられる。
中でも、過酸化水素系での安定性等の点で、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、特に下記式で示されるものが好ましい。
R−O−(AO)−H
式中、Rは炭素数7〜16のアルキル基又はアルケニル基、AOはオキシアルキレン基を示し、nはAOの平均付加モル数を示す。
Rとしては、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、及びこれらアルキル基に対応するアルケニル基等が挙げられる。
AOとしては、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシペンチレン基等が挙げられ、複数種が付加されていても良いが、オキシエチレン基及び/又はオキシプロピレン基が好ましい。
nはAOの種類にもよるが、AOがオキシエチレン基及び/又はオキシプロピレン基の場合、3〜15が好ましい。
アニオン性界面活性剤としては、直鎖又は分岐鎖のアルキルベンゼンスルホン酸又はその塩、α−オレフィンスルホン酸塩、直鎖又は分岐鎖のアルキル硫酸エステル塩、直鎖又は分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基を有し、平均0.5〜8モルのオキシエチレンが付加されたアルキルエーテル硫酸エステル塩又はアルケニルエーテル硫酸エステル塩、α−スルホ脂肪酸エステル塩、高級脂肪酸塩等が挙げられる。
例示化合物中、塩の対イオンとしては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩や、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、ジアルキル型第4級アンモニウム塩等の各種第4級アンモニウム塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、カルボベタイン、スルホベタイン、ヒドロキシスルホベタイン等が挙げられる。
(B)成分量は用いる界面活性剤の種類や用途等にもより、特に制限はないが、過少では、界面活性剤の配合効果(界面活性効果による洗浄効果等)が顕著に発現せず、過多では、コストや保存安定性に問題が生じる場合があるので、0.5%以上、さらには1〜30%、特に1〜20%が好ましい。
(粘度変化抑制剤(C))
本発明の組成物では、温度に対する粘度変化を抑制する粘度変化抑制剤(C)を配合する。粘度変化抑制剤(C)には、界面活性剤(B)は含まれない。
本発明者は、粘度変化抑制剤(C)として、主鎖に、オキシアルキレン単位(M)と、アルキレンテレフタレート単位及び/又はアルキレンイソフタレート単位(N)とを含む水溶性重合体(CX)を見出している。そして、この水溶性重合体(CX)が、特定温度での粘度調整効果と、温度に対する粘度変化の抑制効果の双方の効果を呈し、しかも、過酸化水素系での安定性も良好であることを見出している。
過酸化水素系では、過酸化水素が酸化作用を呈するため、配合成分が分解されやすく、かかる過酷な系で温度に対する粘度変化を抑制するという化合物は従来一切知られていない。すなわち、過酸化水素系における粘度変化抑制剤(C)や、これを用いた粘度安定化方法は、本発明者が見出した全く新規なものである。
以下、水溶性重合体(CX)について詳述する。
水溶性重合体(CX)は、主鎖に、単量体単位として、オキシアルキレン単位(M)と、アルキレンテレフタレート単位及び/又はアルキレンイソフタレート単位(N)とを含む共重合体である。
水溶性重合体(CX)は、上記単量体単位(M)及び(N)以外の他の単量体単位(例えば、重合開始剤や重合停止剤等に由来する単位や、その他の共重合可能な単位)を含むものであっても良い。但し、粘度変化抑制剤(C)としての機能を充分に発現するには、水溶性重合体(CX)中に占める単量体単位(M)及び(N)の合計量が80モル%以上、特に90モル%以上であることが好ましい。
水溶性重合体(CX)は、1種又は2種以上を用いることができる。
水溶性重合体(CX)の共重合態様は制限されないが、上記単量体単位(M)及び(N)のランダム共重合体又はブロック共重合体、特にブロック共重合体が好ましい。
オキシアルキレン単位(M)は、一般式ROで表される単位(式中、Rはアルキレン基を示す。)である。Rの炭素数は制限されないが、4以下、特に2〜4が好ましい。具体的には、オキシエチレン単位、オキシプロピレン単位、オキシブチレン単位が好ましい。
(CX)成分は、1種又は2種以上のオキシアルキレン単位(M)を含むことができる。(CX)成分中のオキシアルキレン単位(M)の総モル数は特に制限はないが、5〜150、特に10〜100が好ましい。
単量体単位(N)として挙げたアルキレンテレフタレート単位は、下記式で表されるものである。
Figure 0004141989
(式中、Rはアルキレン基を示す。)
Rの炭素数は制限されないが、4以下、特に2〜4が好ましい。
アルキレンテレフタレート単位としては、具体的には、エチレンテレフタレート単位、プロピレンテレフタレート単位、n−ブチレンテレフタレート単位、イソブチレンテレフタレート単位、sec−ブチレンテレフタレート単位、tert−ブチレンテレフタレート単位等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。中でもプロピレンテレフタレート単位が好ましい。
単量体単位(N)として挙げたアルキレンイソフタレート単位は、下記式で表されるものである。
Figure 0004141989
(式中、Rはアルキレン基を示す。)
Rの炭素数は制限されないが、4以下、特に2〜4が好ましい。
アルキレンイソフタレート単位としては、具体的には、エチレンイソフタレート単位、プロピレンイソフタレート単位、n−ブチレンイソフタレート単位、sec−ブチレンテレフタレート単位、tert−ブチレンイソフタレート単位等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。中でもプロピレンイソフタレート単位が好ましい。
水溶性重合体(CX)の質量平均分子量は制限されないが、粘度変化抑制効果に優れることから、500〜8000、さらには800〜7000、特に1000〜6000が好ましい。
なお、本明細書において、「質量平均分子量」は、GPC(ゲルパーミネーションクロマトグラフィー)にて、溶媒をTHF(テトラヒドロフラン)として測定し、PEG(ポリエチレングリコール)を較正曲線に用いた換算値により定義する。
水溶性重合体(CX)は、
市販品を用いても合成して用いても良い。
市販品としては、商品名TexCareSRN−100(ドイツ、Clariant GmbH社製、質量平均分子量3000、以降「SRN−100」と略記)、商品名TexCareSRN−300(ドイツ、ClariantGmbH社製、質量平均分子量 7000、以降「SRN−300」と略記)等がある。中でも、粘度抑制効果に優れることから、「SRN−100」が好ましい。
水溶性重合体(CX)の合成方法としては、例えば、Journal of Polymer Science,第3巻,p.609-630(1948)、Journal of Polymer Science,第8巻,p.1-22(1951)、特開昭61−218699号公報等に記載のものが挙げられる。
以下に、用いて好適な水溶性重合体(CX)の構造例を挙げる(これには、上記SRN−100、SRN−300が含まれる)。なお、下記例は、単量体単位(N)としてテレフタレート単位を単独で含むものであるが、イソフタレート単位を単独で含むものや、テレフタレート単位とイソフタレート単位の双方を含むものも、同様に好適である。
Figure 0004141989
上記式中、A、Bは各々独立に、水素原子又はメチル基、好ましくはメチル基である。Rは炭素数2〜4のアルキレン基である。yは1〜100、好ましくは1〜80、特に好ましくは1〜50である。Rはメチル基又は水素原子、好ましくはメチル基である。Xは0〜10、好ましくは0.5〜5、特に好ましくは0.5〜2.5である。
上記式中、部位※の一部又は全部は、下記式で表される構造のものに置き換えることもできる。
Figure 0004141989
(C)成分量は制限されないが、水溶性重合体(CX)の場合、0.1〜3%、特に0.2〜2%が好ましい(単位はいずれも「質量%」)。(C)成分量が過少では、充分な粘度変化抑制効果が発現しない恐れがあり、過多では、過酸化水素(A)による影響が無視できなくなり、保存安定性が悪化する恐れがある。
本発明の組成物は上記(A)〜(C)成分を必須成分として含むものであるが、必要に応じて他の任意成分を配合することができる。以下、本発明の系で用いて好適な任意成分について説明する。
(漂白活性化剤)
本発明の組成物には、必要に応じて、過酸化水素(A)の活性を高める漂白活性化剤を配合することができる。
漂白活性化剤としては特に制限はないが、テトラアセチルエチレンジアミン、ペンタアセチルグルコース、オクタノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、デカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、ウンデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクタノイルオキシ安息香酸、ノナノイルオキシ安息香酸、デカノイルオキシ安息香酸、ウンデカノイルオキシ安息香酸、ドデカノイルオキシ安息香酸、オクタノイルオキシベンゼン、ノナノイルオキシベンゼン、デカノイルオキシベンゼン、ウンデカノイルオキシベンゼン、ドデカノイルオキシベンゼン等の有機過酸前駆体等が挙げられる。これらは1種又は2種以上配合することができる。
中でも、ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、デカノイルオキシ安息香酸等が好ましい。
(金属封鎖剤)
本発明の組成物には、必要に応じて、金属封鎖剤を配合することができる。該成分を配合することで、過酸化水素(A)の安定性が向上する。
金属封鎖剤としては、ホスホン酸系が好ましく用いられる。その具体例としては、エタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸塩、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、エタンヒドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1,2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸、ニトリロトリメチレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラキスメチレンホスホン酸等の有機ホスホン酸誘導体等が挙げられる。これらは1種又は2種以上配合することができる。
中でも、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラキスメチレンホスホン酸等が好ましい。
(ラジカルトラップ剤)
本発明の組成物には、必要に応じて、ラジカルトラップ剤を配合することができる。該成分を配合することで、過酸化水素(A)の安定性が向上する。
ラジカルトラップ剤としては、フェノール系、すなわちフェノール性OH基を有する化合物、そのエステル誘導体やエーテル誘導体等の誘導体が好ましい。
中でもG.E.Penketh,J.Appl.Chem,7,512(1957)に記載された酸化還元電位が1.25V以下、さらには0.75V以下の化合物が好ましい。好適な例としては、ジメトキシフェノール、カテコール、ハイドロキノン、メトキシフェノール、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)等が挙げられる。
これらラジカルトラップ剤は、特にpH5以上で有効である。
(pH調整剤)
過酸化水素(A)は酸性下で安定なため、本発明の組成物は25℃におけるpHが4〜8、特に5〜7であることが好ましい。
かかるpHに調整するために、必要に応じて、pH調整剤として、酸性あるいはアルカリ性の化合物を適宜添加することができる。
酸性化合物としては、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸や、p−トルエンスルホン酸、クエン酸、ホスホン酸誘導体等の有機酸が挙げられ、アルカリ性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、アンモニア等が挙げられる。
(ハイドロトロープ剤)
ハイドロトロープ剤を配合すると、香料等の各種成分を安定配合することができる。ハイドロトロープ剤としては、エタノール、イソプロパノール、フェニルポリオキシエチレンアルコール等の1価アルコール類や、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類等が挙げられる。
(その他の成分)
その他、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ホウ酸ナトリウム等の無機塩類や、シリコーン類、殺菌剤、蛍光染料、酵素、香料等の任意成分を配合することができる。
(粘度特性)
次に、本発明の組成物の粘度特性について説明する。
「粘度」は、300mLトールビーカーに組成物300mLを入れ、所定温度に調温後、B型粘度計を用い、60rpm、ガード装着ありの条件で、1分後の値を測定するものとする。なお、粘度100mPa・s未満ではNo.1ローター、100mPa・s以上ではNo.2ローターを用いて測定を行う。
本発明の組成物の常温(20〜25℃)における粘度は用いる容器や用途等にもより、特に制限はないが、容器からの吐出容易性と、漂白性能に繋がる漂白対象と吐出物との付着性とのバランスから、トリガースプレー式の容器では、5〜500mPa・s、特に10〜200mPa・sが好ましく、塗布型の容器では、20〜500mPa・s、特に30〜200mPa・sが好ましい。
本発明の組成物は、粘度変化抑制剤(C)を用いることで、温度に対する粘度変化を抑制することを実現したものである。粘度変化は、例えば、下記式で表されるパラメータV(change)でもって、数値化できる。
V(change)=(V(max)−V(min))/V(25℃)
式中、V(max)及びV(min)は、V(15℃)、V(25℃)、V(35℃)のうち最大値、最小値を各々示す。ここで、V(15℃)、V(25℃)、V(35℃)は、15℃、25℃、35℃における粘度を各々示す。
V(change)は値が小さい程、温度に対する粘度変化が小さく、好ましい。本発明の組成物によれば、V(change)を0.50以下、さらには0.40以下とすることができる。
(液体漂白性組成物の製造方法)
本発明の液体漂白性組成物の製造方法は特に制限はないが、好適なものとしては、界面活性剤(B)と、主鎖に、オキシアルキレン単位(M)と、アルキレンテレフタレート単位及び/又はアルキレンイソフタレート単位(N)とを含む水溶性重合体(CX)との混合物を調製し、該混合物と過酸化水素(A)とを混合する方法が挙げられる。
この方法においては、(B)成分と(CX)成分との混合物に、任意成分を混合しておくことが好ましい。また、(B)成分と(CX)成分との混合物の調製にあたっては、過酸化水素(A)を混合した後のpHが4〜8、特に5〜7となるように、混合物に添加するpH調整剤の量を予め調整しておくことが好ましい。
かかる製造方法によって、過酸化水素(A)の分解を抑制し、安定な液体漂白性組成物が得られる。
(容器)
本発明の組成物を収容する容器としては、トリガースプレー式又は塗布型であれば特に制限はない。なお、「塗布型容器」には、容器本体の柔軟性が高く、容器本体を大きく圧縮させて液を吐出する「スクイズ型」、及び、容器本体の柔軟性はそれ程高くなく、容器本体をそれ程大きくは変形させない「非スクイズ型」が含まれるものとする。
以下、具体例を挙げるが、本発明の組成物を収容する容器は、勿論下記のものに限定されるものではない。
{トリガースプレー式容器}
トリガースプレー式容器としては、霧状、泡状のいずれの形態で組成物を吐出するものでも良く、これらの切り替えが可能なものでも良い。また、組成物を広範囲に吐出するワイドパターンと狭範囲に吐出するナローパターンの切り替えが可能なものでも良い。
図1に基づいて、トリガースプレー式容器の一例について説明する。同図は縦断面図である。
図示するトリガースプレー式容器20は、容器本体21と、その首部21aに取り付けられたトリガー式のスプレー部材22とから概略構成されている。
スプレー部材22は、一端が容器本体21内に配され、組成物を吸引及び送液する送液チューブ23と、送液チューブ23の他端に連続形成されたバルブ部24と、バルブ部24の後段側に設けられた通液路25と、通液路25からの組成物を外方に噴射するノズル部材26とを備えている。バルブ部24は、ボール体24aと弁体24bとを備え、ボール体24aによりバルブ部24と送液チューブ23との連通が制御され、弁体24bによりバルブ部24と通液路25との連通が制御されるようになっている。
スプレー部材22は、バルブ部24に通じるシリンダ29とこのシリンダ29内を摺動するピストン30とを備え、ピストン30に隣接して設けられたレバー31を握る、または緩めるといったトリガー操作によって、ピストン30がシリンダ29内を図中左右方向に往復するようになっている。
トリガースプレー式容器20では、通液路25とノズル部材26との間には液体ガイド栓体27が固定配置され、ノズル部材26はこの液体ガイド栓体27に対して、短筒部26aにより回動自在に嵌合されていて、ノズル部材26を適宜回動させて液体ガイド栓体27とノズル部材26との位置関係を変化させることにより、ノズル部材26への組成物の供給を遮断したり、ノズル部材26へ供給される組成物に加わるスピン回転の状態を制御し、スプレーパターンを変更できるようになっている。
レバー31を複数回握り、ピストン30をシリンダ29内において複数回往復させることで、シリンダ29内が減圧となってバルブ部24のボール体24aが浮き上がり、バルブ部24と送液チューブ23とが連通し、容器本体21内の組成物が送液チューブ23を通じてシリンダ29内に一旦吸引される。その後、この状態でさらにレバー31を操作することで、シリンダ29内の組成物が加圧されてバルブ部24内の弁体24bを押し上げ、バルブ部24から通液部25、液体ガイド栓体27を経て、ノズル部材26へと送られる。そして、ノズル部材26の先端に形成された噴射孔28から組成物が噴射される。
この容器20では、ノズル部材26の内部構造を適宜変更することで、オフ/霧状/泡状(2way)や、オフ/霧状/泡状−ワイドパターン/泡状−ナローパターン(3way)等の切り替えが可能となる。
トリガースプレー式容器20は以上のように構成されている。
{非スクイズ型の塗布型容器}
次に、図2〜4に基づいて、非スクイズ型の塗布型容器の一例について説明する。
図2は容器全体図、図3は塗布部材を拡大して示す分解図、図4は組成物を塗布する状態を示す図であり、いずれも縦断面図である。
図示する塗布型容器40は、容器本体41、その首部に取り付けられ、液排出部と塗布部を有する塗布部材42、及びキャップ43から構成されている。
塗布型容器では、主に塗布部材42の構造によって塗布方式が決定されるが、この例では、塗布部材42は、塗布部材本体121と、その上に配置された塗布部122と、この塗布部122を塗布部材本体121に固定するリング123とから構成されている。
塗布部材本体121は、円筒状下部121aと、その上に一体形成された円筒状上部121bと、円筒状上部121bの上端開口部を閉塞する仕切板121cと、仕切板121cの上面外周縁に一体に突設されたガード121dとを備えている。円筒状下部121aの内周壁には、容器本体41の雄ねじ部(図示略)と着脱可能に螺合される雌ねじ部121eが形成されていると共に、円筒状上部121bの外周壁には、キャップ43の雌ねじ部(図示略)と着脱可能に螺合される雄ねじ部121fが形成されている。仕切板121cには、その外周縁近傍に周方向に沿って複数の通液孔121gが離間形成されている。
塗布部122は、円柱状部122aと、その上端に一体形成された塗布面部122bとを備えている。円柱状部122aの下端外周縁部には、リング状鍔部122cが一体に突設されていると共に、円柱状部122aの下端面には、仕切板121cの通液孔121gと対向してリング状溝122dが一部もしくは全部重なるように形成されている。
さらに、鍔部122cには、周方向に沿って複数個の切り欠き122fが離間形成され、これら切り欠き122fとリング状溝122dとを連通する凹路122gが円柱状部122a下端面に形成されている。
塗布面部122bは、その中央部上面が平坦な塗布面122hとされ、この塗布面122hの外周縁に沿って、リング状溝部122iが形成されていると共に、この溝部122iから円柱状部122aの上端外周部にかけての肩部が丸味を持って形成されており、かつこの肩部には、周方向に沿って複数個の案内凹路122jが離間形成されている。
リング123は、リング下部123aと、その上に一体形成されたリング上部123bとを備え、リング下部123aの下端内周縁部には、塗布部材本体121の円筒状上部121bの上端外周縁とガード121dの下端外周縁との間に形成されたリング状凹陥部121hに着脱可能に嵌着される環状の水平凸部123cが一体に突設されていると共に、リング下部123aとリング上部123bとの連設部123dの下面には、リング123が塗布部材本体121に嵌着された際、ガード121d内周面に当接する環状の垂直凸部123eが一体に突設されている。
かかるリング123を塗布部材本体121に取り付けることにより、リング123のリング上部123bの下端面と塗布部材本体121の仕切板121cとで塗布部122の鍔部122cが挟持され、塗布部122が固定される。また、水平凸部123cを、ガード121d下に環状に形成した凹部121hにはめ込み、リング下部123aと垂直凸部123eでガードを挟むようにして、リング123は塗布部材本体121に固定される。
そして、上記のように塗布部材本体121、塗布部122、リング123を取り付けた状態において、リング123のリング上部123bの下端内周縁と塗布部122の鍔部122cに形成された切り欠き122fの上端内周縁との間には小隙間131が形成され、かつリング上部123bの内径よりも円柱状部122a外径を小さくすることにより、リング123のリング上部123bの内周面と塗布部122の円柱状部122aの外周面との間に空隙132が形成され、この空隙132の先端部が、液が内部から外部に排出される液排出口133となる。
すなわち、図4に示すように、容器本体41内の組成物は、塗布部材本体121の仕切板121cに形成された通液孔121gから、リング状溝122d、凹路122g、切り欠き122f、小隙間131、空隙132からなる液排出部130を通り、その先端の液排出口133から外部に流出し、さらに塗布部122の円柱状部122aの外周面、特に肩部の凹路122j、リング状溝部122iより塗布面122h方向へ流れる。
塗布型容器40は以上のように構成されている。
{スクイズ型の塗布型容器}
次に、図5に基づいて、スクイズ型の塗布型容器の一例について説明する。この例では、泡状に吐出するタイプについて説明する。同図は縦断面図である。
図示する塗布型容器50は、容器本体51と、その開口部205に取り付けられた蓋部材52とからなり、蓋部材52は、吐出部材208と蓋部基材209とから概略構成されている。
蓋部基材209は、筒壁部215と天部216と上筒部214とを有する。筒壁部215の円筒内面には雌ねじが設けられる一方、容器本体51の開口部205の外周には雄ねじが設けられ、これらの嵌合によって、蓋部材52は容器本体51に取り付けられている。
天部216の中央開口部には、容器本体51に収容された組成物と空気とを混合させ、泡体232を生成するための泡体形成部233が設けられている。泡体形成部233は、送泡管218と、送泡管218と容器本体51との間に配置された網部材217と、送泡管218の頂部を塞ぐ栓体220とを有する。
天部216の中央開口部から容器本体51側に向けて、スカート223が延びて形成され、この内側に混合室225が形成されている。
また、容器本体51を押した時に、容器本体51内の組成物を泡体形成部233に流入させるための送液チューブ206が設けられている。この送液チューブ206は、一端が混合室225に配置され、他端が容器本体51の底部に近い位置に配置されている。そして、送気孔224がスカート223の内側部と送液チューブ206の外周部との間に設けられている。
吐出部材208は、蓋部基材209の上筒部214に取り付けられている。
吐出部材208は、ほぼ円筒状の周壁部210と、周壁部210から上方に延びた吐出管211とを有する。吐出管211の中心軸線は、容器本体51の中心軸線と非平行とされている。また、下端開口212が吐出管211の内部に形成され、吐出部213が吐出管211の先端部に設けられている。
周壁部210の円筒内面には雌ねじが設けられる一方、上筒部214の外周には雄ねじが設けられており、これらの嵌合によって、吐出部材208は蓋部材52に取り付けられている。
吐出部材208においては、空気吸入口221が天部216を貫通して、上筒部214と泡体形成部233との間に位置するように設けられている。空気吸入口221は下端開口212と容器本体51内とを連通させるものである。
側流孔219が送泡管218に設けられており、網部材217を通過して生成された泡体は側流孔219から吐出管211に流入する。
また、容器本体51内からの容器内空気の逆流を阻止するためのボール式逆止弁機構222が、空気吸入口221に設けられている。この逆止弁機構222は、容器本体51を押すのを中止した際に、吐出部材208の吐出管211を通って蓋部材52の内部に導入された空気を、逆止弁機構222を通って容器本体51内に導入する機能も有する。
塗布型容器50は以上のように構成されている。
本発明の液体漂白性組成物は以上のように構成され、本発明では、界面活性剤(B)とは別に、粘度変化抑制剤(C)を配合することで、用いる界面活性剤(B)の種類に関係なく、温度に対する粘度変化を抑制することを実現した。特に、粘度変化抑制剤(C)として、主鎖に、オキシアルキレン単位(M)と、アルキレンテレフタレート単位及び/又はアルキレンイソフタレート単位(N)とを含む水溶性重合体(CX)を用いることで、良好な粘度変化抑制効果が得られる。
したがって、本発明の組成物では、使用環境温度に関係なく、容器からの吐出容易性と、漂白対象と吐出物との付着性とのバランスが保たれ、使用性や漂白洗浄性が良好である。
次に、実施例及び比較例を挙げるが、本発明は下記例によって何ら限定されものではない。
(実施例、比較例)
各例において、下記手順に従い、液体漂白性組成物を調製した。
まず、撹拌槽に精製水を仕込み、これに、(B)成分、(C)成分、及び任意成分(pH調整剤を含む)を添加して撹拌し、各成分を混合・溶解した。次いで、過酸化水素(A)を添加して混合し、表1、2に示す組成及びpHの液体漂白性組成物を得た。なお、pH調整剤(硫酸又は水酸化ナトリウム)は、過酸化水素(A)を添加後に所定のpHになるように、予め添加量を調整しておいた。また、(C)成分は70質量%の水溶液の形態で撹拌槽に添加した。表中、配合量の単位は質量%であり、純分を示す。
得られた組成物を、図1〜図4に示したのと同様のトリガースプレー式又は塗布型(非スクイズ型)の容器に各々180mL充填し、容器入り液体漂白性組成物を得た。用いた容器の仕様は表3に示す。
(評価項目、評価方法)
<粘度及び粘度変化>
調製した組成物の15℃、25℃、35℃における粘度(V(15℃)、V(25℃)、V(35℃))を測定した。また、このデータから、粘度変化のパラメータV(change)を求めた。(測定方法は段落[0039]、[0041]参照)
<吐出容易性(使用性)>
容器入り液体漂白性組成物の内容物を15℃、25℃、35℃に調温し、それぞれについて、5人のパネルに、肌シャツにスプレー又は塗布してもらった。25℃での吐出容易性(使用性)を基準とし、他の温度における吐出容易性(使用性)に差があるか否かを下記点数で官能評価してもらい、5人の平均値を求めた。この評価では、0点に近い程、温度による吐出容易性(使用性)が変化せず、良好である。
−3:非常に差がある、−2:差がある、−1:やや差がある、0:同等
<漂白洗浄性>
汚染布として、3×3cmのポリエステルトロピカル布に、ラー油(マコーミック製)を0.015ml塗布し、風乾したものを用意した。
トリガースプレー式容器では、タオル上に上記汚染布を5枚載置し、最上の汚染布から順次、布1枚に対して15cm離間した距離から5回レバーを引き、組成物をスプレーした。塗布型容器では、タオル上に上記汚染布を5枚載置し、最上の汚染布から順次、布1枚に対して組成物を線状に10回重ねて塗布した。 組成物をスプレー又は塗布した後、5分間静置した。環境温度は常温(20〜25℃)とした。
製品名Terg−O−Tometer(U.S.Testing社製)(120rpm、25℃、4°DH水道水、浴比30、洗剤なし)を用いて、10分間洗浄、1分間脱水、2分間流水すすぎ、1分間脱水を順次実施した。洗浄後の汚染布をアイロン乾燥した。
未汚染布、汚染布(漂白洗浄処理前)、洗浄布(漂白洗浄処理後)について、各々、反射率計(日本電色社製Σ90)を用い、下記式で表されるクベルカムンク式により洗浄率を求めた。試験布5枚の平均値を求め、下記基準にて判定した。
洗浄率(%)=(汚染布のK/S−洗浄布のK/S)/(汚染布のK/S−未汚染布のK/S)×100
評価基準
◎:洗浄率が75%超100%以下
○:洗浄率が50%超75%以下
△:洗浄率が25%超50%以下
×:洗浄率が25%以下
(結果)
結果を表1、2に合わせて示す。表中、粘度V(15℃)、V(25℃)、V(35℃)の単位はいずれもmPa・sである。
粘度変化抑制剤(C)として、主鎖に、オキシアルキレン単位(M)と、アルキレンテレフタレート単位及び/又はアルキレンイソフタレート単位(N)とを含む水溶性重合体(CX)(SRN−100又はSRN−300)を配合した実施例1〜8では、V(25℃)が25〜58mPa・sと良好であり、しかも粘度変化V(change)が0.22〜0.49と小さく、15〜35℃における粘度変化が小さく抑えられていた。そして、トリガースプレー式、塗布型のいずれの容器でも、15℃及び35℃の吐出容易性(使用性)は、25℃と、全く又はほとんど変わらず、広範囲の温度に対して、吐出容易性(使用性)が良好であった。また、漂白洗浄性も良好であった。
得られた容器入り組成物を40℃で、1ヶ月間保存したところ、保存安定性も良好であった。
これに対して、粘度変化抑制剤(C)を配合しなかった比較例1〜5では、V(25℃)が実施例に比して高く、しかも、粘度変化V(change)が0.5以上と大きく、15℃及び35℃の吐出容易性(使用性)が25℃に比して著しく低く、不良であった。
Figure 0004141989
Figure 0004141989
表1、2中の*1〜15は、下記品を示す。
*1 三菱瓦斯化学社製、35%水溶液
*2、3 一般式R−O−(CHCHO)−Hで表されるポリオキシエチレンアルキルエーテル(ライオン社製)であり、*2は、Yi=84(%)、R:C12、EOの平均付加モル数nav=5、*3は、Yi=40(%)、R:C12/14混合物(質量比7/3)、EOの平均付加モル数nav=6である。なお、Yiは、上記式で表されるノニオン性界面活性剤の合計質量に対するEO付加モル数n=(nav−2)〜(nav+2)のノニオン性界面活性剤の合計質量の割合を示す。
*4 炭素数10〜14アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(ライオン社製)
*5 炭素数14のα−オレフィンスルホン酸ナトリウム(リポランLB−440、ライオン社製)40%品
*6 アーカードT−800、ライオン社製
*7 クラリアント社製、上記SRN−100
*8 クラリアント社製、上記SRN−300
*9 ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸(BRIQUEST ADPA、オルブライトウィルソン社製)60%品
*10 ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、特開平06−316700号公報に記載の漂白活性化剤(I−3)の合成方法に準じて合成したもの。
*11 95%エタノール、日本アルコール販売
*12 フェニルポリオキシエチレンアルコール(EO2モル)(サンファインPH−20、三洋化成社製)
*13 MQ−F、川口化学社製
*14 四ホウ酸ナトリウム十水和物(BORAX、BORAX社製)
*15 特開2003ー268398号公報、表7〜14に記載の香料組成物A〜D
Figure 0004141989
表3中の*1〜9は、下記を示す。
*1 高密度ポリエチレン(三井化学社製)
*2 ポリプロピレン(三井化学社製)
*3 PE−M SSC MC2473ブルー(大日精化社製)
*4 PE−M SSC MC2625イエロー(大日精化社製)
*5 PP−M AZ MC1461イエロー(大日精化社製)
*6 ノギスで測定
*7 設計図面より算出
*8 低密度ポリエチレン(旭化成社製)
*9 PE−M AZ MC2433Eブルー(大日精化社製)
本発明の液体漂白性組成物は、衣料の部分漂白剤等として好ましく利用できる。
トリガースプレー式容器の一例を示す図である。 非スクイズ型の塗布型容器の一例を示す図である。 図2に示す塗布型容器の塗布部材の拡大分解図である。 図2に示す塗布型容器の組成物を塗布する状態を示す図である。 スクイズ型の塗布型容器の一例を示す図である。
符号の説明
20 トリガースプレー式容器
40 非スクイズ型の塗布型容器
50 スクイズ型の塗布型容器

Claims (3)

  1. 下記測定方法により測定される20〜25℃における粘度が、トリガースプレー式の容器に収容される場合は10〜200mPa・s、塗布型の容器に収容される場合は30〜200mPa・sである、トリガースプレー式又は塗布型の容器に収容するための液体漂白性組成物において、
    過酸化水素(A)と界面活性剤(B)と粘度変化抑制剤(C)とを含有し、
    界面活性剤(B)が、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤からなる群から選択される2種以上であり、
    粘度変化抑制剤(C)が、主鎖に、オキシアルキレン単位(M)と、アルキレンテレフタレート単位及び/又はアルキレンイソフタレート単位(N)とを含む水溶性重合体(CX)であることを特徴とする液体漂白性組成物。
    (測定方法)300mLトールビーカーに当該液体漂白性組成物300mLを入れ、所定温度に調温後、B型粘度計を用い、60rpm、ガード装着ありの条件で、1分後の値を測定する。
  2. 過酸化水素(A)と界面活性剤(B)とを含有し、下記測定方法により測定される20〜25℃における粘度が、トリガースプレー式の容器に収容される場合は10〜200mPa・s、塗布型の容器に収容される場合は30〜200mPa・sである、トリガースプレー式又は塗布型の容器に収容するための液体漂白性組成物の製造方法において、
    界面活性剤(B)として、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤からなる群から選択される2種以上を併用し、
    界面活性剤(B)と、主鎖に、オキシアルキレン単位(M)と、アルキレンテレフタレート単位及び/又はアルキレンイソフタレート単位(N)とを含む水溶性重合体(CX)との混合物を調製し、該混合物と過酸化水素(A)とを混合することを特徴とする液体漂白性組成物の製造方法。
    (測定方法)300mLトールビーカーに当該液体漂白性組成物300mLを入れ、所定温度に調温後、B型粘度計を用い、60rpm、ガード装着ありの条件で、1分後の値を測定する。
  3. 過酸化水素(A)と界面活性剤(B)とを含有し、下記測定方法により測定される20〜25℃における粘度が、トリガースプレー式の容器に収容される場合は10〜200mPa・s、塗布型の容器に収容される場合は30〜200mPa・sである、トリガースプレー式又は塗布型の容器に収容するための液体漂白性組成物の粘度安定化方法において、
    界面活性剤(B)として、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤からなる群から選択される2種以上を併用し、
    主鎖に、オキシアルキレン単位(M)と、アルキレンテレフタレート単位及び/又はアルキレンイソフタレート単位(N)とを含む水溶性重合体(CX)を配合することを特徴とする液体漂白性組成物の粘度安定化方法。
    (測定方法)300mLトールビーカーに当該液体漂白性組成物300mLを入れ、所定温度に調温後、B型粘度計を用い、60rpm、ガード装着ありの条件で、1分後の値を測定する。
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