JP4141193B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像データに応じて点灯制御される発光源を備えたデジタル複写機、レーザプリンタ、ファクシミリ装置等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
発光源として半導体レーザ(以下、LDと表記する)を用い、このLDからの光ビームを偏向手段であるポリゴンミラーによって感光体上を走査することによって画像を形成する装置においては、主走査方向の画像書き出し側端部に、光ビームを検知する同期検知センサが設けられている。同期検知センサ上を光ビームが通過することにより、同期検知センサから同期信号が出力され、その同期信号で画像データの書き出しタイミングを決定している。よって、画像形成時には、光ビームが走査する毎に同期信号を得るためにLDを点灯させる必要がある。
【0003】
ポリゴンミラーを回転させるポリゴンモータ停止時から最初の同期信号を得るためには、まず、ポリゴンモータを回転させ、定常回転状態になったところでLDを点灯させ、同期検知センサから同期信号が出力されるまでLDを点灯させたままとする。同期信号を検知した後は、同期信号から或る一定時間後にLDを点灯し、再び同期信号を検知したらLDを消灯するようなタイミングでLDを点灯制御することにより、1走査毎に同期信号を検知することができる。
【0004】
同期信号を検知するためのLD点灯タイミングについては、感光体上を露光することによる感光体劣化、不要な露光によるトナー像の形成を防ぐようなタイミングにする必要がある。不要なトナー像は記録紙の裏汚れにつながる可能性があるからである。さらに、走査装置内のフレア光による画像劣化をなくすために、できるだけ点灯時間を短くするのが一般的である。
【0005】
しかし、ポリゴンモータ停止時から最初の同期信号を得るためには、前述した如く、LDを点灯させることになるが、ポリゴンミラーの回転角がLD点灯の瞬間、どうなっているかが分からないため、最大1ライン分、感光体上を露光してしまう。感光体上を露光してもトナー像を形成しないようにすれば良いが、ポリゴンモータ回転開始から画像形成開始までの時間をできるだけ短くする場合には、ポリゴンモータ回転と同時に、作像部についても動作を開始する必要がある。
【0006】
そこで、特開平10−319331号公報によれば、感光体上の潜像が顕像化するための最小光強度をPim、同期信号を発生させるのに必要な最小光強度をPdtとした時、偏向手段の停止時から最初に同期信号を得るためにLDを点灯する際は、点灯開始から最初の同期信号を得るまでのレーザビーム光強度P1dを、
Pdt≦P1d<Pim
としている。これにより、不要な露光ラインによる静電潜像が形成されても、その潜像にトナーが付着することがないようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、同期検知センサ上の光強度をPdtとした場合、走査光学系のばらつき等により、LDの光強度が装置によって異なってくる。よって、そのばらつきを事前に把握し、それを考慮した上で光強度Pdtを設定する必要がある。また、同期検知センサの特性、作像条件によっては同期信号を発生させるのに必要な最小光強度Pdtと感光体上の潜像が顕像化するための最小光強度Pimとの大小関係が逆転する場合も考えられる。
【0008】
本発明の目的は、最初の同期信号を検知する上で、できる限り不要な露光をなくし、不要な露光ラインによる静電潜像が形成されたとしても、その潜像へのトナー付着を最小限にすることで、記録紙への裏汚れ等の画像品質劣化を防止することである。
【0009】
本発明の目的は、できる限り早く同期信号を発生させ、画像形成開始までの時間を短くすることである。
【0010】
本発明の目的は、不要な露光ラインによって静電潜像が形成されたとしても、その潜像へのトナー付着を極力最小限にすることで、記録紙への裏汚れ等の画像品質劣化を防止することである。
【0011】
本発明の目的は、最初の同期信号検知後、画像形成開始までの時間を短くすることである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、画像データに応じて点灯制御される発光源と、この発光源から出力される光ビームを主走査方向に偏向させる偏向手段と、所定の位置に設けられて主走査方向に偏向された前記光ビームを受光し記録開始タイミングを定める同期信号を発生する同期検知手段と、前記発光源から出力される前記光ビームの光パワーを可変制御する光パワー制御手段と、を有する光ビーム走査装置を備え、副走査方向に回転又は移動する像担持体上を前記光ビームが走査することにより画像形成を行う画像形成装置であって、前記光パワー制御手段は、前記偏向手段の停止時から最初の同期信号を検知するまでに前記発光源から出力される前記光ビームの光パワーを前記同期検知手段が同期信号を発生させるために必要な光パワーよりも低いレベルから順次増加するように変化させる。
【0013】
従って、偏向手段の停止時から最初の同期信号を検知するまでに発光源から出力される光ビームの光パワーを同期検知手段が同期信号を発生させるために必要な光パワーよりも低いレベルから順次増加するように変化させることにより、同期検知手段が同期信号を発生させるために必要な光パワーを超えるパワーに達し、かつ、その光ビームが同期検知手段を走査した時点で最初の同期信号が検知されることとなるので、最初の同期信号を検知する上で、できる限り像担持体に対する不要な露光をなくし、不要な露光ラインによる静電潜像が形成されたとしても、その光パワー、即ち、露光量が低いので、その潜像へのトナー付着が最小限となり、記録紙への裏汚れ等の画像品質劣化が防止される。特に、光パワーを同期検知手段が同期信号を発生させるために必要な光パワーよりも低いレベルから順次増加するように変化させているので、同期検知センサの特性、作像条件によっては同期信号を発生させるのに必要な光パワーと像担持体上の潜像が顕像化するための最小の光パワーとの大小関係を問わず制御可能となる。
【0014】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、前記光パワー制御手段は、前記発光源から出力される前記光ビームの光パワーを予め設定されたステップで段階的に順次増加するように変化させる。
【0015】
従って、光ビームの光パワーを予め設定されたステップで段階的に順次増加するように変化させることにより、光パワーの制御を容易に行なえる。
【0016】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の画像形成装置において、予め設定されたステップで段階的に順次増加させる時間間隔を主走査方向1走査時間未満の時間間隔とした。
【0017】
従って、同期検知手段が同期信号を発生させるために必要な光パワーに達する時間が短くなるので、できるだけ早く最初の同期信号を検知することができ、画像形成動作を開始するまでに要する時間を短くすることができる。
【0018】
請求項4記載の発明は、請求項2記載の画像形成装置において、予め設定されたステップで段階的に順次増加させる時間間隔を主走査方向1走査時間以上の時間間隔とした。
【0019】
従って、順次増加させていく各々のステップの光パワーの光ビームが必ず同期検知センサを走査するので、可能な限り、低いレベルの光パワーで同期信号を発生させることができ、よって、不要な露光ラインによる静電潜像が形成されたとしても、その光パワー、即ち、露光量が低いので、その潜像へのトナー付着が最小限となり、記録紙への裏汚れ等の画像品質劣化が防止される。
【0020】
請求項5記載の発明は、請求項1ないし4の何れか一記載の画像形成装置において、前記光パワー制御手段は、前記偏向手段の停止時から前記同期検知手段により最初に同期信号が検知された後に次の同期信号を得るための前記発光源の光パワーを画像形成動作時の光パワーに切り替える。
【0021】
従って、最初に同期信号が検知された後に次の同期信号を得るための発光源の光パワーが画像形成動作時の光パワーに切り替えられるので、その同期信号検知後、すぐに画像形成動作に移ることができ、画像形成動作の開始までに要する時間を極力短縮できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の第一の実施の形態を図1ないし図5に基づいて説明する。本実施の形態は、画像形成装置としてレーザプリンタへの適用例を示す。
【0023】
図1はその原理的構成例を示す概略図である。像担持体としての感光体1の周囲には、電子写真プロセスに従い、帯電器2、光ビーム走査装置3、現像ユニット4、転写器5、クリーニングユニット6、除電器7等が配設され、通常の電子写真プロセスである帯電、露光、現像、転写により記録紙8上に画像が形成される。そして定着装置(図示せず)によって記録紙上の画像が定着される。
【0024】
ここに、光ビーム走査装置3は、図2に示すように、画像データに応じて点灯制御される発光源である半導体レーザ(LD)9を備え、このLD9から出力される光ビームはコリメートレンズ10により平行光束化され、シリンダレンズ11を通り、ポリゴンモータMによって高速回転するポリゴンミラー12によって主走査方向に偏向され、fθレンズ13、BTL(Barrel Toroidal Lens=バレル・トロイダル・レンズ)14を通り、折返しミラー15によって反射し、感光体1上を走査する。BTL14は、副走査方向のピント合わせ(集光機能と副走査方向の位置補正(面倒れ等))を行う。
【0025】
LD9とコリメートレンズ10とはLDユニット16としてユニット化されている。また、ポリゴンモータMにより高速回転されて水平面内で偏向走査させるポリゴンミラー12は、ポリゴンモータMとともに偏向手段を構成するもので、例えば、正六角形に形成されて6つの反射面を有している。
【0026】
また、主走査方向の所定位置、具体的には、非画像書込み領域の画像書出し位置より前方位置には、ポリゴンミラー12で偏向された光ビームを受光することにより、主走査方向の書込み開始のタイミングをとるための同期信号を検知出力する同期検知センサ17が同期検知手段として設けられている。この際、例えば、図3に示すように、同期検知センサ17に対する光路上にミラー18、レンズ19等が適宜介在されていてもよい。
【0027】
図3に、このような光ビーム走査装置3の制御を行なう画像書込制御部の構成例を示す。前述したように、光ビーム走査装置3の主走査方向端部の画像書出し側に光ビームを検出する同期検知センサ17が備わっており、fθレンズ13等を透過し、反射された光ビームがミラー18で反射され、レンズ19によって集光させて同期検知センサ17に入射するような構成になっている。光ビームが同期検知センサ17上を通過することにより、同期検知センサ17から同期信号/DETPが出力され、位相同期クロック発生部21、同期検知用点灯制御部22に送られる。書込クロック発生部23で生成されたクロックWCLKと同期信号/DETPとから、同期信号/DETPに同期したクロックVCLKを生成し、LD駆動部24及び同期検出用点灯制御部22に送られる。同期検出用点灯制御部22は、最初に同期信号/DETPを検知するために、LD9を点灯させるLD強制点灯信号BDをONしてLD9を強制点灯させるが、同期信号/DETPを検知した後には、同期信号/DETPとクロックVCLKとによって、フレア光が発生しない程度で確実に同期信号/DETPが検知できるタイミングでLD9を点灯させるLD強制点灯信号BDを生成する。そして、LD強制点灯信号BDをLD駆動部24に送る。
【0028】
光パワー制御手段として機能するLD駆動部24は、プリンタ制御部25からの指示によってLD9の光量を決定し、その光量で、LD強制点灯信号BD及びクロックVCLKに同期した画像データに応じてLD9を点灯制御する。そして、LDユニット16から光ビームが出射し、ポリゴンミラー12により偏向され、fθレンズ13等を通り、感光体1上を走査することになる。
【0029】
ポリゴンモータ駆動制御部26は、プリンタ制御部25からの制御信号によりポリゴンモータMを規定の回転数で回転制御する。
【0030】
図4にLD9の構成図を示す。LD9の構成は周知の通り、このLD9とそのレーザ光の一部を受光するモニタ用のPD(フォトダイオード)27とで構成されている。LD駆動部24ではプリンタ制御部25から指示された光量でLD9を点灯させるために、PD27のモニタ電圧Vmを一定に保つようにLD電流Idを制御する(APC動作:オート・パワー・コントロール)。光量を可変する場合、プリンタ制御部25からの指示によりモニタ電圧Vmが可変され、その設定されたモニタ電圧Vmを一定に保つようにLD電流Idを制御することになる。
【0031】
このような構成において、本実施の形態の場合のLD9の点灯及び光量設定のタイミングチャートを図5に示す。まず、ポリゴンモータMの停止時から最初の同期信号/DETPを検知するまでの動作制御として、ポリゴンモータを回転させ、定常回転(規定回転数)したところで、LD9の光パワーに関する光量設定値を同期検知センサ17が同期信号/DETPを発生させるために必要なレベルよりも低いレベルのAに設定し、LD強制点灯信号BDをONしてLD9を光量PAで点灯させる。そして、時間間隔Tで光量設定値をB→C→D→…のように可変し、LD9の光量(光パワー)をPB→PC→PD→…のように予め設定されたステップで段階的に順次増加させていく。同期検知センサ17により同期信号/DETPが検知されるまで光量を増加させていくが、図5に示す例では光量設定値がFの時に同期信号/DETPが検知され、その検知後、LD強制点灯信号BDをOFFしてLD9を消灯させている。その後は、光量設定値をFとし、LD強制点灯信号BDについては、フレア光が発生しない程度で確実に同期信号/DETPが検知できるタイミングとしている。
【0032】
従って、ポリゴンモータMの停止時から最初の同期信号/DETPを検知するまでにLD9から出力される光ビームの光パワーを同期検知センサ17が同期信号を発生させるために必要な光パワーよりも低いレベルから順次増加するように変化させることにより、同期検知センサ17が同期信号を発生させるために必要な光パワーを超えるパワーに達し、かつ、その光ビームが同期検知センサ17を走査した時点で最初の同期信号/DETPが検知されることとなるので、最初の同期信号/DETPを検知する上で、できる限り感光体1に対する不要な露光をなくし、不要な露光ラインによる静電潜像が形成されたとしても、同期検知センサ17が同期信号/DETPを検知出力した時の光パワーが感光体1上の潜像が顕像化するための最小光パワーよりも小さければ潜像が顕像化されることはなく、同期検知センサ17が同期信号/DETPを検知出力した時の光パワーが感光体1上の潜像が顕像化するための最小光パワーよりも大きい場合であってもその光パワー、即ち、露光量が低いので、その潜像へのトナー付着が最小限となり、記録紙8への裏汚れ等の画像品質劣化を防止することができる。特に、光パワーを同期検知センサ17が同期信号/DETPを発生させるために必要な光パワーよりも低いレベルから順次増加するように変化させているので、同期検知センサ17の特性、作像条件によっては同期信号/DETPを発生させるのに必要な光パワーと感光体1上の潜像が顕像化するための最小の光パワーとの大小関係を問わず制御可能となる。
【0033】
LD9の光パワーを規定する光量設定値の可変ステップと可変周期については、可変ステップが大きく、可変周期が短い場合は、ポリゴンモータ回転開始時から同期信号/DETPが検知されるまでの時間は短くなるが、感光体1へのトナー付着の可能性が高くなり、逆に、可変ステップが小さく、可変周期が長い場合は、感光体1へのトナー付着の可能性が小さくなるが、ポリゴンモータ回転開始時から同期信号/DETPが検知されるまでの時間が長くなり、画像形成動作の開始可能までの時間が長くなってしまう。よって、同期信号/DETPが検知されると予想される光量設定値、トナー付着の可能性がある光量設定値、画像形成動作の開始可能まので時間から各々を設定することになる。
【0034】
本実施の形態では、光量設定値を増加させる時間間隔Tを1走査時間未満としているので、同期検知センサ17が同期信号/DETPを発生させるために必要な光パワーに達する時間が短くなるので、できるだけ早く最初の同期信号を検知することができ、よって、画像形成動作を開始するまでに要する時間を短くすることができる。
【0035】
本発明の第二の実施の形態を図6に基づいて説明する。第一の実施の形態で示した部分と同一部分は同一符号を用いて示し、説明も省略する(以降の実施の形態でも同様とする)。
【0036】
本実施の形態は、構成的には第一の実施の形態と同様であるが、光量設定値を増加させる時間間隔Tを第一の実施の形態の場合とは異ならせたものである。
【0037】
図6に本実施の形態のLD9の点灯及び光量設定のタイミングチャートを示す。まず、ポリゴンモータMの停止時から最初の同期信号/DETPを検知するまでの動作制御として、ポリゴンモータを回転させ、定常回転(規定回転数)したところで、LD9の光パワーに関する光量設定値を同期検知センサ17が同期信号/DETPを発生させるために必要なレベルよりも低いレベルのAに設定し、LD強制点灯信号BDをONしてLD9を光量PAで点灯させる。そして、時間間隔Tで光量設定値をB→C→D→…のように可変し、LD9の光量(光パワー)をPB→PC→PD→…のように予め設定されたステップで段階的に順次増加させていく。このとき、光量設定値を増加させる時間間隔Tが本実施の形態では1走査時間と同じ(又は、それ以上)に設定されている。同期検知センサ17により同期信号/DETPが検知されるまで光量を増加させていくが、図5に示す例では光量設定値がEの時に同期信号/DETPが検知され、その検知後、LD強制点灯信号BDをOFFしてLD9を消灯させている。その後は、光量設定値をEとし、LD強制点灯信号BDについては、フレア光が発生しない程度で確実に同期信号/DETPが検知できるタイミングとしている。
【0038】
即ち、図5に示した第一の実施の形態の場合は、光量設定値がFの時に同期信号/DETPが検知されているが、時間間隔Tが1走査時間より短かいため、例えば、光量設定値Aの時とEの時の光ビームが同期検知センサ17上を走査していないので、光量設定値がAとEの時に、同期信号/DETPが検知できたかどうか分からなかった。この点、本実施の形態によれば、時間間隔T=1走査時間としているので、各光量設定値の光ビームが必ず同期検知センサ17を走査するので、可能な限り、低いレベルの光パワー(例えば、図5の場合のレベルFに対して図6の場合のレベルEのように)で同期信号/DETPを発生させることができる。よって、感光体1上に不要な露光ラインによる静電潜像が形成されたとしても、その光パワー、即ち、露光量が低いので、その潜像へのトナー付着が最小限となり、記録紙8への裏汚れ等の画像品質劣化を防止することができる。つまり、第一の実施の形態の場合より同期信号/DETPを検知するまでの時間はかかっているが、感光体1へのトナー付着の可能性はより小さくなる。
【0039】
本発明の第三の実施の形態を図7に基づいて説明する。図7は本実施の形態のLD9の点灯及び光量設定のタイミングチャートを示す。
【0040】
第二の実施の形態の場合と異なる点は、最初の同期信号/DETPを検知した後、次の同期信号/DETPを検知するための光量設定値を実際の画像形成動作時用の光量設定値Pに切り替えるようにした点である。
【0041】
これにより、次の同期信号/DETPを検知した後、すぐに画像形成動作に移ることができ、画像形成動作の開始までに要する時間を極力短縮できる。
【0042】
なお、本実施の形態は、第二の実施の形態への適用例を示したが、第一の実施の形態の場合についても同様に適用することができる。
【0043】
また、これらの実施の形態では、図1に示したレーザプリンタのような白黒用の画像形成装置への適用例として説明したが、以下に例示するようなカラー画像形成装置についても同様に適用することができる。
【0044】
A.1ドラム方式
図8に1ドラム方式のカラー画像装置(カラーレーザプリンタ)の構成例を示す。光ビーム走査装置3は図2に示したものと同様であり、画像データに応じて光書込みを行い、潜像担持体としての1個のドラム状の感光体1に静電潜像を形成する。感光体1は反時計方向に回転駆動されるが、その周囲には、電子写真プロセスに従い、帯電器2、光ビーム走査装置3、現像ユニット31、中間転写ベルト32、クリーニングユニット6、除電器7等が順に配設されている。ここに、現像ユニット31はカラー用であり、ブラックBK用の現像スリーブ33BK、シアンC用の現像スリーブ33C、マゼンタM用の現像スリーブ33M、イエローY用の現像スリーブ33Yを備えている他、各色の現像剤を汲み上げ、攪拌するために回転する現像パドル(図示せず)等を備えている。また、中間転写ベルト32は感光体1に対向接触させた転写バイアスローラ34、駆動ローラ35及び従動ローラ36間に架け渡されて時計方向に回転駆動されるもので、ローラ34,35間にはベルトクリーニングユニット37が設けられている。さらに、駆動ローラ35部分は記録紙8に対する転写位置とされ、この駆動ローラ35部分で中間転写ベルト32に接触させた紙転写バイアスローラ38を有する紙転写ユニット39を備えている。
【0045】
このようなカラー画像形成装置の画像形成動作について説明する。なお、ここでは現像動作の順序をBK,C,M,Yとするが、これに限るものではない。
【0046】
プリント動作が開始されると、まず、BK画像データに基づき光ビーム走査装置3による光書込み、潜像形成が始まる。このBK潜像の先端部から現像可能とすべく、BKスリーブ33BKによる現像位置に潜像先端部が到達する前に現像スリーブ33BKの回転を開始してBK潜像をBKトナーで現像する。そして、以降、BK潜像領域の現像動作を続けるが、BK潜像後端部がBK現像位置を通過した時点で現像不作動状態にする。これは少なくとも、次のC画像データによるC潜像先端部が到達する前に完了させる。
【0047】
感光体1に形成したBKトナー像は、感光体1と等速駆動されている中間転写ベルト32の表面に転写する。このベルト転写は、感光体1と中間転写ベルト32とが接触状態において、ベルト転写バイアスローラ34に所定のバイアス電圧を印加することで行う。なお、中間転写ベルト32には感光体1に順次形成するBK,C,M,Yのトナー像を同一面に順次形成位置合わせして4色重ねてベルト転写画像を形成し、その後、記録紙8に一括転写を行う。
【0048】
感光体1では、BK工程の次にC工程に進み、その後、M工程、Y工程と続くが、BK工程と同様なので説明を省略する。
【0049】
ベルトクリーニングユニット37は、ブレード,接離機構等で構成され、BK画像、C画像、M画像、Y画像をベルトに転写している間は、接離機構によってブレードがベルトに当接しないようにしている。紙転写ユニット39は、紙転写バイアスローラ38、接離機構等で構成され、紙転写バイアスローラ38は、通常は中間転写ベルト32面から離間しているが、中間転写ベルト32の面に形成された4色重ね画像を記録紙8に一括転写する時に接離機構によって押圧され、所定のバイアス電圧を印加し、記録紙8に画像を転写する。
【0050】
なお、記録紙8は中間転写ベルト32面の4色重ね画像の先端部が紙転写位置に到達するタイミングに合わせて給紙される。記録紙8に転写された画像は定着ユニット(図示せず)によって定着される。
【0051】
このような構成のカラー画像形成装置においても、前述した第一ないし第三の実施の形態を適用することができる。
【0052】
なお、1ドラム方式としては、ドラム状の感光体に代えて、ベルト状の感光体を用いた構成であってもよい。また、現像ユニット31に関しても、4色分の現像部を感光体表面に対して並設させたタイプに限らず、例えば、リボルバ方式として構成されたタイプであってもよい。
【0053】
B.4ドラム方式(タンデム方式)
図9に4ドラム方式のカラー画像装置(カラーレーザプリンタ)の構成例を示す。この方式は、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(BK)の4色の画像を重ね合わせたカラー画像を形成するために4組の画像形成部(感光体1、帯電器2、光ビーム走査装置3、現像ユニット4、転写器5)41Y,41M,41C,41BKを、転写ベルト42上に並設させた構成とされている。
【0054】
これにより、転写ベルト42によって矢印方向に搬送される記録紙8上に1色目の画像を形成し、次に2色目、3色目、4色目の順に画像を転写することにより、4色の画像が重ね合わさったカラー画像を記録紙8上に形成することができる。各色の画像形成部41Y,41M,41C,41BKについては図1に示した画像形成装置の場合と基本的に同じであるので、説明を省略する。
【0055】
このような構成のカラー画像形成装置においても、前述した第一ないし第三の実施の形態を適用することができる。
【0056】
なお、タンデム方式としては、一旦、中間転写ベルト上に各色トナー像を順次重ね合わせ転写させた後、記録紙上に一括転写させるタイプでもよい。また、光ビーム走査装置3に関しても各色毎に独立させて設けるタイプに限らず、例えば、4個のLDから各々出射される各色対応の光ビームを1箇所に配設させた1つのポリゴンミラー・ポリゴンモータを共用させて各感光体上を走査させるようにしたタイプであってもよい。
【0057】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、偏向手段の停止時から最初の同期信号を検知するまでに発光源から出力される光ビームの光パワーを同期検知手段が同期信号を発生させるために必要な光パワーよりも低いレベルから順次増加するように変化させるようにしたので、同期検知手段が同期信号を発生させるために必要な光パワーを超えるパワーに達し、かつ、その光ビームが同期検知手段を走査した時点で最初の同期信号が検知されることとなるので、最初の同期信号を検知する上で、できる限り像担持体に対する不要な露光をなくし、不要な露光ラインによる静電潜像が形成されたとしても、その光パワー、即ち、露光量が低いので、その潜像へのトナー付着が最小限となり、記録紙への裏汚れ等の画像品質劣化を防止することができる。特に、光パワーを同期検知手段が同期信号を発生させるために必要な光パワーよりも低いレベルから順次増加するように変化させているので、同期検知センサの特性、作像条件によっては同期信号を発生させるのに必要な光パワーと像担持体上の潜像が顕像化するための最小の光パワーとの大小関係を問わず制御することができる。
【0058】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の画像形成装置において、光ビームの光パワーを予め設定されたステップで段階的に順次増加するように変化させるようにしたので、光パワーの制御を容易に行なうことができる。
【0059】
請求項3記載の発明によれば、請求項2記載の画像形成装置において、予め設定されたステップで段階的に順次増加させる時間間隔を1走査時間未満の時間間隔としたので、同期検知手段が同期信号を発生させるために必要な光パワーに達する時間が短くすることができ、よって、できるだけ早く最初の同期信号を検知することができ、画像形成動作を開始するまでに要する時間を短くすることができる。
【0060】
請求項4記載の発明によれば、請求項2記載の画像形成装置において、予め設定されたステップで段階的に順次増加させる時間間隔を1走査時間以上の時間間隔としたので、順次増加させていく各々のステップの光パワーの光ビームが必ず同期検知センサを走査することとなり、可能な限り、低いレベルの光パワーで同期信号を発生させることができ、よって、不要な露光ラインによる静電潜像が形成されたとしても、その光パワー、即ち、露光量が低いので、その潜像へのトナー付着が最小限となり、記録紙への裏汚れ等の画像品質劣化を防止することができる。
【0061】
請求項5記載の発明によれば、請求項1ないし4の何れか一記載の画像形成装置において、最初に同期信号が検知された後に次の同期信号を得るための発光源の光パワーが画像形成動作時の光パワーに切り替えるようにしたので、その同期信号検知後、すぐに画像形成動作に移行させることができ、画像形成動作の開始までに要する時間を極力短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態の画像形成装置の原理的構成例を示す概略図である。
【図2】その光ビーム走査装置を示す概略斜視図である。
【図3】画像書込制御部の構成例を示すブロック図である。
【図4】LDの構成例を示す回路図である。
【図5】動作制御例を示すタイミングチャートである。
【図6】本発明の第二の実施の形態の動作制御例を示すタイミングチャートである。
【図7】本発明の第三の実施の形態の動作制御例を示すタイミングチャートである。
【図8】適用例として1ドラム方式のカラー画像形成装置の構成例を示す概略図である。
【図9】適用例として4ドラム方式のカラー画像形成装置の構成例を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
1 像担持体
3 光ビーム走査装置
9 発光源
12,M 偏向手段
17 同期検知手段
24 光パワー制御手段
Claims (5)
- 画像データに応じて点灯制御される発光源と、この発光源から出力される光ビームを主走査方向に偏向させる偏向手段と、所定の位置に設けられて主走査方向に偏向された前記光ビームを受光し記録開始タイミングを定める同期信号を発生する同期検知手段と、前記発光源から出力される前記光ビームの光パワーを可変制御する光パワー制御手段と、を有する光ビーム走査装置を備え、副走査方向に回転又は移動する像担持体上を前記光ビームが走査することにより画像形成を行う画像形成装置であって、
前記光パワー制御手段は、前記偏向手段の停止時から最初の同期信号を検知するまでに前記発光源から出力される前記光ビームの光パワーを前記同期検知手段が同期信号を発生させるために必要な光パワーよりも低いレベルから順次増加するように変化させることを特徴とする画像形成装置。 - 前記光パワー制御手段は、前記発光源から出力される前記光ビームの光パワーを予め設定されたステップで段階的に順次増加するように変化させることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 予め設定されたステップで段階的に順次増加させる時間間隔を主走査方向1走査時間未満の時間間隔としたことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
- 予め設定されたステップで段階的に順次増加させる時間間隔を主走査方向1走査時間以上の時間間隔としたことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
- 前記光パワー制御手段は、前記偏向手段の停止時から前記同期検知手段により最初に同期信号が検知された後に次の同期信号を得るための前記発光源の光パワーを画像形成動作時の光パワーに切り替えることを特徴とする請求項1ないし4の何れか一記載の画像形成装置。
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