JP4141321B2 - シールドトンネルの合流部の構築方法 - Google Patents

シールドトンネルの合流部の構築方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、道路トンネルなど合流部・分岐部を備えるトンネルを構築するために好適に用いられるシールドトンネルの合流部の構築方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、地下利用の進展に伴い、地下50m程度の大深度地下空間に、道路トンネルや下水道トンネルなどを構築することが行われつつある。特に、地下利用が進展している都市部の地下空間にトンネルを構築する際には、シールド工法が有利である。
道路トンネル等の構築にあっては、本線トンネルとランプトンネル等の支線トンネルとの合流部においては、互いに寄り添う二本のシールドトンネルを一体的に連結する必要がある。
この場合、路上から開削した合流部にシールドトンネルを接続する方法が考えられるが、地上の専有面積が幅、長さともに広範囲になり、問題が大きい。
地盤が堅固な場合には、所定断面のシールドトンネルを掘進した後に、部分的に地盤改良などを施した上でセグメントとを取り外し、NATM工法などにより合流部を構築することが考えられている。
【0003】
また、専ら地下空間内において、本線トンネルと支線トンネルとの合流部の構築作業を行う技術として、例えば特許文献1に開示された技術がある。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−257370号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載の技術においては、NATM工法等を併用することなく、本線トンネルと支線トンネルとの合流部を専ら地下空間内において構築することができる。しかし、その図1に示されているように、本線トンネルと支線トンネルとが連結されてなるトンネルの断面形状が異型であるため、大きな土圧がかかる大深度に構築されるトンネルの構築には不向きである。
また、円形断面のシールドトンネル同士を横方向に地中で接続するためには、広範囲の地盤改良及び大規模な接続構造物の構築が必要となる。
【0006】
本発明の課題は、特に大深度地下空間において、二本のシールドトンネルの合流部を合理的に構築することが可能なシールドトンネルの合流部の構築方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、例えば図1〜図11に示すように、シールド工法によってそれぞれ構築される本線トンネルT1と支線トンネル(ランプトンネル)T2との合流部TJを構築するためのシールドトンネルの合流部の構築方法であって、
前記合流部TJの区間において、前記本線トンネルT1と前記支線トンネルT2とを互いに寄り添うように掘進すると共にそれぞれほぼD型断面の覆工1〜4を組み立てて、これら本線トンネルT1と支線トンネルT2の覆工1〜4の断面の包絡線がほぼ円形になるようにし、
次いで、前記本線トンネルT1と前記支線トンネルT2とを分け隔てる前記覆工1〜4の一部1A〜4Aを除去して連続させると共にこれら本線トンネルT1と支線トンネルT2の覆工1〜4の間を覆うように鋼殻5,6をピンジョイント1J〜4Jによって接合し、この鋼殻5,6と前記覆工1〜4の間の空間に充填材7を充填して本線トンネルT1と支線トンネルT2の覆工1〜4を一体化させること
を特徴とする。
ここで、上記「ほぼ円形」とは、正円形の他、楕円形や長円形等を指す。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、本線トンネルと支線トンネルとの合流部の区間において、これら本線トンネルと支線トンネルとを互いに寄り添うように掘進すると共にそれぞれほぼD型断面の覆工を組み立てて、本線トンネルと支線トンネルの覆工の断面の包絡線がほぼ円形になるようにし、次いで、本線トンネルと支線トンネルとを分け隔てる覆工の一部を除去して連続させると共にこれら本線トンネルと支線トンネルの覆工の間を覆うように鋼殻を取り付け、この鋼殻と覆工の間の空間に充填材を充填して本線トンネルと支線トンネルの覆工を一体化させるので、合流部において、ほぼ円形断面の覆工を、NATM工法や開削工法などを併用することなく、簡素な作業で短期間に構築することが可能である。
また、本線トンネルと支線トンネルとの合流部の断面を力学的に安定的なほぼ円形断面の形状に構築することができるので、特に大きな土圧を受ける大深度の地下空間において、本線トンネルと支線トンネルとの合流部を構築するのに適したシールドトンネルの合流部の構築方法となる。
【0010】
また、請求項1に記載の発明によれば、鋼殻が本線トンネルと支線トンネルの覆工にピンジョイントにより接合されているので、互いに接合された覆工と鋼殻の断面に生じる曲げ応力を小さくすることができる。
したがって、覆工と鋼殻に要求される曲げ剛性が小さくなり、覆工を構成するセグメントと鋼殻とを経済的なものとすることができる。
また、鋼殻を覆工に接合するピンジョイントによって、鋼殻の覆工に対する接合角度を調整することが可能となり、本線トンネルと支線トンネルの覆工を構成するセグメントの位置が鉛直方向に互いにずれていても、これら覆工に取り付けたピンジョイントで、鋼殻の覆工に対する取付角度の誤差を吸収して取り付けることができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、例えば図5、図6に示すように、請求項1に記載のシールドトンネルの合流部の構築方法において、
前記ピンジョイント1J,2Jが、前記鋼殻5の前記覆工1,2に対する接合位置を調整可能に形成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の効果が得られると共に、ピンジョイントが、鋼殻の覆工に対する接合位置を調整可能に形成されているので、本線トンネルと支線トンネルの覆工を構成するセグメントの位置がトンネルの路線方向や鉛直方向に互いにずれていても、これら覆工に取り付けたピンジョイントで、鋼殻の覆工に対する取付位置の誤差を吸収して取り付けることができる。
【0013】
請求項3記載の発明は、例えば図11に示すように、請求項1または2に記載のシールドトンネルの合流部の構築方法において、
前記合流部TJの区間において前記本線トンネルT1と前記支線トンネルT2とをそれぞれ掘進する際に、前記鋼殻6の一部を構成する鋼殻ブロック6a,6bが予め取り付けられたセグメントを用いて前記覆工3,4を組み立て、
前記本線トンネルT1と前記支線トンネルT2の覆工3,4を一体化させる際に、これら本線トンネルT1と支線トンネルT2とに取り付けられた前記鋼殻ブロック6a,6b間に連結用鋼殻ブロック6cを取り付けて連続させることで、前記鋼殻6を完成させること
を特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1または2に記載の発明と同様の効果が得られると共に、本線トンネルと支線トンネルとの合流部の区間において、これら本線トンネルと支線トンネルとをそれぞれ掘進する際に、鋼殻の一部を構成する鋼殻ブロックが予め取り付けられたセグメントを用いて覆工を組み立て、次いで、本線トンネルと支線トンネルの覆工を一体化させる際に、これら本線トンネルと支線トンネルとに取り付けられた鋼殻ブロック間に連結用鋼殻ブロックを取り付けて連続させることで、鋼殻を完成させるので、本線トンネルと支線トンネルとの接合部を、より少ない作業で短期間に構築することが可能となる。
【0015】
請求項4記載の発明は、例えば図2、図7〜図10に示すように、請求項1〜3のいずれか一項に記載のシールドトンネルの合流部の構築方法において、
前記本線トンネルT1と前記支線トンネルT2との少なくとも一方は、前記合流部TJの掘進時の覆工1,2の幅が、合流部TJ以外の区間における覆工11,12の幅よりも小さいことを特徴とする。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明と同様の効果が得られると共に、本線トンネルと支線トンネルとの少なくとも一方は、合流部の掘進時の覆工の幅が、合流部以外の区間における覆工の幅よりも小さいので、合流部で必要なトンネルの断面積を確保しつつ、この断面積が大きくなりすぎることを避けて掘削断面積を小さくし、本線トンネルと支線トンネルとの合流部を構築するために要するコストを更に縮減することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明に係るシールドトンネルの合流部の構築方法の実施の形態について説明する。
本実施の形態のシールドトンネルの合流部の構築方法は、地下に建設される道路トンネルの本線トンネルT1とランプトンネル(支線トンネル)T2とをそれぞれ掘進すると共に、その合流部TJを構築するするために適用されるものである。
本線トンネルT1は、およそ地下50mの深さに設けられる片側3車線の道路トンネルであり、ランプトンネルT2は、本線トンネルT1の入口車線および出口車線として設けられるトンネルである。本線トンネルT1、ランプトンネルT2の掘進状況の概要を図1に示す。
【0018】
本実施の形態のシールドトンネルの合流部の構築方法の手順を、図2、図3に示す。
また、実施の形態のシールドトンネルの合流部の構築方法において、本線トンネルT1の掘進を行うシールド機20の、掘進手順の上面図及び断面図を図7(a)〜(e)に、斜視図を図8(a)〜(e)に示す。
ランプトンネルT2の掘進を行うシールド機30の掘進手順も、シールド機20と同様であるので、図示を省略する。
【0019】
シールド機20(30)はそれぞれ、図7、図8に示すように、ほぼ円筒形状のシールド機本体21(31)の前方に、このシールド機本体21(31)とほぼ同断面形状のシールド坑を掘削可能な回転式等のカッタ22(32)が備えられたシールド機である。
シールド機本体21(31)には、図7、図8に示すように、その断面の外側を掘削可能な、揺動式の拡径部用カッタ24(34)と、この拡径部用カッタ24(34)によって掘削された坑壁内面に覆工1〜4を組み立て可能な拡径部用スキンプレート25(35)とが、シールド機本体21(31)から側方に突出し又このシールド機本体21(31)内に収納可能となるように備えられている。
【0020】
そして、シールド機20(30)は、図7に示すように、拡径部用カッタ24(34)と拡径部用スキンプレート25(35)とがシールド機本体21(31)から外側に突出された状態で、ほぼD型断面のシールド坑を掘進可能な形状に形成されている。
【0021】
シールド機20(30)を用いて、本実施の形態のシールドトンネルの接合部の構築方法を実施する手順を説明する。
シールド機20(30)が本線トンネルT1とランプトンネルT2との合流部TJに到達するまでは、図7(a)、図8(a)に示すように、拡径部用カッタ24(34)と拡径部用スキンプレート25(35)とはシールド機本体21(31)の中胴部28(38)に収納され、カバー部材26(36)によって、シールド機本体21(31)のスキンプレート23(33)とほぼ連続する状態に隠蔽されている。
そして、図1に示すように、ほぼ円型断面のシールド坑を掘進し、その後方に、ほぼ円型断面の覆工11,12が構築されるようにセグメントを設置していく。
【0022】
シールド機20(30)が本線トンネルT1とランプトンネルT2との合流部TJに近づいたら、図7(b)、図8(b)に示すように、カバー部材26(36)がシールド機本体21(31)のスキンプレート23(33)に沿って摺動させ、このカバー部材26(36)によって隠蔽されていた拡径部用カッタ24(34)と拡径部用スキンプレート25(35)とを坑壁に向かって露出させる。
この状態で、図2(a),(b)、図7(d)に示すように、シールド機本体21(31)の中胴部28(38)の幅は、シールド機本体21(31)の幅より小さく、またほぼD型断面に設定されている。これにより、後述するように、合流部TJの掘進時の覆工1,2の幅1W,2Wを、合流部TJ以外の区間における覆工11,12の幅11W,12Wよりも小さく、また覆工1,2の形状をほぼD型断面に構築することが可能となっている。
【0023】
そして、図7(c)、図8(c)及び図9、図10に示すように、液圧ジャッキ25J(35J)を伸出させることにより、上下一対の拡径部用スキンプレート25(35)と、これにそれぞれ取り付けられた拡径部用カッタ24(34)とが、シールド機本体21(31)の側面から外側に突出させる。この状態で、シールド機本体21(31)前方のカッタ22(32)と拡幅部用カッタ24(34)とにより、ほぼD型断面のシールド坑を掘進可能となる。
【0024】
シールド機20の拡径部用スキンプレート25は、図9に示すように、液圧ジャッキ25Jの動作によって上下に並行移動することで突出あるいは収納されるようになっている。シールド機30の拡径部用スキンプレート35は、図10に示すように、その一端が軸固定されており、液圧ジャッキ35Jの動作によって回転しながら突出あるいは収納されるようになっている。
【0025】
また、図9、図10に示すように、拡径部用スキンプレート25,35の側方には補助スキンプレート25A又は35A,35Bが備えられており、拡径部用スキンプレート25,35がシールド機本体21,31の内部に収納された状態から外側に突出する状態までの間、シールド機本体21,31のスキンプレート23(23A),33(33A)との間に空隙ができないよう密閉するようになっている。拡径部用スキンプレート25,35とシールド機本体21,31のスキンプレート23(23A),33(33A)、補助スキンプレート25A,35A,35Bとの接触部分には、防水のためのシール機構(図示省略)が備えられている。
【0026】
次いで、シールド機本体21(31)から、テール部27(37)を切り離す。そして、このテール部27(37)に反力をとって、図1、図2(d)、図7(d)に示すように、残りのシールド機本体21(31)でほぼD型断面のシールド坑を掘進し、その後方に、ほぼD字断面の覆工1,2が構築されるようにセグメントを設置していく。合流部TJの掘進時の覆工1,2の幅1W,2Wは、上記の通り、合流部TJ以外の区間における覆工11,12の幅11W,12Wよりも小さく構築される。
【0027】
本線トンネルT1とランプトンネルT2との合流部TJ区間の掘進が終了したら、シールド機本体21(31)から更に、拡径部用カッタ24(34)と拡径部用スキンプレート25(35)とを含む中胴部28(38)を切り離す。そして、この中胴部28(38)に反力をとって、図1、図7(e)、図8(e)に示すように、残りのシールド機本体21(31)で再びほぼ円型断面のシールド坑を掘進し、その後方には円型断面の覆工11,12が構築されるようにセグメントを設置していく。
【0028】
以上のようにして、シールド機20,30を用い、本線トンネルT1とランプトンネルT2の合流部TJ区間をそれぞれ掘進していく状況の断面を見ると、図2(a)〜図2(b)のようになる。
このように、シールド機20,30を掘進させて、互いに並行するように、それぞれほぼD型断面に構築された本線トンネルT1とランプトンネルT2の覆工1,2内部に、図2(c)に示すように、仮設支柱8を設置する。また本線トンネルT1とランプトンネルT2の覆工1,2間の空隙の上下の部分の地山9に対して、地盤改良材注入、地盤凍結等により地盤改良を施す。
ここで、仮設支柱8の設置は、セグメントで覆工1,2を組み立てるのと同時に行っても良い。
【0029】
次いで、図2(d)に示すように、本線トンネルT1とランプトンネルT2の間の覆工1,2を構成するセグメントの一部1A,2Aを取り外し、二本のトンネルT1,T2を横方向に連続させる。
二本のトンネルの覆工1,2には、図2、図3に示すように、予めピンジョイント1J,2Jが取り付けられている。そして、図2(e)に示すように、本線トンネルT1と支線トンネルT2の覆工1,2内の上方と下方とに、この覆工1,2の間を覆うようにして鋼殻5をそれぞれ配置し、ピンジョイント1J,2Jの間に取り付ける。
【0030】
図3(b)における、鋼殻5のA−A断面を、図4に示す。鋼殻5は、互いに並行するビルトH鋼51のフランジ間に、スタッドボルト等からなるジベル53が取り付けられた鋼板52が固定されて構成されたものである。
ピンジョイント1J(2J)には、図5に示すように、トンネルの路線方向に沿うように長孔1Jaが形成されており、この長孔1Jaを利用して鋼殻5の端部をボルト締結により取り付ける。これにより、図6に示すように本線トンネルT1とランプトンネルT2の覆工1,2を構成するセグメントの位置がトンネルの路線方向に互いにずれていても、これらセグメントに予め取り付けられたピンジョイント1J,2Jに対する鋼殻5の、トンネル路線方向の取付位置の誤差が吸収されるようになっている。
【0031】
そして、図2(f)に示すように、仮設支柱8を取り外すと共に、鋼殻5と覆工1,2の間の空間にコンクリートからなる充填材7を充填して、本線トンネルT1とランプトンネルT2との覆工1,2を一体化する。
これにより、本線トンネルT1とランプトンネルT2との合流部TJの覆工の断面がほぼ円形となり、力学的に安定したものとなる。このようにして、本線トンネルT1とランプトンネルT2との合流部TJの覆工が完成する。
【0032】
本線トンネルT1と支線トンネルT2の覆工の間に鋼殻を取り付けるための別の方法を説明する。
図11(a)〜図11(c)に示すように、シールド機20,30で合流部TJ区間を掘進して、互いに寄り添うように覆工3,4を構築する際、この覆工3,4を構成するセグメントとして、鋼殻6の一部を構成する鋼殻ブロック6a,6bがピンジョイント3J,4Jで取り付けられたものを、予め地上等で製作した上で搬入して用いる。
【0033】
次いで、図11(d)に示すように、本線トンネルT1とランプトンネルT2の間の覆工3,4を構成するセグメントの一部3A,4Aを取り外し、二本のトンネルT1,T2を横方向に連続させる。
そして、図11(e)に示すように、本線トンネルT1と支線トンネルT2の覆工3,4を一体化させる際に、これら本線トンネルT1と支線トンネルT2とに取り付けられた鋼殻ブロック6a,6b間に連結用鋼殻ブロック6cを取り付けて連続させることで、鋼殻6を完成させる。
後は同様に、図11(f)に示すとおり、仮設支柱8を取り外すと共に、鋼殻6と覆工3,4の間の空間にコンクリートからなる充填材7を充填して、本線トンネルT1とランプトンネルT2との覆工3,4を一体化し、本線トンネルT1とランプトンネルT2との合流部TJの覆工を完成させる。
【0034】
以上、本実施の形態に記載のシールドトンネルの合流部の構築方法によれば、本線トンネルT1とランプトンネルT2との合流部TJの区間において、これら本線トンネルT1とランプトンネルT2とを互いに寄り添うように掘進すると共にそれぞれほぼD型断面の覆工1〜4を組み立てて、本線トンネルT1とランプトンネルT2の覆工1〜4の断面の包絡線がほぼ円形になるようにし、次いで、本線トンネルT1とランプトンネルT2とを分け隔てる覆工1〜4の一部1A〜4Aを除去して連続させると共にこれら本線トンネルT1とランプトンネルT2の覆工1〜4の間を覆うように鋼殻5,6を取り付け、この鋼殻5,6と覆工1〜4の間の空間に充填材7を充填して本線トンネルT1とランプトンネルT2の覆工1〜4を一体化させるので、合流部TJにおいて、ほぼ円形断面の覆工を、NATM工法や開削工法などを併用することなく、簡素な作業で短期間に構築することが可能である。
また、本線トンネルT1とランプトンネルT2との合流部TJの断面を力学的に安定的なほぼ円形断面の形状に構築することができるので、特に大きな土圧を受ける大深度の地下空間において、本線トンネルT1とランプトンネルT2との合流部TJを構築するのに適したシールドトンネルの合流部の構築方法となる。
【0035】
また、鋼殻5,6が本線トンネルT1とランプトンネルT2の覆工1〜4にピンジョイント1J〜4Jにより接合されているので、互いに接合された覆工1〜4と鋼殻5,6の断面に生じる曲げ応力を小さくすることができる。
したがって、覆工1〜4と鋼殻5,6に要求される曲げ剛性が小さくなり、覆工1〜4を構成するセグメントと鋼殻5,6とを経済的なものとすることができる。
また、鋼殻5,6を覆工1〜4に接合するピンジョイント1J〜4Jによって、鋼殻5,6の覆工1〜4に対する接合角度を調整することが可能となり、本線トンネルT1とランプトンネルT2の覆工1〜4を構成するセグメントの位置が鉛直方向に互いにずれていても、これら覆工1〜4に取り付けたピンジョイント1J〜4Jで、鋼殻5,6の覆工1〜4に対する取付角度の誤差を吸収して取り付けることができる。
【0036】
また、ピンジョイント1J(2J)に、鋼殻5の覆工1,2に対する接合位置を調整可能な長孔1Jaが形成されているので、本線トンネルT1と支線トンネルT2の覆工1,2を構成するセグメントの位置がトンネルの路線方向や鉛直方向に互いにずれていても、これら覆工1,2に取り付けられたピンジョイント1J(2J)で、鋼殻5の覆工1,2に対する取付位置の誤差を吸収して取り付けることができる。
【0037】
また、本線トンネルT1とランプトンネルT2との合流部TJの区間において、これら本線トンネルT1とランプトンネルT2とをそれぞれ掘進する際に、鋼殻6の一部を構成する鋼殻ブロック6a,6bが予め取り付けられたセグメントを用いて覆工3,4を組み立て、次いで、本線トンネルT1とランプトンネルT2の覆工3,4を一体化させる際に、これら本線トンネルT1とランプトンネルT2とに取り付けられた鋼殻ブロック6a,6b間に連結用鋼殻ブロック6cを取り付けて連続させることで、鋼殻6を完成させるので、本線トンネルT1とランプトンネルT2との接合部TJを、より少ない作業で短期間に構築することが可能となる。
【0038】
また、本線トンネルT1とランプトンネルT2との少なくとも一方は、合流部TJの掘進時の覆工1,2の幅が、合流部TJ以外の区間における覆工11,12の幅よりも小さいので、合流部で必要なトンネルの断面積を確保しつつ、この断面積が大きくなりすぎることを避けて掘削断面積を小さくし、本線トンネルT1とランプトンネルT2との合流部TJを構築するために要するコストを更に縮減することができる。
【0039】
なお、本発明のシールド機は、上記の実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、上記の実施の形態では、道路トンネルの本線とランプを掘進すると共にその合流部を構築しているが、分岐部や拡幅部を備える鉄道トンネルや下水道トンネル等を構築する際にも本発明のシールドトンネルの合流部の構築方法を適用可能である。
また、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【0040】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、本線トンネルと支線トンネルとの合流部の区間において、これら本線トンネルと支線トンネルとを互いに寄り添うように掘進すると共にそれぞれほぼD型断面の覆工を組み立てて、本線トンネルと支線トンネルの覆工の断面の包絡線がほぼ円形になるようにし、次いで、本線トンネルと支線トンネルとを分け隔てる覆工の一部を除去して連続させると共にこれら本線トンネルと支線トンネルの覆工の間を覆うように鋼殻を取り付け、この鋼殻と覆工の間の空間に充填材を充填して本線トンネルと支線トンネルの覆工を一体化させるので、合流部において、ほぼ円形断面の覆工を、NATM工法や開削工法などを併用することなく、簡素な作業で短期間に構築することが可能である。
また、本線トンネルと支線トンネルとの合流部の断面を力学的に安定的なほぼ円形断面の形状に構築することができるので、特に大きな土圧を受ける大深度の地下空間において、本線トンネルと支線トンネルとの合流部を構築するのに適したシールドトンネルの合流部の構築方法となる。
【0041】
また、請求項1に記載の発明によれば、鋼殻が本線トンネルと支線トンネルの覆工にピンジョイントにより接合されているので、互いに接合された覆工と鋼殻の断面に生じる曲げ応力を小さくすることができる。
したがって、覆工と鋼殻に要求される曲げ剛性が小さくなり、覆工を構成するセグメントと鋼殻とを経済的なものとすることができる。
また、鋼殻を覆工に接合するピンジョイントによって、鋼殻の覆工に対する接合角度を調整することが可能となり、本線トンネルと支線トンネルの覆工を構成するセグメントの位置が鉛直方向に互いにずれていても、これら覆工に取り付けたピンジョイントで、鋼殻の覆工に対する取付角度の誤差を吸収して取り付けることができる。
【0042】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の効果が得られると共に、ピンジョイントが、鋼殻の覆工に対する接合位置を調整可能に形成されているので、本線トンネルと支線トンネルの覆工を構成するセグメントの位置がトンネルの路線方向や鉛直方向に互いにずれていても、これら覆工に取り付けたピンジョイントで、鋼殻の覆工に対する取付位置の誤差を吸収して取り付けることができる。
【0043】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1または2に記載の発明と同様の効果が得られると共に、本線トンネルと支線トンネルとの合流部の区間において、これら本線トンネルと支線トンネルとをそれぞれ掘進する際に、鋼殻の一部を構成する鋼殻ブロックが予め取り付けられたセグメントを用いて覆工を組み立て、次いで、本線トンネルと支線トンネルの覆工を一体化させる際に、これら本線トンネルと支線トンネルとに取り付けられた鋼殻ブロック間に連結用鋼殻ブロックを取り付けて連続させることで、鋼殻を完成させるので、本線トンネルと支線トンネルとの接合部を、より少ない作業で短期間に構築することが可能となる。
【0044】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明と同様の効果が得られると共に、本線トンネルと支線トンネルとの少なくとも一方は、合流部の掘進時の覆工の幅が、合流部以外の区間における覆工の幅よりも小さいので、合流部で必要なトンネルの断面積を確保しつつ、この断面積が大きくなりすぎることを避けて掘削断面積を小さくし、本線トンネルと支線トンネルとの合流部を構築するために要するコストを更に縮減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシールドトンネルの合流部の構築方法の概略を示す斜視図である。
【図2】本発明に係るシールドトンネルの合流部の構築方法の手順の一例を示す断面図である。
【図3】本発明に係るシールドトンネルの合流部の構築方法の手順の一例を示す拡大断面図である。
【図4】本発明に係るシールドトンネルの合流部の構築方法における鋼殻の一例を示す断面図である。
【図5】本発明に係るシールドトンネルの合流部の構築方法におけるピンジョイントの一例を示す斜視図である。
【図6】本発明に係るシールドトンネルの合流部の構築方法における、本線トンネルと支線トンネルとの鋼殻の位置の誤差の発生状況の一例を示す上面図及び断面図である。
【図7】本発明に係るシールドトンネルの合流部の構築方法に利用されるシールド機のの動作の一例を示す上面図及び断面図である。
【図8】本発明に係るシールドトンネルの合流部の構築方法に利用されるシールド機のの動作の一例を示す斜視図である。
【図9】本発明に係るシールドトンネルの合流部の構築方法に利用されるシールド機のの動作の一例を示す断面詳細図である。
【図10】本発明に係るシールドトンネルの合流部の構築方法に利用されるシールド機のの動作の他の一例を示す断面詳細図である。
【図11】本発明に係るシールドトンネルの合流部の構築方法の手順の他の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1〜4,11,12 覆工
1J〜4J ピンジョイント
1W,2W (合流部掘進時の)覆工の幅
11W,12W (合流部以外の区間の)覆工の幅
5,6 鋼殻
6a,6b 鋼殻ブロック
6c 連結用鋼殻ブロック
7 充填材
T1 本線トンネル
T2 支線トンネル(ランプトンネル)
TJ 合流部

Claims (4)

  1. シールド工法によってそれぞれ構築される本線トンネルと支線トンネルとの合流部を構築するためのシールドトンネルの合流部の構築方法であって、前記合流部の区間において、前記本線トンネルと前記支線トンネルとを互いに寄り添うように掘進すると共にそれぞれほぼD型断面の覆工を組み立てて、これら本線トンネルと支線トンネルの覆工の断面の包絡線がほぼ円形になるようにし、次いで、前記本線トンネルと前記支線トンネルとを分け隔てる前記覆工の一部を除去して連続させると共にこれら本線トンネルと支線トンネルの覆工の間を覆うように鋼殻をピンジョイントによって接合し、この鋼殻と前記覆工の間の空間に充填材を充填して本線トンネルと支線トンネルの覆工を一体化させることを特徴とするシールドトンネルの合流部の構築方法。
  2. 前記ピンジョイントが、前記鋼殻の前記覆工に対する接合位置を調整可能に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のシールドトンネルの合流部の構築方法。
  3. 前記合流部の区間において前記本線トンネルと前記支線トンネルとをそれぞれ掘進する際に、前記鋼殻の一部を構成する鋼殻ブロックが予め取り付けられたセグメントを用いて前記覆工を組み立て、前記本線トンネルと前記支線トンネルの覆工を一体化させる際に、これら本線トンネルと支線トンネルとに取り付けられた前記鋼殻ブロック間に連結用鋼殻ブロックを取り付けて連続させることで、前記鋼殻を完成させることを特徴とする請求項1または2に記載のシールドトンネルの合流部の構築方法。
  4. 前記本線トンネルと前記支線トンネルとの少なくとも一方は、前記合流部の掘進時の覆工の幅が、合流部以外の区間における覆工の幅よりも小さいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のシールドトンネルの合流部の構築方法。
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