JP2637180B2 - 拡大シールド工法 - Google Patents

拡大シールド工法

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JP2637180B2 JP20829988A JP20829988A JP2637180B2 JP 2637180 B2 JP2637180 B2 JP 2637180B2 JP 20829988 A JP20829988 A JP 20829988A JP 20829988 A JP20829988 A JP 20829988A JP 2637180 B2 JP2637180 B2 JP 2637180B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、シールドトンネルの一部に拡大部を築造す
る拡大シールド工法に関する。
〔従来の技術〕
従来知られている拡大シールド工法には、通常のシー
ルド工法で構築されたトンネル一次覆工の一部を坑内か
らセグメントを取りはずしながら切り拡げ、この部より
トンネル軸方向への拡大断面のシールドによる掘進とセ
グメントの再構築を進める方法や、通常のシールド工法
で構築されたトンネル一次覆工の坑内に設置した専用の
掘削装置によりトンネル軸直角方向に掘削しながら拡大
部用セグメントを順次押出すことにより所要の拡大空間
部を得る方法などがある。
〔発明が解決しようとする課題〕
近年、市街地においては、交通阻害、振動騒音等の地
域環境問題、地下埋設物の輻輳による洞道の深層化等か
らトンネル部の多くはシールド工法により施工されてい
る。
しかし、鉄道トンネルのプラットホームや亘り線部、
急曲線の道路トンネルの拡幅部、電力トンネルのケーブ
ル接続部、分岐部などのトンネルを拡幅する必要がある
ところでは、従来はそのほとんどを地上からの開削で築
造している。
これらのトンネルの多くは、その機能上、道路の交差
点の下が多く、商業地域で、かつ交通や地下埋設物が輻
輳している幹線道路の交差点等では、開削工法による箱
形トンネルの築造は地域環境、交通への影響や安全確保
等の種々の問題からむずかしくなっており、開削工法に
よらないトンネル拡幅部築造技術の開発が望まれてい
る。
この要望に応えるため、最近になって記述のような拡
大シールド工法が開発されているが、その一つの方法で
は、坑内からの切り拡げに伴ない坑内に地山が露出する
ため、あらかじめ薬液注入等による拡大掘削部の地盤改
良をする必要があり、また他の方法では、地山の露出を
避ける手段はあるとしても、専用の掘削装置を坑内に設
置し、セグメントに設けた孔部を通して地山を掘削しな
がら、セグメントの押出しを行なわなければならない。
本発明の目的は、シールドトンネルの一部に拡大部を
築造するに当り、拡大区間の地山を坑内に露出させるこ
となく、また専用の掘削装置を坑内に設置することな
く、より安全確実に、かつ経済的に施工できる工法を提
供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために本発明は、密閉型回転カッ
タシールド機によるトンネルの掘進途上において、回転
カッタに装備したオーバカッタにより拡大予定区間の周
辺地山を拡大形状に合せて余掘り掘削するとともに、シ
ールド機内から塑性流動性を有する泥土を余掘り掘削部
に注入して充満させ、その圧力を地山の安定に適した値
に維持し、拡大予定区間の始点部より所要範囲にわたっ
てはシールド機に後続して拡大シールド構成部材の構築
を行ないながら掘進し、拡大シールド構成部材の構築終
了後、余掘り掘削部に対応する箇所の拡大シールド構成
部材を余掘り掘削部へ押し出すことにより拡大部を形成
し、不用となった内殻部を撤去し、拡大シールド構成部
材の内側にテールシール、シールドジャッキを装備し
て、拡大シールド構成部材自体を後部シールドとなし、
前記密閉型回転カッタシールド機を前部シールドとし
て、以後、後部シールド内で後続する拡大セグメントの
構築を行ない、後部シールドに装備したシールドジャッ
キにより前部シールドおよび後部シールドを推進し、拡
大予定区間の掘進を行なうことを特徴とする。
〔作用〕
本発明においては、オーバカッタにより余掘り掘削し
た部分に塑性流動性を有する泥土を充満させて、地山の
安定に適した泥土圧を維持し、拡大予定区間の始点部よ
り所要範囲にわたって構築した拡大シールド構成部材を
坑内から押し出すことにより拡大部を形成し、不用とな
った内殻部を撤去し、この拡大シールド構成部材の内側
にテールシール、シールドジャッキを装備して、拡大シ
ールド構成部材自体を後部シールドとなし、以後、この
後部シールド内で後続する拡大セグメントの構築を行な
い、後部シールドに装備したシールドジャッキにより前
部シールドおよび後部シルドを推進し、拡大予定区間の
掘進を行なうようにしたため、常に地山の安定を保持す
ることができるとともに、拡大予定区間の地山を坑内に
露出させることなく施工ができて、安全であり、事前の
地盤改良や坑内からの拡大掘削が不要である。
シールドハル外周上の複数箇所に配設した土圧計の計
測値に基づいてシールド機内からの泥土の注入量を制御
したり、拡大シールド構成部材の押出し時に、拡大シー
ルド構成部材のグラウトホールを通じて余掘り掘削部か
ら泥土を坑内に排出するか、必要な場合は、逆に余掘り
掘削部へ泥土を補充注入するなどの方法で、余掘り掘削
部に充満した泥土の圧力を地山の安定およびシールドの
姿勢保持に必要な値に保つことができる。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例を第1図〜第17図により説明
する。
第1図は本発明の拡大シールド工法における拡大部築
造前のシールド施工状態を示す概要図である。図中、1
は密閉型回転カッタシールド機の一例として示した土圧
式シールド機で、シールドハル2、回転カッタ3、カッ
タスポークに内蔵されたオーバーカッタ4、掘削土砂を
取込むチャンバ5、チャンバ5からシールド機内へ掘削
土砂を排出するスクリューコンベア排土装置6、掘削土
砂と回転カッタ3の先端部注入口7から注入される粘性
付与液とを撹拌混合するための撹拌翼8、チャンバ5内
の土圧を測定する土圧計9を備え、地山の安定保持とシ
ールドの姿勢保持を図るため、回転カッタ3の工法のシ
ールドハル2外周上にシールド機内からオーバーカッタ
4で余掘り掘削した部分へ泥土を注入するための泥土注
入口10および余掘り掘削部の土圧を計測する土圧計11が
装備されている。12はシールド機1に接続して構築され
た通常区間のセグメント、13,13′はシールドトンネル
の拡大予定区間の始点部より所要範囲において使用され
る拡大シールド構成部材で、13は拡大部用構成部材、1
3′は拡大しない部分の構成部材である(Lは拡大シー
ルド構成部材設置範囲)。14は地山を示す。
第2図はオーバーカッタ4、泥土注入口10、土圧計11
が装備されたシールド機前部の拡大模式断面図で、泥土
注入口10、土圧計11はシールドハル2のフード部の複数
箇所に設けられ、泥土注入口10は送泥管15を介して機内
に設置した送泥ポンプ(図示せず)に接続されている。
通常区間でのトンネルの掘進は、回転カッタ3を回転
させて地山14を円形断面に掘削し、回転カッタ3の先端
部注入口7から注入される粘性付与液(ベントナイト溶
液等)と掘削土砂とを撹拌翼8で撹拌混合し、塑性流動
性を有する泥土としてチャンバ5内に充満させ、チャン
バ5内の土圧を土圧計9で管理しながらスクリューコン
ベア排土装置6で排土することによって行なう。そし
て、所定距離掘進するごとに、図示しないセグメント構
築装置によりセグメント12を組立てる。このようにして
構築されるセグメント12は第3図に示すような円形断面
となり、通常の一次覆工断面と同じである。しかし、他
のトンネルと接続する箇所や地下鉄のプラットホームの
ようにトンネル全長の中の一部分だけ坑内空間を拡げた
い場合、例えば第3図に示す断面を第4図に示す断面の
ように拡大したい場合、本工法では下記の手順により施
工する。
第1図において、トンネル一次覆工全長のうち拡大予
定区間以外の部分は通常のシールド工法と全く同様に施
工し、拡大予定区間の始点に達した時から、カッタスポ
ークに内蔵されたオーバーカッタ4を用いて、第5図に
示すようにシールドの周辺地山を拡大形状に合わせて余
掘り掘削する。余掘り掘削に使用するオーバーカッタ4
は第2図に示す油圧ジャッキ16等いにより伸縮し、例え
ば300mm以上の余掘り量を確保できるものとする。
余掘り掘削と同時にシールド機内から泥土注入口10を
介して塑性流動性を有する泥土17(この泥土はスクリュ
ーコンベア6によりチャンバ5から機内に取り込んだも
のをそのままか、あるいは要すれば礫分の一部を除去す
るなどして利用することができる。)を図示しない送泥
ポンプで加圧し注入する。これにより、余掘り部の掘削
土砂をチャンバ5側、すなわちシールド機全面の切羽側
へ移動させるとともに、余掘り部分へ泥土17を充満さ
せ、地山を保持するに必要な土圧を維持するように加圧
しながら掘進し、所定距離掘進するごとに拡大シールド
構成部材13,13′を組立てる。拡大シールド構成部材13,
13′の組立にはセグメント12の組立と同じセグメント構
築装置を使用できる。この時点での拡大シールド構成部
材13,13′の組立形状は第6図に示すような円形断面と
し、外径はセグメント12の組立状態の外径と同じであ
る。
拡大シールド構成部材13,13′は、セグメント状ブロ
ックからなっており、拡大部用構成部材13と拡大しない
部分の構成部材13′との分割面は拡大時の押出し方向と
平行に形成されている。第7図に示すように、拡大部用
構成部材13の内側には後述する拡大部側面形成部材21を
取付けるためのボルト穴18−1をあけたフランジ19が設
けられている。第7図は拡大部用構成部材13の一例を示
す図で、鋼材により箱形に形成され、前記ボルト穴18−
1のほか、側面および分割面にも連結用ボルト穴18−
2、18−3があけられている。図示しないが、拡大しな
い部分の構成部材13′も第7図に示す拡大部用構成部材
13とほぼ同形状をしている。ただし、ボルト穴18−1は
必要でない。
第8図は本工法に使用する拡大部側面形成部材(以
下、拡大用アダプタと略称する)21の一例を示す。短筒
状をした拡大用アダプタ21は、一端に前記拡大部用構成
部材13のフランジ19と合致するフランジ22を有し、その
各側面およびフランジ22に連結用ボルト穴23−1、23−
2、23−3があけられている。
本明細書では、上記拡大部用構成部材13、拡大しない
部分の構成部材13′および拡大用アダプタ21を、拡大シ
ールド構成部材と総称する。
余掘り掘削部に充満した泥土17の圧力を地山の安定に
必要な値に保つために、前記泥土注入口10、土圧計11の
ほかに、拡大部用構成部材13の一部または全部のグラウ
トホール20にも第9図に例示した土圧計27、ストップバ
ルブ28、泥土注入・排出用ホース29を取付け、土圧計27
の計測値に基づいて泥土を排出または注入できるように
する。さらに、本実施例では、余掘り掘削部へ押し出さ
れる拡大部用構成部材13の最も切羽側の側板(第11図の
前部反力受30)にも土圧計39を装着し、その計測値に基
づいて泥土の注入制御を行なう。また、この切羽側側板
には泥土注入・排出口38を設けておく。なお、この拡大
予定区間の掘進は、シールドが蛇行しないように特に入
念に行なうが、必要に応じて第5図に示す両側の余掘り
掘削部への泥土注入量を加減することもできる。
次に、拡大シールド構成部材の拡大作業について説明
する。
第9図は拡大シールド構成部材の拡大作業要領図であ
る。第9図において、25は拡大用アダプタ21を既設の拡
大部用構成部材13と共に坑内から泥土を充満させた余掘
り掘削部へ押出すために使用される押出装置である。押
出装置25は、シールド機1に設置したセグメント構築装
置とは別の装置であって、上下移動および方向転換が可
能なロッド25−1上に油圧ジャッキ等で伸縮させる押圧
部25−2を設け、押圧の反力は反力受け(図示せず)を
介して一次覆工で受ける構造になっている。本装置は坑
内に設置したレール26上を走行する図示しない台車に搭
載されている。
第9図では拡大作業をシールドの片側ずつ行なう例を
示しているが、両側同時作業も押出装置25の構造を変更
することによって可能となる。
第10図は第9図のA−A断面を示す。
拡大シールド構成部材の拡大作業は次の順序で行な
う。
(1) 拡大部分の既設拡大部用構成部材13に拡大用ア
ダプタ21をボルトで取付ける。
(2) 押出装置25で拡大用アダプタ21の内側を押え
る。
(3) 拡大用アダプタ21を取付けた既設拡大部用構成
部材13の拡大ないし部分の構成部材13′およびセグメン
ト12との連結ボルトを取外し、そのボルト穴18−2、18
−3に図示しない止水用止栓を取付ける。
(4) 押出装置25のロッド25−1を伸ばし、拡大用ア
ダプタ21およびこれに連結した拡大部用構成部材13を徐
々に坑内から押し出す。この時、地山の安定に必要な泥
土の圧力を維持するように、拡大部用構成部材13のグラ
ウトホール20に接続した土圧計27の計測値に基き制御し
つつストップバルプ28、ホース29を通して泥土の排出ま
たは注入を行なう。
(5) 押し出しされた拡大用アダプタ21の内側のボル
ト穴23−1、23−2と既設の拡大しない部分の構成部材
13′およびセグメント12のボルト穴とが一致した時点で
押出作業を止め、拡大用アダプタ21の片側側面および上
下端面を拡大しない部分の構成部材13′およびセグメン
ト12にボルトで連結する。
(6) 拡大部分の拡大部用構成部材13の2リング目以
降は、押し出された拡大用アダプタ21の上下端面のボル
ト連結作業のほかに、押し出された拡大部用構成部材13
同士の片側側面のボルト連結作業が必要となる。なお、
拡大部用構成部材および拡大用アダプタの摺動部分は、
所要のシール機能をそなえたものとすることは言うまで
もない。
上記作業を順次繰返し、拡大部を形成してゆく。拡大
作業は拡大シールド構成部材1個ごとに行なってもよい
し、複数個同時に行なってもよい。拡大シールドの端部
では、押し出された拡大用アダプタ21の片側側面および
上下端面を拡大しない部分の構成部材13′およびセグメ
ント12にボルトで連結する。
以上で拡大シールド構成部材の拡大作業を終了する。
なお、拡大シールド構成部材設置範囲Lの長さは、後述
する後部シールドジャッキ35の長さと、拡大セグメント
37の長さ、後部テールシール36の取付長さ、前部および
後部反力受30,31の長さに余裕分を加味して決定する。
次に、拡大シールドが完成するまでの過程を説明す
る。
(1) 第11図、第12図は拡大シールド構成部材の拡大
作業終了時の状態を示す。
(2) まず、拡大シールドの切羽寄りの部分と立坑寄
りの部分の拡大部用構成部材13および拡大用アダプタ21
を補強して以後の掘進時の反力受として必要な強度をも
たせる(以下、前部反力受30、後部反力受31とよぶ)。
図示していないが、拡大しない部分の構成部材13′の内
側にも前部反力受30、後部反力受31を別部材により構築
する。
(3) 次に、前部反力受30、後部反力受31と前後に隣
接して設置された通常セグメント12とのつなぎ部分を補
強する。溶接でもボルト結合による補強でもよい。
(4) 補強完了後、前部反力受30と後部反力受31では
さまれる区間の拡大シールド構成部材13,13′、拡大用
アダプタ21の拡大シールド外殻として必要な部分以外の
内殻部を取り除く。内殻部を取り除くと第13図のように
なるが、拡大シールド構成部材13,13′、拡大アダプタ2
1の各連結部分は必要に応じボルトあるいは溶接により
補強する。
内殻部を撤去して残した外殻部34を以下、後部シール
ドとよぶ。
(5) 第14図、第15図、第16図に示すように、後部シ
ールド34の内側の各反力受30,31間に後部シールドジャ
ッキ35、後部テールシール36、拡大セグメント37を設置
する。拡大セグメント37は後部シールド34に後続して構
築される拡大区間の一次覆工部材で、後部シールド34と
相似の断面形状を有しており、後部シールド34と拡大セ
グメント37の間は後部テールシール36により止水され
る。
(6) 後部シールド34の後端と後部反力受31との連結
部を分離する。
以上で、拡大予定区間始点部での拡大シールドの構築
が完了し、以後、前述した拡大シールド構成部材13,1
3′、拡大アダプタ21の外殻部34を後部シールドとな
し、シールド機1を前部シールドとして、拡大予定区間
のシールド施工を行なう。
次に、その運転方法を説明する。(第16図、第17図参
照)。
(1) 掘削は、前部シールド1の回転カッタ3および
オーバカッタ4で行ない、土砂の取り込みは、スクリュ
ーコンベア排土装置6で行なう。排土量は、チャンバ内
土圧計9の計測値に基づきスクリューコンベア排土装置
6の回転数を制御して調整する。
オーバカッタによる掘削部には掘削と同時に前部シー
ルドの泥土注入口10から泥土を注入し充満させ、土圧計
11および土圧計39の計測値に基づき泥土注入口10および
泥土注入・排出口38からの注入量を調整することによ
り、泥土圧を常時地山の安定に必要な値に維持する。
(2) シールドの推進は、拡大セグメント37、後部反
力受31、その後方の通常セグメント12に反力をとり、後
部シールドジャッキ35を伸長して行なう。拡大セグメン
ト37の幅分掘進したところで後部シールドジャッキ35を
引き戻し、後部シールド34内で後続する拡大セグメント
37を組立てる。セグメント構築装置は図示しないが、後
方台車上にその装置を設置してもよいし、後部シールド
34にセグメント構築用エレクタを装備してもよい。
(3) 本工法によれば、拡大区間のカーブ施工も容易
となる。方法としては、後部シールドジャッキ35の片押
しによる方法と、前部シールドジャッキ32を片押しによ
り伸長して前部シールド1をカーブ線にのせ、その後、
後部シールドジャッキ35を伸長して後部シールド34とそ
の手前の通常セグメント12を追従させ、一定ストローク
前進したところで、後部シールド34内で次の拡大セグメ
ント(カーブ径に合ったテーパセグメントとする)37を
組む複動掘進の方法がある。後者の方法をとる場合は、
前部テールシール33として順逆両方向の摺動が可能なも
のを用いる。
(4) 拡大予定区間の終点部、すなわち拡大セグメン
ト37の最終組立が完了したところで、後部シールド34、
各反力受30,31を永久構築物として土中に残し、前部シ
ールド1と通常セグメント12による通常区間の掘進に移
行する。
以上、本発明の一実施例について説明してきたが、本
発明は上記実施例に限定させるものではない。例えば、
トンネルの拡大形状としては、第4図に示すように両側
に拡大する場合だけでなく、片側あるいは上側、下側等
を含む任意の方向に拡大することが可能であり、また使
用するシールド機としても、チャンバ内で掘削土砂を泥
土に変更する機種に限られることはなく、余掘り掘削部
に注入する泥土は別途に作ってもよい。その他の使用機
材や施工手順についても同様に本発明の要旨内において
適宜改変することができる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、 (1) 密閉型回転カッタシールド機に装備した長尺の
オーバーカッタにより拡大掘削(余掘り掘削)を行なう
ため、専用の掘削装置を一次覆工坑内に持ち込むことな
しに能率よく拡大掘削ができる。
(2) 余掘り掘削部にシールド機内から塑性流動性を
有する泥土を注入しながら掘進し、この部分の土圧を管
理することで地山保持とシールドの姿勢保持を行なうこ
とができる。
(3) 坑内に地山を露出させないため、作業の安全を
確保できる。
(4) 拡大予定区間の地盤改良を必要としない。
(5) 拡大シールド構築後は、後続する拡大セグメン
トの構築により直接拡大区間の一次覆工ができ、拡大部
用セグメントの押出し、再組立を必要としないため、能
率的であり、特に拡大区間が長距離にわたる場合に有利
である。
(6) 拡大セグメントをテーパセグメントとすること
により、拡大形状でのカーブ施工が容易にできる。
以上のことから、安全確実に、かつ経済的にシールド
トンネルの一部に拡大部を築造することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の拡大シールド工法における拡大部築造
前のシールド施工状態を示す概要図、第2図は本工法に
使用するシールド機の要部模式断面図、第3図は非拡大
区間の一次覆工断面図、第4図は本工法による拡大区間
のトンネル断面の一例を示す図、第5図は余掘り掘削部
の泥土注入状態を示す断面図、第6図は拡大シールド構
成部材の構築状態を示す断面図、第7図は拡大部用構成
部材の構成例を示す斜視図、第8図は拡大用アダプタの
構成例を示す斜視図、第9図は拡大シールドの拡大作業
の要領を示す模式断面図、第10図は第9図のA−A線に
沿った部分断面図、第11図は拡大シールドの拡大作業終
了時の状態を示す切断平面図、第12図は第11図のB−B
断面図、第13図は第12図の内殻部撤去後の状態を示す断
面図、第14図は第16図のC−C断面図、第15図は第16図
のD−D断面図、第16図は拡大シールドの完成状態を示
す切断平面図、第17図は拡大シールド完成後の掘進状態
を示す切断平面図である。 1……シールド機(前部シールド)、2……シールドハ
ル、3……回転カッタ、4……オーバカッタ、5……チ
ャンバ、6……スクリューコンベア排土装置、10……泥
土注入口、11……土圧計、12……通常セグメント、13,1
3′……拡大シールド構成部材、15……送泥管、20……
グラウトホール、21……拡大用アダプタ、25……押出装
置、27……土圧計、29……泥土注入・排出用ホース、30
……前部反力受、31……後部反力受、32……前部シール
ドジャッキ、33……前部テールシール、34……後部シー
ルド、35……後部シールドジャッキ、36……後部テール
シール、37……拡大セグメント、38……泥土注入・排出
口、39……土圧計。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 文也 東京都千代田区大手町2丁目6番2号 日立建機株式会社内 (72)発明者 須田 正男 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機 株式会社土浦工場内 (72)発明者 土屋 清 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機 株式会社土浦工場内 (56)参考文献 特開 昭59−61696(JP,A) 特開 昭60−212594(JP,A) 特開 昭58−73693(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】密閉型回転カッタシールド機によるトンネ
    ル掘進途上において、回転カッタに装備したオーバカッ
    タにより拡大予定区間の周辺地山を拡大形状に合せて余
    掘り掘削するとともに、シールド機内から塑性流動性を
    有する泥土を余掘り掘削部に注入して充満させ、その圧
    力を地山の安定に適した値に維持し、拡大予定区間の始
    点部より所要範囲にわたってはシールド機に後続して拡
    大シールド構成部材の構築を行ないながら掘進し、拡大
    シールド構成部材の構築終了後、余掘り掘削部に対応す
    る箇所の拡大シールド構成部材を余掘り掘削部へ押し出
    すことにより拡大部を形成し、不用となった内殻部を撤
    去し、拡大シールド構成部材の内側にテールシール、シ
    ールドジャッキを装備して、拡大シールド構成部材自体
    を後部シールドとなし、前記密閉型回転カッタシールド
    機を前部シールドとして、以後、後部シールド内で後続
    する拡大セグメントの構築を行ない、後部シールドに装
    備したシールドジャッキにより前部シールドおよび後部
    シールドを推進し、拡大予定区間の掘進を行なうことを
    特徴とする拡大シールド工法。
JP20829988A 1988-08-24 1988-08-24 拡大シールド工法 Expired - Fee Related JP2637180B2 (ja)

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